(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】融着機
(51)【国際特許分類】
G02B 6/255 20060101AFI20240611BHJP
【FI】
G02B6/255
(21)【出願番号】P 2019107652
(22)【出願日】2019-06-10
【審査請求日】2022-02-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】田邉 明夫
【審査官】林 祥恵
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-119226(JP,A)
【文献】特開2013-205825(JP,A)
【文献】米国特許第05546491(US,A)
【文献】特開2006-058474(JP,A)
【文献】特開2018-132757(JP,A)
【文献】特開2011-048404(JP,A)
【文献】特開2018-063668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24
G02B 6/255
G02B 6/36-6/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ同士を接続する融着機であって、
光ファイバを保持するためのホルダが、前記ホルダの種類を識別するため識別部を有し、
前記融着機は、前記ホルダの前記識別部を読み取る判別部と、制御部とを有し、
前記制御部は、前記判別部で読み取った前記ホルダの種類に応じた融着条件情報を絞り込み、絞り込んだ前記融着条件情報を表示部に表示し、使用者の選択を受け付け可能であることを特徴とする融着機。
【請求項2】
光ファイバ同士を接続する融着機であって、
光ファイバを保持するためのホルダが、前記ホルダの種類を識別するため識別部を有し、
前記融着機は、前記ホルダの前記識別部を読み取る判別部と、制御部とを有し、
前記制御部は、前記判別部で読み取った前記ホルダの種類に応じた融着条件情報を絞り込み、かつ、当該融着条件情報を適用する光ファイバの種類に紐づけられた熱収縮チューブの情報を取得することが可能であり、
前記制御部は、絞り込んだ前記融着条件情報を表示部に表示し、使用者の選択を受け付け可能であることを特徴とする融着機。
【請求項3】
光ファイバ同士を接続する融着機であって、
光ファイバを保持するためのホルダが、前記ホルダの種類を識別するため識別部を有し、
接続対象の光ファイバが保持された一対の前記ホルダが設置される一対のホルダ載置部が設けられ、
前記融着機は、対応する前記ホルダの前記識別部を読み取る一対の判別部と、制御部とを有し、
前記制御部は、前記判別部で読み取った前記ホルダの種類の組み合わせに応じた異なる種類の光ファイバ同士の融着条件情報を絞り込むことが可能であり、
前記制御部は、絞り込んだ前記融着条件情報を表示部に表示し、使用者の選択を受け付け可能であることを特徴とする融着機。
【請求項4】
前記ホルダを載置するホルダ載置部を有し、
前記判別部は、前記ホルダ載置部に載置された前記ホルダの前記識別部を読み取ることが可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の融着機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取り扱い性に優れた融着機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ファイバ同士の接続には、融着機が用いられる。融着機は、一対のホルダに保持された光ファイバ同士を突き合わせて、電極間に配置し、アークによって光ファイバ同士の先端を融着して、光ファイバ同士を接続するものである。
【0003】
一方、接続対象となる光ファイバには、様々な種類が存在する。例えば、複数の光ファイバが併設されたテープ心線や、様々な外径の光ファイバ心線が使用される。このように、それぞれの種類の光ファイバ同士を接続する際には、その光ファイバの径や芯数に応じた専用のホルダが用いられる。
【0004】
このような融着機として、融着機に各種条件等を入力する操作部と、入力された各種設定やエラー警告などを表示する表示部とを備えるのが一般的である(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の融着機では、専用のホルダに対象となる光ファイバを配置し、ホルダを融着機にセットした後、光ファイバの種類に対応する融着条件を入力して設定する。例えば、融着機の操作部によって、全光ファイバの種類のリストから、対象となる光ファイバを検索して選択するか、又は条件を手で直接入力する。このようにすることで、各種の光ファイバに適した融着条件を設定し、融着作業を行うことができる。
【0007】
しかし、使用する光ファイバやホルダの種類が多くなると、融着条件の設定に時間を要する。例えば、融着機には、予め様々な光ファイバに対応した融着条件等が記憶されているが、それらを多くのリストの中から探すのに時間を要し、誤って選択すると、融着作業のやり直しが必要となる。このように、融着条件の設定に時間を要し、より容易に条件設定が可能な融着機が望まれる。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、融着条件等の設定が容易な融着機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達するために本発明は、光ファイバ同士を接続する融着機であって、光ファイバを保持するためのホルダが、前記ホルダの種類を識別するため識別部を有し、前記融着機は、前記ホルダの前記識別部を読み取る判別部と、制御部とを有し、前記制御部は、前記判別部で読み取った前記ホルダの種類に応じた融着条件情報を絞り込み、絞り込んだ前記融着条件情報を表示部に表示し、使用者の選択を受け付け可能であることを特徴とする融着機である。
【0010】
前記ホルダを載置するホルダ載置部を有し、前記判別部は、前記ホルダ載置部に載置された前記ホルダの前記識別部を読み取ることが可能であることが望ましい。
【0011】
また、第1の発明は、光ファイバ同士を接続する融着機であって、光ファイバを保持するためのホルダが、前記ホルダの種類を識別するため識別部を有し、接続対象の光ファイバが保持された一対の前記ホルダが設置される一対のホルダ載置部が設けられ、前記融着機は、対応する前記ホルダの前記識別部を読み取る一対の判別部と、制御部とを有し、前記制御部は、前記判別部で読み取った前記ホルダの種類の組み合わせに応じた異なる種類の光ファイバ同士の融着条件情報を絞り込むことが可能であることを特徴とする融着機であってもよい。
【0013】
本発明によれば、融着機の判別部によって、ホルダに形成された識別部を判別可能であるため、ホルダを融着機にセットした際に、融着機がホルダの種類を把握することができる。このため、融着機は、ホルダの種類によって、融着対象の光ファイバの種類を判別することができる。
【0014】
また、制御部によって、それぞれのホルダの種類に対応した融着条件情報が記憶された記憶部から、判別部で判別されたホルダの種類に応じた融着条件情報を読み出すことで、融着条件を自動的に設定することができる。また、例えば、融着条件の候補を絞り込んで表示させて、使用者によって選択可能とすることもできる。この場合でも、全リストから選択するのに比べて条件設定が容易である。いずれにしても、ホルダの種類に応じて効率よく条件設定が可能となるため、取り扱い性が良好である。
【0015】
特に、ホルダを設置するホルダ設置部に判別部を設けることで、ホルダをホルダ設置部に設置した際に、ホルダの識別部を確実に読み取ることができる。
【0016】
また、判別部が、一対のホルダ設置部にそれぞれ設置されれば、一対のホルダをそれぞれ判別することができる。このため、例えば、種類の異なる光ファイバ同士を接続するような場合でも、接続対象の光ファイバの組み合わせに応じた融着条件を容易に設定することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、融着条件等の設定が容易な融着機及びこれに用いられるホルダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図7】(a)は、ホルダ20aを用いた場合を示す図、(b)は、ホルダ20bを用いた場合を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1は、光ファイバ同士を接続する融着機1を示す斜視図であり、
図2は、融着機1の平面図である。融着機1は、光ファイバの融着を行う融着部5と、光ファイバの接続部の加熱を行う加熱部5aと、融着部5及び加熱部5aの操作を行うことが可能な操作部9と、各種の情報を表示する表示部17を有する。
【0026】
融着部5には、開閉可能な風防15が配置され、内部には、一対のホルダ載置部11が対向して配置される。ホルダ載置部11は、後述するホルダが載置される部位である。また、ホルダ載置部11の間には、ベース部3が配置される。ベース部3には、一対の電極7が配置され、電極7の間に、ホルダで保持された光ファイバの先端が突き合せられる。一対のホルダ載置部11には、ホルダの種類を判別する判別部13がそれぞれ配置される。なお、ホルダ及び判別部13の詳細は後述する。
【0027】
融着機1を用いて光ファイバを接続する際には、まず、融着部5の風防15を開き、予め光ファイバが保持された一対のホルダを、内部のホルダ載置部11にセットする。これにより、ホルダの先端から突出する光ファイバの先端が、一対の電極7間において互いに突き合わせられた状態となる。この状態で、風防15を閉じ、一対の電極7の間にアークを発生させることで、光ファイバの先端部を溶融して接合することができる。
【0028】
光ファイバ同士の融着が終了すると、光ファイバ同士の接続部に補強部材を配置し、光ファイバとともに加熱部5aセットする。加熱部5aにおいて、光ファイバの接続部に配置された補強部材を加熱することで、補強部材の熱収縮チューブが収縮して接続部に固定される。以上により、光ファイバの接続部が補強されて、接続作業が完了する。
【0029】
ここで、光ファイバの種類等に応じて、融着部5における融着条件は異なる。このため、通常は、操作部9によって、接続対象の光ファイバ等の種類や、各種の条件設定の入力が行われる。また、これらの設定条件や、接続作業におけるエラー表示などは、表示部17に表示される。なお、表示部17がタッチパネル式の液晶パネルである場合には、表示部17と操作部9とは一体で構成される場合もある。
【0030】
次に、融着機1に使用されるホルダについて説明する。
図3は、ホルダ20を示す斜視図であり、
図4は、ホルダ20を示す側面図である。ホルダ20は、本体部23と、蓋部25を有する。
【0031】
本体部23は、光ファイバが配置される部位であり、略直方体の部材である。本体部23の幅方向の一方の側方には、本体部23に対してヒンジにより開閉可能な蓋部25が設けられる。本体部23、蓋部25は例えば金属製である。本体部23の蓋部25との対向面には磁石29が配置される。蓋部25を閉じると、磁石29によって、蓋部25が本体部23に対して閉じた状態を維持することができる。なお、蓋部25は、閉じた状態で蓋部25の裏面と本体部23の上面とが略平行となるように調整される。
【0032】
蓋部25の内面(本体部23との対向面)には、押さえ部材27が長手方向にわたって形成される。押さえ部材27は、蓋部25の内面から所定の量だけ突出する。押さえ部材27は、本体部23上に配置される光ファイバテープ心線を押圧して保持する部材である。したがって、蓋部25を閉じることで、光ファイバ設置部31に配置された光ファイバを押さえることが可能である。なお、押さえ部材27は、例えば樹脂製等であり、光ファイバを傷つけない部材で構成される。
【0033】
本体部23の表面23a(蓋部25との対向面)には、光ファイバが配置される光ファイバ設置部31が形成される。なお、本体部23の表面23aとは逆側の面を裏面23bとし、表面23aと裏面23bとの間の各面(表面23aと裏面23bに略垂直な面)を側面23cとする。なお、図示した例では、光ファイバ設置部31には、光ファイバテープ心線を配置可能であるが、光ファイバ設置部31、蓋部25、押さえ部材27の形態は図示した例には限られない。
【0034】
図4に示すように、光ファイバを保持するホルダ20の本体部23には、ホルダの種類を識別可能な識別部33が設けられる。識別部33は、例えば、金属対応のICタグなどであり、ホルダ20の種類に応じた情報が格納される。なお、識別部33は本体部23の裏面23b側に配置されることが望ましいが、これには限られず、例えば、本体部23の側面23cなど、他の部位に配置されてもよい。
【0035】
次に、ホルダ20の使用方法について説明する。前述したように、ホルダ20の光ファイバ設置部31に光ファイバを設置し、蓋部25を閉じて押さえ部材27で光ファイバを押さえることで、光ファイバがホルダ20によって保持される。この状態で、本体部23の先端側に突出する光ファイバの切断等が行われる。
【0036】
次に、融着機1のホルダ載置部11にホルダ20をセットする。
図5は、ホルダ20をセットした状態の融着機1の平面図である。前述したように、融着機1には、ベース部3(電極7)を挟んで対向する位置に、一対のホルダ載置部11が配置される。それぞれのホルダ載置部11には、接続対象の一対の光ファイバ24が保持されたホルダ20がそれぞれ設置される。融着機1のそれぞれのホルダ載置部11には、ホルダ20に設けられた識別部33を読み取ることが可能な判別部13が設けられる。なお、判別部13は、ホルダ載置部11に配置されなくてもよく、ホルダ20の識別部33の位置に応じて、適宜配置すればよい。
【0037】
図6は、融着機1の構成を示すブロック図である。融着機1は、融着部5、加熱部5a、操作部9及び表示部17等を制御する制御部41(CPU)を有する。また、制御部41には、記憶部43が接続される。記憶部43には、各種の光ファイバに応じた融着部5の融着条件情報や、加熱部5aの加熱条件情報等を記憶可能である。
【0038】
判別部13は、例えばICリーダである。ホルダ20をホルダ載置部11にセットすると、判別部13は、ホルダ20の識別部33と対向する。このため、判別部13は、ホルダ載置部11に載置された20ホルダの識別部33を読み取ることが可能である。
【0039】
判別部13は、制御部41に接続される。制御部41は、識別部33の情報(ホルダ種類)に対応したホルダ種類情報を記憶部43から読みだして、ホルダ20の種類を判別することができる。すなわち、判別部13によって、識別部33の情報を読み取ることで、ホルダ20の種類を把握することが可能である。また、制御部41は、判別したホルダの種類(光ファイバ24の種類)に応じた融着条件情報を記憶部43から選択する(読み出す)ことが可能である。
【0040】
制御部41は、選択された融着条件情報を表示部17へ表示させることができる。使用者は、表示部17に表示された融着条件を確認して、操作部9によって融着条件を設定することができる。
【0041】
なお、制御部41は、表示部17への表示と共に、操作を行うことなく融着条件を直ちに設定してもよい。また、制御部41は、表示部17へ複数の融着条件を絞り込んで表示させて、使用者が選択可能としてもよく、また、使用者は、最適な融着条件に対して微調整を行って設定することもできる。
【0042】
以上のように、ホルダ載置部11にホルダ20を載置するのみで、制御部41によってホルダ20(光ファイバ24)の種類を判別し、適切な融着条件を容易に設定することができる。このように、融着条件が設定された状態で、融着機1の風防15を閉じることで、設定された条件で融着が自動的も行われる。
【0043】
また、制御部41は、融着した光ファイバ24の種類に応じた加熱条件情報を記憶部43から読みだすことも可能である。例えば、制御部41は、光ファイバ24の種類に紐づけられた熱収縮チューブの情報を読み出し、この熱収縮チューブの種類に応じた加熱条件を設定することができる。このため、融着後の光ファイバ24を取り出し、加熱部5aにセットすることで、設定された条件で加熱を行うことができる。
【0044】
以上、本実施の形態によれば、ホルダ20が、融着機1の判別部13で判別することが可能な識別部33を有するため、ホルダ20をホルダ載置部11に載置するのみで、融着機1はホルダ20(光ファイバ24)の種類を判別することができる。このため、接続対象となる光ファイバの種類に適した融着条件等を簡単に設定することができる。したがって、使用者が、一から光ファイバ種類等を選択し、又は、手で入力する必要がなく、条件設定が良好である。
【0045】
特に、ホルダ20は、本体部23の裏面23bに識別部33が配置されるため、ホルダ載置部11の判別部13と確実に位置を合わせて対向させることができる。また、識別部33がホルダ20の取り扱い時に邪魔になることがなく、判別部13が、ホルダ20の設置の際に邪魔になることもない。
【0046】
また、一対のホルダ載置部11のそれぞれに判別部13を設けることで、それぞれのホルダ載置部11に載置されたホルダ20の種類を別々に判別することができる。すなわち、一対のホルダ載置部11のそれぞれに異なるホルダを載置した場合でも、ホルダの種類(組み合わせ)を把握することができる。
【0047】
例えば、径の異なる光ファイバを接続する場合には、光ファイバの径に応じて、異なる種類のホルダが使用される。この場合には、一方のホルダ載置部11に配置されるホルダと、他方のホルダ載置部11に配置されるホルダが異なる。
【0048】
ここで、記憶部43には、同一種類の光ファイバ同士の融着条件情報のみではなく、異なる種類の光ファイバ同士の融着条件情報も記憶されている。また、同じ光ファイバの組み合わせであっても、どちらのホルダ載置部11にどちらの光ファイバが設置されているかによって、融着条件は異なる。このため、一方のホルダ載置部11に配置されるホルダと、他方のホルダ載置部11に配置されるホルダの種類をそれぞれ把握することで、異なる種類の光ファイバの融着時にも適切な融着条件を設定することができる。すなわち、制御部41は、判別部13で読み取った一対のホルダのそれぞれの種類の組み合わせに応じて、適切な融着条件情報を選択することができる。
【0049】
次に、第2の実施形態について説明する。
図7(a)は、第2の実施形態に係るホルダ20aと判別部13aを示す図である。なお、以下の説明において、第1の実施形態と同様の構成については、
図1~
図6と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0050】
ホルダ20aは、ホルダ20と略同様の構成であるが、識別部33aが用いられる点で異なる。識別部33aは、本体部23に添付されたバーコード又は二次元バーコード(QRコード(登録商標))が付されたシールである。なお、識別部33aは、例えば、本体部23の裏面23bに配置される。この場合、識別部33aの部位は、本体部23の裏面23bに凹部が形成され、凹部に識別部33aが添付される。このようにすることで、識別部表面が傷つくことを抑制することができる。
【0051】
ホルダ載置部11には、判別部13aが設置される。判別部13aは、識別部33aに対応する部位に配置される。判別部13aは、例えばバーコードリーダであり、レーザや画像の取得によって識別部33aの情報を取得することができる。
【0052】
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施形態では、識別部33aはシールであってもよく、判別部13aは、光学的な手段によって識別部33aを読み取ることができる。このため、安価にホルダの判別を行うことができる。
【0053】
次に、第3の実施形態について説明する。
図7(b)は、第3の実施形態に係るホルダ20bと判別部13bを示す図である。
【0054】
ホルダ20bは、ホルダ20と略同様の構成であるが、識別部33bが用いられる点で異なる。識別部33bは、本体部23に設けられた凹形状及び/又は凸形状である。例えば、本体部23の裏面23b又は側面23cに凹凸形状が形成される。この凹凸形状は、ホルダ20bの種類に応じて異なる形態となる。
【0055】
判別部13bには、ピンが配置される。例えば、複数のピンが併設される。各ピンは独立してホルダ載置部11の上面に出没可能である。例えば、ばね等によって、ピンはホルダ載置部11の上方に突出する。
【0056】
ホルダ載置部11にホルダ20bを載置すると、ピンが、ホルダ20b(本体部23)の凹凸形状と接触する。この際、ホルダ20bの底面の凸部と接したピンは、下方に押し込まれる。このように、各ピンの押し込みの有無や押し込み量を、図示を省略したセンサで検知することで、ホルダ20bの種類を判別することができる。
【0057】
第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また、識別部33bのように、凹凸形状を形成することで、シールの剥がれなどがなく、判別部13bと識別部33bを接触させて読み取ることができる。
【0058】
なお、ピンで凹凸形状を判別するのではなく、レーザ等の光学的な手段によって凹凸形状を判別してもよい。
【0059】
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、実用新案登録請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0060】
1………融着機
3………ベース部
5………融着部
5a………加熱部
7………電極
9………操作部
11………ホルダ載置部
13、13a、13b………判別部
15………蓋部
17………表示部
20、20a、20b………ホルダ
23………本体
23a………表面
23b………裏面
23c………側面
24………光ファイバ
25………蓋部
27………押さえ部材
29………磁石
31………光ファイバ設置部
33、33a、33b………識別部
41………制御部
43………記憶部