(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】同時STEMおよびTEM顕微鏡
(51)【国際特許分類】
H01J 37/147 20060101AFI20240606BHJP
G02B 21/00 20060101ALI20240606BHJP
H01J 37/28 20060101ALI20240606BHJP
H01J 37/26 20060101ALI20240606BHJP
G01N 23/04 20180101ALI20240606BHJP
【FI】
H01J37/147 A
G02B21/00
H01J37/28 C
H01J37/26
G01N23/04 330
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021054726
(22)【出願日】2021-03-29
【審査請求日】2024-03-28
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501233536
【氏名又は名称】エフ イー アイ カンパニ
【氏名又は名称原語表記】FEI COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ヘンストラ
(72)【発明者】
【氏名】ユチェン デン
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー コール
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2006/088159(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/210249(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/243474(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/056015(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0351371(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/00-37/36
G02B 21/00
G01N 23/04
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
TEMおよびSTEM技術を用いてサンプルを調査する方法であって、前記方法が、
サンプルに向かって複数の電子を放射することと、
前記複数の電子から第1の電子ビームおよび第2の電子ビームを形成することと、
前記第1の電子ビームおよび前記第2の電子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性を、
前記第1の電子ビームが、前記サンプルの平面または前記サンプルの近くの平面に集束されるSTEMビームになり、および
前記第2の電子ビームが、前記サンプルに入射するTEMビームになるように修正することと、
前記STEMビームおよび前記TEMビームが前記サンプルに入射することから結果として生じる放射を同時に検出することと、
前記検出された放射に基づいてSTEM画像およびTEM画像を生成することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記サンプルの表面領域を横切って前記STEMビームを走査させることをさらに含み、前記STEMビームが走査される間、前記TEMビームが前記サンプルの静止場所に入射したままである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記TEMビームが前記サンプルに入射することに起因する前記検出された放射の第1の部分を決定することと、前記STEMビームが前記サンプルに入射することに起因する前記検出された放射の第2の部分を決定することと、をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記TEM画像が、前記第1の部分に基づいて生成され、前記STEM画像が、前記第2の部分に基づいて生成される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
TEMおよびSTEM技術を用いてサンプルを調査する方法であって、前記方法が、
サンプルに向かって複数の電子を放射することと、
前記複数の電子から第1の電子ビームおよび第2の電子ビームを形成することと、
前記第1の電子ビームおよび前記第2の電子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性を、
前記第1の電子ビームが、前記サンプルの平面または前記サンプルの近くの平面に集束されるSTEMビームになり、および
前記第2の電子ビームが、前記サンプルに入射するときに平行ビームであるTEMビームになるように修正することと、
前記STEMビームおよび前記TEMビームが前記サンプルに入射することから結果として生じる放射を検出することと、を含む、方法。
【請求項6】
前記STEMビームおよび前記TEMビームが前記サンプルに入射することから結果として生じる前記検出された放射から、STEM画像およびTEM画像の一方または両方を生成することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記STEMビームおよび前記TEMビームが前記サンプルに入射することから結果として生じる放射を検出することが、(1)前記STEMビームが入射することから結果として生じる放射、および(2)前記TEMビームが前記サンプルに入射することから結果として生じる放射を同じ検出器を使用して検出することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記STEMビームおよび前記TEMビームが前記サンプルに入射することから結果として生じる放射を検出することが、(1)前記STEMビームが入射することから結果として生じる放射、および(2)前記TEMビームが前記サンプルに入射することから結果として生じる放射を同時に検出することを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記サンプルの表面領域を横切って前記STEMビームを走査することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記STEMビームが走査されている間、前記TEMビームが前記サンプルに入射したままである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
STEM動作モード、TEM動作モード、およびSTEM/TEM同時動作モードのうちの2つの間で切り替えることをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記STEM動作モードへの切り替えが、前記STEMビームのみが前記サンプルに入射するように前記TEMビームを遮断させることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記TEMビームを遮断させることが、
前記TEMビームがビームブロッカーによって遮断されるように、前記TEMビームを偏向させること、
ビームブロッカーが前記TEMビームの経路を塞ぐように前記ビームブロッカーを移動させること、および
前記TEMビームがアパーチャを通過できないように前記アパーチャを塞ぐことのうちの1つを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記TEMビームが前記サンプルに入射することに起因する前記検出された放射の第1の部分を決定することをさらに含む、請求項5-13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の部分に基づいてTEM画像を生成することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記STEMビームが前記サンプルに入射することに起因する前記検出された放射の第2の部分を決定することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の部分に基づいてSTEM画像を生成することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の電
子を第1の電子ビームおよび第2の電子ビームに前記形成すること、および前記焦点特性の前記修正が、少なくとも部分的に二焦点ビームフォーマによって実行される、請求項5-17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記二焦点ビームフォーマが、前記第1の電子ビームおよび前記第2の電子ビームの一方に少なくとも四重極レンズ効果を適用する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記STEMビームおよび前記TEMビームが前記サンプルに入射することから結果として生じる前記放射が、単一の検出器および/または検出器アレイを用いて検出される、請求項5-19のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、同時STEMおよびTEM顕微鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のほとんどの電子顕微鏡システムは、遷移電子顕微鏡(TEM)撮像または走査透過型電子顕微鏡(STEM)撮像のうちいずれかを実行するように構成されている。追加的に、TEMおよびSTEM撮像を行うことができるそれらのシステムは、異なるレンズ、検出器、検出器アレイ、および/またはそれらの構成を、動作モードごとに使用する。したがって、TEM撮像モードとSTEM撮像モードとの間で切り替えるには、ユーザが検出器を切り替えるか、異なるレンズの励起を変化させるか、ビームシフトおよび/またはフォーカスドリフトが薄れるのを待つか、またはそれらの組み合わせが必要となる。これは、そのようなシステムをある動作モードから別の動作モードに切り替えるのが困難である、および/または時間がかかることを意味している。
【発明の概要】
【0003】
本開示による、TEMおよびSTEM技術でサンプルを調査するために単一電子顕微鏡システムを使用するための方法は、サンプルに向かって複数の電子を放射するステップと、複数の電子を第1の電子ビームおよび第2の電子ビームに形成し、次いで2つの電子ビームが異なる焦点面を有するように第1の電子ビームおよび第2の電子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性を修正するステップと、の初期のステップを含む。一旦2つのビームが異なる焦点面を有すると、本発明による方法は、サンプルに集束されたSTEMビームとして作用するように第1の電子ビームを集束するステップと、TEMビームとして作用するように第2の電子ビームを集束するステップと、の追加のステップを含む。撮像中、STEMビームはサンプルの表面で走査されるが、TEMビームは静止したままである。STEMビームおよびTEMビームがサンプルに入射することから結果として生じる放射は、単一の検出器または検出器アレイによって検出され得る。検出された放射は、TEM画像およびSTEM画像を生成するために使用される。
【0004】
本開示による、STEMおよびTEM技術の両方を使用してサンプルを調査するためのシステムは、サンプルを保持するように構成されたサンプルホルダ、サンプルに向かって電子を放射するように構成された電子エミッタ、および電子エミッタとサンプルホルダとの間に位置決めされた二焦点ビームフォーマを備える。二焦点ビームフォーマは、複数の電子を第1の電子ビームおよび第2の電子ビームに形成し、第1の電子ビームおよび電子粒子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性を修正するように構成される。第1の電子ビームおよび第2の電子の修正された焦点特性は、システムの別の構成要素(例えば、補正器、スティグメータなど)が第1の電子ビームおよび第2の電子ビームの対応する焦点面を異なるものにすることを可能にする。いくつかの実施形態では、二焦点ビームフォーマは、第1の電子ビームがサンプルに集束されるSTEMビームとして作用し、第2の電子ビームがサンプルに入射するTEMビームとして作用するように、少なくとも一方のビームの焦点特性を修正する。いくつかの実施形態では、システムは、2つのビームのうちの一方を遮断することによって、TEM動作モードとSTEM動作モードとの間で迅速に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
詳細な説明は、添付の図を参照して説明される。図において、参照番号の最も左の桁(複数可)は、参照番号が最初に現れる図を識別する。異なる図の同じ参照番号は、類似または同一の項目を示している。
【0006】
【
図1】本発明による、TEMおよびSTEM技術を用いてサンプルを調査セットアップされた例示的な二焦点マルチビームシステムを示している。
【
図2】第1のビームがサンプルの表面に集束され、第2のビームがサンプルにおいてサンプル面に実質的に垂直であるTEMビームである、例示的な実施形態を示している。
【
図3】第1のビームがサンプルにおいてサンプル面に実質的に垂直なTEMビームであり、第2のビームがサンプルの表面を横切って走査されるSTEMビームである、例示的な実施形態。
【
図4】本発明による二焦点マルチビームシステムを使用して、TEMおよびSTEM技術を用いてサンプルを調査するためのサンプル処理である。
【
図5】本発明による、サンプルの同時TEMおよびSTEM調査を行うためにセットアップされた二焦点マルチビームシステムの光学性能を示す図である。
【
図6】本発明による、サンプルの同時TEMおよびSTEM調査を行うためにセットアップされた二焦点マルチビームシステムの光学性能を示す図である。
【
図7】二焦点ビームフォーマがMEMSデバイスを備える、サンプルを調査するための例示的な二焦点マルチビームシステムを示している。
【
図8】本発明による例示的なMEMSデバイスを示している。
【
図9】4つの電極を備えるMEMSデバイスの例示的な実施形態のトップダウン概略図を示している。
【
図10】7つの電極を備えるMEMSデバイスの例示的な実施形態のトップダウン概略図を示している。
【
図11】例示的な実施形態の二焦点ビームフォーマが少なくとも四重極レンズ効果をそれに適用させる場合に引き起こされる、第2の電子ビームの歪みを示している。
【
図12】二焦点ビームフォーマがアパーチャレンズアレイを備える、サンプルを調査するための二焦点マルチビームシステムの例示的な実施形態を示している。
【
図13】例示的なアパーチャレンズアレイに対する例示的な電極を示している。
【
図14】例示的なアパーチャレンズアレイに対する例示的なアパーチャ画成構造を示している。
【
図15】1つのアパーチャ画成構造を有する例示的なアパーチャレンズアレイの断面を示している。
【
図16】
図23に示される多数のアパーチャアセンブリで使用することができる例示的な中央構造を示している。
【
図17】
図23に示される多数のアパーチャアセンブリで使用することができる例示的な中央構造を示している。
【
図18】
図23に示される多数のアパーチャアセンブリで使用することができる例示的な中央構造を示している。
【
図19】
図23に示される多数のアパーチャアセンブリで使用することができる例示的な中央構造を示している。
【
図20】
図23に示される多数のアパーチャアセンブリで使用することができる例示的な中央構造を示している。
【
図21】
図23に示される多数のアパーチャアセンブリで使用することができる例示的な中央構造を示している。
【
図22】
図23に示される多数のアパーチャアセンブリで使用することができる例示的な中央構造を示している。
【
図23】
図23に示される多数のアパーチャアセンブリで使用することができる例示的な中央構造を示している。
【
図24】
図23に示される多数のアパーチャアセンブリで使用することができる例示的な中央構造を示している。
【
図25】第1の電極、第2の電極、およびアパーチャ画成構造を備える例示的なアパーチャレンズアレイの断面を示している。
【
図26】二焦点ビームフォーマがビーム分割機構と1つ以上の集束デバイスとを備える、サンプルを調査するための二焦点マルチビームシステムの例示的な実施形態を示している。
【0007】
同様の参照番号は、図面のいくつかの図を通して対応する部分を指す。概して、図において、所与の例において含まれる可能性が高い要素は、実線で示されているのに対し、所与の例において任意選択的である要素は、破線で示されている。しかしながら、実線で示される要素は、本開示の全ての例に必須である訳ではなく、実線で示される要素は、本開示の範囲から逸脱しない限り、特定の例から省略され得る。
【発明を実施するための形態】
【0008】
TEMおよびSTEM技術を用いてサンプルを調査するための方法およびシステムが本明細書に含まれる。より具体的には、本明細書に開示される方法およびシステムは、荷電粒子顕微鏡を含む、および/またはそれがサンプルのTEMおよびSTEM撮像の両方を同時に実行すること、および/TEM動作モードとSTEM動作モードとの間を迅速に切り替えることを可能にするように構成されている。本方法およびシステムでは、電子源によって放射された複数の電子が第1および第2の電子ビームに分割され、第1の電子ビームおよび第2の電子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性が、第1の電子ビームおよび第2の電子ビームの対応する焦点面が異なるように修正される。次に、2つのビームは、第1の電子ビームがサンプルに入射するTEMビームになり、第2の電子ビームがサンプルに入射するSTEMビームになるように、集束および/または方向付けされ得る。
【0009】
このようなデュアルビームTEM.STEMセットアップは、多くの顕微鏡用途で使用することができる。例えば、本発明によるシステムは、高分解能STEM(HR-STEM)および電子回折(例えば、選択領域電子回折(SAED)、収束ビーム電子回折(CBED)、精密電子回折(PED)など)が同時に行われることを可能にし、HR-STEMおよび電子線回折によって提供される補完情報(高解像度画像、ひずみマップなど)がほぼ同時に取得できるようにする。いくつかの実施形態では、単一の検出器が使用される場合、本システムは、結果として生じる回折パターンがSTEMロンチグラムから解放されることをデュアル撮像方法が可能にするため、結晶サンプルの同時HR-STEMおよび電子回折撮像を可能にする。一方のビームによって生成された画像および/または撮像アーチファクト(例えば、ロンチグラム)を使用して他方のビームを整列させることができるため、2つの撮像ビームの存在により、ビームのより正確な整列が可能になる。追加的に、いくつかの実施形態では、サンプルおよび/または誘発された物理的変化を撮像するためにTEMビームが使用される一方で、サンプルに物理的変化を誘発するようにサンプルを処理するためにSTEMビームが使用されてもよい。
【0010】
様々な実施形態において、顕微鏡システムは、2つのビームのうちの一方、もしくは2つのビームの両方が遮断されるか、または2つのビームのどちらも遮断されないことを可能にする少なくとも1つのビームブロッカーを含み得る。いくつかの実施形態では、これにより、顕微鏡システムは、TEM動作モード、STEM動作モード、および/または同時STEMおよびTEM動作モードに切り替えることができる。様々な実施形態において、両方のビームがサンプルに入射することから結果として生じるサンプル放射および/または回折された電子は、同じ検出器/検出器アレイによって検出される。これにより、単一の検出器/検出器アレイからの検出器データを使用して、サンプルのSTEM画像およびTEM画像の両方を生成することができる。さらに、いくつかの実施形態では、顕微鏡システムが、レンズおよび/または検出器システムを切り替え、および/またはさもなければ再構成することなく、STEM画像およびTEM画像をすぐに連続して取得することを可能にする。
【0011】
いくつかの実施形態では、複数の電子は、二焦点ビームフォーマによって少なくとも部分的に分割および/または修正される。本発明のいくつかの実施形態による二焦点ビームフォーマは、第1の電子ビームおよび第2の電子ビームのうちの少なくとも一方に少なくとも四重極レンズ効果を適用するように構成されている。いくつかの実施形態では、二焦点ビームフォーマは、2つの電子ビームの焦点面を異なるものにする。代替的に、いくつかの実施形態では、二焦点ビームフォームは、ビームが二焦点ビームフォーマの下流にある多重極要素(すなわち、少なくとも四重極レンズ効果を適用する多重極/補正器/スティグメータ)を通過したときに、2つのビームの対応する焦点面が異なるものとなるように、少なくとも一方の電子ビームの焦点特性を変化させる。例えば、一方のビームが、サンプルに焦点計画を有するようにされ得、他方のビームが、試料の上および/または下の対物レンズの焦点距離の少なくとも0.1%、1%、10%、または100%に対応する焦点面を有してもよい。サンプルにおける一方のビームの直径は、他方の電子ビームの直径(すなわち、幾何学的スポットサイズ)よりも50、100、500、または1000倍大きいうちの少なくとも1つでもよい。代替的に、または加えて、サンプルにおける一方のビームの直径は、他方の電子ビームが合焦されているとき、他方の電子ビームの直径よりも50、100、500、または1000倍大きいうちの少なくとも1つでもよい。
【0012】
図1は、本発明による、TEMおよびSTEM技術を用いてサンプルを調査セットアップされた二焦点マルチビームシステム(複数可)100の図である。具体的には、
図1は、サンプル104を調査するためにTEMおよびSTEM技術を使用するための、例示的な二焦点マルチビームシステム(複数可)102を示している。例示的な二焦点マルチビームシステム(複数可)102は、TEMビームおよびSTEMビームでサンプル104を照射および/またはさもなければ衝突するように構成された電子顕微鏡(EM)セットアップまたは電子リソグラフィセットアップを含み得る。様々な実施形態において、二焦点マルチビームシステム(複数可)102は、限定されないが、走査型電子顕微鏡(SEM)、走査透過型電子顕微鏡(STEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、荷電粒子顕微鏡(CPM)、デュアルビーム顕微鏡システムなどの1つ以上の異なるタイプのEMおよび/または荷電粒子顕微鏡でもよいか、またはそれらを含んでもよい。追加的に、いくつかの実施形態では、二焦点マルチビームシステム(複数可)102は、STEMとしても動作することができるTEMでもよい。
【0013】
例示的な二焦点マルチビームシステム(複数可)102は、放射軸110に沿って、かつ二焦点ビームフォーマ112に向けて複数の電子108(すなわち、電子ビーム)を放射する電子源106(例えば、熱電子源、ショットキー放射源、電界放射源など)を含む。放射軸110は、電子源106からサンプル104を通って、例示的な二焦点マルチビームシステム(複数可)102の長さに沿って走る中心軸である。
【0014】
二焦点ビームフォーマ112は、(i)複数の電子108を少なくとも第1の電子114およびビーム第2の電子ビーム116に分割し、(ii)2つのビームのうちの一方がTEMビームになり、他方のビームがSTEMビームになるよう第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116のうちの少なくとも一方の焦点特性を修正するように構成された1つ以上の構造である。例えば、二焦点ビームフォーマ112は、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116が異なる対応する焦点面を有するように焦点特性を修正してもよい。
図1は、複数の電子108を放射軸110に沿って走る第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116に分割するものとしての二焦点ビームフォーマ112を示している。第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116の各々が複数の電子108から形成されるため、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116は、相互にコヒーレントである。
【0015】
図1はまた、第2の電子ビームの焦点特性を第1の電子ビーム114の焦点特性とは異なるものにする歪みを第2の電子ビーム116に適用するものとしての二焦点ビームフォーマ112を示している。具体的には、
図1は、2つのビームが異なる焦点特性を有するように第2の電子ビーム116に影響を与える四重極レンズ効果を適用する少なくとも四重極電場(すなわち、双重極電場、四重極電場、六重極電場、八重極電場など)を生成するように構成されているものとして二焦点ビームフォーマ112を示している。少なくとも四重極レンズ効果は、ビームの対応する焦点特性が異なるように、少なくとも一方のビームを歪め、スティグマタイズし、またはさもなければ修正してもよい。いくつかの実施形態では、四重極レンズ効果は、1つのメリジオナル平面(例えば、x-z面)において垂直メリジオナル平面(例えば、y-z面)とは異なるレンズ効果を適用して、2つのメリジオナル平面の各々の焦点特性の各々において異なる変化を引き起こしてもよい。そのようなスティグマタイゼーションは、
図6に示される例示的なシステムに示されている。
【0016】
そのような実施形態では、二焦点ビームフォーマの下流にある多重極要素(例えば、スティグメータ)は、第2の電子ビーム116の1つに無料の四重極レンズ効果を適用して、二焦点ビームフォーマ112によって引き起こされる収差を補正し、第2の電子ビーム116を再び円筒対称ビームにすることができる。このようにして、多重極要素は、第2の電子ビーム116をそのような多重極要素の下流で円筒対称にしながら、第1の電子ビーム114とは異なる焦点面を有させる。様々なセットアップにおいて、この多重極要素は、補足的な四重極レンズ効果が第1の電子ビーム114に適用されないように、第1の電子ビーム114の焦点面に置かれてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、二焦点ビームフォーマ112は、第2の電子ビーム116がSTEMビーム(すなわち、サンプル104の試料面に、またはサンプル104の近くの試料面に焦点面を有する)になり、第1の電子ビーム114がTEMビーム(すなわち、サンプル104の試料面に、またはサンプル104の近くの試料面において第1の電子ビーム114が平行、実質的に平行、またはわずかに収束するように対応する焦点面を有する)になるように、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116のうちの少なくとも一方の焦点特性を修正するように構成されている。様々な実施形態では、二焦点ビームフォーマ112は、サンプル104の上または下の対物レンズの焦点距離の少なくとも0.1%、1%、10%、または100%に位置付けられる平面に集束されるように、第1の電子ビーム114の焦点面を修正してもよい。
【0018】
代替的に、二焦点ビームフォーマ112は、第1の電子ビーム114がSTEMビーム(すなわち、サンプル104の試料面またはサンプル104の近くの試料面に焦点面を有する)になり、第2の電子ビーム116がTEMビーム(すなわち、サンプル104の試料面またはサンプル104の近くの試料面において第1の電子ビーム114が平行、実質的に平行、またはわずかに収束するように対応する焦点面を有する)になるように、少なくとも一方の電子ビームの焦点特性を修正してもよい。そのような実施形態では、焦点面(複数可)は、第2の電子ビーム116が、サンプル104の上および/または下の対物レンズの焦点距離の少なくとも0.1%、1%、10%、または100%に位置付けられる平面に集束されるように修正されてもよい。
【0019】
代替的に、または加えて、二焦点ビームフォーマ112は、サンプル104の試料面またはサンプル104の近くの試料面における第1の電子ビーム114の直径が、試料面における第2の電子ビーム116の直径よりも20、50、100、500、または1000倍大きいうちの少なくとも1つであるように、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116のうちの少なくとも一方の焦点特性を修正するように構成されてもよい。そのような実施形態では、二焦点ビームフォーマ112は、第1の電子ビーム114の直径を、第2の電子ビーム116が合焦される任意の平面における第2の電子ビーム116の直径よりも20、50、100、500、または1000倍大きいうちの少なくとも1つにすることができる。いくつかの実施形態では、二焦点ビームフォーマ112はさらに、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116の一方または両方を、放射軸110から離れるように偏向させる。
【0020】
図1は、二焦点ビームフォーマ112が、第2の電子ビーム116の焦点特性を修正するものとして示される一実施形態を示しているが、他の実施形態では、二焦点ビームフォーマ112は、2つのビームがTEMビームおよびSTEMビームになるように第1の電子ビーム114、または両方のビームの焦点特性を変化させてもよい。すなわち、当業者には、一方のビームに適用されると説明される作用または効果が、異なる実施形態において他方のビームに適用されて、2つのビームがTEMビームおよびSTEMビームになることを可能にし得ることが理解されるであろう。
【0021】
いくつかの実施形態では、二焦点ビームフォーマ112は、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116の形成と、2つのビームのうちの少なくとも一方の焦点特性の修正との両方を実行する単一の構成要素からなり得る。例えば、二焦点ビームフォーマ112は、両方2つのビームを形成し、ビームの対応する焦点特性が異なるように少なくとも一方のビームを集束し、スティグマタイズし、および/またはさもなければ修正する少なくとも四重極レンズ効果を適用する少なくとも四重極電磁場(すなわち、双重極電場、四重極電場、六重極電場、八重極電場など)を生成する微小電気機械システム(MEMS)に対応してもよい。別の例では、二焦点ビームフォーマ112は、2つのビームを形成し、2つのビームのうちの1つ以上に四重極レンズ効果を適用する少なくとも四重極電磁場を作る、複数のアパーチャおよび/または空洞を画成する構造を備えるアパーチャアレイに対応してもよい。いくつかの実施形態では、四重極レンズ効果は、1つのメリジオナル平面(例えば、x-z面)に正のレンズ効果を適用し、垂直メリジオナル平面(例えば、y-z面)に負のレンズ効果を適用して、2つのメリジオナル平面の各々において焦点特性の各々に異なる変化を引き起こしてもよい。
【0022】
そのようなシステムでは、多重極要素124(例えば、補正器、スティグメータ、または収差補正器の一部である多重極要素、四重極/八重極タイプの補正器など)が、さらに下流の例示的な二焦点マルチビームシステム(複数可)100に含まれ、補足的な四重極レンズ効果を適用して、ビームを再び円筒対称にしてもよい。例えば、
図1は、スティグメータを含むものとして二焦点マルチビームシステム(複数可)102を示している。代替的に、または加えて、二焦点ビームフォーマ112は、電子ビームの1つ以上の収差のうちの少なくとも1つに、二焦点マルチビームシステム(複数可)102内の別の収差を補正させるように位置決めおよび/または構成されてもよい。そのようなシステム構成要素は、二焦点ビームフォーマ112が少なくとも四重極レンズ効果を適用しなかった電子ビームの焦点面に位置決めされてもよい。二焦点ビームフォーマが第1の電子ビーム114に少なくとも第1の四重極レンズ効果を適用し、第2の電子ビーム116に第2の四重極レンズ効果を適用する実施形態では、そのような二焦点マルチビームシステム(複数可)100は、第1の電子ビーム114の焦点面に位置決めされ、補足的な四重極レンズ効果を第2の電子ビーム116に適用するように構成された第1の多重極要素124、および第2の電子ビーム116の焦点面に位置決めされ、補足的な四重極レンズ効果を第1の電子ビーム114に適用するように構成された第2の多重極要素124を含んでもよい。
【0023】
代替的に、二焦点ビームフォーマ112は、複数の構成要素118からなり得る。個々の構成要素118は、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116の形成、および2つのビームのうちの少なくとも一方の焦点特性の修正のうちの一方を実行することができるか、または他の構成要素118と共同してビームの形成および焦点特性の修正の一方または両方に寄与することができる。いくつかの実施形態では、個々の構成要素118は、複数の電子108の一部を遮断する一方で、他の電子108を通過させる物理的構造、バイプリズム(例えば、帯電したワイヤ)、薄い結晶またはナノ加工格子より作製された振幅分割電子ビームスプリッタ、複数の電子108を第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116に分割するために1つ以上のレーザーパターンフリンジを使用するように構成されたビーム分割レーザーシステムなどを含み得る。代替的に、または加えて、個々の構成要素118は、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116が異なる焦点面を有するように位置決めされるか、またはさもなければ構成された1つ以上のレンズ(例えば、アインツェルレンズ、四重極レンズなど)を含み得る。例えば、二焦点ビームフォーマ112は、2つのアパーチャを画成する物理的構造、および対応する焦点面が異なるように第1の電子ビームおよび第2の電子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性を調整するように位置決めおよび/または構成されたレンズからなり得る。様々な実施形態において、そのようなレンズは、物理的構造の上または下に位置決めされ得る。
【0024】
図1は、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116のうちの少なくとも一方を集束させるレンズ作用を適用するように構成された集束構成要素120の上流に位置決めされるものとして二焦点ビームフォーマ112を示している。さらに、集束構成要素120は、多重極要素124の上流に位置決めされる。
図1に示される例示的な二焦点マルチビームシステム(複数可)102では、集束構成要素は、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116を集束カラム126に向けて加速/減速、集束、および/または方向付ける加速器122に対応する。しかしながら、他の実施形態では、加速器122は、加速器122が電子108を二焦点ビームフォーマ112に加速/減速、収束、および/または方向付けさせ、二焦点ビームフォーマ112が最終エネルギー(例えば、30kV)で電子108を分割しその焦点特性を修正するように、電子源106と二焦点ビームフォーマ112との間に位置決めされてもよい。そのような実施形態では、集束構成要素120は、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116のうちの少なくとも一方を集束させるレンズ作用を適用するように構成されたレンズまたは他の構造に対応してもよい。
【0025】
集束カラム126は、電子ビーム114および116を、TEMビーム(すなわち、サンプル104の試料面またはサンプル104の近くの試料面において第1の電子ビーム114が平行、実質的に平行、またはわずかに収束するように対応する焦点面を有する)およびSTEMビーム(すなわち、サンプル104の試料面またはサンプル104の近くの試料面において焦点面を有する)でサンプル104に入射するように集束させる。具体的には、
図1は、第2の電子ビーム116をSTEMビームとして集束させ、第1の電子ビーム114をTEMビームとして集束させる集束カラム126を示している。
【0026】
図1には示されていないが、当業者には、集束カラム126が、二焦点マルチビームシステム(複数可)102を用いたサンプル104の調査を可能にし、および/または向上させるために必要な1つ以上の補正器(例えば、CsまたはCs+Cc収差補正器)伝送レンズ、偏向器(TEMビーム、STEMビーム、および/またはその両方を偏向させるため)、走査コイルなどを含んでも良いことが理解されるであろう例えば、集束カラム126は、TEMビームを偏向させずに、STEMビームにサンプルの表面を横切って走査させる1つ以上の偏向器を含み得る。代替的に、そのような偏向は、多重極極要素124および/または二焦点ビームフォーマ112によって生成される1つ以上の電磁場(例えば、双重極電場)によって引き起こされるか、または支援され得る。例えば、PED撮像では、STEMビームは小さな円錐内で動的に傾斜されるため、回折スポットが多くなり、平均すると、より高精度の回折パターンが結果として得られる。いくつかの実施形態では、そのような動的な傾斜は、MEMSデバイス二焦点ビームフォーマ112の個々の検出器/検出器システムによって引き起こされ得る。しかしながら、他の実施形態では、動的な傾斜は、1つ以上の巨視的偏向器システム(例えば、コンデンサ光学において)によって引き起こされ、および/または補足され得る。偏向器/偏向力が両方の電子ビームに影響を与える実施形態では、二焦点マルチビームシステム102は、TEMビーム撮像の結果に影響を与えずにSTEMビームを偏向させることができるように、撮像モード間を高速に切り替えるように構成することができる。
【0027】
図1はまた、対物レンズ128を含むものとして二焦点マルチビームシステム(複数可)102を示している。対物レンズ128は、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116のうちの一方をサンプル104上の点に集束させる光学要素である。対物レンズ128は、単極片レンズ、磁気静電複合レンズ、静電検出器対物レンズ、または別のタイプの対物レンズを含んでもよい。例えば、対物レンズ128は、サンプルがTEM対物レンズ内に、および/またはTEM対物レンズの試料前および試料後の構成要素の間に浸漬されるTEM対物レンズに対応してもよい。
【0028】
図1は、2つのビームのうちの一方、もしくは2つのビームの両方が遮断されるか、または2つのビームのどちらも遮断されないように構成されるビームブランカー129を含むものとして二焦点マルチビームシステム(複数可)102をさらに示している。ビームブランカー129は、電子がビームブランカーを通過することを可能にする1つ以上のアパーチャを画成する物理的構造を備えてもよい。例えば、ビームブランカー129は、両方のビームが通過することを可能にする単一のアパーチャを画成することができる。別の実施形態では、ビームブランカー129は、TEMビームがビームブランカー129を通過することを可能にする第1のアパーチャと、STEMビームがビームブランカー129を通過することを可能にする第2のアパーチャとを画成し得る。次に、2つのビームのうちの一方は、その対応するビームがビームブランカー129のアパーチャをもはや通過しないように偏向され得、それにより、ビームブランカー129を通過することが防止される(すなわち、ブランキングされる)。代替的に、いくつかの実施形態では、ビームの1つがビームブランカー129を通過することを防止するようにビームブランカー129自体が平行移動される、および/またはアパーチャの1つが塞がれてもよい。これにより、顕微鏡システムは、TEM動作モード、STEM動作モード、および/またはSTEMとTEMの同時動作モードを切り替えることができる。追加的に、
図1は、サンプル104と対物レンズ128との間に位置決めされるビームブランカー129を示しているが、他の実施形態では、ビームブランカー129は、二焦点マルチビームシステム102の他の位置に位置付けられてもよい。
【0029】
図1は、サンプル104を保持するサンプルホルダ130を含むものとして、二焦点マルチビームシステム(複数可)102をさらに示している。上記のように、
図1は、第1の電子ビーム114をサンプル104に入射するTEMビームとして示し、第2の電子ビーム116をSTEMビームとして示している。二焦点マルチビームシステム(複数可)102はまた、第1の電子ビーム114、第2の電子ビーム116、電子ビーム114がサンプルに104入射することの結果としてサンプル104を通過する回折された電子134、および電子ビーム116がサンプル104に入射することの結果としてサンプル104を通過する回折された電子135を検出するように構成された、回折面に位置決めされた検出器132を含む。このようにして、両方のビームがサンプルに入射することから結果として生じるサンプル放射および/または回折された電子は、単一の検出器132および/または単一の検出器アレイ132および140によって検出される。したがって、検出器132/検出器アレイ140からの検出器データは、サンプルのSTEM画像、TEM画像、またはその両方のうちいずれかを生成することであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、ビームブランカー129を使用して最初に第1のビーム114、次に第2のビーム116を遮断することによって、二焦点マルチビームシステム(複数可)102は、検出器システムを切り替えおよび/またはさもなければ再構成することなく、STEM画像およびTEM画像をすぐに連続して取得することができる。さらに、いくつかの実施形態では、二焦点マルチビームシステム(複数可)102は、STEM画像およびTEM画像を同時に捕捉することができる。例えば、TEMビームが静止場所に入射したままで、STEMビームは表面を走査するように偏向され得る。TEMから結果として生じる検出された放射が安定/一定のままであるため、TEMパターン/データ/情報を動的な/変化するSTEMパターン/データ/情報から分離することができる。
【0030】
図1は、任意選択でコンピューティングデバイス(複数可)142を含むとして二焦点マルチビームシステム(複数可)102をさらに示している。様々な実施形態では、コンピューティングデバイス(複数可)142は、検出器132および/または検出器アレイ140からの検出器データに基づいて、TEM画像および/またはSTEM画像を決定または生成するように構成され得る。これには、STEM放射に対応する検出器データの部分をTEM放射に対応する検出器データの部分から分離する能力が含まれ得る。追加的に、コンピュータシステムは、本明細書で記載する処理の開始、二焦点マルチビームシステム(複数可)102の機能性の修正、モード間の切り替えなどを含むがこれらに限定されない、二焦点マルチビームシステム(複数可)102の1つ以上の機能を制御することができ得る。当業者は、
図1に図示するコンピューティングデバイス142が単なる例示であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解するであろう。コンピューティングシステムおよびデバイスは、コンピュータ、ネットワークデバイス、インターネット家電製品、PDA、無線電話、コントローラ、オシロスコープ、増幅器などを含む、指定された機能を実行することができるハードウェアまたはソフトウェアの任意の組み合わせを含んでもよい。コンピューティングデバイス142は、示されていない他のデバイスに接続されてもよく、または代わりに、スタンドアロンシステムとして動作してもよい。
【0031】
図2および
図3は、例示的な二焦点マルチビームシステム100による調査中にサンプルと相互作用する第1の電子ビームおよび第2の電子ビームを示す図である。
【0032】
具体的には、
図2は、第1のビーム114がサンプル104の表面の平面またはサンプル104の表面の近くの平面に集束されるビームであり、第2のビーム116がサンプル104のサンプル面に実質的に垂直なTEMビームである、例示的な実施形態を示している。しかしながら、他の実施形態では、第1の電子ビーム114が、TEM照明ビームとして作用し得、第2の電子ビーム116が、サンプルの表面に集束され得る。
図2はまた、第1のビーム114および第2のビーム116が通過する単一のアパーチャ201を画成するビームブランカー129を示している。1つ以上の偏向器、多数の要素124、二焦点ビームフォーマ112、またはそれらの組み合わせを使用して、偏向ビームがビームブランカー129によってブランキングされるように、第1のビーム114または第2のビーム116のうちの一方を偏向させる偏向を生成し得る。
【0033】
図1に関する注釈で論じたように、いくつかの実施形態では、第1の電子ビーム114は、関心領域のSTEM撮像を実行するように、関心領域の表面を横切って走査される。代替的に、または加えて、第1の電子ビーム114を使用して、サンプル104に物理的変化を誘発するようにサンプル104の領域を処理してもよい。様々な実施形態にでは、第1の電子ビーム114は、サンプルのエッチング(例えば、ガス支援エッチング)、サンプルの堆積(例えば、ガス支援堆積)、サンプルの領域に放射線損傷を引き起こすこと、サンプルの領域に相変化を引き起こすこと、サンプルの領域における電荷蓄積の低減および/または誘発、またはそれらの組み合わせを実行するために使用され得る。例えば、二焦点マルチビームシステム100は、第1の電子ビーム114がサンプル104上で物理的堆積物(例えば、マウンド、リッジ、ブリッジ、針構造など)の蓄積を引き起こすように、第1の電子ビーム114がサンプル104に入射する場所の近くでボリュームにガスを導入するガス堆積システム203を含み得る。1つ以上の偏向器、多数の要素124、二焦点ビームフォーマ112、またはそれらの組み合わせを使用して、サンプル上で偏向ビームが入射する(すなわち、物理的変化が誘発される)場所が変化するように、第1のビーム114または第2のビーム116のうちの一方を偏向させる偏向を生成することができることを理解されたい。
【0034】
図2は、非軸方向ビームとして第1の電子ビーム114を示しているが、他の実施形態では、第1の電子ビーム114は軸方向ビームとして示されている。同様に、
図2は、軸方向ビームとして第2の電子ビーム116を示しているが、他の実施形態では、第2の電子ビーム116は非軸方向ビームでもよい。
図2は、対物レンズ130の上に位置決めされた前側焦点面204と、回折面208に対応する後側焦点面206と、を有するものとしての第2の電子ビーム116をさらに示している。このようにして、二焦点マルチビームシステム100は、第2の電子ビーム116を使用してサンプル104の関心領域のTEMまたはSTEM撮像を実行することができ、第1の電子ビーム114は、STEM撮像を実行する、および/またはサンプル104を処理するために使用される。これにより、第1の電子ビーム114によるサンプル104のシステム処理が、TEM撮像に基づいて、実行されるおよび/または変えられる(例えば、関心領域上での第1の電子ビームの入射場所;関心領域上での第1の電子ビームのスポットサイズ;第1の電子ビームの電流のうち1つ以上を変化させるなど)ことが可能になる。例えば、TEM撮像がサンプル104の一部に電荷蓄積を示している場合、第1の電子ビーム114は電荷蓄積を低減するように偏向され得る。別の例では、別の例では、TEM撮像により、第1の電子ビーム114の特性をリアルタイムで変化させることができる。そのような動的制御により、二焦点マルチビームシステム100はサンプル104に複雑な物理的変化の誘発を可能にする。
【0035】
いくつかの実施形態では、サンプル上の第1の電子ビーム114の傾斜角209は、第1の電子ビーム114および/または第1の電子ビームがサンプル104に入射することに起因してサンプル104によって放射される電子が検出器132によって検出されないようなものであり得る。いくつかの実施形態では、第1の電子ビームの傾斜角209は、サンプル104または対物レンズのアパーチャの下に位置決めされる任意選択のビームブロッカー211が、第1の電子ビーム114および/または第1の電子ビームがサンプル104に入射することに起因してサンプル104によって放射される電子が検出器132によって検出されることを可能にしないようなものであり得る。このようにして、電子ビーム114を用いたサンプル104の処理は、第2の電子ビーム116を用いたサンプル104のTEM撮像と干渉しない(または最小限で)。したがって、サンプルの撮像および処理を同時に実行することが可能になる。
【0036】
図3は、第1のビーム114がサンプル104のサンプル面に実質的に垂直であるTEMビームであり、第2のビーム116がサンプル104の表面を横切って走査されるSTEMビームである例示的な実施形態を示している。
図3は、電子ビーム114および116の両方が非軸方向ビームであることを示している。
図3は、対物レンズ130の上に位置決めされた前側焦点面204と、回折面208に対応する後側焦点面206と、を有するものとして第1の電子ビーム114をさらに示している。
【0037】
図4は、ハードウェア、ソフトウェア、人間による動作、またはそれらの組み合わせで実装することができる一連の動作を表す論理的フローグラフにおけるブロックの集まりとして示される例示的な処理のフロー図である。ソフトウェアの文脈において、ブロックは、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に格納され、1つ以上のプロセッサによって遂行されると、列挙する動作が実行される、コンピュータ実行可能命令を表している。概して、コンピュータ実行可能命令は、特定の機能を実行、または特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などを含む。動作が記述される順序は、限定として解釈されるべきではなく、任意の数の記述ブロックが、処理を実装するために任意の順序で、および/または平行に組み合わされ得る。
【0038】
図4は、本発明による二焦点マルチビームシステム(複数可)100を使用して、TEMおよびSTEM技術を用いてサンプルを調査するためのサンプル処理400を描写している。プロセス400は、例示的な顕微鏡システム(複数可)100、700、1200、および2600のうちいずれかで実装することができる。
【0039】
402において、複数の電子が、電子源によってサンプルに向かって放射される。電子源は、熱電子源、ショットキー放射源、電界放射源などを含み得る。電子源は、放射軸に沿って複数の電子を放射する。
【0040】
404において、複数の電子は、第1の電子ビームおよび第2の電子ビームに形成される。本発明によれば、複数の電子は、二焦点ビームフォーマまたはその構成要素によって2つのビームに形成される。いくつかの実施形態では、二焦点ビームフォーマの構成要素は、少なくとも、電子の第1の部分が二焦点ビームフォーマを通過する(すなわち、第1の電子ビーム)ことを可能にするように構成された第1のアパーチャと、電子の第2の部分が二焦点ビームフォーマを通過する(すなわち、第2の電子ビーム)ことを可能にするように構成された第2のアパーチャとを画成する。代替的に、または加えて、二焦点ビームフォーマは、バイプリズム、薄い結晶またはナノ加工格子から作製された振幅分割電子ビームスプリッタ、ビーム分割レーザーシステム、または電子を分割するものとして当業者に既知の別のタイプの機構を含み得る。
【0041】
406において、第1の電子ビームおよび第2の電子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性は、第1の電子ビームがTEMビームになり、第2の電子ビームがSTEMビームになるように修正される。具体的には、本発明によれば、二焦点ビームフォーマまたはその構成要素は、2つのビームが異なる対応する焦点面を有するように、第1の電子ビームおよび第2の電子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性を修正するようにさらに構成されている。すなわち、第1の電子ビームは、サンプルの試料面またはサンプルの近くの試料面において平行、実質的に平行、またはわずかに収束するように修正され、第2の電子ビームは、サンプル104の試料面またはサンプル104の近くの試料面に焦点面を有するように修正される。いくつかの実施形態では、両方のビームの焦点特性および/または焦点面が調整される。しかしながら、他の実施形態では、2つのビームのうちの一方だけの焦点特性および/または焦点面が調整される。
【0042】
408において、TEMビームは、サンプルに入射するように方向付けられる。TEMビームは、サンプルに入射するときに平行ビーム(または逆TEM撮像技術の場合は、わずかに逆ビーム)になるように集束される。TEMビームは、TEM撮像プロセス中、サンプル上で一定の位置と向きで保持される。
【0043】
410において、STEMビームは、サンプルの第2の平面またはサンプルの近くの第2の平面に集束される。さらに、STEM撮像中、STEMビームは、STEMビームが入射するサンプルの表面上の場所が変化するように、系統的に偏向される。すなわち、STEMビームは、調査されているサンプルの表面の領域を横切って走査するように系統的に偏向される。
【0044】
412において、電子ビームがサンプルと相互作用することから結果として生じる電子および/または放射が検出される。例えば、回折面に位置決めされた1つ以上の検出器は、サンプルを透過する電子ビームの部分、サンプルによって回折された電子、サンプルからの放射、またはそれらの組み合わせを検出することができる。具体的には、2つのビームから結果として生じる電子および/または放射は、単一の検出器および/または検出器アレイで検出することができる。さらに、この処理により、TEMビームおよびSTEMビームから結果として生じる電子および/または放射の両方を同時に検出することができる。
【0045】
代替的に、ビームブランカーを使用して、2つのビームのうちの一方を一時的に遮断することもできる。このようにしてTEMビームが遮断されると、システムはSTEM撮像モードで動作する。すなわち、STEM撮像モードでは、STEMがサンプルの表面全体を横切って走査され、結果として生じる放射がTEMビームによる干渉なしに検出される。同様に、STEMビームが遮断されると、システムはTEM撮像モードで動作し、TEMビームがサンプルに入射することから結果として生じる放射は、STEMビームによる干渉なしに検出される。このように、検出器/検出器アレイを変化または再構成する必要がないため、システムは、TEM動作モード、STEM動作モード、および/またはTEM撮像とSTEM撮像とが同時に行われる同時動作モードを迅速に切り替えることができる。
【0046】
414において、TEM画像および/またはSTEM画像は、検出された放射/電子を使用して生成される。例えば、TEMおよびSTEMビームからの放射が同時に検出される場合、画像の生成は、最初に、検出された放射/電子の部分を、TEMビームに関連する第1の部分と、STEMビームに関連する第2の部分とに分離することを伴い得る。例えば、TEMビームはSTEMビームの走査中に一定の方向でサンプルに入射したままであるため、STEMビームの走査中に一定のままである検出された放射/電子の部分はTEMビームに帰し得る。同様に、STEMビームの走査中に変動する検出された放射/電子の部分は、STEMビームに帰し得る。次に、再構成技術を使用して、検出された放射/電子からTEM画像および/またはSTEM画像を生成することができる。
【0047】
図5および
図6は、本発明による二焦点マルチビームシステム(複数可)100の光学性能を示す図である。
図5は、非軸方向TEMビーム502および軸方向STEMビーム504を有する二焦点マルチビームシステム500の例示的なビーム経路を示し、ここでは、少なくとも四重極レンズ効果が非軸方向TEMビーム502に適用される。
【0048】
図5は、二焦点ビームフォーマ112に向かって複数の電子108を放射する電子源106を図示している。二焦点ビームフォーマ112は、複数の電子108を非軸方向TEMビーム502および軸方向STEMビーム504の両方に分割するものとして示されている。
図5は、非軸方向TEMビーム502の焦点特性を変化させる、少なくとも四重極レンズ効果を非軸方向TEMビーム502に適用するものとして、二焦点ビームフォーマ112をさらに示している。
【0049】
いくつかの実施形態では、四重極レンズ効果の結果は、非軸方向TEMビーム502がもはや円筒対称ビームではないということである。1つ以上の非点収差を補正するため、および/または非円筒対称の非軸方向TEMビーム502を円筒対称にするための多重極要素124(例えば、多重極、スティグメータなど)が、軸方向STEMビーム504の焦点面に位置決めされるものとして
図5に示されている。例えば、多重極要素124は、それが多重極要素124の下流で円筒対称になるように、少なくとも四重極レンズ効果を非軸方向TEMビーム502に適用してもよい。補正器は、軸方向STEMビーム502が点に集束される平面に位置決めされるので、ビームに対する補正器の影響は最小化される。さらに、
図5は、多重極要素124が、放射軸に垂直なビームに偏向を適用する電磁場(例えば、双重極電場)を適用するようにさらに構成される一実施形態を示している。
図5では、この偏向により、非軸方向TEMビーム502は、多重極要素124の下流で軸方向ビームになり、軸方向STEMビーム504は、多重極要素124の下流で非軸方向ビームになる。
【0050】
集束カラム126は、複数の横レンズを含むものとして示されている。集束カラム126は、TEMビーム502が試料506に入射したときに、TEMビーム502が実質的に平行になるように(または非平行TEM撮像の場合、わずかに収束または分散するビーム)、非軸方向TEMビーム502を集束させるものとして示されている。
図5は、試料面または試料面の近くに焦点面を有するようにSTEMビーム504を集束させる集束カラム126をさらに示している。これを示すために、
図5は、TEMビーム504の焦点面が試料506の焦点面と一致することを示す挿入
図508を図示している。
【0051】
図示する実施形態では、二焦点マルチビームシステム500のマルチビーム要素124および二焦点ビームフォーミング機構112のうちの一方は、試料506のSTEM撮像中にSTEMビーム504が試料506の表面を走査するようSTEMビーム504に動的偏向を適用するようにさらに構成されている。この動的偏向はTEMビーム502に影響を及ぼさないため、検出器または検出器アレイは、TEMおよびSTEM撮像のための検出器データを同時に取得することができる。
【0052】
図6は、サンプル602のTEMおよびSTEM同時調査を行うためにセットアップされた例示的な二焦点マルチビームシステム600の例示的なビーム経路を示している。具体的には、
図6は、四重極レンズ効果が軸方向TEMビーム602に適用され、四重極レンズ効果が非軸方向STEMビーム604に適用されない、例示的な二焦点マルチビームシステム600のビーム経路を示している。
図6は、y-z面650、およびx-z面670における軸方向TEM602および非軸方向STEMビーム604の例示的なビーム経路を示している。
【0053】
図6は、二焦点ビームフォーマ112に向かって複数の電子108を放射する電子源106を図示している。二焦点ビームフォーマ112は、複数の電子108を軸方向TEM602および非軸方向STEMビーム604の両方に分割するものとして示されている。
図6は、軸方向TEMビーム602の焦点特性を変化させる、少なくとも四重極レンズ効果を軸方向TEMビーム602に適用するものとしての二焦点ビームフォーマ112をさらに示している。
図6は、いくつかの実施形態において、少なくとも四重極レンズ効果が、スティグメーションをどのように軸方向TEMビーム602に適用するかを示している。すなわち、
図6は、四重極レンズ効果が、1つのメリジオナル平面においてTEMビーム602に第1のレンズ効果(すなわち、x-z面650において負のレンズ効果)を、垂直メリジオナル平面においてTEMビーム602に第2の異なるレンズ効果(すなわち、y-z面670において正のレンズ効果)をどのように適用するかを示している。
図6は、異なる平面におけるこれらの2つの異なるレンズ効果が、どのようにしてTEMビーム602をもはや円筒対称ビームではないようにするかを示している(すなわち、x-z面におけるビームの半径が、y-z面におけるビームの半径と同じではない)。
【0054】
図6はまた、STEM電子ビーム604の焦点面に位置決めされ、マルチビーム要素124の下流で再び円筒対称ビームになるように(すなわち、x-z面におけるビームの半径が、y-z面におけるビームの半径と同じである)、少なくとも四重極レンズ効果をTEMビーム602に適用するように構成された多極要素124を含むものとして、例示的な二焦点マルチビームシステム600を示している。補正器は、STEMビーム604が点に集束される平面に位置決めされるため、STEMビーム604に対する多重極要素124の影響は最小化される。様々な実施形態では、2つのビーム間の相互傾斜角を維持しながら、サンプルに対するビームの傾斜および/またはシフトを調整するために、カラム偏向器および/またはサンプルホルダの傾斜を使用することができる。
図6は、STEMビーム404に偏向を適用する双重極電磁場を生成するものとしての多重極要素124をさらに示している。
図6は、STEMビーム604を多重極要素124の下流で軸方向ビームにするものとしてこの力を示している。
【0055】
図7は、二焦点ビームフォーマがMEMSデバイス702を備える、サンプル104を調査するための二焦点マルチビームシステム(複数可)100の例示的な実施形態700を示す図である。
【0056】
例示的な二焦点マルチビームシステム(複数可)700は、放射軸110に沿って、かつ加速器120に向かって複数の電子108を放射する電子源106を含む。加速器120は、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116を二焦点ビームフォーマ112に向けて加速/減速、集束、および/または方向付ける。
図7は、上記のように、二焦点ビームフォーマ112の上流に位置決めされるものとして加速器120を示し、他の実施形態では、二焦点ビームフォーマ112は、電子源106と加速器120との間に位置決めされてもよい。
【0057】
例示的な二焦点マルチビームシステム(複数可)700では、二焦点ビームフォーマ112は、MEMSデバイス702に対応する。MEMSデバイス702は、複数の電子108の一部がMEMSデバイス702を通過することを可能にするように各々構成された第1のアパーチャおよび第2のアパーチャを画成する。このようにして、第1のアパーチャおよび第2のアパーチャは、複数の電子108をそれぞれ第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116に分割する。
図7は、第1の電子ビーム114を軸方向ビームとして示している。
【0058】
MEMSデバイス702は、複数の電極をさらに備え、これら複数の電極は、ある電圧が印加されると、第2の電子ビーム116に少なくとも四重極レンズ効果(すなわち、双重極電場、四重極電場、六重極電場、八重極電場など)を適用する四重極電磁場を電極が生成するように構成されている。四重極レンズ効果は、ビームの対応する焦点特性が異なるように、少なくとも第2の電子ビーム116を集束、スティグマタイズ、またはさもなければ修正する。いくつかの実施形態では、電極は、第1の電子ビーム114が電極によって生成される電磁場の影響を受けないように、および/またはそのような効果が低減されるように構成される。代替的に、または加えて、電極の一部は、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116に異なるレンズ効果を適用する電磁場を生成してもよい。
【0059】
図7は、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116のうちの少なくとも一方を集束させるレンズ作用を適用するように構成された集束構成要素120の上流に位置決めされているものとしてMEMSデバイス702を示している。
図7に示される例示的な二焦点マルチビームシステム(複数可)700では、集束構成要素は、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116を集束カラム126に向けて集束させるおよび/または方向付けるレンズ120に対応する。しかしながら、他の実施形態では、加速器122が電子源106とMEMSデバイス702との間に位置決めされ得、加速器122がレンズ704を置き換えるか、または増強してもよい(
図1に示されるように)。
【0060】
集束カラム126および対物レンズ128は、サンプル104に入射するように電子ビーム114および116を集束させる。具体的には、
図7は、サンプル104に集束されるように第2の電子ビーム116に集束し、サンプル104に集束されないように第1の電子ビーム114を集束する集束カラム126を示している。
図7は、第2の電子ビーム116が、サンプル104の薄い部分を通過する参照ビームとして示され、第1の電子ビーム114が、サンプル104に入射するTEMビームとして示している。
【0061】
いくつかの実施形態では、焦点面第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116は、一方のビームがサンプル104の平面またはサンプル104の近くの平面に集束され、他方の電子ビームがサンプル104の上および/または下の対物レンズの焦点距離の少なくとも0.1%、1%、10%、または100%に位置付けられる平面に集束されるように、修正される。代替的に、または加えて、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116の焦点面は、サンプル104での一方の電子ビームの直径が、サンプルでの他方の電子ビームの直径よりも5、10、20、50、100、500、または1000倍大きいうちの少なくとも1つであるように修正されてもよい。
【0062】
図8は、本発明によるMEMSデバイス700の例示的な実施形態800の断面を示している。具体的には、
図8は、複数の電子802を第1の電子ビーム804および第2の電子ビーム806に分割し、少なくとも四重極レンズ効果を第2の電子ビーム806に適用する電磁場パターンを生成するように構成されたMEMSデバイス700の断面を示している。少なくとも四重極レンズ効果により、第1の電子ビーム804および第2の電子ビーム806は異なる焦点特性を有する。例えば、四重極レンズ効果は、1つのメリジオナル平面(例えば、y-z面)において正のレンズ効果を適用し、垂直メリジオナル平面(例えばx-z面)において負のレンズ効果を適用して、2つのメリジオナル平面の各々において焦点特性に異なる変化を引き起こしてもよい。そのような実施形態では、別のシステム構成要素(例えば、補正器またはスティグメータ)を二焦点ビームフォーマ700の下流に含めて、別の四重極レンズ効果を適用して、ビームを再び円筒対称にしてもよい。
【0063】
図8は、表面層808、電極層810、および任意選択のシールド層812を含むものとしてMEMSデバイス700を示している。
図8では、表面層808は、電子802が入射する薄い材料(例えば、箔)を備えるものとして示されている。しかしながら、当業者は、他の実施形態では、表面層808が、別個の構成要素層に対応せず、むしろ電子802が入射するMEMSデバイス700の1つ以上の構成要素の上表面に対応してもよいことを理解するであろう。
【0064】
表面層808は、第1のアパーチャ816への第1の入口814および第2のアパーチャ820への第2の入口818を画成する。いくつかの実施形態では、第1のアパーチャ814は、軸方向アパーチャ(すなわち、電子802の放射軸上に位置決めされる)であり、第2のアパーチャ818は、非軸方向アパーチャである。そのような実施形態では、第1の電子ビーム804は軸方向ビームである。第1の入口814は、電子802の第1の部分(すなわち、第1の電子ビーム804)が第1のアパーチャ816に入り、MEMSデバイス700を通過することを可能にする。同様に、第2の入口818は、電子402の第2の部分(すなわち、第2の電子ビーム806)が第2のアパーチャ820に入り、MEMSデバイス700を通過することを可能にする。表面層808は、電子802の残りの部分がMEMSデバイス700に入り、および/または通過する能力を阻害する。
【0065】
電極層810は、対応する電圧が1つ以上の電極に印加されると、1つ以上の電極が、第1の電子ビーム804および第2の電子ビーム806の一方または両方にレンズ効果を適用する電磁場パターンを生成するように、成形、位置決め、またはさもなければ構成された複数の微小電極を備える。レンズ効果は、異なる対応する焦点特性を有するように、2つのビームの焦点特性が修正されるものである。生成される電磁場パターンの強度を変化させるために、電極に印加される電圧の大きさ、電極の形状、および電極の厚さ(L)のうちの1つ以上を修正することができる。本発明によれば、電極層810内の電極は、第2の電子ビーム806に、少なくとも四重極レンズ効果(すなわち、双重極電場、四重極電場、六重極電場、八重極電場など)を適用する少なくとも四重極電磁場パターンを生成するように構成される。いくつかの実施形態では、電磁場パターンは、第1の電子ビーム804および第2の電子ビーム806の一方または両方に双重極電場も適用することができる。そのような双重極電場は、電子ビームの少なくとも一方を放射軸に垂直な方向に偏向させ得る。
【0066】
図8はまた、表面層808の反対側にあり、第2の電子ビーム816に適用される少なくとも四重極レンズ効果から第1の電子ビーム814を少なくとも部分的に絶縁するように構成される任意選択のシールド層812を含むものとしてMEMSデバイス700を示している。
【0067】
図9は、4つの電極を備えるMEMSデバイス700の例示的な実施形態900のトップダウン概略図を示している。
図9および
図10は、実線の表面層808によって画成される第1の入口814および第2の入口818を実線で示している。追加的に、
図9および
図10は、電極層810の構成要素を破線で示している。当業者は、破線が正確な形状を表すのではなく、むしろ電極層810内の電極の一般的な輪郭を示していることを認識するであろう。
【0068】
図9は、第1の入口814の半径R
A1が、電極902によって少なくとも部分的に画成される第1のアパーチャの半径R
E1よりも小さいものとして示している。例示的なMEMSデバイス900の一実施形態では、半径R
A1は、約10μmであり得、半径R
E1は、約14μm以上であり得る。第2の入口818の半径R
A2は、電極902、904、906、および908によって少なくとも部分的に画成される第2のアパーチャの半径R
E2よりも小さいものとして
図9に示されている。しかしながら、他の実施形態では、半径R
E1ならびに半径R
A1、および/または半径R
E2ならびに半径R
A2の一方または両方が同じでもよい。例示的な実施形態900は、半径R
A1および半径R
A2が等しいおよび/または略等しいものとしてさらに示されているが、これは、すべての実施形態に必要なわけではない。第1の入口814および第2の入口818は、距離Dだけ離間されている。
【0069】
例示的なMEMSデバイス900の使用中、電極が第2の電子ビームに少なくとも四重極レンズ効果を適用する電磁場を生成するように、電圧が電極902~908のうちの1つ以上に印加されてもよい。いくつかの実施形態では、電極のうちの1つ以上が接地されてもよい。例えば、例示的なMEMSデバイス900は、第1の電圧V1が電極904に印加され、第2の電圧V2が電極908に印加され、電極902および906が接地される場合に、少なくとも四重極レンズ効果を第2の電子ビームに適用する電磁場を生成し得る。様々な実施形態では、V1およびV2は各々、-20Vより大きく、20V未満であり得るが、より大きな電圧を使用することもできる。
【0070】
図10は、7つの電極を備えるMEMSデバイス700の例示的な実施形態1000のトップダウン概略図を示している。
図10は、第1の入口814の半径R
A1が電極1002、1004、1006、および1008によって少なくとも部分的に画成される第1のアパーチャの半径R
E1よりも小さいものとして示している。
図10は、複数の電子の放射軸1010が通過する軸方向アパーチャであるとして、第1のアパーチャ814を示している。
【0071】
第2の入口818の半径R
A2もまた、電極1006、1012、1014、および1016によって少なくとも部分的に画成される第2のアパーチャの半径R
E2よりも小さいものとして
図10に示されている。しかしながら、他の実施形態では、半径R
E1ならびに半径R
A1、および/または半径R
E2ならびに半径R
A2の一方または両方が同じでもよい。
【0072】
例示的なMEMSデバイス1000の使用中、電極が第2の電子ビームに少なくとも四重極レンズ効果を適用する電磁場を生成するように、電圧が電極1002~1008および1012~1016のうちの1つ以上に印加されてもよい。いくつかの実施形態では、電極のうちの1つ以上が接地されてもよい。例えば、例示的なMEMSデバイス1000は、-20V~20Vの値の第1の組の電圧が電極1004、1008、1012、および1016に印加され、-5V~5Vの値の第2の組の電圧が電極1002および1014に印加され、電極1006が接地される場合に、少なくとも四重極レンズ効果を第2の電子ビームに適用する電磁場を生成し得る。
【0073】
追加的には、当業者は、
図9および
図10の破線が電極の例示的な構成を表し、実験が、第2の電子ビームに少なくとも四重極レンズ効果を適用する電磁場を電極に生成させる多数の電極構成(例えば、電極サイズ、電極形状、電極の量、電極のレイアウト、電極に印加される電圧の組み合わせなど)を提供することを理解するであろう。さらに、
図5および
図6の各々は、少なくとも四重極レンズ効果が第2の電子ビームに適用される一実施形態を示しているが、他の実施形態では、電極層は、対応する組の電圧が電極に印加された場合に第1の電子ビーム(または両方の電子ビーム)に少なくとも四重極レンズ効果を適用する電磁場を生成するように構成されてもよい。
【0074】
図11は、例示的な実施形態の二焦点ビームフォーマが少なくとも四重極レンズ効果を適用させる場合の、第2の電子ビームの焦点特性の変化を示す
図1100である。具体的には、
図11は、放射軸1106に沿って複数の電子1104を放射するエミッタ1102を示している。複数の電子1104は、円形領域1110において二焦点ビームフォーマ1108に当てられる。二焦点ビームフォーマ1108は、(i)電子ビーム1104をそれぞれ第1の電子ビーム1116および第2の電子ビーム1118に分割する第1のアパーチャ1112および第2のアパーチャ1114を画成し、(ii)使用時に第2の電子ビーム1118に少なくとも四重極レンズ効果を適用する電磁場を生成する、MEMSデバイスとして
図11に示されている。
【0075】
図11に示されるように、いくつかの実施形態では、少なくとも四重極レンズ効果により、第2の電子ビーム1118は、(i)第1の電子ビーム1116とは異なる焦点特性を有し、(ii)もはや円筒対象ビームではないように歪まされる。具体的には、
図11は、二焦点ビームフォーマ1108の下流の平面1120における第1の電子ビーム1116および第2の電子ビーム1118の断面領域を示し、放射軸は、平面1120に対して垂直である。第1の電子ビーム1116は、平面1120をわたるとき円形(または円形に近い)断面1122を有するものとして示され、第2の電子ビーム1118は、平面1120をわたるとき非円形断面1124を有するものとして示される。出願人は、これらの断面が、本発明による二焦点ビームフォーマのすべての実施形態の性能を例示しているものではなく、二焦点ビームフォーマ1108の特定の例示的な実施形態に限定されることに留意する。
【0076】
図12は、二焦点ビームフォーマがアパーチャレンズアレイ1203を備える、サンプル104を調査するための二焦点マルチビームシステム(複数可)100の例示的な実施形態1200を示す図である。
【0077】
例示的な二焦点マルチビームシステム(複数可)1202は、放射軸110に沿って、かつアパーチャレンズアレイ1204に向かって複数の電子108を放射する電子源106を含む。アパーチャレンズアレイ1204は、(i)第1の電子ビーム114が少なくとも一方のアパーチャ画成構造1206を通過することを可能にする第1のアパーチャ、(ii)第2の電子ビーム116が少なくとも一方のアパーチャ画成構造1206を通過することを可能にする第2のアパーチャ、および(iii)複数の他のアパーチャを画成する、少なくとも1つのアパーチャ画成構造1206を備える。第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、および複数のアパーチャは、電圧(複数可)がアパーチャ画成構造1206および電極(複数可)1208に印加されると、レンズ効果(例えば、少なくとも四重極レンズ効果)を第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116のうちの少なくとも一方に適用する電磁場を作るパターンを集合的に形成する。レンズ効果は、異なる焦点特性を有するように第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116の一方または両方を歪める。
【0078】
アパーチャレンズアレイ1204は、1つ以上の電極(例えば、ディスク電極)1208をさらに備える。1つ以上の電極1208の各々は、電圧が供給されると、対応する電極と少なくとも1つのアパーチャ画成構造1206との間に電界を生成する。追加的に、いくつかの実施形態では、電極1208のうちの1つ以上は、複数の電子108の一部が少なくとも1つのアパーチャ画成構造106に到達するのを物理的に遮断することができる。例えば、電極1208の1つは、電子の第1の部分が電極を通過することを可能にする第1のアパーチャ(すなわち、第1の電子ビーム)と、電子の第2の部分が電極を通過することを可能にする第2のアパーチャ(すなわち、第2の電子ビーム)とを画成してもよい。
【0079】
図12は、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116のうちの少なくとも一方を集束するレンズ作用を適用するように構成された集束構成要素120の上流に位置決めされているものとして二焦点ビームフォーマ112を示している。
図12に示される例示的な二焦点マルチビームシステム(複数可)1202では、集束構成要素は、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116を集束カラム126に向けて加速/減速、集束、および/または方向付ける加速器122に対応する。
【0080】
集束カラム126および対物レンズ128は、サンプル104に入射するように電子ビーム114および116を集束させる。具体的には、
図12は、サンプル104の平面またはサンプル104の近くの平面に集束するように第2の電子ビーム116を集束させ、サンプル104の平面またはサンプル104の近くの平面に集束しないように第1の電子ビーム114を集束させる集束カラム126を示している。いくつかの実施形態では、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116の焦点特性は、一方のビームがサンプル104の平面またはサンプル104の近くの平面に集束され、他方の電子ビームがサンプル104の上および/または下において対物レンズの焦点距離の少なくとも0.1%、1%、10%、または100%に位置付けられる平面に集束されるように、修正される。代替的に、または加えて、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116の焦点特性は、サンプル104における一方の電子ビームの直径が、サンプルにおける他方の電子ビームの直径よりも50、100、500、または1000倍大きいうちの少なくとも1つであるように、修正され得る。
【0081】
図13は、例示的なアパーチャレンズアレイ1204に対する例示的な1300電極1202を示している。電極1208は、電子がディスク電極1302を通過することを可能にするアパーチャ1304を画成するディスク電極1302として
図13に示されている。
【0082】
図14は、例示的なアパーチャレンズアレイ1204に対する例示的な1400アパーチャ画成構造1402を示している。例示的なアパーチャ画成構造1402は、(i)第1の電子ビームが少なくとも1つのアパーチャ画成構造1402を通過することを可能にする第1のアパーチャ1404、(ii)第2の電子ビームが少なくとも1つのアパーチャ画成構造1402を通過することを可能にする第2のアパーチャ1406、および(iii)複数の他のアパーチャ1408を画成する。
図14に示される例示的な実施形態では、第1のアパーチャ1404、第2のアパーチャ1406、および3つのアパーチャ1408の各々は、アパーチャ画成構造1402の正中線1410に沿って位置決めされる。
【0083】
図14は、電子がアパーチャ画成構造1402を通過することを可能にする穴として、複数の他のアパーチャ1408の各々を示している。しかしながら、他の実施形態では、アパーチャ1408のうちの1つ以上は、アパーチャ画成構造1402が、電子が入ることが可能であるが、電子がアパーチャ画成構造を通過することは可能ではない空の空間を画成する、空洞であり得る。第1のアパーチャ1404、第2のアパーチャ1406、および複数のアパーチャ1408は、少なくとも第2の電子ビームにレンズ効果(例えば、少なくとも四重極レンズ効果)を適用する電磁場を誘発するパターンを集合的に形成する。
【0084】
図15は、1つのアパーチャ画成構造を有する例示的なアパーチャレンズアレイ1500の断面を示している。具体的には、
図15は、
図13の例示的な電極1302および
図14の例示的なアパーチャ構造1402を備える、例示的なアパーチャレンズアレイ1500の断面を示し、断面のカットは、例示的なアパーチャ構造1402の正中線1410と整列している。
【0085】
図15は、電極1302に向かって放射軸に沿って放射される電子1502を示している。電子1502の一部は、アパーチャ1304および第1のアパーチャ1404の両方を通過して、第1の電子ビーム1506になる。電子1502の別の部分は、アパーチャ1304および第2のアパーチャ1406の両方を通過して、第2の電子ビーム1508になる。いくつかの実施形態では、アパーチャレンズアレイ1500は、少なくとも1つのアパーチャ画成構造1402が2つの電極の間にあるように位置決めされた第2の電極を含む。電圧が電極1302(A)、電極1302(B)、電極1302(A)ならびに1302(B)の両方、および/またはアパーチャ画成構造1402に印加されると、電磁場が電極1302とアパーチャ画成構造1402との間に作られる。
図15は、2つの電極を備えるものとしてアパーチャレンズアレイ1500を示しているが、いくつかの実施形態では、アパーチャレンズアレイ1500は、1つの電極(電極1302(A)または1302(B)のうちいずれか)のみを含んでもよい。
【0086】
アパーチャレンズアレイ1500は、電極1302の構成(すなわち、一方の電極、両方の電極、そのような電極の位置、そのような電極の幾何学的形状など)、個々の電極1302およびアパーチャ画成構造1402に印加される電圧(または電圧の欠如)、ならびに第1のアパーチャ1404、第2のアパーチャ1406、および複数のアパーチャ1408が、第1の電子ビームに対する第1のレンズ効果および第2の電子ビームに対する第2のレンズ効果を作る電磁場を集合的に作るパターンとなるよう構成され、このとき、第1および第2のレンズ効果は異なる。例えば、本発明の一実施形態では、電磁場は、第1の電子ビーム1506および第2の電子ビーム1508が異なる焦点特性を有するようにレンズ効果(例えば、少なくとも四重極レンズ効果)を作ることができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、電磁場はまた、第1の電子ビーム1506および第2の電子ビーム1508の一方または両方を放射軸1504から離れるように偏向させる。また、
図15は、複数の電子1502の放射軸1504に沿って移動する軸方向ビームとして第1の電子ビーム1508を示しているが、これは、すべての実施形態において必要ではない。
【0088】
図16~
図24は、
図25に示される多数のアパーチャアセンブリ2500で使用することができる例示的な中央構造を示している。具体的には、
図16は、穴および空洞の組み合わせを含む例示的なアパーチャレンズアレイに対する例示的なアパーチャ画成構造1600を示している。例示的なアパーチャ画成構造1602は、(i)第1の電子ビームが少なくとも1つのアパーチャ画成構造1602を通過することを可能にする第1のアパーチャ1604、(ii)第2の電子ビームが少なくとも1つのアパーチャ画成構造1602を通過することを可能にする第2のアパーチャ1606、および(iii)複数の他のアパーチャ1608を画成する。第1のアパーチャ1604、第2のアパーチャ1606、および複数のアパーチャ1608は、多数のアパーチャアセンブリ2500の使用中に少なくともアパーチャ画成構造1600および電極2504ならびに2512に電圧が印加された場合に、少なくとも第2の電子ビームにレンズ効果(例えば、少なくとも四重極レンズ効果)を適用する電磁場を誘発するパターンを集合的に形成する。いくつかの実施形態では、アパーチャレンズ構造1602は、第1のアパーチャ1604、第2のアパーチャ1606、および複数のアパーチャ1608の各々を画成する単一の物理的構成要素を備える。しかしながら、他の実施形態では、アパーチャレンズ構造1602は、2つ以上の構成要素の物理的構造を備え得る。
【0089】
図16は、複数の他のアパーチャ1608のうちの5つが穴1610に対応し、複数の他のアパーチャ1608のうちの4つが空洞1612に対応する例示的な実施形態を示している。しかしながら、他の実施形態では、複数の他のアパーチャ1608は、排他的に、複数の他のアパーチャ1608のすべてが穴(例えば、
図14に示されるアパーチャ画成構造)または空洞の1つに対応する実施形態を含む、穴および空洞の他の組み合わせおよび/またはパターンを備えてもよい。
図16に示される例示的な実施形態では、第1のアパーチャ1604、第2のアパーチャ1606、および2つの他のアパーチャ1608の各々は、アパーチャ画成構造1602の線1614に沿って位置決めされる。
【0090】
図17は、単一の物理的構造1702を備える例示的なアパーチャ構造1602の断面1700を示している。具体的には、
図17は、
図16の例示的なアパーチャ構造1602の一実施形態の断面を示しており、断面のカットは、線1614と整列している。電子1704の第1の部分は、穴1706を介して物理的構造1702を通過することができる。
図17は、電子1704の第2の部分が、それらが物理的構造1702を通過するのを防止する空洞1708に入ることが可能であることをさらに示している。
【0091】
図18は、第1の物理的構造1802および第2の物理的構造1804を備える例示的なアパーチャ構造1602の断面1800を示している。具体的には、
図18は、2つの構造(例えば、箔)からなる例示的なアパーチャ構造1602の一実施形態の断面を示しており、断面のカットは線1614と整列している。
図18は、電子1808の第1の部分がアパーチャ構造1602を通過することを一緒に可能にする、第1の物理的構造1802および第2の物理的構造1804の補足的なアパーチャに対応するものとして、例示的なアパーチャ構造1602の穴1806を示している。
図18はまた、第2の物理的構造1804に補足的なアパーチャを有さない第1の物理的構造1802のアパーチャに対応するものとして、空洞1810を示している。言い換えれば、空洞1810は、電子1808の第2の部分が第1の物理的構造1802と第2の物理的構造1804との間の空間1812に入ることができるが、アパーチャ構造1602を通過することができないように構成される。
【0092】
図19および
図20は、
図25に示されるアパーチャレンズアレイ2500においてアパーチャ画成構造2306を形成するために使用することができる一対の構成要素の物理的構造を示している。具体的には、
図19は、2つの物理的構造を備える例示的なアパーチャ画成構造の例示的な第1の構成要素の物理的構造1900を示している。例示的な第1の構成要素の物理的構造1900は、(i)第1の電子ビームが第1の構成要素の物理的構造1900を通過することを可能にする第1のアパーチャ1904、(ii)第2の電子ビームが第1の構成要素の物理的構造1900を通過することを可能にする第2のアパーチャ1906、および(iii)複数の他のアパーチャ1908を画成する。これらのアパーチャの各々は、長方形の幾何学的形状(例えば、長いスロット)を有するものとして示されている。そのような長方形のアパーチャは、例示的なアパーチャ画成構造の使用中にそれらを通過する電子に対して円筒形のレンズ効果を作るように構成される。
図19に示される例示的な実施形態では、第1のアパーチャ1904、第2のアパーチャ1906、および2つのアパーチャ1908の各々は、第1の構成要素の物理的構造1900の正中線1910に沿って位置決めされる。
【0093】
図20は、2つの物理的構造を備える例示的なアパーチャ画成構造の例示的な第2の構成要素の物理的構造2000を示している。例示的な第2の構成要素の物理的構造2000は、(i)第1の電子ビームが第2の構成要素の物理的構造2000を通過することを可能にする第1のアパーチャ2004、(ii)第2の電子ビームが第2の構成要素の物理的構造2000を通過することを可能にする第2のアパーチャ2006、および(iii)複数の他のアパーチャ2008を画成する。アパーチャ2004および2008は、
図19に示される第1の構成要素の物理的構造1900によって画成されるアパーチャと同様の長方形の幾何学的形状を有するものとして示されている。第2のアパーチャ2006は、長方形の幾何学的形状と円形の幾何学的形状との両方を組み合わせたものとして
図20に示されている。言い換えれば、第2のアパーチャ2006は、中央に位置決めされ、長方形の幾何学的形状を有するアパーチャが上に置かれた円形アパーチャとして示されている。第2のアパーチャ1906および第2のアパーチャ2006の幾何学的形状のこの組み合わせにより、電子ビームBが第2のアパーチャ1906および2006を通過するときに、正味の四重極レンズ効果が電子ビームBに適用される。同様に、第1のアパーチャ1904および第1のアパーチャ2004の幾何学的形状により、正味のレンズ効果が電子ビームAに適用されない。
図20に示される例示的な実施形態では、第1のアパーチャ2004、第2のアパーチャ2006、および2つのアパーチャ2008の各々は、正中線2010に沿って位置決めされている。
【0094】
図21および
図20は、
図25に示されるアパーチャレンズアレイ2500においてアパーチャ画成構造2306を形成するために使用することができる一対の構成要素の物理的構造を示している。具体的には、
図21は、2つの物理的構造を備える例示的なアパーチャ画成構造の例示的な第1の構成要素の物理的構造2100を示している。例示的な第1の構成要素の物理的構造2100は、(i)第1の電子ビームが第1の構成要素の物理的構造2100を通過することを可能にする第1のアパーチャ2104、(ii)第2の電子ビームが第1の構成要素の物理的構造2100を通過することを可能にする第2のアパーチャ2106、および(iii)複数の他のアパーチャ2108を画成する。そのようなアパーチャは、例示的なアパーチャ画成構造の使用中に、第2のアパーチャ2106を通過する電子に四重極レンズ効果を作るように構成される。
図21に示される例示的な実施形態では、第1のアパーチャ2104、第2のアパーチャ2106、および他のアパーチャ2108の各々は、第1の構成要素の物理的構造2100の正中線2110に沿って位置決めされる。
【0095】
図22は、2つの物理的構造を備える例示的なアパーチャ画成構造の例示的な第2の構成要素の物理的構造2200を示している。例示的な第2の構成要素の物理的構造2200は、(i)第1の電子ビームが第2の構成要素の物理的構造2200を通過することを可能にする第1のアパーチャ2204、(ii)第2の電子ビームが第2の構成要素の物理的構造2200を通過することを可能にする第2のアパーチャ2206、および(iii)複数の他のアパーチャ2208を画成する。アパーチャ2204および2208は、
図22に示される第1の構成要素の物理的構造2200によって画成されるアパーチャと同様の幾何学的形状を有するものとして示されている。第2のアパーチャ2106および第2のアパーチャ2206の幾何学的形状の組み合わせにより、正味のレンズ効果が電子ビームAに適用されない。同様に、第1のアパーチャ2104および第1のアパーチャ2204の幾何学的形状により、電子ビームBが第2のアパーチャ2106および2206を通過するときに、正味の四重極レンズ効果が電子ビームBに適用される。
図22に示される例示的な実施形態では、第1のアパーチャ2204、第2のアパーチャ2206、および2つのアパーチャ2028の各々は、正中線2210に沿って位置決めされる。
【0096】
図23および
図24は、
図25に示されるアパーチャレンズアレイ2500においてアパーチャ画成構造2506を形成するために使用することができる一対の構成要素の物理的構造を示している。具体的には、
図23は、2つの物理的構造を備える例示的なアパーチャ画成構造の例示的な第1の構成要素の物理的構造2300を示している。例示的な第1の構成要素の物理的構造2300は、(i)第1の電子ビームが第1の構成要素の物理的構造2300を通過することを可能にする第1のアパーチャ2304、(ii)第2の電子ビームが第1の構成要素の物理的構造2300を通過することを可能にする第2のアパーチャ2306、および(iii)複数の他のアパーチャ2308を画成する。これらのアパーチャの各々は、長方形の幾何学的形状(例えば、長いスロット)を有するものとして示されている。そのような長方形のアパーチャは、例示的なアパーチャ画成構造の使用中にそれらを通過する電子に対して円筒形のレンズ効果を作るように構成される。
図23に示される例示的な実施形態では、第1のアパーチャ2304、第2のアパーチャ2306、および2つのアパーチャ2308の各々は、第1の構成要素の物理的構造2300の正中線2310に沿って位置決めされる。
【0097】
図24は、2つの物理的構造を含む例示的なアパーチャ画成構造の例示的な第2の構成要素の物理的構造2400を示している。例示的な第2の構成要素の物理的構造2400は、(i)第1の電子ビームが第2の構成要素の物理的構造2400を通過することを可能にする第1のアパーチャ2404、(ii)第2の電子ビームが第2の構成要素の物理的構造2400を通過することを可能にする第2のアパーチャ2406、および(iii)複数の他のアパーチャ2408を画成する。アパーチャ2404および2408は、
図23に示される第1の構成要素の物理的構造2300によって画成されるアパーチャと同様の長方形を有するものとして示されている。第2のアパーチャ2306および第2のアパーチャ2406の幾何学的形状のこの組み合わせにより、正味のレンズ効果が電子ビームAに適用されない。同様に、第1のアパーチャ2304および第1のアパーチャ2404の幾何学的形状により、第2のアパーチャ2306および2406を通過する電子ビームBに正味の四重極レンズ効果が適用される。
図24に示される例示的な実施形態では、第1のアパーチャ2404、第2のアパーチャ2406、および2つのアパーチャ2408の各々は、正中線2410に沿って位置決めされる。
【0098】
図25は、第1の電極2502、第2の電極2504、およびアパーチャ画成構造2506を備える、例示的なアパーチャレンズアレイ2500の断面を示している。
図25は、第1の電極2502に向かって放射される電子2508を示している。第1の電極2502は、電子2508の一部が第1の電極2502を通過することを可能にする一対のアパーチャ2512を画成するものとして示されている。いくつかの実施形態では、第1の電極2502は、2つのアパーチャ2512を画成する導電箔に対応し得る。電子2508の第1の部分は、第1のアパーチャの両方を通過して、第1の電子ビーム2514になる。電子2508の別の部分は、第2のアパーチャの両方を通過して、第2の電子ビーム2516になる。
【0099】
すべての実施形態において、アパーチャレンズアレイ2500は、アパーチャ画成構造2506が2つの電極の間にあるように位置決めされた第2の電極2504を含む。第2の電極2504は、第1の電子ビーム2514および第2の電子ビーム2516が第2の電極2504を通過することを可能にするアパーチャ2518を画成するディスク電極に対応し得る。
【0100】
ある電圧が電極2502および2504の両方、および/またはアパーチャ画成構造2506に印加されると、電磁場が電極2502と電極2504との間に作られる。電磁場、およびアパーチャ画成構造2506によって画成されるアパーチャが、第1の電子ビーム2514および第2の電子ビーム2516が異なる焦点面を有するようにするレンズ効果を集合的に作るパターン。
【0101】
非限定的であるが、上流および下流の構成要素に対して異なるアレイパターンを有する本発明のいくつかの実施形態の性能を説明するために、単純な代表的な計算を使用することができる(例えば、
図19および
図20に図示される実施形態、
図21および22に示される実施形態、
図23および
図24に図示される実施形態)。この単純な代表的な計算を可能にするために、以下の段落では、(a)どこでも|φ
0(Z)|<<Uである、(b)アパーチャアレイプレートに近い電界成分Ez
=-φ
0’(z)がアパーチャ画成構造2306の上で≪E
up(すなわち、アパーチャ画成構造2506の上の非ゼロ電界)から0に変化する、(c)アパーチャアレイプレートに近い電界構成要素Ez
=-φ
0’(z)がアパーチャ画成構造2506の下で0からE
low(すなわち、アパーチャ画成構造2506の下の非ゼロ電界)に変化する、および(d)アレイプレート間の界がゼロフィールド(例えば、
図19および
図20のプレート)であることを仮定する。
【0102】
単純な代表的な計算では、xおよびy方向の二次までの静電ポテンシャルは、
φ(x,y,z)=U+φ
0(z)+pφ
0”(z)x
2+qφ
0”(z)y
2+φ
2(z)(x
2-y
2) (1)
x-z面とy-z面とで鏡面対称の静電ポテンシャルの場合、一般に上記のように表すことができる。式(1)において、Uは、アパーチャレンズアレイ2500上の電子エネルギーを表し、他の項は、電極2502ならびに2504の両方、および/またはアパーチャ画成構造2506に印加される電圧によって誘発される。この静電ポテンシャルに対するラプラス方程式(Δφ=0)は、p+q=-1/2を示している。いくつかの例では、これは、円形アパーチャレンズの場合はp=q=-1/4に対応し、x-z面に焦点を合わせるシリンドリカルレンズの場合はp=-1/2およびq=0に対応する(
図19に図示される実施形態など)。
【0103】
単純な代表的な計算によれば、アパーチャ画成構造2506の上流の構成要素は、レンズ強度を呼び出す。
κx,up=fx,up
-1=U-1(-pupEup-Qup);およびκy,up=fy,up
-1=U-1(-qupEup+Qup);(2)
同様に、アパーチャ画成構造2506の下流の構成要素は、レンズ強度をもたらす。
κx,low=fx,low
-1=U-1(plow Elow-Qlow);およびκy,low=fy,low
-1=U-1(qlow Elow+Qlow);(3)
これらの式では、fxおよびfyは、それぞれ、x-z面およびy-z面内の焦点距離であり、U-1QupおよびU-1Qlowは、四重極電位φ2(z)(x2-y2)で誘発される四重極レンズ強度である。
【0104】
いくつかの好ましい実施形態では、Eup=Elow≡E。そのような実施形態では、総レンズ強度は以下に単純化される:
κx=κx,up+κx,low=U-1((plow-pup)E-Q);および(5)
κy=κy,up+κy,low=U-1((qlow-qup)E+Q)。(6)
pup+qup=plow+qlow=-1/2なので、このような実施形態ではκY=-κxになり、純粋な四重極レンズ作用だけがあることを意味している。
【0105】
電磁場が物理的構造1900および2000の両側で同じであるアパーチャレンズアレイ2100の実施形態では、第1のアパーチャ1904を通過する第1の電子ビーム2108によって引き起こされるレンズ効果は、キャンセルされ、および/またはそうでなければ、第1のアパーチャ2004を通過する第1の電子ビーム2108によって引き起こされるレンズ効果によって打ち消される。追加的に、そのような一実施形態では、第2のアパーチャ1906を通過する第2の電子ビーム2110によって引き起こされるレンズ効果および第2のアパーチャ2006を通過する第2の電子ビーム2110によって引き起こされるレンズ効果が組み合わさって、少なくとも四重極レンズ効果を形成する。
【0106】
図26は、サンプル104を調査するための二焦点マルチビーム電子システム(複数可)100の例示的な実施形態2600の図であり、二焦点ビームフォーマ112は、ビーム分割機構2604および1つ以上の集束デバイス2606を含む。
【0107】
例示的な二焦点マルチビーム電子システム(複数可)2602は、放射軸110に沿って、かつ二焦点ビームフォーマ112に向かって複数の電子108を放射する電子源106を含む。本発明の例示された実施形態では、二焦点ビームフォーマ112は、少なくとも(i)複数の電子108を第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116に分割するビーム分割機構2604、および(ii)2つのビームが同じ対応する焦点面を有さないように、一方または両方の電子ビームの焦点特性を修正するように構成された1つ以上の集束デバイス2606を備えるものとして示されている。いくつかの実施形態では、1つ以上の集束デバイス2606は、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116の一方または両方が放射軸110から偏向されるようにさらに構成される。
【0108】
図26では、ビーム分割機構2604は、第1の電子ビーム114がビーム分割機構2604を通過することを可能にする第1のアパーチャ、および第2の電子ビーム116がビーム分割機構2604を通過することを可能にする第2のアパーチャを画成する物理的構造に対応するものとして示されている。
図26は、2つのレンズに任意選択的に対応するものとして1つ以上の集束デバイス2606をさらに示している。しかしながら、他の実施形態では、集束デバイス2606は、3つ以上のレンズ、一方の電子ビームのみを修正する単一のレンズ、レンズを通過する2つの電子ビームとなるように高度の収差を有する単一のレンズに対応し得る。追加的に、
図26は、1つ以上の集束デバイス2606の上流にあるとしてビーム分割機構2604を示しているが、例示的な二焦点マルチビーム電子システム2602の他の実施形態では、ビーム分割機構2604は、1つ以上の集束デバイス2606の下流にあってもよい。代替的に、いくつかの実施形態では、いくつかの集束デバイス2606がビーム分割機構2604の上流にあり、他の集束デバイス2606が、ビーム分割機構2604の下流にあってもよい。
【0109】
図26は、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116のうちの少なくとも一方を集束させるレンズ作用を適用するように構成された集束構成要素120の上流に位置決めされるものとして二焦点ビームフォーマ112を示している。
図26に示される例示的な二焦点マルチビーム電子システム(複数可)2602では、集束構成要素は、第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116を集束カラム126に向けて加速/減速、集束、および/または方向付ける加速器122に対応する。
【0110】
集束カラム126および対物レンズ128は、サンプル104に入射するように電子ビーム114および116を集束させる。具体的には、
図26は、サンプル104に集束されるように第2の電子ビーム116を集束し、サンプル104に集束されないように第1の電子ビーム114を集束する集束カラム126を示している。いくつかの実施形態では、焦点面第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116は、一方のビームがサンプル104の平面またはサンプル104の近くの平面に集束され、他方の電子ビームがサンプル104の上または下において対物レンズの焦点距離の少なくとも0.1%、1%、10%、または100%に位置付けられる平面に集束されるように、修正される。代替的に、または加えて、焦点面第1の電子ビーム114および第2の電子ビーム116は、サンプル104における一方の電子ビームの直径が、サンプルにおける他方の電子ビームの直径よりも50、100、500、または1000倍大きいうちの少なくとも1つとなるように修正され得る。
【0111】
本開示による本発明の主題の例は、以下に列挙される段落で説明される。
【0112】
A1.サンプルを調査するための方法であって、方法が、サンプルに向かって複数の荷電粒子を放射することと、複数の荷電粒子を第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームに形成することと、第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性を修正することと、を含む、方法。
【0113】
A1.1.第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性を修正することが、第1の荷電粒子ビームが第1の焦点面を有し、第2の荷電粒子ビームが第1の焦点面とは異なる第2の焦点面を有するように、第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの1つ以上を修正することを含む、段落A1に記載の方法。
【0114】
A1.1.1.第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性を修正することが、第1の荷電粒子ビームがサンプルの平面またはサンプルの近くの平面に焦点面を有し、第2の荷電粒子ビームがサンプルの平面またはサンプルの近くの平面に焦点面を有さないように、第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの1つ以上を修正することを含む、段落A1.1に記載の方法。
【0115】
A1.1.2.第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性を修正することが、第2の荷電粒子ビームがサンプルの平面またはサンプルの近くの平面に焦点面を有し、第1の荷電粒子ビームがサンプルの平面またはサンプルの近くの平面に焦点面を有さないように、第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの1つ以上を修正することを含む、段落A1.1に記載の方法。
【0116】
A1.2.第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性を修正することが、第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの一方に円形レンズ作用を適用することを含む、段落A1~A1.1.2のいずれかに記載の方法。
【0117】
A1.2.1.第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性を修正することが、第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームの両方に円形レンズ作用を適用することを含む、段落A1.2に記載の方法。
【0118】
A1.2.1.1.第1の荷電粒子ビームに適用される円形レンズ作用が、第2の荷電粒子ビームに適用される円形レンズ作用とは異なる、段落A1.2.1に記載の方法。
【0119】
A1.3.第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性を修正することが、第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの一方に少なくとも四重極レンズ作用を適用することを含む、段落A1~A1.2.1.1のいずれかに記載の方法。
【0120】
A1.4.第1の荷電粒子ビームが複数の荷電粒子の放射軸に沿って移動する軸方向ビームであり、第2の荷電粒子ビームが非軸方向ビームである、段落A1~A1.3のいずれかに記載の方法。
【0121】
A1.5.第2の荷電粒子ビームが複数の荷電粒子の放射軸に沿って移動する軸方向ビームであり、第1の荷電粒子ビームが非軸方向ビームである、段落A1~A1.4のいずれかに記載の方法。
【0122】
A2.荷電粒子が電子であり、荷電粒子ビームが電子ビームである、段落A1~A1.5のいずれかに記載の方法。
【0123】
A3.サンプルにおける第2の荷電粒子ビームの第2のビーム直径が、サンプルにおける第1の荷電粒子ビームの第1のビーム直径よりも5、10、20、50、100、500、または1000倍大きいうちの少なくとも1つである、段落A1~A2のいずれかに記載の方法。
【0124】
A3.1.第2のビーム直径が、第1の荷電粒子ビームの各交差点で、またはその最も近くで第1のビーム直径よりも5、10、20、50、100、500、または1000倍大きいうちの少なくとも1つである、段落A3に記載の方法。
【0125】
A4.第1の荷電粒子ビームが、サンプルにおいて第2の荷電粒子ビームに対して傾斜している、段落A1~A3.1のいずれかに記載の方法。
【0126】
A5.第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームがコヒーレントビームである、段落A1~A4のいずれかに記載の方法。
【0127】
A6.第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームの各々を加速器で最終エネルギーまで加速させりことをさらに含む、段落A1~A5のいずれかに記載の方法。
【0128】
A7.複数の荷電粒子を加速器で最終エネルギーまで加速させることをさらに含む、段落A1~A5のいずれかに記載の方法。
【0129】
A8.複数の荷電粒子を形成すること、および焦点特性を修正することの各々が、二焦点ビームフォーマによって実行される、段落A1~A7のいずれかに記載の方法。
【0130】
A8.1.二焦点ビームフォーマが加速器の上に位置付けられる、A6に従属する場合の段落A8に記載の方法。
【0131】
A8.2.二焦点ビームフォーマが加速器の下に位置付けられる、A7に従属する場合の段落A8に記載の方法。
【0132】
A8.3.二焦点ビームフォーマが、第2の荷電粒子ビームを歪めさせる、段落A8~A8.2のいずれかに記載の方法。
【0133】
A8.4.二焦点ビームフォーマが、第2の荷電粒子ビームの焦点面を変化させる、段落A8~A8.3のいずれかに記載の方法。
【0134】
A8.5.焦点ビームフォーマが、第2の荷電粒子ビームを円筒対称ビームではないようにする、段落A8~A8.4のいずれかに記載の方法。
【0135】
A8.5.1.第2の荷電粒子ビームをスティグメータで円筒対称ビームにすることをさらに含む、段落A8.5に記載の方法。
【0136】
A8.6.二焦点ビームフォーマが、第2の荷電粒子ビームに1つ以上の収差を有させる、A8~A8.5.1のいずれかに記載の方法。
【0137】
A8.6.1.1つ以上の収差のうちの少なくとも1つが決定論的な収差である、段落A8.6に記載の方法。
【0138】
A8.6.2.二焦点ビームフォーマが、1つ以上の収差のうちの少なくとも1つにシステム内の別の収差を補正させるように位置決めおよび/または構成されている、段落A8.6~8.6.1のいずれかに記載の方法。
【0139】
A8.7.二焦点ビームフォーマが、複数の荷電粒子の放射軸から離れるよう第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの少なくとも一方を偏向させるようにさらに構成されている、段落A8~A8.6.2のいずれかに記載の方法。
【0140】
A9.二焦点ビームフォーマが、第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性の修正を少なくとも部分的に引き起こす少なくとも四重極レンズ効果を生成するように構成されたMEMSデバイスを備える、段落A8~A8.7のいずれかに記載の方法。
【0141】
A9.1.MEMSデバイスが、第1のアパーチャおよび第2のアパーチャを画成する構造を含み、第1の荷電粒子ビームが第1のアパーチャを通過し、第2の荷電粒子ビームが第2のアパーチャを通過する、段落A9に記載の方法。
【0142】
A9.1.1.第1のアパーチャが第2のアパーチャと同じ半径を有する、段落A9.1に記載の方法。
【0143】
A9.1.2.第1のアパーチャが第2のアパーチャよりも小さい半径を有する、段落A9.1に記載の方法。
【0144】
A9.1.3.第1のアパーチャが第2のアパーチャよりも大きい半径を有する、段落A9.1に記載の方法。
【0145】
A9.1.4.MEMSデバイスが、複数の荷電粒子に面する表面層を備え、第1のアパーチャおよび第2のアパーチャが表面層によって画成される、段落A9.1~A9.1.3のいずれかに記載の方法。
【0146】
A9.1.4.1.表面層が箔である、段落A9.1.4に記載の方法。
【0147】
A9.1.5.第1のアパーチャが複数の荷電粒子の放射軸上に位置決めされた軸方向アパーチャであり、第2のアパーチャが非軸方向アパーチャである、段落A9.1~A9.1.4.1のいずれかに記載の方法。
【0148】
A9.1.6.第2のアパーチャが複数の荷電粒子の放射軸上に位置決めされた軸方向アパーチャであり、第1のアパーチャが非軸方向アパーチャである、段落A9.1~A9.1.4.1のいずれかに記載の方法。
【0149】
A9.2.MEMSデバイスが1つ以上の電極を備える、段落A9~A9.1.5のいずれかに記載の方法。
【0150】
A9.2.1.対応する電圧が1つ以上の電極に印加されると、1つ以上の電極が、少なくとも四重極レンズ効果を少なくとも部分的に適用する電磁場を生成する、段落A9.2に記載の方法。
【0151】
A9.2.1.1つ以上の電極のうちの少なくとも1つが接地されている、段落A9.2~A9.2.1のいずれかに記載の方法。
【0152】
A9.2.2.MEMSデバイスが、表面層の反対側にある絶縁層を備える、A9.1.4に従属する場合の段落A9.2~A9.2.1のいずれかに記載の方法。
【0153】
A9.2.2.1.1つ以上の電極が、絶縁層と表面層との間に位置決めされた電極層に位置付けられている、段落A9.2.2に記載の方法。
【0154】
A9.2.3.1つ以上の電極が4つの電極を含む、段落A9.2~A9.2.2.1のいずれかに記載の方法。
【0155】
A9.2.4.1つ以上の電極が7つの電極を含む、段落A9.2~A9.2.2.1のいずれかに記載の方法。
【0156】
A9.3.少なくとも四重極レンズ効果が、双重極レンズ効果、四重極レンズ効果、六重極レンズ効果、および八重極レンズ効果のうちの1つである、段落A9~A9.2.4のいずれかに記載の方法。
【0157】
A9.4.少なくとも四重極電場が第1の荷電粒子ビームの焦点面を変化させない、段落A9~A9.3のいずれかに記載の方法。
【0158】
A9.5.MEMSデバイスが、1つ以上の双重極電場を生成するようにさらに構成されている、段落A9~A9.4のいずれかに記載の方法。
【0159】
A9.5.1.1つ以上の双重極電場が、少なくとも1つの荷電粒子ビームを放射軸に垂直な方向に偏向させる、段落A9.5に記載の方法。
【0160】
A9.6.四重極レンズ効果が、第1の荷電粒子ビームの第1のメリジオナル平面において第1の荷電粒子ビームに正のレンズ効果を適用し、第1の荷電粒子ビームの第2のメリジオナル平面において第1の荷電粒子ビームに負のレンズ効果を適用し、第1のメリジオナル平面が第2のメリジオナル平面に対して垂直である、段落A9~A9.5.1のいずれかに記載の方法。
【0161】
A9.6.1.四重極電場によって引き起こされる第1メリジオナル平面における第1の荷電粒子ビームの焦点面の第1の変化が、四重極電場によって引き起こされる第2のメリジオナル平面における第1の荷電粒子ビームの焦点面の第2の変化とは異なる、段落A9.6に記載の方法。
【0162】
A9.7.四重極レンズ効果が、第2の荷電粒子ビームの第1のメリジオナル平面において第2の荷電粒子ビームに正のレンズ効果を適用し、第2の荷電粒子ビームの2のメリジオナル平面において第2の荷電粒子ビームに負のレンズ効果を適用し、第1のメリジオナル平面が第2のメリジオナル平面に対して垂直である、段落A9~A9.5.1のいずれかに記載の方法。
【0163】
A9.7.1.四重極電場によって引き起こされる第1メリジオナル平面における第2の荷電粒子ビームの焦点面の第1の変化が、四重極電場によって引き起こされる第2のメリジオナル平面における第2の荷電粒子ビームの焦点面の第2の変化とは異なる、段落A9.7に記載の方法。
【0164】
A10.二焦点ビームフォーマが、第1のアパーチャおよび第2のアパーチャを画成する物理的構造であって、第1の荷電粒子ビームが第1のアパーチャを通過し、第2の荷電粒子ビームが第2のアパーチャを通過する、物理的構造と、第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームが異なる焦点面を有するように少なくとも一方の焦点特性を調整するように位置決めおよび/または構成されたレンズと、を備える、段落A8~A8.6.2のいずれかに記載の方法。
【0165】
A10.1.第1の荷電粒子ビームが第1のアパーチャを通過し、第2の荷電粒子ビームが第2のアパーチャを通過する、段落A10に記載の方法。
【0166】
A10.2.レンズがアインツェルレンズである、段落A10~A10.1のいずれかに記載の方法。
【0167】
A10.3.レンズが物理的構造の上に位置決めされる、段落A10~A10.2のいずれかに記載の方法。
【0168】
A10.4.レンズが物理的構造の下上に位置決めされる、段落A10~A10.2のいずれかに記載の方法。
【0169】
A10.5.レンズが、第2の荷電粒子ビームの焦点特性を調整するように位置決めおよび/または構成されている、段落A10~A10.4のいずれかに記載の方法。
【0170】
A10.5.1.レンズが、第1の荷電粒子ビームの焦点面を調整するように位置決めおよび/または構成されていない、段落A10.5に記載の方法。
【0171】
A11.二焦点ビームフォーマが少なくとも1つの物理的構造を備え、少なくとも1つの物理的構造が、第1の荷電粒子ビームが少なくとも1つの物理的構造を通過することを可能にする第1のアパーチャ、第2の荷電粒子ビームが少なくとも1つの物理的構造を通過することを可能にする第2のアパーチャ、および複数の他のアパーチャを画成する、段落A6~A6.5のいずれかに記載の方法。
【0172】
A11.1.第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、および複数の他のアパーチャが、二焦点ビームフォーマの使用中に第2の荷電粒子ビームにレンズ効果を適用する電磁場を作るパターンを形成する、段落A11に記載の方法。
【0173】
A11.1.1.第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、および複数の他のアパーチャが、二焦点ビームフォーマの使用中に第2の荷電粒子ビームに少なくとも四重極レンズ効果を適用する電磁場を作るパターンを形成する、段落A11.1に記載の方法。
【0174】
A11.1.1.1.電磁場が、二焦点ビームフォーマの使用中に第1の荷電粒子ビームに四重極レンズ効果を適用しない、段落A11.1.1に記載の方法。
【0175】
A11.1.2.第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、および複数の他のアパーチャが、二焦点ビームフォーマの使用中に第1の荷電粒子ビームに円形レンズ効果を適用する電磁場を作るパターンを形成する、段落A11.1~A11.1.1.1のいずれかに記載の方法。
【0176】
A11.1.2.1.複数の他のアパーチャが、二焦点ビームフォーマの使用中に第2の荷電粒子ビームに少なくとも円形レンズ効果を適用する電磁場を作るパターンを形成する、段落A11.1.2に記載の方法。
【0177】
A11.1.3.電磁場によって適用されるレンズ効果が、第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性の修正を少なくとも部分的に引き起こす、段落A11.1~A11.2.1のいずれかに記載の方法。
【0178】
A11.1.3.1.電磁場が第1の荷電粒子ビームの焦点面を変化させる、段落A11.1.3に記載の方法。
【0179】
A11.3.複数のアパーチャのうちの少なくとも1つのアパーチャが穴である、段落A11~A11.2.1のいずれかに記載の方法。
【0180】
A11.3.1.穴が、
【0181】
少なくとも1つの物理的構造の第1の表面に画成された入口であって、第1の表面が複数の荷電粒子に面している、入口と、第1の表面の反対側にある少なくとも1つの物理的構造の第2の表面に画成された出口と、入口および出口を接続する空のボリュームと、を備える、段落A11.3に記載の方法。
【0182】
A11.3.1.1.第1の表面および第2の表面が、各々単一の物理的構造の表面である、段落A11.3.1に記載の方法。
【0183】
A11.3.1.2.第1の表面および第2の表面が、各々異なる物理的構造の表面である、段落A11.3.1に記載の方法。
【0184】
A11.4.複数のアパーチャのうちの少なくとも1つのアパーチャが空洞である、段落A11~A11.3.1.2のいずれかに記載の方法。
【0185】
A11.4.1.空洞が、少なくとも1つの物理的構造の第1の表面に画成された入口であって、第1の表面が複数の荷電粒子に面している、入口と、入口と連通し、少なくとも1つの物理的構造によって画成される空のボリュームと、を備え、少なくとも1つの物理的構造が、空のボリュームに入口を介して入る複数の荷電粒子の荷電粒子が二焦点ビームフォーマを通過しないように空のボリュームを画成する、段落A11.4に記載の方法。
【0186】
A11.4.1.1.空洞が単一の物理的構造によって画成される、段落A11.4.1に記載の方法。
【0187】
A11.4.1.2.空洞が多数の物理的構造によって画成される、段落A11.4.1に記載の方法。
【0188】
A11.5.複数のアパーチャが、穴と空洞との組み合わせを含む、段落A11.3~A11.4.1.2のいずれかに記載の方法。
【0189】
A11.6.第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、または複数のアパーチャのうちの1つのアパーチャのうちの少なくとも1つの幾何学的形状が円形である、段落A11~A11.5のいずれかに記載の方法。
【0190】
A11.7.第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、または複数のアパーチャのうちの1つのアパーチャのうちの少なくとも1つの幾何学的形状が長方形である、段落A11~A11.5のいずれかに記載の方法。
【0191】
A11.7.1.第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、または複数のアパーチャのうちの1つのアパーチャのうちの少なくとも1つの幾何学的形状が正方形である、段落A11~A11.5のいずれかに記載の方法。
【0192】
A11.7.2.第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、または複数のアパーチャのうちの1つのアパーチャのうちの少なくとも1つの幾何学的形状が丸コーナーを有する、段落A11~A11.5のいずれかに記載の方法。
【0193】
A11.8.第1のアパーチャ第2のアパーチャ、および複数のアパーチャの幾何学的形状が均一ではない、段落A11~A11.7.2のいずれかに記載の方法。
【0194】
A11.9.第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、および複数のアパーチャのサイズが均一ではない、段落A11~A11.8のいずれかに記載の方法。
【0195】
A11.10.二焦点ビームフォーマが、第1の印加電圧を受け取るように構成された第1の電極をさらに備える、段落A11~A11.9のいずれかに記載の方法。
【0196】
A11.10.1.第1の電極が、複数の荷電粒子の少なくとも一部が第1の電極を通過することを可能にする電極入口アパーチャを少なくとも部分的に画成する物理的構造を備える、段落A11.10に記載の方法。
【0197】
A11.10.1.1.電極入口アパーチャが、複数の荷電粒子の第1の部分が第1の電極を通過することを可能にする第1の電極入口アパーチャであり、第2の電極が、複数の荷電粒子の第2の部分が第1の電極を通過することを可能にする第2の電極入口アパーチャをさらに画成する、段落A11.10.1に記載の方法。
【0198】
A11.10.2.第1の電極が、第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、および複数のアパーチャの上流にある、段落A11.10~A11.10.1.1のいずれかに記載の方法。
【0199】
A11.10.3.第1の電極がディスク状の電極である、段落A11.10~A11.10.2のいずれかに記載の方法。
【0200】
A11.10.4.二焦点ビームフォーマが、第2の印加電圧を受け取るように構成された第2の電極をさらに備える、段落A11.10~A11.10.2のいずれかに記載の方法。
【0201】
A11.10.4.1.第1の電圧が第2の電圧とは異なる、段落A11.10.4に記載の方法。
【0202】
A11.10.4.2.第1の電圧および第2の電圧が異なる、段落A11.10.4に記載の方法。
【0203】
A11.10.4.3.第2の電極が、第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの少なくとも一方が第2の電極を通過する電極出口アパーチャを少なくとも部分的に画成する物理的構造を備える、段落A11.10.4~A11.10.4.2のいずれかに記載の方法。
【0204】
A11.10.4.3.1.電極出口アパーチャが、第1の荷電粒子ビームが第2の電極を通過することを可能にする第1の電極出口アパーチャであり、第2の電極が、第2の荷電粒子ビームが第2の電極を通過することを可能にする第2の電極出口アパーチャをさらに備える、段落A11.10.4.3に記載の方法。
【0205】
A11.10.4.3.第2の電極が、第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、および複数のアパーチャの下流に位置決めされる、段落A11.10.4~A11.10.4.3.1のいずれかに記載の方法。
【0206】
A12.二焦点ビームフォーマが、穴を画成し、複数の荷電粒子を第1の荷電粒子ビームと第2の荷電粒子ビームとに分割するように位置決めおよび/または構成されたバイプリズムを備える、段落A8~A8.6.2のいずれかに記載の方法。
【0207】
A13.レーザーパターンフリンジが、複数の荷電粒子を第1の荷電粒子ビームと第2の荷電粒子ビームとに分割するために使用される、段落A8~A8.6.2のいずれかに記載の方法。
【0208】
A14.第2の荷電粒子ビームが、サンプルの上に位置付けられる異なる平面に集束される、段落A1~A13のいずれかに記載の方法。
【0209】
A13.1.異なる平面が、サンプルの上の対物レンズの焦点距離の少なくとも0.1%、1%、10%、または100%に位置付けられる、段落A13に記載の方法。
【0210】
A14.第2の荷電粒子ビームが、サンプルの下に位置付けられる異なる平面に集束される、段落A1~A13のいずれかに記載の方法。
【0211】
A14.1.異なる平面が、サンプルの下の対物レンズの焦点距離の少なくとも0.1%、1%、10%、または100%に位置付けられる、段落A14に記載の方法。
【0212】
A15.サンプルの平面またはサンプルの近くの平面と異なる平面との間の距離が、対物レンズの焦点距離の少なくとも0.1%、1%、10%、または100%である、段落A13~A14.1のいずれかに記載の方法。
【0213】
A16.第2の荷電粒子ビームがサンプルにおいて平行ビームである、段落A1~A15のいずれかに記載の方法。
【0214】
B1.電子ホログラフィを使用してサンプルを調査するための方法であって、サンプルに向かって複数の電子を放射することと、複数の電子を第1の電子ビームおよび第2の電子ビームに形成することと、2つの電子ビームが異なる焦点面を有するように第1の電子ビームおよび第2の電子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性を修正することと、サンプルに、またはサンプルの近くに焦点面を有するように第1の電子ビームを集束させることと、サンプルに入射し、回折面に焦点面を有するように第2の電子ビームを集束させることと、第1の電子ビームおよび回折面における回折された第2の電子ビームの干渉パターンを検出することと、を含む、方法。
【0215】
B1.1.第1の電子ビームおよび回折面における回折された第2の電子ビームの干渉パターンに基づいてサンプルのホログラム画像を生成することをさらに含む、段落B1に記載の方法。
【0216】
B1.2.第1の電子ビームおよび回折面における回折された第2の電子ビームの干渉パターンに基づいてサンプルによって回折された電子の位相を決定することをさらに含む、段落B1~B1.1のいずれかに記載の方法。
【0217】
B1.3.第2の電子ビームがサンプルに入射することに応答してサンプルを離れる電子の出口波動関数を決定することをさらに含む、段落B1~B1.2のいずれかに記載の方法。
【0218】
B1.3.1.出口波動関数を決定することが、第2の電子ビームがサンプルに入射することに応答してサンプルを離れる電子の出口波動関数の位相および振幅を決定することを含む、段落B1.3に記載の方法。
【0219】
B1.3.2.出口波動関数に基づいてサンプルの構造を決定することをさらに含む、段落B1.3~B1.3.1のいずれかに記載の方法。
【0220】
B1.3.2.1.サンプルが結晶であり、サンプルの構造を決定することが、出口波動関数に基づいてサンプルの結晶格子を決定することを含む、段落B1.3.2に記載の方法。
【0221】
B2.第1の電子ビームおよび第2の電子ビームのうちの一方が、複数の荷電粒子の放射軸に沿って移動する軸方向ビームである、段落B1~B1.3.2.1のいずれかに記載の方法。
【0222】
B3.回折面が、サンプルの下流にある第2の電子ビームの第1の焦点面に対応する、段落B1~B2のいずれかに記載の方法。
【0223】
B4.第1の電子ビームおよび第2の電子ビームがコヒーレントである、段落B1~B3のいずれかに記載の方法。
【0224】
B4.第1の電子面がサンプルのアパーチャを通過する、段落B1~B3のいずれかに記載の方法。
【0225】
B4.1.電子ビームおよびイオンビームのうちの一方でサンプルのアパーチャを燃焼させることをさらに含む、段落B4に記載の方法。
【0226】
B5.第1の電子ビームが、第1の電子ビームを妨害するのに十分な散乱がないように、サンプルの薄い領域を通過する、段落B1~B3のいずれかに記載の方法。
【0227】
B6.第2の電子ビームがサンプルにおいて平行ビームである、段落B1~B5のいずれかに記載の方法。
【0228】
B7.第2の電子ビームの第2の直径が、第1の電子ビームの第1の直径よりも5、10、20、50、および100倍大きい、段落B1~B6のいずれかに記載の方法。
【0229】
B8.第1の荷電粒子ビームが複数の荷電粒子の放射軸に沿って移動する軸方向ビームであり、第2の荷電粒子ビームが非軸方向ビームである、段落B1~B7のいずれかに記載の方法。
【0230】
B9.第2の荷電粒子ビームが複数の荷電粒子の放射軸に沿って移動する軸方向ビームであり、第1の荷電粒子ビームが非軸方向ビームである、段落B1~B7のいずれかに記載の方法。
【0231】
B10.第1の電子ビームおよび第2の電子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性を修正することが、第1の電子ビームおよび第2の電子ビームのうちの一方に丸レンズ作用を適用することを含む、段落B1~B9のいずれかに記載の方法。
【0232】
B10.1.第1の電子ビームおよび第2の電子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性を修正することが、第1の電子ビームおよび電子粒子ビームの両方に丸レンズ作用を適用することを含む、段落B10に記載の方法。
【0233】
B10.1.1.第1の電子ビームに適用される丸レンズ作用が、第2の電子ビームに適用される丸レンズ作用とは異なる、段落B10.1に記載の方法。
【0234】
B11.第1の電子ビームおよび第2の電子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性を修正することが、第1の電子ビームおよび第2の電子の一方に少なくとも四重極レンズ作用を適用することを含む、段落B1~B10.1.1のいずれかに記載の方法。
【0235】
B11.1.少なくとも四重極レンズ作用が、もはや円筒対称ビームでなくなるように、第1の電子ビームおよび第2の電子ビームのうちの一方に非点収差を適用する、段落B11に記載の方法。
【0236】
B11.2.方法が、第1の電子ビームおよび第2の電子ビームのうちの一方に追加の少なくとも四重極レンズ効果を適用することをさらに含む、段落B11~B11.1のうちいずれかに記載の方法。
【0237】
B11.2.1.追加の少なくとも四重極レンズ効果により、第1の電子ビームおよび第2の電子ビームのうちの一方が円筒対称ビームとなる、段落B11.2に記載の方法。
【0238】
B11.2.2.少なくとも四重極レンズ効果が補正器によって適用される、段落B11.2~B11.2.1のいずれかに記載の方法。
【0239】
B11.2.2.1.補正器が、複数の電子の放射軸に垂直な偏向をさらに適用する、段落B11.2.2に記載の方法。
【0240】
B11.2.2.1.1.第2の電子ビームが軸方向ビームであり、偏向により第2の電子ビームが補正器の下流で非軸方向ビームとなる、段落B11.2.2.1に記載の方法。
【0241】
B11.2.2.1.2.第2の電子ビームが非軸方向ビームであり、偏向により第2の電子ビームが補正器の下流で軸方向ビームとなる、段落B11.2.2.1に記載の方法。
【0242】
B11.2.2.1.3.第1の電子ビームが軸方向ビームであり、偏向により第1の電子ビームが補正器の下流で非軸方向ビームとなる、段落B11.2.2.1に記載の方法。
【0243】
B11.2.2.1.4.第1の電子ビームが非軸方向ビームであり、偏向により第1の電子ビームが補正器の下流で軸方向ビームとなる、段落B11.2.2.1に記載の方法。
【0244】
B11.2.2.2.補正器が、少なくとも四重極レンズ効果を受け取らなかった電子ビームの焦点面に位置決めされる、段落B11.2.2.1~B11.2.2.1.4のいずれかに記載の方法。
【0245】
B12.複数の電子が分割され、第1の電子ビームおよび第2の電子ビームがMEMSデバイスによって修正される、段落B1~B11.2.2.2のいずれかに記載の方法。
【0246】
B12.1.MEMSデバイスが、段落F1~F12.1のいずれかに記載のMEMSデバイスを備える、段落B12に記載の方法。
【0247】
B13.複数の電子が分割され、第1の電子ビームおよび第2の電子ビームがマルチアパーチャデバイスによって修正される、段落B1~B12のいずれかに記載の方法。
【0248】
B13.1.MEMSデバイスが、段落F1~F12.1のいずれかに記載のMEMSデバイスを備える、段落B13に記載の方法。
【0249】
B14.サンプルが、結晶である、段落B1~B13のいずれかに記載の方法。
【0250】
B14.1.回折画像における回折ピークがエアリーディスクである、段落B14に記載の方法。
【0251】
B15.サンプルによって散乱された電子が回折面に焦点面を有する、段落B1~B14.1のいずれかに記載の方法。
【0252】
C1.サンプルを調査するためのシステムであって、サンプルを保持するように構成されたサンプルホルダと、サンプルに向かって荷電粒子を放射するように構成された荷電粒子エミッタと、荷電粒子エミッタとサンプルホルダとの間に位置決めされた二焦点ビームフォーマと、を備え、二焦点ビームフォーマが、複数の荷電粒子を第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームに形成すること、および第1の荷電粒子ビームがサンプルの平面に、またはサンプルの近くの平面に集束され、第2の荷電粒子ビームがサンプルの平面に、またはサンプルの近くの平面に集束されないように第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性を修正することを行うように構成されている、システム。
【0253】
C2.荷電粒子エミッタが、サンプルに向かって電子を放射するように構成された電子エミッタであり、荷電粒子ビームが電子ビームである、段落C1に記載のシステム。
【0254】
C3.サンプルにおける第2の荷電粒子ビームの第2のビーム直径が、サンプルにおける第1の荷電粒子ビームの第1のビーム直径よりも5、10、20、50、100、500、または1000倍大きいうちの少なくとも1つである、段落C1~C2のいずれかに記載のシステム。
【0255】
C3.1.第2のビーム直径が、第1の荷電粒子ビームの各交差点またはそれに最も近くで第1のビーム直径よりも5、10、20、50、100、500、または1000倍大きいうちの少なくとも1つである、段落C3に記載のシステム。
【0256】
C4.第1の荷電粒子ビームが、サンプルにおいて第2の荷電粒子ビームに対して傾斜している、段落C1~C3.1のいずれかに記載のシステム。
【0257】
C5.第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームが、コヒーレントビームである、段落C1~C4のいずれかに記載のシステム。
【0258】
C6.加速器をさらに備える、段落C1~C5のいずれかに記載のシステム。
【0259】
C6.1.加速器が、二焦点ビームフォーマの下に位置決めされ、第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームの各々を最終エネルギーまで加速させるように構成されている、段落C6に記載のシステム。
【0260】
C6.2.加速器が、二焦点ビームフォーマの上に位置決めされ、複数の荷電粒子を最終エネルギーまで加速させるように構成されている、段落C6のシステム。
【0261】
C7.二焦点ビームフォーマが、第2の荷電粒子ビームを歪めさせる、段落C1~C6.2のいずれかに記載のシステム。
【0262】
C8.二焦点ビームフォーマが、第2の荷電粒子ビームの焦点面を変化させる、段落C1~C7のいずれかに記載のシステム。
【0263】
C9.二焦点ビームフォーマが、第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの一方を円筒対称ビームではないようにする、段落C8~C8.4のいずれかに記載のシステム。
【0264】
C9.1.第2の荷電粒子ビームを円筒対称ビームにするように構成された補正器をさらに備える、段落C9に記載のシステム。
【0265】
C9.1.1.補正器が、スティグメータである、段落C9.1に記載のシステム。
【0266】
C10.二焦点ビームフォーマが、第2の荷電粒子ビームに1つ以上の収差を有させる、C1~C9.1.1のいずれかに記載のシステム。
【0267】
C10.1.1つ以上の収差のうちの少なくとも1つが決定論的な収差である、段落C10に記載のシステム。
【0268】
C10.2.二焦点ビームフォーマが、1つ以上の収差のうちの少なくとも1つにシステム内の別の収差を補正させるように位置決めおよび/または構成されている、段落C10~C10.1のいずれかに記載のシステム。
【0269】
C11.二焦点ビームフォーマが、複数の荷電粒子の放射軸から離れるように、第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの少なくとも一方を偏向させるようにさらに構成されている、段落C1~C10.2のいずれかに記載のシステム。
【0270】
C12.二焦点ビームフォーマが、第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性の修正を少なくとも部分的に引き起こす少なくとも四重極電場を生成するように構成されたMEMSデバイスを備える、段落C1~C11のいずれかに記載のシステム。
【0271】
C12.1.MEMSデバイスが、第1のアパーチャおよび第2のアパーチャを画成する構造を含み、第1の荷電粒子ビームが第1のアパーチャを通過し、第2の荷電粒子ビームが第2のアパーチャを通過する、段落C12に記載のシステム。
【0272】
C12.1.1.第1のアパーチャが第2のアパーチャと同じ半径を有する、段落C12.1に記載のシステム。
【0273】
C12.1.2.第1のアパーチャが第2のアパーチャよりも小さい半径を有する、段落C12.1に記載のシステム。
【0274】
C12.1.3.第1のアパーチャが第2のアパーチャよりも大きい半径を有する、段落C12.1に記載のシステム。
【0275】
C12.1.4.MEMSデバイスが複数の荷電粒子に面する表面層を備え、第1のアパーチャおよび第2のアパーチャが表面層によって画成される、段落C12.1~C12.1.3のいずれかに記載のシステム。
【0276】
C12.1.4.1.表面層が箔である、段落C12.1.4に記載のシステム。
【0277】
C12.1.5.第1のアパーチャが複数の荷電粒子の放射軸上に位置決めされた軸方向アパーチャであり、第2のアパーチャが非軸方向アパーチャである、段落C12.1~C12.1.4.1のいずれかに記載のシステム。
【0278】
C12.1.6.第2のアパーチャが複数の荷電粒子の放射軸上に位置決めされた軸方向アパーチャであり、第1のアパーチャが非軸方向アパーチャである、段落C12.1~C12.1.4.1のいずれかに記載のシステム。
【0279】
C12.2.MEMSデバイスが1つ以上の電極を備える、段落C12.1~C12.1.6のいずれかに記載のシステム。
【0280】
C12.2.1.対応する電圧が1つ以上の電極に印加されると、1つ以上の電極が、少なくとも四重極電場を生成する、段落C12.2に記載のシステム。
【0281】
C12.2.1.1つ以上の電極のうちの少なくとも1つが接地されている、段落C12.2~12.2.1のいずれかに記載のシステム。
【0282】
C12.2.2.MEMSデバイスが、表面層の反対側にある絶縁層を有する、C12.1.4に依存する場合の段落C12.2~C12.2.1のいずれかに記載のシステム
【0283】
C12.2.2.1.1つ以上の電極が、絶縁層と表面層との間に位置決めされた電極層に位置付けられている、段落C12.2.2に記載のシステム。
【0284】
C12.2.3.1つ以上の電極が4つの電極を含む、段落C12.2~C12.2.2.1のいずれかに記載のシステム。
【0285】
C12.2.4.1つ以上の電極が7つの電極を含む、段落C12.2~C12.2.2.1のいずれかに記載のシステム。
【0286】
C12.3.少なくとも四重極電場が、双重極電場、四重極電場、六重極電場、または八重極電場のうちの1つである、段落C12.1~C12.2.4のいずれかに記載のシステム。
【0287】
C12.4.少なくとも四重極電場が第1の荷電粒子ビームの焦点面を変化させない、段落C12.1~C12.3のいずれかに記載のシステム。
【0288】
C12.5.MEMSデバイスが、1つ以上の双重極電場を生成するようにさらに構成されている、段落C12.1~C12.4のいずれかに記載のシステム。
【0289】
C12.5.1.1つ以上の双重極電場が、荷電粒子ビームのうちの少なくとも一方を放射軸に垂直な方向に偏向させる、段落C12.5に記載のシステム。
【0290】
C13.二焦点ビームフォーマが、第1のアパーチャおよび第2のアパーチャを画成する物理的構造であって、第1の荷電粒子ビームが第1のアパーチャを通過し、第2の荷電粒子ビームが第2のアパーチャを通過する、物理的構造と、第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームが異なる焦点面を有するように少なくとも一方の焦点特性を調整するように位置決めおよび/または構成されたレンズと、を備える、段落C1~C11のいずれかに記載のシステム。
【0291】
C13.1.第1の荷電粒子ビームが第1のアパーチャを通過し、第2の荷電粒子ビームが第2のアパーチャを通過する、段落C13に記載のシステム。
【0292】
C13.2.レンズがアインツェルレンズである、段落C13~C13.1のいずれかに記載のシステム。
【0293】
C13.3.レンズが物理的構造の上に位置決めされる、段落C13~C13.2のいずれかに記載のシステム。
【0294】
C13.4.レンズが物理的構造の下上に位置決めされる、段落C13~C13.2のいずれかに記載のシステム。
【0295】
C13.5.レンズが、第2の荷電粒子ビームの焦点面を調整するように位置決めおよび/または構成されている、段落C13~C13.4のいずれかに記載のシステム。
【0296】
C13.5.1.レンズが、第1の荷電粒子ビームの焦点面を調整するように位置決めおよび/または構成されていない、段落C13.5に記載のシステム。
【0297】
C14.二焦点ビームフォーマが、少なくとも1つの物理的構造を備え、少なくとも1つの物理的構造が、第1の荷電粒子ビームが少なくとも1つの物理的構造を通過することを可能にする第1のアパーチャ、第2の荷電粒子ビームが少なくとも1つの物理的構造を通過することを可能にする第2のアパーチャ、および複数の他のアパーチャを画成する、段落C14~C14.5のいずれかに記載のシステム。
【0298】
C14.1.複数の他のアパーチャが、二焦点ビームフォーマの使用中に第2の荷電粒子ビームにレンズ効果を適用する電磁場を作るパターンを形成する、段落C14に記載のシステム。
【0299】
C14.1.1.複数の他のアパーチャが、二焦点ビームフォーマの使用中に第2の荷電粒子ビームに少なくとも四重極レンズ効果を適用する電磁場を作るパターンを形成する、段落C14.1に記載のシステム。
【0300】
C14.1.1.1.電磁場が、二焦点ビームフォーマの使用中に第1の荷電粒子ビームに四重極レンズ効果を適用しない、段落C14.1.1に記載のシステム。
【0301】
C14.1.2.複数の他のアパーチャが、二焦点ビームフォーマの使用中に第1の荷電粒子ビームに円形レンズ効果を適用する電磁場を作るパターンを形成する、段落C14.1~C14.1.1.1のいずれかに記載のシステム。
【0302】
C14.1.2.1.複数の他のアパーチャが、二焦点ビームフォーマの使用中に第2の荷電粒子ビームに少なくとも円形のレンズ効果を適用する電磁場を作るパターンを形成する、段落C14.1.2に記載のシステム。
【0303】
C14.1.3.電磁場によって適用されるレンズ効果が、第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性の修正を少なくとも部分的に引き起こす、段落C14.1~C14.2.1のいずれかに記載のシステム。
【0304】
C14.1.3.1.電磁場が、第1の荷電粒子ビームの焦点面を変化させる、段落C14.1.3に記載のシステム。
【0305】
C14.3.複数のアパーチャのうちの少なくとも1つのアパーチャが穴である、段落C14~C14.2.1のいずれかに記載のシステム。
【0306】
C14.3.1.穴が、
【0307】
少なくとも1つの物理的構造の第1の表面に画成された入口であって、第1の表面が複数の荷電粒子に面している、入口と、第1の表面の反対側にある少なくとも1つの物理的構造の第2の表面に画成された出口と、入口および出口を接続する空のボリュームと、を備える、段落C14.3に記載のシステム。
【0308】
C14.3.1.1.第1の表面および第2の表面が、各々単一の物理的構造の表面である、段落C14.3.1に記載のシステム。
【0309】
C14.3.1.2.第1の表面および第2の表面が、各々異なる物理的構造の表面である、段落C14.3.1に記載のシステム。
【0310】
C14.4.複数のアパーチャのうちの少なくとも1つのアパーチャが空洞である、段落C14~C14.3.1.2のいずれかに記載のシステム。
【0311】
C14.4.1.空洞が、
【0312】
少なくとも1つの物理的構造の第1の表面に画成された入口であって、第1の表面が複数の荷電粒子に面している、入口と、入口と連通し、少なくとも1つの物理的構造によって画成される空のボリュームと、を備え、少なくとも1つの物理的構造が、空のボリュームに入口を介して入る複数の荷電粒子の荷電粒子が二焦点ビームフォーマを通過しないように空のボリュームを画成する、段落C14.4に記載のシステム。
【0313】
C14.4.1.1.空洞が単一の物理的構造によって画成される、段落C14.4.1に記載のシステム。
【0314】
C14.4.1.2.空洞が多数の物理的構造によって画成される、段落C14.4.1に記載のシステム。
【0315】
C14.5.複数のアパーチャが、穴および空洞の組み合わせを含む、段落C14.3~C14.4.1.2のいずれかに記載のシステム。
【0316】
C14.6.第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、または複数のアパーチャのうちの1つのアパーチャのうちの少なくとも1つの幾何学的形状が円形である、段落C14~C14.5のいずれかに記載のシステム。
【0317】
C14.7.第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、または複数のアパーチャのうちの1つのアパーチャのうちの少なくとも1つの幾何学的形状が長方形である、段落C14~C14.5のいずれかに記載のシステム。
【0318】
C14.7.1.第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、または複数のアパーチャのうちの1つのアパーチャのうちの少なくとも1つの幾何学的形状が正方形である、段落C14~C14.5のいずれかに記載のシステム。
【0319】
C14.7.2.第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、または複数のアパーチャのうちの1つのアパーチャのうちの少なくとも1つの幾何学的形状が丸コーナーを有する、段落C14~C14.5のいずれかに記載のシステム。
【0320】
C14.8.第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、および複数のアパーチャの幾何学的形状が均一ではない、段落C14~C14.7.2のいずれかに記載のシステム。
【0321】
C14.9.第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、および複数のアパーチャのサイズが均一ではない、段落C14~C14.8のいずれかに記載のシステム。
【0322】
C14.10.二焦点ビームフォーマが、第1の印加電圧を受け取るように構成された第1の電極をさらに備える、段落C14~C14.9のいずれかに記載のシステム。
【0323】
C14.10.1.第1の電極が、複数の荷電粒子の少なくとも一部が第1の電極を通過することを可能にする電極入口アパーチャを少なくとも部分的に画成する物理的構造を含む、段落C14.10に記載のシステム。
【0324】
C14.10.1.1.電極入口アパーチャが、複数の荷電粒子の第1の部分が第1の電極を通過することを可能にする第1の電極入口アパーチャであり、第2の電極が、複数の荷電粒子の第2の部分が第1の電極を通過することを可能にする第2の電極入口アパーチャをさらに画成する、段落C14.10.1に記載のシステム。
【0325】
C14.10.2.第1の電極が、第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、および複数のアパーチャの上流にある、段落C14.10~C14.10.1.1のいずれかに記載のシステム。
【0326】
C14.10.3.第1の電極がディスク状の電極である、段落C14.10~C14.10.2のいずれかに記載のシステム。
【0327】
C14.10.4.二焦点ビームフォーマが、第2の印加電圧を受け取るように構成された第2の電極をさらに備える、段落C14.10~C14.10.2のいずれかに記載のシステム。
【0328】
C14.10.4.1.第1の電圧が第2の電圧とは異なる、段落C14.10.4に記載のシステム。
【0329】
C14.10.4.2.第1の電圧および第2の電圧が異なる、段落C14.10.4に記載のシステム。
【0330】
C14.10.4.3.第2の電極が、第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの少なくとも一方が第2の電極を通過する電極出口アパーチャを少なくとも部分的に画成する物理的構造を含む、段落C14.10.4~C14.10.4.2のいずれかに記載のシステム。
【0331】
C14.10.4.3.1.電極出口アパーチャが、第1の荷電粒子ビームが第2の電極を通過することを可能にする第1の電極出口アパーチャであり、第2の電極が、第2の荷電粒子ビームが第2の電極を通過することを可能にする第2の電極出口アパーチャをさらに含む、段落C14.10.4.3に記載のシステム。
【0332】
C14.10.4.3.第2の電極が、第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、および複数のアパーチャの下流に位置決めされる、段落C14.10.4~C14.10.4.3.1のいずれかに記載のシステム。
【0333】
C15.焦点ビームフォーマが、穴を画成し、複数の荷電粒子を第1の荷電粒子ビームと第2の荷電粒子ビームとに分割するように位置決めおよび/または構成されたバイプリズムを備える、段落C1~C11のいずれかに記載のシステム。
【0334】
C16.レーザーパターンフリンジが、複数の荷電粒子を第1の荷電粒子ビームと第2の荷電粒子ビームとに分割するために使用される、段落C1~C11のいずれかに記載のシステム。
【0335】
C17.第2の荷電粒子ビームが、サンプルの上に位置付けられる異なる平面に集束される、段落C1~C16のいずれかに記載のシステム。
【0336】
C17.1.異なる平面が、サンプルの上の対物レンズの焦点距離の少なくとも少なくとも0.1%、1%、10%、または100%に位置付けられる、段落C17に記載のシステム。
【0337】
C18.第2の荷電粒子ビームが、サンプルの下に位置付けられる異なる平面に集束される、段落C1~C16のいずれかに記載のシステム。
【0338】
C18.1.異なる平面が、試料サンプルの下の対物レンズの焦点距離の少なくとも0.1%、1%、10%、または100%に位置付けられる、段落C18に記載のシステム。
【0339】
C19.サンプルの平面またはサンプルの近くの平面と異なる平面との間の距離が、対物レンズの焦点距離の少なくとも0.1%、1%、10%、または100%である、段落C17~C18.1のいずれかに記載のシステム。
【0340】
C20.第2の荷電粒子ビームがサンプルにおいて平行ビームである、段落C1~C19のいずれかに記載のシステム。
【0341】
D1.段落A1~A16、B1~B15、L1~L10.2、またはM9.1のいずれかに記載の方法を実行するための段落C1~C20のいずれかに記載のシステムの使用。
【0342】
E1.1つ以上の処理ユニットによって遂行されると、段落C1~C20のいずれかに記載のシステムに段落A1~A16、B1~B15、L1~L10.2、またはM1~M9.1のいずれかに記載の方法を実行させる命令を備える、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【0343】
F1.複数の荷電粒子の荷電粒子の第1の部分がMEMSデバイスを通過することを可能にするように構成された第1のアパーチャ、および複数の荷電粒子の荷電粒子の第2の部分がMEMSデバイスを通過することを可能にするように構成された第2のアパーチャを画成する物理的構造と、1つ以上の電極であって、対応する電圧が印加されると、荷電粒子の第1の部分および荷電粒子の第2の部分の少なくとも一方の焦点面の修正を少なくとも部分的に引き起こす少なくとも四重極電場を生成するように構成された1つ以上の電極と、を備える、MEMSデバイス。
【0344】
F1.1.複数の荷電粒子が、MEMSデバイスに入射するソースビームを形成する、段落F1に記載のMEMSデバイス。
【0345】
F1.1.1.複数の荷電粒子が複数の電子である、段落F1~F1.1のいずれかに記載のMEMSデバイス。
【0346】
F2.第1のアパーチャが、荷電粒子の第1の部分を第1の荷電粒子ビームに形成するように構成され、第2のアパーチャが、荷電粒子の第2の部分を第2の荷電粒子ビームに形成するように構成される、段落F1~F1.1.1のいずれかに記載のMEMSデバイス。
【0347】
F2.1.第1のアパーチャが第2のアパーチャと同じ半径を有する、段落F2に記載のMEMSデバイス。
【0348】
F2.2.第1のアパーチャが第2のアパーチャよりも小さい半径を有する、段落F2に記載のMEMSデバイス。
【0349】
F2.3.第1のアパーチャが第2のアパーチャよりも大きい半径を有する、段落F2に記載のMEMSデバイス。
【0350】
F3.物理的構造が、第1のアパーチャおよび第2のアパーチャを画成する表面層を含む、段落F1~F2.3のいずれかに記載のMEMSデバイス。
【0351】
F3.1.表面層が、荷電粒子の第3の部分がMEMSデバイスを通過するのを防止する、段落F3に記載のMEMSデバイス。
【0352】
F3.2.表面層が箔である、段落F3~F3.1のいずれかに記載のMEMSデバイス。
【0353】
F4.第1のアパーチャが複数の荷電粒子の放射軸上に位置決めされた軸方向アパーチャであり、第2のアパーチャが非軸方向アパーチャである、段落F1~F3.2のいずれかに記載のMEMSデバイス。
【0354】
F5.第2のアパーチャが複数の荷電粒子の放射軸上に位置決めされた軸方向アパーチャであり、第1のアパーチャが非軸方向アパーチャである、段落F1~F3.2のいずれかに記載のMEMSデバイス。
【0355】
F6.1つ以上の電極のうちの少なくとも1つが接地されている、段落F1~F5のいずれかに記載のMEMSデバイス。
【0356】
F7.MEMSデバイスが、表面層の反対側にある絶縁層を含む、段落F3~F3.1のいずれかに従属する場合の段落F1~F6のいずれかに記載のMEMSデバイス。
【0357】
F7.1.1つ以上の電極が、絶縁層と表面層との間に位置決めされた電極層に位置付けられている、段落F7に記載のMEMSデバイス。
【0358】
F8.1つ以上の電極が4つの電極を含む、段落F1~F7.1のいずれかに記載のMEMSデバイス。
【0359】
F9.1つ以上の電極が7つの電極を含む、段落F1~F7.1のいずれかに記載のMEMSデバイス。
【0360】
F10.少なくとも四重極電場が、双重極電場、四重極電場、六重極電場、または八重極電場のうちの1つである、段落F1~F9のいずれかに記載のMEMSデバイス。
【0361】
F11.少なくとも四重極電場が第1の荷電粒子ビームの焦点面を変化させない、段落F1~F10のいずれかに記載のMEMSデバイス。
【0362】
F12.MEMSデバイスが、1つ以上の双重極電場を生成するようにさらに構成されている、段落F1~F11のいずれかに記載のMEMSデバイス。
【0363】
F12.1.1つ以上の双重極電場が、少なくとも1つの荷電粒子ビームを放射軸に垂直な方向に偏向させる、段落F12に記載のMEMSデバイス。
【0364】
G1.段落F1~F12.1のいずれかに記載のMEMSデバイスの任意の使用。
【0365】
G2.段落A1~A16、B1~B15、L1~L10.2、またはM1~M9.1に記載の方法のいずれかを実行するための段落F1~F12.1のいずれかに記載のMEMSデバイスの任意の使用。
【0366】
G3.サンプルを調査するための段落F1~F12.1のいずれかに記載のMEMSデバイスの任意の使用。
【0367】
H1.段落C1~C20のいずれかに記載のシステムにおける段落F1~F12.1のいずれかに記載のMEMSデバイスの任意の使用。
【0368】
I1.複数の荷電粒子の荷電粒子の第1の部分がアパーチャレンズアレイデバイスを通過することを可能にするように構成された第1のアパーチャ、複数の荷電粒子の荷電粒子の第2の部分がアパーチャレンズアレイデバイスを通過することを可能にするように構成された第2のアパーチャ、複数の他のアパーチャ、および少なくとも1つの電極を画成する少なくとも1つの物理的構造を備え、第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、および複数の他のアパーチャが、少なくとも1つの物理的構造および少なくとも1つの電極に対応する電圧が印加されると、アパーチャレンズアレイデバイスの使用中に荷電粒子の第2の部分にレンズ効果を適用する電磁場を生成するパターンを形成する、アパーチャレンズアレイデバイス。
【0369】
I1.1.複数の荷電粒子が、アパーチャレンズアレイデバイスに入射するソースビームを形成する、段落I1に記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0370】
I1.1.1.複数の荷電粒子が複数の電子である、段落I1~I1.1のいずれかに記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0371】
I2.第1のアパーチャが、荷電粒子の第1の部分を第1の荷電粒子ビームに形成するように構成され、第2のアパーチャが、荷電粒子の第2の部分を第2の荷電粒子ビームに形成するように構成される、段落I.1~I1.1.1のいずれかに記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0372】
I2.1.電磁場が、アパーチャレンズアレイデバイスの使用中に第2の荷電粒子ビームに少なくとも四重極レンズ効果を適用する、段落I2に記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0373】
I2.1.1.電磁場が、アパーチャレンズアレイデバイスの使用中に第1の荷電粒子ビームに四重極レンズ効果を適用しない、段落I2.1に記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0374】
I2.1.2.電磁場が、アパーチャレンズアレイデバイスの使用中に第1の荷電粒子ビームに円形レンズ効果を適用する、段落I2~I2.1.1のいずれかに記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0375】
I2.1.3.電磁場が、アパーチャレンズアレイデバイスの使用中に第2の荷電粒子ビームに少なくとも円形レンズ効果、段落I2~I2.1.2のうちいずれかに記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0376】
I3.電磁場によって適用されるレンズ効果が、第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの少なくとも一方の焦点面の修正を少なくとも部分的に引き起こす、段落I1~I2.1.3のいずれかに記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0377】
I3.1.レンズ効果によって引き起こされる焦点面の修正により、第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームが異なる焦点面を有する、段落I1に記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0378】
I3.2.電磁場が第1の荷電粒子ビームの焦点面を変化させる、段落I3~I3.1のいずれかに記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0379】
I4.複数のアパーチャのうちの少なくとも1つのアパーチャが穴である、段落I1~I3.2のいずれかに記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0380】
I4.1.穴が、少なくとも1つの物理的構造の第1の表面に画成された入口であって、第1の表面が複数の荷電粒子に面している、入口と、第1の表面の反対側にある少なくとも1つの物理的構造の第2の表面に画成された出口と、入口および出口を接続する空のボリュームと、を備える、段落I4に記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0381】
I4.1.1.第1の表面および第2の表面が、各々単一の物理的構造の表面である、段落I4.1に記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0382】
I4.1.2.第1の表面および第2の表面が、各々異なる物理的構造の表面である、段落I4.1に記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0383】
I5.複数のアパーチャのうちの少なくとも1つのアパーチャが空洞である、段落I1~I4.1.2のいずれかに記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0384】
I5.1.空洞が、少なくとも1つの物理的構造の第1の表面に画成された入口であって、第1の表面が複数の荷電粒子に面している、入口と、入口と連通し、少なくとも1つの物理的構造によって画成される空のボリュームと、を備え、少なくとも1つの物理的構造が、空のボリュームに入口を介して入る複数の荷電粒子の荷電粒子が二焦点ビームフォーマを通過しないように空のボリュームを画成する、段落I5に記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0385】
I5.1.空洞が単一の物理的構造によって画成される、段落I5.1に記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0386】
I5.2.空洞が多数の物理的構造によって画成される、段落I5.1に記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0387】
I6.複数のアパーチャが、穴および空洞の組み合わせを含む、段落I4~I5.2のいずれかに記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0388】
I7.第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、または複数のアパーチャのうちの1つのアパーチャのうちの少なくとも1つの幾何学的形状が円形である、段落I1~I6のいずれかに記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0389】
I8.第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、または複数のアパーチャのうちの1つのアパーチャのうちの少なくとも1つの幾何学的形状が長方形である、段落I1~I7のいずれかに記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0390】
I9.第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、または複数のアパーチャのうちの1つのアパーチャのうちの少なくとも1つの幾何学的形状が正方形である、段落I1~I8のいずれかに記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0391】
I10.第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、または複数のアパーチャのうちの1つのアパーチャのうちの少なくとも1つの幾何学的形状が丸コーナーを有する、段落I1~I9のいずれかに記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0392】
I11.第1のアパーチャ第2のアパーチャ、および複数のアパーチャの幾何学的形状が均一ではない、段落I1~I10のいずれかに記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0393】
I12.第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、および複数のアパーチャのサイズが均一ではない、段落I1~I11のいずれかに記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0394】
I13.少なくとも1つの電極が、第1の印加電圧を受け取るように構成された第1の電極を含む、段落I1~I12のいずれかに記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0395】
I13.1.第1の電極が、複数の荷電粒子の少なくとも一部が第1の電極を通過することを可能にする電極入口アパーチャを少なくとも部分的に画成する物理的構造を含む、段落I13に記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0396】
I13.1.1.電極入口アパーチャが、複数の荷電粒子の第1の部分が第1の電極を通過することを可能にする第1の電極入口アパーチャであり、第2の電極が、複数の荷電粒子の第2の部分が第1の電極を通過することを可能にする第2の電極入口アパーチャをさらに画成する、段落I13.1に記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0397】
I13.2.第1の電極が、第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、および複数のアパーチャの上流にある、段落I13~I13.1.1のいずれかに記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0398】
I13.3.第1の電極がディスク状の電極である、段落I13~I13.2のいずれかに記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0399】
I13.4.少なくとも1つの電極が、第2の印加電圧を受け取るように構成された第2の電極をさらに含む、段落I13~I13.3のいずれかに記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0400】
I13.4.1.第1の電圧が第2の電圧とは異なる、段落I13.4に記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0401】
I13.4.2.第1の電圧および第2の電圧が同じである、段落I13.4に記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0402】
I13.4.3.第2の電極が、第1の荷電粒子ビームおよび第2の荷電粒子ビームのうちの少なくとも一方が第2の電極を通過する電極出口アパーチャを少なくとも部分的に画成する物理的構造を含む、段落I13.4~I13.4.2のいずれかに記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0403】
I13.4.3.1.電極出口アパーチャが、第1の荷電粒子ビームが第2の電極を通過することを可能にする第1の電極出口アパーチャであり、第2の電極が、第2の荷電粒子ビームが第2の電極を通過することを可能にする第2の電極出口アパーチャをさらに含む、段落I13.4.3に記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0404】
I13.4.4.第2の電極が、第1のアパーチャ、第2のアパーチャ、および複数のアパーチャの下流に位置決めされる、段落I13.4~I13.4.3.1のいずれかに記載のアパーチャレンズアレイデバイス。
【0405】
J1.段落I1~I13.4.4のいずれかに記載のマルチアパーチャデバイスの使用。
【0406】
J2.段落A1~A16、B1~B15、L1~L10.2、またはM9.1に記載の方法のいずれかを実行するための段落I1~I13.4.4のいずれかに記載のマルチアパーチャデバイスを使用。
【0407】
J3.サンプルを調査するための段落I1~I13.4.4のいずれかに記載のマルチアパーチャデバイスの使用。
【0408】
K1.段落C1~C20のいずれかに記載のシステムにおける段落I1~I13.4.4のいずれかに記載のマルチアパーチャデバイスの使用。
【0409】
L1.TEMおよびSTEM技術を用いてサンプルを調査するための方法であって、サンプルに向かって複数の電子を放射することと、複数の電子粒子を第1の電子ビームおよび第2の電子ビームに形成することと、第1の電子ビームおよび第2の電子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性を、第1の電子ビームサンプルの平面またはサンプルの近くの平面に集束されるSTEMビーム、第2の電子ビームがサンプルに入射するTEMビームになるように修正することと、STEMビームおよびTEMビームがサンプルに入射することから結果として生じる放射を検出することと、を含む、方法。
【0410】
L1.1.TEMビームがサンプルに入射するときに平行ビームである、段落L1に記載の方法。
【0411】
L1.2.TEMビームがサンプルに入射するときに収束ビームである、段落L1に記載の方法。
【0412】
L1.3.TEMビームがサンプルに入射するときに発散ビームである、段落L1に記載の方法。
【0413】
L2.STEMビームおよびTEMビームがサンプルに入射することから結果として生じる検出された放射からSTEM画像およびTEM画像の一方または両方を生成することをさらに含む、段落L1~L1.3のいずれかに記載の方法。
【0414】
L3.STEMビームおよびTEMビームがサンプルに入射することから結果として生じる放射を検出することが、(1)STEMビームが入射することから結果として生じる放射、および(2)TEMビームがサンプルに入射することから結果として生じる放射を同じ検出器および/または検出器アレイを使用して検出することを含む、段落L1~L2のいずれかに記載の方法。
【0415】
L4.STEMビームおよびTEMビームがサンプルに入射することから結果として生じる放射を検出することが、(1)STEMビームが入射することから結果として生じる放射、および(2)TEMビームがサンプルに入射することから結果として生じる放射を同時に検出することを含む、段落L1~L3のいずれかに記載の方法。
【0416】
L4.1.サンプルの表面領域を横切ってSTEMビームを走査することをさらに含む、段落L4に記載の方法。
【0417】
L4.1.1.STEMビームが走査されている間、TEMビームがサンプルに入射したままである、段落L4.1に記載の方法。
【0418】
L4.1.2.STEMビームが走査されている間、TEMビームが静止場所に入射したままである、段落L4.1~L4.1.1のいずれかに記載の方法。
【0419】
L5.STEM動作モード、TEM動作モード、およびSTEM/TEM同時動作モードのうちの2つの間で切り替えることをさらに含む、段落L1~L4.1のいずれかに記載の方法。
【0420】
L5.1.STEM動作モードへの切り替えが、STEMビームのみがサンプルに入射するようにTEMビームを遮断させることを含む、段落L5に記載の方法。
【0421】
L5.1.1.TEMビームを遮断させることが、TEMビームがビームブロッカーによって遮断されるようにTEMビームを偏向させること、ビームブロッカーがTEMビームの経路を妨害するようにビームブロッカーを移動させること、およびTEMビームがアパーチャを通過できないようにアパーチャを塞ぐことのうちの1つを含む、段落5.1に記載の方法。
【0422】
L5.2.TEM動作モードへの切り替えが、TEMビームのみがサンプルに入射するようにSTEMビームを遮断させることを含む、段落L5~L5.1のいずれかに記載の方法。
【0423】
L5.2.1.STEMビームを遮断させることが、TEMビームがビームブロッカーによって遮断されるようにSTEMビームを偏向させること、ビームブロッカーがSTEMビームの経路を塞ぐようにビームブロッカーを移動させること、およびSTEMビームがアパーチャを通過できないようにアパーチャを塞ぐことのうちの1つを含む、段落5.2に記載の方法。
【0424】
L6.TEMビームがサンプルに入射することに起因する検出された放射の一部を決定することをさらに含む、段落L1~L5.2.1のいずれかに記載の方法。
【0425】
L6.1.STEMビームがサンプルに入射することに起因する検出された放射の一部を決定することをさらに含む、段落L6に記載の方法。
【0426】
L7.STEMビームおよびTEMビームがサンプルに入射することから結果として生じる検出された放射に基づいてSTEM画像を生成することをさらに含む、段落L1~L6.1のいずれかに記載の方法。
【0427】
L8.STEMビームおよびTEMビームがサンプルに入射することから結果として生じる検出された放射に基づいてTEM画像を生成することをさらに含む、段落L1~L7のいずれかに記載の方法。
【0428】
L9.STEMビームおよびTEMビームがサンプルに入射することから結果として生じる放射が単一の検出器および/または検出器アレイを用いて検出される、段落L1~L8のいずれかに記載の方法。
【0429】
L9.1.STEMビームから結果として生じる放射が第1の検出器および/または検出器アレイを用いて検出され、サンプルに入射するTEMビームが第2の検出器および/または検出器アレイを用いて検出される、段落L1~L8のいずれかに記載の方法。
【0430】
L9.1.1.第1の検出器および/または検出器アレイが、第2の検出器および/または検出器アレイとは異なる面に位置決めされる、段落L9.1に記載の方法。
【0431】
L9.1.1.方法が、第1の検出器ならびに/もしくは検出器アレイ、および/または第2の検出器ならびに/もしくは検出器アレイを機械的に切り替えることをさらに含む、段落L9.1に記載の方法。
【0432】
L10.複数の電子粒子の第1の電子ビームおよび第2の電子ビームへの形成、および焦点特性の修正が、少なくとも部分的に二焦点ビームフォーマによって実行される、段落L1~L9のいずれかに記載の方法。
【0433】
L10.1.二焦点ビームフォーマが段落F1~F12.1のいずれかに記載のMEMSデバイスである、段落L10に記載の方法。
【0434】
L10.2.二焦点ビームフォーマが段落I1~I13.4.4のいずれかに記載のマルチアパーチャアレイである、段落L10に記載の方法。
【0435】
L10.2.二焦点ビームフォーマが、第1の電子ビームおよび第2の電子ビームのうちの一方に少なくとも四重極レンズ効果を適用する、段落L10~L10.2のいずれかに記載の方法。
【0436】
M1.二焦点マルチビームサンプル処理のための方法であって、方法が、サンプルに向かって複数の電子を放射することと、複数の電子を第1の電子ビームおよび第2の電子ビームに分割することと、第1の電子ビームおよび第2の電子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性を修正することと、サンプルに物理的変化を誘発するために、第1の電子ビームでサンプルの領域を処理することと、処理中に第2の電子ビームでサンプルの領域を撮像することと、を含む、方法。
【0437】
M2.処理および撮像が同時に実行される、段落M1に記載の方法。
【0438】
M3.サンプルの領域を処理することが、サンプルの表面の平面に、またはサンプルの表面の近くの平面に第1の電子ビームを集束させることを含む、段落M1~M2のいずれかに記載の方法。
【0439】
M3.1.処理が、関心領域に最も近いボリュームにガスを導入することをさらに含む、段落M3に記載の方法。
【0440】
M3.2.処理が、サンプルの表面に放射線損傷を引き起こすことをさらに含む、段落M3~M3.1のいずれかに記載の方法。
【0441】
M3.3.処理が、サンプルの照射領域に相変化を引き起こすことをさらに含む、段落M3~M3.2のいずれかに記載の方法。
【0442】
M3.4.処理が、電子ビーム誘起エッチングをさらに含む、段落M3~M3.3のいずれかに記載の方法。
【0443】
M3.4.1.処理が、第1の電子ビームでガス支援エッチングを実行することをさらに含む、段落M3.4に記載の方法。
【0444】
M3.5.処理が、電子ビーム誘起堆積をさらに含む、段落M3~M4.1のいずれかに記載の方法。
【0445】
M3.5.1.処理が、第1の電子ビームでガス支援堆積を実行することをさらに含む、段落M3.5に記載の方法。
【0446】
M3.5.2.電子ビーム誘起堆積を実行することが、サンプル上に針構造を構築することを含む、段落M3.5~M3.5.1のいずれかに記載の方法。
【0447】
M3.6.処理が、サンプルの関心領域に対する帯電および/またはバイアス効果を低減することを含む、段落M3~M3.5.2のいずれかに記載の方法。
【0448】
M4.サンプルの領域を撮像することが、関心領域に入射するように第2のビームを集束させることを含む、段落M1~M3.5.3のいずれかに記載の方法。
【0449】
M4.1.サンプルの領域を撮像することが、第2の電子ビームでTEM撮像を実行することを含む、段落M4に記載の方法。
【0450】
M4.2.サンプルの領域を撮像することが、第2の電子ビームでSTEM撮像を実行することを含む、段落M4に記載の方法。
【0451】
M4.3.第2のビームが、サンプルの表面、またはそれを支える平面において平行ビームである、段落M4~M4.2のいずれかに記載の方法。
【0452】
M4.4.サンプルの領域を撮像することが、サンプルの下流に位置付けられる検出器を用いて、第2の電子ビームおよび/または第2のビームがサンプルに入射することから結果として放射される電子を検出することと、検出された第2の電子ビームおよび/または第2のビームがサンプルに入射することから結果として放射される電子に基づいて、関心領域の1つ以上の画像を生成することと、を含む、段落M4~M4.3のいずれかに記載の方法。
【0453】
M4.4.1.検出器が第1の電子ビームを検出しない、段落M4.4に記載の方法。
【0454】
M4.4.1.1.サンプルでの第1の電子ビームの傾斜角が、第2の電子ビームが検出器に入射しないようなものである、段落M4.4.1に記載の方法。
【0455】
M4.3.1.2.第2の電子ビームがサンプルに当たらないように遮断される、段落M4.4.1~M4.4.1.1のいずれかに記載の方法。
【0456】
M4.3.1.2.1.第2の電子ビームが対物レンズのアパーチャによって遮断される、段落M4.3.1.2に記載の方法。
【0457】
M5.第1の電子ビームおよび第2の電子ビームのうちの少なくとも一方の焦点特性を修正することが、少なくとも一方のビームに少なくとも四重極レンズ効果を適用することを含む、段落M1~M4.3.1.2のいずれかに記載の方法。
【0458】
M5.1.少なくとも四重極レンズ効果が二焦点ビームフォーマによって適用される、段落M5に記載の方法。
【0459】
M5.2.二焦点ビームフォーマが段落F1~F12.1のいずれかに記載のMEMSデバイスである、段落M5.1.に記載の方法。
【0460】
M5.3.二焦点ビームフォーマが段落I1~I13.4.4のいずれかに記載のマルチアパーチャデバイスである、段落M5.1.に記載の方法。
【0461】
M6.サンプルの異なる領域の処理を実行するために第1の電子ビームを偏向させることをさらに含む、段落M1~M5.3のいずれかに記載の方法。
【0462】
M6.1.第1の電子ビームの偏向が二焦点ビームフォーマによって実行される、段落M6に記載の方法。
【0463】
M6.2.第1の電子ビームの偏向が多重極要素によって実行される、段落M6~6.1のいずれかに記載の方法。
【0464】
M7.複数の電子を第1の電子ビームおよび第2の電子ビームに分割することが、複数の電子を軸方向の第1の電子ビームおよび非軸方向の第2の電子ビームに分割することを含む、段落M1~6.2のいずれかに記載の方法。
【0465】
M8.複数の電子を第1の電子ビームおよび第2の電子ビームに分割することが、複数の電子を非軸方向の第1の電子ビームおよび軸方向の第2の電子ビームに分割することを含む、段落M1~6.2のいずれかに記載の方法。
【0466】
M9.第2の電子ビームを用いたサンプルの領域の撮像に基づいて、STEMビームの特性を変化させる、段落M1~M8のいずれかに記載の方法。
【0467】
M9.1.STEMビームの特性を変化させることが、関心領域上の第1の電子ビームの入射場所、関心領域上の第1の電子ビームのスポットサイズ、第1の電子ビームの電流のうちの1つ以上を変化させることを含む、段落M9に記載の方法。