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特許7498170ロードロック本体部分、ロードロック装置、及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】ロードロック本体部分、ロードロック装置、及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20240604BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20240604BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
H01L21/31 B
H01L21/205
C23C16/44 F
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021520570
(86)(22)【出願日】2019-10-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 US2019056383
(87)【国際公開番号】W WO2020081600
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】16/164,214
(32)【優先日】2018-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マルビヤ, ラム ダヤル
(72)【発明者】
【氏名】モーリ, トラヴィス
(72)【発明者】
【氏名】コストゥロス, テオドッシオス ヴィー.
(72)【発明者】
【氏名】クチャル, マイケル シー.
(72)【発明者】
【氏名】マッデーラ, パーンドゥ
(72)【発明者】
【氏名】ギリュム, リチャード
(72)【発明者】
【氏名】エング, エドワード
【審査官】原島 啓一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-034739(JP,A)
【文献】特開2004-311550(JP,A)
【文献】特開2009-065033(JP,A)
【文献】特開2012-004381(JP,A)
【文献】特開2018-148194(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0510459(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/205
H01L 21/365
H01L 21/469
H01L 21/67-21/683
H01L 21/86
C23C 16/00-16/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロードロック装置の本体部分であって、
一以上の表面と、
前記一以上の表面の第1の表面の中で第1の表面に沿って延在する第1の溝と、
前記第1の溝に受け入れられた第1のチューブであって、液体を搬送するように構成された第1のチューブと
を備えており、
前記第1の溝が、前記第1のチューブを受け入れるように構成された第1の部分と、前記第1のチューブを少くとも部分的に覆うプレートを受け入れるように構成された第2の部分を含む
ロードロック装置の本体部分。
【請求項2】
ロードロック装置の本体部分であって、
一以上の表面と、
前記一以上の表面の第1の表面の中で第1の表面に沿って延在する第1の溝と、
前記第1の溝に受け入れられた第1のチューブであって、液体を搬送するように構成された第1のチューブと
を備えており、
前記第1の表面に隣接して位置し、前記第1のチューブを少なくとも部分的に覆うプレートをさらに備えている、ロードロック装置の本体部分。
【請求項3】
ロードロック装置の本体部分であって、
一以上の表面と、
前記一以上の表面の第1の表面の中で第1の表面に沿って延在する第1の溝と、
前記第1の溝に受け入れられた第1のチューブであって、液体を搬送するように構成された第1のチューブと
を備えており、
前記本体部分に位置した第2の表面と、
前記第2の表面の中で前記第2の表面に沿って延在する第2の溝と、
前記第2の溝に受け入れられた第2のチューブであって、液体を搬送するように構成された第2のチューブと
をさらに備えている、ロードロック装置の本体部分。
【請求項4】
前記第1のチューブ及び前記第2のチューブに連結された液体調整器であって、前記第1のチューブ及び前記第2のチューブを通る液体流量を調節するように構成された液体調整器をさらに備えている、請求項に記載のロードロック装置の本体部分。
【請求項5】
前記第1の表面が、前記第2の表面に対して平行である、請求項に記載のロードロック装置の本体部分。
【請求項6】
前記第1のチューブが、前記第1の溝の中に加締められている、請求項1から3のいずれか一項に記載のロードロック装置の本体部分。
【請求項7】
前記第1のチューブが銅を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のロードロック装置の本体部分。
【請求項8】
前記第1の表面が、第2の本体部分の第2の表面に、少なくとも部分的に接触するように構成され、前記第2の表面が、前記第1の溝を、少なくとも部分的に覆う、請求項1または2に記載のロードロック装置の本体部分。
【請求項9】
前記第1のチューブに連結された液体調整器であって、前記第1のチューブを通る液体流量を調節するように構成された液体調整器をさらに備えている、請求項1から3のいずれか一項に記載のロードロック装置の本体部分。
【請求項10】
ロードロック装置であって、
第1の表面及び第2の表面を含む第1の本体部分と、
前記第1の表面に少なくとも部分的に接触している第3の表面を含む第2の本体部分と、
前記第1の表面の中で前記第1の表面に沿って延在する第1の溝と、
前記第2の表面の中で前記第2の表面に沿って延在する第2の溝と、
前記第1の溝に受け入れられた第1のチューブであって、液体を搬送するように構成された第1のチューブと、
前記第2の溝に受け入れられた第2のチューブであって、液体を搬送するように構成された第2のチューブと
を備えている、ロードロック装置。
【請求項11】
前記第1のチューブが、前記第1の溝の中に加締められている、請求項10に記載のロードロック装置。
【請求項12】
前記第3の表面が、前記第1の溝を少なくとも部分的に覆う、請求項10に記載のロードロック装置。
【請求項13】
前記第1のチューブを少なくとも部分的に覆う少なくとも1枚のプレートをさらに備えている、請求項10に記載のロードロック装置。
【請求項14】
前記第1の溝が、前記第1のチューブを受け入れるように構成された第1の部分と、前記第1のチューブを少なくとも部分的に覆うプレートを受け入れるように構成された第2の部分を含む、請求項10に記載のロードロック装置。
【請求項15】
前記第1のチューブ及び前記第2のチューブに連結された液体調整器であって、前記第1のチューブ及び前記第2のチューブを通る液体流量を調節するように構成された液体調整器をさらに備えている、請求項10に記載のロードロック装置。
【請求項16】
前記第1の本体部分の前記第2の表面に取り付けられた第3の本体部分をさらに備えている、請求項10に記載のロードロック装置。
【請求項17】
ロードロック装置を製造する方法であって、
前記ロードロック装置の第1の本体部分を設けることであって、当該第1の本体部分が第1の表面及び第2の表面を含む、第1の本体部分を設けること、
前記第1の表面に少なくとも部分的に接触している第3の表面を含む、前記ロードロック装置の第2の本体部分を設けること
前記第1の表面の中に、前記第1の表面に沿って第1の溝を形成すること、
前記第2の表面の中に、前記第2の表面に沿って第2の溝を形成すること、
前記第1の溝の中へ、液体を搬送するように構成された第1のチューブを挿入すること、及び
前記第2の溝の中へ、液体を搬送するように構成された第2のチューブを挿入すること
を含む、方法。
【請求項18】
前記第1の溝の中へ第1のチューブを挿入することが、前記第1の溝の中に前記第1のチューブを加締めることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
記第2の本体部分が前記第1の溝を少なくとも部分的に覆う、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、電子デバイス製造に関し、より具体的には、ロードロック装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]電子デバイス製造システムは、移送チャンバを有するメインフレームハウジングの周りに配置された複数の処理チャンバ、及び基板を移送チャンバ内に送る、且つ移送チャンバから送り出すように構成された一以上のロードロック装置を含み得る。幾つかの製造プロセス中に、基板はかなりの高温に加熱され得る。熱い基板がロードロック装置を通過するとき、基板はロードロック装置を加熱し、このことは、基板がロードロック装置にある間、基板を冷却することを困難にしてしまう。
【発明の概要】
【0003】
[0003]第1の態様では、ロードロック装置の本体部分が提供される。本体部分は、一以上の表面と、該一以上の表面の第1の表面の中で第1の表面に沿って延在する第1の溝と、該第1の溝に受け入れられた第1のチューブであって、液体を搬送するように構成された第1のチューブとを含む。
【0004】
[0004]別の態様では、ロードロック装置が提供される。ロードロック装置は、第1の表面及び第2の表面を含む第1の本体部分と、第1の表面に少なくとも部分的に接触している第3の表面を含む第2の本体部分と、第1の表面の中で第1の表面に沿って延在する第1の溝と、第2の表面の中で第2の表面に沿って延在する第2の溝と、第1の溝に受け入れられた第1のチューブであって、液体を搬送するように構成された第1のチューブと、第2の溝に受け入れられた第2のチューブであって、液体を搬送するように構成された第2のチューブとを含む。
【0005】
[0005]別の態様では、ロードロック装置を製造する方法が提供される。本方法は、ロードロック装置の第1の本体部分を設けることであって、当該第1の本体部分が表面を含む、第1の本体部分を設けること、表面の中に、表面に沿って溝を形成すること、及び溝の中へチューブを挿入することを含み、当該チューブは液体を搬送するように構成されている。
【0006】
[0006]本開示の他の特徴及び態様は、以下の詳細説明、付随する特許請求の範囲、及び添付の図面から、より網羅的に明らかになろう。
【0007】
[0007]後述する図面は、例示を目的としており、必ずしも縮尺通りではない。図面は、本開示の範囲を何らか限定することは意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一以上の実施形態に係る、2つのロードロック装置を含む電子デバイス処理システムの概略的な上面図を示す。
図2A】一以上の実施形態に係る、3つの本体部分を含むロードロック装置の上面等角図を示す。
図2B】一以上の実施形態に係る、3つの本体部分を含むロードロック装置の上面等角図を示す。
図3A】一以上の実施形態に係る、ロードロック装置の主要本体部分の上面等角図を示す。
図3B】一以上の実施形態に係る、ロードロック装置の第1の本体部分の部分断面図を示す。ロードロック装置の表面の中には、溝が形成されている。
図3C】一以上の実施形態に係る、ロードロック装置の第1の本体部分の部分断面図を示す。ロードロック装置の表面の中には、溝が形成されており、溝の中にチューブが位置する。
図4】一以上の実施形態に係る、ロードロック装置の第1の本体部分の底面図を示す。
図5】一以上の実施形態に係る、ロードロック装置の底面図を示す。
図6】一以上の実施形態に係る、ロードロック装置に連結された液体流量コントローラを概略的に示す。
図7】一以上の実施形態に係る、ロードロック装置を製造するための方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0018]添付図面に示されているこの開示の例示的な実施形態を、以下で詳細に参照する。複数の図を通して同じ又は類似した部分を参照するために、可能な限り、図面全体を通して同じ参照番号が使用される。別途特段に明記されない限り、本明細書に記載の様々な実施形態の特徴は互いに組み合わされ得る。
【0010】
[0019]電子デバイス製造は、複数のプロセスにおいて、種々の環境条件に基板を曝露することを含み得る。これらの環境条件は、基板を、様々な薬剤及びかなりの高温に曝露することを含み得る。種々のプロセスの間では、周囲の空気が基板に悪影響を及ぼすのを防止するために、基板を制御された環境に維持することができる。例えば、水蒸気又は酸素に曝露することは、幾つかの基板に悪影響を及ぼし得る。
【0011】
[0020]電子デバイス製造は、電子デバイス処理装置において実行され得る。電子デバイス処理装置は、一以上の処理チャンバに基板を分配し、且つそれらから基板を受け取る移送チャンバを含み得る。一以上のロードロック装置は、該移送チャンバと電子フロントエンドモジュール(EFEM)との間に連結され得る。基板は、ロードロック装置を介して、移送チャンバとEFEMとの間で搬送される。
【0012】
[0021]基板が曝露される制御された環境は、基板がEFEMと移送チャンバとの間を搬送されるとき、基板にロードロック装置を通過させることによって、維持され得る。ロードロック装置は、EFEMに隣接する第1の開口部、及び移送チャンバに隣接する第2の開口部を有し得る。移送チャンバからEFEMに基板を搬送する間、第1の開口部は密封され得、第2の開口部は、ロードロック装置に基板を受け入れるために、開封され得る。基板がロードロック装置の中にあるとき、両開口部は密封され得る。次いで、ロードロック装置内の環境条件が、設定され得る。次いで、第1の開口部は開封され、基板はロードロック装置から取り出され、EFEMへと搬送され得る。
【0013】
[0022]移送チャンバからロードロック装置に入る基板は、極めて熱く、ロードロック装置の本体を加熱し得る。ロードロック装置の中には、基板が移送チャンバに搬送される前に、基板を加熱し得るものもある。両方のロードロック装置の実施形態では、ロードロック装置の本体は熱くなり得、高温のロードロック装置に接触するオペレータは傷害を被る恐れがある。ロードロック装置の中には、基板を冷却するための冷却装置を含むものもある。しかし、ロードロック本体は、上述のように加熱されていることがあり、このことは基板を冷却することを困難にしてしまう。
【0014】
[0023]本明細書に開示のロードロック装置は、少なくとも1つの表面を含む、一以上の本体部分を有する冷却されたロードロックを含み得る。少なくとも1つの溝が、少なくとも1つの表面の中で表面に沿って延在する。液体(例えば冷却液)を搬送するように構成されたチューブが、溝の中に位置し得る。本体部分からの熱が、チューブを介して液体へと搬送されることがあり、このことが本体部分を冷却するように動作する。幾つかの実施形態では、チューブは、良好な熱導体である銅又は他の熱伝導性材料を含む。チューブが溝の中に固く留め(加締め)られることにより、チューブがしっかりと嵌まり、それぞれの本体部分内の各チューブの接触が強化され得る。これにより、本体部分から、チューブ及びその中に搬送された液体への熱伝達が向上する。
【0015】
[0024]ロードロック装置のための本体部分の例示的な実施形態のさらなる詳細(例えば冷却されたロードロック)、熱的に制御されたロードロック装置、及びその製造方法は、本明細書の図1から図7を参照して説明される。
【0016】
[0025]図1は、電子デバイス処理装置の概略図の上面図を示す。電子デバイス処理装置は、一以上のプロセス(例えば、ガス抜き、洗浄若しくは予洗浄、堆積(化学気相堆積(CVD)、物理的気相堆積(PVD)、若しくは原子層堆積)、コーティング、酸化、窒化、エッチング、研磨、リソグラフィ等)を加えることによって、基板(例えば、300mm又は450mmのシリコンを含有するウエハ、シリコンプレート等)を処理するよう適合され得る。
【0017】
[0026]示された電子デバイス処理装置100は、そこに形成された移送チャンバ102を含むメインフレームハウジング101を含み得る。移送チャンバ102は、リッド(例示目的のために取り外された)、底部、及び側壁によって形成され得、例えば、幾つかの実施形態では、真空で維持され得る。メインフレームハウジング101は、任意の適切な形状(正方形、長方形、五角形、六角形、七角形、八角形(図示)、九角形又は他の幾何学的形状など)を含み得る。示された実施形態では、マルチアームロボットなどのロボット106は、移送チャンバ102の少なくとも部分的に内側で受け入れられてもよく、移送チャンバ102の周りに配置された様々なチャンバ(例えば、一以上の処理チャンバ104及び/又は一以上のロードロック装置108)にサービスを提供するためにその中で動作可能であるように適合され得る。本明細書で使用される場合の「サービス」とは、ロボット106のエンドエフェクタ106Aで、チャンバ(例えば、処理チャンバ104及び/又はロードロック装置108)の中へ基板105を配置する又はチャンバの外へ基板105を取り出すことを意味する。図1に示された移送チャンバ102は、6つの処理チャンバ104及び2つのロードロック装置108に連結されている。しかし、他の数量の処理チャンバ104及びロードロック装置108が使用されてもよい。
【0018】
[0027]ロボット106は、ロボット106のエンドエフェクタ106A(ブレードと称されることもある)に取り付けられた基板105(「ウエハ」又は「半導体ウエハ」と称されることもある)を、一以上のスリットバルブアセンブリ107を介して、目的地との間で取り出し及び配置するように適合され得る。図1の示された実施形態では、ロボット106は、様々な処理チャンバ104及び/又はロードロック装置108との間に基板105を搬送する十分な移動度を有する任意の適切なマルチアームロボットであり得る。
【0019】
[0028]ロードロック装置108は、電子フロントエンドモジュール(EFEM)110のインターフェースチャンバ111と相互作用するように適合され得る。EFEM110は、基板キャリア114(例えば、EFEM110の前壁上の負荷ポート112にドッキングした前方開口型統一ポッド)から基板105を受け取り得る。ロード/アンロードロボット118(点線で示す)を使用して、基板キャリア114とロードロック装置108との間で基板105を搬送することができる。スリットバルブアセンブリ107は、処理チャンバ104の開口部の幾つか又はすべてに、また、ロードロック装置108の開口部の幾つか又はすべてに設けられ得る。
【0020】
[0029]基板は、EFEM110から移送チャンバ102の中に受け入れられることがあり、また、移送チャンバ102を出て、EFEM110の表面(例えば後壁)に結合されたロードロック装置108を通ってEFEM110に達することもある。ロードロック装置108は、一以上のロードロックチャンバ(例えば、ロードロックチャンバ114A、114B)を含み得る。ロードロック装置108に含まれるロードロックチャンバ114A、114Bは、例えば、単一ウエハロードロック(SWLL)チャンバ、マルチウエハチャンバ、又はこれらの組み合わせであり得る。
【0021】
[0030]次に、冷却を含むロードロック装置208の上面等角図を示す、図2A及び図2Bを参照する。ロードロック装置208は、図1のロードロック装置108と実質的に類似し得る。幾つかの実施形態では、ロードロック装置208は、一以上の本体部分220を含み得、それらは、第1の本体部分220A、第2の本体部分220B、及び第3の本体部分220Cと称され得る。本体部分220は、例えば、アルミニウム6061-T6材料又は他の適切な熱伝導性金属から作製され得る。第1の本体部分220Aは、主要本体部分と称され得、第2の本体部分220Bは、上側リッドと称され得、第3の本体部分220Cは、下側ベルジャーと称され得る。本体部分220は、個々の本体部分220のインターフェース間の気密封止を形成するように、ファスナ(図示せず)及びシールを使用することにより、互いに固定され得る。第2の本体部分220Bは、第1の表面221A及び第2の表面221Bを含むプレート221を含み得る。
【0022】
[0031]第1の本体部分220Aは、第1の外側インターフェース222A及び第2の外側インターフェース222Bを含み得る。第1の外側インターフェース222A及び第2の外側インターフェース222Bは、メインフレームハウジング101(図1)又はEFEM110(図1)の外壁に接触するように構成され得る。スリットバルブアセンブリ107(図1)は、第1の外側インターフェース222Aと第2の外側インターフェース222Bの両方の少なくとも一部に連結され得る。
【0023】
[0032]第1の外側インターフェース222Aは、第1の開口部224Aを含み得、第2の外側インターフェース222Bは、第2の開口部224Bを含み得る。第1の開口部224Aと第2の開口部224Bの両方は、基板105(図1)を、第1の本体部分220Aの中へ送り入れ、且つそれから送り出すように構成され得る。上述のように、基板105は熱くなり得、幾つかの実施形態では、ロードロック装置208の本体部分220を加熱し得る。幾つかの実施形態では、ロードロック装置208は、基板105を冷却及び/又は加熱するデバイス(図示せず)を含み得る。基板105の冷却は、本体部分220があまりに高温であるとき、非効率的であり得る。
【0024】
[0033]ロードロック装置208は、本体部分220の表面の中に形成され、且つ表面に沿って延在する溝(図2A及び図2Bには示さず)に受け入れられた一以上のチューブ(例えば冷却ライン)を含み得る。図2A及び図2Bに示された実施形態では、ロードロック装置208は、第1の本体部分220Aの第1の表面228Aの中で第1の表面228Aに沿って延在する溝(例えば図3の第1の溝350)の中に受け入れられた第1のチューブ226を含み得る。第1のチューブ226は、第1の開口部226A及び第2の開口部226Bを含み得、液体(図示せず)が第1の開口部226Aと第2の開口部226Bとの間に搬送され(流れ)得る。第1の開口部226Aは、そこに取り付けられた第1のカプラ229Aを有し得、第2の開口部226Bは、そこに取り付けられた第2のカプラ229Bを有し得る。第1のカプラ229A及び第2のカプラ229Bは、第1のチューブ226を、液体調整器680(図6)又は他の液体搬送デバイスに連結し得、液体源に相互接続させることができる。
【0025】
[0034]第2のチューブ232は、第1の本体部分220Aの第2の表面228Bの中に形成され、且つ第2の表面228Bに沿って延在する溝(例えば図4の第2の溝450)に受け入れられ得る。幾つかの実施形態では、第1の表面228Aは第2の表面228Bに対して平行であり得る。第2のチューブ232は、第1の開口部232A及び第2の開口部232Bを含み得、液体(図示せず)が第1の開口部232Aと第2の開口部232Bとの間に搬送され得る。第1の開口部232Aは、そこに取り付けられた第1のカプラ234Aを有し得、第2の開口部232Bは、そこに取り付けられた第2のカプラ234Bを有し得る。第1のカプラ234A及び第2のカプラ234Bは、第2のチューブ232を、液体調整器680(図6)又は他の液体搬送デバイスに連結し得、液体源に相互接続させることができる。
【0026】
[0035]第3の本体部分220Cは、第1の表面240A及び第2の表面240Bを含み得る。第1の表面240Aは、第1の本体部分220Aの第2の表面228Bの少なくとも一部に当接し得、第2の表面240Bは、ロードロック装置208の下面であり得る。第3のチューブ242は、第2の表面240Bの中に形成され、且つ第2の表面240Bに沿って延在する溝(例えば図5の第3の溝550)に受け入れられ得る。第3のチューブ242は、第1の開口部242A及び第2の開口部242Bを含み得、液体(図示せず)が第1の開口部242Aと第2の開口部242Bとの間に搬送され得る。第1の開口部242Aは、そこに取り付けられた第1のカプラ244Aを有し得、第2の開口部242Bは、そこに取り付けられた第2のカプラ244Bを有し得る。第1のカプラ244A及び第2のカプラ244Bは、第3のチューブ242を、液体調整器680(図6)又は他の液体搬送デバイスに連結し得、液体源に相互接続させることができる。
【0027】
[0036]第1のブラケット246Aは、第2のチューブ232の第1の開口部232A及び第1のカプラ234Aを、第1の本体部分220Aの第2の表面228Bから支持し得る。第2のブラケット246Bは、第2の開口部232B及び第2のカプラ234Bを、第1の本体部分220Aの第2の表面228Bから支持し得る。第3のブラケット246Cは、第3のチューブ242の第1の開口部242A及び第1のカプラ244Aを、第3の本体部分220Cの第2の表面240Bから支持し得る。第4のブラケット246Dは、第3のチューブ242の第2の開口部242B及び第2のカプラ244Bを、第3の本体部分220Cの第2の表面240Bから支持し得る。
【0028】
[0037]次に、第1の本体部分220Aの上面等角図を示す図3Aを参照する。第1の本体部分220Aは、第1の開口部224A及び第2の開口部224Bを介して、基板(例えば図1の基板105)を受け入れるようにサイズ決めされ、且つ構成され得るチャンバ314又はチャンバ314の一部を含み得る。第1の表面228Aは、第1の溝350を含み得る。第1の溝350は、第1の表面228Aに形成され、第1の表面228Aの中で第1の表面228Aに沿って延在する。幾つかの実施形態では、第1の溝350は、チャンバ314を少なくとも部分的に囲み得る。第1の溝350は、その中に第1のチューブ226を受け入れるようにサイズ決めされ、且つ構成され得る。
【0029】
[0038]第1の溝350を含む第1の本体部分220Aの部分断面図を示す図3Bをさらに参照する。第1の本体部分220Aの部分断面図を示す図3Cもさらに参照する。第1の本体部分220Aは、第1の溝350を含み、第1の溝350には第1のチューブ226が受け入れられている。第2のチューブ232(図2A)、第3のチューブ242(図2A)、第2の溝450(図4)、及び第3の溝550(図5)は、第1の溝350及び第1のチューブ226と同一又は実質的に類似し得る。
【0030】
[0039]図3B及び図3Cに示された第1の溝350は、上側部分354A及び下側部分354Bを含み得る。上側部分354Aは、深さD31及び幅W31を有し得る。下側部分354Bは、半径R31を含み得る。半径R31は、第1のチューブ226の外半径よりもわずかに大きい可能性がある。第1のチューブ226は、第1の溝350の下側部分354Bの中へ押される又は固く留められ得る。第1のチューブ226は、第1の溝350の中へ押される又は固く留められたときにわずかに変形し得る軟性の熱伝導性の高い金属(例えば銅)から作製され得る。第1のチューブ226を第1の溝350へと変形及び/又は固く留めることは、第1の本体部分220Aと第1のチューブ226との間の緊密な嵌合(線形の又は圧縮された嵌合)をもたらし、このことは、第1の本体部分220Aと第1のチューブ226との間の伝導性熱伝達をかなり強化し得る。固く留める動作は、溝350の下側部分354Bの壁と直接密接に熱接触する第1のチューブ226のそれぞれの表面積を劇的に改善する。第1のチューブ226の長さに沿った材料は、第1の本体部分220Aから、第1のチューブ226を介して搬送された液体へと熱を伝導するような、良好な熱伝導体であり得る。
【0031】
[0040]幾つかの実施形態では、熱伝導性金属プレートなどのプレート356は、第1の溝350の上側部分354Aに配置されてもよく、第1のチューブ226を下側部分354Bに押し入れることができる。例えば、プレート356は、図3Cに示されるように、第1のチューブ226の上部又は他の部分に接触するか、又は上部又は他の部分をさらに変形させ得る。このことは、第1の溝350内での第1のチューブの緊密な嵌合を強化する。さらに、プレート356は、壁と接触していない第1のチューブ226の部分と接触することにより、第1のチューブとの熱接触をさらに強化することができ、これにより、第1の本体部分220Aへの熱橋を設ける。幾つかの実施形態では、第1の溝350は、ねじ式穴を含む複数のポケット358(幾つかはラベル付き)を含み得る。このねじ式穴は、プレート356を第1の溝350の上側部分354Aに固定させるファスナ(例えばねじ)を受け入れ得る。チューブを固く留めることは、第1のチューブの長さのすべて又は一部に沿って第1のチューブに接触するツールによって実現することができることを認識するべきである。第1のチューブ226を溝350の下側部分354Bに固く留めるために、適切な変形力がツールに適用され得る。
【0032】
[0041]第1の溝350の幾つかの実施形態は、上側部分354Aを含まない。むしろ、第1の溝350は、下側部分354Bのみを含み得る。かかる実施形態では、第1のチューブ226の上部は、第1の表面228Aによって画定された平面に近接し得る。平坦な金属片などの、1つ以上のプレート(例えば図5のプレート560)は、第1の溝350の上に配置され得、プレート356と同様の様式で第1のチューブ226と接触及び/又は第1のチューブ226を変形し得る。幾つかの実施形態では、第1の溝350は、第2の本体部分220Bによって少なくとも部分的に覆われ得る。例えば、図2A及び図2Bに示されるように、プレート221の第2の表面221Bは、第1の溝350に位置する第1のチューブ226の少なくとも一部に接触し得る。
【0033】
[0042]次に、第1の表面228Aの反対側の第1の本体部分220Aの第2の表面228Bの上面平面図を示す図4を参照する。第2の溝450は、第2の表面228Bの中で第2の表面228Bに沿って延在し得、第2のチューブ232を受け入れ得る。第2の溝450は、第1の溝350(図3B及び図3C)が第1のチューブ226を受け入れるようにサイズ決めされ、構成されるのと同じ様式で、第2のチューブ232を受け入れるようにサイズ決めされ、構成され得る。第2の溝450は、3つの部分、すなわち、第1の部分450A、第2の部分450B、及び第3の部分450Cを含み得る。第1の部分450A及び第3の部分450Cは、上側部分、又は第2の部分450Bよりも広い他の部分を含み得る。プレートは、上側部分に受け入れられ、又は上側部分を覆い得る。例えば、第1の部分450A及び第3の部分450Cは、プレートを受け入れるように構成され得、又は第2の溝450の中に第2のチューブ232を固定させるために、プレートによって覆われ得る。幾つかの実施形態では、プレートは、プレート356(図3C)と実質的に類似又は同一であり得る。第1の部分450A及び第3の部分450Cは、プレートを第2の溝450に固定するファスナ(例えばねじ)を受け入れるポケット458を含み得る。
【0034】
[0043]第2の溝450の第2の部分450Bは狭く、第3の本体部分220Cの表面が、その中に位置する第2のチューブ232に押し付けられるように構成され得る。例えば、第1の表面240A(図2A及び図2B)の少なくとも一部分が、第2の溝450の第2の部分450Bに当接し得、第2のチューブ232を第2の溝450に押し入れ得る。図4に示されるように、第1のブラケット246A及び第2のブラケット246Bの部分が、第2の溝450の部分を覆い得、第2のチューブ232を第2の溝450に押し入れ得る。
【0035】
[0044]次に、ロードロック装置208の底面図を示す図5を参照する。図5は、第3の本体部分220Cの第2の表面240Bを含み、第2の表面240Bの中で第2の表面240Bに沿って延在し得る第3の溝550を含み得る。第3のチューブ242は、第3の溝550の中に受け入れられ得る。例えば、第3のチューブ242は、第3の溝550の中に固く留められ得る。第2の表面240Bは、ロードロック装置208の底部であり得るので、それに当接する別の本体部分を有さない可能性がある。そうでない場合は、第3の溝550の中に第3のチューブ242を維持するであろう。プレート560は、第3の溝550の少なくとも一部の上に位置決めされてもよく、第3のチューブ242の少なくとも一部を覆い得る。したがって、プレート560は、第3の溝550の中に第3のチューブ242を維持し得る。
【0036】
[0045]チューブ226、232、242は、液体を搬送するように構成され得る。幾つかの実施形態では、これによりロードロック装置208が冷却され得る。例えば、普通の水(例えば水道水)又はロードロック装置208が位置する製造施設からの水は、ロードロック装置208を冷却するために、チューブ226、232、242を通じてポンプで吸い上げられ得る。水の使用により、費用対効果の高い冷却がもたらされる。
【0037】
[0046]次に、チューブ226、232、242を通る液体流量を制御し得る液体流量制御アセンブリ658の実施形態を概略的に示す図6を参照する。液体流量制御アセンブリ658は、(プロセッサ及びメモリを含むデジタルコンピュータであり得る)コントローラ682を含み得、それはロードロック装置208又はその部分の温度をモニタし得る。液体流量制御アセンブリ658は、制御信号を生成し、モニタリングに応答して、チューブ226、232、242を通る液体流量を制御する。例えば、コントローラ682は、液体調整器680に送信される制御信号を生成し得る。制御信号により、液体調整器680(一連の適切なアクティブ弁又は比例弁を含み得る)は、制御信号に応答して、チューブ226、232、242のうちの特定のチューブを通して液体流量を方向付けることができる。温度モニタリングは、本体部分220A~220Cの一以上に連結された一以上の温度センサ683によって提供され得る。温度センサ683は、コントローラ682に温度フィードバックを提供する。制御信号は、一以上のセンサ683からの温度フィードバック信号に応答して生成されて、一以上の本体部分220A~220Cを一以上の所望の温度設定点に制御することができる。幾つかの実施形態では、液体調整器680は、液体の冷却(及び/又は加熱)を容易にし得る。ロードロック装置208(図2A)の幾つかの実施形態は、コントローラ682に連結されない可能性があるが、受動型であってもよい。例えば、ロードロック装置208のこれらの受動型実施形態は、チューブ226、232、242を通じて冷却水を連続的にポンプで吸い上げ得る。したがって、これは本体部分220A~220Cの一以上を冷却する。
【0038】
[0047]ロードロック装置208は、従来のロードロック装置と比較して利点を含み得る。例えば、従来のロードロック装置の中には、冷却液を搬送するために、銃で穿孔された孔を含むものもある。本明細書に開示の溝は、従来のガンドリル加工された孔よりも製造するのがより容易で、より廉価であり、クロス閉塞(cross-plugging)を有さない。ガンドリル加工された孔を含む従来のロードロック装置は、本体部分を直接冷却液にさらし、よって、非腐食性の液体は冷却のために使用され、それは水よりも費用がかかる。例えば、従来のロードロック装置の中には、冷却液として、脱イオン水と混合したエチレングリコールを使用するものもある。本明細書に開示のロードロック装置208は、冷却液を搬送するためにチューブ226、232、242を含み、よって本体部分は冷却液にさらされない。したがって、水又は他の費用対効果が高い冷却液は、ロードロック装置208で使用され得る。加えて、脱イオン水と混合されたエチレングリコールなどの冷却液を使用する従来のロードロック装置は、熱交換器を含み、それはさらに、ロードロック装置の費用を増加させ得る。チューブ226、232、242を通過する冷却水の使用には、廃水が単に処分される受動型のように、必ずしも熱交換機が必要とされない。
【0039】
[0048]別の態様では、ロードロック装置(例えばロードロック装置208)を製造する方法は、図7のフロー図700によって開示され、示される。ロードロック装置208は、冷却されたロードロックであり得る。本方法は、702において、冷却されたロードロック装置の第1の本体部分(例えば第1の本体部分220A)を設けることを含み得、該第1の本体部分は、表面(例えば第1の表面228A)を含む。本方法は、704において、該表面の中に、該表面に沿って溝(例えば第1の溝350)を形成することを含み得る。本方法は、706において、該溝の中へチューブ(例えば第1のチューブ226)を挿入することを含み得、該チューブは液体を搬送するように構成される。チューブは溝の中に固く留められ得、したがって溝の表面との熱接触を増大させる。
【0040】
[0049]上述の説明は、本開示の例示的な実施形態を開示している。本開示の範囲に含まれる先に開示された装置、システム、及び方法の変形例が、当業者には容易に自明であろう。従って、本開示は例示的な実施形態に関連して開示されているが、他の実施形態も、以下の特許請求の範囲によって規定される本開示の範囲に含まれ得ると理解されたい。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7