(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】試験測定装置及び信号抽出方法
(51)【国際特許分類】
G01R 19/25 20060101AFI20240617BHJP
G01R 29/02 20060101ALI20240617BHJP
G01R 19/00 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
G01R19/25
G01R29/02 Z
G01R19/00 A
G01R19/00 K
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019234953
(22)【出願日】2019-12-25
【審査請求日】2022-12-12
(31)【優先権主張番号】201821049938
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピー・イー・ラメッシュ
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 強
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-122723(JP,A)
【文献】国際公開第2018/173111(WO,A1)
【文献】特開2006-157118(JP,A)
【文献】国際公開第2016/136567(WO,A1)
【文献】特開平10-185960(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 19/25
G01R 29/02
G01R 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
差動伝送ラインから波形を抽出するための試験測定装置であって、
第1デバイスと第2デバイスとを電気的に接続する上記差動伝送ラインに電気的に結合された電圧プローブから電圧波形を受けるように構成された第1入力部と、
上記差動伝送ラインに電磁気的に結合された電流プローブから電流波形を受けるように構成された第2入力部と、
上記電圧波形及び上記電流波形を受けて、上記電圧波形及び上記電流波形に基づいて上記第1デバイスの電圧と上記第2デバイスの電圧を求めるように構成された1つ以上のプロセッサと
を具える試験測定装置。
【請求項2】
1つ以上の上記プロセッサが、更に、上記差動伝送ラインのインピーダンスに基づいて、上記第1デバイスの上記電圧及び上記第2デバイスの上記電圧を求めるように構成される請求項1の試験測定装置。
【請求項3】
1つ以上の上記プロセッサが、更に、次の式を使用して上記第1デバイスの上記電圧を求めるように構成されており、
V
Tx=(V
TxRx+I
TxRx*Z)÷2
このとき、V
Txは上記第1デバイスの上記電圧、V
TxRxは上記
差動伝送ラインの上記電圧波形、I
TxRxは上記差動伝送ラインの上記電流波形、Zは上記差動伝送ラインのインピーダンスである請求項1の試験測定装置。
【請求項4】
1つ以上の上記プロセッサが、更に、次の式を使用して上記第
2デバイスの上記電圧を求めるように構成されており、
V
Rx=(V
TxRx-I
TxRx*Z)÷2
このとき、V
Rxは上記第2デバイスの上記電圧、V
TxRxは上記
差動伝送ラインの上記電圧波形、I
TxRxは上記差動伝送ラインの上記電流波形、Zは上記差動伝送ラインのインピーダンスである請求項1の試験測定装置。
【請求項5】
1つ以上の上記プロセッサが、更に、次の式を使用して上記第1デバイスの上記電圧を決定するように構成されており、
V
Tx=(V
TxRx+I
TxRx*Z÷2)÷2
このとき、V
Txは上記第1デバイスの上記電圧、V
TxRxは上記
差動伝送ラインの上記電圧波形、I
TxRxは上記差動伝送ラインの上記電流波形、Zは上記差動伝送ラインのインピーダンスである請求項1の試験測定装置。
【請求項6】
1つ以上の上記プロセッサが、更に、次の式を使用して上記第
2デバイスの上記電圧を求めるように構成されており、
V
Rx=(V
TxRx-I
TxRx*Z÷2)÷2
このとき、V
Rxは上記第2デバイスの上記電圧、V
TxRxは上記
差動伝送ラインの上記電圧波形、I
TxRxは上記差動伝送ラインの上記電流波形、Zは上記差動伝送ラインのインピーダンスである請求項1の試験測定装置。
【請求項7】
第1デバイス及び第2デバイスを接続する
差動伝送ライン上の上記第1デバイス及び上記第2デバイスからの信号を抽出する方法であって、
上記第1デバイスからの上記信号と上記第2デバイスからの上記信号とを含む電圧波形を、電気的に上記
差動伝送ラインに結合された電圧プローブから受ける処理と、
電磁気的に上記
差動伝送ラインに結合された電流プローブから電流波形を受ける処理と、
上記電圧波形及び上記電流波形に基づいて、上記第1デバイスの上記信号と上記第2デバイスの上記信号を上記電圧波形から分離する処理と
を具える信号抽出方法。
【請求項8】
上記第1デバイスの上記信号と上記第2デバイスの上記信号を上記電圧波形から分離する処理が、上記差動伝送ラインのインピーダンスに基づいて、上記第1デバイスの上記信号と上記第2デバイスの上記信号を上記電圧波形から分離する処理を含む請求項7の信号抽出方法。
【請求項9】
上記第1デバイスの上記信号を分離する処理は、以下の式を用いた処理が含まれており、
V
Tx=(V
TxRx+I
TxRx*Z)÷2
このとき、V
Txは上記第1デバイスの上記信号、V
TxRxは上記電圧波形、I
TxRxは上記電流波形、Zは上記
差動伝送ラインのインピーダンスである請求項7の信号抽出方法。
【請求項10】
上記第2デバイスの上記信号を分離する処理は、以下の式を用いた処理が含まれており、
V
Rx=(V
TxRx-I
TxRx*Z)÷2
このとき、V
Rxは上記第1デバイスの上記信号、V
TxRxは上記電圧波形、I
TxRxは上記電流波形、Zは上記
差動伝送ラインのインピーダンスである請求項7の信号抽出方法。
【請求項11】
試験測定装置の1つ以上のプロセッサによって実行されると、上記試験測定装置に請求項7~
10のいずれかの方法を実行させる命令を含むプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験測定システムに関するシステム及び方法に関し、特に、通信リンクを乱すことなく全二重シリアル通信信号を測定する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2つのデバイス間の全二重通信リンクは、さまざまな通信システムで使用されている。通信リンクを介して送信される信号はアナログであるが、波形レベルは、デジタル論理レベル情報を伝える。100ベースT1、1000ベースT1などの全二重通信リンクを使用して通信する場合、各デバイスは、トレーニング・パターンを使用して、デバイスがエラーなく情報を受信できるようにリンク・パラメータを調整することで、他のデバイスと情報を交換する。
【0003】
動作時には、情報が誤って解釈されたり失われたりすることないことが重要であるため、低ビット・エラー率を確保し、冗長性がないようにするなど、回線(ライン)の信号レベルを試験することが重要なものとなり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4943274号公報
【文献】特許第6234657号公報
【文献】米国特許第5425052号明細書
【文献】米国特許第5500879号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1つのデバイスだけが情報を送信している場合、オシロスコープは、信号を監視でき、情報はデコードされ、物理層の信号の完全性(integrity)を分析できる。しかし、全二重通信リンクでは、両方のデバイスが情報を送信している。各デバイスが送信する波形は加算され、信号分離装置を利用しないと、取得した信号から意味のある情報をオシロスコープは生成できないが、信号分離装置は、信号にノイズを挿入することがある。
【0006】
本発明の実施形態は、これら及び他の従来技術の欠陥に取り組むものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の試験測定装置は、差動伝送ラインを乱すことなく差動伝送ラインから波形を抽出する。試験測定装置は、第1デバイスと第2デバイスを電気的に接続する差動伝送ラインの第1及び第2ラインに電気的に結合された電圧プローブから電圧波形を受けるように構成された第1入力部と、差動伝送ラインの第1ラインに電磁気的に結合された電流プローブから電流波形を受けるように構成された第2入力部と、電圧波形と電流波形を受けて、電圧波形と電流波形に基づいて第1デバイスの電圧と第2デバイスの電圧を求めるように構成された1つ以上のプロセッサとを含んでいる。差動伝送ラインの第1ラインと第2ラインの両方から電流波形を取得するために、2つの電流プローブが使用されても良い。
【0008】
本発明の実施形態の態様、特徴及び効果は、添付の図面を参照した以下の実施形態の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、通信リンクを介して他のデバイスに接続されたデバイスからの信号を測定するための従来の試験測定システムの一例である。
【
図2】
図2は、本発明のいくつかの実施形態によるデバイスから信号を抽出するための試験測定システムの一例である。
【
図3】
図3は、本発明のいくつかの実施形態によるデバイスから信号を抽出するための試験測定システムの別の例である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態による通信リンクを乱すことなくデバイスから信号を抽出する工程の例である。
【
図5】
図5は、2つのデバイス間の通信リンクから抽出された信号の例示的なプロットを含む。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態によって抽出された信号から導出された例示的なダイアグラムを含む。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態は、2つのデバイス間の二重信号(duplex signal)を、傷つけることなく、単純な複数の信号に分離可能にする。
図1は、2つのデバイス100と102の間の二重信号を分離するための従来のシステムを示す。差動伝送ラインには、デバイス100と102の間で信号を送受信する2本のライン104及び106がある。
【0011】
従来のシステムでは、方向性結合器(directional coupler)108が2つのデバイス100と102の間の伝送ラインに挿入され、伝送ライン104及び106に割り込むことになる。方向性結合器108は、物理的に大きな場合があり、方向性結合器108を使用するのに、第1デバイス100と第2デバイス102の間に、十分なスペースがない場合がある。
【0012】
方向性結合器108は、更なる分析のために、送信機信号110及び112を試験測定装置114に出力でき、受信機信号116及び118を試験測定装置114に出力できる。しかし、方向性結合器108によって生成される信号は、方向性結合器によって約12~20デシベル減衰し、良い信号対ノイズ比(SNR)で信号を正確に測定することが困難になる可能性がある。また、伝送ライン104、106に方向性結合器108を挿入すると、通信信号に好ましくない影響を生じさせることがある。また、送信側からと、受信側から、伝送ライン104及び108のプローブ・ポイント(つまり、方向性結合器108の位置)までの間に、長さ、寄生リアクタンスなどの特性差がある場合、送信信号が正しく分離されていても、受信機信号が正確に分離されない場合があり、その逆もあり得る。
【0013】
以下で詳しく論じるように、本発明の実施形態は、方向性結合器を使用せずに二重信号を分離することを可能にする。もう少し言えば、以下で詳細に説明するように、電圧及び電流プローブを使用しても良く、試験測定装置は、プローブを介して受信した情報に基づいて、信号を分離できる。
【0014】
図2は、本発明のいくつかの実施形態による試験測定システムの例を示す。
図1と同様に、試験測定システムには、第1デバイス(第1装置)100と第2デバイス(第2装置)102がある。第1デバイス100と第2デバイス102は、全二重差動信号を通信する共通の差動伝送ライン上で通信する。この共通の差動伝送ラインは、例えば、限定されるものではないが、100ベースT1、1000ベースT1等のような全二重シリアル通信リンクであっても良い。このタイプのライン(回線)は、例えば、自動車用イーサネットでしばしば使用され、1本のツイスト・ペア・ワイヤを媒体として全二重シグナリングを使用し、例えば、2つ以上のレベルのマルチ・レベル変調方式で動作しても良い。
【0015】
共通差動伝送ラインには、第1ライン104と第2ライン106とがある。伝送ライン上の電圧と電流の波形のそれぞれは、重畳された波形として現れる。つまり、信号は、第1デバイスと第2デバイスから同時に送信される。これを第1デバイス100の視点から見ると、第1デバイス100の出力信号は、送信信号であり、第2デバイス102からの出力信号は、受信側(レシーバ)信号である。説明を簡単にするために、第1デバイス100の出力信号は、送信信号又はTx信号と記述し、第2デバイス102の出力信号は、受信信号又はRx信号と記述する。しかしながら、当業者であれば理解しているように、第1デバイス100と第2デバイス102の両方が、差分信号ライン上で同時に信号を送受信している。
【0016】
図2のシステムでは、差動電圧プローブ202は、差動信号ライン104及び106に接続されている。電流プローブ200は、これら差動信号ラインの一方に結合される。
図2では、電流プローブ200は伝送ライン104に結合されているが、当業者であれば理解するように、代わりに、電流プローブ200を伝送ライン106に結合しても良い。
【0017】
電流プローブ200と電圧プローブ202の出力信号は、試験測定装置204に送られる。従来のオシロスコープでは、伝送ライン104及び106をプローブして得られる複数の信号は、重畳した信号として表示される。しかしながら、本発明の実施形態としては、送信信号と受信信号を分離できる1つ以上のプロセッサ206やその他のハードウェアを有する試験測定装置204がある。
【0018】
説明を簡単にするため、第1デバイス100からの信号はTxと呼び、第2デバイス102からの信号はRxと呼ぶことにする。信号Tx及びRxの夫々は、1Vの高(High:ハイ)レベルと-1Vの低(Low:ロー)レベルを有するとしても良い。ただし、Tx及びRx信号のレベルは、変調レベルの数に基づいている。差動伝送ラインは、Zと呼ぶ差動終端インピーダンスを持っていても良い。この値は、使用する差動伝送ラインの実際の差動終端インピーダンスに基づいて設定できる。以下の例では、Zは100オームに設定されるとする。しかしながら、当業者であれば理解するように、この値は、使用される差動終端ラインの実際の差動終端インピーダンスに基づいて、試験測定装置204のユーザによって設定できる。
【0019】
Tx及びRx信号の両方が高(ハイ)の場合、その時点で電圧プローブ202によって測定される電圧は約2Vとなろう。その瞬間において、Tx信号の電流は、第1デバイス100から第2デバイス102に流れ、一方、Rx信号の電流は、第2デバイス102から第1デバイス100に流れる。TxとRxの電流の方向は互いに逆であるため、電流プローブ200で測定される重畳された電流は、ゼロ・アンペアである。
【0020】
Tx及びRx信号の両方が低(ロー)の場合、電圧プローブ202は、-2Vの電圧を読み取り、一方、電流は、やはり互いに逆であるため、電流は、依然として0アンペアである。しかし、Tx信号が高(ハイ)で、Rx信号が低(ロー)の場合、電圧プローブ202で測定される重畳された電圧は0Vであり、重畳された電流は、この例では、20mAであり、これは、式(1)で示される。
【0021】
(1V/100Ω)-(-1V/100Ω)=20mA (1)
【0022】
Tx信号が低(ロー)で、Rx信号が高(ハイ)であると、電圧プローブ202で測定される重畳された電圧は再び0Vとなり、重畳された電流は-20mAとなる。説明の都合上、第1デバイス100から第2デバイス102に流れる電流を、正(positive)の電流と定義する。
【0023】
電圧プローブ202によってプローブされる電圧波形を重畳電圧波形VTxRxと呼び、電流プローブ200によってプローブされる電流波形を重畳電流波形ITxRxと呼び、差動終端インピーダンスをZと呼ぶことにする。Tx信号の電圧はVTxと呼び、電流はITxと呼ぶことにする。Rx信号の電圧はVRxと呼び、電流はIRxと呼ぶことにする。
【0024】
重畳電圧波形VTxRxからTx電圧信号を抽出するには、重畳電圧波形VTxRxからRx電圧波形VRxが差し引かれる必要がある。しかし、上述のように、Tx及びRx信号は、伝送ライン104及び106上で重畳されているため、Rx電圧波形VRxは、プローブによって直接得ることはできない。
【0025】
しかし、プローブされた電流ITxRxとインピーダンスZの乗算は、VTxからVRxを引いたものに等しい。従って、重畳電流波形ITxRxにZを掛けたものを、重畳電圧波形VTxRxに加えると、結果は次のようになる。
【0026】
VTxRx+ITxRx*Z=(VTx+VRx)+(VTx-VRx)=2VTx (2)
【0027】
よって、VTxは、次に等しくなる。
【0028】
VTx=(VTxRx+ITxRx*Z)÷2 (3)
【0029】
VRxについては、重畳電流波形ITxRxにZを掛けたものを、重畳電圧波形VTxRxから引き算すると、結果は、次のようになる。
【0030】
VTxRx-ITxRx*Z=(VTx+VRx)-(VTx-VRx)=2VRx (4)
【0031】
よって、VRxは、次に等しくなる。
【0032】
VRx=(VTxRx-ITxRx*Z)÷2 (5)
【0033】
これらの式を用いるのに、本発明の一実施形態において、試験測定装置204の1つ以上のプロセッサ206は、電圧プローブ202から、重畳電圧波形VTxRxを第1入力部で受けても良く、また、電流プローブ200から重畳電流波形ITxRxを第2入力部で受けても良い。ユーザ入力部208を介して設定されるか又はメモリに保存されていても良い差動終端インピーダンスZを用いて、1つ以上のプロセッサ206は、Tx信号電圧波形VTxとRx信号電圧波形VRxを、重畳電圧波形VTxRxから分離できる。
【0034】
例えば、プローブ・ポイントが第1デバイス100の方により近いなど、第1デバイス100からプローブ・ポイントまでと、第2デバイス102からプローブ・ポイントまでの伝送ラインに沿った距離に差があって、もし第2デバイス102からの伝送ライン104及び106についてと、プローブ・ポイントに寄生リアクタンスがある(コネクタや、伝送ラインがより長いことなどが原因で)場合、第1デバイスからの電圧波形と電流波形間には位相差がない場合でも、第2デバイスからの電圧波形と電流波形間には位相差があることがある。
【0035】
例えば、コネクタの寄生インダクタンスは、電流の位相遅延を引き起こす可能性がある。この結果、数式(5)から求めたRx電圧波形VRxが正確でない場合がある。このような状況では、1つ以上のプロセッサ206が、寄生リアクタンスが原因の位相差を補正するために、デジタル信号処理を使用しても良く、そして、この位相補正Rx波形を上記の波形演算処理に使用しても良く、これによれば、Rx信号をより正確に抽出可能になる。
【0036】
即ち、上述の実施形態を用いて、Tx信号は、測定された重畳電流波形ITxRx及び重畳電圧波形VTxRxを用いて抽出しても良いが、一方で、Rx信号は、測定された重畳電圧波形VTxRxと、遅延補正された電流波形ITxRxとを用いて抽出される。
【0037】
いくつかの実施形態では、
図3に示すように、電流プローブ300が、両方のライン104及び106上の電流を求めるために、伝送ライン104及び106の両方に結合されても良い。電流プローブ300によって得られる差動電流波形は、コモン・モード電流ノイズを除去できる。いくつかの実施形態では、電流プローブ300が、2つの電流プローブであっても良く、一方の電流プローブをライン104に結合し、他方の電流プローブをライン106に結合する。
【0038】
電流プローブ300が両方のライン104及び106に結合されている場合、測定される重畳電流ITxRxは、2倍の振幅を有するであろう。これを考慮するために、上記の数式(3)及び(5)は、次のように変更できる。
【0039】
VTx=(VTxRx+ITxRx*Z÷2)÷2 (6)
【0040】
VRx=(VTxRx-ITxRx*Z÷2)÷2 (7)
【0041】
図4は、いくつかの実施形態による重畳波形V
TxRxを分離する例示的な工程を示す。最初に、工程400では、試験測定装置204の電流及び電圧測定システム間の位相を校正できるように、電流プローブと電圧プローブの間で、デスキュー操作を行っても良い。
【0042】
電流及び電圧プローブが校正されると、次いで、工程402において、全二重通信信号が、電流及び電圧プローブを用いて同時にプローブされ、試験測定装置204が、重畳電流波形ITxRxと重畳電圧波形VTxRxを取り込む。
【0043】
いくつかの実施形態では、電圧プローブと電流プローブをマッチング(整合)させるために、適応フィルタ(adaptive filter)が使用される。これにより、正しい信号分離が可能となり、適応フィルタは、現在使用されている電圧プローブ及び電流プローブのモデルに基づいて適合させることができる。
【0044】
試験測定装置204は、次いで、工程404において、上述したように、重畳電流波形ITxRx及び重畳電圧波形VTxRxに基づいて、Tx波形を抽出する。例えば、試験測定装置204は、上述した式(3)又は(6)の一方を使用して、Tx波形を求められる。試験測定装置204は、1つ以上のプロセッサ206を利用するか、又は、試験測定装置204内に配置された他のハードウェアを利用することによって、これを行っても良い。
【0045】
工程406において、試験測定装置204は、次いで、1つ以上のプロセッサ206やその他のハードウェアによって、上述した式(4)又は(7)の1つを用いてRx波形を抽出できる。
【0046】
抽出されたTx及びRx波形は、メモリに保存されるか、ディスプレイ上でユーザに表示されるか、又は、信号の完全性(integrity:インテグリィティ)やデコード解析のために更に分析されてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、オプションの工程408が、工程406でRx波形を抽出する前に行われてもよい。工程408では、試験測定装置204は、1つ以上のプロセッサ206や他のハードウェアによって、上述したように、重畳電流波形ITxRxの位相を補償しても良い。即ち、重畳電流波形ITxRxの位相は、第2デバイス102からプローブ・ポイントまでの伝送ライン上の寄生リアクタンスに基づいて、補償されても良い。これに代わる実施形態では、重畳電流波形ITxRxを補償するのではなく、代わりに、重畳電圧波形VTxRxが、伝送ラインの寄生リアクタンスに基づいて補償されても良い。
【0048】
また、TxとRx波形の抽出は、説明を簡単にするために
図4で示したように、直線的に行う必要はない。もう少し言えば、TxとRxの波形は、処理時間を速くするために並列に抽出されても良いし、Rx波形がTx波形の前に抽出されても良い。
【0049】
図5は、異なる波形を有する複数のプロットを示している。プロット500は、重畳電圧波形V
TxRxを示し、プロット502は、重畳電流波形I
TxRxを示す。プロット504は、上述した実施形態を用いて、プロット500の重畳電圧波形から抽出されたV
Tx波形の例を示す。プロット506とは、プロット500の重畳電圧波形から抽出されたV
Rx波形の例を示している。プロット504及び506のこれらの波形は、次いで、アイ・ダイアグラムの生成などの更なる処理に使用されても良い。
【0050】
図6は、
図5のプロット504及び506に示した抽出波形を用いて、試験測定装置204によって生成されたアイ・ダイアグラムを示す。アイ・ダイアグラム600は、抽出されたTx電圧信号から導出されたアイ・ダイアグラムを示す一方で、ダイアグラム602は、寄生リアクタンスによる位相差が補正されずに抽出されたRx電圧信号から導出されたアイ・ダイアグラムを示す。アイ・ダイアグラム602に見られるように、アイ・ダイアグラム602は、最適化されたRx信号が抽出されなかったために、歪んで、アイの開口が比較的小さい。
【0051】
一方、アイ・ダイアグラム604は、電流波形の位相が補償された場合の抽出されたRx電圧信号を示す。アイ・ダイアグラム604において、電流波形は、無補償のアイ・ダイアグラム602と比較して、3ナノ秒の位相差補正が適用されている。アイ・ダイアグラム606は、無補償のアイ・ダイアグラム602と比較して、2ナノ秒の位相差補正が適用された抽出Rx電圧信号を示す。アイ・ダイアグラム604とアイ・ダイアグラム606を比較すると、アイ・ダイアグラム606のアイ開口がそれほど大きくならないので、2ナノ秒の補正では不十分であったことが良くわかる。
【0052】
上述したように、本発明の実施形態によれば、従来の手段では信号を測定するのに必要とされるデバイス間の通信信号への割り込みをすることなく、各デバイスからの信号を抽出可能となる。これにより、より正確な結果が得られるだけでなく、ユーザにとっては、設定と操作も簡単になる。
【0053】
本発明の態様は、特別に作成されたハードウェア、ファームウェア、デジタル・シグナル・プロセッサ又はプログラムされた命令に従って動作するプロセッサを含む特別にプログラムされた汎用コンピュータ上で動作できる。本願における「コントローラ」又は「プロセッサ」という用語は、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、ASIC及び専用ハードウェア・コントローラ等を意図する。本発明の態様は、1つ又は複数のコンピュータ(モニタリング・モジュールを含む)その他のデバイスによって実行される、1つ又は複数のプログラム・モジュールなどのコンピュータ利用可能なデータ及びコンピュータ実行可能な命令で実現できる。概して、プログラム・モジュールとしては、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、これらは、コンピュータその他のデバイス内のプロセッサによって実行されると、特定のタスクを実行するか、又は、特定の抽象データ形式を実現する。コンピュータ実行可能命令は、ハードディスク、光ディスク、リムーバブル記憶媒体、ソリッド・ステート・メモリ、RAMなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶しても良い。当業者には理解されるように、プログラム・モジュールの機能は、様々な実施例において必要に応じて組み合わせられるか又は分散されても良い。更に、こうした機能は、集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)などのようなファームウェア又はハードウェア同等物において全体又は一部を具体化できる。特定のデータ構造を使用して、本発明の1つ以上の態様をより効果的に実施することができ、そのようなデータ構造は、本願に記載されたコンピュータ実行可能命令及びコンピュータ使用可能データの範囲内と考えられる。
【0054】
開示された態様は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの任意の組み合わせで実現されても良い。開示された態様は、1つ以上のプロセッサによって読み取られ、実行され得る1つ又は複数のコンピュータ可読媒体によって運搬されるか又は記憶される命令として実現されても良い。そのような命令は、コンピュータ・プログラム・プロダクトと呼ぶことができる。本願で説明するコンピュータ可読媒体は、コンピューティング装置によってアクセス可能な任意の媒体を意味する。限定するものではないが、一例としては、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含むことができる。
【0055】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な情報を記憶するために使用することができる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、コンピュータ記憶媒体としては、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリやその他のメモリ技術、コンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、DVD(Digital Video Disc)やその他の光ディスク記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置やその他の磁気記憶装置、及び任意の技術で実装された任意の他の揮発性又は不揮発性の取り外し可能又は取り外し不能の媒体を含んでいても良い。コンピュータ記憶媒体としては、信号そのもの及び信号伝送の一時的な形態は排除される。
【0056】
通信媒体とは、コンピュータ可読情報の通信に利用できる任意の媒体を意味する。限定するものではないが、例としては、通信媒体には、電気、光、無線周波数(RF)、赤外線、音又はその他の形式の信号の通信に適した同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル、空気又は任意の他の媒体を含むことができる。
【0057】
実施例
以下では、本願で開示される技術の理解に有益な実施例が提示される。この技術の実施形態は、以下で記述する実施例の1つ以上及び任意の組み合わせを含んでいても良い。
【0058】
実施例1は、差動伝送ラインから波形を抽出するための試験測定装置であって、第1デバイスと第2デバイスとを電気的に接続する上記差動伝送ラインに電気的に結合された電圧プローブから電圧波形を受けるように構成された第1入力部と、上記差動伝送ラインに電磁気的に結合された電流プローブから電流波形を受けるように構成された第2入力部と、上記電圧波形及び上記電流波形を受けて、上記電圧波形及び上記電流波形に基づいて上記第1デバイスの電圧と上記第2デバイスの電圧を求めるように構成された1つ以上のプロセッサとを具えている。
【0059】
実施例2は、実施例1の試験測定装置であって、このとき、1つ以上の上記プロセッサが、更に、上記差動伝送ラインのインピーダンスに基づいて、上記第1デバイスの上記電圧及び上記第2デバイスの上記電圧を求めるように構成される。
【0060】
実施例3は、実施例1及び2のいずれかの試験測定装置であって、このとき、1つ以上のプロセッサが、更に、次の式を使用して上記第1デバイスの上記電圧を求めるように構成されており、
【0061】
VTx=(VTxRx+ITxRx*Z)÷2 (8)
【0062】
ここで、VTxは、上記第1デバイスの上記電圧、VTxRxは上記伝送ラインの上記電圧波形、ITxRxは上記差動伝送ラインの上記電流波形、Zは上記差動伝送ラインのインピーダンスであり、上記電流プローブは、上記差動伝送ラインの第1ラインから上記電流波形を取り込む。
【0063】
実施例4は、実施例1~3のいずれかのの試験測定装置であって、1つ以上の上記プロセッサが、更に、次の式を使用して上記第1デバイスの上記電圧を求めるように構成されており、
【0064】
VRx=(VTxRx-ITxRx*Z)÷2 (9)
【0065】
ここで、VRxは上記第2デバイスの上記電圧、VTxRxは上記伝送ラインの上記電圧波形、ITxRxは上記差動伝送ラインの上記電流波形、Zは上記差動伝送ラインのインピーダンスであり、上記電流プローブは、上記差動伝送ラインの第1ラインから上記電流波形を取り込む。
【0066】
実施例5は、実施例1、2及び4のいずれかの試験測定装置であって、1つ以上の上記プロセッサが、更に、次の式を使用して上記第1デバイスの上記電圧を決定するように構成されており、
【0067】
VTx=(VTxRx+ITxRx*Z÷2)÷2 (10)
【0068】
ここで、VTxは上記第1デバイスの上記電圧、VTxRxは上記伝送ラインの上記電圧波形、ITxRxは上記差動伝送ラインの上記電流波形、Zは上記差動伝送ラインのインピーダンスであり、上記電流プローブは、上記差動伝送ラインの第1ラインと第2ラインの両方から上記電流波形を取り込む。
【0069】
実施例6は、実施例1、2、3及び5のいずれかの試験測定装置であって、1つ以上の上記プロセッサが、更に、次の式を使用して上記第1デバイスの上記電圧を求めるように構成されており、
【0070】
VRx=(VTxRx-ITxRx*Z÷2)÷2 (11)
【0071】
ここで、VRxは上記第2デバイスの上記電圧、VTxRxは上記伝送ラインの上記電圧波形、ITxRxは上記差動伝送ラインの上記電流波形、Zは上記差動伝送ラインのインピーダンスであり、上記電流プローブは、上記差動伝送ラインの第1ラインと第2ラインの両方から上記電流波形を取り込む。
【0072】
実施例7は、実施例1~6のいずれかの試験測定装置であって、このとき、1つ以上の上記プロセッサが、更に、上記第2デバイスの上記電圧を求める前に、上記電流波形又は上記電圧波形のいずれかの位相を補償するよう構成される。
【0073】
実施例8は、実施例1~7のいずれかの試験測定装置であって、上記差動伝送ラインは、全二重シリアル通信ライン(full-duplex serial communication line)である。
【0074】
実施例9は、第1デバイス及び第2デバイスを接続する伝送ライン上の第1デバイス及び第2デバイスからの信号を抽出する方法であって、第1デバイスからの信号と第2デバイスからの信号とを含む電圧波形を、電気的に伝送ラインに結合された電圧プローブから受ける処理と、電磁気的に上記伝送ラインに結合された電流プローブから電流波形を受ける処理と、上記電圧波形及び上記電流波形に基づいて、上記第1デバイスの上記信号と上記第2デバイスの上記信号を上記電圧波形から分離する処理とを具えている。
【0075】
実施例10は、実施例9の方法であって、上記第1デバイスの上記信号と上記第2デバイスの上記信号を上記電圧波形から分離する処理が、上記差動伝送ラインのインピーダンスに基づいて、上記第1デバイスの上記信号と上記第2デバイスの上記信号を上記電圧波形から分離する処理を含んでいる。
【0076】
実施例11は、実施例9又は10のいずれかの方法であって、このとき、上記第1デバイスの上記信号を分離する処理は、以下の式を用いた処理が含まれており、
【0077】
VTx=(VTxRx+ITxRx*Z)÷2 (12)
【0078】
ここで、VTxは上記第1デバイスの上記信号、VTxRxは上記電圧波形、ITxRxは上記電流波形、Zは上記伝送ラインのインピーダンスであり、上記電流プローブは、上記差動伝送ラインの第1ラインから上記電流波形を取り込む。
【0079】
実施例12は、実施例9~11のいずれかの方法であって、このとき、上記第2デバイスの上記信号を分離する処理は、以下の式を用いた処理が含まれており、
【0080】
VRx=(VTxRx-ITxRx*Z)÷2 (13)
【0081】
ここで、VRxは上記第1デバイスの上記信号、VTxRxは上記電圧波形、ITxRxは上記電流波形、Zは上記伝送ラインのインピーダンスであり、上記電流プローブは、上記差動伝送ラインの第1ラインから上記電流波形を取り込む。
【0082】
実施例13は、実施例9、10又は12のいずれかの方法であって、このとき、上記第1デバイスの上記信号を分離する処理は、以下の式を用いた処理が含まれており、
【0083】
VTx=(VTxRx+ITxRx*Z÷2)÷2 (14)
【0084】
ここで、VTxは上記第1デバイスの上記信号、VTxRxは上記電圧波形、ITxRxは上記電流波形、Zは上記伝送ラインのインピーダンスであり、上記電流プローブは、上記差動伝送ラインの第1ラインと第2ラインの両方から上記電流波形を取り込む。
【0085】
実施例14は、実施例9~11又は13のいずれかの方法であって、このとき、上記第2デバイスの上記信号を分離する処理、以下の式を用いた処理が含まれており、
【0086】
VRx=(VTxRx-ITxRx*Z÷2)÷2 (15)
【0087】
ここで、VRxは上記第1デバイスの上記信号、VTxRxは上記電圧波形、ITxRxは上記電流波形、Zは上記伝送ラインのインピーダンスであり、上記電流プローブは、上記差動伝送ラインの第1ラインと第2ラインの両方から上記電流波形を取り込む。
【0088】
実施例15は、実施例9~14のいずれの方法であって、上記第2デバイスの上記信号を分離する前に、上記電流波形又は上記電圧波形のいずれかの位相を補償する処理を更に含む。
【0089】
実施例16は、実施例9~15のいずれかの方法であって、このとき、上記伝送ラインは、全二重シリアル通信ラインである。
【0090】
実施例17は、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体であって、試験測定装置の1つ以上のプロセッサによって実行されると、上記試験測定装置に、第1デバイスと第2デバイス間の通信リンクに電気的に結合された電圧プローブから第1デバイスからの信号と第2デバイスからの信号とを含む電圧波形を受けさせ、上記通信リンクに電磁気的に結合された電流プローブから電流波形を受けさせ、電圧波形と電流波形に基づいて第1デバイスの信号を電圧波形から分離させ、電圧波形と電流波形に基づいて第2デバイスの信号を電圧波形から分離させる命令を含んでいる。
【0091】
実施例18は、実施例17の1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体であって、電圧波形から第1デバイスの信号と第2デバイスの信号を分離する処理は、上記差動伝送ラインのインピーダンスに基づいて第1デバイスの信号と第2デバイスの信号を分離する処理を含む。
【0092】
実施例19は、実施例17又は18のいずれかの1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体であって、第2デバイスの信号を分離する前に電流波形又は電圧波形の一方の位相を補償するように構成された命令を更に含む。
【0093】
実施例20は、実施例17~19のいずれかの1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体であって、このとき、上記通信リンクは、全二重シリアル通信リンクである。
【0094】
開示された主題の上述のバージョンは、記述したか又は当業者には明らかであろう多くの効果を有する。それでも、開示された装置、システム又は方法のすべてのバージョンにおいて、これらの効果又は特徴のすべてが要求されるわけではない。
【0095】
加えて、本願の記述は、特定の特徴に言及している。本明細書における開示には、これらの特定の特徴の全ての可能な組み合わせが含まれると理解すべきである。ある特定の特徴が特定の態様又は実施例の状況において開示される場合、その特徴は、可能である限り、他の態様及び実施例の状況においても利用できる。
【0096】
また、本願において、2つ以上の定義されたステップ又は工程を有する方法に言及する場合、これら定義されたステップ又は工程は、状況的にそれらの可能性を排除しない限り、任意の順序で又は同時に実行しても良い。
【0097】
説明の都合上、本発明の具体的な実施例を図示し、説明してきたが、本発明の要旨と範囲から離れることなく、種々の変更が可能なことが理解できよう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲を除いて限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0098】
100 第1デバイス
102 第2デバイス
104 差動伝送ラインの第1ライン
106 差動伝送ラインの第2ライン
200 電流プローブ
202 差動電圧プローブ
204 試験測定装置
206 プロセッサ
208 ユーザ入力部
300 電流プローブ