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<図1>
  • 特許-払拭方法及び画像形成装置 図1
  • 特許-払拭方法及び画像形成装置 図2
  • 特許-払拭方法及び画像形成装置 図3
  • 特許-払拭方法及び画像形成装置 図4
  • 特許-払拭方法及び画像形成装置 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】払拭方法及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/165 20060101AFI20240611BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20240611BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
B41J2/165 307
B41J2/165 401
B05C11/10
B05C5/00 101
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020127275
(22)【出願日】2020-07-28
(65)【公開番号】P2021049774
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】P 2019169755
(32)【優先日】2019-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100116713
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 正己
(72)【発明者】
【氏名】藤井 一郎
(72)【発明者】
【氏名】安宅 拓未
(72)【発明者】
【氏名】左近 洋太
(72)【発明者】
【氏名】泉谷 哲
(72)【発明者】
【氏名】田代 浩子
【審査官】小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-147261(JP,A)
【文献】特開2016-165871(JP,A)
【文献】特開2017-186451(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
B05C 11/10
B05C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体吐出ヘッドと洗浄液を含侵させた払拭部材とを相対移動させることによって前記液体吐出ヘッドのノズル形成面を前記払拭部材で払拭する払拭方法であって、
前記払拭部材は、少なくとも2層からなり、
前記ノズル形成面に接触する側から第一層目の厚みをt1、第一層目以外の厚みの合計をt2としたときに、t1<t2が成り立ち、
前記第一層目の空隙率は、前記第一層目以外の少なくとも一つの層の空隙率よりも小さく、
前記第一層目以外の少なくとも一つの層の空隙率が0.95以上0.99以下であり、
前記洗浄液は、少なくともラクトン化合物を5質量%以上含有する、
ことを特徴とする払拭方法。
【請求項2】
前記第一層目の空隙率が0.60以上0.85以下である、請求項1に記載の払拭方法。
【請求項3】
前記第一層目の空隙率が0.75以上0.80以下である、請求項1または2に記載の払拭方法。
【請求項4】
少なくとも前記第一層目は不織布からなる、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の払拭方法。
【請求項5】
前記払拭部材の厚さは0.1mm以上3mm以下である、請求項1乃至のいずれか1項に記載の払拭方法。
【請求項6】
前記ラクトン化合物がγ-ブチロラクトンである、請求項1乃至のいずれか1項に記載の払拭方法。
【請求項7】
液体吐出ヘッドと洗浄液を含侵させた払拭部材とを相対移動させることによって前記液体吐出ヘッドのノズル形成面を前記払拭部材で払拭する払拭手段を備えた画像形成装置であって、
前記払拭部材は、少なくとも2層からなり、
前記ノズル形成面に接触する側から第一層目の厚みをt1、第一層目以外の厚みの合計をt2としたときに、t1<t2が成り立ち、
前記第一層目の空隙率は、前記第一層目以外の少なくとも一つの層の空隙率よりも小さく、
前記第一層目以外の少なくとも一つの層の空隙率が0.95以上0.99以下であり、
前記洗浄液は、少なくともラクトン化合物を5質量%以上含有する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出ヘッドのノズル形成面を払拭部材で払拭する払拭方法および払拭部材を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタに代表される液体噴射装置において、ノズル形成面の異物によって吐出不良等の不具合を起こすため、定期的にクリーニングする必要がある。ノズル形成面のクリーニングに用いられる払拭部材として、不織布や織布に代表されるシート状の払拭部材を組み合わせてクリーニングする方法が既に知られている。
【0003】
特許文献1には、ノズル形成面の撥水膜劣化を防止する払拭部材が記載されている。この払拭部材は、ノズル形成面に当接する第一層と該第一層に対してノズル形成面と反対側に設けられた第二層とからなっており、ノズル形成面に当接する第一層でノズル形成面の液滴の分散媒を毛細管現象で第二層に導いて吸収すると共に、分散質を第一層の空隙中に捕捉する。
これにより、分散質がノズル形成面と払拭部材の間に挟まって払拭されることがないため、ノズル形成面の撥水膜の劣化を防止することができる。
特許文献2には、グリコールエーテル類を含有するインクジェットプリンタのメンテナンス液が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2のメンテナンス液はフレッシュな状態では洗浄性能は高いが、メンテナンス液自体をしばらく放置すると、蒸発しやすいため払拭性能が低下する。払拭性能を持続するためには、常にフレッシュなメンテナンス液を供給する必要があり、メンテナンス液の消費量が多くなってしまう。
本発明は、しばらく放置しても洗浄液を保持し、洗浄液供給初期時の払拭性能を持続可能な、液体吐出ヘッドのノズル形成面の払拭部材を用いた払拭方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題は以下に記載する通りの本発明に係る下記(1)の払拭方法を用いることによって解決することができる。
(1)液体吐出ヘッドと洗浄液を含侵させた払拭部材とを相対移動させることによって前記液体吐出ヘッドのノズル形成面を前記払拭部材で払拭する払拭方法であって、
前記払拭部材は、少なくとも2層からなり、
前記ノズル形成面に接触する側から第一層目の厚みをt1、第一層目以外の厚みの合計をt2としたときに、t1<t2が成り立ち、
前記第一層目の空隙率は、前記第一層目以外の少なくとも一つの層の空隙率よりも小さく、
前記洗浄液は、少なくともラクトン化合物を5質量%以上含有する、
ことを特徴とする払拭方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の払拭方法を用いることにより、払拭部材の第二層目でインクの吸収性を担保しながら、第一層目で固着インクのかきとり性を向上させることができ、さらに蒸発を抑える洗浄液を使用することで、しばらく放置しても洗浄液を保持し、洗浄液供給初期時の払拭性能を持続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は画像形成装置の一例を説明する図である。
図2図2は払拭部材によって払拭されるノズルプレートの構成の一例を説明する図である。
図3図3は画像形成装置のクリーニング部の構成の一例を模式的に説明する図である。
図4図4は画像形成装置のクリーニング部の構成の他の例を模式的に説明する図である。
図5図5はシート状の払拭部材の断面の一例を模式的に表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は下記(1)に記載の払拭部材に係るものであるが、下記(2)~(8)を発明の実施形態として含むのでこれらの実施形態についても合わせて説明する。
(1)液体吐出ヘッドと洗浄液を含侵させた払拭部材とを相対移動させることによって前記液体吐出ヘッドのノズル形成面を前記払拭部材で払拭する払拭方法であって、
前記払拭部材は、少なくとも2層からなり、
前記ノズル形成面に接触する側から第一層目の厚みをt1、第一層目以外の厚みの合計をt2としたときに、t1<t2が成り立ち、
前記第一層目の空隙率は、前記第一層目以外の少なくとも一つの層の空隙率よりも小さく、
前記洗浄液は、少なくともラクトン化合物を5質量%以上含有する、
ことを特徴とする払拭方法。
(2)前記第一層目の空隙率が0.60以上0.85以下である、上記(1)に記載の払拭方法。
(3)前記第一層目の空隙率が0.75以上0.80以下である、上記(1)または(2)に記載の払拭方法。
(4)少なくとも前記第一層目は不織布からなる、上記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の払拭方法。
(5)第一層以外の少なくとも一つの層の空隙率が、0.80以上0.99以下である、上記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の払拭方法。
(6)前記払拭部材の厚さは0.1mm以上3mm以下である、上記(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の払拭方法。
(7)前記ラクトン化合物がγ-ブチロラクトンである、上記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の払拭方法。
(8)液体吐出ヘッドと洗浄液を含侵させた払拭部材とを相対移動させることによって前記液体吐出ヘッドのノズル形成面を前記払拭部材で払拭する払拭手段を備えた画像形成装置であって、前記払拭部材は、少なくとも2層からなり、前記ノズル形成面に接触する側から第一層目の厚みをt1、第一層目以外の厚みの合計をt2としたときに、t1<t2が成り立ち、前記第一層目の空隙率は、前記第一層目以外の少なくとも一つの層の空隙率よりも小さい払拭部材であり、前記洗浄液は、少なくともラクトン化合物を5質量%以上含有する、ことを特徴とする画像形成装置。
【0009】
本発明に係る、液体吐出ヘッドを払拭部材で払拭する払拭方法、払拭部材を備えた画像形成装置、及び洗浄液について説明する。
(払拭部材)
本発明における液体吐出ヘッドのノズル形成面を払拭する払拭部材は以下の特徴を有する。
・払拭部材が少なくとも2層からなること。
・ノズル形成面に接触する側から第一層目の厚みをt1、第一層目以外の厚みの合計をt2としたときに、t1<t2が成り立つこと。
・第一層目の空隙率は、前記第一層目以外の少なくとも一つの層の空隙率よりも小さいこと。
【0010】
(払拭部材を用いる払拭方法およびこの払拭部材を備えた画像形成装置)
まず、本発明における払拭部材を使用する画像形成装置について述べる。
図1に示したものは前記画像形成装置の例であり、シリアル型液滴吐出装置を備えたものである。この画像形成装置について図1及び図2に基づいて説明する。
左右の側板に横架した主ガイド部材1及び従ガイド部材でキャリッジ3を移動可能に保持している。そして、キャリッジ3は主走査モータ5によって、駆動プーリ6と従動プーリ7との間に架け渡したタイミングベルト8を介して主走査方向(キャリッジ移動方向)に往復移動する。
【0011】
このキャリッジ3には、液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド4a、4b(区別しないときは「記録ヘッド4」という。)を搭載している。記録ヘッド4は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出する。また、記録ヘッド4は、複数のノズルからなるノズル列4nを主走査方向と直交する副走査方向に配置し、滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0012】
記録ヘッド4は、図2に示すように、それぞれ複数のノズル4nを配列した2つのノズル列Na、Nbを有する。
記録ヘッド4を構成する液体吐出ヘッドとしては、例えば、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータを用いることができる。
【0013】
一方、用紙10を搬送するために、用紙を静電吸着して記録ヘッド4に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト12が備えられている。この搬送ベルト12は、無端状ベルトであり、搬送ローラ13とテンションローラ14との間に掛け渡されている。
【0014】
そして、搬送ベルト12は、副走査モータ16によってタイミングベルト17及びタイミングプーリ18を介して搬送ローラ13が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。この搬送ベルト12は、周回移動しながら帯電ローラによって帯電(電荷付与)される。
【0015】
さらに、キャリッジ3の主走査方向の一方側には搬送ベルト12の側方に記録ヘッド4の維持回復を行う維持回復機構20が配置され、他方側には搬送ベルト12の側方に記録ヘッド4から空吐出を行う空吐出受け21がそれぞれ配置されている。
維持回復機構20は、例えば記録ヘッド4のノズル形成面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材20a、ノズル形成面を払拭する機構20b、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出受けなどで構成されている。
【0016】
また、キャリッジ3の主走査方向に沿って両側板間に、所定のパターンを形成したエンコーダスケール23を張装し、キャリッジ3にはエンコーダスケール23のパターンを読取る透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ24を設けている。これらのエンコーダスケール23とエンコーダセンサ24によってキャリッジ3の移動を検知するリニアエンコーダ(主走査エンコーダ)を構成している。
【0017】
また、搬送ローラ13の軸にはコードホイール25を取り付け、このコードホイール25に形成したパターンを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ26を設けている。これらのコードホイール25とエンコーダセンサ26によって搬送ベルト12の移動量及び移動位置を検出するロータリエンコーダ(副走査エンコーダ)を構成している。
【0018】
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙トレイから用紙10が帯電された搬送ベルト12上に給紙されて吸着され、搬送ベルト12の周回移動によって用紙10が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ3を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド4を駆動することにより、停止している用紙10にインク滴を吐出して1行分を記録する。そして、用紙10を所定量搬送後、次の行の記録を行う。
記録終了信号又は用紙10の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙10を排紙トレイに排紙する。
【0019】
また、記録ヘッド4のクリーニングを行う場合は、印字(記録)待機中にキャリッジ3を維持回復機構20に移動し、維持回復機構20により清掃を実施する。また、記録ヘッド4は移動せず、維持回復機構20が移動してヘッドを清掃するようにしてもよい。
図1で示した記録ヘッド4は、図2に示すようにそれぞれ複数のノズル4nを配列した2つのノズル列Na、Nbを有する。記録ヘッド4aの一方のノズル列Naはブラック(K)の液滴を、他方のノズル列Nbはシアン(C)の液滴を吐出する。記録ヘッド4bの一方のノズル列Naはマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列Nbはイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
【0020】
ノズル形成面を払拭する機構20bは、払拭装置の一例であって、図3に示すように、主に、払拭部材の一例であるシート状の払拭部材320とシート状の払拭部材を送り出すローラ410と、送り出されたシート状払拭部材320に洗浄液を付与する洗浄液付与工程を実行する洗浄液付与手段の一例である洗浄液滴下装置430と、送り出された払拭部材320をノズル形成面に押し当てる押し当てローラ400と、払拭に使われた払拭部材320を回収する巻き取りローラ420とで構成される。また、シート状の払拭部材のほかに、ノズル形成面を払拭するゴムブレード等を備えていても良い。押し当てローラ400はバネを用いて、クリーニング部とノズル形成面の距離を調整することで、押し当て力を調整することができる。押し当て部材はローラに限らず、固定された樹脂やゴムの部材であっても良い。ゴムブレード等を備えている場合、シート状の払拭部材にゴムブレード等を当接させる機構を設けて、シート状の払拭部材にゴムブレード等のクリーニング機能を持たせても良い。
【0021】
払拭部材に洗浄液を一定量塗布した後、払拭部材がノズル形成面に押し当てられながらクリーニングユニットとヘッドが相対的に移動することでノズル形成面に付着した異物500を払拭する。ノズル形成面に付着する異物500としては、ノズルからインクを吐出した際に発生するミストインクや、クリーニング等でノズルからインクを吸引したときに付着するインク、ミストインクやキャップ部材に付着したインクがノズル形成面で乾燥した固着インク、被印刷物から発生する紙粉などが挙げられる。洗浄液はあらかじめ払拭部材に含ませておいても良い。また、シーケンスによっては、洗浄液を塗布せずに払拭しても良い。特に、長時間の待機などによりノズル形成面でインクが乾燥し、固着していると想定されるときには、洗浄液を含んだシート状の払拭部材でノズル形成面を複数回払拭して取り除くことが望ましい。
【0022】
図4に払拭装置の他の例を示す。図4に示した払拭装置は図3に示した払拭装置における洗浄液付与手段である洗浄液滴下装置430に代えて、洗浄液収容容器440を設け、この洗浄液収容容器内に洗浄液450を収容し、払拭部材320をこの洗浄液450に浸漬し、洗浄液450を含浸付与するようにしたものである。
【0023】
図5はシート状の払拭部材320の断面の一例を模式的に表したものである。
図5に示したシート状の払拭部材320は不織布からなり、ノズル形成面に接触する側から第一層目610と第二層目620との二層構造となっている。これ以外にも、例えば吸収したインクの裏写り防止や払拭部材の強度向上を目的としてフィルムを裏打ちした3層構造や、吸収性の異なる複数の吸収層を第二層以降に設けた多層構造などでも良い。
【0024】
払拭部材を構成する材料として、不織布のほかに、織布や編布、多孔質体などが挙げられる。特に第一層目は、厚さと空隙率のコントロールが比較的容易な不織布を用いるのが好ましい。不織布や織布、編布などの繊維の材質としては、綿、麻、絹、パルプ、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、レーヨン、キュプラ、アクリル、ポリ乳酸、などが挙げられる。1種類の繊維からなる不織布だけではなく、複数種類の繊維が混ざった不織布でも良い。多孔質体としては、ポリウレタン、ポリオレフィン、PVAなどが挙げられる。不織布の製造法として、ウェブの形成には例えば湿式や乾式、スパンボンド、メルトブローン、フラッシュ紡糸などの方法が、ウェブの結合には例えばスパンレースやサーマルボンド、ケミカルボンド、ニードルパンチなどの方法が挙げられる。
【0025】
第一層目の厚さが、第一層目以外の厚さよりも薄く、第一層目の空隙率は、第一層目以外の少なくとも一層の空隙率より小さいことで、固着インクに対するかきとり性が向上し、固着インク払拭性が良くなる。ここで、空隙率は下記式(1)の計算式によって求めることができる。
【数1】

そして、シート状の不織布等の場合には、上記の「真密度」はシートを形成する繊維の真密度であり、「見掛の密度」はシート状の材料の目付量と厚さから「目付量÷厚さ]で求めることができる。
【0026】
固着インクを払拭する払拭部材は、厚さが薄く、空隙率が小さいことで固着インクのかきとり性が高くなるが、厚さが薄く、空隙率が小さい場合にはインクや洗浄液等の液成分を保持することができず、結果として単一層ではクリーニング性が不十分となる。そこで、第一層目以外の層に、液成分を保持可能な部分を有し、かつ、払拭部材の層間に本発明の関係を有することで、効果が得られる。
【0027】
第一層目の空隙率は0.60以上0.85以下であることが好ましく、0.75以上0.80以下であることがより好ましい。第一層目の空隙率が0.60以上0.85以下であることで、固着インクの払拭性を向上することができ、また、払拭部材がフィルム状とならず、液体の透過性を良好にすることができる。
また、第一層目以外の少なくとも一つの層の空隙率は0.80以上0.99以下であることが好ましい。第一層目以外の層の空隙率が上記範囲内にあることで、液体の吸収性を向上させることが出来る。これらの第一層目と第一層目以外の層を組み合わせることにより、固着インクのかきとり性と液体の吸収性を両立させ、払拭性を向上させることが出来る。
【0028】
払拭部材の厚さは0.1mm以上3mm以下が好ましく、0.2mm以上0.7mm以下がより好ましい。払拭部材の厚さが0.1mm以上であることで、払拭部材の面積あたりの液体の飽和吸水量が十分となり、払拭する対象であるインクを十分に吸収できる。また、払拭部材の厚さが3mm以下であることで、第一層目から第一層目以外の層へ好適にインクの液体成分を移動させ、第一層目以外の層に液体成分を吸収させることができる効果が損なわれず、装置の小型化が可能となる。
払拭部材の少なくとも第一層目は不織布からなることが好ましい。不織布とすることで厚み及び空隙率を所望の数値範囲に容易に設定することができる。
【0029】
払拭部材の払拭面は、レーザー顕微鏡等による表面粗さ測定によって得られる表面粗さRzが170μm以上であることが好ましい。払拭面の表面粗さRzが170μm以上であることで、ノズル内のメニスカスを壊しにくくなり吐出不良を起こすことなく、ノズル面を払拭することができる。
【0030】
(洗浄液)
本発明において用いる洗浄液は、ラクトン化合物を5質量%以上含有し、その他の成分として主に水溶性有機溶剤と水から構成される。
前記ラクトン化合物は、環状エステル基を有する水溶性有機溶剤であり、α-アセトラクトン、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトンなどがあげられる。下記水溶性有機溶剤と比較しても沸点が高く、水と共沸しない。このため、ラクトン化合物を含む洗浄液を用いると払拭部材からの洗浄液の蒸発を抑えることができる。ラクトン化合物の中でもγ-ブチロラクトン、ε-カプロラクトンが好ましい。
洗浄液中の前記ラクトン化合物の含有量としては、洗浄液全量に対して、5質量%以上である。
洗浄液中のラクトン化合物の含有量は5質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましく、5質量%以上15質量%以下が更に好ましい。5質量%以上であると払拭部材からの洗浄液の蒸発を抑えることができ、30質量%以下であると払拭効果が良好である。
【0031】
<水溶性有機溶剤>
前記水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類などが挙げられる。
なお、水溶性とは、例えば、25℃の水100gに5g以上溶解することを意味する。
【0032】
前記多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0033】
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール-n-プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
【0034】
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0035】
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、グリコールエーテル化合物は、インク膜に対して作用する力が強く、洗浄性を向上させることができるため好ましい。
【0036】
前記水溶性有機溶剤の含有量としては、洗浄液全量に対して、60質量%以上が好ましく、70質量%以上80質量%以下がより好ましい。
【0037】
<水>
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10質量%以上30質量%以下が好ましく、10質量%以上20質量%以下がより好ましい。
【0038】
<その他の成分>
前記その他の成分としては、例えば、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤などが挙げられる。
【0039】
-界面活性剤-
前記界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン界面活性剤、シリコーン界面活性剤、フッ素界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、及びアニオン界面活性剤のいずれも使用可能であるが、ポリオキシアルキレン界面活性剤、シリコーン界面活性剤が好ましく、洗浄性、及び保存安定性の点から、ポリオキシアルキレン界面活性剤が特に好ましい。
【0040】
前記ポリオキシアルキレン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどが挙げられる。
前記ポリオキシアルキレン界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、エマルゲンA-60(ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル)、エマルゲンLS-106(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル)、エマルゲンLS-110(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル)(以上、花王株式会社製、高級アルコール系エーテル型非イオン性界面活性剤)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0041】
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物などが挙げられる。
【0042】
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S-1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
【化1】
(但し、一般式(S-1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わ し、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
【0043】
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF-618、KF-642、KF-643(信越化学工業株式会社)、EMALEX-SS-5602、SS-1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ-2105、FZ-2118、FZ-2154、FZ-2161、FZ-2162、FZ-2163、FZ-2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK-33、BYK-387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコーン株式会社)などが挙げられる。
【0044】
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
【0045】
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記界面活性剤の含有量としては、特に制限はないが、払拭部材への濡れ性、固着インクへの濡れ性から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上3質量%以下が更に好ましい。
【0046】
-消泡剤-
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
【0047】
-防腐防黴剤-
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンなどが挙げられる。
【0048】
-防錆剤-
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0049】
-pH調整剤-
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
【実施例
【0050】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0051】
[払拭部材の作製]
下記の表1に示す処方で払拭部材1~15を作製した。
【0052】
【表1】
【0053】
[洗浄液の作製]
下記の表2の組成及び含有量に従って、各成分を混合し、洗浄液1~8を調製した。
【0054】
【表2】
【0055】
前記表2中における、成分の商品名、及び製造会社名については、下記の通りである。
<水溶性有機溶剤>
・ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(東京化成工業株式会社製)
・ジエチレングリコールジエチルエーテル(東京化成工業株式会社製)
・ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(東京化成工業株式会社製)
・プロピレングリコール(株式会社ADEKA製)
・γ-ブチロラクトン(東京化成工業株式会社製)
・ε-カプロラクトン(株式会社ダイセル製)
<界面活性剤>
・BYK-349(シリコーン界面活性剤:ビックケミー株式会社製)
・エマルゲンLS-106(高級アルコール系エーテル型非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル:花王株式会社製)
【0056】
[実施例1~17、比較例1~5]
インクジェットヘッドとしてリコー MH5440を用い、ヘッドのノズルプレート上にRICOH Pro AR インクホワイトを0.1ml滴下後、15時間放置し、インクの固着したノズルプレートを作製した。
表1に示した各払拭部材を使用し、払拭部材に表2に示した洗浄液を20μl/cm塗布し、塗布した直後と25℃、50%RH環境下1日放置後において、表3の組み合わせで前記ノズルプレート表面を拭き取った。ただし1日放置後に洗浄液の再塗布は行わない。拭き取る際の条件は、押し当て力3N、拭き取り速度50mm/sとした。
【0057】
(評価方法)
払拭後のノズルプレートを目視で判別し、固着インクが除去された払拭回数を評価した。
下記評価基準で、△以上が実用可能な範囲であり、○が好ましく、◎がさらに好ましい。
(評価基準)
◎:5回以下のクリーニングでノズルプレート上の固着インクが除去された。
○:6回又は7回のクリーニングでノズルプレート上の固着インクが除去された。
△:8回又は9回のクリーニングでノズルプレート上の固着インクが除去された。
×:10回のクリーニングで、固着インクが残存している。
【0058】
【表3】
【0059】
実施例と比較例1、3との比較から、第一層目の空隙率が第二層目の空隙率と同じかそれより大きい場合、固着インクの払拭性が悪くなっていることが分かる。
実施例と比較例2、3との比較から、第一層目の厚さが第二層目の厚さと同じかそれより大きい場合、固着インクの払拭性が悪くなっていることが分かる。
実施例9、13、14、16,17と比較例4、5との比較からラクトン化合物が5質量%以上含有されていない場合、初期の払拭性は良好であるが、放置後の払拭性が持続していないことが分かる。
【符号の説明】
【0060】
1 主ガイド部材
3 キャリッジ
4、4a、4b 記録ヘッド
4n ノズル
5 主走査モータ
6 駆動プーリ
7 従動プーリ
8 タイミングベルト
10 用紙
12 搬送ベルト
13 搬送ローラ
14 テンションローラ
16 副走査モータ
17 タイミングベルト
18 タイミングプーリ
20 維持回復機構
20a キャップ部材
20b ノズル形成面を払拭する機構
21 空吐出受け
23 エンコーダスケール
24 エンコーダセンサ
25 コードホイール
26 エンコーダセンサ
320 払拭部材
400 押し当てローラ
410 ローラ
420 巻き取りローラ
430 洗浄液滴下装置
440 洗浄液収容容器
450 洗浄液
500 異物
610 第一層目
620 第二層目
Na、Nb ノズル列
【先行技術文献】
【特許文献】
【0061】
【文献】特開2014-188900号公報
【文献】特許第5566741号公報
図1
図2
図3
図4
図5