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特許7501832グルコース酸化物生成抑制用組成物、AGEs生成抑制用組成物、及び、AGEsを介したタンパク質分子間の架橋の切断用組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】グルコース酸化物生成抑制用組成物、AGEs生成抑制用組成物、及び、AGEsを介したタンパク質分子間の架橋の切断用組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/105 20160101AFI20240611BHJP
   A61K 36/79 20060101ALI20240611BHJP
   A61K 36/185 20060101ALI20240611BHJP
   A61K 36/67 20060101ALI20240611BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240611BHJP
   A23L 23/00 20160101ALI20240611BHJP
   A23L 35/00 20160101ALI20240611BHJP
   A23L 27/10 20160101ALI20240611BHJP
   A23L 27/60 20160101ALI20240611BHJP
   A23G 3/34 20060101ALI20240611BHJP
   A23L 7/109 20160101ALI20240611BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20240611BHJP
   A23L 2/02 20060101ALI20240611BHJP
   A23L 2/38 20210101ALI20240611BHJP
   C12G 3/04 20190101ALI20240611BHJP
   A23F 3/16 20060101ALI20240611BHJP
   A61K 36/61 20060101ALN20240611BHJP
   A61K 36/54 20060101ALN20240611BHJP
   A61K 36/9066 20060101ALN20240611BHJP
   A61K 36/9068 20060101ALN20240611BHJP
   A61K 36/23 20060101ALN20240611BHJP
   A61K 36/235 20060101ALN20240611BHJP
   A61K 36/906 20060101ALN20240611BHJP
   A61K 36/752 20060101ALN20240611BHJP
【FI】
A23L33/105
A61K36/79
A61K36/185
A61K36/67
A61P3/10
A23L23/00
A23L35/00
A23L27/10 C
A23L27/60 A
A23G3/34
A23L7/109 A
A23L2/00 F
A23L2/02 Z
A23L2/38 C
C12G3/04
A23F3/16
A61K36/61
A61K36/54
A61K36/9066
A61K36/9068
A61K36/23
A61K36/235
A61K36/906
A61K36/752
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019141184
(22)【出願日】2019-07-31
(65)【公開番号】P2021023147
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-05-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 研究集会名:第16回糖化ストレス研究会講演会 開催日:平成30年10月18日 開催場所:同志社大学東京オフィス
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 刊行物名:第16回糖化ストレス研究会講演会の要旨集 頒布日:平成30年10月18日 頒布場所:同志社大学東京オフィス
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】713011603
【氏名又は名称】ハウス食品株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】503027931
【氏名又は名称】学校法人同志社
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中山 英樹
(72)【発明者】
【氏名】八木 雅之
(72)【発明者】
【氏名】米井 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼部 稚子
(72)【発明者】
【氏名】今 美知
【審査官】厚田 一拓
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0183892(US,A1)
【文献】特開2014-162721(JP,A)
【文献】特開2017-141201(JP,A)
【文献】特表2002-541205(JP,A)
【文献】特開2013-253072(JP,A)
【文献】Mohammad Moniruzzaman et al.,Formulation of five curry spice mixtures and investigation of their effect on advanced glycation endproduct formation,Glycative Stress Research,2016年,Vol.3, No.1,p.5-14
【文献】-第18回日本抗加齢医学会総会で発表-ハーブ含有食品の糖化ストレス抑制作用をヒト臨床試験で確認, アークレイ株式会社, [online], 2018年5月28日, [retrieved on 2023.03.10], Retrieved from the Internet, URL, https://www.arkray.co.jp/japanese/news/press/release20180528.html
【文献】Malgorzata Starowicz et al.,Inhibition of Advanced Glycation End-Product Formation by High Antioxidant-Leveled Spices Commonly Used in European Cuisine,Antioxidants,2019年04月15日,Vol.8, No.100,p.1-12
【文献】Sirichai Adisakwattana et al.,Cinnamic Acid and Its Derivatives Inhibit Fructose-Mediated Protein Glycation,International Journal of Molecular Sciences,2012年,Vol.13,p.1778-1789
【文献】Safaa Qusti et al.,The Hypoglycemic and Antioxidant Activity of Cress Seed and Cinnamon on Streptozotocin Induced Diabetes in Male Rats,Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine,2016年,Vol.2016,p.1-15
【文献】八木 雅之ほか,糖化ストレスと抗糖化作用の評価,オレオサイエンス,2018年,第18巻, 第2号,p.67-73
【文献】Curry Seasoning Powder, Mintel GNPD, [online], 記録番号(ID#)2627457, 2014年8月, [retrieved on 2023.03.10], Retrieved from the Internet, URL, https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/2627457
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23F 3/00 - 5/50
A23G 1/00 - 9/52
A23L 2/00 - 35/00
A61K 6/00 -135/00
A61P 1/00 - 43/00
C12G 1/00 - 3/08
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/FSTA/AGRICOLA(STN)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化反応中間体であるグルコース酸化物の生成抑制用組成物であって、スターアニス、黒コショウ、及びナツメグからなる群から選択される1種のスパイス植物からなる、糖化反応中間体であるグルコース酸化物の生成抑制剤を含有する、組成物
【請求項2】
前記グルコース酸化物が、3-デオキシグルコソン(3DG)、グリオキサール(GO)又はメチルグリオキサール(MGO)である、請求項1に記載の糖化反応中間体であるグルコース酸化物の生成抑制用組成物。
【請求項3】
カレー、ふりかけ、スープ、洋風煮込み料理、ソース、ドレッシング、スナック、麺、デザート、ジュース、お茶、お酒、錠菓、チュアブル錠、錠剤、粉剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤又はドリンク剤の形態を有する食品組成物である、請求項に記載の糖化反応中間体であるグルコース酸化物の生成抑制用組成物。
【請求項4】
ペントシジンの生成抑制用組成物であって、ナツメグ及びスターアニスからなる群から選択される1種のスパイス植物からなる、ペントシジンの生成抑制剤を含有する、組成物
【請求項5】
カルボキシメチルリジンの生成抑制用組成物であって、ナツメグ及びスターアニスからなる群から選択される1種のスパイス植物からなる、カルボキシメチルリジンの生成抑制剤を含有する、組成物。
【請求項6】
カレー、ふりかけ、スープ、洋風煮込み料理、ソース、ドレッシング、スナック、麺、デザート、ジュース、お茶、お酒、錠菓、チュアブル錠、錠剤、粉剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤又はドリンク剤の形態を有する食品組成物である、請求項に記載のペントシジンの生成抑制用組成物又は請求項5に記載のカルボキシメチルリジンの生成抑制用組成物
【請求項7】
クローブ、桂皮、ジンジャー、スターアニス、ナツメグ、黒コショウ、カルダモン、クミン、及びチンピからなる群から選択される1以上を含有する、糖化反応最終生成物(AGEs)を介したタンパク質分子間の架橋の切断用組成物。
【請求項8】
カレー、ふりかけ、スープ、洋風煮込み料理、ソース、ドレッシング、スナック、麺、デザート、ジュース、お茶、お酒、錠菓、チュアブル錠、錠剤、粉剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤又はドリンク剤の形態を有する食品組成物である、請求項に記載の糖化反応最終生成物(AGEs)を介したタンパク質分子間の架橋の切断用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のスパイスを有効成分として含有する、グルコース酸化物の生成抑制用組成物に関する。
本発明はまた、特定のスパイスを有効成分として含有する、糖化反応最終生成物(AGEs)の生成抑制用組成物に関する。
本発明はまた、特定のスパイスを有効成分として含有する、糖化反応最終生成物(AGEs)を介したタンパク質分子間の架橋の切断用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
糖化ストレスによる糖化反応最終生成物(AGEs)の生体内蓄積は加齢に伴って亢進し、老化や慢性疾患の発症・進展の危険因子となる。糖化ストレスが最も顕著に現れた病態の一つには糖尿病がある。糖尿病の三大合併症である神経障害、網膜症、腎症では組織中にAGEsが蓄積し、生理的・物理的機能変化をもたらしている。また糖化ストレスによる皮膚でのAGEs蓄積は肌のクスミ、ハリ、弾力低下などの要因となり、見た目の老化進展に関与している。
【0003】
糖化対策には、食後高血糖の抑制、糖化反応の抑制、生成したAGEsの分解などがある。一方、生体内の糖化反応は複雑多経路である。このため糖化反応の抑制やAGEsの蓄積の抑制には、複数の生成経路に着目した対策が必要になる。
【0004】
特許文献1には、バラ科、カキノキ科、フトモモ科、シソ科、イネ科、マメ科、ジャケツイバラ科、ミソハギ科に属する植物の抽出物の一種又は二種以上の組み合わせからなり、ヒト血清アルブミンの蛍光性AGEs、3DG、ペントシジン生成を阻害し、かつコラーゲンの蛍光性AGEs、CMLの生成を阻害する蛋白質糖化反応阻害剤が開示されている。フトモモ科に属する植物としてグァバが具体例として記載されている。
【0005】
特許文献2には、ショウガ、ケイヒ等の植物原料を減圧条件下に乾留して得られる減圧乾留物を有効成分とすることを特徴とするメイラード反応抑制剤が開示されており、メイラード反応抑制とは、特に、ペントシジンの生成の阻害であることが記載されている。
【0006】
特許文献3には、ウーロン茶、ほうじ茶、レモングラス、番茶、プーアール、ベニバナの抽出物を1種類以上含む組み合わせからなり、酸化蛋白質分解酵素(OPH)の酸化蛋白質分解活性を1.2倍以上活性化するとともにOPHのAGEs分解を活性化するOPH活性増強剤が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2013-253072号公報
【文献】特開2014-205658号公報
【文献】特開2017-178970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、糖化反応を抑制する組成物、特に、糖化反応中間体であるグルコース酸化物の生成を抑制するための組成物、糖化反応最終生成物(AGEs)の生成を抑制するための組成物、並びに、AGEsを介したタンパク質分子間の架橋を抑制するための組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記の目的を達成するために鋭意研究し、以下の発明を完成するに至った。
【0010】
(1)クローブ、桂皮、スターアニス、ターメリック、ジンジャー、黒コショウ、コリアンダー、フェンネル、ナツメグ、クミン及びカルダモンから選択される1以上を含有する、グルコース酸化物の生成抑制用組成物。
(2)前記グルコース酸化物が、3-デオキシグルコソン(3DG)、グリオキサール(GO)又はメチルグリオキサール(MGO)である、(1)に記載の組成物。
(3)カレー、ミックススパイス、ふりかけ、調味料、スープ、洋風煮込み料理、ソース、ドレッシング、スナック、麺、デザート、ジュース、お茶、お酒、錠菓、チュアブル錠、錠剤、粉剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤又はドリンク剤の形態を有する食品組成物である、(1)又は(2)に記載の組成物。
(4)フェンネル、クミン、ターメリック、ナツメグ、クローブ、スターアニス及び桂皮から選択される1以上を含有する、糖化反応最終生成物(AGEs)の生成抑制用組成物。
(5)フェンネル、クミン、ターメリック、ナツメグ、クローブ及びスターアニスから選択される1以上を含有し、前記糖化反応最終生成物がペントシジンである、(4)に記載の組成物。
(6)前記糖化反応最終生成物がカルボキシメチルリジンである、(4)に記載の組成物。
(7)カレー、ミックススパイス、ふりかけ、調味料、スープ、洋風煮込み料理、ソース、ドレッシング、スナック、麺、デザート、ジュース、お茶、お酒、錠菓、チュアブル錠、錠剤、粉剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤又はドリンク剤の形態を有する食品組成物である、(4)~(6)のいずれかに記載の組成物。
(8)クローブ、桂皮、ジンジャー、スターアニス、ナツメグ、ターメリック、黒コショウ、カルダモン、クミン、フェンネル及びチンピから選択される1以上を含有する、糖化反応最終生成物(AGEs)を介したタンパク質分子間の架橋の切断用組成物。
(9)カレー、ミックススパイス、ふりかけ、調味料、スープ、洋風煮込み料理、ソース、ドレッシング、スナック、麺、デザート、ジュース、お茶、お酒、錠菓、チュアブル錠、錠剤、粉剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤又はドリンク剤の形態を有する食品組成物である、(8)に記載の組成物。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、所定のスパイスを有効成分として含む、糖化反応中間体であるグルコース酸化物の生成を抑制するための組成物、AGEsの生成を抑制するための組成物、並びに、AGEsを介したタンパク質分子間の架橋を抑制するための組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、糖化反応中間体の2,3-ジアミノナフタレン(DAN)誘導体化測定法のための、誘導体化反応を示す。
図2図2は、各スパイス試料の熱水による抽出物の、糖化反応中間体の1つである3-デオキシグルコソン(3DG)の生成阻害率を示す。
図3図3は、各スパイス試料の熱水による抽出物の、糖化反応中間体の1つであるグリオキサール(GO)の生成阻害率を示す。
図4図4は、各スパイス試料の熱水による抽出物の、糖化反応中間体の1つであるメチルグリオキサール(MGO)の生成阻害率を示す。
図5図5は、各スパイス試料の70%エタノール水溶液による抽出物の、糖化反応中間体の1つである3-デオキシグルコソン(3DG)の生成阻害率を示す。
図6図6は、各スパイス試料の70%エタノール水溶液による抽出物の、糖化反応中間体の1つであるグリオキサール(GO)の生成阻害率を示す。
図7図7は、各スパイス試料の70%エタノール水溶液による抽出物の、糖化反応中間体の1つであるメチルグリオキサール(MGO)の生成阻害率を示す。
図8図8は、各スパイス試料の70%エタノール水溶液による抽出物の、糖化反応最終生成物(AGEs)の1つであるペントシジンの生成阻害率を示す。
図9図9は、各スパイス試料の70%エタノール水溶液による抽出物の、糖化反応最終生成物(AGEs)の1つであるカルボキシメチルリジン(CML)の生成阻害率を示す。
図10図10は、各スパイス試料の70%エタノール水溶液による抽出物による、糖化反応最終生成物(AGEs)架橋切断率を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<1.スパイス植物>
本発明の各態様に係る組成物は、活性成分として1種以上のスパイス植物を含有することを特徴とする。
【0014】
本発明に用いるスパイス植物は、スパイスとして用いられる部位の、原形のままの形態であってもよいし、前記部位を適当な寸法及び形状にカットした形態であってもよいし、前記部位を粉砕した形態であってもよい。前記各形態のスパイス植物は、乾燥されたものであってもよい。
【0015】
本発明に用いるスパイス植物は、スパイス植物の抽出溶媒による抽出物であってもよい。抽出に用いるスパイス植物の部位は、スパイスとして用いられる部位であることが好ましく、上記のような各形態であってよい。抽出溶媒としては、水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合溶媒及び超臨界流体から選択される1以上が使用できる。水は熱水も包含する。有機溶媒としてはエタノール、メタノール、ヘキサン、アセトン等が挙げられ、エタノールが特に好ましい。水と有機溶媒との混合溶媒としては、水とアルコールとの混合溶媒が好ましく、水とエタノールとの混合溶媒が特に好ましい。水と有機溶媒との混合比は特に限定されないが、例えば重量比で、水:有機溶媒が、好ましくは5:95~95:5、より好ましくは10:90~50:50、特に好ましくは20:80~40:60であることができる。本発明に用いるスパイス植物が抽出物である場合、前記抽出物は、抽出溶媒による抽出により得られた溶媒抽出物に限らず、溶媒抽出物を更に、カラムクロマトグラフィ等で分画精製したものをも包含する。前記抽出物は、抽出操作(分画精製を行う場合は分画精製操作も含む)の完了した抽出液、抽出液から溶媒を部分的に除去した濃縮物、或いは、抽出液から溶媒を除去した乾燥物の形態であることができる。抽出物からの溶媒の除去は、加熱及び/又は減圧等により溶媒を揮発することにより行うことができる。これらの加熱、減圧の方法は特に限定されず、例えば従来公知の方法を使用することができる。
【0016】
<2.組成物の形態>
本発明の各態様に係る組成物は、医薬品、食品、飼料、食品添加剤、飼料添加剤等の各形態の組成物であってよく、医薬品又は食品であることがより好ましい。食品は、機能性表示食品、特定保健用食品、栄養補給のためのサプリメント等の形態のものも包含する。
【0017】
本発明の各態様に係る組成物は、好ましくは、経口又は経鼻により摂取又は投与される組成物の形態であり、より好ましくは、経口により摂取又は投与される組成物の形態である。
【0018】
本発明の各態様に係る組成物の形状は、特に限定されず、例えば、液体状、流動状、ゲル状、半固形状、又は固形状などの何れの形状であってもよい。
【0019】
本発明の各態様に係る組成物は、所定のスパイス植物に加えて、少なくとも1種の他の成分を更に含んでいてもよい。本発明の各態様に係る組成物が含み得る、少なくとも1種の他の成分としては、特に限定されないが、好ましくは、医薬品、食品、飼料、食品添加剤、飼料添加剤等の最終的な形態において許容される成分であって、経口摂取可能な成分が例示できる。
【0020】
このような他の成分としては例えば、デンプン、調味料、甘味料、酸味料、ビタミン類、ミネラル類、増粘剤、乳化剤、酸化防止剤、水等が挙げられる。また、必要により、色素、香料、保存料、防腐剤、防かび剤、更なる生理活性物質等を添加してもよい。
【0021】
前記他の成分は、それぞれ当業者が食品、医薬品等の組成物に通常採用する範囲内の量で適宜配合することができる。
【0022】
本発明の各態様に係る組成物における、所定のスパイス植物の含有量は特に限定されず、各態様における所定の活性を奏するために有効な含有量であればよい。
【0023】
本発明の各態様に係る組成物は、特に好ましくは、スパイス植物を含む食品組成物である。スパイス植物を含む食品組成物の具体例としては、カレー(ルウ、ソース)、スパイス、ミックススパイス(カレー粉、ガラムマサラ等)、ふりかけ、調味料、スープ、洋風煮込み料理(シチュー、チャウダー、ハヤシ、ハッシュドビーフ、ブイヤベース等)、ソース、ドレッシング、スナック、麺(ラーメン、うどん等)、デザート、ジュース、お茶、お酒、錠菓、チュアブル錠、錠剤、粉剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤、ドリンク剤等の形態の食品組成物が挙げられる。ルウとしてはカレールウ、シチュールウが例示できる。ソースとしては、カレーソース、シチューソース、ハヤシソース等が例示できる。
【0024】
<3.グルコース酸化物の生成抑制用組成物>
本発明の第一の態様は、クローブ、桂皮、スターアニス、ターメリック、ジンジャー、黒コショウ、コリアンダー、フェンネル、ナツメグ、クミン及びカルダモンから選択される1以上を含有する、グルコース酸化物の生成抑制用組成物に関する。
【0025】
グルコース酸化物は、生体内でのタンパク質の糖化反応の中間体として生じる化合物群であり、具体的には、3-デオキシグルコソン(3DG)、グリオキサール(GO)、メチルグリオキサール(MGO)等を包含する。3DGは糖尿病性細小血管症を引き起こす可能性があることが知られている。GOは血管内皮細胞において炎症性反応を誘導し、動脈硬化を引き起こす可能性があることが知られている。MGOを血管内皮細胞においてアポトーシスを誘導し動脈硬化を引き起こす可能性があることが知られている。本発明の第一の態様の組成物はこれらのグルコース酸化物の生体内又は生体外、特に生体内、での生成を抑制するために用いられる。
【0026】
グルコース酸化物である3DGの生成抑制用組成物の有効成分としては、特に、クローブ、桂皮、ジンジャー、カルダモン、スターアニス、ターメリック、ナツメグ及び黒コショウから選択される1以上が好ましく、クローブ、桂皮、ジンジャー、スターアニス、ターメリック、ナツメグ及びから選択される1以上が更に好ましい。
【0027】
グルコース酸化物であるGOの生成抑制用組成物の有効成分としては、特に、クローブ、桂皮、スターアニス、ターメリック、ジンジャー、黒コショウ、フェンネル、ナツメグ、クミン及びコリアンダーから選択される1以上が好ましく、クローブ、桂皮、スターアニス、ターメリック、ジンジャー、黒コショウ、フェンネル、ナツメグ及びクミンから選択される1以上が更に好ましい。
【0028】
グルコース酸化物であるMGOの生成抑制用組成物の有効成分としては、特に、クローブ、桂皮、スターアニス、ターメリック、ジンジャー、黒コショウ、フェンネル、ナツメグ、クミン及びカルダモンから選択される1以上が好ましく、クローブ、桂皮、スターアニス、ターメリック、ジンジャー、黒コショウ、フェンネル、ナツメグ及びクミンから選択される1以上が更に好ましい。
【0029】
<4.糖化反応最終生成物(AGEs)の生成抑制用組成物>
本発明の第二の態様は、フェンネル、クミン、ターメリック、ナツメグ、クローブ、スターアニス及び桂皮から選択される1以上を含有する、糖化反応最終生成物(AGEs)の生成抑制用組成物に関する。
【0030】
AGEsは、生体内でのタンパク質の糖化反応の最終生産物として生じる化合物群であり、具体的には、ペントシジン、カルボキシメチルリジン(CML)、クロスリン、ピラリン等を包含する。本態様に係る組成物は、一般的なAGEsの蛍光性が励起波長370nm、蛍光波長440nmであるのに対し、AGEsのなかでも特に、蛍光性が励起波長335nm、蛍光波長385nmであるペントシジン、及び蛍光性をもたないCMLの生成を抑制する作用が特に高い。ペントシジンは骨粗鬆症における骨質不良の要因である可能性がある。CMLは皮膚の老化、特に肌のキメの低下、の要因である可能性がある。本発明の第二の態様の組成物はこれらのAGEsの生体内又は生体外、特に生体内、での生成を抑制するために用いられる。
【0031】
AGEsであるペントシジンの生成抑制用組成物の有効成分としては、特に、フェンネル、クミン、ターメリック、ナツメグ、クローブ及びスターアニスから選択される1以上が好ましく、クミン、ターメリック、ナツメグ、クローブ及びスターアニスから選択される1以上が更に好ましい。
【0032】
AGEsであるCMLの生成抑制用組成物の有効成分としては、特に、フェンネル、ターメリック、ナツメグ、クローブ、スターアニス及び桂皮から選択される1以上が好ましく、ターメリック、ナツメグ、クローブ、スターアニス及び桂皮から選択される1以上が更に好ましい。
【0033】
<5.糖化反応最終生成物(AGEs)を介したタンパク質分子間の架橋の切断用組成物>
本発明の第三の態様は、クローブ、桂皮、ジンジャー、スターアニス、ナツメグ、ターメリック、黒コショウ、カルダモン、クミン、フェンネル及びチンピから選択される1以上を含有する、糖化反応最終生成物(AGEs)を介したタンパク質分子間の架橋の切断用組成物に関する。
【0034】
生体内でのタンパク質の糖化反応により生じたAGEsは、コラーゲン等のタンパク質分子間を架橋して蓄積することが知られている。AGEsはタンパク質分子間の架橋により体内の様々な部分に蓄積し、例えば、骨に蓄積すると骨粗鬆症を引き起こすことが知られている。また、AGEsによるタンパク質分子間の架橋は、皮膚の老化の原因となる可能性がある。本発明の第三の態様の組成物はAGEsによるタンパク質分子間の架橋を、生体内又は生体外、特に生体内、において抑制するために用いられる。AGEsの例は上記の通りである。
【0035】
AGEsを介したタンパク質分子間の架橋の切断用組成物の有効成分としては、特に、クローブ、桂皮、ジンジャー、スターアニス、ナツメグ、ターメリック、黒コショウ及びカルダモから選択される1以上が好ましく、クローブ、桂皮、ジンジャー、スターアニス、ナツメグ及びターメリックから選択される1以上が更に好ましい。
【実施例
【0036】
<1.スパイス試料>
表1に示す単品スパイス15種類と、カレー粉1種類を以下の評価に使用した。カレー粉の組成を表2に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
<2.方法>
1)試料抽出液の調製
各スパイス試料2gを40mLの精製水または70%エタノール水溶液に懸濁した。試料の抽出には、熱水抽出の場合80℃で75分間、70%エタノール抽出の場合50℃で4時間の条件とし、得られた抽出液を遠心分離およびろ過後に各試料の抽出液とした。
【0040】
各抽出液は5mLを120℃で2時間乾燥させた後の重量から固形分濃度算出した。
【0041】
2)糖化反応中間体生成抑制作用の評価
HSA-グルコース糖化反応系を使用して、各抽出液サンプルの糖化反応中間体生成抑制作用を評価した。生体中の主な糖化反応中間体には3-デオキシグルコソン(3DG)、グリオキサール(GO)、メチルグリオキサール(MGO)などがある。3DGは糖尿病性網膜症、腎症などとの関係が知られており、血中濃度が100nmol/L上昇すると、そのリスクが2倍高くなることが報告されている。GOはカルボキシメチルリジン(CML)の生成中間体であり、脂質の酸化からも生成することが知られている。MGOは細胞内で解糖系やポリオール経路からも生成し、I型糖尿病患者の血中や硝子体で増加していることが報告されている。
【0042】
HSA-グルコース糖化反応は次のように行った。0.1mol/L NaHPO-NaHPOリン酸緩衝液(pH7.4)、8mg/mLヒト血清アルブミン(HSA)(シグマ-アルドリッチ社)、0.6moL/Lグルコースを含む糖化反応液中に、前記のスパイス試料抽出液を1/10濃度になるように添加し、60℃で40時間インキュベートした。コントロールとしてはスパイス試料抽出液の代わりに水又は70%エタノールを添加したものを用いた。糖化反応中間体生成抑制作用のポジティブコントロールにはスパイス試料抽出液の代わりに1mg/mLアミノグアニジン水溶液を使用した。
【0043】
前記糖化反応液中の3DG、GO、MGOを2.3-ジアミノナフタレン(DAN)でアミノナフタレン誘導体化後(プレラベル化)、逆相HPLCで測定した(図1参照)。
【0044】
各糖化反応中間体の生成阻害率(%)は、糖化反応系にスパイス試料抽出液を添加した反応液での各糖化反応中間体の濃度(A)、Aのブランクとしてグルコース水溶液の代わりに蒸留水を添加した反応液での各糖化反応中間体の濃度(B)、スパイス試料抽出液を添加せずに抽出溶媒(水又は70%エタノール)を添加してインキュベートした反応液での各糖化反応中間体の濃度(C)、Cのブランクとしてグルコースの代わりに蒸留水を添加した反応液での各糖化反応中間体の濃度(D)として、下記の式に従い算出した。
生成阻害率(%)={1-(A-B)/(C-D)}×100
【0045】
3)ペントシジン生成抑制作用の評価
ペントシジンは蛍光性・架橋性AGEsの一種である。生体内では皮膚タンパクや骨コラーゲンでの蓄積が報告されている。特に血中ペントシジン量は早期腎症マーカーとして保険適用されている。さらに尿中・血中ペントシジン量は骨粗鬆症における骨質の評価指標として注目されている。
【0046】
本評価ではHSA-グルコース糖化反応系にスパイス試料抽出液を添加し、ペントシジン生成阻害率を測定した。HSA-グルコース糖化反応及び反応系中でのスパイス試料抽出液の添加条件は、糖化反応中間体生成抑制作用の評価に関して記載した通りである。ペントシジンは、HSA-グルコース糖化反応サンプルを塩酸加水分解後、逆相HPLC-蛍光検出法で測定した。ペントシジン生成阻害率は、上記の糖化反応中間体生成阻害率と同様に求めた。
【0047】
ペントシジン生成抑制作用の評価には、スパイス試料抽出液として、スパイス試料の70%エタノール水溶液による抽出液のみを用いた。
【0048】
4)カルボキシメチルリジン(CML)生成抑制作用の評価
カルボキシメチルリジン(CML)は非蛍光性・非架橋性AGEsの一種である。生体内では様々組織での蓄積が報告されており、特に皮膚老化の関与が示されている。
【0049】
本評価ではHSA-グルコース糖化反応系にスパイス試料抽出液を添加し、CML生成阻害率を測定した。HSA-グルコース糖化反応及び反応系中でのスパイス試料抽出液の添加条件は、糖化反応中間体生成抑制作用の評価に関して記載した通りである。CMLはCircuLex CML/Nε-(Carboxymethyl)lysine ELISA Kit(MBL)を使用して測定した。CML生成阻害率は、上記の糖化反応中間体生成阻害率と同様に求めた。
【0050】
CML生成抑制作用の評価には、スパイス試料抽出液として、スパイス試料の70%エタノール水溶液による抽出液のみを用いた。
【0051】
5)AGEs架橋切断作用の評価
AGEs架橋モデル物質である1-フェニル-1,2-プロパンジオン(PPD)をスパイス試料抽出液が分解する作用を評価する。AGEsが関与する架橋構造を分解する物質には、N-フェナシルチアゾリウムブロミド(N-phenacylthiazolium bromide:PTB)が知られている。PTBは糖化によるAGEs形成に伴うタンパク質架橋のαジケトン構造を切断分解することで血管内のAGEsによる架橋変性を抑制し、糖尿病性血管合併症の治療に寄与する可能性が示されている。このためAGEs架橋分解作用は糖化ストレスの治療的なアプローチとして注目されている。
【0052】
本評価ではPTBの作用評価モデル基質であるPPDを、スパイス試料抽出液が、PPD分子内のαジケトン構造を切断し安息香酸を遊離する作用を検証した。安息香酸の測定の測定には逆相HPLCを使用した。
【0053】
AGEs架橋切断作用の評価には、スパイス試料抽出液として、スパイス試料の70%エタノール水溶液による抽出液のみを用いた。
【0054】
<3.結果>
1)スパイス試料抽出液の固形分濃度
【0055】
【表3】
【0056】
2)糖化反応中間体生成物抑制作用
上記の手順で、スパイス試料抽出液およびアミノグアニジンを1mg/mLに希釈して試験溶液を作成し、HSA-グルコース糖化反応系における糖化反応中間体(3DG,GO,MGO)生成阻害率を求めた(反応濃度0.1mg/mL)。
【0057】
2)-1.熱水抽出液の糖化反応中間体生成抑制作用
3DGおよびMGO生成抑制作用は単品スパイス15種類、カレー粉の全てに認められた(表4)。GO生成抑制作用はカルダモンを除く全ての抽出液に認められた。
【0058】
3DG、GO、MGO生成阻害率の高いものから順位づけした(図2、3、4)。クローブは3DG、GO、MGO生成阻害率ともに全試料中最も大きく、次いで桂皮が大きかった。これら2種類以外ではターメリック、ジンジャー、黒コショウ、スターアニス、コリアンダーの生成阻害率が大きかった。カルダモンは3DG生成阻害率が単品スパイス15種類中4位(43.0±0.5%)であったが、MGO生成阻害率が13位(7.5±2.2%)であり、GO生成抑制作用が認められなかった(-32.4±3.4%)。
【0059】
【表4】
【0060】
2)-2.70%エタノール抽出液の糖化反応中間体生成抑制作用
3DG生成抑制作用はコリアンダーを除く全て、GO生成抑制作用はコリアンダー、カルダモンを除く全て、MGO生成抑制作用は全てに認められた(阻害率1%以下は作用なしとした)(表5)。
【0061】
3DG、GO、MGO生成阻害率の高いものから順に順位づけした(図5、6、7)。クローブ、桂皮、スターアニスは3DG、GO、MGO生成阻害率ともに全試料中の上位3位に含まれた。これら3種類以外ではフェンネル、クミン、ナツメグ、ターメリック、ジンジャーの生成阻害率が大きかった。カレー粉は3DG、GO、MGO生成阻害率ともに大きかった。カレー粉の糖化反応中間体生成阻害率の大きさは、成分にターメリック(524‰)、クミン(109‰)、クローブ(109‰)、ジンジャー(40‰)が含まれることに起因すると考えられた。
【0062】
【表5】
【0063】
3)70%エタノール抽出液のペントシジン生成抑制作用
ペントシジン生成抑制作用は、コリアンダー、黒コショウ以外のスパイス試料抽出液に認められた(表6、図8)。スターアニス(62.2%)、クローブ(57.6%)に50%以上の強いペントシジン生成抑制作用が認められた。
【0064】
【表6】
【0065】
4)70%エタノール抽出液のカルボキシメチルリジン(CML)生成抑制作用
CML生成抑制作用は、コリアンダー、フェヌグリーク、黒コショウ、カルダモン、トウガラシ、ガーリック以外のスパイス試料抽出液に認められた(表7,図9)。このうちスターアニス(101.8%)、桂皮(100.6%)、ナツメグ(100.1%)、クローブ(100.1%)、カレー粉(96.8%)は、極めて強いCML生成抑制作用が認められた。
【0066】
【表7】
【0067】
5)70%エタノール抽出液のAGEs架橋切断作用
AGEs架橋切断作用に関しては、クローブ(21.3%)にポジティブコントロールとして使用した5mmol PTBと同レベルの作用が認められた(表8、図10)。他の試料もAGEs架橋切断率が正の値であった。しかし各試料の抽出液として使用している70%エタノールも1.9%のAGEs架橋切断率を示したことから、AGEs架橋切断率が2%未満の試料は、実質的にAGEs架橋切断作用を有していない可能性がある。
【0068】
【表8】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10