(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-03
(45)【発行日】2024-06-11
(54)【発明の名称】薄膜トランジスタ
(51)【国際特許分類】
H01L 29/786 20060101AFI20240604BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240604BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20240604BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
H01L29/78 618E
H01L29/78 618Z
H01L29/78 618B
H01L27/088 331E
H01L27/088 B
(21)【出願番号】P 2021571521
(86)(22)【出願日】2020-06-04
(86)【国際出願番号】 US2020036134
(87)【国際公開番号】W WO2020247640
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2022-02-22
(32)【優先日】2019-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム, ユン ベ
(72)【発明者】
【氏名】イム, ドンギル
(72)【発明者】
【氏名】チェ, スー ヤン
【審査官】岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-156482(JP,A)
【文献】特開2015-188063(JP,A)
【文献】特開2014-143414(JP,A)
【文献】特開2019-067791(JP,A)
【文献】特開2015-043443(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0329353(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0097059(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0301343(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105917450(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109585455(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/786
H01L 21/336
H01L 27/088
H01L 21/8234
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
基板、
第1の薄膜トランジスタ(TFT)の第1の半導体チャネルであって、前記第1の半導体チャネルが、前記基板の上に配置され、前記第1の半導体チャネルが、
第1の電子移動度を有する第1の層、および
前記第1の層に接触している第2の層であって、前記第2の層が、前記第1の層より大きい電子移動度を有し、前記第1のTFTが、約35cm
2/V・sから約70cm
2/V・sの電子移動度を有する、第2の層を含み、前記第1の層が前記第2の層の上にある、第1の半導体チャネル、
前記第1のTFTの第1のゲート絶縁体層の上に配置された第1のゲート電極、
前記第1のゲート電極の上に配置された層間誘電体(ILD)層、
前記第1の半導体チャネルに接触している第1のソース電極であって、前記ILD層のソース電極ビア内に配置された第1のソース電極
、
前記第1の半導体チャネルに接触している第1のドレイン電極であって、前記ILD層の第1のドレイン電極ビア内に配置された第1のドレイン電極
、
前記基板の上に配置された、第2のTFTの第2の半導体チャネルであって、前記第2の半導体チャネルが、前記第1のTFTの前記第2の層の前記電子移動度より小さい電子移動度を有し、前記第2の半導体チャネルが、前記第2のTFTの第2のゲート絶縁体層と接触しており、前記第2のゲート絶縁体層が、前記第2の半導体チャネルの上に配置されている、第2の半導体チャネル、
前記第2のゲート絶縁体層の上に配置された第2のゲート電極、
前記第2の半導体チャネルに接触している第2のソース電極であって、前記ILD層の第2のソース電極ビア内に配置された第2のソース電極、ならびに
前記第2の半導体チャネルに接触している第2のドレイン電極であって、前記ILD層の第2のドレイン電極ビア内に配置された第2のドレイン電極、
を含み、
前記第2のTFTが、約-1.5V以上であり、かつ負の値のしきい値電圧を有する、デバイス。
【請求項2】
前記第2のTFTが、
前記基板の上に配置された第2のボトムゲート電極、および
前記第2のボトムゲート電極の上に配置されたボトム絶縁体層、
をさらに含む、請求項
1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1のTFTが、
前記基板の上に配置された第1のボトムゲート電極をさらに含み、
前記ボトム絶縁体層が、前記第1のボトムゲート電極の上に配置されている、
請求項
2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1のTFTが、
前記基板の上に配置された第1のボトムゲート電極をさらに含み、
ボトム絶縁体層が、前記第1のボトムゲート電極の上に配置されている、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1の半導体チャネルが、1つ以上の追加の層をさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記第1の半導体チャネルの各層が、約0.5nmから約50nmの厚さを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
デバイスであって、
基板、
前記基板の上に配置された、第1の薄膜トランジスタ(TFT)の第1の半導体チャネルであって、前記第1の半導体チャネルが、
第1の電子移動度を有する第1の層、および
前記第1の層に接触している第2の層であって、第2の電子移動度が、前記第1の電子移動度より大きく、前記第1のTFTが、約35cm
2/V・sから約70cm
2/V・sの電子移動度を有する、第2の層を含み、前記第1の層が前記第2の層の上にある、第1の半導体チャネル、
前記基板の上に配置された第1のボトムゲート電極、
前記第1のボトムゲート電極の上に配置されたボトム絶縁体層、
前記第1の半導体チャネルの上に配置された層間誘電体(ILD)層、
前記第1の半導体チャネルに接触している第1のソース電極
、
前記第1の半導体チャネルに接触している第1のドレイン電極
、
前記基板の上に配置された、第2のTFTの第2の半導体チャネルであって、前記第2の半導体チャネルが、前記第1のTFTの前記第2の層の前記第2の電子移動度より小さい電子移動度を有し、前記第2の半導体チャネルが、前記第2のTFTの第2のゲート絶縁体層と接触しており、前記第2のゲート絶縁体層が、前記第2の半導体チャネルの上に配置されており、前記第2のTFTが、約-1.5V以上であり、かつ負の値のしきい値電圧を有する、第2の半導体チャネル、
前記第2のゲート絶縁体層の上に配置された第2のゲート電極、
前記第2の半導体チャネルに接触している第2のソース電極であって、前記ILD層の第2のソース電極ビア内に配置された第2のソース電極、ならびに
前記第2の半導体チャネルに接触している第2のドレイン電極であって、前記ILD層の第2のドレイン電極ビア内に配置された第2のドレイン電極、
を含む、デバイス。
【請求項8】
前記基板の上に配置された第2のボトムゲート電極をさらに含み、
前記ボトム絶縁体層が、前記第2のボトムゲート電極の上に配置されている、
請求項
7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記第1の半導体チャネルが、前記第1の半導体チャネル内の層の総数が奇数であるように、1つ以上の追加の層をさらに含む、請求項
7に記載のデバイス。
【請求項10】
前記第1の層及び前記第2の層の各々が、金属酸化物含有層である、請求項
7に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第1の層及び前記第2の層の各々が、In-Zn-O、In-Sn-O、In-Zn-Sn-O、In-Ga-O、In-Ga-Zn-O、In-Ga-Sn-O、In-Ga-Zn-Sn-O、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項
10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記第2の層が、前記第1の層より低い原子パーセントのガリウム(Ga)を有する、請求項
11に記載のデバイス。
【請求項13】
デバイスであって、
基板、
前記基板の上に配置された層間誘電体(ILD)層、
第1の薄膜トランジスタ(TFT)であって、
前記基板の上に配置された多層半導体チャネルであって、前記多層半導体チャネルが、
第1の電子移動度を有する第1の層、および
前記第1の層に接触している第2の層であって、前記第2の層が、約20cm
2/V・sより大きい第2の電子移動度を有する、第2の層を含み、前記第1の層が前記第2の層の上にある、多層半導体チャネル、
前記基板の上に配置された1つ以上のゲート電極の第1のセットであって、前記第1のセットのゲート電極の各々が、前記多層半導体チャネルの上または下に配置されている、ゲート電極の第1のセット、
前記第1のセットのゲート電極のうちの少なくとも1つの上または下に配置された第1の絶縁体層、
前記多層半導体チャネルに電気的に接触している第1のソース電極、ならびに
前記多層半導体チャネルに電気的に接触している第1のドレイン電極、
を含む第1のTFT、ならびに
第2のTFTであって、
前記基板の上に配置された第2の半導体チャネル、
前記基板の上に配置された1つ以上のゲート電極の第2のセットであって、前記第2のセットのゲート電極の各々が、前記第2の半導体チャネルの上または下に配置されている、ゲート電極の第2のセット、
前記第2のセットのゲート電極のうちの少なくとも1つの上または下に配置された第2の絶縁体層、
前記第2の半導体チャネルに電気的に接触している第2のソース電極、ならびに
前記第2の半導体チャネルに電気的に接触している第2のドレイン電極、
を含
み、約-1.5V以上であり、かつ負の値のしきい値電圧を有する、第2のTFT、
を含むデバイス。
【請求項14】
前記第1のTFTが、
前記多層半導体チャネルの上に配置された第1のゲート絶縁体層、および
前記第1のゲート絶縁体層の上に配置された、前記第1のセットのゲート電極のうちの第1のゲート電極、
をさらに含み、1つ以上のスタックのうちの最も上のスタックの前記第1の層が、前記第1のTFTの前記第1のゲート絶縁体層と接触している、請求項
13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記第2のTFTが、
前記第2の半導体チャネルの上に配置された第2のゲート絶縁体層、および
前記第2のゲート絶縁体層の上に配置された、前記第2のセットのゲート電極のうちの第2のゲート電極、
をさらに含む、請求項
14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記多層半導体チャネルの下に配置された、前記第1のセットのゲート電極のうちの第1のボトムゲート電極を、さらに含み、前記第1の絶縁体層が、前記第1のボトムゲート電極の上に配置されており、前記第1のボトムゲート電極のボトムゲート長が、前記第1のゲート電極のゲート長より長い、請求項
14に記載のデバイス。
【請求項17】
前記第1のTFTが、前記ILD層の上に配置された、前記第1のセットのゲート電極のうちの第1のトップゲート電極をさらに含む、請求項
13に記載のデバイス。
【請求項18】
前記第2のTFTが、前記ILD層の上に配置された、前記第2のセットのゲート電極のうちの第2のトップゲート電極をさらに含む、請求項
17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記第1の電子移動度が、約20cm
2/V・sより小さく、第2の電子移動度が、約20cm
2/V・sより大きく、前記第1の層が、前記第1のTFTの第1のゲート絶縁体層と接触しており、前記第1のゲート絶縁体層が、前記第1の半導体チャネルの上に配置されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項20】
前記第1の半導体チャネルが、第3の層をさらに含み、前記第3の層が、前記第1の層および前記第2の層の下に配置されており、前記第3の層が、前記第2の層の前記第2の電子移動度の前記電子移動度より小さい第3の電子移動度を有する、請求項
19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記第2のTFTが、約35cm2/V・sから約70cm2/V・sの電子移動度を有し、前記第1のTFTが、約-1.5Vから約2.5Vのしきい値電圧を有する、請求項
1
に記載のデバイス。
【請求項22】
前記第2の層が、Snを含まない、請求項1に記載のデバイス。
【請求項23】
前記第1の半導体チャネルの少なくとも1つの層が、Znを含まない、請求項1に記載のデバイス。
【請求項24】
前記第1のTFTの第1のゲート絶縁体層の上に配置された第1のゲート電極を、さらに含む、請求項
7に記載のデバイス。
【請求項25】
前記第2の半導体チャネルが、単一の層からなる、請求項
7に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、一般に装置に関し、より具体的には薄膜トランジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]薄膜トランジスタ(TFT)は、支持基板の上にアクティブ半導体層の薄膜、誘電体層、金属コンタクトを堆積させることによって作られた金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の一種である。TFTの用途の1つは液晶ディスプレイ(LCD)であるので、一般的な基板はガラスである。
【0003】
[0003]TFTは、LCDおよび有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイでの高解像度、低消費電力、および高速動作により、ディスプレイ用途において大きな関心を集めている。TFTは、ディスプレイのパネルに埋め込まれている。ディスプレイシステムのディスプレイモジュールからのデータラインおよびゲートライン電圧信号が、ピクセル回路および/または周辺ディスプレイパネル領域のゲートドライバ回路のTFTに送られ、TFTのオンとオフを切り替えて表示画像を制御する。より高い移動度でTFTの応答を改善することによって、および/またはピクセル間のクロストークを減らすことによって、画像の歪みが減少する。LCDテレビ(TV)やモニターを含むほとんどのディスプレイ製品は、パネルにTFTを含む。最新の高解像度で高品質の電子ビジュアルディスプレイデバイスの多くは、大量のTFTを備えたアクティブマトリックスベースのディスプレイを使用している。TFTテクノロジーの有益な側面の1つは、ディスプレイ上のピクセルごとに個別のTFTを使用することである。各TFTは、表示画像の制御を向上させるためにデータおよびゲート信号ラインを介して電圧と電流を制御することにより、ピクセル回路またはゲートドライバ回路のスイッチまたは電流源として機能する。高移動度TFTからのより大きいオン電流は、データおよびゲート信号電圧の歪みを最小限に抑えることにより、表示画像の高速リフレッシュとより良い画質を可能にする。
【0004】
[0004]当技術分野におけるTFTの1つの欠点は、チャネル移動度が低いためにオン電流が許容できないほど不十分になる可能性があることであり、これにより、特に高解像度および/または大画面ディスプレイの場合、TFTの応答速度が制限される。高速応答にとって十分なオン電流を流すために、TFTで高移動度チャネルを使用することが、しばしば望まれる。ただし、高移動度のTFTは、導電性の高いチャネル特性により、低移動度のTFTと比較して、通常、許容できないほど大きいオフリーク電流と負のしきい値電圧(ターンオン電圧など)を有する。TFTの正のしきい値電圧の場合、ゲート絶縁体と半導体チャネルの間の界面での半導体チャネルのキャリア濃度を下げる可能性があり、これにより移動度が低下する。したがって、TFTで高い移動度と正のしきい値電圧の両方を達成することは、困難な場合がある。最後に、当技術分野のTFTは、チャネル半導体中のキャリア濃度が高いために、望ましくないほど大きいオフリーク電流および負のしきい値電圧を有する可能性があり、これは、ディスプレイパネルの消費電力を増加させ、ディスプレイパネルの誤動作を引き起こす可能性がある。
【0005】
[0005]したがって、当技術分野で必要とされるのは、低いオフリーク電流および正のしきい値電圧(例えば、ターンオン電圧)を備えたTFTの改善されたチャネル移動度である。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本明細書の実施形態は、異なる移動度を有する層を備えたチャネル層スタックを含む薄膜トランジスタを含む。本明細書に開示される薄膜トランジスタ(TFT)は、高移動度チャネル層におけるより高いキャリア密度のために、低移動度および高移動度チャネル層の両方、ならびに/または高移動度チャネル層を通って、より大きい総電流を輸送し、これにより、TFTのオン電流がより大きいためにTFTの応答速度が増加する。
【0007】
[0007]一実施形態で、デバイスが提供される。デバイスは、基板、基板の上に配置された第1の薄膜トランジスタ(TFT)の多層半導体チャネル、多層半導体チャネルの上に配置された第1のゲート絶縁体層、第1のゲート絶縁体層の上に配置された第1のゲート電極、第1のゲート電極の上に配置された層間誘電体(ILD)層、多層半導体チャネルに接触する第1のソース電極、および多層半導体チャネルに接触する第1のドレイン電極を含む。多層半導体チャネルは、交互の電子移動度を有する2つの層の1つ以上のスタックを含む。2つの層は、約20cm2/Vs未満の第1の電子移動度を有する第1の層と、第1の層に接触する第2の層とを含む。第2の層は、約20cm2/V・sより大きい第2の電子移動度を有する。第1のTFTは、約35cm2/V・sから約70cm2/Vsの電子移動度を有する。第1の層は、第1のTFTの第1のゲート絶縁体層と接触している。第1のソース電極は、ILD層の第1のソース電極ビア内に配置されている。第1のドレイン電極は、ILD層の第1のドレイン電極ビア内に配置されている。第1のTFTは、約-0.5Vから約2.5Vのしきい値電圧を有する。
【0008】
[0008]別の実施形態で、デバイスが提供される。デバイスは、基板、基板の上に配置された第1の薄膜トランジスタ(TFT)の多層半導体チャネル、多層半導体チャネルの上に配置された第1のゲート絶縁体層、第1のゲート絶縁体層の上に配置された第1のゲート電極、基板の上に配置された第1のボトムゲート電極、第1のゲート電極の上に配置された層間誘電体(ILD)層、多層半導体チャネルに接触する第1のソース電極、および多層半導体チャネルに接触する第1のドレイン電極を含む。多層半導体チャネルは、交互の電子移動度を有する2つの層の1つ以上のスタックを含む。2つの層は、約20cm2/Vs未満の第1の電子移動度を有する第1の層と、第1の層に接触する第2の層とを含む。第2の層は、約20cm2/V・sより大きい第2の電子移動度を有する。第1のTFTは、約35cm2/V・sから約70cm2/Vsの電子移動度を有する。1つ以上のスタックのうちの最も上のスタックの第1の層は、第1のTFTの第1のゲート絶縁体層と接触している。第1のソース電極は、ILD層の第1のソース電極ビア内に配置されている。第1のドレイン電極は、ILD層の第1のドレイン電極ビア内に配置されている。第1のTFTは、約-0.5Vから約2.5Vのしきい値電圧を有する。
【0009】
[0009]さらに別の実施形態で、デバイスが提供される。デバイスは、基板、基板の上に配置された層間誘電体(ILD)層、第1の薄膜トランジスタ(TFT)、および第2のTFTを含む。第1のTFTは、基板の上に配置された多層半導体チャネルであって、交互の電子移動度を有する2つの層の1つ以上のスタックを含み、2つの層は、約20cm2/Vs未満の第1の電子移動度を有する第1の層、および第1の層に接触する第2の層であって、約20cm2/V・sより大きい第2の電子移動度を有する第2の層を含む、多層半導体チャネル、基板の上に配置された第1のボトムゲート電極、第1のボトムゲート電極の上に配置された第1のボトム絶縁体層、多層半導体チャネルに電気的に接触する第1のソース電極、ならびに多層半導体チャネルに電気的に接触する第1のドレイン電極を含む。第1のTFTは、約-0.5Vから約2.5Vのしきい値電圧を有する。第2のTFTは、基板の上に配置された単層半導体チャネルであって、約20cm2/Vs未満の電子移動度を有する単層半導体チャネル、基板の上に配置された第2のボトムゲート電極、第2のボトムゲート電極の上に配置された第2のボトム絶縁体層、単層半導体チャネルに電気的に接触する第2のソース電極、および第2の半導体チャネルに電気的に接触する第2のドレイン電極を含む。第1のTFTは、約35cm2/V・sから約70cm2/Vsの電子移動度を有する。第1のTFTは、約-0.5Vから約2.5Vのしきい値電圧を有する。第2のTFTは、約-0.5Vから約2.5Vのしきい値電圧を有する。
【0010】
[0010]本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明が、添付の図面にいくつかが示されている実施形態を参照することによって行われ得る。しかしながら、添付の図面は、例示的な実施形態のみを示し、したがって、その範囲を限定すると見なされるべきではなく、他の同等に効果的な実施形態を認めることができることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】いくつかの実施形態による、薄膜トランジスタの概略側面図を示す。
【
図1B】いくつかの実施形態による、薄膜トランジスタの概略側面図を示す。
【
図1C】いくつかの実施形態による、薄膜トランジスタの概略側面図を示す。
【
図1D】いくつかの実施形態による、薄膜トランジスタの概略側面図を示す。
【
図2A】いくつかの実施形態による、薄膜トランジスタの概略側面図を示す。
【
図2B】いくつかの実施形態による、薄膜トランジスタの概略側面図を示す。
【
図2C】いくつかの実施形態による、薄膜トランジスタの概略側面図を示す。
【
図2D】いくつかの実施形態による、薄膜トランジスタの概略側面図を示す。
【
図3A】いくつかの実施形態による、デバイスの概略側面図を示す。
【
図3B】いくつかの実施形態による、デバイスの概略側面図を示す。
【
図3C】いくつかの実施形態による、デバイスの概略側面図を示す。
【
図3D】いくつかの実施形態による、デバイスの概略側面図を示す。
【
図3E】いくつかの実施形態による、デバイスの概略側面図を示す。
【
図3F】いくつかの実施形態による、デバイスの概略側面図を示す。
【
図3G】いくつかの実施形態による、デバイスの概略側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0014]理解を容易にするため、可能な場合には、図に共通する同一の要素を示すために同一の参照番号が使用されている。一実施形態の要素および特徴は、さらに列挙することなく、他の実施形態に有益に組み込まれ得ることが企図されている。
【0013】
[0015]本明細書の実施形態は、異なる移動度を有する層を備えたチャネル層スタックを含む薄膜トランジスタ(TFT)を含む。本明細書に開示されるTFTは、高移動度チャネル層におけるより高いキャリア密度のために、低移動度および高移動度チャネル層の両方、ならびに/または高移動度チャネル層を通って、より大きい総電流を輸送し、これにより、TFTのオン電流がより大きいためにTFTの応答速度が増加する。TFTは、チャネル層スタックの上に配置されたゲート構造をさらに含む。ゲート構造は、1つ以上のゲート電極を含むので、TFTは、トップゲート(TG)、ダブルゲート(DG)、またはボトムゲート(BG)のTFTである。チャネル層スタックは、異なる移動度を有する複数の層を含む。異なる移動度を有する層は、TFTに様々な利点をもたらす。高移動度層は、TFTの応答速度を増加させる。低移動度層は、同じTFTの高移動度層よりも正のしきい値電圧(ターンオン電圧)と低いリーク電流を可能にする。低移動度層と高移動度層の組み合わせは、本明細書で説明するように、改善された移動度、より低いオフリーク電流、および正のしきい値電圧(ターンオン電圧)などの改善された品質を備えたTFTをもたらす。さらに、チャネル層スタックは、その中の層の組み合わせにより、実効移動度を有する。本明細書に開示される実施形態は、異なる移動度を有する層を備えたチャネル層スタックを含むTFTに有用であり得るが、これに限定されない。
【0014】
[0016]本明細書で使用される場合、「約」という用語は、表示値からの+/-10%の変動を指す。そのような変動が、本明細書で提供される任意の値に含まれ得ることが理解されるべきである。
【0015】
[0017]
図1A~
図1Dおよび
図2A~
図2Dは、いくつかの実施形態による、TFTの概略断面図を示している。本明細書に記載されているTFTのいずれも、従来の回路において従来のトランジスタとして動作するように構成されている。本明細書に記載のTFTのいずれも、デバイス内に含まれ得る。
【0016】
[0018]
図1Aは、一実施形態による、TFT100Aの概略断面図を示している。TFT100Aは、トップゲート(TG)TFTと見なすことができる。示されるように、TFT100Aは、基板101、ゲート構造121A、チャネル層スタック(あるいは、半導体チャネルと呼ばれる)104A、および層間誘電体(ILD)層110、ソース電極112、およびドレイン電極114を含む。
【0017】
[0019]基板101は、シリコンベースの基板、半導体ベースの基板、絶縁ベースの基板、ゲルマニウムベースの基板などの任意の適切な材料、および一般に、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイス構造に存在する1つ以上の一般的な層を含むことができる。基板101は、剛性ガラスまたは可撓性ポリイミド(PI)などの透明材料を含むことができ、これは、TFTが、テレビ、タブレット、ラップトップ、携帯電話または他のディスプレイなどのLCDまたはOLEDディスプレイ用途で使用される場合に有用であり得る。
【0018】
[0020]いくつかの実施形態では、バッファ層102が、基板101の上に配置され、チャネル層スタック104Aは、バッファ層102の上に配置される。ILD層110は、少なくともチャネル層スタック104A、バッファ層102、およびゲート構造121Aの上に配置されている。ソース電極112は、ILD層110のソース電極ビア116内に配置されている。ドレイン電極114は、ILD層110のドレイン電極ビア118内に配置されている。
【0019】
[0021]ゲート構造121Aは、チャネル層スタック104Aの上に配置されている。ゲート構造121Aは、チャネル層スタック104A内の電圧を調節するように構成されている。示されるように、ゲート構造121Aは、絶縁体層(あるいは、ゲート絶縁体層と呼ばれる)106およびゲート電極108を含む。絶縁体層106は、二酸化ケイ素を含むことができる。ゲート電極108は、チャネル層スタック104Aに電圧を供給するための電源(図示せず)としてゲートライン信号に接続されるように構成されている。ゲート電極108は、絶縁体層106の上に配置されている。ゲート電極108は、導電性材料を含む。
【0020】
[0022]バッファ層102は、単一の二酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNx)、多層の窒化ケイ素/酸化ケイ素(SiNx/SiOy)、酸窒化ケイ素(SiON)、他の絶縁材料、またはそれらの組み合わせなどの絶縁材料を含むことができる。ILD層110は、SiOx、SiNx、他の絶縁材料、またはこれらの組み合わせ(SiOy/SiNxを含む)などの絶縁材料を含むことができる。絶縁体層106は、シリコン、SiNx、他の絶縁材料、またはそれらの組み合わせなどの絶縁材料を含むことができる。ゲート電極108、ソース電極112、およびドレイン電極114はそれぞれ、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、銅(Cu)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、MoWを含む合金金属、MoW、TiCu、MoCu、MoCuMo、TiCuTi、MoWCu、MoWCuMoWを含む導電性材料の組み合わせ、インジウムスズ酸化物(InSnO)[ITO]やインジウム亜鉛酸化物(InZnO)[IZO]などの導電性金属酸化物を含む任意の導電性材料、またはそれらの任意の組み合わせなどの導電性材料を含む。
【0021】
[0023]チャネル層スタック104Aは、基板101の上に配置されている。チャネル層スタック104Aは、1つ以上の層105を含む。チャネル層スタック104Aが複数の層105を含む実施形態では、チャネル層スタック104Aは、多層チャネル層スタック(あるいは、多層半導体チャネル)と呼ばれることがある。チャネル層スタック104Aが1つの層105を含む実施形態では、チャネル層スタック104Aは、単層チャネル層スタック(あるいは、単層半導体チャネル)と呼ばれることがある。
【0022】
[0024]層105は、以下により詳細に示されるように、電子および/または正孔を伝導することを可能にする任意の材料を含む。1つ以上の層105は、バッファ層102の上に配置された第1の層105A、および第1の層の下に配置された第2の層105Bなどの、交互の移動度を有する2つの層を含むことができる。一実施形態によれば、第1の層105Aは、第2の層105Bの移動度よりも大きい移動度を有する。一実施形態によれば、第1の層105Aは、第2の層105Bの移動度よりも小さい移動度を有する。複数の層105の組み合わせは、約1cm2/Vsから約70cm2/Vs、例えば、約25cm2/Vsから約45cm2/Vs、例えば、約25cm2/Vsから約35cm2/Vs、または約35cm2/Vsから約45cm2/Vsの実効移動度を有するチャネル層スタック104Aをもたらす。
【0023】
[0025]第1の層105Aが第2の層105Bの移動度よりも大きい移動度を有する実施形態では、第1の層105Aは、チャネル層スタック104Aを通る電流の大部分を伝導し、これにより、チャネル層スタックは、第1の層105Aの高い移動度のために電流を効果的に伝導することができる。これらの実施形態では、TFTは、絶縁体層106と高移動度チャネル(例えば、第2の層105B)との間の界面でのより高いキャリア密度のために、より大きいオフリーク電流および負のしきい値電圧を有し得る。絶縁体層106の近くのキャリア密度を抑制することにより、低いオフリーク電流および正のしきい値電圧を得ることができ、これは、チャネル層スタック104Aの移動度を低下させる可能性がある。したがって、移動度としきい値電圧/オフリーク電流の間にはトレードオフがある。複数の層105の組み合わせは、約20cm2/V・sより大きい実効移動度を有するチャネル層スタック104Aをもたらす。一例では、幅と長さの比(W/L=40um/10um)が約4であるTFT100Aのしきい値電圧は、約-1.0Vから約1.0Vであり、ドレイン-ソース間電流は、ゲート-ソース間電圧(VGS)が約-20Vから約20V、ドレイン-ソース間電圧(VDS)が約1Vで、約1E-12Aから約8E-5Aであり、チャネル層スタック104Aの移動度は、約25cm2/Vsから約35cm2/Vsである。
【0024】
[0026]第1の層105Aが第2の層105Bの移動度よりも小さい移動度を有する実施形態では、第2の層105Bが、チャネル層スタック104Aを通る電流の大部分を伝導し、これにより、チャネル層スタックは、第2の層105Bの高い移動度のために電流を効果的に伝導することができる。さらに、第1の層105Aのより低い移動度は、高移動度層のみを備えたTFTに比べて、低減されたリーク電流およびより正のしきい値電圧(ターンオン電圧)を可能にする。したがって、低いオフリーク電流と正のしきい値電圧とともに、より高い実効移動度を簡単に得ることができる。複数の層105の組み合わせは、20cm2/V・sより大きい実効移動度を有するチャネル層スタック104Aをもたらす。一実施形態によれば、第1の層105Aは、約20cm2/V・s未満の移動度を有し、第2の層105Bは、約20cm2/V・sより大きい移動度を有する。一例では、幅(W)と長さ(L)の比(W/L=40um/10um)が約4であるTFT100Aのしきい値電圧は、約-0.5Vから約2.5Vであり、ドレイン-ソース間電流は、ゲート-ソース間電圧(VGS)が約-20Vから約20V、ドレイン-ソース間電圧(VDS)が約1Vで、約1E-13Aから約1E-4Aであり、移動度は、約35cm2/Vsから約70cm2/Vsである。
【0025】
[0027]一般に、本明細書に開示されるTFTのいずれも、約35cm2/V・sから約70cm2/Vsの電子移動度、約-0.5Vから約2.5Vのしきい値電圧、および約-20Vから約20Vのゲート-ソース間電圧(VGS)で約1E-13Aから約1E-4Aのドレイン-ソース間電流を有する。
【0026】
[0028]
図1Bは、一実施形態による、TFT100Bの概略断面図を示している。TFT100Bは、TFT100Bがチャネル層スタック104Aではなくチャネル層スタック104Bを含むことを除いて、TFT100A(
図1A)と同様である。TFT100Bは、TG TFTと見なすことができる。
【0027】
[0029]示されるように、チャネル層スタック104Bは、第1の層105A、第2の層105B、および第3の層105Cを含む複数の層105を含む。第3の層105Cは、バッファ層102の上かつ第2の層105Bの下に配置されている。
図1Bに示すように、第1の層105Aは、第2の層105Bと直接接触している。他の実施形態では、第1の層105Aと第2の層105Bとの間に配置された1つ以上の追加の層が存在する。
【0028】
[0030]複数の層105は、いくつかの実施形態によれば、
図1Bに示される3つの層105A、105B、105Cなどの奇数の層を含む。一実施形態によれば、第1の層105Aは、第2の層105Bよりも移動度が低く、第3の層105Cは、第2の層105Bよりも移動度が低く、第2の層105Bは、第1の層105Aよりもバッファ層102の近くに配置され、第3の層105Cは、第2の層105Bよりもバッファ層102の近くに配置されている。第1の層105Aは、第3の層105Cと同じ、より大きい、またはより小さい移動度を有することができる。一実施形態によれば、層105A、105B、105Cのそれぞれは、インジウム(In)を含む。一実施形態によれば、第1の層105Aおよび第3の層105Cは、約20cm
2/V・s未満の移動度を有し、第2の層105Bは、約20cm
2/V・sより大きい移動度を有する。
【0029】
[0031]第2の層105Bと第1の層105Aとの間のバンドベンディング、および第2の層105Bと第3の層105Cとの間のバンドベンディングのために、電子は、第2の層105Bに制限される。バンドベンディングは、第1の層105Aと第2の層105Bとの間、および/または第2の層105Bと第3の層105Cとの間のバンドギャップおよび/または価電子帯上端(VBM)の差によって引き起こされる。第2の層105Bに含まれる電子の数の増加は、第2の層の自由電荷密度を増加させ、ソース電極112からドレイン電極114への電流を増加させる。
【0030】
[0032]本明細書で説明するTFT100A、100Bは、それぞれ2つの層105A、105Bおよび3つの層105A、105B、105Cを含むが、チャネル層スタック104A、104Bには任意の数の層を含めることができることを理解されたい。例えば、チャネル層スタック104A、104Bは、特定の実施形態では、4つ、5つ、6つ、またはさらに多くの層105を含む。層105は、各層が隣接する層とは異なる移動度を有するように交互になっている。例えば、層105は、以下でさらに詳細に説明されるように、相対的に高い移動度と相対的に低い移動度を交互に繰り返す。
【0031】
[0033]一実施形態によれば、複数の層105は、2つの高移動度層および3つの低移動度層を含み、高移動度層は、隣接する低移動度層の間に配置されている。低移動度層と高移動度層の間のバンドベンディングにより、電子は、高移動度層に制限される。高移動度層に含まれる電子の数の増加は、高移動度層の自由電荷密度を増加させ、ソース電極112からドレイン電極114への電流を増加させる。さらに、複数の高移動度層を使用すると、ソース電極112からドレイン電極114への電流がさらに増加する。
【0032】
[0034]
図1Cは、一実施形態による、TFT100Cの概略側面図を示している。TFT100Cは、TFT100Cがゲート構造121Aではなくゲート構造121Bを含むことを除いて、TFT100A(
図1A)と同様である。TFT100Cは、ダブルゲート(DG)TFTと見なすことができる。
【0033】
[0035]ゲート構造121Bは、以下で詳細に説明するように、チャネル層スタック104Aの上および下に配置されている。ゲート構造121Bは、チャネル層スタック104A内の電圧を調節するように構成されている。示されるように、ゲート構造は、絶縁体層106、ゲート電極108、ボトム絶縁体層130、およびボトムゲート電極131を含む。ゲート電極108およびボトムゲート電極131の両方が、チャネル層スタック104Aに電圧を供給するための電源(図示せず)として1つ以上のゲート信号ラインに接続されるように構成されている。同じゲート信号ラインまたは2つの異なるゲート信号ラインを、ボトムゲート電極131およびゲート電極108に接続することができる。ゲート電極108は、絶縁体層106の上に配置されている。ボトム絶縁体層130およびボトムゲート電極131は、バッファ層102の上に配置されている。ボトム絶縁体層130は、二酸化ケイ素を含むことができる。ボトムゲート電極131は、導電性材料を含む。ゲート電極108およびボトムゲート電極131の両方を含むゲート構造121Bは、チャネル層スタック104Aにおけるより高いキャリア密度を可能にし、移動度およびそこに流れる電流を増加させる。
【0034】
[0036]
図1Cに示されるように、ボトムゲート電極の長さL
131は、ゲート電極の長さL
106とほぼ同じである。この実施形態では、ボトムゲート電極の長さL
131は、TFT100Cの動作速度を増加させ、寄生容量を減少させる。
【0035】
[0037]
図1Dは、一実施形態による、TFT100Dの概略側面図を示している。TFT100Dは、ボトムゲート電極の長さL
131がチャネル層スタックの長さL
104とほぼ同じであることを除いて、TFT100C(
図1C)と同様である。したがって、ボトムゲート電極の長さL
131は、ゲート電極の長さL
106よりも長い。ボトムゲート電極が増大すると、
図1Cに示すTFT100Cと比較して寄生容量が増加するため、TFT100Dの動作速度が低下する可能性がある。しかしながら、増加したボトムゲート電極の長さL
131は、チャネル層スタック104A上の望ましくない光の照射を遮断することができる。
【0036】
[0038]
図2Aは、一実施形態による、TFT200Aの概略側面図を示している。TFT200Aは、TFT200Aには異なるゲート構造221Aが含まれていることを除いて、
図1CのTFT100Cと同様である。ゲート構造221Aは、ボトムゲート電極131を含む。ボトムゲート電極131は、チャネル層スタック104Aに電圧を供給するための電源(図示せず)としてゲート信号に接続されるように構成されている。
図2Aに示されるように、ソース電極212およびドレイン電極214は、ソース電極ビアまたはドレイン電極ビアを使用せずに、チャネル層スタック104Aの上に直接配置されている。TFT200Aは、ボトムゲート(BG)TFTと見なすことができる。
【0037】
[0039]
図2Bは、一実施形態による、TFT200Bの概略側面図を示している。TFT200Bは、TFT200Bには異なるゲート構造221Bが含まれていることを除いて、
図2AのTFT200Aと同様である。ゲート構造221Bは、トップゲート電極240をさらに含む。ボトムゲート電極131およびトップゲート電極240は、チャネル層スタック104Aに電圧を供給するための電源(図示せず)として1つ以上のゲート信号ラインに接続されるように構成されている。同じゲート信号ラインまたは2つの異なるゲート信号ラインを、ボトムゲート電極131およびトップゲート電極240に接続することができる。トップゲート電極240は、導電性材料を含む。TFT200Bは、DG TFTと見なすことができる。
【0038】
[0040]
図2Cは、一実施形態による、TFT200Cの概略側面図を示している。TFT200Cは、TFT200Aには異なるゲート構造221Cが含まれていることを除いて、
図2AのTFT200Aと同様である。ゲート構造221Cは、ボトムゲート電極131を含む。
図2Cに示されるように、ソース電極112およびドレイン電極114は、ソース電極ビア116およびドレイン電極ビア118によって、チャネル層スタック104Aに接続されている。TFT200Cは、BG TFTと見なすことができる。ボトムゲート電極131は、チャネル層スタック104Aに電圧を供給するための電源(図示せず)としてゲート信号ラインに接続されるように構成されている。
【0039】
[0041]
図2Dは、一実施形態による、TFT200Dの概略側面図を示している。TFT200Dは、TFT200Dには異なるゲート構造221Dが含まれていることを除いて、
図2AのTFT200Cと同様である。ゲート構造221Dは、ボトムゲート電極131およびトップゲート電極240をさらに含む。
図2Dに示されるように、ソース電極112およびドレイン電極114は、ソース電極ビア116およびドレイン電極ビア118によって、チャネル層スタック104Aに接続されている。TFT200Dは、DG TFTと見なすことができる。ボトムゲート電極131およびトップゲート電極240は、チャネル層スタック104Aに電圧を供給するための電源(図示せず)として1つ以上のゲート信号ラインに接続されるように構成されている。同じゲート信号ラインまたは2つの異なるゲート信号ラインを、ボトムゲート電極131およびトップゲート電極240に接続することができる。
【0040】
[0042]
図3Aは、一実施形態による、デバイス300Aの概略側面図を示している。示されるように、デバイス300Aは、第1のTFT301Aおよび第2のTFT301Bを含む。示されるように、第1のTFT301Aは、ゲート構造321Aを含む。第1のTFT301Aは、
図1AのTFT100Aと同様である。チャネル層スタック304Bは、チャネル層スタック104Aと同様である。示されるように、第2のTFT301Bは、ゲート構造321Bを含む。第2のTFT301Bは、
図1AのTFT100Aと同様であるが、第2のTFT301Bは、チャネル層スタック304Bを含む。図示のように、チャネル層スタック304Bは、第1の層105Aを含む。第2のTFT301Bにおけるチャネル層スタック304Bからの層105Aは、第1のTFT301Aにおけるチャネル層スタック104Aからの第1の層105Aと比較して、同じ層であってもよいし、または異なる層であってもよい。
【0041】
[0043]
図3Bは、一実施形態による、デバイス300Bの概略側面図を示している。示されるように、デバイス300Bは、第1のTFT301Cおよび第2のTFT301Dを含む。示されるように、第1のTFT301Cは、ゲート構造321Cを含む。第1のTFT301Cは、
図3AのTFT301Aと同様である。しかしながら、示されるように、第2のTFT301Dは、ゲート構造321Dを含む。ゲート構造321C、321Dは、それぞれ、ボトムゲート電極131A、131Bをさらに含む。
【0042】
[0044]
図3Cは、一実施形態による、デバイス300Cの概略側面図を示している。示されるように、デバイス300Cは、第1のTFT301Eおよび第2のTFT301Fを含む。示されるように、第1のTFT301Eは、ゲート構造321Eを含む。第1のTFT301Eは、
図3AのTFT301Aと同様である。示されるように、第2のTFT301Fは、ゲート構造321Fを含む。ゲート構造321E、321Fは、絶縁体層106とゲート電極108との間に配置された第2の絶縁体層306をさらに含む。第2の絶縁体層306は、絶縁体層106において上記で開示された任意の材料を含むことができる。
【0043】
[0045]
図3Dは、一実施形態による、デバイス300Dの概略側面図を示している。示されるように、デバイス300Dは、第1のTFT301Gおよび第2のTFT301Hを含む。示されるように、第1のTFT301Gは、ゲート構造321Gを含む。第1のTFT301Gは、第1のTFT301Gがチャネル層スタック104Cを含むことを除いて、
図3AのTFT301Aと同様である。示されるように、チャネル層スタック104Cは、第2の層105Bの下に配置された絶縁体層106をさらに含む。示されるように、第2のTFT301Hは、ゲート構造321Hを含む。ゲート構造321Hは、絶縁体層106とゲート電極108との間に配置された第2の絶縁体層306をさらに含む。
【0044】
[0046]
図3Eは、一実施形態による、デバイス300Eの概略側面図を示している。示されるように、デバイス300Eは、第1のTFT301Iおよび第2のTFT301Jを含む。示されるように、第1のTFT301Iは、ゲート構造221Aを含む。第1のTFT301Iは、
図2AのTFT200Aと同様である。示されるように、第2のTFT301Jは、ゲート構造221Aを含む。第2のTFT301Jは、TFT301Jがチャネル層スタック304Bを含む(すなわち、チャネル層スタック304Bが第1の層105Aを含む)ことを除いて、
図2AのTFT200Aと同様である。チャネル層スタック304Bの第1の層105Aは、低移動度層(以下に説明される)である。ソース電極212A、212Bおよびドレイン電極214A、214Bは、それぞれ、チャネル層スタック304A、304Bと電気的に接触している。
【0045】
[0047]いくつかの実施形態では、TFT301I、301Jの一方または両方が、ILD層110の上に配置されたトップゲート電極(例えば、トップゲート電極240Aおよび/またはトップゲート電極240B)をさらに含む。
【0046】
[0048]
図3Fは、一実施形態による、デバイス300Fの概略側面図を示している。示されるように、デバイス300Fは、第1のTFT301Kおよび第2のTFT301Lを含む。示されるように、第1のTFT301Kは、ゲート構造321Cを含む。第1のTFT301Kは、
図3BのTFT301Cと同様である。示されるように、第2のTFT301Lは、ゲート構造321Aを含む。第2のTFT301Lは、
図3Aの第2のTFT301Bと同様である。いくつかの実施形態では、第1のTFT310Kは、ゲート構造321Cの代わりにゲート構造321Aを含み、第2のTFTは、ゲート構造321Aの代わりにゲート構造321Cを含む。
【0047】
[0049]いくつかの実施形態では、第1のTFT301Kにおけるチャネル層スタック304Aからの第1の層105Aは、第2のTFT301Lにおけるチャネル層スタック304Bからの第1の層105Aとは異なる。いくつかの実施形態では、第1のTFT301Kの第1の層105Aは、高移動度層(以下で説明)であり、第2のTFT301Lの第1の層105Aは、低移動度層(以下で説明)である。いくつかの実施形態では、第1のTFT301Kの第1の層105Aは、低移動度層であり、第2のTFT301Lの第1の層105Aは、高移動度層である。
【0048】
[0050]
図3Gは、一実施形態による、デバイス300Gの概略側面図を示している。示されるように、デバイス300Gは、第1のTFT301Mおよび第2のTFT301Nを含む。示されるように、第1のTFT301Mは、ゲート構造221Aを含む。第1のTFT301Mは、
図2AのTFT200Aと同様である。示されるように、第2のTFT301Nは、ゲート構造221Aを含む。
【0049】
[0051]いくつかの実施形態では、第1のTFT301Mにおけるチャネル層スタック304Aからの第1の層105Aは、第2のTFT301Nにおけるチャネル層スタック304Bからの第1の層105Aとは異なる。いくつかの実施形態では、第1のTFT301Mの第1の層105Aは、高移動度層(以下で説明)であり、第2のTFT301Nの第1の層105Aは、低移動度層(以下で説明)である。いくつかの実施形態では、第1のTFT301Mの第1の層105Aは、低移動度層であり、第2のTFT301Nの第1の層105Aは、高移動度層である。いくつかの実施形態では、TFT301M、301Nの一方または両方が、ILD層110の上に配置されたトップゲート電極(図示せず)を含む。
【0050】
[0052]本明細書に開示されるTFTは、特定のチャネル層スタック(例えば、チャネル層スタック104A)および/または(例えば、ゲート構造121A)を含むものとして示されているが、TFTは、代わりに、本明細書に開示されている任意のチャネル層スタック、および/または本明細書に開示されている任意のゲート構造を含むことができることを理解されたい。別の言い方をすれば、TFTのチャネル層スタックは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはさらに多くの個々の層105を含むことができる。層105は、各層が隣接する層とは異なる移動度を有するように交互になっている。例えば、層105は、以下でさらに詳細に説明されるように、相対的に高い移動度と相対的に低い移動度を交互に繰り返す。さらに、任意のチャネル層スタックは、第1の絶縁体層106および/または第2の絶縁体層306をさらに含むことができる。さらに、本明細書に記載の任意のゲート構造を、開示された任意のTFTに含めることができ、したがって、各TFTは、TG、BG、またはDG TFTであり得る。
【0051】
[0053]上記の実施形態のいずれにおいても、TFTは、基板101を共有する。いくつかの実施形態では、2ゲート構造は、バッファ層102をさらに含み、2つのTFTは、バッファ層を共有する。本明細書に開示される2ゲート構造のいずれも、バッファ層102を含むことができることを理解されたい。各2ゲート構造の2つのTFTは、LCDもしくはOLEDディスプレイのピクセル回路として、またはパネル内ゲートドライバ(GIP)回路で使用される。例えば、2ゲート構造の各TFTは、OLEDピクセル回路でスイッチングまたは駆動TFTとして使用できる。
【0052】
[0054]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、層105(例えば、層105A、105B、および/または105C)のそれぞれは、約0.5nmから約50nmの厚さを有する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、各層105の移動度は、約20cm2/V・sよりも大きいか、または約20cm2/V・sよりも小さいかのいずれかである。例えば、チャネル層スタック104Bは、交互の層105を含み、各層は、約20cm2/V・sよりも大きい移動度(本明細書では高移動度層と呼ばれる)および約20cm2/V・sよりも小さい移動度(本明細書では低移動度層と呼ばれる)を交互に有する。20cm2/V・sの移動度は一例であり、対応する低移動度層よりも相対的に高い移動度を有する任意の高移動度層が本明細書の開示によってカバーされることが理解される。
【0053】
[0055]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、高移動度層および低移動度層は、実質的に同じ材料組成を有する。本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる別の実施形態では、高移動度層および低移動度層は、異なる材料組成を有する。
【0054】
[0056]本明細書に記載の他の実施形態と組み合わせることができる一実施形態では、高移動度層および/または低移動度層は、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、酸素(O)、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)、および/またはハフニウム(Hf)を含む。高移動度層の例には、In-Ga-Zn-O、In-Ga-O、In-Zn-O、In-Ga-Sn-O、In-Zn-Sn-O、In-Ga-Zn-Sn-O、In-Sn-O、Hf-In-Zn-O、Ga-Zn-O、In-O、Al-Sn-Zn-O、Zn-O、Zn-Sn-O、Al-Zn-O、Al-Zn-Sn-O、Hf-Zn-O、Sn-O、およびAl-Sn-Zn-In-Oが含まれるが、これらに限定されない。低移動度層の例には、In-Ga-Zn-O,Ga-O,In-Ga-O,Zn-Sn-O,In-Sn-O,Hf-In-Zn-O,Al-Sn-Zn-O,Zn-O,Al-In-Zn-Sn-O,およびAl-Sn-Zn-Oが含まれるが、これらに限定されない。
【0055】
[0057]いくつかの実施形態では、高移動度層および低移動度層の材料は、同じ元素を含むが、材料の化学量論は異なる。例えば、In-Ga-Zn-Oは、多成分アモルファス酸化物半導体(AOS)系であり、LCDおよびOLEDディスプレイ製品の大量生産に商業的に使用されている。In-Ga-Zn-Oは、In-O、Ga-O、およびZn-Oの比が1:1:1で、通常、約10cm2/V・sの移動度値を示すが、In-Ga-Zn-O AOS系からIn組成を増加させること、および/またはGa組成を減少させることにより、10cm2/V・sより大きな移動度を実現することもできる。したがって、AOS系の成分の組成を変えることにより、移動度を調整できる。AOS系でのGaなしのZn-OまたはIn-Oは、より高い移動度(より高いキャリア濃度)を可能にするが、アモルファス相を得るのが難しくなり得る。しかしながら、Zn-In-OまたはZn-Ga-Oなどの二成分組成は、Zn-OとIn-Oの組成が変化するため、アモルファス相を形成することができる。高移動度(>20cm2/V・s)AOSのために、多成分AOS系からInの組成を増やすこと、および/またはGaの組成を減らすことで、キャリア濃度を上げることができる。したがって、一実施形態では、低移動度層は、In-Ga-Zn-Oを含み、高移動度層は、In-Ga-Zn-Oを含み、高移動度層は、低移動度層よりも高いInの組成を有する。別の実施形態では、低移動度層は、In-Ga-Zn-Oを含み、高移動度層は、In-Ga-Zn-Oを含み、高移動度層は、低移動度層よりも低いGaの組成を有する。さらに別の実施形態では、低移動度層は、In-Ga-Zn-Oを含み、高移動度層は、In-Ga-Zn-Oを含み、高移動度層は、低移動度層よりも高いInの組成を有し、高移動度層は、低移動度層よりも低いGaの組成を有する。
【0056】
[0058]In、Ga、Zn、およびOの組成は、電子輸送特性(例えば、移動度)を容易に変化させることができることを理解されたい。例えば、In2O3-Ga2O3-ZnO(In-Ga-Zn-O)薄膜の電子輸送特性(移動度など)は、X、Y、およびZを変えることにより、In2O3、Ga2O3、およびZnOの組成によって決定され、Xは[(ZnO)X-(Ga2O3)1-X]mol%で定義され、Yは[(Ga2O3)Y-(In2O3)1-Y]mol%で定義され、Zは(In2O3)Z-(ZnO)1-Z]mol%で定義される。In-Ga-Zn-O系では、そこに含まれるIn原子は、電子経路を形成するIn3+イオンとして作用し、高い電子移動度をもたらすことが、一般的に理解されている。さらに、そこに含まれるZn原子は、四面体配位を好むZn2+イオンとして作用し、In-Ga-Zn-Oのアモルファス相の安定性を高めることが理解されている。最後に、そこに含まれるGa原子は、Ga3+イオンの高いイオン場強度によりキャリア生成を抑制するGa3+イオンとして作用することが理解されている。Ga3+イオンは、O空孔の形成により、ZnおよびIn原子よりも、O原子と強い化学結合を形成する。したがって、Gaのパーセンテージを増加させると、移動度および/またはキャリア濃度が低くなり、したがって、Gaのパーセンテージが高い層は、オフ電流が低くなり、オン/オフ電流比が大きくなる。
【0057】
[0059]X=Y=Z=0.5の場合、In-Ga-Zn-Oは、約9cm2/V・sの移動度を可能にする。Gaを減らし、Inを増やすことで、より高い移動度を制御できる。例えば、X=1、Y=0、Z=1の場合、組成は、In-Oである。X=1、Y=0、Z=0の場合、組成は、Zn-Oである。ただし、In-OとZn-Oは、結晶相を形成する。X=1、Y=0、0<Z<1の場合、組成は、In-Zn-Oである。したがって、In-Zn-Oは、アモルファス相を有し、約20cm2/V・sより大きい移動度であり、高移動度チャネル層の材料になり得る。In-Ga-Zn-Oは、アモルファス相を有し、約20cm2/V・sより小さい低い移動度であり、低移動度チャネル層の材料になり得る。
【0058】
[0060]AOS系は、In-Ga-Zn-Oを含むことができ、またはIn-Zn-O、Zn-Sn-O、In-Ga-O、In-Zn-O、In-Ga-Sn-O、In-Zn-Sn-O、In-Ga-Zn-Sn-O、In-Sn-O、Hf-In-Zn-O、Ga-Zn-O、In-O、Al-Sn-Zn-O、Zn-O、Zn-Sn-O、Al-Zn-O、Al-Zn-Sn-O、Hf-Zn-O、Sn-O、Al-Sn-Zn-In-Oなどを含む他のAOSを含むことができる。
【0059】
[0061]上記のように、TFTが提供される。TFTは、ゲート構造とチャネル層スタックを含む。ゲートスタックは、1つ以上のゲート構造を含み、したがって、TFTは、TG、DG、またはBG TFTである。チャネル層スタックは、異なる移動度を有する複数の層を含む。
【0060】
[0062]異なる移動度を有する層は、TFTに様々な利点をもたらす。高移動度層は、TFTの応答速度を増加させる。低移動度層は、リーク電流を減少させ、TFTにおける正のしきい値電圧(ターンオン電圧)を可能にする。低移動度層と高移動度層の組み合わせは、本明細書で説明するように、改善された移動度、より低いオフリーク電流、および正のしきい値電圧(ターンオン電圧)などの改善された品質を備えたTFTをもたらす。
【0061】
[0063]上記は本開示の例に向けられているが、本開示の他のさらなる例が、その基本的な範囲から逸脱することなく考案され、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。