(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】薄板状の乾燥食品の充填装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/14 20060101AFI20240606BHJP
【FI】
B65G47/14 101C
(21)【出願番号】P 2020054770
(22)【出願日】2020-03-25
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000226976
【氏名又は名称】日清食品ホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000107240
【氏名又は名称】ジェーシーシーエンジニアリング株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】505045322
【氏名又は名称】サンワテクノス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】安田 茂
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩司
(72)【発明者】
【氏名】平野 隆士
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開昭53-056591(JP,A)
【文献】国際公開第2020/003019(WO,A1)
【文献】特開2000-302230(JP,A)
【文献】特開平08-081043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
傾斜面を有し所定方向に延びる振動フィーダ板と、
当該振動フィーダ板の傾斜面上に形成され、供給される薄板状の乾燥食品の搬送路と、
前記搬送路
から分岐するように設けられ、前記搬送路から乾燥食品を排除するための排除機構と、
前記排除機構を通過した
、搬送路上の乾燥食品の個数をカウントするカウンターと、
前記カウントによって所定個数となるまで乾燥食品を充填する充填機構とを備えた、
薄板状の乾燥食品の振動フィーダ式充填装置。
【請求項2】
前記振動フィーダ板の下方において、傾斜面を落下する乾燥食品の回収機構を設けた請求項1に記載の薄板状の乾燥食品の振動フィーダ式充填装置。
【請求項3】
前記乾燥食品の搬送路を前記傾斜面上において上下複数段を有し、当該各搬送路に対応して前記排除機構及び前記充填機構を備えた請求項1又は2に記載の薄板状の乾燥食品の振動フィーダ式充填装置。
【請求項4】
前記搬送路が傾斜面上において上下二段である請求項3に記載の薄板状の乾燥食品の振動フィーダ式充填装置。
【請求項5】
前記薄板状の乾燥食品の振動フィーダ式充填装置に対して、当該振動フィーダ式充填装置に対する薄板状の乾燥食品の供給フィーダを備えた請求項1~4のいずれかに記載の薄板状の乾燥食品の振動フィーダ式充填装置。
【請求項6】
前記供給フィーダに対する薄板状の乾燥食品の供給部を備えた請求項5に記載の振動フィーダ式充填装置。
【請求項7】
前記振動フィーダ式充填装置において順次充填される乾燥食品を所定の個数となるまでストックするストック部を設けた1~6のいずれかに記載の振動フィーダ式充填装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品の製造ラインにおいて、かまぼこ等の薄板状の乾燥食品を正確な個数を供給するための充填装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
加工食品、特に即席カップ麺のような即席食品の製造工程においては、薄板状の乾燥されたカマボコを各カップごとに所定個数を投入することが必要な場合がある。一方、かまぼこは薄板状の乾燥食品であって、従来まで振動パーツフィーダを利用する場合が多かったが、形状が特殊なため、当該乾燥食品を所定の個数を正しく商品等に供給するのは困難な場合が多かった。
即席麺の製造ラインにおいては、コンベアによってカップを連続的に搬送し、具材等のパーツを供給していく必要がある。このように連続的に製造し、大量生産するため迅速に具材等を供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【0004】
上記先行技術のかまぼこ充填装置は、優れた充填機能を有するが、らせん状のトラックを有し、経路を二重に有する等装置が大掛かりとなり、装置機構がより複雑になるという点が指摘される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明者らは薄板状の乾燥食品を所定個数、カップ等の容器に充填できる薄板状の乾燥食品の供給装置を開発することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らの鋭意研究の結果以下のような構成が好適であることを見出した。すなわち、まず、傾斜面を有する振動フィーダをベースの構成として利用しつつ、当該振動フィーダの傾斜面上に段差を設けることによって供給される薄板状の乾燥食品の搬送路を設け、振動フィーダによって乾燥食品について当該搬送路上を搬送させる構成とした。
これとともに、搬送路の下流位置で当該搬送路からの排除機構を設け、当該排除機構を通過した乾燥食品の個数をカウントし、所定の個数となるまで乾燥食品を食品容器等に充填できるように充填機構を設けた。さらに、所定個数を超える乾燥食品を充填しないように、カウントして所定個数となった以後の乾燥食品を先の排除機構により搬送経路から排除することで、所定個数の乾燥食品を充填できる構成とした。
また、所定個数の乾燥食品を食品容器等に充填・供給した後においては、カウントをゼロリセットして新たに必要個数の乾燥食品を充填する構成とした。
【0007】
すなわち、本願第一の発明は、
“傾斜面を有し所定方向に延びる振動フィーダ板と、
当該振動フィーダ板の傾斜面上に形成され、供給される薄板状の乾燥食品の搬送路と、
前記搬送路に設けられ、前記搬送路から乾燥食品を排除するための排除機構と、
前記排除機構を通過した乾燥食品の個数をカウントするカウンターと、
前記カウントによって所定個数となるまで乾燥食品を充填する充填機構とを備えた、薄板状の乾燥食品の振動フィーダ式充填装置。”である。
【0008】
次に、本発明においては、前記振動フィーダ板の傾斜面上を落下する余分な乾燥食品を回収する回収機構を備えることが好ましい。
すなわち、本願第二の発明は、
“前記振動フィーダ板の下方において、傾斜面を落下する乾燥食品の回収機構を設けた請求項1に記載の薄板状の乾燥食品の振動フィーダ式充填装置。”、である。
【0009】
次に、本発明においては、前記傾斜面上に形成される搬送路について、上下複数段を有し、各搬送路に対応して前記排除機構、前記排出機構、前記カウンター及び前記充填機構を備えることが好ましい。
すなわち、本願第三の発明は、
“前記乾燥食品の搬送路を前記傾斜面上において上下複数段を有し、当該各搬送路に対応して前記排除機構及び前記充填機構を備えた請求項1又は2に記載の薄板状の乾燥食品の振動フィーダ式充填装置。”、である。
【0010】
次に、本発明においては、上下複数段おいて、特に上下二段であることが好ましい。
すなわち、本願第四の発明は、
“前記搬送路が傾斜面上において上下二段である請求項3に記載の薄板状の乾燥食品の振動フィーダ式充填装置。”、である。
【0011】
次に、本発明においては、前記振動フィーダに加えて薄板状の乾燥食品を供給する供給フィーダを備えると好適である。
すなわち、本願第五の発明は、
“前記薄板状の乾燥食品の振動フィーダ式充填装置に対して、当該充填装置に対する薄板状の乾燥食品の供給フィーダを備えた請求項1~4のいずれかに記載の薄板状の乾燥食品の振動フィーダ式充填装置。”、である。
【0012】
次に、本発明においては、薄板状の乾燥食品の供給部を備えると好適である。
すなわち、本願第六の発明は、
“前記供給フィーダに対する薄板状の乾燥食品の供給部を備えた請求項1~5のいずれかに記載の振動フィーダ式充填装置。”、である。
【0013】
次に、本発明においては、前記充填機構において順次充填される乾燥食品を所定の個数となるまでストックする充填ストック部を設けることが好適である。
すなわち、本願第七の発明は、
“前記充填機構において順次充填される乾燥食品を所定の個数となるまでストックするストック部を設けた1~6のいずれかに記載の振動フィーダ式充填装置。”、である。
【発明の効果】
【0014】
本発明における振動フィーダ式充填装置とすることで、所定個数を供給することが困難な薄板状の乾燥食品を所定の決められた個数を生産ライン上の食品容器等に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施態様の乾燥食品の振動フィーダ式充填装置の斜視図である。
【
図2】本発明の実施態様の回収機構を備えた乾燥食品の振動フィーダ式充填装置の斜視図である。
【
図3】本発明の実施態様の乾燥食品の振動フィーダ式充填装置に供給フィーダ及び供給部と備えた全体構成を示す斜視図である。
【
図5】
図3及び
図4の構成を含む生産ラインへの供給態様を示す斜視図である。
【
図6】振動フィーダ板における乾燥食品の搬送路、充填経路、排除経路等を示した正面図である。
【
図7】搬送路が一つの場合の乾燥食品の振動フィーダ式充填装置の斜視図である。
【
図8】乾燥食品の回収機構の実施態様を示した斜視図である。
【
図9】回収機構としてコンベア搬送することによって排出する態様を示した斜視図である。
【
図10】
図9において振動フィーダ式充填装置が一つの搬送路を有する場合を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0016】
1 薄板状の乾燥食品の供給装置
3 振動フィーダ板
5 回収機構
7 供給フィーダ
9 供給部
11 コンベア装置
12 充填経路
13 充填ストック部
14 第一充填経路
15 第一充填ストック部
16 第二充填経路
17 第二充填ストック部
19 供給ストック部
21 搬送路
23 振動体(振動フィーダ板用)
25 第一搬送路(上段)
27 第二搬送路(下段)
29 排除装置
30 第一排除装置
31 第二排除装置
33 回収容器
35 導管
37 補助傾斜版
39 段差の厚みが薄い領域
44 排除経路
45 第一排除経路
47 第二排除経路
49 第一充填経路
51 第二充填経路
53 カウンター
55 第一カウンター
57 第二カウンター
59 回収ユニット
63 振動体(供給フィーダ用)
65 支持台
DF 乾燥食品
CP カップ状容器
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本願発明の内容を、実施形態を挙げながら具体的に説明する。但し、本願発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。
図1は本発明の第一の実施形態の薄板状の乾燥食品の供給装置1を示したものである。
次に
図2は、さらに、振動フィーダ板3の下方において、傾斜面を落下する乾燥食品DFの回収機構5を設けた請求項1に記載の薄板状の乾燥食品の振動フィーダ式充填装置1を示したものである。
【0018】
次に
図3は、当該供給装置1に乾燥食品を供給する供給フィーダ7と当該供給フィーダ7に乾燥食品DFを供給する供給部9及び回収機構5として回収コンベア装置11を備えるとともに、充填経路12から供給される乾燥食品DFを一旦ストックして、必要に応じて下方に供給するストック部13も示している。
【0019】
さらに、
図4は、
図3に示す本発明の乾燥食品の充填装置1を含む全体構成の背面図を示したものである。
尚、充填ストック部13は、第一充填経路14に対する第一充填ストック部15と第二充填経路16に対する第二充填ストック部17のそれぞれの2種類のストック部が設けられている。当該各充填ストック部(13、15)からは必要に応じてその下部が開閉してストックした薄板状の乾燥食品DFを供給する態様となっている。
【0020】
次に
図5は、本発明における乾燥食品の充填経路12から、生産ラインにおけるカップ状容器CPに乾燥食品を充填する状態の一列分の状態を表示したものである。
図5に示すように、生産ラインにおいては、所定の容器に供給する手前においてタイミング等を調整して供給するための供給ストック部19が設けられている。先に述べた充填ストック部13とこの供給ストック部19を組み合わせることで生産ライン上に順次搬送されてくる枠体内の所定容器に適切に乾燥食品DFを供給する。
以下の本発明の実施態様を説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定されるものではないことは勿論である。
【0021】
─薄板状の乾燥食品─
本発明にいう薄板状の乾燥食品DFとは、特に種類は限定されないが薄板状の乾燥食品であればあらゆるタイプが可能である。具体的には、即席カップ麺や即席袋麺に利用される乾燥カマボコや乾燥油揚げ、乾燥豆腐、乾燥野菜(特にスライスしたタイプ)(カットした各種野菜、乾燥シイタケ、乾燥ニンジン、乾燥ポテト等)が例として挙げられる。但し、これらに限定されず種々の薄板状の乾燥食品を対象とすることができる。
【0022】
─傾斜面を有し所定方向に延びる振動フィーダ板─
本発明の第一の実施態様の乾燥食品の充填装置1は、傾斜面を有し所定方向に延びる振動フィーダ板3を備える。当該振動フィーダ板3は前記所定方向に物品を送る振動フィーダとして機能するように構成されており、後述するように当該振動フィーダ板上に設けられた搬送路21において本発明の供給対象である薄板状の乾燥食品DFが振動フィーダ板3の振動によって移動して搬送するように構成されている。
【0023】
また、本発明の第一の実施態様においては、
図1、
図2等に示すように振動フィーダ板3はリニア(直線タイプ)を示しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、当該振動フィーダ板3は屈曲又は湾曲していてもよいし、渦巻き状に形成されていてもよいことは勿論である。
さらに、
図1に示すように、前記振動フィーダ板3が振動フィーダとして機能するように、その下方部には電動式の振動体23が設けられている。振動体23については公知のタイプを利用することができる。
【0024】
─当該振動フィーダ板の傾斜面上に形成された乾燥食品の搬送路─
前記振動フィーダ板3の傾斜面上において、前記乾燥食品の搬送路21が設けられている。当該搬送路21は、傾斜面上において振動フィーダ板3が延びる方向と平行に傾斜面上に所定間隔の段差が設けられていることによって形成されている。当該搬送路21を乾燥食品DFは振動フィーダ板3の振動によって移動することによって搬送される。
また、前記段差は、概ね本発明における搬送対象である薄板状の乾燥食品DFの厚みと同様となるように調製されている。
【0025】
これによって、供給される薄板状の乾燥食品DFについて、その複数が重なった場合において当該重なった乾燥食品DFのうち、最下層の乾燥食品DFのみが搬送路21に入ることができ、上部に重なった乾燥食品DFは搬送路21に入れずに傾斜面に沿って下方に滑降・落下するように構成されている。
尚、本発明の第一の実施態様においては、
図1~
図3に示すように上記の搬送路21が上下の二段(上段の搬送路(第一搬送路)25、下段の搬送路(第二搬送路)27)に設けられている。これらのうち上段の搬送路25は、傾斜面の上方側にあり、下段側の搬送路27は傾斜面の下方側にある。
【0026】
これらの搬送路21は、
図6に示すようにその下流側において所定個数以上の乾燥食品DFが充填されないように搬送路21から当該乾燥食品を排除する排除機構が設けられている。本発明の第一実施態様において、当該排除機構は、搬送路を搬送する乾燥食品を搬送路から排除する排除装置29(第一排除装置30、第二排除装置31)と、当該排除された乾燥食品が移動する排除経路44からなっている。
【0027】
すなわち、搬送路から乾燥食品を排除する排除装置29が設けられており、当該排除装置29によって排除された乾燥食品が移動する排除経路が設けられており、一方、当該排除装置29により排除されずに、当該装置を通過した乾燥食品は、搬送路の終端において、フィーダ板から落下して充填経路12を経由して充填されるように構成されている。また、各搬送路21を乾燥食品DFが搬送するように段差によって区画されている。
【0028】
具体的には
図6に示すように薄板状の乾燥食品DFは紙面右上側の上流側に供給される。次に供給された薄板状の乾燥食品DFのうち、第一搬送路25に設けられた段差に乾燥食品DFが載置され、第一搬送路25に入った乾燥食品DFは当該第一搬送路25を振動フィーダの作用により移動する。
【0029】
また、第一搬送路25に入れずに、下方に落下した乾燥食品のうちの一部は第二搬送路27に設けられた段差に載置され、第二搬送路27に入る。当該第二搬送路27に入った乾燥食品DFは当該第二搬送路27を振動フィーダの作用により移動する。また、第二搬送路27に入れずに、さらに下方に落下する余分な乾燥食品DFは下方に落下し、回収機構5によって回収され再度、
図6の紙面右上側から供給される。
【0030】
尚、上記第二搬送路27の一部の領域は段差の厚みが薄い部分が設定けられている(39)。このため、この領域では余分な乾燥食品がより下方に落下し易くなっている。このような領域は適宜設定することができる。
尚、本発明の第一の実施態様においては、当該搬送路21は傾斜面に沿って上下二段のタイプを示しているが、これに限定されず
図7に示すように搬送路21が一段のみの場合であってもよいことは勿論である。
【0031】
また、排除機構については本発明の第一の実施態様においては、排除装置29と排除経路44を組み合わせた態様を例示しているが、これに限定されるものではなく、例えば、排除経路44を有さずに排除装置29のみによって乾燥食品を排除し、傾斜面上を落下させる方法でも可能である。
いずれにおいても搬送路21から乾燥食品を排除できる機構であればあらゆる態様を含むものであることは勿論である。
【0032】
─余分な乾燥食品の回収機構─
本発明の第一実施態様においては、供給される薄板状の乾燥食品DFを振動フィーダ板3の傾斜面上に供給する。しかし、当該供給量が搬送路21(第一搬送路25及び第二搬送路27)において搬送可能な乾燥食品DFの量よりも多い場合もあるため、余分な乾燥食品DFは傾斜面上を落下させて当該落下した乾燥食品DFを回収する回収機構5が設けられている(
図6)。尚、
図6では補助傾斜版37が設けられている。
【0033】
例えば、
図2に示すようなタイプの場合、搬送路21に入らない乾燥食品DFについては、振動フィーダ板3の斜面上を滑降・落下して所定の回収容器33に収納させる回収機構5を採用している。
また、当該回収機構5については、
図8に示すように、先の
図6で示したように、搬送路上を搬送される乾燥食品DFのうち、所定数の乾燥食品DFをストックした後の余分な乾燥食品DFを排除する排除経路からの乾燥食品を回収する回収機構と兼用してもよいことは勿論である。
また、当該回収機構5については、
図2や
図8の形式に限定されるものではなく、例えば、
図9に示すように回収機構5として余分な乾燥食品DFをコンベア装置11によって搬送することによって回収するような態様でもよいことは勿論である。
さらに、
図10においては、該振動フィーダ板3の傾斜面上に形成された搬送路21を一経路としたものについて、コンベア搬送11によって余分な乾燥食品DFを回収する機構を示している。このような態様であっても可能であることは勿論である。
【0034】
─前記搬送路から乾燥食品を排出するための排除機構─
次に、搬送路21を搬送する乾燥食品DFは、振動フィーダによって順次、上記の搬送路に沿って移動せしめられるが、
図6に示すように搬送路21を移動する乾燥食品DFは排除装置29による排除経路43との分岐部まで到達する。当該分岐部においては、実際に生産ライン上の食品容器等に充填するための充填経路12に向かう場合においては、充填経路12(第一充填経路49又は第二充填経路51)を経由して乾燥食品DFは充填される。
【0035】
一方、充填経路12を経由して充填された乾燥食品DFがカウンター53(第一カウンター55、第二カウンター57)によってカウントされ所定個数に達している際においては、これ以上充填経路12に乾燥食品を供給することを停止することが必要な状態となる。このように充填経路12に供給することを停止させることが必要な場合においては
図2、
図6等に示されているように、乾燥食品DFは排除機構43によって排除経路44(第一排除経路45、第二排除経路47)に移動せしめられる。
【0036】
本発明の第一実施態様においては、当該排除機構43としてエアブロー機構が設けられている。すなわち、搬送路21に設けられた排除装置29におけるエアブローによって乾燥食品DFは、
図6に示すように噴出するエアーによって排除経路44に移動せしめられる。
【0037】
尚、当該排除装置29についてはエアブロー機構のみならず、部材によるプッシュ機構など種々の搬送路からの排除する構成が可能であることは勿論である。
また、
図2、
図6等の実施態様においては、排除装置29として、余分な乾燥食品DFをエアブローによって排除経路44に移載させている方法を示しているが、これに限定されるものではなく、排除経路44を特に設けずに、振動フィーダ板3の傾斜面を滑降・落下させることによって先に述べた回収機構5によって余分な乾燥食品DFを回収するような態様であってもよいことは勿論である。
【0038】
─排除機構により排出された乾燥食品の再利用─
当該排出装置29により排除経路44に移動せしめられた乾燥食品DFは、排除装置29における排除経路44を通じて排出される所定の再利用に供給される。当該排除経路44(第一排除経路45、第二排除経路47)を経由して排出された乾燥食品はDF、先に述べた回収機構5により回収された乾燥食品DFと一体として再利用することが可能である。
【0039】
具体的は、例えば、前記の回収機構5により回収された乾燥食品DFと排除装置29により排除された乾燥食品DFを同一の回収ユニット59に収納し、当該回収ユニット59から再度、振動フィーダ板上3に乾燥食品DFを再供給し、繰り返し、本発明の振動フィーダ式充填装置1によって充填を行ってもよい。
【0040】
このような操作を繰り返し行うことによって、乾燥食品DFを無駄なく、順次に供給対象となる食品容器への供給を実現することが可能となる。
図3~
図5に示す本発明の実施態様においては、回収した乾燥食品DFを再度、供給部9に収納する。収納後の乾燥食品DFは供給フィーダ7を経て振動フィーダ板3に供給される。
【0041】
─エアブロー機構を通過した乾燥食品の個数をカウントするカウンター及び充填機構─
前記搬送路21を移動し、排除装置29を通過して直進した乾燥食品は、カウンター53(第一カウンター55、第二カウンター57)によりその通過個数がカウントされる。所定個数の乾燥食品DFを充填するため、当該カウントされた個数が記憶される。尚、当該カウンター53については光電センサーやX線センサー等の種々の光学機器を利用することができる。
【0042】
カウンターを通過した乾燥食品DFは次に充填機構に移行する。本発明の第一の実施態様において、充填機構は充填経路12、充填ストック部13及び供給ストック部19からなり、まず、カウンターを通過した乾燥食品DFは充填経路12に移動する。前記カウンターによるカウントによって、充填経路12に正確な個数を搬送することができるので、充填経路12に予め設定した所定の個数が送られたことが確認されると、これ以上の乾燥食品DFの充填は不要となる。
【0043】
このため、その後に搬送されてくる乾燥食品DFに対しては、先に記載したように排除装置29(エアブロー機構)によって、搬送路上においてエアブローが噴射されることによって排除経路44に移動し、充填経路12に乾燥食品DFが移動することを中断させることができる。
そして、当該充填経路12から供給対象となるカップ状容器CP等に所定の個数の乾燥食品DFが充填されると、カウントがリセットされ、充填経路12への乾燥食品の供給が再び始まる。
【0044】
また、本発明の第一の実施態様においては、充填経路12が上下二段に設けられており、これらの二箇所の充填経路(49、51)から供給され、乾燥食品をストックする第一充填ストック部15及び第二充填ストック部17からの乾燥食品DFの供給について切替を適宜行うことにより、連続的な充填を可能とすることができることとなっている。
本発明の第一の実施態様においては、このような二箇所の充填経路を利用する充填機構が設けられている。
【0045】
─充填ストック部─
図5に示すように本願の第一の実施形態においては、充填経路12に送られた乾燥食品DFは、充填経路12から一旦充填ストック部13(第一充填ストック部15、第二充填ストック部17)に蓄えられる。当該充填ストック部13においては、所定個数の乾燥食品DFを同時に供給できるように所定個数となるまで下方への乾燥食品DFの供給をストップしてストックする構成を採用している。
【0046】
尚、
図5に示す本願の第一の実施形態においては、上下二段を搬送路21(第一搬送路25、第二搬送路27)が設けられており、それぞれの搬送路21に対して、充填経路(第一充填経路14、第二充填経路16)及び充填ストック部13(第一充填ストック部15、第二充填ストック部17)が設けられている。
これらの充填ストック部13において下方に乾燥食品を供給する際に、底部が開閉するにように構成されており、所定のタイミングで乾燥食品DFを下方に供給する構成となっている。
【0047】
尚、本願の第一の実施態様においては、一旦、充填経路12に送られた乾燥食品を充填ストック部にストックする態様を示しているが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、充填経路12より乾燥食品を食品容器(例えば、カップ状容器CP)等に直接に充填してもよいことは勿論である。さらに、後述する供給ストック部19との組み合わせで乾燥食品を供給してもよいことも勿論である。
【0048】
─供給ストック部─
さらに、本願第一の実施態様においては、充填ストック部13に加えて、当該充填ストック部13より導管35を経て備えられている供給ストック部19を有している。当該供給ストック部19は、薄板状の乾燥食品DFを生産ライン上の食品容器等に供給する直前において一旦乾燥食品をストックするために設けられている。送勲位アー路施態様においては、エアーブローーブローている。
当該供給ストック部19においては、生産ライン上を順次搬送するカップ状容器に対して所定のタイミングで乾燥食品DFを供給する。下方に乾燥食品を供給する際に、底部が開閉するにように構成されている。
【0049】
─本発明の供給フィーダ及び当該供給フィーダに対するストック供給部を含む構成─
図3は、乾燥食品の供給フィーダ7及び当該供給フィーダ7に対する乾燥食品DFの供給部9を備えた本発明の振動フィーダ式充填装置1の充填装置全体の構成の例を示した斜視図である。また、
図4はその背面からの斜視図である。
当該乾燥食品の充填装置全体においては、本発明の振動フィーダ式充填装置1と、当該振動フィーダ充填装置1に対して、乾燥食品DFを供給する供給フィーダ7及び供給部9を備えた態様を示している。
【0050】
図3及び
図4の態様においては、振動フィーダ式充填装置1に対して、乾燥食品DFを供給する乾燥食品DFの供給フィーダ7が設けられている。さらに、当該供給フィーダ7に対する振動体63が備えられている。尚、供給フィーダ用の振動体63及び振動フィーダ用の振動体23は支持台65の上に載置されている。さらに、供給フィーダ7に対して乾燥食品DFを供給する供給部9も設けられている。
【0051】
次に、
図5は、
図3及び
図4に示す乾燥食品の供給フィーダ7及び当該供給フィーダ7に対する供給部9を備えた振動フィーダ式充填装置1を利用した充填システム全体の構成の態様を示しており、また、当該充填システム全体について連続生産ラインにおいて供給する場合について示している。
【0052】
すなわち、振動フィーダ式充填システムから、連続生産ラインのカップ状容器CPに乾燥食品を供給する態様の例を示した部分的な斜視模式図である。
図5に示すように、本発明の振動フィーダ式充填装置1を含む充填システムを生産ライン上に装備して、食品の連続生産ラインに使用することができる。上図の供給方式においては、一列の生産ラインに対して供給する例を示している。尚、実際には各列ごとに充填システムが装備されることになる。
【0053】
当該供給装置を利用して生産ラインにおいて薄板状の乾燥食品を供給する形態については特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、第一充填経路14をメインの充填経路として、第二充填経路16をサブ(バックアップ)の充填経路とする制御方法が挙げられる。
【0054】
すなわち、下方に設置された連続的にカップ状容器が順次搬送される生産ラインにおいて、通常の稼働状態においては、第一充填経路14を経由して第一充填ストック部15にストックされた乾燥食品が第一充填ストック部15の下方部が必要に応じて開閉することによって、下方の供給ストック部19に供給される。そして、当該供給ストック部19に供給された乾燥食品DFは、所定のタイミングごとに下方において、順次、搬送されてくるカップ状容器CPに当該乾燥食品DFを供給する。
【0055】
一方、第二充填経路16を経由して第二充填ストック部17にストックされた乾燥食品DFは、予備の乾燥食品DFとしてストックされており、第一充填経路14→第一充填ストック部15から供給ストック部19に対する乾燥食品の供給が順次、搬送されてくるカップ状容器の速度に間に合わない場合等のイレギュラーな事態が生じた場合に、第二充填ストック部17にストックされた乾燥食品DFが供給ストック部19に乾燥食品を供給する。
【0056】
さらに、第一充填経路14→第一ストック部15からの供給が間に合う場合においては、第一充填経路14→第一充填ストック部15→供給ストック部19→カップ状容器CPへの乾燥食品の供給がメインの経路となって稼働が継続する。
但し、上記の供給態様は一例であって、上記のような供給の態様に限定されるものではない。例えば、第一充填ストック部15と第二充填ストック部17からの乾燥食品の供給を交互にしてもよいことは勿論である。
【0057】
すなわち、第一充填経路14→第一充填ストック部15から供給ストック部19への乾燥食品DFの供給と、第二充填経路16→第二充填ストック部17から供給ストック部19への乾燥食品DFの供給を交互とすることによって、順次、搬送されてくるカップ状容器に当該乾燥食品を無理なく供給することもできる。
尚、
図5は、充填システム全体の構成を一列に対応するように一台のみを示した模式図を示しており、実際には各列ごとに対して
図5と同様に振動フィーダ式充填装置1を含む充填システム全体の構成が備えられる態様となる。
【0058】
─薄板状食品の供給状態について─
以下の本発明の振動フィーダ式充填装置によって薄板状の乾燥食品を供給する場合の具体的な動作について
図5の生産ラインにおける充填の場合について説明する。
薄板状の乾燥食品DFは、供給部9に収納されており、下方から順次供給させる態様となっている。尚、当該供給の態様については公知の手法を利用することができる。
【0059】
当該供給部9から供給される薄板状の乾燥食品DFは供給フィーダ7に順次投入される。供給フィーダ7は振動フィーダとなっており、振動体63の振動に応じて順次、乾燥食品DFを前進させてそのフィーダ端部より乾燥食品DFを排出する。
排出された乾燥食品DFは本発明の振動フィーダ式充填装置1の振動フィーダ板3の端部に供給される。本発明の振動フィーダ式充填装置1の端部に供給された薄板状の乾燥食品DFのうち、振動フィーダ板3の搬送路21に入った乾燥食品DFはそのまま搬送路21に沿って移動する。尚、
図3、
図5においては二段の搬送路21(第一搬送路25、第二搬送路27)の場合を示している。
【0060】
一方、当該二段の搬送路(25、27)のいずれのも入らなかった余分の乾燥食品DFについては、振動フィーダ板3より落下して回収コンベア上11に到達し、回収コンベア11によって回収ユニット59に排出される。
また、上記搬送路21の段差の幅は、概ね当該薄板状の乾燥食品DFの厚みに相当しておりさらに、不安定に搬送されている乾燥食品DFを排出するために、二段目の搬送路の一部において段差の幅が薄くなっている領域39が設けられている(
図6)。
【0061】
次に、搬送路21を搬送する乾燥食品DFは、振動フィーダによって順次、上記の搬送路21に沿って移動せしめられるが、一段目(上方側)の搬送路25を移動する乾燥食品DFは排除装置29による排除経路44との分岐部まで到達する。当該分岐部においては、実際にカップ等に充填される充填側に進む場合においてはそのまま搬送されるが、当該充填側に進む必要がない場合には、排除装置29によって排出経路44に移動せしめられる。
【0062】
本発明の第一実施態様においては、当該排徐装置29としてエアブロー機構が設けられている。すなわち、
図6に示すように搬送路21の第一搬送路25及び第二搬送路27のそれぞれに設けられたスポット(第一エアブロー及び第二エアブロー)より噴出するエアーによって排除経路44に移動せしめられる。排除経路44に移動された乾燥食品は滑降して回収コンベア11に到達し、先に述べた振動フィーダ板上3を滑降した乾燥食品DFと同様に回収コンベア11によって回収ユニット59に回収される。
【0063】
前記排除機構においてエアブローによって排除されなかった乾燥食品はそのまま搬送路21を移動し、光電式のカウンター53によってカウントされた後に第一充填経路14に到達する。当該第一充填経路14を経由して第一充填ストック部15に蓄積される。
また、第一充填ストック部15に蓄積された薄板状の乾燥食品DFの個数が所定個数になることが光電式のカウンター53より当該信号が伝達されると、それ以後の搬送路21を移動する薄板状の乾燥食品DFが第一充填経路14に投入されないように、エアブロー機構が作動して第一搬送路25を搬送されてくる乾燥食品DFを排除することによって一定以上の薄板状の乾燥食品が第一充填経路14に供給されないように構成されている。
【0064】
次に、第二搬送路27を移動する乾燥食品DFについても第一搬送路25と同様な処理がなされる。すなわち、当該第二搬送路27においては第二排除経路47によって排除されずに通過した乾燥食品DFがカウンターにより個数をカウントされ第二充填経路16に到達する。乾燥食品はカウントされ当該二充填経路16を経由して第二充填ストック部17に蓄積される。
【0065】
また、第二充填ストック部17に蓄積された薄板状の乾燥食品DFの個数が所定個数になることが光電カウンターによって伝達され、それ以後の搬送路21を移動する薄板状の乾燥食品が第二充填経路16に投入されないように、エアブロー機構が作動して排徐することによって一定以上の薄板状の乾燥食品が充填されないように構成されている。
【0066】
第一充填ストック部15及び第二充填ストック部17に蓄えられた所定個数の薄板状の乾燥食品DFは、所定のタイミングで当該ストック部の下方が開閉することによって、乾燥食品が導管35を経由して供給ストック部19に蓄積される。そして、所定のタイミングで開閉することによってリテーナ上に挿入された食品容器(例えば、カップ状容器CP)に供給される。
【0067】
そして、供給ストック部19が空になると、第一充填ストック部15より上記と同様に薄板状の乾燥食品DFが供給される。また、トラブル等によって、第一充填ストック部15から薄板状の乾燥食品の供給が間に合わない場合には、予備経路(バックアップ経路)となっている第二充填ストック部17より薄板状の乾燥食品が供給される。
このようにストック部(充填ストック部)についてサブのストック部(第二充填ストック部17)を備えることで抜けのない安定した薄板状の乾燥食品の供給を実現することができる。このように生産ラインにおいて順次搬送される容器内に漏れなく薄板状の乾燥食品が供給されるように構成されている。
【0068】
─本発明の薄板状の乾燥食品の供給装置の利用形態─
本発明の薄板状の乾燥食品の充填装置は種々の食品の製造工程において利用することができる。例えば、即席カップ麺のうどんタイプの商品においては、乾燥したカマボコを具材として利用する場合が多い。このような商品の生産においては、所定のカップ状容器が型枠に挿入され、連続的な商品の製造工程において乾燥麺塊やスープや具材が順次カップ状容器内に供給されていくことになる。
この際、具材としてカマボコを使用する場合において、所定の個数(例えば1枚~3枚等)を正確に投入することができる。このため当該商品におけるカマボコの欠落等が生じることがなくなるため、商品価値を高めることができる。