(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】粉体収容装置、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
G03G15/08 345
(21)【出願番号】P 2020109809
(22)【出願日】2020-06-25
【審査請求日】2023-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】細川 浩
【審査官】小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-181875(JP,A)
【文献】特開2000-235301(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体が収容された収容袋が内部に設置された粉体収容装置であって、
当該粉体収容装置が初めて駆動される駆動開始動作に連動して前記収容袋を破る破り部材と、
前記破り部材が前記収容袋を破る前は前記駆動開始動作
における駆動が伝達されないことで連動して回転することなく、前記破り部材が前記収容袋を破った後に
前記駆動開始動作における駆動が伝達されて当該粉体収容装置の駆動に連動して回転する撹拌部材と、
を備えたことを特徴とする粉体収容装置。
【請求項2】
粉体が収容された収容袋が内部に設置された粉体収容装置であって、
当該粉体収容装置が初めて駆動される駆動開始動作に連動して前記収容袋を破る破り部材と、
前記駆動開始動作に連動して回転することなく、前記破り部材が前記収容袋を破った後に当該粉体収容装置の駆動に連動して回転する撹拌部材と、
を備え、
前記撹拌部材は、前記破り部材を保持するとともに当該粉体収容装置の駆動に連動して回転する軸部と、前記軸部に保持された羽根部と、を具備し、
前記破り部材は、前記駆動開始動作に連動した前記軸部の回転にともない、前記収容袋に接触しない軸方向一端側の始発位置から軸方向他端側の終着位置に非回転で移動して、その間に前記収容袋に接触して前記収容袋を破り、
前記羽根部は、前記破り部材が前記終着位置に達したときに、非回転状態から前記軸部と前記破り部材ととともに回転可能な状態に切り替えられる
ことを特徴とする粉体収容装置。
【請求項3】
前記軸部は、前記始発位置から前記終着位置にかけて送りネジ部が形成されて、前記終着位置に嵌合部を具備し、
前記羽根部は、軸方向両端部がそれぞれ軸受を介して前記軸部に回転可能に保持され、
前記破り部材は、
前記送りネジ部に螺合する雌ネジ部と、
前記終着位置において前記嵌合部に嵌合する被嵌合部と、
前記終着位置に達する直前まで当該粉体収容装置の内壁面に形成された回転止め部に接触して、前記終着位置に達したときに前記羽根部とともに回転可能に接触する接触部と、
を具備したことを特徴とする請求項2に記載の粉体収容装置。
【請求項4】
前記軸部は、前記始発位置から前記終着位置にかけて送りネジ部が形成されて、前記終着位置に嵌合部を具備し、
前記羽根部は、前記軸方向一端側が当該粉体収容装置の内壁面に形成されたストッパ部に当接するとともに軸受を介して前記軸部に回転可能に保持された当接部材と、前記破り部材と、の間で伸縮可能に保持されて、
前記破り部材は、
前記送りネジ部に螺合する雌ネジ部と、
前記終着位置において前記嵌合部に嵌合する被嵌合部と、
前記終着位置に達する直前まで当該粉体収容装置の内壁面に形成された回転止め部に接触する接触部と、
を具備して、前記終着位置に達したときに、軸方向に伸びた状態の前記羽根部と、前記当接部材と、ともに回転可能になることを特徴とする請求項2に記載の粉体収容装置。
【請求項5】
粉体が収容された収容袋が内部に設置された粉体収容装置であって、
当該粉体収容装置が初めて駆動される駆動開始動作に連動して前記収容袋を破る破り部材と、
前記駆動開始動作に連動して回転することなく、前記破り部材が前記収容袋を破った後に当該粉体収容装置の駆動に連動して回転する撹拌部材と、
を備え、
前記収容袋は、ゴム材料からなる風船状部材であって、その口部が当該粉体収容装置の天井面に保持されたことを特徴とする粉体収容装置。
【請求項6】
前記破り部材は、先端が鋭利な部材が、同一部材又は別部材として一体的に形成されたことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかに記載の粉体収容装置。
【請求項7】
破った後の前記収容袋は、そのすべてが当該粉体収容装置の天井面に保持されることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載の粉体収容装置。
【請求項8】
像担持体の表面に形成された潜像を前記粉体としてのトナーを用いて現像する現像装置であって、
請求項1~請求項7のいずれかに記載の粉体収容装置としての現像装置であることを特徴とする現像装置。
【請求項9】
画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジであって、
請求項8に記載の現像装置を備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項10】
請求項1~請求項7のいずれかに記載の粉体収容装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内部にトナーなどの粉体が収容された粉体収容装置と、それを備えた現像装置、プロセスカートリッジ、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置に設置される現像装置において、トナーなどの粉体を収容した収容袋を、現像装置の内部に設置する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
詳しくは、特許文献1において、現像装置には、現像ローラ、トナー補給ローラ(供給ローラ)、薄層ブレード(ドクターブレード)、伸縮弾性部材(収容袋)、アジテータ(撹拌部材)、などが設置されている。
そして、現像装置の使用が開始されるときに、内部にトナーが収容された伸縮弾性部材が、アジテータに設置されたカッターに切断されて、伸縮弾性部材の内部から装置内にトナーが供給されることになる。
そして、使用可能な状態の現像装置において、トナー補給ローラによって現像ローラにトナーが供給されると、現像ローラ上に担持されたトナーが薄層ブレードによって適量に薄層化される。さらに、感光体ドラム(像担持体)との対向領域(現像領域)で、現像ローラ上において薄層化されたトナーの一部が感光体ドラム上の潜像に供給されて、感光体ドラム上にトナー像が形成されることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1の技術は、現像装置内において収容袋(伸縮弾性部材)をカッターで切断するときに、カッターとともに撹拌部材が回転してしまって、撹拌部材が収容袋に接触してしまうことがあった。そのため、破れた後の収容袋が撹拌部材に巻き込まれてしまう不具合などが生じてしまっていた。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、収容袋を破るときに、撹拌部材が収容袋に接触する不具合が生じにくい、粉体収容装置、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明における粉体収容装置は、粉体が収容された収容袋が内部に設置された粉体収容装置であって、当該粉体収容装置が初めて駆動される駆動開始動作に連動して前記収容袋を破る破り部材と、前記破り部材が前記収容袋を破る前は前記駆動開始動作における駆動が伝達されないことで連動して回転することなく、前記破り部材が前記収容袋を破った後に前記駆動開始動作における駆動が伝達されて当該粉体収容装置の駆動に連動して回転する撹拌部材と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、収容袋を破るときに、撹拌部材が収容袋に接触する不具合が生じにくい、粉体収容装置、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【
図3】現像装置に装着する前の収容袋を示す概略図である。
【
図4】収容袋からトナーが排出される動作を示す概略図である。
【
図5】破り部材が始発位置から終着位置に移動する動作を示す上面図である。
【
図6】破り部材が始発位置から終着位置に移動する動作を示す斜視図である。
【
図7】変形例としての現像装置において、破り部材が始発位置から終着位置に移動する動作を示す上面図である。
【
図8】
図7の現像装置において、破り部材が始発位置から終着位置に移動する動作を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
まず、
図1にて、画像形成装置100における全体の構成・動作について説明する。
図1において、100は画像形成装置としてのプリンタ、1は表面にトナー像が形成される感光体ドラム、6は感光体ドラム1と帯電ローラ4と現像装置5とクリーニング装置2とが一体化されたプロセスカートリッジ、7はパソコンなどの入力装置から入力された画像情報に基づいた露光光Lを感光体ドラム1上に照射する露光部(書込み部)、を示す。
また、9は感光体ドラム1の表面に担持されたトナー像を転写ニップ部(転写位置)に搬送されるシートPに転写する転写ローラ、12は用紙等のシートPが収納された給紙装置(給紙カセット)、を示す。
また、16は感光体ドラム1と転写ローラ9とが当接する転写ニップ部に向けてシートPを搬送するレジストローラ(タイミングローラ)、20はシートP上の未定着画像を定着する定着装置、21は定着装置20に設置された定着ローラ、22は定着装置20に設置された加圧ローラ、を示す。
【0011】
ここで、感光体ドラム1の周囲には、帯電ローラ4、現像装置5(粉体収容装置)、クリーニング装置2、などが配設されている。そして、これらの部材(感光体ドラム1、帯電ローラ4、現像装置5、クリーニング装置2、である。)は、プロセスカートリッジ6として一体化されていて、画像形成装置本体100に対して着脱可能(交換可能)に設置されている。プロセスカートリッジ6は、所定の交換サイクルに達したときや、メンテナンスをおこなうときなどに、画像形成装置本体100から取り出されて、新品のもの(又は、メンテナンスを施したもの)に入れ替えられる。
【0012】
図1を参照して、画像形成装置100における、通常の画像形成時の動作について説明する。
まず、パソコン等の入力装置から画像形成装置100の露光部7に画像情報が送信されると、露光部7からその画像情報に基づいた露光光L(レーザ光)が、感光体ドラム1の表面に向けて発せられる。
一方、感光体ドラム1は、画像形成装置本体100に設置された駆動モータから駆動を受けて、矢印方向(時計方向)に回転する。そして、まず、感光体ドラム1の表面は、帯電ローラ4との対向位置で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム1上には、帯電電位(-900V程度である。)が形成される。その後、帯電された感光体ドラム1の表面は、露光光Lの照射位置に達する。そして、露光光Lが照射された部分の電位が潜像電位(0~-100V程度である。)となって、感光体ドラム1の表面に静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0013】
その後、静電潜像が形成された感光体ドラム1の表面は、現像装置5との対向位置に達する。そして、現像装置5から感光体ドラム1上にトナーが供給されて、感光体ドラム1上の潜像が現像されてトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム1の表面は、転写ローラ9との転写ニップ部(転写位置)に達する。そして、転写ローラ9との転写ニップ部で、電源部から転写ローラ9に転写バイアス(トナーの極性とは異なる極性のバイアスである。)が印可されることによって、レジストローラ16により搬送されたシートP上に、感光体ドラム1上に形成されたトナー像が転写される(転写工程である。)。
【0014】
そして、転写工程後の感光体ドラム1の表面は、クリーニング装置2との対向位置に達する。そして、この位置で、クリーニングブレード2a(
図2参照)によって感光体ドラム1上に残存する未転写トナーが機械的に除去されて、クリーニング装置2内に回収される(クリーニング工程である。)。
こうして、感光体ドラム1上における一連の作像プロセスが終了する。
【0015】
一方、感光体ドラム1と転写ローラ9との転写ニップ部に搬送されるシートPは、次のように動作する。
まず、給紙装置12に収納されたシートPの最上方の1枚が、給紙ローラ15によって、搬送経路に向けて給送される。
その後、シートPは、レジストローラ16の位置に達する。そして、レジストローラ16の位置に達したシートPは、感光体ドラム1上に形成された画像と位置合わせをするためにタイミングを合わせて、転写ニップ部(転写ローラ9と感光体ドラム1との当接位置である。)に向けて搬送される。
【0016】
そして、転写工程後のシートPは、転写ニップ部(転写ローラ9)の位置を通過した後に、搬送経路を経て定着装置20に達する。定着装置20に達したシートPは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間に送入されて、定着ローラ21から受ける熱と双方の部材21、22から受ける圧力とによって画像が定着される。画像が定着されたシートPは、定着ローラ21と加圧ローラ22との間(定着ニップ部である。)から送出された後に、画像形成装置本体100から排出されて、排紙トレイ上に載置される。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0017】
次に、
図2にて、画像形成装置におけるプロセスカートリッジ6について、さらに詳しく説明する。
図2に示すように、プロセスカートリッジ6は、像担持体としての感光体ドラム1、帯電ローラ4(帯電装置)、粉体収容装置としての現像装置5、クリーニング装置2、等で構成される。
像担持体としての感光体ドラム1は、負帯電の有機感光体であって、装置本体100側に設置された駆動モータから駆動力を受けて
図2の時計方向に回転駆動される。
【0018】
帯電ローラ4(帯電装置)は、芯金上に、ウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層を形成した弾性を有するローラである。帯電ローラ4の中抵抗層の材質としては、ウレタン、エチレン-プロピレン-ジエンポリエチレン(EPDM)、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴム等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものを用いることもできる。なお、本実施の形態では、感光体ドラム1に対して帯電ローラ4が接触するように構成しているが、感光体ドラム1に対して帯電ローラ4が接触しないように構成することもできる。
クリーニング装置2は、感光体ドラム1に摺接するクリーニングブレード2aが設置されていて、感光体ドラム1上の未転写トナーを機械的に除去・回収する。クリーニングブレード2aは、ウレタンゴム等の弾性材料で形成された略板状部材であって、感光体ドラム1に対して所定の当接圧及び当接角で当接している。
【0019】
粉体収容装置としての現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51が感光体ドラム1に対して所定の圧接力で接触するように配置されていて、双方の部材1、51の間(現像ニップ)には現像領域が形成される。現像装置5内には、粉体としてのトナーT(非磁性又は磁性の1成分現像剤である。)が収容されている。そして、現像装置5は、感光体ドラム1上に形成される静電潜像を現像する(トナー像を形成する。)。
【0020】
以下、
図2を用いて、粉体収容装置としての現像装置5について詳述する。
図2を参照して、本実施の形態における現像装置5は、接触1成分現像方式の現像装置であって、プロセスカートリッジ6として他の作像部材1、2、4とともに装置本体100に対して着脱可能(交換可能)に設置される。
現像装置5は、現像剤担持体としての現像ローラ51、現像剤供給部材としての供給ローラ52、現像剤規制部材としてのドクターブレード53、装置内のトナーTを撹拌する回転部材としての撹拌部材56(アジテータ)、粉体としてのトナーTが収容された収容袋54(収容容器)、等で構成されている。
【0021】
現像ローラ51(現像剤担持体)は、感光体ドラム1に対して接触するように配設されていて、トナーを担持しながら所定方向(
図2の反時計方向である。)に回転して感光体ドラム1上に形成された静電潜像にトナーを供給する。現像ローラ51としては、ステンレス鋼等の導電性金属材料で形成された回転軸部(芯金)上に、弾性材料からなるローラ部を具備したものを用いることができる。
供給ローラ52(現像剤供給部材)は、現像ローラ51に摺接するように配設されていて、現像ローラ51にトナーを供給する。供給ローラ52は、芯金上に、導電性を有する発泡ポリウレタン層(電気抵抗値が10
3~10
14Ω程度のものである。)が積層されている。また、供給ローラ52は、感光体ドラム1との現像領域において現像工程に供されなかった現像ローラ51上のトナーを、現像ローラ51から除去する機能も有している。
ドクターブレード53(現像剤規制部材)は、その先端部が現像ローラ51の外周面に10~100N/m程度の圧力にて所定角度で当接するように配設されていて、現像ローラ51に担持されたトナーの量を規制する。換言すると、ドクターブレード53は、現像ローラ51に当接して現像ローラ51に担持されるトナーを薄層化するものである。ドクターブレード53としては、ステンレス鋼等の金属材料からなる薄い板状部材を用いることができる。
撹拌部材56は、現像装置5内においてトナーが凝集しないように撹拌するための回転部材である。なお、本実施の形態において、撹拌部材56の軸部56aには、装置の使用開始時に収容袋54を破くための破り部材55が設けられているが、撹拌部材56や破り部材55については後で詳しく説明する。
【0022】
ここで、現像ローラ51や供給ローラ52やドクターブレード53には、電源部から所定の電圧が印加されていて、現像ローラ51上におけるトナーの静電的な移動が促進されている。なお、本実施の形態では、現像ローラ51に対して、現像領域において現像ローラ51と感光体ドラム1との間でトナーが往復運動するように、交番電圧(AC周波数が500~1000Hz程度、ピーク・ツー・ピーク電圧が500~3000V程度、印加時間デューティが30~70%程度の矩形波である。)を印加している。
なお、本実施の形態では、現像ローラ51に交番電圧を印加するように構成したが、現像ローラ51に-100~-500V程度の直流電圧を印加するように構成することもできる。
【0023】
また、現像ローラ51、供給ローラ52、撹拌部材56の各軸部にはギアが設置されていて、アイドラギアをも含めたギア列が形成されている。そして、これらのギア列に駆動モータ(駆動手段)から駆動力が入力されて、現像ローラ51、供給ローラ52、撹拌部材56がそれぞれ
図2の矢印方向に回転駆動される。
なお、本実施の形態における現像装置5には、その内部に収容袋54が設置されているが、これについても後で詳しく説明する。
【0024】
このように構成された現像装置5は、通常の現像工程時において、次のように動作する。
まず、現像装置5内に収容されたトナーは、その一部が供給ローラ52に供給され担持される。供給ローラ52に担持されたトナーは、現像ローラ51との圧接部(当接位置)で摩擦帯電された後に、現像ローラ51上に移動して担持される。その後、現像ローラ51上に担持されたトナーは、ドクターブレード53との当接位置で、薄層化・均一化・摩擦帯電された後に、感光体ドラム1との対向位置(現像領域)に達する。そして、この位置で、現像領域に形成された電界(現像電界)によって、感光体ドラム1上に形成された潜像にトナーが吸着される。
【0025】
以下、本実施の形態における現像装置5(プロセスカートリッジ6)において、特徴的な構成・動作について詳述する。
現像装置5は、粉体としてのトナーTが収容された収容袋54が内部に設置された粉体収容装置である。
図2を参照して、本実施の形態における現像装置5には、現像ローラ51や供給ローラ52やドクターブレード53の他に、収容袋54、撹拌部材56、破り部材55が設置されている。
【0026】
図2、
図3を参照して、収容袋54は、ゴム材料からなる風船状部材であって、伸縮可能に形成されている。また、収容袋54は、内部に粉体としてのトナーTが収容されて、現像装置5の内部において天井面5aに保持されるものである。
詳しくは、
図3に示すように、収容袋54は、工場製造時に、その口部54aからトナーTが充填される。そして、現像装置5(プロセスカートリッジ6)の工場出荷前に、内部にトナーTが収容された状態の収容袋54が、現像装置5の内部(
図2の位置である。)にセットされることになる。具体的に、現像装置5にセットした収容袋54からトナーTが漏れないように、口部54aが天井面5aに密着して封止された状態で、収容袋54の口部54aが天井面5aに接着などによって保持される。
また、現像装置5内において、トナーTが収容された収容袋54は、その下方が、現像ケースにおける保持部5b(
図2参照)に支えられる。保持部5bは、撹拌部材56よりも上方の位置で、装置の水平方向の断面積を狭めるように形成された傾斜面であって、伸縮可能な収容袋54の姿勢(形)を定めている。これにより、収容袋54が撹拌部材56の位置まで伸びて、撹拌部材56に干渉してしまう不具合を軽減することができる。
【0027】
そして、本実施の形態における現像装置5(粉体収容装置)には、現像装置5が初めて駆動される駆動開始動作に連動して収容袋54を破る破り部材55(
図5、
図6参照)が設けられている。
すなわち、ユーザー先で、画像形成装置100において新品状態の現像装置5(プロセスカートリッジ6)が使用開始されるときに、
図4(A)~(C)に示すように、現像装置5(プロセスカートリッジ6)に初めて駆動が伝達されて駆動開始される動作(駆動開始動作)にともない、破り部材55の尖頭部55aが収容袋54に接触して収容袋54が破れて、収容袋54の内部に収容されたトナーT(粉体)が現像装置5内に排出されることになる。
【0028】
図5、
図6等に示すように、破り部材55には、先端が鋭利な部材(尖頭部55aである。)が、同一部材として一体的に形成されている。
具体的に、破り部材55は、軸方向(
図2の紙面垂直方向であって、
図5の上下方向である。)に対して略直交する幅方向に延びる板状部の幅方向中央部に、上方に突出するように尖頭部55aが形成されたものである。この尖頭部55aは、先端が鋭利な部材であって、
図6に示すように角錐状に形成することもできるし、円錐状、針状、ナイフ状などに形成することもできる。
なお、本実施の形態では、製造コストを安価にするために、破り部材55を1種類の材料(例えば、樹脂材料である。)で同一部材として一体的に形成している。これに対して、破り部材55において、尖頭部55aを別部材(別材料の部品)として一体的に形成することもできる。すなわち、破り部材55において、尖頭部55aを他の部分(板状部)とは別の材料で形成して接合することもできる。このような構成は、破り部材55において尖頭部55aのみを高剛性材料で形成したい場合などに有用である。
【0029】
一方、撹拌部材56は、現像装置5の駆動開始動作(現像装置5が初めて駆動される動作である。)に連動して回転することなく、破り部材55(尖頭部55a)が収容袋54を破った後に現像装置5の駆動に連動して回転する。
すなわち、ユーザー先で、画像形成装置100において新品状態の現像装置5(プロセスカートリッジ6)が使用開始されるときに、
図4(A)~(C)に示すように、現像装置5(プロセスカートリッジ6)に初めて駆動が伝達されて駆動開始される動作(駆動開始動作)にともない、破り部材55の尖頭部55aが収容袋54に接触して収容袋54が破られることになるが、この間に撹拌部材56(羽根部56b)の回転による撹拌動作はおこなわれない。そして、破り部材55(尖頭部55a)による収容袋54の開封がおこなわれた後(駆動開始動作が終了した後)、通常の現像工程をおこなうために現像装置5(プロセスカートリッジ6)に駆動が伝達されると、その駆動に連動して撹拌部材56(羽根部56b)の回転による撹拌動作がおこなわれることになる。
なお、本願明細書等において、「撹拌部材の回転」とは、撹拌動作をともなう回転であるものと定義する。したがって、主として軸部56aと羽根部56bとで構成される撹拌部材56において、後述するように、軸部56aのみが回転して羽根部56bが回転していない状態は「撹拌部材が回転していない」状態であって、軸部56aと羽根部56bとが一体的に回転している状態が「撹拌部材が回転している」状態になる。
【0030】
詳しくは、まず、工場出荷された新品状態のプロセスカートリッジ6(画像形成装置100に装着された状態、又は、単独の状態である。)は、
図2に示すように、現像装置5内に、トナーTを収容した収容袋54が設置されている。
そして、ユーザー先で、画像形成装置100に装着された新品状態の現像装置5が使用開始されるとき、
図4(A)~(B)に示すように、現像装置5(プロセスカートリッジ6)の駆動開始にともない軸部56aが回転して(羽根部56bは非回転である。)、破り部材55が、収容袋54に接触しない位置(
図5(A)、
図6(A)に示す始発位置Aである。)から軸方向に移動する。これにより、破り部材55(尖頭部55a)が、収容袋54に接触して、収容袋54の底部に裂け目54b(
図4(A)参照)が形成される。そして、その裂け目54bから、収容袋54内のトナーTが白矢印方向に排出される。このとき、裂け目54bは、収容袋54内のトナーTの重さによってある程度広がるため、トナーTの排出が促進されることになる。
そして、
図4(B)に示すように、収容袋54内のトナーTがほぼすべて排出されて、現像装置5の内部(現像ローラ51や供給ローラ52や撹拌部材56が設置された部分である。)にトナーTがいきわたることになる。このとき、破れてトナーTが排出された後の収容袋54(ゴム風船)は、天井面5aに保持された口部54aの近傍で収縮した状態になる。さらに、
図4(C)に示すように、破り部材55(尖頭部55a)による収容袋54の開封がおこなわれた後、通常の現像工程をおこなうために現像装置5に駆動が伝達されると、その駆動に連動して撹拌部材56(羽根部56b)の回転による撹拌動作がおこなわれることになる。このようにして、先に
図2を用いて説明した現像装置5による現像工程が実施されることになる。
なお、撹拌部材56や破り部材55の駆動開始時の動作については、後でさらに詳しく説明する。
【0031】
本実施の形態では、このようにユーザー先で使用が開始されるまで、現像装置5の内部で、トナーTが収容袋54に収容(プリセット)された状態であるため、工場出荷されてからユーザー先に輸送されるまでの間に、現像装置5からトナーTが漏出してしまう不具合や、現像ローラ51や供給ローラ52がトナーTで汚れてしまう不具合を防止することができる。
また、そのようにトナーTが収容(プリセット)された収容袋54は、ユーザー先で現像装置5が初めて駆動されるときに、破り部材55によって自動で破られて、収容袋54内のトナーTが現像装置5内に供給されることになる。そのため、手動で収容袋54内のトナーTを現像装置5内に供給する場合に比べて、ユーザーにとって使い勝手が格段に向上する。
【0032】
そして、本実施の形態では、収容袋54が、伸縮可能に形成されるとともに、撹拌部材56から上方に充分に離れた天井面5aに保持されている。
そのため、破れた後の収容袋54は、裂け目54bが下方を向いた状態で、天井面5aに収縮した状態で保持されることになる。したがって、収容袋54の内部にトナーTが残りにくくなる(残トナーが少なくなる)。すなわち、収容袋54からトナーTを残りなく排出しやすくなる。
さらに、破れた後の収容袋54は、天井面5aに収縮した状態で保持されるため、その後に現像工程がおこなわれても、収容袋54が撹拌部材56などに接触して巻き込まれる不具合が生じにくくなる。
【0033】
ここで、本実施の形態では、
図4(B)、(C)に示すように破れた後の収容袋54は、そのすべてが天井面5aに保持されるように構成している。
すなわち、破り部材55(尖頭部55a)によって破られた収容袋54は、その一部が分裂して破片が形成されるようなことなく、ゴム材料の伸縮性によって縮んだ状態ですべて天井面5aに保持されることになる。
これにより、その後に現像工程がおこなわれて、収容袋54の破片が現像ローラ51や供給ローラ52などに挟まってしまう不具合が防止されることになる。
なお、本実施の形態では、収容袋54として、ゴム材料からなる風船状のものを用いたが、収容袋54はこれに限定されることなく、例えば、可撓性を有するポリエチレンなどの樹脂材料からなるものなど、破り部材55によって破ることが可能なものであれば、それらのすべてを使用することができる。
【0034】
以下、
図5、
図6等を用いて、撹拌部材56や破り部材55の構成・動作についてさらに詳しく説明する。
図5、
図6に示すように、撹拌部材56は、主として、破り部材55を保持するとともに現像装置5の駆動に連動して回転する軸部56aと、軸部56aに保持された羽根部56bと、で構成されている。
軸部56aは、その軸方向両端部が、軸受(不図示)を介して現像ケースに回転可能に保持されている。軸部56aには、後述する始発位置A(
図5の右側端部である。)から終着位置B(
図5の左側端部である。)にかけて送りネジ部56a1(雄ネジ部)が形成されている。また、軸部56aには、終着位置Bに嵌合部としての固定ピン56a2が、軸部56aを貫通するように設けられている。
羽根部56bは、略ロの字状(長方形の外周部のみで形成された形状である。)に形成された板状部材であって、その軸方向両端部がそれぞれ軸受57(
図6(A)参照)を介して軸部56aに回転可能に保持されている。すなわち、羽根部56bと軸部56aとはそれぞれ独立して回転することができるように構成されていて、羽根部56bが回転していない状態で軸部56aのみを回転させることが可能である。
【0035】
破り部材55は、現像装置5の駆動開始動作に連動した軸部56aの回転にともない、収容袋54に接触しない軸方向一端側の始発位置A(
図5(A)、
図6(A)の位置である。)から軸方向他端側の終着位置B(
図5(B)、
図6(B)の位置である。)に非回転で移動して、その間に収容袋54に接触して収容袋54を破るものである。
そして、撹拌部材56の羽根部56bは、破り部材55が終着位置Bに達したときに、非回転状態から軸部56aと破り部材55ととともに回転可能な状態に切り替えられることになる。
【0036】
このように動作する破り部材55には、雌ネジ部55d、被嵌合部55c、接触部55bなどが形成されている。
雌ネジ部55d(
図6参照)は、軸部56aの送りネジ部56a1に螺合している。
被嵌合部55c(
図5(B)、
図6(B)参照)は、終着位置Bにおいて固定ピン56a2(嵌合部)に嵌合するものである。
接触部55bは、
図5(A)、
図6(A)に示すように、破り部材55が終着位置Bに達する直前まで現像装置5(現像ケース)の内壁面に形成された回転止め部5c(
図4~
図6参照)に接触する。そして、接触部55bは、
図5(B)、
図6(B)に示すように、破り部材55が終着位置Bに達したときに、撹拌部材56の羽根部56bとともに回転可能に接触する。
【0037】
さらに具体的に、まず、工場出荷された新品状態のプロセスカートリッジ6(画像形成装置100に装着された状態、又は、単独の状態である。)は、
図5(A)、
図6(A)に示すように、破り部材55が始発位置Aに位置している。この始発位置Aは、現像装置5に内設された収容袋54に破り部材55が接触せずに、収容袋54に対して軸方向に充分に離れた退避位置である。
そして、ユーザー先で、画像形成装置100に装着された新品状態の現像装置5が使用開始されるとき、現像装置5の駆動開始にともない軸部56aが回転することで、破り部材55は、接触部55bが回転止め部5cに引っ掛かって回転が制限された状態で、送りネジ部56a1によるネジ効果によって軸方向他端側(終着位置B)に向けて移動することになる。そして、破り部材55は、軸方向に移動しながら収容袋54に接触して、収容袋54を破って開封することになる。なお、接触部55bは、軸部56aの回転方向に対して下流側で回転止め部5cに接触して回転制限されることになる。また、このとき、羽根部56bは、回転方向の力が作用しないため、非回転状態である。
そして、
図5(B)、
図6(B)に示すように、破り部材55が終着位置Bに達すると、破り部材55は、現像装置5(現像ケース)の内壁面に形成された逃げ部5d(回転止め部55cから幅方向外側に凹むように形成された部分である。)の位置に達して、回転止め部5cによる回転制限が解除されることになる。このとき、破り部材55は、その被嵌合部55cが、軸部56aの固定ピン56a2(嵌合部)に嵌合して、軸部56aとともに回転可能な状態になる。また、破り部材55は、その接触部55bが、回転止め部5cに接触することなく、撹拌部材56の羽根部56bに接触して羽根部56bに回転方向の力を伝達可能な状態になる(羽根部56bとともに回転可能な状態になる)。すなわち、
図5(B)、
図6(B)に示すように、破り部材55が終着位置Bに達した後は、現像装置5の駆動に連動して、撹拌部材56(軸部56a及び羽根部56b)が破り部材55とともに一体的に
図4(C)の矢印方向に回転することになる。このとき、破り部材55は、逃げ部5dに位置しているため、その回転が制限されることはない。また、収容袋54は既に破られていて天井面5aに収縮した状態で保持されているため、破り部材55や撹拌部材56に干渉することはない。
【0038】
このように、本実施の形態における現像装置5(粉体収容装置)は、破り部材55によって収容袋54が破られるときには撹拌部材56が回転せずに、収容袋54が破られた後に現像装置5の駆動に連動して撹拌部材56が回転するように構成しているため、撹拌部材56(羽根部56b)が収容袋54に接触する不具合が軽減される。そのため、破れた後の収容袋54が撹拌部材56(羽根部56b)に巻き込まれてしまう不具合なども生じにくくなる。
【0039】
<変形例>
変形例における現像装置5(粉体収容装置)も、
図2~
図6等を用いて説明したものと同様に、破り部材55によって収容袋54が破られるときには撹拌部材56が回転せずに、収容袋54が破られた後に現像装置5の駆動に連動して撹拌部材56が回転するように構成されている。
しかし、変形例における現像装置5(粉体収容装置)は、
図7、
図8に示すように、主として、撹拌部材56における羽根部56dが軸方向に伸縮可能(折畳み可能)に構成されている点が、
図5、
図6を用いて説明したものと異なる。
詳しくは、
図7、
図8に示すように、変形例における撹拌部材56の軸部56aにも、始発位置Aから終着位置Bにかけて送りネジ部56a1が形成されていて、終着位置Bに嵌合部としての固定ピン56a2が設けられている。
一方、撹拌部材56の羽根部56dは、当接部材56cと破り部材55との間で軸方向に伸縮可能(折畳み可能)に保持されている。具体的に、この折畳み式の羽根部56dは、複数の短い板状部材(
図7、
図8の例では、8つ(片側)の板状部材である。)が回転支軸で連結されたものである。また、当接部材56cは、軸方向一端側(始発位置Aの側である。)が、現像装置5(現像ケース)の内壁面に形成されたストッパ部5e(始発位置Aの側で、回転止め部55cから幅方向外側に凹むように形成された部分である。)に当接するとともに,軸受57(
図8(A)参照)を介して軸部56aに回転可能に保持されている。
また、破り部材55には、軸部56aの送りネジ部56a1に螺合する雌ネジ部55dと、終着位置Bにおいて軸部56aの固定ピン56a2(嵌合部)に嵌合する被嵌合部55cと、終着位置Bに達する直前まで現像装置5の内壁面に形成された回転止め部5cに接触する接触部55bと、が設けられている。そして、破り部材55は、
図7(B)、
図8(B)に示すように、終着位置Bに達したときに、軸方向に伸びた状態の羽根部56dと、当接部材56cと、ともに回転可能になる。
【0040】
さらに具体的に、変形例において、まず、工場出荷された新品状態のプロセスカートリッジ6(画像形成装置100に装着された状態、又は、単独の状態である。)は、
図7(A)、
図8(A)に示すように、破り部材55が始発位置Aに位置している。したがって、羽根部56dは、破り部材55と当接部材56cとの間で折畳まれて、撹拌部材における羽根部として機能しない状態になっている。
そして、ユーザー先で、画像形成装置100に装着された新品状態の現像装置5が使用開始されるとき、現像装置5の駆動開始にともない軸部56aが回転することで、破り部材55は、接触部55bが回転止め部5cに引っ掛かって回転が制限された状態で、送りネジ部56a1によるネジ効果によって軸方向他端側(終着位置B)に向けて移動することになる。そして、破り部材55は、軸方向に移動しながら収容袋54に接触して、収容袋54を破って開封することになる。なお、変形例において、接触部55bは、溝状に形成された回転止め部5cに接触して回転制限されることになる。また、このとき、羽根部56dは、破り部材55の軸方向の移動にともない、非回転状態で徐々に軸方向に広げられることになる。
そして、
図7(B)、
図8(B)に示すように、破り部材55が終着位置Bに達すると、破り部材55は、逃げ部5dの位置に達して、回転止め部5cによる回転制限が解除されることになる。このとき、羽根部56dは、軸方向に最大限に広げられて、撹拌部材における羽根部として機能する状態になる。また、破り部材55は、その被嵌合部55cが、軸部56aの固定ピン56a2(嵌合部)に嵌合して、軸部56a、当接部材56c、羽根部56dとともに回転可能な状態になる。すなわち、
図7(B)、
図8(B)に示すように、破り部材55が終着位置Bに達した後は、現像装置5の駆動に連動して、撹拌部材56(軸部56a及び羽根部56d及び当接部材56c)が破り部材55とともに一体的に
図4(C)の矢印方向に回転することになる。
このように現像装置5を構成した場合であっても、撹拌部材56が収容袋54に接触する不具合が軽減されて、破れた後の収容袋54が撹拌部材56(羽根部56d)に巻き込まれてしまう不具合などが生じにくくなる。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態における現像装置5は、トナーT(粉体)が収容された収容袋54が内部に設置された粉体収容装置であって、現像装置5(粉体収容装置)が初めて駆動される駆動開始動作に連動して収容袋54を破る破り部材55が設置されている。また、その駆動開始動作に連動して回転することなく、破り部材55が収容袋54を破った後に現像装置5の駆動に連動して回転する撹拌部材56が設置されている。
これにより、収容袋54を破るときに、撹拌部材56が収容袋54に接触する不具合を生じにくくすることができる。
【0042】
なお、本実施の形態においては、現像装置5が、感光体ドラム1(像担持体)と帯電ローラ4とクリーニング装置2とともに一体化されたプロセスカートリッジ6として構成されている場合に対して、本発明を適用した。しかし、本発明の適用はこれに限定されることなく、現像装置5が単体で画像形成装置本体100に対して着脱されるユニットして構成されている場合であっても、当然に本発明を適用することができる。そして、そのような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、像担持体上をクリーニングするクリーニング装置と、のうち少なくとも1つと、像担持体と、が一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるユニットと定義する。
【0043】
また、本実施の形態では、現像ローラ51が感光体ドラム1に対してギャップをあけずに当接するように構成された接触式の1成分現像方式の現像装置5に対して、本発明を適用した。これに対して、現像ローラが感光体ドラムに対してギャップをあけて対向するように構成された非接触式の1成分現像方式の現像装置に対しても、本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、粉体としてトナーT(1成分現像剤)が収容された現像装置5に対して、本発明を適用した。これに対して、トナーTとキャリアとからなる2成分現像剤が粉体として収容された現像装置に対しても、本発明を適用することができる。その場合、収容袋54には、粉体として2成分現像剤を収容することができる。
そして、それらのような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0044】
さらに、本実施の形態では、1つの作像部(プロセスカートリッジ6)によってシートPにトナー像が転写されるモノクロ画像形成装置100に対して、本発明を適用した。これに対して、複数の作像部によって中間転写ベルトなどの中間転写体にトナー像が1次転写されて、中間転写体からシートにトナー像が2次転写されるカラー画像形成装置に対しても、当然に本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、粉体収容装置としての現像装置5に対して本発明を適用したが、本発明の適用は現像装置5に限定されることなく、粉体(トナーに限定されない。)が収容された収容袋が内部に設置された粉体収容装置のすべてに対して本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0045】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 感光体ドラム(像担持体)、
5 現像装置(粉体収容装置)、
5a 天井面、
5c 回転止め部、
5d 逃げ部、
5e ストッパ部、
6 プロセスカートリッジ、
51 現像ローラ(現像剤担持体)、
52 供給ローラ(現像剤供給部材)、
53 ドクターブレード(現像剤規制部材)、
54 収容袋、
54a 口部、
54b 裂け目、
55 破り部材、
55a 尖頭部、 55b 接触部、
55c 被嵌合部、 55d 雌ネジ部、
56 撹拌部材(回転部材)、
56a 軸部、
56a1 送りネジ部、 56a2 固定ピン(嵌合部)、
56b 羽根部、
56c 当接部材、
56d 羽根部(折畳み式羽根部)、
57 軸受、
100 画像形成装置(画像形成装置本体)、
A 始発位置、 B 終着位置、
T トナー(粉体)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0047】