(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-06
(45)【発行日】2024-06-14
(54)【発明の名称】連続した堆積-エッチング-処理方法を使用した酸化ケイ素及び窒化ケイ素のボトムアップ成長
(51)【国際特許分類】
H01L 21/316 20060101AFI20240607BHJP
H01L 21/318 20060101ALI20240607BHJP
【FI】
H01L21/316 B
H01L21/318 B
H01L21/318 C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022209739
(22)【出願日】2022-12-27
(62)【分割の表示】P 2018105767の分割
【原出願日】2018-06-01
【審査請求日】2023-01-25
(32)【優先日】2017-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ルイ
(72)【発明者】
【氏名】マリック, アブヒジット バス
(72)【発明者】
【氏名】マンナ, プラミット
【審査官】原島 啓一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-011136(JP,A)
【文献】特開2015-179729(JP,A)
【文献】特表2008-547224(JP,A)
【文献】特開平11-219950(JP,A)
【文献】特許第5599350(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2016/0293441(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/316
H01L 21/318
H01L 21/205
H01L 21/302
H01L 21/3065
H01L 21/31
H01L 21/312-21/314
H01L 21/32
H01L 21/365
H01L 21/461
H01L 21/469-21/475
H01L 21/70
H01L 21/74-21/764
H01L 21/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の特徴内に第1の膜を堆積させることであって、前記第1の膜は、前記特徴の底部と、前記特徴の側壁の、基板表面に隣接する上部のみと、に形成され、前記特徴は前記基板表面からある距離だけ延びており、前記特徴は、前記特徴の側壁が2つの離隔した酸化物層であり且つ前記特徴の底部が当該離隔した酸化物層とは異なる材料であるように、前記2つの離隔した酸化物層の間に形成されている、基板の特徴内に第1の膜を堆積させること、
前記特徴の前記側壁から前記第1の膜をエッチングすること、及び
前記特徴の前記底部の前記第1の膜を処理して、前記特徴内に第2の膜を形成すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記離隔した酸化物層がV-NAND装置
構造の一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の膜がケイ素を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の膜が、酸化ケイ素、窒化ケイ素又はオキシ窒化ケイ素のうちの一又は複数を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の膜を堆積させることが、ケイ素前駆体及び反応物に前記基板表面を曝露させることを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ケイ素前駆体が、シラン、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、高次シラン又はジクロロシランのうちの一又は複数を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記反応物が水素又は窒素のうちの一又は複数を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記反応物がプラズマを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の膜が、約100mTorrから約300Torrの範囲の圧力で堆積される、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記側壁から前記第1の膜をエッチングすることが、前記基板をH
2、HCl又はCl
2のうちの一又は複数に曝露させることを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の膜をエッチングすることがプラズマを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記プラズマがH
2、HCl、Cl
2又はNF
3のうちの一又は複数を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の膜が、エッチングの前に約0.1Åから約100Åの範囲の厚さに堆積される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記特徴の前記側壁から前記第1の膜をエッチングした後に、前記特徴の前記底部における前記第1の膜の約10%以上が残存する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の膜を処理することが、前記第1の膜
をO
2、N
2O、O
3又はH
2Oのうちの一又は複数に曝露させて、酸化ケイ素を含む第2の膜を形成することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の膜を処理することが、前記第1の膜をプラズマに曝露させることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の膜を処理することが、前記第1の膜
をNH
3
又はN
2のうちの一又は複数に曝露させて、窒化ケイ素を含む第2の膜を形成することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項18】
前記堆積、エッチング又は処理のうちの一又は複数の間のプロセス温度が、約150℃から約450℃の範囲内である、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記堆積、エッチング及び処理を繰り返して、前記第2の膜で前記特徴を充填することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
約500℃から約900℃の範囲の温度でのアニーリングを含む後処理によって、前記第2の膜を改変させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、間隙充填のための方法に関する。特に、本開示は、連続した堆積-エッチング-処理方法を使用して間隙を充填する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
間隙充填方法は、半導体製造の非常に重要な段階である。間隙充填方法は、高アスペクト比の間隙(又は特徴)を絶縁材料又は導電材料で充填するために使用される。例えば、シャロートレンチアイソレーション、金属間誘電体層、保護層、ダミーゲート等が含まれる。装置の幾何学的形状が縮小し(例えば、<20nmの臨界寸法)、熱収支が減少すると、高アスペクト比の空間のボイドフリー充填(例えばAR>10:1)は、従来の堆積プロセスの制限のために次第に困難になる。
【0003】
大部分の堆積方法は、構造の底部領域よりも上部領域に多くの材料を堆積させる。このプロセスはしばしばキノコ形状の膜プロファイルを形成する。その結果、高アスペクト比の構造の上部は、構造の下部に早期に残る継ぎ目/ボイドをピンチオフすることがある。この問題は、小さな特徴でより一般的である。
【0004】
間隙充填のための一つの手法は、高密度プラズマ化学蒸着(HDP CVD)である。HDP CVDは、高アスペクト比の間隙充填に使用される指向性(ボトムアップ)CVD法である。該方法は、高アスペクト比構造の底部で、側壁よりも多くの材料を堆積させる。荷電した誘電体前駆体種を下方に向かって、間隙の底部に向けることによって、これは達成される。堆積プロセスの指向性アスペクトは、ボトムフィルを跳ね飛ばす高い運動量を帯びた種を生成する。スパッタリングされた材料は、側壁上に再堆積する傾向がある。オーバーハング形成による制限は、充填される間隙の幅が減少し、アスペクト比が増加するにつれてますます厳しくなる。
【0005】
高ARの特徴を間隙充填する別の手法は、流動性CVD法の使用による。流動性CVD法は、通常、複雑な堆積-硬化-処理プロセスを要する。したがって、高アスペクト比の構造に膜を堆積させることができる間隙充填の必要性が当該技術分野において存在する。
【発明の概要】
【0006】
本開示の一又は複数の実施形態は、複数の特徴が形成される基板表面を有する基板を提供することを含む、処理方法を対象とする。各特徴は、基板表面からある距離だけ延び、底部及び少なくとも一の側壁を有する。第1の膜は、基板表面に近い特徴の底部及び特徴の側壁に生じるように、少なくとも一の特徴に堆積する。第1の膜は、特徴の側壁からエッチングされる。特徴の底部の第1の膜は処理されて、特徴に第2の膜を形成する。
【0007】
本開示の追加の実施形態は、間隙充填方法を対象とする。基板内に形成される複数の特徴を有する基板表面を有する基板が提供される。各特徴は、基板表面からの距離を延ばし、底部及び少なくとも一の側壁を有する。ケイ素を含む第1の膜は、基板表面に近い特徴の底部及び特徴の側壁に生じるように、少なくとも一の特徴に堆積する。第1の膜は、特徴の側壁からエッチングされる。特徴の底部の第1の膜は処理されて、特徴に第2の膜を形成する。第2の膜は、酸化ケイ素、窒化ケイ素又はオキシ窒化ケイ素のうちの一又は複数を含む。
【0008】
本開示のさらなる実施形態は、複数の特徴が形成される基板表面を有する基板を提供することを含む、間隙充填方法を対象とする。各特徴は、基板表面からある距離だけ延び、底部及び少なくとも一の側壁を有する。基板はケイ素前駆体及び反応物に曝露されて、ケイ素を含む第1の膜を、基板表面に近い特徴の底部及び特徴の側壁に生じるように、少なくとも一の特徴に堆積させる。ケイ素前駆体は、シラン、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、高次シラン又はジクロロシランのうちの一又は複数を含む。反応物は、水素又は窒素のうちの一又は複数を含むプラズマを含む。第1の膜は、約1Åから約50Åの範囲の深さに形成される。基板はH2、Hcl又はCl2のうちの一又は複数を含むプラズマを含むエッチャントに曝露されて、特徴の側壁から第1の膜をエッチングする。特徴の底部の第1の膜は処理されて、特徴に酸化ケイ素、窒化ケイ素又はオキシ窒化ケイ素のうちの一又は複数を含む第2の膜を形成する。膜の処理は、基板をAr、He、H2、O2、N2O、O3、H2O、NH3又はN2のうちの一又は複数を含むプラズマに曝露することを含む。堆積、エッチング及び処理プロセスは、特徴を充填するために繰り返される。
【0009】
本発明の上述の特徴を詳しく理解しうるように、上記で簡単に要約されている本発明のより詳細な説明が、実施形態を参照することによって得られ、一部の実施形態は付随する図面に示されている。しかし、本発明は他の等しく有効な実施形態も許容し得るように、添付の図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、本発明の範囲を限定すると見なされるべきではないことに、留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一又は複数の実施形態によるプロセスフローを説明する。
【
図2A】
図1のプロセスフロー中の基板の略図を説明する。
【
図2B-E】
図1のプロセスフロー中の基板の略図を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の幾つかの代表的な実施形態を記述する前に、本発明は、以下の記述において明らかにされる構成又はプロセスステップの細部に限定されない、ということが理解されるべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。
【0012】
本書において「基板(substrate)」とは、製造プロセスにおいて表面上に膜処理が実施される、任意の基板、又は基板上に形成された任意の材料面を表す。例えば、処理が実施され得る基板表面には、用途に応じて、ケイ素、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたケイ素、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアなどの材料、並びに金属、金属窒化物、金属合金、及びその他の導電材料などの任意の他の材料が含まれる。基板は半導体ウエハを含むが、それに限定されるわけではない。基板表面を研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、UV硬化、e-ビーム硬化且つ/又はベークするために基板を前処理プロセスに曝してもよい。基板自体の表面上に直接膜処理を行うことに加えて、本発明では、開示されている膜処理ステップのうちの任意のものが、より詳細に後述するように、基板上に形成された下部層に実施されることもある。「基板面(substrate surface)」という語は、文脈によって示されるように、かかる下部層を含むことを意図している。ゆえに、例えば、膜/層又は部分的な膜/層が基板面上に堆積された場合、新しく堆積された膜/層の露出面が基板面となる。
【0013】
本開示の実施形態は、有利には、膜(例えばケイ素)を堆積させて、高アスペクト比の特徴を満たす方法を提供する。いくつかの実施形態は、有利には、クラスタツール環境で実施されうる環状堆積-エッチング-処理プロセスを含む方法を提供する。いくつかの実施形態は、有利には、プラズマ化学気相堆積(PECVD)法を使用して、酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(SiN)及び/又はオキシ窒化ケイ素(SiON)間隙充填膜を堆積させる。当業者は、酸化ケイ素の式SiOは特定の化学量論的量のケイ素及び酸素原子を意味しないことを認識するであろう。むしろ、SiO、SiN、SiON及びその他の化学式は、単に対象の膜中に見られる要素の識別情報を示す。要素の特定の組成は様々でありうる。
【0014】
図1は、膜を堆積させるための方法100の広範図を説明する。
図2Aから2Eは、膜堆積のための基板の概略図を使用して
図1のプロセスを説明する。
【0015】
ステージ110では、基板10は処理のために提供される。この点について使用される場合、「提供される」という用語は、基板10が一又は複数の膜を基板10上に堆積させる位置又は環境に配置されることを意味する。基板10は、その中に形成された複数の特徴14を有する基板表面12を有する。各特徴14は、基板表面12から距離Dだけ延びている。各特徴は、底部16及び少なくとも1つの側壁18とを有する。特徴が円筒形状を有する場合、1つの側壁18が存在するが、
図2Aに示されるような断面で見て、2つの側壁を有するように見える。側壁18の数は、本開示の範囲を限定するものではなく、任意の数の側壁を有する任意の形状の特徴が使用されうる。
【0016】
特徴14が表面12から延びる距離Dは、任意の適切な距離でありうる。特徴14の幅に対する距離Dの比はアスペクト比と称される。一部の実施形態では、特徴14は、約10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、35:1、40:1、45:1又は50:1以上の高アスペクト比を有する。一部の実施形態では、特徴は、約9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1又は2:1の低アスペクト比を有する。
【0017】
一部の実施形態の基板10は、V-NAND装置の一部である。説明される特徴14は、底部16及び側壁18が同じ材料で作られるように、単一材料の凹部として示されている。いくつかの実施形態では、特徴は、第1の材料が凹部形状を形成するための第2の材料よりも短いように、異なる材料の層を交互にすることによって形成される。このタイプのシステムでは、特徴の底部は第1の材料によって形成され、特徴の側壁はより高い第2の材料によって形成される。例えば、酸化ケイ素と窒化ケイ素の膜の交互層でできているV-NAND構造が含まれる。言い換えると、いくつかの実施形態では、特徴は、2つの離間した層(例えば、酸化物層)の間に形成され、特徴の底部は、離間した層とは異なる材料である。
【0018】
いくつかの実施形態では、バリア層(非表示)が表面上に形成される。バリア層は、窒化チタンに限定されるが、これを含む任意の適切な材料でありうる。バリア層の厚さは、任意の適切な厚さでありうる。ある実施形態では、バリア層の厚さは、約10Åから約50Åの範囲であるか、又は約20Åから約45Åの範囲であるか、又は約30Åから約40Åの範囲である。
【0019】
間隙充填法100は、堆積プロセス120に移行して、特徴14の充填を開始する。
図2Bを参照して、第1の膜20は、基板表面12に近い底部16及び側壁18に生じるように、少なくとも一の特徴14に堆積する。このように使用される場合、「基板表面の近く」という用語は、第1の膜20が、特徴14の基板表面12上及び側壁18の上部に生じうることを意味する。特徴の側壁18上に第1の膜20が生じる深さは、任意の適切な深さであることができ、プロセス条件及び膜組成に伴って変化してもよい。一般的には、第1の膜20は、
図2Bで説明されるように基板表面12に隣接する特徴の頂部近くでキノコ形状を形成する。
【0020】
第1の膜20は任意の適切な材料でありうる。ある実施形態では、第1の膜20はケイ素を含む。ある実施形態では、第1の膜20は本質的にケイ素からなる。このように使用される場合、「本質的にケイ素からなる」という用語は、膜組成が、原子ベースで、約95%、98%又は99%以上のケイ素であることを意味する。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1の膜20を基板10上に堆積させることは、基板10をケイ素前駆体又は反応物に曝露させることを含む。いくつかの実施形態では、ケイ素前駆体は、式を有する少なくとも一の種を含む。いくつかの実施形態では、ケイ素前駆体は、シラン、ジシラン、トリシラン、テトラシラン、高次シラン又はジクロロシランのうちの一又は複数を含む。高次シランは、nが5以上である経験式SinH2n+2を有するシラン化合物として規定される。一部の実施形態では、ケイ素前駆体は、実質的にSiH4からなる。一部の実施形態では、ケイ素前駆体は、実質的にSi2H6からなる。一部の実施形態では、ケイ素前駆体は、実質的にジクロロシラン、SiH2Cl2からなる。このように使用される場合、「本質的にケイ素からなる」という用語は、ケイ素前駆体が、モルベースで、約95%、98%又は99%以上の記載された種であることを意味する。
【0022】
いくつかの実施形態では、ケイ素前駆体は、ハロゲン原子がF、Cl、Br及びIのうちの一又は複数を含むハロゲン化ケイ素を含む。いくつかの実施形態では、ハロゲン化ケイ素は、実質的にフッ素原子を含まない。このように使用される場合、「実質的にフッ素原子を含まない」という用語は、ハロゲン種の組成が、原子ベースで、約95%、98%又は99%以下のフッ素であることを意味する。ケイ素前駆体は、不活性、希釈又はキャリアガスと共に流すことができる。いくつかの実施形態では、ケイ素前駆体は、アルゴン又はヘリウムのうちの一又は複数と共に流される。
【0023】
いくつかの実施形態では、反応物は、Ar、He、H2又はN2のうちの一又は複数を含む。反応物及びケイ素前駆体は、化学気相堆積(CVD)法において、処理チャンバ中に共に流されうる。いくつかの実施形態では、反応物及びケイ素前駆体は、原子層堆積(ALD)法において、ガス相中で混合することなく、基板表面に連続して曝露される。
【0024】
いくつかの実施形態では、堆積反応物は、プラズマCVD法でケイ素前駆体と同時に、又はプラズマALD法でケイ素前駆体と連続して基板に曝露される堆積プラズマを含む。
【0025】
一部の実施形態では、堆積プラズマは、Ar、He、H2又はN2のうちの一又は複数を含む。一部の実施形態では、堆積プラズマは、本質的にArからなる。一部の実施形態では、堆積プラズマは、本質的にHeからなる。一部の実施形態では、堆積プラズマは、本質的にH2からなる。一部の実施形態では、堆積プラズマは、本質的にN2からなる。このように使用される場合、「本質的に~からなる」という用語は、堆積プラズマが、原子ベースで、約95%、98%又は99%以上の記載された種であることを意味する。
【0026】
堆積プラズマは、導電結合されたプラズマ(CCP)若しくは誘導結合されたプラズマ(ICP)でありうるか、又は直流プラズマ若しくは遠隔プラズマでありうる。いくつかの実施形態では、堆積プラズマは約0Wから約2000Wの範囲の出力を有する。いくつかの実施形態では、最小プラズマ電力は、0W超、10W、50W又は100Wである。
【0027】
堆積120中の温度は、例えば、使用されている前駆体及び/又は堆積プラズマに応じて、任意の適切な温度でありうる。いくつかの実施形態では、堆積温度は、約100℃から500℃の範囲、又は約150℃から約450℃の範囲、又は約200℃から約400℃の範囲である。
【0028】
堆積120中の処理チャンバ圧力は、約100mTorrから300Torrの範囲、又は約200mTorrから約250Torrの範囲、又は約500mTorrから約200Torrの範囲、又は約1Torrから約150Torrの範囲でありうる。
【0029】
堆積した膜は、エッチングプロセス130への移行前、任意の適切な厚さでありうる。いくつかの実施形態では、堆積した第1の膜20の厚さは、約0.1Åから約100Åの範囲、又は約1Åから約50Åの範囲である。いくつかの実施形態では、堆積した第1の膜20の厚さは、処理プロセスへの移行前、約5Å、10Å、15Å、20Å又は25Å以上である。いくつかの実施形態では、堆積した第1の膜20の厚さは、処理プロセスへの移行前、約100Å、90Å、80Å、70Å、60Å又は50Å以下である。
【0030】
堆積120後、第1の膜20はエッチングプロセス130に供される。
図2Cを参照すると、第1の膜20は、特徴14の側壁18からエッチングされる。第1の膜20は特徴14の底部16に残る。特徴14の底部16に残る第1の膜20は、例えば、エッチングプロセス条件及び第1の膜20の組成に基づいて変化しうる。いくつかの実施形態において、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は90%以上の堆積した第1の膜20は、エッチングプロセス130後に残る。
【0031】
一部の実施態様では、第1の膜を側壁からエッチングすることは、基板をH2、HCl又はCl2のうちの一又は複数に曝露させることを含む。一部の実施形態では、第1の膜20はエッチングされて、実質的に全ての第1の膜20が側壁から除去され、少なくともケイ素膜のいくらかが特徴の底部に残る。このように使用される場合、「実質的に全ての」という用語は、約95%、98%又は99%の基板表面12に堆積した第1の膜が除去されることを意味する。
【0032】
一部の実施形態では、第1の膜20は熱エッチングプロセスでエッチングされる。一部の実施形態では、熱エッチングプロセスは、H2を含むエッチャントを用いて実施される。一部の実施形態では、不活性ガスは、熱エッチングプロセス中にエッチャントと共に流される。
【0033】
一部の実施形態では、第1の膜20はプラズマエッチングプロセスでエッチングされる。プラズマエッチングプロセスに用いられるプラズマは、エッチングプラズマと称される。一部の実施形態では、エッチングプラズマは、H2、HCl、Cl2又はNF3のうちの一又は複数を含む。一部の実施形態では、エッチングプラズマは、本質的にH2からなる。一部の実施形態では、エッチングプラズマは、本質的にHClからなる。一部の実施形態では、エッチングプラズマは、本質的にCl2からなる。一部の実施形態では、エッチングプラズマは、本質的にNF3からなる。このように使用される場合、「本質的に~からなる」という用語は、エッチングプラズマが、原子ベースで、約95%、98%又は99%以上の記載された種であることを意味する。一部の実施形態では、不活性ガスは、プラズマエッチングプロセス中にエッチングプラズマと共に流される。
【0034】
エッチングプラズマは、導電結合されたプラズマ(CCP)若しくは誘導結合されたプラズマ(ICP)でありうるか、又は直流プラズマ若しくは遠隔プラズマでありうる。いくつかの実施形態では、プラズマは約0から約2000Wの範囲の出力を有する。いくつかの実施形態では、最小プラズマ電力は、0W超、10W、50W又は100Wである。
【0035】
エッチングプロセス130中の温度は、例えば、使用されているエッチングプロセス、エッチャント及び/又はエッチングプラズマに応じて、任意の適切な温度でありうる。いくつかの実施態様では、エッチング温度は、約100℃から500℃の範囲、又は約150℃から約450℃の範囲、又は約200℃から約400℃の範囲である。
【0036】
エッチングプロセス130中の処理チャンバ圧力は、約100mTorrから300Torrの範囲、又は約200mTorrから約250Torrの範囲、又は約500mTorrから約200Torrの範囲、又は約1Torrから約150Torrの範囲でありうる。
【0037】
エッチングプロセス130後、第1の膜20は処理プロセス140に供される。第1の膜20を処理することは、特徴14に第2の膜30を形成することを含む。いくつかの実施形態では、第2の膜30は、第1の膜20の酸化物、窒化物、ホウ化物、炭化物又はそれらの組合せである。例えば、いくつかの実施形態では、第1の膜20は、ケイ素を含むか又は本質的にケイ素からなり、第2の膜は、酸化ケイ素、窒化ケイ素又はオキシ窒化ケイ素のうちの一又は複数を含む。ある実施形態では、第2の膜は本質的に窒化ケイ素からなる。ある実施形態では、第2の膜30は本質的に酸化ケイ素からなる。ある実施形態では、第2の膜30は本質的にオキシ窒化ケイ素からなる。ある実施形態では、第2の膜30は、本質的に、ホウ素、炭素、酸素又は窒素原子のうちの一又は複数を有するケイ素からなる。このように使用される場合「本質的に~からなる」という用語は、第2の膜の組成が、原子ベースで、膜の総組成の約95%、98%又は99%以上の記載された要素の合計を有することを意味する。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1の膜20を処理することは、第1の膜20をAr、He、H2、O2、N2O、O3又はH2Oの一又は複数に曝露させて、酸化ケイ素を含む第2の膜30を形成することを含む。いくつかの実施形態では、第1の膜20を処理することは、第1の膜20をAr、He、H2、NH3、N2の一又は複数に曝露させて、窒化ケイ素を含む第2の膜を形成することを含む。H2O2、ヒドラジン、ヒドラジン誘導体及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない他の酸化剤及び窒化剤を使用することもできる。
【0039】
いくつかの実施形態では、第1の膜20を処理することは、第1の膜20を、Ar、He、H2、O2、N2O、O3、H2O、NH3、N2、H2O2、ヒドラジン、又はヒドラジン誘導体の一又は複数を含むプラズマに曝露させることを含む。いくつかの実施形態では、処理プラズマは堆積プラズマと同一である。いくつかの実施形態では、処理プラズマは堆積プラズマとは異なる。
【0040】
処理プラズマは、導電結合されたプラズマ(CCP)若しくは誘導結合されたプラズマ(ICP)でありうるか、又は直流プラズマ若しくは遠隔プラズマでありうる。いくつかの実施形態では、プラズマは約0から約2000Wの範囲の出力を有する。いくつかの実施形態では、最小プラズマ電力は、0W超、10W、50W又は100Wである。
【0041】
処理プロセス140中の温度は、例えば、使用されている処理プラズマに応じて、任意の適切な温度でありうる。いくつかの実施態様では、処理温度は、約100℃から500℃の範囲、又は約150℃から約450℃の範囲、又は約200℃から約400℃の範囲である。
【0042】
処理プロセス140中の処理チャンバ圧力は、約100mTorrから300Torrの範囲、又は約200mTorrから約250Torrの範囲、又は約500mTorrから約200Torrの範囲、又は約1Torrから約150Torrの範囲でありうる。
【0043】
処理プロセス140後、方法100は決定点150に達する。間隙が所定の厚さの第2の膜30で充填されている場合、基板は、任意選択的に、160で後処理を継続する。第2の膜30が所定の厚さに達していない又は特徴14を充填していない場合、該方法は少なくとも一の堆積120、エッチングプロセス130及び処理プロセス140の追加サイクルのために、堆積120に戻る。
図2Eは、堆積-エッチング-処理プロセスを通じた多数のサイクル後に第2の膜30が充填された特徴を説明する。
【0044】
いくつかの実施形態は、任意選択的な後処理160プロセスを含む。後処理160は、堆積した膜又は基板を修正し、膜又は基板のいくつかのパラメータを改善するために使用されうる。いくつかの実施形態では、後処理160は、膜のアニーリングを含む。いくつかの実施形態では、後処理160は、堆積120、エッチングプロセス130又は処理プロセス140に使用されるものと同じ処理チャンバにおけるインシトゥアニーリングによって実施されうる。適切なアニーリングプロセスは、急速加熱処理(RTP)又は高速熱アニール(RTA)、スパイクアニール、又はUV硬化、又はeビーム硬化及び/又はレーザーアニールを含むが、これらに限定されない。アニーリング温度は約500℃から900℃の範囲でありうる。アニール中の環境の組成は、H2、Ar、He、N2、NH3、SiH4等のうちの一又は複数を含みうる。アニール中の圧力は、約100mTorrから約1atmの範囲でありうる。
【0045】
本開示によって記載される方法中の任意の点で、基板は加熱又は冷却されうる。そのような加熱又は冷却は、限定されないが、基板支持体の温度を変化させること、及び、基板表面へ加熱された又は冷却されたガスを流すことを含む、任意の適当な手段により、達成することができる。幾つかの実施形態において、基板支持体は、伝導で基板温度を変化させるように制御することができるヒータ/クーラを含む。一つ又は複数の実施形態において、用いられているガス(反応性ガス又は不活性ガスのいずれか)が、基板温度を局所的に変化させるために、加熱又は冷却される。幾つかの実施形態において、基板温度を対流で変化させるために、ヒータ/クーラが、チャンバ内部に基板表面に隣接して置かれる。
【0046】
基板はまた、処理の間、静止又は回転させることができる。回転する基板は、連続的又は非連続に段階的に、回転しうる。例えば、基板は、処理全体を通じて回転しうるか、或いは、種々の反応性ガス、パージガス、反応物又はプラズマへの曝露と曝露の間に、少しずつ回転しうる。処理中に基板を(連続的若しくは段階的に)回転させることは、例えばガス流形状の局所的可変性の影響を最小化することによって、より均一な堆積、処理又はエッチングの生成に役立ちうる。
【0047】
この明細書全体を通じての、「一実施形態(one embodiment)」、「ある種の実施形態(certain embodiments)」、「一又は複数の実施形態(one or more embodiments)」、又は、「実施形態(an embodiment)」に対する言及は、実施形態に関連して説明されている特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。ゆえに、この明細書全体の様々な箇所での「一又は複数の実施形態で」、「ある種の実施形態で」、「一実施形態で」、又は「実施形態において」などの文言の表出は、必ずしも、本発明の同一の実施形態に言及するものではない。さらに、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1つ又は複数の実施形態で任意の適切な様態で組み合わせることができる。
【0048】
本明細書に記載の発明は具体的な実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態は本発明の原理及び用途の単なる例示であることを理解されたい。本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の方法及び装置に対して、様々な修正及び変形を行い得ることが当業者には明らかであろう。ゆえに、本発明は、付随する特許請求の範囲及びその均等物の範囲に含まれる改変例及び変形例を含むことが意図されている。