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特許7502452第2の流体の分配を用いた基板研磨エッジの均一性の制御
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-10
(45)【発行日】2024-06-18
(54)【発明の名称】第2の流体の分配を用いた基板研磨エッジの均一性の制御
(51)【国際特許分類】
   B24B 57/02 20060101AFI20240611BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240611BHJP
   B24B 49/12 20060101ALI20240611BHJP
   B24B 49/04 20060101ALI20240611BHJP
   B24B 37/10 20120101ALI20240611BHJP
   B24B 49/14 20060101ALI20240611BHJP
【FI】
B24B57/02
H01L21/304 622E
B24B49/12
B24B49/04 Z
B24B37/10
B24B49/14
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022544709
(86)(22)【出願日】2021-08-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 US2021045070
(87)【国際公開番号】W WO2022072066
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2022-09-14
(31)【優先権主張番号】17/038,793
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ウォン, ジャスティン エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ソン, ケヴィン エイチ.
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-530422(JP,A)
【文献】特開2000-353677(JP,A)
【文献】特表2004-536717(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 57/02
H01L 21/304
B24B 49/12
B24B 49/04
B24B 37/10
B24B 49/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するための装置であって、
プラテン上に配置されたパッドであって、パッド半径と、前記パッド半径がそこから延びる中心軸とを有するパッド、
前記パッドの表面上に配置されるように構成されたキャリアアセンブリであって、前記キャリアアセンブリの回転軸から延びるキャリア半径を有し、前記回転軸が、前記中心軸から第1の半径方向距離に配置されている、キャリアアセンブリ、
前記中心軸から第2の半径方向距離で前記パッド上の第1の地点に第1の流体を提供するように構成された第1のノズルを有する第1の流体送出アーム、
前記パッド上の第2の地点に第2の流体を提供するように構成された第2のノズルを有する第2の流体送出アームであって、前記第2の地点が前記中心軸から第3の半径方向距離に配置されており、前記第2の半径方向距離が前記第1の半径方向距離よりも小さく、前記第3の半径方向距離が前記第2の半径方向距離以上である、第2の流体送出アーム、及び
前記第2の流体送出アームと前記キャリアアセンブリとが互いを追跡することにより、前記キャリアアセンブリが前記パッドの前記表面を横切って平行移動するにつれて、前記第2の流体送出アームから分配された前記第2の流体が前記キャリアアセンブリの同じ部分と交差するように、前記第2の流体送出アームの移動を前記キャリアアセンブリの移動と同期させるように適合した、コントローラ
を含む装置。
【請求項2】
基板を処理するための装置であって、
プラテン上に配置されたパッドであって、パッド半径と、前記パッド半径がそこから延びる中心軸とを有するパッド、
前記パッドの表面上に配置されるように構成されたキャリアアセンブリであって、前記キャリアアセンブリの回転軸から延びるキャリア半径を有し、前記回転軸が、前記中心軸から第1の半径方向距離に配置されている、キャリアアセンブリ、
前記中心軸から第2の半径方向距離で前記パッド上の第1の地点に第1の流体を提供するように構成された第1のノズルを有する第1の流体送出アーム、
前記パッド上の第2の地点に第2の流体を提供するように構成された第2のノズルを有する第2の流体送出アームであって、前記第2の地点が前記中心軸から第3の半径方向距離に配置されており、前記第2の半径方向距離が前記第1の半径方向距離よりも小さく、前記第3の半径方向距離が前記第2の半径方向距離以上である、第2の流体送出アーム、
前記キャリアアセンブリを前記パッドの表面を横切って平行移動させるように構成された第1のアクチュエータであって、前記キャリアアセンブリが前記パッドの前記表面を横切って平行移動するにつれて、前記第1の半径方向距離が第1の半径方向値と第2の半径方向値との間で変化する、第1のアクチュエータ、及び
前記第2の流体送出アームを前記パッドの前記表面の上で平行移動させるように構成された第2のアクチュエータであって、前記第2の流体送出アームが前記パッドの前記表面の上で平行移動するにつれて、前記第3の半径方向距離が第3の半径方向値と第4の半径方向値との間で変化する、第2のアクチュエータ
を含み、前記第4の半径方向値が前記第1の半径方向値又は前記第2の半径方向値よりも大きい、装置。
【請求項3】
前記プラテン内に配置され、前記パッドを貫通して配置された窓と測定ユニットとを含む計測ユニットであって、コントローラに接続されて、基板のエッジ付近の研磨速度を測定するように構成されている計測ユニットを更に含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の流体送出アームが、前記第2の流体送出アームよりも前記パッド半径の大きい長さにわたって延びている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第3の半径方向距離の大きさが、前記中心軸から前記キャリアアセンブリ上の最も外側の地点まで延びる第4の半径方向距離より小さい、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の流体送出アームが、前記パッドの上の前記キャリアアセンブリによって占められる半径方向位置の全体に重なる、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第2の流体送出アームが、前記パッド半径の60%未満にわたって延びている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の流体送出アームが、
流体源と、
前記流体源及び前記第2の流体送出アームに流体的に連結された温度制御ユニットと
を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
基板を処理するための装置であって、
プラテン、
前記プラテン上に配置されたパッドであって、中心軸から延びるパッド半径を有するパッド、
前記パッド上に配置されたキャリアアセンブリであって、前記キャリアアセンブリの回転軸から延びるキャリア半径を有するキャリアアセンブリ、
前記パッド半径の少なくとも50%にわたって延びており、前記パッド上の第1の地点に第1の流体を提供するように構成された第1の流体送出アーム、
前記パッド半径の60%未満にわって延びており、前記パッド上の第2の地点に第2の流体を提供するように構成された第2の流体送出アームであって、前記第2の地点が前記中心軸から一定の半径方向距離に配置されており、前記半径方向距離が前記パッド半径の40%よりも大きい、第2の流体送出アーム、及び
前記第2の流体送出アームと前記キャリアアセンブリとが互いを追跡することにより、前記キャリアアセンブリが前記パッドの表面を横切って平行移動するにつれて、前記第2の流体送出アームから分配された前記第2の流体が前記キャリアアセンブリの同じ部分と交差するように、前記第2の流体送出アームの移動を前記キャリアアセンブリの移動と同期させるように適合した、コントローラ
を含む装置。
【請求項10】
コントローラに接続されており、基板のエッジ付近の研磨速度を測定するように構成された計測ユニットを更に含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第2の流体送出アームが、
ベースプレートと、
前記ベースプレートに連結されたスイベルアクチュエータと、
前記パッドの上に延びる延長部材と、
前記延長部材に連結され、前記パッドの上に配置されたノズルと
を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の流体送出アームが、前記パッドの上の前記キャリアアセンブリによって占められる半径方向位置の全体に重なる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
流体源、及び
前記流体源と前記第2の流体送出アームとに流体的に連結された温度制御ユニット
を更に含む、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記キャリアアセンブリが、前記パッドの中心から前記パッドの総半径の少なくとも10%の距離、且つ前記パッドの前記中心から前記パッドの前記総半径の90%以下の距離に配置される、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
基板を研磨する方法であって、
キャリアアセンブリを使用して研磨システムのパッドの表面に対して基板を押し付けることであって、前記パッドが、パッド半径と、そこから前記パッド半径が延びる中心軸とを有する、基板を押し付けること、
前記キャリアアセンブリを回転軸を中心に回転させながら、前記パッドの表面を横切って前記キャリアアセンブリを平行移動させること、
第1の流体送出アームから前記パッド上に、第1の温度及び第1の流量で第1の流体を分配することであって、前記第1の流体が、前記中心軸から測定される第2の半径方向距離で前記パッドに送出される、前記第1の流体を分配すること、
第2の流体送出アームから前記パッド上に、第2の流量及び第2の温度で第2の流体を分配することであって、前記第2の流体が、前記中心軸から測定される第3の半径方向距離で前記パッドに送出され、前記第3の半径方向距離が前記第2の半径方向距離よりも大きい、前記第2の流体を分配すること、
前記第2の流体を分配することを停止すること、並びに
前記第1の流体を分配することを停止すること
を含み、前記キャリアアセンブリ及び前記第2の流体送出アームが、ともに移動可能であり、前記キャリアアセンブリが前記パッドの前記表面を横切って平行移動するにつれて、前記第2の流体送出アームから分配された前記流体が前記キャリアアセンブリの同じ部分と交差するように互いを追跡する、方法。
【請求項16】
前記第1の流体と前記第2の流体とが異なる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第3の半径方向距離の大きさが、前記中心軸から前記キャリアアセンブリ上の最も外側の地点まで延びる第4の半径方向距離より小さい、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の流体の温度が、研磨速度を調整するために、温度制御ユニットによって制御される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の流体が、前記パッド上に、前記パッドの前記中心軸に対して前記キャリアアセンブリの最も内側のエッジから外側且つ前記パッドの前記中心軸に対して前記キャリアアセンブリの最も外側のエッジから内側の半径方向位置で分配される、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
[0001]本開示の実施形態は、概して、半導体デバイスの製造に使用される化学機械研磨(CMP)システムに関する。特に、本明細書の実施形態は、CMP処理の間の基板のエッジにおける均一な材料除去のための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
[0002] 化学機械研磨(CMP)は、一般に、半導体デバイスの製造において基板表面上に堆積された材料の層を平坦化又は研磨するために使用される。典型的なCMPプロセスでは、基板は、研磨流体の存在下で回転研磨パッドに向かって基板の裏側に圧力をかける基板キャリアに保持される。通常、研磨流体は、1つ又は複数の化学成分の水溶液と、この水溶液中に懸濁されたナノスケールの研磨粒子とを含む。材料は、研磨パッドと接触する基板の材料層の表面全体から、研磨流体により提供される化学的且つ機械的活性と、基板と研磨パッドの相対運動との組み合わせにより除去される。
【0003】
[0003]研磨流体は、通常、研磨パッドが回転するにつれて研磨流体が研磨パッドの外側エッジに向かって移動するように、第1のアームから研磨パッドの中心に向かって研磨パッド上に分配される。研磨流体は時に、基板キャリアの下の基板のエッジ付近に蓄積する。基板エッジ付近での研磨流体の蓄積は、不均一な基板材料除去プロファイルと、エッジ付近での除去速度の上昇又は低下とをもたらす。研磨流体が基板の下に均一に分配されたとしても、基板と基板キャリアの保持リングとの間の相互作用により、CMPプロセス中に基板のエッジ付近に不均一性が生じる。
【0004】
[0004]したがって、当技術分野では、上述の問題を解決する物品及びそれに関連する方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示は、概して、化学機械研磨装置に関する。具体的には、本開示は、研磨流体を分配する第1及び第2の流体分配アームに関する。一実施形態では、プラテン上に配置されたパッドを含む基板を処理するための装置が開示され、パッドは、パッド半径と、パッド半径がそこから延びる中心軸とを有する。装置は、パッドの表面上に配置されるように構成されたキャリアセンブリ(キャリアアセンブリ)であって、キャリアセンブリの回転軸から延びるキャリア半径を有し、回転軸が中心軸から第1の半径方向距離に配置されている、キャリアセンブリと、中心軸から第2の半径方向距離にあるパッド上の第1の地点に第1の流体を提供するように構成された第1のノズルを有する第1の流体送出アームと、パッド上の第2の地点に第2の流体を提供するように構成された第2のノズルを有する第2の流体送出アームであって、第2の地点が中心軸から第3の半径方向距離に配置されており、第2の半径方向距離が第1の半径方向距離未満であり、第3の半径方向距離が第2の半径方向距離以上である、第2の流体送出アームとを更に含む。
【0006】
[0006]本開示の別の実施形態では、基板を処理するための装置は、プラテンと、プラテン上に配置された、中心軸から延びるパッド半径を有するパッドと、パッド上に配置されたキャリアセンブリであって、キャリアセンブリの回転軸から延びるキャリア半径を有するキャリアセンブリと、パッド半径の少なくとも50%にわたって延びる第1の流体送出アームと、パッド半径の60%未満にわたって延びる第2の流体送出アームとを含む。第1の流体送出アームは、パッド上の第1の地点に第1の流体を提供するように構成され、第2の流体送出アームは、パッド上の第2の地点に第2の流体を提供するように構成される。第2の地点は、中心軸から一定の半径方向距離に配置され、この半径方向距離は、パッド半径の約40%よりも大きい。
【0007】
[0007]本開示の別の実施形態では、基板を研磨する方法は、キャリアセンブリを使用して、研磨システムのパッドの表面に対して基板を押し付けることを含み、パッドは、パッド半径と、パッド半径がそこから延びる中心軸とを有する。キャリアセンブリは、回転軸を中心に回転しながらパッドの表面を横切って平行移動させられ、キャリアセンブリをパッドの表面を横切って平行移動させることにより、キャリアセンブリがパッドの表面を横切って平行移動されるにつれて、中心軸から回転軸まで測定された第1の半径方向距離が第1の半径方向値と第2の半径方向値との間で変化する。第1の流体は、第1の温度及び第1の流量で、第1の流体送出アームからパッド上に分配され、第1の流体は、中心軸から測定される第2の半径方向距離でパッドに送出される。第2の流体は、第2の流量及び第2の温度で、第2の流体送出アームからパッド上に分配され、第2の流体は、パッドの中心軸からのパッドの半径の少なくとも40%のところで基板の一部分に送出されるように、中心軸から測定される第3の半径方向距離でパッドに送出される。第2の流体及び第1の流体の分配は停止される。
【0008】
[0008]本開示のまた別の実施形態では、基板を研磨する方法は、キャリアセンブリを使用して、研磨システムのパッドの表面に対して基板を押し付けることを含み、パッドは、パッド半径と、パッド半径がそこから延びる中心軸とを有する。キャリアセンブリは、回転軸を中心に回転しながら、パッドの表面を横切って平行移動される。第1の流体は、第1の温度及び第1の流量で、第1の流体送出アームからパッド上に分配され、第1の流体は、中心軸から測定される第2の半径方向距離でパッドに送出される。第2の流体は、第2の流量及び第2の温度で、第2の流体送出アームからパッド上に分配され、第2の流体は、第3の半径方向距離が第2の半径方向距離よりも大きくなるように、中心軸から測定される第3の半径方向距離でパッドに送出される。第2の流体及び第1の流体の分配は停止される。
【0009】
[0009]本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記に簡潔に要約された本開示の具体的な説明が、実施形態を参照することによって得ることができ、それら実施形他のいくつかは添付図面に示される。しかしながら、添付図面は、例示的な実施形態のみを示し、したがって、その範囲を限定するものと見なすべきではなく、他の等しく有効な実施形態も許容され得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】[0010]一実施形態による、本明細書に提供される方法に使用され得る研磨システムの概略的側面図である。
図2】[0011]一実施形態による、図1の研磨システムの概略的平面図である。
図3A】[0012]図1及び2の研磨システムの一部分の概略的側面図である。
図3B】[0013]図3Aの研磨システムの一部分の単純化された概略的平面図である。
図4】[0014]図1~3の研磨システム内に1つ又は複数の流体を分配する方法を示している。
【0011】
[0015]理解を容易にするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指し示すために同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素及び特徴は、さらなる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれ得ると考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0016]本開示の実施形態は、概して、化学機械研磨(CMP)システム内の研磨パッド上への研磨流体の送出を制御することによって、CMPプロセスの平坦化均一性を改善するための装置及び方法に関する。特に、本明細書の実施形態は、研磨パッドの上に配置されて、研磨流体又は水などの液体を分配する第1の流体送出アームと第2の流体送出アームとを有するCMPシステムに関する。
【0013】
[0017]第1の流体送出アームは、第1の流体送出アームが基板を研磨するための研磨流体を供給するように、研磨流体を研磨パッドの内側部分に送出するように位置決めされる。第2の流体送出アームは、第2の流体送出アームが1つ又は複数の研磨流体及び/又は水を研磨パッドに供給するように位置決めされる。第1の流体送出アーム及び第2の流体送出アームは、研磨パッドの異なる部分に研磨流体及び/又は水を供給するように位置決めされる。いくつかの実施形態では、第1の流体送出アームは、研磨パッドの中心のより近くに1つ又は複数の研磨流体及び/又は水を供給し、第2の流体送出アームは、研磨パッドの外側エッジのより近くに1つ又は複数の研磨流体及び/又は水を供給する。第2の流体送出アームは、第1の流体送出アームから流体が分配される研磨パッド上の位置の半径方向外側の研磨パッド上の位置に流体を分配するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第2の流体送出アームは、基板キャリアが研磨パッドに対して基板を押し付ける間に、基板のエッジに対して所望の位置にある、研磨パッドの異なる部分に流体が分配されるように位置決めされる。第2の流体送出アームによって分配された流体は、処理された基板上に改善された研磨結果を提供するために、基板及び研磨パッドが回転するにつれて、第1の流体送出アームによって分配された流体と相互作用する。
【0014】
[0018]以下で更に説明するように、第2の流体送出アームは、移動可能であり、基板キャリアが研磨パッド及び研磨パッドを支持するプラテンに対して移動するにつれて、第2の流体送出アームが基板キャリアから一定の距離で研磨パッドに流体を送出するように、基板キャリアと同期したパターンで移動することができる。代替的に、第2の流体送出アームは、基板キャリア及び基板上の所望の位置と一致する研磨パッドの所望の半径で、研磨パッドに流体を送出するように構成される。いくつかの実施形態では、第2の流体送出アームは、第1のキャリア位置から第2のキャリア位置への基板キャリアの位置の変化に適応するように移動し、基板キャリアの所望の部分と交差する研磨パッドの部分に流体を送出する。
【0015】
[0019]CMPプロセスの結果は、基板と研磨パッドの表面との間に配置された研磨流体の分布及び/又は濃度を変化させることによって制御できることが分かった。いくつかの実施形態では、平坦化均一性は、研磨中に基板のエッジ付近の研磨流体の濃度を変化させることによって改善される。第1の流体送出アームは、一般に、研磨パッド全体に基板キャリアの全体の下で分散される研磨流体を提供するために使用される。研磨パッドのエッジに最も近い基板キャリアのエッジの下の研磨流体は、保持リングと基板との間に蓄積することが分かった。研磨流体の蓄積は、研磨流体の種類、研磨流体のコンシステンシー、研磨流体の組成、蓄積された研磨流体の厚さ、基板の速度又は回転、及び研磨流体の温度に応じて、基板のエッジ付近の研磨速度を加速又は減速することができる。
【0016】
[0020]基板のエッジ付近での研磨流体の蓄積は、第1の流体送出アーム及び第2の流体送出アームの両方からの流体の送出によって制御することができる。第1の流体送出アームが基板の全体と相互作用する流体を供給しているとき、第1の流体送出アームから分配される流体を使用して基板のエッジ付近での研磨流体の蓄積を制御することは困難である。第2の流体送出アームを利用すると、基板のエッジ付近の1つ又は複数の研磨流体の濃度及び量をより良好に制御することができることが分かった。第2の流体送出アームは、追加の制御パラメータを提供し、また第2の流体送出アームから送出される流体が基板の他の部分(例えば、基板の内側又は中心部)と相互作用することなく、基板上の所望の位置(例えば、基板のエッジ)付近の流体と直接相互作用するように、配置され得る。
【0017】
[0021]第2の流体送出アームから分配される液体が研磨流体を含む実施形態では、基板のエッジ及び/又は他の領域付近に蓄積された研磨流体の量を増加させることができる。第2の流体送出アームによって分配される液体が水である実施形態では、水が研磨流体を薄め、且つ研磨流体を基板のエッジ及び/又は他の領域付近の位置から分散させることができるので、基板のエッジ及び/又は他の領域付近に蓄積される研磨流体の組成物が減少する。CMPプロセスに使用される典型的な研磨流体は、1つ又は複数の化学成分の水溶液を、水溶液中に懸濁されたナノスケールの研磨粒子とともに含み得る。CMP処理中の基板のエッジ付近の流体の蓄積及び流体成分の濃度、例えば研磨流体の蓄積並びに研磨流体の研磨粒子及び/又は化学組成の濃度の増加又は減少は、基板のエッジ付近の除去速度を加速又は減速させることができる。
【0018】
[0022]第2の流体送出アームから液体を分配することにより、基板エッジにおける研磨速度を、基板及び研磨パッドに対する所望の位置への1つ又は複数の流体の送出を制御することによって制御することができる。第1の送出アームによって送出されるスラリーに加えた1つ又は複数の流体の送出を制御するプロセスは、典型的には、基板の一領域への1つ又は複数の流体の送出の相対位置を制御するプロセスを含む。いくつかの構成では、このプロセスは、基板の他の領域、例えば基板の中心を横切る流体の濃度及び/又は流れに実質的に影響を及ぼすことなく、基板の所望の部分、例えば基板のエッジに流体を送出するために、パッド及び/又はプラテンの形状寸法、並びに流体が研磨パッドに沿って基板キャリア及び基板の下をどのように移動するかを考慮する。いくつかの実施形態では、基板キャリアの回転速度及びプラテンの回転速度は変動してよい。プラテン及び基板キャリアセンブリの両方の回転速度は、研磨流体が研磨プロセスに及ぼす影響に影響し得る。これは、プロセス結果を変更することができ、所望の結果を得るために使用され得る。いくつかの実施形態では、基板キャリアは、1分当たりの回転数約30から約165(rpm)、例えば、約50rpmから約150rpmの速度で回転される。いくつかの実施形態では、基板キャリアセンブリは、プラテンが回転している間も保持され得る。プラテンは、約10rpmから約175rpm、例えば約35rpmから約160rpmの速度で回転することができる。いくつかの実施形態では、基板キャリア及びプラテンは、本明細書に列挙されるものよりも高い又は低い回転速度範囲で回転してもよく、異なる研磨用途に適応するように調整され得る。いくつかの実施形態では、基板キャリア及びプラテンの両方が同様の速度で回転されるが、他の実施形態では、基板キャリア及びプラテンは、基板キャリアがプラテンよりも速く回転するか、又はプラテンが基板キャリアよりも速く回転するように、異なる速度で回転される。本明細書に開示される実施形態では、基板のエッジは、基板の中心部が300mm基板の半径の最も内側の140mmであるように、基板の最も外側の10mmとして定義される。第2の流体送出アームによって研磨パッドに送出される1つ又は複数の流体の量及び種類は、より均一な基板研磨結果を達成するように制御される。流体の量及び種類は、完成させる研磨の種類に応じて変動する。いくつかの実施形態では、基板エッジの厚さを測定して除去速度を決定するために、計測ツールを研磨システム内に配置することができる。次いで、第2の流体送出アームからの液体の分配は、計測ツールによって測定される除去速度に基づいて制御可能である。
【0019】
[0023]図1は、一実施形態による、本明細書に提供される方法に使用され得る研磨システム100の概略的側面図である。典型的には、研磨システム100は、基板処理環境103を画定するフレーム(図示せず)及び複数のパネル101を特徴とする。研磨システム100は、基板処理環境103内に配置された複数の研磨ステーション102(1つを図示)と複数の基板キャリアセンブリ104(1つを図示)とを含んでいる。
【0020】
[0024]図1に示されるように、研磨ステーション102は、プラテン106と、プラテン106上に取り付けられてそこに固定された研磨パッド105と、研磨パッドを洗浄及び/又は再生するためのパッドコンディショナアセンブリ110と、研磨パッド105上に研磨流体を分配するための第1の流体送出アーム112と、研磨パッド105上に1つ又は複数の流体(例えば、研磨流体又は水)を分配するための第2の流体送出アーム138と、研磨パッド105上に配置されるように構成された回転基板キャリアセンブリ104と、コントローラ160とを含んでいる。コントローラ160は、プラテン106、パッドコンディショナアセンブリ110、第1の流体送出アーム112、及び第2の流体送出アーム138の各々に接続されている。ここで、プラテン106は、ベースプレート114の上方に配置され、プラテンシールド120によって外接されており(両方とも断面で示されている)、これらは集合的に排水流域116を画定している。排水流域116は、プラテン106から半径方向外向きに回転された流体を収集し、同流域と流体連結している排水管118を通して流体を排出するために使用される。
【0021】
[0025]パッドコンディショナアセンブリ110は、例えばブラシ(図示せず)を用いて、研磨パッドから研磨副生成物を掃引することによって、及び/又研磨パッドに対して摩耗パッドコンディショニングディスク124(例えば、ダイヤモンド添加ディスク)を押し付けることにより研磨パッド105を摩耗させることによって、研磨パッド105を洗浄及び/又は再生するために使用される。パッドコンディショニング工程は、研磨基板間で、即ちエクスシトゥコンディショニングを行うことができるか、基板の研磨と同時に、即ちインシトゥコンディショニングを行うことができるか、又は両方が可能である。
【0022】
[0026]ここでは、パッドコンディショナアセンブリ110は、ベースプレート114上に配置された第1のコンディショナアクチュエータ126と、第1のコンディショナアクチュエータ126に連結されたコンディショナアーム128と、固定的に連結されたコンディショナディスク124を有するコンディショナ取付板130とを含んでいる。コンディショナアーム128の第1の端部は、第1のコンディショナアクチュエータ126に連結されており、取付板130は、第1の端部から遠位にあるコンディショナアーム128の第2の端部に連結されている。第1のコンディショナアクチュエータ126は、コンディショナアーム128、したがってコンディショナディスク124を軸Cの周りで掃引するために使用され、研磨パッド105がコンディショナディスクの下で回転する間に、研磨パッド105の内半径と研磨パッド105の外半径との間でコンディショナディスク124を振動させる。いくつかの実施形態では、パッドコンディショナアセンブリ110は、コンディショナアーム128の第2の端部に配置されて同端部に連結された第2のコンディショナアクチュエータ132を更に含み、第2のコンディショナアクチュエータ132は、軸Dを中心にコンディショナディスク124を回転させるために使用される。典型的には、取付板130が、第2のコンディショナアクチュエータ132に、それらの間に配置されたシャフト133を使用して連結される。
【0023】
[0027]通常、回転基板キャリアセンブリ104は、プラテン106、したがって研磨パッド105が基板キャリアセンブリの下でプラテン軸Bの周りを回転する間に、プラテン106の所望の領域を横切って前後に掃引される。いくつかの構成では、基板キャリアセンブリ104は、回転研磨パッド105の半径に沿って移動できるように、研磨パッド105及びプラテン106に対して半径方向に回転及び移動する。他の構成では、基板キャリアセンブリ104は、CMP研磨システム(図示せず)の中心に対して弧状の経路を、したがって研磨パッド105及びプラテン106を横切る非半径方向に回転及び移動する。基板キャリアセンブリ104は、第1のアクチュエータ170を使用して回転及び移動される。第1のアクチュエータ170は、シャフトで基板キャリアセンブリ104に接続され、またパッドの表面を横切る半径方向経路又は弧状の経路での基板キャリアセンブリ104の移動を可能にするトラック又は一組のトラック(図示せず)を含んでもよい。研磨流体は、研磨パッドの上に配置された第1の流体送出アーム112を使用して研磨パッド105に送出され、プラテン軸Bを中心とする研磨パッド105の回転によって、研磨パッド105と基板148との間の研磨インターフェースに更に送出される。多くの場合、第1の流体送出アーム112は、第1の送出延長部材136と、第1の送出ノズル134を含む複数のノズルとを更に含む。複数のノズルは、研磨パッド105の表面に沿った1つ又は複数の位置に、研磨流体又はより清浄な流体、例えば、脱イオン水の比較的高圧の流れを送出するために使用される。
【0024】
[0028]図3Aの基板キャリアセンブリ104及び第2の流体送出アーム138の拡大断面図に示されるように、基板キャリアセンブリ104は、キャリアヘッド146と、キャリアヘッド146に連結されたキャリアリングアセンブリ149と、キャリアリングアセンブリ149の半径方向内側に配置されて、処理中に研磨パッド105に対して基板148を保持して押し付ける可撓性膜150とを特徴とする。キャリアリングアセンブリ149は、下部環状部分及び上部環状部分、例えばそれぞれ基板保持リング330及びバッキングリング332を含んでいる(図3A)。基板保持リング330は、典型的には、その中に配置された結合層(図示せず)を使用して、バッキングリング332に結合されるポリマーから形成される。バッキングリング332は、金属又はセラミックといった剛性材料から形成され、複数の締め具(図示せず)を使用してキャリアヘッド146に固定される。基板保持リング330及びバッキングリング332をそれぞれ形成するために使用される適切な材料の例には、本明細書に記載される研磨流体耐薬品性ポリマー、金属、及び/又はセラミックのいずれか1つ又は組み合わせが含まれる。可撓性膜150は、典型的には、1つ又は複数の環状膜クランプ334を使用してキャリアヘッド146に連結され、それと一緒に容積336を集合的に画定する。
【0025】
[0029]基板処理中、基板保持リング330は、基板148を取り囲み、基板148が基板キャリアセンブリ104の下から滑るのを防止する。典型的には、容積336は、研磨プロセス中、基板キャリアセンブリ104がキャリア軸Aを中心に回転する間に、加圧されて可撓性膜150により基板148に対して下向きの力を加え、したがって、研磨パッド105に対して基板148を押し付ける。キャリア軸Aは、本明細書では、基板キャリアセンブリ104が処理中に回転する回転軸とも呼ぶことがある。研磨の前後で、容積336に真空が適用され、可撓性膜150が上方に偏向されて可撓性膜150と基板148との間に低圧ポケットを作り出し、それにより基板148を基板キャリアセンブリ104に真空チャックする。
【0026】
[0030]通常、基板保持リング330の内径は基板148の直径よりも大きく、研磨プロセス中並びに基板のローディング及びアンローディング工程中に、それらの間に約2mm以上、又は約3mm以上といったいくらかのクリアランスが生じ得る。同様に、可撓性膜150の基板取付面の外径は基板保持リング330の内径よりも小さく、可撓性膜150が基板保持リングに対して移動することが可能である。基板148と基板保持リング330との間、及び可撓性膜150と基板保持リング330との間のクリアランスは間隙を作り出す。しばしば、研磨流体は、基板148のエッジと基板保持リング330との間に蓄積する。
【0027】
[0031]再び図1を参照すると、第2の流体送出アーム138は、第2のアクチュエータ140と、ベースプレート114と、第2の送出延長部材142と、第2の送出ノズル144とを含んでいる。第2のアクチュエータ140は、第2の送出延長部材142が第2の送出アーム軸Eの周りで揺動するように、第2の送出アーム軸Eの周りでの移動を可能にする。第2の送出延長部材142は、第2の送出延長部材142の第1の遠位端において第2のアクチュエータ140に連結されている。第2の送出ノズル144は、第2の送出延長部材142の第2の遠位端に配置されるように、第2の送出延長部材142の反対端に配置されている。第2の送出ノズル144は、研磨パッド105に向かって下方に向けられている。第2の送出ノズル144は、研磨流体又は水といった流体を、基板キャリアセンブリ104の外側エッジ付近の研磨パッド105上に提供するように構成されている。
【0028】
[0032]計測ユニット165は、測定ユニット162と、プラテン106を貫通して形成された第1の開口164と、研磨パッド105を貫通して形成された第2の開口166と、研磨パッド105内の第2の開口166内に配置された窓168とを含んでいる。測定ユニット162は、プラテン106の底部に取り付けられてもよく、又は第1の開口164内に配置されてもよい。測定ユニット162は、基板エッジを含む基板の厚さを測定し、研磨中の基板及び基板エッジを横切る除去速度を決定するように構成されている。いくつかの実施形態では、第2の流体送出アームから1つ又は複数の液体を分配するプロセスは、このとき、計測ツールによって測定された除去速度に基づいて制御可能である。測定ユニット162は、基板が窓168の上を通過する際に、窓168を通して基板148上に放射ビームを投射することによって、基板エッジの厚さを測定することができる。このとき、放射線ビームは反射されて測定ユニット162に戻り、基板148のエッジにおける厚さ及び/又は除去速度が決定される。窓168は、透明な石英窓又は透明なポリマーといった光学的に透明な窓である。
【0029】
[0033]コントローラ160は、プラテン106、パッドコンディショナアセンブリ110、計測ユニット165、第1の流体送出アーム112、第2の流体送出アーム138、及び基板キャリアセンブリ104の各々に接続されている。CMP研磨プロセスのいくつかの態様では、コントローラ160は、プラテン106の回転と、第1又は第2の流体送出アーム112、138による研磨パッド105上への研磨流体又は水の分配とを調整する。いくつかの実施形態では、コントローラ160は、計測ユニット165からの測定値を使用して、いつ流体が研磨パッド105に送出されるかを決定する。また、コントローラ160は、基板キャリアセンブリ104の移動を制御し、また基板キャリアセンブリ104によって基板148に加えられる圧力の量を増加又は減少させることができる。
【0030】
[0034]図2は、一実施形態による、図1の研磨システム100の概略平面図である。図1を参照して説明したように、パッドコンディショナアセンブリ110、第1の流体送出アーム112、第2の流体送出アーム138、及び基板キャリアセンブリ104の各々は、研磨パッド105の上方に配置されている。一実施例では、研磨パッド105は、プラテン軸B(図1)の周りでプラテン106に連結された回転アクチュエータ(図示せず)によって、反時計回り方向に回転される。コンディショナ取付板130及び基板キャリアセンブリ104も、典型的には、上方から見て反時計回り方向に回転する。図2の実施形態では、研磨パッド105、コンディショナ取付板130、及び基板キャリアセンブリ104の各々が同じ方向に回転する。いくつかの実施形態では、研磨パッド105、プラテン106、コンディショナ取付板130、及び基板キャリアセンブリ104は、時計回り方向に回転する。いくつかの実施形態では、研磨パッド105、プラテン106、コンディショナ取付板130、及び基板キャリアセンブリ104のうちの1つ又は複数は、時計回り方向に回転し、他の構成要素は反時計回り方向に回転する。
【0031】
[0035]研磨パッド105のパッド半径366は、約10インチ(254mm)から約30インチ(762mm)、例えば約12インチ(305mm)から約20インチ(508mm)、例えば約14インチ(356mm)から約16インチ(406mm)である。いくつかの実施形態では、第1の流体送出アーム112の少なくとも一部分は、研磨パッド105のパッド半径366の少なくとも50%である位置に、例えば研磨パッドのパッド半径366の少なくとも60%にわたる位置に、例えばパッド半径366の少なくとも80%にわたる位置に、流体を送出するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の流体送出アーム112は、研磨パッド105のパッド半径366の約50%から約90%、例えば約60%から約85%である位置に、流体を送出するように構成される。第1の流体送出アーム112は、研磨パッド105のエッジから、研磨パッド105上で内側に約200mmから約360mm、例えば内側に約210mmから約360mm、例えば内側に約225mmから約360mmにある位置で、流体を送出するように構成される。
【0032】
[0036]第1の流体送出アーム112の第1の送出延長部材136は、研磨パッド105のパッド半径366の少なくとも50%にわたって、例えば、研磨パッドのパッド半径366の少なくとも70%にわたって、例えばパッド半径366の少なくとも80%にわたって配置される。いくつかの実施形態では、第1の送出延長部材136は、研磨パッド上を横切る第1の延長距離329を延長し、例えば研磨パッド105上で約200mmを超えるように、例えば研磨パッド105上で約250mmを超えるように、例えば研磨パッド105上で約300mmを超えるように、例えば研磨パッド105上で380mmを超えるように、延長する。
【0033】
[0037]第1の流体、例えば研磨流体は、1つ又は複数のノズル、例えば第1の流体送出アーム112の第1の送出ノズル134から送出され、第1の流体経路202に沿って移動する。第1の流体経路202は、研磨流体が内側エッジで基板キャリアセンブリ104及び基板148と交差する研磨パッド105の周りの経路であり、この経路202は、研磨パッド105の中心及びプラテン軸Bに近い方の、基板キャリアセンブリ104及び基板148のエッジで、基板キャリアセンブリ104及び基板148と交差する。いくつかの実施形態では、第1の送出ノズル134から送出される第1の流体は、プラテン軸Bから約230mm未満、例えばプラテン軸Bから約200mm未満、例えばプラテン軸Bから約150mm未満、例えばプラテン軸Bから約100mm未満、例えばプラテン軸Bから約50mm未満で基板キャリアセンブリ104と交差する。第1の送出ノズル134から送出される第1の流体は、プラテン軸Bから少なくとも20mm、例えばプラテン軸Bから少なくとも30mmで基板キャリアセンブリ104と交差する。第1の送出ノズル134からの研磨流体が研磨パッド105と基板148との間に配置されると、研磨流体は第2の流体経路204に沿って進み、この流路が研磨パッド105と基板148との間で研磨流体を更に広げる。
【0034】
[0038]第1の流体送出アーム112は、研磨パッド105の大部分を横切って第1の流体を分配し、基板キャリアセンブリ104の半径方向内側に流体を分配するように構成されており、且つ、分配された流体が、研磨パッド105上で基板キャリアセンブリ104によって占有される半径方向位置の全体に重なるように、研磨パッドに流体を提供するように構成されている。第1の流体送出アーム112は、第1の半径方向位置で、研磨流体及び/又は水といった第1の流体を研磨パッド105上に分配する。第1の半径方向位置は、研磨パッド105の中心軸Bに対して、基板キャリアセンブリ104の最も内側のエッジ380(図3B参照)から半径方向内側の位置である。
【0035】
[0039]第2の流体送出アーム138も、研磨パッド105の上に配置され、いくつかの構成では、第1の流体送出アーム112からプラテン106の反対側に配置される。一実施形態では、第2の流体送出アーム138と第1の流体送出アーム112とは、研磨パッド105の対向する四分円又は半分の上に配置される(図2に示す)。第2の流体送出アーム138は、第2の送出延長部材142を含む。第2の流体送出アーム138は、研磨流体及び/又は水といった第2の流体を、研磨パッド105上に分配する。第2の流体は、第2の送出ノズル144から、第3の流体経路206に沿って移動する。第2の流体は、第2の半径方向位置で研磨パッド105上に分配される。第2の半径方向位置は、研磨パッド105の中心軸Bに対して、基板キャリアセンブリ104の最も内側のエッジ380(図3B)から半径方向外側、且つ研磨パッド105の中心軸Bに対して、基板キャリアセンブリ104の最も外側のエッジ382(図3B)から半径方向内側の位置である。第3の流体経路206は、第2の送出ノズル144と基板キャリアセンブリ104のエッジとの間に延びる。いくつかの実施形態において、第3の流体経路206は、研磨パッド105の中心から更に遠く且つ研磨パッド105のエッジのより近くで基板キャリアセンブリ104のエッジと交差するように、基板キャリアセンブリ104の最も外側のエッジ382(図3B)と交差する。第2の流体は、基板キャリアセンブリ104及び基板148のエッジと交差した後は、第4の流体経路208に沿って進む。第4の流体経路208は、概して、基板148及び基板キャリアセンブリ104の外側エッジに沿った経路である。第4の流体経路208は、第1の流体と第2の流体とが混合するように、第2の流体経路204と交差する。第2の流体は、基板148のエッジ付近の研磨流体の量及び研磨流体の組成を調整するために、第1の流体と混合される。いくつかの実施形態では、第1の流体と第2の流体との混合物は、基板148の一部分を横切る第1の流体の1つ又は複数の成分の量又は濃度を増加又は減少させる。一実施例では、第2の流体の付加によって調整され得る第1の流体の1つ又は複数の成分は、基板148の一部分、例えば基板148のエッジを横切る研磨粒子(例えば、シリカ系研磨剤、セリア系研磨剤、及びアルミナ系研磨剤)、水又は他の化学物質(例えば、酸、塩基、阻害剤など)の量及び/又は濃度を含む。
【0036】
[0040]第2の流体送出アーム138は、第2の送出軸E(図1)の周りで移動可能である。第2の流体送出アーム138は、第2の送出軸Eを中心に回転し、研磨パッド105上の第2の送出ノズル144の位置を変更する。第2の流体送出アーム138は、第1の位置及び第2の位置へ、及び第1の位置及び第2の位置から移動させることができる。一実施例では、第2の位置210は、第2の送出延長部材142の位置によって生成される第3の流体経路206への別の流体経路212を生成する。図2に示されるように、流体経路212は、第3の流体経路206とは異なる半径方向位置に位置決めされる。第2の流体送出アーム138は、第2の位置210に移動され、第3の流体経路206が代替的流体経路212又は別の流体経路212に調整されることを可能にする。基板キャリアセンブリ104が、研磨パッドを横切って、例えば研磨パッドのパッド半径366に沿って移動するにつれて、第2の流体送出アーム138の移動を基板キャリアセンブリ104の移動と同期させ、基板キャリアセンブリ104の外周に沿って第2の流体に対する類似の半径方向入口地点を保つことができる。代替的に、第2の流体送出アーム138は移動可能であり、これにより基板キャリアセンブリ104の外周に沿った半径方向入口地点が、プロセスを通して調節可能となる。
【0037】
[0041]図2に示される第2の位置210に加えて、第2のアクチュエータ140及びコントローラ160の使用により、第2の流体送出アーム138が、研磨パッド105の上の一定範囲の位置に移動され得ることが想定される。いくつかの実施形態では、第2の流体送出アーム138が、約180度回転することができるように、第2の送出軸Eを中心とする半円で回転する能力を有し得ることが想定される。他の実施形態では、第2の流体送出アーム138は、180度未満、例えば約120度未満、例えば約90度未満回転してもよい。いくつかの実施形態では、第2の流体送出アーム138は、第2の送出ノズル144が研磨工程中は常に研磨パッド105の上に配置される位置まで回転するように構成される。
【0038】
[0042]図3Aは、図1及び図2の研磨システム100の一部分の概略側面図である。図3Aは、基板キャリアセンブリ104及び第2の流体送出アーム138の側面近接図を具体的に示している。キャリアヘッド146、キャリアリングアセンブリ149、可撓性膜150、研磨パッド105、プラテン106、及び基板148は上述されている。図では、基板148は、可撓性膜150によって研磨パッド105に対して押し付けられている。可撓性膜150は、典型的には、基板の表面の平坦化を改善するために、研磨中に基板148に調整可能な量の圧力を加える。可撓性膜150は、膜クランプ(図示せず)によって基板キャリアセンブリに連結されている。
【0039】
[0043]温度制御ユニット304及び流体源302は、第2の流体送出アーム138に流体接続されている。温度制御ユニット304及び流体源302は、コントローラ160に接続され、コントローラ160によって制御される。流体源302は、第2の流体送出アーム138に、研磨パッド105上に分配される1つ又は複数の流体を供給する。流体源302は、研磨流体及び水を提供するように構成された1つ又は複数の流体源を含んでいる。流体源302から提供される流体の源は、各々が所望の流量及び圧力でそれぞれの流体を提供するように構成されている。研磨流体源は、基板研磨に使用される化学溶液(例えば、酸、塩基、阻害剤など)及び/又はスラリー含有溶液(例えば、研磨粒子(例えば、シリカ、セリア、又はアルミナ系研磨剤)含有溶液)を含む1つ又は複数の流体を提供することができる。水源は脱イオン水源である。流体源302は、1つのポンプ又は複数のポンプ(流体ごとに1つ)を含むことができる。
【0040】
[0044]流体源302は、第1の導管306によって温度制御ユニット304に流体接続されている。いくつかの実施形態では、温度制御ユニット304は、流体源302に統合されてもよく、第1の導管306は除去される。温度制御ユニット304は、第2の流体送出アーム138に到達する前に、第2の流体送出アーム138に送出されている流体の温度を制御する。温度制御ユニット304は、内部に配置された流体を加熱するための抵抗加熱要素を内部に含むことができる。また、温度制御ユニット304は、流体を冷却するため、又は加熱要素を冷却するために、内部に配置された冷却チャネルを含んでもよい。温度制御ユニット304は、CMP研磨プロセスを強化又は抑制するのに適した温度に流体を加熱又は冷却することができる。研磨プロセス中に基板の第1の領域に供給される流体の温度を、本明細書で説明される他のCMPプロセス制御変数(例えば、流体の量、流体成分の濃度、適用される圧力など)とともに制御することによって、研磨粒子と基板の表面との化学的活性及び/又は相互作用を調整して、基板の第1の領域対基板の他の領域における除去速度を調整することができると考えられる。温度制御ユニット304は、第2の流体送出アーム138によって占有される容積を低減し、第2の流体送出アーム138を取り囲む容積に対する加熱又は冷却の影響を低減するために、第2の流体送出アーム138から外側に配置される。
【0041】
[0045]温度制御ユニット304は、第2の導管308によって第2の流体送出アーム138に流体接続されている。第2の導管は、温度制御ユニット304と第2の流体送出アーム138との間に延びている。流体は、第2の流体送出アーム138に到達した後は、第3の導管312によって第2の流体送出アーム138を通って移送される。第3の導管は、第2の流体送出アーム138を通って延びて、第2の流体送出アーム138を第2の送出ノズル144に流体接続している。第2の導管308及び第3の導管312はともに、流体が温度制御ユニット304から第2の送出ノズル144に移動する際の流体の熱損失を低減するために絶縁されてもよい。
【0042】
[0046]いくつかの実施形態では、第1の導管306、第2の導管308、及び第3の導管312の各々は、研磨流体などの第1の流体が、一組の導管のうちの1つを通して提供され、水などの第2の流体が第2の組の導管を通して提供されるように、2つ以上の導管を備える。第1及び第2の組の導管は、並列に接続されて、流体源302から温度制御ユニット304へと別々に、且つ温度制御ユニット304から第2の流体送出アーム138へと別々に通り、その後、第2の送出ノズル144のうちの1つ又は複数へと別々に提供され得る。したがって、複数の流体の送出を含むいくつかの実施形態では、温度制御ユニット304が、複数の導管の各々の温度を同じ又は異なる温度に別々に調整することができるように、流体の各々は、複数の導管(流体の種類ごとに異なる導管)に沿って送出及び移動され得る。
【0043】
[0047]上述のように、第2の送出ノズル144は、第1のノズル310a、第2のノズル310b、及び第3のノズル310cといった複数のノズルを含み得る。第1、第2、第3のノズル310a、310b、310cは、第2の配送延長部材142の底面348、例えば第2の配送延長部材142の底面に沿って配置されている。第1、第2、及び第3のノズル310a、310b、310cは、研磨パッド105の上面350に垂直な鉛直方向(Z方向)以外の方向に、第1、第2、及び第3のノズル310a、310b、310cを通して送出される流体を投射するように角度付けされ得る。図3Aでは複数の半径方向位置に沿って配置されているが、複数のノズルは、第1、第2、及び第3のノズル310a、310b、310cの各々が、研磨パッド105の類似の半径方向位置上に流体を投射するように、第2の送出軸Eから第2の送出延長部材142に沿って同じ半径方向距離の位置に配置されてもよい。本明細書では、第2の送出ノズル144として3つのノズルが示されているが、研磨パッド105の表面に1つ又は複数の異なる流体を提供できるように、他の数量のノズル、例えば2つのノズル、4つのノズル、5つのノズル、又は6つのノズルを利用してもよいことが想定される。
【0044】
[0048]第1、第2及び第3のノズル310a、310b、310cの底部と研磨パッド105の上面350との間の分離距離318は、約5mmから約120mm、例えば約10mmから約100mm、例えば約10mmから約50mmである。第2の送出延長部材142の底面348と研磨パッド105の上面350との間の分離距離320は、約10mmから約160mm、例えば約10mmから約150mm、例えば約10mmから約100mm、例えば約10mmから約50mmである。分離距離320は、パッド上の流体メニスカスが第2の送出延長部材142に接触するのを回避するために、約10mmより大きい。
【0045】
[0049]一実施例では、第1、第2、及び第3のノズル310a、310b、310cの各々は、異なる流体を送出するように構成される。別の実施例では、第1、第2及び第3のノズル310a、310b、310cは、研磨流体及び水といった第1及び第2の流体を、同時に又は順次、分配するように構成される。いくつかの実施形態では、第1のノズル310aは研磨流体を分配するように構成され、第2及び第3のノズル310b、310cは水を分配するように構成される。一実施例では、第1のノズル310aは研磨流体を分配するように構成され、第2及び第3のノズル310b、310cは、各ノズルから異なる温度及び/又は流量で提供される水を分配するように構成される。いくつかの実施形態では、第1のノズル310aは水を分配するように構成され、第2及び第3のノズル310b、310cは研磨流体を分配するように構成される。一実施例では、第1のノズル310aは水を分配するように構成され、第2及び第3のノズル310b、310cは、各ノズルから同じ又は異なる温度及び/又は流量で異なる研磨流体を分配するように構成される。いくつかの実施形態では、複数の種類の研磨流体があってよく、研磨流体の各々は、所望の温度及び流量で異なるノズルから分配される。
【0046】
[0050]水及び研磨流体の両方を同時に又は別々に分配することが可能である。いくつかの実施形態では、水が第1のノズル310aから分配される間に、第2及び第3のノズル310b、310cは研磨流体を同時に分配する。他の実施形態では、研磨流体は第1のノズル310aから分配され、第2及び第3のノズル310b、310cは水を同時に分配する。代替的に、研磨流体及び水は、別々の時間に分配される。他の実施形態では、研磨パッド105上に分配されている研磨流体の濃度を変更するために、水と研磨流体とは、第1、第2、及び第3ノズル310a、310b、310cに到達する前に混合される。水及び研磨流体が予備混合される実施形態では、水及び研磨流体は、流体源302、温度制御ユニット304のいずれか、又は導管306、308、312内で混合され得る。
【0047】
[0051]基板キャリアセンブリ104は、約110mmから約260mm、例えば約155mmから約175mmのキャリア半径326を有する。基板キャリアセンブリ104の最も外側のエッジ382(図3B)は、プラテン106のエッジからのキャリアエッジ距離344である。キャリアエッジ距離344は、約1mmから約50mm、例えば約2mmから約40mm、例えば約3mmから約35mmである。キャリアエッジ距離344は、処理中に、基板キャリアセンブリ104が研磨パッド105を横切って(例えば、パッド半径366に沿って、且つプラテン106の上を)移動するにつれて変化してもよい。いくつかの実施形態では、研磨パッド105は、プラテン106よりもわずかに大きい。研磨パッド105とプラテン106が同じサイズである場合、キャリアエッジ距離344は、研磨パッド105の外側エッジ又はプラテン106の外側エッジから測定されてもよい。基板キャリアセンブリ104は、典型的には、パッド半径366に沿って約26mm未満の範囲内で振動する。
【0048】
[0052]基板148の外側エッジと基板キャリアセンブリ104の最も外側のエッジ382(図3B)との間の距離328は、約20mmから約35mm、例えば約25mmから約30mmである。基板キャリアセンブリ104の外側エッジは、基板保持リング330の外側エッジである。距離328は、基板148が基板キャリアセンブリ104内の位置をシフトするにつれて、処理中にわずかに変化してもよい。なんらかの瞬間に、基板148の外側エッジと基板キャリアセンブリ104の外側エッジとの間の距離328が基板保持リング330の厚さとほぼ等しくなるように、基板148は、基板保持リング330の内側エッジと接触する。
【0049】
[0053]基板キャリアセンブリ104は、研磨パッド105が回転するにつれて研磨パッド105上の様々な半径方向位置に配置することができ、これにより研磨パッド105の環状部分又は環状帯の上に配置されてその中を移動することができる。基板キャリアセンブリ104が配置される研磨パッド105の半径方向部分は、研磨パッド105の中心から研磨パッド105の総半径の少なくとも10%且つ研磨パッド105の中心からの研磨パッド105の総半径の90%以下、例えば研磨パッド105の中心から研磨パッド105の総半径の少なくとも15%且つ研磨パッド105の中心から研磨パッド105の総半径の85%以下である。いくつかの代替的実施形態では、基板キャリアセンブリ104は、基板が、研磨パッドの中心の上に配置されるか、又は研磨パッド105のエッジの上に部分的にぶら下がることができるように、研磨パッドの中心軸及びプラテンの上で、且つ研磨パッド105の外側エッジの外側を移動することができる。
【0050】
[0054]第2の流体送出アーム138は、研磨パッド105及びプラテン106の上に延びている。第2の流体送出アームの第2のアクチュエータ140は、ベースプレート114に連結されている。第2の送出延長部材142は、第2のアクチュエータ140の遠位端に連結され、研磨パッド105の上に水平方向に配置されている。第2の送出延長部材142は、研磨パッド105の上の延長距離322を延長する。延長距離322は、300mm未満、例えば230mm未満、例えば118mm未満の基板を研磨するときに第2の送出延長部材142が研磨パッド105の250mm未満にわたって延びるように、255mm未満とすることができる。いくつかの実施形態では、第2の流体送出アーム138は、研磨パッド105の外側部分の上で、且つプラテン軸Bから少なくとも170mm外側に、例えばプラテン軸Bから少なくとも160mm外側に、例えばプラテン軸Bから少なくとも155mm外側に配置される。200mm又は450mmの基板といった代替的な基板サイズが利用されてもよい。代替的な基板サイズを有する実施形態では、300mmの基板に加えて、第2の送出延長部材142は、研磨パッド105のパッド半径366の75%未満、例えばパッド半径366の60%未満、例えばパッド半径366の55%未満、例えばパッド半径366の50%未満にわたって延びるものとして測定され得る。第2の送出延長部材142は、第2の流体送出アームが研磨パッド半径の一部分に重なるように、研磨パッド105の外側部分の上に延びる。
【0051】
[0055]第2の送出延長部材142及び基板キャリアセンブリ104はともに、本明細書では研磨パッド105の重複部分346と呼ぶ研磨パッド105の半径に沿った重複半径方向距離にわたって配置される。いくつかの実施形態では、研磨パッド105を横切って測定される重複部分346は、キャリア半径326の200%未満、例えば、キャリア半径326の190%未満、例えば、キャリア半径326の180%未満、例えば、キャリア半径326の150%未満、例えば、キャリア半径326の100%未満であるように、基板キャリアセンブリ104の直径より小さい。いくつかの実施形態では、重複半径346は、380mm未満、例えば360mm未満、例えば300mm未満、例えば200mm未満、例えば180mm未満、例えば155mm未満である。いくつかの実施形態では、重複半径346は、キャリア半径326の半分よりも大きい。他の実施形態では、重複半径346は、第2の流体送出アームによって送出される流体が、研磨パッド105の外側エッジ付近に位置決めされる基板キャリアセンブリ104の外半径と一致する研磨パッド105上の位置に送出されるように、キャリア半径326の半分より小さい。本明細書に記載される実施形態では、第1の流体送出アーム112及び第1の送出延長部材142(図2)は、第1の流体送出アーム112が、第2の流体送出アーム138よりもプラテン106の中心軸Bに向かって長く延びるように、研磨パッド105及びプラテン106のパッド半径366半径に沿って、第2の送出延長部材142及び第2の流体送出アーム138よりも大きい長さにわたって延びる。
【0052】
[0056]第2の送出ノズル144は、研磨パッド105の中心及びキャリア軸Aから一定の距離に配置されたスプレー領域316において、研磨パッド105の上面350に流体を送出する。スプレー領域316は、キャリア軸Aの周りに配置された環状領域である。いくつかの実施形態のスプレー領域316は、研磨パッド105の半径に沿った任意の場所にあるように構成され得るが、他の実施形態では、キャリア軸Aと基板キャリアセンブリ104の外側エッジとの間に配置される。
【0053】
[0057]図3Bは、図3Aの研磨システム100の一部分の単純化した概略平面図である。図示の研磨パッド105は、パッドコンディショナアセンブリ110(図2)を示さないことによって簡略化されている。第1の流体送出アーム112は、研磨パッド105上の第1の地点354に流体を分配する。第1の地点354は、中心軸Bを中心とする第1の環状リング368上に配置されている。第2の流体送出アーム138は、第2の地点358に流体を分配する。第2の地点358は、中心軸Bを中心とする第2の環状リング372上に配置されている。
【0054】
[0058]基板キャリアセンブリ104のキャリア軸Aは、研磨パッド105の中心軸Bから第1の半径方向距離364に配置されている。第1の半径方向距離364は、パッド半径366の約40%から約60%、例えばパッド半径366の約45%から約55%である。300mmの基板を研磨するように構成された実施形態では、第1の半径方向距離364は、約175mmから約250mm、例えば約190mmから約240mmである。
【0055】
[0059]第1の地点354は、研磨パッド105の中心軸Bから第2の半径方向距離352に配置されている。いくつかの構成では、第2の半径方向距離352は、研磨パッド半径366の約5%から約20%、例えば研磨パッド半径366の約10%から約15%である。300mmの基板研磨システムの場合、第2の半径方向距離352は、約40mmから約175mm、例えば約50mmから約150mmである。第2の地点358は、研磨パッド105の中心軸Bから第3の半径方向距離356に配置されている。いくつかの構成では、第3の半径方向距離356は、中心軸Bから研磨パッド半径366の約30%より大きく、例えば研磨パッド半径366の約30%から約90%、例えば研磨パッド半径366の約40%から約90%、例えば研磨パッド半径366の約60%から約80%である。300mmの基板研磨システムの場合、第3の半径方向距離356は、約125mmから約375mm、例えば約150mmから約350mmである。
【0056】
[0060]いくつかの実施形態において、第1の地点354は、基板キャリアセンブリ104の最も内側のエッジ380の半径方向内側に配置される。基板キャリアセンブリ104の最も外側のエッジ382は、研磨パッド105の中心軸Bから第4の半径方向距離360に又は第4の半径方向距離360の半径方向内側に配置される。最も外側のエッジ382は、第3の環状リング374内に留まる。第3の環状リング374は、研磨パッドの中心軸Bを中心とする環状部分である。第3の環状リング374は、第3の環状リング374が中心軸Bから第4の半径方向距離360にあるような第4の距離の半径を有する。いくつかの実施形態において、第4の半径方向距離360は、研磨パッド半径366の約85%から約99%、例えば研磨パッド半径366の約90%から約99%である。研磨システムが300mmの基板を研磨するように構成される実施形態では、第4の半径方向距離360は、約325mmから約450mm、例えば約350mmから約425mmである。しかしながら、他の実施形態では、第4の半径方向距離360は、基板キャリアセンブリ104が時々研磨パッド105のエッジの上に配置され得るように、研磨パッド105の半径よりも大きい。
【0057】
[0061]第2の環状リング372は、第2の流体送出アーム138から流体が分配される第2の地点358が、最も内側のエッジ380と最も外側のエッジ382との間にあり、且つ研磨パッド105が回転する際に基板キャリアセンブリ104の下を通るように、第1の環状リング368と第3の環状リング374との間に配置される。したがって、第2の地点358は、第2の半径方向距離352と第4の半径方向距離360との間の位置にある。
【0058】
[0062]追加的に、第2の地点358は、基板キャリアセンブリ104が振動する際にも(後述する)、第2の半径方向距離352と第4の半径方向距離360との間に見られる。基板キャリアセンブリ104の振動は、第2の地点358が依然として基板キャリアセンブリ104の一部分の下を通るように、第2の地点358を変化させることができる。第2の半径方向距離352及び第4の半径方向距離360は、図3B内に固定距離として示されているが、通常は基板キャリアセンブリ104が振動するにつれて変化すると理解される。
【0059】
[0063]上述のように、基板キャリアセンブリ104は、第1のアクチュエータ、例えば図1の第1のアクチュエータ170によって移動される。第1のアクチュエータ170は、基板キャリアセンブリ104を、半径方向、弧状方向、又は半径方向と弧状方向の両方に移動させるように構成される。基板キャリアセンブリ104の半径方向位置が研磨プロセスを通して変化する実施形態では、第1の半径方向距離364が2つの半径方向距離の間で変化するように、キャリア軸Aは研磨パッド105の中心軸Bからの2つの半径方向距離の間で振動し得る。第1の半径方向距離364は、第1の半径方向値384と第2の半径方向値386との間で振動する。第1の半径方向値384は、約175mmから約180mm、例えば約176mmから約178mmである。第2の半径方向値386は、約200mmから約205mm、例えば約202mmから約204mmである。第2の半径方向値386は、第1の半径方向値384よりも大きい。
【0060】
[0064]上述のように、第2のアクチュエータ140は、第2の送出軸Eを中心とする第2の流体送出アーム138の回転を可能にする。第2の送出軸Eは、第2の流体送出アーム138の最も内側の部分が、第3の半径方向値388と第4の半径方向値390との間で振動し得るように、第2の流体送出アーム138を回転させる。いくつかの実施形態において、第3の半径方向値388と第4の半径方向値390との間で振動するのは第2の送出ノズル144(図3A)である。第4の半径方向値390は、第3の半径方向値388、並びに第1の半径方向値384及び第2の半径方向値386よりも大きい。第3の半径方向値388は、約145mmから約250mm、例えば約150mmから約225mmである。第4の半径方向値390は、約340mmから約380mm、例えば約350mmから約370mmである。
【0061】
[0065]図4は、図1~3の研磨システム100から研磨流体を分配する方法400を示す図である。方法400は、第1の工程402と、第2の工程404と、第3の工程406と、第4の工程408とを含む。本明細書では逐次的な順序で示されているが、方法400内の工程は、別の順序で及び/又は同時に実施されてもよく、及び/又は追加の工程が含まれてもよい。
【0062】
[0066]第1の工程402は、基板、例えば基板148の研磨を開始し、図1及び図2に開示される第1の流体送出アーム、例えば第1の流体送出アーム112から第1の流体を分配することを含む。第1の流体は、研磨パッドの表面に、第1の流量及び第1の温度で提供される。基板は、基板キャリアセンブリ104によって保持され、本明細書に開示される研磨パッド、例えば研磨パッド105に押し込まれる。この実施例では、研磨パッドは、反時計回り方向に回転される。基板キャリアセンブリ104は、研磨パッドの半径に沿って振動しながら、反時計回り方向に回転してもよい。第1の流体は、典型的には研磨パッドの半径の内側50%である研磨パッドの半径で、第1の流体送出アームに沿って1つ又は複数のノズルから分配される。
【0063】
[0067]第1の流体は、基板を研磨するための研磨流体である。研磨流体は、スラリー及び/又は化学物質含有混合物を含み、基板の研磨を助けるためにその中に懸濁された粒子を含み得る。第1の流体は、研磨パッドの半径の内側半分内に送出され、第1の流体経路に沿って流れる。いくつかの実施形態では、第1の流体は、研磨パッドの中心軸Bに対して基板キャリアセンブリの半径方向内側にある研磨パッドの位置の上に分配される。いくつかの実施形態では、第1の流体は、第1の流体が回転研磨パッドに沿って外側に移動するにつれて基板表面の全体と相互作用するような位置で送出される。第1の流体は、研磨パッドの回転及び第1の流体に付与される遠心力によって、研磨パッドに沿って外側に移動する。流体が研磨パッドに沿って外側に移動するにつれて、第1の流体は下流に移動していると言うことができ、即ち、第1の流体が上流位置で送出されて、研磨パッドの中心から下流且つ半径方向外側に、研磨パッドのエッジに向かって流れる。
【0064】
[0068]基板キャリアセンブリは、その下に基板を保持し、その下に基板保持リングを含む。いくつかのプロセスでは、基板保持リングは、基板が基板キャリアセンブリの下から滑り出さないようにするのを補助する。したがって、基板保持リングは、時々基板のエッジに接触し、基板のエッジに沿った研磨プロセス中に不均一な除去速度を引き起こす可能性がある。基板表面及び基板保持リングの1つ又は複数の領域に第1の流体の蓄積が起こり得る。第1の流体の蓄積は、基板表面の1つ又は複数の領域、例えば基板のエッジ付近における除去速度にも影響を及ぼす。基板表面の異なる領域での研磨流体の蓄積は、基板のエッジ付近で除去速度の上昇又は低下を引き起こし得る。例示的な一実施形態では、除去速度の低下は、影響を受けた基板領域(例えば、基板エッジ)と研磨パッドとの間でのバリア層の生成によって引き起こされ得る。更に別の例示的実施形態では、研磨流体の蓄積は、基板をより大量の研磨化学物質に曝露することによって除去速度を増加させ得る。基板のエッジ付近における研磨流体の蓄積が減少すると、用途及び利用される研磨流体に応じて、除去速度を上昇し得るか又は低下し得るという点において、逆も成り立つ。したがって、脱イオン水又は追加の研磨流体といった第2の流体は、研磨パッド上に分配され、基板のエッジ付近で第1の流体と相互作用するように構成され得る。第2の流体は、基板のエッジ付近の研磨流体の蓄積を薄くする又は厚くすることができる。
【0065】
[0069]処理中、キャリアセンブリは、キャリア軸を中心にキャリアセンブリを回転させながら、パッドの表面を横切って平行移動される。パッドの表面を横切ってキャリアセンブリを平行移動させることにより、キャリアセンブリがパッドの表面を横切って平行移動されるにつれて、中心軸から回転軸まで測定された第1の半径方向距離が、第1の半径方向値と第2の半径方向値との間で変化する。
【0066】
[0070]パッドコンディショナアセンブリ、例えばパッドコンディショナアセンブリ110を、第1の工程402の間に使用して、研磨パッドを洗浄又は再生することができる。パッドコンディショナアセンブリは、基板キャリアセンブリ及び研磨パッドとともに反時計周り方向に回転する。パッドコンディショナアセンブリは、研磨パッドの上に配置され、パッドコンディショナアセンブリが研磨パッドを横切って移動する際に、研磨パッドと物理的に接触する。
【0067】
[0071]第2の工程404は、通常第1の工程402の後に実施されるが、いくつかの実施形態では、最初に又は同時に実施され得る。第2の工程404は、第2の流体送出アーム、例えば第2の流体送出アーム138から、1つ又は複数の第2の流体を分配することを含む。1つ又は複数の第2の流体は、研磨パッドの表面に、第2の流量及び第2の温度で供給される。第2の流体は、第1の流体とは異なる流体であってよい。第1及び第2の流体それぞれの第1及び第2の流量並びに第1及び第2の温度は、同じでもよく、又は異なっていてもよい。第2の流体は、研磨パッド上のある位置に分配されて、基板の所望の部分と交差する。この位置は、例えば、研磨パッドの中心軸Bから約140mm外側、例えば約150mm外側である。いくつかの実施形態では、第2の流体は、研磨パッドを介して、研磨パッドの中心軸Bからの研磨パッドの半径の少なくとも35%より大きい、例えば研磨パッドの中心軸Bから研磨パッドの半径の約40%より大きい基板の一部分、例えば研磨パッドの中心軸Bから研磨パッドの半径の約40%から約95%、例えば研磨パッドの中心軸Bから研磨パッドの半径の約40%から約90%の基板の一部分に送出されるように、研磨パッドの外側領域に分配される。第2の流体は、上述のように、第2の流体送出アームに沿って1つ又は複数のノズルから分配され、スプレー領域316に沿って研磨パッドに衝突する。第2の流体は、第2の流体経路に沿って流れる。第2の流体経路の開始は、第2の流体経路が、第1の流体が分配される地点の、中心軸Bに対して外側に分配されるように、第1の流体経路の開始から外向きである。第2の流体はキャリアセンブリと交差し、第1及び第2の流体がキャリアセンブリの下で混合する。
【0068】
[0072]第1及び第2の流体の混合物は、基板のエッジ付近の流体の特性を変化させ得る。第2の流体は、研磨流体又は水のいずれか1つであり得る。上述のように、研磨流体は、化学物質及び/又はスラリーを含み得る。いくつかの実施形態では、研磨流体は、基板のエッジ付近の研磨流体の量を増加させるために、第2の流体として第2の流体送出アームから分配される。いくつかの実施形態では、第1の送出アームから提供される第1の流体の1つ又は複数の特性を調整するために、第2の流体として第2の流体送出アームから水が分配される。場合によっては、水を含む第2の流体は、基板のエッジ付近の研磨流体の量を減少させるために、混合された第1の流体と第2の流体の温度及び/若しくは濃度を制御するために、並びに/又は基板のエッジ付近に蓄積している可能性のある研磨流体を薄くするために、提供される。
【0069】
[0073]いくつかの実施形態では、基板キャリアセンブリ及び第2の流体送出アームはともに、移動可能であり、第2の工程404中に移動する。基板キャリアセンブリは、研磨パッドの上面に沿って移動し、研磨パッドに沿った異なる位置に基板を移動させる。第2の流体送出アームは、基板キャリアセンブリが移動する間に基板キャリアセンブリの移動を追跡するように制御されてもよい。第2の流体送出アームは、基板キャリアセンブリとともに移動することによって、基板キャリアセンブリを追跡してもよい。
【0070】
[0074]いくつかの実施形態では、第2の流体送出アームは、第2の流体送出アームから分配された流体が同じ位置で基板キャリアセンブリと交差する半径方向位置に移動するように構成され、それにより、分配された流体は、基板キャリアセンブリが移動する際に、基板上の同じ半径方向位置で基板と交差する。この実施形態では、第2の流体送出アームは、常に、基板キャリアセンブリの中心から、基板キャリアセンブリの類似の半径に第2の流体を送出するであろう。このような追跡は、研磨パッド上で更に延長するか又は研磨パッド上での延長量を減らす、軸Eの周りでの第2の流体送出アームの揺動を含み得る。
【0071】
[0075]いくつかの実施形態では、第2の流体送出アームは、第2の流体送出アームからの流体の送出によって生じる流体経路が、常に基板キャリアセンブリ上の同じ相対位置で基板キャリアセンブリと交差するように移動するように構成される。この実施形態では、軸Eを中心とする第2の流体送出アームの回転は、第2の流体送出アームからの流体の流体流路の端部が、一貫してキャリア軸Aに対して同様の半径及び角度位置で基板キャリアセンブリと交差するように制御される。
【0072】
[0076]第1の送出アーム及び第2の流体送出アームによって分配される第2の流体の種類は、基板から研磨される材料に依存する。酸化物が研磨システムによって研磨されている実施形態では、第2の流体の温度は、温度制御ユニット304などの温度制御ユニットによって制御されてもよい。
【0073】
[0077]第2の工程404は、第1の流体の同時分配を含んでもよいか、又は第1の流体の分配は、第2の工程404中に停止されてもよい。第1の流体の分配が停止されても、研磨パッド及び基板キャリアセンブリの回転は維持される。いくつかの実施形態では、研磨パッド及び/又は基板キャリアセンブリの回転速度は、第2の工程中に低下又は上昇するが、回転は、研磨パッド又は基板キャリアセンブリが停止することなく継続するであろう。
【0074】
[0078]計測ユニット165などの計測ユニットは、研磨によって生じた除去の速度を推定するために、基板の厚さを測定することができる。計測ユニットはコントローラに接続され、コントローラは、基板の測定された厚さに基づいて第2の流体送出アームからの分配速度を決定するように、第2の流体が使用される場合に利用される第2の流体の適切な量及び第2の流体の温度を決定することができる。いくつかの実施形態では、第2の流体の温度を上昇させて、基板のエッジにおける研磨速度を上昇させる。他の実施形態では、第2の流体の温度を低下させて、基板のエッジにおける研磨速度を低下させる。計測ユニットは、誘導性計測ユニット(例えば渦電流)又はスペクトル計測ユニット(例えば、光学計測)であってもよい。
【0075】
[0079]いくつかの工程では、計測ユニットは利用されず、代わりに、第2の流体は、研磨プロセスの間に、設定された間隔で第2の流体が分配されるように、時限シーケンスで分配される。いくつかの実施形態では、第2の流体は連続的に分配されるが、第2の流体の流量及び/又は温度は経時的に調整される。
【0076】
[0080]第3の工程406は、第2の流体の分配を停止することを含む。第2の流体送出アームによる第2の流体の分配は、恒久的に又は周期的に停止される。いくつかの実施形態では、第2の流体の分配は第3の工程406で停止され、コントローラは、第2の工程404で第2の流体の分配を再び開始する。第2の工程404及び第3の工程406は、繰り返され得るか又はループされ得る。第2の工程404は、基板エッジ付近の除去速度が予め設定された範囲から逸脱し始める場合、第3の工程406の後に繰り返される。除去速度は、計測ユニットを使用して測定され得る。いくつかの実施形態では、コントローラは、第2の工程404及び第3の工程406が所望の研磨結果を達成するためにループされる回数及び頻度を決定することができる。研磨の進行状況は、計測ユニットを使用して決定される。代替的に、第2の工程404及び第3の工程406を繰り返す頻度及びプロセスパラメータは、第2の工程404及び第3の工程406が予め設定された回数繰り返されるように、実験的に決定される。
【0077】
[0081]第4の工程408は、基板研磨及び第1の流体の分配を停止することを含む。第4の工程408は、第1、第2、及び第3の工程402、404、406の各々が完了した後に実施される。基板研磨及び第1の流体の分配は、基板上で実施されている研磨工程が完了した後に停止される。
【0078】
[0082]本明細書に開示される実施形態は、CMPシステム内の研磨パッドに第2の流体を送出するように構成された第2の流体送出アームに関する。第2の流体送出アームは、基板の中心付近の研磨流体の量に対する影響を有意に減少させながら基板のエッジに流体を分配するように構成されているという点で、第1の流体送出アームとは異なる。いくつかの実施形態において、第2の流体送出アームによって送出される流体は、基板の外側10mmの研磨速度に有意に影響を及ぼすだけであり、直径300mmの基板の場合、基板の最も外側の側10mmでの研磨速度は影響を受けるであろうが、内側140mmの研磨速度は実質的に変化しないであろう。
【0079】
[0083]上記の開示内で使用されるプロセスは、研磨プロセスの種類に応じて変化し得る。いくつかの研磨プロセスは、温度制御ユニット及び計測ユニットを利用することができ、他のプロセスは、温度制御ユニット又は計測ユニットを利用することができない。同様に、いくつかの研磨プロセスは、以前の実験結果に基づいた自動分配プロセスを利用し、計測ユニットを利用しない。本明細書に記載される研磨プロセスが酸化物研磨プロセスに関連する場合、温度制御ユニット及び計測ユニットが利用され得る。本明細書に記載される研磨プロセスが金属研磨プロセスに関連する場合、プロセスは自動化されてもよく、コントローラは、計測ユニットを使用せずに、予め決定された間隔で第2の流体を分配してもよい。上述のように、温度制御ユニット及び計測ユニットは、主に酸化物研磨プロセスの間に利用されるが、温度制御ユニット及び計測ユニットは、タングステン研磨プロセスのような金属プロセスでも利用され得ると考えられる。
【0080】
[0084]上記の説明は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲を逸脱せずに、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2
図3A
図3B
図4