(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】半導体材料からなる基板ウェハ上にエピタキシャル層を堆積するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20240613BHJP
H01L 21/68 20060101ALI20240613BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20240613BHJP
C23C 16/52 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
H01L21/205
H01L21/68 K
C23C16/458
C23C16/52
(21)【出願番号】P 2022565687
(86)(22)【出願日】2021-04-14
(86)【国際出願番号】 EP2021059668
(87)【国際公開番号】W WO2021219381
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2022-12-14
(32)【優先日】2020-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599119503
【氏名又は名称】ジルトロニック アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Siltronic AG
【住所又は居所原語表記】Einsteinstrasse 172,81677 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュテットナー,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】エドマイヤー,バルター
(72)【発明者】
【氏名】リヒテネッガー,コーアビニアン
(72)【発明者】
【氏名】ヘヒト,ハネス
【審査官】▲はま▼中 信行
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0314205(US,A1)
【文献】特表2018-518056(JP,A)
【文献】特開2017-069414(JP,A)
【文献】特開2012-004148(JP,A)
【文献】特開2003-133397(JP,A)
【文献】特表2001-511532(JP,A)
【文献】特開2014-154565(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0125589(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0126771(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
H01L 21/68
C23C 16/458
C23C 16/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体材料の基板ウェハ(1)上にエピタキシャル層を堆積させる方法であって、
前記基板ウェハ(1)がサセプタ(2)上に載置され、前記サセプタ(2)が支持シャ
フト(9)のアームによって保持されるように、堆積装置(20)内に前記基板ウェハ(
1)および前記サセプタ(2)を配置することと、
前記サセプタ(2)の不整列が、前記サセプタを囲む予熱リング(3)の位置に対する
前記サセプタの位置に関して存在するかどうかを監視することと、
前記支持シャフト(9)の不整列が、前記予熱リング(3)の位置に対する前記支持シ
ャフト(9)の位置に関して存在するかどうかを監視することと、
前記不整列の少なくとも1つが存在する場合、前記支持シャフト(9)を変位および傾
斜させるための駆動ユニット(12)を動作させる制御装置(21)によって、450℃
以上の温度で対応の不整列を除去することと、
前記エピタキシャル層を前記基板ウェハ(1)上に堆積することとを含む、方法。
【請求項2】
前記堆積装置(20)を閉じた状態で、前記不整列の少なくとも1つを補正することを
特徴とする、請求項1
に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、半導体材料から形成される基板ウェハ上にエピタキシャル層を堆積するための方法、およびこの方法を実行するための装置である。
【背景技術】
【0002】
先行技術/問題
エピタキシャル層を有する半導体ウェハは、そのような方法の製品であり、電子産業における特に要求の厳しい用途に必要とされる。したがって、エピタキシャル層の厚みの均一性およびエピタキシャル層中のドーパントの分布の均一性に関する、エピタキシャル層に対する要件は、特に厳しい。したがって、厳しい要件を満たすエピタキシャル層を有する半導体ウェハを高歩留まりで製造することを可能にする製造条件を作り出す強い動機がある。
【0003】
半導体ウェハ基板上におけるエピタキシャル層の堆積は、通常、基板ウェハを受け入れ可能な堆積装置においてCVD(化学蒸着)を用いて行われる。エピタキシャル層の堆積中、基板ウェハはサセプタ上に位置し、サセプタは支持シャフトの支持アームによって保持され、支持シャフトによって回転され、堆積ガスが、基板ウェハの前面である自由上面上を導かれる。堆積装置は、通常、予熱リングも有し、予熱リングは、サセプタの周囲に、間隙によって隔てられて配置される。上部ドームおよび下部ドームは反応チャンバを画定し、その中でエピタキシャル層が基板ウェハ上に堆積される。ランプのバンクからの放射熱が、必要な堆積温度を提供するために、ドームを通して照射される。これらの特性を有する堆積装置は市販されている。加えて、例えば、US2018 0 282 900 A1で説明されるように、基板ウェハを堆積装置に装填し、基板ウェハをそこでサセプタ上に載置すること、または基板ウェハが上に載置されたサセプタを堆積装置に装填することが提供されてもよい。
【0004】
サセプタの位置に対する基板ウェハの不整列が歩留まりに悪影響を及ぼす可能性があることが長い間公知である。通常、基板ウェハの円周線とサセプタの円周線とが同心円を形成するように、基板ウェハはサセプタ上で中央に配置されるべきである。
【0005】
JP2017-69 414 Aは、サセプタ上の基板ウェハの位置がカメラシステムによってどのように監視され、必要であれば、サセプタ支持シャフトを水平に移動して基板ウェハをサセプタ上において中心に置くかを記載する。
【0006】
US2009 0 314 205 A1は、他の機能の中でも、とりわけ、予熱リングの位置を監視することができる観察システムの詳細を扱う。
【0007】
US2016 0 125 589 A1は、不整列を検出するために使用することができる方法を説明する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者らは、サセプタの位置に対する基板ウェハの位置に関する基板ウェハの不整列に起因し得ない、粒子の存在、エピタキシャル層の厚みの不均一、およびエピタキシャル層内のドーパント分布の不均一のため、歩留まりの損失が生じ得ることを見出した。
【0009】
本発明の目的は、そのような歩留まりの損失の理由を示し、それらがどのように改善され得るかを示すことである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、半導体材料の基板ウェハ上にエピタキシャル層を堆積させる方法によって達成され、本方法は、基板ウェハがサセプタ上に載置され、サセプタが支持シャフトのアームによって保持されるように、堆積装置内に基板プレートおよびサセプタを配置することと、サセプタの不整列が、サセプタを囲む予熱リングの位置に対するサセプタの位置に関して存在するかどうかを監視することと、支持シャフトの不整列が、予熱リングの位置に対する支持シャフトの位置に関して存在するかどうかを監視することと、不整列の少なくとも1つが存在する場合、対応の不整列を除去することと、エピタキシャル層を基板ウェハ上に堆積することとを含む。
【0011】
本発明の目的は、加えて、半導体材料で作製された基板ウェハ上にエピタキシャル層を堆積するための装置によって達成され、本装置は、サセプタと、予熱リングと、サセプタ支持アームを有する支持シャフトと、カメラシステムとを備え、カメラシステムは、サセプタと予熱リングとの間の間隙の一部分の幅およびカメラシステムからサセプタまでの距離を監視するためのものであり、装置はさらに、予熱リングの位置に対するサセプタの位置に関するサセプタの不整列および/または予熱リングの位置に対する支持シャフトの位置に関する支持シャフトの不整列の存在を判定するための画像処理装置と、サセプタ支持シャフトを移動および傾斜させるための駆動ユニットと、不整列の場合に信号を生成するための制御装置とを備え、信号は、駆動ユニットを、存在する不整列を補正する態様で移動させる。
【0012】
本発明者らは、上述の歩留まり損失が、予熱リングの位置に対するサセプタの位置および/またはその支持シャフトの位置に関する不整列の存在に起因し得ることを発見した。予熱リングとサセプタとの間には、通常、予熱リングの内周に沿って同じ幅を有する間隙が設けられる。予熱リングとサセプタとは互いに対して同心円状に配置され、サセプタは水平に配置される。支持シャフトは、予熱リングの中心を通って垂直軸に沿って整列される。
【0013】
したがって、サセプタが支持シャフトの支持アーム上で予熱リングに対して偏心して位置する場合、またはサセプタが支持シャフトの支持アーム上で水平面から傾いている場合、サセプタの不整列が存在する。予熱リングの位置に対する支持シャフトの不整合は、支持シャフトが垂直であるが、予熱リングの中心を通る垂直軸に沿って整列していない場合、または支持シャフトが予熱リングの中心を通る垂直軸から傾いているために、存在する。
【0014】
サセプタが予熱リングに接触すると、粒子が生成され、不純物として作用し、エピタキシャル層を有する半導体ウェハを意図した目的に使用できなくする。歩留まりの損失は、予熱リングとサセプタとの間の間隙の幅が、上記の不整合のうちの1つに起因して予熱リングの内周に沿って変動する場合にも、生じ得る。すると、プロセスガスが、サセプタの下側に沿って導かれるパージガスによって、間隙の異なる点で、様々な程度に希釈される可能性があり、その結果、エピタキシャル層の厚みおよびエピタキシャル層内のドーパントの分布が基板ウェハの円周方向に沿って変化する可能性がある。
【0015】
上述の不整列は、堆積装置の低温状態ですでに存在し得るか、または堆積装置を動作温度まで加熱する過程でのみ生じ得、場合によっては再び低温状態まで冷却する過程で、例えば室温まで冷却するときに、消失し得る。
【0016】
したがって、不整列の少なくとも1つが存在するかどうかを監視し、必要に応じて不整列を補正することが提案される。この目的のために、原則として、堆積装置を周囲温度まで冷却することができ、対応の不整列をなくすことができる。
【0017】
これが可能な場合には、堆積装置を閉じた状態で支持シャフトを移動させることにより行うことが好ましい。他の場合には、堆積装置が開かれ、不整列の原因が修正される。例えば、サセプタが支持シャフトの支持アーム上に水平ではあるが予熱リングに対して偏心して位置決めされているため、またはサセプタが支持シャフトの支持アーム上に予熱リングと同心ではあるが水平位置から傾いて位置決めされているため、サセプタが不整列である場合、堆積装置を開き、サセプタを持ち上げ、支持シャフトの支持アーム上に意図されるように配置する。
【0018】
支持シャフトを移動させて不整列を補正できる場合は、堆積装置を閉じたままとし、堆積装置を周囲温度まで冷却する必要はない。堆積装置の反応チャンバが既に高温状態にあり、少なくとも450℃以上の温度にある場合、支持シャフトの不整列が生じるとき、不整列は、好ましくは、堆積装置を450℃の指定温度以下に冷却することなく、特に好ましくは堆積装置内で達成される温度を低下させることなく、補正される。不整列の理由が、支持シャフトは垂直であるが予熱リングの中心を通る垂直軸に沿って整列していないため、または支持シャフトが予熱リングの中心を通る垂直軸から外れて傾いているためである場合、支持シャフトの不整列は、支持シャフトを移動させることによって補正することができる。
【0019】
予熱リングの位置に対するサセプタおよび支持シャフトの位置に関するサセプタおよび支持シャフトの配置は、放射状に、好ましくは基板ウェハの周囲の一部分および予熱リングの内周の一部分を取り囲む少なくとも1つの領域にわたって延在する画像抜粋を捕捉するカメラシステムによって観察される。この画像抜粋はまた、サセプタと予熱リングとの間の間隙の一部分を含む。カメラシステムによって記録される画像抜粋は、好ましくは12°以上の方位角幅を有する。これら一部分の位置は、好ましくはサセプタの上面までのカメラシステムの距離、またはこの距離の変化とともに、特徴的なコントラスト差から、画像処理装置によって識別される。適切な場合には、例えば、1つ以上のLEDランプを含む照明システムを設けて、堆積装置が低温状態にある間に反応チャンバを照明することができる。支持シャフトの回転中、画像抜粋は、固定された間隔で記録され、評価される。互いに対する前記位置の時間的変化および前記距離の時間的変動から、画像処理装置は、サセプタおよび/または支持シャフトの上記不整列が存在するかどうかを判定する。制御装置が、この判定結果に基づいて、存在する不整列を、支持シャフトを移動させることによって解消する目的で、支持シャフトを変位および傾斜させる駆動ユニットを動作させる制御信号を生成する。
【0020】
例えば、画像処理装置は、US2016 0 125 589 A1で説明されるアルゴリズムを使用することができ、または好ましくは、エッジ検出のためにSobel演算子を使用する画像処理を実施する。
【0021】
カメラシステムは、少なくとも1つのカメラ、または好ましくは少なくとも2つのカメラを備え、カメラは、互いに対して90°の方位角距離で2つの画像抜粋を記録する。比較のために画像処理装置による評価からのデータを保存することが有利であり、これらのデータは、堆積装置が低温状態にあり、上述の不整列のいずれも存在しないときに得られる。特に、支持シャフトおよびサセプタが意図されたように配置されるときにサセプタと予熱リングとの間の間隙の幅に関してそれぞれの画像抜粋を評価し、間隙の幅を記憶することが有利である。
【0022】
堆積装置の下部ドームおよび駆動ユニットは、好ましくはベローを介して接続され、したがって、定置下部ドームに対する支持シャフトの変位および/または傾斜運動は、周囲雰囲気が支持シャフトに到達することなく、必要なときに開始され得る。
【0023】
振動を減衰させるためには、上下のドームを離して保持する、いわゆる「ベースリング」の外側に支持アームの上端を取り付け、この支持アームの下端を、支持シャフトを変位および傾斜させる駆動装置に取り付けることが好ましい。
【0024】
サセプタの支持シャフトを変位および傾斜させるための駆動装置は、少なくとも、支持シャフトをx方向およびy方向に変位させ、支持シャフトをx方向に平行な回転軸周りおよびy方向に平行な回転軸周りに傾斜させることができるよう、必要な数のアクチュエータを備える。したがって、例えば4つのアクチュエータが設けられ、各々が1つの運動を引き起こす。アクチュエータは、好ましくは圧電作動要素である。
【0025】
堆積装置が加熱状態にあるときに不整列が生じる場合、上述の不整列は、好ましくは堆積装置が加熱されて閉じられているときも、支持シャフトを移動させることによって補正される。
【0026】
支持シャフトが実際に意図されたように垂直に整列しているが、予熱リングの中心を通る垂直軸に沿って整列していない場合、およびサセプタが意図されたように支持アーム上に位置決めされている場合、サセプタが支持シャフトの周りを回転すると、カメラシステムの画像抜粋における間隙の幅は、期待される記憶された幅とは異なることが観察されることになり、または、カメラシステムが90°の方位角距離に配置された2つのカメラを含む場合、観察される間隙の幅は異なることが観察されることになる。この場合、予熱リングの位置に対する支持シャフトの位置に関して、支持シャフトの不整列が存在する。それは、予熱リングの中心を通る垂直軸に沿った位置に支持シャフトを水平に変位させることによって補正される。
【0027】
支持シャフトが予熱リングの中心を通る垂直軸に沿って意図されたように整列され、サセプタが実際に予熱リングの位置に対して同心円状に位置決めされるが、支持アーム上で水平から傾けられる場合、支持シャフトの周りでのサセプタの回転中、カメラの画像抜粋における、カメラシステムからサセプタまでの距離は、観察の過程にわたって正弦波状に変動することが観察されることになる。このサセプタの不整列は、サセプタを意図した位置に戻すことによって補正される。
【0028】
サセプタが実際に意図されたように支持アーム上に位置決めされるが、支持シャフトが予熱リングの中心を通る垂直軸に沿って意図された整列から離れるように傾けられる場合、予熱リングの位置に対する支持シャフトの位置に関する支持シャフトの不整列も存在する。この場合、サセプタと予熱リングとの間隙の観察される幅は、支持シャフトとサセプタとが意図したように位置決めされたときに観察され記憶された間隙の幅とは異なることがわかる。この支持シャフトの不整列は、観察された間隙の幅が記憶された間隙の幅に対応するように、予熱リングの中心を通る垂直軸に沿った意図された位置に支持シャフトを傾けることによって、補正される。
【0029】
例えば、堆積装置の低温状態で不整列が存在しない、すなわち、支持シャフトは予熱リングの中心を通る垂直軸に沿って意図されるように整列され、サセプタは支持アーム上に水平かつ予熱リングの位置に対して同心円状に位置決めされ、そして、支持シャフトの不整列は、堆積装置の加熱中に、支持シャフトが意図した位置から傾くことによってのみ生じる場合がある。
【0030】
本発明は、基板ウェハが堆積装置に単独で装填されるか、サセプタと共に装填されるかにかかわらず、適用することができる。好ましくは、本発明による方法は、閉じた堆積装置内で、少なくとも450℃の動作温度で、適用される。
【0031】
サセプタは、平面視で円形の外周を有し、好ましくはポケットと載置面とを有し、その上に基板ウェハがその裏面の縁部領域において載置される。基板ウェハは、好ましくは、基板ウェハの裏面とポケットの境界を形成する基部との間に距離があるように、載置面上に載置される。基板ウェハの裏面からサセプタ下の反応チャンバへのドーパントの輸送を容易にするために、ポケットの底部に穴を組み込むことができる。穴の代わりに、基部は、材料の多孔性によりドーパントの輸送を確実にすることができる繊維材料で作製することができる。
【0032】
基板ウェハは、基板ウェハの前面上に堆積されるエピタキシャル層がそうであるように、好ましくは、単結晶シリコンからなる。基板ウェハの直径は、好ましくは少なくとも200mm、特に好ましくは少なくとも300mmである。
【0033】
本発明はまた、好ましくは、サセプタの位置に対する基板ウェハの位置に関す基板ウェハの不整列を判断および補正するために、当業者に公知の特徴を含む。
【0034】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明による特徴を有する堆積装置の例示的な実施形態を示す。
【
図2】サセプタと予熱リングとの間の間隙の観察を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明による例示的な実施形態の詳細な説明
図1に示す堆積装置20の反応チャンバは、上方から上部ドーム17によって、下方から下部ドーム18によって境界が定められている。支持シャフト9は、反応チャンバの中心に突出し、支持アーム10は、前記シャフトから上端で分岐している。支持アーム10は、エピタキシャル層の堆積中に基板ウェハ1が載置されるサセプタ2を支持する。図示の実施形態では、堆積装置20の装填中に基板ウェハ1を昇降シャフト11上に載置し、昇降シャフト11を下降させることによって基板ウェハ1をサセプタ上に載置することが提供される。堆積ガスは、上部ドーム17に面する基板ガラスの前面を介してガス入口からガス出口に向けられ、ガス入口およびガス出口は両方とも堆積装置の側壁に位置する。堆積装置の側壁とサセプタ2との間には予熱リング3が配置されている。加えて、サセプタの下において、反応チャンバを通って、その下向きの側と平行に向けられるパージガスのために、対応するガス入口およびガス出口を設けることができる。矢印は、ガス流の流れ方向を示す。反応チャンバは、上部ドーム17および下部ドーム18を通して放射エネルギーを照射するランプバンク19によって外部から加熱される。
【0037】
サセプタを囲む予熱リング3の位置に対するサセプタ2の位置に関するサセプタ2の意図された配置では、予熱リング3とサセプタ2との間に間隙5が設けられ、その幅はサセプタの外周および予熱リングの内周に沿って一定である。サセプタ2の中心を通る軸と予熱リング3の中心を通る垂直軸22とは一致する。予熱リング3の位置に対する支持シャフト9の位置に関する支持シャフト9の意図された配置では、サセプタ2の外周と予熱リングの内周とに沿った間隙5の幅は一定であり、支持シャフトが回転すると回転軸と垂直軸22が一致する。
【0038】
サセプタ2が支持アーム10上に水平に位置決めされているが予熱リングに対して偏心している場合、またはサセプタ2が支持アーム10上に水平に位置決めされていない場合、すなわち、垂直軸22に直交して整列していない平面に位置する場合、サセプタ2を囲む予熱リング3の位置に対するサセプタ2の位置に関するサセプタ2の不整列が存在する。次いで、第1のケースでは、サセプタ2と予熱リング3との間の間隙5の観察される幅が変化し、第2のケースでは、サセプタ2からカメラシステム7までの距離が変化し(
図2)、これによって、支持シャフト9によってサセプタ2が回転されるときに間隙5の幅が観察される。
【0039】
支持シャフト9を囲む予熱リング3の位置に対する支持シャフト9の位置に関する支持シャフト9の不整列が存在するのは、サセプタ2と予熱リング3との間の間隙5の観察される幅が変化する場合に、支持シャフト9が、垂直に配向されるが、予熱リング3の中心を通る垂直軸22に沿ってではないからである。支持シャフト9を囲む予熱リング3の位置に対する支持シャフト9の位置に関する支持シャフト9の不整列が存在するのは、また、間隙5の観察される幅が間隙5の記憶された幅と比較して変化している場合に、支持シャフト9が意図された位置から傾いているからであり、すなわち、サセプタ2が回転するときに、支持シャフト9の回転軸と垂直軸22とが予熱リング3の中心を通って平行に配置されていない場合である。
【0040】
図2に示すカメラシステム7は、支持シャフト9によるサセプタ2の回転中に画像抜粋6を観察するためのカメラを備える。画像抜粋6は、好ましくは、基板ウェハ1の外周の一部分、サセプタ2の外周の一部分、および予熱リング3の内周の一部分、したがってサセプタ2と予熱リング3との間の間隙5の一部分を取り囲む、径方向に延在する領域を捕捉する。基板ウェハ1は、基板ウェハ1の裏側23がサセプタ2の基部24から離れるように、サセプタ2のポケット内において、載置面4上に配置される。画像抜粋6に含まれる情報は、特に間隙5の幅およびカメラシステム7からサセプタ2までの距離に関して、画像処理装置8によって評価される。制御装置21は、サセプタ2および/または支持シャフト9の不整列の有無をチェックするために用いられ、必要に応じて、支持シャフト9の不整列がある場合には、存在する支持シャフトの不整列を補正する駆動装置12(
図1)動作させる信号を生成する。サセプタの不整列が存在する場合、堆積装置は、必要であれば周囲温度にされ、開放され、不整列が修正される。
【0041】
駆動装置12は、支持シャフト9を変位または傾斜させることができ、もちろん両方を同時に行うことができるという特別な特性を有する。駆動装置12の可能な実施形態を
図1に示す。支持シャフト9の移動は、圧電アクチュエータなどのアクチュエータによってトリガされる。支持シャフト9を水平面内で変位させるために、アクチュエータ13(x方向の変位用)および14(y方向の変位用)が設けられ、アクチュエータ16は、x方向に平行な回転軸を中心に
図1の視平面から支持シャフト9を傾斜角φで傾斜させるために設けられ、アクチュエータ15は、y方向に平行な回転軸を中心に
図1の視平面内で支持シャフト9を傾斜角θで傾斜させるために設けられる。
【0042】
堆積装置20の下部ドーム18は、支持シャフト9の移動を可能にし、それによって形成された内部空間を周囲雰囲気の流入に対して封止するために、ベロー25によって駆動装置12に接続される。
【符号の説明】
【0043】
使用される参照番号のリスト
1 基板ウェハ
2 サセプタ
3 予熱リング
4 配置面
5 間隙
6 画像抜粋
7 カメラシステム
8 画像処理装置
9 支持シャフト
10 支持アーム
11 昇降シャフト
12 駆動ユニット
13 アクチュエータ(x方向)
14 アクチュエータ(y方向)
15 アクチュエータ(傾斜角φ)
16 アクチュエータ(傾斜角θ)
17 上部ドーム
18 下部ドーム
19 ランプバンク
20 堆積装置
21 制御装置
22 垂直軸
23 裏面
24 基部
25 ベロー