(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】面状光源
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240614BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20240614BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20240614BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240614BHJP
H05K 1/18 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
F21S2/00 482
F21S2/00 439
H01L33/00 L
H05K1/02 C
H05K1/02 J
H05K1/02 T
F21V23/00 150
H05K1/18 Z
(21)【出願番号】P 2023087808
(22)【出願日】2023-05-29
(62)【分割の表示】P 2021071507の分割
【原出願日】2021-04-21
【審査請求日】2023-05-29
(31)【優先権主張番号】P 2020096970
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020142852
(32)【優先日】2020-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020189799
(32)【優先日】2020-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021013393
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】四宮 保紀
(72)【発明者】
【氏名】橋本 啓
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-210880(JP,A)
【文献】特開2007-201334(JP,A)
【文献】国際公開第2016/103547(WO,A1)
【文献】特開2020-057664(JP,A)
【文献】特開2011-233315(JP,A)
【文献】特開2010-129376(JP,A)
【文献】特開2010-049937(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 8/00
F21V 23/00-99/00
H01L 33/00
H05K 1/02
H05K 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離隔した第1貫通穴及び第2貫通穴が設けられた絶縁層と、前記絶縁層の下に配置され、前記第1貫通穴及び前記第2貫通穴から離隔した第1配線層及び第2配線層と、を有する配線基板と、
前記配線基板上に配置され、前記第1貫通穴の直上に位置する第3貫通穴と、前記第2貫通穴の直上に位置する第4貫通穴と、を有するシート積層体と、
前記シート積層体上に配置され、互いに離隔した第1電極及び第2電極を有する光源と、
前記シート積層体上に配置され、前記光源の周囲を囲んだ導光部材と、
前記第1貫通穴及び前記第3貫通穴内を充填し、前記第1電極に電気的に接続された第1部分と、前記絶縁層の下に配置され、前記第1部分に連なり、前記第1配線層に接した第2部分と、を有する第1配線部材と、
前記第2貫通穴及び前記第4貫通穴内を充填し、前記第2電極に電気的に接続された第3部分と、前記絶縁層の下に配置され、前記第3部分に連なり、前記第2配線層に接した第4部分と、を有する第2配線部材と、
を備え、
上面視において前記第1配線層と前記第2配線層が前記第1貫通穴及び前記第2貫通穴を挟むように配置されて
おり、
上面視において、前記第1電極の一部と前記第1部分の一部が重なり、前記第2電極の一部と前記第3部分の一部が重なっている面状光源。
【請求項2】
上面視において前記第1貫通穴の中心と前記第2貫通穴の中心との距離は、前記第1電極の中心と前記第2電極の中心との距離よりも長い請求項1に記載の面状光源。
【請求項3】
前記光源は、
前記第1電極の下に配置され、前記第1部分の上端に接し、上面視における面積が前記第1電極の面積以上である第1端子と、
前記第2電極の下に配置され、前記第3部分の上端に接し、上面視における面積が前記第2電極の面積以上である第2端子と、
を更に有する請求項1または2に記載の面状光源。
【請求項4】
前記第1端子は、上面視において前記第1貫通穴を覆っており、
前記第2端子は、上面視において前記第2貫通穴を覆っている請求項3に記載の面状光源。
【請求項5】
前記第1配線部材及び前記第2配線部材を覆う被覆層を更に備える請求項1~4のいずれか1つに記載の面状光源。
【請求項6】
前記第1配線部材及び前記第2配線部材のそれぞれは、樹脂材料からなる母材と、前記母材中に設けられた少なくとも1種の金属粒子と、を有する請求項1~5のいずれか一つに記載の面状光源。
【請求項7】
前記シート積層体は光反射性シートを有し、
前記光反射性シートの熱膨張率は、前記導光部材の熱膨張率よりも小さい請求項1~6のいずれか1つに記載の面状光源。
【請求項8】
前記シート積層体は気泡を含む樹脂シートを有する請求項1~7のいずれか1つに記載の面状光源。
【請求項9】
前記シート積層体は、
光反射性シートと、
第1接着シートと、
第2接着シートと、
を有し、
前記配線基板は前記第1接着シートに接し、
前記光源及び前記導光部材は前記第2接着シートに接する請求項1~8のいずれか1つに記載の面状光源。
【請求項10】
前記第1配線部材の下面のうち、前記第1貫通穴の直下に位置する領域は、上方向に向かって窪んでいる請求項1~9のいずれか1つに記載の面状光源。
【請求項11】
下面視において、前記第1配線部材と前記第2配線部材は第1方向に並んで位置し、
前記第1方向における前記第1部分と前記第3部分との第1距離は、前記第1方向における前記第2部分と前記第4部分との第2距離よりも短い請求項1~10のいずれか1つに記載の面状光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、面状光源に関する。
【背景技術】
【0002】
配線基板と、配線基板の上に配置された光源と、配線基板上に配置され、光源の周囲を囲んだ導光部材と、を備える面状光源は、例えば液晶ディスプレイのバックライトに広く利用されている。
【0003】
配線基板に関しては、絶縁層と、絶縁層の下に設けられ、光源における2つの電極に対応する2つの配線層と、を有する構成が知られている。このような配線基板における各配線層と各配線層に対応する電極と電気的に接続する構造として、絶縁層に2つの貫通穴を設け、各貫通穴内に導電部材を配置し、各導電部材を対応する電極及び対応する配線層に接続した構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施形態は、配線基板における配線層と光源の電極との電気的な接続構造において、接続不良の発生を抑制できる面状光源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る面状光源は、配線基板と、シート積層体と、光源と、導光部材と、第1配線部材と、第2配線部材と、を備える。前記配線基板は、互いに離隔した第1貫通穴及び第2貫通穴が設けられた絶縁層と、前記絶縁層の下に配置され、前記第1貫通穴及び前記第2貫通穴から離隔した第1配線層及び第2配線層と、を有する。前記シート積層体は前記配線基板上に配置されている。前記シート積層体は、前記第1貫通穴の直上に位置する第3貫通穴と、前記第2貫通穴の直上に位置する第4貫通穴と、を有する。前記光源は前記シート積層体上に配置されている。前記光源は互いに離隔した第1電極及び第2電極を有する。前記導光部材は、前記シート積層体上に配置され、前記光源の周囲を囲む。前記第1配線部材は、前記第1貫通穴及び前記第3貫通穴内を充填し、前記第1電極に電気的に接続された第1部分と、前記絶縁層の下に配置され、前記第1部分に連なり、前記第1配線層に接した第2部分と、を有する。前記第2配線部材は、前記第2貫通穴及び前記第4貫通穴内を充填し、前記第2電極に電気的に接続された第3部分と、前記絶縁層の下に配置され、前記第3部分に連なり、前記第2配線層に接した第4部分と、を有する。上面視において前記第1配線層と前記第2配線層が前記第1貫通穴及び前記第2貫通穴を挟むように配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態によれば、配線基板における配線層と光源における電極との電気的な接続構造において、接続不良の発生を抑制できる面状光源を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態に係る面状光源を示す模式的な上面図である。
【
図2】面状光源において一つの発光領域及びその周囲を拡大して示す模式的な上面図である。
【
図3】
図2のIII-III線における模式的な断面図である。
【
図4A】配線基板の一部を拡大して示す模式的な上面図である。
【
図4B】配線基板の一部を拡大して示す模式的な下面図である。
【
図5A】
図3における光源を拡大して示す模式的な断面図である。
【
図5B】
図3における光源を拡大して示す模式的な上面図である。
【
図6】配線基板の一部、シート積層体の一部、及び光源を拡大して示す模式的な上面図である。
【
図7】面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図8A】面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図8B】面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図9】面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図10A】面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図10B】面状光源の製造方法を示す模式的な下面図である。
【
図11A】面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図11B】面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図12】配線基板の中央部及び配線基板の端部を拡大して示す模式的な下面図である。
【
図13A】面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図13B】面状光源の製造方法を示す模式的な下面図である。
【
図14】面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図15A】面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図15B】第1配線部材、第2配線部材、及び被覆層の形状の他の例を示す模式的な断面図である。
【
図15C】第1配線部材、第2配線部材、及び被覆層の形状の他の例を示す模式的な断面図である。
【
図16】第2の実施形態に係る面状光源の一部を拡大して示す模式的な断面図である。
【
図17】面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図18】面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図19】面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図20】面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図21】第3の実施形態に係る面状光源の配線基板の一部、シート積層体の一部、及び光源を拡大して示す模式的な上面図である。
【
図22】第4の実施形態に係る面状光源を示す模式的な断面図である。
【
図23】面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図24】面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図25】面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図26】第5の実施形態に係る面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図27】第6の実施形態に係る面状光源を示す模式的な断面図である。
【
図28】面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図29】面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図30】第7の実施形態に係る面状光源における光源及び配線基板の一部を拡大して示す模式的な下面図である。
【
図31A】
図30のXXXI-XXXI線における模式的な断面図である。
【
図31B】光源及び配線基板の他の例を示す模式的な下面図である。
【
図32A】面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図32B】面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図33】第8の実施形態に係る面状光源における配線基板の一部を拡大して示す模式的な下面図である。
【
図34】第9の実施形態に係る面状光源を示す模式的な上面図である。
【
図35】第9の実施形態における発光モジュールにおいて、
図34の破線XXXVで囲まれた領域を拡大して示す模式的な上面図である。
【
図36】
図35のXXXVI-XXXVI線における模式的な断面図である。
【
図37】第9の実施形態における発光モジュールにおいて、
図34のXXXVで囲まれた領域を拡大し、配線パターンを透過して示す模式的な上面図である。
【
図38】
図34の破線XXXVIIIで囲まれた部分を拡大して示す模式的な下面図である。
【
図39】第9の実施形態における配線基板において
図38の破線XXXIXで囲まれた部分を拡大して示す模式的な下面図である。
【
図40】第9の実施形態における配線基板及び発光モジュールにおいて
図38の破線XXXIXで囲まれた部分を拡大して示す模式的な下面図である。
【
図41】
図40のXLI-XLI線における模式的な断面図である。
【
図42】配線基板の他の例を示す模式的な下面図である。
【
図43】変形例における配線基板の一部を拡大して示す模式的な下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1の実施形態>
先ず、第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る面状光源を示す模式的な上面図である。
図2は、面状光源において一つの発光領域及びその周囲を拡大して示す模式的な上面図である。
図3は、
図2のIII-III線における模式的な断面図である。
本実施形態に係る面状光源100は、
図3に示すように、配線基板110と、配線基板110の上に配置された光源120と、配線基板110の上に配置され、光源120の周囲を囲んだ導光部材130と、を備える。以下、面状光源100の各部について詳述する。
【0010】
なお、以下の説明では、XYZ直交座標系を用いる。配線基板110から光源120に向かう方向を「Z方向」とする。Z方向と直交する一の方向を「X方向」とし、X方向及びZ方向と直交する一の方向を「Y方向」とする。また、「Z方向」を「上方向」ともいい、その反対方向を「下方向」ともいうが、これらの表現は便宜的なものであり、重力方向とは無関係である。また、上側から対象部材を、肉眼で直接見ること、又は、適宜透過させて見ることを「上面視」という。また、下側から対象部材を、肉眼で直接見ること、又は、適宜透過させて見ることを「下面視」という。
【0011】
また、本実施形態では、導光部材130には、
図1に示すように、X方向及びY方向に複数の光源配置部131が設けられている。そして各光源120は、各光源配置部131内に配置されている。ただし、配列する光源の数は、1以上であれば特に限定されない。また、導光部材130には、区画溝132が設けられており、上面視において各光源120の発光領域Rを区画している。以下においては、主に上面視で一つの発光領域R内に位置する部分について説明するが、上面視で他の発光領域R内に位置する部分についても、特に言及がない限り、同様に構成できる。
【0012】
配線基板110は、
図3に示すように、ベース層111と、ベース層111の上に配置された第1被覆層112と、ベース層111の下に配置され、1つの光源120に対応する第1配線層113及び第2配線層114と、ベース層111の下に設けられた第2被覆層115と、を有する。
【0013】
ベース層111は、絶縁材料からなる。ベース層111を構成する絶縁材料としては、例えば、エポキシ、シリコーン、液晶ポリマー、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂材料が挙げられる。
【0014】
第1被覆層112は、絶縁材料からなる。第1被覆層112を構成する絶縁材料としては、例えば、エポキシ、シリコーン、液晶ポリマー、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂材料が挙げられる。
【0015】
本明細書では、配線基板において、第1配線層及び第2配線層よりも上方に位置する絶縁性の層を「絶縁層」という。したがって、本実施形態では、ベース層111及び第1被覆層112が「絶縁層116」に相当する。ただし、絶縁層の構成は、上記に限定されない。例えば、配線基板においてベース層と第1被覆層との間には、絶縁性の接着層が配置されていてもよい。この場合、ベース層、第1被覆層、及び接着層が絶縁層に相当する。また、例えば、ベース層の上には第1被覆層が設けられていなくてもよい。この場合、ベース層のみが絶縁層に相当する。また、第1配線層及び第2配線層は、第2被覆層の下に配置されてもよい。この場合、第1被覆層、ベース層、及び第2被覆層が絶縁層に相当する。第1被覆層とベース層との間、及び、ベース層と第2被覆層の間に絶縁性の接着層が配置されていてもよい。
【0016】
絶縁層116には、互いに離隔した第1貫通穴116a及び第2貫通穴116bが設けられている。各貫通穴116a、116bは、絶縁層116をZ方向(上下方向)に貫通している。各貫通穴116a、116bの内面は、例えばZ方向に概ね平行である。
【0017】
図4Aは、配線基板の一部を拡大して示す模式的な上面図である。
図4Bは、配線基板の一部を拡大して示す模式的な下面図である。
図4Aに示すように、上面視における各貫通穴116a、116bの形状は、円形である。ただし、上面視における各貫通穴の形状は、上記に限定されず、例えば、四角形等の多角形、角部が丸められた多角形、又は楕円形等の円形以外の形状であってもよい。第1貫通穴116a及び第2貫通穴116bは、X方向に配列されている。ただし、第1貫通穴及び第2貫通穴はY方向に配列されていてもよいし、X方向及びY方向に対して交差する方向に配列されていてもよい。
【0018】
第1配線層113及び第2配線層114のそれぞれは、銅(Cu)等の金属材料からなる。第1配線層113及び第2配線層114は、互いに離隔している。第1配線層113及び第2配線層114のそれぞれは、第1貫通穴116a及び第2貫通穴116bから離隔している。
【0019】
第1配線層113は、光源120側に位置する先端部113aと、先端部113aと繋がる中間部113bと、中間部113bにおける先端部113aとは反対側に位置する外部接続部と、を有する。同様に、第2配線層114は、光源120側に位置する先端部114aと、先端部114aと繋がる中間部114bと、中間部114bにおける先端部114aとは反対側に位置する外部接続部と、を有する。面状光源100は、外部接続部に給電されることで点灯する。
【0020】
配線基板110は、平面視において、配線基板110の端部から外側に突出する突出領域を設け、突出領域に外部接続部を配置する構成でもよい。
【0021】
外部接続部は、別の部材(例えば、駆動回路を備える基板)と電気的に接続してもよい。外部接続部を別の部材に電気的に接続する際、コネクタを用いてもよいし、薄型化の観点で導電性シートを用いてもよい。
【0022】
上面視において第1配線層113及び第2配線層114は、第1貫通穴116a及び第2貫通穴116bを挟むように配置されている。本明細書において、「上面視で第1配線層及び第2配線層は、第1貫通穴及び第2貫通穴を挟むように配置」とは、上面視において第1配線層と第2配線層との間に第1貫通穴及び第2貫通穴が配置されており、第1貫通穴と第2貫通穴との間に第1配線層及び第2配線層が配置されていないことを意味する。本実施形態では、第1配線層113の先端部113a及び第2配線層114の先端部114aが、第1貫通穴116a及び第2貫通穴116bを挟むように配置されている。
【0023】
第1配線層113の先端部113aの上面視における形状は、本実施形態では円弧状である。先端部113aの表面は、
図3に示すように、絶縁層116に接する上面113cと、上面113cの反対側に位置する下面113dと、上面113cと下面113dとの間に位置する側面113eと、を含む。
【0024】
側面113eは、Z方向に平行である。ただし、側面は、Z方向に平行でなく、湾曲していてもよい。側面113eは、
図4Aに示すように、上面視において第1貫通穴116aと対向する第1領域113s1と、第1領域113s1の反対側に位置する第2領域113s2と、第1領域113s1と第2領域113s2との間に位置する第3領域113s3と、を有する。
【0025】
上面視における第1領域113s1の形状は、第1貫通穴116aから離れる方向に凹状であり、例えば円弧状である。上面視における第2領域113s2の形状は、第1領域113s1と同じ方向に湾曲した形状であり、例えば円弧状である。上面視における第3領域113s3の形状は、Y方向に平行な直線状である。ただし、上面視における第1領域の形状、第2領域の形状、及び第3領域の形状は、上記に限定されない。例えば、第1領域の形状及び第2領域の形状は、Y方向に平行な直線状であり、第3領域の形状は、X方向に平行な直線状であってもよい。
【0026】
第2配線層114の先端部114aの上面視における形状は、本実施形態では円弧状である。先端部114aの表面は、
図3に示すように、絶縁層116に接する上面114cと、上面114cの反対側に位置する下面114dと、上面114cと下面114dとの間に位置する側面114eと、を含む。
【0027】
側面114eは、Z方向に平行である。ただし、側面は、Z方向に平行でなく、湾曲していてもよい。側面114eは、
図4Aに示すように、上面視において第2貫通穴116bと対向する第1領域114s1と、第1領域114s1の反対側に位置する第2領域114s2と、第1領域114s1と第2領域114s2との間に位置する第3領域114s3と、を有する。
【0028】
上面視における第1領域114s1の形状は、第2貫通穴116bから離れる方向に凹状であり、例えば円弧状である。上面視における第2領域114s2の形状は、第1領域114s1と同じ方向に湾曲した形状であり、例えば円弧状である。上面視における第3領域114s3の形状は、Y方向に平行な直線状である。ただし、上面視における第1領域の形状、第2領域の形状、及び第3領域の形状は、上記に限定されない。例えば、第1領域の形状及び第2領域の形状は、Y方向に平行な直線状であり、第3領域の形状は、X方向に平行な直線状であってもよい。
【0029】
第1配線層113の中間部113b及び第2配線層114の中間部114bのそれぞれは、Y方向に延びている。ただし、各中間部が延びる方向は、上記に限定されず、X方向であってもよいし、X方向及びY方向に対して傾斜した方向であってもよいし、中間部が延びる方向が変化してもよい。また、第1配線層が延びる方向は、第2配線層が延びる方向と異なっていてもよい。
【0030】
第2被覆層115は、
図4Bに示すように、ベース層111の下面の一部を覆っている。また、第2被覆層115には、貫通穴115aが設けられている。貫通穴115aは、第2被覆層115をZ方向(上下方向)に貫通している。貫通穴115aからは、ベース層111の他の一部、第1配線層113の先端部113a及び中間部113bの一部、第2配線層114の先端部114a及び中間部114bの一部、後述する第1配線部材151の一部、及び第2配線部材152の一部が露出している。
図4Aに示すように、上面視における貫通穴115aの形状は、長円形である。ただし、上面視における貫通穴の形状は、上記に限定されず、例えば四角形等の多角形、又は、円形であってもよい。
【0031】
配線基板110の厚みは、例えば、50μm以上、250μm以下である。配線基板110の厚みが上記の範囲内である場合、温度又は湿度等の環境の変化により配線基板の絶縁層に収縮又は膨張等の変形が生じ易い。
【0032】
配線基板110の上には、
図3に示すように、光反射性シート117が配置されている。光反射性シート117は、接着シート118aにより配線基板110に貼り付けられている。光反射性シート117は、光源120から出射する光の一部を反射する。光反射性シート117が配置されていない場合、光源120から光の一部が配線基板110のベース層111に吸収され、ベース層111が劣化してしまうことがある。そこで、配線基板110上に光反射性シート117を配置させることで、光源120からの光が配線基板110に到達するのを抑制することができる。これにより、配線基板110のベース層111で光が吸収されることを抑制し、ベース層111の劣化を抑制することができる。光反射性シート117は、配線基板110の上面における第1貫通穴116a及び第2貫通穴116bを除く領域に配置させることが好ましい。これにより、光源120の下方に光反射性シート117が配置されるため、配線基板110に到達する光をより抑制することができる。また、光源120からの光が光反射性シート117によって反射されることで、光源120から光が導光部材130内において光源120からより遠方まで伝搬するため、発光領域R内の輝度ムラを抑制することができる。光反射性シート117は、多数の気泡を含む樹脂シート(例えば発泡樹脂シート)又は光拡散材を含む樹脂シート等によって構成できる。光反射性シート117に用いられる樹脂としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)若しくはポリエステル等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ若しくはシリコーン等の熱硬化性樹脂を用いることができる。また、光拡散材としては、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛又はガラス等を用いることができる。
【0033】
各配線部材151、152の材料が熱硬化性の材料を主成分とする材料であり、光反射性シート117の主成分が熱可塑性の樹脂であってもよい。このとき、光反射性シート117の融点が、配線部材151、152の硬化温度よりも高いことが好ましい。これにより、各配線部材151、152が硬化する温度に到達しても、光反射性シート117は溶けないので、光反射性シート117の光反射性が低下するのを抑制することができる。配線部材の主成分がエポキシ樹脂であれば、配線部材の硬化温度はおよそ120度~130度である。また、光反射性シート117の主成分がポリエチレンテレフタレートであれば、光反射性シートの融点は、およそ220度である。
【0034】
光反射性シート117の上には、導光部材130が配置されている。導光部材130は、接着シート118bにより光反射性シート117に貼り付けられている。光反射性シート117、及び2枚の接着シート118a、118bを、「シート積層体119」という。
【0035】
シート積層体119は、配線基板110の上面を覆いつつ、第1貫通穴116a及び第2貫通穴116bを露出させる。具体的には、シート積層体119には、第1貫通穴116aの直上に位置する第3貫通穴119aと、第2貫通穴116bの直上に位置する第4貫通穴119bと、が設けられている。
【0036】
上面視における第3貫通穴119aの形状は、第1貫通穴116aと同形状であり、例えば円形である。第3貫通穴119aの内面は、例えば、第1貫通穴116aの内面と面一であり、Z方向に概ね平行である。上面視における第4貫通穴119b形状は、第2貫通穴116bと同形状であり、例えば円形である。第4貫通穴119bの内面は、例えば、第2貫通穴116bの内面と面一であり、Z方向に概ね平行である。すなわち、第1貫通穴116aと第3貫通穴119aとにより、略円柱形状の1つの貫通穴が形成されており、第2貫通穴116bと第4貫通穴119bとにより、略円柱形状の1つの貫通穴が形成されている。
【0037】
ただし、シート積層体の構成は、上記に限定されない。例えば、シート積層体に、上記のように第1貫通穴及び第2貫通穴に対応する2つの貫通穴を設けるのではなく、第1貫通穴及び第2貫通穴の直上に1つの貫通穴を設け、当該1つの貫通穴により第1貫通穴及び第2貫通穴の両方を露出してもよい。また、面状光源には、シート積層体が設けられていなくてもよい。
【0038】
図5Aは、
図3における光源を拡大して示す模式的な断面図である。
図5Bは、
図3における光源を拡大して示す模式的な上面図である。
図6は、配線基板の一部、シート積層体の一部、及び光源を拡大して示す模式的な上面図である。
光源120は、
図5Aに示すように、発光素子124と、透光性部材125と、第1光調整部材126と、被覆部材127と、第1端子122と、第2端子123と、を有する。
【0039】
発光素子124は、発光部124aと、発光部124aの下に配置され、互いに離隔した第1電極124b及び第2電極124cと、を有する。
【0040】
発光部124aは、例えば、半導体成長用基板と、半導体成長用基板の下に配置された半導体積層構造と、を有する。半導体積層構造としては、可視光または紫外光を発光可能に構成され、所望とする発光ピーク波長に応じて任意の組成を用いることができる。半導体積層構造は、例えば、InxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)層を含み、発光部124aからは青色光が出射される。ただし、発光部が出射する光の色は、青色に限定されない。
【0041】
半導体積層構造は、n型半導体層及びp型半導体層と、これらに挟まれた発光層とを含む。発光層は、ダブルヘテロ接合または単一量子井戸(SQW)等の構造を有していてもよいし、多重量子井戸(MQW)のようにひとかたまりの活性層群をもつ構造を有していてもよい。
また、半導体積層構造は、n型半導体層とp型半導体層との間に1つ以上の発光層を含む構造を有していてもよいし、n型半導体層と発光層とp型半導体層とを順に含む構造が複数回繰り返された構造を有していてもよい。半導体積層構造が複数の発光層を含む場合、発光ピーク波長が異なる発光層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ発光層を含んでいてもよい。なお、発光ピーク波長が同じとは、数nm程度のばらつきがある場合も含む。複数の発光層の間の発光ピーク波長の組み合わせは、適宜選択することができる。例えば半導体積層構造が2つの発光層を含む場合、青色光と青色光、緑色光と緑色光、赤色光と赤色光、紫外光と紫外光、青色光と緑色光、青色光と赤色光、または、緑色光と赤色光などの組み合わせで発光層を選択することができる。各発光層は、発光ピーク波長が異なる複数の活性層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ複数の活性層を含んでいてもよい。
【0042】
第1電極124b及び第2電極124cは、X方向に配列されている。上面視における各電極124b、124cの形状は、
図5Bに示すように、角部が丸まった略三角形である。ただし、上面視における各電極の形状は、上記に限定されず、例えば、四角形等の他の多角形、円形、又は楕円形であってもよい。
【0043】
図6に示すように、上面視において第1貫通穴116aの中心c1と第2貫通穴116bの中心c2との距離D1は、第1電極124bの中心c3と第2電極124cの中心c4との距離D2よりも長い(D1>D2)。ただし、第1貫通穴の中心と第2貫通穴の中心との距離は、第1電極の中心と第2電極の中心との距離と等しくてもよい。なお、第1電極124bの中心c3は、第1電極124bが三角形の場合は、三角形の各頂点と各頂点の反対側に位置する辺の中点と、を結んだ3本の線の交点である。第2電極124cの中心c4についても同様である。
【0044】
透光性部材125は、
図5Aに示すように、発光部124aの上面及び側面を覆っている。透光性部材125は、発光部124aから出射した光に対する透光性を有する。透光性部材125は、透光性材料からなる母材と、母材中に分散された複数の波長変換粒子と、を含む。母材の材料としては、例えば、シリコーン、エポキシ、ガラスなどを用いることができる。波長変換粒子としては、例えば蛍光体を用いることができる。蛍光体としては、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、YAG蛍光体)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu
3(Al,Ga)
5O
12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb
3(Al,Ga)
5O
12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca
10(PO
4)
6C
l2:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、Sr
4Al
14O
25:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、Ca
8MgSi
4O
16C
l2:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)
3(O,N)
4:Eu)、αサイアロン系蛍光体(例えば、Mz(Si,Al)
12(O,N)
16:Eu(但し、0<z≦2であり、MはLi、Mg、Ca、Y、及びLaとCeを除くランタニド元素))、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl
3N
4:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN
3:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN
3:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、K
2SiF
6:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K
2(Si,Al)F
6:Mn)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF
2・GeO
2:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する蛍光体(例えば、CsPb(F,Cl,Br,I)
3)、又は量子ドット蛍光体(例えば、CdSe、InP、AgInS
2又はAgInSe
2)等を用いることができる。透光性部材125は、複数種類の蛍光体を含んでいてもよい。
【0045】
また、上述した蛍光体を含有する波長変換シートを、面状光源上に配置してもよい。波長変換シートは、光源120からの青色光の一部を吸収して、黄色光、緑色光及び/又は赤色光を発し、白色光を出射する面状光源とすることができる。例えば、青色の発光が可能な光源と、黄色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を組み合わせて白色光を得ることができる。また他には、青色の発光が可能な光源と、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する波長変換シートとを組み合わせてもよい。また、青色の発光が可能な光源と、複数の波長変換シートとを組み合わせてもよい。複数の波長変換シートとしては、例えば、赤色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、緑色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を選択することができる。また、青色の発光が可能な発光素子と、赤色の発光が可能な蛍光体を含有する透光性部材とを有する光源と、緑色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートとを組み合わせてもよい。
【0046】
光源120は、透光性部材125内の波長変換粒子から出射した光と、発光部124aから出射した光との混色光を出射し、混色光の色は、例えば白色である。ただし、透光性部材には、波長変換粒子が設けられていなくてもよい。この場合、光源は、発光部から出射される青色光のみを出射してもよい。
【0047】
第1光調整部材126は、透光性部材125の上面を覆っている。第1光調整部材126は、発光部124aから出射する光の一部を反射し、発光部124aから出射する光の他の一部を透過する。第1光調整部材126は、例えば、光反射性材料を含む樹脂である。具体的には、第1光調整部材126としては、光反射性材料として酸化チタンを含むシリコーン又はエポキシ等の樹脂を用いることができる。
【0048】
被覆部材127は、透光性部材125の下面及び発光部124aの下面を覆っている。被覆部材127は、例えば、光反射性材料を含む樹脂である。具体的には、被覆部材127としては、光反射性材料として酸化チタンを含むシリコーン又はエポキシ等の樹脂を用いることができる。
【0049】
第1端子122及び第2端子123は、銅(Cu)等の金属材料からなる。第1端子122は、
図5Aに示すように、第1電極124bの下端に接している。第2端子123は、第2電極124cの下端に接している。第1端子122及び第2端子123は、互いに離隔している。
【0050】
以下、光源120において、2つの端子122、123を除いた部分(発光素子124、透光性部材125、第1光調整部材126、及び被覆部材127)を「本体部121」という。
【0051】
図5Bに示すように、上面視における本体部121の形状は、例えば四角形である。本体部121は、本体部121の一の対角線L1がX方向に平行となり、他の対角線L2がY方向に平行となるように配置されている。すなわち、本体部121は、上面視における外周を形成する4辺がX方向及びY方向に対して45度傾くように配置されている。
【0052】
2つの電極124b、124cは、上面視において対角線L2に対して概ね対称となるように配置されている。
図6に示すように、2つの電極124b、124c及び2つの端子122、123は、対角線L1上に位置する。上面視における本体部121の寸法は、対角線L1上で最大となる。このため、2つの端子122、123を対角線L1上に配置することで、上面視における発光素子124の面積が小さい場合であっても、2つの端子122、123同士が近接することを抑制できる。配線基板110の2つの貫通穴116a、116bは、2つの端子122、123の位置に応じて設けられる。そのため、2つの端子122、123同士が近接することを抑制することで、2つの貫通穴116a、116b同士が近接することを抑制できる。その結果、発光素子124におけるp形半導体層とn形半導体層とが電気的に接続されて短絡することを抑制できる。ただし、本体部は、上面視において各対角線がX方向及びY方向に対して傾くように配置されていてもよい。また、上面視における光源の本体部の形状は、上記に限定されず、例えば、五角形等の四角形以外の多角形、又は円形であってもよい。また、2つの電極の位置は、上記に限定されない。
【0053】
上面視において第1電極124bの一部は、本実施形態では、第1貫通穴116aと重なっている。これにより、第1電極124bと後述する第1配線部材151との距離を短くし、第1電極124bと第1配線部材151との間の抵抗を低減できる。第2電極124cについても同様である。ただし、各電極は、上面視において対応する貫通穴の全域を覆っていてもよい。また、各電極は、上面視において対応する貫通穴と重なっていなくてもよい。
【0054】
上面視における第1端子122の形状は、
図5Bに示すように三角形である。これにより、第1端子122と後述する第1配線部材151との接続面積を大きくできる。上面視における第2端子123の形状は、対角線L2を基準として第1端子122と対称な三角形の一部を切り欠いた形状である。これにより、正極と負極の判別を容易にできる。ただし、各端子の形状は、上記に限定されず、例えば四角形等の他の多角形、角部を丸めた多角形、円形、又は楕円形であってもよい。また、第1端子の形状と第2端子の形状は同じであってもよい。
【0055】
上面視における第1端子122の面積は、第1電極124bの面積より大きい。同様に、上面視における第2端子123の面積は、第2電極124cの面積より大きい。ただし、上面視における第1端子の面積は、第1電極の面積と等しく、上面視における第2端子の面積は、第2電極の面積と等しくてもよい。
【0056】
図6に示すように、上面視において、第1端子122は、第1貫通穴116aを覆っており、第2端子123は、第2貫通穴116bを覆っている。具体的には、第1端子122は、
図3に示すように、第1貫通穴116aの直上に位置する第3貫通穴119aの上側の開口を塞ぎ、第2端子123は、第2貫通穴116bの直上に位置する第4貫通穴119bの上側の開口を塞いでいる。ただし、面状光源にシート積層体が設けられていない場合、第1端子は第1貫通穴の上側の開口を塞ぎ、第2端子は第2貫通穴の上側の開口を塞いでもよい。
【0057】
なお、光源の構成は、上記に限定されない。例えば、光源には、端子が設けられていなくてもよい。光源に第1端子が設けられていない場合は、第1電極が第1配線部材と電気的に接続し、第2電極が第2配線部材と電気的に接続する。また、光源を構成する発光素子の数は、2以上であってもよい。この場合、各発光素子の正極側の電極は、配線基板における同一の配線層に電気的に接続されてもよいし、相互に異なる配線層に電気的に接続されてもよい。各発光素子の負極側の電極についても同様である。また、光源は、発光素子のみによって構成されていてもよい。
【0058】
第1配線層113と第1電極124bとは、第1端子122及び第1配線部材151によって、電気的に接続されている。第2配線層114と第2電極124cとは、第2端子123及び第2配線部材152によって、電気的に接続されている。
【0059】
各配線部材151、152は、本実施形態では、樹脂材料からなる母材と、母材中に設けられた少なくとも1種の金属粒子と、を含む。母材中において複数の金属粒子同士は接触しており、各端子122、123と各配線層113、114とを電気的に接続している。各配線部材151、152に用いられる樹脂材料は、本実施形態では同一であり、例えば、エポキシ等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。各配線部材151、152に用いられる金属粒子は、本実施形態では、銅(Cu)等の第1の金属材料からなるコアと、金(Au)等の第2の金属材料からなり、コアを被覆する被覆層と、からなる。ただし、各配線部材に用いられる金属粒子は、銅(Cu)、銀(Ag)、又は金(Au)等の1種類の金属材料のみからなってもよいし、2種類以上の金属粒子からなってもよい。
【0060】
第1配線部材151は、第1部分151aと、第2部分151bと、を有する。
第1部分151aは、第1貫通穴116a内及び第3貫通穴119a内を充填している。本明細書で、「貫通穴内を充填している」とは、貫通穴内を完全に埋めていることを意味するのではなく、実質的に貫通穴内を埋めていることを意味し、例えば、貫通穴内に空隙が存在していてもよい。第1部分151aの形状は、第1貫通穴116a及び第3貫通穴119aの形状に対応した形状であり、例えば、略円柱形状である。
【0061】
第1部分151aの上端は、第1端子122の下端に接し、第1部分151aは、第1端子122を介して、第1電極124bに電気的に接続されている。このように、本明細書において2つの部材が「電気的に接続されている」とは、2つの部材が直接的に接続されており、2つの部材間が導通可能であること、及び、2つの部材が導電性を備える他の部材を介して間接的に接続されており、2つの部材間が導通可能であること、の両方を含む。
【0062】
第2部分151bは、第1配線部材151において第1貫通穴116aの下側の開口よりも下方に位置する薄膜状の部分である。第2部分151bは、第1部分151aに連なり、絶縁層116の下に配置され、第1配線層113に接している。第2部分151bは、
図4Bに示すように、第1貫通穴116aの下側の開口の一部及び第1配線層113の先端部113aの下面113dの一部を覆っている。具体的には、第2部分151bは、第1貫通穴116aの下側の開口のうち、X方向において第2貫通穴116b側に位置する領域を露出している。ただし、第2部分は、第1貫通穴の下側の開口の全域を覆っていてもよい。
【0063】
同様に、第2配線部材152は、
図3に示すように、第3部分152aと、第4部分152bと、を有する。
【0064】
第3部分152aは、第2貫通穴116b内及び第4貫通穴119b内を充填している。第3部分152aの形状は、第2貫通穴116b及び第4貫通穴119bの形状に対応した形状であり、例えば略円柱形状である。第3部分152aの上端は、第2端子123の下端に接しており、第3部分152aは、第2端子123を介して、第2電極124cに電気的に接続されている。
【0065】
第4部分152bは、第2配線部材152において第2貫通穴116bの下側の開口よりも下方に位置する薄膜状の部分である。第4部分152bは、第3部分152aに連なり、絶縁層116の下に配置され、第2配線層114に接している。第4部分152bは、
図4Bに示すように、第2貫通穴116bの下側の開口の一部及び第2配線層114の先端部114aの下面114dの一部を覆っている。具体的には、第4部分152bは、第2貫通穴116bの下側の開口のうち、X方向において第1貫通穴116a側に位置する領域を露出している。これにより、第2部分151bと第4部分152bとが接触することを抑制できる。ただし、第4部分は、第2貫通穴の下側の開口の全域を覆っていてもよい。
【0066】
第1配線部材151及び第2配線部材152の下面は、
図3に示すように、被覆層153によって覆われている。具体的には、被覆層153は、第2被覆層115の貫通穴115aを覆うように配置されている。これにより、被覆層153は、第1配線層113、第2配線層114、第1配線部材151、及び第2配線部材152において第2被覆層115から露出した部分を覆っている。被覆層153は、絶縁材料からなる。被覆層153に用いられる絶縁材料としては、例えば、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂材料が挙げられる。
【0067】
導光部材130は、光源120から出射した光に対する透光性を有する。導光部材130の材料としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ、又はシリコーン等の熱硬化性樹脂、又はガラス等を用いることができる。
【0068】
導光部材130は、板状の部材によって構成されている。ただし、導光部材は、板状の部材ではなく、1以上の透光層によって構成されていてもよい。導光部材が複数の透光層によって構成されている場合、隣り合う透光層は透光性の接着シートによって貼り合せられていてもよい。透光性の接着シートの材料としては、透光層と接着シートとの間に界面が生じるのを軽減できるように、透光層と同じ材料を用いることが好ましい。
【0069】
導光部材130に設けられた各光源配置部131は、Z方向(上下方向)に導光部材130を貫通する貫通穴である。上面視における光源配置部131の形状は、
図2に示すように、円形である。ただし、上面視における光源配置部の形状は、上記に限定されず、四角形等の多角形、角部が丸まった多角形、又は楕円形であってもよい。また、光源配置部は、導光部材の下面に設けられた凹部であってもよい。
【0070】
光源配置部131内には、
図3に示すように、透光性部材133が設けられている。透光性部材133は、本実施形態では、2層構造であり、光源120と光源配置部131の側面との隙間に設けられた第1層133aと、第1層133aの上に設けられた第2層133bと、を有する。ただし、透光性部材は、単層構造であってもよいし、3層以上の構造であってもよい。
【0071】
第1層133aは、本実施形態では、光源120を封止している。ただし、第1層は光源と光源配置部の側面との隙間にのみ設けられ、光源を封止しなくてもよい。第1層133aの上面は、導光部材130の上面よりも下方に位置する。第1層133aの上面は、下方向に凹状に湾曲している。ただし、第1層の上面は、X方向及びY方向に平行な平坦面であってもよい。
【0072】
第2層133bの上面は、X方向及びY方向に平行な平坦面であり、導光部材130の上面と略面一である。ただし、第2層の上面は、下方向に凹状に湾曲していてもよいし、導光部材の上面よりも下方に位置してもよい。
【0073】
第1層133a及び第2層133bは、光源120から出射した光に対する透光性を有する。第1層133a及び第2層133bは、透光材料を含む。第1層133a及び第2層133bに用いられる透光材料としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ、又はシリコーン等の熱硬化性樹脂等を用いることができる。第2層133bは、更に波長変換粒子を含んでもよい。ただし、光源配置部内には透光性部材が設けられておらず、光源配置部内は、空気層であってもよい。
【0074】
透光性部材133の上には、第2光調整部材134が配置されている。第2光調整部材134は、
図2に示すように、上面視において光源120覆い、光源配置部131の一部を露出するように配置している。ただし、第2光調整部材は、上面視において光源配置部の全域を覆うように配置してもよい。第2光調整部材134は、光源120から出射する光の一部を反射し、光源120から出射する光の他の一部を透過する。第2光調整部材134は、例えば、光反射性材料を含む樹脂である。具体的には、第2光調整部材134としては、光反射性材料として酸化チタンを含むシリコーン又はエポキシ等の樹脂を用いることができる。上面視における第2光調整部材134の形状は、
図2に示すように、四角形である。ただし、上面視における第2光調整部材の形状は、上記に限定されず、例えば円形であってもよい。
【0075】
導光部材130に設けられた区画溝132は、
図1に示すように、X方向及びY方向に延びた格子状である。ただし、区画溝の形状は格子状には限定されず、各発光領域を実用上十分な程度に光学的に区画できていればよい。例えば、格子の交点部分には、区画溝が設けられていなくてもよい。
【0076】
区画溝132は、
図3に示すように、導光部材130をZ方向(上下方向)に貫通している。区画溝132の側面は、Z方向に平行である。ただし、区画溝の構成は上記に限定されない。例えば、区画溝の側面はZ方向に対して傾斜していてもよいし、湾曲していてもよい。また、区画溝は、導光部材の上面に設けられた凹部であってもよいし、導光部材の下面に設けられた凹部であってもよいし、導光部材の上面及び下面に到達しない中空状であってもよい。また、区画溝の一部が閉塞していてもよい。また、区画溝は、導光部材だけでなくシート積層体にも設けられていてもよい。
【0077】
区画溝132内には、区画部材135が配置されていている。区画部材135は、例えば、光反射性材料を含む樹脂である。具体的には、区画部材135としては、光反射性材料として酸化チタンを含むシリコーン又はエポキシ等の樹脂を用いることができる。
【0078】
区画部材135は、区画溝132内に充填されており、区画部材135の上面は、導光部材130の上面と面一である。ただし、区画部材の構成は、上記に限定されない。例えば、区画部材は、区画溝の内面に沿って層状に形成されていてもよいし、区画部材の上部は、導光部材の上面よりも上方に突出していてもよい。また、区画溝内には、区画部材が設けられておらず、区画溝の内部は、空気層であってもよい。
【0079】
次に、本実施形態に係る面状光源100の製造方法について説明する。
図7は、面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
図8Aは、面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
図8Bは、面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
図9は、面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
図10Aは、面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
図10Bは、面状光源の製造方法を示す模式的な下面図である。
図11Aは、面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
図11Bは、面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【0080】
先ず、
図7に示すように、配線基板110を準備する。ここで準備される配線基板110は、互いに離隔した第1貫通穴116a及び第2貫通穴116bが設けられた絶縁層116と、絶縁層116の下に配置され、第1貫通穴116a及び第2貫通穴116bから離隔した第1配線層113及び第2配線層114と、を有している。また、配線基板110の上面には、シート積層体119が貼り付けられている。シート積層体119には、第1貫通穴116aの直上に位置する第3貫通穴119aと、第2貫通穴116bの直上に位置する第4貫通穴119bと、が設けられている。
【0081】
第1貫通穴116a及び第3貫通穴119aは、例えば、配線基板110の上にシート積層体119を配置した後に、パンチング、ドリルによる掘削、又はレーザの照射等により一度に形成できる。同様に、第2貫通穴116b及び第4貫通穴119bは、例えば、配線基板110の上にシート積層体119を配置した後に、同様の方法により一度に形成できる。ただし、あらかじめ第1貫通穴及び第2貫通穴が形成された配線基板の上に、あらかじめ第3貫通穴及び第4貫通穴が形成されたシート積層体を配置してもよい。
【0082】
次に、
図8Aに示すように、配線基板110の上に、光源120が配置される光源配置部131が設けられた導光部材130を配置する。導光部材130は、光源配置部131から第3貫通穴119a及び第4貫通穴119bが露出するように配置される。導光部材130は、接着シート118bよりシート積層体119に貼り付けられる。
次に、
図8Bに示すように、導光部材130に区画溝132を形成する。
【0083】
次に、
図9に示すように、配線基板110の上に光源120を配置する。光源120は、上面視において第1端子122が第1貫通穴116aを覆い、第2端子123が第2貫通穴116bを覆うように、光源配置部131内に配置される。これにより、第1端子122が第3貫通穴119aの光源120側の開口を塞ぎ、第2端子123が第4貫通穴119bの光源120側の開口を塞ぐ。
【0084】
この際、第1端子122の下面の一部及び第2端子123の下面の一部は、シート積層体119の接着シート118bに貼り付けられる。これにより、光源120を配線基板110に対して仮固定できる。
【0085】
次に、
図10Aに示すように、接着シート118bによる光源120の配線基板110への仮固定を補強するように、光源配置部131の側面と光源120との隙間に、透光性の第1樹脂部材133Faを配置する。本実施形態では、透光性の第1樹脂部材133Faは、光源120を封止しつつ、上面が導光部材130の上面よりも下方に位置するように配置される。ただし、光源の仮固定を補強するための第1樹脂部材の量は、光源配置部の側面と各端子との間の隙間を塞ぎ、光源を封止しない程度の量であってもよい。
【0086】
次に、本実施形態では、第1樹脂部材133Faを硬化させる。第1樹脂部材133Faの硬化物は、透光性部材133の第1層133aに相当する。ただし、第1樹脂部材は、後述する各導電性ペースト151F、152Fを配置した後に硬化させてもよい。
【0087】
この際、
図10Bに示すように、配線基板110の第2被覆層115に設けられた貫通穴115aから、第1貫通穴116a、第2貫通穴116b、第1配線層113の先端部113a及び中間部113bの一部、並びに、第2配線層114の先端部114a及び中間部114bの一部が、外部に露出している。
【0088】
次に、
図11A及び
図11Bに示すように、第1配線部材151、及び、第2配線部材152を形成する。
【0089】
具体的には、先ず、
図11Aに示すように、配線基板110と、シート積層体119と、光源120と、導光部材130と、を有する中間体を、配線基板110から光源120に向かう方向(Z方向)が重力方向Gと概ね一致するように、配置する。
【0090】
次に、第1導電性ペースト151Fを、第1貫通穴116a及び第3貫通穴119a内を充填し、かつ、絶縁層116及び第1配線層113に接するように配置する。また、第2導電性ペースト152Fを、第2貫通穴116b及び第4貫通穴119b内を充填し、かつ、絶縁層116及び第2配線層114に接するように配置する。
【0091】
このように配置された第1導電性ペースト151Fは、第1貫通穴116a及び第3貫通穴119aに充填された第1部分151Faと、第1部分151Faに連なり、絶縁層116及び第1配線層113に接する薄膜状の第2部分151Fbと、を有する。第2部分151Fbは、第1部分151Faの一部を露出している。これにより、第1導電性ペースト151Fが硬化するまでの間に、第1部分151Fa内に存在するボイドを、第1部分151Faにおいて第2部分151Fbから露出している表面から容易に逃がすことができる。その結果、第1導電性ペースト151Fの硬化物に含まれるボイドを低減できる。
【0092】
同様に、このように配置された第2導電性ペースト152Fは、第2貫通穴116b及び第4貫通穴119bに充填された第3部分152Faと、第3部分152Faに連なり、絶縁層116及び第2配線層114に接する薄膜状の第4部分152Fbと、を有する。第4部分152Fbは、第3部分152Faの一部を露出している。これにより、第2導電性ペースト152Fが硬化するまでの間に、第3部分152Faに存在するボイドを、第3部分152Faにおいて第4部分152Fbから露出している表面から容易に逃がすことができる。その結果、第2導電性ペースト152Fの硬化物に含まれるボイドを低減できる。
【0093】
各導電性ペースト151F、152Fは同時に配置されてもよいし、順次配置されてもよい。各導電性ペースト151F、152Fは、未硬化の樹脂材料と、樹脂材料中に分散された1種以上の金属粒子と、を含む。各導電性ペースト151F、152Fを構成する樹脂材料としては、エポキシ等の熱硬化性樹脂が挙げられる。各導電性ペースト151F、152Fに用いられる金属粒子の材料としては、例えば、本実施形態では、銅(Cu)等の第1の金属材料からなるコアと、金(Au)等の第2の金属材料からなり、コアを被覆する被覆層と、からなる。ただし、各配線部材に用いられる金属粒子は、銅(Cu)、銀(Ag)、又は金(Au)等の1種類の金属材料のみからなってもよい。各導電性ペースト151F、152Fには、揮発性の溶媒を更に含んでもよい。
【0094】
前述したように、第3貫通穴119aの光源120側の開口は、第1端子122によって塞がれており、第4貫通穴119bの光源120側の開口は、第2端子123によって塞がれている。そのため、各導電性ペースト151F、152Fが、導光部材130の光源配置部131内に漏出することを抑制できる。
【0095】
更に、この際、光源配置部131の側面と光源120との隙間が第1樹脂部材133Faの硬化物(透光性部材133の第1層133a)により塞がれている。そのため、各端子122、123が対応する貫通穴119a、119bを完全に塞いでいない場合に、第1樹脂部材133Faの硬化物により、各導電性ペースト151F、152Fが光源配置部131内に漏出することをより一層抑制できる。
【0096】
次に、
図11Bに示すように、第1導電性ペースト151F及び第2導電性ペースト152Fを硬化させる。各導電性ペースト151F、152Fを構成する樹脂材料が熱硬化性樹脂である場合、各導電性ペースト151F、152Fを加熱されることによって硬化する。第1導電性ペースト151Fの硬化物が第1配線部材151に相当し、第2導電性ペースト152Fの硬化物が第2配線部材152に相当する。
【0097】
図12は、配線基板の中央部及び配線基板の端部を拡大して示す模式的な下面図である。
図12では、配線基板110の端部において、位置が変化する前の各貫通穴116a、116bを2点鎖線で示している。
絶縁層116は、第1配線層113及び第2配線層114と比較して、温度又は湿度等の環境の変化により収縮又は膨張等の変形が生じやすい。絶縁層116の変形は、例えば、配線基板110を配線基板110を製造した場所から面状光源100を組み立てる場所に搬送する際の温度又は湿度等の環境に応じて生じ得る。また、絶縁層116の変形は、例えば、面状光源100の製造時において、第1樹脂部材133Faを硬化させる際に温度が高くなることにより生じ得る。絶縁層116が変形することにより、矢印で示すように、2つの配線層113、配線層114に対する2つの貫通穴116a、116bの位置が変化する場合がある。このような絶縁層116の変形の影響は、配線基板110のX方向及びY方向の各位置によって異なる。
【0098】
具体的には、例えば、
図12に示すように配線基板110の中央部では、絶縁層116の変形の影響が小さく、第1貫通穴116aと第1配線層113とのX方向における距離E1、及び、第2貫通穴116bと第2配線層114とのX方向における距離E2のそれぞれは、概ね設計値に等しく、例えば距離E1は、距離E2と概ね等しい。一方、配線基板110の端部では、絶縁層116の変形の影響が大きく、2つの貫通穴116a、116bがX方向にずれる。その結果、第1貫通穴116aと第1配線層113とのX方向における距離E1及び第2貫通穴116bと第2配線層114とのX方向における距離E2は、設計値と異なり、例えば、距離E1は距離E2よりも長い。
【0099】
このような場合、配線基板110の各位置において、第1導電性ペースト151Fは、第1貫通穴116a及び第3貫通穴119aの外部に位置する部分のX方向における寸法F1が距離E1に対応するように配置される。同様に、配線基板110の各位置において、第2導電性ペースト152Fは、第2貫通穴116b及び第4貫通穴119bの外部に位置する部分のX方向における寸法F2が距離E2に対応するように配置される。そのため、例えば配線基板110の中央部では、第1配線部材151の寸法F1と第2配線部材152の寸法F2は、概ね等しくなる。一方、配線基板110の端部では、第1配線部材151の寸法F1は、第2配線部材152の寸法F2より大きくなる。
【0100】
このように、各第1導電性ペースト151Fの寸法F1を、対応する第1配線層113と第1貫通穴116aとのX方向における距離E1に応じた寸法としている。同様に、各第2導電性ペースト152Fの寸法F2を、対応する第2配線層114と第2貫通穴116bとのX方向における距離E2に応じた寸法としている。これにより、各第1電極124bと第1配線層113とを一対一で電気的に接続し、各第2電極124cと第2配線層114と一対一で電気的に接続できる。すなわち、2つの配線層113、114と2つの電極124b、124cとの電気的な接続構造において、短絡又は開放等の接続不良の発生を抑制できる。短絡とは、例えば2つの配線層113、114のうちの少なくとも一方が、対応する配線部材では無い方の配線部材に接続された状態である。開放とは、例えば2つの配線層113、114のうちの少なくとも一方が、いずれの配線部材にも接続されていない状態である。
【0101】
また、絶縁層116が変形することにより、
図12に示すように、2つの貫通穴116a、116bがY方向等の2つの貫通穴116a、116bの配列方向(X方向)と交差する方向にずれる場合がある。これに対して、上面視で2つの配線層113、114は、2つの貫通穴116a、116bを挟むように配置されている。これにより、2つの貫通穴116a、116bが、2つの貫通穴116a、116bの配列方向及び2つの貫通穴116a、116bの配列方向と交差する方向のいずれの方向にずれた場合にも、第1貫通穴116aが第1配線層113から離隔すること、及び、第2貫通穴116bが第2配線層114から離隔することを抑制できる。また、上面視において第1貫通穴116aと第2貫通穴116bとの間に第1配線層113及び第2配線層114が配置されていないため、第1貫通穴116aが第2配線層114に近接すること、及び、第2貫通穴116bが第1配線層113に近接することを抑制できる。その結果、配線基板110における配線層113、114と光源120における電極124b、124cとの電気的な接続構造において、短絡又は開放等の接続不良の発生を抑制できる。
【0102】
図13Aは、面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
図13Bは、面状光源の製造方法を示す模式的な下面図である。
次に、
図13A及び
図13Bに示すように、第1配線部材151及び第2配線部材152を覆うように被覆層153を配置する。
具体的には、被覆層153は、第2被覆層115に設けられた貫通穴115aを覆うように配置される。これにより、第1配線部材151、第2配線部材152、第1配線層113、及び第2配線層114において外部に露出していた部分が被覆層153によって覆われる。被覆層153と第1配線部材151との間、及び被覆層153と第2配線部材152との間には、空隙が存在してもよい。また、被覆層153と第1配線部材151との間、及び被覆層153と第2配線部材152との間には、空隙が存在しなくてもよい。
【0103】
図14は、面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
図15Aは、面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【0104】
次に、
図14に示すように、光源配置部131内であって、第1樹脂部材の硬化物(透光性部材133の第1層133a)上に、透光性を有する第2樹脂部材133Fbを配置し、硬化させる。第2樹脂部材133Fbは、波長変換粒子を含んでもよい。第2樹脂部材133Fbの硬化物は、透光性部材133の第2層133bに相当する。これにより、第1層133a及び第2層133bからなる透光性部材133が形成される。
【0105】
次に、
図15Aに示すように、透光性部材133上に第2光調整部材134を配置し、区画溝132内に、区画部材135を配置する。第1配線部材151の下面のうち、第1貫通穴116aの直下に位置する領域は、平坦である。また、第2配線部材152の下面のうち、第2貫通穴116bの直下に位置する領域は、平坦である。以上により、面状光源100が形成される。
【0106】
図15Bは、第1配線部材、第2配線部材、及び被覆層の形状の他の例を示す模式的な断面図である。
第1配線部材151の下面のうち、第1貫通穴116aの直下に位置する領域151sは、上方向に向かって窪んでいてもよい。また、第2配線部材152の下面のうち、第2貫通穴116bの直下に位置する領域152sは、上方向に向かって窪んでいてもよい。
図15Bに示す例では、被覆層153の下面は、概ね平坦である。ただし、被覆層153の下面において、光源120の直下に位置する領域は、下方向に盛り上がっていてもよい。また、被覆層153の下面において、領域151sの直下に位置する及び領域152sの直下に位置する領域は、各配線部材151、152の下面に沿って、上方向に向かって窪んでいてもよい。
【0107】
例えば、各導電性ペースト151F、152Fが硬化するときに、各導電性ペースト151F、152Fに含まれる溶剤等の希釈材が抜けることにより、上記の形状を有する配線部材151、152が形成される。
【0108】
図15Cは、第1配線部材、第2配線部材、及び被覆層の形状の他の例を示す模式的な断面図である。
第1配線部材151の下面のうち、第1貫通穴116aの直下に位置する領域151sは、下方向に向かって盛り上がっていてもよい。また、第2配線部材152の下面のうち、第2貫通穴116bの直下に位置する領域152sは、下方向に向かって盛り上がっていてもよい。
図15Cに示す例では、被覆層153の下面は、概ね平坦である。ただし、被覆層153の下面において、光源120の直下に位置する領域は、下方向に盛り上がっていてもよい。また、被覆層153の下面において、領域151sの直下に位置する及び領域152sの直下に位置する領域は、各配線部材151、152の下面に沿って、下方向に盛り上がっていてもよい 。
【0109】
例えば、各導電性ペースト151F、152Fにおいて各貫通穴116a、116bの直上に位置する部分が上方向に盛り上がるように、各導電性ペースト151F、152Fをディスペンサで配置することにより、上記の形状を有する配線部材151、152が形成される。また、例えば、各貫通穴116a、116bの直上に位置する部分が上方向に盛り上がるように、各導電性ペースト151F、152Fを複数回印刷することにより、上記の形状を有する配線部材151、152が形成される。
【0110】
各領域151s、152sが、平坦である場合又は下方向に盛り上がっている場合、各配線部材151、152を配線基板110に押し付ける方向の力が作用し易い。そのため、各配線部材151、152を配線基板110に対して強固に固定できる。
また、面状光源100を駆動させた場合、各光源120の点灯又は非点灯等の状態によって面状光源100の温度が上昇したり下降したりする。これにより、面状光源100を構成する配線基板110、シート積層体119、導光部材130、及び配線部材151、152が変形する場合がある。この際、これらの熱膨張率が相互に異なるため、配線部材151、152に応力が加わり、クラックが生じる可能性がある。本実施形態では、上述したように、各配線部材151、152を配線基板110に対して強固に固定することで、配線部材151、152に作用する応力を緩和できる。その結果、配線部材151、152にクラックが生じることを抑制できる。
【0111】
光反射性シート117の材料は、導光部材130より小さい熱膨張率の材料であるのが好ましい。さらに、光反射性シート117の材料は、配線基板110より大きい熱膨張率の材料であることが好ましい。これにより、導光部材130と配線基板110との間の熱膨張率差を緩和することができる。導光部材130がポリカーボネートであれば、熱膨張率はおよそ60ppm/℃である。光反射性シート117の主成分がポリエチレンテレフタレートであれば、熱膨張率はおよそ25ppm/℃である。配線基板110がポリイミド及び銅を含む場合、熱膨張率はおよそ17ppm/℃である。
以上により、面状光源100の強度を向上させることができる。
【0112】
ただし、面状光源の製造方法は、上記に限定されない。例えば、光源配置部内に光源の仮固定を補強するための第1樹脂部材は、光源配置部を充填するように配置され、第2樹脂部材を配置する工程はなくてもよい。また、各導電性ペーストを配置する前に、光源配置部内に光源の仮固定を補強するための第1樹脂部材を配置しなくてもよい。また、区画溝を形成する工程、及び第2光調整部材及び区画部材を配置する工程は、第1配線部材及び第2配線部材を形成する工程よりも前に行われてもよい。また、導光部材を配置する工程は、光源を配置する工程の後であってもよい。
【0113】
次に、本実施形態に係る面状光源100の動作について説明する。
第1配線層113は、第1配線部材151及び第1端子122を介して光源120の第1電極124bに電気的に接続されており、第2配線層114は、第2配線部材152及び第2端子123を介して光源120の第2電極124cに電気的に接続されている。そのため、外部電源から第1配線層113及び第2配線層114を介して光源120に給電することで、光源120を点灯できる。
【0114】
面状光源100は、例えば、液晶ディスプレイのバックライトに適用できる。複数の光源120毎に発光領域Rを区画したバックライトにおいては、各光源120の出力を個別に調整することでローカルディミングを高精度に行うことができる。
【0115】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態に係る面状光源100は、配線基板110と、光源120と、導光部材130と、第1配線部材151と、第2配線部材152と、を備える。配線基板110は、互いに離隔した第1貫通穴116a及び第2貫通穴116bが設けられた絶縁層116と、絶縁層116の下に配置され、第1貫通穴116a及び第2貫通穴116bから離隔した第1配線層113及び第2配線層114と、を有する。光源120は、配線基板110上に配置され、互いに離隔した第1電極124b及び第2電極124cを有する。導光部材130は、配線基板110上に配置され、光源120の周囲を囲んでいる。第1配線部材151は、第1部分151aと、第2部分151bと、を有する。第1部分151aは、第1貫通穴116a内を充填し、第1電極124bに電気的に接続されている。第2部分151bは、絶縁層116の下に配置され、第1部分151aに連なり、第1配線層113に接している。第2配線部材152は、第3部分152aと、第4部分152bと、を有する。第3部分152aは、第2貫通穴116b内を充填し、第2電極124cに電気的に接続されている。第4部分152bは、絶縁層116の下に配置され、第3部分152aに連なり、第2配線層114に接している。上面視において第1配線層113と第2配線層114が第1貫通穴116a及び第2貫通穴116bを挟むように配置されている。
【0116】
このように、互いに離隔した第1貫通穴116aと第1配線層113は、第1貫通穴116a及び第1配線層113の位置に応じて設けられた第1配線部材151によって電気的に接続されており、互いに離隔した第2貫通穴116bと第2配線層114は、第2貫通穴116b及び第2配線層114の位置に応じて設けられた第2配線部材152によって電気的に接続されている。更に、上面視において第1配線層113と第2配線層114が、第1貫通穴116a及び第2貫通穴116bを挟むように配置されている。すなわち、上面視において第1配線層113と第2配線層114との間に第1貫通穴116a及び第2貫通穴116bが配置されている一方、第1貫通穴116aと第2貫通穴116bとの間に第1配線層113及び第2配線層114が配置されていない。そのため、各配線部材151、152を形成する際に配線層113、114に対する貫通穴116a、116bの位置がずれていたとしても、配線基板110における配線層113、114と光源120における電極124b、124cとの電気的な接続構造において、短絡又は開放等の接続不良の発生を抑制できる。
【0117】
また、上面視において第1貫通穴116aの中心c1と第2貫通穴116bの中心c2との距離D1は、第1電極124bの中心c3と第2電極124cの中心c4との距離D2よりも長い(D1>D2)。そのため、面状光源100の製造時などに絶縁層116が変形した場合に、第1配線部材151と第2配線部材152とが近接又は接触することを抑制できる。
【0118】
また、第1配線層113の側面113eのうち、上面視において第1貫通穴116aに対向する領域(第1領域113s1)は、第1貫通穴116aから離れる方向に凹状であり、第2配線層114の側面114eのうち、上面視において第2貫通穴116bに対向する領域(第1領域114s1)は、第2貫通穴116bから離れる方向に凹状である。
【0119】
そのため、上面視における各領域113s1、114s1の形状が直線状である場合と比較して、
図4Aに示すように、上面視における第1領域113s1の各位置と第1部分151aの中心c1との距離D3の最大値、及び、上面視における第1領域114s1の各位置と第3部分152aの中心c2との距離D4の最大値を小さくできる。その結果、第1配線部材151及び第2配線部材152の内部抵抗を低減できる。
【0120】
また、上面視における第1貫通穴116aの形状及び第2貫通穴116bの形状のそれぞれは、円形であり、第1配線層113の側面113eのうち、上面視において第1貫通穴116aに対向する領域(第1領域113s1)の形状、及び、第2配線層114の側面114eのうち、上面視において第2貫通穴116bに対向する領域(第1領域114s1)の形状のそれぞれは、円弧状である。このように第1配線層113の第1領域113s1を第1貫通穴116aの形状に対応した形状とすることで、上面視における第1領域113s1の各位置と第1部分151aの中心c1との距離D3を概ね一定にできる。第2配線層114についても同様である。その結果、第1配線部材151及び第2配線部材152の内部抵抗を低減できる。
【0121】
また、光源120は、第1電極124bの下に配置され、第1部分151aの上端に接し、上面視における面積が第1電極124bの面積以上である第1端子122と、第2電極124cの下に配置され、第3部分152aの上端に接し、上面視における面積が第2電極124cの面積以上である第2端子123と、を更に有する。そのため、第1端子122及び第2端子123の位置に応じて、互いに離隔した第1貫通穴116a及び第2貫通穴116bを設けることができる。
【0122】
また、第1端子122は、上面視において第1貫通穴116aを覆っており、第2端子123は、上面視において第2貫通穴116bを覆っている。そのため、各端子122、123と各配線部材151、152との接触面積を大きくすることができる。これにより、各端子122、123と各配線部材151、152との接続を強固にできる。
【0123】
また、面状光源100は、第1配線部材151及び第2配線部材152を覆う被覆層153を更に備える。そのため、各配線部材151、152が外部に露出することを抑制できる。
【0124】
また、第1配線部材151及び第2配線部材152のそれぞれは、樹脂材料からなる母材と、母材中に設けられた少なくとも1種の金属粒子と、を有する。このように、各配線部材151、152は、導電性ペースト151F、152Fからなる。そのため、面状光源100の製造時などに絶縁層116の変形により、2つの貫通穴116a、116bと2つの配線層113、114との相対的な位置が変化したとしても、各導電性ペースト151F、152Fにより、2つの貫通穴116a、116bと2つの配線層113、114との相対的な位置に応じた第1配線部材151及び第2配線部材152を容易に形成できる。
【0125】
また、本実施形態に係る面状光源100の製造方法は、互いに離隔した第1貫通穴116a及び第2貫通穴116bが設けられた絶縁層116と、絶縁層116の下に配置され、第1貫通穴116a及び第2貫通穴116bから離隔した第1配線層113及び第2配線層114と、を有し、上面視において第1配線層113と第2配線層114が第1貫通穴116a及び第2貫通穴116bを挟むように配置された配線基板110を、準備する工程と、配線基板110の上に、光源120が配置される光源配置部131が設けられた導光部材130を配置する工程と、配線基板110の上に、光源120を配置する工程と、第1貫通穴116a内を充填し、第1配線層113に接し、光源120の第1電極124bに電気的に接続された第1配線部材151と、第1配線部材151から離隔し、第2貫通穴116b内を充填し、第2配線層114に接し、光源120の第2電極124cに電気的に接続された第2配線部材152を形成する工程と、を備える。
【0126】
このように、面状光源100の製造時などに絶縁層116の変形により2つ配線層113、114に対する2つの貫通穴116a、116bの位置が変化した場合に、2つの配線層113、114と2つの貫通穴116a、116bの位置に応じた配線部材151、152を形成する。更に、上面視において第1配線層113と第2配線層114が、第1貫通穴116a及び第2貫通穴116bを挟むように配置されている。そのため、各配線部材151、152を形成する際に配線層113、114に対する貫通穴116a、116bの位置がずれていたとしても、配線基板110における配線層113、114と光源120における電極124b、124cとの電気的な接続構造において、短絡又は開放等の接続不良の発生を抑制できる。
【0127】
また、第1配線部材151及び第2配線部材152を形成する工程は、第1導電性ペースト151Fを、第1貫通穴116a内を充填し、かつ、第1配線層113に接するように配置し、第2導電性ペースト152Fを、第2貫通穴116b内を充填し、かつ、第2配線層114に接するように配置する工程と、第1導電性ペースト151F及び第2導電性ペースト152Fを硬化させる工程と、を有する。このように、各導電性ペースト151F、152Fを配線基板110における各貫通穴116a、116bと各配線層113、114との距離に応じて配置する。そのため、絶縁層116の変形により、2つの貫通穴116a、116bと2つの配線層113、114との相対的な位置が変化したとしても、2つの配線層113、114と2つの電極124b、124cとを一対一で接続できる。その結果、配線基板110における配線層113、114と光源120における電極124b、124cとの電気的な接続構造において、接続不良の発生を抑制できる。
【0128】
また、本実施形態における面状光源100の製造方法は、導光部材130及び光源120を配置する工程の後であって、第1配線部材151及び第2配線部材152を形成する工程の前に、光源配置部131内であって導光部材130と光源120との隙間に透光性を備える樹脂部材(第1樹脂部材133Fa)を配置する工程を更に備える。そのため、樹脂部材(第1樹脂部材133Fa)により、光源配置部131内に各導電性ペースト151F、152Fが漏出することを抑制できる。
【0129】
また、光源120は、第1電極124bの下に配置された第1端子122と、第2電極124cの下に配置された第2端子123と、を更に有し、光源120は、上面視において第1端子122が第1貫通穴116aを覆い、第2端子123が第2貫通穴116bを覆うように配置される。そのため、各貫通穴116a、116bの光源120側の開口から各導電性ペースト151F、152Fが漏出することを抑制できる。
【0130】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。
図16は、本実施形態に係る面状光源の一部を拡大して示す模式的な断面図である。
本実施形態に係る面状光源200は、絶縁層216の第1貫通穴216aの周辺部212a及び第2貫通穴216bの周辺部212bの形状、並びに、シート積層体219の第3貫通穴219aの周辺部219c及び第4貫通穴219bの周辺部219dの形状において、第1の実施形態に係る面状光源100と相違する。以下、詳述する。
なお、以下の説明においては、原則として、第1の実施形態との相違点のみを説明する。以下に説明する事項以外は、第1の実施形態と同様である。後述する他の実施形態についても同様である。
【0131】
配線基板210は、ベース層211と、ベース層211の上に配置された第1被覆層212と、ベース層211の下に配置された第1配線層213及び第2配線層214と、ベース層211の下に配置された第2被覆層215と、を有する。ベース層211及び第1被覆層212が、絶縁層216に相当する。
【0132】
絶縁層216は、第1貫通穴216aを囲む第1周辺部212aと、第2貫通穴216bを囲む第2周辺部212bと、第1周辺部212a及び第2周辺部212bの周囲に位置し、X方向及びY方向に概ね平行な平坦部212cと、を有する。
【0133】
第1周辺部212aの上面及び下面は、下方に向かうように湾曲している。同様に、第2周辺部212bの上面及び下面は、下方に向かうように湾曲している。第1周辺部212aの上面及び第2周辺部212bの上面が下方に向かうように湾曲することで、断面視において第3貫通穴219a及び第4貫通穴219bに充填された導電性ペースト151F、152Fが幅広になるため、発光素子と導電性ペースト151F、152Fの接続面積を大きくすることができる。
【0134】
シート積層体219は、光反射性シート217と、2枚の接着シート218a、218bと、を有する。
【0135】
シート積層体219は、第3貫通穴219aを囲む第1周辺部219cと、第4貫通穴219bを囲む第2周辺部219dと、第1周辺部219c及び第2周辺部219dの周囲に位置し、X方向及びY方向に概ね平行な平坦部219eと、を有する。
【0136】
第1周辺部219cの上面及び下面は、第3貫通穴219aの中心に近づくにつれ、下方に向かうように湾曲している。同様に、第2周辺部219dの上面及び下面は、第4貫通穴219bの中心に近づくにつれ、下方に向かうように湾曲している。換言すれば、第1周辺部219c及び第2周辺部219dは、絶縁層216にめり込んでいる。
【0137】
第1周辺部219cは、第1端子122から離隔している。同様に、第2周辺部219dは、第2端子123から離隔している。平坦部219eは、光源120における第1端子122の下面の外周部及び第2端子123の下面の外周部に接している。そのため、第1周辺部219cと第1端子122との間には、第1隙間S1が設けられており、第2周辺部219dと第2端子123との間には、第2隙間S2が設けられている。
【0138】
第1配線部材251の一部は、第1隙間S1内に設けられており、例えば第1隙間S1を充填している。同様に、第2配線部材252の一部は、第2隙間S2内に設けられており、例えば、第2隙間S2を充填している。そのため、第1配線部材251と第1端子122との接触面積、及び、第2配線部材252と第2端子123との接触面積を増大させることができる。これにより、第1配線部材251と第1端子122との接続及び第2配線部材252と第2端子123との接続を強固にできる。
【0139】
次に、本実施形態に係る面状光源200の製造方法について説明する。
図17は、面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
図18は、面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
図19は、面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
図20は、面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【0140】
先ず、
図17に示すように、配線基板210上にシート積層体219を配置する。
次に、
図18に示すように、ドリル900をシート積層体219の上面側から絶縁層216の下面側に向かって移動させ、ドリル900をシート積層体219及び絶縁層216に貫通させる。これによって、配線基板210に第1貫通穴216a及び第2貫通穴216bが形成され、シート積層体219に第3貫通穴219a及び第4貫通穴219bが形成される。この際、加工条件、又は、シート積層体119及び絶縁層216の硬度によっては、シート積層体219においてドリル900に接している部分が、ドリル900の下方向への移動により、絶縁層216に押し込まれる。その結果、シート積層体219に、絶縁層216にめり込んだ第1周辺部219c及び第2周辺部219dが形成される。
【0141】
次に、配線基板210及びシート積層体219上に、光源配置部131が設けられた導光部材130を配置する。
次に、導光部材130に区画溝132を形成する。
次に、光源配置部131内に光源120を配置する。光源120は、第1端子122の外周部及び第2端子123の外周部がシート積層体219の平坦部219eに接するように配置される。
次に、第1樹脂部材133Faを光源配置部131内に配置し、硬化させる。
【0142】
次に、
図19に示すように、第1導電性ペースト251Fを、第1貫通穴216a、第3貫通穴219a、及び第1隙間S1内に充填し、かつ、絶縁層216の下面及び第1配線層213に接するように配置する。また、第2導電性ペースト252Fを、第2貫通穴216b、第4貫通穴219b、及び第2隙間S2内を充填し、かつ、絶縁層216の下面及び第2配線層214に接するように配置する。
【0143】
次に、
図20に示すように、第1導電性ペースト251F及び第2導電性ペースト252Fを硬化させる。第1導電性ペースト251Fの硬化物が、第1配線部材251に相当し、第2導電性ペースト252Fの硬化物が、第2配線部材252に相当する。
【0144】
以降の手順は、第1の実施形態に係る面状光源100の製造方法と同様であるため、説明を省略する。
【0145】
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態に係る面状光源について説明する。
図21は、本実施形態に係る面状光源の配線基板の一部、シート積層体の一部、及び光源を拡大して示す模式的な上面図である。
本実施形態に係る面状光源300は、光源320における2つの電極324b、324c、及び、2つの端子322、323の形状において第1の実施形態における面状光源100と相違する。以下、詳述する。
【0146】
光源320は、本体部321と、第1端子322と、第2端子323と、を有する。上面視における第1電極324bの形状は、互いに平行な2つの長辺及び互いに平行な2つの短辺を有する長方形である。上面視において第1電極324bの各長辺は、本体部321の4辺のうち、互いに平行な2つの辺に対して平行である。上面視において第1電極324bの各短辺は、第1電極324bの各長辺と直交している。
【0147】
上面視における第2電極324cの形状は、本体部321の中心を通り、第1電極324bの2本の長辺に平行な軸L3を基準として、第1電極324bと対称である。
【0148】
上面視における第1端子322の形状は、互いに平行な2本の長辺及び互いに平行な2本の短辺を有する長方形である。上面視において第1端子322の各長辺は、第1電極324bの2本の長辺に対して概ね平行である。上面視において第1端子322の各短辺は、第1端子322の各長辺と直交している。
【0149】
上面視における第2端子323の形状は、軸L3を基準として第1端子322と対称な長方形の一部を切り欠いたような形状である。
【0150】
上面視における第1端子322の面積は、第1電極324bの面積よりも大きく、上面視における第2端子323の面積は、第2電極324cの面積よりも大きい。
【0151】
上面視において第1端子322は、第1貫通穴116aを覆っており、第2端子323は、第2貫通穴116bを覆っている。
【0152】
以上説明したように、上面視における第1電極324bの形状及び第2電極324cの形状は、長方形であってもよい。また、上面視における第1端子322の形状及び第2端子323形状は、長方形であってもよい。
【0153】
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態について説明する。
図22は、本実施形態に係る面状光源を示す模式的な断面図である。
本実施形態に係る面状光源400は、第1配線部材451及び第2配線部材452の構成が、第1の実施形態に係る面状光源100と相違する。以下、詳述する。
【0154】
第1配線部材451は、第1貫通穴116a及び第3貫通穴119a内を充填し、第1端子122に接した第1部分451aと、第1部分451aに連なり、絶縁層116の下面及び第1配線層113に接した薄膜状の第2部分451bと、を有する。
【0155】
第2配線部材452は、第2貫通穴116b及び第4貫通穴119b内を充填し、第2端子123に接した第3部分452aと、第3部分452aに連なり、絶縁層116の下面及び第2配線層114に接した薄膜状の第4部分452bと、を有する。
【0156】
第1部分451aを構成する樹脂材料と第3部分452aを構成する樹脂材料は、同一であり、第1部分451aを構成する金属粒子と第3部分452aを構成する金属粒子は、同一である。第2部分451bを構成する樹脂材料と第4部分452bを構成する樹脂材料は、同一であり、第2部分451bを構成する金属粒子と第4部分452bを構成する金属粒子は、同一である。
【0157】
一方、第1部分451aを構成する樹脂材料は、第2部分451bを構成する樹脂材料と異なっていている。また、第1部分451aを構成する金属粒子は、第2部分451bを構成する金属粒子と異なっている。ただし、樹脂材料又は金属粒子の少なくとも一方は同一でもよい。このように、第1配線部材451の第1部分451aを構成する材料と第2部分451bを構成する材料とを異ならせることで、第1部分451aと第2部分451bの柔軟性等の機械的特性又は導電性等の電気的特性等の特性を異ならせることができる。第2配線部材452についても同様である。
【0158】
次に、本実施形態に係る面状光源400の製造方法について説明する。
図23は、面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
図24は、面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
図25は、面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【0159】
光源配置部131内に第1樹脂部材133Faを配置して硬化させた後、
図23に示すように、第1貫通穴116a内及び第3貫通穴119a内に第1導電性ペースト451Faを充填し、第2貫通穴116b内及び第4貫通穴119bに第2導電性ペースト452Faを充填する。各導電性ペースト451Fa、452Faは、同一の材料からなり、第1の実施形態における導電性ペースト151F、152Fと同様に、未硬化の樹脂材料と、樹脂材料中に分散された1種以上の金属粒子と、を含む。各導電性ペースト451Fa、452Faが硬化した際に収縮することを見込んで、各導電性ペースト451Fa、452Faは、各貫通穴116a、116bから突出するように配置されてもよい。
【0160】
次に、
図24に示すように、第1導電性ペースト451Fa及び第2導電性ペースト452Faを硬化させる。第1導電性ペースト451Faの硬化物は、第1配線部材451の第1部分451aに相当し、第2導電性ペースト452Faの硬化物は、第2配線部材452の第3部分452aに相当する。
【0161】
次に、第3導電性ペースト451Fbを、絶縁層116、第1導電性ペースト451Faの硬化物である第1部分451a及び第1配線層113に接するように配置し、第4導電性ペースト452Fbを、絶縁層116、第2導電性ペースト452Faの硬化物である第3部分452a及び第2配線層114に接するように配置する。
【0162】
次に、
図25に示すように、第3導電性ペースト451Fb及び第4導電性ペースト452Fbを硬化させる。第3導電性ペースト451Fbの硬化物は、第1配線部材451の第2部分451bに相当し、第4導電性ペースト452Fbの硬化物は、第2配線部材452の第4部分452bに相当する。
【0163】
以降の手順は、第1の実施形態に係る面状光源100の製造方法と同様であるため、説明を省略する。
【0164】
以上説明したように、本実施形態に係る面状光源400の製造方法では、第1配線部材451及び第2配線部材452を形成する工程は、第1導電性ペースト451Faを第1貫通穴116a内に充填し、第2導電性ペースト452Faを第2貫通穴116b内に充填する工程と、第1導電性ペースト451Fa及び第2導電性ペースト452Faを硬化させる工程と、第3導電性ペースト451Fbを、第1導電性ペースト451Faの硬化物及び第1配線層113に接するように配置し、第4導電性ペースト452Fbを、第2導電性ペースト452Faの硬化物及び第2配線層114に接するように配置する工程と、第3導電性ペースト451Fb及び第4導電性ペースト452Fbを硬化させる工程と、を有する。このように、第1配線部材451の第1部分451aと第2部分451bは同時に形成されなくてもよい。また、第2配線部材452の第3部分452aと第4部分452bは同時に形成されなくてもよい。このような方法によれば、第1導電性ペースト451Fa及び第2導電性ペースト452Faの材料と、第3導電性ペースト451Fb及び第4導電性ペースト452Fbの材料と、を異ならせることができる。
【0165】
なお、第1導電性ペースト及び第2導電性ペーストを硬化させる前に、第3導電性ペースト及び第4導電性ペーストを配置してもよい。すなわち、第1配線部材及び第2配線部材を形成する工程は、第1導電性ペーストを第1貫通穴内に充填し、第2導電性ペーストを第2貫通穴内に充填する工程と、第3導電性ペーストを、第1導電性ペースト及び第1配線層に接するように配置し、第4導電性ペーストを、第2導電性ペースト及び第2配線層に接するように配置する工程と、第1導電性ペースト、第2導電性ペースト、第3導電性ペースト、及び第4導電性ペーストを硬化させる工程と、を有していてもよい。
【0166】
<第5の実施形態>
次に、第5の実施形態について説明する。
図26は、第5の実施形態に係る面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
本実施形態に係る面状光源の製造方法は、光源120の配線基板110への仮固定を補強する第1樹脂部材533Faの硬化物の形状において、第1の実施形態に係る面状光源100の製造方法と相違する。以下、詳述する。
【0167】
配線基板110上にシート積層体119、導光部材130、及び光源120を配置した後、接着シート118bによる光源120の配線基板110への仮固定を補強するように、光源配置部131の側面と光源120との隙間に、透光性の第1樹脂部材533Faを配置し、硬化させる。
【0168】
本実施形態では、透光性の第1樹脂部材533Faは、光源120を封止しつつ、上面が導光部材130の上面よりも下方に位置するように配置される。第1樹脂部材533Faの硬化物は、透光性部材の第1層に相当する。また、第1樹脂部材533Faの上面において、光源配置部131の側面と光源120との間に位置する領域533Fcは、下方向に窪んでいる。領域533Fcの一部は、光源120の上面よりも下方に位置する。
【0169】
次に、第1の実施形態と同様に、各導電性ペースト151F、152Fを配置する。この際、光源配置部131の側面と光源120との隙間が第1樹脂部材533Faにより塞がれている。そのため、各導電性ペースト151F、152Fが光源配置部131内に漏出することを抑制できる。以降の手順は、第1の実施形態に係る面状光源100と同様であるため、その説明を省略する。
【0170】
<第6の実施形態>
次に、第6の実施形態について説明する。
図27は、本実施形態に係る面状光源を示す模式的な断面図である。
本実施形態に係る面状光源600は、光源620及び導光部材630の構成において第1の実施形態に係る面状光源100と相違する。
【0171】
光源620は、発光素子621と、波長変換部材622と、透光性部材623と、被覆層624とを有する。
【0172】
発光素子621は、発光部621aと、発光部621aの下に配置され、互いに離隔した第1電極621b及び第2電極621cと、を有する。波長変換部材622は、発光素子621上に設けられている。
【0173】
透光性部材623は、波長変換部材622の下方であって、発光部621aの周囲に設けられている。被覆層624は、透光性部材623の周囲及び発光部621aの下に設けられている。透光性部材623の外側面は、傾斜面としてもよい。
【0174】
導光部材630には、光源620が配置される光源配置部631が設けられている。光源配置部631は、本実施形態では導光部材630の下面に設けられた凹部である。
【0175】
また、導光部材630には、各光源620を囲むように区画溝632が設けられている。区画溝632は、本実施形態では、導光部材630の下面に設けられた凹部である。
【0176】
導光部材630の下面及び区画溝632内には、区画部材633が設けられている。区画部材633には、導光部材630の光源配置部631に連通する貫通穴633aが設けられている。光源配置部631及び貫通穴633aには、透光性部材634が設けられている。区画部材633は、接着シート618により、配線基板110に貼り付けられている。
【0177】
接着シート618には、第3貫通穴618a及び第4貫通穴618bが設けられている。第3貫通穴618aは、第1貫通穴116aの直上に位置する。第4貫通穴618bは、第2貫通穴116bの直上に位置する。
【0178】
また、導光部材630の上面には、複数の凹部635が設けられている。各凹部635は、各光源620の直上に位置する。各凹部635には、光調整部材636が設けられている。
【0179】
次に、本実施形態に係る面状光源600の製造方法について説明する。
図28は、面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
図29は、面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
先ず、
図28に示すように、配線基板110を準備する。
【0180】
次に、配線基板110上に、導光部材630及び光源620を配置する。本実施形態では、光源620、導光部材630、区画部材633、透光性部材634、及び光調整部材636は、配線基板110上に配置される前に、発光モジュールとして予め一体化されており、接着シート618により、配線基板110に貼り付けられる。ただし、光調整部材636は、光源620及び導光部材630を配線基板110上に配置した後に、導光部材630上に設けてもよい。
【0181】
次に、
図29に示すように、第1導電性ペースト151Fを、第1貫通穴116a及び第3貫通穴618a内を充填し、かつ、絶縁層116及び第1配線層113に接するように配置する。また、第2導電性ペースト152Fを、第2貫通穴116b及び第4貫通穴618b内を充填し、かつ、絶縁層116及び第2配線層114に接するように配置する。
【0182】
以降の手順は、第1の実施形態に係る面状光源100の製造方法と同様であるため、その説明を省略する。
【0183】
以上説明したように、光源配置部631は、導光部材630の下面に設けられた凹部であってもよい。また、面状光源600を製造する際、光源620及び導光部材630を一体化してから、配線基板110上に配置してもよい。
【0184】
なお、本実施形態では、光源620が第1端子及び第2端子を有していない例を説明したが、光源620は第1端子及び第2端子を更に有していてもよい。
【0185】
また、本実施形態では、配線基板110の第1貫通穴116aと第2貫通穴116bが光源620の下方に位置する場合で説明したが、これに限定されない。すなわち、配線基板110の第1貫通穴116aと第2貫通穴116bが光源620の下方に位置する必要はない。この場合、配線基板110の上面又は区画部材633の下面に、光源の各電極621a、621bに電気的に接続された導電層を設け、導電層を第1配線部材151及び第2配線部材152に接続してもよい。
【0186】
<第7の実施形態>
次に、第7の実施形態について説明する。
図30は、本実施形態に係る面状光源における光源及び配線基板の一部を拡大して示す模式的な下面図である。
図31Aは、
図30のXXXI-XXXI線における模式的な断面図である。
本実施形態に係る面状光源700は、配線基板710の構成が第1の実施形態に係る面状光源100と相違する。
【0187】
配線基板710は、
図30及び
図31Aに示すように、ベース層711と、ベース層711の上に配置された第1被覆層712と、ベース層711の下に配置された第1配線層713及び第2配線層714と、ベース層711の下に設けられた第2被覆層715と、を有する。ベース層711及び第1被覆層712が、絶縁層716に相当する。
【0188】
絶縁層716には、互いに離隔した第1貫通穴716a及び第2貫通穴716bが設けられている。各貫通穴716a、716bは、絶縁層716をZ方向に貫通している。
【0189】
第1配線層713及び第2配線層714は、
図30に示すように、間に第1貫通穴716a及び第2貫通穴716bを挟み込むように配置されておらず、Y方向において第1貫通穴716a及び第2貫通穴716bから離隔している。各配線層713、714は、本実施形態ではY方向に延びている。第1配線層713の先端部713aと第2配線層714の先端部714aとの距離D5は、第1貫通穴716aと第2貫通穴716bとの距離D6よりも長い。ただし、第1配線層の先端部と第2配線層の先端部との距離と、第1貫通穴と第2貫通穴との距離との大小関係は、上記に限定されない。
【0190】
第2被覆層715は、第1貫通穴716a及び第2貫通穴716bが露出するように、絶縁層716の下面のうち第1貫通穴716a及び第2貫通穴716bの周囲の領域を覆っている。また、第2被覆層715は、第1配線層713及び第2配線層714の一部を露出している。
【0191】
具体的には、第2被覆層715には、第1貫通穴716aを露出する第1開口715aと、第2貫通穴716bを露出する第2開口715bと、が設けられている。第1開口715aは、第1貫通穴716aの直下に位置する。第2開口715bは、第2貫通穴716bの直下に位置する。上面視における第1開口715a及び第2開口715bの形状は、例えば第1貫通穴716a及び第2貫通穴716bと略同一であり、例えば、円形や三角形等の多角形である。ただし、上面視における第1開口及び第2開口の形状は、上記に限定されない。第1開口715aの開口径は、
図30、
図31Aに示すように、第1貫通穴716aの開口径と一致する。同様に、第2開口715bの開口径は、
図30、
図31Aに示すように、第2貫通穴716bの開口径と一致する。
【0192】
また、第2被覆層715には、第1配線層713の先端部713aを露出する第3開口715cと、第2配線層714の先端部713bを露出する第4開口715dと、が設けられている。上面視における各開口715c、715dの形状は、円形である。ただし、上面視における第3開口及び第4開口の形状は、半円、矩形等の多角形でもよい。また、一つの開口により、第1配線層及び第2配線層の一部を露出してもよい。
【0193】
第3開口715c及び第4開口715dは、第1開口715a及び第2開口715bから離隔している。第3開口715cと第4開口715dとの距離D7は、第1貫通穴716aと第2貫通穴716bとの距離D6よりも長い。ただし、第3開口と第4開口との距離と、第1貫通穴と第2貫通穴との距離との大小関係は、上記に限定されない。
【0194】
第1配線部材751は、
図31Aに示すように、第1貫通穴716a、第3貫通穴119a、及び第1開口715a内を充填する第1部分751aと、第2被覆層715の下面を経由して第1配線層713において第2被覆層715から露出した部分に接する第2部分751bと、を有する。
【0195】
第1部分751aは、第1端子122に接しており、第1端子122を介して、第1電極124bに電気的に接続されている。第2部分751bは、本実施形態では、第1配線層713の先端部713aに接している。
【0196】
第2配線部材752は、第2貫通穴716b、第4貫通穴119b、及び第2開口715b内を充填する第3部分752aと、第2被覆層715の下面を経由して第2配線層714において第2被覆層715から露出した部分に接する第4部分752bと、を有する。
【0197】
第3部分752aは、第2端子123に接しており、第2端子123を介して、第2電極124cに電気的に接続されている。第4部分752bは、本実施形態では、第2配線層714の先端部714aに接している。
【0198】
なお、面状光源700は、第1配線部材751、第2配線部材752、第1配線層713、及び第2配線層714において第2被覆層715から露出した部分を被覆する被覆層を更に備えていてもよい。
【0199】
なお、本実施形態では、第3開口715c及び第4開口715dは、
図30に示すように、第1開口715a及び第2開口715bより-Y方向側に位置するが、これに限定されない。例えば、第3開口715c及び第4開口715dは、第1開口715a及び第2開口715bより+Y方向側に位置してもよい。また、第3開口715cが、第1開口715a及び第2開口715bより-Y方向側に位置に位置し、第4開口715dが、第1開口715a及び第2開口715bより+Y方向側に位置してもよい。反対に、第4開口715dが、第1開口715a及び第2開口715bより-Y方向側に位置し、第3開口715cが、第1開口715a及び第2開口715bより+Y方向側に位置してもよい。また、第3開口715c及び第4開口715dは、第1開口715aと第2開口715bを通過する仮想線上に、第1開口715aと第2開口715bを挟むように配置されてもよい。
【0200】
図31Bは、光源及び配線基板の他の例を示す模式的な下面図である。
図31Bに示すように、光源120は、2つの電極124b、124cがX方向及びY方向と交差する方向に並ぶように配置されていてもよい。この場合、第3開口715cが、第1開口715a及び第2開口715bより+Y方向側に位置し、第4開口715dが、第1開口715a及び第2開口715bより-Y方向側に位置してもよい。なお、第3開口が、第1開口及び第2開口より-Y方向側に位置し、第4開口が、第1開口及び第2開口より+Y方向側に位置してもよい。
【0201】
次に、本実施形態に係る面状光源700の製造方法を説明する。
図32Aは、面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
図32Bは、面状光源の製造方法を示す模式的な断面図である。
【0202】
先ず、配線基板710を準備する。ここで準備される配線基板710において、第2被覆層715は、第1貫通穴716a及び第2貫通穴716bが露出するように絶縁層716の下面において第1貫通穴716a及び第2貫通穴716bの周囲を被覆し、第1配線層713及び第2配線層714の一部を露出している。
【0203】
次に、第1の実施形態と同様に、導光部材130及び光源120を配線基板710上に配置する。
【0204】
次に、第1配線部材751及び第2配線部材752を形成する。具体的には、
図32Aに示すように、第1導電性ペースト751Fを、第1貫通穴716a、第3貫通穴119a、及び第1開口715a内を充填し、かつ、第2被覆層715の下面を経由して第1配線層713に接するように配置する。同様に、
図32Bに示すように、第2導電性ペースト752Fを、第2貫通穴716b、第4貫通穴119b、及び第2開口715b内を充填し、かつ、第2被覆層715の下面を経由して第2配線層714に接するように配置する。第1導電性ペースト751F及び第2導電性ペースト752Fは、同時に配置されてもよいし、別々に配置されてもよい。
【0205】
各導電性ペースト751F、752Fは、例えば、スキージや押圧機による印刷により配線基板710上に配置される。前述したように、第2被覆層715は、絶縁層716の下面において第1貫通穴716aの周囲に設けられている。そのため、印刷機等の押圧機Mにより第1導電性ペースト751Fを第1貫通穴716a、第3貫通穴119a、及び第1開口715a内に押し込み易い。第2導電性ペースト752Fについても同様である。押圧機Mは、内部にローラーを備えることができる。このローラーが回転することによって、押圧機Mに充填された導電性ペーストは押圧された状態で供給される。これにより、第1導電性ペースト751Fを第1貫通穴716a、第3貫通穴119a、及び第1開口715a内に押し込みやすくなる。また、第2導電性ペースト752Fも同様である。
【0206】
以降の手順は、第1の実施形態に係る面状光源100の製造方法と同様であるため、その説明を省略する。第1導電性ペースト751Fの硬化物が第1配線部材751に相当する。第2導電性ペースト752Fの硬化物が第2配線部材752に相当する。ただし、硬化時に第1部分751aとなる第1導電性ペースト及び第3部分752aとなる第2導電性ペーストを配置した後に、硬化時に第2部分751bとなる第3導電性ペースト及び第4部分752bとなる第4導電性ペーストを配置してもよい。
【0207】
第1貫通穴716a、第3貫通穴719a及び第1開口715aは、完全に一致して重なってもよいし、互いにずれた状態で重なってもよい。同様に、第2貫通穴716b、第4貫通穴719b及び第2開口715bは、完全に一致して重なってもよいし、互いにずれた状態で重なってもよい。
【0208】
以上説明したように、本実施形態に係る面状光源700において、配線基板710は、第1貫通穴716a及び第2貫通穴716bが露出するように、絶縁層716の下面において第1貫通穴716a及び第2貫通穴716bの周囲を被覆し、第1配線層713及び第2配線層714の一部を露出する第2被覆層715を有する。そして、第1配線部材751の第2部分751bは、第1部分751aに連なり、第2被覆層715の下面を経由して、第1配線層713において第2被覆層715から露出した部分に接している。また、第2配線部材752の第4部分762bは、第3部分752aに連なり、第2被覆層715の下面を経由して、第2配線層714において第2被覆層715から露出した部分に接している。
【0209】
このように、第2被覆層715が、絶縁層716の下面において第1貫通穴716a及び第2貫通穴716bの周囲に設けられている。第2被覆層715の第1開口715a及び第2開口715bが第1貫通孔穴及び第2貫通孔穴と同程度の開口径であると、導電性ペーストを印刷で行う際に導電性ペーストを押し込む力が高まるため、第1配線部材751の第1部分751aを第1貫通穴716aの奥(すなわち、第1貫通孔の光源側)まで配置し易い。同様に、第2配線部材752の第3部分752aを第2貫通穴716bの奥
(すなわち、第2貫通孔の光源側)まで配置し易い。そのため、配線基板710における配線層713、714と光源120における電極124b、124cとの電気的な接続構造において、接続不良の発生を抑制できる。
【0210】
また、第2被覆層715には、第1貫通穴716aから離隔し、第1配線層713の一部を露出する第3開口715cと、第2貫通穴716bから離隔し、第2配線層714の一部を露出する第4開口715dと、が設けられている。すなわち、第2被覆層715は、第1配線層713及び第2配線層714を別々に露出している。そのため、第1配線層713及び第2配線層714が電気的に接続されることを抑制できる。
【0211】
また、第3開口715cと第4開口715dとの距離D7は、第1貫通穴716aと第2貫通穴716bとの距離D6よりも長い。そのため、第1配線層713及び第2配線層714が短絡することを抑制できる。
【0212】
<第8の実施形態>
次に、第8の実施形態について説明する。
図33は、本実施形態に係る面状光源における配線基板の一部を拡大して示す模式的な下面図である。
本実施形態に係る面状光源800は、配線基板810における第1配線層813、第2配線層814、及び第2被覆層815の構成において、第7の実施形態に係る面状光源700と相違する。
なお、以下の説明においては、原則として、第7の実施形態との相違点のみを説明する。以下に説明する事項以外は、第7の実施形態と同様である。
【0213】
第1配線層813及び第2配線層814は、第1貫通穴716a及び第2貫通穴716bを挟み込むように配置されている。第1配線層813及び第2配線層814の形状は、第1の実施形態における第1配線層113及び第2配線層114の形状と概ね同じである。
【0214】
第2被覆層815において、第3開口815a及び第4開口815bは、第1開口715a及び第2開口715bを挟み込むように配置されている。上面視における第3開口815a及び第4開口815bの形状は、半円状である。ただし、第3開口及び第4開口の形状は上記に限定されない。
【0215】
このように、第3開口815a及び第4開口815bは、第1開口715a及び第2開口715bを挟み込むように配置されていてもよい。これにより、各配線部材751、752を形成する際に配線層813、814に対する貫通穴716a、716bの位置がずれていたとしても、配線基板810における配線層813、814と光源120における電極124b、124cとの電気的な接続構造において接続不良の発生を抑制できる。
【0216】
<第9の実施形態>
次に、第9の実施形態について説明する。
図34は、本実施形態に係る面状光源を示す模式的な上面図である。
本実施形態に係る面状光源1000は、配線基板910と、配線基板910上に配置された発光モジュール920と、を備える。
【0217】
配線基板910は、本実施形態では、上面視における形状が略矩形の本体部910aと、本体部910aのY方向における端部に接続され、Y方向に突出した複数の突出部910bと、を有する。本体部910aの上に、発光モジュール920が配置されている。ただし、配線基板の形状は、上記の形状に限定されず、多角形でもよいし、矩形を除く四角形(例えば、略台形)でもよい。また、配線基板910に設ける突出部910bの数は、
図34に示すように4つに限定されず、4つより少なくてもよいし、4つより多くてもよい。
【0218】
図35は、本実施形態における発光モジュールにおいて、
図34の破線XXXVで囲まれた領域を拡大して示す模式的な上面図である。
図36は、
図35のXXXVI-XXXVI線における模式的な断面図である。
発光モジュール920は、第6の実施形態と同様に、複数の光源620と、複数の凹部635が設けられた導光部材630と、区画部材633と、透光性部材634と、光調整部材636と、を有する。発光モジュール920は、区画部材633の下に配置された複数の配線層921と、複数の配線層921の下に設けられた被覆層922と、を更に備える。
【0219】
複数の光源620は、
図35に示すように、X方向及びY方向に配列している。
配線層921には、第1の実施形態における配線層113、114と同様の材料を用いることができる。各配線層921は、
図36に示すように、複数の光源620のうちのいずれかに電気的に接続されている。
被覆層922には、絶縁性の樹脂を用いることができる。被覆層922は、各配線層921の少なくとも一部を被覆している。
【0220】
以下、発光モジュール920における複数の配線層921の配線パターンについて説明する。
図37は、本実施形態における発光モジュールにおいて、
図34のXXXVで囲まれた領域を拡大し、配線パターンを透過して示す模式的な上面図である。
なお、
図37では、説明をわかりやすくするために、配線層921が設けられた領域をドットで示している。また、
図37では、配線パターンをわかりやすくするために、導光部材630に設けられた凹部635及び光調整部材636を省略している。
複数の配線層921は、5つごとに配線層群921Sを形成している。各配線層群921Sは、本実施形態では4つの光源620を直列に接続している。これら4つの光源620は、X方向に列が2つ並び、かつ、Y方向に行が2つ並んだ行列を成すように配置されている。すなわち、各配線層群921Sは、4つの光源620を直列に接続する電流経路に相当する。ただし、各配線層群が接続する光源の数は、上記の数に限定されない。
【0221】
複数の配線層群921Sは、X方向及びY方向に配列している。以下では、X方向に配列された複数の配線層群921Sを「行MT」という。すなわち、本実施形態では、複数の行MTが、Y方向に並んでいる。以下では、
図34に示すように、複数の行MTのうち、配線基板910の突出部910bに最も近い行MTを、「第1行MT1」ともいう。また、複数の行MTのうち、第1行MT1とY方向において隣り合う行MTを「第2行MT2」ともいう。また、複数の行MTのうち、配線基板910の突出部910bから最も遠い行MTを、「最終行MTn」ともいう。
【0222】
以下、第1行MT1に属する配線層群921Sの配線パターンについて説明する。
以下、
図37に示すように、第1行MT1に属する配線層群921Sを構成する5つの配線層921を、「第1配線層921a」、「第2配線層921b」、「第3配線層921c」、「第4配線層921d」、及び「第5配線層921e」ともいう。また、配線層群921Sが直列に接続する4つの光源620のうちの一の光源620を「第1光源620a」ともいい、第1光源620aとX方向において隣り合う光源620を「第2光源620b」ともいい、第1光源620aとY方向において隣り合う光源620を「第3光源620c」ともいい、第2光源620bとY方向において隣り合い、かつ、第3光源620cとX方向において隣り合う光源620を「第4光源620d」ともいう。
【0223】
第1配線層921aは、被覆層922の開口922aから少なくとも一部が露出したパッド部P1と、一端がパッド部P1に連なり、他端が第1光源620の第1電極621b
(
図36参照)に電気的に接続された延伸部P2と、を有する。パッド部P1の形状は、本実施形態では、略矩形である。ただし、パッド部の形状は、四角形以外の多角形、円形、又は楕円形等であってもよい。後述するパッド部P3、P5、P7の形状も同様である。延伸部P2は、被覆層922に被覆されている。
【0224】
第2配線層921bは、一端が、第1光源620aの第2電極621c(
図36参照)に電気的に接続され、他端が、第2光源620bの第1電極621bに電気的に接続されている。
【0225】
第3配線層921cは、一端が、第2光源620bの第2電極621cに電気的に接続され、他端が、第3光源620cの第1電極621bに電気的に接続されている。
【0226】
第4配線層921dは、一端が、第3光源620cの第2電極621cに電気的に接続され、他端が、第4光源620dの第1電極621bに電気的に接続されている。
【0227】
第2配線層921b、第3配線層921c、及び第4配線層921dは、被覆層922に被覆されている。
【0228】
第5配線層921eは、被覆層922の開口922bから少なくとも一部が露出したパッド部P3と、一端がパッド部P3に連なり、他端が第4光源620dの第2電極621cに電気的に接続された延伸部P4と、を有する。パッド部P3は、X方向において第1配線層921aのパッド部P1と隣り合っている。延伸部P4は、被覆層922に被覆されている。
【0229】
パッド部P1、P3は、Y方向において、4つの光源620a、620b、620c、620dよりも突出部910bから離隔している。また、パッド部P1、P3は、下面視で、第1行MT1に属する配線層群921Sが直列に接続する4つの光源620と、第2行MT2に属する配線層群921Sが直列に接続する4つの光源620と、の間に位置する。したがって、第1行MT1に属する配線層群921Sのパッド部P1、P3配線基板の本体部121のY方向における突出部910b側の外縁から離隔させることができる。この場合、本実施形態に係る第1行MT1に属する配線層群921Sのパッド部P1及びP2から配線基板の本体部121のY方向の突出部910b側の外縁までの距離は、パッド部P1が光源620aと光源620cとの間に位置し、パッド部P3が光源620bと光源620dとの間に位置する場合におけるパッド部P1及びP2から配線基板の本体部121のY方向の突出部910b側の外縁までの距離よりも大きくすることができる。
【0230】
次に、第2行MT2に属する配線層群921Sの配線パターンについて説明する。
第2行MT2に属する配線層群921Sは、第1行MT1に属する配線層群921Sと同様に、第1配線層921f、第2配線層921g、第3配線層921h、第4配線層921i、及び第5配線層921jからなる。また、第2行MT2に属する配線層群921Sは、第1行MT1に属する配線層群921Sと同様に、第1光源620e、第2光源620f、第3光源620g、及び第4光源620hを直列に接続している。以下では、第2行MT2において、第1行MT1との相違点のみを説明する。
【0231】
第1配線層921fのパッド部P5は、下面視で、第1光源620eと第3光源620gとの間に位置する。また、第5配線層921jのパッド部P7は、下面視で、第2光源620fと第4光源620hとの間に位置する。また、第1配線層921fのパッド部P5と第5配線層921jのパッド部P7は、下面視で、X方向において第3配線層921hを挟み込むように配置されている。
【0232】
したがって、第1行MT1に属する配線層群921Sの配線パターンが、第2行MT2に属する配線層群921Sの配線パターンと同じである場合と比較して、第1行MT1に属する配線層群921Sのパッド部P1と、第2行MT2に属する配線層群921Sのパッド部P5との距離D8を短くできる。
【0233】
また、第1配線層921fの延伸部P6は、パッド部P5に接続され、パッド部P5よりも突出部910bから離隔した第1光源621eに電気的に接続されている。また、第5配線層921jの延伸部P8は、パッド部P7に接続され、パッド部P7よりも突出部910bに近い第4光源620hに電気的に接続されている。延伸部P8のY方向の長さは、第1行MT1における延伸部P4のY方向の長さよりも短い。
【0234】
ただし、第2行MT2に属する配線層群921Sの配線パターンは、第1行MT1に属する配線層群921Sの配線パターンと同じであってもよい。また、第2行MT2から最終行MTnまでの行MTに属する配線層群921Sの配線パターンは、第1行MT1に属する配線層群921Sの配線パターンと同じであってもよいし、第2行MT2に属する配線層群921Sの配線パターンと同じであってもよい。
【0235】
本実施形態では、パッド部P1、P5が、アノードとして機能し、パッド部P3、P7が、カソードとして機能する。
【0236】
次に、配線基板910と発光モジュール920との接続構造について説明する。
図38は、
図34の破線XXXVIIIで囲まれた部分を拡大して示す模式的な下面図である。
図39は、本実施形態における配線基板において
図38の破線XXXIXで囲まれた部分を拡大して示す模式的な下面図である。
図40は、本実施形態における配線基板及び発光モジュールにおいて
図38の破線XXXIXで囲まれた部分を拡大して示す模式的な下面図である。
図41は、
図40のXLI-XLI線における模式的な断面図である。
配線基板910は、絶縁層911と、絶縁層911の下に設けられ、パッド部P3、P7に電気的に接続される複数の第1配線層912と、絶縁層911の下に設けられ、パッド部P1、P5に電気的に接続される複数の第2配線層917と、を有する。また、配線基板910は、
図34に示すように、絶縁層911の上に設けられた識別用の表示913を更に有する。また、配線基板910は、複数の第1配線層912及び第2配線層917の下に設けられた被覆層(図示省略)を更に有していてもよい。
【0237】
絶縁層911は、第1の実施形態における絶縁層116と同様の材料からなる。絶縁層911は、接着シート等により発光モジュール920に貼り付けられていてもよい。絶縁層911は、1つの層からなってもよいし、複数の層からなってもよい。
図40及び
図41に示すように、絶縁層911において、各パッド部P1、P3、P5、P7の直下には、貫通穴911aが設けられている。各貫通穴911aは絶縁層911をZ方向に貫通している。上面視における各貫通穴911aの形状は、本実施形態では円形である。ただし、各貫通穴の形状は、上記の形状に限定されず、四角形等の多角形、又は楕円形等であってもよい。各貫通穴911a内には、配線部材930が設けられている。
【0238】
各配線部材930は、複数のパッド部P1、P3、P5、P7のうち、直上に位置するパッド部に電気的に接続されている。なお、
図38、
図39、及び
図40では、説明をわかりやすくするために、配線部材930が設けられている領域を、ドットで示している。各配線部材930は、導電性ペーストを硬化させてなる。
【0239】
各第1配線層912は、
図38に示すように、一端が、配線基板910の突出部910b上に位置し、配線基板910の本体部910a上に延在している。すなわち、複数の第1配線層912の一端は、突出部910b上において集約されている。また、各第1配線層912は、
図40に示すように、パッド部P3、P7に接続された1以上の配線部材930に接している。これにより、複数の第1配線層912と、発光モジュール920の複数の配線層群921Sのカソードとが、電気的に接続される。突出部910b上に集約された複数の第1配線層912の一端は、面状光源1000を駆動する外部の駆動基板等に電気的に接続される。
【0240】
各第2配線層917は、配線基板910の本体部910a上に延在している。また、各第2配線層917は、パッド部P1、P5に接続された1以上の配線部材930に接している。これにより、複数の第2配線層917と、発光モジュール920の複数の配線層群921Sのアノードとが、電気的に接続される。
【0241】
このように、配線基板910には、複数の第1配線層912が設けられている。そして、突出部910bには、複数の第1配線層912の端部が集約される。この際、本体部910aにおいて突出部910bの近辺の領域では、複数の第1配線層912の一部が、Y方向に並ぶように集約される。そして、複数の第1配線層912において、本体部910a上でY方向に並ぶように集約された部分は、第1行MT1に属する配線層群921Sに電気的に接続される配線部材930よりも、Y方向における突出部910b側に位置する必要がある。
【0242】
第1行MT1に属する配線層群921Sに電気的に接続される配線部材930は、第1行MT1におけるパッド部P3の直下に位置する。したがって、パッド部P3が発光モジュール920のY方向における突出部910b側の外縁に近い程、複数の第1配線層912において、本体部910a上でY方向に並んだ状態で集約された部分を、Y方向における突出部910b側にシフトさせる必要がある。この場合、複数の第1配線層912が本体部910aの外縁の内側に収まるように、本体部910aのY方向の寸法を大きくする必要がある。これに対して、本実施形態では、第1行MT1に属する配線層群921Sのパッド部P3は、この配線層群921Sが直列に接続する複数の光源620よりも、Y方向において突出部910bから離隔していている。そのため、パッド部P3を、発光モジュール920のY方向の突出部910b側の外縁から離隔させることができる。これにより、本体部910aのY方向の寸法を大きくすることなく、複数の第1配線層912を配線基板910の外縁より内側に形成することができる。そのため、配線基板910をコンパクトにできる。
【0243】
識別用の表示913は、例えば商品のロット等を識別するための表示である。識別用の表示913は、例えば、データマトリクス等の2次元コード、バーコード等の1次元コード、又は、文字、数字、若しくは記号等の組み合わせからなる文字コード等である。識別用の表示913は、例えば銅等の金属材料からなる。識別用の表示913は、本実施形態では、
図34に示すように突出部910bの上面に配置されている。複数の配線層912と識別用の表示913との間には上述した絶縁層911が介在している。識別用の表示913は、絶縁層911から露出している。ただし、識別用の表示は、突出部の下面、又は本体部の表面に配置されてもよい。また、配線基板に識別用の表示は、設けられていなくてもよい。
【0244】
識別用の表示913は、ベース層111上において配線層113、114とは絶縁されて配置された銅等の金属層を用いることができる。この場合、金属層にレーザを照射又は金属層をエッチングし、金属層を部分的に除去することで識別用の表示913を形成することができる。
【0245】
別の例として、前述した金属層の上面に第1被覆層112を配置し、第1被覆層112にレーザを照射又は第1被覆層112をエッチングし、第1被覆層112を部分的に除去することで識別用の表示913を形成することができる。第1被覆層112における除去された領域は、貫通してもよいし、貫通していなくてもよい。第1被覆層112は、透明の材料でもよく、視認性を高める観点では、白色の材料、もしくは、緑色又は青色のような着色された材料であることが好ましい。なお、金属層がベース層の下面に配置される場合は、金属層の表面に第2被覆層115を配置し、第2被覆層115にレーザを照射又は第2被覆層115をエッチングすることで、第2被覆層115を部分的に除去する。
【0246】
さらに別の例として、白色樹脂又は着色された樹脂を塗布又は印刷すること、或いは、ステッカーを貼ることで識別用の表示913を形成することができる。
【0247】
なお、配線基板910の構成は、上記に限定されない。例えば、突出部910bのY方向における先端部の厚さは、突出部910bのY方向における基端部(本体部910aに接続された部分)の厚さよりも厚くてもよい。このような先端部は、例えば突出部910bの先端部に、ポリイミド等の樹脂材料からなるシートを設けることにより、形成できる。
【0248】
図42は、本実施形態における配線基板の他の例を示す模式的な下面図である。
また、例えば、
図42に示すように、配線基板910には、異方性導電膜910dを設け、複数の第1配線層912は異方性導電膜910dに集約されてもよい。
図42では、異方性導電膜910dは、突出部910bに設けられている。そして、異方性導電膜910dに電気的に接続されるように、外部の駆動基板に接続するための端子910cを突出部910bに連結してもよい。すなわち、複数の第1配線層912は、異方性導電膜910dを介して端子910c電気的に接続されてもよい。また、配線基板には、複数の突出部が設けられていなくてもよい。この場合、本体部の下面に複数の異方性導電膜を設け、各異方性導電膜に複数の配線を集約してもよい。そして、各異方性導電膜に端子を電気的に接続してもよい。
【0249】
また、配線層群921Sは、発光モジュール920ではなく、配線基板910の上面、例えば絶縁層911上に設けられていてもよい。また、配線層912、917は、少なくとも配線部材930に接する部分が、絶縁層911の下に位置すればよい。したがって、例えば、配線層912、917は、絶縁層911の下に設けられ、配線部材930に接する第1部分と、絶縁層911の上に設けられた第2部分と、絶縁層911を貫通し、第1部分及び第2部分を接続する第3部分と、を有していてもよい。また、配線層912、917は、絶縁層911に設けられた貫通穴911aから離隔していてもよい。そして、配線部材930は、貫通穴911a内を充填する第1部分と、絶縁層911の下に配置され、第1部分に連なり、配線層912、917に接した第2部分と、を備えていてもよい。なお、配線層群921Sは、
図37に示す配線パターンを、Y方向に延びる軸に対して反転させたような配線パターンとすることもできる。
【0250】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態における面状光源1000においては、第1行MT1に属する配線層群921Sにおいて、パッド部P3は、この配線層群921Sが直列に接続する複数の光源620よりも、Y方向において突出部910bから離隔していている。これにより、本体部910aのY方向の寸法を大きくすることなく、複数の第1配線層912を配線基板910の外縁より内側に形成することができる。そのため、配線基板910をコンパクトにできる。
【0251】
また、本実施形態においては、下面視で、第2行MT2に属する配線層群921Sと隣り合う配線層群921Sにおいて、パッド部P5、P7は、この配線層群921Sが直列に接続する複数の光源620の間に位置する。これにより、第1行MT1におけるパッド部P1、P3と第2行MT2におけるパッド部P5、P7と、の距離を短くできる。その結果、パッド部P1、P3の直下に位置する絶縁層911の貫通穴911aと、パッド部P5、P7の直下に位置する絶縁層911の貫通穴911aと、の距離を短くできる。面状光源1000を駆動させた場合、各光源620の点灯又は非点灯等の状態によって面状光源1000の温度が上昇したり下降したりする。これにより、面状光源1000を構成する配線基板910、接着シート、発光モジュール920、及び配線部材930が変形する場合がある。この際、これらの熱膨張率が相互に異なるため、配線部材930に応力が加わり、クラックが生じる可能性がある。本実施形態では、上述したように、パッド部P1、P3の直下に位置する絶縁層911の貫通穴911aと、パッド部P5、P7の直下に位置する絶縁層911の貫通穴911aと、の距離を短くすることで、配線部材930に作用する応力を緩和できる。その結果、配線部材930にクラックが生じることを抑制できる。
【0252】
<変形例>
次に、第9の実施形態の変形例について説明する。
図43は、本変形例における配線基板の一部を拡大して示す模式的な下面図である。
図43に示すように、配線基板910の外周の一部は、複数の第1配線層912のうち最も外側に位置する第1配線層912aの形状に沿った形状を有していてもよい。例えば、
図43では、本体部910aにおいて、突出部910bが接続される側面910sは、発光モジュール920の外周及び第1配線層912aの一部に沿ってX方向に延びている。また、例えば
図43では、突出部910bの側面は、第1配線層912aに沿って、2つの段差を有する。これにより、配線基板910の本体部910aのY方向の寸法を小さくできる。
【0253】
上記の複数の実施形態では、面状光源が、導光部材、区画部材、透光性部材、及び光調整部材等を備える形態を説明した。しかし、面状光源は、導光部材、区画部材、透光性部材、及び光調整部材等を備なくてもよい。すなわち、面状光源は、配線基板及び複数の光源により構成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0254】
本発明は、例えば、バックライトに利用することができる。
【符号の説明】
【0255】
100、200、300、400、600、700、800、1000:面状光源
110、210、710、910:配線基板
111、211、711:ベース層
112、212、712:第1被覆層
113、213、713:第1配線層
113a、713a:先端部
113b:中間部
113c:上面
113d:下面
113e:側面
113s1:第1領域(第1貫通穴に対向する領域)
113s2:第2領域
113s3:第3領域
114、214:第2配線層
114a、714a:先端部
114b:中間部
114c:上面
114d:下面
114e:側面
114s1:第1領域(第2貫通穴に対向する領域)
114s2:第2領域
114s3:第3領域
115、215、715、815:第2被覆層
115a:貫通穴
116、216、716、911:絶縁層
116a、216a、716a:第1貫通穴
116b、216b、716b:第2貫通穴
117、217:光反射性シート
118a、218a、718:接着シート
118b、218b:接着シート
119、219:シート積層体
119a、219a、718a:第3貫通穴
119b、219b、718b:第4貫通穴
120、320、620:光源
121、321:本体部
122、322:第1端子
123、323:第2端子
124、624:発光素子
124a、624a、621a:発光部
124b、324b、624b、621b:第1電極
124c、324c、624c、621c:第2電極
125、623:透光性部材
126:第1光調整部材
127、624:被覆部材
130、630:導光部材
131、631:光源配置部
132、632:区画溝
133、634:透光性部材
133a:第1層
133b:第2層
133Fa、533Fa:第1樹脂部材
133Fb:第2樹脂部材
134:第2光調整部材
135、633:区画部材
151、251、451、751:第1配線部材
151a、451a、751a:第1部分
151b、451b、751b:第2部分
151F、251F、451Fa、751F:第1導電性ペースト
152、252、452、752:第2配線部材
152a、452a、752a:第3部分
152b、452b、752b:第4部分
152F、252F、452Fa、752F:第2導電性ペースト
153:被覆層
451Fb:第3導電性ペースト
452Fb:第4導電性ペースト
第1開口:715a
第2開口:715b
第3開口:715c、815c
第4開口:715d、815d
900:ドリル
D1~D7:距離
E1、E2:距離
F1、F2:寸法
G:重力方向
L1、L2:対角線
L3:軸
R:発光領域
S1:第1隙間
S2:第2隙間
c1~c4:中心