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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】茶園用除草機及び除草機構
(51)【国際特許分類】
   A01B 39/18 20060101AFI20240614BHJP
   A01M 21/02 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
A01B39/18 D
A01M21/02
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023040110
(22)【出願日】2023-03-14
【審査請求日】2023-03-14
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和4年度、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構、農業機械技術クラスター事業、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
(73)【特許権者】
【識別番号】000145116
【氏名又は名称】株式会社寺田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100178951
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 和家
(72)【発明者】
【氏名】水上 智道
(72)【発明者】
【氏名】雪丸 誠一
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-112613(JP,A)
【文献】特開2023-112614(JP,A)
【文献】特開2021-65155(JP,A)
【文献】特開2006-197870(JP,A)
【文献】実開昭54-92931(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 39/00-41/06; 45/00-45/02
A01D 46/04
A01M 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端帯によって走行する左右一対の走行装置と、
前記左右一対の走行装置を連結し茶うねをまたぐことが可能な門型フレームと、
前記左右一対の走行装置それぞれの後方に設けられた除草機構と、を備え、
前記除草機構は、回転体を有するものであり、
前記回転体は、
上下方向に延在する軸を中心に横方向に回転する回転バーと、
前記回転バーの下面側において該回転バーの延在方向に櫛状に並べて配置された複数の爪材と、を有し、
前記回転バーが回転することによって前記複数の爪材が雑草に接触して除草するものであることを特徴とする茶園用除草機。
【請求項2】
前記回転体は、前記複数の爪材が、前記回転バーの延在方向に沿って前記軸を中心に放射状に伸びる仮想線から、該回転バーの回転方向の下流側にオフセットされた位置に設けられたものであることを特徴とする請求項1記載の茶園用除草機。
【請求項3】
前記回転体は、前記回転バーが、前記軸に対して点対称の形状のものであることを特徴とする請求項1又は2記載の茶園用除草機。
【請求項4】
前記除草機構は、走行方向に対して水平面内で直交する方向に併設された少なくとも2つの前記回転体を有するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の茶園用除草機。
【請求項5】
少なくとも2つの前記回転体は、前記回転バーの回転数が同期されるとともに、隣合う該回転体の該回転バーが回転する範囲がオーバーラップするものであり、かつ、隣合う該回転体の該回転バーの回転方向を逆方向とすることで、前記爪材の干渉を回避するものであることを特徴とする請求項4記載の茶園用除草機。
【請求項6】
前記除草機構は、前記走行装置が走行する茶うね間側から樹冠下に張り出し、該樹冠下の雑草に接触して除草する樹冠下除草部材を備えた樹冠下処理ユニットを有するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の茶園用除草機。
【請求項7】
前記複数の爪材を地表からの距離を一定に保つように調整可能な処理位置保持手段を有し、
前記処理位置保持手段は、地面に接触し走行装置の走行に伴い走行方向へ回転可能に軸支されたローラを有するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の茶園用除草機。
【請求項8】
無端帯によって走行する左右一対の走行装置、及び該左右一対の走行装置を連結し茶うねをまたぐことが可能な門型フレームを備えた走行車体に取り付けられる除草機構であって、
前記左右一対の走行装置それぞれの後方に設けられ、
前記除草機構は、回転体を有するものであり、
前記回転体は、
上下方向に延在する軸を中心に横方向に回転する回転バーと、
前記回転バーの下面側において該回転バーの延在方向に櫛状に並べて配置された複数の爪材と、を有し、
前記回転バーが回転することによって前記複数の爪材が雑草に接触して除草するものであることを特徴とする除草機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、茶園のうね間(茶うね間)の除草が可能な茶園用除草機、及びこの茶園用除草機に用いられる除草機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
消費者の安全・安心に対するニーズの高まりから、有機栽培や農薬の使用量が少ない茶栽培が求められている。農薬には除草剤も含まれるため、除草作業を手作業で行うことによって、除草剤の使用量の削減が図られているのが現状である。しかしながら、手作業による除草作業には非常に多くの労力を要し、さらに、雇用労働力の確保も困難になってきている。これまで、茶園で使用可能なハンディタイプの除草機等も提案されてはいるものの、生産者においては、茶うね間を走行する除草機等による除草作業の機械化が望まれている。
【0003】
しかしながら、茶樹は永年作物(樹木)であり、他の永年作物よりも植え付け間隔が狭く、管理作業を容易にするためうねの形で密集して植栽されている。さらに、機械摘採を容易にするため、樹高を維持する台切り更新(台刈り)が繰り返される。このため、雨落ち部の空間(樹冠下の高さ方向の間隔)が狭く、特に、植栽から数十年経過したような茶園では、側枝から発根し、樹冠下自体がほとんど存在しない場合もある。これらの茶園の特異性によって、これまでは、茶うね間を走行する除草機等の導入が阻まれてきたというのが実情である。
【0004】
そこで、本発明者らは、茶うねをまたいで走行し、茶うね間及び雨落ち部(茶園における樹冠外縁部直下付近の途上表面)を効率的に除草可能な茶園用除草機を提案している(特許文献1及び特許文献2参照)。特許文献1及び特許文献2に記載された茶園用除草機は、左右一対の走行装置それぞれの後方に設けられた除草機構を備え、この除草機構は、上下方向に延在する軸を中心に横回転する回転体を有している。また、この回転体には、雑草に接触して除草する除草処理部が設けられている。そして、特許文献1の回転体は、円盤状のカップ部を有し、このカップ部の外周部分から放射状に水平より下方向へ向けて突出した複数の線材からなるブラシによって除草処理部が構成されている。また、特許文献2の回転体は、円盤状の取付プレートを有し、この取付プレートの下面側において周方向に所定の間隔をあけて放射状に配置され、水平より下方向へ向けて突出した複数の爪材によって除草処理部が構成されている。
【0005】
これら特許文献1及び特許文献2記載の茶園用除草機によれば、除草機構が走行装置の後方に設けられているため、植え付け間隔が狭く密集して植栽されている茶園であっても、茶うね間を走行させることができる。また、回転体が横回転するものであるため、高さ方向の寸法を抑えることができ、樹冠下の高さ方向の間隔が狭い場合や樹冠下自体がほとんど存在しない場合であっても、除草処理部を樹冠下に挿入しやすくなる。これらの結果、茶うね間や雨落ち部において十分な除草効果を得ることができ、除草作業の機械化を図ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特願2022-014531号
【文献】特願2022-014532号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、特許文献1の回転体は、カップ部の外周部分から下方向に向けて突出したブラシによって除草するものであり、特許文献2の回転体は、取付プレートの下面側において放射状に配置され、下方向に向けて突出した爪材によって除草するものである。すなわち、カップ部や取付プレートの外周部分の下方に位置する雑草にブラシや爪材が接触する構成であり、カップ部や取付プレートにおける中央部分の下方に位置する雑草にはブラシや爪材が接触せず処理されない。このため、茶園用除草機が走行すると、茶うね間や雨落ち部の1つの場所に対して、ブラシや爪材が、走行方向前側と走行方向後側の2回だけ、雑草に接触して処理されることになる。この結果、走行装置の走行速度を上げたような場合は、茶うね間や雨落ち部の除草が十分でなくなったり、回転体の回転速度を非常に高速にする必要が生じたりする場合がある。
【0008】
以上のことより、本発明は、茶うねをまたいで走行しながら、茶うね間や雨落ち部を効率的に除草可能であるとともに、さらに除草効率を向上させる工夫がなされた茶園用除草機、及びこの茶園用除草機に用いられる除草機構を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1手段は、無端帯によって走行する左右一対の走行装置と、
前記左右一対の走行装置を連結し茶うねをまたぐことが可能な門型フレームと、
前記左右一対の走行装置それぞれの後方に設けられた除草機構と、を備え、
前記除草機構は、回転体を有するものであり、
前記回転体は、
上下方向に延在する軸を中心に横方向に回転する回転バーと、
前記回転バーの下面側において該回転バーの延在方向に櫛状に並べて配置された複数の爪材と、を有し、
前記回転バーが回転することによって前記複数の爪材が雑草に接触して除草するものであることを特徴とする茶園用除草機である。
【0010】
ここで、上下方向に延在する軸とは、鉛直方向に延在する軸に限定されるものではなく、前記回転バーが縦回転ではなく横回転できるものを含む概念である。具体的には、鉛直方向に対して、軸が上方に向かうに従い走行方向の後方や前方、あるいは左右方向に傾いていても、前記回転バーが横回転するものであれば含まれる。
【0011】
本発明の第1手段では、前記除草機構が前記走行装置の後方に設けられている。このため、従来の茶園管理機において、走行装置の後方に設けられているカルチベータや肥料散布機と同様の配置となる。この結果、植え付け間隔が狭く密集して植栽されている茶園であっても、茶うね間を走行させることができる。さらに、前記回転バーが横回転することによって前記回転体も横回転するものであるため、高さ方向の寸法(厚み)を抑えることができる。これにより、樹冠下の高さ方向の間隔が狭い場合や樹冠下自体がほとんど存在しない場合であっても、前記回転体が樹冠下まで挿入しやすくなり、雨落ち部を含めた茶うね間の除草が可能となる。
【0012】
またさらに、本発明の第1手段は、前記回転バーが回転することによって延在方向に櫛状に並べて配置された複数の前記爪材が雑草に接触して除草するものである。これにより、前記回転バーにおける中央部分の下方の雑草にも前記爪材が接触し、茶うね間や雨落ち部の1つの場所に対して、該爪材が雑草に接触する回数(頻度)が増加する。すなわち、前記回転バーの一回転当りの処理領域が大幅に拡大する。この結果、前記走行装置の走行速度を上げた場合であっても十分に除草することが可能となり、また、前記回転バーの回転を高速にしなくても、特許文献1や特許文献2の回転体と同様の除草効率を得ることできる。
【0013】
本発明の第2手段は、前記第1手段において、前記回転体は、前記複数の爪材が、前記回転バーの延在方向に沿って前記軸を中心に放射状に伸びる仮想線から、該回転バーの回転方向の下流側にオフセットされた位置に設けられたものである。
【0014】
本発明の第3手段は、前記第1または第2手段において、前記回転体は、前記回転バーが、前記軸に対して点対称の形状のものである。
【0015】
本発明の第4手段は、前記第1または第2手段において、前記除草機構は、走行方向に対して水平面内で直交する方向に併設された少なくとも2つの前記回転体を有するものである。本発明の第4手段によれば、茶うね間及び雨落ち部の広い面積を除草しやすくなる。
【0016】
本発明の第5手段は、前記第4手段において、少なくとも2つの前記回転体は、前記回転バーの回転数が同期されるとともに、隣合う該回転体の該回転バーが回転する範囲がオーバーラップするものであり、かつ、隣合う該回転体の該回転バーの回転方向を逆方向とすることで、前記爪材の干渉を回避するものである。
【0017】
ここで、特許文献2における複数の爪材が設けられた回転体を、走行方向に対して水平面内で直交する方向に併設した茶園用除草機を採用した場合、未作用箇所を少なくするためには、ある程度細かい間隔で爪材を配置する必要がある。それにより、併設された回転体それぞれの爪材が干渉する虞があり、干渉を避けるための間隔が必要となる。その結果、未処理部が発生してしまう虞がある。なお、回転体を前後方向にずらして配置し、回転体が回転する範囲を走行方向においてオーバーラップさせることによって未処理部を回避することも考えられる。しかしながら、茶園用除草機の全長が長くなり、その分、茶うね端での旋回に影響を及ぼす虞もある。
【0018】
本発明の第5手段によれば、隣合う前記回転体の前記回転バーが回転する範囲がオーバーラップするものであるため、隣合う該回転体の間の未処理部をなくすことが可能となる。さらに、前記回転バーどうしの干渉がなくなるため、隣合う前記回転体における前記軸の間隔を変更することなく、該回転バーの長さを延ばすことができる。これにより、処理幅を容易に拡大することができる。
【0019】
本発明の第6手段は、前記第1または第2手段において、前記走行装置が走行する茶うね間側から樹冠下に張り出し、該樹冠下の雑草に接触して除草する樹冠下除草部材を備えた樹冠下処理ユニットを有するものである。
【0020】
本発明の第6手段によれば、樹冠下の除草も可能となる。
【0021】
本発明の第7手段は、前記第1または第2手段において、前記複数の爪材を地表からの距離を一定に保つように調整可能な処理位置保持手段を有し、
前記処理位置保持手段は、地面に接触し走行装置の走行に伴い走行方向へ回転可能に軸支されたローラを有するものである。
【0022】
本発明の第7手段によれば、前記処理位置保持手段を有しているため、処理高さが安定し、前記回転バーを回転させるモータ等への過負荷を抑えることができる。また、前記ローラによって、茶うね間に堆積した茶枝葉を引きずること等が抑えられ、地表から前記回転バーまでの距離を良好に維持することが可能となる。
【0023】
本発明の第8手段は、無端帯によって走行する左右一対の走行装置、及び該左右一対の走行装置を連結し茶うねをまたぐことが可能な門型フレームを備えた走行車体に取り付けられる除草機構であって、
前記左右一対の走行装置それぞれの後方に設けられ、
前記除草機構は、回転体を有するものであり、
前記回転体は、
上下方向に延在する軸を中心に横方向に回転する回転バーと、
前記回転バーの下面側において該回転バーの延在方向に櫛状に並べて配置された複数の爪材と、を有し、
前記回転バーが回転することによって前記複数の爪材が雑草に接触して除草するものであることを特徴とする除草機構である。
【0024】
本発明の第8手段は、本発明の第1~7手段における茶園用除草機の前記除草機構として好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、茶うねをまたいで走行しながら、茶うね間や雨落ち部を効率的に除草可能であるとともに、さらに除草効率を向上させる工夫がなされた茶園用除草機、及びこの茶園用除草機に用いられる除草機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の茶園用除草機の一例を示す斜視図である。
図2図1に示す茶園用除草機の背面図である。
図3図1に示す茶園用除草機の側面図である。
図4図1に示す除草機構の一つを抜き出して示す斜視図である。
図5図4に示す除草機構の底面図である。
図6図2に示す除草機構の一つを拡大して示す図である。
図7図3に示す除草処理ユニットを拡大して示す図である。
図8】(a)は、回転体の底面図であり、(b)は、(a)に示す回転バーを抜き出して示した図であり、(c)は、図5に示す、走行方向に対して左右一対設けられた回転体の回転の様子を模式的に示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の茶園用除草機1の一例を示す斜視図であり、図2は、図1に示す茶園用除草機1の背面図であり、図3は、図1に示す茶園用除草機1の側面図である。なお、図1及び図3では、茶園用除草機1の走行方向を白抜きの矢印で示しており、図2では、紙面奥側に向かう方向が走行方向となる。以下、茶園用除草機1の走行方向を基準として、前(前側、前方)、後(後側、後方)、左(左側)、右(右側)を用いて説明する。すなわち、図2において両矢印で示すように、茶園用除草機1の走行方向に対して水平面内で直交する方向が左右方向となる。
【0028】
また、茶園用除草機1の構成を明確に示すため、図2にのみ茶うねTを模式的に示し、図1及び図3では茶うねを省略している。図2に示すように、本出願においては、樹冠下Jとは、雨落ち部Oの幹側(内側)をいうものとする。また、茶うね間Uと雨落ち部Oとを併せて茶うね間等UOと称することがある。
【0029】
図1図3に示すように、茶園用除草機1は、走行車体2と除草機構3を有している。走行車体2は、無端帯によって走行する左右一対の走行装置21,21と、左右一対の走行装置21,21を連結し茶うねT(図2参照)をまたぐことが可能な門型フレーム22と、を備えている。また、走行車体2には運転席23が設けられ、運転席23には、走行装置21等を操作する、操縦かん、操作レバー及びスイッチ類などが配置されている。この走行車体2は、茶園においては、門型フレーム22が茶うねTをまたいだ状態で、左右一対の走行装置21,21が茶うね間Uを走行する。
【0030】
本実施形態では、走行車体2として、施肥や防除のための乗用型茶園管理機を採用している。この乗用型茶園管理機は、作業内容に応じて、走行装置21の後方に耕耘機構(カルチ機構)や肥料散布機構等が設けられるものである。このため、走行車体2には、耕耘機構等を上下動させる油圧シリンダ24が設けられている。なお、油圧シリンダ24や、詳しくは後述する油圧モータ541(図4等参照)等に接続された油圧ホースは、図面が煩雑になるため図示は省略している。また、走行車体2として、摘採装置を備えた乗用型茶葉摘採機を採用してもよく、この態様の場合には、油圧シリンダ24を乗用型茶葉摘採機に設ければよい。
【0031】
図3に示すように、除草機構3は、詳しくは後述する回転体7(図8等参照)を有する茶うね間処理ユニット5と、茶うね間処理ユニット5に取り付けられた樹冠下処理ユニット6と、これら茶うね間処理ユニット5及び樹冠下処理ユニット6を上下動させる上下動ユニット4とを備えている。なお、以下の説明では、茶うね間処理ユニット5と樹冠下処理ユニット6を併せて除草処理ユニットWUと称することがある。
【0032】
図3(b)は、同図(a)の一点鎖線で囲んだA部の拡大図である。また、図3(b)では、除草処理ユニットWUを上昇させた状態を破線で示し、除草処理ユニットWUが下降して、処理位置保持手段の一例である処理位置保持部材52によって支持されている状態を実線で示している。本実施形態では、自重によって除草処理ユニットWUが下降し、詳しくは後述する処理位置保持部材52によって支持する形態を採用している。
【0033】
図3(b)に示すように、上下動ユニット4は、走行装置21に設けられた第1取付部41に、持ち上げアーム43の基部が、左右方向に延在する第1軸42によって回動自在に取り付けられている。持ち上げアーム43は、走行装置21の後端部分との干渉を避けるため、「へ」の字状に屈曲したものであり、その先端が、左右方向に延在する第2軸44によって、茶うね間処理ユニット5側に回動自在に取り付けられている。また、第2軸44によって、リンクプレート45の一端側が回動自在に取り付けられ、リンクプレート45の他端側とリンクシャフト47の一端側が、左右方向に延在する第3軸46によって回動自在に連結されている。リンクシャフト47の他端側は、左右方向に延在する第4軸48によって、走行装置21に設けられた第2取付部49に回動自在に取り付けられている。
【0034】
また、油圧シリンダ24のロッド241が、持ち上げアーム43に取り付けられており、油圧シリンダ24を駆動させることで、除草処理ユニットWUが上昇し、また、除草処理ユニットWUは自重によって下降する。ここで、持ち上げアーム43、リンクプレート45、リンクシャフト47、及び第1軸42~第4軸48は、平行リンク機構と略同様の作用を奏するものである。これにより、除草処理ユニットWUを、角度を維持した状態で上下動させることができる。
【0035】
図4は、図1に示す除草機構3の一つを抜き出して示す斜視図であり、図5は、図4に示す除草機構3の底面図である。また、図6は、図2に示す除草機構3の一つを拡大して示す図である。すなわち、図6では、紙面奥側に向かう方向が走行方向になる。また、図6では、除草機構3と茶うね間U、雨落ち部O、樹冠下Jとの関係を示すため、茶うねTの一部を模式的に示している。図7は、図3に示す除草処理ユニットWUを拡大して示す図である。
【0036】
図4図7に示すように、茶うね間処理ユニット5は、走行方向に対して左右一対の回転部材54,54を備えている。回転部材54の下端部分に回転体7が設けられている。回転部材54は、走行車体2の油圧源から供給される圧油によって駆動する油圧モータ541やカップリング等を有しており、図7において概念的に示す軸Sを中心に、回転体7を横回転させることができる。また、本実施形態の回転部材54それぞれは、互いに伝達されるギヤ542を有している。これにより、詳しくは後述するように、歯車伝達によって、一対の回転体7,7は回転数が同期され、かつ逆方向に回転するように構成されている。
【0037】
図8(a)は、回転体7の底面図である。図8(a)に示すように、回転体7は、回転バー71と、この回転バー71の下面側に設けられた複数のねじりコイルばね72とを有している。複数のねじりコイルばね72は、軸Sを中心とした回転バー71の延在方向の両側に、本実施形態では4つずつ並べて設けられている。図8(a)に示す回転バー71は、円弧状の矢印で示すように、軸Sを中心に半時計回りに回転するものである。すなわち、回転バー71は、軸Sを中心に横方向に回転するものであり、回転体7も横回転する。これにより、回転体7の高さ方向の寸法(厚み)を抑えることができ、樹冠下Jの高さ方向の間隔が狭い場合や樹冠下J自体がほとんど存在しない場合であっても回転体7が樹冠下Jに挿入しやすくなり、雨落ち部Oの除草も可能となる(図6参照)。
【0038】
また、それぞれのねじりコイルばね72は、コイル部721が回転バー71の下面側に固定され、図6及び図7に示すように、アーム部722が、水平より下方向へ向けて突出した状態となっている。また、アーム部722は、その下端部分を鉛直方向に向けて屈曲させている。このアーム部722の下端部分が、雑草に接触して除草する爪材722aに相当する。すなわち、複数の爪材722aは、回転バー71の下面側において回転バー71の延在方向に櫛状に並べて配置されたものである。なお、爪材722aは、ねじりコイルばね72のアーム部722における下端部分に限定されるものではないが、ねじりコイルばね72を採用すれば、そのばね作用によって、効率的に除草を行うことができる。また、障害物等による各種の負荷がかかった場合に、その負荷を軽減させることができる。
【0039】
図8(b)は、同図(a)に示す回転バー71を抜き出して示した図である。図8(b)に示すように、本実施形態の回転バー71は、軸S部分で屈曲したクランク状に形成された板状のものであり、軸Sに対して点対称の形状のものである。これにより、図8(a)に示すように、複数の爪材722aを、軸Sに対して点対称に配置することができる。すなわち、複数の爪材722aは、位相が180°ずらされたものを用いている。
【0040】
また、図8(a)に示すように、複数の爪材722aが、回転バー71の延在方向に沿って軸Sを中心に放射状に伸びる仮想線V(図では一点鎖線で示している)から、回転バー71の回転方向の下流側にオフセットされた位置(図では二点鎖線で示している)に設けられている。さらに、ねじりコイルばね72は、仮想線Vと水平面内で直交する方向に対して、アーム部722が外側に傾く姿勢で回転バー71に取り付けられている。これにより、複数の爪材722aそれぞれは、仮想線Vと水平面内で直交する位置から斜め外側にややひらいた位置となっている。この態様を採用することで、より広い範囲を処理することが可能となる。
【0041】
図8(c)は、図5に示す、走行方向に対して左右一対設けられた回転体7の回転の様子を模式的に示す底面図である。図8(c)では、白抜きの矢印で示すように、上方に向かう方向が走行方向になる。すなわち、本実施形態の茶うね間処理ユニット5(図5参照)は、走行方向に対して水平面内で直交する方向に併設された2つの回転体7を有している。
【0042】
図8(c)に示す左側(図6では右側)における回転体7の回転バー71は、反時計回りに回転するものであり、複数の爪材722aの回転の軌跡を一点鎖線で示している。また、図8(c)に示す右側(図6では左側)における回転体7の回転バー71は、時計回りに回転するものであり、複数の爪材722aの回転の軌跡を二点鎖線で示している。このように、回転バー71における中央部分の下方の雑草にも爪材722aが接触し、茶うね間Uや雨落ち部O(図6参照)の1つの場所に対して、爪材722aが雑草に接触する回数(頻度)が増加する。すなわち、回転バー71の一回転当りの処理領域を大幅に拡大させることができる。この結果、走行装置21(図1参照)の走行速度を上げた場合であっても十分に除草することが可能となり、また、回転バー71の回転を低速にしても効率的に除草することができる。なお、図8(c)に示す左側(図6では右側)における回転体7の回転バー71を、時計回りに回転させ、図8(c)に示す右側(図6では左側)における回転体7の回転バー71を、反時計回りに回転させてもよい。
【0043】
また、これら2つの回転体7,7は、前述したギヤ542(図6等参照)によって回転バー71の回転数が同期されるとともに、回転方向を逆方向としている。より具体的には、2つの回転バー71,71は、接触することがないように90°位相をずらした角度となるように取り付けられている。これにより、回転バー71どうしの干渉がなくなり、図8(c)に示すように、回転バー71が回転する範囲をオーバーラップさせることができる。この結果、2つの回転体7,7間における未処理部の発生を抑えることができる。さらに、隣合う回転体7,7における軸Sの間隔を変更することなく、オーバーラップしている長さを長くすることにより回転バー71の全長が大きくとれ、より広幅の処理が可能となる。
【0044】
ここで、回転体7は横回転なので、走行方向に対して異なる方向に力がかかることになる。この点に対しても、一対の回転体7,7の回転方向を逆回転にすることで、走行方向に対して異なる方向にかかる力が均衡し、走行方向に対して左右の一方に寄ってしまう、といった不具合も生じにくい。
【0045】
なお、2つの回転体7,7の位置を走行方向に対し前後方向にずらす態様も可能であるが、茶園用除草機1(図1等参照)の全長が長くなり、その分、茶うね端での旋回に影響を及ぼす虞もある。このため、本実施形態のように、2つの回転体7,7は、走行方向に対して水平面内で直交する方向に併設する態様、すなわち、走行方向に対して水平面内で直交するように軸S,Sが位置する態様が好ましい。また、回転体7は、それぞれの回転バー71が干渉しないように、走行方向に対して水平面内で直交する方向に3つ以上併設してもよい。なお、回転体7を3つ以上併設する場合には、4つ等の偶数にして、回転バー71の半数が逆回転となる態様が好ましい。
【0046】
図4に示すように、本実施形態では、上下動ユニット4が連結するガードフレーム51を有している。ガードフレーム51は、一対の回転体7,7の周囲に設けられた枠状の部材であり、図7に示すように、回転体7の上方に位置している。また、ガードフレーム51は、走行方向の前側から後側に向けて上方向へ角度(例えば10°程度)をもつものである。これにより、樹冠下Jの高さ方向の間隔が狭い場合や樹冠下J自体がほとんど存在しない場合であっても、ガードフレーム51によって、樹冠下Jの枝葉を押し上げ(すくい上げ)、回転体7を挿入し回転させる空間の確保が可能になる(図6等参照)。
【0047】
図7に示すように、左右一対の回転部材54,54は、角度調整部材55によってガードフレーム51に連結している。角度調整部材55には、円弧状の長孔が形成されており、この長孔に、ボルトとナットからなる固定部材551が挿入されている。角度調整部材55は、角度調整軸552によって回動可能にガードフレーム51側に接続され、固定部材551によって所定の角度で固定される。これにより、回転体7の軸Sの角度を調整することができる。図7では、軸Sが鉛直方向の状態に設定しているが、軸Sを、上方に向かうに従い、走行方向の後方側又は前方側になるように設定してもよい。
【0048】
次いで、図4図7を用いて樹冠下処理ユニット6について説明する。
【0049】
樹冠下処理ユニット6は、左右方向に延在しガードフレーム51に取り付けられた枠状の枠体61と、除草刃8が下面に着脱自在に固定された、左右一対の保持体62,62と、保持体62を走行方向に対して水平面内で交わる方向に揺動可能とする揺動ロッド64と、左右一対の保持体62,62を互いに離間する方向(外側)に付勢しつつ接続するガススプリング65と、を有している。枠体61は、図7に示すように、両端部が、ガードフレーム51の支持部511に、第2角度調整軸512によって軸支されている。また、支持部511には円弧状の長孔が形成されており、この長孔に挿入された、ボルトとナットからなる第2固定部材513によって所定の角度で固定される。これにより、ねじりコイルばね72の爪材722aに対する除草刃8の高さ(深さ)位置を調整することができる。
【0050】
図5に示すように、揺動ロッド64は、左右一対の保持体62,62それぞれに対して、2本ずつ設けられ、その一端側が枠体61に軸支され、他端側が保持体62に軸支されて平行リンクを構成するものである。
【0051】
図6に示すように、保持体62の下面に固定された除草刃8は、前後方向に見て略コ字状の板状のものである。また、図4図5及び図7に示すように、除草刃8は、その前側部分に、雑草の根本に接触して除草する刃部8aを有している。すなわち、除草刃8は、本発明の樹冠下除草部材の一例に相当し、茶うね間U側から樹冠下Jに張り出し、樹冠下Jの雑草に接触して除草するものである。図6に示すように、除草刃8の刃部8a(図7参照)は、樹冠下Jにおける茶うね間U側の部分から、茶うね間Uにおける樹冠下J側の部分にかけて位置している。これにより、樹冠下Jについても除草することが可能なる。
【0052】
また、左右一対の保持体62,62は、互いに離間する方向に付勢するガススプリング65によって接続されている。このため、保持体62や除草刃8が茶樹幹等に接触した場合は、茶うね間U側に揺動して茶樹幹等を回避し、回避後は再び元の位置に戻る動きになる。これにより、茶樹幹等の損傷を抑えつつ、樹冠下Jを除草することができる。さらに、本実施形態では、左右一対の保持体62,62それぞれの外側には、平面視内向きコ字状のガードパイプ621が設けられている。このガードパイプ621によっても、茶樹幹等の損傷を抑えることができる。
【0053】
図7に示すように、処理位置保持部材52は、ガードフレーム51に取り付けられた取付部521と、この取付部521に対して、上下方向にスライド可能に設けられたスライドバー522と、スライドバー522の下端部分に設けられたローラフレーム523と、ローラフレーム523に軸支されたローラ524とを有している。なお、本実施形態では、ローラ524としてゴムタイヤを採用している。処理位置保持部材52は、取付部521に対してスライドバー522をスライドさせることによって、除草処理ユニットWUの高さ位置を調整することができる。図7では、ねじりコイルばね72の爪材722aや除草刃8の刃部8aが、地表面よりも数mm程度低くなるように調整した様子を示している。すなわち、処理位置保持部材52は、複数の爪材722aや刃部8aの地表からの距離(図7では-数mm)を一定に保つものである。
【0054】
ここで、茶うね間Uには一般的に、剪定及び中切り更新に伴う茶枝葉が堆積している。この堆積した茶枝葉等を引きずってしまうと、その茶枝葉等を乗り越えるときに持ち上がってしまう等、茶うね間Uの起伏に対する追従が困難となり、除草作業に支障をきたす虞がある。さらに、引きずった茶枝葉等が、走行装置21のクローラ等に巻き込まれてしまう虞もある。この点、処理位置保持部材52のローラ524は、走行装置21の走行に伴い、茶うね間U上を回転しながら移動する。このため、茶うね間Uに堆積した茶枝葉等を引きずることなく地表の凹凸に追従し、除草処理ユニットWUの高さ位置を良好に維持することができる。
【0055】
次に、これまで説明してきた茶園用除草機1を用いた除草処理の一例を説明する。
【0056】
茶園用除草機1を用いて、うね間等UO及び樹冠下Jの除草処理を行う場合には、事前に除草機構3を走行車体2の走行装置21の後方に装着しておく。そして、図7を用いて前述したように、必要に応じて回転体7の軸Sの角度や、ねじりコイルばね72の爪材722aに対する除草刃8の高さ位置を調整する。本実施形態では、軸Sが鉛直方向の状態に設定し、除草刃8の高さ(深さ)位置は、ねじりコイルばね72の爪材722aと略同じに設定している。
【0057】
次いで、処理位置保持部材52におけるスライドバー522(図7参照)を上下方向にスライドさせ、除草処理ユニットWUの高さ位置を調整する。この調整は、例えば図7に示すように、ねじりコイルばね72の爪材722aや除草刃8の刃部8aが、地表面よりも数mm程度低くなるように調整する。これにより、爪材722aや刃部8aの地表面からの距離を一定に保つことが可能になる。
【0058】
その後、図3(b)の破線で示すように、除草機構3の除草処理ユニットWUを油圧シリンダ24によって上昇させ、その状態で茶園に向けて茶園用除草機1を走行させる。茶園へ到着したら、門型フレーム22によって茶うねTをまたぎ、除草機構3が茶うね間Uの上方に来た時に、除草処理ユニットWUを自重によって下降させ、図7に示すように、処理位置保持部材52が茶うね間U上に接地されることによって除草処理ユニットWUを支持させる。
【0059】
次いで、油圧モータ541を駆動させ、図8(c)を用いて説明したように回転バー71を回転させる。その状態で、茶園用除草機1を、茶うねTをまたいで茶うね間Uに沿って走行させる。
【0060】
樹冠下処理ユニット6が樹冠下Jの終端部へ到達した時点で油圧モータ541を停止し、回転バー71の回転を止める。そして、除草処理ユニットWUを油圧シリンダ24によって上昇させ、その状態で、次の処理対象のうね間等Uの開始端部へ移動し、処理対象とするうね間等UO及び樹冠下Jのすべての処理が完了するまで繰り返す。
【0061】
このように、茶園用除草機1を用いて除草処理を行うことで、茶うね間等UOと、樹冠下Jにおける茶うね間U側部分を除草することができる。特に、回転バー71の延在方向に櫛状に並べて配置された複数の爪材722aが雑草に接触して除草するものであるため、回転バー71の一回転当りの処理領域が大幅に拡大する。この結果、走行装置21の走行速度を上げた場合であっても十分に除草することが可能となる。
【0062】
以上説明したように、本発明の茶園用除草機によれば、茶うねをまたいで走行しながら、茶うね間や雨落ち部を効率的に除草可能であるとともに、さらに除草効率を向上させることが可能となる。
【0063】
本発明は上述の実施例に限られることなく特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことが出来る。例えば、前述した実施形態では、茶うね間処理ユニット5及び樹冠下処理ユニット6によって除草処理ユニットWUを構成しているが、樹冠下処理ユニット6を省略し、茶うね間処理ユニット5のみとする態様も可能である。また、前述した実施形態では、2つの回転体7が、走行方向に対して水平面内で直行する方向に並設された態様を例に挙げて説明したが、回転体7を一つとする態様としてもよい。さらに、前述した実施形態では、複数の爪材722aが、図8(a)に示す仮想線Vから、回転バー71の回転方向の下流側にオフセットされた位置に設けられているが、複数の爪材722aを仮想線V上に設けてもよい。またさらに、前述した実施形態では、ローラ524を有する処理位置保持部材52を用いているが、構成を簡易にするため、ソリ状の部材を地面に接触させ地表面からの距離を一定に保つ処理位置保持部材を用いてもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 茶園用除草機
2 走行車体
21 走行装置
22 門型フレーム
24 油圧シリンダ
3 除草機構
4 上下動ユニット
5 茶うね間処理ユニット
52 処理位置保持部材
524 ローラ
541 油圧モータ
542 ギヤ
6 樹冠下処理ユニット
8 除草刃
8a 刃部
7 回転体
71 回転バー
72 ねじりコイルばね
722a 爪材
U 茶うね間
O 雨落ち部
UO 茶うね間等
J 樹冠下
S 軸
WU 除草処理ユニット
【要約】
【課題】茶うねをまたいで走行しながら、茶うね間や雨落ち部を効率的に除草可能であるとともに、さらに除草効率を向上させる工夫がなされた茶園用除草機、及びこの茶園用除草機に用いられる除草機構を提供する。
【解決手段】無端帯によって走行する左右一対の走行装置21と、左右一対の走行装置21を連結し茶うねTをまたぐことが可能な門型フレーム22と、左右一対の走行装置21それぞれの後方に設けられた除草機構3と、を備え、除草機構3は、回転体7を有するものであり、回転体7は、上下方向に延在する軸を中心に横方向に回転する回転バー71と、回転バー71の下面側において回転バー71の延在方向に櫛状に並べて配置された複数の爪材722aと、を有し、回転バー71が回転することによって複数の爪材722aが雑草に接触して除草するものである。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8