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特許7502118通信装置、ネットワークシステム及び通信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】通信装置、ネットワークシステム及び通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 45/44 20220101AFI20240611BHJP
【FI】
H04L45/44
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020149162
(22)【出願日】2020-09-04
(65)【公開番号】P2022043720
(43)【公開日】2022-03-16
【審査請求日】2023-07-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】下大迫 和隆
(72)【発明者】
【氏名】望月 崇弘
(72)【発明者】
【氏名】松本 卓三
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-012522(JP,A)
【文献】特開2003-229890(JP,A)
【文献】特開2019-169783(JP,A)
【文献】特開2013-179483(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-12/66,13/00,41/00-49/9057,61/00-65/80,69/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリンクを介して他の通信装置が通信可能に接続される通信装置であって、
前記複数のリンクのうちの1つである第1リンクを介して受信した特定の通信装置を送信先とする経路探索データを、前記第1リンクとは異なるリンクに接続される次の通信装置に中継する処理を実行するデータ中継処理部と、
前記経路探索データから取得される情報に基づいて設定される送信元から送信先までの前記リンクのパスコストの合計を示すコスト情報を記憶する記憶部と、
受信した前記経路探索データの前記送信先が自身である又は自身から前記送信先までの最終経路情報が前記記憶部に保持されている場合は、送信元の通信装置に送信先の通信装置までの送信ルートを決定するための前記コスト情報を含む経路応答データを送信する処理を実行する制御部と、
前記リンクを介して受信するパケットデータをカウントするパケットカウンタと、
を備え、
前記制御部は、前記パケットカウンタの検出値に基づいて通信量が所定基準を超えるか否かを判定し、前記リンクを流れるデータの通信量が所定基準を超えると判定すると、前記リンクに設定されるパスコストを増加させるパスコスト変更処理を実行する通信装置。
【請求項2】
前記パスコスト変更処理は、前記制御部が前記第1リンクを流れるデータの通信量が所定基準を超えると判定すると、前記第1リンクに設定されるパスコストを増加させる処理である請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記複数のリンクのうちの1つである第2リンクを流れるデータの通信量が所定基準を超えると判定すると、前記第2リンクに設定されるパスコストを増加させるパスコスト変更処理を実行する請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記パスコスト変更処理は、前記制御部が複数の前記リンクを流れるデータの通信量の合計が所定基準を超えると判定すると、複数の前記リンクの全てのパスコストを増加させる処理である請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記パスコスト変更処理では、新たな新規経路探索データを受信した場合でも、前記リンクを通過する新たな送信ルートの合計コストが他の送信ルートの合計コストよりも低くなるように前記パスコストを増加する量が設定される請求項1から4の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記通信装置は、移動端末と無線通信を行う無線装置を更に備え、
前記経路探索データは、前記移動端末を送信元とする請求項1からの何れか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
特定の移動端末を送信元とするデータが通過する第1キューと、
前記特定の移動端末以外の通常の移動端末を送信元とするデータが通過する第2キューと、
を更に備え、
前記制御部は、前記第1リンクを流れるデータの通信量が所定基準を超えるか否かに関わらず、送信元を前記特定の移動端末とするデータの通信が、送信元を前記通常の移動端末とするデータの通信よりも優先する請求項に記載の通信装置。
【請求項8】
入力される通信量のデータに基づいて将来の通信量を予測する通信量予測部を更に備え、
前記制御部は、前記通信量予測部が算出したデータ予測値に基づいて前記リンクを流れるデータの通信量が所定基準を超えるか否かを判定する請求項1からの何れかに記載の通信装置。
【請求項9】
複数のリンクを介して通信装置が他の複数の通信装置に通信可能に接続されるネットワークシステムであって、
前記複数の通信装置のうちの少なくとも1つの通信装置は、
前記複数のリンクのうちの1つである第1リンクを介して受信した特定の通信装置を送信先とする経路探索データを、前記第1リンクとは異なるリンクに接続される次の通信装置に中継する処理を実行するデータ中継処理部と、
前記経路探索データから取得される情報に基づいて設定される送信元から送信先までの前記リンクのパスコストの合計を示すコスト情報を記憶する記憶部と、
受信した前記経路探索データの前記送信先が自身である又は自身から前記送信先までの最終経路情報が前記記憶部に保持されている場合は、送信元の通信装置に送信先の通信装置までの送信ルートを決定するための前記コスト情報を含む経路応答データを送信する処理を実行する制御部と、
前記リンクを介して受信するパケットデータをカウントするパケットカウンタと、
を備え、
前記制御部は、前記パケットカウンタの検出値に基づいて通信量が所定基準を超えるか否かを判定し、前記リンクを流れるデータの通信量が所定基準を超えると判定されると、前記リンクに設定されるパスコストを増加させるパスコスト変更処理を実行するネットワークシステム。
【請求項10】
複数のリンクを介して他の通信装置が通信可能に接続される通信装置の通信方法であって、
前記複数のリンクのうちの1つである第1リンクを介して受信した特定の通信装置を送信先とする経路探索データを、前記第1リンクとは異なるリンクに接続される次の通信装置に中継する処理を実行するデータ中継処理工程と、
前記経路探索データから取得される情報に基づいて設定される送信元から送信先までの前記リンクのパスコストの合計を示すコスト情報を記憶部に記憶する記憶工程と、
受信した前記経路探索データの前記送信先が自身である又は自身から前記送信先までの最終経路情報が前記記憶部に保持されている場合は、送信元の通信装置に送信先の通信装置までの送信ルートを決定するための前記コスト情報を含む経路応答データを送信する処理を実行する応答制御工程と、
前記リンクを介して受信するパケットデータをカウントするパケットカウンタの検出値に基づいて通信量が所定基準を超えるか否かを判定し、前記リンクを流れるデータの通信量が所定基準を超えると判定されると、前記リンクに設定されるパスコストを増加させるパスコスト変更処理を実行するパスコスト変更処理工程と、を備える通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データの中継処理を実行する通信装置、ネットワークシステム及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
路側機を経由する車間通信ネットワークでは、渋滞等によりネットワークに参加するユーザ数が増大し、局所的に通信が逼迫する状態になることがある。このような逼迫状態を解消するための制御を行う技術を開示するものとして例えば特許文献1がある。
【0003】
特許文献1には、周辺装置の通信チャネル負荷と自装置の通信チャネル負荷を比較して通信チャネル負荷が最大である周辺装置又は自装置を最大負荷装置として特定し、特定した結果に基づいて輻輳制御を変更する技術について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-137656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、AODV(Ad hoc On-Demand Distance Vector)型のマルチホップ形式を利用するネットワークシステムでは、ある送信元の通信装置から送信先の通信装置までの送信ルートが、ホップ数等のコストに基づいて効率的に決定される。しかしながら、上述のような局所的な通信の逼迫状態が発生すると、渋滞が解消されない限り、決定された送信ルートを利用するユーザ数が増加し続け、通信の逼迫状態が時間の経過とともにより悪化してしまうおそれがある。
【0006】
本発明は、通信の逼迫状態を回避して高品質な通信状態を維持できる通信装置、ネットワークシステム及び通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数のリンクを介して他の通信装置が通信可能に接続される通信装置であって、前記複数のリンクのうちの1つである第1リンクを介して受信した特定の通信装置を送信先とする経路探索データを、前記第1リンクとは異なるリンクに接続される次の通信装置に中継する処理を実行するデータ中継処理部と、前記経路探索データから取得される情報に基づいて設定される送信元から送信先までの前記リンクのパスコストの合計を示すコスト情報を記憶する記憶部と、受信した前記経路探索データの前記送信先が自身である又は自身から前記送信先までの最終経路情報が前記記憶部に保持されている場合は、送信元の通信装置に送信先の通信装置までの送信ルートを決定するための前記コスト情報を含む経路応答データを送信する処理を実行する制御部と、を備え、前記制御部は、前記リンクを流れるデータの通信量が所定基準を超えると判定すると、前記リンクに設定されるパスコストを増加させるパスコスト変更処理を実行する通信装置に関する。この構成により、通信の逼迫状態の進行を効果的に防止しつつ、新たな接続要求に対しても、逼迫状態ではない送信ルートが設定されることになり、ネットワークシステム全体の通信品質を向上させることができる。
【0008】
前記パスコスト変更処理は、前記制御部が前記第1リンクを流れるデータの通信量が所定基準を超えると判定すると、前記第1リンクに設定されるパスコストを増加させる処理であることが好ましい。この構成により、第1リンクの通信量が逼迫状態になって通信効率が低下する事態の発生を回避することができる。
【0009】
前記制御部は、前記複数のリンクのうちの1つである第2リンクを流れるデータの通信量が所定基準を超えると判定すると、前記第2リンクに設定されるパスコストを増加させるパスコスト変更処理を実行することが好ましい。この構成により、第2リンクにおける通信状態の逼迫についても回避することができ、ネットワークシステム全体の通信状態をより安定的なものにすることができる。
【0010】
前記パスコスト変更処理は、前記制御部が複数の前記リンクを流れるデータの通信量の合計が所定基準を超えると判定すると、複数の前記リンクの全てのパスコストを増加させる処理であることが好ましい。この構成により、通信装置自身が逼迫状態になって中継処理ができなくなる事態の発生を回避することができる。
【0011】
前記パスコスト変更処理では、新たな新規経路探索データを受信した場合でも、前記リンクを通過する新たな送信ルートの合計コストが他の送信ルートの合計コストよりも低くなるように前記パスコストを増加する量が設定されることが好ましい。この構成により、通信が逼迫するリンクを通過する新たな送信ルートが確実に選択されなくなるので、より通信品質を向上させることができる。
【0012】
前記通信装置は、前記リンクを介して受信するパケットデータをカウントするパケットカウンタを更に備え、前記制御部は、前記パケットカウンタの検出値に基づいて通信量が所定基準を超えるか否かを判定することが好ましい。この構成により、パケットカウンタの検出値に基づいてリンクの通信状態を確実に検出することができ、逼迫しているか否かを精度良く判定できる。
【0013】
前記通信装置は、移動端末と無線通信を行う無線装置を更に備え、前記経路探索データは、前記移動端末を送信元とすることが好ましい。この構成により、車両等、無線装置の通信範囲に参加したり離脱したりする通信に参加するユーザ数の変動が多い路側機等に用いられる場合においても、通信の逼迫状態の悪化を効果的に回避し、安定的な通信を実現できる。
【0014】
前記通信装置は、特定の移動端末を送信元とするデータが通過する第1キューと、前記特定の移動端末以外の通常の移動端末を送信元とするデータが通過する第2キューと、を更に備え、前記制御部は、前記第1リンクを流れるデータの通信量が所定基準を超えるか否かに関わらず、送信元を前記特定の移動端末とするデータの通信が、送信元を前記通常の移動端末とするデータの通信よりも優先することが好ましい。この構成により、通常の移動端末のネットワークシステムの利用状態に関わらず、通信を優先させるべき事情がある特定の移動端末を送信元とするデータを目的の送信先に確実に送信することができる。
【0015】
前記通信装置は、入力される通信量のデータに基づいて将来の通信量を予測する通信量予測部を更に備え、前記制御部は、前記通信量予測部が算出したデータ予測値に基づいて前記リンクを流れるデータの通信量が所定基準を超えるか否かを判定することが好ましい。この構成により、現時点で通信が逼迫していない状態であっても、将来的に逼迫し易い蓋然性が高い状態になったときに、通信の混雑状況が緩和されるのでより安定的な通信を実現できる。
【0016】
また、本発明は、複数のリンクを介して通信装置が他の複数の通信装置に通信可能に接続されるネットワークシステムであって、前記複数の通信装置のうちの少なくとも1つの通信装置は、前記複数のリンクのうちの1つである第1リンクを介して受信した特定の通信装置を送信先とする経路探索データを、前記第1リンクとは異なるリンクに接続される次の通信装置に中継する処理を実行するデータ中継処理部と、前記経路探索データから取得される情報に基づいて設定される送信元から送信先までの前記リンクのパスコストの合計を示すコスト情報を記憶する記憶部と、受信した前記経路探索データの前記送信先が自身である又は自身から前記送信先までの最終経路情報が前記記憶部に保持されている場合は、送信元の通信装置に送信先の通信装置までの送信ルートを決定するための前記コスト情報を含む経路応答データを送信する処理を実行する制御部と、を備え、前記制御部は、前記リンクを流れるデータの通信量が所定基準を超えると判定すると、前記リンクに設定されるパスコストを増加させるパスコスト変更処理を実行するネットワークシステムに関する。この構成により、通信の逼迫状態の進行を効果的に防止しつつ、新たな接続要求に対しても、逼迫状態ではない送信ルートが設定されることになり、ネットワークシステム全体の通信品質を向上させることができる。
【0017】
また、本発明は、複数のリンクを介して他の通信装置が通信可能に接続される通信装置の通信方法であって、前記複数のリンクのうちの1つである第1リンクを介して受信した特定の通信装置を送信先とする経路探索データを、前記第1リンクとは異なるリンクに接続される次の通信装置に中継する処理を実行するデータ中継処理工程と、前記経路探索データから取得される情報に基づいて設定される送信元から送信先までの前記リンクのパスコストの合計を示すコスト情報を記憶部に記憶する記憶工程と、受信した前記経路探索データの前記送信先が自身である又は自身から前記送信先までの最終経路情報が前記記憶部に保持されている場合は、送信元の通信装置に送信先の通信装置までの送信ルートを決定するための前記コスト情報を含む経路応答データを送信する処理を実行する応答制御工程と、前記リンクを流れるデータの通信量が所定基準を超えると判定されると、前記リンクに設定されるパスコストを増加させるパスコスト変更処理を実行するパスコスト変更処理工程と、を備える通信方法に関する。この方法により、通信の逼迫状態の進行を効果的に防止しつつ、新たな接続要求に対しても、逼迫状態ではない送信ルートが設定されることになり、ネットワークシステム全体の通信品質を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、通信の逼迫状態を回避して高品質な通信状態を維持できる通信装置、ネットワークシステム及び通信方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る通信状態が適用されるネットワークシステムの一例を示す模式図である。
図2】本実施形態の通信装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3】本実施形態の通信装置の通常状態の制御を説明する模式図である。
図4】本実施形態の通信装置の逼迫状態の制御を説明する模式図である。
図5】本実施形態の通信装置の中継処理に関する制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】本実施形態の通信装置の逼迫状態の制御の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】第1変形例のネットワークシステムを示す模式図である。
図8】第1変形例の通信装置のキュー別のデータ処理を説明する模式図である。
図9】第1変形例の通信装置に保持される経路テーブルの例を示す表である。
図10】第2変形例の学習済みモデルを利用して取得されるパケット予測値に基づいて通信状態を判定する通信装置の構成の一例を示すブロック図である。
図11】第2変形例の通信装置によって予測される通信状態を示すグラフである。
図12】第3変形例のネットワークシステムを示す模式図である。
図13】第4変形例の通信装置の構成の一例を示すブロック図である。
図14】第5変形例の通信装置のパケット中継処理部の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
<ネットワークシステム>
図1は、本発明の一実施形態に係る通信装置10-1~10-7が適用されるネットワークシステム1の一例を示す模式図である。ネットワークシステム1は、移動端末101a~101d間の通信や、移動端末101a~101dとGW(Gate Way)2を介したクラウドサービス3の通信を実現する。
【0022】
なお、移動端末101a~101dは、図1では車両に搭載される通信装置の例を示しているが、これに限定されるわけでない。移動端末101a~101dは、通信端末としてのスマートフォン等を所持する歩行中のユーザや自転車に搭乗するユーザに保持されるものであってもよい。あるいは、移動端末101a~101dが自律的に移動する走行手段や飛行手段を有するドローンに搭載されるものであってもよい。換言すれば、移動端末101a~101dは移動を前提として通信装置と言える。
【0023】
本実施形態のネットワークシステム1は、複数の通信装置10-1~10-7と、各通信装置10-1~10-7を接続するリンク20-1~20-7と、を備える。
【0024】
通信装置10-1~10-7は、街中に設置されるノード装置である。通信装置10-1~10-7は、それぞれ、無線装置としてのRSU(Road Side Unit)110を1又は複数備える。通信装置10-1~10-7は、RSU110a~110cを介して移動端末101a~101dとの通信を行う。なお、図1において、通信装置10-2、10-3、10-5~10-7についてはRSU110の図示を省略している。また、本実施形態では、ノード装置である通信装置10-1とRSU110a~110cが構成上分かれて図示されているが、通信装置10-1とRSU110a~110cが一体的な構成であってもよい。
【0025】
例えば、図1に示すように、通信装置10-1には3個のRSU110a~110cが配置され、通信装置10-4には1個のRSU110dが配置される。通信装置10-1のRSU110aは移動端末101aとの通信を行っており、RSU110bは移動端末101bとの通信を行っている。RSU110cは、図1に示す時点では移動端末101cとの間で通信が行われていないが、RSU110cの通信範囲に入るとRSU110cと移動端末101cが接続される。また、通信装置10-4のRSU110dは、移動端末101dとの通信を行っている。
【0026】
リンク20-1~20-7は、通信装置10-1~10-7を通信可能に接続する。図1に示す一例では、複数の通信装置10-1~10-7がリンク20-1~20-7によってループ状に接続されている。なお、ループ状の接続形態は、一例であり、複数の通信装置10-1~10-7が網の目(メッシュ)状に相互に接続される構成であってもよい。
【0027】
リンク20-1~20-7によって接続された通信装置10―1~10-7は、通信を確立するための共通の機能を有する。
【0028】
本実施形態のネットワークシステム1を構成するリンク20-1~20-7は、光ファイバケーブルやメタルケーブル等の有線である。なお、リンク20-1~20-7が有線によって通信装置10-1~10-7間の通信を確立する構成に限定されるわけでなく、リンク20-1~20-7の一部又は全部を無線によって通信装置10-1~10-7間の通信を確立する構成であってもよい。図1に示すネットワークシステム1の例では、無線通信の分野で使用されるAODV(Ad hoc On-Demand Distance Vector)型のマルチホップ形式と同様の形式で最短経路が設定される。
【0029】
<通信装置>
次に、図2を参照して通信装置10~1~10-7の共通の機能について説明する。なお、以下の説明において、通信装置10~1~10-7の1つを通信装置10として説明する。
【0030】
図2は、本発明の一実施形態に係る通信装置10―1~10-7の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、通信装置10は、制御部11と、記憶部12と、パケット中継処理部13と、受信部14-1~14-nと、送信部15-1~15-nと、を備える。
【0031】
制御部11は、記憶部12に記憶されるプログラム等のデータを読み出し、通信装置10を機能させるための各種の制御を実行する。各種の制御には、例えば、経路要求(RREQ:Route Request)及び経路応答(RREP:Route Reply)に関する処理や、パケット中継処理部13の機能を実行させる処理や、記憶部12に記憶されるデータを更新する処理等が含まれる。
【0032】
記憶部12は、半導体メモリ等によって構成される。記憶部12には、通信装置10を機能させるための各種の情報が記憶される。各種の情報は、例えば、後述する経路探索に関する処理を実行するためのプログラムやデータ等である。
【0033】
本実施形態の記憶部12には、パケットを転送するための情報である経路エントリを管理するための経路テーブル121が保持される。経路エントリは、経路要求(RREQ:Route Request)と経路応答(RREP:Route Reply)を通信装置10が受信した時に、通信装置10間の経路を確立するための情報である。経路エントリの内容については後述する。
【0034】
受信部14-1~14-nは、リンク20を介してパケットを受信する。また、送信部15-1~15-nは、リンク20を介してパケットを送信する。なお、本実施形態において、ハイフンの後に同じ数字が付与された受信部及び送信部は、同じリンク20に接続されていることを示している。例えば、受信部14-1と送信部15-1は同じリンク20に接続されている。なお、図1の例では、通信装置10には2つのリンク20が接続されているので、受信部14-1~14-n及び送信部15-1~15-nのうちリンクに接続されているのは2つである。2つのリンクが接続される場合において、通信装置10は、受信部14-1~14-2及び送信部15-1~15-2だけ備える構成であってもよい。
【0035】
パケット中継処理部13は、各リンク20間でパケットをスイッチ(交換)するスイッチ部130を有する。スイッチ部130は、受信部14-1~14-nが受信したパケットのヘッダに格納される情報に基づいて対応する送信部15-1~15-nを選択し、当該パケットを目的の通信装置10に中継する処理を実行する。
【0036】
本実施形態のパケット中継処理部13は、受信部14-1~14-nに対応するパケットカウンタ200-1~200-nを備える。パケットカウンタ200-1~200-nは、受信部14-1~14-nが受信するパケットをカウントする通信情報取得部である。ハイフンの後に同じ数字が付与された受信部14-1~14-nとパケットカウンタ200-1~200-nはそれぞれ対応する。
【0037】
制御部11は、パケットカウンタ200-1~200-nによってカウントされたパケット数に基づいて通信状態が逼迫しているか否かを判定する。より具体的には、制御部11は、パケット数×パケットサイズの流量、即ちストリーム量を監視する。制御部11は、パケットカウンタ200-1~200-nによって検出されるストリーム量が、想定されるストリーム量に対して設定される設定閾値(例えば、90%)以上となった場合に通信状態が逼迫していると判定する。なお、通信状態が逼迫しているか否かの判定が、この方式に限定されるわけではない。例えば、単位時間当たりのパケット数(スループット)に基づいて通信状態を判定してもよいし、他の方式を用いて通信状態を判定してもよい。
【0038】
制御部11は、通信状態が逼迫している場合には、逼迫している状態を解消するための制御を実行する。以下、通信状態が逼迫していないときに制御部11によって実行される制御を通常状態の制御とし、通信状態が逼迫しているときに制御部11によって実行される制御を逼迫状態の制御として説明する。
【0039】
<通常状態の制御>
まず、図3を参照して通常状態の制御について説明する。図3は、本実施形態の通信装置10の通常状態の制御を説明する模式図である。以下の説明では、図3に示すネットワークシステム1において、通信装置10-1のRSU110aと移動端末101aの間で通信が確立し、通信装置10-1から通信装置10-3への経路探索行われる場合を想定する。
【0040】
図3に示す例では、リンク20-1~20-7のパスコストは、全て1に設定されている。なお、パスコストとしてホップ数を用いる構成としたが、これ以外の指標を通信の優先順位を決定する指標として用いてもよい。例えば、IGRP(Interior Gateway Routing Protocol)のように帯域幅や信頼性等の情報を複合的に採用してもよい。
【0041】
経路探索が開始されると、送信元となる通信装置10-1は、経路要求(RREQ:Route Request)メッセージを含む経路探索パケットを生成する。経路探索パケットには、通信装置10-1自身とRSU110aを特定する送信元ID「1.1」や、送信先の通信装置10-3を特定する送信先ID「3」や、経路探索パケットの同一性を示す経路探索パケットID等が含まれる。経路探索パケットは、通信装置10-1に接続される全てのノードに対して経路探索パケットを送信する。図1の例では、通信装置10-2及び通信装置10-7のそれぞれに対して通信装置10-1から経路探索パケットが送信される。
【0042】
図3の右回り方向(白抜きの矢印の方向)における経路探索パケットの流れについて説明する。通信装置10-2は、経路探索パケットを受信すると、経路探索解析処理を実行する。経路探索解析処理では、送信元から自身までのパスコストが計算され、経路探索パケット中の合計コストを更新する。例えば、通信装置10-2の場合は合計コストを0から1に更新する処理が実行される。また、通信装置10-2の制御部11は、記憶部12の経路テーブル121に経路エントリを記憶する処理を実行する。経路エントリには、送信元ID「1.1」、送信先ID「3」及び合計コスト「1」に加え、当該通信装置10-2に経路探索パケットを中継した直前の通信装置10-1を特定する直前ID「1」が含まれる。更に、通信装置10-2の制御部11は、経路エントリを記憶するとともに、経路探索パケットを通信装置10-3に送信する中継処理を実行する。
【0043】
通信装置10-3は、送信先IDで特定される宛先である。通信装置10-3は、経路探索パケットを受信すると、合計コストを1から2に更新し、当該合計コスト及び経路応答(RREP:Route Reply)メッセージを含む経路応答パケットを生成する。経路応答パケットは、経路探索パケットが中継するときに生成される経路エントリに基づいて送信されてきた方向と逆方向に送信される。図3の例では、通信装置10-3から送信された経路応答パケットは、通信装置10-2を介して通信装置10-1に到達する。これによって、通信装置10-1は、受信した経路応答パケットに基づいて右回り方向の合計コストが2であることを把握する。
【0044】
次に、図3の左回り方向(黒色の矢印の方向)における経路探索パケットの流れについて説明する。通信装置10-7は、通信装置10-2と同様に、通信装置10-2から経路探索パケットを受信すると経路探索パケット中の合計コストを0から1に更新して中継処理を実行するとともに、経路エントリを記憶部12の経路テーブル121に記憶する処理を実行する。
【0045】
通信装置10-6は、通信装置10-7から経路探索パケットを受信すると経路探索パケット中の合計コストを1から2に更新して中継処理を実行するとともに、経路エントリを記憶部12の経路テーブル121に記憶する処理を実行する。通信装置10-5及び通信装置10-4についても同様の処理が実行され、中継処理されるたびに合計コストに設定されるパスコストの値が加算される。経路探索パケットが通信装置10-3に到達すると、右回り方向のときと同様に、通信装置10-3が経路応答パケットを送信する。経路応答パケットは、通信装置10-4、通信装置10-5、通信装置10-6及び通信装置10-7を介して通信装置10-1に到達する。これによって通信装置10-1は、左回り方向の合計コストが5であることを把握する。
【0046】
通信装置10-1は、受信した経路応答パケットの中から合計コストの低いルートを、通信装置10-1から通信装置10-3にパケットを送信する送信ルートに設定する。図3の例では、右回りのルート合計コストが「2」であり、左回りのルートの合計コストが「5」であるので、合計コストが低い右回りのルートが送信ルートに設定される。設定された送信ルートは、予め設定される有効期限が切れるまで維持される。有効期限が過ぎると同様の処理が実行され、合計コストが低いルート(以下、適切なルートと称する場合がある)の探索が行われる。
【0047】
<逼迫状態の制御>
次に、図4を参照して逼迫状態の制御について説明する。図4は、本実施形態の通信装置10の逼迫状態の制御を説明する模式図である。この説明では、図4に示すネットワークシステム1において、通信装置10-1のRSU110aと移動端末101aの間で通信が確立するとともに、RSU110bと移動端末101bの間で通信が確立して適切なルートが設定された状態を想定する。更に、RSU110cと移動端末101cの間で通信が確立する前に、通信装置10-2がリンク20-1の通信状態が逼迫しており、通信装置10-7については通信状態が逼迫していないものとする。
【0048】
通信装置10-2の制御部11は、通信状態が逼迫している判定された後は、リンク20-1に設定されるパスコストを初期値から変更するパスコスト変更処理を実行する。例えば、図4に示す例ではリンク20-1のパスコストの初期値が「1」に設定されているが、パスコスト変更処理により、当該パスコストを「10」に変更する。なお、パスコストを「1」から「10」に変更するのは一例であり、変更後のパスコストは「100」等でもよい。
【0049】
この状態では、RSU110cと移動端末101cの間で通信が確立して通信装置10-1が経路探索パケットを通信装置10-2に送信した場合、当該通信装置10-2で生成される経路エントリの合計コストは「10」となる。従って、通信装置10-2にリンク20-2を介して接続されている通信装置10-3で生成される経路エントリの合計コストは、「10」に「1」を加算した「11」となる。通信装置10-3は、送信先であるため、上述の通常の制御と同様に経路応答パケットを送信元である通信装置10-1に向けて送信する。経路応答パケットは、通信装置10-2を経て通信装置10-1に到達する。
【0050】
一方、通信装置10-7については、通信状態が逼迫しているわけではないので、パスコスト変更処理は実行されない。通信装置10-7、通信装置10-6、通信装置10-5、通信装置10-4、通信装置10-3の順で経路探索パケットが左回りで中継され、通信装置10-4~10-7のそれぞれで経路エントリが記憶される。図4の通信装置10-3の経路テーブルに示すように、左回りのルートにおける合計コストは「5」となる。左回りで経路探索パケットを受信した通信装置10-3は右回り(逆方向)で経路応答パケットを送信する。経路応答パケットは、通信装置10-4、通信装置10-5、通信装置10-6、通信装置10-7を経て通信装置10-1に到達する。
【0051】
通信装置10-1は、受信した経路応答パケットの中から合計コストの低いルートを、通信装置10-1から通信装置10-3にパケットを送信する送信ルートに設定する。図4の例では、右回りのルート合計コストが「11」であり、左回りのルートの合計コストが「5」であるので、合計コストが低い左回りのルートが送信ルートに設定される。通信装置10-2がパスコスト変更処理を実行することにより、結果的にパスコストの合計が「5」である左回りのルートが通信装置10-1から通信装置10-3にパケットを送信する送信ルートに設定されることになる。左回りのルートでは通信状態が逼迫していないので安定した通信が行われ、右回りのルートにおいても通信状態が更に逼迫する事態を回避することができる。
【0052】
なお、移動端末101a(通信装置10-1)から通信装置10-3への通信と、移動端末101b(通信装置10-1)から通信装置10-3への通信と、については、逼迫制御の間でも合計コストが「2」の右回りのルートが継続される。この例では、逼迫状態でも、既に確立した送信ルートについては有効期限が切れるまで維持されることになる。
【0053】
<通信装置の制御の流れ>
次に、図5を参照して通信装置10の制御の流れの一例について説明する。図5は、本実施形態の通信装置10-1~10-7の中継処理に関する制御の流れの一例を示すフローチャートである。
【0054】
制御部11は、経路探索パケットを受信すると、当該経路探索パケット中の送信先が自身であるか否かを判定する(ステップS1)。制御部11は、経路探索パケット中の送信先が自身を示していないと判定した場合は、パケット中継処理部13に中継処理を実行させるステップS2に処理を移行させる(ステップS1:No)。
【0055】
ステップS2において、パケット中継処理部13は、上述の通り、経路探索パケット中の合計コストに、パスコストを反映させた上で次の通信装置10(例えば、通信装置10-3)に経路探索パケットを中継するパケット中継処理を実行する(ステップS2)。それとともに、制御部11は、経路探索パケットから取得される情報に基づいて送信元、送信先及び合計コスト(コスト情報)を含む経路情報を記憶部12の経路テーブル121に記憶する記憶処理を実行する(ステップS3)。
【0056】
ステップS1において、制御部11は、経路探索パケット中の送信先が自身であると判定した場合は、ステップS4に処理を移行させる(ステップS1:Yes)。ステップS4において、制御部11は、送信元の通信装置10に経路応答パケットを送信する応答制御処理を実行する(ステップS4)。
【0057】
制御部11は、ステップS3又はステップS4の処理の後、通信が通常状態か逼迫状態であるかを判定するため、通信量が設定閾値以上か否かを判定する(ステップS5)。例えば、制御部11は、パケットカウンタ200-1~200-nの検出値を監視し、検出された単位時間あたりのストリーム量が、設定閾値を越えたか否かを判定する。本実施形態では、設定閾値は、想定されるストリーム量に対する所定の割合(例えば、90%)として設定される。なお、設定閾値については、この方式に限定されるわけでない。例えば、送受信パワーの異常、有線リンクの瞬断、経路の輻輳、該当経路を利用した通信の失敗の発生頻度を設定閾値に加味してもよい。
【0058】
ステップS5において、制御部11は、通信量が設定値未満と判定した場合(ステップS5:No)、処理をステップS1に戻す。ステップS5において、制御部11は、通信量が設定値閾値以上と判定した場合(ステップS5:Yes)、ステップS6の逼迫状態の制御に移行する。
【0059】
次に、図6を参照してステップS6の逼迫状態の制御の流れについて説明する。図6は、本実施形態の通信装置10の逼迫状態の制御の流れの一例を示すフローチャートである。逼迫状態の制御が開始されると、制御部11は、リンク20-1に設定されるパスコストの値を変更するパスコスト変更処理を実行する(ステップS11)。なお、既に確立している送信ルートを利用したパケットの中継処理は継続される。
【0060】
ステップS11のパスコストの変更処理の後、制御部11は、通信量が設定閾値未満であるか否かを判定する(ステップS12)。ここで、通信状態の逼迫が解除されたか否かを判定する。このステップS12の処理は、ステップS11の実行後、所定時間経過後に行ってもよい。また、ステップS12の判定基準となる設定閾値は、図5のステップS5の設定閾値と同じ値(例えば90%)であってもよいが、確実に逼迫状態を解消しているかを判定するという観点からステップS5の設定閾値よりも低い設定閾値(例えば80%)としてもよい。
【0061】
ステップS12において、制御部11は、通信量が設定値未満ではないと判定した場合(ステップS12:No)、通信量の監視を継続する。また、ステップS12において、制御部11は、通信量が設定閾値未満と判定した場合(ステップS12:Yes)、ステップS13の処理に移行する。
【0062】
ステップS13に移行すると、制御部11は、変更したパスコストを初期値に戻すパスコスト復帰処理を実行する(ステップS13)。ステップS13の処理の後、制御部11は、逼迫状態の制御を終了する。
【0063】
なお、上記実施形態の説明では、送信先の通信装置10-3が経路応答パケットを送信するようにしたが、これ以外にも、送信先の通信装置までの経路に関する最終経路情報を有している通信装置10が経路応答パケットを送信するようにしてもよい。その場合には、当該通信装置10に接続されているすべての通信装置10に対して経路応答パケットを送信すれば良い。
【0064】
以上説明したように、上記実施形態の通信装置10は以下のように構成される。
複数のリンク20-1を介して他の通信装置10-1、10-2が通信可能に接続される通信装置10-2であって、複数のリンク20-1~20-7のうちの1つであるリンク(第1リンク)20-1を介して受信した特定の通信装置10-3を送信先とする経路探索パケット(経路探索データ)を、リンク20-1とは異なるリンク20-3に接続される次の通信装置10-3に中継する処理を実行するパケット中継処理部(データ中継処理部)15と、経路探索パケットから取得される送信元から送信先までのリンク20-1~20-2のパスコストの合計を示す合計コスト(コスト情報)を記憶する記憶部12と、受信した経路探索データの送信先が自身である又は自身から送信先までの最終経路情報が記憶部12に保持されている場合は、送信元の通信装置10(例えば、通信装置10-3)に送信先の通信装置10(例えば、通信装置10-3)までの送信ルートを決定するための合計コストを含む経路応答データを送信する処理を実行する制御部11と、を備える。制御部11は、リンク20-1~20-7を流れるデータの通信量が所定基準を超えると判定すると、逼迫状態のリンク20-1に設定されるパスコストを増加させるパスコスト変更処理を実行する。
【0065】
本実施形態の通信装置10の通信方法は以下の工程を備える。即ち、通信方法は、複数のリンク20-1~20-7のうちの1つであるリンク(第1リンク)20-1を介して受信した特定の通信装置10-3を送信先とする経路探索パケット(経路探索データ)を、リンク20-1とは異なるリンク20-3に接続される次の通信装置10-3に中継する処理を実行するパケット中継処理工程(データ中継処理工程)と、経路探索パケットから取得される情報に基づいて設定される送信元から送信先までのリンク20のパスコストの合計を示すコスト情報を記憶部12に記憶する記憶工程と、受信した経路探索パケットの送信先が自身である又は自身から送信先までの最終経路情報が記憶部12に保持されている場合は、送信元の通信装置10-1に送信先の通信装置10-3までの送信ルートを決定するためのコスト情報を含む経路応答データを送信する処理を実行する応答制御工程と、リンク20-1~20-7を流れるデータの通信量が所定基準を超えると判定されると、リンク20-1に設定されるパスコストを増加させるパスコスト変更処理を実行するパスコスト変更処理工程と、を備える。
【0066】
この構成及び方法により、リンク20-1~20-7何れかの通信状態が逼迫している状態で新たに経路探索が要求されたとしても、逼迫状態のリンク20-1のパスコストが増大するので、結果としてリンク20-1以外を通過する送信ルートが登録されることになる。従って、リンク20-1の通信状態が更に逼迫する事態を解消できる。また、新たな送信元から送信先への送信ルートも通信状態が逼迫しているリンク20-1を避けることになり、安定した通信状態が実現される。
【0067】
また、本実施形態のパスコスト変更処理では、リンク20-1から新たな新規経路探索データを受信した場合でも、リンク20-1を通過する新たな送信ルートの合計コストが他の送信ルートの合計コストよりも低くなるようにパスコストを増加する量が設定される。
【0068】
これにより、通信が逼迫するリンク20-1を通過する新たな送信ルートが確実に選択されなくなるので、より通信品質を向上させることができる。
【0069】
本実施形態の通信装置10は、リンク20を介して受信するパケットデータをカウントするパケットカウンタ200を更に備え、制御部11は、パケットカウンタ200の検出値に基づいて通信量が所定基準を超えるか否かを判定する。
【0070】
これにより、パケットカウンタ200の検出値に基づいてリンク20の通信状態を確実に検出することができ、逼迫しているか否かを精度良く判定できる。
【0071】
次に、上記実施形態の変形例について説明する。なお、以下の説明において上記実施形態と共通又は同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0072】
<第1変形例>
図7は、第1変形例のネットワークシステム1aを示す模式図である。図7中の移動端末101a~101cは、通常の車両に搭載される通信装置である。優先移動端末201aは、通常の車両に搭載される移動端末101a~101cに対してネットワークシステム1aへの通信が優先される車両に搭載される通信装置である。優先移動端末201aが搭載される車両は、例えば公益性が高く優先されるべき救急車等を想定している。通信装置10又はRSU110a~110cは、優先移動端末201が出力する信号に含まれる車両の種別を示すID等に基づき、通常の車両に搭載される移動端末101a~101cと、通信が優先される車両に搭載される優先移動端末201との区別を行う。
【0073】
図7の例では、移動端末101aは通信装置10-1のRSU110aとの間で通信を確立しており、既に送信先の通信装置10-3までの送信ルートが決定されている。同様に、移動端末101bも通信装置10-1のRSU110bとの間で通信を確立しており、既に送信先の通信装置10-3までの送信ルートが決定されている。なお、移動端末101cは、何れのRSU110a~110cに対しても通信が確立されていない。また、優先移動端末201aは、通信装置10-1のRSU110cとの間で通信を確立している。
【0074】
図8は、第1変形例の通信装置10-2の第1キュー250aと第2キュー250b別のデータ処理を説明する模式図である。なお、図8では、通信が確立されていない移動端末101cの図示を省略している。
【0075】
第1変形例では、優先移動端末201aの通信を優先するために、移動端末101a~101c及び優先移動端末201aのそれぞれを特定できる送信元IDに基づいて経路テーブル121が管理される。移動端末101aは送信元IDが「1.1.1b」に設定され、移動端末101bは送信元IDが「1.2.1b」に設定され、優先移動端末201aは送信元IDが「1.3.1a」に設定されるものとする。
【0076】
図8に示すように、通信装置10は、リンク20を通過する前にパケットが通過する複数の第1キュー250a及び第2キュー250bを備える。第2キュー250bは、通常の車両に搭載される移動端末101a~101bのためのキューである。なお、通信が確立していない移動端末101cについても、通信が確立された場合は第2キュー250bを通じてパケットが送信されることになる。これに対して第1キュー250aは、通信が優先される車両に搭載される優先移動端末201aのためのキューである。優先移動端末201aを送信元とするパケットは第1キュー250aを通過することにより、第2キュー250bを通過するパケットに優先して送信先に送信される。
【0077】
第1変形例では、第1キュー250aを通過するパケットは常に優先され、第2キュー250bを通過するパケットに対しては通信状態に基づいて送信ルートが選択されるように制御する。即ち、上記実施形態の逼迫状態の制御は、第2キュー250bを通過する経路探索パケットのみに行われ、第1キュー250aを通過する経路探索パケットには実行されないことになる。
【0078】
図9は、第1変形例の通信装置10に保持される経路テーブル121a~121bの例を示す表である。図9に示すように、第1変形例の通信装置10は、第1キュー250aと、第2キュー250bに対応する複数の経路テーブル121a~121bを有する。
【0079】
制御部11は、通信状態が逼迫しているか否かを判定するためのストリーム量は、複数の第1キュー250a及び第2キュー250bを区別せずに全体のストリーム量で行う。図7の例は、移動端末101a~101bを送信元とするパケット数と、優先移動端末201aを送信元とするパケット数の合計に基づいて通信状態が逼迫している否かが判定される。制御部11によって逼迫状態であると判定されると、上述の逼迫状態の制御が実行されることになる。
【0080】
図7の例で通信状態が逼迫していると通信装置10-2の制御部11が判定した場合は、移動端末101cがRSU110a~110cの何れかと接続した場合でも、右回りではなく左回りの送信ルートが設定されることになる。なお、優先移動端末201a、移動端末101a~101bについては右回りの送信ルートが継続される。
【0081】
このように、第1変形例の通信装置10は、移動端末101a~101c及び優先移動端末201aと無線通信を行うRSU(無線装置)110a~110cを更に備え、経路検索パケットは、移動端末101a~101c及び優先移動端末201aを送信元とする。
【0082】
これにより、RSU110a~110cの通信範囲に参加したり離脱したりするユーザ数(例えば、移動端末101a~101c及び優先移動端末201aの数)の変動が多いケースで使用される場合であっても、通信の逼迫状態の発生を効果的に回避し、安定的な通信を実現できる。
【0083】
また、第1変形例の通信装置10は、特定の優先移動端末201aを送信元とするデータが通過する第1キュー250aと、特定の優先移動端末201a以外の通常の移動端末101a~101cを送信元とするデータが通過する第2キュー250bと、を更に備える。そして、リンク20を流れるデータの通信量が所定基準を超えるか否かに関わらず、送信元を特定の優先移動端末201aとするデータの通信が、送信元を通常の移動端末101a~101cとするデータの通信よりも優先される。
【0084】
これにより、他の移動端末101a~101cのネットワークシステム1aの利用状態に関わらず、通信を優先させるべき事情がある優先移動端末201aを送信元とするデータを目的の送信先に確実に送信することができる。
【0085】
<第2変形例>
図10は、第2変形例の学習済みモデルを利用して取得されるパケット予測値に基づいて通信状態を判定する通信装置10の構成の一例を示すブロック図である。
【0086】
図10に示すように、第2変形例ではパケット中継処理部13のパケットカウンタ200が検出したパケット数が、LSTM(Long short-term memory)ユニット300に入力される。LSTMユニット300は、数年分のパケットデータを時系列順に学習させた学習済みモデル310により、将来のある時間におけるパケット予測値を算出する。なお、学習済みモデル310は、パケットデータの時系列データの他に、渋滞情報をベースに算出した通信量の時系列データを学習させてもよい。
【0087】
図11は、第2変形例の通信装置10によって予測される通信状態を示すグラフである。図11に示すように、時系列データの予測に適したLSTMユニット300によって将来の通信量を正確に予測することができる。第2変形例では、制御部11が将来において逼迫すると判定した場合に、上述の逼迫状態の制御が実行される。
【0088】
このように、第2変形例の通信装置10は、入力される通信量の時系列データに基づいて将来の通信量を予測する通信量予測部としてのLSTMユニット300を更に備える。制御部11は、LSTMユニット300が算出したパケット予測値(データ予測値)に基づいてリンク20を流れるデータの通信量が所定基準を超えるか否かを判定する。
【0089】
これにより、現時点で通信が逼迫していない状態であっても、将来的に逼迫し易い蓋然性が高い状態になったときに、通信の混雑状況が緩和されるのでより安定的な通信を実現できる。
【0090】
なお、第2変形例では、LSTM(Long short-term memory)を用いた教師有り学習の例を説明したが、これに限定されるわけではない。例えば、リアルタイム強化学習のような他の機械学習を用いて将来の通信量を予測する構成としてもよい。
【0091】
<第3変形例>
図12は、第3変形例のネットワークシステム1bを示す模式図である。第3変形例では、通信装置10-2が通信装置10-6とリンク20-8を介して接続されるとともに、通信装置10-3が通信装置10-5とリンク20-9を介して接続されている点が異なっている。
【0092】
図12に示す例では、通信装置10-1は、3つのリンク20-1、20-2、20-8に接続されることになる。ここで、上記実施形態と同様に、リンク20-1を通過する送信ルートの通信が逼迫状態になっている場合は、リンク20-1のパスコストを増大させるパスコスト変更処理が実行されることになる。第3変形例では、この状態で、更にリンク20-8を通過する送信ルートの通信が逼迫状態になった場合、リンク20-8に対しても、パスコストを増大させるパスコスト変更処理が実行される。
【0093】
このように、第3変形例の通信装置10は、複数のリンク20-1、20-2、20-8のうちの1つであるリンク(第2リンク)20-8を流れるデータの通信量が所定基準を超えると判定されると、リンク20-8に対しても設定されるパスコストを増加させるパスコスト変更処理を実行する。
【0094】
これにより、異なるリンク20-8における通信状態の逼迫を回避することができ、ネットワークシステム1b全体の通信状態をより安定的なものにすることができる。
【0095】
<第4変形例>
次に、パケット中継処理部13を通過する全データ(パケットカウンタの合計)が所定基準を超えるか否かに基づいて通常状態の制御と逼迫状態の制御を切り替える構成の通信装置10aについて説明する。
【0096】
図13は、第4変形例の通信装置10aの構成の一例を示すブロック図である。図13に示す通信装置10aは、4個のリンク20-1~20-4に接続されるノード装置である。通信装置10aは、リンク20-1に対応する受信部14-1及び送信部15-1、リンク20-2に対応する受信部14-2及び送信部15-2、リンク20-3に対応する受信部14-3及び送信部15-3、リンク20-4に対応する受信部14-4及び送信部15-4を備える。そして、受信部14-1~14-4及び送信部15-1~15-4は、何れも100Mbpsのデータ通信に対応するインターフェースである。
【0097】
また、パケット中継処理部13は、受信部14-1に対応するパケットカウンタ200-1、受信部14-2に対応するパケットカウンタ200-2、受信部14-3に対応するパケットカウンタ200-3、受信部14-4に対応するパケットカウンタ200-4を有する。
【0098】
図13に示す例では、受信部14-1から入力されたパケットデータがパケット中継処理部13を通じて送信部15-4から出力され、受信部14-2から入力されたパケットデータがパケット中継処理部13を通じて送信部15-3から出力され、受信部14-3から入力されたパケットデータがパケット中継処理部13を通じて送信部15-2から出力され、受信部14-4から入力されたパケットデータがパケット中継処理部13を通じて送信部15-1から出力される。
【0099】
通信装置10aが有するスイッチ部130には、性能値としてバックプレーン容量(例えば、300Mbps)が設定されている。バックプレーン容量は、パケット中継処理部13を通過するストリーム量の限界値として設定されるものである。第4変形例では、制御部11が、このバックプレーン容量に達しないように、通常状態の制御と逼迫状態の制御を切り替える処理を実行する。所定基準は、パックプレーン容量に基づいて設定される値である。例えば、バックプレーン容量の90%が所定基準(例えば、270Mbps)として設定される。制御部11は、パケット中継処理部13を介してストリーム量が所定基準を超えるか否かを監視する。
【0100】
パケットカウンタ200-1~200-4の検出値が取得できればパケット中継処理部13(スイッチ部130)を通過するストリーム量を検出できる。なお、場合によっては、送信部15-1~15-4のそれぞれにもパケットカウンタを配置し、入力側及び出力側の両方のパケットデータ量を直接的に監視してストリーム量を取得する構成であってもよい。
【0101】
制御部11は、パケット中継処理部13(スイッチ部130)を通過する単位時間あたりのストリーム量が所定基準を上回った場合は、通信装置10aが逼迫状態にあると判定できるため、通常状態の制御から逼迫状態の制御に移行する。例えば、パケットカウンタ200-1~200-4の検出値に基づいて取得されるパケット中継処理部13を通過する単位時間あたりのストリーム量が、所定基準270Mbpsを越えない260Mbpsの場合は通常状態の制御を継続し、所定基準270Mbpsを上回る280Mbpsの場合は逼迫状態の制御に移行する。
【0102】
第4変形例の通信装置10aが実行する逼迫状態の制御は、上記実施形態や第1変形例~第3変形例とは異なる。第4変形例では、通信装置10aは、制御部11が複数のリンク20-1~20-4を流れるデータの通信量の合計が所定基準を超えるとすると、複数のリンク20-1~20-4の全てのパスコストを「1」から「10」に増加させるパスコスト変更処理を行う。変更後のパスコスト「10」は、逼迫状態が解除されるまで維持される。
【0103】
パスコストが変更された結果、新たな新規経路探索データを受信しても、当該通信装置10aを通過しない送信ルートのパスコストの合計値が通信装置10aを通過する送信ルートのパスコストの合計値よりも低くなる。結果として通信装置10aを通過する送信ルートは、逼迫状態が解除されるまで設定されないことになる。通信装置10aを通過する送信ルートが設定されなくなるので、パックプレーン容量に達して通信装置10aでの中継処理が実行されない事態の発生を効果的に抑制できる。
【0104】
<第5変形例>
次に、第4変形例とは異なる通信装置10a-2を参照し、パケット中継処理部13を通過する全データが所定基準を超えるか否かに基づいて通常状態と逼迫状態の制御を切り替える例について説明する。図14は、第5変形例の通信装置10a-2のパケット中継処理部13の構成の一例を示すブロック図である。なお、第5変形例の通信装置10a-2は、第3変形例で説明した図12の通信装置10-2に相当し、3つのリンク20-1、20-2、20-8が接続されるノード装置である。
【0105】
図14に示すスイッチ部130の性能仕様値としてのバックプレーン容量は100Mbpsであるものとする。そして、バックプレーン容量に基づいて設定される所定基準は当該バックブレーン容量の90%である90Mbpsとする。また、通信装置10a-2を介してリンク20-1からリンク20-2に流れる送信ルートのパケットデータを図14において一点鎖線で示すパケットデータ1とする。また、通信装置10a-2を介してリンク20-2からリンク20-1に流れる送信ルートのパケットデータを図14において2点鎖線で示すパケットデータ2とする。
【0106】
この第5変形例の通信装置10a-2において、リンク20-1から入力されるパケットデータ1のストリーム量が40Mbpsであり、リンク20-2から入力されるパケットデータ2のストリーム量が40Mbpsである場合、合計のストリーム量は80Mbpsとなり、所定基準の90Mbpsを上回るため制御部11は逼迫状態と判定しないことになり、通常状態の制御が実行されることになる。
【0107】
これに対してパケットデータ1のストリーム量が46Mbpsであり、パケットデータ2のストリーム量が46Mbpsである場合、合計のパケットストリーム量は所定基準90Mbpsを上回る96Mbpsとなり、通信装置10a-2を通過する送信ルートが設定されないように逼迫状態の制御が実行されることになる。
【0108】
第5変形例の通信装置10a-2においても、リンク20-1、20-2、20-8の全てのパスコストを「1」から「10」に増加させるパスコスト変更処理が実行される。パスコスト「10」は、逼迫状態が解除されるまで継続される。結果として、リンク20-1、20-2、20-8を通過する送信ルートは、新規の経路登録が行われることはなくなり、通信装置10a-2を経由する送信ルートが登録されることはなくなる。これにより、通信装置10a-2のスイッチ部130を流れる通信量がバックプレーン容量(100Mbps)に達することを抑制できるとともに、当該通信装置10a-2を通過しない新たな送信ルートが設定されることになり、ネットワークシステム全体での通信状態を安定化させることができる。
【0109】
なお、第4変形例及び第5変形例において、第1変形例で説明した第1キュー250a及び第2キュー250bを備える構成や、第2変形例で説明したLSTMユニット300のような通信量予測部を備える構成を適用することができる。これらの場合においても、第4変形例及び第5変形例と同様に、パケット中継処理部13を通過する全データに基づいて通常状態か逼迫状態の判定が実行される。
【0110】
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。また、上述した上記実施形態及び変形例における一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。そして、コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【符号の説明】
【0111】
1,1a,1b ネットワークシステム
10-1~10-7 通信装置
11 制御部
12 記憶部
15 パケット中継処理部(データ中継処理部)
20-1~20-9 リンク
101a~101c,201a 移動端末
110a~110c RSU(無線装置)
200 パケットカウンタ
250a 第1キュー
250b 第2キュー
300 LSTMユニット(通信量予測部)
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