(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-13
(45)【発行日】2024-06-21
(54)【発明の名称】光学装置を調整するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20240614BHJP
G03F 9/00 20060101ALI20240614BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F9/00 H
(21)【出願番号】P 2023501120
(86)(22)【出願日】2021-05-31
(86)【国際出願番号】 EP2021064483
(87)【国際公開番号】W WO2022008137
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-03-01
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100134256
【氏名又は名称】青木 武司
(72)【発明者】
【氏名】ヴォズニー、オレグ、ヴィアチェスラヴォヴィッチ
(72)【発明者】
【氏名】モエスト、ベアラッチ
【審査官】後藤 大思
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-071103(JP,A)
【文献】特開2002-014005(JP,A)
【文献】特開2004-266208(JP,A)
【文献】特開2011-166013(JP,A)
【文献】特開平03-068185(JP,A)
【文献】特開平11-238680(JP,A)
【文献】特開2007-142238(JP,A)
【文献】特開2012-134290(JP,A)
【文献】特開2019-152752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20
G03F 9/00
H01L 21/027
G03B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学システムを調整するためのプレ露光部であって、当該プレ露光部はステージシステムの表面に放射受光領域を有し、前記放射受光領域は放射を受光するように構成された少なくとも1つのプレ露光プレートを備える、プレ露光部と、
コントローラであって、当該コントローラは、前記プレ露光部の光学パラメータを制御することができ、これにより、前記プレ露光部によって反射される受光放射の一部を制御する、コントローラと、
を備えるステージシステム。
【請求項2】
前記プレ露光部は、少なくとも部分的に反射する光学部材をさらに備え、前記コントローラは、前記少なくとも部分的に反射する光学部材の反射率を制御することによって、前記プレ露光部の光学特性を制御するように構成される、請求項1に記載のステージシステム。
【請求項3】
前記少なくとも部分的に反射する光学部材の反射率は、前記少なくとも部分的に反射する光学部材の中心軸上の点の周りで前記少なくとも部分的に反射する光学部材を回転させることによって制御される、請求項2に記載のステージシステム。
【請求項4】
前記少なくとも部分的に反射する光学部材は、電気信号によって反射状態と透過状態との間で変化することができる電気調整可能な光学素子である、請求項2に記載のステージシステム。
【請求項5】
前記プレ露光部がパージ流体でパージされる、請求項1から4のいずれかに記載のステージシステム。
【請求項6】
前記プレ露光部は、受光放射の尺度である放射強度を測定するための1つまたは複数の検出器を備える、請求項1から5のいずれかに記載のステージシステム。
【請求項7】
複数の前記プレ露光プレートを備え、各プレ露光プレートは互いに異なる反射率を有し、前記プレ露光部の前記光学パラメータは、前記複数のプレ露光プレートの中から1つを選択することによって制御される、請求項1に記載のステージシステム。
【請求項8】
少なくとも1つの前記プレ露光プレートは、電気信号によって反射状態と透過状態との間で変化することができる電気調整可能な光学素子である、請求項7に記載のステージシステム。
【請求項9】
前記プレ露光部が冷却ラインを備える、請求項1、7または8に記載のステージシステム。
【請求項10】
前記ステージシステムの表面と前記プレ露光部との間のギャップを埋めるためにシーリング部材が設けられる、請求項1から9のいずれかに記載のステージシステム。
【請求項11】
前記プレ露光部の表面の少なくとも一部は、コーティング層を含む、請求項1から10のいずれかに記載のステージシステム。
【請求項12】
光学システムを調整する方法であって、
1つまたは複数の基板を露光するために、前記光学システムの露光パラメータを定義することと、
定義された前記露光パラメータに従って前記光学システムを初期化し、これにより少なくともプレ露光部の光学パラメータを制御および設定することと、
前記プレ露光部を放射で露光
し、少なくとも前記プレ露光部から反射された放射を使用して、前記光学システムを調整することと、
前記光学システムが調整された状態であるとき、放射による前記プレ露光部の露光を停止することと、
を備える方法。
【請求項13】
前記プレ露光部の光学パラメータを設定することは、前記プレ露光部を定義された反射率状態に調整することである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
基板を基板ホルダにロードすることと、
アライメントセンサを使用して、前記基板での少なくともフィーチャの位置を測定することと、
高さセンサを使用して前記基板の高さを測定することと、
位置測定、高さ測定、およびプレ露光部の露光のうちの少なくとも1つが終了したことを示す信号をコントローラで受信することと、
をさらに備える、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法を適用することを含む基板露光方法であって、定義された前記露光パラメータに従って前記基板を放射で露光することをさらに含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]
本出願は、2020年7 月10日に出願された欧州出願第20185138.3号の優先権を主張する。これらは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本発明は、リソグラフィに関し、より詳細には、光学装置を調整するためのシステムおよび方法に関し、特に、イメージング性能、例えばオーバーレイおよび/またはフォーカスを改善するためのリソグラフィ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
リソグラフィ装置は、基板上に所望のパターンを付与するように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用することができる。リソグラフィ装置は、例えば、パターニングデバイス(例えば、マスク)のパターン(「設計レイアウト」または「設計」とも呼ばれる)を、投影システムによって、基板(例えばウェハ)上に設けられた放射感応性材料(レジスト)の層に投影することができる。
【0004】
リソグラフィ装置では、リソグラフィ装置内での放射による基板露光の結果、リソグラフィ装置のパターニングデバイス、投影システム、および照明システムを含む光路が露光放射によって加熱される。 すなわち、投影システムが受けた放射線量は、投影システムの加熱とその後の冷却を引き起こす。これにより、投影システムは、投影された画像にいくらかの収差を誘発し、それによってリソグラフィプロセスの結像性能、例えばオーバーレイおよび/またはフォーカスに悪影響を与える。
【0005】
半導体製造プロセスが進歩し続けるにつれて、回路素子の寸法は継続的に縮小されてきたが、デバイスあたりのトランジスタなどの機能素子の量は、一般に「ムーアの法則」と呼ばれるトレンドに従って、数十年にわたって着実に増加している。ムーアの法則に遅れずについていくために、半導体業界はますます微細化するフィーチャの作成を可能にする技術を追い求めている。フィーチャが小さいほど、投影された画像の収差を克服する必要性が高くなる。
【0006】
数学モデルを使用することによって、加熱効果を前もって計算できることが知られている。これらのモデルは、加熱効果によって引き起こされる投影画像の (予想される) 収差を判断するのに役立つ。予想される収差の知識があれば、補償収差を導入することによって補正を適用することができる。これらの対策は、投影システムに配置された調整可能なレンズ素子によって提供され得る。これにより、レチクルおよびレンズの加熱の影響を少なくとも軽減することができる。
【0007】
リソグラフィ装置の結像性能に対する要求が高まるにつれて、モデルの複雑さが増している。レチクルとレンズの加熱の影響を効果的に補正しようとすると、モデルの複雑さが増し、オーバーフィッティング、数値的労力の増加、および/またはフィッティングの誤りが発生する可能性がある。補正は、先行する測定結果、例えば収差測定結果、および光学モデル結果に基づくことができる。しかし、ウェハロット露光の開始時には、リソグラフィ装置は比較的低温であり、補正が不十分および/または不正確である可能性がある。これにより、オーバーレイが劣化する可能性があり、結果として、ダイの歩留り数が減少する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、光システム、たとえばリソグラフィ装置などの光学システム内の光路を調整するためのシステム、装置、方法、およびコンピュータプログラム製品のさまざまな態様を提供することであり、これにより、従来技術に関連する問題が回避または軽減される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、光学システムを調整するためのプレ露光部を備えるシステム(例えば、ステージシステム)に関する。プレ露光部は、ステージシステムの表面に放射受光領域を含み、放射受光領域は、放射を受光するように構成された少なくとも1つのプレ露光プレートを備える。ステージシステムはコントローラをさらに備え、コントローラはプレ露光部の光学パラメータを制御することができ、これにより、プレ露光部によって反射される受光放射の一部を制御する。プレ露光部は、放射を1つまたは複数の光学素子に向かって、特に半導体基板の露光に使用される投影システムに向かって反射するように構成および配置することができる。プレ露光部による反射放射線の量の制御は、光学システムに配置された(熱的)調整光学素子の改善された制御を可能にする。
【0010】
本発明のシステムは、リソグラフィ装置に配置されたステージシステムなどの光学システムの一部であってもよい。
【0011】
ステージシステムに配置されたプレ露光部は、少なくとも部分的に反射する光学部材をさらに備えることができ、コントローラは、少なくとも部分的に反射する光学部材の反射率を制御することによってプレ露光部の光学特性を制御するように構成することができる。少なくとも部分的に反射する光学部材の反射率は、少なくとも部分的に反射する光学部材の配置によって、例えば、光学部材に傾斜または回転を与えることによってさらに制御することができ、これにより、光学部材の実効反射率を変化させる。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、プレ露光部の光学パラメータは、電気信号によって反射状態と透過状態との間で変化することができる電気調整可能な光学素子によって制御および調整される。
【0013】
本発明の一実施形態では、プレ露光部は、放射強度を測定するための1つまたは複数の検出器を備える。測定された放射強度は、プレ露光部によって受け取られた放射の尺度であり得る。測定結果は、プレ露光部の光学パラメータを調整するため、および/またはプレ露光シーケンスを制御するために使用することができる。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、プレ露光部は複数のプレ露光プレートを含み、各プレ露光プレートは互いに異なる反射率を有し、プレ露光部の光学パラメータは、複数のプレ露光プレートから1つを選択することによって制御される。
【0015】
本発明は、プレ露光部を使用することによって光学システムを調整する方法にも関する。この方法は、1つまたは複数の基板を露光するために、光学システムの露光パラメータを定義することと、定義された露光パラメータに従って光学システムを初期化し、これにより少なくともプレ露光部の光学パラメータを制御および設定することと、光学システムを調整するために、少なくともプレ露光部から反射された放射を使用して、プレ露光部を放射で露光することと、光学システムが調整された状態であるとき、放射によるプレ露光部の露光を停止することと、を備える。
【0016】
この方法は、基板を基板ホルダにロードすることと、アライメントセンサを使用して、基板での少なくともフィーチャの位置を測定することと、高さセンサを使用して基板の高さを測定することと、位置測定、高さ測定、およびプレ露光部の露光のうちの少なくとも1つが終了したことを示す信号をコントローラで受信することと、をさらに備えてもよい。
【0017】
本発明のさらなる実施形態、特徴および利点、ならびに本発明の様々な実施形態の構造および動作、特徴および利点を、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施形態は、添付の概略図を参照して、例としてのみ説明される。
【
図2】本開示のいくつかの態様による光学システムの概略図である。
【
図3】露光シーケンス中の時間の関数としてのパラメータ変化を表示すグラフを示す図である。
【
図4A】本開示のいくつかの態様によるプレ露光部の概略図である。
【
図4B】本開示のいくつかの態様によるプレ露光部の概略図である。
【
図5】本開示のいくつかの態様によるプレ露光部の概略図である。
【
図6】本開示のいくつかの態様またはその一部によるプレ露光シーケンスの方法のフローチャートである。
【
図7】本開示のいくつかの態様またはその一部による露光シーケンスのための方法のフローチャートである。
【0019】
図面に示される特徴は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、描かれたサイズおよび/または配置は限定するものではない。これらの図は、本発明にとって必須ではないオプションの特徴を含んでいることを理解されたい。さらに、システムのすべての特徴が各図に示されているわけではなく、図は、特定の特徴の説明に関連するコンポーネントの一部のみを示している場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、リソグラフィ装置LAを概略的に示す。このリソグラフィ装置LAは、放射ビームB(例えばUV放射、DUV放射またはEUV放射)を調整するよう構成される照明システム(イルミネータとも呼ばれる)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するよう構築され、特定のパラメータにしたがってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするよう構成される第1位置決め装置PMに接続されるマスクサポート(例えばマスクテーブル)MTと;基板(例えばレジストコートされたウェハ)Wを保持するよう構築され、特定のパラメータにしたがって基板サポートを正確に位置決めするよう構成される第2位置決め装置PWに接続される基板サポート(例えばウェハテーブル)WTと;パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば一以上のダイを含む)目標部分Cに投影するよう構成される投影システム(例えば屈折型投影レンズシステム)PSと、を含む。
【0021】
動作中、照明システムILは、例えばビームデリバリシステムBDを介して、放射源SOからビームを受け取る。照明システムILは、放射を方向付け、放射を成形し、および/または放射を制御するための屈折型、反射型、電磁気型、および/または他の形式の光学素子といった各種光学素子またはこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。イルミネータILは、パターニングデバイスMAの平面におけるその断面において所望の空間および角度強度分布を有するように放射ビームBを調整するために使用されてもよい。
【0022】
本明細書において使用する「投影システム」PSという用語は、使用する露光放射、および/または液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、アナモルフィック光学システム、および/または電磁光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」PSという用語と同義と見なすことができる。
【0023】
リソグラフィ装置LAは、投影システムPSと基板Wの間の隙間を埋めるように、基板の少なくとも一部が比較的高屈折率を有する液体(例えば水)により覆われる形式の装置であってよい。これは、液浸リソグラフィとも呼ばれる。液浸技術の詳細については、米国特許第6952253号に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0024】
リソグラフィ装置LAはまた、2つ以上の基板サポートWT(「デュアルステージ」とも呼ばれる)を有するタイプのものであり得る。そのような「多段」機械では、基板サポートWTを並行して使用することができ、および/または基板Wのその後の露光の準備におけるステップを、基板サポートWTの1つに位置する基板W上で実行することができる。他の基板サポートWT上の基板Wは、他の基板W上のパターンを露光するために使用されている。
【0025】
基板サポートWTに加えて、リソグラフィ装置LAは、測定ステージを含み得る。測定ステージは、センサを保持するように配置されている。センサは、投影システムPSの特性または放射ビームBの特性を測定するように配置することができる。測定ステージは、複数のセンサを保持することができる。基板サポートWTが投影システムPSから離れているとき、測定ステージは投影システムPSの下に移動することができる。
【0026】
動作中、放射ビームBは、マスクサポートMTに保持されるパターニングデバイス、例えばマスクMAに入射し、パターニングデバイスMA上に存在するパターン(デザインレイアウト)によりパターン化される。マスクMAの通過後、放射ビームBはビームを基板Wの目標部分Cまたはステージに配置されたセンサに合焦させる投影システムPSを通過する。第2位置決め装置PWおよび位置測定システムPMSの助けを借りて、放射ビームBの経路内の異なる目標部分Cを集束されアライメントされた位置に位置するように基板サポートWTを正確に移動できる。同様に、第1位置決め装置PMおよび場合により別の位置センサ(
図1には明示されていない)は、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めするために用いることができる。パターニングデバイスMAおよび基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2および基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示の基板アライメントマークP1、P2は専用の目標部分を占めるが、それらは目標部分の間のスペースに配置されてもよい。基板アライメントマークP1、P2は、これらが目標部分Cの間に配置されるとき、スクライブレーンアライメントマークとして知られている。基板アライメントマークP1、P2は、インダイ(in-die)マークとしてターゲット部分C領域に配置されてもよい。これらのインダイマークは、たとえばオーバーレイ測定用の計測マークとしても使用されてもよい。
【0027】
本発明を明確にするために、直交座標系が使用される。直交座標系には、X軸、Y軸、Z軸の 3つの軸がある。3つの軸のそれぞれは、他の2つの軸に直交している。X軸周りの回転は、Rx回転と呼ばれる。Y軸周りの回転はRy回転と呼ばれる。Z軸周りの回転は、Rz回転と呼ばれる。X軸とY軸は水平面を定義するが、Z軸は垂直方向である。直交座標系は本発明を限定するものではなく、説明のためにのみ使用される。代わりに、円筒座標系などの別の座標系を使用して、本発明を明確にすることができる。直交座標系の向きは、例えば、Z軸が水平面に沿った成分を有するように、異なっていてもよい。
【0028】
図2は、ステージシステム130を含む光学システム100の本開示の一態様を示す。光学システム100は、
図1に示されるものと同様のリソグラフィ装置LAであってもよい。ステージシステム130は、例えば、基板W、132を支持するように配置された基板サポートWTとすることができる。照明システム102は、放射104が例えばマスクサポートMTなどのサポート110によって支持され得るパターニングデバイス112と相互作用するように、放射104を提供するよう配置され得る。パターニングデバイス112と相互作用した後、パターン化された放射106は、パターン化された放射106をステージシステム130(図では下流に示す)に向かって案内するように配置された投影システム120によって捕捉され得る。投影システム120は、パターン化された放射106を、例えばウェハなどの半導体基板132上、またはプレ露光部134上に焦点合わせするように構成することができる。パターン化された放射106がプレ露光部134と相互作用する状況では、放射の一部が投影システム120に向かって反射し、そこでプレ露光部134に面する投影システム120のレンズ素子によって受け取られることがあり、反射放射108は、投影システム120によってパターニングデバイス112に向かって(上流に)導かれる。これにより、投影システム120は、下流に向かう放射(すなわち、パターン化された放射106)および上流に向かう放射(すなわち、反射された放射108)を受け、それらと相互作用し得る。
【0029】
例えばリソグラフィ装置などの光学システム100は、照明制御信号142によって照明システム102を制御するように構成されたコントローラ140を備えることができる。これにより、照明システム102によって提供され得る放射104の特性およ特徴を制御する。放射104の制御された特性は、強度、偏光、波長、照明プロファイル、パルスシーケンス、パルス持続時間などを含むことができる。
【0030】
照明制御信号142を介して、照明システム102の情報もコントローラ140によって受信され得る。したがって、照明制御信号142は、照明システム102からコントローラ140に情報を提供するとともに、コントローラ140から照明システム102に制御信号を提供する信号であり得る。
【0031】
コントローラ140(または制御ユニット)はまた、例えばパターニングデバイス112の位置を制御するため、および/または、例えば、投影システム120に配置された個々の光学素子(例えば個々のレンズおよび/またはミラー)の位置および向きを制御するために、投影制御信号144を提供するように構成されてもよい。 投影制御信号144はまた、投影システム120内に配置された1つ以上の光学素子の形状を、例えば、1つ以上の光学素子を変形させることによって変更するために、または、例えば1以上の光学素子の屈折率を変更することによって、1つ以上の光学素子の光学特性を変更するために、適切にすることができる。投影制御信号144を介して、投影システム120の情報もコントローラ140によって受信され得る。したがって、投影制御信号144は、投影システム120からコントローラ140に情報を提供し、コントローラ140から投影システム120に制御信号を提供する信号であり得る。
【0032】
さらに、コントローラ140は、ステージシステム130の位置および/または向きを制御するステージ制御信号146を提供することができる。ステージ制御信号146によって、ステージシステム130は、例えば、パターン化された放射106によって(例えば、露光シーケンスの間)基板132を露光するために、基板132が投影システム120の下に配置されるように配置され得る。ステージ制御信号146はまた、プレ露光部134が投影システム120の下に配置され、これにより投影システム120からパターン化された放射106を受け取るように配置されるように、ステージシステム130の移動を開始することができる。コントローラ140からの信号は、例えばプレ露光部134の光学特性を制御するために、プレ露光部134の特性を制御するための信号を含むことができる。
【0033】
ステージ制御信号146を介して、ステージシステム130の情報もコントローラ140によって受信され得る。ステージシステム130からコントローラ140によって受信された信号は、プレ露光部134からの信号および情報を含み得る。したがって、ステージ制御信号146は、ステージシステム130からコントローラ140に情報を提供し、コントローラ140からステージシステム130に制御信号を提供する信号であり得る。
【0034】
リソグラフィ露光装置を使用する露光シーケンスは、典型的には、基板(ウエハ)のローディングのステップ、基板測定(例えば、ウエハ位置合わせ、高さ測定、計測)のステップ、パターニングデバイスの位置合わせ(例えば、レチクル位置合わせ)のステップ、 基板の露光のステップ、および基板のアンロードのステップを備える。パターニングデバイスの位置合わせは、基板の露光前に実行され、通常、このステップは、パターニングデバイスを装置内で露光される基板と位置合わせするために使用される。各基板露光ステップ中、基板、パターニングデバイス、投影システム、および照明システムは、基板の露光に使用される放射によって加熱される。結果として生じる加熱効果は、リソグラフィ装置のオーバーレイ性能に悪影響を及ぼす可能性がある。測定およびアライメントパラメータに基づいて、熱誘起効果(heat induced effect)を補償または補正するために、照明システム、パターニングデバイス、投影システム、および/またはステージシステムに補正を適用できる。これらの補正は、上記の通り、コントローラ140によって提供される制御信号142、144、146を介して適用することができる。パターニングデバイス112の位置合わせは、基板132(例えば、ウェハロット内のウェハ)の露光前に測定および実行されるので、実際の基板露光中に蓄積された熱誘起効果は測定されず、補正されない。
【0035】
加熱効果に関する較正は、例えばパターニングデバイス112および投影システム120の設定に対する補正を提供するために、数学的モデルによって考慮されてもよい。これらの補正は、通常、投影システムおよびパターニングデバイスの初期温度によって支配される。さらに、パターニングデバイスの光学パラメータ、例えば、パターニングデバイスの反射率および/または透過率、ならびに基板から反射して戻る露光放射の量が、パターニングデバイスおよび投影システムが受ける熱負荷を決定する。投影システムの初期温度はリソグラフィ装置の動作中に変化する可能性があり、異なる光学特性を持つさまざまなパターニング デバイスが使用される可能性があるため、数学モデルによって示唆される補正は不正確になる可能性がある。装置の加熱キャリブレーションと対応する数学モデルを改善するには、パターニングデバイスと基板 (または基板バリアント(substrate variant)) の組み合わせごとに加熱キャリブレーションを実行する必要がある。これは、例えばウェハのスループットに影響を与えるなどの、リソグラフィ装置の利用可能性に影響を与えるだけでなく、継続的に進歩する製造プロセスには適していない。
【0036】
図3は、例えば露光放射Bによる一連の基板Wの露光中の投影システムPSなどの、放射との相互作用中の光学システム100の典型的な過渡挙動を示す。グラフのy軸上に表示されるパラメータは、光学システム100内に配置された光学素子(例えば、反射または屈折素子)(例えば、
図1,2に示される投影システムPS、120内の光学素子要素)の温度、または光学システム100の1つ以上の光学素子の平均温度、パターニングデバイス(例えば、
図1、2によって示されるパターニングデバイスMA、112)の温度、またはパターニングデバイスMA、112の平均温度、またはパターニングデバイスMA、112と投影システムPS、120内の1つ以上の光学素子の両方の組み合わせを表し得る。パラメータはまた、投影システムPS、120および/またはパターニングデバイスMA、112の光学特性、例えば光学収差の尺度を表し得る。光学収差は、ゼルニケ多項式で表し得る。
【0037】
放射による基板W、132の露光中、光学システムのパラメータ(例えば、投影システムPS、120および/またはパターニングデバイスMA、112の温度)は、提供された放射の影響下で変化し得る。例えば、投影システムPS、120の平均温度は、レンズ加熱として知られる放射の影響下で上昇し得る。レチクル加熱として知られている同様の加熱効果が、パターニングデバイスMA、112で発生し得る。露光後、したがって放射が存在しない(または非露光)と、光学システムのパラメータ(例えば、投影システムPS、120および/またはパターニングデバイスMA、112の温度)は、(少なくとも部分的に)元の値に戻り得る。例えば、投影システムPS、120の温度が低下し、これはレンズ冷却として知られている。同様の冷却効果が、パターニングデバイスMA、112で発生する可能性があり、これはレチクル冷却として知られている。一連の露光と非露光動作の繰り返しにより、鋸歯状の過渡的挙動が観察され得る。鋸歯状曲線の増加部分は、露光放射の影響下でのシステムの少なくとも一部の温度上昇(例えば、レチクルおよび/またはレンズの加熱)を表し、鋸歯状曲線の減少部分は、システムの少なくとも一部の温度低下(レチクルやレンズの冷却など)を表し得る。露光シーケンス中の各基板露光の前に、光学システムのパラメータ(例えば、投影システムPS、120および/またはパターニングデバイスMA、112の温度)は、第1のパラメータ曲線P0によって表し得る。一方、露光シーケンス中の各基板露光後の光学システムのパラメータは、第2のパラメータ曲線P1によって表し得る。第1のパラメータ曲線P0および第2のパラメータ曲線P1上のデータ点は、光学システム100に配置された素子の初期温度および最終温度をそれぞれ表し得る。
図3のグラフによって示されるように、パラメータ(例えば、温度または特定の収差項)は、複数回の露光の後、飽和レベルに近づく。このような飽和レベルでは、放射の影響下でのパラメータの変化は、露光シーケンスの開始時のパラメータの変化よりもはるかに少なくなる。数学的モデルは、この飽和状態または条件付けられた状態ではるかに正確である。これは、数学的モデルに基づく補正動作が、放射誘導効果を補正または補償するのにより効率的であることを意味する。飽和レベルに到達するために必要な露光回数は、実際の露光パラメータ、たとえば、パルスあたりの放射フルエンス、パルス数、デューティサイクル、照明プロファイルなどによって決まる。
【0038】
例えば熱誘起収差などのリソグラフィ装置の性能に対する加熱効果の低減は、リソグラフィ装置の熱安定化によって得ることができる。この目的のために製品基板(例えば、ロットのウェハ)を犠牲にしないために、非製品ウェハでのダミー露光が使用されてもよい。非製品ウェハを使用するプレ露光サイクルによって、リソグラフィ装置の安定化を得ることができる。しかし、これらの非製品ウェハは、集積回路の製造に使用される製品ウェハを表していない場合がある。すなわち、(製品)ウェハに設けられ、放射と相互作用する際にウェハの光学応答に影響を与える材料層(または層スタック)は、非製品ウェハ上に設けられる材料とは異なる場合がある。したがって、それらの光学応答は異なり得る。すなわち、ウェハによって反射(および吸収)される放射の量は、材料層(スタック)の光学特性に依存する。これにより、光学システムが受ける放射の量は、放射とウェハとの相互作用に依存する。したがって、ウェハ(または材料スタック)の光学特性の変化は、ウェハによって反射され、次に光学システムによって受け取られ、経験される放射の特性を変化させる。
【0039】
前述のように、ステージシステム130はコントローラ140によって制御することができ、それによって基板132またはプレ露光部134を投影システム120の下に配置することができる。パターン化された放射106は、投影システム120によって誘導されて、プレ露光部134で投影され得る。パターン化された放射106の一部は、プレ露光部134との相互作用の後、投影システム120に向かって反射して戻り得、反射した放射108は、投影システム120によって受け取られ、パターニングデバイス112に向かって上流に導かれ得る。
【0040】
製造シーケンスでシステムを使用する前に、リソグラフィ装置に配置された投影システム120などの光学システムを熱的に安定させるために、プレ露光部134を使用することができる。プレ露光部134の目的は、(非)製品基板を使用せずに、投影システム120を調整するために、例えば、熱安定化または光学収差に関する安定化のために、プレ露光シーケンス中に放射の少なくとも一部を投影システム120に向けて反射することである。後ろに反射された放射は、異なる光学特性、例えば材料層を有する基板が使用される場合に、リソグラフィ装置の通常の動作中と同様の条件下で投影システム120(およびパターニングデバイス112)を熱運動化(thermalize)し、それによって調整するために使用される。
【0041】
図4Aおよび4Bは、
図2に示すように、ステージシステム130に配置されたプレ露光部134として使用できるプレ露光部234の2つの実施形態の断面図を示す。プレ露光部234は、ステージシステム230(
図2の130)の上面231のポケットに配置し得る。プレ露光部234は、ステージシステムの表面に放射受光領域を含み、放射受光領域は、放射(照射光)を受光するための補助プレート250を備える。補助プレート250は、ステージシステム230のステージ表面231と実質的に同じ高さのプレート表面251を有する。放射206(
図2に示されるようなパターン化された放射106)は、プレート表面251において、放射受光領域によって(または補助プレート250によって)受光される。受光された放射206の少なくとも一部は、第1の光学部材252に向かって伝播する。第1の光学部材252は、受光された放射206を導くおよび/または成形するコリメート光学素子として配置された屈折レンズまたは反射素子(例えばミラー)であってもよい。プレ露光部234は、第1の光学部材252と相互作用した放射と相互作用するように配置された少なくとも部分的に透過性の反射素子として構成された第2の光学部材254をさらに備えてもよい。受光された放射206と第2の光学部材254との相互作用によって、受光された放射206の少なくとも第1の部分が第2の光学部材254を通過し、第2の部分が第2の光学部材254により反射され得る。放射の第1の部分は、
図4Aに示すように反射部材256上に、または
図4Bに示すように吸収部材258上に投射され得る。放射の第2の部分は、
図4Aに示すように吸収部材258に向かって、または
図4Bに示すように反射部材256に向かって反射され得る。
【0042】
反射部材256は、衝突する放射を第2の光学部材254上に再帰反射するように構成された高反射ミラーである。再帰反射された放射は、第2の光学部材254と2度目に相互作用する。再帰反射放射の少なくとも一部は、第1の光学部材252に向かって伝播し、そこで再帰反射放射はさらに補助プレート250に向かって案内され、反射放射208(
図2を参照すると反射放射108)を形成する。補助プレート250(図では上方に示されている)を通過した後、反射放射208は、投影システム120の底部と相互作用し得る。反射放射208は、(少なくとも部分的に)投影システム120によって受光され、パターニングデバイス112に向かって導かれ得る。
【0043】
プレ露光部234に配置された補助プレート250を使用して、プレ露光シーケンス中に放射を受光することができる。したがって、補助プレート250は、プレ露光プレートとも呼ばれる。
【0044】
吸収部材258は、その表面に衝突するすべての放射を吸収するように構成される。 したがって、衝突する放射は吸収部材258から反射されないか、または無視できるほどの一部しか反射されない。
【0045】
投影システム120に戻る放射の量を制御し、これにより投影システム120の調整を制御するために、第2の光学部材254の反射率および透過率を設定および制御することができる。第2の光学部材254は、調整可能な減衰器(チューナブルアッテネータ)として機能することができる。例えば、第2の光学部材254の反射率(透過率)は、1回の透過で99%から1%(1%から99%)の範囲内の値に設定することができる。別の例では、第2の光学部材254は、第2の光学部材254と相互作用する放射の約50%が第2の光学部材254を通過するように、半透過ミラーとして設定することができる。戻ってくる放射線、したがって反射部材256によって反射される放射(
図4A)もまた、第2の光学部材254を2度目に通過する際に約50%減衰する。したがって、反射放射208は、第2の光学部材254と相互作用する前の受光放射206の振幅の約25%の振幅(または強度)となり得る。
【0046】
一実施形態では、第2の光学部材254は、(少なくとも部分的に)反射状態と透過状態との間で変化することができる電気調整可能フィルタであり、これにより、それぞれ反射ミラーおよび透過ウィンドウとして機能する。反射状態と透過状態は、電気信号によって選択および設定できる。例えば、コントローラ140によって提供される信号、例えばステージ制御信号146によって選択および設定できる。この構成における第2の光学部材254は、いわゆるスマートガラスであってもよい。 第2の光学部材254の光学特性を制御および変更することによって、プレ露光部234の光学特性を制御および変更することができる。
【0047】
調整可能な第2の光学部材(電気調整可能なフィルタまたは調整可能な減衰器)の反射率値は、1%から99%の間の離散範囲または連続範囲内の値であり得る。
【0048】
図4Aおよび4Bの両方向矢印によって示されるように、第2の光学部材254は回転可能であり得る。この例示的な構成では、衝突する放射が経験する第2の光学部材254の反射率および透過率は、中心軸上の点の周りで第2の光学部材254を回転/傾斜させることによって制御され得る。中心軸は、第2の光学部材の中心点と一致し得る。この構成では、反射率および透過率は、放射の入射ビームに対する第2の光学素子254の回転角によって支配される。これにより、反射部材256上に投影される放射の第1の量を制御し、吸収部材258上に投影される放射の第2の量を制御し、したがって、投影システム120に戻る放射の量を制御する。
【0049】
一実施形態では、吸収部材258の位置に第1の光検出器を配置することができる。第1の光検出器によって、受光放射206のフルエンスまたは強度の一部を測定することができる。すなわち、第1の光検出器によって測定された放射強度は、受光放射206の尺度である。第1の光検出器は、制御ユニット、例えば、
図2に示されるコントローラ140によって受信され得る信号を提供するように構成され得る。受光放射206に対応する検出器の測定値に基づいて、コントローラ140は、第2の光学部材254の光学パラメータを制御および調整することができ、これにより、プレ露光部234の光学パラメータを制御および調整することができる。
【0050】
プレ露光部234には、第2の光検出器(図示せず)を設けることができる。第2の光検出器は、再帰反射された放射の少なくとも一部を測定するように配置され得る。例えば、第2の光検出器は、第2の光学部材254の近くに設けられてもよい。例えば、第2の光検出器は、第2の光学部材254の裏側に設けられてもよい。
【0051】
第1および/または第2の光検出器によって得られた測定結果は、例えば、プレ露光部234によって反射される放射の量を制御および調整するために、プレ露光部234の光学パラメータを調整するために使用され得る。測定結果は、プレ露光シーケンスの制御にも使用され得る。
【0052】
第1の光学部材252と第2の光学部材254とを組み合わせて、単一の光学部材を形成することができる。例えば、単一の光学部材は、受光放射206を案内するコリメート光学部材として配置された凹面鏡であってもよい。凹面鏡の反射率および透過率は、第2の光学部材254に使用される制御および変更と同様の方法で制御および変更され得る(上述のように)。
【0053】
ステージ制御ユニットをステージシステムに配置することができ、第2の光学部材254の光学パラメータを制御および設定するために設けることができる。ステージ制御ユニットは、ステージ制御信号146を介してコントローラ140と通信することができる。ステージ制御ユニットは、コントローラ140(または制御ユニット)の一部であってもよく、プレ露光部234を制御する文脈でコントローラ140を参照するときに含まれてもよい。
【0054】
一実施形態では、補助プレート250は石英プレートである。
【0055】
一実施形態において、補助プレート250は、プレート表面251にコーティング層を備えることができ、コーティング層はプレート表面251の一部に設けられる。一実施形態において、コーティングは撥液コーティングである。例えば、コーティングは疎水性コーティングであり、これは、プレ露光部234が水を含む液浸ベースのシステムで使用される場合に有益であり得る。
【0056】
例示的な実施形態では、コーティング層は、補助プレート250の周縁に近い領域に設けられる。プレート表面251の一部に設けられるコーティング層は、クロムを含んでもよい。コーティング層にパターンを設けることができ、アライメントおよび/または計測測定に使用することができる。パターンはまた、プレ露光部234および/または補助プレート250の識別のために設けられてもよい。
【0057】
ステージシステム230とプレ露光部234との間のギャップを埋めるために、ステージ表面231の一部および補助プレート250の一部にシーリング部材が設けられてもよい。これは、プレ露光部234によって囲まれた領域236に汚染物質が入り込むのを防止するのに有益であり得る。
【0058】
一実施形態では、シーリング部材は、プレート表面251の少なくとも一部およびステージ表面231の一部を覆うように配置されてもよい(
図4Aおよび4Bには示されていない)。シーリング部材は、金属フィルム、例えばステンレス鋼フィルムを含むことができる。シーリング部材は、例えば、ポリイミドフィルム、フルオロポリマーフィルム、またはポリエステルフィルムを形成する合成材料を含み得る。
【0059】
シーリング部材の表面には撥液処理が施されていてもよい。これは、シーリング部材の表面における液体、例えば液滴の除去に有益であり得る。
【0060】
別の実施形態では、シーリング部材は、補助プレート250とステージシステム230との間のギャップ、またはプレ露光部234とステージシステム230との間のギャップ(
図4Aおよび4Bには示されていない)を埋めるために、補助プレート250(プレ露光プレート)の周囲を取り囲むように配置されてもよい。閉ループシーリング部材を使用することができる。シーリング部材は、その形状をギャップの形状に適合させるために、弾性材料を含んでもよい。シーリング部材を埋め込むために、ステージシステム230のポケットに溝が設けられてもよい。
【0061】
一実施形態では、囲まれた領域236は、パージ流体でパージすることができる。パージは、囲まれた領域236内に配置された光学部品、例えば、第1の光学素子252および第2の光学素子254の汚染を最小限に抑えるのに有益であり得る。パージ流体はまた、その中に配置された光学部品を含む囲まれた領域236の温度を制御するために使用されてもよい。
【0062】
図5は、
図2に示されるように、ステージシステム130に配置されるプレ露光部134として使用され得るプレ露光部334の一実施形態の上面図を示す。プレ露光部334は、ステージシステム130の上面のポケットに配置され得る。プレ露光部334は、放射(または照射光)を受光するように構成された1つまたは複数のプレ露光プレート310、320、330を備えてよい。1つ以上のプレ露光プレート310、320、330は、所定の反射率を有してよい。一実施形態では、プレ露光部334は2つ以上のプレ露光プレートを含み、各プレ露光プレート310、320、330は互いに対して異なる反射率を有する。
【0063】
プレ露光部334を含むステージシステム130は、コントローラ140によって、例えばステージ制御信号146によって制御されて、投影システム120の下にプレ露光部334を配置することができる。より具体的には、1つ以上のプレ露光プレート310、320、330のうちの1つを投影システム120の下の光路内に配置することによって、パターン付き放射106は、1つ以上のプレ露光プレート310、320、330のうちの1つによって反射され、これにより、投影システム120の少なくとも底部と相互作用し得る反射放射108を提供する。したがって、制御ユニット、例えばコントローラ140を使用して、プレ露光シーケンスまたは露光サイクル中に使用される少なくとも1つのプレ露光プレート310、320、330を選択することにより、プレ露光部334の光学パラメータ、例えば反射率を制御することができる。
【0064】
プレ露光部334が、それぞれが互いに異なる反射率を有する複数のプレ露光プレート310、320、330を含む状況では、反射放射108の量は、例えば反射率などの必要な光学特性を有するプレ露光プレート310、320、330を選択し、投影システム120の下の光路に配置することによって制御することができる。制御は、
図2に示されるように、ステージ制御信号146によって提供され得る。
【0065】
さらなる実施形態では、プレ露光部334は、制御可能な反射率を有する少なくとも1つのプレ露光プレート310、320、330を備える。制御可能な(または調整可能な)反射率は、電気的に調整可能であってよい。調整可能な反射率は、電圧を少なくとも1つのプレ露光プレート310、320、330に供給し、これによりプレ露光部334の光学パラメータを設定および制御することによって制御することができる。制御可能な反射率を有するプレ露光プレート310、320、330は、電子信号によって反射状態と透過状態との間で変化することができる電気調整可能な光学素子であってもよい。電気信号は、コントローラ140によって提供されるステージ制御信号146の一部であってよい。調整可能なプレ露光プレート310、320、330の反射率の値は、調整可能なプレ露光プレート310、320、330に印加される電圧によって支配され得る。
【0066】
ステージ制御ユニットをステージシステムに配置することができ、ステージ制御ユニットは、プレ露光部334の光学パラメータを制御および設定するために設けることができる。ステージ制御ユニットは、ステージ制御信号146を介してコントローラ140と通信することができる。これにより、コントローラ140は、例えばステージ制御信号146およびステージ制御ユニットを介して、少なくとも1つのプレ露光プレート310、320、330の光学パラメータを制御するために使用されてもよく、これにより、プレ露光部334の光学パラメータを制御する。ステージ制御ユニットは、コントローラ140の一部であってもよく、プレ露光部334を制御する文脈でコントローラ140を参照するときに含まれてもよい。
【0067】
プレ露光部334の全体形状は、正方形、長方形、円形、楕円形、または三角形であってもよい。一般に、プレ露光部334およびプレ露光プレート310、320、330は、いかなる全体形状にも限定されない。
【0068】
ステージシステム130の一部およびプレ露光部334の一部にシーリング部材を設けて、ステージシステム130とプレ露光部334との間のギャップを埋め、これにより汚染物質および/または水が隙間に入ることを防止する。
【0069】
一実施形態では、シーリング部材は、プレ露光部334の表面およびステージシステムの表面の少なくとも一部を覆うように配置されてもよい(
図5には示されていない)。シーリング部材は、金属フィルム、例えばステンレス鋼フィルムを含むことができる。シーリング部材は、例えば、ポリイミドフィルム、フルオロポリマーフィルム、またはポリエステルフィルムを形成する合成材料を含み得る。
【0070】
シーリング部材の表面には撥液処理が施されていてもよい。これは、シーリング部材の表面における液体、例えば液滴の除去に有益であり得る。
【0071】
一実施形態では、プレ露光部334は、表面にコーティング層を含むことができ、表面の少なくとも一部にコーティング層が設けられる。一実施形態では、コーティング層は撥液性コーティングである。例えば、コーティング層は疎水性コーティングであり、これは、プレ露光部334が水を含む液浸ベースのシステムで使用される場合に有益であり得る。
【0072】
一実施形態では、プレ露光部334は冷却ラインを備える。冷却ラインは、プレ露光部334(またはプレ露光プレート310、320、330)への熱的に誘導される損傷を防止するために、またはプレ露光部334の光学特性への熱的に誘導される変化を最小限にするために配置され得る。
【0073】
プレ露光部234、334(
図4A、
図4B、
図5によって示される)は、ステージシステム130、230から取り外し可能であってよい(
図2、
図4A、
図4Bを参照)。これにより、プレ露光部234、334を取り替えまたは交換することができる。これは有益であり、例えば、プレ露光部234、334をアップグレードする必要があるか、部品を交換または洗浄する必要がある場合、プレ露光部234、334をステージシステム130、230から取り外して必要なアクションを実行することができる。
【0074】
プレ露光部134、234、334は、プレ露光シーケンス中に使用することができる。プレ露光シーケンスは、一連の露光スキャンを含むことができる。各露光スキャンは、製品ウェハ上の製品露光スキャンと同様の方法で実行される。例えば、(製品)ウェハがシステム(例えば、リソグラフィ装置)にロードされ、ウェハ計測(例えば、ウェハアライメントおよび高さ測定)が実行されると、プレ露光シーケンスを使用して製品ウェハがパターン化された放射によって露光される前にリソグラフィ装置を(熱的に)調整することができる。
【0075】
一実施形態では、プレ露光サイクルのセットが、各サイクル間でレチクルのアライメント、すなわちパターニングデバイスのアライメントと組み合わせて実行される。この例示的な実施形態では、プレ露光シーケンスは、第1のレチクルアライメント、第1のプレ露光サイクル、第2のレチクルアライメント、第2のプレ露光サイクル、第3のレチクルアライメント、第3のプレ露光サイクル、・・・、第mのレチクルアライメント、第mのプレ露光サイクル、および第nのレチクルアライメントのステップを備える。第nのレチクルアライメントステップは、実際の (製品)ウェハ露光に使用される。すべてのレチクルアライメントのステップで測定および取得されたパラメータを使用して、熱ドリフト (たとえば、
図3に示すようなパラメータの変化) が飽和したか、安定したかどうかを検証する。最小限の時間で熱ドリフトの飽和を達成するために、プレ露光シーケンスは、プレ露光に使用される各露光のパラメータが(製品)ウェハの露光中に使用される露光パラメータに従うように最適化される。上記を参照すると、飽和または調整された状態では、数学的モデルは、放射誘導効果を補正または補償するためにより多くの補正可能性を提供することができる。
【0076】
図6は、本開示のいくつかの態様によるプレ露光シーケンス400の方法のフローチャートを示す。この方法は、光学システム100、例えばリソグラフィ装置LAを熱的に調整および安定化するのに適している。この方法は、
図1に示すようにリソグラフィ装置LAで使用することができる。
【0077】
定義ステップ402では、プレ露光パラメータが定義される。これらのパラメータは、(製品)ウェハの実際の露光中に使用される露光パラメータによって決定される。これらのパラメータ (または露光設定) は、(i) 露光スキャンあたりの露光エネルギー (たとえば、パルスあたりの線量とパルス数)、(ii) 露光スキャン速度、(iii)プレ露光サイクルの数、(iv)プレ露光サイクルあたりの露光数、(v)照明モード、(vi)投影システム120のレンズ設定、および/または(vii)プレ露光部134、234、334の設定(すなわち、光学パラメータの設定)を含む。プレ露光部134、234、334の設定は、プレ露光部234に配置された(
図4Aおよび
図4Bを参照)第2の光学素子254の光学パラメータ設定、または、プレ露光部334(
図5参照)に配置されたプレ露光プレート310、320、330のどれを、どの設定で(調整可能なプレ露光プレート310、320、330の場合)使用するか、を定義する。したがって、プレ露光部134、234、334の光学パラメータの制御および設定は、プレ露光部134、234、334を規定の反射率状態に調整することを提供する。
【0078】
初期化ステップ404で、露光装置は、定義ステップ402で定義されたプレ露光パラメータに従って初期化される。装置の初期化中に、コントローラ140は、照明モードに関して照明器(例えば、
図2に示される照明器102)を構成するための照明制御信号142、投影システム120内のパターニングデバイス112およびレンズ素子の設定を構成するための投影制御信号144、および投影システム120の下の光路にプレ露光部134を配置するためのステージ制御信号146を提供することができる。ステージ制御信号146は、上で説明したように、プレ露光部134、234、334の光学パラメータを設定するための電子制御信号も含むことができる。初期化ステップ404は、定義された線量またはパルスあたりのエネルギーに従って放射源SOを設定することをさらに含むことができる。
【0079】
露光装置が初期化ステップ404によってプレ露光シーケンス400のために初期化されると、プレ露光サイクルは、露光放射が提供される露光ステップ406で開始する。露光ステップ406では、露光放射104が照明器102によってパターニングデバイス112に向けて提供され、そこを通過し、パターン化された放射106を形成する。パターン化された放射106は、投影システム120を介してプレ露光部134上に伝播する。プレ露光部134の光学パラメータ設定によって定義される、反射放射108の少なくとも一部は、投影システム120によって受光され、上方に伝播する。露光ステップの結果として、投影システム120 (および/またはパターニングデバイス112) は、パターン付き放射106および反射放射108と相互作用して、投影システム120(および/またはパターニングデバイス112)の温度変化をもたらし、これにより光学システムを調整する。パターン付き放射106および反射放射108との相互作用である二重の相互作用によって、投影システム120は、パターン付き放射106のみが投影システム120(およびパターニングデバイス112)と相互作用する場合よりも早い段階でその熱平衡に達する。
【0080】
終了ステップ408で、プレ露光シーケンス400が停止される。これは、例えば、照明器102または放射源SOによって露光放射104を提供しないことによって得ることができる。プレ露光シーケンスは、プレ露光部134によってパターン化された放射106が投影システム120に反射されないように、プレ露光部134を非反射モードに切り替えることによって停止することができる。パターン化された放射106がプレ露光部134に到達しないように、ステージシステム130によって、投影システム120に対してプレ露光部134を移動することによって、プレ露光シーケンスを取得することもできる。後者の場合、プレ露光シーケンス400の後に、(製品)ウェハの露光が続き得る。例えば、プレ露光シーケンス400を使用してリソグラフィ装置100を熱的に調整してからウエハロット生産を開始する場合である。
【0081】
図7は、本開示によるプレ露光シーケンス400のある態様を使用する方法のフローチャートを示す。この方法は、光学装置100、たとえば、
図1に示すリソグラフィ装置LAを熱的に調整および安定化するのに適している。この方法は、
図2に示すように、光学システム100で使用され、コントローラ140によって実行される。
【0082】
最初のステップ500で、露光シーケンスが開始される。第1のステップ500は、ローディングステップ501およびプレ露光ステップ506のスタートを開始することができる。ローディングステップ501およびプレ露光ステップ506の両方を並行して実行することができる。たとえば、第1ステージと第2ステージ (ステージシステム130など) を含むデュアルステージリソグラフィ装置では、ローディングステップ501を第1ステージで実行し、プレ露光ステップ506を第2ステージで実行することができる。両方のステップの詳細を次に示す。
【0083】
ローディングステップ501では、基板(またはウェハ)が第1ステージの基板ホルダにロードされる。基板ホルダは、
図1または
図2にそれぞれ示される基板サポートWTまたはステージシステム130であってもよい。
【0084】
ローディングステップ501で基板をローディングした後、計測ステップ503が続く。計測ステップ503の間、基板に設けられたフィーチャ(例えばアライメントマーク)の位置が測定および決定され、基板の高さが、例えばアライメントセンサおよび高さまたはレベルセンサによってそれぞれ測定される。得られた計測情報は、
図1を参照して上記で説明したように、基板の露光に必要な位置と高さに基板を配置するために使用される。
【0085】
プレ露光ステップ506では、プレ露光シーケンス400による方法の少なくとも一部(
図6に示す)が実行される。プレ露光ステップ506は、初期化ステップ404および露光ステップ406を含むことができる。定義ステップ402は、第1のステップ500の前に行うことができるが、プレ露光ステップ506の一部とすることもできる。
【0086】
確認ステップ505で、コントローラ140は、計測ステップ503での計測測定が終了したこと、および/または装置がプレ露光ステップ506によって(熱的に)安定したことを確認する確認信号を受信するまで、待機することができる。計測確認信号504は、アライメントおよび高さ測定が実行されたことを示すことができる。プレ露光確認信号507は、定義ステップ402によって設定されたように、定義されたプレ露光スキャンが実行されたこと、または装置が(熱的に)安定した状態に達したことを示すことができる。両方の確認信号504、507を受信することにより、リソグラフィ装置は(製品)ウェハを露光する準備が整う。製品露光ステップ508では、ローディングステップ501および計測ステップ503でそれぞれロードおよび測定されたウェハが、定義された露光パラメータに従って放射で露光されるように、投影システム120の下に配置される。製品露光ステップ508は、基板サポートの交換、いわゆるデュアルステージシステムにおけるチャック交換を含むことができる。
【0087】
計測確認信号504が受信される前にプレ露光確認信号507が(ステップ505で)受信される状況では、1つまたは複数の露光ステップ406をさらに実行することができる。これは、光学システム100またはリソグラフィ装置LAを(熱的に)安定した状態に保つのに有益であり得る。
【0088】
プレ露光確認信号507が受信される前に計測確認信号504が受信される状況では、追加の計測ステップ503が実行されてもよい。これは、プレ露光確認信号507が受信されるまで、基板のドリフト(または位置変化)を監視および/または軽減するのに有益であり得る。
【0089】
本明細書では、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特定の言及がなされ得るが、本明細書に記載されるリソグラフィ装置は、他の用途を有し得ることを理解するべきである。他の可能な用途には、統合光学システム、磁区メモリ、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどのガイダンスと検出パターンの製造が含まれる。
【0090】
上記では、光学リソグラフィの文脈での本発明の実施形態の使用について具体的に言及してきたが、文脈が許せば、本発明は光学リソグラフィに限定されず、その他のアプリケーション、たとえばインプリントリソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、または自己組織化リソグラフィでも使用することができる。
【0091】
文脈が許す場合、本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実装することができる。本発明の実施形態はまた、1つまたは複数のプロセッサによって読み取られ、実行され得る、機械可読媒体に格納された命令として実装され得る。機械可読媒体は、機械(例えば、コンピューティングデバイス)によって可読可能な形式で情報を格納または送信するための任意のメカニズムを含み得る。たとえば、機械可読媒体は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気的、光学的、音響的、または他の形態の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)、およびその他を含み得る。さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令は、特定のアクションを実行するものとして本明細書で説明することができる。しかしながら、そのような説明は単に便宜上のものであり、そのようなアクションは、実際には、コンピュータデバイス、プロセッサ、コントローラ、またはファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行する他のデバイスから生じ、それを行うことでアクチュエータや他のデバイスを物理的な世界と相互作用させ得ることを理解されたい。
【0092】
本発明の態様は、以下の項に記載されている。
1.光学システムを調整するためのプレ露光部であって、当該プレ露光部はステージシステムの表面に放射受光領域を有し、前記放射受光領域は放射を受光するように構成された少なくとも1つのプレ露光プレートを備える、プレ露光部と、コントローラであって、当該コントローラは、前記プレ露光部の光学パラメータを制御することができ、これにより、前記プレ露光部によって反射される受光放射の一部を制御する、コントローラと、を備えるステージシステム。
2.前記プレ露光部は、少なくとも部分的に反射する光学部材をさらに備え、前記コントローラは、前記少なくとも部分的に反射する光学部材の反射率を制御することによって、前記プレ露光部の光学特性を制御するように構成される、項1に記載のステージシステム。
3.前記少なくとも部分的に反射する光学部材の反射率は、前記少なくとも部分的に反射する光学部材の中心軸上の点の周りで前記少なくとも部分的に反射する光学部材を回転させることによって制御される、項2に記載のステージシステム。
4.前記少なくとも部分的に反射する光学部材は、電気信号によって反射状態と透過状態との間で変化することができる電気調整可能な光学素子である、項2に記載のステージシステム。
5.前記プレ露光部がパージ流体でパージされる、項1から4のいずれかに記載のステージシステム。
6.前記プレ露光部は、受光放射の尺度である放射強度を測定するための1つまたは複数の検出器を備える、項1から5のいずれかに記載のステージシステム。
7.複数の前記プレ露光プレートを備え、各プレ露光プレートは互いに異なる反射率を有し、前記プレ露光部の前記光学パラメータは、前記複数のプレ露光プレートの中から1つを選択することによって制御される、項1に記載のステージシステム。
8.少なくとも1つの前記プレ露光プレートは、電気信号によって反射状態と透過状態との間で変化することができる電気調整可能な光学素子である、項7に記載のステージシステム。
9.前記プレ露光部が冷却ラインを備える、項1、7または8に記載のステージシステム。
10.前記プレ露光部が、当該ステージシステムの表面のポケット内に配置される、項1から9のいずれかに記載のステージシステム。
11.前記放射受光領域が、当該ステージシステムの表面と実質的に同じ高さの表面を有する、項1から10のいずれかに記載のステージシステム。
12.前記ステージシステムの表面と前記プレ露光部との間のギャップを埋めるためにシーリング部材が設けられる、項1から11のいずれかに記載のステージシステム。
13.前記プレ露光部が前記ステージシステムから取り外し可能である、項1から12のいずれかに記載のステージシステム。
14.前記プレ露光部の表面の少なくとも一部がコーティング層を含む、項1から13のいずれかに記載のステージシステム。
15.当該ステージシステムが基板を支持するように構成されている、項1から14のいずれかに記載のステージシステム。
16.項1から15のいずれかに記載のステージシステムを備える光学システム。
17.光学システムを調整する方法であって、1つまたは複数の基板を露光するために、前記光学システムの露光パラメータを定義することと、定義された前記露光パラメータに従って前記光学システムを初期化し、これにより少なくともプレ露光部の光学パラメータを制御および設定することと、前記光学システムを調整するために、少なくとも前記プレ露光部から反射された放射を使用して、前記プレ露光部を放射で露光することと、前記光学システムが調整された状態であるとき、放射による前記プレ露光部の露光を停止することと、を備える方法。
18.前記プレ露光部の光学パラメータを設定することは、前記プレ露光部を定義された反射率状態に調整することである、項17に記載の方法。
19.基板を基板ホルダにロードすることと、アライメントセンサを使用して、前記基板での少なくともフィーチャの位置を測定することと、高さセンサを使用して前記基板の高さを測定することと、位置測定、高さ測定、およびプレ露光部の露光のうちの少なくとも1つが終了したことを示す信号をコントローラで受信することと、をさらに備える、項17または18に記載の方法。
20.項19に記載の方法を適用することを含む基板露光方法であって、定義された前記露光パラメータに従って前記基板を放射で露光することをさらに含む方法。
21.光学システムを調整するためのプレ露光部であって、当該プレ露光部は、ステージシステムの表面に放射受光領域を有し、前記放射受光領域は、放射を受光するように構成された少なくとも1つのプレ露光プレートを備え、コントローラは、前記プレ露光部の光学パラメータを制御することができ、これにより、前記プレ露光部によって反射される受光放射の一部を制御する、プレ露光部。
【0093】
本発明の特定の実施形態が上記で説明されたが、本発明は、説明された以外の方法で実施されてもよいことが理解されよう。上記の説明は、限定ではなく例示を意図したものである。したがって、以下に記載される特許請求の範囲から逸脱することなく、記載された本発明に変更を加えることができることが当業者には明らかであろう。