(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】シート材供給部、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 1/00 20060101AFI20240611BHJP
B65H 1/04 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
B65H1/00 501A
B65H1/04 324
(21)【出願番号】P 2020036672
(22)【出願日】2020-03-04
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(72)【発明者】
【氏名】中村 和音
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-114997(JP,A)
【文献】特開2000-118727(JP,A)
【文献】特開平06-227678(JP,A)
【文献】特開2012-180184(JP,A)
【文献】特開2008-133083(JP,A)
【文献】特開2014-005145(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0239763(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00- 3/68
B65H 7/00- 7/20
B65H 43/00- 43/08
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置のシート材供給部であって、
シート材が積載される積載部材と、
前記積載部材にスライド可能に取り付けられ、前記積載部材に積載された前記シート材端部の位置を規制する規制部材と、
前記シート材のサイズを検知する検知手段と、を備え、
前記検知手段が、
前記規制部材に回動可能に取り付けられ、その一部が前記規制部材の前記シート材に対向する対向面から前記シート材側に突出した状態と、前記対向面と前記シート材とが接触することで前記一部が前記シート材に押し込まれて前記規制部材内に没入した状態と、に亘って変位する接触部材と、
前記一部を前記シート材側に突出させるように前記接触部材を付勢する付勢部材と、
前記接触部材に取り付けられた導電部材と、
前記積載部材内に設置されかつ前記規制部材のスライド方向に並べられた複数の電極と、を備え、
前記検知手段は、前記複数の電極を用いて前記導電部材の変位を検知することにより、前記対向面と前記シート材との接触、及び、前記対向面と前記シート材とが接触した際の前記規制部材の位置を検知し、これらの検知に基いて前記シート材のサイズを検知する
ことを特徴とするシート材供給部。
【請求項2】
前記検知手段は、前記導電部材と前記複数の電極との間の静電容量の変化に基いて前記導電部材の変位を検知する
ことを特徴とする請求項1に記載のシート材供給部。
【請求項3】
前記対向面と前記シート材とが接触した状態で、前記導電部材と前記複数の電極とが最も近接し、前記導電部材の近接面と前記複数の電極とが平行になる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシート材供給部。
【請求項4】
前記対向面と前記シート材とが接触した状態で、前記導電部材と前記複数の電極の何れかが接触するとともに前記接触部材が弾性変形している
ことを特徴とする請求項1に記載のシート材供給部。
【請求項5】
前記規制部材に前記接触部材が複数取り付けられている
ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のシート材供給部。
【請求項6】
前記検知手段が前記シート材のサイズを検知しない限り、前記シート材の供給を開始しない
ことを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載のシート材供給部。
【請求項7】
前記検知手段が前記シート材のサイズを検知できない場合に、その旨を示す
ことを特徴とする請求項1~6の何れか1項に記載のシート材供給部。
【請求項8】
請求項1~7の何れか1項に記載のシート材供給部を備えた
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置のシート材供給部に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置のシート材供給部において、積載されたシート材のサイズを自動検知する技術が既に知られている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2016-065849号公報)には、画像形成装置の手差しトレイ(シート材供給部)に積載された用紙のサイズを自動検知する技術が開示されている。
図11,12は、特許文献1の手差しトレイにおける用紙サイズ検知機構を示す図である。
【0004】
図11の手差しトレイ290に用紙をセットすると、図示しない用紙セットセンサによる検知に応じてモータが駆動され、モータの駆動に応じて駆動ピニオンギア293が回転する。駆動ピニオンギア293の回転によってラック294が図中右から左に向かって移動し、ラック294と一体となっているサイドフェンス291も図中右から左に向かって移動する。
【0005】
ラック294が移動することにより、駆動ピニオンギア293とは反対側に設けられた中間ピニオンギア295が回転し、中間ピニオンギア295の回転によってラック296が図中左から右に向かって移動し、ラック296と一体となっているサイドフェンス292も図中左から右に向かって移動する。
【0006】
サイドフェンス291,292には、用紙端部検知センサが内蔵されている。サイドフェンス291,292が手差しトレイの中央に向かって両側から移動し、用紙の端部に接触すると、用紙端部検知センサによる検知に応じて駆動ピニオンギア293の回転が停止し、ラック294,296及びサイドフェンス291,292の移動も停止する。
【0007】
上記用紙サイズ検知機構は、上述したように移動停止したラック296の位置を検知することにより用紙サイズを検知する。そのため、ラック296及び手差しトレイ290の本体には、用紙サイズ検知部300が設けられている。用紙サイズ検知部300は、
図12に示すように、ラック296に取り付けられたターゲット部材303と、手差しトレイ290の本体に固定された磁束センサ301と、を含む。また、磁束センサ301の表面には、平面パターンコイル302が形成されている。
【0008】
用紙サイズ検知部300は、ラック296の位置に応じて平面パターンコイル302に対向するターゲット部材303の面積が変化するように構成されており、この仕組みによりインダクタンスが変化し、磁束センサ301の出力信号として、ラック296の位置に応じた周波数の信号が得られる。即ち、用紙サイズ検知部300は、検知対象の用紙サイズに応じた周波数の信号を出力する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように、特許文献1の用紙サイズ検知機構においては、用紙とサイドフェンス291,292との接触を検知する用紙端部検知センサと、移動停止したラック296の位置を検知する用紙サイズ検知部300との2種類のセンサを使用するため、部品点数が多くなり、コストが高くなるという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、画像形成装置のシート材供給部において、シート材サイズ検知手段の構成を簡素化し、コストを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するために、本発明は、画像形成装置のシート材供給部であって、シート材が積載される積載部材と、前記積載部材にスライド可能に取り付けられ、前記積載部材に積載された前記シート材端部の位置を規制する規制部材と、前記シート材のサイズを検知する検知手段と、を備え、前記検知手段が、前記規制部材に回動可能に取り付けられ、その一部が前記規制部材の前記シート材に対向する対向面から前記シート材側に突出した状態と、前記対向面と前記シート材とが接触することで前記一部が前記シート材に押し込まれて前記規制部材内に没入した状態と、に亘って変位する接触部材と、前記一部を前記シート材側に突出させるように前記接触部材を付勢する付勢部材と、前記接触部材に取り付けられた導電部材と、前記積載部材内に設置されかつ前記規制部材のスライド方向に並べられた複数の電極と、を備え、前記検知手段は、前記複数の電極を用いて前記導電部材の変位を検知することにより、前記対向面と前記シート材との接触、及び、前記対向面と前記シート材とが接触した際の前記規制部材の位置を検知し、これらの検知に基いて前記シート材のサイズを検知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、積載部材内に設置された複数の電極を用いて導電部材の変位を検知することにより、規制部材の対向面とシート材との接触、及び、対向面とシート材とが接触した際の規制部材の位置を検知し、これらの検知に基いてシート材のサイズを検知するので、検知手段の構成を簡素化でき、コストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施形態にかかる画像形成装置の概略構成図である。
【
図2】
図1の手差しトレイ(シート材供給部)の平面図である。
【
図4】
図3の規制部材が用紙に近付き、接触部材が用紙の端部に接触した状態を示す図である。
【
図5】
図4の規制部材がさらに近付いて用紙の端部に接触し、接触部材が用紙に押し込まれて規制部材内に没入した状態を示す図である。
【
図7】
図5のセンサによる検知パターンと用紙サイズとの対応関係を示す表である。
【
図8】本発明の第2の実施形態にかかる手差しトレイの模式図である。
【
図9】
図8の規制部材が用紙に近付き、接触部材が用紙の端部に接触した状態を示す図である。
【
図10】
図9の規制部材がさらに近付いて用紙の端部に接触し、接触部材が用紙に押し込まれて規制部材内に没入した状態を示す図である。
【
図11】従来の手差しトレイにおける用紙サイズ検知機構を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の第1の実施形態にかかる画像形成装置及びシート材供給部を、
図1~7を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる画像形成装置の概略構成図である。
図1に示す画像形成装置100は、電子写真方式の画像形成装置であり、装置本体11と、装置本体11の側面に設けられた「シート材供給部」としての手差しトレイ10と、を備えている。
【0016】
手差しトレイ10は、
図2に示すように、「シート材」としての用紙2が積載される積載部材1と、用紙セットセンサ8と、積載部材1にスライド可能に取り付けられ、積載部材1に積載された用紙2の端部の位置を規制する一対の規制部材3a,3bと、一対の規制部材3a,3bをスライドさせる不図示の移動機構と、用紙2のサイズを検知する検知手段9と、を備えている。
【0017】
図2中の矢印Bは、手差しトレイ10にセットされる用紙2の装置本体11側への搬送方向を示している。
図2中の矢印Cは、一対の規制部材3a,3bのスライド方向を示している。矢印Bと矢印Cは互いに垂直である。
【0018】
積載部材1は、中空の板状に形成されており、その上面に用紙2を位置付ける。
【0019】
用紙セットセンサ8は、積載部材1の上面に用紙2が置かれ、かつ、この用紙2の搬送方向先端部が所定位置に位置付けられたことを検知するセンサである。
【0020】
一対の規制部材3a,3bは、積載部材1の上面から板状に立設しており、互いに対向配置されている。一対の規制部材3a,3bは、互いに近づく方向及び互いに離れる方向にスライド可能に設けられているとともに、用紙2の搬送方向(矢印B)と直交する方向(矢印C)にスライドする。一対の規制部材3a,3bは、用紙2の対辺にそれぞれ当接して互いの間に用紙2を挟み付けることで、用紙2を搬送直交方向に対して適正位置に位置付ける。また、各規制部材3a,3bの用紙2に対向する面を「対向面」と呼称し、符号31を付す(
図3参照)。対向面31は、積載部材1の上面に対し垂直な平面である。
【0021】
上記移動機構は、用紙セットセンサ8が用紙2の搬送方向先端部を検知することで、一対の規制部材3a,3bを用紙2に向かってスライド開始させる。また、移動機構は、後述する検知手段9が一対の規制部材3a,3bの対向面31と用紙2との接触を検知することで、一対の規制部材3a,3bのスライドを停止させる。
【0022】
検知手段9は、
図2~5に示すように、一対の規制部材3a,3bそれぞれに回動可能に取り付けられた接触部材5と、各接触部材5を付勢する付勢部材6と、接触部材5それぞれに取り付けられた導電部材7と、規制部材3a側の導電部材7の変位を検知するセンサ4aと、規制部材3b側の導電部材7の変位を検知するセンサ4bと、を備えている。
【0023】
なお、
図3~5には、一方の規制部材3a、接触部材5、付勢部材6、導電部材7、センサ4aのみが示され、他方の規制部材3b、接触部材5、付勢部材6、導電部材7、センサ4bが示されていないが、これら一方の部材と他方の部材とは対称構成であるため、代表して一方の部材について説明する。
【0024】
接触部材5は、絶縁性の合成樹脂で構成されており、
図3に示すように、第1板部51と第2板部52とが略直角に交わったL字状に形成されている。規制部材3aは、第1板部51を収容するための対向面31から凹に形成された凹部を有している。第1板部51は、この凹部に収容されており、第2板部52から離れた端部が回動軸50によって規制部材3aに回動可能に取り付けられている。第2板部52は、積載部材1の内部空間に収容されている。また、積載部材1の上面には、第2板部52を通すためのスリットが形成されている。このような接触部材5は、第1板部51の一部が対向面31から用紙2側に突出した状態(
図3)と、第1板部51の前記一部が凹部内に没入した状態(
図5)と、に亘って変位する。
【0025】
付勢部材6は、第1板部51の一部を用紙2側に突出させるように接触部材5を付勢している。これにより、接触部材5は、自然状態で第1板部51の一部が対向面31から用紙2側に突出した状態となっている。また、接触部材5は、規制部材3aが用紙2に近付いて対向面31が用紙2に接触する際、第1板部51の前記一部が用紙2に押し込まれることにより、前記凹部内に没入した状態に変位する。
【0026】
導電部材7は、第2板部52の第1板部51から離れた端部に取り付けられている。
【0027】
センサ4aは、静電容量センサであり、
図2~5に示すように、積載部材1内に設置されかつ規制部材3aのスライド方向に並べられた複数の電極4a-1、4a-2、4a-3、4a-4、4a-5、4a-6、4a-7、4a-8を備えている。導電部材7は、これら電極と対向する。
【0028】
図3に示す例では、導電部材7と電極4a-6及び電極4a-7とが対向しているが、規制部材3aの位置によって導電部材7と対向する電極は変わる。また、接触部材5の回動角度(用紙2による凹部への押し込み具合)によって導電部材7と電極との距離Dは変わる。
図3に示すように接触部材5と用紙2とが非接触の状態では、導電部材7と電極との距離Dが最大となり、
図4に示すように接触部材5が用紙2に押し込まれるにしたがって導電部材7と電極との距離Dが小さくなる。そして、
図5に示すように対向面31と用紙2とが接触した状態では、導電部材7と電極との距離Dが最小となる。さらに、
図6の拡大図で示すように、導電部材7と電極との距離Dが最小となった状態(即ち導電部材7と電極とが最も近接した状態)において、導電部材7の近接面71と複数の電極の近接面とが平行になる。
【0029】
接触部材5が回動変位して導電部材7が各電極4a-1、4a-2、4a-3、4a-4、4a-5、4a-6、4a-7、4a-8に近付くと、当該電極と導電部材7との間の静電容量が大きくなる。本例のセンサ4aは、これら導電部材7と複数の電極との間の静電容量の変化に基いて導電部材7の変位を検知する。検知の具体例を以下に説明する。
【0030】
図7は、センサ4aによる検知パターンと用紙サイズとの対応関係を示す表である。表の「1(=ON)」は、電極と導電部材7との間の静電容量が所定の閾値を超えたことを意味しており、具体的には、対向面31と用紙2とが接触し、導電部材7と電極との距離Dが最小となっていることを意味している。また、表の「0(=OFF)」は、電極と導電部材7との間の静電容量が前記閾値を下回っていることを意味しており、具体的には、対向面31と用紙2とが非接触であることを意味している。例えば、
図3の状態及び
図4の状態では、センサ4aの全ての電極において「0(=OFF)」となり、
図5の状態では、電極4a-6及び電極4a-7において「1(=ON)」となり、他の電極において「0(=OFF)」となる。
【0031】
検知手段9は、
図7の表に示すような検知パターンと用紙サイズとの対応関係のデータベースを予め有しており、どの電極が「1(=ON)」となるかで用紙サイズ(SRA3、A3、A4縦、等)を検知する。つまり、何れかの電極において「1(=ON)」を検知することで、対向面31と用紙2との接触を検知することができ、「1(=ON)」を検知した電極を特定することで、対向面31と用紙2とが接触した際の規制部材3a,3bの位置を検知することができる。そして、これらの検知に基いて用紙2のサイズを検知する。
【0032】
上述したように、本発明によれば、積載部材1内に設置された複数の電極を用いて導電部材7の変位を検知することにより、規制部材3a,3bの対向面31と用紙2との接触、及び、対向面31と用紙2とが接触した際の規制部材3a,3bの位置を検知し、これらの検知に基いて用紙2のサイズを検知するので、検知手段9の構成を簡素化でき、コストを抑制することができる。
【0033】
また、
図11,12に示した従来例においては、用紙とサイドフェンス291,292との接触を検知する用紙端部検知センサがサイドフェンス291,292内に設けられているが、本発明においては、可動部である規制部材3a,3bではなく積載部材1内にセンサ4a,4bを設けているので、規制部材3a,3bに給電線を設ける必要がなく、耐久性を向上させることが出来る。
【0034】
また、本例においては、静電容量センサ4a,4bを採用しているので、導電部材7と各電極とを接触させることなく、導電部材7の変位を検知することができ、耐久性を向上させることが出来る。
【0035】
また、本例においては、導電部材7と電極とが最も近接した状態において、導電部材7の近接面71と複数の電極の近接面とが平行になるように構成しているので、センサ出力をより安定させることが出来る。
【0036】
さらに、検知手段9は、用紙2のサイズを検知しない限り給紙を開始しないようになっており、これにより、用紙2のセット不良や用紙2のセット不良に起因する用紙搬送不良を防止できる。
【0037】
さらに、検知手段9は、用紙2のサイズを検知できない場合に、装置本体11のディスプレイ等にその旨を示すようになっている。これにより、ユーザーに用紙2のセット不良等を知らせることができ、ユーザーに正しく操作させるように促すことが出来る。
【0038】
本発明の第2の実施形態にかかるシート材供給部を、
図8~10を参照して説明する。
図8~10において、前述した第1の実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0039】
本例のセンサ4aは、導通センサであり、
図8~10に示すように、積載部材1内に設置されかつ規制部材3aのスライド方向に並べられた複数の電極4a-1、4a-2、4a-3、4a-4、4a-5、4a-6、4a-7、4a-8を備えている。本例では、規制部材3aの対向面31と用紙2とが接触することにより、導電部材7と複数の電極4a-1、4a-2、4a-3、4a-4、4a-5、4a-6、4a-7、4a-8の何れかが接触導通するように構成されている。本例のセンサ4aは、これら導電部材7と複数の電極との導通状態に基いて導電部材7の変位を検知する。
【0040】
また、本例の接触部材105は、
図10に示すように、導電部材7と各電極とが接触導通した状態で弾性変形しているように構成されている。即ち、規制部材3aの対向面31と用紙2とが接触する前に導電部材7と電極とが接触し、その後、対向面31と用紙2とが接触する際に接触部材105が弾性変形することによって、導電部材7がさらに高い接触圧で電極に接触する。このように構成することで、導電部材7と各電極との接触圧を高くすることができ、センサ出力をより安定させることが出来る。
【0041】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0042】
例えば、上記実施形態では、一つの規制部材に接触部材が一つ取り付けられていたが、一つの規制部材に接触部材を複数取り付ける構成としてもよい。このように接触部材を複数設け、シート材との接触箇所を増やすことで、用紙が斜めにセットされていることを検知することができる。
【0043】
また、上記実施形態では、規制部材3a,3bが用紙2の両側に一対設けられていたが、規制部材は片側に1つでもよい。その場合、シート材の片側に規制部材を1つ配置し、反対側には不動の壁を設け、規制部材と壁との間にシート材を位置付けることで位置決めすればよい。
【0044】
また、上記実施形態では、本発明が手差しトレイに適用される場合について説明したが、本発明は、手差しトレイに限定されず、装置本体に挿入・引き出し可能に装着される給紙トレイに適用してもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、手差しトレイ10が一対の規制部材3a,3bをスライドさせる移動機構を備えていたが、移動機構は必須の構成ではなく、ユーザーが手動で規制部材をスライドさせる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 積載部材
2 用紙(シート材)
3a,3b 規制部材
4a,4b センサ
5,105 接触部材
6 付勢部材
7 導電部材
9 検知手段
10 手差しトレイ(シート材供給部)
100 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0047】