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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】加熱装置、定着装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20240617BHJP
【FI】
G03G15/20 515
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020034910
(22)【出願日】2020-03-02
(65)【公開番号】P2020201475
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-01-16
(31)【優先権主張番号】P 2019107784
(32)【優先日】2019-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 良州
(72)【発明者】
【氏名】服部 良雄
(72)【発明者】
【氏名】今田 高広
(72)【発明者】
【氏名】高木 啓正
(72)【発明者】
【氏名】石ケ谷 康功
(72)【発明者】
【氏名】和井田 匠
(72)【発明者】
【氏名】正路 圭太郎
【審査官】内藤 万紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-093141(JP,A)
【文献】特開2011-203405(JP,A)
【文献】特開2005-283927(JP,A)
【文献】特開2013-164453(JP,A)
【文献】特開2017-111299(JP,A)
【文献】特開2015-045713(JP,A)
【文献】特開2017-207535(JP,A)
【文献】特開2008-139382(JP,A)
【文献】米国特許第10496021(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転部材と、
前記回転部材の外周面に対向するように配置された対向部材と、
前記回転部材の内側に配置され前記対向部材との間で前記回転部材を挟んでニップ部を形成するニップ形成部材と、
前記回転部材の内側に配置され前記回転部材及び前記ニップ形成部材を加熱する加熱部材と、
前記回転部材の内側に配置され前記ニップ形成部材を支持する支持部材と、
前記加熱部材を挟むように前記支持部材によって支持される一対の反射部材と、
を備え、
前記加熱部材に対向する前記ニップ形成部材の対向面、及び、前記加熱部材に対向する前記反射部材の反射部は、前記加熱部材からの熱及び光の少なくとも一方を前記回転部材へ反射するように構成され、
前記一対の反射部材のそれぞれの前記反射部は、前記支持部材の前記ニップ形成部材を支持する側の一端部及び前記一端部とは反対側の他端部よりも前記一端部と前記他端部との間において、前記支持部材から前記加熱部材に向かって突出する凸曲面状に形成されると共に、
前記一対の反射部材のそれぞれの前記反射部は、前記凸曲面状に形成される全ての箇所において互いに対向するように配置され、
前記対向面の少なくとも一部における熱及び光の少なくとも一方を反射する反射率が50%以上であることを特徴とする加熱装置。
【請求項2】
前記対向部材の回転軸方向における前記対向面の中央部側よりも端部側の反射率が低い請求項1に記載の加熱装置。
【請求項3】
前記対向部材の回転軸方向における前記対向面の中央部側よりも端部側の表面粗さが粗い請求項2に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記対向部材の回転軸方向における前記対向面の端部側に、前記対向面の中央部側よりも反射率の低い低反射材を付着させた請求項2に記載の加熱装置。
【請求項5】
前記中央部側の反射率の高い領域が、記録媒体搬送方向の下流側よりも上流側で広く形成されている請求項2から4のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項6】
前記中央部側の反射率の高い領域が、記録媒体搬送方向の上流側よりも下流側で広く形成されている請求項2から4のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項7】
前記対向部材の回転軸方向の端部側で、前記加熱部材に対して前記ニップ形成部材側とは反対側に配置され、前記回転部材への熱及び光の少なくとも一方を遮蔽する端部側遮蔽部を備える請求項1から6のいずれか1項に記載の加熱装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の加熱装置を備えることを特徴とする定着装置。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか1項に記載の加熱装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱装置、定着装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタなどの電子写真方式の画像形成装置に搭載される加熱装置として、未定着画像が形成された用紙などの記録媒体を、互いに対向するローラやベルトなどの部材の間(ニップ部)に搬送し、記録媒体に熱を付与して未定着画像を定着する定着装置が知られている。
【0003】
この種の定着装置として、例えば、下記特許文献1には、ニップ部を形成するニップ部材を発熱体で加熱することにより用紙に熱を付与する定着装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献1に記載の定着装置では、加熱効率を向上させるため、ニップ部材の発熱体側に複数の凹部を設け、ニップ部材の表面積を大きくすることで、発熱体からの輻射熱をニップ部材が効率よく吸収できるようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、発熱体でニップ部材を加熱する構成は、用紙への熱の付与が、ニップ部材から定着ベルトなどの定着部材への熱伝達と、さらに定着部材から用紙への熱伝達を介して行われるため、発熱体で直接的に定着部材を加熱して用紙に熱を付与する構成に比べて、用紙への熱の伝達経路に介在する部材の数がニップ部材の分だけ多くなる。このため、用紙に熱が伝わりにくく、加熱効率が低くなる傾向にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、回転部材と、前記回転部材の外周面に対向するように配置された対向部材と、前記回転部材の内側に配置され前記対向部材との間で前記回転部材を挟んでニップ部を形成するニップ形成部材と、前記回転部材の内側に配置され前記回転部材及び前記ニップ形成部材を加熱する加熱部材と、前記回転部材の内側に配置され前記ニップ形成部材を支持する支持部材と、前記加熱部材を挟むように前記支持部材によって支持される一対の反射部材と、を備え、前記加熱部材に対向する前記ニップ形成部材の対向面、及び、前記加熱部材に対向する前記反射部材の反射部は、前記加熱部材からの熱及び光の少なくとも一方を前記回転部材へ反射するように構成され、前記一対の反射部材のそれぞれの前記反射部は、前記支持部材の前記ニップ形成部材を支持する側の一端部及び前記一端部とは反対側の他端部よりも前記一端部と前記他端部との間において、前記支持部材から前記加熱部材に向かって突出する凸曲面状に形成されると共に、前記一対の反射部材のそれぞれの前記反射部は、前記凸曲面状に形成される全ての箇所において互いに対向するように配置され、前記対向面の少なくとも一部における熱及び光の少なくとも一方を反射する反射率が50%以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、加熱効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
図2】定着装置の側面断面図である。
図3】定着装置の斜視断面図である。
図4】定着装置の正面断面図である。
図5】ベルト支持部材の斜視図である。
図6】ベルト支持部材の変形例を示す斜視図である。
図7】ハロゲンヒータから放射された加熱エネルギーが定着ベルトやニップ形成部材に付与される様子を示す図である。
図8】ニップ形成部材によって反射された加熱エネルギーが定着ベルトに付与される様子を示す図である。
図9】ニップ形成部材の両端部側の反射率を低くした例を示す図である。
図10】反射率の高い中央部側の領域を用紙搬送方向の下流側に向かって徐々に狭くした例を示す図である。
図11】反射率の高い中央部側の領域を用紙搬送方向の下流側に向かって徐々に広くした例を示す図である。
図12】ステー及び反射部材のそれぞれの両端部側に連結壁部(端部側遮蔽部)を設けた例を示す図である。
図13】連結壁部が設けられていない箇所(開口部)での断面図である。
図14】連結壁部が設けられた箇所での断面図である。
図15】ステー同士及び反射部材同士が互いに間隔を広げるように傾斜し、ハロゲンヒータを2本有する定着装置の例を示す図である。
図16】用紙を垂直方向に搬送する定着装置の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0010】
図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。まず、図1を参照して、画像形成装置の全体構成及び動作について説明する。
【0011】
図1に示す画像形成装置1は、電子写真方式のモノクロレーザプリンタである。なお、本発明は、プリンタのほか、複写機、ファクシミリ、あるいは、これらのいずれか2つ又は3つの機能を備える複合機であってもよい。また、モノクロ画像形成装置に限らず、カラー画像形成装置であってもよい。
【0012】
図1に示すように、画像形成装置1には、画像を形成する画像形成部2と、記録媒体としての用紙Pを供給する記録媒体供給部3と、供給された用紙Pに画像を転写する転写部4と、用紙Pに転写された画像を定着する定着装置5と、画像が定着された用紙Pを装置外に排出する排出部6と、が設けられている。
【0013】
画像形成部2は、ドラム状の感光体7と、感光体7の表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ8と、感光体7の表面を露光して潜像を形成する潜像形成手段としての露光装置9と、感光体7の表面にトナー(現像剤)を供給して潜像を可視画像化する現像手段としての現像ローラ10と、感光体7の表面をクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニングブレード11と、を備えている。
【0014】
印刷動作開始の指示があると、画像形成部2において、感光体7が回転を開始し、帯電ローラ8によって感光体7の表面が均一な高電位に帯電される。次いで、原稿読取装置によって読み取られた原稿の画像情報、あるいは端末からプリント指示されたプリント情報に基づいて、露光装置9が感光体7の表面を露光することで、露光された部分の電位が低下して静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に対して現像ローラ10からトナーが供給され、感光体7上にトナー画像が形成される。
【0015】
感光体7上に形成されたトナー画像は、転写部4に配置された転写ローラ15と感光体7との間の転写ニップにおいて用紙Pに転写される。この用紙Pは、記録媒体供給部3から供給されたものである。記録媒体供給部3では、給紙カセット12に収容されている用紙Pが給紙ローラ13によって1枚ずつ送り出される。送り出された用紙Pは、タイミングローラ対14によって感光体7上のトナー画像とタイミングを合わせて転写ニップへ搬送される。そして、転写ニップにおいて、感光体7上のトナー画像が用紙Pに転写される。また、トナー画像の転写が行われた後、感光体7上に残留するトナーは、クリーニングブレード11によって除去される。
【0016】
トナー画像が転写された用紙Pは、定着装置5へ搬送される。そして、定着装置5において、用紙Pが定着ベルト21と加圧ローラ22との間を通過する際に加熱及び加圧されることで、トナー画像が用紙Pに定着される。その後、用紙Pは、排出部6に搬送され、排紙ローラ対16によって装置外に排出されて、一連の印刷動作が完了する。
【0017】
次に、図2図6に基づき、本発明の第1実施形態に係る定着装置の構成について詳しく説明する。
【0018】
図2は、定着装置の側面断面図、図3は、定着装置の斜視断面図、図4は、定着装置の正面断面図である。また、図5は、定着ベルトを支持するベルト支持部材の斜視図、図6は、ベルト支持部材の変形例を示す斜視図である。
【0019】
図2に示すように、定着装置5は、定着ベルト21と、加圧ローラ22と、ハロゲンヒータ23と、ニップ形成部材24と、ステー25と、反射部材26と、ガイド部材27と、温度センサ28と、を備えている。
【0020】
定着ベルト21は、用紙Pに未定着画像Tを定着させる定着部材であると共に、回転可能な回転部材であり、用紙Pの未定着画像担持面側に配置される。本実施形態では、定着ベルト21が、ニッケルやSUS等の金属材料やポリイミドなどの樹脂材料で形成された内周側の基材と、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などで形成された外周側の離型層と、を有する無端状のベルト(フィルムも含む。)で構成されている。また、基材と離型層との間に、シリコーンゴム、発泡シリコーンゴム、あるいはフッ素ゴムなどのゴム材料で形成された弾性層を介在させてもよい。この弾性層の厚さを100μm程度にすれば、未定着画像(未定着トナー)を押し潰して定着させるときに弾性層の弾性変形により、ベルト表面の微小な凹凸を吸収でき、光沢ムラの発生を回避できる。また、本実施形態では、定着ベルト21の低熱容量化の観点から、定着ベルト21として、薄肉で小径のベルトを採用している。具体的には、定着ベルト21を構成する基材、離型層のそれぞれの厚さを、20~50μm、10~50μmの範囲に設定し、定着ベルト21全体としての厚さを1mm以下に設定している。また、定着ベルト21が弾性層を有する場合は、弾性層の厚さを、100~300μmに設定するとよい。さらに低熱容量化を図るには、定着ベルト21全体としての厚さが0.2mm以下であることが望ましく、0.16mm以下がより望ましい。また、本実施形態では、定着ベルト21の直径が、20~40mmに設定されている。定着ベルト21の直径は、30mm以下であることが望ましい。
【0021】
加圧ローラ22は、定着ベルト21の外周面に対向するように配置された回転可能な対向部材である。本実施形態では、加圧ローラ22が、芯金と、芯金の表面に設けられた発泡性シリコーンゴムやフッ素ゴムなどから成る弾性層と、弾性層の表面に設けられたPFAやPTFEなどから成る離型層と、で構成されている。また、本実施形態では、加圧ローラ22を中実のローラとしているが、中空のローラであってもよい。中空ローラの場合、加圧ローラ22の内部にハロゲンヒータなどの加熱部材を配置することも可能である。また、加圧ローラ22の弾性層は、ソリッドゴムでもよいが、内部に加熱部材が配置されていない場合は、弾性層にスポンジゴムを用いて加圧ローラ22の断熱性を高めることが望ましい。これにより、定着ベルト21の熱が加圧ローラ22に奪われにくくなり、定着ベルト21の熱効率が向上する。
【0022】
また、加圧ローラ22は、画像形成装置本体に設けられた駆動源によって図2中の矢印Aで示す方向に回転駆動するように構成されている。一方、定着ベルト21は、加圧ローラ22が回転駆動することにより、これに伴って図2中の矢印B方向に従動回転する。定着ベルト21と加圧ローラ22との間(ニップ部N)に未定着画像Tが転写された用紙Pが搬送されると、回転する定着ベルト21と加圧ローラ22とによって用紙Pが搬送されニップ部Nを通過する。このとき、用紙Pに対して熱と圧力が付与されることで、未定着画像Tが用紙Pに定着される。
【0023】
また、加圧ローラ22と定着ベルト21は、互いに接近離間するように構成されている。万が一、ニップ部Nに用紙が詰まった場合は、加圧ローラ22と定着ベルト21を互いに離間させ、ニップ部Nを開放することで、詰まった用紙のジャム処理などのメンテナンス作業を行うことが可能である。加圧ローラ22と定着ベルト21とは、いずれか一方に対して他方を動かして接近離間させるように構成されていてもよいし、両方を動かすことで接近離間させる構成であってもよい。
【0024】
ハロゲンヒータ23は、熱及び光(例えば、赤外線光)を放射することで、定着ベルト21及びニップ形成部材24を輻射熱により加熱する加熱部材である。本実施形態では、1本のハロゲンヒータ23が、定着ベルト21の内側に、加圧ローラ22の回転軸方向Z(図3参照)でもある定着ベルト21の長手方向に渡って配置されている。加熱部材として、ハロゲンヒータ23以外に、カーボンヒータなどの他の輻射熱式のヒータを用いてもよい。
【0025】
ニップ形成部材24は、加圧ローラ22との間で定着ベルト21を挟んでニップ部Nを形成する。本実施形態に係るニップ形成部材24は、定着ベルト21の内側で、その長手方向に渡って長手状に配置されており、定着ベルト21の内周面に接触する平板状のニップ形成部24aと、ニップ形成部24aの用紙搬送方向(記録媒体搬送方向)の上流側及び下流側の両端部から加圧ローラ22側とは反対側に屈曲する一対の屈曲部24bと、で構成されている。加圧ローラ22がバネなどの加圧手段によってニップ形成部材24側に加圧されることで、加圧ローラ22と定着ベルト21とが接触し、これらの間にニップ部Nが形成される。
【0026】
ニップ形成部24aの定着ベルト21に接触するニップ形成面24dは、定着ベルト21が回転したときの耐摩耗性や摺動性を向上させるために、アルマイト処理やフッ素樹脂系材料が塗布されていてもよい。さらに、経時的な摺動性の確保のために、ニップ形成面24dにフッ素系グリース等の潤滑剤を塗布してもよい。本実施形態では、ニップ形成面24dが、平面状となっているが、凹形状やその他の形状であってもよい。例えば、ニップ形成面24dが加圧ローラ22側とは反対側へ凹んだ凹形状である場合は、ニップ部Nの出口部が加圧ローラ22寄りになり、定着ベルト21に対する用紙の分離性が向上する。
【0027】
また、ニップ形成部材24は、ステー25よりも熱伝導率が大きい材料で形成されている。例えば、ニップ形成部材24の材料として、銅(熱伝導率:398W/mk)やアルミニウム(熱伝導率:236W/mk)などが好ましい。このように、ニップ形成部材24が熱伝導率の大きい材料で形成されていることで、ハロゲンヒータ23からの輻射熱がニップ形成部材24によって吸収され定着ベルト21へ効率良く伝達される。例えば、ニップ形成部材24の厚みを1mm以下に設定することで、ニップ形成部材24から定着ベルト21への熱伝達時間を短くすることができ、定着装置5の立ち上がり速度を速めることができる。反対に、ニップ形成部材24の厚みを1mmより大きく5mm以下に設定した場合は、ニップ形成部材24の蓄熱性を高めることが可能である。
【0028】
ステー25は、加圧ローラ22の加圧力に抗してニップ形成部材24を支持する支持部材である。ここで、ニップ形成部材24を「支持する」とは、ニップ形成部材24に対して加圧ローラ22側とは反対側で接触し、加圧ローラ22からの圧力によるニップ形成部材24の撓み、特にニップ形成部材24の長手方向に渡る撓みを抑制することをいう。
【0029】
本実施形態では、ステー25が、定着ベルト21の内側で、ハロゲンヒータ23を挟んで用紙搬送方向の上流側及び下流側に互いに平行に配置された一対の平板部材で構成されている。各ステー25は、定着ベルト21の長手方向に長手状に配置され、反射部材26を介してニップ形成部材24の用紙搬送方向の上流側の部分と下流側の部分とに接触している。このように、各ステー25が反射部材26を介してニップ形成部材24に接触していることで、ニップ形成部材24が各ステー25によって支持され、ニップ形成部材24の加圧方向への撓みが抑制される。これにより、長手方向に渡って均一な幅のニップ部Nが得られる。また、ステー25は、その剛性を確保するため、SUSやSECCなどの鉄系金属材料によって形成されることが好ましい。
【0030】
反射部材26は、ハロゲンヒータ23から放射される熱及び光(例えば、赤外線光)の少なくとも一方を反射する。本実施形態では、一対の反射部材26が、定着ベルト21内でハロゲンヒータ23を挟んで用紙搬送方向の上流側及び下流側にそれぞれ配置されている。各反射部材26は、ハロゲンヒータ23に対向する反射部26aと、反射部26aの両端部に設けられた一対の屈曲部26bと、で構成されている。反射部材26の各屈曲部26bがステー25のニップN側の端面(図2における下端面)とこれとは反対側の端面(図2における上端面)とに係合することで、反射部材26がステー25に支持されている。
【0031】
反射部材26のハロゲンヒータ23側の反射面は、反射率を高くするような鏡面処理や表面処理がなされている。その反射面の反射率を、分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製の紫外可視赤外分光光度計UH4150)を用いて、入射角を5°として測定した場合に、反射率は70%以上となることが望ましい。一般的に、ハロゲンヒータは用途により色温度が異なるが、定着装置の加熱用としては色温度が2500K程度のものが用いられる。このため、反射部材26の反射率は、発光強度の高いハロゲンヒータ23の波長、具体的には900~1600nmの波長、より好ましくは1000~1300nmの波長に対して70%以上であるのがよい。
【0032】
また、反射部材26の機能を、ステー25に持たせてもよい。例えば、ステー25のハロゲンヒータ23側の面を鏡面処理することで、ステー25が反射部材26の機能を兼ねるように構成することができる。この場合、ステー25とは別体の反射部材26を省略することが可能である。
【0033】
ガイド部材27は、定着ベルト21の内周面に対して接触し、回転する定着ベルト21をガイドする。本実施形態では、一対のガイド部材27が、ニップ部Nに対して用紙搬送方向の上流側と下流側の両方に設けられている。各ガイド部材27は、ステー25などに固定される取付部27aと、定着ベルト21の内周面に接触する曲面状のガイド部27bと、を有している。図3に示すように、ガイド部27bの定着ベルト21側の面(ガイド面)には、ベルト幅方向に渡って複数のリブ(突起)27cが等間隔に設けられている。この複数のリブ27cを有するガイド面に沿って定着ベルト21がガイドされることで、定着ベルト21は大きな変形を伴うことなく円滑に回転することができる。
【0034】
温度センサ28は、定着ベルト21の外周面に対向して配置され、定着ベルト21の温度を検知する温度検知手段である。本実施形態では、温度センサ28を、定着ベルト21に対してベルト幅方向の中央部と一端部側との2箇所に配置している。温度センサ28によって定着ベルト21の表面温度が検知され、その検知結果に基づいてハロゲンヒータ23の出力制御が行われることで、定着ベルト21の温度が所望の温度(定着温度)となるように制御される。温度センサ28は、接触型又は非接触型のいずれでもよい。温度センサ28としては、例えばサーモパイル、サーモスタット、サーミスタ、NCセンサなど、公知の温度センサを適用可能である。
【0035】
図4に示すように、定着ベルト21の両端部には、それぞれ定着ベルト21を支持する定着部材支持部材としてのベルト支持部材30が挿入されている。このように、定着ベルト21の両端部にベルト支持部材30が挿入されていることで、定着ベルト21は、非回転時においては基本的に周方向の張力が生じない、いわゆるフリーベルト方式で支持されている。
【0036】
図3図5に示すように、ベルト支持部材30は、定着ベルト21の内側に挿入されて定着ベルト21を支持するC字状の支持部30aと、定着ベルト21の端面に接触して定着ベルト21の幅方向移動(片寄り)を規制するフランジ状の規制部30bと、を有している。また、支持部30aは、図6に示す例のように、全周に渡って連続する筒状であってもよい。各ベルト支持部材30は、定着装置5を構成するフレーム部材である一対の側板31(図4参照)に固定されている。また、ベルト支持部材30には、開口部30c(図5参照)が設けられており、この開口部30cを通してハロゲンヒータ23やステー25の両端部が各側板31に支持されている。また、ハロゲンヒータ23やステー25は、ベルト支持部材30によって支持されてもよい。
【0037】
本実施形態では、ハロゲンヒータ23から熱及び光(以下、熱及び光を含む概念として「加熱エネルギー」という用語を使用する。)が放射されると、図7に示すように、その加熱エネルギーのうち、主に図の上方に放射された加熱エネルギーは、直接あるいは反射部材26によって反射されて定着ベルト21の内周面に付与される。また、ハロゲンヒータ23から放射された加熱エネルギーのうち、主に図の下方に放射された加熱エネルギーは、直接あるいは反射部材26によって反射されてニップ形成部材24に付与される。このように、ハロゲンヒータ23から放射された加熱エネルギーは、定着ベルト21及びニップ形成部材24に対して直接、又は反射部材26を介して間接的に付与されることで、定着ベルト21及びニップ形成部材24の両方が加熱される。
【0038】
定着ベルト21に付与された加熱エネルギーは、ニップ部Nにおいて定着ベルト21から用紙に付与される。一方、ニップ形成部材24に付与された加熱エネルギーは、ニップ形成部材24から定着ベルト21に伝達された後、定着ベルト21から用紙に付与される。このように、ニップ形成部材24に付与された加熱エネルギーは、ニップ形成部材24から定着ベルト21への熱伝達を経なければならないため、定着ベルト21に付与された加熱エネルギーに比べて、最終的に用紙へ伝達されにくく、用紙を加熱する加熱効率が低くなる傾向にある。従って、加熱効率を向上させるには、ハロゲンヒータ23から定着ベルト21に付与される加熱エネルギーの割合を多くすることが望ましい。
【0039】
そこで、本実施形態では、加熱効率を向上させるため、図8に示すように、ハロゲンヒータ23に対向するニップ形成部材24の対向面24cを鏡面状に形成し、対向面24cによって加熱エネルギーを積極的に反射して定着ベルト21に付与できるようにしている。図8では、ハロゲンヒータ23からニップ形成部材24に放射された加熱エネルギーが対向面24cによって反射されて定着ベルト21に付与される経路のみが示されているが、ハロゲンヒータ23から対向面24cを経て定着ベルト21へ付与される加熱エネルギーには、その途中で反射部材26によって反射される加熱エネルギーも含まれる。
【0040】
このように、本実施形態では、ニップ形成部材24の対向面24cによって加熱エネルギーを定着ベルト21へ反射し、ニップ形成部材24が反射部材26とは別体の第2の反射部材として機能することで、定着ベルト21に付与される加熱エネルギーが増え、加熱効率が向上する。また、加熱効率の向上によって無駄な熱エネルギーの消費も低減されるので、省エネ性も向上する。
【0041】
対向面24cにおける光の反射率は、50%以上とする。対向面24cにおける光の反射率が50%未満であると、ニップ形成部材24から定着ベルト21へ反射される光が少なくなり、加熱効率の向上があまり期待できないからである。対向面24cにおける光の反射率は、上述の反射部材26の反射率と同様の方法で測定した値である。なお、対向面24cにおける熱の反射率は、上述の方法で測定された光の反射率の測定結果を代用し、光の反射率と同等の値とする。以下、対向面24cの反射率を、光の反射率として説明する。
【0042】
このように、本実施形態では、ニップ形成部材24の対向面24cの反射率を50%以上とすることにより、ハロゲンヒータ23から照射される光をニップ形成部材24によって定着ベルト21へ効果的に反射し、加熱効率を向上させることができる。なお、ニップ形成部材24の対向面24cは、必ずしもその全体に渡って光の反射率が50%以上でなくてもよい。すなわち、定着ベルト21に反射される光を多くして加熱効率を向上させるには、対向面24cの少なくとも一部における光の反射率が50%以上であればよい。また、対向面24cの反射率を50%以上とすることにより、ニップ形成部材24を反射部材として使用することができ、部品点数を減らすこともできる。
【0043】
対向面24cの反射率を向上させるには、研削加工などによって対向面24cの表面粗さを小さくすることで実現できる。例えば、対向面24cの表面粗さRaを、JIS B0601 2001に定義される算術平均粗さで0.02μm以下にすることで、反射率を85%以上にすることが可能である。
【0044】
対向面24cの反射率は、ニップ形成部材24の長手方向全体に渡って同じでなくてもよい。例えば、定着ベルト21の長手方向両端部側の非通紙領域において熱が消費されないことによる過昇温の虞がある場合は、図9に示す例のように、ニップ形成部材24の長手方向(加圧ローラ22の回転軸方向Z)の両端部側E1,E2の領域Uの反射率を、中央部側Cの領域(両端部側E1,E2の領域U同士の間の領域)の反射率より低くしてもよい。このように、対向面24cの両端部側E1,E2の反射率を中央部側Cの反射率よりも低くすることで、対向面24cの両端部側E1,E2において反射される光が中央部側Cに比べて少なくなり、定着ベルト21がその両端部側で加熱されにくくなるので、非通紙領域における定着ベルト21の過昇温を抑制できるようになる。
【0045】
また、この場合、対向面24cの両端部側E1,E2では、反射される光が少なくなることで、反対に、ニップ形成部材24に吸収される光が多くなるが、ニップ形成部材24は定着ベルト21に比べて厚く熱容量も大きいため、過昇温は生じにくく、熱による劣化や変形なども生じにくい。また、両端部側E1,E2でニップ形成部材24に付与された熱は、ニップ形成部材24に沿ってその中央部側Cへ伝達され均一化されるため、定着処理の熱として有効活用することができ、加熱効率の向上も図れる。
【0046】
両端部側E1,E2での反射率を低くする方法としては、例えば、対向面24cの表面粗さを中央部側Cよりも両端部側E1,E2で粗くする方法がある。また、対向面24cの両端部側E1,E2に、対向面24cの中央部側Cよりも反射率の低い黒色塗料などの低反射材を付着させてもよい。両端部側E1,E2での反射率を大きく下げたい場合(例えば反射率を10%以下にしたい場合)は、表面粗さを粗くする方法を採用するよりも、低反射材を付着させる方法を採用する方が好ましい。一方、表面粗さを粗くする方法は、対向面24cを研削する際の研削条件をその中央部側Cと両端部側E1,E2とで変更するだけでよいので、低反射材を付着させる場合のような追加工程が不要になり、ヒータの製造工程を簡素化できる利点がある。
【0047】
反射率の低い両端部側E1,E2側の領域Uを中央部側Cへ広げると、定着ベルト21の両端部側での過昇温をさらに効果的に抑制できるようになる。しかしながら一方で、定着ベルト21の両端部側に反射される光が少なくなるので、定着ベルト21の両端部側を支持するベルト支持部材30からの放熱の影響や、装置内で発生する気流による定着ベルト21の表面からの放熱の影響などによって、定着ベルト21の両端部側の温度が必要以上に低下する虞がある。従って、反射率の高い中央部側Cの領域と反射率の低い両端部側E1,E2側の領域との境界線Xの位置は、定着装置の構成や放熱の影響などに応じて適宜設定すればよい。
【0048】
図9に示す例では、反射率の高い領域と低い領域との境界線Xが、用紙搬送方向Fと平行になっているが、境界線Xは用紙搬送方向Fと平行でなくてもよい。例えば、図10あるいは図11に示す例のように、境界線Xを用紙搬送方向Fに対して傾斜させてもよい。
【0049】
図10に示す例では、2つの境界線Xが用紙搬送方向Fの下流側(図の下方)に向かって互いに接近するように傾斜していることで、反射率の低い領域Uが用紙搬送方向Fの下流側へ向かって徐々に長手方向へ広がるように形成されている。反対に、反射率の高い中央部側Cの領域は、用紙搬送方向Fの下流側に向かって長手方向に徐々に狭くなっている。この場合、反射率の高い中央部側Cの領域は、用紙搬送方向Fの下流側よりも上流側で広くなるので、特にニップ部Nの用紙搬送方向Fの上流側で定着ベルト21の加熱効率を高めることができる。一般的に、ニップ部Nの用紙搬送方向Fの上流側では、下流側に比べて定着ベルト21から用紙への熱の供給が多く行われるため、図10に示す構成を採用することで、上流側での用紙への熱の供給を十分に行うことができ、用紙への熱の供給に伴う定着ベルト21の温度低下も緩和することができる。また、ニップ部Nの用紙搬送方向Fの下流側では、反射率の低い領域Uが大きくなるため、熱がニップ板に吸収される割合が多くなり、多くの熱を用紙に供給することができるので、トナーの温度が高い状態で用紙を定着ベルト21から分離することができ、光沢画像が得られやすくなる。
【0050】
一方、図11に示す例では、反射率の低い領域Uが、用紙搬送方向Fの下流側(図の下方)に向かってニップ形成部材24の長手方向に徐々に狭まるように形成されているので、図10に示す例とは反対に、反射率の高い中央部側Cの領域は、用紙搬送方向Fの上流側よりも下流側で広くなる。この場合、特にニップ形成部材24の用紙搬送方向上流側における長手方向両端部で、熱を多く蓄えることができるようになる。一般的に、定着装置では、定着ベルトの長手方向両端部側で熱が逃げやすいため、ニップ部の両端部側で温度が低下する端部温度低下が生じる場合がある。その場合、用紙の幅方向端部側で良好な定着性が得られなくなり、定着不良が発生する虞がある。特に、ニップ部の用紙搬送方向上流側では、温められない用紙がニップ部に進入するため、用紙によって熱が多く奪われ、端部温度低下の影響が顕著になる傾向にある。そのため、図11に示す例のように、反射率の低い領域Uを用紙搬送方向Fの上流側で広くすることにより、ニップ形成部材24の用紙搬送方向上流側における長手方向両端部で蓄えられる熱を多くすることができる。これにより、ニップ部に用紙が進入した際の両端部側での温度低下を抑制でき、上記のような端部温度低下による定着不良が生じにくくなる。
【0051】
上述の実施形態では、図2及び図3などに示すように、ステー25及び反射部材26が、いずれもハロゲンヒータ23を挟んで両側に配置された一対(別体)の部材で構成されているが、図12に示す例のように、これらの一対の部材をそれぞれの長手方向(加圧ローラ22の回転軸方向Z)の両端部側で連結して、一体に構成してもよい。
【0052】
図12に示す例では、ステー25及び反射部材26が、ハロゲンヒータ23よりも用紙搬送方向Fの上流側に配置された上流壁部25c,26cと、ハロゲンヒータ23よりも用紙搬送方向Fの下流側に配置された下流壁部25d,26dと、上流壁部25c,26c及び下流壁部25d,26dの長手方向の両端部側を連結する一対の連結壁部25e,26eと、を有している。ステー25及び反射部材26の各連結壁部25e,26eが設けられていない部分では、それぞれハロゲンヒータ23を挟んで加圧ローラ22とは反対側に開口部25f,26fが形成されている。
【0053】
図13に示すように、各開口部25f,26fが設けられた箇所では、ハロゲンヒータ23から放射された加熱エネルギー、及び、反射部材26やニップ形成部材24の対向面24cによって反射された加熱エネルギーが、各開口部25f,26fを通して定着ベルト21の内周面に付与される。
【0054】
一方、図14に示すように、各連結壁部25e,26eが設けられた箇所では、各連結壁部25e,26eがハロゲンヒータ23に対してニップ形成部材24側とは反対側に配置されていることで、ハロゲンヒータ23から放射された加熱エネルギー、及び、反射部材26やニップ形成部材24の対向面24cによって反射された加熱エネルギーは、反射部材26の連結壁部26eあるいはステー25の連結壁部25eによって遮蔽される。すなわち、各連結壁部25e,26eは、定着ベルト21の長手方向の端部側で定着ベルト21への加熱エネルギーを遮蔽する端部側遮蔽部として機能する。なお、ここでいう「加熱エネルギーを遮蔽する」とは、加熱エネルギー(熱及び光の少なくとも一方)を遮ることを意味し、例えば、「加熱エネルギーを反射する」こと、及び「加熱エネルギーを吸収する」ことを含む概念を意味する。このように、定着ベルト21への加熱エネルギーを連結壁部25e,26eによって遮蔽することで、定着ベルト21の長手方向の両端部側での温度上昇をより効果的に抑制でき、非通紙領域における過昇温をより確実に抑制できるようになる。
【0055】
また、本発明に係る定着装置において、ステー25や反射部材26の各形状、ハロゲンヒータ23の数は、上述の例に限らず適宜変更可能である。
【0056】
例えば、図15に示す例のように、一対のステー25同士及び一対の反射部材26同士が、互いに平行ではなく、ハロゲンヒータ23の上方(ニップ部Nとは反対側)に向かって互いに間隔を広げるように傾斜し、ハロゲンヒータ23を2本有する定着装置であってもよい。
【0057】
また、本発明に係る定着装置は、図1に示すような用紙を水平方向に搬送する定着装置5に限らない。定着装置5の用紙搬送方向について特に制限はなく、例えば、図16に示すような、用紙を垂直方向に搬送する定着装置であってもよい。
【0058】
また、上述の実施形態では、本発明を加熱装置の一例である定着装置に適用した場合を例に説明したが、本発明は定着装置に適用される場合に限らない。例えば、インクジェット式の画像形成装置において、用紙を加熱して用紙上のインク(液体)を乾燥させる乾燥装置などの加熱装置にも本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 画像形成装置
2 画像形成部
5 定着装置(加熱装置)
21 定着ベルト(定着部材、回転部材)
22 加圧ローラ(対向部材)
23 ハロゲンヒータ(加熱部材)
24 ニップ形成部材
24c 対向面
25 ステー
25e 連結壁部(端部側遮蔽部)
26 反射部材
26e 連結壁部(端部側遮蔽部)
C 中央部側
E1 端部側
E2 端部側
F 用紙搬送方向(記録媒体搬送方向)
N ニップ部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0060】
【文献】特開2014-132371号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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