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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-12
(45)【発行日】2024-06-20
(54)【発明の名称】吸収性物品及び吸収性物品セット
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/53 20060101AFI20240613BHJP
   A61F 13/511 20060101ALI20240613BHJP
   A61F 13/505 20060101ALI20240613BHJP
【FI】
A61F13/53 100
A61F13/511 500
A61F13/505 100
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2024514123
(86)(22)【出願日】2024-02-29
(86)【国際出願番号】 JP2024007637
【審査請求日】2024-03-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100183081
【弁理士】
【氏名又は名称】岡▲崎▼ 大志
(72)【発明者】
【氏名】石井 雄大
(72)【発明者】
【氏名】田中 傑
(72)【発明者】
【氏名】島田 雄生
(72)【発明者】
【氏名】島津 健
【審査官】西尾 元宏
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-502976(JP,A)
【文献】特開2020-069299(JP,A)
【文献】特開2021-083697(JP,A)
【文献】特表2021-525159(JP,A)
【文献】登録実用新案第3217272(JP,U)
【文献】特開2024-000123(JP,A)
【文献】特開2018-122014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/15-13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用状態において着用者の腹側に位置する腹側領域と、前記着用状態において前記着用者の背側に位置する背側領域と、前記腹側領域と前記背側領域との間に位置する股下領域と、が長手方向に沿って設けられた吸収性物品であって、
前記着用状態において前記着用者の肌面側に位置する液透過性の表面シートと、
前記着用状態において前記着用者の非肌面側に位置する液不透過性の裏面シートと、
前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置され、前記着用者の排泄物を吸収する吸収性コアを含む吸収体と、
前記長手方向に垂直な幅方向における前記吸収体の両側に設けられ、前記長手方向における両端部が固定されて前記両端部の間の部分が前記長手方向に収縮することによって起立可能に構成された一対の防漏ギャザーと、を備え、
前記吸収体は、
記幅方向における前記吸収体の中心を通り且つ前記長手方向に平行な中心線を挟んだ両側において、前記長手方向及び前記幅方向に垂直な厚さ方向に前記吸収性コアと重なるように配置される一対の着色領域と、
前記吸収性コアに対して前記一対の着色領域が設けられた側と同じ側において、前記幅方向における前記一対の着色領域の間に配置された非着色領域と、を有し、
前記幅方向における前記一対の着色領域の各々の外側縁部は、前記幅方向における前記吸収性コアの端縁と重なるように配置されており、
前記一対の着色領域に対して前記吸収性コアが配置される側とは反対側において前記一対の着色領域上に積層されるシート資材の数量は、前記非着色領域に対して前記吸収性コアが配置される側とは反対側において前記非着色領域上に積層されるシート資材の数量以下であり、
前記防漏ギャザーを前記幅方向における内側へと折り畳んだ状態において、前記長手方向における前記吸収体の中央位置で、前記幅方向における前記吸収性コアの前記端縁は、前記防漏ギャザーの頂部よりも前記幅方向の外側に位置する、吸収性物品。
【請求項2】
前記一対の着色領域及び前記非着色領域は、前記吸収性コアよりも前記着用者の肌面側に配置されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記一対の着色領域及び前記非着色領域は、前記吸収性コアよりも前記着用者の非肌面側に配置されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項4】
記防漏ギャザーを前記幅方向における内側へと折り畳んだ状態において、前記着色領域の前記幅方向の内側縁部は、前記防漏ギャザーの頂部よりも前記幅方向の内側に位置する、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記吸収性コアは、前記長手方向の全域において略等幅に形成されている、請求項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記吸収性コアのうち前記股下領域に含まれる部分には、前記中心線を挟んだ両側において、それぞれ前記長手方向に延びると共に前記厚さ方向における前記吸収性コアの厚みが周囲よりも小さくされた一対の凹部が設けられている、請求項1又は5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記一対の凹部の各々は、前記長手方向における前記凹部の中央位置から腹側に向かうにつれて前記幅方向の外側へと湾曲する腹側湾曲部と、前記凹部の前記中央位置から背側に向かうにつれて前記幅方向の外側へと湾曲する背側湾曲部と、を有する、請求項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記一対の凹部の各々の少なくとも一部は、前記厚さ方向に前記着色領域と重なっている、請求項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記一対の凹部の各々は、その半分以上の面積において、前記厚さ方向に前記着色領域と重なっている、請求項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記一対の凹部の各々の全体は、前記厚さ方向に前記着色領域と重なっている、請求項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記長手方向における前記吸収体の中央位置において、前記幅方向における前記一対の着色領域の幅の合算値は、前記幅方向における前記非着色領域の幅以上である、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記長手方向における前記吸収体の中央位置において、前記幅方向における前記一対の着色領域の幅の合算値は、前記幅方向における前記非着色領域の幅以下である、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項13】
前記一対の着色領域の各々は、前記長手方向において少なくとも前記股下領域の全域に配置されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項14】
前記一対の着色領域の各々は、前記吸収性物品を前記長手方向に3等分した場合に、前記長手方向における中央領域の両側の領域と重なるように配置されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項15】
前記一対の着色領域の各々の前記長手方向における端縁は、前記長手方向における前記吸収性コアの端縁と重なっている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項16】
前記吸収性コアのうち前記股下領域に含まれる部分には、前記中心線に沿って前記長手方向に延びると共に前記厚さ方向における前記吸収性コアの厚みが周囲よりも小さくされた溝部が設けられている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項17】
前記吸収性コアのうち前記股下領域に含まれると共に前記中心線に沿った少なくとも一部を前記長手方向に伸縮させるための伸縮部材を更に有する、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項18】
請求項2に記載の吸収性物品と、前記吸収性物品に装着されて使用される吸収性パッドと、を備える吸収性物品セットであって、
前記吸収性物品は、パンツ型又はテープ型の使い捨ておむつであって、
前記中心線が前記幅方向における前記吸収性パッドの中心を通るように前記吸収性パッドが前記吸収性物品の前記肌面側に装着された状態において、前記長手方向における前記吸収体の中央位置で、前記幅方向における前記一対の着色領域の外側縁部は、前記幅方向における前記吸収性パッドの外側端部よりも外側に位置する、吸収性物品セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吸収性物品及び吸収性物品セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中央吸収体の両側に一対のサイド吸収体を設け、当該一対のサイド吸収体を立ち上がり易くすることにより、排泄物の漏れを防止することができる吸収性物品が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-102888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
吸収性コアを含む吸収体の色は、一般的に白色であり、吸収性物品に含まれる他の構成資材と同系色となることが多い。このため、特許文献1に記載された吸収性物品のように吸収性コアの幅を大きくすることで漏れ防止の効果を向上させたとしても、吸収性物品の使用者は、吸収性コアが幅広になっていることを容易に視認することができない。その結果、吸収性物品に対する安心感(言い換えれば、吸収性コアによって排泄物の漏れが効果的に防止されるであろうという期待感や、吸収性物品によって足回りにおける排泄物の漏れが効果的に抑制されているという効果の実感)を使用者が実感することが難しかった。このような吸収性物品に対する安心感を醸成することは、特に吸収性物品が長時間利用されたり夜間に利用されたりする場合等において、使用者の不安を取り除き、使用者に快適な生活を送ってもらうために、極めて重要である。
【0005】
そこで、本開示の一側面は、使用者の安心感を効果的に向上させることができる吸収性物品及び吸収性物品セットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る吸収性物品は、着用状態において着用者の腹側に位置する腹側領域と、着用状態において着用者の背側に位置する背側領域と、腹側領域と背側領域との間に位置する股下領域と、が長手方向に沿って設けられた吸収性物品であって、着用状態において着用者の肌面側に位置する液透過性の表面シートと、着用状態において着用者の非肌面側に位置する液不透過性の裏面シートと、表面シートと裏面シートとの間に配置され、着用者の排泄物を吸収する吸収性コアを含む吸収体と、を備え、吸収体は、長手方向に垂直な幅方向における吸収体の中心を通り且つ長手方向に平行な中心線を挟んだ両側において、長手方向及び幅方向に垂直な厚さ方向に吸収性コアと重なるように配置される一対の着色領域と、吸収性コアに対して一対の着色領域が設けられた側と同じ側において、幅方向における一対の着色領域の間に配置された非着色領域と、を有し、幅方向における一対の着色領域の各々の外側縁部は、幅方向における吸収性コアの端縁と重なるように配置されており、一対の着色領域に対して吸収性コアが配置される側とは反対側において一対の着色領域上に積層されるシート資材の数量は、非着色領域に対して吸収性コアが配置される側とは反対側において非着色領域上に積層されるシート資材の数量以下である。
【0007】
上記態様の吸収性物品では、幅方向における吸収性コアの端縁と重なる外側縁部を有する一対の着色領域が設けられている。一対の着色領域上に積層されるシート資材の数量(枚数又は分量)は、非着色領域上に積層されるシート資材の数量以下とされている。すなわち、一対の着色領域上に非着色領域よりも多い数量のシート資材が配置されないことにより、一対の着色領域の視認性が必要以上に阻害されないように構成されている。これにより、一対の着色領域を使用者に適切に視認させることができ、吸収性コアの幅方向の端縁の位置を使用者に容易に把握させることができる。その結果、一対の着色領域の外側縁部と重なる位置まで配置された吸収性コアによって排泄物の漏れが効果的に防止されるであろうという期待感を使用者に与えることができる。さらには、吸収性物品の使用後等において、排泄物の横漏れが生じていないことが確認された場合に、吸収性物品に対する安心感(言い換えれば、上記のように予め期待されていた効果が実際に得られたという実感に基づく吸収性物品に対する信頼感)を好適に醸成できる。従って、上記吸収性物品によれば、使用者の安心感を効果的に向上させることができる。
【0008】
本開示の他の側面に係る吸収性物品セットは、上記吸収性物品と、吸収性物品に装着されて使用される吸収性パッドと、を備える吸収性物品セットであって、吸収性物品は、パンツ型又はテープ型の使い捨ておむつであって、一対の着色領域及び非着色領域は、吸収性コアよりも着用者の肌面側に配置されており、中心線が幅方向における吸収性パッドの中心を通るように吸収性パッドが吸収性物品の肌面側に装着された状態において、前記長手方向における前記吸収体の中央位置で、幅方向における一対の着色領域の外側縁部は、幅方向における吸収性パッドの外側端部よりも外側に位置する。
【0009】
上記態様の吸収性物品セットでは、吸収性物品と組み合わせて使用されるために吸収性パッドが吸収性物品に装着された状態においても、長手方向における吸収体の中央位置で、一対の着色領域の外側縁部を使用者に視認させることができる。これにより、横漏れが気になる領域(すなわち、長手方向における吸収体の中央位置)において吸収性物品が吸収性パッドよりも更に幅広(ワイド)な吸収性コアを有している点を使用者に対して視覚的に把握させることができる。その結果、使用者の安心感を効果的に向上させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、使用者の安心感を効果的に向上させることができる吸収性物品及び吸収性物品セットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係る吸収性物品を概略的に示す斜視図である。
図2】非肌面側から見た吸収性物品の平面図である。
図3】肌面側から見た吸収性物品の平面図である。
図4図3のIV-IV線に沿った吸収性物品の断面構造の模式図である。
図5図3のV-V線に沿った吸収性物品の断面構造の模式図である。(A)は防漏ギャザーが起立した状態を模式的に示す図である。(B)は防漏ギャザーを内側に最大限に寝かせた状態を模式的に示す図である。
図6】吸収性コアの凹部の配置例を示す図である。
図7】着色領域の幅の変形例を示す図である。
図8】吸収体の変形例を示す図である。
図9】着色領域の着色パターンの例を示す図である。
図10】一実施形態に係る吸収性物品セットを肌面側から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の[1]~[19]の態様が明らかとなる。
【0013】
[1]着用状態において着用者の腹側に位置する腹側領域と、前記着用状態において前記着用者の背側に位置する背側領域と、前記腹側領域と前記背側領域との間に位置する股下領域と、が長手方向に沿って設けられた吸収性物品であって、
前記着用状態において前記着用者の肌面側に位置する液透過性の表面シートと、
前記着用状態において前記着用者の非肌面側に位置する液不透過性の裏面シートと、
前記表面シートと前記裏面シートとの間に配置され、前記着用者の排泄物を吸収する吸収性コアを含む吸収体と、を備え、
前記吸収体は、
前記長手方向に垂直な幅方向における前記吸収体の中心を通り且つ前記長手方向に平行な中心線を挟んだ両側において、前記長手方向及び前記幅方向に垂直な厚さ方向に前記吸収性コアと重なるように配置される一対の着色領域と、
前記吸収性コアに対して前記一対の着色領域が設けられた側と同じ側において、前記幅方向における前記一対の着色領域の間に配置された非着色領域と、を有し、
前記幅方向における前記一対の着色領域の各々の外側縁部は、前記幅方向における前記吸収性コアの端縁と重なるように配置されており、
前記一対の着色領域に対して前記吸収性コアが配置される側とは反対側において前記一対の着色領域上に積層されるシート資材の数量は、前記非着色領域に対して前記吸収性コアが配置される側とは反対側において前記非着色領域上に積層されるシート資材の数量以下である、吸収性物品。
【0014】
[2]前記一対の着色領域及び前記非着色領域は、前記吸収性コアよりも前記着用者の肌面側に配置されている、[1]の吸収性物品。
【0015】
[3]前記一対の着色領域及び前記非着色領域は、前記吸収性コアよりも前記着用者の非肌面側に配置されている、[1]の吸収性物品。
【0016】
[4]前記幅方向における前記吸収体の両側に設けられ、前記長手方向における両端部が固定されて前記両端部の間の部分が前記長手方向に収縮することによって起立可能に構成された一対の防漏ギャザーを更に備え、
前記防漏ギャザーを前記幅方向における内側へと折り畳んだ状態において、前記着色領域の前記幅方向の内側縁部は、前記防漏ギャザーの頂部よりも前記幅方向の内側に位置する、[1]~[3]のいずれかの吸収性物品。
【0017】
[5]前記幅方向における前記吸収体の両側に設けられ、前記長手方向における両端部が固定されて前記両端部の間の部分が前記長手方向に収縮することによって起立可能に構成された一対の防漏ギャザーを更に備え、
前記防漏ギャザーを前記幅方向における内側へと折り畳んだ状態において、前記長手方向における前記吸収体の中央位置で、前記幅方向における前記吸収性コアの前記端縁は、前記防漏ギャザーの頂部よりも前記幅方向の外側に位置する、[1]~[4]のいずれかの吸収性物品。
【0018】
[6]前記吸収性コアは、前記長手方向の全域において略等幅に形成されている、[1]~[5]のいずれかの吸収性物品。
【0019】
[7]前記吸収性コアのうち前記股下領域に含まれる部分には、前記中心線を挟んだ両側において、それぞれ前記長手方向に延びると共に前記厚さ方向における前記吸収性コアの厚みが周囲よりも小さくされた一対の凹部が設けられている、[1]~[6]のいずれかの吸収性物品。
【0020】
[8]前記一対の凹部の各々は、前記長手方向における前記凹部の中央位置から腹側に向かうにつれて前記幅方向の外側へと湾曲する腹側湾曲部と、前記凹部の前記中央位置から背側に向かうにつれて前記幅方向の外側へと湾曲する背側湾曲部と、を有する、[7]の吸収性物品。
【0021】
[9]前記一対の凹部の各々の少なくとも一部は、前記厚さ方向に前記着色領域と重なっている、[7]又は[8]の吸収性物品。
【0022】
[10]前記一対の凹部の各々は、その半分以上の面積において、前記厚さ方向に前記着色領域と重なっている、[7]~[9]のいずれかの吸収性物品。
【0023】
[11]前記一対の凹部の各々の全体は、前記厚さ方向に前記着色領域と重なっている、[7]~[10]のいずれかの吸収性物品。
【0024】
[12]前記長手方向における前記吸収体の中央位置において、前記幅方向における前記一対の着色領域の幅の合算値は、前記幅方向における前記非着色領域の幅以上である、[1]~[11]のいずれかの吸収性物品。
【0025】
[13]前記長手方向における前記吸収体の中央位置において、前記幅方向における前記一対の着色領域の幅の合算値は、前記幅方向における前記非着色領域の幅以下である、[1]~[11]のいずれかの吸収性物品。
【0026】
[14]前記一対の着色領域の各々は、前記長手方向において少なくとも前記股下領域の全域に配置されている、[1]~[13]のいずれかの吸収性物品。
【0027】
[15]前記一対の着色領域の各々は、前記吸収性物品を前記長手方向に3等分した場合に、前記長手方向における中央領域の両側の領域と重なるように配置されている、[1]~[14]のいずれかの吸収性物品。
【0028】
[16]前記一対の着色領域の各々の前記長手方向における端縁は、前記長手方向における前記吸収性コアの端縁と重なっている、[1]~[15]のいずれかの吸収性物品。
【0029】
[17]前記吸収性コアのうち前記股下領域に含まれる部分には、前記中心線に沿って前記長手方向に延びると共に前記厚さ方向における前記吸収性コアの厚みが周囲よりも小さくされた溝部が設けられている、[1]~[16]のいずれかの吸収性物品。
【0030】
[18]前記吸収性コアのうち前記股下領域に含まれると共に前記中心線に沿った少なくとも一部を前記長手方向に伸縮させるための伸縮部材を更に備える、[17]の吸収性物品。
【0031】
[19]上記[2]の構成を少なくとも備える吸収性物品と、前記吸収性物品に装着されて使用される吸収性パッドと、を備える吸収性物品セットであって、
前記吸収性物品は、パンツ型又はテープ型の使い捨ておむつであって、
前記中心線が前記幅方向における前記吸収性パッドの中心を通るように前記吸収性パッドが前記吸収性物品の前記内装体の前記肌面側に装着された状態において、前記長手方向における前記吸収体の中央位置で、前記幅方向における前記一対の着色領域の外側縁部は、前記幅方向における前記吸収性パッドの外側端部よりも外側に位置する、吸収性物品セット。
【0032】
[実施形態]
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。図面は、理解の容易化のために一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率は図面に記載のものに限定されない。
【0033】
以下、一実施形態に係る吸収性物品1について説明する。図1は、吸収性物品1の斜視図である。図2は、吸収性物品1を非肌面側Z2から見た平面図であり、図3は、吸収性物品1を肌面側Z1から見た平面図である。図4は、図3のIV-IV線に沿った断面構造の模式図である。図5の(A)及び(B)は、図3のV-V線に沿った断面構造の模式図である。図5の(A)は後述する防漏ギャザー25が起立した状態を模式的に示しており、図5の(B)は防漏ギャザー25を内側に最大限に寝かせた状態を模式的に示している。
【0034】
以下の説明では、「着用者」は、吸収性物品1を着用する者である。「肌面側」は、吸収性物品1が着用者に着用された状態(以下「着用状態」という。)において着用者の肌に面する側である。「非肌面側」は、着用状態において着用者の肌とは反対側に向けられる側である。吸収性物品1の「使用者」は、上述した着用者を含むと共に、子供又は被介護者である着用者を養育又は介護する補助者(養育者・介護者)を含む。
【0035】
図1に示されるように、一例として、吸収性物品1は、着用者の尿等の排泄物を吸収するパンツ型の使い捨ておむつである。すなわち、吸収性物品1は、着用者の胴部が通されるウェスト開口部H1と、着用者の両脚が通される一対のレッグ開口部H2(図1には、左脚が通されるレッグ開口部H2が図示されている)と、を有する。吸収性物品1は、着用状態において外側(非肌面側Z2)に面する外装体10と、外装体10の内側に固定された内装体20と、によって構成されている。吸収性物品1は、着用者の左右両側に設けられた外装体10の一対のサイドシール部10aを引き裂くことによって切断可能に設けられている。
【0036】
図2及び図3は、一対のサイドシール部10aに沿って外装体10を切断し、且つ、皺が形成されない状態まで吸収性物品1を伸長させた展開状態の吸収性物品1を示している。以下の説明では、特段の説明がない限り、展開状態における吸収性物品1の各部の形状及び位置関係について説明する。
【0037】
図2及び図3に示されるように、吸収性物品1は、着用状態において着用者の腹側に位置する腹側領域1aと、着用状態において着用者の背側に位置する背側領域1bと、腹側領域1aと背側領域1bとの間に位置する股下領域1cと、が長手方向Yに沿って設けられた構成を有する。
【0038】
吸収性物品1は、展開状態において、幅方向X及び長手方向Yに延在している。長手方向Yは、腹側領域1a、股下領域1c、及び背側領域1bが並ぶ方向である。展開状態においては、長手方向Yは、股下領域1cを挟んで腹側領域1aと背側領域1bとが互いに対向する方向である。幅方向Xは、長手方向Yに垂直な方向であり、着用状態において着用者の左右方向に対応する。厚さ方向Zは、幅方向X及び長手方向Yの両方に垂直な方向であり、外装体10と内装体20とが互いに重なる方向である。以下の説明では、吸収性物品1の長手方向Yにおいて腹側領域1aが位置する側を単に「腹側」といい、長手方向Yにおいて背側領域1bが位置する側を単に「背側」ということがある。
【0039】
本実施形態のように吸収性物品1がパンツ型おむつである場合、腹側領域1aは、展開状態(図2及び図3参照)において、吸収性物品1のうち外装体10の腹側端部10bから腹側のサイドシール部10aの背側端部までの範囲に含まれる部分として定義される。同様に、背側領域1bは、展開状態において、吸収性物品1のうち外装体10の背側端部10cから背側のサイドシール部10aの腹側端部までの範囲に含まれる部分として定義される。なお、吸収性物品1がパンツ型おむつ以外の構成(例えば、テープ型おむつや吸収性パッド)を有する場合には、他の方法によって腹側領域1a及び背側領域1bが定義されてもよい。例えば、吸収性物品1の全体を長手方向Yにおいて4等分した場合に、中央の2つ分の領域を股下領域1cと定め、その両側の領域を腹側領域1a及び背側領域1bと定めてもよい。
【0040】
(外装体の構成)
図2図4に示されるように、外装体10は、本体シート11と、腹側シート12と、背側シート13と、を有する。一例として、本体シート11は、厚さ方向Zから見た外装体10の全体の外形(本実施系形態では、一例として砂時計型)を規定するシート部材である。ただし、本体シート11の構成は、上記に限られない。例えば、本体シート11は、腹側及び背側の各々に対応する2つのシート部材と、内装体20の非肌面側Z2に配置されるシート部材と、からなるいわゆる3ピース構成とされてもよい。腹側シート12は、腹側領域1aにおいて本体シート11と重なるように配置されている。背側シート13は、背側領域1bにおいて本体シート11と重なるように配置されている。本体シート11は、例えばSMS不織布等によって形成されている。腹側シート12及び背側シート13は、例えばスパンボンド不織布等によって形成されている。
【0041】
腹側シート12は、本体シート11の腹側端部11aを挟み込むように折り返されている。すなわち、腹側シート12は、本体シート11よりも内側(肌面側Z1)に位置する内側部121と、本体シート11よりも非肌面側Z2(外側)に位置する外側部122と、を有する。
【0042】
折り返された内側部121の端部121aは、内装体20の腹側端部20aよりも背側、且つ内装体20に含まれる吸収性コア31の腹側端部31aよりも腹側に位置している。
【0043】
折り返された外側部122の端部122aは、内側部121の端部121aよりも背側まで位置している。腹側領域1aにおける外側部122と本体シート11との間には、複数(本実施形態では19本)の腹回り伸縮部材14が、長手方向Yに沿って配列されている。図2に示されるように、各腹回り伸縮部材14は、吸収性物品1の腹側領域1aの幅方向Xにおける端縁1d間において、幅方向Xに平行に延在している。従って、外装体10の腹側胴回り部分は、着用者の胴回りにフィットした状態で幅方向Xに伸縮する。複数の腹回り伸縮部材14は、例えば糸ゴムやスパンデックス等の弾性材料によって構成されている。
【0044】
背側シート13は、本体シート11の背側端部11bを挟み込むように折り返されている。すなわち、背側シート13は、本体シート11よりも内側(肌面側Z1)に位置する内側部131と、本体シート11よりも非肌面側Z2(外側)に位置する外側部132と、を有する。
【0045】
折り返された内側部131の端部131aは、内装体20の背側端部20bよりも腹側、且つ内装体20に含まれる吸収性コア31の背側端部31bよりも背側に位置している。
【0046】
折り返された外側部132の端部132aは、内側部131の端部131aよりも腹側まで位置している。背側領域1bにおける外側部132と本体シート11との間には、複数(本実施形態では15本)の背回り伸縮部材15が、長手方向Yに沿って配列されている。図2に示されるように、各背回り伸縮部材15は、吸収性物品1の背側領域1bの幅方向Xにおける端縁1e間において、幅方向Xに平行に延在している。従って、外装体10の背側胴回り部分も、上述した腹回り伸縮部材14が設けられた腹側胴回り部分と同様に、着用者の胴回りにフィットした状態で幅方向Xに伸縮する。複数の背回り伸縮部材15は、例えば糸ゴムやスパンデックス等の弾性材料によって構成されている。
【0047】
外側部132と本体シート11との間において、複数の背回り伸縮部材15よりも腹側に、複数(本実施形態では3本)の足回り伸縮部材16が、長手方向Yに沿って配列されている。図2に示されるように、各足回り伸縮部材16は、吸収性物品1の背側領域1bの端縁1e間において幅方向Xに延びると共に、一対のレッグ開口部H2の各々の背側部分の縁部に沿って曲面状に延びる部分を含んでいる。複数の足回り伸縮部材16によって、外装体10は、着用者の足回りにフィットするように伸縮する。複数の足回り伸縮部材16は、例えば糸ゴムやスパンデックス等の弾性材料によって構成されている。
【0048】
腹側シート12の内側部121と内装体20とは、内側部121と内装体20との間に配置された図示しないホットメルト接着剤によって互いに接着されている。また、腹側シート12の外側部122と本体シート11とは、外側部122と本体シート11との間に配置された図示しないホットメルト接着剤によって、複数の腹回り伸縮部材14を挟み込むようにして、互いに接着されている。同様に、背側シート13の内側部131と内装体20とは、内側部131と内装体20との間に配置された図示しないホットメルト接着剤によって互いに接着されている。また、背側シート13の外側部132と本体シート11とは、外側部132と本体シート11との間に配置された図示しないホットメルト接着剤によって、複数の背回り伸縮部材15及び複数の足回り伸縮部材16を挟み込むようにして、互いに接着されている。また、本体シート11と内装体20とは、本体シート11と内装体20(裏面シート22)との間に配置された図示しないホットメルト接着剤によって、互いに接着されている。以上のように各部材同士が接合されることにより、吸収性物品1は、外装体10と内装体20とが一体的に結合された構成を有する。
【0049】
(内装体の構成)
図2図3及び図5に示されるように、内装体20は、厚さ方向Zから見て、長手方向Y及び幅方向Xに延び、長手方向Yの長さの方が幅方向Xの長さよりも長い矩形状を有する。内装体20は、表面シート21と、裏面シート22と、吸収体23と、一対のサイドシート24と、を有する。
【0050】
表面シート21は、着用状態において着用者の肌面側Z1に位置し、着用者の肌と接触する面を構成する。表面シート21は、スパンボンド不織布等の液透過性(透水性)を有する不織布によって構成され、吸収体23を肌面側Z1から覆っている。典型的には、表面シート21は、白色で無地である。表面シート21は、例えば図示しないホットメルト接着剤によって吸収体23の肌面側Z1の表面(後述する白色ティッシュ32及び着色ティッシュ33の表面)に接着されている。
【0051】
裏面シート22は、着用状態において着用者の非肌面側Z2に位置するシートである。具体的には、裏面シート22は、吸収体23を挟んで、表面シート21とは反対側に位置している。裏面シート22は、例えば、液不透過性(非透水性)を有するフィルムによって構成され、吸収体23を非肌面側Z2から覆っている。裏面シート22は、例えば図示しないホットメルト接着剤によって吸収体23の非肌面側Z2の表面に接着されている。
【0052】
吸収体23は、内装体20の表面シート21と裏面シート22との間に配置されている。図5に示されるように、吸収体23は、表面シート21を透過した着用者の尿等の排泄物を吸収する吸収性コア31と、吸収性コア31の肌面側Z1を覆う一対の白色ティッシュ32と、一対の白色ティッシュ32上に配置される一対の着色ティッシュ33と、を含む。吸収体23(吸収性コア31)の幅(幅方向Xの長さ)は、内装体20の幅とほぼ一致している。吸収体23(吸収性コア31)の長さ(長手方向Yの長さ)は、内装体20の長さよりも若干短くされている。具体的には、吸収性コア31の腹側端部31aは、内装体20(表面シート21等)の腹側端部20aよりも背側に位置している。また、吸収性コア31の背側端部31bは、内装体20(表面シート21等)の背側端部20bよりも腹側に位置している。
【0053】
吸収性コア31は、裏面シート22上に積層されている。吸収性コア31は、例えば、パルプ繊維及び高吸水性ポリマー(SAP)を含み、着用者の尿を吸収する。吸収性コア31のパルプとしては、例えば、化学パルプ、セルロース繊維、レーヨン、アセテート等のセルロース繊維が利用される。高吸水性ポリマーとしては、例えばデンプン系、アクリル酸系、アミノ酸系の粒子状又は繊維状のポリマーが利用される。
【0054】
一対の白色ティッシュ32は、吸収性コア31の肌面側Z1を覆うように配置されている。一例として、一対の白色ティッシュ32は、それぞれ幅方向Xにおける吸収性コア31の外縁部から幅方向Xの中央部に延びており、幅方向Xの中央部において互いに重なるように配置されている。一対の白色ティッシュ32の各々は、厚さ方向Zから見た場合に、吸収性コア31の腹側端部31aから背側端部31bまで延びる矩形状に形成されている。すなわち、長手方向Yにおける各白色ティッシュ32の端縁は、長手方向Yにおける吸収性コア31の端縁(腹側端部31a及び背側端部31b)と重なっている。
【0055】
一対の着色ティッシュ33は、白以外の色(一例として青色)に着色されたティッシュである。一対の着色ティッシュ33は、幅方向Xにおける吸収体23(吸収性コア31)の中心を通り且つ長手方向Yに平行な中心線CL1を挟んだ両側において、厚さ方向Zに吸収性コア31と重なるように配置されている。幅方向Xにおける一対の着色ティッシュ33の各々の外側端部33aは、幅方向Xにおける吸収性コア31の端縁31cと重なるように配置されている。一対の着色ティッシュ33の各々は、厚さ方向Zから見た場合に、吸収性コア31の腹側端部31aから背側端部31bまで延びる矩形状に形成されている。すなわち、長手方向Yにおける各着色ティッシュ33の端縁33b(図3参照)は、長手方向Yにおける吸収性コア31の端縁(腹側端部31a及び背側端部31b)と重なっている。
【0056】
ここで、表面シート21は、上述したように液透過性の不織布であるため、表面シート21の肌面側Z1から、表面シート21の非肌面側Z2の部材の色味が透けて見えるようになっている。このため、肌面側Z1から、一対の着色ティッシュ33の各々の色を視認することが可能となっている。すなわち、図3に示されるように、一対の着色ティッシュ33によって、一対の着色領域A1が形成されている。また、吸収性コア31に対して一対の着色領域A1が設けられた側と同じ側(本実施形態では、肌面側Z1)において、幅方向Xにおける一対の着色領域A1の間に配置された非着色領域A2が形成されている。着色領域A1は、着色ティッシュ33が配置された領域であり、表面シート21の肌面側Z1から見た場合に、着色ティッシュ33の色(本実施形態では、青色)が透けて見える領域である。非着色領域A2は、着色ティッシュ33が配置されていない領域であり、表面シート21の肌面側Z1から見た場合に、白色ティッシュ32の白色(無着色)が透けて見える領域である。すなわち、本実施形態では、着色ティッシュ33が着色領域A1を構成する部材として機能しており、白色ティッシュ32が主に非着色領域A2(白色の領域)を構成する部材として機能している。
【0057】
一対のサイドシート24は、内装体20の幅方向Xの端部に位置している。一対のサイドシート24は、着用者が排泄した尿等の排泄物が幅方向Xに漏れること(横漏れ)を防止するための一対の防漏ギャザー25を形成する。一対の防漏ギャザー25は、幅方向Xにおける吸収体23の両側に設けられ、長手方向Yにおける両端部(固定領域FA)が固定されて、固定領域FA間の部分が長手方向Yに収縮することによって起立可能に構成されている。一例として、防漏ギャザー25は、袋状に折り返されたサイドシート24の内側に長手方向Yに延在する複数(例えば4本)の伸縮部材26が配置された構造を有している。なお、図3では、図5に示す各防漏ギャザー25に含まれる4本の伸縮部材26のうちの1本の伸縮部材26のみが図示されている。このような伸縮部材26が長手方向Yに縮むことにより、サイドシート24のうち固定領域FAの間に配置された部分が、防漏ギャザー25として機能する。伸縮部材26は、例えば、糸ゴムや平ゴム等の弾性材料によって構成されている。
【0058】
(吸収性物品1の作用効果)
以上述べた吸収性物品1では、図3に示されるように、幅方向Xにおける一対の着色領域A1の各々の外側縁部(着色ティッシュ33の外側端部33a)は、幅方向Xにおける吸収性コア31の端縁31cと重なるように配置されている。さらに、一対の着色領域A1(着色ティッシュ33)に対して吸収性コア31が配置される側(非肌面側Z2)とは反対側(肌面側Z1)において一対の着色領域A1(着色ティッシュ33)上に積層されるシート資材の数量X1は、非着色領域A2(白色ティッシュ32)に対して吸収性コア31が配置される側(非肌面側Z2)とは反対側(肌面側Z1)において非着色領域A2(白色ティッシュ32)上に積層されるシート資材の数量X2以下(すなわち、「X1≦X2」)である。本実施形態では、図5に示されるように、着色領域A1(着色ティッシュ33)上に配置されるシート資材は表面シート21のみであるため、「X1=1枚の表面シート21」である。同様に、非着色領域A2(白色ティッシュ32)上に配置されるシート資材は表面シート21のみであるため、「X2=1枚の表面シート21」である。よって、「X1=X2」が成立している。
【0059】
以上のように、吸収性物品1では、幅方向Xにおける吸収性コア31の端縁31cと重なる外側縁部を有する一対の着色領域A1が設けられると共に、一対の着色領域A1上に積層されるシート資材の数量X1は、非着色領域A2上に積層されるシート資材の数量X2以下(本実施形態では、X1=X2)とされている。すなわち、一対の着色領域A1上に非着色領域A2よりも多い数量のシート資材が配置されないことにより、一対の着色領域A1の視認性が必要以上に阻害されないように構成されている。これにより、一対の着色領域A1を使用者に適切に視認させることができ、吸収性コア31の幅方向Xの端縁31cの位置を使用者に容易に把握させることができる。その結果、一対の着色領域A1の外側縁部(着色ティッシュ33の外側端部33a)と重なる位置まで配置された吸収性コア31によって排泄物の漏れが効果的に防止されるであろうという期待感を使用者に与えることができる。さらには、吸収性物品1の使用後等において、排泄物の横漏れが生じていないことが確認された場合に、吸収性物品1に対する安心感(言い換えれば、上記のように予め期待されていた効果が実際に得られたという実感に基づく吸収性物品1に対する信頼感)を好適に醸成できる。従って、吸収性物品1によれば、使用者の安心感を効果的に向上させることができる。
【0060】
また、幅方向Xにおける着色領域A1の端縁(着色ティッシュ33の外側端部33a)に沿った領域において、着色領域A1内の他の領域よりも積層されるシート資材の数量が多くならないように構成されている。すなわち、着色領域A1の全体が同様の視認性を有しており、着色領域A1のうち特に使用者に視認させたい端縁(外側端部33a)に沿った領域が、着色領域A1内の他の領域よりも視認性が阻害されることのないように構成されている。これにより、着色領域A1を通して、使用者に吸収性コア31の端縁31cの位置を視覚的に容易に把握させることができる。
【0061】
一対の着色領域A1及び非着色領域A2は、吸収性コア31よりも着用者の肌面側Z1に配置されている。上記構成によれば、吸収性物品1を着用者に装着させる際(すなわち、吸収性物品1の肌面側Z1を使用者が視認する場面)において、一対の着色領域A1によって吸収性コア31が配置された領域(幅方向Xの端縁31cの位置)を使用者に視覚的に把握させることにより、吸収性物品1に対する安心感を好適に使用者に与えることができる。
【0062】
図5の(B)に示されるように、防漏ギャザー25を幅方向Xにおける内側へと折り畳んだ状態において、着色領域A1の幅方向Xの内側縁部(すなわち、着色ティッシュ33の内側端部33c)は、防漏ギャザー25の頂部25aよりも幅方向Xの内側に位置する。上記構成によれば、防漏ギャザー25を幅方向Xの内側に最大限に倒した状態であっても、着色領域A1が防漏ギャザー25に完全に隠されることがないため、着色領域A1の視認性を確保することができる。
【0063】
図5の(B)に示されるように、防漏ギャザー25を幅方向Xにおける内側へと折り畳んだ状態において、長手方向Yにおける吸収体23の中央位置(図3の中心線CL2上)で、幅方向Xにおける吸収性コア31の端縁31cは、防漏ギャザー25の頂部25aよりも幅方向Xの外側に位置する。上記構成によれば、吸収性コア31を防漏ギャザー25に対して上記位置関係を有するような幅広形状(例えば、一般的なくびれ形状がないか、くびれ部分があったとしてもくびれ部分の幅が一般的なサイズよりも大きい形状)に形成することにより、吸収性コア31による排泄物の横漏れ防止効果を高めることができる。さらに、端縁31cの位置が防漏ギャザー25に対して上記位置関係を有する程度に吸収性コア31が幅広であることが着色領域A1によって視覚的に強調されるため、吸収性物品1に対する安心感を好適に使用者に与えることができる。さらに、このように吸収性コア31を幅広形状(ワイド形状)にしつつ、吸収性コア31の端縁31cに沿った位置に着色領域A1を設ける構成によれば、吸収性物品1の内装体20(表面シート21)上に尿取りパッド等の吸収性パッドを配置する場合にも、吸収性パッドの幅方向Xの両側に着色領域A1をはみ出させることが可能となり、吸収性コア31が幅広であることを使用者に視認させることができる。その結果、吸収性物品1と吸収性パッドとを併用する場合においても、吸収性物品1に対する安心感を好適に使用者に与えることができる。
【0064】
さらに、吸収性コア31は、長手方向Yの全域において略等幅に形成されている。本実施形態では、吸収性コア31は、厚さ方向Zから見た場合に、等幅の矩形状に形成されている。上記構成によれば、吸収性コア31がくびれ形状を有さず、長手方向Yの全域において幅広に形成されるため、横漏れ防止効果及び使用者に与える安心感を向上させることができる。
【0065】
図3及び図5に示されるように、吸収性コア31のうち股下領域1cに含まれる部分には、中心線CL1を挟んだ両側において、それぞれ長手方向Yに延びると共に厚さ方向Zにおける吸収性コア31の厚みが周囲よりも小さくされた一対の凹部311が設けられている。一例として、凹部311は、裏面シート22上の一部の領域(凹部311を形成する予定の領域)を除く領域にのみ吸収性コア31を構成する資材(SAP、パルプ等)を積層することによって形成され得る。この場合、凹部311は、吸収性コア31を構成する資材が存在せず、吸収性コア31の厚みがない(厚みが0である)部分となる。上記構成によれば、一対の凹部311を起点にして吸収性コア31を変形させることが可能となるため、幅広の吸収性コア31によって横漏れ防止効果を向上させつつ、吸収性コア31を幅広にしたことに起因して生じ得る着用者の装着違和感を低減することができる。
【0066】
本実施形態では、一対の凹部311の各々は、長手方向Yにおける凹部311の中央位置から腹側に向かうにつれて幅方向Xの外側へと湾曲する腹側湾曲部311aと、凹部311の中央位置から背側に向かうにつれて幅方向Xの外側へと湾曲する背側湾曲部311bと、を有する。すなわち、各凹部311は、長手方向Yの中央位置が幅方向Xにおける最も内側に位置し、長手方向Yの両端位置が幅方向Xにおける最も外側に位置する、弓なり形状を有している。上記構成によれば、それぞれ腹側湾曲部311a及び背側湾曲部311bを有する一対の凹部311によって、着用者の足回りに対するフィット性を高めることができ、その結果、着用者が受ける装着違和感を効果的に低減することができる。
【0067】
図3に示されるように、本実施形態では、一対の凹部311の各々の全体は、厚さ方向Zに着色領域A1と重なっている。一例として、凹部311の長手方向Yの中央位置(最も幅方向Xの内側に位置する部分)が、厚さ方向Zから見て、着色領域A1の内側端部(着色ティッシュ33の内側端部33c)に接するように配置されている。上記構成によれば、吸収性物品1の変形起点となる凹部311を着色領域A1と重ねることにより、着色領域A1を好適に変形させることができる。これにより、足回りの動きに追従して着色領域A1(すなわち、吸収性コア31)が適切に変形する様子を使用者に視認させ易くなる。その結果、吸収性物品1に対する安心感を好適に使用者に与えることができる。
【0068】
なお、図6の(A)に示されるように、一対の凹部311の各々は、その半分以上の面積において、厚さ方向Zに着色領域A1と重なるように配置されてもよい。この例では、凹部311の幅方向Xにおいて最も内側に位置する部分が、厚さ方向Zから見て、着色領域A1(着色ティッシュ33)の内側端部33cよりも内側に位置することにより、凹部311の全体の面積の半分以上が着色領域A1と重なっている。或いは、図6の(B)に示されるように、一対の凹部311の各々の少なくとも一部が、厚さ方向Zに着色領域A1と重なるように配置されてもよい。この例では、凹部311の腹側湾曲部311a及び背側湾曲部311bのそれぞれの先端部のみが着色領域A1と重なっている。図6の(A)又は(B)に示される形態であっても、足回りの動きに追従して着色領域A1(すなわち、吸収性コア31)が適切に変形する様子を使用者に視認させ易くなるという上述した効果を得ることができる。ただし、より好適に上記効果を得る観点からは、図6の(C)の形態よりも図6の(B)の形態の方がより好ましく、図6の(B)の形態よりも上記実施形態(図3)の形態の方がさらに好ましい。
【0069】
長手方向Yにおける吸収体23の中央位置(中心線CL2上)において、幅方向Xにおける一対の着色領域A1の幅w1の合算値(w1×2)は、幅方向Xにおける非着色領域A2の幅(w2)以上であってもよい。すなわち、「w1×2≧w2」が成立するように、一対の着色領域A1の幅w1が設定されてもよい。例えば、図7の(A)に示されるように、着色領域A1の幅w1の合算値が非着色領域A2の幅w2よりも大きくなるように構成されてもよい。上記構成によれば、非着色領域A2に対して一対の着色領域A1の幅を十分に大きくすることにより、一対の着色領域A1の視認性を効果的に高めることができる。
【0070】
或いは、長手方向Yにおける吸収体23の中央位置(中心線CL2上)において、幅方向Xにおける一対の着色領域A1の幅w1の合算値は、幅方向Xにおける非着色領域A2の幅w2以下であってもよい。すなわち、「w1×2≦w2」が成立するように、一対の着色領域A1の幅w1が設定されてもよい。例えば、図7の(B)に示されるように、着色領域A1の幅w1の合算値が非着色領域A2の幅w2よりも小さくなるように構成されてもよい。上記構成によれば、非着色領域A2に対して一対の着色領域A1の幅を一定以下に抑えることにより、一対の着色領域A1を形成するために必要となる着色材料の量を低減できる。また、吸収性コア31の端縁31cに沿った部分から比較的近い位置にのみ着色領域A1を設定することにより、着色領域A1によって吸収性コア31の端縁31cの位置をより的確に使用者に把握させることが可能となる。
【0071】
図3に示されるように、本実施形態では、一対の着色領域A1の幅w1の合算値(w1×2)が非着色領域A2の幅w2と一致するように、着色領域A1の幅w1が設定されている。この構成によれば、上述した「w1×2≧w2」の場合の利点及び「w1×2≦w2」の場合の利点の両方をバランス良く得ることができる。
【0072】
一対の着色領域A1の各々は、長手方向Yにおいて少なくとも股下領域1cの全域に配置されていることが好ましい。本実施形態では、吸収性コア31の腹側端部31a及び背側端部31bがそれぞれ腹側領域1a及び背側領域1bまで達しており、且つ、各着色領域A1の長手方向Yの両端部(着色ティッシュ33の両端縁33b)が吸収性コア31の腹側端部31a及び背側端部31bと重なっているため、上記の配置条件を満たしている。上記構成によれば、最も排泄物の横漏れが生じ易い部分(すなわち、使用者が横漏れの発生について心配し易い部分)である股下領域1cの全体に、吸収性コア31の端縁位置の目印となる着色領域A1を配置することにより、使用者の安心感を好適に醸成することができる。
【0073】
図3に示されるように、一対の着色領域A1の各々は、吸収性物品1を長手方向Yに3等分した場合に、長手方向Yにおける中央領域R1の両側の領域(腹側の領域R2及び背側の領域R3)と重なるように配置されていることが好ましい。本実施形態では、腹側領域1aは領域R2に含まれており、且つ、背側領域1bは領域R3に含まれており、各着色領域A1は腹側領域1aから背側領域1bまで延びているため、上記の配置条件を満たしている。上記構成によれば、着色領域A1の長手方向Yの長さを十分に長くすることにより、着色領域A1の視認性を向上させ、使用者の安心感を好適に醸成することができる。なお、上記効果をより一層高める観点から、一対の着色領域A1の各々は、吸収性物品1を長手方向Yに4等分した場合に、長手方向Yにおける両側の領域(中央2つ分の領域を除いた両側の領域)と重なるように配置されていることがより好ましい。
【0074】
一対の着色領域A1の各々の長手方向Yにおける端縁(着色ティッシュ33の端縁33b)は、長手方向Yにおける吸収性コア31の端縁(腹側端部31a及び背側端部31b)と重なっている。上記構成によれば、着色領域A1の長手方向Yの長さを吸収性コア31と同じ長さまで十分に長くすることにより、着色領域A1の視認性を向上させ、使用者の安心感を好適に醸成することができる。
【0075】
図3及び図5に示されるように、吸収性コア31のうち股下領域1cに含まれる部分には、中心線CL1に沿って長手方向Yに延びると共に厚さ方向Zにおける吸収性コア31の厚みが周囲よりも小さくされた溝部312が設けられている。一例として、溝部312は、一対の凹部311と同様に、裏面シート22上の一部の領域(溝部312を形成する予定の領域)を除く領域にのみ吸収性コア31を構成する資材(SAP、パルプ等)を積層することによって形成され得る。この場合、溝部312は、吸収性コア31を構成する資材が存在せず、吸収性コア31の厚みがない(厚みが0である)部分によって構成される。本実施形態では、一対の凹部311及び溝部312を形成する予定の領域を除く領域にのみ吸収性コア31を構成する資材を積層することにより、一対の凹部311及び溝部312の両方が形成されている。また、溝部312は、一対の凹部311の間において、着用者の尿道口に対向する位置に配置されている。一例として、溝部312は、厚さ方向Zから見て、長手方向Yに長い矩形状に形成されている。
【0076】
上記構成によれば、着用者が排泄した尿(表面シート21を透過した尿)を溝部312に沿って吸収性コア31の長手方向Yに好適に拡散させることができるため、吸収性コア31における尿の吸収効率を向上させることができる。また、溝部312に沿って吸収性コア31が変形可能となることにより、着用者の尿道口に対する吸収性コア31の密着性を向上させることができる。さらには、本実施形態のように、吸収性コア31を幅広形状(ワイド形状)に形成すると共に溝部312を設けることにより、着用者の尿道口に対する吸収性コア31の密着性を向上させつつ、当該密着部(尿道口に対向する部分)の幅方向Xの外側に存在する吸収性コア31の面積を十分に大きくすることができる。これにより、尿漏れリスクを効果的に低減することができ、吸収性物品1に対するより一層の安心感を使用者に与えることができる。
【0077】
図3及び図5に示されるように、内装体20は、吸収性コア31のうち股下領域1cに含まれると共に中心線CL1に沿った少なくとも一部を長手方向Yに伸縮させるための伸縮部材27を有する。伸縮部材27は、例えば、伸縮部材26と同様に、糸ゴムや平ゴム等の弾性材料によって構成されている。本実施形態では、一例として、上述した表面シート21は、吸収性コア31の側面及び裏面シート22の非肌面側Z2の面を覆うように袋状に形成されている。そして、伸縮部材27は、裏面シート22の非肌面側Z2において、裏面シート22と表面シート21との間に固定及び配置されている。これにより、吸収性コア31の密着部(尿道口に密着するように溝部312に沿って変形する部分)の垂れ下がり(すなわち、尿道口から離れる方向への移動)を抑制し、着用者の尿道口に対する吸収性コア31の密着性を効果的に向上させることができる。
【0078】
さらに、本実施形態では、一例として、伸縮部材27は、厚さ方向Zから見た場合に、溝部312に対応する位置(本実施形態では、溝部312の縁部に沿った位置)に配置されている。より具体的には、それぞれ長手方向Yに延びる一対の伸縮部材27が、幅方向Xにおける溝部312の両側縁部に沿って配置されている。これにより、吸収性コア31の密着部(尿道口に密着するように溝部312に沿って変形する部分)の垂れ下がり(すなわち、尿道口から離れる方向への移動)をより一層効果的に抑制できると共に、着用者の尿道口に対する吸収性コア31の密着性をより一層効果的に向上させることができる。
【0079】
[変形例]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限られない。各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。また、上述した吸収性物品1の一部の構成は、他の構成に変形されたり省略されたりしてもよい。
【0080】
上記実施形態では、一対の着色領域A1及び非着色領域A2は、吸収性コア31よりも肌面側Z1に配置されていた。これに対して、例えば図8に示されるように、一対の着色領域A1及び非着色領域A2は、吸収性コア31よりも非肌面側Z2に配置されてもよい。図8の例では、着色領域A1を構成する着色ティッシュ33が、吸収性コア31と裏面シート22との間に配置されている。このため、非肌面側Z2において着色領域A1(着色ティッシュ33)上に積層されるシート資材の数量X1が裏面シート22及び表面シート21(裏面シート22上を覆う部分)のみの数量であるのに対して、非肌面側Z2において非着色領域A2(白色ティッシュ32)上に積層されるシート資材の数量X2は、裏面シート22及び表面シート21(裏面シート22上を覆う部分)に吸収性コア31を加えた数量となるため、「X1<X2」が成立している。なお、非着色領域A2の白色が吸収性コア31によって構成されると考えた場合でも「X1=X2」となり、少なくとも「X1>X2」とはならない。上記構成によれば、パッケージ(例えば、複数の吸収性物品1を収容する包装体等)から吸収性物品1を取り出す際や、吸収性物品1が着用者に装着された後(すなわち、吸収性物品1の非肌面側Z2を使用者が視認する場面)において、一対の着色領域A1によって吸収性コア31が配置された領域(幅方向Xの端縁31cの位置)を使用者に視覚的に把握させることにより、吸収性物品1に対する安心感を好適に使用者に与えることができる。
【0081】
なお、上記実施形態と図8の構成とは組み合わされてもよい。すなわち、上記実施形態のように吸収性コア31よりも肌面側Z1に着色ティッシュ33が配置されると共に、図8の例のように吸収性コア31よりも非肌面側Z2にも着色ティッシュ33が配置されてもよい。この場合、肌面側Z1及び非肌面側Z2のどちらからも、着色ティッシュ33により構成される着色領域A1によって、吸収性コア31の端縁31cの位置を使用者に視覚的に把握させることが可能となり、吸収性物品1に対する安心感をより一層好適に使用者に与えることができる。
【0082】
上記実施形態では、一方の着色領域A1の形状、幅(幅方向Xの長さ)、及び長さ(長手方向Yの長さ)は、他方の着色領域A1の形状、幅、及び長さと同一とされたが、一方の着色領域A1の形状、幅、及び長さの少なくとも1つは、他方の着色領域A1の形状、幅、及び長さの少なくとも1つと異なっていてもよい。
【0083】
上記実施形態では、着色領域A1は、吸収性コア31及び白色ティッシュ32とは別部材としての着色ティッシュ33が配置されることにより実現されたが、着色領域A1は、印刷(例えば、白色ティッシュ32の一部に対する着色印刷)によって形成されてもよい。印刷によって着色領域A1を形成する場合、着色領域A1を形成するための部材を削減できる。
【0084】
また、印刷を利用する場合には、図9に示されるような所定のパターンを有する着色領域A11,A12,A13を形成することが容易となる。図9の(A)に示される着色領域A11は、複数の縦縞状の着色部分を配置することにより形成されている。図9の(B)に示される着色領域A12は、複数の横縞状の着色部分を配置することにより形成されている。図9の(C)に示される着色領域A13は、複数のドット状の着色部分を規則的に配置することにより形成されている。なお、このように複数の点在する着色部分によって着色領域を構成する場合、複数の着色部分を含む領域(すなわち、所定のパターンで複数の着色部分が配置されたひとまとまりの領域として感得できる1つの領域)を、上記実施形態で説明した着色領域A1に相当する領域(着色領域A11~A13)と定義することができる。
【0085】
また、上記実施形態では、吸収性物品1は、パンツ型おむつであったが、吸収性物品1は、テープ型おむつであってもよい。また、吸収性物品1は、上記実施形態の内装体20と同一又は類似の構成を有し、上記実施形態の外装体10に対応する構成を含まない吸収性パッドであってもよい。なお、吸収性物品1がテープ型おむつ又は吸収性パッドとして構成される場合、上記実施形態で説明した吸収性物品1の「展開状態」は、皺が形成されない状態まで吸収性物品1を伸長させた状態と言い換えられる。
【0086】
図10に示されるように、上述した吸収性物品1は、吸収性パッド50と組み合わされることにより、吸収性物品セット100を構成してもよい。吸収性パッド50は、吸収性コア51と、吸収性コア51の肌面側Z1を覆う表面シート52と、吸収性コア51の非肌面側Z2を覆う裏面シート53と、を有する。吸収性コア51は、例えば、吸収性コア31と同様の資材(例えば、SAP、パルプ等)によって構成され得る。一例として、吸収性パッド50は、厚さ方向Zから見て矩形状を有する。ただし、吸収性パッド50の形状は上記に限定されない。例えば、吸収性パッド50は、砂時計型に形成されてもよいし、長手方向Yに平行な中心軸に対して非対称な形状に形成されてもよい。
【0087】
吸収性物品セット100では、中心線CL1が幅方向Xにおける吸収性パッド50の中心を通るように吸収性パッド50が吸収性物品1の内装体20の肌面側Z1に装着された状態において、長手方向Yにおける吸収体23の中央位置(すなわち、中心線CL2上)で、幅方向Xにおける一対の着色領域A1の外側縁部(着色ティッシュ33の外側端部33a)は、幅方向Xにおける吸収性パッド50の外側端部50aよりも外側に位置する。一例として、吸収性パッド50の裏面シート53の非肌面側Z2には、吸収性パッド50を内装体20(表面シート21)に接合するための接合部材が設けられてもよい。この場合、上記のように吸収性パッド50の幅方向Xの中心を中心線CL1が通るように吸収性パッド50を内装体20に対して配置し、吸収性パッド50の裏面シート53を内装体20の表面シート21に押し付けることで、内装体20に対して吸収性パッド50を装着することができる。
【0088】
上記態様の吸収性物品セット100では、吸収性物品1と組み合わせて使用されるために吸収性パッド50が吸収性物品1の内装体20上に装着された状態においても、長手方向Yにおける吸収体23の中央位置(中心線CL2上)で、一対の着色領域A1の外側縁部(外側端部33a)を使用者に視認させることができる。これにより、横漏れが気になる領域(すなわち、長手方向Yにおける吸収体23の中央位置)において、吸収性物品1が吸収性パッド50よりも更に幅広(ワイド)な吸収性コア31を有している点を使用者に対して視覚的に把握させることができる。その結果、使用者の安心感を効果的に向上させることができる。
【0089】
なお、吸収性物品セット100を構成する吸収性物品は、上記実施形態の吸収性物品1の構成を全て備えている必要はなく、少なくとも一対の着色領域A1(当該着色領域A1を構成する部材)が吸収性コア31よりも肌面側Z1に配置されており、中心線CL2上において上述したような幅広形状を有していればよい。また、吸収性物品1は、テープ型の使い捨ておむつであってもよい。その場合でも、吸収性物品1がパンツ型の使い捨ておむつである場合について上述した効果と同様の効果が得られる。また、吸収性物品1と吸収性パッド50とは、同一のブランド名(同一コンセプトの商品に付される表記)を有する物品群を構成してもよい。すなわち、同一のブランド名(及びサイズ)で互いに対応する吸収性物品1及び吸収性パッド50を組み合わせることで、上述した構成を有する吸収性物品セット100が実現されてもよい。この場合、使用者は、同一のブランド名を目印として、吸収性物品セット100を構成する吸収性物品1及び吸収性パッド50を容易に手に入れること(すなわち、上述した吸収性物品セット100を実現することによって安心感を得ること)が可能となる。例えば、吸収性物品1それ自体(例えば、外装体10の非肌面側Z2)、若しくは一又は複数の吸収性物品1を収容するパッケージに、吸収性物品1及び吸収性パッド50に共通のブランド名(例えば「ライフリー(登録商標)」)が表示されてもよい。同様に、吸収性パッド50それ自体、若しくは一又は複数の吸収性パッド50を収容するパッケージに、上記共通のブランド名が表示されてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1…吸収性物品、1a…腹側領域、1b…背側領域、1c…股下領域、21…表面シート、22…裏面シート、23…吸収体、25…防漏ギャザー、25a…頂部、27…伸縮部材、31…吸収性コア、31c…端縁、33b…端縁、311…凹部、50…吸収性パッド、50a…外側端部、100…吸収性物品セット、311a…腹側湾曲部、311b…背側湾曲部、312…溝部、A1,A11,A12,A13…着色領域、A2…非着色領域。
【要約】
吸収性物品1は、表面シート21と、裏面シート22と、吸収性コア31を含む吸収体23と、を備える。吸収体23は、中心線CL1を挟んだ両側において、厚さ方向Zに吸収性コア31と重なるように配置される一対の着色領域A1と、吸収性コア31に対して一対の着色領域A1が設けられた側と同じ側において、幅方向Xにおける一対の着色領域A1の間に配置された非着色領域A2と、を有する。幅方向Xにおける一対の着色領域A1の各々の外側縁部は、幅方向Xにおける吸収性コア31の端縁31cと重なるように配置されている。一対の着色領域A1上に積層されるシート資材の数量は、非着色領域A2上に積層されるシート資材の数量以下である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10