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特許7501863原発性胆汁性胆管炎の検出を補助する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】原発性胆汁性胆管炎の検出を補助する方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/92 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
G01N33/92 A
G01N33/92 C
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2023037093
(22)【出願日】2023-03-10
(62)【分割の表示】P 2018156744の分割
【原出願日】2018-08-23
(65)【公開番号】P2023063389
(43)【公開日】2023-05-09
【審査請求日】2023-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000003296
【氏名又は名称】デンカ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人北海道大学
(73)【特許権者】
【識別番号】519345999
【氏名又は名称】能祖 一裕
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 康樹
(72)【発明者】
【氏名】太田 素子
(72)【発明者】
【氏名】千葉 仁志
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】岡田 裕之
(72)【発明者】
【氏名】能祖 一裕
【審査官】三木 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-077798(JP,A)
【文献】特表2016-538559(JP,A)
【文献】GYLLING, H. et al.,Metabolism of Cholesterol and Low- and High-Density Lipoproteins in Primary Biliary Cirrhosis: Cholesterol Absorption and Synthesis Related to Lipoprotein Levels and Their Kinetics,HEPATOLOGY,1995年,Vol. 21, No. 1,pp. 89-95
【文献】Y. Ito,Development and population results of a fully automated homogeneous assay for LDL triglyceride,The Journal of applied laboratory medicine,2018年03月30日,Vol.2. no.5,Page.746-756
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/92
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体から分離された被検血液試料中の、LDL-TG/LDL-Cを測定することを含み、健常者よりもLDL-TG/LDL-C比が高いことが、原発性胆汁性胆管炎である可能性が高いことを示す、原発性胆汁性胆管炎の検出を補助する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液検査により、原発性胆汁性胆管炎の検出を補助する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原発性胆汁性胆管炎(PBC)は組織学的所見や、血液所見で慢性の胆汁うっ滞所見(ALP, γ-GTP の上昇)や抗ミトコンドリア抗体(AMA)陽性所見で診断されていたが、その診断方法は複雑であった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】Gershwin ME, et al. Molecular biology of the 2-oxo-acid dehydrogenase complexes and anti-mitochondrial antibodies. Prog Liver Dis 10:47-61, 1992.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、血液検査により、簡便にPBCを検出することを補助する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明者らは、鋭意研究の結果、生体から分離された被検血液試料中の、LDL-TG/LDL-Cを指標としてPBCを検出することを補助することが可能であることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、 生体から分離された被検血液試料中の、LDL-TG/LDL-Cを測定することを含み、健常者よりもLDL-TG/LDL-C比が高いことが、原発性胆汁性胆管炎である可能性が高いことを示す、原発性胆汁性胆管炎の検出を補助する方法、を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】下記比較例1で得られた結果を示す図である。
図2】下記比較例2で得られた結果を示す図である。
図3】下記比較例3で得られた結果を示す図である。
図4】下記比較例4で得られた結果を示す図である。
図5】下記比較例5で得られた結果を示す図である。
図6】下記実施例1で得られた結果を示す図である。
図7】下記実施例2で得られた結果を示す図である。
図8】下記実施例3で得られた結果を示す図である。
図9】下記実施例4で得られた結果を示す図である。
図10】下記実施例5で得られた結果を示す図である。
図11】下記実施例6で得られた結果を示す図である。
図12】下記実施例7で得られた結果を示す図である。
図13】下記実施例8で得られた結果を示す図である。
図14】下記比較例6で得られた結果を示す図である。
図15】下記比較例7で得られた結果を示す図である。
図16】下記比較例8で得られた結果を示す図である。
図17】下記実施例9で得られた結果を示す図である。
図18】下記実施例10で得られた結果を示す図である。
図19】下記実施例11で得られた結果を示す図である。
図20】下記実施例12で得られた結果を示す図である。
図21】下記実施例13で得られた結果を示す図である。
図22】下記実施例14で得られた結果を示す図である。
図23】下記実施例15で得られた結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明において、「TG」はトリグリセライド(中性脂肪ともいう)、「LDL-TG」は低密度リポ蛋白質中のトリグリセライド、「sd LDL-C」は小粒子低密度リポ蛋白質中のコレステロール、「RLP-C」はレムナント様リポ蛋白質中のコレステロール、「LDL-C」は、低密度リポ蛋白質中のコレステロール、「CHO」はコレステロールを意味する。なお、これらの略号は、血中脂質の分野において通常用いられている略号である。
【0009】
血液試料としては、全血、血清又は血漿を用いることができる。
【0010】
血液試料中の総TG、LDL-TG、sd LDL-C、RLP-C、LDL-C及び総CHOは、周知の方法により測定することができ、下記実施例にも測定方法が具体的に記載されている。
【0011】
本発明において、総TG量を指標とする場合、健常者よりも総TG量が高いことが、PBCである可能性が高いことを示す。判定に用いるカットオフ値は、本発明を使用する者が求める感度、特異度に応じた範囲で適宜設定でき、例えば、50~158mg/dL範囲内であり、好ましくは96.0mg/dLの±20%の範囲内であり、最適値は96.0mg/dLであり、かつ、本発明を使用する者が求める感度、特異度に応じた値に設定することができる。なお、「カットオフ値」は、この値以上又は以下であれば、原発性胆汁性胆管炎である可能性が高いと判定する値である。統計学的処理として、カットオフ値の最適値はROC曲線の解析を行い、Youden's indexによって算出した。
【0012】
本発明において、LDL-TG量を指標とする場合、健常者よりもLDL-TG量が高いことが、PBCである可能性が高いことを示す。判定に用いるカットオフ値は、本発明を使用する者が求める感度、特異度に応じた範囲で適宜設定でき、例えば、10.0~20.5mg/dLの範囲内であり、好ましくは12.7mg/dL±20%の範囲内であり、最適値は12.7mg/dLであり、かつ、本発明を使用する者が求める感度、特異度に応じた値に設定することができる。
【0013】
本発明において、sd LDL-C量を指標とする場合、健常者よりもsd LDL-C量が高いことが、PBCである可能性が高いことを示す。判定に用いるカットオフ値は、本発明を使用する者が求める感度、特異度に応じた範囲で適宜設定でき、例えば、12.4~43.9mg/dLの範囲内であり、好ましくは21.2mg/dLの±20%の範囲内であり、最適値は21.2mg/dLであり、かつ、本発明を使用する者が求める感度、特異度に応じた値に設定することができる。
【0014】
本発明において、RLP-C量を指標とする場合、健常者よりもRLP-C量が高いことが、PBCである可能性が高いことを示す。判定に用いるカットオフ値は、本発明を使用する者が求める感度、特異度に応じた範囲で適宜設定でき、例えば、1.4~3.7mg/dLの範囲内であり、好ましくは2.7mg/dL±20%の範囲内であり、最適値は2.7mg/dLであり、かつ、本発明を使用する者が求める感度、特異度に応じた値に設定することができる。
【0015】
本発明において、LDL-TG/LDL-C比を指標とする場合、健常者よりもLDL-TG/LDL-C比が高いことが、PBCである可能性が高いことを示す。判定に用いるカットオフ値は、本発明を使用する者が求める感度、特異度に応じた範囲で適宜設定でき、例えば、0.104~0.193の範囲内であり、好ましくは0.134±20%の範囲内であり、最適値は0.134であり、かつ、本発明を使用する者が求める感度、特異度に応じた値に設定することができる。
【0016】
本発明において、総TG/総CHO比を指標とする場合、健常者よりも総TG/総CHO比が高いことが、PBCである可能性が高いことを示す。判定に用いるカットオフ値は、本発明を使用する者が求める感度、特異度に応じた範囲で適宜設定でき、例えば、0.229~1.171の範囲内であり、好ましくは0.523±20%の範囲内であり、最適値は0.523であり、かつ、本発明を使用する者が求める感度、特異度に応じた値に設定することができる。
【0017】
本発明において、LDL-C/sd LDL-C比を指標とする場合、健常者よりもLDL-C/sdLDL-C比が低いことが、PBCである可能性が高いことを示す。判定に用いるカットオフ値は、本発明を使用する者が求める感度、特異度に応じた範囲で適宜設定でき、例えば、2.67~7.04の範囲内であり、好ましくは5.16±20%の範囲内であり、最適値は5.16であり、かつ、本発明を使用する者が求める感度、特異度に応じた値に設定することができる。
【0018】
本発明において、LDL-TG/sd LDL-C比を指標とする場合、健常者よりもLDL-TG/sd LDL-C比が低いことが、PBCである可能性が高いことを示す。判定に用いるカットオフ値は、本発明を使用する者が求める感度、特異度に応じた範囲で適宜設定でき、例えば、1.12~3.04の範囲内であり、好ましくは1.74±20%の範囲内であり、最適値は1.74であり、かつ、本発明を使用する者が求める感度、特異度に応じた値に設定することができる。
【0019】
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0020】
なお、下記実施例又は比較例において採用した、各脂質の具体的な測定方法は次のとおりであった。
1.総TGの測定方法
総TG量は臨床検査の場で用いられている自動分析装置を用いてトリグリセリド測定用試薬であるTG-EX「生研」(酵素法)(デンカ生研社製)により測定した。
【0021】
2.LDL-TGの測定方法
LDL-TG量は臨床検査の場で用いられている自動分析装置を用いてLDL-トリグリセライド測定用試薬であるLDLTG-EX“SEIKEN”(デンカ生研社製)により測定した。
【0022】
3.sd LDL-Cの測定方法
sd LDL-C量は自動分析装置を用いてsd LDL-コレステロール測定用試薬であるsd LDL-EX「生研」(デンカ生研社製)により測定した。
【0023】
4.RLP-Cの測定方法
RLP-C量は自動分析装置を用いてRLP-コレステロール測定用試薬により測定した。RLP-コレステロール測定用試薬は、以下の参考文献に記載の方法で調製した。
(参考文献)Hirao Y, Nakajima K, Machida T, Murakami M, Ito Y. Development of a Novel Homogeneous Assay for Remnant Lipoprotein Particle Cholesterol. The Journal of Applied Laboratory Medicine 2018;03:26-36
【0024】
5.LDL-Cの測定方法
LDL-C量は臨床検査の場で用いられている自動分析装置を用いてLDL-コレステロール測定用試薬である自動分析用試薬「生研」LDL-EX(N)(直接法)(デンカ生研社製)により測定した。
【0025】
6.総CHOの測定方法
総CHO量は臨床検査の場で用いられている自動分析装置を用いてコレステロール測定用試薬である自動分析用試薬「生研」T-CHO(S)(酵素法)(デンカ生研社製)により測定した。
【0026】
また、2群間の比較は、Shapiro-Wilkの検定でノンパラメトリックだった場合にWilcoxon-Mann-Whitney検定を行い、パラメトリックだった場合に等分散検定を行った上でStudentのt検定もしくはWelchのt検定を行った。
【0027】
比較例1(LDL-C)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)48名、PBC患者48名からなる全96名の集団から採取した血液中のLDL-C量を測定し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図1に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べてLDL-C量に差はなかった。
【0028】
比較例2(HDL3-C)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)48名、PBC患者48名からなる全96名の集団から採取した血液中のHDL3-C量を測定し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図2に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べてHDL3-C量に差はなかった。
【0029】
比較例3(総CHO)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)48名、PBC患者48名からなる全96名の集団から採取した血液中のT-CHO量を測定し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図3に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べてT-CHO量が高い傾向を示したが、統計学的有意差は認められなかった。
【0030】
比較例4(HDL-C)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)48名、PBC患者48名からなる全96名の集団から採取した血液中のHDL-C量を測定し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図4に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べてHDL-C量が高い傾向を示したが、統計学的有意差は認められなかった。
【0031】
比較例5(HDL2-C)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)48名、PBC患者48名からなる全96名の集団から採取した血液中のHDL2-C量を測定し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図5に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べてHDL2-C量が高い傾向を示したが、統計学的有意差は認められなかった。
【0032】
実施例1(総TG)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)48名、PBC患者48名からなる全96名の集団から採取した血液中の総TG量を測定し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図6に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べて総TG量が統計学的に有意に高かった(p<0.0001)。
【0033】
実施例2(LDL-TG)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)48名、PBC患者48名からなる全96名の集団から採取した血液中のLDL-TG量を測定し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図7に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べてLDL-TG量が統計学的に有意に高かった(p<0.0001)。
【0034】
実施例3(sd LDL-C)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)48名、PBC患者48名からなる全96名の集団から採取した血液中のsd LDL-C量を測定し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図8に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べてsd LDL-C量が統計学的に有意に高かった(p<0.001)。
【0035】
実施例4(RLP-C)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)48名、PBC患者48名からなる全96名の集団から採取した血液中のRLP-C量を測定し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図9に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べてRLP-C量が統計学的に有意に高かった(p<0.0001)。
【0036】
実施例5(LDL-TG/LDL-C)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)48名、PBC患者48名からなる全96名の集団から採取した血液中のLDL-TG量とLDL-C量を測定してLDL-TG/LDL-C比を算出し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図10に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べてLDL-TG/LDL-C比が統計学的に有意に高かった(p<0.0001)。
【0037】
実施例6(総TG/総CHO)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)48名、PBC患者48名からなる全96名の集団から採取した血液中の総TG量と総CHO量を測定して総TG/総CHO比を算出し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図11に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べて総TG/総CHO比が統計学的に有意に高かった(p<0.0005)。
【0038】
実施例7(LDL-C/sd LDL-C)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)48名、PBC患者48名からなる全96名の集団から採取した血液中のLDL-C量とsd LDL-C量を測定してLDL-C/sd LDL-C比を算出し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図12に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べてLDL-C/sd LDL-C比が統計学的に有意に低かった(p<0.0001)。
【0039】
実施例8(LDL-TG/sd LDL-C)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)48名、PBC患者48名からなる全96名の集団から採取した血液中のLDL-TG量とsd LDL-C量を測定してLDL-TG/sd LDL-C比を算出し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図13に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べてLDL-TG/sd LDL-C比が統計学的に有意に低かった(p<0.005)。
【0040】
比較例6(総CHO)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)27名、PBC患者25名からなる全52名の集団から採取した血液中の総CHO量を測定し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図14に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べて総CHO量に差はなかった。
【0041】
比較例7(HDL-C)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)27名、PBC患者25名からなる全52名の集団から採取した血液中のHDL-C量を測定し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図15に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べてHDL-C量に差はなかった。
【0042】
比較例8(HDL2-C)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)27名、PBC患者25名からなる全52名の集団から採取した血液中のHDL2-C量を測定し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図16に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べてHDL2-C量に差はなかった。
【0043】
実施例9(総TG)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)27名、PBC患者25名からなる全52名の集団から採取した血液中の総TG量を測定し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図17に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べて総TG量が統計学的に有意に高かった(p<0.005)。
【0044】
実施例10(LDL-TG)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)27名、PBC患者25名からなる全52名の集団から採取した血液中のLDL-TG量を測定し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図18に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べてLDL-TG量が統計学的に有意に高かった(p<0.0001)。
【0045】
実施例11(RLP-C)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)27名、PBC患者25名からなる全52名の集団から採取した血液中のRLP-C量を測定し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図19に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べてRLP-C量が統計学的に有意に高かった(p<0.0005)。
【0046】
実施例12(LDL-TG/LDL-C)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)27名、PBC患者25名からなる全52名の集団から採取した血液中のLDL-TG量とLDL-C量を測定してLDL-TG/LDL-C比を算出し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図20に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べてLDL-TG/LDL-C量が統計学的に有意に高かった(p<0.0001)。
【0047】
実施例13(総TG/T-CHO)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)27名、PBC患者25名からなる全52名の集団から採取した血液中の総TG量と総CHO量を測定して総TG/総CHO比を算出し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図21に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べて総TG/総CHO量が有意に高かった(p<0.005)。
【0048】
実施例14(LDL-C/sd LDL-C)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)27名、PBC患者25名からなる全52名の集団から採取した血液中のLDL-C量とsd LDL-C量を測定してLDL-C/sd LDL-C比を算出し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図22に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べてLDL-C/sd LDL-C比が統計学的に有意に低かった(p<0.005)。
【0049】
実施例15(LDL-TG/sd LDL-C)
対応のない、健常者(図においてHealthと表記)27名、PBC患者25名からなる全52名の集団から採取した血液中のLDL-TG量とsd LDL-C量を測定してLDL-TG/sd LDL-C比を算出し、それぞれの群を比較した。比較したグラフを図23に示す。その結果、PBC患者群は、健常者群と比べてLDL-TG/sd LDL-C比が統計学的に有意に低かった(p<0.01)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23