IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】EUV光源におけるターゲット材料制御
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20240614BHJP
   H05G 2/00 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
G03F7/20 503
H05G2/00 K
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021551591
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 EP2020056144
(87)【国際公開番号】W WO2020187617
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】62/819,366
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/842,453
(32)【優先日】2019-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/951,577
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ゴヴィンダラジュ,アビラム,ラクシュミー ガネーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ベッセムズ,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ライ,サンディップ
(72)【発明者】
【氏名】ウィレムス,ペトルス,アドリアヌス
(72)【発明者】
【氏名】キンカル,セルカン
(72)【発明者】
【氏名】ルーケンズ,ジョシュア,マーク
(72)【発明者】
【氏名】テドロウ,ジョン,デイビッド
【審査官】藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-512381(JP,A)
【文献】特開2010-263210(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0261761(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0282987(US,A1)
【文献】特表2008-532228(JP,A)
【文献】国際公開第2006/093782(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2013/0153603(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20-7/24
G03F 9/00-9/02
H05G 1/00-2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット材料を供給するための装置であって、
ノズル供給システムの動作中に前記ノズル供給システムと流体連通するように構成された第1の流体リザーバを備える第1のリザーバシステムであって、前記第1の流体リザーバは第1の圧力に維持される、第1のリザーバシステムと、
前記ノズル供給システムの動作中の少なくとも一部の時間、前記第1のリザーバシステムと流体連通するように構成された第2の流体リザーバを備える、第2のリザーバシステムと、
ターゲット材料を含む固体を収容するように、及び前記固体から流体ターゲット材料を生成するように構成されたプライミングシステムであって、前記第1の圧力よりも小さいプライミング圧力に維持される、プライミングシステムと、
前記プライミングシステムと、前記第1のリザーバシステムと、前記第2のリザーバシステムと、前記ノズル供給システムと、に流体的に接続された流体制御システムであって、前記ノズル供給システムの動作中に少なくとも1つの流体リザーバと前記ノズル供給システムとを前記プライミングシステムから隔離するように、及び、前記ノズル供給システムの動作中に少なくとも1つの流体リザーバと前記ノズル供給システムとの間の流体流路を維持するように、構成された、流体制御システムと、
前記第1の流体リザーバの前記第1の圧力と前記第2の流体リザーバの第2の圧力とを独立且つ別個に制御するように、及び、前記第1の流体リザーバの温度と前記第2の流体リザーバの温度とを独立且つ別個に制御するように、構成された環境制御装置と、
を備える、装置。
【請求項2】
前記第1の圧力は、少なくとも6000kPa、少なくとも10,000kPA、少なくとも25,000kPA、又は、約6000~60,000kPaの範囲内である、請求項1の装置。
【請求項3】
前記第2の流体リザーバが前記プライミングシステムからの流体ターゲット材料で再充填されている間、前記プライミングシステム及び前記第2の流体リザーバは、前記プライミング圧力に維持され、前記プライミングシステム及び前記第2の流体リザーバは、前記第2の流体リザーバが前記流体ターゲット材料で過充填されるのを防止するように互いに対して位置決めされている、請求項1の装置。
【請求項4】
前記流体制御システムは、前記第2の流体リザーバが前記プライミングシステムからの流体ターゲット材料で再充填されている間、前記ノズル供給システムの動作中に前記第1の流体リザーバと前記ノズル供給システムとの間の前記流体流路を維持するように構成されている、請求項1の装置。
【請求項5】
前記流体制御システムは、前記第1の流体リザーバと、前記第2の流体リザーバと、前記プライミングシステムと、前記ノズル供給システムと、の間に定義される各インターフェイスからターゲット流体材料を取り除くように構成されている、請求項1の装置。
【請求項6】
前記流体制御システムは、前記ノズル供給システムの動作中に前記第1の流体リザーバと前記ノズル供給システムとの間及び前記第2の流体リザーバと前記ノズル供給システムとの間の前記流体流路を維持すること、及び、その一方で前記ノズル供給システム及び前記第2の流体リザーバを前記第1の圧力に維持すること、によって、前記ノズル供給システムの動作中に少なくとも1つの流体リザーバと前記ノズル供給システムとの間の前記流体流路を維持するように構成されている、請求項1の装置。
【請求項7】
前記流体制御システムは更に、前記ノズル供給システムの動作中に前記少なくとも1つの流体リザーバと前記ノズル供給システムとの間の前記流体流路を維持するように構成されており、前記第1の流体リザーバと前記第2の流体リザーバとの間の前記流体流路を可能にする、請求項6の装置。
【請求項8】
前記流体制御システムは、前記第1の流体リザーバと前記第2の流体リザーバとの間のリザーバ流体制御バルブと、前記第2の流体リザーバと前記プライミングシステムとの間の再充填流体制御バルブと、を含み、
前記流体制御システムは、前記リザーバ流体制御バルブと前記再充填流体制御バルブとを独立に制御するように構成されている、請求項1の装置。
【請求項9】
前記流体制御システムは更に、前記ノズル供給システムの動作中に前記第1の流体リザーバと前記第2の流体リザーバとの間の前記流体流路を維持するように構成されている、請求項1の装置。
【請求項10】
前記第2の流体リザーバは更に、前記ノズル供給システムの動作中の少なくとも一部の時間、前記ノズル供給システムと流体連通するように構成されている、請求項1の装置。
【請求項11】
前記プライミングシステムは、
第1のチャンバであって、前記第1のチャンバによって定義される第1の容積内に固体が収容され得るように、開くように構成されたドアを含む、第1のチャンバと、
第2の容積を定義すると共に前記流体制御システムと流体連通する第2のチャンバと、
前記第1のチャンバと前記第2のチャンバとの間の、通常であれば妨げるもののない流体経路に形成された流れ遮断デバイスと、
を備える、請求項1の装置。
【請求項12】
前記第1の流体リザーバと、前記第2の流体リザーバと、前記プライミングシステムと、のうち1つ以上における前記流体ターゲット材料の容積及び/又は前記プライミングシステム内の固体の存在を推定するように構成されたセンシングシステムを更に備える、請求項1の装置。
【請求項13】
ターゲット材料を途切れなく連続的に供給するための方法であって、
ターゲット材料を含む固体をプライミング圧力に維持されたプライミングシステムに収容して前記固体から流体ターゲット材料を生成することと、
第1の流体リザーバを前記プライミング圧力よりも大きい第1の圧力に維持している間、ノズル供給システムの動作中に前記第1の流体リザーバと前記ノズル供給システムとの間の流体連通を維持することと、
前記ノズル供給システムの動作中の少なくとも一部の時間、前記流体ターゲット材料が前記プライミング圧力の前記プライミングシステムにおいて生成されている間に、前記第1の圧力の前記第1の流体リザーバと第2の流体リザーバとの間で前記流体ターゲット材料の移送を可能にすることと、
前記流体ターゲット材料が前記プライミングシステムと前記第2の流体リザーバとの間で移送可能とされている間、前記第1の流体リザーバの前記第1の圧力を維持することと、
を備える、方法。
【請求項14】
流体ターゲット材料を、前記第1の流体リザーバから前記ノズル供給システムへ、前記第2の流体リザーバから前記ノズル供給システムへ、又は、前記第1の流体リザーバ及び前記第2の流体リザーバから同時に前記ノズル供給システムへ、流すことによって、前記ノズル供給システムの動作全体にわたる流体ターゲット材料の前記ノズル供給システムへの移送を可能にすることを更に備える、請求項13の方法。
【請求項15】
前記ノズル供給システムの動作中の少なくともいくらかの時間、流体ターゲット材料が前記第2の流体リザーバ及び/又は前記第1の流体リザーバに移送されるのを防止することを更に備える、請求項13の方法。
【請求項16】
前記プライミングシステムが前記プライミング圧力であるときにのみ、前記ターゲット材料を含む固体を前記プライミングシステムに再投入することを更に備え、
前記ターゲット材料を含む固体を前記プライミングシステムに再投入することは、前記ノズル供給システムが前記第1の圧力である間に起こる、請求項13の方法。
【請求項17】
前記第1の流体リザーバの前記第1の圧力を維持している間に前記第2の流体リザーバを前記プライミングシステムからの流体ターゲット材料で再充填すること、及び、
前記プライミングシステムから前記第2の流体リザーバ内に十分な流体ターゲット材料が移送された後で前記プライミングシステムから前記第2の流体リザーバを流体的に分離すること、
を更に備える、請求項13の方法。
【請求項18】
前記ノズル供給システムの動作を停止すること及び前記第1の流体リザーバと前記ノズル供給システムとの間の流体連通を停止することの前に、前記第1の流体リザーバと、前記第2の流体リザーバと、前記プライミングシステムと、前記ノズル供給システムと、の間に定義される各インターフェイスからターゲット流体材料を取り除くことを更に備える、請求項13の方法。
【請求項19】
前記ノズル供給システムの動作は前記流体ターゲット材料の液滴を極端紫外線(EUV)光源に送出することを含み、
前記液滴は、そこでEUV光を放出するプラズマを創出するために放射で照射されるように構成されている、請求項13の方法。
【請求項20】
前記プライミングシステムと第2の流体リザーバとの間で前記流体ターゲット材料の移送を可能にすることは、前記第1の流体リザーバ及び前記ノズル供給システムを前記プライミングシステムから流体的に隔離している間、前記プライミングシステムと第2の流体リザーバとの間で前記流体ターゲット材料の移送を可能にすることを含む、請求項13の方法。
【請求項21】
ターゲット材料を含む固体をプライミング圧力に維持されたプライミングシステムに収容して前記固体から流体ターゲット材料を生成することと、
第1の流体リザーバを前記プライミング圧力よりも大きい第1の圧力に維持している間、ノズル供給システムの動作中に前記第1の流体リザーバと前記ノズル供給システムとの間の流体連通を維持することと、
前記第1の流体リザーバ及び前記ノズル供給システムを前記プライミングシステムから流体的に隔離している間、前記プライミングシステムと第2の流体リザーバとの間で前記流体ターゲット材料の移送を可能にすることと、
前記第1の流体リザーバと、前記第2の流体リザーバと、前記ノズル供給システムと、を前記プライミングシステムから流体的に隔離している間、前記第2の流体リザーバと前記第1の流体リザーバとの間で前記流体ターゲット材料の移送を可能にすることと、
を備える、方法。
【請求項22】
前記ノズル供給システムの動作は、前記流体ターゲット材料の液滴を極端紫外線(EUV)光源に送出することを含み、
前記液滴は、そこでEUV光を放出するプラズマを創出するために放射で照射されるように構成されている、請求項21の方法。
【請求項23】
前記ノズル供給システムの動作中の少なくともいくらかの時間、流体ターゲット材料が前記第2の流体リザーバ及び/又は前記第1の流体リザーバに移送されるのを防止することを更に備える、請求項21の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
[0001] 本願は、2019年3月15日に提出され「CONTINUOUS DROPLETS WHILE MAKING EUV WITH INLINE TARGET MATERIAL REFILL」と題された米国出願第62/819,366号の優先権を主張する。本願は、2019年5月2日に提出され「METHOD AND SYSTEM FOR EUV PRODUCTION WITH CONTINUOUS DROPLET STREAM AND INLINE TARGET MATERIAL REFILL」と題された米国出願第62/842,453号の優先権も主張する。本願は、2019年12月20日に提出され「TARGET MATERIAL CONTROL IN AN EUV LIGHT SOURCE」と題された米国出願第62/951,577号の優先権も主張する。これらの出願の全ては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 開示される主題は、極端紫外線(EUV)光源におけるターゲット材料の供給を制御するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] フォトリソグラフィプロセスにおいては、極端紫外線(EUV)光、例えば、およそ50ナノメートル(nm)以下の波長を有し(軟X線と称されることもある)、約13nmの波長の光を含む電磁放射が、集積回路及び様々な他のマイクロ電子デバイスを作製するために用いられる基板、例えばシリコンウェーハの中及び上に極めて小さなフィーチャを作製するために用いられる。
【0004】
[0004] EUV光を発生させる方法は、ソース材料の物理状態をプラズマ状態に変化させることを含むが、これに限定されない。ソース材料は、EUV領域に輝線を有する化合物又は元素、例えばキセノン、リチウム、若しくはスズ含む。レーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれることの多い1つのそのような方法においては、必要とされるプラズマは、例えばソース材料の液滴、流れ、又はクラスタの形をとるソース材料を、ドライブレーザと称され得る増幅された光ビームで照射することによって生成される。このプロセスのため、プラズマは一般的に密閉容器、例えば真空チャンバ内で生成され、様々なタイプのメトロロジ(計測)設備を用いて監視される。プラズマ状態のときにEUV領域で放出するキセノン、リチウム、又はスズなどのソース材料は、ドライブレーザによって標的とされ照射されることから、通例、ターゲット材料と称される。
【発明の概要】
【0005】
[0005] いくつかの一般的な態様においては、装置はターゲット材料を供給するように構成される。装置は、第1のリザーバシステムと、第2のリザーバシステムと、プライミングシステムと、流体制御システムとを含む。第1のリザーバシステムは、ノズル供給システムの動作中にノズル供給システムと流体連通するように構成された第1の流体リザーバを含み、第1の流体リザーバは第1の圧力に維持される。第2のリザーバシステムは、ノズル供給システムの動作中の少なくとも一部の時間、第1のリザーバシステムと流体連通するように構成された第2の流体リザーバを含む。プライミングシステムは、ターゲット材料を含む固体を収容するように、及びその固体から流体ターゲット材料を生成するように構成され、プライミングシステムは第1の圧力よりも小さいプライミング圧力に維持される。流体制御システムは、プライミングシステムと、第1のリザーバシステムと、第2のリザーバシステムと、ノズル供給システムとに流体的に接続されている。流体制御システムは、ノズル供給システムの動作中に少なくとも1つの流体リザーバとノズル供給システムとをプライミングシステムから隔離するように、及びノズル供給システムの動作中に少なくとも1つの流体リザーバとノズル供給システムとの間の流体流路を維持するように構成されている。
【0006】
[0006] 実施形態は以下の特徴のうち1つ以上を含み得る。例えば、プライミング圧力は、約600キロパスカル(kPa)未満であってもよい。第1の圧力は、少なくとも6000kPa、少なくとも10,000kPA、少なくとも25,000kPA、又は約6000~60,000kPaの範囲内であってもよい。
【0007】
[0007] 第2の流体リザーバがプライミングシステムからの流体ターゲット材料で再充填されている間、プライミングシステム及び第2の流体リザーバはプライミング圧力に維持されてもよく、プライミングシステムと第2の流体リザーバとは第2の流体リザーバが流体ターゲット材料で過充填されるのを防止するように互いに対して位置決めされ得る。
【0008】
[0008] 流体制御システムは、第2の流体リザーバがプライミングシステムからの流体ターゲット材料で再充填されている間、ノズル供給システムの動作中に第1の流体リザーバとノズル供給システムとの間の流体流路を維持するように構成されていてもよい。流体制御システムは、第1の流体リザーバと、第2の流体リザーバと、プライミングシステムと、ノズル供給システムとの間に定義される各インターフェイスからターゲット流体材料を取り除くように構成されていてもよい。
【0009】
[0009] 流体制御システムは、ノズル供給システムの動作中に第1の流体リザーバとノズル供給システムとの間及び第2の流体リザーバとノズル供給システムとの間の流体流路を維持すること、及びその一方でノズル供給システム及び第2の流体リザーバを第1の圧力に維持することによって、ノズル供給システムの動作中に少なくとも1つの流体リザーバとノズル供給システムとの間の流体流路を維持するように構成されていてもよい。流体制御システムは更に、ノズル供給システムの動作中に少なくとも1つの流体リザーバとノズル供給システムとの間の流体流路を維持するように構成されていてもよく、第1の流体リザーバと第2の流体リザーバとの間の流体流路を可能にする。
【0010】
[0010] また、装置は、第1の流体リザーバの第1の圧力と第2の流体リザーバの第2の圧力とを独立且つ別個に制御するように、及び第1の流体リザーバの温度と第2の流体リザーバの温度とを独立且つ別個に制御するように構成された環境制御装置も含み得る。環境制御装置は更に、第2の流体リザーバ内の流体ターゲット材料の測定された量に基づいて第2の流体リザーバの第2の圧力を調節又はリセットするように構成されていてもよい。環境制御装置は、不活性ガスを含有するように及び不活性ガスを加圧リザーバからオリフィスを通じて第1の流体リザーバと第2の流体リザーバとのうち1つ以上に移送するように構成された加圧リザーバを含んでいてもよい。
【0011】
[0011] 流体制御システムは、第1の流体リザーバと第2の流体リザーバとの間のリザーバ流体制御バルブと、第2の流体リザーバとプライミングシステムとの間の再充填流体制御バルブとを含んでいてもよい。流体制御システムは、リザーバ流体制御バルブと再充填流体制御バルブとを独立に制御するように構成されていてもよい。リザーバ流体制御バルブはフリーズバルブを含んでいてもよく、再充填流体制御バルブはフリーズバルブを含んでいてもよい。
【0012】
[0012] 流体制御システムは更に、ノズル供給システムの動作中に第1の流体リザーバと第2の流体リザーバとの間の流体流路を維持するように構成されていてもよい。
【0013】
[0013] 第2の流体リザーバは、ノズル供給システムの動作中の少なくとも一部の時間、ノズル供給システムと流体連通するように構成されていてもよい。
【0014】
[0014] プライミングシステムは、第1のチャンバによって定義される第1の容積内に固体が収容され得るように、開くように構成されたドアを含む第1のチャンバと、第2の容積を定義すると共に流体制御システムと流体連通する第2のチャンバと、第1のチャンバと第2のチャンバとの間の、通常であれば妨げるもののない流体経路に形成された、流れ遮断デバイスと、を含んでいてもよい。流れ遮断デバイスは、固体の融点を下回る温度に維持されるときに流体流路が固体によって遮断されるフリーズバルブであってもよい。
【0015】
[0015] 装置は、第1の流体リザーバと、第2の流体リザーバと、プライミングシステムとのうち1つ以上における流体ターゲット材料の容積及び/又はプライミングシステム内の固体の存在を推定するように構成されたセンシングシステムも含んでいてもよい。装置はセンシングシステムと通信する制御システムを含んでいてもよく、制御システムは、高圧力トランスデューサからの出力に基づいて、第2の流体リザーバにおける流体ターゲット材料の消費率を判定するように構成されており、消費率はある期間毎に用いられる流体ターゲット材料の量である。センシングシステムは、第1の流体リザーバと第2の流体リザーバとのうち1つ以上に関連付けられた高圧力トランスデューサを含んでいてもよい。
【0016】
[0016] 流体制御システムは、ノズル供給システムの動作中に第1の流体リザーバとノズル供給システムとの間の流体流路を維持すること及びその一方でノズル供給システムを第1の圧力に維持することによって、ノズル供給システムの動作中に少なくとも1つの流体リザーバとノズル供給システムとの間の流体流路を維持するように構成されてもよい。
【0017】
[0017] 他の一般的な態様においては、ターゲット材料を途切れなく連続的に供給する方法が実施される。方法は、ターゲット材料を含む固体をプライミング圧力に維持されたプライミングシステムに収容すること及びその固体から流体ターゲット材料を生成することを含む。方法は、第1の流体リザーバをプライミング圧力よりも大きい第1の圧力に維持している間、ノズル供給システムの動作中に第1の流体リザーバとノズル供給システムとの間の流体連通を維持することを含む。方法は、ノズル供給システムの動作中の少なくとも一部の時間、流体ターゲット材料がプライミング圧力のプライミングシステムにおいて生成されている間に、第1の圧力の第1の流体リザーバと第2の流体リザーバとの間で流体ターゲット材料の移送を可能にすることを含む。
【0018】
[0018] 実施形態は以下の特徴のうち1つ以上を含み得る。例えば、方法は、流体ターゲット材料がプライミングシステムと第2の流体リザーバとの間で移送可能とされている間、第1の流体リザーバの第1の圧力を維持することを含んでいてもよい。方法は、流体ターゲット材料を、第1の流体リザーバからノズル供給システムへ、第2の流体リザーバからノズル供給システムへ、又は第1の流体リザーバ及び第2の流体リザーバから同時にノズル供給システムへ流すことによって、ノズル供給システムの動作全体にわたる流体ターゲット材料のノズル供給システムへの移送を可能にすることを含んでいてもよい。方法は、ノズル供給システムの動作中の少なくともいくらかの時間、流体ターゲット材料が第2の流体リザーバ及び/又は第1の流体リザーバに移送されるのを防止することを含んでいてもよい。方法は、プライミングシステムがプライミング圧力であるときにのみ、ターゲット材料を含む固体をプライミングシステムに再投入することを含んでいてもよい。ターゲット材料を含む固体をプライミングシステムに再投入することは、ノズル供給システムが第1の圧力である間に起こり得る。
【0019】
[0019] 方法は、第1の流体リザーバの第1の圧力を維持している間に第2の流体リザーバをプライミングシステムからの流体ターゲット材料で再充填すること、及びプライミングシステムから第2の流体リザーバ内に十分な流体ターゲット材料が移送された後でプライミングシステムから第2の流体リザーバを流体的に分離することも含んでいてもよい。方法は、第2の流体リザーバがプライミングシステムからの流体ターゲット材料で再充填されている間、プライミングシステム及び第2の流体リザーバをプライミング圧力に維持すること、及び第2の流体リザーバが流体ターゲット材料で過充填されるのを防止することを含んでいてもよい。
【0020】
[0020] 方法は、ノズル供給システムの動作を停止すること及び第1の流体リザーバとノズル供給システムとの間の流体連通を停止することの前に、第1の流体リザーバと、第2の流体リザーバと、プライミングシステムと、ノズル供給システムとの間に定義される各インターフェイスからターゲット流体材料を取り除くことを含んでいてもよい。方法は、プライミングシステム内のターゲット材料の固体を溶解してターゲット流体材料にすることを含んでいてもよい。
【0021】
[0021] ノズル供給システムの動作は流体ターゲット材料の液滴を極端紫外線(EUV)光源に送出することを含んでいてもよく、液滴はそこでEUV光を放出するプラズマを創出するために放射で照射されるように構成されている。
【0022】
[0022] 方法は、第1の流体リザーバ、第2の流体リザーバ、及びプライミングシステムの各々における流体ターゲット材料の温度及び圧力を独立且つ別個に制御することを含んでいてもよい。
【0023】
[0023] 他の一般的な態様においては、方法は、ターゲット材料を含む固体をプライミング圧力に維持されたプライミングシステムに収容してその固体から流体ターゲット材料を生成することと、第1の流体リザーバをプライミング圧力よりも大きい第1の圧力に維持している間、ノズル供給システムの動作中に第1の流体リザーバとノズル供給システムとの間の流体連通を維持することと、第1の流体リザーバ及びノズル供給システムをプライミングシステムから流体的に隔離している間、プライミングシステムと第2の流体リザーバとの間で流体ターゲット材料の移送を可能にすることと、を含む。
【0024】
[0024] 実施形態は以下の特徴のうち1つ以上を含み得る。例えば、ノズル供給システムの動作は流体ターゲット材料の液滴を極端紫外線(EUV)光源に送出することを含んでいてもよく、液滴はそこでEUV光を放出するプラズマを創出するために放射で照射されるように構成されている。
【0025】
[0025] 方法は、流体ターゲット材料がプライミングシステムと第2の流体リザーバとの間で移送可能とされている間、第1の流体リザーバの第1の圧力を維持することを含んでいてもよい。方法は、第1の流体リザーバと、第2の流体リザーバと、ノズル供給システムとをプライミングシステムから流体的に隔離している間、第2の流体リザーバと第1の流体リザーバとの間で流体ターゲット材料の移送を可能にすることを含んでいてもよい。
【0026】
[0026] 方法は、流体ターゲット材料を、第1の流体リザーバからノズル供給システムへ、第2の流体リザーバからノズル供給システムへ、又は第1の流体リザーバ及び第2の流体リザーバから同時にノズル供給システムへ流すことによって、ノズル供給システムの動作全体にわたる流体ターゲット材料のノズル供給システムへの移送を可能にすることを含んでいてもよい。
【0027】
[0027] 方法は、ノズル供給システムの動作中の少なくともいくらかの時間、流体ターゲット材料が第2の流体リザーバ及び/又は第1の流体リザーバに移送されるのを防止することを含んでいてもよい。方法は、プライミングシステムがプライミング圧力であるときにのみ、ターゲット材料を含む固体をプライミングシステムに再投入することを含んでいてもよい。ターゲット材料を含む固体をプライミングシステムに再投入することは、ノズル供給システムが第1の圧力である間に起こり得る。
【0028】
[0028] 方法は、第1の流体リザーバの第1の圧力を維持している間、第2の流体リザーバをプライミングシステムからの流体ターゲット材料で再充填することを含んでいてもよい。方法は、第2の流体リザーバがプライミングシステムからの流体ターゲット材料で再充填されている間、プライミングシステム及び第2の流体リザーバをプライミング圧力に維持すること、及び第2の流体リザーバが流体ターゲット材料で過充填されるのを防止することを含んでいてもよい。方法は、プライミングシステムから第2の流体リザーバ内に十分な流体ターゲット材料が移送された後でプライミングシステムから第2の流体リザーバを流体的に分離することを含んでいてもよい。
【0029】
[0029] 方法は更に、プライミングシステム内のターゲット材料の固体を溶解してターゲット流体材料にすることを含んでいてもよい。方法は、第1の流体リザーバ、第2の流体リザーバ、及びプライミングシステムの各々における流体ターゲット材料の温度及び圧力を独立且つ別個に制御することも含んでいてもよい。
【0030】
[0030] 方法は、ノズル供給システムの動作を停止すること及び第1の流体リザーバとノズル供給システムとの間の流体連通を停止することの前に、第1の流体リザーバと、第2の流体リザーバと、プライミングシステムと、ノズル供給システムとの間に定義される各インターフェイスからターゲット流体材料を取り除くことも含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】[0031] 第1のリザーバシステムと、第2のリザーバシステムと、プライミングシステムと、流体制御システムとを含み、ノズル供給システムの連続動作中にノズル供給システムに流体ターゲット材料を供給するように構成された装置のブロック図である。
図2】[0032] 環境制御装置を含み、流体制御システムの一実施形態を示す、図1の装置の一実施形態のブロック図である。
図3】[0033] ノズル供給システムがEUV光源によって用いられる流体ターゲット材料のターゲットの流れを放出する、図1の装置のブロック図である。
図4】[0034] 図1の装置において用いられ得るプライミングシステムの一実施形態のブロック図である。
図5】[0035] 図1の装置において用いられ得るノズル供給システムの一実施形態のブロック図である。
図6】[0036] 図1の装置によって実施される手順のフローチャートである。
図7】[0037] 図1の装置によって実施される別の手順のフローチャートである。
図8A】[0038] 図1の装置の動作の通常モードの最中のある瞬間を示すブロック図である。
図8B】[0039] 図1の装置の動作の補充モードの最中のある瞬間を示すブロック図である。
図9A】[0040] プライミングシステムにおいて流体ターゲット材料が既に補充されている、図1の装置の動作の通常モードの最中のある瞬間を示すブロック図である。
図9B】[0041] 第1のリザーバシステムと第2のリザーバシステムとの間の流体流路が遮断されており、第2のリザーバシステムとプライミングシステムとの間の流体流路が遮断されている、図1の装置の動作の補充モードの最中のある瞬間を示すブロック図である。
図9C】[0042] 第1のリザーバシステムと第2のリザーバシステムとの間の流体流路が遮断されており、第2のリザーバシステムとプライミングシステムとの間の流体流路が開かれている、図1の装置の動作の補充モードの最中のある瞬間を示すブロック図である。
図9D】[0043] 第2のリザーバシステムがプライミングシステムからの流体ターゲット材料で再補充された後で、第1のリザーバシステムと第2のリザーバシステムとの間の流体流路が遮断されており、第2のリザーバシステムとプライミングシステムとの間の流体流路が遮断されている、図1の装置の動作の補充モードの最中のある瞬間を示すブロック図である。
図9E】[0044] 第1のリザーバシステムと第2のリザーバシステムとの間の流体流路が開かれており、第2のリザーバシステムとプライミングシステムとの間の流体流路が遮断されている、図1の装置の動作の補充モードの最中のある瞬間を示すブロック図である。
図9F】[0045] 第1のリザーバシステムと第2のリザーバシステムとの間の流体流路が開かれており、第2のリザーバシステムとプライミングシステムとの間の流体流路が遮断されており、第1のリザーバシステムが第2のリザーバシステムからの流体ターゲット材料で再充填されている、図1の装置の動作の補充モードの最中のある瞬間を示すブロック図である。
図9G】[0046] 第1のリザーバシステムと第2のリザーバシステムとの間の流体流路が開かれており、第2のリザーバシステムとプライミングシステムとの間の流体流路が遮断されている、図1の装置の動作の通常モードの最中のある瞬間を示すブロック図である。
図10】[0047] 第2のリザーバシステムの流体ターゲット材料の容積を推定するように構成されたレベルセンシング装置を含む、図1の装置の別の一実施形態のブロック図である。
図11】[0048] 環境制御装置が流体連通接続によって第1のリザーバシステム及び第2のリザーバシステムに流体的に接続されている、図1の装置の別の一実施形態のブロック図である。
図12】[0049] 図1のプライミングシステムの別の一実施形態のブロック図である。
図13A-D】[0050] 固体の流体ターゲット材料へのプライミング時の様々な段階における図12のプライミングシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
[0051] 図1を参照すると、装置100が、ノズル供給システム140の連続動作中にノズル供給システム140に流体ターゲット材料120を供給するように構成されている。ノズル供給システム140は、流体ターゲット材料120をシステム124によって用いられるターゲットの流れ121の形で供給するように構成され得る。流体ターゲット材料120は流体状態(液体状態など)のターゲット材料である。
【0033】
[0052] 装置100は、第1のリザーバシステム102と、第2のリザーバシステム103と、プライミングシステム104と、流体制御システム190とを含む。流体制御システム190は、プライミングシステム104と、第1のリザーバシステム102と、第2のリザーバシステム103と、ノズル供給システム140とに流体的に接続されている。いくつかの実施形態においては、流体制御システム190は、流体連通装置116と、流体連通装置116の1つ以上の態様を調節するように動作可能な流体コントローラ106とを含む。
【0034】
[0053] プライミングシステム104は、ターゲット材料を含む固体122を収容するように構成されている。流体連通装置116は、第1のリザーバシステム102、第2のリザーバシステム103、プライミングシステム104、及びノズル供給システム140と流体連通することのできる調節可能な流体流路である。例えば、流体連通装置116は、流体伝達ライン115と、例えば流体伝達ライン内の様々な通路を開くこと、閉じること、又は部分的に塞ぐことによって流体伝達ラインを通る流体の流量を規制する、方向付ける、又は制御するように構成された1つ以上の規制デバイス118及び119とを含む。流体連通装置116は、ノズル供給システム140への流体流を制御するために、ノズル供給システム140に向かう流体流路に沿った規制デバイス117も含んでいてもよい。
【0035】
[0054] 装置100は(装置100全体へのターゲット材料の再充填を可能にする)プライミングシステム104に加えて2つのリザーバシステム102,103を含んでいるので、流体ターゲット材料120は、ターゲット材料120の固体122がプライミングシステム104に追加されている間に、第1及び第2のリザーバシステム102,103の間で移送され得る。特に、ターゲットの流れ121を供給するためのノズル供給システム140の動作中には、流体制御システム190は、システム124に供給されるターゲットの流れ121が途絶えないように、ノズル供給システム140への流体ターゲット材料120の連続供給を維持するべく、第1のリザーバシステム102と、第2のリザーバシステム103と、プライミングシステム104との間での流体連通を制御する。
【0036】
[0055] また、装置100内で起こる作用は、ノズル供給システム140の性能に、通常であれば流体圧の擾乱に起因して生じ得る悪影響を及ぼさない。さらに、いくつかの実施形態においては、流体がノズル供給システム140に供給されている間、第1のリザーバシステム102はノズル供給システム140と流体連通すると共に高い圧力に維持され、第1のリザーバシステム102は流体ターゲット材料120の1次ソースをノズル供給システム140に提供することができる。
【0037】
[0056] 第1のリザーバシステム102と、第2のリザーバシステム103と、プライミングシステム104と、ノズル供給システム140との各々の間の流体制御は、流体制御システム190によって独立に制御可能であり、このようにすれば、ノズル供給システム140と流体連通しているリザーバシステム102又は103の少なくとも一方が、流体ターゲット材料120のソースを、ノズル供給システム140の動作中ずっとノズル供給システム140に提供することができる。
【0038】
[0057] 上記で述べたように、流体連通装置116は、流体伝達ライン115と、例えば流体伝達ライン115内の様々な通路を開くこと、閉じること、又は部分的に塞ぐことによって流体伝達ライン115を通る流体の流量を規制する、方向付ける、又は制御するように構成された1つ以上の規制デバイス117,118,119とを含む。流体伝達ライン115は、例えば、タンタルタングステン(TaW)又は流体ターゲット材料120を様々な高い圧力で含有することのできる他の適切な材料で形成された1つ以上の相互接続された管材を含んでいてもよい。管材は可撓性であってもよい。流体連通装置116は、装置100の様々な部分の間に制御可能な流体流路を提供するように構成された、図示しない他の様々な流体制御デバイスを含んでいてもよい。流体連通装置116は、(言及された流体伝達ライン115及び1つ以上の規制デバイス117,118,119に加えて)1つ以上のバルブ、チューブ、流体流規制装置、及びタンクを含んでいてもよい。
【0039】
[0058] 規制デバイス117,118,119の各々はバルブ制御装置を含んでいてもよい。このようにすれば、特定の規制デバイス117,118,119を通る流体流が、そのバルブ制御装置内のバルブを開くこと又は閉じることによって調節され得る。各バルブ制御装置は流体バルブを含んでいてもよく、これは例えば、熱制御バルブ、手動バルブ、及び/又はモータであってもよい。熱制御バルブ(フリーズバルブとも称される)においては、経路は流路内の流体を液体状態に維持するために加熱され、また経路は、冷却する又は積極的に冷却されることができ、それによって流体を固体状態に変換する。したがって、本明細書に述べられているいくつかの実施形態においては、規制デバイス118,119内のバルブ制御装置はフリーズバルブを含む。規制デバイス117,118,119の各バルブ制御装置は、例えば90°屈曲した管材、制限通路管材、円筒管材など、任意の適当な形状を有し得る。
【0040】
[0059] また、図2に示されるように、装置100は、第1のリザーバシステム102及び第2のリザーバシステム103の各々の環境(温度及び圧力など)を独立に制御するように構成された環境制御装置236を含んでいてもよい。第1のリザーバシステム102及び第2のリザーバシステム103の環境制御は、プライミングシステム104の環境制御とは独立して実施され得る。特に、プライミングシステム104内への固体122の再投入は、流体ターゲット材料120の融点を下回る温度で及び大気圧で実施され得る。同時に、リザーバシステム102又は103のうち1つ以上は、ノズル供給システム140に流体ターゲット材料を供給している。これは、部分的には、プライミングシステム104がリザーバシステム102,103の各々から環境的に分離され得るという事実によって可能になる。装置100の他の利点及び特徴については、装置100のコンポーネントの詳細な説明の後で述べる。
【0041】
[0060] ノズル供給システム140の動作中、第1のリザーバシステム102及び第2のリザーバシステム103のうち1つ以上は流体ターゲット材料120を含有する。第1のリザーバシステム102及び第2のリザーバシステム103のうち少なくとも一方は、それによって、ノズル供給システム140の動作中にノズル供給システム140に流体ターゲット材料120を送出する。同時に、プライミングシステム104は、ターゲット材料を含む固体122から流体ターゲット材料120を生成するように構成されている(そして流体ターゲット材料120をプライミングタンク114内に貯蔵する)。プライミングシステム104は、ノズル供給システム140の動作中の様々な時刻及び段階で、具体的には第2のリザーバシステム103がノズル供給システム140から流体的に隔離されており、第1のリザーバシステム102及び第2のリザーバシステム103が低い圧力にあってプライミングシステム104のプライミングタンク114と流体連通し得るときに、第2のリザーバシステム103に流体ターゲット材料120を供給する。プライミングタンク114が第1の流体リザーバ112と同じ圧力で動作しているいくつかの実施形態においては、プライミングシステム104は、追加的又は代替的に、第1のリザーバシステム102に流体ターゲット材料120を供給し得る。
【0042】
[0061] ノズル供給システム140は、装置100から流体ターゲット材料120を受け取るように及びその流体ターゲット材料120をターゲットの流れ121の形でシステム124に供給するように構成されている。例えば、図3に示されるように、システム124がEUV光源324である場合には、ノズル供給システム140は、ターゲット321pが真空チャンバ328内のプラズマ形成箇所326に送出されるように流体ターゲット材料120から作製されたターゲットの流れ121を放出し得る。プラズマ形成箇所326は、光学源344によって発生され光路346を介して真空チャンバに送出された少なくとも1つの光ビーム342を受け得る。光ビーム342とターゲット321pのターゲット材料との相互作用はEUV光348を放出するプラズマを生成し、このEUV光は収集350されてリソグラフィ露光装置352に供給される。この例においては、流体ターゲット材料120は、プラズマ状態のときにEUV光348を放出するどんな材料であってもよい。例えば、流体ターゲット材料120は、水、スズ、リチウム、及び/又はキセノンを含み得る。
【0043】
[0062] 第1のリザーバシステム102は、流体ターゲット材料120を含有するように及びノズル供給システム140の動作中にノズル供給システム140と連続流体連通するように構成された容器である第1の流体リザーバ112を含む。第1の流体リザーバ112は、モリブデン(Mo)、鍛造Mo、又は流体ターゲット材料120の融点を超えても安定的且つ固体のままであり且つ流体ターゲット材料120と化学的に反応性でない任意の材料で形成、裏打ち、又は補強され得る構造によって定義される容積である。第1の流体リザーバ112は、流体コントローラ106によって流体結合及び制御される流体連通装置116を介してノズル供給システム140と流体連通されている。
【0044】
[0063] 第1の流体リザーバ112は第1の圧力P112に維持され、この圧力は、いくつかの実施形態においては、ノズル供給システム140の動作中に環境制御装置236によって調節可能である。動作中のいくつかの時刻において、第1の圧力P112は、例えば、少なくとも6000キロパスカル、少なくとも10,000キロパスカル、少なくとも25,000キロパスカル、又は他の実施形態については6,000キロパスカルから60,000キロパスカルの範囲内であり得る。ノズル供給システム140の動作中で、第1の流体リザーバ112が流体ターゲット材料120をノズル供給システム140に供給しているときには、第1の圧力P112は、例えば、ノズル供給システム140内の圧力よりも大きい任意の適当な圧力であり得る。
【0045】
[0064] 第2のリザーバシステム103は、流体ターゲット材料120を含有するように及びノズル供給システム140の動作中の少なくとも一部の時間にわたって第1のリザーバシステム102と流体連通するように構成された容器である第2の流体リザーバ113を含む。第2の流体リザーバ113は、モリブデン(Mo)、鍛造Mo、又は流体ターゲット材料120の融点を超えても安定的且つ固体のままであり且つ流体ターゲット材料120と化学的に反応性でない任意の材料で形成、裏打ち、又は補強され得る構造によって定義される容積である。第2の流体リザーバ113は、流体連通装置116を介して及び流体コントローラ106の制御下で第1のリザーバシステム102と流体連通する。
【0046】
[0065] いくつかの実施形態においては、第2の流体リザーバ113の構造内の容積は第1の流体リザーバ112の構造内の容積と同じサイズである。したがって、第1及び第2の流体リザーバ112,113は、同じ量の流体ターゲット材料120を保持/保有することができる。他の実施形態においては、第2の流体リザーバ113の構造内の容積は、第1の流体リザーバ112の構造内の容積よりも大きくてもよい。これらの実施形態においては、第2の流体リザーバ113は、第1の流体リザーバ112よりも多量の流体ターゲット材料120を保持/保有することができるであろう。
【0047】
[0066] 第2の流体リザーバ113は第2の圧力P113に維持され、この圧力は、ノズル供給システム140の動作中に環境制御装置236によって調節可能である。第2の圧力P113の値は、どの瞬間においても、装置100の現在の動作に依存し得る。例えば、いくつかの時刻においては、第2の流体リザーバ113の第2の圧力P113は、プライミングシステム104が維持されるプライミング圧力P114と同じであり得る。別の一例として、他の時刻においては、第2の流体リザーバ113の第2の圧力P113は、第1の流体リザーバ112が維持される第1の圧力P112と同じであり得る。そして、更に他の時刻においては、第2の流体リザーバ113の第2の圧力P113は、第2の流体リザーバ113がプライミングシステム104と流体連通しているときの大気圧であってもよく、プライミングシステムも大気圧に維持される。
【0048】
[0067] プライミングシステム104は、(固体122から生成された)流体ターゲット材料120を含有するように構成された容器であるプライミングタンク114を含む。プライミングタンク114は、ノズル供給システム140の動作中の少なくとも一部の時間にわたって、第1のリザーバシステム102と第2のリザーバシステム103とのうち1つ以上と流体連通する。プライミングシステム104は、固体122から流体ターゲット材料120を生成するように構成されており、第2のリザーバシステム103を流体ターゲット材料120で再充填するために第2のリザーバシステム103と流体連通可能である、及び第1のリザーバシステム102を流体ターゲット材料120で再充填するために第1リザーバシステム102と流体連通可能である、のうち1つ以上である。プライミングシステム104は、ターゲット材料を含有する固体122を収容するように構成されたプライミングチャンバ130も含み得る。プライミングチャンバ130は、例えば、固体122がプライミングチャンバ130内で交換可能であるように、取り外し可能なカバーを含んでいてもよい。
【0049】
[0068] プライミングシステム104と第2の流体リザーバ103とは、プライミングシステム104が第2のリザーバシステム103を再充填しているときに第2の流体リザーバ103が流体ターゲット材料120で過充填されることを防止するように互いに対して位置決めされ得る。
【0050】
[0069] ノズル供給システム140の動作中の様々な時刻において、プライミングタンク114は流体連通装置116を介して第1のリザーバシステム102及び第2のリザーバシステム103のうち1つ以上と流体連通し、そのような流体連通は、流体制御システム190の流体コントローラ106の制御下にある。プライミングチャンバ130は、プライミングタンク114と流体連通して、プライミングチャンバ130の内部で固体122から生成された流体ターゲット材料120が環境的に制御された手法でプライミングタンク114に供給されることを可能にする。
【0051】
[0070] プライミング圧力P114は、プライミングタンク114が維持される圧力である。プライミング圧力P114は、流体ターゲット材料120が第1のリザーバシステム102及び第2のリザーバシステム103のうち1つ以上に供給されているかどうかに応じて、調節可能である。例えば、プライミング圧力P114は、プライミングタンク114がプライミングチャンバ130からの固体122で再充填されているときには、(約101キロパスカルの)低い圧力(例えば大気圧)に維持され得る。
【0052】
[0071] 上述したように、流体制御システム190は、ノズル供給システム140への流体ターゲット材料120の連続供給を維持するべく、第1のリザーバシステム102と、第2のリザーバシステム103と、プライミングシステム104との間の流体連通を制御するように構成されている。具体的には、流体コントローラ106は、1つ以上の規制デバイス117,118,119の現在の流体状態を判定するように、装置100における所望の流体連通に関する入力を受信するように、及び装置100における所望の流体連通に基づいて規制デバイス117,118,119のうち1つ以上の流体状態を調節するように構成されている。
【0053】
[0072] 流体コントローラ106は、1つ以上のプログラム可能プロセッサを含むか又は1つ以上のプログラム可能プロセッサへのアクセスを有していてもよく、入力データ上で動作すること及び1つ以上の規制デバイス117,118,119への適切な出力を生成することによって所望の機能を実施するために、各々が命令のプログラムを実行し得る。流体コントローラ106は、デジタル電子回路、コンピュータハードウェア、ファームウェア、又はソフトウェアのいずれでも実装され得る。更なる実施形態においては、流体コントローラ106はメモリにアクセスしてもよく、そのメモリは読み出し専用メモリ及び/又はランダムアクセスメモリであってもよく、コンピュータプログラム命令及びデータを有形に具現化するのに適した記憶デバイスを提供し得る。流体コントローラ106は、1つ以上の入力デバイス(キーボード、タッチ対応デバイス、音声入力デバイスなど)及び音声出力又はビデオ出力など1つ以上の出力デバイスも含んでいてもよい。流体コントローラ106は、規制デバイス117,118,119の各々内の1つ以上の作動要素と通信し得る。
【0054】
[0073] ノズル供給システム140の動作中、流体コントローラ106は、(第2の流体リザーバ113における流体ターゲット材料120の補充の間)第1の流体リザーバ112及びノズル供給システム140を第2の流体リザーバ113及びプライミングタンク114から隔離するように命令され得る。そのような隔離は、少なくとも部分的には、規制デバイス118に閉じるように命令し、それによって規制デバイス118は閉じさせて流体ターゲット材料120の通過を遮断させる流体コントローラ106によって実現可能である。他の時刻においては(例えば、第1のリザーバシステム102と第2のリザーバシステム103との両方が十分な流体ターゲット材料120を有するとき)、流体コントローラ106は、ノズル供給システム140の動作中、第1の流体リザーバ112と、第2の流体リザーバ113と、ノズル供給システム140とをプライミングタンク114から隔離するように命令される。そのような隔離は、少なくとも部分的には、規制デバイス119に閉じるように命令し、それにより規制デバイス119を閉じさせて流体ターゲット材料120の通過を遮断させる流体コントローラ106によって実現可能である。
【0055】
[0074] また、流体コントローラ106は、ノズル供給システム140の動作中、第1の流体リザーバ112とノズル供給システム140との間に連続的な流体流路を維持するように命令され得る。この連続的な流体流路は、少なくとも部分的には、流体連通装置116の規制デバイス117に開くように又は開いたままであるように命令を送信する流体コントローラ106によって実現可能である。流体コントローラ106は、ノズル供給システム140の動作中の少なくとも一部の時間、第1の流体リザーバ112と、第2の流体リザーバ113と、ノズル供給システム140との間の流体流路を維持するように命令され得る。この連続的な流体流路は、少なくとも部分的には、流体連通装置116の規制デバイス117及び118に開くように又は開いたままであるように命令を送信する流体コントローラ106によって実現可能である。
【0056】
[0075] 図2を参照すると、流体連通装置116の一実施形態216及び装置100の一実施形態200が示されている。流体連通装置216において、(図1の)規制デバイス118はリザーババルブシステム218に対応し、(図1の)規制デバイス119は再充填バルブシステム219に対応する。リザーババルブシステム218及び再充填バルブシステム219は流体コントローラ106によって制御される。リザーババルブシステム218は、第1の流体リザーバ112と第2の流体リザーバ113との間に位置しており、ノズル供給システム140の動作中の少なくとも一部の時間にわたって第1の流体リザーバ112及びノズル供給システム140を第2の流体リザーバ113及びプライミングタンク114から流体的に隔離するように構成されている。再充填バルブシステム219は、第2の流体リザーバ113とプライミングタンク114との間に位置しており、ノズル供給システム140の動作中の少なくとも一部の時間にわたって第1の流体リザーバ112と、ノズル供給システム140と、第2の流体リザーバ113とをプライミングタンク114から流体的に隔離するように構成されている。
【0057】
[0076] いくつかの実施形態においては、リザーババルブシステム218及び再充填バルブシステム219は、それぞれリザーバフリーズバルブ218F及び再充填フリーズバルブ219Fを含む。リザーバフリーズバルブ218F及び再充填フリーズバルブ219Fは流体コントローラ106によって制御される。フリーズバルブは、(流体ターゲット材料120を含有しフリーズバルブの両側に通過させる)管部と、管部と熱的に連通した規制温度調節デバイスとを含む。規制温度調節デバイスは、流体ターゲット材料120の融点を中心とする温度の範囲にわたって管部の温度を変化させるように構成されている。例えば、規制温度調節デバイスは管部と熱的に連通したカートリッジヒータであってもよい。管部の温度が流体ターゲット材料120の融点を実質的に下回って保たれる場合には、管部の内部にある任意の液体は固体化(凍結状態に状態を変化)するであろう。そして、この固体は、その管部を通る流動経路に栓をし、それによって更なる流体ターゲット材料120がフリーズバルブを通過するのを防止する。固体は、固体の融点を上回る温度まで規制温度調節デバイスが管部を加熱すると溶解され得、温度が十分に高い、つまり固体の融点を好適に超える場合には、栓の固体は溶解して流体ターゲット材料120を形成し、自由に管部の流動経路を通って流れ得る。
【0058】
[0077] 例えば、リザーバフリーズバルブ218Fは、リザーバフリーズバルブ218Fの温度調節デバイスがリザーバフリーズバルブ218Fの管部を流体ターゲット材料120の融点を好適に下回る温度まで冷却するとき、第1の流体リザーバ112及びノズル供給システム140を第2の流体リザーバ113及びプライミングシステム104から流体的に隔離する。また、再充填フリーズバルブ219Fは、再充填フリーズバルブ219F内の温度調節デバイスが再充填フリーズバルブ219Fの管部を流体ターゲット材料120の融点を好適に下回る温度まで冷却するとき、プライミングシステム104をノズル供給システム140、第1の流体リザーバ112、及び第2の流体リザーバ113から流体的に隔離する。
【0059】
[0078] いくつかの実施形態においては、図2に示されるように、ノズル供給システム240は、概して(X方向と平行な)長手方向に沿って延伸すると共に開口243を定義する毛細管241を含む。開口243は毛細管241の端部にあり、開口243は一端においてシステム124に開口している。毛細管241は、例えば、溶融シリカ、ホウケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、又は石英の形をとるガラスから作製され得る。流体ターゲット材料120は毛細管241を通って流れ、開口243を通って吐出される。ラプラス圧は、ガス領域と液体領域との間の境界を形成する曲面の内側と外側との圧力の差である。その圧力差は、液体とガスとの間の界面の表面張力によって引き起こされる。第1の流体リザーバ112の第1の圧力P112がラプラス圧よりも大きいと、流体ターゲット材料120はターゲットの流れ121として開口243を出ていく。
【0060】
[0079] ノズル供給システム140は、流体ターゲット材料120をシステム124に供給するように構成されている。ノズル供給システム140の外部のシステム124の圧力P124は第1のリザーバシステム102に印加される圧力P112以下であってもよく、すると流体ターゲット材料120は、(ノズル供給システム140に印加される)圧力P112とシステム124の圧力P124との間の圧力差に起因して、ノズル供給システム140から追い出される。いくつかの実施形態においては、第1の流体リザーバ112の第1の圧力P112は大気圧よりも大きく、システム124の圧力P124は大気圧未満である。
【0061】
[0080] 上記で言及したように、環境制御装置236は、第1の流体リザーバ112及び第2の流体リザーバ113の各々の温度及び圧力を独立に制御するように構成されている。環境制御装置236は、第1の流体リザーバ112の第1の圧力P112及び第2の流体リザーバ113の第2の圧力P113を独立且つ別個に制御するように構成されている。環境制御装置236は、第1の流体リザーバ112の第1の温度T112及び第2の流体リザーバ113の第2の温度T113を独立且つ別個に制御するようにも構成されている。図2に示されるように、環境制御装置236は、ノズル供給システム240の1つ以上の態様の温度及び圧力を独立に制御するように構成されていてもよい。そして、流体コントローラ106は、ノズル供給システム240内の流体流の1つ以上の態様を制御することができる。これらの制御については、図5のノズル供給システム540を参照してより詳細に述べる。
【0062】
[0081] 環境制御装置236は、各々が第1の流体リザーバ112及び第2の流体リザーバ113のいずれかの温度又は圧力のいずれかを独立且つ別個に制御するように構成された複数のコンポーネントを含んでいてもよい。例えば、環境制御装置236は、第1の流体リザーバ112の第1の圧力P112を制御するためのコンポーネント、第2の流体リザーバ113の第2の圧力P113を制御するためのコンポーネント、第1の流体リザーバ112の第1の温度T112を制御するためのコンポーネント、及び第2の流体リザーバ113の第2の温度T113を制御するためのコンポーネントを含み得る。第1の流体リザーバ112の第1の圧力P112と第2の流体リザーバ113の第2の圧力P113とを独立且つ別個に制御するコンポーネントの各々は、第1の流体リザーバ112又は第2の流体リザーバ113とそれぞれ流体連通する圧力制御コンポーネントであってもよい。いくつかの実施形態においては、第1の流体リザーバ112及び第2の流体リザーバ113の空洞の各々に加圧ガスが印加されてもよく、各加圧ガスの圧力を調節することによって、第1の圧力P112及び第2の圧力P113がそれぞれ調節され得る。不活性の又は流体ターゲット材料120と反応しない加圧ガスが用いられるべきである。例えば、加圧ガスは、アルゴンに2%水素を混合したものなど、水素とアルゴンとの混合物であってもよい。また、環境制御装置236は、装置200内の様々なセンサ/測定デバイスからのデータを分析すると共にそのような分析に基づいて装置200内のコンポーネントをどのように調節するかを判定するコントローラを含んでいてもよい。
【0063】
[0082] 別の一例においては、第1の流体リザーバ112の第1の温度T112と第2の流体リザーバ113の第2の温度T113とを独立且つ別個に制御するコンポーネントの各々は、炉、熱電対デバイス、又は第1の温度T112及び第2の温度T113を測定及び維持するように構成された別のデバイスを含んでいてもよい。例えば、環境制御装置236は、第1の流体リザーバ112,第2の流体リザーバ113,及びプライミングタンク114の各々に圧力トランスデューサを含み得る。環境制御装置236は、装置200内の、温度が監視されることを必要とする各区画又は領域について、1つ以上の熱電対デバイスを含んでいてもよい。
【0064】
[0083] 再び図1を参照すると、いくつかの実施形態においては、固体122は、主にスズで作製されたインゴット(ブロック又はディスクなど)である。インゴットは重量で少なくとも99%(又は少なくとも99.9%)の純度であり得る。これは、固体122中に存在し得る微量の他の非スズ材料(鉛及びアンチモンなど)があり得ることを意味する。固体122がスズインゴットである本例においては、プライミングシステム104は、固体122を(スズの融点である)450°Fを超える温度まで加熱する1つ又は複数のデバイスを含む。溶解すると、固体スズは、液体スズと他の非スズ材料(鉛及びアンチモン、又は分子若しくは他の成分)とに変化する。非スズ材料は1つ以上の分子、原子、化合物、又は他の成分を含み得るものであり、その各々は、その成分の融点に応じて、固体又は液体状態である。したがって、液体スズ(この場合、流体ターゲット材料120になる)がプライミングタンク114に供給される。例えば、ノズル供給システム140の動作中には、400時間毎に5キログラムのスズインゴットがプライミングシステム104のプライミングチャンバ130内に設置され得る。他の例においては、他のインゴットサイズが他の交換頻度でプライミングチャンバ130内に設置されるかもしれない。
【0065】
[0084] 図4を参照すると、(図1に示される)プライミングシステム104の一実施形態がプライミングシステム404として示されている。プライミングシステム404は、(流体ターゲット材料120を貯蔵するように及び流体ターゲット材料120を第1のリザーバシステム102及び/又は第2のリザーバシステム130に供給するように作用する)プライミングタンク414と、(固体122を再投入するために用いられる)プライミングチャンバ430と、流体輸送システム461とを含む。プライミングチャンバ430は、取り外し可能なキャリア428を収容するのに十分な大きさの主空洞425を含む。固体122は取り外し可能なキャリア428の副空洞429内に収容される。プライミングチャンバ430は、主空洞425を気密封止するため及び固体122が交換される必要のあるときに取り外し可能なキャリア428の取り外しも可能にするための機構として役立つ、取り外し可能な蓋430Lを含む。プライミングチャンバ430は、例えば、プライミングチャンバ430と流体輸送システム461との間の流体流路の一部である中央流体流チャネルを有する管部を含み得る。管部はプライミングチャンバ430及び取り外し可能なキャリア428から延伸していてもよく、管部の内部は、副空洞429によって定義される輸送開口と流体連通し得ると共に、流チャネルを介して流体輸送システム461と流体連通し得る。
【0066】
[0085] 例えば、流体輸送システム461は、プライミングチャンバからの流体の流量を制御する規制装置を含んでいてもよい。このようにすれば、規制装置がプライミングチャンバ430とプライミングタンク414との間の流体流路を制御することができる。規制装置は、例えば、管部の流体流チャネルと相互作用する1つ以上のバルブを含むバルブ配列を含んでいてもよく、すると中央流体流チャネル内の流体ターゲット材料120の流量はバルブ配列の1つ以上のバルブの動作によって制御される。
【0067】
[0086] いくつかの実施形態においては、流体輸送システム461のバルブ配列はフリーズバルブを含み得る。フリーズバルブは、管部と、管部と熱的に連通した規制温度調節デバイスとを含み得る。規制温度調節デバイスは、固体122の融点を中心とする温度の範囲にわたって管部の温度を変化させるように構成されている。規制温度調節デバイスは管部と熱的に連通したカートリッジヒータであってもよい。例えば、管部の温度が固体122の融点を実質的に下回って保たれる場合には、(重力によって)キャリア428を流れ出た任意の液体は、中央流体流チャネルに到達するにつれ固体化するであろう。そして、この固体が中央流体流チャネルに栓をして、更なる流体が中央流体流チャネルを通って流れるのを防止する。したがって、固体122は、固体122の融点を上回る温度まで規制温度調節デバイスが管部を加熱すると溶解され得、温度が十分に高い(つまりこの融点を超える)場合には、栓の固体122は溶解し、自由に中央流体流チャネルを通って流れる。
【0068】
[0087] ある特定の実施形態においては、流体輸送システム461のバルブ配列はフリーズバルブに加えてゲートバルブを含んでいてもよく、ゲートバルブはフリーズバルブとプライミングタンク414との間に設置されてもよい。ゲートバルブは、溶解した流体がゲートバルブの実ゲートと接触しないように、フリーズバルブの管部を加熱する前に開かれ得る。
【0069】
[0088] 流体流路又は流体空洞と接触する装置100の任意のコンポーネント(第1のリザーバシステム102、第2のリザーバシステム103、プライミングシステム104、及び流体連通装置116を含む)は、固体122、流体ターゲット材料120、及び固体122内に存在し得る(固体又は流体又は液体形態のいずれにせよ)任意の非ターゲット材料と相性が良く且つ(関連する温度で)反応しない材料で作製されるべきである。例えば、第1の流体リザーバ112の構造と、第2の流体リザーバ113の構造と、プライミングチャンバ430、取り外し可能なキャリア428、規制装置、又は流体輸送システム461内の他のコンポーネントと、規制デバイス117,118,119と、流体連通装置116の流体伝達ラインとは、様々な剛性金属又は金属合金で作製され得る。
【0070】
[0089] また、図5を参照すると、いくつかの実施形態においては、ノズル供給システム540が、環境制御装置236及び流体コントローラ106の制御下でノズル供給システム540内及び装置100内のインターフェイスから流体ターゲットを取り除くべく動作するように構成された専用コンポーネント531を含む。
【0071】
[0090] この実施形態においては、ノズル供給システム540は、概してその長手方向に沿って延伸すると共に流体ターゲット材料120がターゲットの流れ121として出ていく開口543を定義する毛細管541を有するノズルアセンブリ542を含む。専用コンポーネント531は、一端が装置200の規制デバイス117とノズルアセンブリ542との間の流体連通装置116に流体結合されたガスライン532を含む。ガスライン532は、他端がガス源に流体結合されている。専用コンポーネント531はガスライン532の流体流路を開閉するためのサービスフリーズバルブのような流体バルブ533も含み、流体流路は、一端のガス源と他端のノズルアセンブリ542及び装置200との間に定義される。
【0072】
[0091] 環境制御装置236は、規制デバイス117とノズルアセンブリ542との間の経路に沿った流体連通装置116及びガスライン532と熱的に連通する温度調節デバイスと、ガスライン532を加圧することのできる圧力調節デバイスとを含む。ノズルアセンブリ542が交換される必要のあるとき及びノズルアセンブリ542を交換する前などの特定の瞬間に、流体コントローラ106は流体バルブ533に開くように命令し、例えば流体バルブ533がフリーズバルブである場合には、同バルブは流体ターゲット材料120の融点を上回る温度まで温められ又は加熱され得る。環境制御装置236は、ガスライン532に印加される圧力P531を、第1の流体リザーバ112に印加される第1の圧力P112よりも大きい圧力まで増大させ、それによってノズルアセンブリ542内及び/又はノズルアセンブリ542と第1の流体リザーバ112との間の流路に残っている流体ターゲット材料120を第1の流体リザーバ112の方に押し戻してもよい。
【0073】
[0092] ノズル供給システム540は更に、毛細管541とガスライン532との間に位置するノズルバルブシステム545を含んでいてもよい。ノズルバルブシステム545は、流体ターゲット材料120が流体連通装置116から取り除かれた後、ノズルアセンブリ542を装置200から流体的に隔離するように構成され得る。
【0074】
[0093] 図6を参照すると、ノズル供給システム140がシステム124への流体ターゲット材料120を生成するように動作している間(図1に示される)ノズル供給システム140への流体ターゲット材料120の移送を制御するための手順670が装置100によって実行される。手順670のステップについて述べるときには、追加的に図8Aも参照する。図8Aは、手順670の様々なステップを通じて関連のある、装置100の一実施形態のコンポーネントを図示する。
【0075】
[0094] まず、図8Aに示されるように、プライミングシステム104がターゲット材料を含む固体122を収容する[671]。プライミングシステム104はプライミング圧力P114に維持される。例えば、図4を参照すると、プライミングチャンバ430の蓋430Lは、固体122がプライミングチャンバ430(又は取り外し可能なキャリア428)内に収容されることを可能にするために、開かれ又はプライミングチャンバ430の本体から取り外されてもよい。したがって、この間、プライミングチャンバ130は大気圧に曝される。固体122は、プライミングチャンバ430のサイズに基づいたサイズ及び重量を有し得る。また、蓋430Lを開けて固体122をプライミングチャンバ430内に挿入するというこのプロセスは、人の介入を必要とすることなく自動化されてもよい。
【0076】
[0095] 更に、プライミングチャンバ430(又は取り外し可能なキャリア428)は、蓋430Lが閉じられているとき又は固体122がプライミングチャンバ430内に存在するときを検出することのできるセンサシステムを装備していてもよい。
【0077】
[0096] この(プライミングシステム104が固体122を収容する[671])間、プライミング圧力P114は大気圧であるため、プライミングシステム104は装置100の残りの部分から流体的に隔離され得る。例えば、固体122を収容するためにプライミングシステム104を開く前に、流体コントローラ106が規制デバイス119に閉じるように命令し、それによってプライミングシステム104を第2の流体リザーバ113と、第1の流体リザーバ112と、ノズル供給システム140とから隔離してもよい。このようにすれば、この間、流体ターゲット材料120は、流体連通接続116を介してプライマリタンク114から第2の流体リザーバ113、第1の流体リザーバ112、及びノズル供給システム140のうちいずれかに移動することを防止される。
【0078】
[0097] プライミングシステム104は固体122から流体ターゲット材料120を生成する[673]。プライミングシステム104がどのようにして固体122から流体ターゲット材料120を生成するのかの一例を、図4を参照して次に述べる。まず、プライミングチャンバ430の主空洞425が、例えば蓋430Lをプライミングチャンバ430の他の部分に固定することによって、封止され得る。プライミングタンク414の空洞と主空洞425とは、圧力を均等にすることを可能にするため、並びに最終的なターゲット材料流体120がプライミングチャンバ430からプライミングタンク414に自由に流れることができるようにするために、互いに流体連通していてもよい。この時、主空洞425と、輸送システム461の少なくとも一部と、プライミングタンク414の空洞とは、大気圧を下回るプライミング圧力P114に維持され得る。次に、挿入された固体122が、固体122が流体ターゲット材料120に変化するまで、固体122の融点を上回る温度に加熱される。
【0079】
[0098] この、プライミングシステム104内で流体ターゲット材料120が固体122から生成されている間[673]、規制デバイス119はプライミングシステム104を第2の流体リザーバ113と、第1の流体リザーバ112と、ノズル供給システム140とから隔離し続ける。このようにすれば、流体ターゲット材料120をシステム124に供給するためのノズル供給システム140の動作が維持され得る。
【0080】
[0099] また、この、ノズル供給システム140が流体ターゲット材料120をシステム124に供給している間、流体制御システム190は、第1の流体リザーバ112とノズル供給システム140との間の流体連通を維持する[675]。例えば、第1の流体リザーバ112からノズル供給システム140への流体連通接続116を介した流体ターゲット材料120の移送を可能にするために、流体コントローラ106は規制デバイス117に、この間、開いたままであるように命令し得る。更に、環境制御装置236(図2)は第1の流体リザーバ112を第1の圧力P112に維持し、第1の圧力P112はプライミング圧力P114よりも大きい。環境制御装置236(図2)は、ノズル供給システム140の動作中、第1の流体リザーバ112からノズル供給システム140への流体ターゲット材料120の効率的な連続移送を可能にするために、第1の流体リザーバ112の第1の圧力P112が圧力P124よりも大きいことを保証することもできる。
【0081】
[0100] 流体ターゲット材料120がプライミング圧力P114のプライミングシステム104において生成されている間、図8Aを参照すると、流体制御システム190は、ノズル供給システム140の動作中の少なくとも一部の時間にわたって、流体ターゲット材料120が第1の流体リザーバ112と第2の流体リザーバ113との間で移動することを可能にする[677]。例えば、流体コントローラ106は、第1の流体リザーバ112と第2の流体リザーバ113との間での流体連通接続116による流体ターゲット材料120の移送を可能にするために、規制デバイス118に開くように命令し得る。
【0082】
[0101] 図7を参照すると、ノズル供給システム140がシステム124への流体ターゲット材料120を生成するように動作している間(図1に示される)ノズル供給システム140への流体ターゲット材料120の移送を制御するための手順780が装置100によって実行される。手順780のステップについて述べるときには、追加的に図8Bも参照する。図8Bは、手順780の様々なステップを通じて関連のある、装置100の一実施形態のコンポーネントを図示する。
【0083】
[0102] まず、図8Bに示されるように、そして上述したように、プライミングシステム104がターゲット材料を含む固体122を収容する[781]。プライミングシステム104はプライミング圧力P114に維持される。例えば、図4を参照すると、上述したように、固体122はプライミングチャンバ430内に収容され得る。したがって、この間、プライミングチャンバ130は大気圧に曝され、プライミングシステム104は装置100の残りの部分から流体的に隔離され得る。例えば、固体122を収容するためにプライミングシステム104を開く前に、流体コントローラ106が規制デバイス119に閉じるように命令し、それによってプライミングシステム104を第2の流体リザーバ113と、第1の流体リザーバ112と、ノズル供給システム140とから隔離してもよい。このようにすれば、この間、流体ターゲット材料120は、流体連通接続116を介してプライマリタンク114から第2の流体リザーバ113、第1の流体リザーバ112、及びノズル供給システム140のうちいずれかに移動することを防止される。
【0084】
[0103] プライミングシステム104は固体122から流体ターゲット材料120を生成する[783]。例えば、上述したように、挿入された固体122が、固体122が流体ターゲット材料120に変化するまで、固体122の融点を上回る温度に加熱される。この間、規制デバイス119は、プライミングシステム104を第2の流体リザーバ113と、第1の流体リザーバ112と、ノズル供給システム140とから隔離し続ける。
【0085】
[0104] このようにして、流体ターゲット材料120をシステム124に供給するためのノズル供給システム140の動作が維持され得る。
【0086】
[0105] また、この、ノズル供給システム140が流体ターゲット材料120をシステム124に供給している間、流体制御システム190は、第1の流体リザーバ112とノズル供給システム140との間の流体連通を維持する[785]。例えば、上述したように、第1の流体リザーバ112からノズル供給システム140への流体連通接続116を介した流体ターゲット材料120の移送を可能にするために、流体コントローラ106は規制デバイス117に、この間、開いたままであるように命令し得る。更に、環境制御装置236(図2)は第1の流体リザーバ112を第1の圧力P112に維持し、第1の圧力P112はプライミング圧力P114よりも大きい。環境制御装置236(図2)は、ノズル供給システム140の動作中、第1の流体リザーバ112からノズル供給システム140への流体ターゲット材料120の効率的な連続移送を可能にするために、第1の流体リザーバ112の第1の圧力P112が圧力P124よりも大きいことを保証することもできる。
【0087】
[0106] 第1の流体リザーバ112及びノズル供給システム140がプライミングシステムから流体的に隔離されているとき、図8Bを参照すると、流体制御システム190は、ノズル供給システム140の動作中の少なくとも一部の時間にわたって、流体ターゲット材料120がプライミングシステム104と第2の流体リザーバ113との間で移動することを可能にする[787]。例えば、流体コントローラ106は、プライミングシステム104と第2の流体リザーバ113との間での流体連通接続116を介した流体ターゲット材料120の移送を可能にするために、規制デバイス119に開くように又は(既に開いている場合には)開いたままであるように命令し得る。また、この間、流体コントローラ106は規制デバイス118に閉じるように又は(既に閉じている場合には)閉じたままであるように命令し、それによって第2の流体リザーバ113及びプライミングシステム104を第1の流体リザーバ112及びノズル供給システム140から隔離し得る。このようにして、流体ターゲット材料120をシステム124に供給するためのノズル供給システム140の動作が維持され得る。
【0088】
[0107] 手順670及び780の一方又は両方は、図8Bにおけるように、流体ターゲット材料120がプライミングシステム104と第2の流体リザーバ113との間で移動可能にされる間、第1の流体リザーバ112の第1の圧力P112が第2の圧力P113及びプライミング圧力P114よりも大きいレベルに維持されることも保証する。
【0089】
[0108] いくつかの実施形態においては、ノズル供給システム140の動作全体にわたる流体ターゲット材料120のノズル供給システム140への移送は、流体ターゲット材料120を、第1の流体リザーバ112からノズル供給システム140へ、第2の流体リザーバ113からノズル供給システム140へ、又は第1の流体リザーバ112及び第2の流体リザーバ113の両方からノズル供給システム140へ流すことによって可能にされ得る。
【0090】
[0109] 更に、環境制御装置236は、手順670,780の一方又は両方の最中に、第1の流体リザーバ112,第2の流体リザーバ113、及びプライミングシステム104の各々における流体ターゲット材料120の温度及び圧力を独立且つ別個に制御し得る。
【0091】
[0110] 装置100の動作の通常モードの間、第1の流体リザーバ112及び第2の流体リザーバ113の各々は、ターゲットの流れ121をシステム124に提供するためにノズル供給システム140の動作を中断させることなく流体ターゲット材料120をノズル供給システム140に供給するのに十分な流体ターゲット材料120を有している。通常モードにおいては、図8Aに示されるように、(第1の流体リザーバ112に印加される)第1の圧力P112及び(第2の流体リザーバ113に印加される)第2の圧力P113は高い値に維持される。例えば、第1の圧力P112及び第2の圧力P113はそれぞれ、6000キロパスカル(kPa)以上、少なくとも10,000kPA、少なくとも25,000kPA、又は6000~60,000kPaの範囲内であってもよい。第1の圧力P112及び第2の圧力P113は、流体ターゲット材料120がノズル供給システム140を通ってシステム124まで押されることを可能にするために、システムの圧力P124よりも大きい値に維持され得る。この場合、第1及び第2の流体リザーバ112,113の両方が流体ターゲット材料120をノズル供給システム140に供給し得る。また、動作の通常モードの間、第1の流体リザーバ112及び第2の流体リザーバ113に適用される温度T112及びT113はそれぞれ、流体ターゲット材料120が流体状態に維持されることを保証するために、流体ターゲット材料120の融点を上回るレベルに維持され得る。
【0092】
[0111] 動作の通常モードの間、図8Aに示されるように、規制デバイス119は、第1の流体リザーバ112と、第2の流体リザーバ113と、ノズル供給システム114とをプライミングシステム104から隔離するために閉じられる。プライミングシステム104は装置100の他の部分から完全に隔離されるので、動作の通常モードの間、動作の通常モードに影響することなく、プライミングシステム104において流体ターゲット材料120をプライミングする(つまり準備する)ことが可能である。特に、プライミングシステム104における流体ターゲット材料120のプライミングには、プライミングシステム104が装置100の他のコンポーネント(第1のリザーバシステム102及び第2のリザーバシステム103など)とは異なる圧力及び温度で動作することが必要である。プライミングシステム104は、動作の通常モードの間、装置100の残りの部分から流体的に隔離されると共に環境的に隔離されるので、プライミングシステム104において流体ターゲット材料120をプライミングするこのプロセスは、動作の通常モードと並行して動作し得る。
【0093】
[0112] 流体ターゲット材料120は、プライミングシステム104において、次に図4を参照して述べられるように準備され得る。具体的には、固体122がプライミングチャンバ430内に挿入される。固体122がプライミングチャンバ430内に挿入されている間、プライミングシステム104の温度は室温に維持されてもよい。また、取り外し可能なキャリア428が用いられる場合には、固体122は最初に取り外し可能なキャリア428内に挿入されてもよく、その後で取り外し可能なキャリア428がプライミングチャンバ430内に挿入されてもよく、その後で蓋430Lがプライミングチャンバ430を封止してもよい。固体122がプライミングチャンバ430内に入ると、プライミングチャンバ430の温度は、固体122が溶解して流体ターゲット材料120になるまで高められ、その時、流体輸送システム461はプライミングタンク414内への流体ターゲット材料120の流量を制御し、プライミングタンク414は流体ターゲット材料120の融点を上回る温度に維持される。こうして、流体ターゲット材料120は、後で装置100によって用いられるためにプライミングタンク414内に貯蔵され得る。
【0094】
[0113] 動作の通常モードの間、流体ターゲット材料120の量は、図8Aに示されるように、流体ターゲット材料120がターゲットの流れ121を生成するためにノズル供給システム140によって用いられるにつれて、第1の流体リザーバ112及び第2の流体リザーバ113の一方又は両方から徐々に減少する。動作の通常モードのある時点で、図9Aに示されるように、流体ターゲット材料120の量は、第1の流体リザーバ112及び第2の流体リザーバ113において、装置100の動作の通常モードから装置100の動作の補充モードに切り替えることが必要になるほど少なくなる。
【0095】
[0114] 補充モードの開始時には、図9Bに示されるように、規制デバイス118は閉じられ、したがって一方側の第1の流体リザーバ112及びノズル供給システム140を他方側の第2の流体リザーバ113から流体的に隔離するように作用する。規制デバイス118が閉じられると、環境制御装置236は第2の流体リザーバ113を減圧する。つまり、第2の流体リザーバ113に印加される圧力P113は、大気圧に近いか又は大気圧であってもよい適当な低い圧力にされる。例えば、圧力P113は600kPa以下に減圧され得る。この時、第1の流体リザーバ112に印加される圧力P112は、流体ターゲット材料120をノズル供給システム140に供給し続けることを可能にするために、高いまま(6000kPa以上又は6000~60,000kPaの値など)である。次に、図9Cに示されるように、第2の流体リザーバ113に印加される圧力P113が適当な低い圧力に達すると、流体コントローラ106は規制デバイス119に開くように命令し、それによってプライミングシステム104(具体的にはプライミングタンク114)と第2の流体リザーバ113との間に流体を流れさせる。規制デバイス119が開くと、流体ターゲット材料120は、図示するように、プライミングタンク114から第2の流体リザーバ113へ自由に流れる。流体ターゲット材料120は、プライミングタンク114内の流体ターゲット材料120が閾値を下回るまで(又は流体ターゲット材料120がプライミングタンク114から枯渇するまで)第2の流体リザーバ113に流入し続ける。いくつかの実施形態においては、プライミングタンク114は、第2の流体リザーバ113内の容積を超える容積の流体ターゲット材料120を貯蔵することができる。こうした実施形態においては、プライミングタンク114内の流体ターゲット材料120の最低レベルが常に第2の流体リザーバ113の最上部を下回るように第2の流体リザーバ113及びプライミングタンク114を各々に対してZ方向に沿って適切に位置決めすることによって、第2の流体リザーバ113が流体ターゲット材料120で過充填されるのを防止することが可能である。
【0096】
[0115] 上述したように、いくつかの実施形態においては、規制デバイス119はフリーズバルブである。これらの実施形態においては、規制デバイス119を開くために、(規制デバイス119が閉じていたときに)規制デバイス119の管部内に先に栓として形成された任意の固体122を溶解するように、規制温度調節デバイスが規制デバイス119の管部を流体ターゲット材料120の融点を超える値まで加熱する。それによって固体122は溶解され、流体ターゲット材料120は管部を通って流れることができる。
【0097】
[0116] 次に、図9Dに示されるように、流体コントローラ106は規制デバイス119に閉じるように命令する。規制デバイス119がフリーズバルブである実施形態においては、規制デバイス119内の規制温度調節デバイスは、規制デバイス119の管領域を、管部が流体ターゲット材料120の融点を下回る温度に達するまで冷却する。やがて、流体ターゲット材料120は管部内で固体化し、規制デバイス119を通る流体ターゲット材料120の流量を妨げる栓を形成する。規制デバイス119が完全に閉じると、環境制御装置236は第2の流体リザーバ113を再加圧する。つまり、第2の流体リザーバ113に印加される圧力P113は、6000kPa以上又は6000~60,000kPaの範囲内であり得る適当な高い圧力にされる。この時点で、いくつかの実施形態においては、第2の流体リザーバ113に印加される圧力P113は第1の流体リザーバ112に印加される圧力P112と同じであり得る。次に、圧力P113が適当な高い圧力に達すると、図9Eに示されるように、流体コントローラ106は規制デバイス118に開くように命令する。流体ターゲット材料120は、図9Fに示されるように、第2の流体リザーバ113から第1の流体リザーバ112へ流れることができるようになる。
【0098】
[0117] 補充モードは終了し、装置100の動作の通常モードが再開する。いくつかの実施形態においては、図9Gに示されるように、動作の通常モードのこの時点では、流体ターゲット材料120は、第2の流体リザーバ113からノズル供給システム140に、並びに第1の流体リザーバ112からノズル供給システム140に送出され得る。
【0099】
[0118] 動作の通常モードの間、プライミングシステム104は、固体122から流体ターゲット材料120をプライミングする(準備する)ことに従事し得る。プライミングシステム104は、定期的な頻度で、すなわち数時間毎、数十時間毎、又は数百時間毎に、固体122から流体ターゲット材料120をプライミングすることが可能である。いくつかの実施形態においては、プライミングシステム104は、命令に応じて固体122から流体ターゲット材料120をプライミングしてもよい。
【0100】
[0119] 動作の通常モード及び動作の補充モードの間は常時(図9Aから図9Gに示される全ステップにわたって)、流体ターゲット材料120が第1の流体リザーバ112からノズル供給システム140に供給されており、ノズル供給システム140がシステム124によって用いられるターゲットの流れ121を連続的に生成することを可能にする。
【0101】
[0120] 図9Aから図9Gを参照して上述したサイクルは、ノズル供給システム140の動作中、ノズル供給システム140への流体ターゲット材料120の連続供給のために繰り返され得る。
【0102】
[0121] 装置100の動作中のある時点で、ノズル供給システム540のノズルアセンブリ542を交換することが必要になるかもしれない。これをするためには、流体連通装置116内の余分な流体ターゲット材料120が、ノズルアセンブリ542へと延伸する流路から第1の流体リザーバ112内(又は第2の流体リザーバ113内)に戻るように退避されるべきである。具体的には、図5を参照すると、(ノズルバルブシステム545が開いている間に)流体バルブ533が開かれ、環境制御装置236の制御下で、圧力P531が、ガスライン532内のガスと、ノズルアセンブリ542から延伸して第1の流体リザーバ112(又は第2の流体リザーバ113)に戻る流路とに印加される。流体バルブ533がフリーズバルブである場合には、バルブ内の温度は流体ターゲット材料120の融点を上回るレベルまで高められ、それによって流体バルブ533が開く。ガスライン532内のガスに印加される圧力P531は、第1の流体リザーバ112に印加される圧力P112よりも大きい(又は第2の流体リザーバ113に印加される圧力P113よりも大きい)。より高い圧力P531は、流体ターゲット材料120をノズルアセンブリ542から押し離させて(規制デバイス117が開いているときには)第1の流体リザーバ112又は第2の流体リザーバ113の方に戻させる。この時点で、ノズルバルブシステム545は閉じることができ、流体バルブ533は(例えば冷却することによって)閉じることができ、ノズルアセンブリ542は取り外されて新たなノズルアセンブリと交換され得る。
【0103】
[0122] このようにすれば、ノズルアセンブリ542は、第1の流体リザーバ112、第2の流体リザーバ113、又はプライミングタンク114のうちいずれの交換も必要とすることなく交換することができる。
【0104】
[0123] 規制デバイス117,118,119の全てが開いていて、流体連通装置116が流体ターゲット材料120の融点を上回る温度に維持される限り、圧力P531を高い温度T534と併せてガスライン532に印加することは、第1の流体リザーバ112の向こうであっても流体連通装置116の流路から流体ターゲット材料120を取り除くのに十分であり得る。
【0105】
[0124] 要約すると、上述した装置100,200,300、手順、及び動作モードは、ノズル供給システム140がシステム124にターゲットの流れ121を供給するべく連続的に稼働することを可能にし、固体122を再投入するため及び固体122から流体ターゲット材料120をプライミング/準備するための中断を必要とすることなしに、システム124によって所望される性能仕様を達成する。
【0106】
[0125] 第1及び第2のリザーバ112,113とプライミングシステム104とはノズル供給システム140から流体的及び環境的に分離され得るので、装置100内の任意のコンポーネントを交換するのにかかる時間が実質的に短縮され得ると共に、第1又は第2のリザーバ112,113のうち一方が流体ターゲット材料120をノズル供給システム140に供給している限りは、たとえノズル供給システム140がターゲットの流れ121を生成している間であっても交換が行われ得る。
【0107】
[0126] 新しく追加される固体122は、この間低い圧力に保持され得るプライミングチャンバ130を含むプライミングシステム104に追加される。そして、固体122は、流体ターゲット材料120における酸化を防止又は低減するために、プライミングチャンバ130内の初期の高真空環境にある間に溶解している。
【0108】
[0127] 流体連通装置116内の流体伝達ライン115又は規制デバイス117,118,119のいずれかが保守又は修理のために切り離される必要がある場合には、そのような切り離しは、まずノズル供給システム140に向かう経路に沿った様々な箇所の圧力を制御することによって流体ターゲット材料120が流体連通装置116から取り除かれた後で、実施することが可能である。上述したように、例えば、ノズル供給システム140から第1の流体リザーバ112への流体流路を空にするためには、規制デバイス117が開いている間にガスライン532が(圧力P112よりも大きい圧力まで)加圧され得る。
【0109】
[0128] 別の一例として、第1の流体リザーバ112から第2の流体リザーバ113への流体流路を空にするために、圧力P112は、規制デバイス118が開いている(及び規制デバイス117が閉じている)間に圧力P113よりも大きい値まで高められ得る。最後に、第2の流体リザーバ113からプライミングシステム104への流体流路を空にするために、圧力P113は、規制デバイス119が開いている(及び規制デバイス118が閉じている)間に圧力P114よりも大きい値まで高められ得る。ノズル供給システム540の流体バルブ533によって提供されるガスインターフェイスと同様、別のガスインターフェイスがプライミングタンク114と第2の流体リザーバ113との間に提供されて、(規制デバイス119を開いた状態に及び規制デバイス118を閉じた状態に維持しながら)流体ターゲット材料120をプライミングタンク114から第2の流体リザーバ113内に押しやる。プライミングタンク114から流体ターゲット材料120が取り除かれると、規制デバイス119は閉じられてもよく、その後プライミングタンク114が交換され得る。
【0110】
[0129] 流体伝達ライン115内及び規制デバイス117,118,119内からの流体ターゲット材料120の除去は、装置100内のモジュール構成を可能にする。このようにすれば、装置100内の1つのコンポーネントのみが不良であるときに、装置100内のコンポーネント及びノズル供給システム140のすべてが交換される必要はない。例えば、(装置100内のコンポーネントを交換することを必要とせずに)不良なノズル供給システム140のみが交換されればよい。別の一例として、不良なリザーバのみ(第1の流体リザーバ112又は第2の流体リザーバ113のいずれか)が、他方の流体リザーバ又はプライミングシステム104又はノズル供給システム140を交換することを(あるいはノズル供給システム140の動作を中断することすら)必要とせずに、交換されればよい。
【0111】
[0130] 低い圧力(例えば大気圧の周辺又は付近)で動作している任意のコンポーネントを比較的寒冷な環境(室温の周辺など)に維持することも可能である。また、たとえ第1の流体リザーバ112が流体ターゲット材料120をノズル供給システム140に供給するために高い圧力で動作している間でも、固体122の再投入はこの低い圧力/寒冷な環境で起こり得る。
【0112】
[0131] 装置100,200,300、手順、及び動作モードは、ノズル供給システム140が時間の少なくとも80%、時間の少なくとも90%、又は時間の少なくとも99%(例えば時間の99.2%)動作してターゲットの流れ121を供給することを可能にする。ノズルアセンブリ542を交換するのにかかる平均時間は、以前達成可能であったものと比較すると、6時間未満、5時間未満、又は約4.5時間まで短縮される。これは、経時的な所有の費用の削減並びに装置又はノズル供給システム140を修理するためのサービス労働時間の削減につながる。
【0113】
[0132] いくつかの実施形態においては、図10を参照すると、装置100は、動作の通常モード又は動作の補充モードの最中の様々な時点で第2の流体リザーバ113の流体ターゲット材料120の容積を推定するように構成されたレベルセンシング装置1035も含む装置1000である。レベルセンシング装置1035は、流体ターゲット材料120の容積又はレベルの推定を達成するために、電気コンポーネント、磁気コンポーネント、及び超音波コンポーネントのうち1つ以上を利用してもよい。レベルセンシング装置1035は、第2の流体リザーバ113に印加される圧力P113に耐えることのできる任意のデバイスであり得る。また、いくつかの実施形態においては、装置1000は、第1の流体リザーバ112の流体ターゲット材料120の容積を推定するように構成された別のレベルセンシング装置1035も含み得る。
【0114】
[0133] レベルセンシング装置1035は、いくつかの実施形態においては、1つ以上の高圧力トランスデューサを含み得る。以下の議論では1つの高圧力トランスデューサにしか言及しないが、レベルセンシング装置1035は1つのみの高圧力トランスデューサを有することに限定されない。レベルセンシング装置1035は、高い圧力(第2の流体リザーバ113が動作することのできる圧力など)で動作することができるトランスデューサを含んでいてもよく、第2の流体リザーバ113に含まれる。
【0115】
[0134] 高圧力トランスデューサは第2の流体リザーバ113内のガスの圧力を測定する圧力センサである。高圧力トランスデューサ1035は加えられる圧力の関数として信号を生成する。高圧力トランスデューサ1035は、第2の流体リザーバ113の流体ターゲット材料120の容積が変化するときに第2の流体リザーバ113の内部(及び流体ターゲット材料120の上方)のガスの圧力も変化するように、第2の流体リザーバ113の内部にあるガスの圧力を測定し得る。例えば、第2の流体リザーバ113が流体ターゲット材料120で充填中であり、したがって(図9C及び9Dに示される補充モードの際など)流体ターゲット材料120の容積が増加しているときには、第2の流体リザーバ113(及び流体ターゲット材料120の上方)のガスは、第2の流体リザーバ113の内部でゆっくりと圧縮される。
【0116】
[0135] 高圧力トランスデューサ1035は、以下のように有用であり得る。具体的には、環境制御装置236は、プライミングタンク114から第2の流体リザーバ113への流体ターゲット材料120のより迅速な移送を促進するために、第2の流体リザーバ113とプライミングタンク114との間に圧力差を設定し得る。具体的には、環境制御装置236は、プライミングタンク114に印加される圧力P114が、図9Cに示されるステップを実施する前に第2の流体リザーバ113に印加される圧力P113よりも高いことを保証し得る。例えば、プライミングタンク114の圧力P114は、第2の流体リザーバ113の圧力P113よりも100~200kPa大きくてもよい。環境制御装置236がこの圧力差を印加しているので、第2の流体リザーバ113はより急速に充填され、第2の流体リザーバ113が流体ターゲット材料120で過充填されないことを保証するのが重要となり得る。
【0117】
[0136] このようにして、高圧力トランスデューサ1035は、装置1000内の制御システム1092(そのような制御システム1092は環境制御装置236及び/又は流体コントローラ106の態様又はコンポーネントを含み得る)が第2の流体リザーバ113の流体ターゲット材料120の容積の変化を追跡又は監視することを可能にする。高圧力トランスデューサ1035の出力は、第2の流体リザーバ113の流体ターゲット材料120の物質量を表す電気信号であってもよい。そして、この出力は、規制デバイス119をいつ閉じるか又は流体ターゲット材料120の次の再充填又は補充がいつ必要とされるかを判定するために、制御システム1092によって分析され得る。例えば、制御システム1092は、流体コントローラ106に、第2の流体リザーバ113内の流体ターゲット材料120のレベルが特定のレベル未満に落ちる度にプライミングタンク114に再投入するように命令してもよい。
【0118】
[0137] 制御システム1092は以下の方程式を用いて第2の流体リザーバ113の流体ターゲット材料120の容積を推定し得る。
(P113)i×[V113-(V120)i]=(P113)f×[V113-(V120)i-Vt]
ここで、(P113)iは、(図9Cでの再充填の開始の前に既知である)第2の流体リザーバの初期圧力(P113)iであり、V113は、(既知の)第2の流体リザーバの全容積であり、(V120)iは、(図9Cでの再充填の開始の前に)第2の流体リザーバに残っていた流体ターゲット材料120の初期容積であり、(P113)fは、高圧力トランスデューサ1035からの出力である、第2の流体リザーバ113の現在の圧力であり、Vtは、プライミングタンク114から第2の流体リザーバ113に移送された流体ターゲット材料120の容量である。Vtはプライミングタンク114のレベルセンサから判定され得る。他の実施形態においては、第2の流体リザーバ113の流体ターゲット材料120の容積を推定するために、他の関係及びパラメータが用いられ得る。
【0119】
[0138] 流体ターゲット材料120が(図9Cに示されるように)プライミングタンク114から第2の流体リザーバ113へ流れるにつれて、高圧力トランスデューサ1035の出力(P113)fは連続的に変化し、値が新しくなる度に、制御システム1092は圧力P113の一連の測定を得て、この情報が、例えば、第2の流体リザーバ113に移送された流体ターゲット材料120の容積Vt及び/又は第2の流体リザーバ113に残っている流体ターゲット材料120の初期容積(V120)iを理解するために用いられ得る。どれほどの流体ターゲット材料120が第2の流体リザーバ113に残っているのか、及びどれほどの流体ターゲット材料120が再充填の前(図9Cに示されるステップの前)に第1の流体リザーバ112に残っていたのかを理解することによって、制御システム1092は、期間毎に用いられる流体ターゲット材料120の量(流体ターゲット材料120の消費率)を判定することができる。制御システム1092は、判定された消費率を用いて、いつ流体コントローラ106に第2の流体リザーバ113の再充填をトリガするように命令するかを判定し得る。このようにすれば、第1の流体リザーバ112は、ノズル供給システム140の動作中、常時、ノズル供給システム140に流体ターゲット材料120のソースを連続的に提供することができる。圧力トランスデューサ1035からの情報は、第1の流体リザーバ112及び第2の流体リザーバ113に残っている流体ターゲット材料120の総量を推定するためにも用いられ得る。
【0120】
[0139] 更に、記載される実施形態において、高圧力トランスデューサ1035が第2の流体リザーバ113の流体ターゲット材料120の容積を監視するときには、プライミングタンク114からの流体ターゲット材料120による第2の流体リザーバ113の過充填が防止され得る。例えば、高圧力トランスデューサ1035が安定状態に達するとき、第2の流体リザーバ113内のガスの圧縮は上限に達している。よって、第2の流体リザーバ113は流体ターゲット材料120で完全に充填されている。すると、流体制御システム1092は、流体ターゲット材料120がプライミングシステム104と第2の流体リザーバ113との間で流れ続けることを防止し得る。このようにすれば、第2の流体リザーバ113は流体ターゲット材料120による過充填を防止され得る。
【0121】
[0140] これらの実施形態においては、流体ターゲット材料120がプライミングタンク114から第2の流体リザーバ113に移送された後(つまり、図9Cに示されるステップが完了した後)、規制デバイス118を開くことによって第1の流体リザーバ112と第2の流体リザーバ113とが接続される前(つまり、図9Eに示されるステップが始まる前)に、制御システム1092によって計算が実施され得る。その計算は、上述の方程式を用いて、プライミングタンク114から第2の流体リザーバ113に移送された流体ターゲット材料120の容量Vtを推定することを含む(図10)。また、制御システム1092は、以下の方程式に従って、第2の流体リザーバ113内に含有される流体ターゲット材料120の全容積(V120)tを計算することもできる。
(V120)t=(V120)i+Vt
第2の流体リザーバ113の流体ターゲット材料120の全容積(V120)tは、第2の流体リザーバ113に残っている流体ターゲット材料120の初期容積(V120)iとプライミングタンク114から第2の流体リザーバに移送された流体ターゲット材料120の容積Vtとの和として計算される。制御システム1092は、第2の流体リザーバの流体ターゲット材料120の全容積(V120)tと、第2の流体リザーバ113の内部の既知の寸法とに基づいて、第2の流体リザーバ113の流体ターゲット材料120の高さを推定することもできる。
【0122】
[0141] 記載される実施形態においては、制御システム1092は、これらの同じ計算を第1の流体リザーバ112についても実施し得る。
【0123】
[0142] 第1の流体リザーバ112及び第2の流体リザーバ113の両方において流体ターゲット材料120の高さがわかる又は推定されると、制御システム1092は、高さの差Δhを推定又は計算し得る。高さの差Δhは、第2の流体リザーバ113の流体ターゲット材料120の高さ引く第1の流体リザーバ112の流体ターゲット材料120の高さである。制御システム1092は、推定される高さの差Δhに基づき、以下の方程式を用いて、ヘッド圧力ΔPhを計算することができる。
ΔPh=ρ120×g×Δh
ここで、ρ120は流体ターゲット材料120の密度に等しく、gは重力定数である。
【0124】
[0143] 制御システム1092は環境制御装置236に、計算されたヘッド圧力ΔPhに基づいて第2の流体リザーバ113の第2の圧力P113を制御するように命令し得る。例えば、環境制御装置236は第2の流体リザーバ113を、その圧力P113が第1の流体リザーバ112の第1の圧力P112とヘッド圧力ΔPhとの差に等しくなるように加圧し得る。この全てはノズル供給システム140の動作中に行われ得るものであり、制御システム1092は、この計算を繰り返し実施して、環境制御装置236に第2の流体リザーバ113の第2の圧力P113を調節又はリセットするように命令し得る。このようにすれば、第1の流体リザーバ112及び第2の流体リザーバ113の流体ターゲット材料120のレベル(すなわち高さ)は、流体ターゲット材料120がノズル供給システム140に連続的に供給される間、維持され得る。
【0125】
[0144] また、制御システム1092は、補充が必要となるまでの間利用可能な装置1100内の流体ターゲット材料120の総量を、第1の流体リザーバ112内及び第2の流体リザーバ113内の各々の流体ターゲット材料120の量と、第1の流体リザーバ112が流体ターゲット材料120をノズル供給システム140に供給していた時間の量と、プライミングタンク114から移送される流体ターゲット材料120の量とを分析することによって、計算することができる。
【0126】
[0145] 装置の別の一実施形態1100においては、図11に示されるように、環境制御装置236は加圧リザーバ1193を含む環境制御装置1136である。環境制御装置1136は流体連通接続1194によって第1の流体リザーバ112及び第2の流体リザーバ113に流体的に接続されている。加圧リザーバ1193は、オリフィス1195を開くことで流体連通接続1194によって加圧リザーバ1193から第1の流体リザーバ112及び/又は第2の流体リザーバへ移送され得る不活性ガスを含有する。オリフィス1195は、オリフィス1195が開かれたときに、オリフィス1195が、加圧リザーバ1193内のガスが加圧リザーバ1193から第1の流体リザーバ112及び/又は第2の流体リザーバ113へ低速で移動することを可能にするように、決められたサイズを有し得る。
【0127】
[0146] この実施形態において、図11を参照すると、流体ターゲット材料120のレベル(すなわち高さ)は、ある容積のガスを加圧リザーバ1193から開いたオリフィス1195を通じて第1の流体リザーバ112及び第2の流体リザーバ113内に解放することによって、間接的に測定され得る。加圧リザーバ1193の圧力の降下が測定され得、加圧リザーバ1193から第1の流体リザーバ112及び第2の流体リザーバ113へ移送されたガスの容積が推定され得る。加圧リザーバ1193から移送されたガスの容積は、第1の流体リザーバ112及び第2の流体リザーバ113に残っている流体ターゲット材料120の容積を推定するために用いられ得る。例えば、加圧リザーバ1193から移送されたガスの容積は、第1の流体リザーバ112及び/又は第2の流体リザーバ113における圧力降下の合計から、並びに(第1の流体リザーバ112及び/又は第2の流体リザーバ113における)測定された最終的な圧力から推定され得る。すると、第1の流体リザーバ112及び第2の流体リザーバ113に残っている流体ターゲット材料120の容積は、加圧リザーバ1193から移送されたガスの容積と第1の流体リザーバ112及び第2の流体リザーバ113を組み合わせた全容積との差として計算され得る。
【0128】
[0147] 記載される実施形態においては、第2の流体リザーバ113に印加されるガス圧力P113は第1の流体リザーバ112に印加されるガス圧力P112よりも低くてもよく、したがって第2の圧力P113は第1の圧力P112よりも小さい。
【0129】
[0148] また、第1の流体リザーバ112内の流体ターゲット材料120のヘッド圧力PH112は 流体ターゲット材料120の柱から第1の流体リザーバ112の底部に加えられる圧力であり、第2の流体リザーバ113内の流体ターゲット材料120のヘッド圧力PH113は流体ターゲット材料120の柱から第2の流体リザーバ113の底部に加えられる圧力である。オリフィス1195を開く前、(P112+PH112によって与えられる)第1の流体リザーバ112の全圧は、(P113+PH113によって与えられる)第2の流体リザーバ113の全圧に等しい。しかし、第1の流体リザーバ112のガス圧力P112は第2の流体リザーバ113のガス圧力P113よりも高いので、環境制御装置1136がオリフィス1195を開くと、第2の流体リザーバ113の流体ターゲット材料120の柱が第1の流体リザーバ112に流入する一方で、不活性ガスは第2の流体リザーバ113内に漏れ出す。
【0130】
[0149] 第1の流体リザーバ112と第2の流体リザーバ113とのガス圧力の差(つまり、P112-P113)が、流体ターゲット材料120が第2の流体リザーバ113から第1の流体リザーバ112へ特定の速さで流れることを可能にする。第2の流体リザーバ113から第1の流体リザーバ112への流体ターゲット材料120の流量は、加圧リザーバ1193から第1の流体リザーバ112に移送される不活性ガスの流量によって制御される(なぜならこれが第1の流体リザーバ112の内部のガスの圧力を制御するからである)。不活性ガスは、第2の流体リザーバ113内に移動するが、第2の流体リザーバ113内のガス圧力よりも依然として高い圧力にあり、この圧力の差は第2の流体リザーバ113に接続されたガス制御システムによって発散され、したがって第2の流体リザーバのガス圧力は維持され、流体ターゲット材料120はノズル供給システム140に送出され続けることができ、その一方で同時に、流体ターゲット材料120は第1の流体リザーバ112に供給され得る。このようにすれば、第2の流体リザーバ113から第1の流体リザーバ112への流体ターゲット材料120の流量が制御され得、ノズル供給システム140からのターゲットの流れ121の形成が流体ターゲット材料120の流れの上流の不安定性による悪影響を受けないことが保証される。
【0131】
[0150] 図12を参照すると、プライミングシステム104はプライミングシステム1204として設計されている。プライミングシステム1204は、(固体122を収容する)プライミングチャンバ1230によって定義される1つの容積及びプライミングタンク1214によって定義される1つの容積というたった2つの容積と、いくつかの実施形態においてはフリーズバルブであり得る単一の流れ遮断デバイス1261とを含む相変化真空パススルー(phase change vacuum pass through)として効果的に作用する。流れ遮断デバイス1261はプライミングチャンバ1230とプライミングタンク1214との間の流体輸送システム461として作用する。
【0132】
[0151] プライミングシステム1204は更に、環境制御装置1205を含み得る。いくつかの実施形態においては、環境制御装置1205は、流体ターゲット材料120がプライミングチャンバ1230からプライミングタンク1214へと押されるように、2つの容積間の相対圧力又は差圧を調節するように構成された圧力システム1205pを含む。他の実施形態においては、プライミングチャンバ1230はプライミングタンク1214の上方に配置され、重力が流体ターゲット材料120をプライミングチャンバ1230からプライミングタンク1214に落下させる。環境制御装置1205は、フリーズバルブ1261並びにプライミングチャンバ1230及びプライミングタンク1214の温度を調節するように構成された温度システム1205tも含む。
【0133】
[0152] プライミングシステム1204には、プライミングチャンバ1230とプライミングタンク1214との間に他の内部バルブがない。けれども、プライミングシステム1204は、(液体と固体との間での)相変化を用いて材料を真空環境内に移送する。この場合、流体ターゲット材料120はプライミングタンク1214の真空環境内に移送される。設計の単純さにもかかわらず、プライミングシステム1204は、流体ターゲット材料120を周囲空気に曝露することを回避するように構成されている。そのような曝露は望ましくない汚染物を流体ターゲット材料120内に潜在的に生成する。
【0134】
[0153] 図13Aから図13Dを参照して、手順が実施される。最初に、図13Aに示されるように、プライミングチャンバ1230の扉又は蓋1230Lが開かれ、固体122がプライミングチャンバ1230の容積内に挿入される。この時、環境制御装置1205の圧力システム1205pはプライミングタンク1214の圧力を(大気圧を下回る)真空レベルPに維持し、その一方でプライミングチャンバ1230の圧力は空気/大気Pに開かれる。また、温度システム1205t、プライミングチャンバ1230、及びフリーズバルブ1261は、固体122の融点を下回る温度である。
【0135】
[0154] 図13Bに示されるように、固体122がプライミングチャンバ1230の容積内に入ると、蓋1230Lは閉じられる。その後、圧力システム1205pは、ポンプ作用でプライミングチャンバ1230の容積を大気圧を下回るレベルP’にする。プライミングチャンバ1230の圧力P’はプライミングタンク1214の圧力Pよりも大きいレベルであってもよく、又は、プライミングチャンバ1230の圧力P’は(重力を用いて流量に影響を及ぼす場合には)プライミングタンク1214の圧力Pと同一であってもよい。
【0136】
[0155] 図13Cに示されるように、温度システム1205tはプライミングチャンバ1230内の固体122を、固体122を溶解させて流体ターゲット材料120を形成するのに十分な温度に加熱する。
【0137】
[0156] その後、図13Dに示されるように、温度システム1205tはフリーズバルブ1261を、フリーズバルブ1261内の固体が溶解して流体ターゲット材料120になるのに十分な温度に加熱する。必要であれば、温度システム1205tは更にプライミングタンク1214を加熱して、プライミングタンクが流体ターゲット材料120の流体状態を維持するのに十分な温度であることを保証してもよい。プライミングチャンバ1230内の圧力P’はプライミングタンク1214内の圧力Pよりも(重力及び表面張力などの競合する力に打ち勝つのに十分な量だけ)大きいので、流体ターゲット材料120はプライミングチャンバ1230から流出してプライミングタンク1214に流入する。代替的には、この流れは、プライミングチャンバ1230がプライミングタンク1214の上方に配置され、プライミングチャンバ1230の圧力がプライミングタンク1214の圧力に等しい場合には、重力によって起こり得る。
【0138】
[0157] 流体ターゲット材料120の全てがプライミングタンク1214に流入すると、温度システム1205tは流体ターゲット材料120の融点を下回る温度までフリーズバルブ1261を冷却し、フリーズバルブ1261内に残っている流体ターゲット材料120は固体化して流体(及び圧力)バリアを形成し、したがってプロセスは、図13Aに示されるように、もう一度始めから繰り返され得る。
【0139】
[0158] 他の実施形態は以下の特許請求の範囲内にある。例えば、図1を再び参照すると、いくつかの実施形態においては、プライミングシステム104のプライミングタンク114を、様々な状態の高い圧力で動作するように構成することが可能である。例えば、プライミングシステム104が十分な流体ターゲット材料120を生成した後、プライミングタンク114は、第2の流体リザーバ113に印加される高い圧力に対応する高い圧力で動作を開始してもよく、この高い圧力で動作している間、第2の流体リザーバ113とプライミングタンク114との間に流体流路が確立され得る。
【0140】
[0159] 本発明の他の態様は、以下の番号を付した条項に記載する。
1.ターゲット材料を供給するための装置であって、
ノズル供給システムの動作中にノズル供給システムと流体連通するように構成された第1の流体リザーバを備える第1のリザーバシステムであって、第1の流体リザーバは第1の圧力に維持される、第1のリザーバシステムと、
ノズル供給システムの動作中の少なくとも一部の時間、第1のリザーバシステムと流体連通するように構成された第2の流体リザーバを備える、第2のリザーバシステムと、
ターゲット材料を含む固体を収容するように、及び固体から流体ターゲット材料を生成するように構成されたプライミングシステムであって、第1の圧力よりも小さいプライミング圧力に維持される、プライミングシステムと、
プライミングシステムと、第1のリザーバシステムと、第2のリザーバシステムと、ノズル供給システムとに流体的に接続された流体制御システムであって、
ノズル供給システムの動作中に少なくとも1つの流体リザーバとノズル供給システムとをプライミングシステムから隔離するように、及び
ノズル供給システムの動作中に少なくとも1つの流体リザーバとノズル供給システムとの間の流体流路を維持するように構成された流体制御システムと、
を備える、装置。
2.プライミング圧力は約600キロパスカル(kPa)未満である、条項1の装置。
3.第1の圧力は、少なくとも6000kPa、少なくとも10,000kPA、少なくとも25,000kPA、又は約6000~60,000kPaの範囲内である、条項1の装置。
4.第2の流体リザーバがプライミングシステムからの流体ターゲット材料で再充填されている間、プライミングシステム及び第2の流体リザーバはプライミング圧力に維持され、プライミングシステムと第2の流体リザーバとは第2の流体リザーバが流体ターゲット材料で過充填されるのを防止するように互いに対して位置決めされている、条項1の装置。
5.流体制御システムは、第2の流体リザーバがプライミングシステムからの流体ターゲット材料で再充填されている間、ノズル供給システムの動作中に第1の流体リザーバとノズル供給システムとの間の流体流路を維持するように構成されている、条項1の装置。
6.流体制御システムは、第1の流体リザーバと、第2の流体リザーバと、プライミングシステムと、ノズル供給システムとの間に定義される各インターフェイスからターゲット流体材料を取り除くように構成されている、条項1の装置。
7.流体制御システムは、ノズル供給システムの動作中に第1の流体リザーバとノズル供給システムとの間及び第2の流体リザーバとノズル供給システムとの間の流体流路を維持すること、及びその一方でノズル供給システム及び第2の流体リザーバを第1の圧力に維持することによって、ノズル供給システムの動作中に少なくとも1つの流体リザーバとノズル供給システムとの間の流体流路を維持するように構成されている、条項1の装置。
8.流体制御システムは更に、ノズル供給システムの動作中に少なくとも1つの流体リザーバとノズル供給システムとの間の流体流路を維持するように構成されており、第1の流体リザーバと第2の流体リザーバとの間の流体流路を可能にする、条項7の装置。
9.第1の流体リザーバの第1の圧力と第2の流体リザーバの第2の圧力とを独立且つ別個に制御するように、及び
第1の流体リザーバの温度と第2の流体リザーバの温度とを独立且つ別個に制御するように
構成された環境制御装置を更に備える、条項1の装置。
10.環境制御装置は更に、第2の流体リザーバ内の流体ターゲット材料の測定された量に基づいて第2の流体リザーバの第2の圧力を調節又はリセットするように構成されている、条項9の装置。
11.環境制御装置は、不活性ガスを含有するように及び不活性ガスを加圧リザーバからオリフィスを通じて第1の流体リザーバと第2の流体リザーバとのうち1つ以上に移送するように構成された加圧リザーバを含む、条項9の装置。
12.流体制御システムは、第1の流体リザーバと第2の流体リザーバとの間のリザーバ流体制御バルブと、第2の流体リザーバとプライミングシステムとの間の再充填流体制御バルブとを含み、流体制御システムはリザーバ流体制御バルブと再充填流体制御バルブとを独立に制御するように構成されている、条項1の装置。
13.リザーバ流体制御バルブはフリーズバルブを含み、再充填流体制御バルブはフリーズバルブを含む、条項12の装置。
14.流体制御システムは更に、ノズル供給システムの動作中に第1の流体リザーバと第2の流体リザーバとの間の流体流路を維持するように構成されている、条項1の装置。
15.第2の流体リザーバは更に、ノズル供給システムの動作中の少なくとも一部の時間、ノズル供給システムと流体連通するように構成されている、条項1の装置。
16.プライミングシステムは、
第1のチャンバであって、第1のチャンバによって定義される第1の容積内に固体が収容され得るように、開くように構成されたドアを含む第1のチャンバと、
第2の容積を定義すると共に流体制御システムと流体連通する第2のチャンバと、
第1のチャンバと第2のチャンバとの間の、通常であれば妨げるもののない流体経路に形成された、流れ遮断デバイスと、
を備える、条項1の装置。
17.流れ遮断デバイスは、固体の融点を下回る温度に維持されるときに流体流路が固体によって遮断されるフリーズバルブである、条項16の装置。
18.第1の流体リザーバと、第2の流体リザーバと、プライミングシステムとのうち1つ以上における流体ターゲット材料の容積及び/又はプライミングシステム内の固体の存在を推定するように構成されたセンシングシステムを更に備える、条項1の装置。
19.センシングシステムと通信する制御システムを更に備え、制御システムは、高圧力トランスデューサからの出力に基づいて、第2の流体リザーバにおける流体ターゲット材料の消費率を判定するように構成されており、消費率はある期間毎に用いられる流体ターゲット材料の量である、条項18の装置。
20.ターゲット材料を途切れなく連続的に供給するための方法であって、
ターゲット材料を含む固体をプライミング圧力に維持されたプライミングシステムに収容して固体から流体ターゲット材料を生成することと、
第1の流体リザーバをプライミング圧力よりも大きい第1の圧力に維持している間、ノズル供給システムの動作中に第1の流体リザーバとノズル供給システムとの間の流体連通を維持することと、
ノズル供給システムの動作中の少なくとも一部の時間、流体ターゲット材料がプライミング圧力のプライミングシステムにおいて生成されている間に、第1の圧力の第1の流体リザーバと第2の流体リザーバとの間で流体ターゲット材料の移送を可能にすることと、
を備える、方法。
21.流体ターゲット材料がプライミングシステムと第2の流体リザーバとの間で移送可能とされている間、第1の流体リザーバの第1の圧力を維持することを更に備える、条項20の方法。
22.流体ターゲット材料を、
第1の流体リザーバからノズル供給システムへ、
第2の流体リザーバからノズル供給システムへ、又は
第1の流体リザーバ及び第2の流体リザーバから同時にノズル供給システムへ
流すことによって、ノズル供給システムの動作全体にわたる流体ターゲット材料のノズル供給システムへの移送を可能にすることを更に備える、条項20の方法。
23.ノズル供給システムの動作中の少なくともいくらかの時間、流体ターゲット材料が第2の流体リザーバ及び/又は第1の流体リザーバに移送されるのを防止することを更に備える、条項20の方法。
24.プライミングシステムがプライミング圧力であるときにのみ、ターゲット材料を含む固体をプライミングシステムに再投入することを更に備え、ターゲット材料を含む固体をプライミングシステムに再投入することは、ノズル供給システムが第1の圧力である間に起こる、条項20の方法。
25.第1の流体リザーバの第1の圧力を維持している間に第2の流体リザーバをプライミングシステムからの流体ターゲット材料で再充填すること、及びプライミングシステムから第2の流体リザーバ内に十分な流体ターゲット材料が移送された後でプライミングシステムから第2の流体リザーバを流体的に分離することを更に備える、条項20の方法。
26.第2の流体リザーバがプライミングシステムからの流体ターゲット材料で再充填されている間、プライミングシステム及び第2の流体リザーバをプライミング圧力に維持すること、及び第2の流体リザーバが流体ターゲット材料で過充填されるのを防止することを更に備える、条項25の方法。
27.ノズル供給システムの動作を停止すること及び第1の流体リザーバとノズル供給システムとの間の流体連通を停止することの前に、第1の流体リザーバと、第2の流体リザーバと、プライミングシステムと、ノズル供給システムとの間に定義される各インターフェイスからターゲット流体材料を取り除くことを更に備える、条項20の方法。
28.プライミングシステム内のターゲット材料の固体を溶解してターゲット流体材料にすることを更に備える、条項20の方法。
29.ノズル供給システムの動作は流体ターゲット材料の液滴を極端紫外線(EUV)光源に送出することを含み、液滴はそこでEUV光を放出するプラズマを創出するために放射で照射されるように構成されている、条項20の方法。
30.ターゲット材料を含む固体をプライミング圧力に維持されたプライミングシステムに収容して固体から流体ターゲット材料を生成することと、
第1の流体リザーバをプライミング圧力よりも大きい第1の圧力に維持している間、ノズル供給システムの動作中に第1の流体リザーバとノズル供給システムとの間の流体連通を維持することと、
第1の流体リザーバ及びノズル供給システムをプライミングシステムから流体的に隔離している間、プライミングシステムと第2の流体リザーバとの間で流体ターゲット材料の移送を可能にすることと、
を備える、方法。
31.ノズル供給システムの動作は流体ターゲット材料の液滴を極端紫外線(EUV)光源に送出することを含み、液滴はそこでEUV光を放出するプラズマを創出するために放射で照射されるように構成されている、条項30の方法。
32.流体ターゲット材料がプライミングシステムと第2の流体リザーバとの間で移送可能とされている間、第1の流体リザーバの第1の圧力を維持することを更に備える、条項30の方法。
33.第1の流体リザーバと、第2の流体リザーバと、ノズル供給システムとをプライミングシステムから流体的に隔離している間、第2の流体リザーバと第1の流体リザーバとの間で流体ターゲット材料の移送を可能にすることを更に備える、条項30の方法。
34.流体ターゲット材料を、
第1の流体リザーバからノズル供給システムへ、
第2の流体リザーバからノズル供給システムへ、又は
第1の流体リザーバ及び第2の流体リザーバから同時にノズル供給システムへ
流すことによって、ノズル供給システムの動作全体にわたる流体ターゲット材料のノズル供給システムへの移送を可能にすることを更に備える、条項30の方法。
35.ノズル供給システムの動作中の少なくともいくらかの時間、流体ターゲット材料が第2の流体リザーバ及び/又は第1の流体リザーバに移送されるのを防止することを更に備える、条項30の方法。
36.プライミングシステムがプライミング圧力であるときにのみ、ターゲット材料を含む固体をプライミングシステムに再投入することを更に備え、ターゲット材料を含む固体をプライミングシステムに再投入することは、ノズル供給システムが第1の圧力である間に起こる、条項30の方法。
37.第1の流体リザーバの第1の圧力を維持している間、第2の流体リザーバをプライミングシステムからの流体ターゲット材料で再充填することを更に備える、条項30の方法。
38.第2の流体リザーバがプライミングシステムからの流体ターゲット材料で再充填されている間、プライミングシステム及び第2の流体リザーバをプライミング圧力に維持すること、及び第2の流体リザーバが流体ターゲット材料で過充填されるのを防止することを更に備える、条項37の方法。
39.プライミングシステムから第2の流体リザーバ内に十分な流体ターゲット材料が移送された後でプライミングシステムから第2の流体リザーバを流体的に分離することを更に備える、条項30の方法。
40.プライミングシステム内のターゲット材料の固体を溶解してターゲット流体材料にすることを更に備える、条項30の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図13D