(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】低バンディングノイズのための比較装置及びそれによるCMOSイメージセンサ
(51)【国際特許分類】
H03K 5/08 20060101AFI20240617BHJP
H04N 25/78 20230101ALI20240617BHJP
H03M 1/08 20060101ALI20240617BHJP
H03M 1/56 20060101ALI20240617BHJP
H03M 1/12 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
H03K5/08 E
H04N25/78
H03M1/08 A
H03M1/56
H03M1/12 A
(21)【出願番号】P 2019205966
(22)【出願日】2019-11-14
【審査請求日】2022-10-17
(31)【優先権主張番号】10-2018-0140763
(32)【優先日】2018-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金賢俊
【審査官】竹内 亨
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-121119(JP,A)
【文献】特開昭60-213118(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 5/00-5/26
H03M 1/00-1/88
H04N 25/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランプ信号とピクセル信号とを比較して比較信号を出力するための比較回路と、
クランピング電圧を調整するための電圧調整回路と、
前記比較回路及び前記電圧調整回路と連結され、前記電圧調整回路からのクランピング電圧に基づいて、前記比較回路の出力電圧スイングを制御するための出力電圧スイング制御回路と、
前記電圧調整回路からのクランピング電圧をサンプリングして、サンプリングされた電圧を前記出力電圧スイング制御回路に伝達するためのサンプリング回路と、
を備える比較装置。
【請求項2】
前記サンプリング回路は、
前記電圧調整回路と連結され、前記電圧調整回路からの第1のクランピング電圧をサンプリングして、サンプリングされた電圧を前記出力電圧スイング制御回路に印加するための第1のサンプリング回路と、
前記電圧調整回路と連結され、前記電圧調整回路からの第2のクランピング電圧をサンプリングして、サンプリングされた電圧を前記出力電圧スイング制御回路に印加するための第2のサンプリング回路と、
を備える請求項
1に記載の比較装置。
【請求項3】
前記サンプリング回路は、
各コラム毎に備えられる請求項
1に記載の比較装置。
【請求項4】
前記電圧調整回路は、
第1のクランピング電圧と第2のクランピング電圧との各々を予め決められたレベルに調整する請求項1に記載の比較装置。
【請求項5】
前記電圧調整回路は、
第1のクランピング電圧と第2のクランピング電圧との各々を予め決められたレベルに調整して、各コラムの前記出力電圧スイング制御回路に
共通に印加するためのグローバルデジタル-アナログ変換回路を備える請求項1に記載の比較装置。
【請求項6】
前記出力電圧スイング制御回路は、
前記電圧調整回路からのクランピング電圧によって前記比較回路の出力電圧をクランピングするためのクランピング回路を備える請求項1に記載の比較装置。
【請求項7】
前記出力電圧スイング制御回路は、
前記電圧調整回路からの第1のクランピング電圧によって前記比較回路の出力電圧の上位レベルを制限するための第1のトランジスタと、
前記電圧調整回路からの第2のクランピング電圧によって前記比較回路の出力電圧の下位レベルを制限するための第2のトランジスタと、
を備える請求項1に記載の比較装置。
【請求項8】
前記出力電圧スイング制御回路は、
第1の出力ノードと第2の出力ノードとの間に備えられた請求項1に記載の比較装置。
【請求項9】
前記出力電圧スイング制御回路は、
ソース端子が第1の出力ノードに連結され、ゲート端子が前記電圧調整回路に連結され、ドレイン端子が第2の出力ノードに連結されたPMOSトランジスタと、
ソース端子が前記第1の出力ノードに連結され、ゲート端子が前記電圧調整回路に連結され、ドレイン端子が前記第2の出力ノードに連結されたNMOSトランジスタと、
を備える請求項1に記載の比較装置。
【請求項10】
正の供給電圧を伝達する1つ以上のプルアップ(pull-up)トランジスタ及び負の供給電圧を伝達する1つ以上のプルダウン(pull-down)トランジスタに連結された出力ノードと、
前記出力ノードの電圧が第1の閾値レベル上に上
昇すれば、前記正の供給電圧より低い第1の制御電圧を生成し、前記出力ノードの電圧が第2の閾値レベル下に下
降すれば、前記負の供給電圧より高い第2の制御電圧を生成するクランプ制御回路と、
前記出力ノードに連結され、前記第1及び第2の制御電圧に基づいて、前記第1の閾値電圧と前記第2の閾値電圧との間の電圧範囲内で前記出力ノードの電圧レベルを維持するためのクランプ回路と、
を備える比較器。
【請求項11】
前記クランプ回路は、
電流経路に流れる電流に基づいて、前記出力ノードの電圧を調整するために、前記出力ノードに前記電流経路を提供するための1つ以上のトランジスタを備える請求項
10に記載の比較器。
【請求項12】
前記1つ以上のトランジスタは、
前記出力ノードに並列に連結されたPMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタを備え、
前記PMOSトランジスタ及び前記NMOSトランジスタのゲート端子は、前記クランプ制御回路に連結される請求項
11に記載の比較器。
【請求項13】
前記クランプ制御回路と前記クランプ回路との間に連結され、前記クランプ回路に印加される前記第1及び第2の制御電圧を維持するためのローカルサンプル及びホールド回路をさらに備える請求項
10に記載の比較器。
【請求項14】
前記ローカルサンプル及びホールド回路は、
前記第1及び第2の制御電圧の各々を維持するための第1及び第2のキャパシタを備える請求項
13に記載の比較器。
【請求項15】
少なくとも2つの入力ノードと、
少なくとも1つの出力ノードと、
前記少なくとも1つの出力ノードと連結され、正の供給電圧を受信し、前記正の供給電圧に向けて比較器の出力ノードの電圧レベルを増加させる1つ以上のプルアップ(pull-up)トランジスタと、
前記少なくとも1つの出力ノードと連結され、負の供給電圧を受信し、前記正の供給電圧に向けて比較器の出力ノードの電圧レベルを減少させる1つ以上のプルダウン(pull-down)トランジスタと、
前記出力ノードの電圧が第1の閾値レベル上に上
昇すれば、第1の制御電圧を生成し、前記出力ノードの電圧が第2の閾値レベル下に下
降すれば、第2の制御電圧を生成するクランプ制御回路と、
前記第1の制御電圧を受信する第1の制御端子を備え、前記出力ノードに連結されて、前記出力ノードの電圧レベルをクランピングするために、前記第1の制御電圧に基づいて、前記出力ノードに第1の電流経路を提供する第1のクランプ回路と、
前記第2の制御電圧を受信する第2の制御端子を備え、前記出力ノードに連結されて、前記出力ノードの電圧レベルをクランピングするために、前記第2の制御電圧に基づいて、前記出力ノードに第2の電流経路を提供する第2のクランプ回路と、
を備える比較器。
【請求項16】
前記第1のクランプ回路は、
前記出力ノードに連結され、前記第1の制御電圧を受信するために、前記クランプ制御回路と連結されたゲート端子を備えるPMOSトランジスタを備える請求項
15に記載の比較器。
【請求項17】
前記第2のクランプ回路は、
前記出力ノードに連結され、前記第2の制御電圧を受信するために、前記クランプ制御回路と連結されたゲート端子を備えるNMOSトランジスタを備える請求項
15に記載の比較器。
【請求項18】
前記クランプ制御回路と前記第1及び第2のクランプ回路との間に連結され、前記クランプ回路に印加される前記第1及び第2の制御電圧を維持するためのローカルサンプル及びホールド回路をさらに備える請求項
15に記載の比較器。
【請求項19】
前記ローカルサンプル及びホールド回路は、
前記第1及び第2の制御電圧の各々を維持するための第1及び第2のキャパシタを備える請求項
18に記載の比較器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、アナログ-デジタル変換回路(ADC)及びアナログ-デジタル変換回路(ADC)を含むイメージセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
CCD(Charge Coupled Device)またはCMOSイメージセンサ(CIS)のようなイメージセンサは、光子を電子に変換するための複数のイメージセンサピクセルを含む。各ピクセルは、センサピクセルにより感知された光子の数に比例する電荷を蓄積する。
【0003】
ほとんどのイメージセンサにおいて、アナログ-デジタル変換回路(ADC)は、センサピクセルにより蓄積された電荷に対応するアナログピクセル出力に基づいてデジタル出力を生成するために使用される。アナログピクセル出力に対するアナログからデジタルへの変換は、イメージセンサの性能に影響を及ぼす極めて重要なプロセスであるから、与えられた状況で他の接近方式が使用され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、改善された性能特性を有するイメージ感知装置に関するものである。一部の実施形態において、イメージ感知装置は、出力電圧スイング制御ブロックを使用して出力電圧スイングを制限するための比較器及びこれを含むCMOSイメージセンサ(CIS)を含む。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係る比較装置は、ランプ信号とピクセル信号とを比較して比較信号を出力するための比較回路と、クランピング電圧を調整するための電圧調整回路と、前記比較回路及び前記電圧調整回路と連結され、前記電圧調整回路からのクランピング電圧に基づいて、前記比較回路の出力電圧スイングを制御するための出力電圧スイング制御回路とを備えることができる。
【0006】
このような本発明の一実施形態に係る比較装置は、前記電圧調整回路からのクランピング電圧をサンプリングして、サンプリングされた電圧を前記出力電圧スイング制御回路に伝達するためのサンプリング回路をさらに備えることができる。
【0007】
本発明の他の実施形態に係る比較器は、正の供給電圧を伝達する1つ以上のプルアップ(pull-up)トランジスタ及び負の供給電圧を伝達する1つ以上のプルダウン(pull-down)トランジスタに連結された出力ノードと、前記出力ノードの電圧が第1の閾値レベル上に上昇することを検出すれば、前記正の供給電圧より低い第1の制御電圧を生成し、前記出力ノードの電圧が第2の閾値レベル下に下降することを検出すれば、前記負の供給電圧より高い第2の制御電圧を生成するクランプ制御回路と、前記出力ノードに連結され、前記第1及び第2の制御電圧に基づいて、前記第1の閾値電圧と前記第2の閾値電圧との間の電圧範囲内で前記出力ノードの電圧レベルを維持するためのクランプ回路とを備えることができる。
【0008】
本発明の他の実施形態に係る比較器は、少なくとも2つの入力ノードと、少なくとも1つの出力ノードと、前記少なくとも1つの出力ノードと連結され、正の供給電圧を受信し、前記正の供給電圧に向けて比較器の出力ノードの電圧レベルを増加させる1つ以上のプルアップ(pull-up)トランジスタと、前記少なくとも1つの出力ノードと連結され、負の供給電圧を受信し、前記正の供給電圧に向けて比較器の出力ノードの電圧レベルを減少させる1つ以上のプルダウン(pull-down)トランジスタと、前記出力ノードの電圧が第1の閾値レベル上に上昇することを検出すれば、第1の制御電圧を生成し、前記出力ノードの電圧が第2の閾値レベル下に下降することを検出すれば、第2の制御電圧を生成するクランプ制御回路と、前記第1の制御電圧を受信する第1の制御端子を備え、前記出力ノードに連結されて、前記出力ノードの電圧レベルをクランピングするために、前記第1の制御電圧に基づいて、前記出力ノードに第1の電流経路を提供する第1のクランプ回路と、前記第2の制御電圧を受信する第2の制御端子を備え、前記出力ノードに連結されて、前記出力ノードの電圧レベルをクランピングするために、前記第2の制御電圧に基づいて、前記出力ノードに第2の電流経路を提供する第2のクランプ回路とを備えることができる。
【0009】
本発明の他の実施形態に係るCMOSイメージセンサ(CIS)は、入射光に対応するピクセル信号を出力するためのピクセルアレイと、前記ピクセルアレイ内のピクセルをローライン別に選択して制御するためのローデコーダと、ランプ信号を発生するためのランプ信号発生装置と、前記ランプ信号発生装置から印加されるランプ信号と前記ピクセルアレイからの各ピクセル信号とを比較するための比較回路と、クランピング電圧を調整するための電圧調整回路と、前記電圧調整回路からのクランピング電圧によって前記比較回路の出力電圧スイングを制御するための出力電圧スイング制御回路と、前記比較回路からの各出力信号に応じてクロックをカウンティングするためのカウンティング回路と、前記カウンティング回路からのカウンティング情報を各々格納するためのメモリ回路と、前記ローデコーダと前記ランプ信号発生装置と前記比較回路と前記カウンティング回路と前記メモリ回路との動作を制御するための制御回路と、前記メモリ回路のデータを前記制御回路の制御によって出力するためのコラム読み出し回路とを備えることができる。
【0010】
このような本発明の実施形態に係るCMOSイメージセンサ(CIS)は、前記電圧調整回路からのクランピング電圧をサンプリングして、前記出力電圧スイング制御回路に伝達するためのサンプリング回路をさらに備えることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施形態によれば、出力電圧スイング制御回路を用いて比較器の出力電圧スイングを制限することで、バンディングノイズが発生することを緩和させることができるだけでなく、相互相関二重サンプリング(CDS)動作性能が影響を受けることを減らすか、避けることができるという効果がある。
【0012】
また、本発明の実施形態によれば、バッファを使用しないので、必要とする面積及びパワーを減少させることができ、入力電圧スイングがバッファのゲインエラーのために減少されるという問題を解決できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】CMOSイメージセンサ(CIS)の例を説明する。
【
図1B】
図1Aに示されたCMOSイメージセンサにおけるアナログ-デジタル変換タイミング図の例である。
【
図3】CMOSイメージセンサ(CIS)の他の例を説明する。
【
図4】本発明の一実施形態によって実現された比較器の例を説明する。
【
図5】本発明の一実施形態によって実現された比較器の出力電圧の波形を説明する。
【
図6】本発明の他の実施形態によって実現された比較器の例を説明する構成図である。
【
図7】本発明の他の実施形態によって実現された比較器の動作タイミングを説明する。
【
図8】本発明の一実施形態によって実現されたCMOSイメージセンサ(CIS)の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を説明するのにおいて、本発明と関連した公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合に、その詳細な説明を省略する。以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施できる程度に詳細に説明するために、本発明の最も好ましい実施形態を添付図面を参照して説明する。
【0015】
そして、明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているとするとき、これは、「直接的に連結」されている場合のみならず、その中間に他の素子を挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」または「備える」とするとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含むか、具備できるということを意味する。また、明細書全体の記載において一部の構成要素を単数型で記載したとして、本発明がそれに限定されるものではなく、当該構成要素が複数個からなり得ることが分かるであろう。
【0016】
CMOSイメージセンサ(CIS)のようなイメージセンサは、イメージセンサのイメージセンサピクセルにより蓄積された電荷に対応するアナログピクセル出力に基づいてデジタル出力を生成するためのアナログ-デジタル変換回路(ADC)を備えることができる。既存の接近法は、イメージセンサ当たり、単一ADCを使用してピクセル出力を時間多重化してグローバルADCに入力してデジタル出力を生成することである。高解像度及び高いフレームレートに対する要求が増加するにつれて、このような伝統的な接近方式は、実用的でなくなり、したがって、ピクセルアレイ列毎に1つのADCを配置することによって実現される列並列ADCは、伝統的な接近方式の代案として浮上している。しかし、このようなコラム並列ADCでも、各ランプ発生器は、数十から数千個の比較器に連結されてランプ信号を比較器に印加する。グローバルランプ発生器の側面で全体負荷は、全ての寄生静電容量(parasitic capacitances)及び比較器と連関した抵抗値(resistances)を含むので、一部の比較器等の静電容量と抵抗値の変化は、連関した他の比較器等の電流の範囲及び/又は電圧条件に影響を与える可能性があり、これは、アナログからデジタルへの変換に不正確性を引き起こす恐れがある。
【0017】
アナログ-デジタル変換回路(ADC)は、アナログピクセル出力をサンプリングするための基準信号として単一スロープランプ信号を使用できる。カウンタがカウンティングする間、ランプ信号とアナログピクセル出力とが比較器に印加される。ランプ信号の電圧がアナログピクセル出力の電圧と同じであれば、カウンタ値が格納されてデジタル出力を生成する。アナログ-デジタル変換回路(ADC)の一部の実現において、複数の比較器が複数のランプ信号を受信するために、共通的にグローバルランプ発生器と連結される。
【0018】
一実施形態において、比較器は、差動入力電圧をトランスコンダクタンス(すなわち、入力電圧に対する出力電流の比、ゲイン)に比例して出力電流で出力することができる演算トランスコンダクタンス増幅器(Operational Transconductance Amplifier、OTA)を使用して実現されることができる。演算トランスコンダクタンス増幅器(OTA)の出力電圧は、増幅器の負荷抵抗に基づいて決定されることができる。例えば、増幅器の出力電圧は、出力電流と負荷抵抗との積である。他の実施形態において、比較器は、1つ以上のインバータ(例えば、カスケード(cascaded)CMOSインバータ)を使用して実現されることができる。
【0019】
一部の実現例において、比較器は、ランプ信号及びアナログピクセル出力を受信するためのトランジスタを含む複数の入力ノード及び出力ノードを正の供給電圧(例えば、電源(Vdd)電圧)または負の供給電圧(例えば、接地電圧)に「プルアップ(pullup)」または「プルダウン(pulldown)」するための複数のトランジスタを備える複数の出力ノードを備えることができる。出力ノードの電圧が正の供給電圧と負の供給電圧との間で変動すれば、「キックバック(kick-back)」効果のため、グローバルランプ生成器で見ることができる入力ノードの寄生静電容量(parasitic capacitances)の変化が引き起こされる可能性がある。数千個の比較器の入力ノードで負荷静電容量(capacitance)の変化は、アナログ-デジタル変換回路(ADC)の動作で非線形性を誘発する可能性がある。
【0020】
前述したように、CMOSイメージセンサ(CIS)は、固体撮像素子とは異なり、ピクセルアレイから出力されるアナログ形態の信号(ピクセル信号)をデジタル形態の信号に変換する。アナログ信号からデジタル信号への変換のために、CMOSイメージセンサ(CIS)は、高解像度のアナログ-デジタル変換回路(Analog to Digital Converter、ADC)を使用する。
【0021】
アナログ-デジタル変換回路(ADC)の例等は、アナログ-デジタル変換回路の実現方式によってシングルアナログ-デジタル変換回路(Single ADC)を使用する方式とコラムアナログ-デジタル変換回路(Column ADC)を使用する方式とを含む。
【0022】
シングルアナログ-デジタル変換方式は、高速で動作する1つのアナログ-デジタル変換回路を使用して所定の決まった時間内に全てのコラムのピクセルアレイから出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する方式であって、CMOSイメージセンサのチップ面積を減らすことができるという長所があるが、アナログ-デジタル変換回路が高速で動作しなければならないので、電力消費が大きいという短所がある。
【0023】
これに対し、コラムアナログ-デジタル変換方式は、簡単な構造のアナログ-デジタル変換回路(例、シングル-スロップアナログ-デジタル変換回路)を各コラム毎に配置して実現する方式であって、CMOSイメージセンサのチップ面積が増加されるという短所があるが、シングルアナログ-デジタル変換回路(Single ADC)と比較するとき、各アナログ-デジタル変換回路が低速で動作しても良いので、電力消費が少ないという長所がある。
【0024】
このようなコラムアナログ-デジタル変換方式は、ピクセルアレイの出力信号であるアナログ出力電圧に対して相互相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling、CDS)を行った結果に応じる電圧を格納し、ランプ信号発生装置で生成された予め設定されたランプ信号と相互相関二重サンプリング動作で格納された電圧とを比較することによってデジタルコード生成のための比較信号を提供する。
【0025】
シングル-スロップアナログ-デジタル変換回路は、複数のトランジスタ(例えば、5個以上のトランジスタ)を使用する演算トランスコンダクタンス増幅器(OTA)或いは2個以上のトランジスタを使用するインバータ形態の比較器を使用する。実現方式によって、シングル-スロップアナログ-デジタル変換回路は、複数のカスケード(cascaded)比較器(例、3個のカスケード(cascaded)比較器)を使用できる。例えば、複数のカスケード(cascaded)比較器は、複数の比較器が多段(multi-stage)で駆動できるように連結されることができる。
【0026】
シングル-スロップアナログ-デジタル変換回路の第1段(first stage)に位置した比較器は、2つの入力トランジスタのうち1つの入力トランジスタでランプ信号を受信し、他の1つの入力トランジスタではピクセル信号を受信する。そして、比較器の入力トランジスタにおいて、トランジスタの動作領域での変化は、ゲートとソースとの間の寄生キャパシタCgsとドレインとソースとの間の寄生キャパシタ(Cds)の静電容量の変化を引き起こす。
【0027】
ここで、ランプ信号発生装置は、シングル-スロップアナログ-デジタル変換回路の数十ないし数千個の比較器の入力端(寄生キャパシタ(Parasitic Capacitor)=Cgs+Cds)を負荷(Load)で眺めている。実施形態において、ランプ信号発生装置は、動作中、ランプ信号電圧を減少させたり、増加させる。
【0028】
動作中、ランプ信号電圧が減少したり、増加すれば、ランプ信号を受信する入力トランジスタのゲート電圧が増加したり、減少する。ゲート電圧(ランプ信号)がピクセル信号を受信する他の入力トランジスタのゲート電圧(ピクセル信号)と同一になると、比較器は、比較信号を出力する。ランプ信号がピクセル信号と同一になるまで、カウンタがクロックパルスの数をカウントし、メモリがカウンタの出力値を格納する。
【0029】
しかし、比較器が比較信号を出力しても、ランプ信号が予め設定された値に到達するまでランプ信号は増加したり、減少する。したがって、ランプ信号を受信する入力トランジスタのゲート電圧は、続けて下降したり、上昇する。
【0030】
したがって、ピクセル信号を受信する入力トランジスタの出力ノードの電圧が続けて下降したり、増加すれば、ピクセル信号を受信する入力トランジスタの動作領域がサチュレーション(Saturation)領域からトライオード(Triode)領域またはリニア(Linear)領域に変更されるようになる。すなわち、ピクセル信号を受信する入力トランジスタのドレインとソースとの間の電圧(Vds)減少のため、ピクセル信号を受信する入力トランジスタがランプ信号発生装置の側面で抵抗のように見える。
【0031】
このような理由から、ランプ信号を受信する入力トランジスタとピクセル信号を受信する入力トランジスタとの共通電圧Vcmが大きく変更されて、ランプ信号を受信する入力トランジスタのゲートとソースとの間の寄生キャパシタCgsが大きく変更される結果が発生する。
【0032】
比較器内のトランジスタ等の動作領域の変化によってランプ信号発生装置の負荷(Load)の変化をもたらす。アナログ-デジタル変換回路(ADC)がCMOSイメージセンサ(CIS)に使用されれば、ランプ信号発生装置の負荷の変更がバンディングノイズ(banding noise)を引き起こす可能性がある。また、既存の動作ポイントが全て変更されて、相互相関二重サンプリング(CDS)動作性能に影響を与える。
【0033】
このようなバンディングノイズを緩和させるために、追加されたバッファ等がランプ信号発生装置の出力端とそれぞれの比較器の入力端との間をアイソレーション(Isolation)し、ランプ信号を、バッファを介してそれぞれの比較器に入力することにより、バンディングノイズを減らすことができる。
【0034】
しかし、バンディングノイズが発生することを緩和させるために、このようなバッファを追加すれば、バッファを使用するのに伴って必要とする面積及びパワーが増加する可能性があり、入力電圧スイングがバッファのゲインエラー(gain error)のため、減少される可能性がある。
【0035】
図1Aは、シングル-スロップアナログ-デジタル変換回路(Single-Slope Analog to Digital Converter)のように、ランプ信号発生装置からランプ信号を受信するコラムパラレル(Column Parallel)アナログ-デジタル変換回路を搭載したCMOSイメージセンサの例を説明する。
図1Bは、
図1Aに示されたCMOSイメージセンサにおけるアナログ-デジタル変換タイミング図の例である。
【0036】
図1Aに示されたように、本発明の一実施形態に基づいたCMOSイメージセンサは、ピクセルアレイ10、ローデコーダ20、ランプ信号発生装置30、比較回路40、カウンティング回路50、メモリ回路60、制御回路70、及びコラム読み出し回路70を備えることができる。ピクセルアレイ10は、入射光に対応するピクセル信号を出力できる。ローデコーダ20は、制御回路80の制御によってピクセルアレイ10内のピクセルをローライン別に各々選択してその動作を制御できる。ランプ信号発生装置30は、制御回路80の制御によってランプ信号を生成できる。比較回路40は、ランプ信号発生装置30から印加されるランプ信号の値とピクセルアレイ10から出力される各ピクセル信号の値とを制御回路80の制御によって比較することができる。カウンティング回路50は、比較回路40の出力信号に応じて制御回路80から印加されたクロックをカウンティングできる。メモリ回路60は、制御回路80の制御によってカウンティング回路50で生成されたカウンタ出力を格納できる。制御回路80は、ローデコーダ20、ランプ信号発生装置30、比較回路40、カウンティング回路50、メモリ回路60、及びコラム読み出し回路70の動作を制御できる。コラム読み出し回路70は、メモリ回路60のデータを制御回路80の制御によってピクセルデータ(PXDATA)として順次出力することができる。
【0037】
各ピクセルのオフセット(Offset)値を除去するために、CMOSイメージセンサ(CIS)は、光信号が入射される前と後のピクセル信号(ピクセル出力電圧)を比較して、入射光によるピクセル信号のみを実際に測定することができる。このような技法を相互相関二重サンプリング(CDS)という。一部の実現において、相互相関二重サンプリング(CDS)は、比較回路40により行われることができる。イメージセンサの相関二重サンプリング(CDS)は、リセットサンプリングノイズ(例えば、リセットトランジスタにより生成されたノイズ)の影響を減少させるために使用されることができる。一部の実現において、相互相関二重サンプリング(CDS)は、1つのピクセルから2個の信号サンプルを取り、リセットサンプリングノイズを除去するために、2番目から1番目を引くことができる。例えば、相関二重サンプリング(CDS)は、リセット電圧値のサンプル及び信号電圧値のサンプルをピクセルから取り、信号電圧値からリセット電圧値を減算してリセットサンプリングノイズを除去できる。
【0038】
比較回路40は、複数の比較器を備え、カウンティング回路50は、複数のカウンタを備え、メモリ回路60は、複数のメモリを備えることができる。一部の実現において、ピクセルアレイのコラム毎に1つの比較器、1つのカウンタと1つのメモリが連結され得る。
【0039】
図1A及び
図1Bを参照して、1つの比較器、1つのカウンタと1つのメモリの動作を例に挙げて説明する。
【0040】
まず、第1の比較器41は、ピクセルアレイ10の第1のコラムから出力されるピクセル信号を一側端子を介して受信し、ランプ信号発生装置30から印加されるランプ信号を他側端子を介して受信し、制御回路80からの制御信号に応じて2つの信号の値を比較して比較信号を出力する。
【0041】
一実施形態において、ランプ信号VRampは、リセット動作後に電圧レベルが予め設定された一定の大きさに到達するまで線形的に減少または増加する電圧レベルを有する(例、シングル-スロップランプ信号)。ランプ信号は、特定時点で第1のカウンタ51と同期して活性化されることができる。第1の比較器41がピクセル信号とランプ信号とを比較する間、第1のカウンタ51は、ランプ信号VRampの電圧がピクセル信号の電圧と同じになるまでカウントする。
【0042】
実現によって、第1の比較器41は、ピクセル信号とランプ信号とを比較して得られた比較信号を出力し、比較器の各々から出力された比較信号の値は、ランプ信号VRampの電圧がピクセル信号の電圧と同じになるときに反転される。
【0043】
第1の比較器41から出力される比較信号が反転される瞬間まで、第1のカウンタ51は、制御回路80から提供されたクロックをカウンティングし、カウントされたクロックの数をカウンタ出力として出力する。ここで、それぞれのカウンタは、制御回路80から提供されるリセット制御信号に応じて初期化されることができる。
【0044】
その後、第1のメモリ61は、第1のカウンタ51で発生したカウンタ出力を格納することができ、カウンタ出力は、コラム読み出し回路70から出力される。
【0045】
一部の実現において、
図1Bに示されたように、CMOSイメージセンサ(CIS)では、リセット信号(リセット電圧)に対して1次カウンティングを行い、映像信号(シグナル電圧)に対して2次カウンティングを行うことができる。
【0046】
【0047】
図2Aに示されたように、一例として、比較器は、ソース端子が第1の供給電圧V
DDに連結され、ゲート端子とドレイン端子とが連結されたダイオードコネクション(Diode-Connection)構造のPMOSトランジスタPM
11、ソース端子が第1の供給電圧V
DDに連結され、ゲート端子がPMOSトランジスタPM
11のゲート端子に連結され、ドレイン端子が第1の出力ノードV
outpに連結されたPMOSトランジスタPM
12、一側端子にランプ信号(Vramp、すなわち、ランプ電圧)が受信され、他側端子がNMOSトランジスタNM
11のゲート端子に連結されたキャパシタC
11、一側端子にピクセル信号(Vpixel、すなわち、ピクセル電圧)が受信され、他側端子がNMOSトランジスタNM
12のゲート端子に連結されたキャパシタC
12、ドレイン端子がPMOSトランジスタPM
11のドレイン端子(すなわち、第2の出力ノードV
outn)に連結され、ゲート端子がキャパシタC
11の他側端子に連結され、ソース端子が電流源I
Tailを介して第2の供給電圧VGNDに連結されたNMOSトランジスタNM
11、ドレイン端子が第1の出力ノードV
outpに連結され、ゲート端子がキャパシタC
12の他側端子に連結され、ソース端子が電流源I
Tailを介して第2の供給電圧V
GNDに連結されたNMOSトランジスタNM
12、第2の出力ノードV
outnとNMOSトランジスタNM
11のゲート端子との間に連結されたスイッチSW
11、及び第1の出力ノードV
outpとNMOSトランジスタNM
12のゲート端子との間に連結されたスイッチSW
12を備える。
【0048】
ピクセル信号Vpixelに対して相互相関二重サンプリング(CDS)を行うために、まず、ピクセル信号(リセット電圧+シグナル電圧)のうち、リセット電圧Vresetをサンプリングするために、スイッチSW11とスイッチSW12とをオン(ON)させる。
【0049】
それにより、NMOSトランジスタNM11とNMOSトランジスタNM12とのゲート端子とドレイン端子との電圧レベルが同一になり、PMOSトランジスタPM11とPMOSトランジスタPM12とのドレイン電圧が同一になる。
【0050】
そして、
図2Aに示された比較器(Comparator)では、構造的に発生するオフセット(Offset)信号を基準にランプ信号V
Rampのコモン電圧がキャパシタC
11にサンプリングされ、また、オフセット信号を基準にピクセル信号のうち、リセット電圧がキャパシタC
12にサンプリングされる。
【0051】
このように、比較器に入力されるランプ信号のコモン電圧とピクセル信号のうち、リセット電圧とをNMOSトランジスタNM11とNMOSトランジスタNM12とのゲート端子に保持し、ランプ信号やピクセル信号の変化量をキャパシタC11とキャパシタC12とを介しての交流-カップリング(AC-Coupling)形態で感知する。
【0052】
そして、ピクセル信号(リセット電圧+シグナル電圧)のうち、シグナル電圧(Vsignal)をサンプリングするために、スイッチSW11とスイッチSW12とをオフ(OFF)させる。
【0053】
このとき、瞬間的なスイッチングによるスイッチングノイズ信号がキャパシタC11とキャパシタC12とに格納される。ところが、スイッチSW11とスイッチSW12とのオフの際、各スイッチの両端の信号値が常に一定であるため、オフセット信号と見なされることができ、NMOSトランジスタNM11とNMOSトランジスタNM12とがディファレンシャル(Differential)構造であるため、相対的に相殺されて、理想的には「0」の値と見なされることができる。しかし、実際回路では、「0」の値でないので、このときに発生するスイッチングノイズがイメージの解像度低下を誘発する。したがって、リセット電圧をサンプリングした後のコード値とシグナル電圧をサンプリングした後のコード値との差を介してこのようなスイッチングノイズなどを相殺させるDDS(Digital Double Sampling)動作を介してイメージの解像度低下を最小化することもできる。
【0054】
上記のように、スイッチSW11とスイッチSW12とがオフされ、ピクセルからのシグナル電圧がキャパシタC12を介して交流-カップリングされて、NMOSトランジスタNM12のゲート端子に印加されれば、結果的に、NMOSトランジスタNM12のゲート端子には、「リセット電圧-シグナル電圧」の電圧レベルがサンプリングされる。
【0055】
その後、ランプ信号VRampがキャパシタC11を介して交流-カップリングされて、NMOSトランジスタNM11のゲート端子に印加される。ランプ信号の電圧レベルが下降または上昇することにより、NMOSトランジスタNM11とNMOSトランジスタNM12とのゲート電圧値が一致する地点が生じるようになる。
【0056】
このように、ランプ信号が印加されるNMOSトランジスタNM11のゲート電圧がピクセル信号の相互相関二重サンプリング(CDS)値(リセット電圧-シグナル電圧)が印加されたNMOSトランジスタNM12のゲート電圧をクロッシングするようになると、第1の出力ノードVoutpの出力電圧値が「NMOSトランジスタNM11とNMOSトランジスタNM12との電圧差×ゲイン」の分だけ下降または上昇するようになる。
【0057】
このとき、出力電圧の変化量の大きさがNMOSトランジスタNM12のゲート端子にハードウェア的に発生するようになる寄生キャパシタに影響を与えるキック-バック(Kick-Back)効果が発生するようになり、これは、イメージの解像度低下を誘発するようになる。
【0058】
したがって、
図2Bに示された他の例のように比較器を実現することにより、出力電圧の変化量がNMOSトランジスタNM
12のゲート端子に発生される寄生キャパシタに影響を及ぼすことを最小化できる。
【0059】
ここで、
図2Bに示されたように、他の例の比較器は、
図2Aの比較器の構成要素に、ドレイン端子が第2の出力ノードV
outnに連結され、ゲート端子が第1の供給電圧V
DDに連結され、ソース端子がNMOSトランジスタNM
11のドレイン端子に連結されたNMOSトランジスタNM
13及びドレイン端子が第1の出力ノードV
outpに連結され、ゲート端子が第1の供給電圧V
DDに連結され、ソース端子がNMOSトランジスタNM
12のドレイン端子に連結されたNMOSトランジスタNM
14をさらに備える。
【0060】
このように、
図2Bに示された他の例の比較器のように、NMOSトランジスタNM
13とNMOSトランジスタNM
14とをさらに備えることにより、キック-バックエラー(キック-バックノイズ)の発生を最小化できる。
【0061】
一方、NMOSトランジスタNM11のゲート電圧がNMOSトランジスタNM12のゲート電圧をクロッシングするようになった後にも、ランプ信号が1ステップずつ下降または上昇しつつ、予め設定された下限あるいは上限の電圧レベル(Voltage Level)まで下降または上昇するので、NMOSトランジスタNM11のゲート電圧が続けて下降または上昇するようになり、それにより、第1の出力ノードVoutpの出力電圧値が「NMOSトランジスタNM11とNMOSトランジスタNM12との電圧差×ゲイン」の分だけ下降または上昇するようになり、瞬間的にNMOSトランジスタNM12の動作領域がサチュレーション領域からトライオード領域またはリニア領域に変更されるようになる。
【0062】
これにより、NMOSトランジスタNM11とNMOSトランジスタNM12とのコモン電圧Vcmが大きく変更されて、NMOSトランジスタNM11のゲートとソースとの間の寄生キャパシタCgsが大きく変更される。
【0063】
また、ランプ信号が上昇または下降する区間で第1の出力ノードVoutpの出力値が大きく変化するようになるが、このように、第1の出力ノードVoutpの出力値が大きく変化する区間でPMOSトランジスタPM12とNMOSトランジスタNM12とが各々動作点から外れてオフされるようになり、それにより、比較器の全体的な動作点に大きい変化が発生するようになる。
【0064】
ところが、第1の出力ノードVoutpの出力値が大きく変化する区間の位置が各コラム毎に異なるので、各コラムの比較器毎に動作点に大きい変化が生じるタイミングが異なるようになる。それにより、共通に入力されるランプ信号のラインや隣接したコラム間のカップリングキャパシタンスにより、各コラム間にクロストーク(Cross Talk)が発生するようになり、このため、バンディングノイズが発生するようになる。
【0065】
このように、コモン電圧の変化量がキャパシタC11を介してランプ信号に影響を与えるようになるか、各比較器の動作状態に応じてランプ信号発生装置の負荷(Load)が変更されることにより、周辺にある比較器のアナログ-デジタル変換過程に瞬間的に影響を与えるようになり、これは、バンディングノイズと表れるようになり、このようなバンディングノイズは、イメージの解像度低下を誘発するようになる。
【0066】
比較器等の入力ノードにバッファを含めてこのようなバンディングノイズを抑制できる。
【0067】
図3に示されたように、本発明の一実施形態に係るCMOSイメージセンサ(CIS)は、
図1AのCMOSイメージセンサ構成要素にバッファリング回路90を備えることができる。バッファリング回路90は、ランプ信号発生装置30から印加されるランプ信号をバッファリングでき、バッファリングされた信号を比較回路40に出力することができる。
【0068】
ここで、バッファリング回路90は、複数のバッファを備えることができる。すなわち、バッファ等は、各コラム別に備えられることができる。
【0069】
第1のバッファ91は、ランプ信号発生装置30から印加されるランプ信号を受信して、受信した信号をバッファリングし、バッファリングされた信号を比較器41に出力することができる。
【0070】
バンディングノイズを避けるためのアイソレーション(Isolation)構造のために、第1のバッファ91は、ランプ信号発生装置30の出力端と各比較器41の入力端との間にさらに備えられることができ、ランプ信号が第1のバッファ91を介して各比較器41に入力されるようにして、バンディングノイズが発生することを緩和させることができる。
【0071】
ところが、このようなバッファ追加方式は、バンディングノイズが発生することを緩和させるためにバッファを使用することにより、必要とする面積及びパワーが増加する可能性があり、入力電圧スイングがバッファのゲインエラーのため、減少する可能性がある。
【0072】
本発明の実施形態では、出力電圧スイング制御ブロックを用いて比較器の出力電圧スイングを制限することにより、バンディングノイズが発生することを緩和させ得るだけでなく、相互相関二重サンプリング(CDS)動作性能においてバンディングノイズの影響を防止できる。また、バッファを使用しないので、面積及びパワーを減少させることができ、入力電圧スイングがバッファのゲインエラーのために減少されることを防止できる。本発明の実施形態を
図4~
図8を参照して詳細に説明する。
【0073】
図4は、本発明の一実施形態によって実現された比較装置の例を説明する構成図であり、
図5は、本発明の一実施形態によって実現された比較装置の出力電圧の波形を説明する。
【0074】
図4に示されたように、比較装置は、比較ブロック410、電圧調整ブロック420、及び出力電圧スイング制御ブロック430を備えることができる。比較ブロック410は、ランプ信号とピクセル信号とを比較して比較信号を出力できる。電圧調整ブロック420は、クランピング電圧を調整できる。出力電圧スイング制御ブロック430は、電圧調整ブロック420からのクランピング電圧によって比較ブロック410の出力電圧スイングの上限と下限を設定できる。
【0075】
このとき、比較ブロック410は、一例として、前述した
図2Bのように実現されることができる。
【0076】
電圧調整ブロック420は、第1のクランピング電圧VCV1と第2のクランピング電圧VCV2とを生成できる。電圧調整ブロック420は、第1のクランピング電圧VCV1と第2のクランピング電圧VCV2との電圧レベルを予め決められたレベルに調整(制御)して出力電圧スイング制御ブロック430に調整された電圧を印加する。電圧調整ブロック420は、第1のクランピング電圧VCV1と第2のクランピング電圧VCV2とを予め決められたレベルに調整して、各コラムの出力電圧スイング制御ブロック430にグローバルに印加するためのグローバルデジタル-アナログ変換回路(Global DAC)を備えることができる。
【0077】
出力電圧スイング制御ブロック430は、電圧調整ブロック420からのクランピング電圧によって比較ブロック410の出力電圧をクランピング(Clamping)するためのクランピング回路を備えることができる。
【0078】
出力電圧スイング制御ブロック430は、PMOSトランジスタPM13とNMOSトランジスタNM15とを備えることができる、PMOSトランジスタPM13は、電圧調整ブロック420からの第1のクランピング電圧VCV1によって比較ブロック410の出力電圧の上限を設定するために使用されることができ、NMOSトランジスタNM15は、電圧調整ブロック420からの第2のクランピング電圧VCV2によって比較ブロック410の出力電圧の下限を設定するために使用されることができる。
【0079】
出力電圧スイング制御ブロック430は、第1の出力ノードVoutpと第2の出力ノードVoutnとの間に連結されることができる。
【0080】
出力電圧スイング制御ブロック430は、ソース端子が第1の出力ノードVoutpに連結され、ゲート端子が電圧調整ブロック420に連結され、ドレイン端子が第2の出力ノードVoutnに連結されたPMOSトランジスタPM13と、ソース端子が第1の出力ノードVoutpに連結され、ゲート端子が電圧調整ブロック420に連結され、ドレイン端子が第2の出力ノードVoutnに連結されたNMOSトランジスタNM15とを備える。
【0081】
本発明の一実施形態によって実現された比較装置の動作を説明すれば、次のとおりである。
【0082】
相互相関二重サンプリング(CDS)動作の際に発生できるバンディングノイズを減少させるために、ピクセル信号をゲート端子により受信するNMOSトランジスタNM12の動作領域(すなわち、サチュレーション領域)とロードトランジスタであるPMOSトランジスタPM12の動作領域とが確保されなければならない。
【0083】
本発明の一実施形態によって実現された比較装置では、PMOSトランジスタPM13とNMOSトランジスタNM15とを用いてクランプ回路を実現し、比較ブロック410の出力電圧スイングの上限と下限を設定する。
【0084】
具体的に、相互相関二重サンプリング動作中、リセット電圧をサンプリングするためのランプ信号が入力される区間で第1の出力ノードVoutpの出力電圧の波形が激しく揺れる。クランピング回路は、下記の[数式1]の条件を満たすので、クランピング回路のPMOSトランジスタPM13がターンオンされ、出力波形(出力電圧スイング)の上限レベルがクランピングされる。
【0085】
【0086】
ここで、VTHPは、PMOSトランジスタPM13の閾値電圧であり、VTHNは、NMOSトランジスタNM15の閾値電圧である。
【0087】
図5は、本発明の一実施形態によって実現された比較ブロック410の出力電圧の波形がPMOSトランジスタPM
12の動作マージンが確保される電圧レベルで上限及び下限を有することを説明する。
【0088】
このために、グローバルデジタル-アナログ変換回路(Global DAC)が第1のクランピング電圧VCV1を2ビットまたは3ビットのレベルに調整することにより、PMOSトランジスタPM12の動作マージンを制御できる。
【0089】
相互相関二重サンプリング動作中、シグナル電圧をサンプリングするためのランプ信号が入力される区間で第1の出力ノードVoutpの出力値の波形が大きい範囲で激しく揺れる。クランピング回路は、下記の[数式2]の条件を満たすので、クランピング回路のNMOSトランジスタNM15がターンオンされ、出力波形の下限レベルがクランピングされる。
【0090】
【0091】
図5は、本発明の一実施形態によって実現された比較ブロック410の出力電圧の波形がNMOSトランジスタNM
12の動作マージンが確保される電圧レベルで上限及び下限を有することを説明する。
【0092】
このために、グローバルデジタル-アナログ変換回路(Global DAC)が第2のクランピング電圧VCV2を2ビットまたは3ビットのレベルに調整することにより、NMOSトランジスタNM12の動作マージンを制御できる。
【0093】
そして、
図5の出力波形の図面においてX軸は、動作時間(または、タイミング)であり、Y軸は、比較ブロック410の第1の出力ノードV
outpから出力される電圧を示す。
【0094】
図5は、出力電圧スイング制御ブロック430なしに実現された比較器の出力電圧が第1の供給電圧V
DDまで接近するが、第1のクランピング電圧V
CV1の設定値に応じて出力波形の上位レベルがクランピングされ、第2のクランピング電圧V
CV2の設定値に応じて出力波形の下位レベルがクランピングされることを説明する。
【0095】
本発明の一実施形態において、NMOSトランジスタNM12とPMOSトランジスタPM12との動作領域を維持できるので、バンディングノイズを緩和させることができ、また、出力ノードの出力電圧値の変化量がNMOSトランジスタNM12のゲート端子に発生される寄生キャパシタに影響を及ぼすことを最小化でき、キック-バックエラー(キック-バックノイズ)の発生を緩和させることができ、既存のバッファを介してランプ信号を印加する形態によって発生する面積やパワーの問題を最小化できる。
【0096】
図6は、本発明の他の実施形態によって実現された比較装置の例についての図であり、
図7は、本発明の他の実施形態によって実現された比較装置の動作タイミングを説明する。
【0097】
前述した
図4の本発明の一実施形態のように比較装置を実現する場合、電圧調整ブロック420の第1のクランピング電圧V
CV1と第2のクランピング電圧V
CV2とを各コラムの比較ブロック410が共通に印加するようになるので、バンディングノイズが発生する可能性がある。
【0098】
したがって、本発明の他の実施形態において、比較装置は、電圧調整ブロック420からのクランピング電圧をサンプリング(Sampling)して、サンプリングされた電圧を出力電圧スイング制御ブロック430に伝達するためのサンプリングブロック440をさらに備えることができる。
【0099】
サンプリングブロック440は、第1のサンプリング回路441及び第2のサンプリング回路442を備えることができる。第1のサンプリング回路441は、電圧調整ブロック420からの第1のクランピング電圧VCV1をサンプリングして、出力電圧スイング制御ブロック430のPMOSトランジスタPM13のゲート端子に印加することができる。第2のサンプリング回路442は、電圧調整ブロック420からの第2のクランピング電圧VCV2をサンプリングして、出力電圧スイング制御ブロック430のNMOSトランジスタNM15のゲート端子に印加することができる。
【0100】
サンプリングブロック440は、各コラム毎に備えられることができ、それにより、第1のクランピング電圧VCV1と第2のクランピング電圧VCV2とが各コラムの比較ブロック410に共通に入力される信号ラインをなくすことができる。そして、各サンプリング回路441、442は、MOSキャパシタC13、C14とMOSスイッチSWL、SWLbとを用いて実現することができる。
【0101】
図7に示されたように、比較ブロック410のオートゼロイング(AutoZeroing)動作区間であるV
OZタイミングと同じタイミングを有するV
SWタイミングにサンプリングブロック440がサンプリング動作を行うように実現することができ、または、相互相関二重サンプリング動作前の任意のタイミングにサンプリングブロック440がサンプリング動作を行うように実現することもできる。
【0102】
ここで、VSW信号は、第1のクランピング電圧VCV1と第2のクランピング電圧VCV2とをサンプリングするために、MOSスイッチのオン/オフを制御するための信号であって、外部制御回路(例えば、タイミングジェネレータ)から印加されることができる。
【0103】
図8は、本発明の実施形態によって実現されたCMOSイメージセンサ(CIS)の図である。
【0104】
図8に示されたように、本発明の実施形態によって実現されたCMOSイメージセンサは、ピクセルアレイ10、ローデコーダ20、ランプ信号発生装置30、比較回路40、カウンティング回路50、メモリ回路60、制御回路70、及びコラム読み出し回路70を備えることができる。ピクセルアレイ10は、入射光に対応するピクセル信号を出力するものでありうる。ローデコーダ20は、制御回路80の制御によってピクセルアレイ10内のピクセルをローライン別に各々選択してその動作を制御できる。ランプ信号発生装置30は、制御回路80の制御によってランプ信号を生成できる。比較回路40は、ランプ信号発生装置30から印加されるランプ信号の値とピクセルアレイ10から出力される各ピクセル信号の値とを制御回路80の制御によって比較することができる。カウンティング回路50は、比較回路40からの各出力信号に応じて制御回路80からのクロックをカウンティングすることができる。メモリ回路60は、制御回路80の制御によってカウンティング回路50からのカウンティング情報を各々格納することができる。制御回路80は、ローデコーダ20、ランプ信号発生装置30、比較回路40、カウンティング回路50、メモリ回路60、及びコラム読み出し回路70の動作を制御できる。コラム読み出し回路70は、メモリ回路60のデータを制御回路80の制御によって順次ピクセルデータ(PXDATA)で出力することができる。本発明の一実施形態によって実現された比較回路40は、各コラム別に比較器42を備えることができる。
【0105】
本発明の一部の実施形態において、比較器は、正の供給電圧(positive supply voltage)を伝達する1つ以上のプルアップ(pull-up)トランジスタ及び負の供給電圧(negative supply voltage)を伝達する1つ以上のプルダウン(pull-down)トランジスタに連結された出力ノードと、出力ノードの電圧が第1の閾値レベル上に上昇するとき、正の供給電圧より低い第1の制御電圧(例、第1のクランピング電圧VCV1)を生成し、出力ノードの電圧が第2の閾値レベル下に下降するとき、負の供給電圧より高い第2の制御電圧(例、第2のクランピング電圧VCV2)を生成するクランプ制御回路(例、電圧調整ブロック420)、及び出力ノードに連結され、第1及び第2の制御電圧に基づいて第1の閾値電圧と第2の閾値電圧との間の電圧範囲内で出力ノードの電圧レベルを維持するためのクランプ回路を備える。
【0106】
クランプ回路は、電流経路に流れる電流に基づいて出力ノードの電圧を調整するために、前記出力ノードに電流経路を提供するための1つ以上のトランジスタを備える。例えば、1つ以上のトランジスタは、出力ノードに並列に連結されたPMOSトランジスタ(例、PM13)及びNMOSトランジスタ(例、NM15)を備え、PMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタのゲート端子は、前記クランプ制御回路に連結される。
【0107】
実施形態によって、比較器は、クランプ制御回路とクランプ回路との間に連結され、クランプ回路に印加される第1及び第2の制御電圧を維持するためのローカルサンプル及びホールド回路(例、サンプリングブロック440)をさらに備えることができる。ローカルサンプル及びホールド回路は、第1及び第2の制御電圧の各々を維持するための第1及び第2のキャパシタを備える。
【0108】
本発明の一部の実施形態において、比較器は、少なくとも2つの入力ノード(例、VRamp、VPixel)、少なくとも1つの出力ノード(例、Voutp)、少なくとも1つの出力ノードと連結され、正の供給電圧(例、VDD)を受信し、正の供給電圧に向けて比較器の出力ノードの電圧レベルを増加させる1つ以上のプルアップ(pull-up)トランジスタ(例、PM12)、少なくとも1つの出力ノードと連結され、負の供給電圧(例、VGND)を受信し、負の供給電圧に向けて比較器の出力ノードの電圧レベルを減少させる1つ以上のプルダウン(pull-down)トランジスタ(例、NM14)、出力ノードの電圧が第1の閾値レベル上に上昇することを検出すれば、第1の制御電圧(例、第1のクランピング電圧VCV1)を生成し、出力ノードの電圧が第2の閾値レベル下に下降することを検出すれば、第2の制御電圧(例、第2のクランピング電圧VCV2)を生成するクランプ制御回路(例、電圧調整ブロック420)、第1の制御電圧を受信する第1の制御端子を備え、出力ノードに連結されて出力ノードの電圧レベルをクランピングするために、第1の制御電圧に基づいて出力ノードに第1の電流経路を提供する第1のクランプ回路(例、PM13)、及び第2の制御電圧を受信する第2の制御端子を備え、出力ノードに連結されて出力ノードの電圧レベルをクランピングするために、第2の制御電圧に基づいて出力ノードに第2の電流経路を提供する第2のクランプ回路(例、NM15)を備える。
【0109】
第1のクランプ回路は、出力ノードに連結され、第1の制御電圧を受信するために、クランプ制御回路と連結されたゲート端子を備えるPMOSトランジスタを備えることができる。第2のクランプ回路は、出力ノードに連結され、第2の制御電圧を受信するために、クランプ制御回路と連結されたゲート端子を備えるNMOSトランジスタを備えることができる。
【0110】
実施形態によって、比較器は、クランプ制御回路と第1及び第2のクランプ回路との間に連結され、クランプ回路に印加される第1及び第2の制御電圧を維持するためのローカルサンプル及びホールド回路をさらに備えることができる。ローカルサンプル及びホールド回路は、第1及び第2の制御電圧の各々を維持するための第1及び第2のキャパシタ(例、441、442)を備える。
【0111】
本発明の一部の実施形態において、イメージセンサは、入射光に応答してピクセル信号を生成するために、行と列とに配列された複数のイメージングピクセルを含むピクセルアレイ、ランプ信号を生成するためのランプ信号生成器、及びピクセル信号をランプ信号と比較するために、ピクセルアレイ及びランプ信号生成器に連結された比較器を備える。比較器は、正の供給電圧を受信するように構成された1つ以上のプルアップトランジスタ及び負の供給電圧を受信するように構成された1つ以上のプルダウントランジスタに連結された出力ノード、出力ノードの電圧が第1の閾値レベル以上に上昇するときに第1の制御電圧を生成し、出力ノードの電圧が第2の閾値レベル以下に下降するときに第2の制御電圧を生成するように構成されたクランプ制御回路を備える。ここで、第1の制御電圧は、正の供給電圧より低く、第2の制御電圧は、負のものより高い。比較器は、第1及び第2の制御電圧に基づいて出力ノードの電圧値を第1の閾値電圧と第2の閾値電圧との間の電圧範囲にクランピングするために、出力ノードに連結されたクランプ回路を備える。
【0112】
クランプ回路は、電流経路を介して流れる電流に基づいて、出力ノードで電圧を調整するために出力ノードに電流経路を提供する1つ以上のトランジスタを備える。1つ以上のトランジスタは、第1の制御電圧を受信するための第1の制御端子を備える第1のクランプ回路を備えることができ、第1のクランプ回路は、出力ノードに連結されて、出力ノードの電圧値をクランプするために、第1の制御電圧に基づいて出力ノードに第1の電流経路を提供する。例えば、第1のクランプ回路は、出力ノードに連結され、第1の制御電圧を受信するためにクランプ制御回路に連結されたゲート端子を備えるPMOSトランジスタを備える。
【0113】
1つ以上のトランジスタは、第2の制御電圧を受信する第2の制御端子を備え、出力ノードに連結され、出力ノードの電圧値をクランプする第2の制御電圧に基づいて出力ノードに第2の電流経路を提供する第2のクランプ回路を備えることができる。第2のクランプ回路は、出力ノードに連結され、第2の制御電圧を受信するためにクランプ制御回路に連結されたゲート端子を備えるNMOSトランジスタを備える。
【0114】
クランプ回路は、クランプ制御回路とクランプ回路との間に連結され、クランプ回路に印加される第1及び第2の制御電圧を維持するためのローカルサンプル及びホールド回路を備えることができる。ローカルサンプル及びホールド回路は、第1及び第2の制御電圧の各々を維持するための第1及び第2のキャパシタを備える。
【0115】
以上のように、本発明は、例え、限定された実施形態と図面によって説明されたが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、このような記載から本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形、及び変更が可能である。したがって、本発明の範囲は、説明された実施形態に限定されて決められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものなどにより決められるべきである。
【符号の説明】
【0116】
410 比較ブロック
420 電圧調整ブロック
430 出力スイング制御ブロック
440 サンプリングブロック