(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】画像形成装置、情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240611BHJP
H04N 1/32 20060101ALI20240611BHJP
H04N 1/21 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
H04N1/00 838
H04N1/32 358
H04N1/21
(21)【出願番号】P 2020138833
(22)【出願日】2020-08-19
【審査請求日】2023-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】松原 一貴
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-103170(JP,A)
【文献】特開2009-017482(JP,A)
【文献】特開2006-229577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/32
H04N 1/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファックスデータを受信する受信部と、
記憶部に送信元ごとに作成された振分先フォルダのうち、前記ファックスデータに対応する振分先フォルダに、該ファックスデータを蓄積文書として蓄積させる蓄積部と、
前記蓄積文書に対する消去操作を検知する第1管理部と、
前記第1管理部により前記消去操作が検知されたときに、前記蓄積文書が未読状態であった場合、または、該蓄積文書が既読状態であり、かつ既読になった時刻から消去操作が行われた時刻までの時間が所定の対象期間内である場合、該蓄積文書を特定のフォルダに複製した上で、該蓄積文書を消去する第2管理部と、
を備えた画像形成装置。
【請求項2】
前記第2管理部によって前記蓄積文書が前記特定のフォルダに複製された場合、その旨を所定のメールアドレスにメール送信するメール送信部を、さらに備えた請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記メール送信部によるメール送信が失敗した場合、前記第2管理部によって前記蓄積文書が前記特定のフォルダに複製されたことを示す複製履歴を、表示部に表示させる表示制御部を、さらに備えた請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記蓄積文書を前記特定のフォルダに複製する複製設定を行うか否かを、入力部に対する操作に従って設定する設定部を、さらに備え、
前記第2管理部は、前記設定部により前記複製設定が行われている場合に、前記蓄積文書を前記特定のフォルダに複製する請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記設定部は、前記入力部に対する操作に従って、前記対象期間を設定する請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記蓄積文書に対して、入力部を介してプレビュー操作、メール転送操作、または印刷操作のうち少なくともいずれかがなされた場合に、該蓄積文書を未読状態から既読状態に変更する第3管理部を、さらに備えた請求項1~5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
ファックスデータを受信する受信部と、
記憶部に送信元ごとに作成された振分先フォルダのうち、前記ファックスデータに対応する振分先フォルダに、該ファックスデータを蓄積文書として蓄積させる蓄積部と、
前記蓄積文書に対する消去操作を検知する第1管理部と、
前記第1管理部により前記消去操作が検知されたときに、前記蓄積文書が未読状態であった場合、または、該蓄積文書が既読状態であり、かつ既読になった時刻から消去操作が行われた時刻までの時間が所定の対象期間内である場合、該蓄積文書を特定のフォルダに複製した上で、該蓄積文書を消去する第2管理部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項8】
ファックスデータを受信する受信ステップと、
記憶部に送信元ごとに作成された振分先フォルダのうち、前記ファックスデータに対応する振分先フォルダに、該ファックスデータを蓄積文書として蓄積させる直積ステップと、
前記蓄積文書に対する消去操作を検知する第1管理ステップと、
前記消去操作を検知したときに、前記蓄積文書が未読状態であった場合、または、該蓄積文書が既読状態であり、かつ既読になった時刻から消去操作が行われた時刻までの時間が所定の対象期間内である場合、該蓄積文書を特定のフォルダに複製した上で、該蓄積文書を消去する第2管理ステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
ファックスデータを受信する受信ステップと、
記憶部に送信元ごとに作成された振分先フォルダのうち、前記ファックスデータに対応する振分先フォルダに、該ファックスデータを蓄積文書として蓄積させる直積ステップと、
前記蓄積文書に対する消去操作を検知する第1管理ステップと、
前記消去操作を検知したときに、前記蓄積文書が未読状態であった場合、または、該蓄積文書が既読状態であり、かつ既読になった時刻から消去操作が行われた時刻までの時間が所定の対象期間内である場合、該蓄積文書を特定のフォルダに複製した上で、該蓄積文書を消去する第2管理ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばMFP(Multifunction Peripheral:複合機)には、ペーパレスを目的として、FAX受信文書をMFP内のフォルダに蓄積する受信蓄積機能が搭載されている場合が多い。また、この受信蓄積機能は、FAX受信文書等のFAX機能により受信されたデータであるFAXデータの送信元毎に蓄積するフォルダを分けるといった特定相手先毎のフォルダ振り分け機能(以下、フォルダ振り分け機能と称する場合がある)が提供されている場合もある。
【0003】
しかしながら、フォルダ毎にパスワードが設定することができたり、管理者の監視外で文書管理がしやすくなったり、フォルダ毎の案件管理が容易になったということの一方で、他者による悪質な行為がしやすくなる等、セキュリティ面での不安が発生するという問題がある。
【0004】
このような、FAX受信文書の蓄積管理を効率化する技術として、複数のフォルダにFAX受信文書を振り分ける処理を簡易化する技術が開示されている(例えば特許文献1)。
【0005】
また、未印刷の蓄積文書の削除を防ぐ技術として、FAX受信文書を蓄積後、所定の動作(印刷等)を行うまで、別の記憶領域に当該文書をコピーし、機器の電源オン時に元文書が削除されていた場合には別の記憶領域から文書を復元する技術が開示されている(例えば特許文献2)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、蓄積文書の不正使用による消去操作に対して、セキュリティの向上が図られていないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、誤操作または蓄積文書の不正使用による消去操作に対して、セキュリティの向上を実現できる画像形成装置、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ファックスデータを受信する受信部と、記憶部に送信元ごとに作成された振分先フォルダのうち、前記ファックスデータに対応する振分先フォルダに、該ファックスデータを蓄積文書として蓄積させる蓄積部と、前記蓄積文書に対する消去操作を検知する第1管理部と、前記第1管理部により前記消去操作が検知されたときに、前記蓄積文書が未読状態であった場合、または、該蓄積文書が既読状態であり、かつ既読になった時刻から消去操作が行われた時刻までの時間が所定の対象期間内である場合、該蓄積文書を特定のフォルダに複製した上で、該蓄積文書を消去する第2管理部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、誤操作または蓄積文書の不正使用による消去操作に対して、セキュリティの向上を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施形態に係るシステムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係るMFPのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るMFPの機能ブロックの構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、消去文書転送設定画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、転送しない設定を選択した場合の消去文書転送設定画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、転送しない設定を選択した場合の消去文書転送設定画面の別の例を示す図である。
【
図7】
図7は、管理者用フォルダが表示された蓄積フォルダ管理画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、管理者用フォルダが表示されていない蓄積フォルダ管理画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、蓄積文書が複製されたことを通知するメールの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、データ管理テーブルの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係るMFPの蓄積文書複製処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、通知メール送信失敗時の蓄積フォルダ管理画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る画像形成装置、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを詳細に説明する。また、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
【0012】
また、コンピュータソフトウェアとは、コンピュータの動作に関するプログラム、その他コンピュータによる処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものをいう(以下、コンピュータソフトウェアは、ソフトウェアという)。アプリケーションソフトとは、ソフトウェアの分類のうち、特定の作業を行うために使用されるソフトウェアの総称である。一方、オペレーティングシステム(OS)とは、コンピュータを制御し、アプリケーションソフト等がコンピュータ資源を利用可能にするためのソフトウェアのことである。オペレーティングシステムは、入出力の制御、メモリやハードディスクなどのハードウェアの管理、プロセスの管理といった、コンピュータの基本的な管理・制御を行っている。アプリケーションソフトウェアは、オペレーティングシステムが提供する機能を利用して動作する。プログラムとは、コンピュータに対する指令であって、一の結果を得ることができるように組み合わせたものをいう。また、プログラムに準ずるものとは、コンピュータに対する直接の指令ではないためプログラムとは呼べないが、コンピュータの処理を規定するという点でプログラムに類似する性質を有するものをいう。例えば、データ構造(データ要素間の相互関係で表される、データの有する論理的構造)がプログラムに準ずるものに該当する。
【0013】
なお、送信元装置からFAXデータを受信する情報処理装置として、画像形成装置の一例であるMFP、通常のFAX受信機、およびPC(Personal Computer)等が想定されるが、本実施形態ではMFPを例にして説明する。また、MFPとは、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、およびFAX機能のうち少なくとも2つの機能を有する画像形成装置をいう。
【0014】
(MFPがFAXデータを受信するシステムの構成)
図1は、実施形態に係るシステムの全体構成の一例を示す図である。
図1を参照しながら、本実施形態に係るMFP10がFAXデータを受信するシステムの全体構成について説明する。
【0015】
図1に示すMFP10は、送信元装置20から公衆回線網50を介してFAXデータ(ファックスデータ)を受信する画像形成装置である。MFP10は、受信したFAXデータを、後述する記憶部112において、送信元毎に蓄積するフォルダとして予め設定されたフォルダ(振分先フォルダ)に振り分けて蓄積させる。この場合、例えば、振分先フォルダは、
図1に示すように、「A社フォルダ」および「A社サブフォルダ」のように階層構造で設定されていてもよい。
【0016】
送信元装置20は、公衆回線網50を介してMFP10へFAXデータを送信するFAX送信装置であり、例えば、MFP10を保有する企業の取引相手先等が保有する装置である。なお、送信元装置20としては、MFP、通常のFAX受信機、またはPC等が想定される。また、送信元装置20は、MFP10が受信するFAXデータの送信元としての一例を示すものであり、MFP10へFAXデータを送信する装置が他にも存在するのは言うまでもない。
【0017】
メールサーバ30は、ネットワーク60内の装置間でのメール送受信を制御するメールサーバである。
図1に示す例では、メールサーバ30は、MFP10から送信されたメールを中継して、当該メールの送信先である管理者用PC40へ転送する。
【0018】
管理者用PC40は、MFP10において蓄積文書の不正使用による消去操作が行われた可能性があり、当該蓄積文書が管理者用フォルダに複製された旨を通知するメールを、MFP10から受信する管理者用のPCである。
【0019】
公衆回線網50は、例えば、アナログ回線、またはISDN(Integrated Services Digital Network)等のデジタル回線である。
【0020】
ネットワーク60は、例えば、LAN(Local Area Network)、イントラネット、インターネット等のデータ通信ネットワークである。なお、ネットワーク60は、有線ネットワークに無線ネットワークが混在するネットワークであってもよい。
【0021】
(MFPのハードウェア構成)
図2は、実施形態に係るMFPのハードウェア構成の一例を示す図である。
図2を参照しながら、本実施形態に係るMFP10のハードウェア構成について説明する。
【0022】
図2に示すように、MFP10は、コントローラ800と、操作表示部810と、FCU(Facsimile Control Unit)820と、プロッタ831と、スキャナ832とがPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続された構成となっている。
【0023】
コントローラ800は、MFP10全体の制御、描画、通信および操作表示部810からの入力を制御する装置である。
【0024】
操作表示部810は、例えば、タッチパネル等であり、コントローラ800に対する入力を受け付ける(入力機能)と共に、MFP10の状態等を表示(表示機能)する装置であり、後述するASIC(Application Specific Integrated Circuit)806に直接接続されている。
【0025】
FCU820は、FAX機能を実現する装置であり、例えば、PCIバスによってASIC806に接続されている。
【0026】
プロッタ831は、印刷機能を実現する装置であり、例えば、PCIバスによってASIC806に接続されている。スキャナ832は、スキャナ機能を実現する機能であり、例えば、PCIバスによってASIC806に接続されている。
【0027】
コントローラ800は、CPU(Central Processing Unit)801と、システムメモリ(MEM-P)802と、ノースブリッジ(NB)803と、サウスブリッジ(SB)804aと、ネットワークI/F804bと、USB(Universal Serial Bus) I/F804cと、セントロニクスI/F804dと、センサI/F804eと、ASIC806と、ローカルメモリ(MEM-C)807と、補助記憶装置808と、を有している。
【0028】
CPU801は、MFP10の全体制御を行うものであり、システムメモリ802、ノースブリッジ803およびサウスブリッジ804aからなるチップセットに接続され、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0029】
システムメモリ802は、プログラムおよびデータの格納用メモリ、プログラムおよびデータの展開用メモリ、ならびにプリンタの描画用メモリ等として用いるメモリであり、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とを有している。このうち、ROMは、プログラムおよびデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAMは、プログラムおよびデータの展開用メモリ、ならびにプリンタの描画用メモリ等として用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0030】
ノースブリッジ803は、CPU801と、システムメモリ802、サウスブリッジ804aおよびAGP(Accelerated Graphics Port)バス805とを接続するためのブリッジであり、システムメモリ802に対する読み書き等を制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0031】
サウスブリッジ804aは、ノースブリッジ803と、PCIデバイスおよび周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。サウスブリッジ804aは、PCIバスを介してノースブリッジ803と接続されており、PCIバスには、ネットワークI/F804b、USB I/F804c、セントロニクスI/F804dおよびセンサI/F804e等が接続されている。
【0032】
AGPバス805は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインターフェースである。AGPバス805は、システムメモリ802に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にするバスである。
【0033】
ASIC806は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス805、PCIバス、補助記憶装置808およびローカルメモリ807をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。ASIC806は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC806の中核をなすアービタ(ARB)と、ローカルメモリ807を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジック等により画像データの回転等を行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、プロッタ831およびスキャナ832との間でPCIバスを介したデータ転送を行うPCIユニットとから構成される。ASIC806には、例えば、PCIバスを介してFCU820、プロッタ831およびスキャナ832が接続される。
【0034】
ローカルメモリ807は、コピー用画像バッファおよび符号バッファとして用いるメモリである。
【0035】
補助記憶装置808は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、SD(Secure Digital)カードまたはフラッシュメモリ等の記憶装置であり、FAXデータおよび画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、ならびにフォームの蓄積等を行うためのストレージである。
【0036】
なお、
図2に示すMFP10のハードウェア構成は、一例であり、すべての構成機器を備えている必要はなく、また、他の構成機器を備えているものとしてもよい。
【0037】
(MFPの機能ブロックの構成および動作)
図3は、実施形態に係るMFPの機能ブロックの構成の一例を示す図である。
図4は、消去文書転送設定画面の一例を示す図である。
図5は、転送しない設定を選択した場合の消去文書転送設定画面の一例を示す図である。
図6は、転送しない設定を選択した場合の消去文書転送設定画面の別の例を示す図である。
図7は、管理者用フォルダが表示された蓄積フォルダ管理画面の一例を示す図である。
図8は、管理者用フォルダが表示されていない蓄積フォルダ管理画面の一例を示す図である。
図9は、蓄積文書が複製されたことを通知するメールの一例を示す図である。
図10は、データ管理テーブルの一例を示す図である。
図3~
図10を参照しながら、本実施形態に係るMFP10の機能ブロックの構成および動作について説明する。
【0038】
図3に示すように、MFP10は、FAX通信部101(受信部)と、通信部102と、設定部103と、蓄積管理部104(蓄積部、第2管理部)と、文書状態管理部105(第3管理部)と、認証部106と、操作管理部107(第1管理部)と、メール送信部108と、表示制御部109と、表示部110と、入力部111と、記憶部112と、を有する。
【0039】
FAX通信部101は、公衆回線網50を介して外部の装置(送信元装置20等)との間でデータ通信を行い、当該外部の装置からFAXデータを受信する機能部である。また、FAX通信部101は、受信したFAXデータから、送信元を識別する送信元識別情報(例えば送信元のFAX番号または送信元装置の機器名称等)を抽出する。FAX通信部101は、
図2に示すCPU801によりプログラムが実行されること、およびFCU820によって実現される。
【0040】
通信部102は、ネットワーク60を介して外部の装置(メールサーバ30等)との間でデータ通信を行う機能部である。通信部102は、
図2に示すCPU801によりプログラムが実行されること、およびネットワークI/F804bによって実現される。
【0041】
設定部103は、例えば、FAX通信部101により受信されたFAXデータの送信元ごとに振り分けて蓄積させるフォルダ(振分先フォルダ)の設定、および
図4に示す消去文書転送設定画面1000における設定等について管理および制御する機能部である。
【0042】
図4に示す消去文書転送設定画面1000は、記憶部112に蓄積されたファックデータ(以下、蓄積文書と称する場合がある)に対して、未読状態のまま消去操作、または、既読状態から設定時間以内に消去操作がなされた場合のMFP10の挙動について設定するために、表示部110に表示される画面である。
図4に示すように、消去文書転送設定画面1000は、消去文書転送設定入力部1001と、転送対象時間設定入力部1002と、OKボタン1011と、取消ボタン1012と、を有する。
【0043】
消去文書転送設定入力部1001は、蓄積文書に対して、未読状態のまま消去操作、または、既読状態から設定時間以内に消去操作がなされた場合に、当該蓄積文書を管理者用フォルダ(特定のフォルダの一例)に転送するか否かを設定するための入力部である。ユーザは、消去文書転送設定入力部1001に表示されるプルダウンから「する」(管理者用フォルダに転送する)または「しない」(管理者用フォルダに転送しない)を選択して設定する。
【0044】
転送対象時間設定入力部1002は、消去文書転送設定入力部1001で「する」が設定されている場合に、蓄積文書に対して、既読状態から何分以内に消去(削除)操作がされたら管理者用フォルダに転送するかを設定するための入力部である。蓄積文書に対して、既読状態から、転送対象時間設定入力部1002で設定された時間(以下、転送対象期間と称する場合がある)以内に消去操作がなされた場合には、誤操作による削除または不正操作が行われたとみなし、当該蓄積文書は管理者用フォルダに複製(転送)されることになる。
【0045】
OKボタン1011は、消去文書転送設定入力部1001および転送対象時間設定入力部1002で設定された内容を確定するためのボタンである。設定部103は、OKボタン1011が押下されると、消去文書転送設定入力部1001および転送対象時間設定入力部1002に設定された内容を、設定情報として記憶部112に記憶させる。
【0046】
取消ボタン1012は、消去文書転送設定入力部1001および転送対象時間設定入力部1002で設定された内容を取り消すためのボタンである。
【0047】
なお、消去文書転送設定画面1000において、消去文書転送設定入力部1001で「しない」(管理者用フォルダに転送しない)が選択された場合、転送対象時間設定入力部1002の設定は不要となる。したがって、例えば、
図5に示す消去文書転送設定画面1000のように、転送対象時間設定入力部1002を非表示としてもよく、
図6に示す消去文書転送設定画面1000のように、転送対象時間設定入力部1002をグレーアウトして設定ができないようにしてもよい。
【0048】
設定部103は、
図2に示すCPU801によりプログラムが実行されることによって実現される。
【0049】
蓄積管理部104は、FAX通信部101によりFAXデータが受信された場合、当該FAXデータの送信元識別情報に対応する記憶部112の振分先フォルダに振り分けて蓄積させる機能部である。この場合、蓄積管理部104は、
図10に示すデータ管理テーブルに、振分先フォルダに蓄積されたFAXデータ(蓄積文書)のデータを登録する。
【0050】
図10に示すデータ管理テーブルは、記憶部112において作成された、蓄積文書を管理するためのテーブルである。データ管理テーブルは、
図10に示すように、蓄積文書(FAXデータ)の送信元の番号である「送信番号」と、当該FAXデータの送信元である「送信者」と、当該FAXデータの「受信日時」と、当該FAXデータの保存先である「受信データ保存先」(<path>は振分先フォルダを示す)と、未読状態か既読状態かを示す「既読/未読」と、振分先フォルダから削除済みであるか否かを示す「削除済み」と、蓄積文書の消去操作により管理者用フォルダに転送されたか否かを示す「管理者通知」と、を関連付けて管理する。蓄積管理部104によって、データ管理テーブルにFAX通信部101により受信されたFAXデータについてのレコードが新規登録された場合、「受信日時」には受信されたときの日時が登録され、「既読/未読」には“未読”が登録され、「削除済み」には“False”が登録され、「管理者通知」には“False”が登録される。また、後述する
図7に示す蓄積フォルダ管理画面1100において、選択された蓄積文書について消去操作がなされた場合、データ管理テーブルにおいて、当該蓄積文書に対応するレコードの「削除済み」を“False”から“True”に変更する。
【0051】
また、蓄積管理部104は、操作管理部107により蓄積文書に対する消去操作が検知された場合であって、設定部103により管理者用フォルダへの転送設定(複製設定)がなされている場合(消去文書転送設定画面1000の消去文書転送設定入力部1001で「する」に設定されている場合)、当該蓄積文書が未読状態のまま消去操作、または、既読状態から転送対象時間設定入力部1002で設定された時間以内に消去操作がなされた場合に、誤操作による削除または不正操作が行われたとみなし、当該蓄積文書を管理者用フォルダに複製(転送)する。
【0052】
蓄積管理部104は、
図2に示すCPU801によりプログラムが実行されることによって実現される。
【0053】
文書状態管理部105は、対象となる蓄積文書が未読か既読かを確認する機能部である。また、文書状態管理部105は、
図7に示す蓄積フォルダ管理画面1100において、蓄積文書に対して、プレビュー操作、転送操作、または印刷操作がなされた場合に、
図10に示したデータ管理テーブルにおいて、当該蓄積文書に対応するレコードの「既読/未読」を“未読”から“既読”に変更する。
【0054】
図7に示す蓄積フォルダ管理画面1100は、FAX通信部101により受信されたFAXデータを送信元ごとに蓄積文書として蓄積されたフォルダ(振分先フォルダ)を管理するための表示部110に表示される画面である。
図7に示すように、蓄積フォルダ管理画面1100は、振分先フォルダ一覧表示領域1101と、プレビューボタン1111と、転送ボタン1112と、印刷ボタン1113と、消去ボタン1114と、を有する。
【0055】
振分先フォルダ一覧表示領域1101は、管理者用フォルダ、および送信元ごとにFAXデータを蓄積するための振分先フォルダの一覧を表示する表示領域である。
図7に示す例では、振分先フォルダ一覧表示領域1101には、管理者用フォルダ、ならびに、A社から受信したFAXデータを蓄積するための「A社」フォルダ、B社から受信したFAXデータを蓄積するための「B社」フォルダ、およびC社から受信したFAXデータを蓄積するための「C社」フォルダが表示されている。ここで、管理者用フォルダとは、管理者権限を有する管理者用のフォルダであり、具体的には、ある振分先フォルダに蓄積された蓄積文書に対する消去操作が行われた場合において、誤操作による削除または不正操作が行われたとみなされたときに、当該蓄積文書の複製を作成しておくためのフォルダである。また、例えば、振分先フォルダ一覧表示領域1101の特定の振分先フォルダが選択された場合に、当該振分先フォルダに蓄積されている蓄積文書の一覧が表示されるものとすればよい。
【0056】
プレビューボタン1111は、選択された蓄積文書のプレビュー表示を行うためのボタンである。プレビューボタン1111の押下によりプレビュー表示が行われると、文書状態管理部105は、
図10に示したデータ管理テーブルにおいて、当該蓄積文書に対応するレコードの「既読/未読」を“未読”から“既読”に変更する。
【0057】
転送ボタン1112は、選択された蓄積文書を、所定のメールアドレスへ送信するためのボタンである。なお、転送ボタン1112が押下されると、選択された蓄積文書が、所定のFAXの宛先に送信、または所定のフォルダ(例えば管理者用フォルダ)に移動されるものとしてもよい。転送ボタン1112の押下により送信処理が行われると、文書状態管理部105は、
図10に示したデータ管理テーブルにおいて、当該蓄積文書に対応するレコードの「既読/未読」を“未読”から“既読”に変更する。
【0058】
印刷ボタン1113は、選択された蓄積文書を印刷するためのボタンである。印刷ボタン1113の押下により印刷処理が行われると、文書状態管理部105は、
図10に示したデータ管理テーブルにおいて、当該蓄積文書に対応するレコードの「既読/未読」を“未読”から“既読”に変更する。
【0059】
消去ボタン1114は、選択された蓄積文書を消去(削除)するためのボタンである。消去ボタン1114の押下により消去処理が行われると、蓄積管理部104は、
図10に示したデータ管理テーブルにおいて、当該蓄積文書に対応するレコードの「削除済み」を“True”に変更する。これによって、当該蓄積文書は、振分先フォルダ一覧表示領域1101に表示された蓄積文書に一覧から削除される。
【0060】
また、後述の
図12に示す蓄積文書複製処理で詳述するが、選択された蓄積文書が未読状態のまま消去操作、または、既読状態から設定時間内に消去操作がなされた場合、蓄積管理部104によって、誤操作による削除または不正操作が行われたとみなされ、当該蓄積文書が管理者用フォルダに複製(転送)される。この場合、蓄積管理部104は、
図10に示したデータ管理テーブルにおいて、当該蓄積文書に対応するレコードの「管理者通知」を“True”に変更する。すなわち、
図10に示したデータ管理テーブルにおいて、「管理者通知」が“True”で、「削除済み」が“True”の蓄積文書は、誤操作による削除または不正操作が行われたとみなされたことにより管理者用フォルダに複製(転送)された蓄積文書ということになる。一方、「管理者通知」が“False”で、「削除済み」が“True”の蓄積文書は、ユーザにより適切な処置(操作)により消去された蓄積文書であることを示す。このように「管理者通知」が“False”で、「削除済み」が“True”の蓄積文書の本体のデータは、即時、または、定期処理もしくは夜間処理において削除するものとすればよく、当該本体のデータが削除された場合、データ管理テーブルにおける当該蓄積文書に対応するレコードを削除するものとしてもよい。
【0061】
なお、
図7に示した蓄積フォルダ管理画面1100は、振分先フォルダ一覧表示領域1101に管理者用フォルダを表示されているが、これは管理者権限を有する管理者がログインした場合、または、管理者設定が行われていない場合の画面である。これに対して、管理者設定が行われていて、かつ管理者権限を有さないユーザがログインした場合には、
図8に示す蓄積フォルダ管理画面1100のように、振分先フォルダ一覧表示領域1101には管理者用フォルダを非表示とすればよい。
【0062】
図3に戻り、文書状態管理部105についての説明を続ける。文書状態管理部105は、
図2に示すCPU801によりプログラムが実行されることによって実現される。
【0063】
認証部106は、記憶部112または図示しない認証サーバ等に記憶されたユーザ管理情報に基づいて、MFP10へのログイン認証動作を制御する機能部である。認証部106は、
図2に示すCPU801によりプログラムが実行されることによって実現される。
【0064】
操作管理部107は、振分先フォルダに蓄積されている蓄積文書に対する操作を検知して、当該操作に関する情報を記憶部112に記憶させる機能部である。操作に関する情報としては、例えば、蓄積文書が既読状態になる操作がなされた時刻である未読解除時刻情報、および、蓄積文書の消去(削除)操作がなされた時刻である文書消去時刻情報等が挙げられる。操作管理部107は、
図2に示すCPU801によりプログラムが実行されることによって実現される。
【0065】
メール送信部108は、蓄積管理部104によって、誤操作による削除または不正操作が行われたとみなされた場合に当該蓄積文書が管理者用フォルダに複製(転送)された旨を、メールサーバ30を介して、管理者のメールアドレスへメール送信する機能部である。メール送信部108により送信されるメール内容の一例を、
図9に示す。
図9に示すように、メール送信部108により管理者のメールアドレスへ送信されるメールには、
図9に示すように、例えば、管理者用フォルダに複製された蓄積文書を特定する蓄積文書情報(文書IDまたは文書名等)、消去操作を行ったユーザの情報、蓄積文書が蓄積された日時である文書蓄積日時、蓄積文書が既読状態になった日時である文書既読日時、および、蓄積文書が消去(削除)された日時である文書削除日時が含まれる。なお、メール送信部108により送信されるメールに、管理者用フォルダに複製された蓄積文書そのものが添付されているものとしてもよい。メール送信部108は、
図2に示すCPU801によりプログラムが実行されることによって実現される。
【0066】
表示制御部109は、表示部110の表示動作を制御する機能部である。表示制御部109は、
図2に示すCPU801によりプログラムが実行されることによって実現される。
【0067】
表示部110は、表示制御部109の制御に従って各種画面(例えば、消去文書転送設定画面1000、および蓄積フォルダ管理画面1100等)を表示する機能部である。表示部110は、
図2に示す操作表示部810の表示機能によって実現される。
【0068】
入力部111は、ユーザから操作入力を受け付ける機能部である。入力部111は、
図2に示す操作表示部810の入力機能によって実現される。
【0069】
記憶部112は、振分先フォルダごとに蓄積された蓄積文書、プログラム、
図10に示したデータ管理テーブル、操作管理部107により検知された操作に関する情報、および設定部103により設定された設定情報等の各種情報を記憶する機能部である。記憶部112は、
図2に示す補助記憶装置808によって実現される。
【0070】
なお、上述の設定部103、蓄積管理部104、文書状態管理部105、認証部106、操作管理部107、メール送信部108および表示制御部109は、ソフトウェアであるプログラムの実行によって実現されるものとしたが、これに限定されるものではなく、これらの機能部のうち少なくともいずれかは専用のハードウェア回路(集積回路等)によって実現されるものとしてもよい。
【0071】
また、
図3に示すMFP10の各機能部は、機能を概念的に示したものであって、このような構成に限定されるものではない。例えば、
図3に示すMFP10で独立した機能部として図示した複数の機能部を、1つの機能部として構成してもよい。一方、
図3に示すMFP10で1つの機能部が有する機能を複数に分割し、複数の機能部として構成するものとしてもよい。
【0072】
(MFPの蓄積文書複製処理)
図11は、実施形態に係るMFPの蓄積文書複製処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12は、通知メール送信失敗時の蓄積フォルダ管理画面の一例を示す図である。
図11および
図12を参照しながら、本実施形態に係るMFP10の蓄積文書複製処理の流れについて説明する。
【0073】
<ステップS11>
MFP10の入力部111を介して、ある振分先フォルダに蓄積されたある蓄積文書に対して消去操作が行われると、操作管理部107は、当該対象文書に対して消去操作が行われたことを検知する。そして、操作管理部107は、当該消去操作がなされた時刻である文書消去時刻情報を記憶部112に記憶させる。そして、ステップS12へ移行する。
【0074】
<ステップS12>
ここで、設定部103により管理者用フォルダへの転送設定がなされている場合(ステップS12:Yes)、ステップS13へ移行し、当該転送設定がなされていない場合(ステップS12:No)、ステップS21へ移行する。
【0075】
<ステップS13>
設定部103により管理者用フォルダへの転送設定がなされている場合、文書状態管理部105は、
図10に示したデータ管理テーブルにおける当該蓄積文書に対応するレコードの「既読/未読」を参照することによって、当該蓄積文書が未読状態であるか既読状態であるかを確認する。そして、ステップS14へ移行する。
【0076】
<ステップS14>
文書状態管理部105により当該蓄積文書が未読状態であることが確認された場合(ステップS14:Yes)、ステップS17へ移行し、既読状態であることが確認された場合(ステップS14:No)、ステップS15へ移行する。
【0077】
<ステップS15>
文書状態管理部105により当該蓄積文書が既読状態であることが確認された場合、操作管理部107によって、蓄積文書が既読状態になる操作がなされた時刻である未読解除時刻情報が記憶部112に記憶されていることになる。ここで、蓄積管理部104は、記憶部112に記憶されている当該蓄積文書に対応する未読解除時刻情報、およびステップS11で記憶部112に記憶された文書消去時刻情報を取得する。そしてステップS16へ移行する。
【0078】
<ステップS16>
蓄積管理部104は、文書消去時刻情報が示す文書消去時刻から未読解除時刻情報が示す未読解除時刻を差し引いた時間が、転送対象期間内であるか否かを判定する。すなわち、蓄積管理部104は、(文書消去時刻-未読解除時刻)が、転送対象期間以内であるか否かを判定する。転送対象期間以内である場合(ステップS16:Yes)、ステップS17へ移行し、転送対象期間を超過した場合(ステップS16:No)、ステップS21へ移行する。
【0079】
<ステップS17>
(文書消去時刻-未読解除時刻)が、転送対象期間以内である場合、蓄積管理部104は、誤操作による削除または不正操作が行われたとみなし、当該蓄積文書を管理者用フォルダに複製(転送)する。そして、蓄積管理部104は、
図10に示したデータ管理テーブルにおいて、当該蓄積文書に対応するレコードの「管理者通知」を“True”に変更する。そして、ステップS18へ移行する。
【0080】
<ステップS18>
メール送信部108は、蓄積管理部104によって、誤操作による削除または不正操作が行われたとみなされた場合に当該蓄積文書が管理者用フォルダに複製(転送)された旨を、メールサーバ30を介して、管理者のメールアドレスへメール送信する。そして、ステップS19へ移行する。
【0081】
<ステップS19>
メール送信部108によるメール送信が成功した場合(ステップS19:Yes)、ステップS21へ移行し、失敗した場合(ステップS19:No)、ステップS20へ移行する。
【0082】
<ステップS20>
メール送信部108によるメール送信が失敗した場合、表示制御部109は、
図12に示す蓄積フォルダ管理画面1100のように、当該蓄積文書が管理者用フォルダへ複製されたことを示す複製履歴を、記憶部112に記憶させ、その旨を示す複製履歴ボタン1115を表示させる。なお、複製履歴ボタン1115を表示させる場合は、管理者がログインしている場合であればよく、管理者は複製履歴ボタン1115を押下することによって、複製履歴(例えば、管理者用フォルダに転送された蓄積文書のプレビュー表示等)を確認することができる。そして、ステップS21へ移行する。
【0083】
<ステップS21>
そして、蓄積管理部104は、振分先フォルダに蓄積されている当該蓄積文書を消去する。この場合、蓄積管理部104は、
図10に示すデータ管理テーブルにおいて当該蓄積文書に対応するレコードの「削除済み」を“False”から“True”に変更する。以上で、蓄積文書複製処理を終了する。
【0084】
以上のように、本実施形態に係るMFP10では、対象となる蓄積文書が未読状態で消去操作された場合、または、既読状態で転送対象期間内に消去された場合、蓄積管理部104により、誤操作による削除または不正操作が行われたとみなされ、当該蓄積文書が管理者用フォルダに複製(転送)された上で、当該蓄積文書は消去されるものとしている。これによって、誤操作による削除または不正操作が行われたことによる蓄積文書の消去の際に、管理者用フォルダに複製させておき、管理者は当該蓄積文書を確認することができる。したがって、誤操作または蓄積文書の不正使用による消去操作に対して、セキュリティの向上を実現できる。
【0085】
また、本実施形態に係るMFP10では、対象となる蓄積文書が未読状態で消去操作された場合、または、既読状態で転送対象期間内に消去された場合、当該蓄積文書が管理者用フォルダに複製されると共に、メール送信部108によって、誤操作による削除または不正操作が行われたとみなされた場合に当該蓄積文書が管理者用フォルダに複製(転送)された旨が、管理者のメールアドレスへメール送信されるものとしている。これによって、管理者は当該蓄積文書について誤操作による削除または不正操作が行われたことを知ることができ、その対処を講じることができる。
【0086】
なお、上述の実施形態の各機能は、一または複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上述した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)、GPU(Graphics Processing Unit)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0087】
また、上述の実施形態において、MFP10の各機能部の少なくともいずれかがプログラムの実行によって実現される場合、そのプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。また、上述の実施形態に係るMFP10で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フレキシブルディスク(FD)、CD-R(Compact Disk-Recordable)、DVDまたはSD(Secure Digital)カード等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態に係るMFP10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、上述の実施形態に係るMFP10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、上述の実施形態に係るMFP10で実行されるプログラムは、上述した各機能部のうち少なくともいずれかを含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPUが上述の記憶装置からプログラムを読み出して実行することにより、上述の各機能部が主記憶装置上にロードされて生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0088】
10 MFP
20 送信元装置
30 メールサーバ
40 管理者用PC
50 公衆回線網
60 ネットワーク
101 FAX通信部
102 通信部
103 設定部
104 蓄積管理部
105 文書状態管理部
106 認証部
107 操作管理部
108 メール送信部
109 表示制御部
110 表示部
111 入力部
112 記憶部
800 コントローラ
801 CPU
802 システムメモリ(MEM-P)
803 ノースブリッジ(NB)
804a サウスブリッジ(SB)
804b ネットワークI/F
804c USB I/F
804d セントロニクスI/F
804e センサI/F
805 AGP
806 ASIC
807 ローカルメモリ(MEM-C)
808 補助記憶装置
810 操作表示部
820 FCU
831 プロッタ
832 スキャナ
1000 消去文書転送設定画面
1001 消去文書転送設定入力部
1002 転送対象時間設定入力部
1011 OKボタン
1012 取消ボタン
1100 蓄積フォルダ管理画面
1101 振分先フォルダ一覧表示領域
1111 プレビューボタン
1112 転送ボタン
1113 印刷ボタン
1114 消去ボタン
1115 複製履歴ボタン
【先行技術文献】
【特許文献】
【0089】
【文献】特開2014-192621号公報
【文献】特開2005-323105号公報