(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-05
(45)【発行日】2024-06-13
(54)【発明の名称】マルチプル金属ハウジングを有するモジュラーマイクロ波源
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20240606BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240606BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240606BHJP
【FI】
H05H1/46 B
H01L21/31 C
H01L21/302 101G
(21)【出願番号】P 2022575369
(86)(22)【出願日】2021-05-12
(86)【国際出願番号】 US2021031938
(87)【国際公開番号】W WO2021252120
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2023-02-06
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】クラウス, フィリップ アレン
(72)【発明者】
【氏名】ムーア, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】カルドゥッチ, ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】フォベル, リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ガンタ, サティヤ スワループ
(72)【発明者】
【氏名】バララマン, カーティケヤン
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス, シルバースト
【審査官】中尾 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-135296(JP,A)
【文献】特開2002-075690(JP,A)
【文献】特開2012-089714(JP,A)
【文献】特開2013-191593(JP,A)
【文献】特開2019-216086(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0121595(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/46
H01L 21/31
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波プラズマ源に含まれるソースアレイ用のハウジングアセンブリであって、
第1の導電層であって、第1の熱膨張係数(CTE)を有する第1の導電層、
前記第1の導電層の上の第2の導電層であって、前記第1のCTEとは異なる第2のCTEを有する第2の導電層、並びに
前記ハウジングアセンブリを通る複数の開口部であって、各開口部は、前記第1の導電層及び前記第2の導電層を貫通する、複数の開口部を備える、ハウジングアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の導電層は、前記第2の導電層と機械的に結合されている、請求項1に記載のハウジングアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の導電層は、前記第2の導電層にボルト留めされている、請求項2に記載のハウジングアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の導電層と前記第2の導電層との間に電気ガスケットを更に備える、請求項1に記載のハウジングアセンブリ。
【請求項5】
前記第1のCTEが約10ppm以下であり、前記第2のCTEが約20ppm以上である、請求項1に記載のハウジングアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の導電層はチタンを含み、前記第2の導電層はアルミニウムを含む、請求項5に記載のハウジングアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の導電層は、ガス分配ネットワークを備える、請求項1に記載のハウジングアセンブリ。
【請求項8】
前記第2の導電層は、流体チャネルを備える、請求項1に記載のハウジングアセンブリ。
【請求項9】
誘電体プレート、及び前記誘電体プレートの表面から上に延在する複数の誘電体共振器を備える、ソースアレイ、並びに
前記ソースアレイの上のハウジングアセンブリを備える、アセンブリであって、前記ハウジングアセンブリは、
前記誘電体プレートの前記表面の上の第1の導電層であって、第1の熱膨張係数(CTE)を有する第1の導電層、
前記第1の導電層の上の第2の導電層であって、前記第1のCTEとは異なる第2のCTEを有する第2の導電層、及び
前記ハウジングアセンブリを通る複数の開口部であって、各開口部は、前記第1の導電層及び前記第2の導電層を貫通し、前記複数の誘電体共振器のうちの1つを収容する、複数の開口部を備える、アセンブリ。
【請求項10】
前記誘電体プレートは第3のCTEを有し、前記第1のCTEと前記第3のCTEとの間の差は、前記第2のCTEと前記第3のCTEとの間の差よりも小さい、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記ハウジング
アセンブリは、熱界面材料によって前記誘電体プレートの前記表面から分離されている、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記第1の導電層は、前記第2の導電層と機械的に結合されている、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記第1の導電層は、前記第2の導電層にボルト留めされている、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記第1の導電層はチタンを含み、前記第2の導電層はアルミニウムを含み、前記誘電体プレートは酸化アルミニウムを含む、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記複数の開口部は、前記ハウジングアセンブリの厚さ全体を貫通する、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記複数の誘電体共振器と前記誘電体プレートとは、モノリシック構造である、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項17】
チャンバ、並びに
前記チャンバと相互作用するアセンブリを備える、処理ツールであって、前記アセンブリは、
ソースアレイであって、
第1の表面、及び前記第1の表面とは反対側の第2の表面を有する、誘電体プレートであって、前記第2の表面は、前記チャンバの内部空間に曝露され、前記第1の表面は、外部環境に曝露される、誘電体プレート、及び
前記誘電体プレートの前記第1の表面から外に延在する複数の誘電体共振器であって、前記複数の誘電体共振器と前記誘電体プレートとは、モノリシック構造である、複数の誘電体共振器を備える、ソースアレイと、
モノリシックソースアレイの上のハウジングアセンブリであって、
前記誘電体プレートの前記表面の上の第1の導電層であって、第1の熱膨張係数(CTE)を有する第1の導電層、
前記第1の導電層の上の第2の導電層であって、前記第1のCTEとは異なる第2のCTEを有する第2の導電層、及び
前記ハウジングアセンブリを通る複数の開口部であって、各開口部は、前記第1の導電層及び前記第2の導電層を貫通し、前記複数の誘電体共振器のうちの1つを収容する、複数の開口部を備える、ハウジングアセンブリとを備える、処理ツール。
【請求項18】
各誘電体共振器は孔を備え、モノポールアンテナが、各孔内に配置されている、請求項17に記載の処理ツール。
【請求項19】
各モノポールアンテナは、異なる高周波放出モジュールに結合されている、請求項18に記載の処理ツール。
【請求項20】
前記モノリシックソースアレイから離れる方向に面している前記ハウジング
アセンブリの表面の上にプレートを更に備える、請求項17に記載の処理ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月10日に出願された米国非仮特許出願第16/898,259号の優先権を主張し、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
複数の実施形態は、半導体製造の分野に関し、特に、高周波プラズマ源用のモノリシックソースアレイに関する。
【背景技術】
【0003】
高周波プラズマ源の中には、誘電体プレート内の開口部を貫通するアプリケータを含むものがある。誘電体プレートを貫通する開口部は、アプリケータ(例えば、誘電体キャビティ共振器)が、プラズマ環境に曝露されることを可能にする。しかし、アプリケータを取り囲むスペース内の誘電体プレート内の開口部内にもプラズマが生成されることが示されてきた。広い面積にわたる二次元プラズマ均一性が所望される処理チャンバ内では、この構造が、処理チャンバ内のプラズマ不均一性をもたらす可能性がある。
【0004】
幾つかの実施形態では、アプリケータが、誘電体プレートの上に、又は誘電体プレートの中(しかし貫通していない)のキャビティ内に配置される。このような構成は、チャンバの内部との結合を低減させ、したがって、最適なプラズマ生成を提供しない。高周波電磁放射とチャンバの内部との結合は、高周波電磁放射が伝播する必要がある誘電体プレートとアプリケータとの間の更なるインターフェースのために部分的に低減する。更に、各アプリケータでの、また異なる処理ツールにわたる、インターフェース(例えば、アプリケータの配置、アプリケータ及び/又は誘電体プレートの表面粗さ、誘電体プレートに対するアプリケータの角度など)の変動は、プラズマの不均一性をもたらす可能性がある。
【0005】
特に、アプリケータが誘電体プレートから離散した構成要素であるときに、プラズマの不均一性(単一の処理チャンバ内及び/又は異なる処理チャンバにわたる(例えば、チャンバ整合について))は、より生じ易い。例えば、離散した構成要素では、小さな変動(例えば、アセンブリ内の変動、機械加工公差など)が、チャンバ内の処理条件に負の影響を与えるプラズマ不均一性をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
本明細書で開示される複数の実施形態は、モジュラーマイクロ波ソースアレイを含む。一実施形態では、ソースアレイ用のハウジングアセンブリが、第1の導電層を備える。第1の導電層は、第1の熱膨張係数(CTE)を有する。ハウジングアセンブリは更に、第1の導電層の上に第2の導電層を備え、第2の導電層は、第1のCTEとは異なる第2のCTEを有する。一実施形態では、ハウジングアセンブリが、ハウジングアセンブリを通る複数の開口部を更に含み、ここで、各開口部は、第1の導電層及び第2の導電層を貫通する。
【0007】
更なる一実施形態は、ソースアレイを備えるアセンブリを含み、ソースアレイは、誘電体プレート、及び誘電体プレートの表面から上に延在する複数の誘電体共振器を備える。一実施形態では、アセンブリが、ソースアレイの上にハウジングアセンブリを更に備える。一実施形態では、ハウジングアセンブリが、誘電体プレートの表面上に第1の導電層を備え、第1の導電層は、第1の熱膨張係数(CTE)を有する。ハウジングアセンブリは更に、第1の導電層の上に第2の導電層を備え、第2の導電層は、第1のCTEとは異なる第2のCTEを有する。一実施形態では、ハウジングアセンブリが、ハウジングアセンブリを通る複数の開口部を更に備え、各開口部は、第1の導電層及び第2の導電層を貫通し、各開口部は、複数の誘電体共振器のうちの1つを収容する。
【0008】
更なる一実施形態は、処理ツールを含む。処理ツールは、チャンバ、及びチャンバと相互作用するアセンブリを備えてよい。一実施形態では、アセンブリが、ソースアレイを備える。一実施形態では、ソースアレイが、第1の表面、及び第1の表面とは反対側の第2の表面を有する誘電体プレートを備え、第2の表面は、チャンバの内部空間に曝露され、第1の表面は、外部環境に曝露される。ソースアレイは、誘電体プレートの第1の表面から外に延在する複数の誘電体共振器を更に備えてよく、ここで、複数の誘電体共振器及び誘電体プレートは、モノリシック構造である。一実施形態では、アセンブリが、モノリシックソースアレイの上にハウジングアセンブリを更に備えてよい。一実施形態では、ハウジングアセンブリが、誘電体プレートの表面の上に第1の導電層を備えてよく、第1の導電層は、第1の熱膨張係数(CTE)を有する。ハウジングアセンブリは更に、第1の導電層の上に第2の導電層を備え、第2の導電層は、第1のCTEとは異なる第2のCTEを有する。一実施形態では、ハウジングアセンブリが、ハウジングアセンブリを通る複数の開口部を更に備えてよく、ここで、各開口部は、第1の導電層及び第2の導電層を貫通し、各開口部は、複数の誘電体共振器のうちの1つを収容する。
【0009】
上述の概要は、全ての実施形態の包括的なリストを含むものではない。上述された概要の様々な実施形態、並びに以下の詳細な説明で開示されるもの、及び本出願の特許請求の範囲で特に指摘されたものの、適切な組み合わせの全てから実施することができる、全てのシステム及び方法が含まれると考えられる。そのような組み合わせは、上述の概要で特に挙げられていない特定の利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態による、複数のアプリケータを備えるモノリシックソースアレイを有するモジュラー高周波放出源を備える処理ツールの概略図である。
【
図2】一実施形態による、モジュラー高周波放出モジュールのブロック図である。
【
図3A】一実施形態による、複数のアプリケータ及び誘電体プレートを備えるモノリシックソースアレイの斜視図である。
【
図3B】一実施形態による、形状が六角形である複数のアプリケータを有するモノリシックソースアレイの平面図である。
【
図4A】一実施形態による、モノリシックソースアレイ、及びアセンブリを形成するためにモノリシックソースアレイと相互作用するハウジングの斜視図である。
【
図4B】一実施形態による、モノリシックソースアレイとハウジングが共に嵌合された後のアセンブリの断面図である。
【
図4C】一実施形態による、第2の部分にボルト留めされた第1の部分を示すハウジングの一部分の断面図である。
【
図4D】一実施形態による、第2の部分に接合された第1の部分を示すハウジングの一部分の断面図である。
【
図4E】一実施形態による、界面層を用いて第2の部分に接着された第1の部分を示すハウジングの一部分の断面図である。
【
図4F】一実施形態による、アセンブリからの構成要素を備えるアプリケータの断面図である。
【
図5】一実施形態による、ハウジングの第2部分内にガス分配ネットワークを備えるアセンブリの断面図である。
【
図6】一実施形態による、ハウジングの第1の部分内に流体チャネルを備えるアセンブリの断面図である。
【
図7】一実施形態による、モノリシックソースアレイ及びハウジングを含むアセンブリを備える処理ツールの断面図である。
【
図8】一実施形態による、高周波プラズマツールと併せて使用され得る例示的なコンピュータシステムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で説明されるシステムは、高周波プラズマ源用のモノリシックソースアレイを含む。以下の説明では、実施形態の網羅的な理解を提供するために多数の具体的な詳細事項が明記される。実施形態は、これらの具体的な詳細がなくとも実践可能であることが、当業者には明らかになろう。他の事例では、実施形態が不必要に不明瞭にならないように、周知の態様については詳細に説明していない。更に、添付の図に示す様々な実施形態は、例示的な表現であり、必ずしも縮尺どおりには描かれていないことを理解されたい。
【0012】
上述されたように、離散したアプリケータを有する高周波数プラズマ源は、チャンバ内にプラズマの不均一性をもたらし、チャンバの中への高周波数電磁放射の非最適注入をもたらす可能性がある。プラズマの不均一性は、アセンブリの問題、製造公差、劣化などの種々の理由のために生じることがある。高周波電磁放射のチャンバの中への非最適注入は、アプリケータと誘電体プレートとの間のインターフェースから(部分的に)もたらされることがある。
【0013】
したがって、本明細書で開示される複数の実施形態は、モノリシックソースアレイを含む。一実施形態では、モノリシックソースアレイが、誘電体プレート、及び誘電体プレートの表面から上に延在する複数の突出部を含む。特に、突出部と誘電体プレートとは、モノリシックな部分を形成するすなわち、突出部と誘電体プレートとは、材料の単一ブロックから製造される。突出部は、アプリケータとして使用されるのに適した寸法を有する。例えば、モノポールアンテナを収容する、突出部の中への孔が製造されてよい。したがって、突出部は、誘電体キャビティ共振器として機能してよい。
【0014】
ソースアレイをモノリシックな部分として実装することは、幾つかの利点を有する。1つの利点は、部分間に高度の均一性をもたらすために、厳しい機械加工公差が維持されてよいことである。離散したアプリケータは組み立てを必要とするが、モノリシックソースアレイは、潜在的な組み立てのばらつきを回避する。更に、モノリシックソースアレイの使用は、高周波電磁放射のチャンバの中への改善された注入を提供する。というのも、アプリケータと誘電体プレートとの間に物理的インターフェースがもはや存在しないからである。
【0015】
モノリシックソースアレイはまた、チャンバ内の改善されたプラズマ均一性をもたらす。特に、プラズマに曝露される誘電体プレートの表面は、アプリケータを収容するためのいかなる間隙も含まない。更に、突出部と誘電体プレートとの間に物理的インターフェースがないことにより、誘電体プレートにおける横方向の電界広がりが改善される。
【0016】
幾つかの実施形態では、モノリシックソースアレイが、薄い誘電体プレートを備える。薄いプレートは、チャンバの中への高周波電磁放射の改善された注入を可能にするが、薄いプレートはまた、亀裂を受け易い。特に、モノリシックソースアレイの材料と、モノリシックソースアレイを取り囲む導電性ハウジングと、の間の熱膨張係数(CTE)の不整合に起因する応力は、モノリシックソースアレイにかなりの応力を誘起する可能性がある。例えば、モノリシックソースアレイは、酸化アルミニウム(約7から8ppmのCTEを有する)を含んでよく、導電性ハウジングは、アルミニウム(約22ppmのCTEを有する)を含んでよい。
【0017】
したがって、本明細書で開示される複数の実施形態は、第1の導電層及び第2の導電層を備える導電性ハウジングを含む。第1の導電層は、モノリシックソースアレイの誘電体プレートと相互作用してよく、第2の導電層は、第1の導電層の上にある。第1の導電層は、モノリシックソースアレイのCTEに、より緊密に一致するCTEを有してよい。例えば、第1の導電層は、チタン(約8ppmのCTEを有する)を含んでよい。したがって、第1の導電層は、第2の導電層とモノリシックソースアレイとの間にバッファを提供し、モノリシックソースアレイ内に誘起される熱応力を低減させる。
【0018】
次に、
図1を参照すると、一実施形態による、プラズマ処理ツール100の断面図が示されている。幾つかの実施形態では、処理ツール100が、プラズマを利用する任意の種類の処理工程に適した処理ツールであってよい。例えば、処理ツール100は、プラズマ化学気相堆積(PECVD)、プラズマ原子層堆積(PEALD)、エッチング及び選択的除去のプロセス、並びにプラズマ洗浄向けに使用される、処理ツールであってよい。更なる実施形態は、プラズマの生成(例えば、マイクロ波加熱など)なしで高周波電磁放射を利用する処理ツール100を含んでよい。本明細書で使用される場合、「高周波(high-frequency)」電磁放射は、無線周波数(radio frequency)放射、超高周波放射、極超高周波放射、及びマイクロ波放射を含む。「高周波」とは、0.1MHzと300GHzとの間の周波数を指してよい。
【0019】
概して、複数の実施形態は、チャンバ178を含む処理ツール100を含む。処理ツール100において、チャンバ178は減圧チャンバであってよい。減圧チャンバは、所望の減圧を提供するためにチャンバからガスを除去するためのポンプ(図示せず)を含んでよい。更なる複数の実施形態は、チャンバ178の中に処理ガスを提供するための1以上のガスライン170、及び、チャンバ178から副生成物を除去するための排気ライン172を含む、チャンバ178を含んでよい。図示されていないが、基板174の上に処理ガスを均一に分配するためのモノリシックソースアレイ150(例えば、シャワーヘッドとしての)を介してガスをチャンバ178の中に注入してよいことも理解されたい。
【0020】
一実施形態では、基板174が、チャック176上で支持されてよい。例えば、チャック176は、静電チャックなどの任意の適切なチャックであってよい。チャック176は、処理中に基板174に対して温度制御を提供するための冷却ライン及び/又はヒータも含んでよい。本明細書で説明される高周波放出モジュールのモジュラー構成により、複数の実施形態は、処理ツール100が任意のサイズの基板174を収容することを可能にする。例えば、基板174は、半導体ウエハ(例えば、200mm、300mm、450mm、又はそれより大きい)であってよい。代替的な複数の実施形態はまた、半導体ウエハ以外の基板174も含む。例えば、実施形態は、(例えば、ディスプレイ技術用の)ガラス基板を処理するために構成された処理ツール100を含んでよい。
【0021】
一実施形態によれば、処理ツール100は、モジュラー高周波放出源104を含む。モジュラー高周波放出源104は、高周波放出モジュール105のアレイを備えてよい。一実施形態では、各高周波放出モジュール105が、発振器モジュール106、増幅モジュール130、及びアプリケータ142を含んでよい。図示されているように、アプリケータ142は、モノリシックソースアレイ150に一体化されているものとして概略的に示されている。しかし、モノリシックソースアレイ150は、アプリケータ142(例えば、誘電共振体)と、チャンバ178の内部に面する誘電体プレートと、の1以上の部分を含む、モノリシック構造であってよいことを理解されたい。
【0022】
一実施形態では、発振器モジュール106及び増幅モジュール130が、固体状態電気部品である電気部品を備えてよい。一実施形態では、複数の発振器モジュール106の各々が、異なる増幅モジュール130と通信可能に結合されてよい。幾つか実施形態では、発振器モジュール106と増幅モジュール130との間には1:1の比率があってよい。例えば、各発振器モジュール106は、単一の増幅モジュール130と電気的に結合されてよい。一実施形態では、複数の発振器モジュール106が、インコヒーレントな電磁放射を生成してよい。したがって、チャンバ178内で誘起される電磁放射が、望ましくない干渉縞をもたらす様態で相互作用することはない。
【0023】
一実施形態では、各発振器モジュール106が、増幅モジュール130に伝送される高周波電磁放射を生成する。電磁放射は、増幅モジュール130によって処理された後で、アプリケータ142に伝送される。一実施形態では、アプリケータ142が、各々、チャンバ178の中に電磁放射を放出する。幾つかの実施形態では、アプリケータ142が、プラズマを生成するために、チャンバ178内で電磁放射を処理ガスに結合させる。
【0024】
次に、
図2を参照すると、一実施形態による、固体高周波放出モジュール105の概略図が示されている。一実施形態では、高周波放出モジュール105が、発振器モジュール106を備える。発振器モジュール106は、所望の周波数の高周波電磁放射を生成するために、電圧制御された発振器120に入力電圧を提供するための電圧制御回路210を含んでよい。複数の実施形態は、約1Vと10V DCとの間の入力電圧を含んでよい。電圧制御された発振器120は電子発振器であり、その発振周波数は入力電圧によって制御される。一実施形態によれば、電圧制御回路210からの入力電圧は、電圧制御された発振器120が、所望の周波数で発振することをもたらす。一実施形態では、高周波電磁放射が、約0.1MHzと30MHzとの間の周波数を有してよい。一実施形態では、高周波電磁放射が、約30MHzと300MHzとの間の周波数を有してよい。一実施形態では、高周波電磁放射が、約300MHzと1GHzとの間の周波数を有してよい。一実施形態では、高周波電磁放射が、約1GHzと300GHzとの間の周波数を有してよい。
【0025】
一実施形態によれば、電磁放射は、電圧制御された発振器120から増幅モジュール130に伝送される。増幅モジュール130は、ドライバ/前置増幅器234と主電力増幅器236とを含んでよく、それらの各々が、電源239に結合されている。一実施形態によれば、増幅モジュール130は、パルスモードで動作してよい。例えば、増幅モジュール130は、1%と99%との間のデューティサイクルを有してよい。より具体的な一実施形態では、増幅モジュール130が、約15%と50%との間のデューティサイクルを有してよい。
【0026】
一実施形態では、電磁放射が、増幅モジュール130によって処理された後で、サーマルブレイク249及びアプリケータ142に伝送されてよい。しかし、サーマルブレイク249に伝送される電力の部分は、出力インピーダンス内の不整合によって反射して戻るかもしれない。したがって、幾つかの実施形態は、順方向電力283及び反射電力282のレベルを感知し、制御回路モジュール221にフィードバックすることを可能にする、検出器モジュール281を含む。検出器モジュール281は、システム内の1以上の異なる箇所(例えば、サーキュレータ238とサーマルブレイク249との間)に位置付けられてよいことを理解されたい。一実施形態では、制御回路モジュール221が、順方向電力283及び反射電力282をインタープリット(interpret)し、発振器モジュール106と通信可能に結合されている制御信号285のレベル、及び、増幅モジュール130と通信可能に結合されている制御信号286のレベルを特定する。一実施形態では、制御信号285が、増幅モジュール130に結合される高周波放射を最適化するように、発振器モジュール106を調整する。一実施形態では、制御信号286が、増幅モジュール130を調整して、サーマルブレイク249を介してアプリケータ142に結合される出力電力を最適化する。一実施形態では、発振器モジュール106及び増幅モジュール130のフィードバック制御が、サーマルブレイク249内のインピーダンス整合の調整に加えて、反射電力のレベルが順方向電力の約5%未満になることを可能にしてよい。幾つかの実施形態では、発振器モジュール106及び増幅モジュール130のフィードバック制御が、反射電力のレベルが順方向電力の約2%未満になることを可能にする。
【0027】
したがって、複数の実施形態によって、処理チャンバ178の中に結合される順方向電力のパーセンテージの増大、及び、プラズマに結合される使用可能電力の増大が可能になる。更に、フィードバック制御を使用するインピーダンスチューニングは、典型的なスロットプレートアンテナにおけるインピーダンスチューニングよりも優れている。スロットプレートアンテナでは、インピーダンスチューニングは、アプリケータ内に形成された2つの誘電体スラグを移動させることを伴う。これは、アプリケータ内の2つの分離された構成要素の機械的運動を含む。それは、アプリケータの複雑さを高める。更に、この機械的運動は、電圧制御された発振器120によって提供されてよい周波数の変化ほどには精密ではないだろう。
【0028】
次に、
図3Aを参照すると、一実施形態によるモノリシックソースアレイ350の斜視図が示されている。一実施形態では、モノリシックソースアレイ350が、誘電体プレート360、及び誘電体プレート360から上に延在する複数の突出部366を含む。一実施形態では、誘電体プレート360と複数の突出部366とが、モノリシック構造である。すなわち、突出部366の下部と誘電体プレート360の第1の表面361との間に物理的インターフェースが存在しない。本明細書で使用されるときに、「物理的インターフェース」は、第2の離散した本体の第2の表面に接触する第1の離散した本体の第1の表面を指す。しかし、他の実施形態では、突出部366が、誘電体プレート360との物理的インターフェースを有する離散した共振器であってよい。
【0029】
突出部366の各々は、処理チャンバ178の中に高周波電磁放射を注入するために使用されるアプリケータ142の一部分である。特に、突出部366は、アプリケータ142の共振体として機能する。アプリケータ142の他の構成要素(例えば、モノポールアンテナ及び共振体を取り囲む接地されたハウジング)は、モノリシックソースアレイ350から離散した構成要素であってよく、これについては以下でより詳細に説明する。
【0030】
誘電体プレート360は、第1の表面361、及び第1の表面361とは反対側の第2の表面362を備える。誘電体プレートは、第1の面361と第2の面362との間に第1の厚さT1を有する。一実施形態では、第1の厚さT1が、約30mm未満、約20mm未満、約10mm未満、又は約5mm未満である。特定の一実施形態では、第1の厚さT1が約3mmである。第1の厚さT1を薄くすることによって、処理チャンバの中への高周波電磁放射の結合が改善される。厚さT1の低減は、誘電体プレート360の機械的完全性を減少させることを理解されたい。特に、誘電体プレート360は、システムからの熱応力の結果として、亀裂をより生じ易い。しかし、本明細書で開示される複数の実施形態は、誘電体プレート360のCTEに緊密に整合するCTEを有する第1の導電層を含む導電性ハウジング(以下でより詳細に説明される)を備える。そのようにして、熱応力が低減され、上述のような薄い誘電体プレート360の使用が可能になる。図示されている実施形態では、誘電体プレート360が、実質的に円形状で示されている。しかし、誘電体プレート360は、任意の所望の形状(例えば、多角形、楕円形、楔形など)を有してもよいことを理解されたい。
【0031】
複数の突出部366は、誘電体プレート360の第1の表面361から上に延在する。例えば、側壁364は、誘電体プレート360の第1の表面361と実質的に垂直に配向される。突出部366は、第3の表面363を更に含む。第3の表面363は、第1の表面361と実質的に平行であってよい。一実施形態では、孔365が、各突出部の第3の表面363の中に配置される。孔365は、アプリケータ142のモノポールアンテナを収容するようにサイズ決定される。一実施形態では、孔365が、突出部366の軸心に配置される。
【0032】
一実施形態では、突出部366が、第1の表面361と第3の表面363との間で第2の厚さT2を有してよい。一実施形態では、第2の厚さT2が、アプリケータ用の共振体を提供するように選択されてよい。例えば、突出部366の寸法は、とりわけ他の考慮事項の中で、少なくとも、モノリシックソースアレイの材料、誘電体プレート360の厚さ、及び所望の動作周波数に依存してよい。複数の実施形態は、概して、誘電体プレートの第1の厚さT1が増加するにつれて、突出部の第2の厚さT2を低減させることを含んでよい。
【0033】
一実施形態では、複数の突出部366が、アレイ状に配置される。図示されている一実施形態では、複数の突出部366が、最密アレイ状に配置されているが、他の充填配置も可能である。更に、19個の突出部366が図示されているが、複数の実施形態は、誘電体プレート360の第1の表面361から離れるように延在する1以上の突出部366を含んでよいことを理解されたい。図示されている一実施形態では、突出部366の各々が、同じ寸法(例えば、厚さT2及び幅W)を有する。他の複数の実施形態では、突出部366の寸法が、不均一であってもよい。
【0034】
一実施形態では、モノリシックソースアレイ350が、誘電材料を含む。例えば、モノリシックソースアレイ350は、セラミック材料であってもよい。一実施形態では、モノリシックソースアレイ350に使用されてよい1つの適切なセラミック材料が、Al2O3である。モノリシック構造は、材料の単一ブロックから製造されてよい。他の複数の実施形態では、モノリシックソースアレイ350の大まかな形状が、成形プロセスで形成されてよく、その後、所望の寸法で最終構造を提供するように機械加工されてよい。例えば、グリーン状態の機械加工及び焼成を使用して、モノリシックソースアレイ350の所望の形状を提供することができる。
【0035】
次に、
図3Bを参照すると、更なる一実施形態によるモノリシックソースアレイ350の平面図が示されている。モノリシックソースアレイ350は、第1の表面361に平行な平面に沿って見たときに突出部366が異なる断面を有することを除いて、
図3Aのモノリシックソースアレイ350と実質的に同様である。
図3Bでは、突出部366の輪郭が、
図3Aでは円形であるのとは対照的に、実質的に六角形状である。円形及び六角形の断面の実施例が示されているが、突出部366は、多くの異なる断面を含んでよいことを理解されたい。例えば、突出部366の断面は、中心対称である任意の形状を有してよい。
【0036】
次に、
図4Aを参照すると、一実施形態によるアセンブリ470の分解図が示されている。一実施形態では、アセンブリ470が、モノリシックソースアレイ450及びハウジング472を備える。モノリシックソースアレイ450は、上述されたモノリシックソースアレイ350と実質的に同様であってよい。例えば、モノリシックソースアレイ450は、誘電体プレート460、及び誘電体プレート460から上に延在する複数の突出部466を含んでよい。
【0037】
一実施形態では、ハウジング472が多層導電体を備える。例えば、ハウジング472は、第1の導電層473A、及び第1の導電層473Aの上の第2の導電層473Bを備えてよい。第1の導電層473Aは、第1の材料を含み、第2の導電層473Bは、第1の材料とは異なる第2の材料を含む。特に、第1の材料は、第2の材料の第2のCTEよりも小さい第1のCTEを有する。一実施形態では、第1のCTEが、モノリシックソースアレイ450の第3のCTEと緊密に整合されてよい。すなわち、第1のCTEと第3のCTEとの差は、第2のCTEと第3のCTEとの差よりも小さくてよい。例えば、第1の導電層473Aは、チタンを含んでよく、第2の導電層473Bは、アルミニウムを含んでよい。一実施形態では、第1の導電層473Aと第2の導電層473Bとが、個別に接地されてよい。他の複数の実施形態では、第1の導電層473Aと第2の導電層473Bとが、機械的に又は任意の形態の金属結合により接合されてよく、実質的に均一な接地電位に保持される単一の導電体473を形成してよい。
【0038】
一実施形態では、ハウジング472が、複数の開口部474を備える。開口部474は、第1の導電層473A及び第2の導電層473Bの厚さを完全に貫通してよい。開口部474は、突出部466を受容するようにサイズ決定されてよい。例えば、ハウジング472が、(矢印で示すように)モノリシックソースアレイ450に向かって変位すると、突出部466が開口部474の中に挿入されることになる。
【0039】
次に、
図4Bを参照すると、一実施形態によるアセンブリ470の断面図が示されている。図示されているように、ハウジング472の第1の導電層473
Aは、誘電体プレート460の第1の表面461によって支持される。図示されている一実施形態では、第1の導電層473
Aが、第1の表面461によって直接的に支持されているが、熱界面材料などが、第1の導電層473
Aを第1の表面461から分離してもよいことを理解されたい。一実施形態では、誘電体プレート460の第2の表面462が、ハウジング472から離れる方向に面している。
【0040】
一実施形態では、ハウジング472が、第3の厚さT3を有する。ハウジング472の第3の厚さT3は、突出部466の第2の厚さT2と同様であってよい。他の複数の実施形態では、ハウジング472の第3の厚さT3が、突出部466の第2の厚さT2よりも大きくても小さくてもよい。図示されている一実施形態では、第1の導電層473Aの厚さが、第2の導電層473Bの厚さよりも小さい。幾つかの実施形態では、第1の導電層473Aが、第2の導電層473Bの厚さの約半分以下、4分の1以下、又は8分の1以下の厚さを有してよい。しかし、他の複数の実施形態では、第1の導電層473Aの厚さが、第2の導電層473Bの厚さ以上であってよいことを理解されたい。
【0041】
図示されている一実施形態では、開口部474が、突出部466の幅Wよりも大きい開口部直径Oを有する。寸法の差により、突出部466の側壁と導電体473の側壁との間に間隙475が生じる。間隙475は、モノリシックソースアレイ450とハウジング472との間の確実な適合を依然として維持しながら、ある程度の熱膨張を可能にするのに適していてよい。幾つかの実施形態では、ハウジング472が、モノリシックソースアレイ450と機械的に結合される。
【0042】
以下でより詳細に図示されるように、アセンブリ470の異なる表面は、異なる環境に曝露される。例えば、第2の表面462は、チャンバ空間に曝露されるように構成される。アセンブリ470の反対側は、動作中のチャンバ空間よりも高い圧力(例えば、約1.0気圧以上)を有する大気又は他の環境に曝露されるように構成される。したがって、導電体473と突出部466との間の小さな間隙475は、プラズマの点火に適した低圧環境を経験しないことになる。
【0043】
次に、
図4C~
図4Eを参照すると、様々な実施形態による、ハウジング472の第1の導電層473
Aと第2の導電層473
Bとの間の異なるインターフェースを描く一連の断面図が示されている。
【0044】
次に、
図4Cを参照すると、一実施形態による、締結具492によって第2の導電層473
Bに機械的に結合された第1の導電層473
Aの断面図が示されている。一実施形態では、締結具492がボルトなどである。ボルトは、第1の導電層473
A内の凹部491の中に挿入されてよく、第2の導電層473
Bを貫通してよい。
【0045】
次に、
図4Dを参照すると、一実施形態による、界面(インターフェース)における機械的接合によって第2の導電層473
Bに機械的に結合された第1の導電層473
Aの断面図が示されている。例えば、拡散接合プロセスなどを使用して、機械的接合が形成されてよい。そのような複数の実施形態では、外的締結具492を必要としなくてよい。
【0046】
次に、
図4Eを参照すると、一実施形態による、界面層493によって第2の導電層473
Bに機械的に結合された第1の導電層473
Aの断面図が示されている。一実施形態では、界面層493が接着剤であってもよい。接着剤は導電性接着剤であってもよい。他の複数の実施形態では、界面層493が絶縁性接着剤であってもよく、第1の導電層473
Aと第2の導電層473
Bとは、別個に接地されてよい。幾つかの実施形態では、界面層493が、電気ガスケットとして機能して、第1の導電層473
Aと第2の導電層473
Bとの間の電気的結合を改善する。
【0047】
次に、
図4Fを参照すると、一実施形態による、アセンブリ470と一体化されたアプリケータ442の断面図が示されている。一実施形態では、アプリケータ442が、突出部466、突出部466を取り囲むハウジング472、及び孔465の中に延在するモノポールアンテナ468を備える。一実施形態では、導電性プレート476が、突出部466の上面をカバーしてもよい。したがって、アセンブリ470の部分は、アプリケータ442の構成要素として使用されてよい。例えば、突出部466は、モノリシックソースアレイ450の部分であり、アプリケータ442の誘電体キャビティ共振器として機能し、第1の導電層473
A及び第2の導電層473
Bは、ハウジング472の部分であり、アプリケータ442用の誘電体キャビティ共振器を取り囲む接地面として機能する。
【0048】
モノポールアンテナ468は、アセンブリ470の上方でシールディング469によって取り囲まれてよく、モノポールアンテナ468は、高周波電源(例えば、高周波放出モジュール105など)と電気的に結合されてよい。モノポールアンテナ468は、導電性プレート476を貫通し、孔465の中に延在する。幾つかの実施形態では、孔465は、モノポールアンテナ468よりも突出部466の中により深く延在する。更に、孔465の幅は、モノポールアンテナ468の幅よりも大きくてよい。したがって、幾つかの実施形態では、モノリシックソースアレイ450の損傷を防止するために、熱膨張に対する公差が提供される。また、
図4Fには、導電体473の下面と誘電体プレート460の第1の表面461との間に熱界面材料477が示されている。熱界面材料477は、能動的加熱又は冷却がアセンブリ470内に実装されるときに、導電体473と誘電体プレート460との間の熱伝達を改善してよい。
【0049】
幾つかの実施形態では、ハウジング472が、能動的加熱及び/又は冷却用のガス分配ネットワーク及び/又は流体チャネルを更に備えてもよい。多層ハウジング472と一体化されたそのような構造を描く複数の実施形態が、
図5及び
図6で示されている。
【0050】
次に、
図5を参照すると、一実施形態による、アセンブリ570の一部分の断面図が示されている。アセンブリ570は、モノリシックソースアレイ550、ハウジング572、及び蓋プレート576を備える。
【0051】
一実施形態では、第1の導電層573Aの表面533が、誘電体プレート560の第1の表面561によって支持される。一実施形態では、誘電体プレート560の第2の表面562が、ハウジング572から離れる方向に面している。モノリシックソースアレイ550の突出部566は、ハウジング572の開口部の中に適合する。一実施形態では、蓋プレート576が、ハウジング572及び突出部566をカバーする。例えば、蓋プレート576の第2の表面511は、ハウジング572の表面534をカバーする。モノポールアンテナ568は、蓋プレート576を貫通して、突出部566の軸心において孔565の中に延在してよい。孔565の幅は、モノポールアンテナ568の幅よりも大きくてよい。モノポールアンテナ568は、電源(例えば、高周波放出モジュール105)と電気的に結合される。
【0052】
一実施形態では、ガス分配ネットワークが、アセンブリ570の構成要素を貫通する。ガスが、最初に、ガスライン518によってアセンブリ570の中に供給される。ガスライン518は、カプラ519によって蓋プレート576の第1の表面512に結合される。Oリング(図示せず)が、カプラ519と第1の表面512との間に配置されてよい。次いで、処理ガスは、蓋プレート576を貫通する孔514を通って移動する。ガス分配は、ハウジング572の第2の導電層573B及び第1の導電層573Aを貫通する孔535によって継続する。一実施形態では、Oリングなど(図示せず)が、孔514と孔535との間の界面を取り囲み、密封を提供してよい。
【0053】
図示されているように、孔535は、第1の導電層573A内でチャネル530と交差する。チャネル530は、処理ガスを横方向に分配する。チャネル530は、カバー531によって密封され、ガスは、カバー531の複数群の孔537を通過することによって、ハウジング572の外に分配される。一実施形態では、次いで、ガスが、誘電体プレート560を貫通する孔563を通って流れる。孔563は、複数群532において孔537と整列されてよい。一実施形態では、誘電体プレート560を貫通する孔563が、カバー531を貫通する孔537の直径よりも大きい直径を有する。一実施形態では、Oリングなど(図示せず)が、カバー531内の孔537と誘電体プレート560を貫通する孔563との間の界面を取り囲む。図示されている一実施形態では、チャネル530が、完全に第1の導電層573A内にあるものとして示されている。しかし、チャネル530の幾つかの一部又は全部が、他の複数の実施形態では、第2の導電層573B内に配置されてよいことを理解されたい。
【0054】
次に、
図6を参照すると、一実施形態によるアセンブリ670の断面図が示されている。図示されている一実施形態は、モノリシックソースアレイ650、ハウジング672、及び蓋プレート676を描いている。一実施形態では、ハウジング672が、誘電体プレート660によって支持され、突出部666の周囲を覆っている。ハウジング672は、第1の導電層673
A及び第2の導電層673
Bを含んでよい。ハウジング672の第2の導電層673
Bは、カバー631によって密封されたチャネル630を備える。蓋プレート676は、ハウジング672及び突出部666の上に載置されている。一実施形態では、モノポールアンテナ668が、蓋プレート676を貫通し、蓋プレート676の下方の突出部666内の孔665の中に適合してよい。
【0055】
一実施形態では、ステム637が、蓋プレート676の導電性ボディ679を貫通している。ステム637は、熱流体源(図示せず)と流体結合されてよい。第2のステム637(
図6の平面から外れて)が、チャネル630を通って流れる熱流体の出口であってよい。一実施形態では、蓋プレート676が、1以上の加熱要素619を備えてよい。例えば、外側加熱要素619
A及び内側加熱要素619
Bが、導電性ボディ679内のトレンチの中に図示されている。加熱要素619は、カバー617
A、617
Bによってカバーされてよい。図示されている一実施形態では、チャネル630が、完全に第2の導電層673
B内にあるものとして示されている。しかし、チャネル630の一部又は全部が、他の複数の実施形態では、第1の導電層673
A内に配置されてもよいことを理解されたい。
【0056】
次に、
図7を参照すると、一実施形態によるアセンブリ770を含む処理ツール700の断面図が示されている。一実施形態では、処理ツールが、アセンブリ770によって密封されたチャンバ778を備える。例えば、アセンブリ770は、チャンバ778の内部空間783に対する減圧密封を提供するために、1以上のOリング781に対して載置されてよい。他の複数の実施形態では、アセンブリ770が、チャンバ778と接触してよい。すなわち、アセンブリ770は、チャンバ778を密封する蓋の部分であってよい。一実施形態では、処理ツール700が、複数の処理空間(共に流体結合されてよい)を含んでもよく、各処理空間は、異なるアセンブリ770を有する。一実施形態では、チャック779などが、ワークピース774(例えば、ウエハ、基板など)を支持してよい。
【0057】
一実施形態では、アセンブリ770が、上述されたアセンブリ470と実質的に同様であってよい。例えば、アセンブリ770は、モノリシックソースアレイ750及びハウジング772を備える。モノリシックソースアレイ750は、誘電体プレート760、及び誘電体プレート760の第1の表面761から上に延在する複数の突出部766を備えてよい。誘電プレート760の第2の表面762は、チャンバ778の内部空間783に曝露されてよい。ハウジング772は、突出部766を受けれるようにサイズ決定された開口部を有してよい。幾つかの実施形態では、熱膨張を可能にするために、突出部766とハウジング772の導電体773との間に間隙775が設けられてよい。一実施形態では、ハウジング772が、第1の導電層773A及び第2の導電層773Bを備えてよい。一実施形態では、モノポールアンテナ768が、突出部766内の孔765の中に延在してよい。モノポールアンテナ768は、ハウジング772及び突出部766の上の上部プレート776を貫通してよい。
【0058】
一実施形態では、チャンバ空間783が、プラズマ782を生成するのに適していてよい。すなわち、チャンバ空間783は、減圧チャンバであってよい。一実施形態では、第2の表面762のみが、チャンバ空間783に曝露される。しかし、幾つかの実施形態は、処理環境から第2の表面762を保護するために、第2の表面762を覆う保護層(図示せず)を含んでよい。モノリシックソースアレイ750の他の表面は、チャンバ空間783の外側にあり、したがって、プラズマ782を生成するために必要とされる低圧状態を経験しない。したがって、突出部766の側壁と導電体773との間の間隙775内に高電場が存在するとしても、プラズマは生成されない。
【0059】
次に、
図8を参照すると、一実施形態による処理ツールの例示的なコンピュータシステム860のブロック図が示されている。一実施形態では、コンピュータシステム860が、処理ツールに結合され、処理ツール内の処理を制御する。コンピュータシステム860は、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネットにおいて、他のマシンに接続され(例えばネットワーク化され)てよい。コンピュータシステム860は、クライアント‐サーバネットワーク環境内でサーバ又はクライアントマシンの役割で、或いは、ピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境内でピアマシンとして動作してよい。コンピュータシステム860は、パーソナルコンピュータ(PC:personal computer)、タブレットPC、セットトップボックス(STB:set-top box)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA:Personal Digital Assistant)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ、又は、そのマシンによって行われる動作を特定する(連続した又は別様な)指示命令のセットを実行可能な任意のマシンであってよい。更に、コンピュータシステム860として単一のマシンのみを示しているが、用語「マシン」は、本明細書に記載の方法のうちの任意の1以上を実施するために、指示命令のセット(又は複数のセット)を個々に、又は連携的に実行するマシン(例えば、コンピュータ)の任意の集合体を含むとも解釈すべきである。
【0060】
コンピュータシステム860は、指示命令が記憶された非一過性のマシン可読媒体を有するコンピュータプログラム製品、又はソフトウェア822を含んでいてよく、これらの指示命令は、実施形態による処理を実施するコンピュータシステム860(又は他の電子デバイス)をプログラムするために使用されてよい。マシン読取可能な媒体は、マシン(例えばコンピュータ)によって読み出し可能な形態により情報を格納又は伝送するための任意の機構を含む。例えば、マシン可読(例えば、コンピュータ可読)媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)可読記憶媒体(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイスなど)、マシン(例えば、コンピュータ)可読伝送媒体(電気的形態、光学的形態、音響的形態、又はその他の伝播される信号の形態(例えば、赤外線信号、デジタル信号など))などを含む。
【0061】
一実施形態において、コンピュータシステム860は、バス830を介して互いに通信し合う、システムプロセッサ802、メインメモリ804(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、シンクロナスDRAM(SDRAM:synchronous DRAM)又はランバスDRAM(RDRAM:Rambus DRAM)などのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:dynamic random access memory))、スタティックメモリ806(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:static random access memory)など)、及び二次メモリ818(例えば、データストレージデバイス)を含む。
【0062】
システムプロセッサ802は、マイクロシステムプロセッサ、中央処理ユニットなどの1以上の汎用処理デバイスを表す。より詳細には、システムプロセッサは、複合指示命令セット演算(CISC:complex instruction set computing)マイクロシステムプロセッサ、縮小命令セット演算(RISC:reduced instruction set computing)マイクロシステムプロセッサ、超長命令語(VLIW:very long instruction word)マイクロシステムプロセッサ、他の指示命令セットを実行するシステムプロセッサ、又は、指示命令セットの組み合わせを実行するシステムプロセッサであり得る。システムプロセッサ802は、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、デジタル信号システムプロセッサ(DSP:digital signal system processor)、ネットワークシステムプロセッサといった、1以上の特殊用途処理デバイスであってもよい。システムプロセッサ802は、本明細書に記載の動作を実行するための処理論理826を実施するように構成されている。
【0063】
コンピュータシステム860は、他のデバイス又はマシンと通信するためのシステムネットワークインターフェースデバイス808を更に含んでよい。コンピュータシステム860は、ビデオディスプレイユニット810(例えば、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)、発光ダイオードディスプレイ(LED:light emitting diode)、又は陰極線管(CRT:cathode ray tube))、英数字入力デバイス812(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス814(マウスなど)、及び信号生成デバイス816(例えば、スピーカ)も含み得る。
【0064】
二次メモリ818は、本明細書に記載の方法又は機能のうちの任意の1以上のものを具現化する、1以上の指示命令セット(例えば、ソフトウェア822)が記憶されている、マシンアクセス可能記憶媒体832(又は、より具体的には、コンピュータ可読記憶媒体)を含んでよい。このソフトウェア822は、コンピュータシステム860によって実行されている間、完全に又は少なくとも部分的に、メインメモリ804及び/又はシステムプロセッサ802の中にも常駐していてよく、メインメモリ804及びシステムプロセッサ802はまた、マシン可読記憶媒体も構成してもよい。このソフトウェア822は更に、システムネットワークインターフェースデバイス808を介してネットワーク820を経由して送信又は受信されてよい。一実施形態では、ネットワークインターフェースデバイス808が、RF結合、光結合、音響結合、又は誘導結合を使用して動作してよい。
【0065】
マシンアクセス可能記憶媒体832は、例示的な一実施形態では単一媒体として示されているが、「マシン可読記憶媒体」という用語は、1以上の組の指示命令を保存する、単一の又は複数の媒体(例えば、集中データベース若しくは分散データベース、及び/又はそれに関連付けられたキャッシュ及びサーバ)を含むものであると解釈すべきである。用語「マシン可読記憶媒体」はまた、マシンによって実施される指示命令のセットを記憶すること又は符号化することが可能であり、且つ、方法のうちの任意の1以上をマシンに実施させる任意の媒体を含むとも解釈すべきである。従って、「マシン可読記憶媒体」という用語は、固体メモリ、光媒体、及び磁気媒体を含むが、それらに限定されないと解釈すべきである。
【0066】
前述の明細書では、特定の例示的な実施形態が説明された。以下の特許請求の範囲から逸脱しない限り、例示の実施形態に様々な修正を加えることができることが明らかになろう。従って、本明細書及び図面を限定的と捉えるのではなく、例として見なすべきである。