(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-07
(45)【発行日】2024-06-17
(54)【発明の名称】マルチチャネルスプリッタスプール
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240610BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240610BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/31 C
H01L21/302 101B
(21)【出願番号】P 2021545490
(86)(22)【出願日】2020-01-21
(86)【国際出願番号】 US2020014428
(87)【国際公開番号】W WO2020163074
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2023-01-16
(32)【優先日】2019-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】カマス, サンジャイ
(72)【発明者】
【氏名】パディ, ディーネッシュ
(72)【発明者】
【氏名】バルマン, アルカジット ロイ
(72)【発明者】
【氏名】ムチャラ, マドゥー サントシュ クマール
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-054655(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0084848(US,A1)
【文献】特開2009-277890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスチャンバ用のガスラインのシステムであって、
第1の直径を有する第1のガスライン、
前記第1のガスラインに結合された複数の第2のガスラインを有するスプールであって、前記複数の第2のガスラインの各々が第2の直径を有する、スプール、
前記スプールを囲む
第1のヒータジャケット
、及び
前記複数の第2のガスラインの各々を囲む第2のヒータジャケットを備え、
前記第1の直径は前記第2の直径よりも大きい、システム。
【請求項2】
前記第1の直径は、前記第2の直径のサイズの少なくとも2倍である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の直径は、前記第2の直径のサイズの少なくとも3倍である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の第2のガスラインは、長さが
15インチと
30インチとの間である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
プロセスチャンバにガスを供給するためのガスラインのシステムであって、
第1のガスを移送するように構成された、第1の直径を有する第1のガスライン、
前記第1のガスラインに結合された複数の第2のガスラインを有するスプールであって、前記複数の第2のガスラインの各々が、前記第1のガスを移送するように構成され、前記複数の第2のガスラインの各々が第2の直径を有する、スプール、
第2のガスを移送するように構成された第3のガスライン、
第1の接合部で前記スプールに結合され、第2の接合部で前記第3のガスラインに結合された第4のガスライン、並びに
前記スプールを囲む
第1のヒータジャケット
、前記複数の第2のガスラインの各々を囲む第2のヒータジャケット、前記第3のガスラインを囲む第3のヒータジャケット、及び前記第4のガスラインを囲む第4のヒータジャケット、を備え、
前記第2の直径は前記第1の直径よりも小さく、
前記
第2のヒータジャケット
、前記第3のヒータジャケット、及び前記第4のヒータジャケットのそれぞれは、実質的に同様な温度で、前記複数の第2のガスライン、前記第3のガスライン、及び前記第4のガスラインを加熱するように構成されている、システム。
【請求項6】
前記
第1のヒータジャケットは、前記スプール
を摂氏
175度に加熱するように構成され
、前記第4のヒータジャケットは、前記第4のガスラインを摂氏175度に加熱するように構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のガスが15L/分を超える流量で前記第1のガスラインを通って流れるよう、前記第1のガスを前記第1のガスラインに供給するように構成された第1のガス源を更に備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のガスが25L/分を超える流量で前記第1のガスラインを通って流れるよう、前記第1のガスを前記第1のガスラインに供給するように構成された第1のガス源を更に備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のガスラインに結合され、前記第1のガスを供給するように構成された第1のガス源を更に備え、前記第1のガスはO
2である、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
前記第3のガスラインに結合され、前記第2のガスを供給するように構成された第2のガス源を更に備え、前記第2のガスはTEOSである、請求項5に記載のシステム。
【請求項11】
半導体基板を処理するためのシステムであって、
プロセスチャンバ、
第1のガスを移送するように構成された、第1の直径を有する第1のガスライン、
前記第1のガスラインに結合された複数の第2のガスラインを有するスプールであって、前記複数の第2のガスラインの各々が、前記第1のガスを移送するように構成され、前記複数の第2のガスラインの各々が第2の直径を有する、スプール、
第2のガスを移送するように構成された第3のガスライン、
第1の接合部で前記スプールに結合され、第2の接合部で前記第3のガスラインに結合され、第3の接合部で前記プロセスチャンバに結合された第4のガスライン、並びに
前記スプール
を囲む
第1のヒータジャケット
、前記複数の第2のガスラインの各々を囲む第2のヒータジャケット、前記第3のガスラインを囲む第3のヒータジャケット、及び前記第4のガスラインを囲む第4のヒータジャケット、を備え、
前記第2の直径は前記第1の直径よりも小さく、
前記
第2のヒータジャケット
、前記第3のヒータジャケット、及び前記第4のヒータジャケットのそれぞれは、実質的に同様な温度で、前記複数の第2のガスライン、前記第3のガスライン、及び前記第4のガスラインを加熱するように構成されている、システム。
【請求項12】
前記第1の直径は、前記第2の直径のサイズの少なくとも2倍である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記
第1のヒータジャケットは、前記スプール
を摂氏
175度に加熱するように構成され
、前記第4のヒータジャケットは、前記第4のガスラインを摂氏175度に加熱するように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1のガスが15L/分を超える流量で前記第1のガスラインを通って流れるよう、前記第1のガスを前記第1のガスラインに供給するように構成された第1のガス源を更に備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のガスが25L/分を超える流量で前記第1のガスラインを通って流れるよう、前記第1のガスを前記第1のガスラインに供給するように構成された第1のガス源を更に備える、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本明細書で説明される実施形態は、広くは、半導体プロセスチャンバ内で使用されるガスラインシステムに関し、特に、半導体プロセスチャンバ内で使用されるマルチチャネルスプリッタスプールを備えたガスラインシステムに関する。
【0002】
[0002] 半導体デバイスが非常に小さい技術プロセスノードに進化し、メモリデバイス内の層の数が増加するにつれて、粒子仕様(particle specification)は、各ノードでより厳しくなってきた。更に、半導体デバイスの処理中のかなりのプロセスオーバヘッドは、RF/プラズマを印加しない流入ガス流を含む。したがって、流入ガス流が粒子仕様の範囲内であることが重要である。
【0003】
[0003] 酸化ケイ素(SiO2)などの化合物の堆積は、面板上の電極と半導体プロセスチャンバのペデスタルとの間に印加されるRFバイアスの存在下で、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)などのガスと酸素(O2)との反応を含み得る。ガス源から堆積チャンバへのTEOSおよびO2の移送中に、ガスはそれぞれ、別個の加熱ガスラインを通って流れ、最終的には、プロセスチャンバに入る前に、更なる別個のガスラインで遭遇して合流する。ガスライン内の圧力は、プロセスチャンバ内の圧力よりもはるかに高くなる。ガスライン内で観察されるより高い圧力条件下では、過剰な量のO2を流すと、O2ガスの加熱が不十分になることが多い。したがって、より冷たいO2ガスがガスライン内の加熱されたTEOSガスと合流すると、ガスライン内で凝縮が起こり、最終的には、低温及び高圧でのTEOSとO2との間の気相反応に起因する粒子生成が生じる。
【0004】
[0004] 従来のガスラインは、ヒータジャケットにより加熱される。しかし、従来のヒータジャケットにおける制限のために、ヒータジャケットは、より大量のO2が流されるときに、凝縮及びその結果としての粒子の生成が生じることを防止するために必要な加熱の量を提供しない。より良い応力、屈折率、及びより高い堆積速度のために、幾つかのプロセス用途では、より大量のO2が必須である。
【0005】
[0005] したがって、プロセスチャンバに入る前にガスを十分に加熱するガスラインシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本明細書で説明される1以上の実施形態は、広くは、処理チャンバ用のガスラインのシステム、及び半導体基板を処理するためのシステムに関する。
【0007】
[0007] 一実施形態では、プロセスチャンバ用のガスラインのシステムが、第1の直径を有する第1のガスライン、第1のガスラインに結合された複数の第2のガスラインを有するスプールであって、複数の第2のガスラインの各々が第2の直径を有する、スプール、及び、スプールを囲むヒータジャケットを含み、第1の直径は第2の直径よりも大きい。
【0008】
[0008] 別の一実施形態では、プロセスチャンバにガスを供給するためのガスラインのシステムが、第1のガスを移送するように構成された第1の直径を有する第1のガスライン、第1のガスラインに結合された複数の第2のガスラインを有するスプールであって、複数の第2のガスラインの各々が、第1のガスを移送するように構成され、複数の第2のガスラインの各々が第2の直径を有するスプール、第2のガスを移送するように構成された第3のガスライン、第1の接合部でスプールに結合され、第2の接合部で第3のガスラインに結合された第4のガスライン、並びに、スプール、第3のガスライン、及び第4のガスラインを囲むヒータジャケットを含み、第2の直径は第1の直径よりも小さく、ヒータジャケットは、実質的に同様な温度で、複数の第2のガスライン、第3のガスライン、及び第4のガスラインを加熱するように構成される。
【0009】
[0009] 別の一実施形態では、半導体基板を処理するためのシステムが、プロセスチャンバ、第1のガスを移送するように構成された第1の直径を有する第1のガスライン、第1のガスラインに結合された複数の第2のガスラインを有するスプールであって、複数の第2のガスラインの各々が、第1のガスを移送するように構成され、複数の第2のガスラインの各々が第2の直径を有するスプール、第2のガスを移送するように構成された第3のガスライン、第1の接合部でスプールに結合され、第2の接合部で第3のガスラインに結合され、第3の接合部でプロセスチャンバに結合された第4のガスライン、並びに、スプール、第3のガスライン、及び第4のガスラインを囲むヒータジャケットを含み、第2の直径は第1の直径よりも小さく、ヒータジャケットは、実質的に同様な温度で、複数の第2のガスライン、第3のガスライン、及び第4のガスラインを加熱するように構成される。
【0010】
[0010] 上述の本開示の特徴を詳細に理解し得るように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって得られ、一部の実施形態は、付随する図面に例示されている。しかし、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示し、したがって、本開示は、他の等しく有効な実施形態を認めることができるので、本開示の範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[0011] 本開示で説明される少なくとも1つの実施形態による、半導体基板を処理するためのプロセスチャンバの概略断面図である。
【
図2A】[0012] 本開示で説明される少なくとも1つの実施形態による、
図1で示されているガスラインシステムの概略断面図である。
【
図2B】[0013] 本開示で説明される少なくとも1つの実施形態による、
図1で示されているガスラインシステムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0014] 以下の記載では、本開示の実施形態のより完全な理解をもたらすために、多数の具体的な詳細が提示されている。しかしながら、当業者には、これらの具体的な詳細のうちの1以上がなくても、本開示の実施形態のうちの1以上を実施することが可能であることが明白であろう。他の事例では、本開示の実施形態のうちの1以上を不明瞭にしないために、周知の機能は説明されていない。
【0013】
[0015] 本明細書で説明される実施形態は、広くは、マルチチャネルスプリッタスプールを有するガスラインシステムに関する。これらの実施形態では、ガスラインシステムが、第1のガスを供給するように構成された第1のガスラインを含む。第1のガスラインは、第1のガスがその中に流入する複数の第2のガスラインを有するマルチチャネルスプリッタスプールに結合される。複数の第2のガスラインのそれぞれは、第1のガスラインの容積よりも小さい容積を有することになる。より小さい第2のガスラインは、ヒータジャケットによって巻かれることになる。第2のガスラインの容積が小さいので、O2などの第1のガスが第2のガスラインを通って流れるときに、ヒータジャケットは第1のガスを十分に加熱することになる。
【0014】
[0016] 幾つかの実施形態では、更なる第3のガスラインが、TEOSなどの第2のガスを供給するように構成される。次いで、第2のガスは、第3のガスラインとスプールとの両方に結合された第4のガスライン内で第1のガスと合流する。第2のガスライン、第3のガスライン、及び第4のガスラインのそれぞれは、ヒータジャケットによって囲まれる。複数の第2のガスラインの設計は、ヒータジャケットが第1のガスを第2のガスと実質的に同様な温度まで加熱するように設計される。したがって、第1のガスと第2のガスとが、第4のガスライン内で合流するときに、第1のガスは、2つのガスの交差部分で第2のガスを冷却しない。第1及び第2のガスが実質的に同様な温度を有するので、第1及び第2のガスが合流する第4のガスライン内で凝縮が防止され、従来のガスラインシステム内で生じる凝縮誘起粒子欠陥(condensation induced particle defect)が排除される。
【0015】
[0017]
図1は、本開示で説明される少なくとも1つの実施形態による、半導体基板を処理するためのプロセスチャンバ100の概略断面図である。プロセスチャンバ100は、閉じた減圧を生成するために、上壁102、側壁104、及び下壁106を含む。基板支持体108が、プロセスチャンバ100内に配置される。基板支持体108は、基板支持体108の上面に配置され得る基板110を支持する。幾つかの実施形態では、基板110が、シリコン(Si)から作製され得るが、他の同様な材料から作製されてもよい。基板支持体108は、電源112を使用して加熱され得る。以下の
図2A~
図2Bでより詳細に説明されるガスラインシステム114は、シャワーヘッド116の近くの上壁102を通してプロセスチャンバ100の中にガスを流入させるように構成される。シャワーヘッド116は、上壁102から下方に配置され、プロセス領域118に入る前にガスの流量と分布とを制御するように設計される。プロセス領域118は、シャワーヘッド116と基板支持体108との間に位置付けられる。ガスは、プロセス領域118内でプラズマ状態に励起され、そこで堆積して、基板110上に1以上の層を形成する。
【0016】
[0018]
図2Aは、本開示で説明される少なくとも1つの実施形態による、
図1で示されているガスラインシステム114の概略断面図であり、
図2Bはその斜視図である。ガスラインシステム114は、第1のナット222によってスプール200に結合された第1のガスライン202を含む。この実施形態では、第1のナット222を結合用に使用しているが、本明細書で説明される実施形態では、他の結合手段を使用することもできる。スプール200は、複数の第2のガスライン205を含む。第1のガスライン202は、例えば、約16.5インチの長さであり得るが、他の長さが使用されてもよい。第2のガスライン205は、例えば、約15インチと約30インチとの間の長さであり得るが、他の長さが使用されてもよい。第1のガスは、第1のガス源204から第1のガスライン202の中に流入する。第1のガスは、15L/分を超える流量で流すことができ、幾つかの実施形態では、25L/分を超える流量で流すことができる。本明細書の実施形態で説明されるようなガスラインシステム114の設計は、例えば、粒子の生成を起こすことなしに、使用されるO
2ガスのより大きな流量を可能にする。より大きな流量は、そのより良い応力、屈折率、及びより高い堆積速度のために、幾つかのプロセス用途での使用により良い。その後、第1のガスは、第1のガスライン202からスプール200の複数の第2のガスライン205の中に流入する。第1のガスの流れは、
図2Aの矢印で示される第1の移動経路206によって示されている。第1のガスはO
2であってよいが、他の同様なガスをガスラインシステム114内で使用することができる。更に、スプール200は、
図2A~
図2Bにおいて3つの第2のガスライン205に分割されているが、スプール200は、他の数の第2のガスライン205に分割されてもよい。
【0017】
[0019] 第1のガスライン202は、第1の直径214(すなわち、内径)を有し、第2のガスライン205は、それぞれ、第2の直径216(すなわち、内径)を有する。第1の直径214は、第2の直径216よりも大きい。幾つかの実施形態では、第1の直径214が、第2の直径216のサイズの少なくとも2倍である。他の実施形態では、第1の直径214が、第2の直径216のサイズの少なくとも3倍である。例えば、一実施形態では、第1の直径214が約0.4インチであり、第2の直径216が約0.18インチである。第2の直径216の小さい直径は、第1のガスライン202の容積と比較して、第2のガスライン205のより小さい容積を生成する。第2のガスライン205の容積が小さいため、第1のガスが第2のガスライン205を通って流れるときに、第2のガスライン205は、第1のガスを十分に加熱し、第1のガスを所望の高温に維持することができる。ヒータジャケット228が、スプール200及び第2のガスライン205の周囲に巻かれ、第2のガスライン205に熱を提供する。ヒータジャケット228は、第2のガスライン205を摂氏約175度(℃)の温度まで加熱することができるが、他の温度まで加熱することも可能である。
【0018】
[0020] ガスラインシステム114は、第3のガスライン218を含む。第2のガスが、第2のガス源208から第3のガスライン218の中に流入する。第1のガスライン202と同様に、第3のガスライン218は、約0.4インチの直径及び約16.5インチの長さを有し得るが、他の直径及び長さが使用されてもよい。第2のガスの流れは、
図2Aの矢印で示される第2の移動経路210によって示されている。第2のガスはTEOSであってよいが、他の同様なガスが、ガスラインシステム114内で使用されてもよい。ヒータジャケット228は、上述の第2のガスライン205と同様のやり方で、第3のガスライン218の周囲に巻かれてよい。ヒータジャケット228は、第3のガスライン218を摂氏約175度(℃)の温度まで加熱することができるが、他の温度まで加熱することも可能である。したがって、第3のガスライン218の温度は、第2のガスライン205と実質的に同様な温度に加熱することができ、第2のガスが第1のガスと実質的に同様な温度に加熱されることになる。例えば、各ガスは、許容可能な誤差範囲(例えば、+/-15℃)内で約175℃に加熱されてよい。
【0019】
[0021] ガスラインシステム114は、第4のガスライン212を含む。第4のガスライン212は、第1の接合部232でスプール200に結合され、第2の接合部234で第3のガスライン218に結合される。第4のガスライン212は、一端が第2のナット224によってスプール200に結合されているが、本明細書で説明される実施形態では、他の結合手段が使用されてもよい。第4のガスライン212は、もう一つの端部が、第3の接合部236でプロセスチャンバ100に結合される。第1のガス及び第2のガスは、第4のガスライン212の中に流入する。第4のガスライン212内では、第1のガスと第2のガスとが混合領域230において合流する。
【0020】
[0022] 上述のように、第2のガスライン205は、第3のガスライン218と実質的に同様な温度で加熱される。したがって、第1のガスと第2のガスとが、第4のガスライン212内で合流すると、第1のガスは、混合領域230内の2つのガスの交差部分で第2のガスを冷却しない。第1及び第2のガスの実質的に同様な温度により、第4のガスライン212の混合領域230内での凝縮が防止される。ヒータジャケット228は、上述の第2のガスライン205及び第3のガスライン218と同様なやり方で、第4のガスライン212の周囲に巻かれてよい。ヒータジャケット228は、第4のガスライン212を摂氏約175度(℃)の温度まで加熱することができるが、他の温度まで加熱することも可能である。したがって、第4のガスライン212も、第2のガスライン205及び第3のガスライン218と実質的に同様な温度に加熱され、従来のガスラインシステムで生じる凝縮誘起粒子欠陥を排除する。
【0021】
[0023] その後、混合された第1のガス及び第2のガスは、第4のガスライン212から第3の接合部236でプロセスチャンバ100の中に流入する。混合領域230とプロセスチャンバ100の上壁102(
図1)との間の全長は、約33インチ、又は他のより短い長さであってよい。第4のガスライン212は、約0.4インチの直径を有し得るが、他の同様な直径が使用されてもよい。混合ガスの流れは、
図2Aの矢印で示される第3の移動経路220によって示されている。混合ガスの流量は、第1のガスライン202を通る流量と実質的に同様な流量であってよい。幾つかの実施形態では、第4のガスライン212を通る混合ガスの流量が、例えば、15L/分を超えてよい。他の実施形態では、第4のガスライン212を通る混合ガスの流量が、例えば、25L/分を超えてよい。混合ガスがプロセスチャンバ100の中に流入した後で、それらを堆積させて、基板110(
図1)上に(1以上の)層を形成することができる。第1のガスライン202、第2のガスライン205、第3のガスライン218、及び第4のガスライン212は、それぞれステンレス鋼から作製することができるが、他の同様な材料が使用されてもよい。
【0022】
[0024] 以上の説明は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱せずに本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって規定される。