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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-04
(45)【発行日】2024-06-12
(54)【発明の名称】チャンバ排気洗浄用洗浄ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240605BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20240605BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20240605BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20240605BHJP
   B08B 9/00 20060101ALI20240605BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/205
H01L21/31 C
H01L21/302 101B
C23C16/44 J
B08B9/00
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022575335
(86)(22)【出願日】2021-05-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-11
(86)【国際出願番号】 US2021032446
(87)【国際公開番号】W WO2021252136
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2023-02-01
(31)【優先権主張番号】16/898,244
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ケルヴィン
(72)【発明者】
【氏名】クラウス, フィリップ アレン
(72)【発明者】
【氏名】チョア, タイ チョン
(72)【発明者】
【氏名】グエン, ハン
(72)【発明者】
【氏名】サブラマニ, アナンタ
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-526179(JP,A)
【文献】特開2004-206662(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0012402(US,A1)
【文献】特開2020-009745(JP,A)
【文献】特開2019-216086(JP,A)
【文献】国際公開第2010/086950(WO,A1)
【文献】特表2009-510269(JP,A)
【文献】特開平11-345779(JP,A)
【文献】特表2013-504694(JP,A)
【文献】国際公開第2015/075762(WO,A1)
【文献】特開2005-184124(JP,A)
【文献】特開2005-170665(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1949306(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/205
H01L 21/31
C23C 16/44
B08B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動洗浄モジュールであって、
第1の開口部と第2の開口部とを含むチャンバと、
前記第1の開口部を密閉するリッドであって、
誘電体プレートと、
前記誘電体プレートに結合された誘電体共振器と、
前記誘電体共振器上の孔に位置決めされたモノポールアンテナと、
前記誘電体共振器を囲む導電層と
を含むリッドと
を備える、可動洗浄モジュール。
【請求項2】
前記第2の開口部はフランジを含む、請求項1に記載の可動洗浄モジュール。
【請求項3】
前記フランジはKF40フランジ又はKF50フランジである、請求項2に記載の可動洗浄モジュール。
【請求項4】
前記チャンバ内にガスを導入するためのポート
を更に備える、請求項1に記載の可動洗浄モジュール。
【請求項5】
前記リッドは更に、冷却剤を流すためのチャネルを含む、請求項1に記載の可動洗浄モジュール。
【請求項6】
前記モノポールアンテナは、固体マイクロ波源に電気的に結合される、請求項1に記載の可動洗浄モジュール。
【請求項7】
前記リッドは更に、
前記誘電体プレートに結合された第2の誘電体共振器と、
前記第2の誘電体共振器の孔に位置決めされた第2のモノポールアンテナと
を含む、請求項1に記載の可動洗浄モジュール。
【請求項8】
前記誘電体共振器は、前記誘電体プレートとは別体である、請求項1に記載の可動洗浄モジュール。
【請求項9】
前記誘電体共振器及び前記誘電体プレートはモノリシック構造である、請求項1に記載の可動洗浄モジュール。
【請求項10】
前記導電層は、前記誘電体プレートに隣接する第1の導電層と、前記第1の導電層の上の第2の導電層とを含み、前記第1の導電層の熱膨張係数は、前記第2の導電層の熱膨張係数より小さい、請求項1に記載の可動洗浄モジュール。
【請求項11】
可動洗浄アセンブリであって、
カートと、
前記カート上にあり、マイクロ波電磁放射線を生成するように構成された固体電子機器モジュールと、
前記カート上にあり、前記固体電子機器モジュールに電気的に結合されたプロセッサと、
前記固体電子機器モジュールに電気的に結合されたプラズマ洗浄モジュールと
を備える、可動洗浄アセンブリ。
【請求項12】
前記カート上にあり、前記プロセッサに電気的に結合された温度制御容器
を更に備え、前記温度制御容器は熱伝達流体を保持するように構成され、前記プラズマ洗浄モジュールは前記温度制御容器に流体的に結合される、請求項11に記載の可動洗浄アセンブリ。
【請求項13】
前記カート上にあり、前記プロセッサに電気的に結合されたガスパネル
を更に備え、前記プラズマ洗浄モジュールは前記ガスパネルに流体的に結合される、請求項11に記載の可動洗浄アセンブリ。
【請求項14】
120V又は240Vのコンセントから前記カートに電力が供給される、請求項11に記載の可動洗浄アセンブリ。
【請求項15】
前記プラズマ洗浄モジュールは、
第1の開口部と第2の開口部とを含むチャンバと、
前記第1の開口部を密閉するリッドであって、
誘電体プレートと、
前記誘電体プレートに結合された誘電体共振器と、
前記誘電体共振器上の孔に位置決めされたモノポールアンテナと、
前記誘電体共振器を囲む導電層と
を含むリッドと
を備える、請求項11に記載の可動洗浄アセンブリ。
【請求項16】
前記第2の開口部はフランジを含む、請求項15に記載の可動洗浄アセンブリ。
【請求項17】
プラズマ処理ツールであって、
基板を支持するためのペデスタルを有する第1のチャンバと、
前記第1のチャンバに流体的に結合された排気ラインであって、
ポンプと、
前記第1のチャンバと前記ポンプとの間の主排気ラインと、
前記主排気ラインに位置決めされたスロットルバルブと、
前記主排気ラインに流体的に結合された洗浄ラインと、
前記洗浄ラインに流体的に、かつ取り外し可能に結合された第2のチャンバと、
前記第2のチャンバにプラズマを生成するためのプラズマ源と
を含む排気ラインと
を備える、プラズマ処理ツール。
【請求項18】
前記スロットルバルブと前記ポンプとの間の第1のバルブと、
前記第2のチャンバと前記洗浄ラインとの間の第2のバルブと
を更に備える、請求項17に記載のプラズマ処理ツール。
【請求項19】
第1のチャンバと前記スロットルバルブとの間の第3のバルブ
を更に備える、請求項18に記載のプラズマ処理ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月10日出願の米国非仮出願第16/898,244号の優先権を主張するものであり、その内容を全て、参照により本明細書に援用する。
【0002】
本実施形態は、真空チャンバに関し、より具体的には、チャンバ排気用洗浄ユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体製造では、チャンバプロセスにより、排気ラインに不要な堆積物が発生することがある。この不要な堆積物は、時間の経過とともに蓄積し、ツールの性能に悪影響を及ぼす可能性がある。例えば、この蓄積により、排気ラインのコンダクタンスの低下及び/又は排気ラインに沿った部品の故障が引き起こされ得る。排気ラインのスロットルバルブは、特にこのような蓄積の影響を受けやすい。
【0004】
現在のところ、スロットルバルブ又は排気ラインの他の部品の堆積物を洗浄するための解決策はない。現在利用可能な唯一の改善策は、スロットルバルブの交換である。スロットルバルブの交換には、処理ツールの大幅なダウンタイムが必要なため、メンテナンスコストがかかる。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に開示される実施形態は、チャンバの排気ライン用の洗浄モジュールを含む。実施形態では、可動洗浄モジュールは、第1の開口部と第2の開口部とを含むチャンバを備える。実施形態では、洗浄モジュールは更に、第1の開口部を密閉するリッドを備える。実施形態では、リッドは、誘電体プレートと、誘電体プレートに結合された誘電体共振器と、誘電体共振器上の孔に位置決めされたモノポールアンテナと、誘電体共振器を囲む導電層とを含む。
【0006】
本明細書に開示される追加の実施形態は、チャンバの排気ライン用の可動洗浄アセンブリを含む。実施形態では、可動洗浄アセンブリは、カートと、カート上にあり、マイクロ波電磁放射線を生成するように構成された固体電子機器モジュールとを備える。実施形態では、アセンブリは更に、カート上にあり、固体電子機器モジュールに電気的に結合されたプロセッサと、プラズマ洗浄モジュールとを備える。実施形態では、プラズマ洗浄モジュールは、固体電子機器モジュールに電気的に結合される。
【0007】
本明細書に開示される追加の実施形態は、排気ライン上に洗浄モジュールを有する処理ツールを含む。実施形態では、処理ツールは、基板を支持するためのペデスタルを有する第1のチャンバと、第1のチャンバに流体的に結合された排気ラインとを備える。実施形態では、排気ラインは、ポンプと、第1のチャンバとポンプとの間の主排気ラインと、主排気ラインに位置決めされたスロットルバルブと、主排気ラインに流体的に結合された洗浄ラインとを含む。実施形態では、第2のチャンバは、洗浄ラインに流体的に結合され、プラズマ源は、第2のチャンバにプラズマを生成するために提供される。
【0008】
上記の概要は、すべての実施形態の網羅的なリストを含むものではない。上記に要約された様々な実施形態のすべての好適な組み合わせから実践され得るすべてのシステム及び方法、ならびに以下の詳細な説明に開示され、本願とともに提出される特許請求の範囲に特に指摘されているものが含まれることが企図される。そのような組み合わせは、上記の概要に具体的に記載されていない特定の利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】実施形態に係る、排気に結合されたプラズマ洗浄モジュールを含む処理ツールの断面図である。
図1B】実施形態に係る、モジュール式マイクロ波プラズマ源と、排気に結合されたプラズマ洗浄モジュールとを含む処理ツールの断面図である。
図2】実施形態に係る、マイクロ波電磁放射線を生成するための固体電子機器のブロック図である。
図3A】実施形態に係る、プラズマ洗浄モジュールの断面図である。
図3B】実施形態に係る、モノリシック構造である誘電体プレート及び誘電体共振器を有するプラズマ洗浄モジュールの断面図である。
図3C】実施形態に係る、複数の層を含む誘電体共振器を囲む導電層を有するプラズマ洗浄モジュールの断面図である。
図3D】実施形態に係る、複数の誘電体共振器を有するプラズマ洗浄モジュールの断面図である。
図4A】実施形態に係る、一体型プラズマ洗浄モジュールの排気の断面図である。
図4B】実施形態に係る、ポータブルプラズマ洗浄モジュールを有する排気の断面図である。
図5A】実施形態に係る、可動洗浄アセンブリのブロック図である。
図5B】追加の実施形態に係る、可動洗浄アセンブリのブロック図である。
図6】実施形態に係る、洗浄モジュールを使用して排気ラインを洗浄するプロセスのプロセスフロー図である。
図7】実施形態に係る、プラズマ洗浄モジュールと併せて使用され得る例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に記載の実施形態に係るデバイスは、チャンバ排気ラインのための洗浄ユニットを含む。以下の説明には、実施形態の徹底的な理解が得られるように、多数の具体的な詳細が記載される。実施形態がこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることは、当業者には明らかであろう。他の例では、周知の態様は、実施形態を不必要に不明瞭にしないように、詳細には説明していない。更に、添付の図面に示す様々な実施形態は、例示的な表現であり、必ずしも縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。
【0011】
上述したように、排気ラインにおける堆積物の蓄積により、コストのかかる処理ツールのダウンタイムが必要となる。したがって、本明細書に開示される実施形態は、排気ラインに取り付けられたプラズマ洗浄モジュールを含む。プラズマ洗浄モジュールは、排気ラインを洗浄するプラズマ種を提供し得る。このように、プラズマ洗浄モジュールは、処理ツールのオフライン時間を大幅にとる必要なく、堆積物を除去することができる。特に、処理ツールが、洗浄中に真空下に留まることができるため、メンテナンス後に処理ツールを再排気し、基板処理のための安定した条件を再確立する必要がない。これは大きなコスト削減となる。
【0012】
幾つかの実施形態では、プラズマ洗浄モジュールはポータブルである。すなわち、プラズマ洗浄モジュールは、複数のチャンバ間で共有され得る可動洗浄アセンブリの一部であってよい。これにより、洗浄機能を得るために必要な資本コストが削減される。更に、処理ツールは、プラズマ洗浄モジュールを収容するのに十分な再設計を必要としない場合がある。プラズマ洗浄モジュールは、排気ラインに沿ったポートに接続し得る。
【0013】
プラズマ源の設計により、ポータブルプラズマ洗浄モジュールが可能である。特に、本明細書に開示される実施形態は、固体電子機器を有するマイクロ波プラズマ源を含む。このようなマイクロ波源の使用により、かさばる導波管を必要とするマグネトロンマイクロ波電源と比較して、コンパクトな設計が可能となる。本明細書に開示される実施形態では、固体電子機器モジュールは、カート上に格納され、同軸ケーブルによってポータブル洗浄モジュールの誘電体共振器に取り付けられ得る。実施形態では、カートは、ポータブル洗浄モジュールに取り付けられたガスパネル及び冷却源も収容し得る。しかしながら、ガス及び冷却流体の一方又は両方は、幾つかの実施形態では、処理ツールから供給される場合もある。
【0014】
更に、プラズマ洗浄モジュールのコンパクトな設計により、プラズマ洗浄モジュールは、処理ツールと一体化することができる。すなわち、プラズマ洗浄モジュールは、処理ツールの一部と見なされ得る。このような実施形態では、ガス及び冷却流体は、処理ツールから供給され得る。
【0015】
ここで、実施形態に係る、プラズマ洗浄モジュール150を含む処理ツール100を示す断面図である図1を参照する。プラズマ処理ツール100は、プラズマエッチングチャンバ、化学気相堆積チャンバ、プラズマ化学気相堆積チャンバ、原子層堆積チャンバ、プラズマ原子層堆積チャンバ、物理的気相堆積チャンバ、プラズマ処理チャンバ、イオン注入チャンバ、又は他の適切な真空又は制御環境処理チャンバであってよい。
【0016】
処理ツール100は、接地されたチャンバ142を含む。チャンバ142は、処理領域102及び排出領域104を含み得る。チャンバ142は、リッドアセンブリ110で密閉され得る。プロセスガスは、1又は複数のガス源106(例えば、ガスパネル)からマスフローコントローラ149を通ってリッドアセンブリ110に、そして処理領域102内に供給される。
【0017】
排気領域196のポンプは、チャンバ142内の所望の圧力を維持し、チャンバ142での処理から副生成物を除去し得る。実施形態では、排気領域は、チャンバ142とポンプとの間にある排気ライン155を含み得る。洗浄ライン156は、排気ライン155と交差していてよい。実施形態では、洗浄ライン156は、排気ライン155とプラズマ洗浄モジュール150との間にある。実施形態では、プラズマ洗浄モジュールは、排気領域196を洗浄するための遠隔プラズマを提供するように構成される。
【0018】
実施形態では、プラズマ洗浄モジュール150は、洗浄チャンバ154を含む。洗浄チャンバ154は、プラズマが生成される場所である。実施形態では、洗浄チャンバ154は、誘電体プレート153によって密閉される第1の開口部と、洗浄ライン156に接続する第2の開口部と含む。プラズマ洗浄モジュール150のプラズマは、モジュール式マイクロ波源を用いて生成され得る。例えば、誘電体共振器151は、誘電体プレート153に結合される。誘電体共振器151の軸心内に、モノポールアンテナ152が挿入される。モノポールアンテナ152は、固体マイクロ波生成電子機器(以下により詳細に説明する)に接続される。固体設計のため、マグネトロン式マイクロ波プラズマに必要なかさばる導波管及び他の部品は不要であり、コンパクトな設計が提供される。コンパクトな設計により、プラズマ洗浄モジュール150を、大幅な再設計なしで処理ツールと一体化することができる。
【0019】
実施形態では、プラズマ洗浄モジュール150は、ガスライン158によってガス源106に接続される。マスフローコントローラ159は、洗浄チャンバ154内へのガスの流れを制御し得る。図示した実施形態では、洗浄チャンバ154の壁を通過しているガスライン158が示されている。しかしながら、ガスはまた、誘電体プレート153を通して(例えば、シャワーヘッド設計又は他のマニホールド型構造を用いて)供給され得ることが理解されよう。実施形態では、プラズマ洗浄モジュール150はまた、温度制御され得る。例えば、プラズマ洗浄モジュール150は、冷却流体の供給源に接続され得る。
【0020】
実施形態では、リッドアセンブリ110は、概して、シャワーヘッドプレート116と熱伝達プレート118とを含む上部電極を含む。リッドアセンブリ110は、絶縁層113によってチャンバ142から隔離される。上部電極は、マッチ(図示せず)を通してソースRF生成器103に結合される。ソースRF生成器103は、例えば、300kHzから60MHz、又は60MHzから180MHzの周波数を有していてよく、特定の実施形態では、13.56MHz帯である。
【0021】
したがって、処理ツール100は、一対のプラズマ源を含み得る。例えば、RF生成器103は、処理領域102に第1のプラズマを生成し得、マイクロ波電子機器は、洗浄チャンバ154に第2のプラズマを生成し得る。図1Aに示す特定の実施形態では、第1のプラズマ及び第2のプラズマは、異なる波長の電磁放射線で生成される。
【0022】
ガス源106からのガスは、シャワーヘッドプレート116内のマニホールド120に入り、シャワーヘッドプレート116内への開口部を通してチャンバ142の処理領域102に出る。実施形態では、熱伝達プレート118は、熱伝達流体が流れるチャネル119を含む。シャワーヘッドプレート116及び熱伝達プレート118は、アルミニウム又はステンレス鋼等のRF導電性材料から作製される。特定の実施形態では、シャワーヘッドプレート116の代わりに(又はそれに加えて)、チャンバ142内にプロセスガスを分配するために、ガスノズル又は他の適切なガス分配アセンブリが提供される。
【0023】
処理領域102は、基板105が固定される下部電極161を含み得る。基板105を囲むプロセスリング197の一部も、下部電極161によって支持され得る。基板105は、チャンバ142を貫通するスリットバルブトンネル141を通してチャンバ142に挿入され得る(又はチャンバ142から取り出され得る)。スリットバルブトンネル141のドアは、簡略化のために省略する。下部電極161は、静電チャックであってよい。下部電極161は、支持部材157によって支持され得る。実施形態では、下部電極161は、複数の加熱ゾーンを含んでいてよく、各ゾーンは、独立して温度設定値に制御可能である。例えば、下部電極161は、基板105の中心に近接する第1の熱ゾーンと、基板105の周囲に近接する第2の熱ゾーンとを含み得る。バイアス電力RF生成器125は、マッチ127を通して下部電極161に結合される。バイアス電力RF生成器125は、所望により、プラズマに電圧を加えるためのバイアス電力を提供する。バイアス電力RF生成器125は、例えば約300kHzから60MHzの低周波数を有していてよく、特定の実施形態では、13.56MHz帯である。
【0024】
図1Aにおいて、処理ツール100は、処理領域102にプラズマを形成することができるプラズマリアクタとして示されている。しかしながら、処理ツール100は、プラズマ源を用いない処理領域102を含み得ることが理解されよう。例えば、処理ツール100は、炉を含み得る。幾つかの実施形態では、処理領域102はまた、バッチリアクタであってもよい。すなわち、処理領域102は、複数の基板を同時に処理することができる。
【0025】
ここで、追加の実施形態に係る、処理ツール100を示す断面図である図1Bを参照する。図1Bの処理ツールは、処理領域102におけるプラズマを生成するためのプラズマ源130以外は、図1Aの処理ツール100と実質的に同様であってよい。RFプラズマ源を使用する代わりに、図1Bの処理ツール100は、マイクロ波プラズマ源130を用い得る。特定の実施形態では、マイクロ波プラズマ源130は、モジュール式マイクロ波プラズマ源である。例えば、マイクロ波プラズマ源130は、誘電体プレート133を含み、誘電体プレート133の上に複数の誘電体共振器131が配置されていてよい。各誘電体共振器131の軸心には、モノポールアンテナ131が配置され得る。モノポールアンテナ131は各々、固体マイクロ波生成電子機器に接続され得る。
【0026】
一実施形態では、マイクロ波プラズマ源130の固体マイクロ波電子機器は、プラズマ洗浄モジュール150におけるプラズマ生成のために使用される同じマイクロ波電子機器であってよい。他の実施形態では、マイクロ波プラズマ源130及びプラズマ洗浄モジュール150のために、別個のマイクロ波電子機器が使用され得る。
【0027】
ここで、実施形態に係る、固体電源215を示す概略図である図2を参照する。実施形態では、固体電源215は、発振器モジュール206を含む。発振器モジュール206は、所望の周波数のマイクロ波電磁放射線を生成するために、電圧制御発振器220に入力電圧を供給するための電圧制御回路211を含み得る。実施形態は、およそ1ボルトから10ボルトDCの入力電圧を含み得る。電圧制御発振器220は、その発振周波数が入力電圧によって制御される電子発振器である。実施形態によれば、電圧制御回路211からの入力電圧により、電圧制御発振器220が所望の周波数で発振する。実施形態では、マイクロ波電磁放射線は、約0.1MHzから30MHzの周波数を有し得る。実施形態では、マイクロ波電磁放射線は、約30MHzから300MHzの周波数を有し得る。実施形態では、マイクロ波電磁放射線は、約300MHzから1GHzの周波数を有し得る。実施形態では、マイクロ波電磁放射線は、約1GHzから300GHzの周波数を有し得る。
【0028】
実施形態によれば、電磁放射線は、電圧制御発振器220から増幅モジュール212に伝送される。増幅モジュール212は、各々が電源216に結合されるドライバ/前置増幅器213、及び主電力増幅器214を含み得る。実施形態によれば、増幅モジュール212は、パルスモードで動作し得る。例えば、増幅モジュール212は、1%から99%のデューティサイクルを有し得る。より特定の実施形態では、増幅モジュール212は、約15%から50%のデューティサイクルを有し得る。
【0029】
実施形態では、電磁放射線は、増幅モジュール212によって処理された後、サーマルブレーク219及びアプリケータ231に伝送され得る。しかしながら、サーマルブレーク219に伝送された電力の一部は、出力インピーダンスのミスマッチのために反射して戻ってくる可能性がある。したがって、幾つかの実施形態は、反射電力が反射電力を接地するサーキュレータ217に到達する前に、順方向電力204及び反射電力203のレベルを感知して制御回路モジュール208にフィードバックすることを可能にする検出器モジュール218を含む。検出器モジュール218は、システムの1又は複数の異なる場所に位置し得ることを理解されたい。実施形態では、制御回路モジュール208は、順方向電力204及び反射電力203を解釈し、発振器モジュール206に通信可能に結合される制御信号209のレベル及び増幅モジュール212に通信可能に結合される制御信号207のレベルを決定する。実施形態では、制御信号209は、発振器モジュール206を調整して、増幅モジュール212に結合された高周波放射線を最適化する。実施形態では、制御信号207は、増幅モジュール212を調整して、サーマルブレーク219を通してアプリケータ231に結合された出力電力を最適化する。実施形態では、発振器モジュール206及び増幅モジュール212のフィードバック制御により、サーマルブレーク219におけるインピーダンスマッチングの調整に加えて、反射電力のレベルが順方向電力の約5%未満であることが可能になり得る。幾つかの実施形態では、発振器モジュール206及び増幅モジュール212のフィードバック制御により、反射電力のレベルが順方向電力の約2%未満であることが可能になり得る。
【0030】
したがって、実施形態は、処理チャンバ242又は洗浄チャンバ254内に結合される順方向電力の割合を増加させて、プラズマに結合される利用可能な電力を増加させ得る。更に、フィードバック制御を用いたインピーダンス同調は、典型的なスロットプレートアンテナにおけるインピーダンス同調よりも優れている。スロットプレートアンテナでは、インピーダンス同調は、アプリケータに形成された2つの誘電体スラグを移動させることを伴う。これには、アプリケータの2つの別個の部品を機械的に動かす必要があり、アプリケータの複雑性が増すことになる。更に、機械的な動きは、電圧制御発振器220によって提供され得る周波数の変化ほど正確でない可能性がある。
【0031】
ここで、様々な実施形態に係る様々なプラズマ洗浄モジュール350を示す断面図である図3A図3Dを参照する。図3A図3Dのプラズマ洗浄モジュール350は、処理ツールと一体化され得る。他の実施形態では、プラズマ洗浄モジュール350は、ポータブルプラズマ洗浄モジュールであってよい。すなわち、プラズマ洗浄モジュール350は、処理ツールから容易に着脱可能であってよい。ポータブルプラズマ洗浄モジュールを、以下により詳細に説明する。
【0032】
ここで、実施形態に係るプラズマ洗浄モジュール350を示す断面図である図3Aを参照する。プラズマ洗浄モジュール350は、プラズマが生成される洗浄チャンバ354を含み得る。洗浄チャンバ354は、第1の開口部及び第2の開口部を有し得る。第1の開口部は、誘電体プレート353によって閉じられ得る。実施形態では、シール358(例えば、Oリング等)が誘電体プレート353と洗浄チャンバ354との間に位置決めされ得る。第2の開口部は、洗浄ライン356に流体的に結合され得る。洗浄ラインは、処理ツールの排気ライン(図示せず)に結合される。
【0033】
実施形態では、誘電体共振器351が誘電体プレート353に結合される。誘電体共振器351の軸心には、孔が配置され得る。実施形態では、モノポールアンテナ352が孔の中に挿入される。モノポールアンテナ352は、マイクロ波電磁放射線を供給する電源に接続される。例えば、電源は、図2に関して上述した固体電源215のような固体マイクロ波電子機器モジュールであってよい。図示した実施形態では、誘電体共振器351は、誘電体プレート353の外面に当接している。しかしながら、他の実施形態では、誘電体共振器351は、誘電体プレートを貫通して延在し、洗浄チャンバ354内の自由空間内に延在し得る。
【0034】
実施形態では、導電層359は、誘電体共振器351を囲み得る。導電層359は、幾つかの実施形態では、接地電位に保持され得る。導電層359は、誘電体共振器351を保護し、洗浄チャンバ354へのマイクロ波電磁放射線の結合を改善する。実施形態では、導電層359は、温度制御された部品であってよい。例えば、導電層は、冷却剤源に流体的に結合され得る。導電層359は、冷却剤源からの冷却剤が流れる冷却チャネル(図示せず)を含み得る。他の実施形態では、プラズマ洗浄モジュールは、加熱要素も含み得る、又は高温熱流体の供給源にも結合され得る。
【0035】
実施形態では、ガスは、洗浄チャンバ354に供給され得る。ガスは、洗浄チャンバ354の壁のポートを通して注入され得る。他の実施形態では、ガスは、誘電体プレート353を通して洗浄チャンバ354に供給され得る。
【0036】
ここで、追加の実施形態に係るプラズマ洗浄モジュール350を示す断面図である図3Bを参照する。図3Bのプラズマ洗浄モジュール350は、誘電体プレート353と誘電体共振器351との間の接合部以外は、図3Aのプラズマ洗浄モジュール350と実質的に同様であってよい。例えば、図3Bに示す実施形態では、誘電体プレート353と誘電体共振器351との間に識別可能な接合部が存在しない場合がある。すなわち、誘電体プレート353及び誘電体共振器351は、単一のモノリシック構造として形成され得る。
【0037】
ここで、追加の実施形態に係るプラズマ洗浄モジュール350を示す断面図である図3Cを参照する。図3Cのプラズマ洗浄モジュール350は、導電層359の構成以外は、図3Bのプラズマ洗浄モジュール350と実質的に同様であってよい。図示のように、導電層359は、複数の導電層を含み得る。例えば、誘電体プレート353の上に第1の導電層359があり、第1の導電層の上に第2の導電層359がある。同様の多層導電層359は、図3Aに示す構成と同様の構成で実装され得る。すなわち、誘電体プレート353と誘電体共振器351とが個別の部品である場合に、第1の導電層359及び第2の導電層359が実装され得る。
【0038】
実施形態では、第1の導電層359は、第1の熱膨張係数(CTE)を有していてよく、第2の導電層359は、第1のCTEよりも大きい第2のCTEを有していてよい。具体的には、第1の導電層359の第1のCTEを誘電体プレート353のCTEに密接に一致させて、そうでなければ誘電体プレート353を損傷し得る熱応力を最小限に抑えることができる。特定の実施形態では、第1の導電層359はチタンを含んでいてよく、第2の導電層359はアルミニウムを含んでいてよい。第1の導電層359は、幾つかの実施形態では、第2の導電層359に固定され得る。例えば、第1の導電層359は、第2の導電層359にボルトで固定され得る、又はその他の方法で結合され得る。
【0039】
ここで、追加の実施形態に係るプラズマ洗浄モジュール350を示す断面図である図3Dを参照する。図3Dのプラズマ洗浄モジュール350は、複数の誘電体共振器351が誘電体プレート353の上に配置されること以外は、図3Aのプラズマ洗浄モジュール350と実質的に同様であってよい。2つの誘電体共振器351及び351を示したが、任意の数の誘電体共振器351がプラズマ洗浄モジュール350に含まれ得ることが理解されよう。誘電体共振器351の数を増やせば、排気領域の洗浄を改善することができる。
【0040】
ここで、実施形態に係る排気領域496を示す断面図である図4Aを参照する。図4Aの排気領域496は、一体型プラズマ洗浄モジュール450を例示する。すなわち、プラズマ洗浄モジュール450は、処理ツールの一部として一体化されている。実施形態では、排気領域496は、主処理チャンバ442をポンプに流体的に結合させる排気ライン455を含む。実施形態では、スロットルバルブ484は、排気ライン455内に配置され得る。洗浄ライン456は、プラズマ洗浄モジュール450の洗浄チャンバ454を排気ライン455に流体的に結合させる。
【0041】
実施形態では、プラズマ洗浄モジュール450は、上述したプラズマ洗浄モジュール350のいずれかと実質的に同様であってよい。例えば、プラズマ洗浄モジュール450は、洗浄チャンバ454、誘電体プレート453、誘電体共振器451、モノポールアンテナ452、及び導電層459を含み得る。
【0042】
実施形態では、排気領域496は、複数のバルブを含み得る。第1のバルブ481は、排気ライン455に沿って主チャンバ442とスロットルバルブ484との間に位置決めされ得る。第1のバルブ481は、洗浄中にチャンバ443を隔離するために閉じられ得る。こうすることで、主チャンバ442の条件が、メンテナンス中又はメンテナンス後に変化しない。第2のバルブ482は、排気ライン455に沿ってスロットルバルブ482とポンプとの間に位置決めされ得る。第3のバルブ483は、洗浄ライン456に沿って洗浄チャンバ454と排気ライン455との間に位置決めされ得る。バルブ481、482、及び483は、処理ツールコンピュータ(図示せず)によって制御され得る。
【0043】
実施形態では、バルブ481、482、及び483は、所望の処理工程に応じて開閉され得る。例えば、主チャンバ442における基板の処理中、第1のバルブ481及び第2のバルブ482は開いていてよく、第3のバルブ483は閉じていてよい。洗浄工程中、第3のバルブ483は開いていてよく、第1のバルブ481は閉じていてよい。プラズマ洗浄モジュール450を用いて洗浄工程を実施するためのプロセスを、図6に関して以下により詳細に説明する。
【0044】
ここで、追加の実施形態に係る処理ツールの排気領域496を示す断面図である図4Bを参照する。実施形態では、図4Bの排気領域496は、プラズマ洗浄モジュール450がポータブルプラズマ洗浄モジュール450であること以外は、図4Aの排気領域496と実質的に同様であってよい。すなわち、プラズマ洗浄モジュール450は、処理ツールから容易に着脱されるように構成される。実施形態では、ポータブルプラズマ洗浄モジュールは、使用されていないときは、カート(以下により詳細に説明する)上に格納され得る。
【0045】
実施形態では、プラズマ洗浄モジュール450は、洗浄チャンバ454に取り付けられたフランジ485を含み得る。洗浄ライン456はまた、プラズマ洗浄モジュール450のフランジ485と接合するフランジ486も含み得る。洗浄ライン456とプラズマ洗浄モジュール450との間に真空気密シールを提供するのに適した任意の適切なフランジ又は他の接続スキームが使用され得る。例えば、フランジ485及び486は、KF40又はKF50フランジを含み得る。
【0046】
ここで、実施形態に係る可動洗浄アセンブリ560を示す概略図である図5A及び図5Bを参照する。可動洗浄アセンブリ560は、複数の処理ツールに洗浄を提供するために、施設全体にわたってポータブルプラズマ洗浄モジュール550を容易に移動させることを可能にする。幾つかの実施形態では、可動洗浄アセンブリ560はまた、ポータブルプラズマ洗浄モジュール550用の1又は複数の周辺機器(例えば、ガス、冷却流体等)も含み得る。
【0047】
ここで、実施形態に係る可動洗浄アセンブリ560を示す概略図である図5Aを参照する。実施形態では、可動洗浄アセンブリ560は、カート561と、カート561に取り付けられたプラズマ洗浄モジュール550とを備える。実施形態では、プラズマ洗浄モジュール550は、本明細書に開示されるプラズマ洗浄モジュールのいずれかと同様であってよい。例えば、プラズマ洗浄モジュール550は、洗浄チャンバ554と、誘電体プレート553と、誘電体共振器551とを備え得る。プラズマ洗浄モジュールを処理ツールに取り付けるために、フランジ585又は他の相互接続部品が、洗浄チャンバ554に接続され得る。カート561は、施設内で容易に移送される。例えば、カート561は、一組の車輪562を有し得る。
【0048】
使用していないときは、プラズマ洗浄モジュール550は、カート560に格納される。使用時には、プラズマ洗浄モジュール550は、カート560に格納された周辺機器への様々な相互接続によってカート560に繋ぎ止められていてよい。例えば、カート560は、固体マイクロ波電子機器563、熱伝達流体の温度制御された容器(例えば、冷却ユニット564)、及びガスパネル565を収容し得る。プラズマ洗浄モジュール550とマイクロ波電子機器563との間のライン568は、同軸ケーブルであってよい。ガスライン571及び流体ライン569は、それぞれガス及び流体を輸送するための任意の適切なラインであってよい。
【0049】
更に別の実施形態では、プラズマ洗浄モジュール550は、図4Aに示す実施形態と同様に、カート560に収納される代わりに、処理ツールと一体化され得る。このような実施形態では、カート560に格納された周辺機器は、プラズマ洗浄モジュール550が使用されていないときにプラズマ洗浄モジュール550から取り外し可能なライン568、569、及び571によってプラズマ洗浄モジュール550に取り付けられていてよい。
【0050】
実施形態では、プロセッサ(例えば、CPU)566もカート561に設けられる。プロセッサ566は、カート561の周辺機器に通信可能に結合され得る。このように、プロセッサ566は、マイクロ波電子機器563の制御を通じたプラズマ洗浄モジュール550の制御、並びに冷却ユニット564の制御を通じたプラズマ洗浄モジュール550の温度及びガスパネル565の制御を通じたプラズマ洗浄モジュール550へのガス流の制御のために使用され得る。幾つかの実施形態では、プロセッサ566はまた、処理ツールのCPU570に通信可能に結合され得る。このように、処理ツールの部品(図示せず)も、プラズマ洗浄モジュール550と一体となって動作するように制御され得る。例えば、洗浄プロセスを開始するために、処理ツールの排気領域の1又は複数のバルブが開閉され得る。
【0051】
実施形態では、可動洗浄アセンブリ560の電力は、プラグ567によって供給され得る。プラグ567は、120V又は240Vのコンセントに接続する標準的なプラグであってよい。したがって、より高い電圧を供給するための専用の電源は、このような実施形態では必要ない。より低い電力要件は、マイクロ波電磁放射線を洗浄チャンバ554内に入射するために使用される1つの(又は幾つかの)アプリケータを駆動するコンパクト設計及び固体電子機器に起因する。
【0052】
ここで、追加の実施形態に係る可動洗浄アセンブリ560を示す概略図である図5Bを参照する。可動洗浄アセンブリ560は、プラズマ洗浄モジュール550に対する1又は複数の周辺機器がカート561から取り除かれること以外は、図5Aの可動洗浄アセンブリ560と実質的に同様であってよい。特に、図5Bに示す実施形態は、カート561からガスパネルが取り除かれている。その代わりに、プラズマ洗浄モジュール550へのガスは、処理ツールのガスパネル506から供給される。
【0053】
図5Bでは、冷却ユニット564は、カート561上に残っている。しかしながら、冷却ユニット564も、カート561から取り除くことが可能であることが理解されよう。このような実施形態では、プラズマ洗浄モジュール550の冷却流体は、処理ツールの冷却ユニットから供給され得る。幾つかの実施形態では、ガスパネル565及び冷却ユニット564の両方を、カート561から取り除くことが可能である。
【0054】
他の実施形態では、可動洗浄アセンブリ560は、プラズマ洗浄モジュール550及び処理ツールに接続するための対応する相互接続部(例えば、ライン568、569、及び571)のみを含み得る。このような実施形態では、プラズマ洗浄モジュール550は、処理ツールから電力、冷却流体、及びガスを供給し得る。処理ツールのプロセッサは、プラズマ洗浄モジュール550の動作も制御し得る。
【0055】
ここで、実施形態に係る、処理ツールの排気領域を洗浄するプロセス640を示すプロセスフロー図である図6を参照する。プロセス640は、一体型プラズマ洗浄モジュール又はポータブルプラズマ洗浄モジュールのいずれかを用いて実施され得る。ポータブルプラズマ洗浄モジュールの場合、プロセス640は、ポータブルプラズマ洗浄モジュールを排気ラインに取り付けることも含み得る。
【0056】
実施形態では、プロセス640は、排気ラインのチャンババルブを閉じることを含む工程641を含み得る。閉じられるチャンババルブは、チャンバ隔離バルブであってよい。チャンバ隔離バルブは、主チャンバと洗浄ラインとの間にあるバルブであってよい。例えば、閉じられるバルブは、図4A及び図4Bに示す第1のバルブ481であってよい。チャンバ隔離バルブを閉じることにより、主チャンバの圧力を変化させることなく、洗浄プロセスを進めることができる。そのため、メンテナンス後の追加のポンプダウンが不要となり、処理ツールのダウンタイムが短縮される。
【0057】
実施形態では、プロセス640は、プラズマ洗浄モジュールをポンプに流体的に結合するためにバルブを開くことを含む工程462を含み得る。例えば、開かれるバルブは、図4A及び図4Bの第3のバルブ483であってよい。
【0058】
実施形態では、プロセス640は、ポンプでプラズマ洗浄モジュールをポンプダウンすることを含む工程463を含み得る。例えば、ポンプは、プラズマ洗浄モジュールの洗浄チャンバでプラズマ生成に適した圧力を生成するために起動され得る。
【0059】
洗浄チャンバの真空が供給された後、プロセス640は、プラズマ洗浄モジュールでプラズマを励起することを含む工程646を含み得る。実施形態では、プラズマは、遠隔プラズマと称され得る。すなわち、プラズマは、洗浄が所望される場所に遠隔的に供給され得る。例えば、洗浄は、洗浄ライン及びプラズマ洗浄モジュールに取り付けられた排気ラインにおいて行われ得る。実施形態では、洗浄は、排気ラインに含まれるスロットルバルブの洗浄を含み得る。
【0060】
ここで、実施形態に従って使用され得る処理ツール又は可動プラズマ洗浄モジュールの例示的なコンピュータシステム760を示すブロック図である図7を参照する。実施形態では、コンピュータシステム760は、プラズマチャンバに結合され、プラズマチャンバにおける処理を制御する。コンピュータシステム760は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネットにおいて他の機械に接続(例えば、ネットワーク化)され得る。コンピュータシステム760は、クライアントサーバネットワーク環境におけるサーバ又はクライアントマシンの能力で、又はピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境におけるピアマシンとして動作し得る。コンピュータシステム760は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ又はブリッジ、もしくはその機械によって行われるべき動作を指定する命令のセット(シーケンシャル又はその他)を実行できる任意の機械であってよい。更に、コンピュータシステム760については単一の機械のみを図示したが、「機械」という用語は、本明細書に記載の方法論のいずれか1又は複数を実行するための命令のセット(又は複数のセット)を個別に又は共同で実行する機械(例えば、コンピュータ)の任意の集合体を含むとも解釈されるものとする。
【0061】
コンピュータシステム760は、実施形態に係るプロセス550等のプロセスを実行するためにコンピュータシステム760(又は他の電子デバイス)をプログラムするために使用され得る、その上に記憶された命令を有する非一過性機械可読媒体を有するコンピュータプログラム製品、又はソフトウェア722を含み得る。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構を含む。例えば、機械可読(例えば、コンピュータ可読)媒体は、機械(例えば、コンピュータ)可読記憶媒体(例えば、読み取り専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリデバイス等)、機械(例えば、コンピュータ)可読伝送媒体(電気、光学、音響又は他の形態の伝播信号(例えば、赤外線信号、デジタル信号等)等)等を含む。
【0062】
実施形態では、コンピュータシステム760は、システムプロセッサ702、バス730を介して互いに通信するメインメモリ704(例えば、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、シンクロナスDRAM(SDRAM)又はラムバスDRAM(RDRAM)等のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックメモリ706(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)等)及び二次メモリ718(例えばデータストレージデバイス)を含む。
【0063】
システムプロセッサ702は、マイクロシステムプロセッサ、中央処理装置等の1又は複数の汎用処理装置を表す。より具体的には、システムプロセッサは、複雑な命令セットコンピューティング(CISC)マイクロシステムプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロシステムプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロシステムプロセッサ、他の命令セットを実装するシステムプロセッサ、又は命令セットの組み合わせを実装するシステムプロセッサであってよい。システムプロセッサ702はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号システムプロセッサ(DSP)、ネットワークシステムプロセッサ等の1又は複数の特殊目的処理デバイスであってもよい。システムプロセッサ702は、本明細書に記載の工程を実行するための処理ロジック726を実行するように構成される。
【0064】
コンピュータシステム760は、他のデバイス又は機械と通信するためのシステムネットワークインターフェースデバイス708を更に含み得る。また、コンピュータシステム760は、ビデオディスプレイ装置710(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、又は陰極線管(CRT))、英数入力デバイス712(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス714(例えば、マウス)、及び信号生成デバイス716(例えば、スピーカ)を含み得る。
【0065】
二次メモリ718は、本明細書に記載の方法論又は機能のいずれか1又は複数を具現化する1又は複数の命令セット(例えば、ソフトウェア722)を記憶する機械アクセス可能記憶媒体731(又はより具体的にはコンピュータ可読記憶媒体)を含み得る。ソフトウェア722はまた、コンピュータシステム760によるその実行中に、完全に又は少なくとも部分的に、メインメモリ704内及び/又はシステムプロセッサ702内に常駐していてもよく、メインメモリ704及びシステムプロセッサ702はまた、機械可読記憶媒体を構成する。ソフトウェア722は、更に、システムネットワークインターフェースデバイス708を介してネットワーク720上で送信又は受信され得る。
【0066】
例示的な実施形態では、機械アクセス可能記憶媒体731を単一の媒体として示したが、用語「機械可読記憶媒体」は、1又は複数の命令セットを記憶する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中又は分散データベース、及び/又は関連キャッシュとサーバ)を含むと解釈されるべきである。また、用語「機械可読記憶媒体」は、機械による実行のための命令セットを記憶又は符号化することができ、機械に方法論のいずれか1又は複数を実行させる任意の媒体を含むと解釈されるべきである。用語「機械可読記憶媒体」は、それに応じて、固体メモリ、光学媒体及び磁気媒体を含むとみなされるが、これらに限定されない。
【0067】
前述の明細書において、特定の例示的な実施形態を説明してきた。以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、それに対して様々な変更がなされ得ることは明らかであろう。したがって、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味で捉えられるべきである。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7