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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】電子処理システムの較正
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20240613BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【請求項の数】 45
(21)【出願番号】P 2022555162
(86)(22)【出願日】2021-03-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-24
(86)【国際出願番号】 US2021022616
(87)【国際公開番号】W WO2021188581
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-09-13
(31)【優先権主張番号】62/991,016
(32)【優先日】2020-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/860,992
(32)【優先日】2020-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/861,000
(32)【優先日】2020-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】バーガンツ ニコラス マイケル
(72)【発明者】
【氏名】コックス デイモン ケイ
(72)【発明者】
【氏名】バーガー アレクサンダー
【審査官】境 周一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-173744(JP,A)
【文献】特開2004-174669(JP,A)
【文献】特開2002-118162(JP,A)
【文献】特開2008-078210(JP,A)
【文献】特開2011-054933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のロボットアームにより、電子処理システムの第1のステーション内の第1の位置及び第1の配向に、第1の複数の動的結合インターフェースを含む較正オブジェクトを配置する工程であって、第1の複数の動的結合インターフェースは第1のステーションの第1の複数の登録フィーチャと係合する工程と、
第1の複数の動的結合インターフェースと第1の複数の登録フィーチャの各々との係合により、較正オブジェクトを第1のステーションで目標位置及び目標配向にガイドする工程であって、目標位置は第1の位置とは異なり、目標配向は第1の配向とは異なる工程と、
第1のロボットアームにより、第1のステーションから目標位置及び目標配向の較正オブジェクトを取り出す工程と、
第1のロボットアーム、第2のロボットアーム又はロードロックの少なくとも1つを使用して較正オブジェクトをアライナステーションに搬送する工程であって、アライナステーションが電子処理システムのファクトリインターフェースに収容又は接続され、較正オブジェクトはアライナステーションで第1の配向を有する工程と、
アライナステーションで第1の配向を決定する工程と、
アライナステーションでの第1の配向に基づいて、第1のステーションに関連する第1の特性誤差値を決定する工程と、
第1の特性誤差値を記憶媒体に記録する工程であって、アライナステーションは、第1のステーションに配置されるオブジェクトのアライメントのために第1の特性誤差値を使用する工程を含む方法。
【請求項2】
第1のロボットアームが電子処理システムの搬送チャンバのロボットアームであり、第1のステーションが搬送チャンバに接続された処理チャンバ内にあり、較正オブジェクトを搬送チャンバに搬送する工程は、
第1のロボットアームにより、搬送チャンバに接続されたロードロック内に較正オブジェクトを配置する工程と、
ロードロックに接続されたファクトリインターフェースの第2のロボットアームにより、ロードロックから較正オブジェクトを取り出す工程と、
第2のロボットアームにより、アライナステーションに較正オブジェクトを配置する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第2のロボットアームにより、電子処理システムの第2のステーションからオブジェクトを取り出す工程と、
第2のロボットアームにより、オブジェクトをアライナステーションに配置する工程と、
オブジェクトを処理チャンバ内に配置することを決定する工程と、
第1の特性誤差値を使用してオブジェクトをアライメントする工程であって、アライナステーションは、第1の特性誤差値により調整された初期目標配向に基づく修正された目標配向にオブジェクトをアライメントする工程と、
第2のロボットアームによりアライナステーションからオブジェクトを取り出す工程と、
オブジェクトをロードロックに配置する工程と、
第1のロボットアームによりロードロックからオブジェクトを取り出す工程と、
第1のロボットアームによりオブジェクトを処理チャンバ内に配置する工程であって、処理チャンバ内に配置されたオブジェクトは、処理チャンバ内でほぼ目標配向を有する工程を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
オブジェクトがプロセスキットリングである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
オブジェクトが第1のステーションに取り付けられる交換可能な部品である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
処理チャンバ内に配置されたオブジェクトは、処理チャンバ内で0.2°以内の精度の目標配向を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
第1のロボットアームはファクトリイインターフェースのロボットアームであり、第1のステーションは、ロードロック、ロードポート、又はフロントオープニングユニファイドポッド(FOUP)の1つにあり、較正オブジェクトのアライナステーションへの搬送は、
第1のロボットアームにより、較正オブジェクトをアライナステーションに配置する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第1のロボットアームにより、電子処理システムの第2のステーションからオブジェクトを取り出す工程と、
第1のロボットアームにより、オブジェクトをアライナステーションに配置する工程と、
オブジェクトを第1のステーションに配置することを決定する工程と、
第1の特性誤差値を使用してオブジェクトをアライメントする工程であって、アライナステーションは、第1の特性誤差値により調整された初期目標配向に基づく修正された目標配向にオブジェクトをアライメントする工程と、
第1のロボットアームによりアライナステーションからオブジェクトを回収する工程と、
第1のロボットアームによりオブジェクトを第1のステーションに配置する工程であって、第1のステーションに配置されたオブジェクトは、第1のステーションにおいてほぼ目標配向を有する工程を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
オブジェクトがウエハを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
第1のステーションに配置されたオブジェクトは、第1のステーションにおいて0.2°以内の精度で目標配向を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
アライナステーションでの第1の配向とアライナステーションでの初期目標配向との差を決定する工程であって、アライナステーションでの初期目標配向は、第1のステーション内での目標配向に関連している工程を含み、
第1の特性誤差値は、アライナステーションでの第1の配向と初期目標配向との間の差に基づいて決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
較正オブジェクトは第1のステーション内に目標位置を有し、較正オブジェクトはアライナステーションに第1の位置を有し、方法は、
アライナステーションでの第1の位置とアライナステーションでの初期目標位置との間の差を決定する工程であって、アライナステーションでの初期目標位置は第1のステーションでの目標位置に関連している工程と、
アライナステーションでの第1の位置とアライナステーションでの初期目標位置との間の差に基づいて、第1のステーションに関連する1つ以上の追加の特性誤差値を決定する工程と、
1つ以上の追加の特性誤差値を記憶媒体に記録する工程であって、アライナステーションは、第1のステーションに配置されるオブジェクトのアライメントのために1つ以上の追加の特性誤差値を使用する工程を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
目標位置は目標x位置及び目標y位置を含み、アライナステーションでの第1の位置は第1のx位置及び第1のy位置を含み、初期目標位置は初期目標x位置及び初期目標y位置を含み、1つ以上の追加の特性誤差値は、x位置の誤差に関連する第2の特性誤差値と、y位置の誤差に関連する第3の特性誤差値とを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第1のステーションの基板支持体は第1の複数の登録フィーチャを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
第1の複数の登録フィーチャは、複数のリフトピン又は複数の静的登録フィーチャを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
第1のステーションの基板支持体は第1の複数の登録フィーチャ及び第2の複数の登録フィーチャを含み、較正オブジェクトは第1の複数の動的結合インターフェース及び第2の複数の登録フィーチャを含み、方法は、
第1の複数の動的結合インターフェースを第1の複数の登録フィーチャと係合させ、第2の複数の動的結合インターフェースを第2の複数の登録フィーチャ上にガイドする工程と、
続いて、第2の複数の動的結合インターフェースを第2の複数の登録フィーチャと係合させて、較正オブジェクトを目標配向にガイドする工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
第1の複数の登録フィーチャは第1の複数のリフトピンを含み、第2の複数の登録フィーチャは複数の静的登録フィーチャを含み、方法は、
第1の複数のリフトピンをリフトし、第1の複数の動的結合インターフェースを第1の複数のリフトピンと係合させる工程と、
第1の複数のリフトピンを下降し、第2の複数の動的結合インターフェースを複数の静的登録フィーチャと係合させ、第1の複数の動的結合インターフェースから第1の複数のリフトピンを解放する工程を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
較正オブジェクトを目標配向に維持しつつ、第2の複数のリフトピンを使用して較正オブジェクトをリフトする工程であって、較正オブジェクトは第2の複数のリフトピンによりリフトされている間に取り出される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
第1のステーションへの較正オブジェクトの配置と、第1のステーションからの較正オブジェクトの取り出しと、アライナステーションへの較正オブジェクトの搬送と、アライナステーションでの第1の配向の決定と、第1の特性誤差値の決定を複数回繰り返す工程と、
第1のステーションへの較正オブジェクトの配置と、第1のステーションからの較正オブジェクトの取り出しと、アライナステーションへの較正オブジェクトの搬送と、アライナステーションでの第1の配向の決定と、第1の特性誤差値の決定を複数回繰り返す工程により、第1の特性誤差値の標準偏差を決定する工程と、
標準偏差に基づいて、アライナステーションと第1のステーションとの間の搬送シーケンスの精度を決定する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
較正オブジェクトを第1のステーション配置することと、較正オブジェクトを第1のステーションから取り出すこととを繰り返す工程と、
アライナステーションへの較正オブジェクトの搬送を繰り返す工程であって、較正オブジェクトはアライナステーションで第2の配向を有する工程と、
アライナステーションで第2の配向を決定する工程と、
第2の配向に基づいて、第1のステーションに関連する第2の特性誤差値を決定する工程と、
アライナステーションと第1のステーションとの間の搬送シーケンスが較正範囲外であることを決定する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
電子処理システム用の較正オブジェクトであって、
電子処理システムのスリットバルブを通り抜けるサイズの本体と、
本体内の第1の複数の動的結合インターフェースであって、電子処理システムの第1のステーションの各々の第1の複数の登録フィーチャと係合し、第1の複数の動的結合インターフェースと各々の第1の複数の登録フィーチャとの係合により、較正オブジェクトは第1のステーションにおいて第1の位置から目標位置まで再配置され、及び第1の配向から目標配向まで再配向され、目標位置は第1の位置とは異なり、目標配向は第1の配向とは異なる第1の複数の動的結合インターフェースと、
本体の側部に配置された基準点であって、較正オブジェクトの配向を決定するために使用可能である基準点を含む、較正オブジェクト。
【請求項22】
本体はディスク状本体又はリング状本体である、請求項21に記載の較正オブジェクト。
【請求項23】
第2の複数の動的結合インターフェースを備え、第2の複数の動的結合インターフェースは、電子処理システムの第1のステーション又は第2のステーションの各々の第2の複数の登録フィーチャと係合するように構成される、請求項21に記載の較正オブジェクト。
【請求項24】
第2の複数の登録フィーチャは第1のステーションにあり、第1の複数の動的結合インターフェースは第1のリードインを有し、第2の複数の動的結合インターフェースは第1のリードインよりも大きい第2のリードインを有し、第2の複数の動的結合インターフェースは第2の複数の登録フィーチャと係合して、第1の複数の動的結合インターフェースを第1の複数の登録フィーチャ上にガイドするように構成される、請求項23に記載の較正オブジェクト。
【請求項25】
第1の複数の動的結合インターフェースは本体の底面に複数の凹部を含み、第2の複数の動的結合インターフェースは、本体の外周部に近接した複数の領域を有する、請求項24に記載の較正オブジェクト。
【請求項26】
本体は、約400℃までの温度で使用可能な固体焼結セラミック体である、請求項21に記載の較正オブジェクト。
【請求項27】
本体は、第1のステーションにおける基板支持体の表面のネガである形状を有する、請求項21に記載の較正オブジェクト。
【請求項28】
本体の左側にある左側の切欠き部と、
本体の右側にある右側の切欠き部を備え、
左側の切欠き部と右側の切欠き部は較正オブジェクトの配向を検出するために使用可能であり、較正オブジェクトの配向の検出は、左側の切欠き部がローカルセンタファインダにより検出される較正オブジェクトを保持するロボットアームの第1の位置と、右側の切欠き部がローカルセンタファインダにより検出される較正オブジェクトを保持するロボットアームの第2の位置との差に基づく、請求項21に記載の較正オブジェクト。
【請求項29】
右側切欠き部は左側切欠き部の鏡像である、請求項28に記載の較正オブジェクト。
【請求項30】
基準点は、少なくとも1つのノッチ、少なくとも1つのフラット部、少なくとも1つの突出部、少なくとも1つのスロット、又はそれらの組み合わせを含む、請求項21に記載の較正オブジェクト。
【請求項31】
本体はディスク形状の本体であり、較正オブジェクトは、
本体の外周からオフセットされた、本体内の複数のアーク形状の切欠き部であって、各々のアーク形状の切欠き部の少なくとも一方の側の第1のマシン公差は、本体の外周の第2のマシン公差よりも大きい、請求項21に記載の較正オブジェクト。
【請求項32】
電子処理システムであって、
第1のロボットアームを含む搬送チャンバと、
搬送チャンバに接続された複数の処理チャンバと、
搬送チャンバに接続されたロードロックと、
ロードロックに接続されたファクトリインターフェースであって、第2のロボットアーム及びアライナステーションを含むファクトリインターフェースと、
第1のロボットアーム、第2のロボットアーム、及びアライナステーションにオペレーション可能に接続されたコントローラであって、コントローラは、
第1のロボットアーム又は第2のロボットアームに、第1の複数の動的結合インターフェースを含む較正オブジェクトを電子処理システムの第1のステーション内に第1の位置及び第1の配向で配置させ、第1の複数の動的結合インターフェースは第1のステーションの第1の複数の登録フィーチャと係合し、第1の複数の動的結合インターフェースと第1の複数の登録フィーチャの係合により、較正オブジェクトは第1の位置から目標位置まで再配置され、及び第1の配向から目標配向まで再配向され、目標位置は第1の位置とは異なり、目標配向は第1の配向とは異なり、
第1のロボットアーム又は第2のロボットアームに、電子処理システムの第1のステーションから較正オブジェクトを取り出させ、較正オブジェクトは第1のステーションで目標配向と目標位置を有し、第1のステーションは複数の処理チャンバの1つの処理チャンバ、ロードロック、ファクトリインターフェースのロードポート、又はファクトリインターフェースに結合されたフロントオープニングユニファイドポッド(FOUP)内にあり、
第1のロボットアーム、第2のロボットアーム、又はロードロックの少なくとも1つを使用して、較正オブジェクトをアライナステーションに搬送させ、較正オブジェクトはアライナステーションで第1の配向を有し、
アライナステーションでの第1の配向とアライナステーションでの初期目標配向との差を決定し、アライナステーションでの初期目標配向は第1のステーションでの目標配向に関連し、
アライナステーションでの第1の配向とアライナステーションでの初期目標配向との間の差に基づいて、第1のステーションに関連する第1の特性誤差値を決定し、
第1の特性誤差値を記憶媒体に記録し、アライナステーションは第1の特性誤差値を使用して、第1のステーションに配置されるオブジェクトをアライメントする、コントローラを含むシステム。
【請求項33】
ファクトリインターフェース又は搬送チャンバの第1の1つ内にある第1のロボットアームにより、ファクトリインターフェースを搬送チャンバから分離するロードロックに較正オブジェクトを配置する工程であって、較正オブジェクトをロードロックに配置し、これによって、較正オブジェクトの中心は、第1のロボットアームの第1の教示位置に関連する第1の目標位置にあり、第1のロボットアームの第1のブレードの第1のポケット中心は、名目上、第1の教示位置の第1の目標位置に対応し、ファクトリインターフェース、搬送チャンバ、及びロードロックは、電子処理システムのコンポーネントである工程と、
ファクトリインターフェース又は搬送チャンバの第2の1つ内にある第2のロボットアームにより、第2のロボットアームの第2の教示位置を使用して、第2のロボットアームの第2のブレード上にロードロックから較正オブジェクトを取り出す工程であって、第2のブレードの第2のポケット中心は、名目上、第2の教示位置の第1の目標位置に対応し、較正オブジェクトの中心は、較正オブジェクトを取り出した後、第1のオフセット量だけ第2のポケット中心からオフセットされる工程と、
ファクトリインターフェース又は搬送チャンバの第2の1つ内にある、又はそれに接続されているセンサを使用して、較正オブジェクトの中心と第2のポケット中心との間の第1のオフセット量を決定する工程と、
第1のオフセット量に基づいて、第1のロボットアームの第1の教示位置と第2のロボットアームの第2の教示位置との間のミスアライメントを表す第1の特性誤差値を決定する工程と、
第1のフィーチャ誤差値を記憶媒体に記録する工程であって、第1のロボットアーム又は第2のロボットアームの1つは、第1の特性誤差値を使用して、ロードロックを介して第1のロボットアームと第2のロボットアームとの間で搬送されるオブジェクトのミスアライメントを補償する工程を含む方法。
【請求項34】
第1のロボットアームは搬送チャンバ内にあり、第2のロボットアームはファクトリインターフェース内にあり、センサはファクトリインターフェース内又はそれに取り付けられたアライメントステーションを含み、方法は第2のロボットアームにより較正オブジェクトをアライメントステーションに配置する工程を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
第2のロボットアームにより、処理される基板を、第2のロボットアームの第2の教示位置、オプションで第1の特性誤差値により修正される教示位置を使用してロードロックに配置する工程と、
第1のロボットアームにより、第1のロボットアームの第1の教示位置、オプションで第1の特性誤差値により修正される教示位置を使用して、ロードロックから基板を取り出す工程と、
ロードロックと搬送チャンバとの間のインターフェースにあるローカルセンタファインダを使用して、新しいオフセットが、基板の基板中心と第1のポケット中心との間に存在するかどうかを決定する工程と、
新しいオフセットが存在することを決定したことに応答して、第1のロボットアームの第1の教示位置又は第2のロボットアームの第2の教示位置の少なくとも1つが変化したと決定する工程を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
新しいオフセットがオフセット閾値を超えるかどうかを決定する工程と、
新しいオフセットがオフセット閾値を超えていると決定したことに応答して、較正手順を開始する工程を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
第1のロボットアームにより、第1のロボットアームの第1の教示位置、オプションで第1の特性誤差値により修正された教示位置を使用して、較正オブジェクトをロードロック内に配置する工程と、
第2のロボットアームにより、第2のロボットアームの第2の教示位置、オプションで第1の特性誤差値により修正された教示位置を使用して、ロードロックから較正オブジェクトを取り出す工程であって、第1の教示位置又は第2の教示位置の1つが第1のオフセット量を補償する第1の特性誤差値に基づいて修正され、較正オブジェクトの中心は、較正オブジェクトを取り出した後に第2のオフセット量だけ第2のポケット中心からオフセットされる工程と、
センサを使用して、較正オブジェクトの中心と第2のポケット中心との間の第2のオフセット量を決定する工程を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
第2のオフセット量がオフセット閾値を超えていると決定する工程と、
第2のオフセット量に基づいて、更新された特性誤差値を決定する工程と、
更新された特性誤差値を記憶媒体に記録する工程を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
第2のオフセット量がオフセット閾値未満であることを決定する工程と、
初期特性誤差値は変更しないままにする工程を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
第1のロボットアームはファクトリインターフェース内にあり、第2のロボットアームは搬送チャンバ内にあり、センサはロードロックと搬送チャンバとの間のインターフェースにローカルセンタファインダを含み、第2のロボットアームにより較正オブジェクトがロードロックから除去されている間に、較正オブジェクトの中心と第2のポケット中心との間の第1のオフセット量が決定される、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
第1のロボットアームにより、第1のロボットアームの第1の教示位置を使用して、処理される基板をロードロックに配置し、追加的に、第1の特性誤差値により修正する工程と、
第2のロボットアームにより、第1の特性誤差値により追加的に修正された第2の教示位置を使用して、ロードロックから基板を取り出す工程であって、第1の教示位置又は第2の教示位置の1つが第1の特性誤差値に基づいて修正され、第1のオフセット量を補償する工程と、
ローカルセンタファインダを使用して、基板の基板中心と第2のポケット中心との間に新しいオフセットが存在するかどうかを決定する工程と、
新しいオフセットが存在すると決定することに応答して、第1のロボットアームの第1の教示位置又は第2のロボットアームの第2の教示位置の少なくとも1つが変化したと決定する工程を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
新しいオフセットがオフセット閾値を超えているかを決定する工程と、
新しいオフセットがオフセット閾値を超えていると決定したことに応答して、較正手順を開始する工程を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
第1のロボットアームによる較正オブジェクトの配置、第2のロボットアームによる較正オブジェクトの取り出し、第1のオフセット量の決定、及び第1の特性誤差値の決定を複数回繰り返す工程と、
第1のロボットアームによる較正オブジェクトの配置、第2のロボットアームによる較正オブジェクトの取り出し、第1のオフセット量の決定、及び第1の特性誤差値の決定を複数回繰り返すことから生じる第1の特性誤差値の標準偏差を決定する工程と、
標準偏差に基づいて、ロードロックを介した第1のロボットアームと第2のロボットアームとの間の搬送シーケンスの精度を決定する工程を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項44】
較正オブジェクトは基板を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項45】
電子処理システムであって、
ファクトリインターフェースと、
ロードロックであって、ロードロックの第1の側がファクトリインターフェースに接続されているロードロックと、
ロードロックの第2の側に接続された搬送チャンバと
請求項33~44のいずれか1項に記載の方法を実行するためのコントローラとを備える電子処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、電子処理システムのコンポーネントを較正するための方法及びシステムに関し、特に、電子処理システムのコンポーネント間の搬送シーケンスの較正に関する。
【背景】
【0002】
電子処理システムは、基板を電子処理システムの第1のステーションから電子処理システムの第2のステーションに搬送するための1つ以上のロボットアームを含むことができる。電子処理システムでは、基板又はオブジェクトが第1のステーションから移動され、第2のステーションで目標配向及び位置に配置される。しばしば、第1のステーション、第2のステーション及び/又は1つ以上のロボットアームに関連する1つ以上のシステム誤差により、ロボットアームが第2のステーションで基板又はオブジェクトを目標配向及び位置に配置することが妨げられる場合がある。例えば、電子処理システムは、アライナステーション及び処理チャンバを含むことができ、ロボットアームにより基板又はオブジェクトをアライナステーションから取り出し、目標配向で処理チャンバに搬送することができる。アライナステーション及び/又は処理チャンバは、様々な原因(例えば、アライナステーション及び/又は処理チャンバが処理システムの構築中に適切に設置されなかった、ロボットアームの位置及び/又は配向の僅かな誤差等)に起因する特性的な誤差を伴うことがある。従って、基板又はオブジェクトがアライナステーションから最終的に処理チャンバに搬送されるとき、基板又はオブジェクトは配向及び/又は位置に僅かな誤差を有する可能性がある。
【概要】
【0003】
本明細書で説明される実施形態の幾つかは、電子処理システムのアライナステーションと他のステーションとの間の搬送シーケンスを較正する方法をカバーする。較正オブジェクトは、第1のロボットアームにより電子処理装置のステーション内に目標配向で配置され、その後、第1のロボットアームによりステーションから取り出される。較正オブジェクトは、第1のロボットアーム、第2のロボットアーム及び/又はロードロックを使用してアライナステーションに搬送され、較正オブジェクトはアライナステーションで第1の配向を有する。アライナステーションでの第1の配向が決定される。第1の配向に基づいて特性誤差値が決定される。一実施形態では、アライナステーションでの第1の配向と初期目標配向との差が決定され、アライナステーションでの初期目標配向は、第1のステーションでの目標配向に関連し、特性誤差値が第1の配向と初期目標配向との差に基づいて決定される。特性誤差値は記憶媒体に記録される。アライナステーションは、第1のステーションに配置されるオブジェクトのアライメントのために特性誤差値を使用する。
【0004】
幾つかの実施形態では、電子処理システムの較正オブジェクトは、電子処理システムのスリットバルブを通り抜けるサイズの本体を含む。本体は、本体内に第1の複数の動的結合インターフェースを含み、第1の複数の動的結合インターフェースは、電子処理システムの第1のステーションの各々の第1の複数の登録フィーチャと係合し、第1のステーションで較正オブジェクトを目標位置と目標配向にガイドするように構成される。本体は本体の側部に配置された基準点を更に含み、基準点は較正オブジェクトの配向を決定するために使用可能である。較正オブジェクトは、較正オブジェクトが最初に誤った配向及び/又は位置でステーションに配置された場合でも、電子処理システムのステーションに配置されたときに目標位置及び/又は配向を達成するように構成される。幾つかの実施形態では、電子処理システムは、第1のロボットアームを含む搬送チャンバと、搬送チャンバに接続された複数の処理チャンバと、搬送チャンバに接続されたロードロックと、ロードロックに接続されたファクトリインターフェースであって、第2のロボットアーム及びアライナステーションを含むファクトリインターフェースと、第1のロボットアーム、第2のロボットアーム、及びアライナステーションにオペレーション可能に接続されたコントローラとを含む。コントローラは、第1のロボットアーム又は第2のロボットアームに、電子処理システムの第1のステーションから較正オブジェクトを回収させ、較正オブジェクトは第1のステーションで目標配向を有し、第1のステーションは複数の処理チャンバの1つの処理チャンバ、サイドストレージポッド(SSP)、ロードロック、ロードポート、又はフロントオープニングユニファイドポッド(FOUP)内にある。更に、コントローラは、第1のロボットアーム、第2のロボットアーム、又はロードロックの少なくとも1つを使用して、較正オブジェクトをアライナステーションに搬送させ、較正オブジェクトはアライナステーションで第1の配向を有する。更に、コントローラはアライナステーションでの第1の配向を決定する。更に、コントローラは、アライナステーションでの第1の配向とアライナステーションでの初期目標配向との差を決定し、アライナステーションでの初期目標配向は第1のステーションでの目標配向に関連する。更に、コントローラは、第1の配向(例えば、第1の配向と初期目標配向との間の差)に基づいて、第1のステーションに関連する第1の特性誤差値を決定する。更に、コントローラは、第1の特性誤差値を記憶媒体に記録し、アライナステーションは第1の特性誤差値を使用して、第1のステーションに配置されるオブジェクトをアライメントする。
【0005】
幾つかの実施形態では、方法は、ファクトリインターフェース又は搬送チャンバの第1の1つ内にある第1のロボットアームにより、ファクトリインターフェースを搬送チャンバから分離するロードロックに較正オブジェクトを配置する工程であって、較正オブジェクトをロードロックに配置し、これによって、較正オブジェクトの中心は、第1のロボットアームの第1の教示位置に関連する第1の目標位置にあり、第1のロボットアームの第1のブレードの第1のポケット中心は、名目上、第1の教示位置の第1の目標位置に対応し、ファクトリインターフェース、搬送チャンバ、及びロードロックは、電子処理システムのコンポーネントである工程を含む。更に方法は、ファクトリインターフェース又は搬送チャンバの第2の1つ内にある第2のロボットアームにより、第2のロボットアームの第2の教示位置を使用して、第2のロボットアームの第2のブレード上にロードロックから較正オブジェクトを取り出す工程であって、第2のブレードの第2のポケット中心は、名目上、第2の教示位置の第1の目標位置に対応し、較正オブジェクトの中心は、較正オブジェクトを取り出した後、第1のオフセット量だけ第2のポケット中心からオフセットされる工程を含む。更に、方法は、ファクトリインターフェース又は搬送チャンバの第2の1つ内にある、又はそれに接続されているセンサを使用して、較正オブジェクトの中心と第2のポケット中心との間の第1のオフセット量を決定する工程を含む。更に、方法は、第1のオフセット量に基づいて、第1のロボットアームの第1の教示位置と第2のロボットアームの第2の教示位置との間のミスアライメントを表す第1の特性誤差値を決定する工程を含む。更に、方法は、第1の特性誤差値を記憶媒体に記録する工程であって、第1のロボットアーム又は第2のロボットアームの1つは、第1の特性誤差値を使用して、ロードロックを介して第1のロボットアームと第2のロボットアームとの間で搬送されるオブジェクトのミスアライメントを補償する工程とを含む。
【0006】
幾つかの実施形態では、電子処理システムは、ロードロックと、ロードロックの第1の側部に接続されたファクトリインターフェースと、ロードロックの第2の側部に接続された搬送チャンバと、コントローラとを備える。コントローラは、ファクトリインターフェース又は搬送チャンバの第1の1つ内にある第1のロボットアームに、較正オブジェクトをロードロック内に配置させ、較正オブジェクトをロードロックに配置し、これによって、較正オブジェクトの中心は、第1のロボットアームの第1の教示位置に関連する第1の目標位置にあり、第1のロボットアームの第1のブレードの第1のポケット中心は、名目上、第1の教示位置の第1の目標位置に対応する。更に、コントローラは、ファクトリインターフェース又は搬送チャンバの第2の1つ内にある第2のロボットアームにより、第2のロボットアームの第2の教示位置を使用して、第2のロボットアームの第2のブレード上にロードロックから較正オブジェクトを取り出させ、第2のブレードの第2のポケット中心は、名目上、第2の教示位置の第1の目標位置に対応し、較正オブジェクトの中心は、較正オブジェクトを取り出した後、第1のオフセット量だけ第2のポケット中心からオフセットしている。更に、コントローラは、ファクトリインターフェース又は搬送チャンバの第2の1つ内にある、又はそれに接続されているセンサを使用して、較正オブジェクトの中心と第2のポケット中心との間の第1のオフセット量を決定する。更に、コントローラは、第1のオフセット量に基づいて、第1のロボットアームの第1の教示位置と第2のロボットアームの第2の教示位置との間のミスアライメントを表す第1の特性誤差値を決定する。更に、コントローラは、第1の特性誤差値を記憶媒体に記録し、第1のロボットアーム又は第2のロボットアームの1つは、第1の特性誤差値を使用して、ロードロックを介して第1のロボットアームと第2のロボットアームとの間で搬送されるオブジェクトのミスアライメントを補償する。
【0007】
幾つかの実施形態では、非一時的なコンピュータ可読媒体は、処理装置により実行されると、処理装置に上記の方法のいずれかのオペレーションを実行させるインストラクションを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示は、同様の参照が同様の要素を示す添付図面の図において、限定ではなく例として示される。本開示における「ある」又は「1つの」実施形態に対する異なる参照は、必ずしも同じ実施形態に対するものではなく、そのような参照は少なくとも1つを意味することに留意すべきである。
図1】本開示の態様による、例示的な電子処理システムの上面概略図である。
図2A】~
図2C】本開示の態様による、処理チャンバにおけるオブジェクトの例示的な第1の配向、例示的な目標配向及び位置、及び例示的な第1の位置を示す。
図3A】~
図3B】本開示の態様による、電子処理システムのアライナにおけるオブジェクトの例示的な第1の配向及び例示的な初期目標配向を示す。
図4】本開示の態様による、例示的な電子処理システムのアライナステーションの較正を示す。
図5A】本開示の態様による、例示的な較正オブジェクトを示す。
図5B】本開示の態様による、例示的な較正オブジェクトを示す。
図5C】~
図5D】本開示の態様による、例示的な較正オブジェクトを示す。
図5E】~
図5F】本開示の態様による、ステーションにおける例示的な較正オブジェクトの配置を示す。
図5G】本開示の態様による、図5A~5Bのステーションからの例示的な較正オブジェクトの除去を示す。
図6】本開示の実施形態による、電子処理システムのアライナステーションと処理チャンバとの間のオブジェクトの搬送シーケンスを較正する方法のフロー図である。
図7A】本開示の実施形態による、較正された搬送シーケンスを使用して、電子処理システムのアライナステーションと処理チャンバとの間でオブジェクトを搬送する方法のフロー図である。
図7B】本開示の実施形態による、較正された搬送シーケンスを使用して、電子処理システムのアライナステーションと処理チャンバとの間でオブジェクトを搬送するために較正された方法のフロー図である。
図8】本開示の実施形態による、電子処理システムのアライナステーションと追加のステーションとの間のオブジェクトの搬送シーケンスを較正する方法のフロー図である。
図9】本開示の実施形態による、較正された搬送シーケンスを使用して、電子処理システムのアライナステーションと第2のステーションとの間でオブジェクトを搬送する方法のフロー図である。
図10】本開示の実施形態による、電子処理システムのアライナステーションと第2のステーションとの間の搬送シーケンスの精度を決定する方法のフロー図である。
図11】本開示の実施形態による、搬送シーケンスが較正範囲外であるかどうかを決定する方法のフロー図である。
図12】本開示の実施形態による、ロードロックを介してオブジェクトを互いに搬送する2つのロボットアームの教示位置を較正する方法のフロー図である。
図13】本開示の実施形態による、ロードロックを介してオブジェクトを互いに搬送する2つのロボットアームの教示位置が互いに較正されているかどうかを決定する方法のフロー図である。
図14】本開示の実施形態による、電子処理システムのコントローラとしてオペレーションすることができるコンピューティングデバイスの一例である。
【実施形態の詳細な説明】
【0009】
本明細書で説明する実施形態は、電子処理システムの1つ以上のコンポーネントを較正するための方法及びシステムに関する。較正されるコンポーネントは、1つ以上のステーション(例えば、アライナステーション、処理チャンバのステーション、ロードロック、ロードポート、フロントオープニングユニファイドポッド(FOUP)、サイドストレージポッド(SSP)等)、及び/又は1つ以上のロボットアーム(例えば、ファクトリインターフェースロボット及び/又は搬送チャンバロボット)を含む。実施形態では、電子処理システムの複数のコンポーネントが互いに較正され、これによって、複数のコンポーネントのいずれかによる累積誤差が排除又は低減される。本明細書で説明する幾つかの実施形態は、2つのステーション間(例えば、アライナステーションと処理チャンバのステーションとの間)のウエハ搬送シーケンスの較正をカバーする。本明細書に記載の他の実施形態は、ステーションにおける2つのロボットアーム間(例えば、ロードロックを介して互いに基板を搬送する2つのロボットアーム間)のウエハ搬送の較正をカバーする。
【0010】
一実施形態では、較正オブジェクト(例えば、較正リング、較正ディスク、又は較正ウエハ等)が使用され、電子処理システムのステーション(例えば、処理チャンバ)に関連する1つ以上の特性誤差値を決定する。次に、特性誤差値を使用して、電子処理システム内の他のステーションから特性誤差のあるステーションへ、及び/又はステーションから他のステーションへオブジェクト(例えば、ウエハ、プロセスキットリング等)を搬送することができる。電子処理システム内のステーションの一部又は全てについて、特性誤差値を決定することができる。幾つかの実施形態では、複数のステーションの特性誤差値を組み合わせ、複数のステーション間でオブジェクトを搬送するときに行われる配向及び/又は位置の変化を決定することができる。例えば、第1のステーションについて第1の特性誤差値を決定することができ、第2のステーションについて第2の特性誤差値を決定することができ、第1及び第2の特性誤差値を加算して、第1と第2のステーション間でオブジェクトを搬送する際に使用する結合された特性誤差値を決定することができる。
【0011】
一実施形態では、較正オブジェクトが使用され、ステーションに関連する特性誤差値を決定する。幾つかの実施形態では、較正オブジェクトを、目標配向及び/又は目標位置でステーション(例えば、処理チャンバ)に配置することができる。第1のロボット(例えば、搬送チャンバロボット)の第1のロボットアームは較正オブジェクトを取り出し、較正オブジェクトを電子処理システムのロードロックに配置することができる。較正オブジェクトをロードロックから第2のロボット(例えば、ファクトリインターフェースロボット)の第2のロボットアームで取り出し、電子処理システムのアライナステーションで第1の配向及び/又は第1の位置に配置することができる。第1の配向と初期目標配向との間の差を決定することができる。追加的又は代替的に、アライナステーションを使用して、第1の位置と初期目標位置との間の差を決定することができる。ステーション(例えば、処理チャンバ)に関連する第1の特性誤差値は、第1の配向と初期目標配向との間の差に基づいて決定することができる。ステーションに関連する1つ以上の追加の特性誤差値を、第1の位置と初期目標位置との間の差に基づいて、決定することができる。特性誤差値は記憶媒体に記憶することができる。特性誤差値が決定され、記憶媒体に記憶された後、オブジェクトはアライナステーションで受領され、ステーション(例えば、処理チャンバ)で処理される。処理チャンバに関連する特性誤差値は記憶媒体から取り出すことができ、オブジェクトは、特性誤差により修正された特性誤差値に基づいて、初期目標配向及び/又は初期目標位置にアライメントすることができる。
【0012】
一実施形態では、較正オブジェクトを使用して、ロードロックを介してオブジェクトを互いに搬送する2つのロボットアームの教示位置間のオフセットを決定及び修正する。第1のロボットアームはロードロックで第1の教示位置を有し、第2のロボットアームは、ロードロックで第1の教示位置と整合すべき第2の教示位置を有することができる。しかし、教示位置はしばしば不正確な場合がある。例えば、(例えば、ファクトリインターフェースロボットの)第1のロボットアームは基板をロードロックに配置するように教示され、これによって、第1のロボットアームの第1のポケット中心がロードロックの中心(x-y平面の中心)となることができる。従って、基板がロードロック内に配置されたとき、基板が第1のポケット中心と一致する中心を有する場合、基板の中心はロードロックチャンバの中心と一致する。しかし、ロボットアームは実際には基板をロードロックチャンバの中心からオフセットして配置する場合がある。同じ問題が、(例えば、搬送チャンバロボットの)第2のロボットアームで発生する可能性があり、基板をロードロックに配置するように教示し、これによって、第2のロボットアームの第2のポケット中心がロードロックにある場合がある(x-y平面の中心)。
【0013】
第1及び第2のロボットアームの教示位置の間のオフセットを識別し、修正するために、一実施形態では、第1のロボットアームが較正オブジェクト(例えば、較正ウエハ又は基板)をロードロックに配置する。較正オブジェクトがロードロックに配置され、これによって、較正オブジェクト中心が第1のロボットアームの第1教示位置に関連する第1の目標位置にあり、第1のロボットアームの第1のブレードの第1の中心が第1の教示位置の第1の目標位置に名目上対応する。第2のロボットアームは、第2のロボットアームの第2の教示位置を使用して、ロードロックから第2のロボットアームの第2のブレード上に較正オブジェクトを取り出す。第2のブレードの第2のポケット中心は、第2の教示位置の第1の目標位置に名目上対応し、較正オブジェクトの回収後、較正オブジェクトの中心は、第1のオフセット量だけ第1のポケット中心からオフセットする。センサ(例えば、ローカルセンタファインダ又はアライナステーションのセンサ)を使用して、較正オブジェクトの中心と第2のポケット中心との間の第1のオフセット量を決定する。次に、第1のオフセット量に基づいて、第1のロボットアームの第1の教示位置と第2のロボットアームの第2の教示位置との間のミスアライメントを表す第1の特性誤差値を決定する。第1の特性誤差値は記憶媒体に記録される。次に、第1のロボットアーム又は第2のロボットアームは第1の特性誤差値を使用して、ロードロックを介して第1のロボットアームと第2のロボットアームとの間で搬送されるオブジェクトのミスアライメントを補償する。
【0014】
オブジェクト(例えば、基板、ウエハ、交換可能な部品又はコンポーネント等)を目標ステーション(例えば、処理チャンバ)に配置する前に、本明細書の実施形態で説明するように、複数のコンポーネント(例えば、複数のコンポーネント間のウエハ搬送シーケンス)を較正することにより、各々のオブジェクトが処理チャンバで目標配向及び/又は位置に配置される可能性が高まる。各々のオブジェクトが目標の方向及び/又は位置に配置される可能性を高めることにより、最終ステーションで実行されるアライメント操作の数が減少し、システム全体の待ち時間が減少する。更に、配置されたオブジェクトの配向(例えば、ヨー)及び/又は位置の精度は、±0.2°、±0.1°、又は±0.01°という実施形態における配向の精度の高さにより、実施形態において従来のシステムよりも改善される。同様に、最終ステーション(例えば、処理チャンバ)で実行されるアライメントオペレーションの数を減らすことにより、不正確なx軸、y軸、ヨー軸のモーションが減少する結果、オブジェクト、又はオブジェクトを処理チャンバに配置するロボットアームが損傷を受ける可能性が低くなる。更に、実施形態では、新しい基板、ウエハ、及び/又は交換可能な部品(例えば、プロセスキットリング)を最終ステーション(例えば、処理チャンバ)に適切に挿入するのにかかる時間を、部品が初期試行で適切な配向及び/又は位置に挿入されることを確実にすることにより、短縮することができる。
【0015】
図1は、本開示の一態様による、例示的な電子処理システム100の上面概略図である。電子処理システム100は基板102上で1つ以上のプロセスを実行することができる。基板102は、その上で電子デバイス又は回路コンポーネントを製造することが可能な、適切に堅く、固定寸法の平面なオブジェクト(例えば、シリコン含有ディスク又はウエハ、パターン化されたウエハ、ガラス板)のいずれかであってもよい。
【0016】
電子処理システム100は、メインフレーム104と、メインフレーム104に結合されたファクトリインターフェース106とを含むことができる。メインフレーム104は、内部に搬送チャンバ110を有するハウジング108を含むことができる。搬送チャンバ110は、その周りに配置され、結合された1つ以上の処理チャンバ(プロセスチャンバとも呼ばれる)114a、114b、116a、116b、118a、118bを含むことができる。処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bは、スリットバルブ等を含むことがある各々のポート131を介して搬送チャンバ110に結合することができる。
【0017】
4つの側部(ファセットとも呼ばれる)を有するほぼ四角形のメインフレームが示され、各々のファセットに複数の処理チャンバが接続されていることに留意すべきである。しかし、ファセットは、結合された単一の処理チャンバ又は3つ以上の処理チャンバを含むことができると理解するべきである。更に、メインフレーム104は、長方形(異なるファセットが異なる長さを有することができる)又は4つを超えるファセット(例えば、5、6、又はそれ以上のファセットを有する)を有する放射形状等の他の形状を有することができる。
【0018】
処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bは、基板102に対して任意の数の処理を実行するように適合することができる。同じ又は異なる基板処理を、各々の処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bで実行することができる。基板処理は原子層堆積(ALD)、物理気相蒸着(PVD)、化学気相蒸着(CVD)、エッチング、アニーリング、硬化、前洗浄、金属又は金属酸化物の除去等を含むことができる。一例では、PVDを処理チャンバ114a、114bの一方又は両方で実行することができ、エッチング処理を処理チャンバ116a、116bの一方又は両方で実行することができ、アニーリング処理を処理チャンバの118a、118bの一方又は両方で実行することができる。その内部で、基板上でその他の処理を行うこともできる。処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bの各々は、基板支持アセンブリを含むことができる。基板支持アセンブリは、基板処理が行われている間、基板を適所に保持するように構成することができる。
【0019】
上述のように、エッチングプロセスは1つ以上の処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bで実行することができる。従って、幾つかの処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118b(エッチングチャンバ等)は、基板支持アセンブリの表面に配置されるエッジリング(プロセスキットリングとも呼ばれる)136を含むことができる。幾つかの実施形態では、プロセスキットリングは時折交換を受けることがある。従来のシステムにおけるプロセスキットリングの交換は、プロセスキットリングを交換するためのオペレータによる処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bの分解を含むが、電子処理システム100では、オペレータによる処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bの分解なしに、プロセスキットリングの交換を容易にするように構成することができる。
【0020】
また、搬送チャンバ110は搬送チャンバロボット112を含むことができる。搬送チャンバロボット112は1つ以上のロボットアームを含むことができ、各々のロボットアームはその端部にエンドエフェクタ(本明細書ではブレードとも呼ばれる)を含む。エンドエフェクタは、特定のオブジェクト(例えば、ウエハ等)を取り扱うように構成することができる。代替的に又は追加的に、エンドエフェクタは、プロセスキットリング等のオブジェクトを取り扱うように構成することができる。幾つかの実施形態では、搬送チャンバロボット112は、選択的コンプライアンスアセンブリロボットアーム(SCARA)ロボットであってもよい(例えば、2リンクSCARAロボット、3リンクSCARAロボット、4リンクSCARAロボット等)。
【0021】
幾つかの実施形態では、ポート131及び/又はスリットバルブが、処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bと搬送チャンバ110との間の中間領域にある。ローカルセンタファインダ(LCF)150がそのような各々のポート131又はスリットバルブに又はそれに近接して配置される。ローカルセンタファインダ150の各々は、関連するポート131又はスリットバルブを通過するオブジェクト(例えば、リング、ウエハ、基板等)の中心を決定するように構成される。LCF150は、レーザとディテクタのペアのアレンジメントを含むことができる。各々のレーザはレーザビームを投射することができ、このレーザビームはレーザとディテクタのペアの対応するディテクタで受信することができる。実施形態では、レーザはレーザビームを垂直に、又は垂直に対してある角度で指向する。各々のディテクタは、対応するレーザからのレーザビームの経路に配置される。オブジェクト(例えば、較正オブジェクト、基板、ウエハ等)がポート131又はスリットバルブを通過すると、レーザビームを遮断し、レーザビームがディテクタにより受信されない。ポート131又はスリットバルブを通過する較正オブジェクト又は他のオブジェクトのサイズ及び形状に関する既知の情報、レーザ及びディテクタの位置に関する既知の情報、及び各々のディテクタがレーザビームの受信を停止する搬送チャンバロボット112の各々の位置に関する既知の情報に基づいて、較正オブジェクト又は他の既知のオブジェクトの中心を決定することができる。他のタイプのLCFを使用することもできる(カメラベースのローカルセンタファインダ及び/又はランアウトリボンベースのローカルセンタファインダ等)。
【0022】
また、1つ以上のロードロック120a、120bをハウジング108と搬送チャンバに結合することができる。ロードロック120a、120bの一方を搬送チャンバに、他方をファクトリインターフェース106にインターフェース又は結合するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ロードロック120a、120bは環境制御された雰囲気を有することができ、真空環境(ここで、基板を搬送チャンバ110に及び搬送チャンバ110から搬送することができる)から大気圧(不活性ガス等)環境(ここで、基板をファクトリインターフェース106に及びファクトリインターフェース106から搬送することができる)まで、または近くまで変更することができる。幾つかの実施形態では、1つ以上のロードロック120a、120bは、異なる垂直レベル(例えば、1つが他方の上方にある)に位置する1つ以上の上部内部チャンバ及び1つ以上の下部内部チャンバを有する積み重ねられたロードロックであってもよい。幾つかの実施形態では、一対の上部内部チャンバを、メインフレーム104から除去のため、搬送チャンバ110から処理された基板を受け取るように構成し、一方、一対の下部内部チャンバを、メインフレーム104での処理のため、ファクトリイインターフェース106から基板を受け取るように構成することができる。幾つかの実施形態では、1つ以上のロードロック120a、120bを、受け取った1つ以上の基板102に対して基板処理(例えば、エッチング又は前洗浄)を実行するように構成することができる。
【0023】
実施形態では、ポート133及び/又はスリットバルブが、搬送チャンバ110をロードロック120a、120bから分離する。LCF152は、そのような各々のポート133及び/又はスリットバルブに、又はそれに近接して配置される。オブジェクトがロボットアーム112によりロードロックに配置されるか、ロードロックから取り出される間に、LCFを使用して、ロボットアーム112上のオブジェクト(例えば、較正オブジェクト、ウエハ、基板等)の中心を決定することができる。
【0024】
ファクトリインターフェース(FI)106は、例えば、機器フロントエンドモジュール(EFEM)等の任意の適切なエンクロージャであってもよい。ファクトリインターフェース106は、ファクトリインターフェース106の様々なロードポート124にドッキングされている基板キャリアから122(例えば、フロントオープニングユニファイドポッド(FOUP))から基板を受領することができるように構成されている。ファクトリインターフェースロボット126(破線で示す)は、基板キャリア(コンテナとも呼ばれる)とロードロック120の間で基板102を搬送することができように較正されている。ファクトリインターフェースロボット126は1つ以上のロボットアームを含むことができ、SCARAロボットであるか又はそれを含むことができる。幾つかの実施形態では、ファクトリインターフェースロボット126は、搬送チャンバロボット112よりも多くのリンク及び/又は自由度を有することができる。ファクトリインターフェースロボット126は、各々のロボットアームの端部にエンドエフェクタを含むことができる。エンドエフェクタは、特定のオブジェクト(例えば、ウエハ等)を持ち上げて、取り扱うように構成することができる。代替的に又は追加的に、エンドエフェクタは、プロセスキットリング等のオブジェクトを取り扱うように構成することができる。
【0025】
従来のロボットタイプのいずれかをファクトリインターフェースに使用することができる。搬送はいかなる順序又は方向で実行することができる。幾つかの実施形態では、ファクトリインターフェース106は、例えば、僅かに正圧の非反応性ガス環境(例えば、非反応性ガスとして窒素を使用)で維持することができる。
【0026】
幾つかの実施形態では、サイドストレージポッド(SSP、図示せず)がFI106に結合される。
【0027】
本明細書では、基板キャリア122は、ロードポート124、基板キャリア122、ロードロック120a、120b、SSP、及び処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bと同様に、ステーションである、又はステーションを含むと考えられる。他のタイプのステーションはアライナステーション128である。幾つかの実施形態では、搬送チャンバ110、処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118b、及びロードロック120は真空レベルに維持することができる。電子処理システム100は、電子処理システム100の1つ以上のステーションに結合された1つ以上のポート130、131、133(例えば、真空ポート)を含むことができる。例えば、ポート130(例えば、真空ポート)はファクトリインターフェース106をロードロック120に結合することができる。上述のように、追加のポート133(例えば、真空ポート)をロードロック120に結合し、ロードロック120と搬送チャンバ110との間に配置することができる。ポート130、133、131の各々は、真空環境を高圧(例えば、大気圧)環境から分離するスリットバルブを含むことができる。
【0028】
幾つかの実施形態では、アライナステーション128はFI106に結合される。代替的に、アライナステーション128をFI106に収容することができる。幾つかの実施形態では、ポートは、アライナステーション128をFI106から分離する。アライナステーション128は、基板、取付具、及び/又は他のオブジェクト(例えば、プロセスキットリング)を目標配向にアライメントするように構成されている。アライナステーション128は、オブジェクトを配置できる基板支持体を含む。オブジェクトが基板サポート上に配置されると、基板サポートとその上に配置されたオブジェクトが回転し、アライナステーション上の初期配向とアライナステーション上の目標配向がそのような配向に基づいて検出される。
【0029】
一実施形態では、アライナステーション128は、1つ以上のペアのレーザ及びディテクタ(例えば、レーザ及びディテクタのペアのライン)を含む。レーザの各々は、垂直又は垂直に対してある角度でレーザビームを照射することができる。各々のディテクタはレーザビームの経路内にあってもよく、レーザビームがディテクタにより受信されると、レーザビームを検出する。支持されるオブジェクト(例えば、較正オブジェクト、基板、ウエハ等)が回転すると、1つ以上のレーザビームがオブジェクトにより遮断され、回転設定ごとにディテクタにより受信されなくなる。この情報を用いて、1つ以上のレーザビームが遮断された特定の位置におけるオブジェクトの端部と、アライナステーションの各々の回転設定におけるアライナステーションの中心との間の距離を決定することができる。各々のオブジェクトには、アライナステーションで検出できる基準物(例えば、平坦部、ノッチ、突起等)を含む。例えば、オブジェクトが回転すると、オブジェクトの端部とアライナステーションの中心との間の距離が各々の回転設定について決定され、基準物の既知の形状を使用して、決定された距離からオブジェクト内の基準物を特定することができる。基準物位置に関連する回転設定が識別されると、オブジェクトの位相を決定することができる。この情報を使用して、オブジェクトの目標配向、及びオブジェクトがアライナステーション128に配置されたときにオブジェクトが持っていた初期配向を決定することができる。追加的に、オブジェクトの検出された位相と、各々の回転設定でのオブジェクトの端部とアライナステーションの中心と間の距離に基づく、アライナステーション128は、アライナステーションの中心から中心ずれした円形オブジェクトのランアウトを検出することができる。また、他の検出機構を使用して、アライナステーションでのオブジェクトの配向及び/又はランアウトを検出することができる。
【0030】
また、電子処理システム100はシステムコントローラ132を含むことができる。システムコントローラ132は、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、マイクロコントローラ等のコンピューティングデバイスであるか、及び/又はこれらを含むことができる。システムコントローラ132は1つ以上の処理デバイスを含むことができ、これは汎用処理装置(例えば、マイクロプロセッサ、中央処理ユニット等)であってもよい。より具体的には、処理デバイスは、コンプレクスインストラクションセットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、リデューストインストラクションセットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、ベリーロングインストラクションワード(VLIW)マイクロプロセッサ、又は他のインストラクションセットを実行するプロセッサ又はインストラクションセットの組み合わせを実行するプロセッサであってもよい。また、処理デバイスは、1つ以上の専用処理デバイス(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ等)であってもよい。システムコントローラ132は、データ記憶装置(例えば、1つ以上のディスクドライブ及び/又はソリッドステートドライブ)、メインメモリ、スタティックメモリ、ネットワークインターフェース、及び/又は他のコンポーネントを含むことができる。システムコントローラ132は、本明細書に記載の方法及び/又は実施形態の任意の1つ以上を実行するためのインストラクションを実行することができる。インストラクションはコンピュータ可読記憶媒体に格納することができ、これはメインメモリ、スタティックメモリ、二次記憶装置、及び/又は処理装置(インストラクションの実行中)を含むことができる。また、システムコントローラ132は、人間のオペレータによるデータ、操作コマンド等の入力及び表示を可能にするように構成することもできる。
【0031】
幾つかの実施形態では、システムコントローラ132により、電子処理システム100に1つ以上の較正手順を実行させ、1つ以上のステーション、1つ以上のロボット、及び/又は1つ以上のウエハ搬送シーケンスに関連する較正データ(例えば、特性誤差値)を生成することができる。システムコントローラ132は、較正値(例えば、特性誤差値)を1つ以上のデータ記憶装置に記憶する。システムコントローラ132は、アライナステーション128にオブジェクトのアライメントをインストラクトするとき、FIロボット126にオブジェクトを受領又は配置するようにインストラクトするとき、及び/又は搬送チャンバロボット112にオブジェクトを回収又は配置をインストラクトするとき、適切な較正値を後で使用する。
【0032】
図1は、エッジリング(又は他のプロセスキットリング)136の処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bへの搬送を概略的に示す。しかし、エッジリングを参照して説明したのと同じ技術を使用して、エッジリング以外の他のオブジェクトも搬送できることを理解すべきである。従って、エッジリングを参照して説明された実施形態は、基板、カバーウエハ、多目的ウエハ、較正オブジェクト、エッジリング以外の交換可能部品、テストウエハ等にも適用されることを理解すべきである。
【0033】
本開示の一態様によれば、エッジリング136等のオブジェクトは、ファクトリインターフェース106に配置されたファクトリインターフェースロボット126を介して基板キャリア122(例えば、FOUP)又はSSPから取り出されるか、又は代替的に、ファクトリインターフェース106に直接ロードされる。幾つかの実施形態では、システムコントローラ132は、オブジェクト(例えば、エッジリング136)の搬送レシピを決定する。搬送レシピは、基板キャリア122又はSSPから特定の処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bに搬送される間にオブジェクト(例えば、エッジリング136)がたどる搬送経路を示すことができる。例えば、搬送レシピは、オブジェクト(例えば、エッジリング136)がアライナステーション128から特定のロードロック120a、120b、処理チャンバ116a、116bに移動することを示すことができる。
【0034】
上述のように、アライナステーション128は、オブジェクト(例えば、エッジリング136)をアライメントするように構成され、最終ステーション(例えば、処理チャンバ114a、114b、116a、116b、又は118a、118b)でのオブジェクト(例えば、エッジリング136)の目標配向を達成する。アライナステーション128は、オブジェクト(例えば、エッジリング136)を正又は負のヨー軸方向(例えば、時計回り又は反時計回り)に回転させ、アライナステーション128でオブジェクト(例えば、エッジリング136)の初期目標配向を達成することができる。幾つかの実施形態では、追加的に又は代替的に、アライナステーション128は、オブジェクト(例えば、エッジリング136)を正又は負のx軸及び/又はy軸方向に平行移動させて、アライナステーション128でオブジェクト(例えば、エッジリング136)をアライメントすることができる。幾つかの実施形態では、オブジェクトのx方向オフセット及び/又はy方向オフセットを決定することができ、オフセットを使用して、オブジェクトを持ち上げ、オブジェクトの中心をFIロボット126のロボットアームのブレードのポケット中心に対応させることができる。
【0035】
アライナステーション128におけるオブジェクト(例えば、エッジリング136)の初期目標配向は、通常、最終ステーション(例えば、処理チャンバ114a、114b、116a、116b、又は118a、118b)におけるオブジェクト(例えば、エッジリング136)の目標配向に対応することができる。例えば、エッジリング136は、エッジリング136が処理チャンバ内で配置される基板支持アセンブリの周りの基板支持アセンブリの対応するフラット部とアライメントされるフラット部を含むことができる。エッジリング136を処理チャンバ内の目標配向に正確に配置できないと、処理中に生成されるプラズマが不均一になり、エッジリング136が不均一に摩耗し、及び/又は他の問題が生じる可能性がある。理想的なセットアップでは、ロボットの位置及び/又は回転誤差がなく、搬送チャンバに対する処理チャンバの調整ミス等がないため、アライナステーションで初期目標配向にアライメントされたエッジリングは、一旦処理チャンバに配置されると、任意の処理チャンバで最終的に目標配向を有するように配向されるべきである。しかし、処理チャンバの各々へのエッジリング136の配置に際し、異なるロボット誤差が発生する可能性がある。更に、1つ以上の処理チャンバは、僅かな配置ミス又は調整ミスを有する可能性がある。本明細書で説明する実施形態は、以下でより完全に説明するように、そのようなロボットの誤差、ミスアライメント、及び/又は調整誤差を修正する較正手順を提供する。
【0036】
一実施形態では、ファクトリインターフェースロボット126は、オブジェクト(例えば、エッジリング136)をアライナステーション128で第1の配向に配置する。システムコントローラ132は、オブジェクト(例えば、エッジリング136)の搬送レシピに基づき、アライナステーション128で実行されるアライメントレシピを決定し、オブジェクト(例えば、エッジリング136)を修正された目標配向及び/又は修正された目標位置にアライメントすることができる。修正された目標配向は、搬送レシピに関連する特性誤差値(例えば、特性角度誤差)により調整されるソースステーション(例えば、アライナステーション128)における初期目標配向に対応することができる。同様に、修正された目標位置は、搬送レシピに関連する特性誤差値(例えば、特性位置誤差)により調整されるソースステーション(例えば、アライナステーション)における初期目標位置に対応することができる。一実施形態では、特性誤差値は特定の処理チャンバに関連する。一実施形態では、特性誤差値は特定の処理チャンバと特定のロードロックチャンバに関連する。一実施形態では、特性誤差値はオブジェクトをソースステーション(例えば、アライナステーション128)から最終ステーション(例えば、処理チャンバ116a、116b)に移動するための特定の搬送シーケンスに関連する。アライメントレシピは特性誤差値を含むことがある。幾つかの実施形態では、アライナステーション128はアライメントレシピによりオブジェクト(例えば、エッジリング136)をアライメントするが、これはオブジェクト(例えば、エッジリング136)を正又は負のx軸方向に、正又は負のy軸方向に、及び/又は正又は負のヨー軸方向(回転)の少なくとも1つで移動させ、オブジェクト(例えば、エッジリング136)をアライナステーション128で修正された目標配向及び/又は修正された方向に適切に配向し及び/又は配置することを含む。アライメントレシピは、オブジェクト(例えば、エッジリング136)の搬送レシピに関連することができる。アライナステーション128でのオブジェクト(例えば、エッジリング136)のアライメントに応答して、ファクトリインターフェースロボット126は、アライナステーション128からオブジェクト(例えば、エッジリング136)を取り出し、取り出されたオブジェクト(例えば、エッジリング136)は修正された目標配向を有し、ポート130を介して、修正され配向で、オブジェクトをロードロック120b内に配置することができる。
【0037】
搬送チャンバロボット112は、第2の真空ポート130bを介してロードロック120bからオブジェクト(例えば、エッジリング136)を取り出すことができる。搬送チャンバロボット112はオブジェクト(例えば、エッジリング136)を搬送チャンバ110内に移動し、ここでオブジェクトを最終ステーション(例えば、処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118b)に搬送することができる。最終ステーション(例えば、処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118b)に配置されたオブジェクト(例えば、エッジリング136)は、最終ステーションにおいて目標配向及び/又は目標位置を有することができる。オブジェクトがアライナステーション128で初期目標配向に配向された場合、最終ステーション(例えば、処理チャンバ)に配置されたとき、オブジェクトは最終的に特性誤差を有していたことになる。しかし、オブジェクトはアライナステーションで修正された目標配向(初期目標配向から特性誤差値に対応する角度調整を引いたものを含むことができる)に配向されたので、処理チャンバ内に配置されたオブジェクトは処理チャンバ内で目標配向を有することになる。
【0038】
実施形態では、FIロボット126がオブジェクト(例えば、エッジリング136)をロードロック120bに配置するとき、FIロボット126は、FIロボット126のロボットアームの教示位置を使用して、ロードロック内の第1の目標位置にオブジェクトを名目上配置する。第1の目標位置はロードロックの中心であってもよく、ロードロックの中心からオフセットした位置であってもよい。実施形態では、ロボットアームの第1のブレードの第1のポケット中心は、名目上、第1の教示位置の第1の目標位置に対応する。実施形態では、搬送チャンバロボット112がロードロック120bからオブジェクトを持ち上げるとき、搬送チャンバロボット126は、搬送チャンバロボット126のロボットアームの第2の教示位置を使用する。チャンバロボットアームのブレードの第2のポケット中心は、名目上、第2の教示位置ための第1の目標位置に対応する。
【0039】
幾つかの例では、FIロボットアームの第1の教示位置と搬送チャンバロボットアームの第2の教示位置との間にミスアライメント又はオフセットが存在する。第1のロボットアームの第1の教示位置と第2のロボットアームの第2の教示位置との間のミスアライメントを表す特性誤差値を使用して、ミスアライメントを修正することができる。例えば、FIロボット126は、特性誤差値により修正された第1の教示位置を使用してオブジェクトを配置することができる。搬送チャンバロボット112が第2の教示位置を使用してオブジェクトを持ち上げると、オブジェクトは搬送チャンバロボットアームのブレードのポケット中心に適切に配置される。代替的に、FIロボット126は第1の教示位置を使用してオブジェクトを配置することができ、これにより、ロードロック内の目標位置からオフセットした位置でオブジェクトがロードロック120b内に配置される。次に、搬送チャンバロボット112は、特性誤差値により修正された第2の教示位置を使用して、ロードロックからオブジェクトを持ち上げることができる。次に、オブジェクトは、搬送チャンバロボットアームのブレードのポケット中心に適切に配置される。ロードロックを介したオブジェクトの搬送のため、搬送チャンバロボット112対するFIロボット126の教示位置の較正は、図11図13を参照して以下でより詳細に説明される。
【0040】
図1には示されていないが、エッジリング136がキャリア又はアダプタ上に配置され、ロボットのエンドエフェクタ(即ち、ブレード)が、エッジリング136を保持するキャリア又はアダプタを持ち上げて、配置することができる間に、エッジリングを搬送することができる。これによって、ウエハの処理用に構成されたエンドエフェクタをエッジリング136の処理にも使用することが可能になる。
【0041】
図2Aは、本開示の態様による、処理チャンバにおけるエッジリング210の例示的な第1の配向及び位置216を示す。処理チャンバは、図1に示される電子処理システム100の処理チャンバ114a、114b、116a、116b、又は118a、118bの少なくとも1つに対応することができる。幾つかの実施形態では、処理チャンバは、基板処理中に基板を支持するように構成された基板支持アセンブリ212を含むことができる。エッジリング210は、基板支持アセンブリ212の周りに配置するように構成することができる。上述のように、エッジリング210は、搬送チャンバロボット(図示せず)により、基板支持アセンブリ212において第1の配向及び位置216に配置することができる。幾つかの実施形態では、第1の方向及び位置216は配向誤差220を含むことがある。配向誤差220は、エッジリングの実際の配向と目標配向との間の差(例えば、基板支持アセンブリ212のフラット部224の角度に対するエッジリング210のフラット部222の角度の間)を示すことができる。実施形態では、フラット部222はフラット部224と対応するように構成される。配向誤差220は、処理チャンバに関連する少なくとも第1の特性誤差値により引き起こされる場合がある。第1の特性誤差は、様々な原因(例えば、ロボットの角度及び/又は位置誤差、処理システムの構築中に処理チャンバが適切に設置されていないこと等)から生じる可能性がある。配向誤差220は、目標配向と実際の配向との間に形成される角度に基づいて決定することができる。一実施形態では、配向誤差はフラット部222とフラット部224との間の角度を表す。
【0042】
図2Bは、本開示の態様による、処理チャンバにおけるエッジリング210の例示的な第2の配向及び位置225を示す。幾つかの実施形態では、第2の配向225は、位置誤差(並進誤差とも呼ばれる)を含むことがある。位置誤差は、x軸に沿った第1の位置誤差228及び/又はy軸に沿った第2の位置誤差230を含むことがある。位置誤差はエッジリングの実際の位置と目標位置との差を示すことができる。第1の位置誤差228は、y方向の第2の特性誤差値により引き起こされ、第2の位置誤差230は、x方向の第3の特性誤差値に関連することがある。特性誤差は、様々な原因(例えば、ロボットの角度及び/又は位置誤差、処理システムの構築中に処理チャンバが適切に設置されていないこと等)から生じる可能性がある。
【0043】
図2Cは、本開示の態様による、処理チャンバにおけるエッジリング210の例示的な第3の配向及び位置218を示す。第3の配向及び位置218は、基板支持体の周りにエッジリングを配置するための正しい配向及び位置であってもよい。幾つかの実施形態では、処理チャンバ内の第3の配向及び位置218は、配向誤差220を含まず(即ち、フラット部222の角度とフラット部224の角度との間に差がない)、第1の位置誤差228又は第2の位置誤差230を含まない場合もある。
【0044】
幾つかの実施形態では、処理チャンバは、第1の特性誤差値、第2の特性誤差値、及び/又は第3の特性誤差値に関連する場合がある。
【0045】
幾つかの実施形態では、搬送レシピは特性誤差値の組み合わせを含むことができ、処理チャンバ内にエッジリングを配置することに関連する総特性誤差を決定するために合計することができる。特性誤差値は、例えば、処理チャンバに関連する第1の特性誤差と、電子処理システムの他の少なくとも1つのステーション(即ち、ロードロック120、ロードポート124等)に関連する第2の特性誤差を含むことができる。
【0046】
図3A及び3Bは、本開示の態様による、電子処理システムのアライナステーション310におけるエッジリング312の例示的な初期目標配向314及び例示的な修正された目標配向316を示す。上述のように、エッジリング312は、通常、アライナステーションにより初期目標配向314にアライメントされる。エッジリング312は、当初、エッジリングのコンテナ(例えば、FOUP)内への配置、コンテナの搬送、及び/又はコンテナのファクトリイインターフェースへのアタッチメントの際に生じることがある角度誤差を含むことがある。アライナステーションは、エッジリング312を初期目標配向314にアライメントすることにより、このような誤差を除去することができる。一例では、初期目標配向314は、アライナステーションからエッジリング312を持ち上げるエンドエフェクタの縦軸に垂直にアライメントされたエッジリング312のフラット部を含むことができる。
【0047】
上述のように、エッジリングをアライナステーションから最終的な処理チャンバに移動することにより、エッジリング312に幾つかの特性誤差(例えば、角度誤差)が導入される場合がある。従って、アライナステーションは、アラインメントプロセス中に、エッジリング312の配向に特性誤差の逆数を意図的に導入することができる。特性誤差により調整された初期目標配向は、修正された目標配向316に対応することができる。従って、アライメント中にエッジリングに特性誤差の逆数を導入することにより、意図的に導入された誤差が特性誤差をキャンセルするため、処理チャンバ内に最終的に配置されたエッジリングは特性誤差を持たなくなる。幾つかの実施形態では、アライナ310は、ヨー軸318に沿ってエッジリング312を回転させて、エッジリング312を修正された目標配向316に配置することができる。幾つかの実施形態では、アライナ310は、コントローラ(例えば、図1を参照して説明されたシステムコントローラ132等)に格納されたアライメントレシピに基づき、エッジリング312を修正された目標配向316に配置することができる。
【0048】
上述のように、保存された特性誤差をエッジリングのアライメント中に使用し、エッジリングに意図的に配向誤差を導入する。各々の処理チャンバは、他の処理チャンバの特性誤差とは異なる独自の特性誤差を有する場合がある。更に、各々のロードロックには固有の誤差が存在する場合がある。従って、第1のロードロックを介して第1の処理チャンバに移動するエッジリングは、第2のロードロックを介して第1の処理チャンバに移動するエッジリングとは異なる複合特性誤差を有する場合がある。各々の処理チャンバ(及び/又は各々のロードロック又は他のステーション)に関連する特性誤差値を決定するため、較正手順を実行することができる。較正手順を使用して、電子処理システムのソースステーションと最終ステーションとの間の搬送シーケンスに関連する1つ以上の特性誤差値を決定することができる。従って、較正手順は、搬送シーケンスに関与する1つ以上のステーション及び/又はロボットにより引き起こされる誤差を考慮する。
【0049】
実施形態はアライナステーションと処理チャンバとの間のオブジェクトの搬送を参照して説明されているが、電子処理システム内の任意のソースと任意の最終地との間の搬送シーケンスの較正に同じ較正技術を適用することができる。例えば、較正は、(FIロボット又は搬送チャンバロボットの)第1ロボットアームから、ロードロックを介して、(FIロボット又は搬送チャンバロボットの)第2ロボットアームへオブジェクトを搬送することに関連する任意の特性誤差を決定するために実行することができる。他の例では、FIロボットによるFOUP、SSP又はロードポートからロードロックへのオブジェクトの搬送、又はその逆方向の搬送に関連する特性誤差を決定するために、較正を実行することができる。
【0050】
図4は、本開示の態様による、ソースステーションと最終ステーションとの間でオブジェクト(例えば、エッジリング、ウエハ、又は基板)を搬送するための搬送シーケンスの較正を示す。ロードロック120bを介してアライナステーション128と処理チャンバ116a、116bとの間の搬送シーケンスを較正するための例を説明する。しかし、同じプロセスを使用して、任意のソースと最終地の間の搬送シーケンスを構成することも可能である。図4に関連する操作は、例えば、コントローラの処理ロジックにより実行することができる。
【0051】
較正オブジェクト410を、電子処理システム100の処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bにおいて、目標配向及び/又は位置に配置することができる。処理チャンバ内の目標配向は、精度の閾値程度を満たす又は超える(即ち、閾値配向誤差を超える配向誤差を含む)処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bにおける、オブジェクト(即ち、較正オブジェクト410、基板102等)の配向であってもよい。例えば、目標配向は、0.01°以内の精度、0.1°以内の精度、0.001°以内の精度、又は0.02°以内の精度であるオブジェクトの配向であってもよい。同様に、処理システム内の目標位置は、精度の閾値を満たす又は超えるオブジェクトの位置であってもよい。位置の精度の閾値は、方向の精度の閾値と同じであっても異なっていてもよい。幾つかの実施形態では、処理チャンバ内の目標配向及び/又は位置は、図2A~2Cに関して説明された目標配向及び位置218と同じであってもよい。
【0052】
幾つかの実施形態では、較正オブジェクト410は、較正リング、較正ディスク、又は較正ウエハの少なくとも1つであってもよい。幾つかの実施形態では、較正オブジェクト410は、標準エッジリング又は標準基板であってもよい。較正リングは、処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bの基板支持アセンブリの周りに適合するように構成された特別に設計されたリングであってもよく、これによって、較正リングが目標精度(例えば、0.01°の精度)以内で基板支持アセンブリにおいて目標配向及び/又は位置を有することができる。同様に、較正ウエハは、支持アセンブリ内、支持アセンブリ上、支持アセンブリの上方、又は支持アセンブリの周囲に適合するように構成された特別に設計されたウエハであってよく、これによって、較正ウエハは目標精度以内で基板支持アセンブリにおいて目標配向及び/又は位置を有することができ、又は、目標精度以内で目標配向に対するウエハの配向及び/又は位置を決定することができる。
【0053】
幾つかの実施形態では、基板支持アセンブリは、リフトピン等の1つ以上の結合コンポーネント(登録フィーチャとも呼ばれる)を含むことができる。登録フィーチャ/結合コンポーネントは、実施形態では、運的登録フィーチャである。較正オブジェクト410は、基板支持アセンブリの1つ以上の登録フィーチャと係合するように構成された1つ以上の結合レセプタクルを含むことができる。幾つかの実施形態では、1つ以上の結合レセプタクルは、動的結合インターフェースである。幾つかの実施形態では、較正オブジェクト410は、搬送チャンバロボット112により処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118b内の基板支持アセンブリに配置されてもよい。較正オブジェクト410は、基板支持アセンブリに配置されると配向誤差及び/又は位置誤差(例えば、図2A~2Bに関して説明される配向誤差220及び/又は位置誤差228、230等)を有する場合がある。較正オブジェクト410が基板支持アセンブリに配置されるのに応答して、基板支持アセンブリの1つ以上の登録フィーチャが、対応する結合レセプタクル(例えば、対応する動的結合インターフェース)と係合することができる。対応するカップリングレセプタクルと係合する各々の登録機構により、較正オブジェクト410に関連する配向誤差及び/又は位置誤差を除去することができ、較正オブジェクト410を目標配向及び/又は目標位置に配置することができる。
【0054】
本開示の実施形態に従って、較正オブジェクトの多くの異なる設計を使用することができる。実施形態におけるそのような較正オブジェクトは、電子処理システムのスリットバルブを通り抜けるサイズであり、電子処理システムのロボットアームにより搬送されるように設計された本体を含む。例えば、較正オブジェクトは、スリットバルブに適合する高さ及び幅又は直径を有することができる。例えば、300mmウエハ処理システムの場合、スリットバルブは、300mmを超える幅(例えば、300mmにクリアランスマージンを加えたもの)及び約10~50mmの高さを有することができる。従って、そのようなシステムの場合、較正オブジェクトは、一実施形態では、約300mm以下の直径及び10mm未満から50mm未満の高さを有することができる。450mmウエハ処理システムの場合、スリットバルブは、450mm超の幅、約10~50mmの高さを有すことができる。従って、そのようなシステムの場合、較正オブジェクトは、一実施形態では、約450mm以下の直径及び10mm未満から50mm未満の高さを有することができる。幾つかのウエハ処理システムは、スリットバルブを介してプロセスキットリングを交換できるように構成されている場合がある。このようなウエハ処理システムでは、スリットバルブは、直径15.25インチのプロセスキットリングを収容するのに十分な幅を有することができる(例えば、15.25インチプラスクリアランスマージン等、15.25インチを超える幅を有することができる)。本体は、ディスク状、リング状、又はその他の形状であってもよい。較正オブジェクトは、ロボットアームにより直接持ち上げられ及び配置されてもよく、キャリアとキャリアにより支持された較正オブジェクトがロボットアームにより持ち上げられ及び配置されることを可能にするようにキャリア又はアダプタ上に配置されてもよい。これにより、電子処理システム内のステーション間で、ユーザーが手動で介入することなく自動化された方法で較正オブジェクトを搬送することが可能になる。
【0055】
幾つかの実施形態では、較正オブジェクトは、較正目的で較正オブジェクトが配置されるように設計されたステーションの領域のネガである形状を有する。例えば、較正オブジェクトの底面は、基板支持アセンブリの上面のネガである形状を有することができる。実施形態における較正オブジェクトは、最初は不正確な位置及び/又は配向に配置され、その後、正しい位置及び/又は配向に自動的に調整されることを可能にするのに十分なリードインを有する。従って、較正オブジェクトの底面は、基板支持アセンブリの上面とぴったりと合致することができる。これにより、較正オブジェクトは、ステーション内の領域(例えば、処理チャンバの基板支持体)の特徴的な配向及び/又は位置を捕捉することができる。次に、その特徴的な配向及び/又は位置を較正目的で使用することができる。実施形態は、処理チャンバ内にエッジリングを配置するための基板支持体の特徴的な位置及び/又は方向を決定することに関して説明されるが、較正オブジェクトは、代替的又は追加的に、処理チャンバ内のチャック、プランジャ、カソード等の特徴的な位置及び/又は配向を決定するように構成することができる。追加的に又は代替的に、較正オブジェクトは、ロードロック、ロードポート、FOUP、SSP、又は他のステーション内の基板支持体の特徴的な位置及び/又は配向を決定するように構成することができる。
【0056】
実施形態では、較正オブジェクトは、固体焼結セラミック(例えば、Al、AlN、Y、YAl12(YAG)、ZrO、又は他のセラミック材料から構成される)から形成された本体を有する。従って、較正オブジェクトは、較正オブジェクトに損傷を与えることなく、最高400℃、最高600℃、又は最高800℃の温度で使用可能であってもよい。これにより、プロセス温度で較正オブジェクトを使用して較正を実行し、処理チャンバ内のオブジェクト(例えば、基板又はエッジリング)の目標位置及び/又は配向を決定できる。これは、室温での目標位置及び/又は配向とは異なる場合がある。従って、高いプロセス温度で使用できるように較正オブジェクトを設計することにより、較正オブジェクトを使用して実行される較正の精度を改善することができる。幾つかの実施形態では、較正オブジェクトは全体的に固体焼結セラミック材料から構成される。他の実施形態では、較正オブジェクトは、異なる材料で構成することができる他のコンポーネント(耐熱性であってもよい)を含む。例えば、較正オブジェクトは、較正オブジェクトの底面に配置された滑り止めボタン又はパッドを含むことができる。滑り止めボタン又はパッドは、ゴム、パーフルオロポリマー、又は他の材料で構成されていてもよい。滑り止めボタン又はパッドは、較正オブジェクトの底面がロボットアームのブレードと接触するポイント、及び/又は較正オブジェクトがキャリア又はアダプタと接触するポイントに配置することができる。滑り止めのボタン又はパッドは、ステーション間を移動する際に、キャリア又はブレード上の較正オブジェクトが移動するのを防止する。
【0057】
実施形態では、較正オブジェクトは、1つ以上の動的結合インターフェースを含む。動的結合インターフェースは、ステーションで登録フィーチャと係合するとき、較正オブジェクトを目標位置及び/又は配向にガイドする輪郭のある傾斜を含むことができる。幾つかの実施形態では、較正オブジェクトは、3つの動的結合インターフェースを含む。動的結合インターフェースは、実施形態において、最大0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、10mm、又はそれ以上のリードインを提供することができる。リードインは、動的結合インターフェースにより達成することができ、ステーションで登録フィーチャと係合するとき動的結合インターフェースが修正できる初期配向誤差(回転誤差)及び/又は位置誤差の量を表す。登録フィーチャは、固定(静的)登録フィーチャ又は可動(動的)登録フィーチャであってもよい。固定登録フィーチャの例は基板支持アセンブリの外周上の領域であり、この領域ではマシンの公差が厳しくなっている。固定登録フィーチャの他の例は、一連の固定ピン(例えば、3本のピン又はウエハセンタリングコーン)である。固定ピンの例では、動的アライメントインターフェースは、固定ピンと一列に並んだ較正オブジェクトの外周にある一組の傾斜したスロット(例えば、3つのスロット)であってもよい。幾つかの実施形態では、動的結合インターフェースは、SemiE57-0616に準拠する。
【0058】
実施形態では、較正オブジェクトは基準点を含む。基準点は較正オブジェクトの側部に配置され、較正オブジェクトの外側領域(例えば、周囲又はその近く)又は較正オブジェクトの中心の近くにあってもよい。基準点は、較正オブジェクトの配向を決定するために使用可能なノッチ、溝、突起、フラット部、又は他のフィーチャであってもよい。
【0059】
図5Aは、本開示の態様による、例示的な較正オブジェクト500を示す。図示のように、一実施形態において、較正オブジェクトはディスク形状の本体502を有する。代替的に、較正オブジェクトの本体は他の形状(例えば、リング形状等)を有することができる。ディスク形状の本体502は、本体502内に複数の動的結合インターフェース505a、505b、505cを含む。複数の動的結合インターフェース505a~cは(例えば、処理チャンバの)電子処理システムの第1のステーションの複数の登録フィーチャ(例えば、リフトピン等)と係合し、較正オブジェクトを第1のステーションの目標位置及び目標配向にガイドするよう構成されている。追加的に、本体502は本体の側部(例えば、本体502の外周上の位置)に配置された基準点510を含む。基準点は較正オブジェクト500の配向の決定に使用可能である。リフトピンを、動的結合インターフェース505a~505cと係合するためにリフトすることができる。動的結合インターフェース505a~505cとリフトピンとのそのような係合により、較正オブジェクト500の位置及び/又は配向を目標の位置及び/又は配向に変化させる。
【0060】
図5Bは、本開示の態様による、例示的な較正オブジェクト520を示す。図示のように、一実施形態における較正オブジェクト520はリング形状の本体522を有する。代替的に、較正オブジェクトの本体は他の形状(例えば、ディスク形状等)を有することができる。リング形状の本体522は、本体522内に複数の動的結合インターフェース525a、525b、525cを含む。一実施形態では、複数の動的結合インターフェース525a~525cは、本体522の底部からリングに沿った位置で延びる脚部である。複数の動的結合インターフェース525a~525cは、(例えば、処理チャンバの)電子処理システムの第1のステーションの複数の登録フィーチャの各々と係合し、較正オブジェクトを第1ステーションの目標位置と目標配向にガイドするように構成されている。複数の登録フィーチャの1つは、基板支持体の外周上の位置におけるフラット部であってもよい。
【0061】
一実施形態では、動的結合インターフェース525a~525cの各々は、ステーションの基板支持アセンブリのリップと嵌合するように構成された湾曲又は面取りされた底部を含む。実施形態では、動的結合インターフェース525a~525cは、基板支持アセンブリの外周に3点ロッキングを提供する3つの動的結合インターフェースを含む。較正オブジェクト520がステーションの基板支持アセンブリ上に降ろされると、動的結合インターフェース525a~525cは登録フィーチャと係合し、較正オブジェクト520の位置及び/又は配向を目標位置及び/又は目標配向に変化させる。次に、基板支持アセンブリ内のリフトピンを使用して、較正オブジェクト520の位置及び/又は方向を乱すことなく、較正オブジェクト520を基板支持アセンブリからリフトすることができる。
【0062】
追加的に、較正オブジェクトの本体522は、本体の側部に(例えば、リング形状の本体522の内側領域上の位置に)配置された基準点530を更に含む。基準点は較正オブジェクト520の配向を決定するために使用することができる。実施形態では、較正オブジェクト520は、リング状本体522上の複数の位置に接続する1つ以上のビーム533を含む支持構造531を含む。更に、支持構造531は、リング形状の本体522の中心又はその近傍に、ビーム533に接続された平坦オブジェクト532(例えば、図示のディスク)を含む。支持構造531はロボットアームのブレード及び/又はプロセス キットリングのキャリア又はアダプタとインターフェースするように構成することができる。
【0063】
図5C~5Dは、本開示の態様による、ステーションの基板支持体580上の較正オブジェクト540の一例を示す。図5Cは完全な較正オブジェクト540を示す。図5Dは較正オブジェクト540の半分を示し、較正オブジェクト540は、図5Dの較正オブジェクト540の中心を通る線に沿って切断されている。較正オブジェクト540はディスク形状のセラミック本体542を含む。セラミック本体542は、本体の左側に左側切欠き部554aを含み、本体542の右側に右側切欠き部554bを含む。左側切欠き部554a及び右側切欠き部554bは、互いの鏡像である(即ち、これらは本体542の中心を通る線に関して線対称である)。一実施形態では、左側切欠き部554a及び右側切欠き部554bは較正オブジェクトの配向を検出するために使用可能である。この検出は、左側切欠き部がローカルセンタファインダにより検出される較正オブジェクトを保持するロボットアームの第1の位置と、右側切欠き部がローカルセンタファインダにより検出される較正オブジェクトを保持するロボットアームの第2の位置との差に基づく。
【0064】
一実施形態では、較正オブジェクト540は、本体の外周からオフセットされた本体内の複数のアーク形状の切欠き部555を含む。アーク形状の切欠き部555は、左側切欠き部554a及び右側切欠き部554bを含んでいてもよい。一実施形態では、アーク形状の切欠き部の各々の少なくとも1つの側部の第1のマシン公差は、本体542の外周の第2のマシン公差よりも大きい。例えば、本体542の周囲に最も近いアーク形状の切欠き部の側部は厳格なマシン公差を有する可能性があり、アライナステーションの使用により、較正オブジェクト540の外側ではなく、較正オブジェクトの振れ及び/又は配向を決定することができる。代替的に、較正オブジェクト540の外周は厳格なマシン公差を有する可能性があり、アライナステーションの使用により較正オブジェクトの配向及び/又はランアウトを決定することができる。
【0065】
一実施形態では、本体542は、本体542内に第1の複数の動的結合インターフェース560と、第2の複数の動的結合インターフェース562とを含む。第1の複数の動的結合インターフェース560は、電子処理システムのステーションの第1の複数の登録フィーチャの各々と係合し、較正オブジェクトをステーションの中間位置及び/又は中間方向にガイドするように構成されている。第2の複数の動的結合インターフェースは、ステーションの第2の複数の登録フィーチャの各々と係合するように構成される。図示のように、第1の複数の動的結合インターフェース560は本体542の底面の複数の凹部であり、第2の複数の動的結合インターフェース562は、本体の外周に近接する複数の領域を含む。特に、第2の複数の動的結合インターフェース562は、本体542の周囲に最も近いアーク形状の切欠き部555の側部の領域である。第1の複数の動的結合インターフェースは第1の導入部を有し、第2の複数の動的結合インターフェースは第1の導入部よりも小さい第2の導入部を有する。第1の複数の動的結合インターフェースは、第1の複数の動的登録フィーチャと係合し、第2の複数の動的結合インターフェースを第2の複数の動的登録フィーチャ上にガイドし(及び配向誤差及び/又は位置誤差を部分的に補正する)ように構成される。次に、第2の複数の動的結合インターフェースを第2の複数の登録フィーチャと結合することにより、較正オブジェクトを最終的な目標配向及び/又は目標位置にガイドする。
【0066】
図5E~5Fは、本開示の態様による、例示的な較正オブジェクト540のステーションでの基板支持体580(例えば、基板支持体のカソード)上への配置を示す。図5Eでは、ウエハリフトピン582が伸ばされ、較正オブジェクト540の第1の複数の動的結合インターフェース560と係合して、較正オブジェクト540の配向及び/又は位置を部分的に修正する。図5Fでは、ウエハリフトピン582が下降し、第2の複数の動的結合インターフェース562が基板支持体580のリップの外周と係合し、ステーションにおける較正オブジェクトの配向及び/又は位置の修正を完了する。2組の動的結合インターフェース及び対応する登録フィーチャを使用して、較正オブジェクトにより達成できる配向誤差及び/又は位置誤差の補正量を増加させる。一実施形態では、動的結合インターフェース560は全体的な誤差を補正することができ、動的結合インターフェース562は細かい誤差を補正することができる。
【0067】
図5Gは、本開示の態様による、図5A図5Bのステーションからの例示的な較正オブジェクト540の除去を示す。別個のセットのリフトピン(例えば、エッジリングリフトピン584)を使用して、較正オブジェクトの配向又はx-y位置を乱すことなく、カソード580から較正オブジェクト540をリフトし、ロボットアームのブレードによりこれを回収することが可能になる。
【0068】
図4に戻ると、較正オブジェクト410が処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bで目標配向及び/又は目標位置に配置された後、較正オブジェクト410は、搬送チャンバロボット112により処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bから取り出され、搬送チャンバ110に結合したロードロック120に配置されることができる。ファクトリインターフェースロボット126は、較正オブジェクト410をロードロック120から取り出し、較正オブジェクト410をアライナステーション128に配置することができる。較正オブジェクト410を、第1の配向及び/又は第1の位置でアライナステーション128に配置することができる。第1の配向は処理チャンバに関連する第1の特性誤差を含む場合がある。選択的に、第1の位置は1つ以上の追加の特性誤差(例えば、x位置特性誤差及び/又はy位置特性誤差)を含む場合がある。例えば、第1の配向は、アライナステーション128で初期目標配向にアライメントされ、その後処理チャンバに移動されたエッジリングで導入される特性誤差の逆数を含むことができる。
【0069】
較正オブジェクト410がアライナステーション128に配置されたことに応答して、アライナステーション128における較正オブジェクト410の第1の配向を決定することができる。更に、幾つかの実装形態では、アライナステーションにおける初期配向と初期目標配向との差が決定される。アライナにおける初期目標配向は、オブジェクト(即ち、較正オブジェクト410、基板102)の配向であり、オブジェクトがアライナステーション128から処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118aに搬送されたことに応答して、オブジェクトは処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118aに受領されると、名目上、目標配向で配置されることになる。しかし、特性誤差により、アライナステーションで初期目標配向に配向されたオブジェクトは、処理チャンバで目標配向を有さず、代わりに特性誤差を有する原因となる。
【0070】
第1の配向、及び/又は第1の配向と初期目標配向との間の差は、処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bに関連する第1の特性誤差値(又は処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bに関連する特性誤差値の逆数)を示す場合がある。特性誤差値は、ソースステーション(例えば、アライナステーション)と最終ステーション(例えば、処理チャンバ)との間の特定の搬送シーケンスに関連する可能性がある。特性誤差値は、ソースステーションから最終ステーション(例えば、処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bへの)へのオブジェクトの移動に関連する特性配向誤差を定量化することができる。特性誤差値は、記憶媒体(即ち、システムコントローラ132のデータ記憶装置)に記録することができる。幾つかの実施形態では、上述のように、特性誤差値は記憶媒体から取り出され、システムコントローラ132により使用され、特性誤差値が関連する最終ステーション(例えば、処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118b)に配置されるオブジェクトのアライメントを行うことができる。
【0071】
上述のように、1つの共通の最終ステーションは処理チャンバである。しかし、実施形態では、最終ステーションは処理チャンバに限定されない。処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bに関連する特性誤差値を決定することに加えて、電子処理システム1つ以上の他のステーション(即ち、ロードロック120、ロードポート124等)に関連する特性誤差を決定することができる。例えば、較正オブジェクト410は、アライナステーション128で目標配向にアライメントされ、ファクトリインターフェースロボット126により取り出され、アライナステーションで第2の配向で配置されることができる。較正オブジェクトは、較正オブジェクトの本体上で形状及び位置を有し、ロードロックの登録フィーチャとインターフェースする複数の動的結合インターフェースを含むことができる。例えば、ロードロックは多くの場合ウエハリフトピンを含む。実施形態における較正オブジェクトは、電子処理システムのロードロック内のウエハリフトピンと係合する動的結合インターフェースを含む。
【0072】
第2の配向を決定することができる。更に、第2の配向と初期目標配向との差を決定することができる。第2の配向及び/又は差は、ロードロック120の第1の特性誤差値により生じる配向誤差を示すことができる。ロードロックに関連する特性誤差値は記憶媒体に記録することができる。幾つかの実施形態では、上述の特性誤差値及びロードロックの特性誤差値を記憶媒体から取り出し、ロードロック120に配置され、続いて処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bに配置されるオブジェクトのアライメントのためにシステムコントローラ132により使用することができる。ロードポート124、SSP及び/又はカセット(例えば、FOUP)に関連する特性誤差値を決定するために、同じ(及び/又は同様の)プロセスを実行することができる。幾つかの実施形態では、エッジリングを処理チャンバに搬送するために単一のロードロックが使用される。従って、このような実施形態では、処理チャンバに関連する特性誤差値は単一のロードロックにより引き起こされる任意の特性誤差値も含むことができる。
【0073】
幾つかの実施形態では、複数の異なるタイプのステーションの較正のために(例えば、特定のタイプの最終ステーションへのウエハ搬送シーケンスの較正のために)単一の較正オブジェクトが構成される。例えば、ロードロックと処理チャンバの両方の較正のために単一の較正オブジェクトを構成することができる。較正オブジェクトは、ロードロックの登録フィーチャと係合するための第1の動的結合インターフェースと、処理チャンバの登録フィーチャと係合するための第2の動的結合インターフェースとを含むことができる。一実施形態では、較正オブジェクトは、第1のタイプの最終ステーション(例えば、ロードロック)に配置するために第1の配向にアライメントすることができ、第2のタイプの最終ステーション(例えば、処理チャンバ)に配置するために第2の配向にアライメントすることができる。幾つかの実施形態では、異なるタイプのステーションの較正のために(例えば、異なるタイプの最終ステーションへのウエハ搬送シーケンスの較正のために)、異なる較正オブジェクトが使用される。
【0074】
ソースステーションと最終ステーションとの間のウエハ搬送シーケンスを較正した後、アライナステーション128でアライメントされたオブジェクト(例えば、エッジリング)は、最初にソースステーションで修正された目標アライメントを有し、最終ステーション(例えば、処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118b)に搬送され、処理チャンバにおいて高い精度で目標配向を有することができる。幾つかの実施形態では、オブジェクトはプロセスキットリングであってもよい。プロセスキットリングは、ファクトリインターフェースロボット126により、基板キャリア122(例えば、FOUP)又はSSP等の保管場所から取り出すことができる。プロセスキットリングは、ファクトリインターフェースロボット126によりアライナステーション128に配置することができる。幾つかの実施形態では、(例えば、特定の搬送シーケンス又はレシピに従って)、プロセスキットリングを特定の処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bに配置することが決定されてもよい。例えば、プロセスキットリングを処理チャンバ116bに配置することを決定することができる。追加の実施形態では、プロセスキットリングが、処理チャンバ116bに配置される前に、特定のロードロック120bに配置することを決定することができる。プロセスキットリングが処理チャンバ116b及びオプションで特定のロードロック120bに配置されるべきであるという決定に応答して、処理チャンバ116bに関連する第1の特性誤差値及び/又はロードロック120bに関連する第2の特性誤差値を記憶媒体から検索することができる。プロセスキットリングを、少なくとも第1の特性誤差値(及びオプションで第2の特性誤差値)を使用して、修正された目標配向にアライメントすることができる。更に、処理チャンバ及び/又はロードロックに関連する追加的な特性誤差値も使用することができる(例えば、位置誤差の補正に関連する特性誤差値)。修正された目標配向は、少なくとも第1の特性誤差値及び/又は第2の特性誤差値により調整された初期目標配向に基づくことができる。追加的又は代替的に、修正された目標位置は、位置誤差に関連する少なくとも1つ以上の追加の特性誤差値により調整された初期目標位置に基づくことができる。プロセスキットリングが修正された目標配向及び/又は目標位置にアライメントされたことに応答して、プロセスキットリングをファクトリインターフェースロボット126によりアライナステーション128から取り出し、ロードロック120bに配置することができる。幾つかの実施形態では、配向誤差を修正するため、エッジリングはアライナステーションにより調整された初期目標位置に配向され、また、位置誤差を修正するために、ロボットがFIロボットにより持ち上げられ、FIのブレードのポケット中心に対して中心がずらされる。次に、搬送チャンバロボット112により、プロセスキットリングをロードロック120bから取り出し、処理チャンバ116bに配置することができる。幾つかの実施形態では、プロセスキットリングを、約0.2°~0.0000001°の精度の目標配向で、及び/又は約0.1°~0.01°の精度の目標位置で処理チャンバ116bに配置することができる。幾つかの実施形態では、プロセスキットリングを、約0.001°~0.00001°の精度範囲の目標配向で処理チャンバ116bに配置することができる。
【0075】
幾つかの実施形態では、上記の実施形態に従って、処理チャンバ114a、114b、116a、116b、118a、118bの各々について、1つ以上の別個の特性誤差値を決定することができる。例えば、第1の特性誤差値は処理チャンバ116bに関連付けることができ、第2の特性誤差値は処理チャンバ116aに関連付けることができ、第3の特性誤差値は処理チャンバ114aに関連付けることができる等である。
【0076】
図4は、ソースステーションと最終ステーションの間の搬送シーケンスの較正に関連して説明された。特に、実施形態は、搬送シーケンスを較正して、最終ステーションに関連する固有の目標位置及び/又は配向に対応することに関して説明された。他の実施形態では、ロードロック(例えば、ロードロック120a)を介したFIロボット126と搬送チャンバロボット112との間の搬送シーケンスを較正することができる。そのような較正は、搬送チャンバロボット112又はFIロボット126の第1のロボットアームにより、搬送チャンバ110からファクトリインターフェース106を分離するロードロック120a内に較正オブジェクト412を配置することにより実行することができる。オブジェクトがロードロック内に配置され、較正オブジェクトの中心は第1のロボットアームの第1の教示位置に関連する第1の目標位置にある。第1ロボットアームの第1ブレードの第1ポケット中心は、名目上、第1教示位置の第1目標位置に対応する。FIロボット126又は搬送チャンバロボット112の第2のロボットアームは、第2のロボットアームの第2の教示位置を使用して、ロードロック120aから第2のロボットアームの第2のブレード上に較正オブジェクトを取り出す。第2のブレードの第2のポケット中心は、名目上、第2の教示位置の第1の目標位置に対応する。しかし、較正オブジェクトの中心は、較正オブジェクトを取り出した後、第1のオフセット量だけ第2のポケット中心からオフセットする場合がある。
【0077】
一実施形態では、第1のロボットアームはFIロボット126のロボットアームであり、第2のロボットアームは搬送チャンバロボット112のロボットアームである。他の実施形態では、第1のロボットアームは搬送チャンバロボット112のロボットアームであり、第2のロボットアームはFIロボット126のロボットアームである。
【0078】
a)第2のロボットアームがFIロボット上にある場合はファクトリインターフェース、又はb)第2のロボットアームが搬送チャンバロボット112上にある場合は搬送チャンバ内にある、又は接続されているセンサを使用して、較正オブジェクト中心と第2のポケット中心との間の第1のオフセット量を決定することができる。第2のロボットアームがFIロボット126上にある場合、FIロボット126は較正オブジェクト412をアライナステーション128に配置する。次に、アライナステーション128は、アライナステーションの基板サポート上に配置された較正オブジェクトのランアウトを決定することができ、ランアウトからオフセットを決定できる。オフセットは、y方向の第1のオフセット及び/又はx方向の第2のオフセットを含む場合がある。幾つかの実施形態では、追加のLCF(図示せず)が、ロードロック120a、120bとFI106との間のインターフェースに配置される。このような実施形態では、これらのLCFを使用して、アライナステーション128を使用せずにオフセットを決定することができる。第2のロボットアームが搬送チャンバロボット112上にある場合、ロードロック120aに関連するLCF152を使用してオフセットを決定する。次に、システムコントローラ132は、第1のオフセット量に基づいて、第1のロボットアームの第1の教示位置と第2のロボットアームの第2の教示位置との間のミスアライメントを表す第1の特性誤差値を決定する。第1の特性誤差値は一対の特性誤差値を含み、一方の特性誤差値はx方向のオフセットに関連し、他の特性誤差値はy方向のオフセットに関連する。次に、システムコントローラ132は、記憶媒体に第1の特性誤差値を記録する。次に、第1のロボットアーム又は第2のロボットアームの一方が、第1の特性誤差値を使用して、ロードロック120aを介して第1のロボットアームと第2のロボットアームとの間で搬送されたオブジェクト(例えば、基板、エッジリング等)のミスアライメントを補償する。例えば、FIロボット126は、オブジェクトをロードロック120a内に配置するときに、特性誤差値の負の値により第1の教示位置を調整することができる。次に、搬送チャンバロボット112は、修正なしで、第2教示位置を使用してオブジェクトを持ち上げることができる。代替的に、FIロボットは、第1の教示位置を使用してロードロック120a内にオブジェクトを配置することができる。次に、搬送チャンバロボット112は、特性誤差値により修正された第2の教示位置を使用して、ロードロック120aからオブジェクトを持ち上げることができる。いずれの場合も、持ち上げられたオブジェクトは搬送チャンバロボットアームのブレード上で特異的誤差を有しない。
【0079】
図6~13は、電子処理システムのコンポーネント及び/又は搬送シーケンスを較正するための、及び/又は較正から決定された特性誤差値を使用して、電子処理システムのコンポーネント間でオブジェクトを搬送するための方法600~1300の様々な実施形態のフロー図である。これらの方法は、ハードウェア(回路、専用ロジック等)、ソフトウェア(例えば、汎用コンピュータシステム又は専用マシンで実行されるもの)、ファームウェア、又はそれらの組み合わせの幾つかを含む処理ロジックにより実行される。方法600~1300の幾つかのオペレーションは、図1のシステムコントローラ132等のコンピューティングデバイスにより実行又は開始することができる。
【0080】
説明を簡略化のため、これらの方法は一連のオペレーションとして描写され、説明される。しかし、本開示による行為は、様々な順序で及び/又は同時に、及び本明細書に提示及び説明されていない他の行為と共に生じる場合がある。更に、開示された主題による方法を実施するために、図示された行為の全てが実行されるわけではない。更に、当業者は、方法が、状態図又はイベントを介して一連の相互に関連する状態として代替的に表すことができることを理解し、認識するであろう。
【0081】
図6は、本開示の実施形態による、電子処理システムのソースステーションと最終ステーションとの間の搬送シーケンスを較正するための方法600のフロー図である。ブロック610で、搬送チャンバに接続された第1のステーション(例えば、処理チャンバ)から、搬送チャンバの第1のロボットアームにより較正オブジェクトが取り出される。較正オブジェクトは、ロボットアームにより処理チャンバ内に配置された可能性があり、処理チャンバ内で目標配向及び/又は位置を有する可能性がある。幾つかの実施形態では、較正オブジェクトは、較正リング、較正ウエハ、又は較正ディスクの少なくとも1つであってもよい。ブロック620で、較正オブジェクトは、第1のロボットアームにより、搬送チャンバに接続されたロードロックに配置される。ブロック630で、ロードロックに接続されたファクトリインターフェースの第2のロボットアームにより、較正オブジェクトがロードロックから取り出される。
【0082】
ブロック640で、第2のロボットアームにより、ファクトリインターフェースに収容又は接続されたアライナステーションに第1の配向及び/又は位置で較正オブジェクトが配置される。ブロック650で、アライナステーションでの第1の配向が決定される。更に、アライナステーションでの第1の配向とアライナステーションでの初期目標配向との差が決定される。第1の位置と初期目標位置との間の差も決定することができる。ブロック660で、処理チャンバに関連する1つ以上の特性誤差値が決定される。ブロック670で、1つ以上の特性誤差値が記憶媒体に記録される。処理チャンバに配置されるオブジェクトがアライナステーションで受領されたことに応答して、記憶媒体から特性誤差値を受け取ることができる。アライナステーション及び/又はFIロボットは、特性誤差値に基づいて目標配向に位置決めされるようにオブジェクトを移動することができる。
【0083】
図7Aは、本開示の実施形態による、ソースステーションと最終ステーションの間の搬送シーケンスに関連する1つ以上の決定された特性誤差値に基づいて、オブジェクト(例えば、プロセスキットリング等)を最終ステーションで目標配向及び/又は目標位置に配置するための方法700のフロー図である。方法700は、較正方法600が実行された後に実行することができる。ブロック710において、システムコントローラは、第2のロボットアーム(図6で紹介した)に、第2のステーションからオブジェクト(例えば、エッジリング、カバーウエハ、基板等)を取り出させる。第2のステーションはSSP又はカセット(例えば、FOUP等)であってもよい。ブロック715で、システムコントローラは、第2のロボットアームにオブジェクトをアライナステーションに配置させる。ブロック720で、システムコントローラは、オブジェクトを第1のステーション(例えば、処理チャンバ)に配置することを決定する。
【0084】
ブロック725で、システムコントローラは、アライナステーションに、第1の特性誤差値を使用し及びオプションで1つ以上の追加の特性誤差値を使用して、オブジェクトをアライメントさせる。アライナステーションは、第1の特性誤差値により調整された初期目標配向に基づく修正された目標配向、及び/又は1つ以上の追加的な特性誤差値により調整された初期目標位置に基づく修正された目標位置にオブジェクトをアライメントすることができる。ブロック730で、システムコントローラは、第2のロボットアームにアライナステーションからオブジェクトを取り出させる。幾つかの実施形態では、アライメントされたオブジェクトの回収中に、1つ以上の追加の特性誤差値を使用して、第2のロボットアームのブレードの位置決めを調整する。例えば、実施形態では、アライナステーションはオブジェクトのx又はy位置を調整することができない場合がある。しかし、第2のロボットアームはオブジェクトを持ち上げ、オブジェクトを第2のロボットアームのブレードのポケットから中心をずらすことができる。1つ以上の追加の特性誤差値を使用して、オブジェクトをx及び/又はy方向に中心からどれだけ離すかを決定することができる。
【0085】
ブロック735で、システムコントローラは、第2のロボットアームに、較正中に使用されたロードロックにオブジェクトを配置させる。ブロック740で、システムコントローラは、第1のロボットアーム(図6で紹介した)にロードロックからオブジェクトを取り出させる。ブロック745で、システムコントローラは、第1のロボットアームにオブジェクトを第1のステーション(例えば、処理チャンバ)に配置させる。第1のステーションに配置されたオブジェクトは、第1のステーションにおける目標配向及び/又は目標位置を有する(又はほぼ有する)。
【0086】
図7Bは、本開示の実施形態による、処理チャンバに関連して決定された特性誤差値に基づいて、オブジェクト(例えば、プロセスキットリング等)を処理チャンバの目標配向に配置する方法748を示す。ブロック750で、第1のロボットアーム、第2のロボットアーム、及びアライナステーションにオペレーション可能に結合されたコントローラは、第2のロボットアームに保管場所から第1のプロセスキットリングを持ち上げさせ、第1のプロセスキットリングをアライナステーションに配置させる。ブロック755で、第1のプロセスキットリングが複数の処理チャンバの第1の処理チャンバ内に配置されることを決定することができる。
【0087】
ブロック760で、コントローラは、第1の特性誤差値を使用して、アライナステーションで第1のプロセスキットをアライメントする。上述の実施形態によれば、第1の特性誤差値は、第1の処理チャンバに関連したものであってもよい。アライナステーションは、第1のプロセスキットリングを、第1の特性誤差値により調整された初期目標配向に基づく修正された目標配向にアライメントすることができる。
【0088】
ブロック765で、コントローラは、第2のロボットアームにアライナステーションから第1のプロセスキットリングを持ち上げさせ、第1のプロセスキットリングをロードロックに配置させる。ブロック770で、コントローラは、第1のロボットアームにロードロックから第1のプロセスキットリングを持ち上げさせ、第1のプロセスキットリングを第1の処理チャンバに配置させる。第1のプロセスキットリングを、第1の処理チャンバ内の目標配向で(又はほぼその配向で)第1の処理チャンバ内に配置することができる。例えば、プロセスキットリングは、プラスマイナス0.2°程度から0.01°程度の誤差で目標配向に配置することができる。
【0089】
図8は、本開示の実施形態による、電子処理システムのソースステーションと最終ステーションとの間の搬送シーケンスを較正する方法800のフロー図である。方法800は方法600と同様である。しかし、方法800では、ソースステーションと最終ステーションの両方がFI又は搬送チャンバに取り付けられ、又はそこからアクセス可能であるか、又は1つのステーションがFIに取り付けられているか及び/又はFIからアクセス可能であり、他のステーションが搬送チャンバに取り付けられているか及び/又は搬送チャンバからアクセス可能であってもよい点が異なる。方法800のブロック810において、システムコントローラは、第1ロボットアームに、較正オブジェクトを第1ステーションで目標配向及び/又は目標位置に配置させる。較正オブジェクトは、上述の較正オブジェクトのいずれであってもよい。較正オブジェクトを第1のステーション上に配置する行為により、較正オブジェクトを目標配向及び/又は目標位置にアライメント及び配置することが可能になる。ブロック820で、システムコントローラは、第1のロボットアームに、較正オブジェクトを第1のステーションに配置する間に達成された配向及び/又は位置を乱すことなく、第1のステーションから較正オブジェクトを取り出させる。
【0090】
ブロック830で、システムコントローラは、較正オブジェクトをアライナステーションに搬送させる。初期ステーションがFIにある、又はFIに接続されている場合、第1のロボットアームは、FIに接続されている、又はFI 内にあるアライナステーションに較正オブジェクトを配置する。第1のステーションが搬送チャンバにあるか、又は搬送チャンバに接続されている場合、第1のロボットアームは較正オブジェクトをロードロックに配置し、FI内の第2のロボットアームはロードロックから較正オブジェクトを取り出し、第2のロボットアームは較正オブジェクトをアライナステーションに配置する。
【0091】
ブロック840で、システムコントローラは、アライナステーションを使用して、アライナステーションでの第1の配向を決定する。更に、システムコントローラは、アライナステーションを使用して、アライナステーションでの第1の配向とアライナステーションでの初期目標配向との間の差を決定することができる。アライナステーションでの初期目標配向は、第1のステーションでの目標配向に関連する。追加的又は代替的に、システムコントローラは、アライナステーションでの第1の位置とアライナステーションでの初期目標位置との間の差を決定する。アライナステーションでの初期目標位置は、第1のステーションでの目標位置に関連する。
【0092】
ブロック850で、システムコントローラは、第1の配向に基づいて、第1のステーションに関連する第1の特性誤差値を決定する。幾つかの実施形態では、第1の特性誤差値は、第1の配向と初期目標配向との間の差に基づいて決定される。追加的又は代替的に、システムコントローラは、第1の位置と初期目標位置との差に基づいて、第1のステーションに関連する1つ以上の追加の特性誤差値(例えば、x方向の特性誤差値及びy方向の特性誤差値)を決定する。ブロック860で、システムコントローラは、第1の特性誤差値及び/又は1つ以上の追加の特性誤差値を記憶媒体に記録する。
【0093】
図9は、本開示の実施形態による、ソースステーションと最終ステーションとの間の搬送シーケンスに関連する1つ以上の決定された特性誤差値に基づいて、オブジェクトを最終ステーションで目標配向及び/又は目標位置に配置するための方法900のフロー図である。方法900は、較正方法800が実行された後に実行することができる。ブロック910で、システムコントローラは、第1のロボットアーム(図8で紹介した)に第2のステーションからオブジェクト(例えば、エッジリング、カバーウエハ、基板等)を取り出させる。第2のステーションはカセット(例えば、FOUP等)であってもよい。ブロック920で、システムコントローラは、第1のロボットアームにオブジェクトをアライナステーションに配置させる。ブロック925で、システムコントローラは、オブジェクトを第1のステーション(例えば、処理チャンバ)に配置することを決定する。第1のステーション(図8で紹介)は、FOUP、SSP、ロードロック、又はFI内又はFIに取り付けられた他のステーションであってもよい。
【0094】
ブロック930で、システムコントローラは、第1の特性誤差値を使用し、追加的に1つ以上の追加の特性誤差値を使用して、アライナステーションにオブジェクトをアライメントさせる。アライナステーションは、第1の特性誤差値により調整された初期目標配向に基づく修正された目標配向、及び/又は1つ以上の追加的な特性誤差値により調整された初期目標位置に基づく修正された目標位置にオブジェクトをアライメントすることができる。ブロック940で、システムコントローラは、第2のロボットアームにオブジェクトをアライナステーションから取り出させる。幾つかの実施形態では、1つ以上の追加の特性誤差値を使用して、アライメントされたオブジェクトを取り出す際に、第2のロボットアームのブレードの位置決めを調整する。例えば、実施形態では、アライナステーションはオブジェクトのx又はy位置を調整することができない場合がある。しかし、第2のロボットアームはオブジェクトを持ち上げ、オブジェクトを第2のロボットアームのブレードのポケット中心からずらすことができる。1つ以上の追加の特性誤差値を使用して、オブジェクトをx及び/又はy方向に中心からどれだけ離すかを決定することができる。
【0095】
ブロック950で、システムコントローラは、第1のロボットアームにオブジェクトを第1のステーションに配置させる。第1のステーションに配置されたオブジェクトは、第1のステーションにおける目標配向及び/又は目標位置を有する(又はほぼ有する)。
【0096】
図10は、本開示の実施形態による、電子処理システムのアライナステーションと第2のステーションとの間の搬送シーケンスの精度を決定する方法1000のフロー図である。方法1000は、ブロック1010において、方法600又は方法800のオペレーションを複数回繰り返すことを含むことができる。方法600又は方法800を実行する反復ごとに、僅かに異なる結果が得られる場合がある。例えば、第1の特性誤差値及び/又は1つ以上の追加の特性誤差値は、反復ごとに僅かに異なる場合がある。実行ごとの特性誤差値のこれらの違いは、較正された搬送シーケンスの再現性及び/又は精度を示す可能性がある。ブロック1020で、システムコントローラは、計算された特性誤差値の標準偏差を決定する。例えば、第1の特性誤差値(配向又はヨー誤差に関連する)の標準偏差を計算することができ、第2の特性誤差値(x位置誤差に関連する)の標準偏差を計算し、及び/又は第3の特性誤差値(z位置誤差に関連する)の標準偏差を計算することができる。ブロック1025で、標準偏差に基づいて、搬送シーケンスの精度又は再現性を決定することができる。
【0097】
図11は、本開示の実施形態による、搬送シーケンスが較正から外れているかどうかを決定する方法1100のフロー図である。搬送シーケンスを較正することができ、搬送シーケンスで達成される実際の位置及び/又は配向は、そのような較正の後、時間の経過とともにゆっくりとドリフトする可能性がある。これは、例えば、1つ以上のロボットの摩耗が原因である場合がある。追加的又は代替的に、例えば、処理チャンバが振動した場合、又は処理チャンバ又はロボットに対してメンテナンスが実行された場合、突然のシフトが発生する可能性がある。このようなリフト及び/又は急激な変化を検出するために、較正操作を定期的に実行することができる。
【0098】
方法1100のブロック1110で、方法600又は方法800のオペレーションが複数回実行される。方法600又は方法800のオペレーションは、搬送シーケンスを較正するために最初に実行することができる。続いて、方法600又は方法800のオペレーションを再度1回又は複数回実行して、以前に実行した較正が依然として正確であることを検証することができる。
【0099】
ブロック1115で、システムコントローラは、較正手順が実行された2回以上の間の特性誤差値を比較する。システムコントローラは、特性誤差値の異なる計算の間に差があるかどうかを決定する。例えば、システムコントローラは、最初に計算された特性誤差値と新たに計算された特性誤差値との間に差があるかどうかを決定することができる。較正プロセスが3回以上実行されている場合は、複数の比較が行われる場合がある。システムコントローラは、そのような比較に基づいて、計算された特性誤差値のドリフト又は特性誤差値の突然の変化を決定することができる。差が決定され、その差が差の閾値を超える場合、方法はブロック1120に進み、システムコントローラはシステムが変化したこと(例えば、ドリフト又は突然の変化により)、及び元の結果の搬送シーケンスが較正不能であることを決定する。較正手順の最新の実行の新しい結果を使用して、元の特性誤差値に上書きすることができる。差がない場合又は特性誤差値の間に決定された差が閾値を下回る場合、方法はブロック1125に進み、システムコントローラは搬送シーケンスが今だ較正可能であると決定する。
【0100】
図12は、本開示の実施形態による、ロードロックを介してオブジェクトを互いに搬送する2つのロボットアームの教示位置を較正する方法1200のフロー図である。方法1200のブロック1210で、システムコントローラは、ファクトリインターフェース又は搬送チャンバの1つにある第1のロボットアームに、較正オブジェクトをロードロックに配置させる。較正オブジェクトは標準基板であってもよく、本明細書で論じた他の較正オブジェクトであってもよい。ブロック1220で、システムコントローラは、ファクトリインターフェース又は搬送チャンバの1つにある第2のロボットアームにロードロックから較正オブジェクトを取り出させる。ブロック1225で、システムコントローラは、センサ(例えば、LCF又はアライナステーション)を使用して、第1のロボットアームの第1の教示位置と第2のロボットアームの第2の教示位置との間の第1のオフセット量を決定する。これらの2つの教示誤差は一致するはずであるが、多くの場合、2つの間にミスアライメントがある。ブロック1230で、システム誤差は、第1のオフセット量に基づいて、第1のロボットアームの第1の教示位置と第2のロボットアームの第2の教示位置との間のミスアライメントを表す第1の特性誤差値を決定する。ブロック1235で、システムコントローラは、第1の特性誤差値を記憶媒体に記録する。
【0101】
第1の特性誤差値は、第1の位置と教示位置との間のミスアライメントの多くを修正するために使用することができる。しかし、ロボットアームは頻繁に教示位置をオーバーシュート又はアンダーシュートする。これは、教示位置に対する修正を更に改良することにより修正することができる(例えば、より細かい、又はより小さな追加の特性誤差値を決定する)。従って、一実施形態では、ブロック1240で、システムコントローラは再び、第1のロボットアームに較正オブジェクトをロードロックに配置させる。今回は、システムコントローラは、第1のロボットアームに、第1の教示位置、オプションで第1の特性誤差値により修正された第1の教示位置を使用させ、較正オブジェクトをロードロックに配置させる。ブロック1245で、システムコントローラは、第2のロボットアームに第2の教示位置、追加的に、第1の特性誤差値により修正された第2の教示位置を使用させ、ロードロックから較正オブジェクトを取り出す。第1の特性誤差値を使用して、第1の教示位置又は第2の教示位置のいずれかを調整し、決定されたオフセットを修正する。
【0102】
ブロック1250で、システムコントローラはセンサ(例えば、LCF又はアライナステーション)を使用して、新しいオフセット量を決定する。新しいオフセット量は、ブロック1225で決定された元のオフセット量よりも小さくなる。ブロック1255で、システムコントローラは、新しいオフセット量が閾値を満たすか超えるかを決定する。差が閾値未満である場合、システムコントローラは較正が完了したと決定し、ブロック1260で特性誤差値を変更しないままにする。差が閾値を満たすか超える場合、方法はブロック1265に続く。ブロック1265で、システムコントローラは、新しいオフセット量に基づいて、更新された特性誤差値を決定する。新しいオフセット量は、ブロック1230で計算された第1の特性誤差値に加算(又は減算)される(新しい特性誤差値が第1の特性誤差値に対して正か負かに応じて)。その後、方法はブロック1240に戻り、ブロック1240から1255のオペレーションが繰り返される。このプロセスは、ブロック1255でシステムコントローラが新しいオフセット量が閾値未満であると決定するまで続く。
【0103】
図13は、本開示の実施形態による、ロードロックを介してオブジェクトを互いに搬送する2つのロボットアームの教示位置が互いに較正されているかどうかを決定する方法1300のフロー図である。方法1200が実行された後、方法1300を定期的に実行することができる。方法1300のブロック1310で、システムコントローラは、第2又は第1のロボットアーム(図12に図示)に第2又は第1の教示位置の各々、追加的に特性誤差値により修正された教示位置を使用して基板をロードロック内に配置させる。第1のロボットアームが搬送チャンバロボット上にある場合、第2のロボットアームはFIロボット上にあり、第2の教示位置を使用して基板を配置する。第1のロボットアームがFIロボット上にある場合、第1のロボットアームは、第1の教示位置を使用して基板を配置する。
【0104】
ブロック1320で、システムコントローラは、第1又は第2のアームに、第1又は第2の教示位置の各々、追加的に特性誤差値により修正された教示位置を使用して、ロードロックから基板を回収させる。ブロック1310で、第1の教示位置又は第2の教示位置のいずれかが特性誤差値により修正されるか(例えば、特性誤差値に関連するオフセットの逆数へのオフセット)、又は、ブロック1320で、第1の教示位置又は第2の教示位置が特性誤差値により修正される。
【0105】
ブロック1330で、システムコントローラは、ロードロックと搬送チャンバとの間のインターフェースでローカルセンタファインダを使用して、新しいオフセットが識別されるかどうかを決定する。ブロック1320で基板が取り出されるとき、基板の中心は、搬送チャンバロボットのロボットアームのブレード上のポケット中心及び/又はLCFの中心とアライメントされるべきである。しかし、搬送チャンバロボット又はFIロボットのいずれか又は両方でロボット誤差又はドリフトが発生する可能性がある。
【0106】
ブロック1340で、システムコントローラはオフセットが検出されたかどうかを決定する。オフセットが検出された場合、方法はブロック1350に進む。オフセットが検出されない場合、方法はブロック1345に進み、システムコントローラは、ロボットアームの教示位置が変更されておらず、較正が依然として正確であると決定する。
【0107】
ブロック1350で、システムコントローラは、第1のロボットアームの第1の教示位置又は第2のロボットアームの第2の教示位置の少なくとも1つが変化した(又は教示位置を達成するロボットアームの能力が変化した)ことを決定する。ブロック1355で、システムコントローラはオフセットがオフセット閾値を超えたかどうかを決定する。オフセットがオフセット閾値未満である場合、方法はブロック1360に進み、現在の較正が維持される。新しいオフセットがオフセット閾値を満たすか超える場合、方法はブロック1365に進み、較正手順(例えば、方法1200の較正手順)が開始される。
【0108】
図14は、本開示の実施形態による、電子処理システムのためのシステムコントローラとして動作する例示的コンピューティングデバイス1400である。コンピューティングデバイス1400は、マシンに、本明細書で説明する方法の任意の1つ又は複数を実行させるための一連のインストラクションを実行できるマシンである。代替的実施形態では、マシンは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネット内の他のマシンに接続(例えば、ネットワーク化)されていてもよい。マシンは、クライアントサーバネットワーク環境でサーバ又はクライアントマシンの能力で動作するか、ピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境でピアマシンとして動作する。マシンは、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットコンピュータ、Webアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ又はブリッジ、又は実行するアクションを指定する一連のインストラクション(シーケンシャル又はその他)を実行できる任意のマシンである。更に、単一のマシンのみが示されているが、「マシン」という用語は、インストラクションのセット(又は複数のセット)を個別に又は共同で実行して、本明細書で説明される方法の任意の1つ以上を実行するマシン(例えば、コンピュータ)の任意の集合を含むものと解釈される。一実施形態では、コンピューティングデバイス1400は、図1のシステムコントローラ132に対応する。一実施形態では、システムコントローラ132は、コンピューティングデバイス1400のコンポーネントである。
【0109】
例示的なコンピューティングデバイス1400は、処理デバイス1402、メインメモリ1404(例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、シンクロナスDRAM(SDRAM)又はラムバスDRAM(RDRAM)等のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM))、スタティックメモリ1406(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)等)、及び二次メモリ(例えば、データ記憶装置1412)であり、これらは、バス1408を介して互いに連絡する。
【0110】
処理装置1402は1つ以上の汎用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、中央処理装置等)を表す。より具体的には、処理装置1402は、コンプレクスインストラクションセットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、リデューストインストラクションセットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、ベリーロングインストラクションワード(VLIW)マイクロプロセッサ、他のインストラクションセットを実行するプロセッサ、又はインストラクションセットの組み合わせを実行するプロセッサであってもよい。また、処理デバイス1402は、1つ以上の専用処理デバイス(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサ等)であってもよい。処理デバイス1402は、本明細書で論じるオペレーションを実行するための処理ロジック(インストラクション1422)を実行するように構成される。一実施形態では、システムコントローラ132は処理装置1402に対応する。実施形態では、処理装置1402はインストラクション1426を実行して、方法600~1300のいずれかを実施する。
【0111】
コンピューティングデバイス1400は、ネットワークインターフェースデバイス1408を更に含むことができる。また、コンピューティングデバイス1400は、ビデオディスプレイユニット1410(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)又は陰極線管(CRT))、英数字入力デバイス1412(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス1414(例えば、マウス)、及び信号生成デバイス1416(例えば、スピーカー)も含むことができる。
【0112】
データ記憶装置1418は、マシン可読記憶媒体(又は、より具体的には、コンピュータ可読記憶媒体)1428を含むことができ、その上に、本明細書で説明される方法又は機能のいずれか1つ又は複数を具現化するインストラクションの1つ以上のセットが記憶される。また、インストラクションは、コンピュータシステム1400による実行中に、メインメモリ1404内及び/又は処理装置1402内で完全に又は少なくとも部分的に常駐することができ、メインメモリ1404及び処理装置1402もコンピュータ可読記憶媒体を構成する。
【0113】
また、コンピュータ可読記憶媒体1428は、本明細書で上述したように、インストラクション1426及び/又は特性誤差値1450を記憶するためにも使用することができる。コンピュータ可読記憶媒体1428は、例示的な実施形態では単一の媒体として示されているが、「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、1つ以上のインストラクションセットが格納される単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型又は分散型データベース、及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)を含むと考えられる。「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、搬送波以外の、マシンによる実行用の一連のインストラクションとして記憶又はエンコードすることができ、本明細書に記載された方法のいずれか1つ以上をマシンに実行させる任意の媒体を含むものと考えられる。従って、「コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、ソリッドステートメモリを含む非一時的媒体、及び光及び磁気媒体を含むが、これらに限定されないものと考えられる。
【0114】
本明細書を通じて「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明される特定のフィーチャ、構造、又は特性が少なくとも一実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体の様々な場所で「一実施形態において」又は「実施形態において」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を参照しているとは限らない。更に、用語「又は」は排他的な「又は」ではなく、包括的な「又は」を意味することを意図している。「約」又は「およそ」という用語が本明細書で使用される場合、提示された公称値が±10%以内で正確であることを意味する。
【0115】
本明細書の方法の操作は特定の順序で示され、説明されているが、各々の方法の操作の順序を変更することができ、特定の操作を逆の順序で実行し、特定の操作を他の操作と同時に少なくとも部分的に実行することができる。他の実施形態では、別個の操作のインストラクション又はサブオペレーションを、断続的及び/又は交互に行うことができる。
【0116】
上述の説明は、本開示の幾つかの実施形態の十分な理解を提供するために、特定のシステム、コンポーネント、方法等の例等の多数の特定の詳細を示している。しかし、当業者には、本開示の少なくとも幾つかの実施形態は、これらの特定の詳細がなくても実施可能であることが明らかである。他の例では、本開示を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知のコンポーネント又は方法は詳細には説明されないか、又は単純なブロック図形式で提示される。従って、記載された特定の詳細は単なる例示である。特定の実施はこれらの例示的な詳細から変更することができ、こられも本開示の範囲内にあると考えられる。
【0117】
上記の説明は、例示であり、限定を意図したものではないことを理解すべきである。上記の説明を読んで理解すれば、多くの他の実施形態が当業者に明らかになる。従って、開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲と共に決定されるべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14