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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】多機能フォトリソグラフィ装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20240610BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 501
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022565708
(86)(22)【出願日】2021-04-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-08
(86)【国際出願番号】 CN2021090681
(87)【国際公開番号】W WO2021219028
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2022-10-26
(31)【優先権主張番号】202010354566.X
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510232360
【氏名又は名称】中国科学院光電技術研究所
【氏名又は名称原語表記】The Institute of Optics and Electronics, The Chinese Academy of Sciences
【住所又は居所原語表記】P.O.Box 350, Shuangliu, Chengdu, Sichuan 610209, P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】110003742
【氏名又は名称】弁理士法人海田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼ 先▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ ▲暁▼亮
(72)【発明者】
【氏名】蒲 明博
(72)【発明者】
【氏名】高 平
(72)【発明者】
【氏名】李 雄
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-225727(JP,A)
【文献】特開2007-178557(JP,A)
【文献】特開2004-101951(JP,A)
【文献】特開2008-026475(JP,A)
【文献】特開2003-167355(JP,A)
【文献】特開2001-343753(JP,A)
【文献】特開2001-215716(JP,A)
【文献】特開2000-299546(JP,A)
【文献】特開平04-338626(JP,A)
【文献】国際公開第2010/044267(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(32)を配置し、前記基板(32)とマスク板(31)との間のギャップを制御するように、気流を制御することで前記基板(32)を真空基板キャリア(12)上に吸着させ、かつ前記基板(32)とマスク板(31)とに真空環境を提供するための真空基板キャリア(12)と、
前記真空基板キャリア(12)の上方に設けられ、前記マスク板(31)を固定するためのマスクホルダ(4)と、
前記真空基板キャリア(12)の下方に設けられ、前記基板(32)と前記マスク板(31)との間の距離が所定条件を満たすように、前記真空基板キャリア(12)の位置を調節するための基板キャリア移動システムと、
前記マスク板(31)の上方に設けられ、フォトリソグラフィ用の紫外光を発生するための紫外光源システム(6)と、
前記紫外光を前記マスク板(31)に位置合わせするための三軸アライメント光路システム(5)と、を含み、
前記基板キャリア移動システムは、
前記真空基板キャリア(12)のX軸方向及びY軸方向における変位を調節するためのXY方向マクロ移動システム(2)と、
前記XY方向マクロ移動システム(2)上に設けられ、前記真空基板キャリア(12)のZ軸方向における変位の粗調整及び微調整を実現するためのZ方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム(3)と、を含み、
前記XY方向マクロ移動システム(2)は、
移動底板(20)と、
前記移動底板(20)上に設けられ、方向がY軸方向である第1直線ガイドレール(21-1)と、
前記第1直線ガイドレール(21-1)上に設けられるY方向移動板(22)と、
前記Y方向移動板(22)上に設けられ、方向がX軸方向であり、前記Y軸方向と垂直する第2直線ガイドレール(21-2)と、
前記第2直線ガイドレール(21-2)上に設けられるX方向移動板(23)と、
前記移動底板(20)上に設けられ、前記Y方向移動板(22)を前記第1直線ガイドレール(21-1)に沿って移動させるための第1直線アクチュエータ(15-1)と、
前記Y方向移動板(22)上に設けられ、前記X方向移動板(23)を前記第2直線ガイドレール(21-2)に沿って移動させるための第2直線アクチュエータ(15-2)と、を含み、
前記Z方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム(3)は、前記X方向移動板(23)上に設けられ、粗変位閉ループシステム(8)と角変位機構(9)を含み、
粗変位閉ループシステム(8)が角変位機構(9)に作用して、前記真空基板キャリア(12)をZ軸方向に沿って変位させ、
粗変位閉ループシステム(8)は、Z方向粗変位回転モータ(14)と、直線ガイドレールずれ止め機構(13)と、三点インクリメンタル格子定規(16)とを含み、
前記Z方向粗変位回転モータ(14)は、前記真空基板キャリア(12)の前記X軸方向及び前記Y軸方向と垂直するZ軸方向に沿う変位を調節することに用いられ、粗変位閉ループシステム(8)は角変位機構(9)が実際に発生したZ方向変位に応じて、前記Z方向粗変位回転モータ(14)の動作をフィードバック制御し、
前記直線ガイドレールずれ止め機構(13)は、前記Z方向粗変位回転モータ(14)がZ方向変位のみを出力することを確保することに用いられ、
前記三点インクリメンタル格子定規(16)は、前記Z方向粗変位回転モータ(14)が実際に発生したZ方向変位を読み取ることに用いられる、
ことを特徴とする多機能フォトリソグラフィ装置。
【請求項2】
前記Z方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム(3)は、
前記角変位機構(9)上に設けられ、前記真空基板キャリア(12)をレベリングし、X軸、Y軸が所在する平面内における前記真空基板キャリア(12)の角度を調節し、前記真空基板キャリア(12)上の基板(32)と前記マスク板(31)との間の距離の微調整を実現するための三点Z方向精密変位機構(11)をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記三点Z方向精密変位機構(11)は、
中部にフランジ(18-1)が設けられる機構底板と、
前記機構底板に均一に分散して設けられ、前記真空基板キャリア(12)のZ軸方向における傾角を微調整することで、前記真空基板キャリア(12)をレベリングし、前記真空基板キャリア(12)上の基板(32)と前記マスク板(31)との間の距離の微調整を実現するための複数の圧電セラミックモータユニット(19)と、
前記機構底板の上方に設けられ、前記圧電セラミックモータユニット(19)に接続されるユニバーサルボールサポータ(26)と、
前記機構底板と前記ユニバーサルボールサポータ(26)が設けられる板材とを接続し、板材の復位に用いられる少なくとも1つの引張ばね(30)と、
ユニバーサルボールサポータ(26)の上方に設けられ、前記複数の圧電セラミックモータユニット(19)に接続される弾性リード(27)と、
前記弾性リード(27)上に設けられ、前記弾性リード、前記板材における丸穴を介して前記フランジ(18-1)に接続され、前記フランジの駆動に基づいて、X軸、Y軸が所在する平面内における前記真空基板キャリア(12)の角度を調節するためのフランジアダプタ(28)と、
中心が前記フランジアダプタ(28)に接続され、前記フランジアダプタ(28)を介して前記弾性リード(27)に接続され、前記真空基板キャリア(12)を配置するための基板キャリア支持面(29)と、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記角変位機構(9)は、
前記角変位機構(9)の平面上方に設けられ、前記フランジ(18-1)に接続され、前記フランジ(18-1)を駆動するためのクロスローラ軸受(18-2)と、
前記クロスローラ軸受(18-2)を駆動するための角変位リニアモータ(10)と、を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
圧縮ばね(17)は前記角変位機構(9)の下方に支持され、Z方向粗変位回転モータ(14)のZ方向静的荷重を軽減するために用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
大理石プラットフォームと前記大理石プラットフォームの4つの隅に分布する防振脚とを含むパッシブ防振システム(1)をさらに含み、
前記基板キャリア移動システムは前記パッシブ防振システム(1)上に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記三軸アライメント光路システム(5)は、
三軸対称変位システムに取り付けられる二重望遠対物レンズと、
前記二重望遠対物レンズをX軸、Y軸、Z軸方向に沿って変位させるための三軸対称変位システムと、
前記基板(32)とマスク板(31)とを撮影し、結像をコンピュータに伝送して、前記コンピュータに前記マスク板(31)と前記基板(32)とが位置あわせしているか否かを判断させるためのCCDカメラと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
パッシブ防振システム(1)、XY方向マクロ移動システム(2)、Z方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム(3)、マスクホルダ(4)、三軸アライメント光路システム(5)、紫外光源システム(6)、制御システム(7)、粗変位閉ループシステム(8)、角変位機構(9)、角変位リニアモータ(10)、三点Z方向精密変位機構(11)、真空基板キャリア機構(12)、直線ガイドレールずれ止め機構(13)、Z方向粗変位回転モータ(14)、第1直線アクチュエータ(15-1)、第2直線アクチュエータ(15-2)、三点インクリメンタル格子定規(16)、圧縮ばね(17)、クロスローラ軸受(18)、圧電セラミックモータユニット(19)、移動底板(20)、第1直線ガイドレール(21-1)、第2直線ガイドレール(21-2)、Y方向移動板(22)、X方向移動板(23)、圧電モータ取付アクセサリ(24)、圧電モータ(25)、ユニバーサルボールサポータ(26)、弾性リード(27)、フランジアダプタ(28)、基板キャリア支持面(29)、及び引張ばね(30)を含み、
パッシブ防振システム(1)は、四つの均一に対称に配置された防振脚及び厚さ200mmの大理石プラットフォームを含み、XY方向マクロ移動システム(2)の底層は移動底板(20)であり、移動底板(20)はパッシブ防振システム(1)上に配置され、移動底板(20)の取付面上に第1直線ガイドレール(21-1)が配置されてY方向移動板(22)の担持を実現し、第1直線アクチュエータ(15-1)によってY方向移動板(22)をプッシュしてY方向マクロ変位を実現し、Y方向移動板(22)の取付平面に第2直線ガイドレール(21-2)が取り付けられてX方向移動板(23)を担持し、Y方向移動板(22)上に配置された第2直線アクチュエータ(15-2)はX方向移動板(23)をプッシュしてX方向マクロ変位を実現し、Z方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム(3)は基板キャリアに基板を配置してマスク板マークと位置合わせすることを実現し、粗変位閉ループシステム(8)を含んでXY方向マクロ移動システム(2)上に配置され、三点直線ガイドレールずれ止め機構(13)はZ方向粗変位回転モータ(14)が回転カムでZ方向変位のみを出力することを確保し、三点インクリメンタル格子定規(16)はZ方向実際移動変位を読み取って、Z方向粗変位回転モータ(14)の閉ループ制御を実現し、粗変位閉ループシステム(8)は、直線ガイドレールずれ止め機構(13)、Z方向粗変位回転モータ(14)、三点インクリメンタル格子定規(16)を含み、圧縮ばね(17)は圧縮ばねによって角変位機構(9)を支持して、Z方向粗変位回転モータ(14)のZ方向静的荷重を軽減し、角変位リニアモータ(10)は三点Z方向精密変位機構(11)全体を移動させるようにプッシュして、クロスローラ軸受(18)を回転支持構成として、三点Z方向精密変位機構(11)の全体角変位移動を実現し、角変位機構(9)は、角変位リニアモータ(10)を含み、圧電セラミックモータユニット(19)は圧電モータ取付アクセサリ(24)と圧電モータ(25)との二つの部分からなり、全体が三点Z方向精密変位機構(11)上に取り付けられ、三点圧電モータ(25)はボールヘッドを介してユニバーサルボールサポータ(26)に接続されて取り付けられ、圧電モータ(25)の上下接続板は引張ばね(30)を採用して、圧電モータ(25)の微力受け復路を実現し、弾性リード(27)は三点が圧電モータ(25)に固定し接続され、真空基板キャリア機構(12)は、中心フランジを含み、中心フランジが基板キャリア支持面(29)の下平面に接続されて、真空基板キャリア機構(12)全体の均一なリバウンドを実現し、真空基板キャリア機構(12)は、多気孔方式を採用して基板の吸着及びエアブローを完了し、マスクホルダ(4)は引き出し式固定マスク挟持方式を採用し、マスクホルダ(4)は三点手動ノブを含み、三点手動ノブはマスク板を固定し、三軸アライメント光路システム(5)は三軸対称変位システム、二重望遠対物レンズ、CCDカメラ、及び全体光路システムを含み、全体光路システムは、三軸アライメント光路システム(5)における三軸対称変位システム、二重望遠対物レンズ、CCDカメラ以外の他の光路システムであり、二重望遠対物レンズは三軸対称変位システムに取り付けられてアライメント対物レンズのXYZ方向変位を実現し、CCDカメラによって前記基板(32)とマスク板(31)を撮影し、結像をコンピュータに伝送して、前記コンピュータに前記マスク板(31)と前記基板(32)とが位置あわせしているか否かを判断させ、制御システム(7)は本装置の制御を実現するために用いられ、
圧電モータ取付アクセサリ(24)は圧電モータ(25)を固定し、圧電モータ(25)の先端はユニバーサルボールを採用してユニバーサルボールサポータ(26)に接続され、弾性リード(27)により精密変位部分の弾性収縮を実現し、弾性リード(27)はフランジアダプタ(28)により基板キャリア支持面(29)の中心に接続され、真空基板キャリア機構(12)の安定なZ方向精密変位移動を実現する、
ことを特徴とする多機能フォトリソグラフィ装置。
【請求項9】
パッシブ防振システム(1)、XY方向マクロ移動システム(2)、Z方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム(3)、マスクホルダ(4)、三軸アライメント光路システム(5)、紫外光源システム(6)、制御システム(7)は、装置全体を構成し、装置全体制御システム(7)も装置全体と一体に配置され、且つ露光モードは、接触モード、近接モード、TALBOTフォトリソグラフィモード、SPフォトリソグラフィモードという4種類の露光形態を含み、制御システム7は、PLC、電源、ドライバ、スイッチ、配線という本装置のすべての回路システムを含み、装置全体の完備を実現した、
ことを特徴とする請求項8に記載の多機能フォトリソグラフィ装置。
【請求項10】
第1直線アクチュエータ(15-1)の固定子を移動底板(20)に取り付け、可動子をY方向移動板(22)に取り付けて、第1直線ガイドレール(21-1)の摩擦ガイドによってY方向移動板(22)のY方向移動を実現し、同様な方式で、第2直線アクチュエータ(15-2)の固定子をY方向移動板(22)に取り付け、可動子をX方向移動板(23)に取り付けて、第2直線ガイドレール(21-1)によってX方向移動板(23)のX方向移動を実現する、
ことを特徴とする請求項8に記載の多機能フォトリソグラフィ装置。
【請求項11】
基板キャリア移動システムは、XY方向マクロ移動システム(2)、Z方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム(3)を含み、第1直線アクチュエータ(15-1)、第2直線アクチュエータ(15-2)、及び第1直線ガイドレール(21-1)、第2直線ガイドレール(21-2)を用いて構築して、XY方向変位を完了し、粗変位閉ループシステム(8)はXY方向マクロ移動システム2の上面研磨面上に配置され、三点設計案を採用して、基板キャリアの粗レベリングを実現し、粗変位閉ループシステム(8)、支持角変位機構(9)により、三点Z方向精密変位機構(11)がよりよい微調整性を有し、真空基板キャリア機構(12)は最上層に配置され、すべての移動の総和を統合し、最終的に四軸マクロ・マイクロレベリングアライメント機能を実現する、
ことを特徴とする請求項8に記載の多機能フォトリソグラフィ装置。
【請求項12】
粗変位閉ループシステム(8)は、直線ガイドレールずれ止め機構(13)、Z方向粗変位回転モータ(14)、三点インクリメンタル格子定規(16)、圧縮ばね(17)、及びカム取付ユニットを含み、Z方向粗変位回転モータ(14)の回転によってカムを連れて移動し、カムの不均一な回転によって、角変位機構(9)の平面高さが変化し、直線ガイドレールずれ止め機構(13)は三点の上昇高さの差異が大きすぎて、機構が破損することを防止し、三点インクリメンタル格子定規(16)によって三点のモータのZ方向高さの差をそれぞれ記録し、カムの回転により、レベリング角変位機構(9)の水平を調整するように制御し、直線ガイドレールずれ止め機構(13)のカムが下降過程に入り、圧縮ばねが全体の重量を受けて、カムの疲労損傷を回避する、
ことを特徴とする請求項8に記載の多機能フォトリソグラフィ装置。
【請求項13】
角変位機構(9)は角変位リニアモータ(10)の固定子をクロスローラ軸受(18)の外輪取付板に固定し、可動子を三点Z方向精密変位機構(11)に固定して、三点Z方向精密変位機構(11)はクロスローラ軸受(18)の内輪ねじに接続され、角変位リニアモータ(10)により三点Z方向精密変位機構(11)をプッシュしてクロスローラ軸受(18)の中心を回転軸とする小角度回転を実現し、真空基板キャリア機構(12)は、XYθ変位及びZ方向粗変位・精密変位調整レベリングが可能になる、
ことを特徴とする請求項8に記載の多機能フォトリソグラフィ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2020年04月29日に提出された、出願番号が202010354566.Xである中国特許出願の優先権を要求し、その全ての内容は引用により本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は、光学マイクロナノ製造装置の技術分野に関し、特に多機能フォトリソグラフィ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、フォトリソグラフィ技術は、主に以下の幾つかのフォトリソグラフィモードを含む。その一つは、接触モードであって、マスク板をフォトレジストが塗布されたシリコンウエハと直接に接触させて露光し、分解能が高く、機器が簡単であり、操作しやすく、コストが低いなどの特徴を有する。その二つは、近接モードであって、接触モードと比べて、マスク板とフォトレジストとの間のギャップを測定する検出システムを追加し、一定のギャップを介して露光を行ない、マスク板とフォトレジストとが直接接触することによる両者が損傷し汚染されやすい等の欠陥を回避することができる。その三つは、TALBOTフォトリソグラフィモードであって、高精度、安定性のZ方向移動位置決めシステムを用いて定点露光、走査露光の態様を実現し、TALBOT効果によって生成された周期物体セルフイメージを利用してフォトリソグラフィを行う。その四つは、SPフォトリソグラフィモードであって、SPの短波長特性を用いて物体表面に局在するエバネッセント波を効果的に共振結合し、エバネッセント波の増幅伝送、共振干渉及び局所補強を実現することができ、それにより従来のフォトリソグラフィ回折限界を超えるパターンを取得し、装置の方で精密レベリング及びギャップ制御技術を採用する。
【0004】
フォトリソグラフィ技術が発展し、且つ応用需要がますます多様化する背景で、単一のフォトリソグラフィモードを採用することは、マイクロナノ構造パターンの製造需要を満たすことができなくなり、さらに各単一のフォトリソグラフィモードの装置利用率が低下するなどの問題を引き起こす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した問題に鑑みて、本開示は、現在のフォトリソグラフィ装置が単一のフォトリソグラフィモードしか実現できない問題を解決するように、多機能フォトリソグラフィ装置を提供している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示は、多機能フォトリソグラフィ装置を提供し、基板32を配置し、前記基板32とマスク板31との間のギャップを制御するように、気流を制御することで前記基板32を真空基板キャリア12上に吸着させ、かつ前記基板32とマスク板31とに真空環境を提供するための真空基板キャリア12と、前記真空基板キャリア12の上方に設けられ、前記マスク板31を固定するためのマスクホルダ4と、前記真空基板キャリア12の下方に設けられ、前記基板32と前記マスク板31との間の距離が所定条件を満たすように、前記真空基板キャリア12の位置を調節するための基板キャリア移動システムと、前記マスク板31の上方に設けられ、フォトリソグラフィ用の紫外光を発生するための紫外光源システム6と、前記紫外光を前記マスク板31に位置合わせするための三軸アライメント光路システム5と、を含み、前記基板キャリア移動システムは、前記真空基板キャリア12のX軸方向及びY軸方向における変位を調節するためのXY方向マクロ移動システム2と、前記XY方向マクロ移動システム2上に設けられ、前記真空基板キャリア12のZ軸方向における変位の粗調整及び微調整を実現するためのZ方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム3とを含み、前記XY方向マクロ移動システム2は、移動底板20と、前記移動底板20上に設けられ、方向がY軸方向である第1直線ガイドレール21-1と、前記第1直線ガイドレール21-1上に設けられるY方向移動板22と、前記Y方向移動板22上に設けられ、方向がX軸方向であり、前記Y軸方向と垂直する第2直線ガイドレール21-2と、前記第2直線ガイドレール21-2上に設けられるX方向移動板23と、前記移動底板20上に設けられ、前記Y方向移動板22を前記第1直線ガイドレール21-1に沿って移動させるための第1直線アクチュエータ15-1と、前記Y方向移動板22上に設けられ、前記X方向移動板23を前記第2直線ガイドレール21-2に沿って移動させるための第2直線アクチュエータ15-2とを含み、前記Z方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム3は、前記X方向移動板23上に設けられ、粗変位閉ループシステムと角変位機構を含み、粗変位閉ループシステムは、角変位機構に作用して、前記真空基板キャリアをZ軸方向に沿って変位させ、粗変位閉ループシステムは、Z方向粗変位回転モータと、直線ガイドレールずれ止め機構と、三点インクリメンタル格子定規16とを含み、前記Z方向粗変位回転モータは、前記真空基板キャリアの前記X軸方向及び前記Y軸方向と垂直するZ軸方向に沿う変位を調節することに用いられ、粗変位閉ループシステムは角変位機構が実際に発生したZ方向変位に応じて、前記Z方向粗変位回転モータの動作をフィードバック制御し、前記直線ガイドレールずれ止め機構は、前記Z方向粗変位回転モータがZ方向変位のみを出力することを確保することに用いられ、前記三点インクリメンタル格子定規16は、前記Z方向粗変位回転モータが実際に発生したZ方向変位を読み取ることに用いられる。
【0010】
本開示の実施例によれば、前記Z方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム3は、前記角変位機構9上に設けられ、前記真空基板キャリア12をレベリングし、X軸、Y軸が所在する平面内における前記真空基板キャリア12の角度を調節し、前記真空基板キャリア12上の基板32と前記マスク板31との間の距離の微調整を実現するための三点Z方向精密変位機構11をさらに含む。
【0011】
本開示の実施例によれば、前記三点Z方向精密変位機構11は、中部にフランジ18-1が設けられる機構底板と、前記機構底板に均一に分散して設けられ、前記真空基板キャリア12のZ軸方向における傾角を微調整することで、前記真空基板キャリア12をレベリングし、前記真空基板キャリア12上の基板32と前記マスク板31との間の距離の微調整を実現するための複数の圧電セラミックモータユニット19と、前記機構底板の上方に設けられ、前記圧電セラミックモータユニット19に接続されるユニバーサルボールサポータ26と、前記機構底板と前記ユニバーサルボールサポータ26が設けられる板材とを接続し、圧電セラミックモータユニット19が復位する時に、板材を連れてZ軸に沿って下向きに移動するための少なくとも1つの引張ばね30と、ユニバーサルボールサポータ26の上方に設けられ、前記複数の圧電セラミックモータユニット19に接続される弾性リード27と、前記弾性リード27上に設けられ、前記弾性リード、前記板材における丸穴を介して前記フランジ18-1に接続され、前記フランジの駆動に基づいて、X軸、Y軸が所在する平面内における前記真空基板キャリア12の角度を調節するためのフランジアダプタ28と、中心が前記フランジアダプタ28に接続され、前記フランジアダプタ28を介して前記弾性リード27に接続され、前記真空基板キャリア12を配置するための基板キャリア支持面29とを含む。
【0012】
本開示の実施例によれば、前記角変位機構9は、前記角変位機構9の平面上方に設けられ、前記フランジ18-1に接続され、前記フランジ18-1を駆動するためのクロスローラ軸受18-2と、前記クロスローラ軸受18-2を駆動するための角変位リニアモータ10とを含む。
【0013】
本開示の実施例によれば、圧縮ばねは角変位機構の下方に支持される。
【0014】
本開示の実施例によれば、大理石プラットフォームと前記大理石プラットフォームの4つの隅に分布する防振脚とを含むパッシブ防振システム1をさらに含み、前記基板キャリア移動システムは前記パッシブ防振システム1上に配置される。
【0015】
本開示の実施例によれば、前記三軸アライメント光路システム5は、三軸対称変位システムに取り付けられる二重望遠対物レンズと、前記二重望遠対物レンズをX軸、Y軸、Z軸方向に沿って変位させるための三軸対称変位システムと、前記基板32とマスク板31とを撮影し、結像をコンピュータに伝送して、前記コンピュータに前記マスク板31と前記基板32とが位置あわせしているか否かを判断させるためのCCDカメラとを含む。
【0016】
本開示の別の態様は、多機能フォトリソグラフィ装置を提供し、それは、パッシブ防振システム1、XY方向マクロ移動システム2、Z方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム3、マスクホルダ4、三軸アライメント光路システム5、紫外光源システム6、制御システム7、粗変位閉ループシステム8、角変位機構9、角変位リニアモータ10、三点Z方向精密変位機構11、真空基板キャリア機構12、直線ガイドレールずれ止め機構13、Z方向粗変位回転モータ14、第1直線アクチュエータ15-1、第2直線アクチュエータ15-2、三点インクリメンタル格子定規16、圧縮ばね17、クロスローラ軸受18、圧電セラミックモータユニット19、移動底板20、第1直線ガイドレール21-1、第2直線ガイドレール21-2、Y方向移動板22、X方向移動板23、圧電モータ取付アクセサリ24、圧電モータ25、ユニバーサルボールサポータ26、弾性リード27、フランジアダプタ28、基板キャリア支持面29、及び引張ばね30を含み、パッシブ防振システム1は、四つの均一に対称に配置された防振脚及び厚さ200mmの大理石プラットフォームを含み、XY方向マクロ移動システム2の底層は移動底板20であり、移動底板20はパッシブ防振システム1上に配置され、移動底板20の取付面上に第1直線ガイドレール21-1が配置されてY方向移動板22の担持を実現し、第1直線アクチュエータ15-1によってY方向移動板22をプッシュしてY方向マクロ変位を実現し、Y方向移動板22の取付平面に第2直線ガイドレール21-2が取り付けられてX方向移動板23を担持し、Y方向移動板22上に配置された第2直線アクチュエータ15-2はX方向移動板23をプッシュしてX方向マクロ変位を実現し、Z方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム3は基板キャリアに基板を配置してマスク板マークと位置合わせすることを実現し、粗変位閉ループシステム8を含んでXY方向マクロ移動システム2上に配置され、三点直線ガイドレールずれ止め機構13はZ方向粗変位回転モータ14が回転カムでZ方向変位のみを出力することを確保し、三点インクリメンタル格子定規16はZ方向実際移動変位を読み取って、Z方向粗変位回転モータ14の閉ループ制御を実現し、粗変位閉ループシステム8は、直線ガイドレールずれ止め機構13、Z方向粗変位回転モータ14、三点インクリメンタル格子定規16を含み、圧縮ばね17は圧縮ばねによって角変位機構9を支持して、Z方向粗変位回転モータ14のZ方向静的荷重を軽減し、角変位リニアモータ10は三点Z方向精密変位機構11全体を移動させるようにプッシュして、クロスローラ軸受18を回転支持構成として、三点Z方向精密変位機構11の全体角変位移動を実現し、角変位機構9は、角変位リニアモータ10を含み、圧電セラミックモータユニット19は圧電モータ取付アクセサリ24と圧電モータ25との二つの部分からなり、全体が三点Z方向精密変位機構11上に取り付けられ、三点圧電モータ25はボールヘッドを介してユニバーサルボールサポータ26に接続されて取り付けられ、圧電モータ25の上下接続板は引張ばね30を採用して、圧電モータ25の微力受け復路を実現し、弾性リード27は三点が圧電モータ25に固定し接続され、真空基板キャリア機構12は、中心フランジを含み、中心フランジが基板キャリア支持面29の下平面に接続されて、真空基板キャリア機構12全体の均一なリバウンドを実現し、真空基板キャリア機構12は、多気孔方式を採用して基板の吸着及びエアブローを完了し、マスクホルダ4は引き出し式固定マスク挟持方式を採用し、マスクホルダ4は三点手動ノブを含み、三点手動ノブはマスク板を固定し、三軸アライメント光路システム5は三軸対称変位システム、二重望遠対物レンズ、CCDカメラ、及び全体光路システムを含み、全体光路システムは、三軸アライメント光路システム5における三軸対称変位システム、二重望遠対物レンズ、CCDカメラ以外の他の光路システムであり、二重望遠対物レンズは三軸対称変位システムに取り付けられてアライメント対物レンズのXYZ方向変位を実現し、CCDカメラによって前記基板32とマスク板31を撮影し、結像をコンピュータに伝送して、前記コンピュータに前記マスク板31と前記基板32とが位置あわせしているか否かを判断させ、制御システム7は本装置の制御を実現するために用いられ、圧電モータ取付アクセサリ24は圧電モータ25を固定し、圧電モータ25の先端はユニバーサルボールを採用してユニバーサルボールサポータ26に接続され、弾性リード27により精密変位部分の弾性収縮を実現し、弾性リード27はフランジアダプタ28により基板キャリア支持面29の中心に接続され、真空基板キャリア機構12の安定なZ方向精密変位移動を実現する。
【0017】
本開示の実施例によれば、パッシブ防振システム(1)、XY方向マクロ移動システム(2)、Z方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム(3)、マスクホルダ(4)、三軸アライメント光路システム(5)、紫外光源システム(6)、制御システム(7)は、装置全体を構成し、装置全体制御システム(7)も装置全体と一体に配置され、且つ露光モードは、接触モード、近接モード、TALBOTフォトリソグラフィモード、SPフォトリソグラフィモードという4種類の露光形態を含み、制御システム7は、PLC、電源、ドライバ、スイッチ、配線という本装置のすべての回路システムを含み、装置全体の完備を実現した。
【0018】
本開示の実施例によれば、第1直線アクチュエータ15-1の固定子を移動底板20に取り付け、可動子をY方向移動板22に取り付けて、第1直線ガイドレール21-1の摩擦ガイドによってY方向移動板22のY方向移動を実現し、同様な方式で、第2直線アクチュエータ15-2の固定子をY方向移動板22に取り付け、可動子をX方向移動板23に取り付けて、第2直線ガイドレール21-1によってX方向移動板23のX方向移動を実現する。
【0019】
本開示の実施例によれば、基板キャリア移動システムは、XY方向マクロ移動システム2、Z方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム3を含み、第1直線アクチュエータ15-1、第2直線アクチュエータ15-2、及び第1直線ガイドレール21-1、第2直線ガイドレール21-2を用いて構築して、XY方向変位を完了し、粗変位閉ループシステム8はXY方向マクロ移動システム2の上面研磨面上に配置され、三点設計案を採用して、基板キャリア粗レベリングを実現し、粗変位閉ループシステム8、支持角変位機構9により、三点Z方向精密変位機構11がよりよい微調整性を有し、真空基板キャリア機構12は最上層に配置され、すべての移動の総和を統合し、最終的に四軸マクロ・マイクロレベリングアライメント機能を実現する。
【0020】
本開示の実施例によれば、粗変位閉ループシステム(8)は、直線ガイドレールずれ止め機構(13)、Z方向粗変位回転モータ(14)、三点インクリメンタル格子定規(16)、圧縮ばね(17)、及びカム取付ユニットを含み、Z方向粗変位回転モータ(14)の回転によってカムを連れて移動し、カムの不均一な回転によって、角変位機構(9)の平面高さが変化し、直線ガイドレールずれ止め機構(13)は三点の上昇高さの差異が大きすぎて、機構が破損することを防止し、三点インクリメンタル格子定規(16)によって三点のモータのZ方向高さの差をそれぞれ記録し、カムの回転により、レベリング角変位機構(9)の水平を調整するように制御し、直線ガイドレールずれ止め機構(13)のカムが下降過程に入り、圧縮ばねが全体の重量を受けて、カムの疲労損傷を回避する。
【0021】
本開示の実施例によれば、角変位機構9は角変位リニアモータ10の固定子をクロスローラ軸受18の外輪取付板に固定し、可動子を三点Z方向精密変位機構11に固定して、三点Z方向精密変位機構11はクロスローラ軸受18の内輪ねじに接続され、角変位リニアモータ10により三点Z方向精密変位機構11をプッシュしてクロスローラ軸受18の中心を回転軸とする小角度回転を実現し、真空基板キャリア機構12は、XYθ変位及びZ方向粗変位・精密変位調整レベリングが可能になる。
【発明の効果】
【0023】
本開示が提供した多機能フォトリソグラフィ装置は、基板キャリア移動システムによって基板キャリアの高精度レベリング、基板32のマークアライメントを実現することができ、真空基板キャリア12によって気流を制御して、基板32とマスク板31とを密着させることができ、基板キャリア移動システムを調節することで基板32とマスク板31との間の距離を、所望を満たすように調節して、紫外光源システム6に合わせて、接触モード、近接モード、TALBOTフォトリソグラフィモード、SPフォトリソグラフィモードという4種類のフォトリソグラフィ露光モードを実現することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本開示の実施例が提供した多機能フォトリソグラフィ装置の概略図を概略的に示している。
図2図2は、本開示の実施例が提供した基板キャリア移動システムの概略図を概略的に示している。
図3図3は、本開示の実施例が提供したXY方向マクロ移動システム2の概略図を概略的に示している。
図4図4は、本開示の実施例が提供したZ方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム3の概略図を概略的に示している。
図5図5は、本開示の実施例が提供した近接モード露光概略図を概略的に示している。
図6図6は、本開示の実施例が提供した接触モード露光概略図を概略的に示している。
図7図7は、本開示の実施例が提供したTALBOTフォトリソグラフィモード概略図を概略的に示している。
図8図8は、本開示の実施例が提供したSPフォトリソグラフィモード概略図を概略的に示している。
【符号の説明】
【0025】
1-パッシブ防振システム;2-XY方向マクロ移動システム;3-Z方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム;4-マスクホルダ;5-三軸アライメント光路システム;6-紫外光源システム;7-制御システム;8-粗変位閉ループシステム;9-角変位機構;10-角変位リニアモータ;11-三点Z方向精密変位機構;12-真空基板キャリア;13-直線ガイドレールずれ止め機構;14-Z方向粗変位回転モータ;15-1-第1直線アクチュエータ;15-2-第2直線アクチュエータ;16-三点インクリメンタル格子定規;17-圧縮ばね;18-1-フランジ;18-2-クロスローラ軸受;19-圧電セラミックモータユニット; 20-移動底板;21-1-第1直線ガイドレール;21-2-第2直線ガイドレール;22-Y方向移動板;23-X方向移動板;24-圧電モータ取付アクセサリ;25-圧電モータ;26-ユニバーサルボールサポータ;27-弾性リード;28-フランジアダプタ;29-基板キャリア支持面;30-引張ばね;31-マスク板;32-基板;33-フォトレジスト;34-メタル。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。ただし、これらの説明は、例示的なものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではないと理解されるべきである。以下の詳細な説明において、説明を便利にするために、多くの具体的な詳細を説明して本発明の実施例に対する全面的な理解に供する。しかしながら、明らかなように、一つ又は複数の実施例は、これらの具体的な詳細がない場合にも実施され得る。また、以下の説明において、公知の構成及び技術に対する説明を省略することによって、本発明の概念を不必要に混同することが回避される。
【0027】
ここで用いられる用語は、具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定することを意図するものではない。ここで使用される「含む」、「含有する」などの用語は、前記特徴、ステップ、操作及び/又は部品の存在を示すが、一つ又は複数の他の特徴、ステップ、操作又は部品の存在や追加を排除するものではない。
【0028】
図1は、本開示の実施例が提供した多機能フォトリソグラフィ装置の概略図を概略的に示している。
【0029】
図1に示すように、本開示の実施例が提供した多機能フォトリソグラフィ装置は、真空基板キャリア12と、マスクホルダ4と、基板キャリア移動システムと、紫外光源システム6と、三軸アライメント光路システム5とを含む。具体的には、本開示の実施例が提供した多機能フォトリソグラフィ装置の各構成要素の機能及び位置関係は以下の通りである。
【0030】
真空基板キャリア12は、基板32を配置するために用いられ、かつ基板32とマスク板31との間のギャップを制御するように、気流を制御することで基板32を真空基板キャリア12に吸着させ、基板32及びマスク板31に真空環境を提供する。
【0031】
マスクホルダ4は、真空基板キャリア12の上方に設けられ、マスク板31を固定するために用いられる。
【0032】
基板キャリア移動システムは、真空基板キャリア12の下方に設けられ、基板32とマスク板31との間の距離が所定条件を満たすように、真空基板キャリア12の位置を調整するために用いられる。
【0033】
紫外光源システム6は、マスク板31の上方に設けられ、フォトリソグラフィ用の紫外光を発生するために用いられる。
【0034】
三軸アライメント光路システム5は、紫外光をマスク板31に位置合わせするために用いられる。
【0035】
本開示の実施例が提供した多機能フォトリソグラフィ装置によれば、真空基板キャリア12上の基板32とマスクホルダ4上のマスク板31との間の距離が各種フォトリソグラフィモードの要求を満たすように、基板キャリア移動システムによって真空基板キャリア12の位置に対して粗調整及び微調整を行うことができる。例えば、近接モードフォトリソグラフィ技術を実現する場合、基板キャリア移動システムによって基板キャリアとマスク板31とのギャップを制御し、真空基板キャリア12によって表面密孔の気流を制御する方式で基板32を基板キャリアに真空吸着させて、これによって基板32とマスク板31とのギャップが制御可能であり、さらに例えば、近接モードフォトリソグラフィ技術の調節条件に基づいて、基板キャリア移動システム及び真空基板キャリア12を調節することで、基板32とマスク板31とを硬性接触させるとともに、真空基板キャリア内の閉鎖空間を利用して真空環境を作り、基板32とマスク板31との密着性を向上させて、接触モードフォトリソグラフィ技術を実現する。該多機能フォトリソグラフィ装置は、さらにTALBOTモードフォトリソグラフィ技術を実現することができ、マスク板31に格子を作って、必要とする領域パターンを基板32上に転写して、アレイ式パターンを実現する。さらに、SPフォトリソグラフィモード技術を実現することができ、基板表面にクロム、金などの金属をめっきして、紫外光の照射でプラズマ共振を発生することで、表面プラズマフォトリソグラフィを実現する。
【0036】
以下、本開示の実施例が提供した多機能フォトリソグラフィ装置の基板キャリア移動システムの構成を詳細に説明する。
【0037】
図1に示すように、基板キャリア移動システムは、XY方向マクロ移動システム2とZ方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム3とを含む。ここで、XY方向マクロ移動システム2は、真空基板キャリア12のX軸方向及びY軸方向における変位を調節するために用いられる。Z方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム3は、XY方向マクロ移動システム2に設けられ、真空基板キャリア12のZ軸方向における変位の粗調整及び微調整を実現するために用いられる。XY方向マクロ移動システム2とZ方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム3とを調節することで、基板32とマスク板31とのマークを位置合わせして、実現しようとするフォトリソグラフィ技術のモードに応じて、基板32とマスク板31との間の距離を調節して、フォトリソグラフィ技術の実施を便利にする。具体的には、XY方向マクロ移動システム2とZ方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム3との構成概略図は、図2に示す通りである。
【0038】
図2は、本開示の実施例が提供した基板キャリア移動システムの概略図を概略的に示している。
【0039】
図2に示すように、XY方向マクロ移動システム2が基板キャリア移動システムの底部に位置しており、図1を参照して、基板キャリア移動システムがパッシブ防振システム1上に配置され、パッシブ防振システム1は、大理石プラットフォームと大理石プラットフォームの4つの隅に分布する防振脚を含み、ここで、大理石プラットフォームの厚さは、約200mmである。パッシブ防振システム1は、多機能フォトリソグラフィ装置を支持し、機械及び底面振動を離隔するために用いられる。XY方向マクロ移動システム2は、基板キャリア移動システムの底部であり、大理石プラットフォームに最も接近する。
【0040】
図3は、本開示の実施例が提供したXY方向マクロ移動システム2の概略図を概略的に示している。
【0041】
図3に示すように、XY方向マクロ移動システム2は、移動底板20と、第1直線ガイドレール21-1と、Y方向移動板22と、第2直線ガイドレール21-2と、X方向移動板23と、第1直線アクチュエータ15-1と、第2直線アクチュエータ15-2とを含む。ここで、第1直線ガイドレール21-1は、移動底板20上に設けられ、方向がY軸方向である。Y方向移動板22は第1直線ガイドレール21-1上に設けられる。第2直線ガイドレール21-2はY方向移動板22上に設けられ、方向がX軸方向であり、Y軸方向と垂直する。X方向移動板23は第2直線ガイドレール21-2上に設けられる。第1直線アクチュエータ15-1は移動底板20上に設けられ、Y方向移動板22を第1直線ガイドレール21-1に沿って移動させるために用いられる。第2直線アクチュエータ15-2はY方向移動板22上に設けられ、X方向移動板23を第2直線ガイドレール21-2に沿って移動させるために用いられる。
【0042】
本開示の実施例によれば、第1直線アクチュエータ15-1によってY方向移動板22をプッシュして第1直線ガイドレール21-1に沿って移動させることにより、真空基板キャリア12がY方向マクロ変位を発生し、第2直線アクチュエータ15-2によってX方向移動板23をプッシュして第2直線ガイドレール21-2に沿って移動させることにより、真空基板キャリア12がX方向マクロ変位を発生し、それによりXY方向マクロ移動システム2によって真空基板キャリア12の水平面における変位を調節することを実現した。
【0043】
図2に示すように、XY方向マクロ移動システム2の上方は、Z方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム3であり、Z方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム3は、XY方向マクロ移動システム2のX方向移動板23上に設けられ、角変位機構9と粗変位閉ループシステム8とを含む。Z方向粗変位回転モータ14と、直線ガイドレールずれ止め機構13と、三点インクリメンタル格子定規16とは、粗変位閉ループシステム8を構成し、粗変位閉ループシステム8が共同で角変位機構9の取付平面に作用して、真空基板キャリア12をZ軸方向に沿って変位させることで、真空基板キャリア12のZ方向変位に対するより正確的な調整制御を実現することができる。ここで、Z方向粗変位回転モータ14は、真空基板キャリア12のZ軸方向に沿う変位を粗調整するために用いられ、Z軸方向はX軸方向及びY軸方向と垂直する。直線ガイドレールずれ止め機構13は、Z方向粗変位回転モータ14がZ方向変位のみを出力することを確保するために用いられる。三点インクリメンタル格子定規16は、Z方向粗変位回転モータ14が実際に発生したZ方向変位を読み取るために用いられる。粗変位閉ループシステム8は、実際に発生したZ方向変位に応じて、Z方向粗変位回転モータ14の動作をフィードバック制御するために用いられる。圧縮ばね17は、均一な圧縮力によって角変位機構9を支持して、Z方向粗変位回転モータ14のZ方向静的荷重を軽減する。
【0044】
Z方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム3は、三点Z方向精密変位機構11をさらに含み、それは、角変位機構9上に設けられ、真空基板キャリア12をレベリングし、X軸、Y軸が所在する平面内における真空基板キャリア12の角度を調節し、かつ真空基板キャリア12上の基板32とマスク板31との間の距離の微調整を実現するために用いられる。
【0045】
図4は、本開示の実施例が提供したZ方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム3の概略図を概略的に示している。
【0046】
図4に示すように、三点Z方向精密変位機構11は、機構底板と、複数の圧電セラミックモータユニット19と、ユニバーサルボールサポータ26と、少なくとも1つの引張ばね30と、弾性リード27と、フランジアダプタ28と、基板キャリア支持面29とを含む。ここで、機構底板の中部にフランジ18-1が設けられる。複数の圧電セラミックモータユニット19は、機構底板の周縁に均一に分散して設けられ、真空基板キャリア12のZ軸方向における傾角を微調整して、真空基板キャリア12をレベリングし、かつ真空基板キャリア12上の基板32とマスク板31との間の距離の微調整を実現するために用いられ、具体的には、圧電セラミックモータユニット19は圧電モータ取付アクセサリ24と圧電モータ25とからなり、圧電モータ25が圧電モータ取付アクセサリ24の一端に取り付けられ、圧電モータのボールヘッドがユニバーサルボールサポータ26に接続して取り付けられる。ユニバーサルボールサポータ26は機構底板の上方の板材上に設けられ、圧電セラミックモータユニット19に接続される。引張ばね30は機構底板とユニバーサルボールサポータ26が設けられる板材とを接続して、圧電セラミックモータユニット19が復位する時に板材を連れてZ軸に沿って下向きに移動するために用いられる。弾性リード27は、ユニバーサルボールサポータ26の上方に設けられ、複数の圧電セラミックモータユニット19に接続され、真空基板キャリア12の均一なリバウンドを実現する。フランジアダプタ28は、弾性リード27上に設けられ、弾性リード、板材における丸穴を介してフランジ18-1に接続され、フランジ18-1の駆動に基づいて、X軸、Y軸が所在する平面内における真空基板キャリア12の角度を調節するために用いられる。基板キャリア支持面29の中心はフランジアダプタ28に接続され、フランジアダプタ28を介して弾性リードに接続され、真空基板キャリア12を配置するために用いられる。
【0047】
図2を参考して、角変位機構9は、クロスローラ軸受18-2と角変位リニアモータ10を含む。クロスローラ軸受18-2は、角変位機構9の平面上に設けられ、フランジ18-1に接続され、フランジ18-1を駆動することで、真空基板キャリア12の角度を調節するために用いられる。角変位リニアモータ10は、クロスローラ軸受18-2を駆動するために用いられる。角変位リニアモータ10は、三点Z方向精密変位機構11全体のZ方向移動をプッシュし、クロスローラ軸受18-2は、回転支持構成として、三点Z方向精密変位機構11全体の角変位移動を実現する。図2に示すように、角変位機構9は、圧縮ばね17を介してZ方向粗変位回転モータ14上に支持されており、圧縮ばね17によって角変位機構9を支持することで、Z方向粗変位回転モータ14のZ方向静的荷重を軽減することができる。
【0048】
本開示の実施例において、基板キャリア移動システムは、XY方向マクロ移動システム2とZ方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム3とを含み、XY方向マクロ移動システム2は、真空基板キャリア12のX、Y方向における移動を調節するために用いられ、粗変位閉ループシステム8は、XY方向マクロ移動システム2の上面研磨平面上に配置されており、三点設計案を採用し、真空基板キャリア12に対する粗レベリングを実現可能であり、粗変位閉ループシステム8上に支持されている角変位機構9により、三点Z方向精密変位機構11はよりよい微調整性を有し、真空基板キャリア12機構は、最上層に配置され、すべての移動の総和を統合し、最終的にマクロ・マイクロレベリングアライメントを実現する。
【0049】
本開示の実施例によれば、真空基板キャリア12は基板キャリア移動システムによって制御されて位置が調節され、真空基板キャリア12の表面の気流(真空基板キャリアの表面には気流を流通するための複数のスルーホールが設けられる)を調整制御することで、基板32を真空基板キャリア12上に吸着して固定し、かつ気流を制御することで、基板32とマスク板31との間のギャップ距離を調節することができ、異なるフォトリソグラフィモードに適用される。マスクホルダ4は、他の部分と独立して大理石に取り付けられ、引出し式を採用してマスク板31を交換し、マスク板31を固定して露光プロセスを行う。三軸アライメント光路システム5は、二重望遠対物レンズと、三軸対称変位システムと、CCDカメラとを含み、ここで、二重望遠対物レンズは、三軸対称変位システムに取り付けられ、三軸対称変位システムは、二重望遠対物レンズをX軸、Y軸、Z軸方向に沿って変位させるために用いられ、CCDカメラは、基板32とマスク板31とを撮影し、結像をコンピュータに伝送し、コンピュータにマスク板31と前記基板32とが位置合わせしているか否かを判断させるために用いられ、アライメント光路システムは、三軸対称システムを採用してフォトリソグラフィマークを位置合わせし、望遠距対物レンズ調整柔軟性を向上させる。紫外光源システム6は、光路システムの全体を含み、365nm光源Y方向変位伸縮閉ループを採用して露光位置を位置決めして、基板32の露光を実現し、紫外光源システム6はサーボステップ式Y方向移動を採用して、露光領域の光強度の均一性を向上させた。
【0050】
図1を参照して、本開示が提供した多機能フォトリソグラフィ装置の近傍に、さらに制御システムが設けられており、該制御システムは、PLC、電源、ドライバ、スイッチ、配線などを含んでよく、本開示の実施例が提供した多機能フォトリソグラフィ装置における各構成部分を制御するために用いられる。例えば、制御システムは、所定の順序に従って、基板キャリア移動システムにおける各モータを順に制御して、真空基板キャリア12の位置調節を実現し、CCDカメラによりフィードバックされた画像を結合し、位置調節によって、基板32とマスク板31とを位置合わせし、基板32とマスク板31との間の位置が所定条件を満たすと、紫外光源システム6を制御して基板32の露光を実現し、さらにフォトリソグラフィを実現する。制御システムは移動装置に当接して配置され、装置のコンパクト性を向上させる。
【0051】
図5図8は、近接フォトリソグラフィモード、接触フォトリソグラフィモード、TALBOTフォトリソグラフィモード概略図、SPフォトリソグラフィモードの概略図をそれぞれ概略的に示している。
【0052】
図5に示すように、本開示の実施例が提供した多機能フォトリソグラフィ装置は、近接モードフォトリソグラフィ技術を実現可能であり、基板キャリア移動システムによって真空基板キャリア12のマクロ・マイクロ変位レベリング及び上昇距離の決定が実現され、真空基板キャリア12上の基板32とマスク板31とのギャップを制御し、真空基板キャリア12の表面の気流を制御することで、基板32を真空基板キャリア12上に真空吸着して、それにより基板32とマスク板31とのギャップが制御可能であることが確定した。
【0053】
図6に示すように、本開示の実施例が提供した多機能フォトリソグラフィ装置は、接触モードフォトリソグラフィ技術を実現可能であり、調整制御方式が近接モードフォトリソグラフィと類似するが、マスク板31と基板32とが硬性接触した後に、真空基板キャリアの外層シールシステムが起動して、真空基板キャリアの内部を真空にし、この時に基板32が真空基板キャリア12によって真空吸着され、基板32とマスク板31とが密着し、真空環境は基板32とマスク板31との密着露光度を向上させた。
【0054】
図7に示すように、本開示の実施例が提供した多機能フォトリソグラフィ装置は、TALBOTフォトリソグラフィモード技術を実現可能であり、マスク板31上に格子を作り、必要とする領域パターンをフォトレジスト33によって基板32上に転写して、アレイ式パターンを実現する。
【0055】
図8に示すように、本開示の実施例が提供した多機能フォトリソグラフィ装置は、SPフォトリソグラフィモード技術を実現可能であり、基板32、フォトレジスト33の表面にクロム、金、銀などの金属(図8における符号34に示される)をめっきすることで、紫外光の照射でプラズマ共振を発生し、表面プラズマフォトリソグラフィ技術、即ち、SPフォトリソグラフィモード技術を実現する。
【0056】
図1図4を参照して、本開示の実施例の別の実施例は、多機能フォトリソグラフィ装置を提供し、それは、パッシブ防振システム1、XY方向マクロ移動システム2、Z方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム3、マスクホルダ4、三軸アライメント光路システム5、紫外光源システム6、制御システム7、粗変位閉ループシステム8、角変位機構9、角変位リニアモータ10、三点Z方向精密変位機構11、真空基板キャリア機構12、直線ガイドレールずれ止め機構13、Z方向粗変位回転モータ14、第1直線アクチュエータ15-1、第2直線アクチュエータ15-2、三点インクリメンタル格子定規16、圧縮ばね17、クロスローラ軸受18、圧電セラミックモータユニット19、移動底板20、第1直線ガイドレール21-1、第2直線ガイドレール21-2、Y方向移動板22、X方向移動板23、圧電モータ取付アクセサリ24、圧電モータ25、ユニバーサルボールサポータ26、弾性リード27、フランジアダプタ28、基板キャリア支持面29、及び引張ばね30を含む。パッシブ防振システム1は、四つの均一に対称に配置された防振脚及び厚さが200mmの大理石プラットフォームを含み、XY方向マクロ移動システム2の底層は移動底板20であり、パッシブ防振システム1上に配置され、移動底板20の取付面上に第1直線ガイドレール21-1が配置されてY方向移動板22の担持を実現し、第1直線アクチュエータ15-1によってY方向移動板22をプッシュしてY方向マクロ変位を実現し、Y方向移動板22の取付平面に第2直線ガイドレール21-2が取り付けられてX方向移動板23を担持し、Y方向移動板22上に配置された第2直線アクチュエータ15-2はX方向移動板23をプッシュしてX方向マクロ変位を実現し、Z方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム3は基板キャリアに基板を配置してマスク板マークと位置合わせすることを実現し、粗変位閉ループシステム8を含んでXY方向マクロ移動システム2上に配置され、三点直線ガイドレールずれ止め機構13はZ方向粗変位回転モータ14が回転カムでZ方向変位のみを出力することを確保し、三点インクリメンタル格子定規16はZ方向実際移動変位を読み取って、Z方向粗変位回転モータ14の閉ループ制御を実現し、圧縮ばね17は圧縮ばねによって角変位機構9を支持して、Z方向粗変位回転モータ14のZ方向静的荷重を軽減し、角変位リニアモータ10は三点Z方向精密変位機構11全体を移動させるようにプッシュして、クロスローラ軸受18を回転支持構成として、三点Z方向精密変位機構11の全体角変位移動を実現し、圧電セラミックモータユニット19は圧電モータ取付アクセサリ24と圧電モータ25との二つの部分からなり、全体が三点Z方向精密変位機構11上に取り付けられ、三点圧電モータ25はボールヘッドを介してユニバーサルボールサポータ26に接続されて取り付けられ、圧電モータ25の上下接続板は引張ばね30を採用して、圧電モータ25の微力受け復路を実現し、弾性リード27は三点が圧電モータ25に固定し接続され、中心フランジが基板キャリア支持面29の下平面に接続されて、真空基板キャリア機構12全体の均一なリバウンドを実現する。真空基板キャリア機構12は、多気孔方式を採用して基板の吸着及びエアブローを完了し、マスクホルダ4は引き出し式固定マスク挟持方式を採用し、三点手動ノブはマスク板を固定し、三軸アライメント光路システム5は三軸対称変位システム、二重望遠対物レンズ、CCDカメラ、及び全体光路システムを含み、二重望遠対物レンズは三軸対称変位システムに取り付けられてアライメント対物レンズのXYZ方向変位を実現し、CCDカメラによってPC端に結像し、マスク板と基板とのマークアライメントに対する判断を実現し、紫外光源システム6は光路システム全体を含み、365nm光源Y方向変位伸縮閉ループを採用して露光位置を位置決めして、基板露光効果を実現し、制御システム7は本装置の制御を実現するために用いられる。
【0057】
図1を参照して、本開示の実施例によれば、パッシブ防振システム1、XY方向マクロ移動システム2、Z方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム3、マスクホルダ4、三軸アライメント光路システム5、紫外光源システム6、制御システム7は、装置全体を構成し、装置全体制御システム7も装置全体と一体に配置され、且つ露光機能が多様であり、接触モード、近接モード、TALBOTフォトリソグラフィモード、SPフォトリソグラフィモードという4種類の露光形態を含む。制御システム7は、PLC、電源、ドライバ、スイッチ、配線という本装置のすべての回路システムを含み、装置全体の完備を実現した。
【0058】
本開示の実施例によれば、第1直線アクチュエータ15-1の固定子を移動底板20に取り付け、可動子をY方向移動板22に取り付けて、第1直線ガイドレール21-1の摩擦ガイドによってY方向移動板22のY方向移動を実現し、同様な方式で、第2直線アクチュエータ15-2の固定子をY方向移動板22に取り付け、可動子をX方向移動板23に取り付けて、第2直線ガイドレール21-1によってX方向移動板23のX方向移動を実現する。
【0059】
本開示の実施例によれば、基板キャリア移動システムは、XY方向マクロ移動システム2、Z方向マクロ・マイクロ三点レベリングシステム3を含み、第1直線アクチュエータ15-1、第2直線アクチュエータ15-2、及び第1直線ガイドレール21-1、第2直線ガイドレール21-2を用いて構築して、XY方向変位を完了し、粗変位閉ループシステム8はXY方向マクロ移動システム2の上面研磨面に配置され、三点設計案を採用して、基板キャリアの粗レベリングを実現し、粗変位閉ループシステム8、支持角変位機構9により、三点Z方向精密変位機構11がよりよい微調整性を有し、真空基板キャリア機構12は最上層に配置され、すべての移動の総和を統合し、最終的に四軸マクロ・マイクロレベリングアライメント機能を実現する。
【0060】
本開示の実施例によれば、粗変位閉ループシステム8は、直線ガイドレールずれ止め機構13、Z方向粗変位回転モータ14、三点インクリメンタル格子定規16、圧縮ばね17、及びカム取付ユニットを含み、Z方向粗変位回転モータ14の回転によってカム移動させ、カムの不均一な回転によって、角変位機構9の平面高さが変化し、直線ガイドレールずれ止め機構13は三点の上昇高さの差異が大きすぎて機構が破損することを防止し、三点インクリメンタル格子定規16によって三点のモータのZ方向高さの差をそれぞれ記録し、角変位機構9の水平を調整するように制御し、直線ガイドレールずれ止め機構13のカムが下降過程に入り、圧縮ばねが全体の重量を受けて、カムの疲労損傷を回避する。
【0061】
本開示の実施例によれば、角変位機構9は、角変位リニアモータ10の固定子をクロスローラ軸受18の外輪取付板に固定し、可動子を三点Z方向精密変位機構11に固定して、三点Z方向精密変位機構11はクロスローラ軸受18の内輪ねじに接続され、角変位リニアモータ10により三点Z方向精密変位機構11をプッシュしてクロスローラ軸受18の中心を回転軸とする小角度回転を実現し、真空基板キャリア機構12は、XYθ変位及びZ方向粗変位・精密変位調整レベリングが可能になる。
【0062】
本開示の実施例によれば、圧電モータ取付アクセサリ24は圧電モータ25を固定し、圧電モータ25の先端はユニバーサルボールを採用してユニバーサルボールサポータ26に接続され、弾性リード27により精密変位部分の弾性収縮を実現し、弾性リード27はフランジアダプタ28により基板キャリア支持面29の中心に接続され、真空基板キャリア機構12の安定なZ方向精密変位移動を実現する。
【0063】
当業者であれば理解されるように、本発明の各実施例及び/又は請求の範囲に記載の特徴は、本発明に明確に記載されていない、様々な組み合わせ又は/又は結合を行うことができる。特に、本発明の精神及び教示から逸脱することなく、本発明の各実施例及び/又は請求の範囲に記載の特徴は、様々な組み合わせ及び/又は結合を行うことができる。これらの組み合わせ及び/又は結合は、全て本発明の範囲に属するものとする。
【0064】
本発明の特定の例示的な実施例を参照して本発明を示して説明したが、当業者であれば理解されるように、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって限定された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の形態及び細部について様々な変更を行うことができる。したがって、本発明の範囲は、上記実施例に限定されるものではなく、添付の請求の範囲だけでなく、添付の請求の範囲の等価物によって限定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8