(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-14
(45)【発行日】2024-06-24
(54)【発明の名称】出荷管理システム
(51)【国際特許分類】
B65G 61/00 20060101AFI20240617BHJP
B65G 65/30 20060101ALI20240617BHJP
【FI】
B65G61/00 426
B65G65/30 B
(21)【出願番号】P 2023076128
(22)【出願日】2023-05-02
(62)【分割の表示】P 2019145033の分割
【原出願日】2019-08-07
【審査請求日】2023-06-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000231637
【氏名又は名称】株式会社ニップン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】永冨 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】長谷部 晋哉
(72)【発明者】
【氏名】丸山 晃
(72)【発明者】
【氏名】檜山 敏一
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-040454(JP,A)
【文献】特開平07-081769(JP,A)
【文献】特開2002-193400(JP,A)
【文献】特開2018-147303(JP,A)
【文献】特開2007-176654(JP,A)
【文献】特公昭48-022239(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0230606(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 61/00
B65G 65/30
G06Q 10/087
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体材料を貯蔵するための複数のサイロと、
前記複数のサイロの各々に設けられ当該サイロの在庫量をリアルタイムに検出する在庫量センサと、
前記複数のサイロの各々に設けられ、当該サイロに割り当てられた鍵を介して当該サイロの開閉を制御するサイロ錠と、
を含んだユーザ側装置と、
前記ユーザ側装置の前記在庫量センサに通信可能に接続されており、当該在庫量センサから各サイロの在庫量を受信して、各サイロの補充のための出荷情報を策定する出荷情報策定部と、
前記出荷情報策定部が策定した前記出荷情報に基づいて、出荷伝票を発行する出荷伝票発行部と、
を含んだ出荷側装置と、
を備え、
前記出荷情報は、出荷の日程と、補充対象のサイロと、補充する
流体材料の量と、を含んでおり、
前記ユーザ側装置は、前記出荷伝票によって特定される補充対象のサイロに対応する鍵を交付する鍵交付装置を更に備えている
ことを特徴とする出荷管理システム。
【請求項2】
前記ユーザ側装置は、前記出荷側装置の前記出荷情報策定部に通信可能に接続されており、当該出荷情報策定部が策定した前記出荷情報を承認する承認部を更に含んでおり、
前記出荷側装置の前記出荷伝票発行部は、前記承認部によって承認された前記出荷情報に基づいて、前記出荷伝票を発行するようになっている
ことを特徴とする請求項1に記載の出荷管理システム。
【請求項3】
前記鍵は、物理的な鍵であり、
前記サイロ錠は、鍵穴を有している
ことを特徴とする請求項1または2に記載の出荷管理システム。
【請求項4】
前記鍵は、バーコードであり、
前記サイロ錠は、バーコード読取部を有している
ことを特徴とする請求項1または2に記載の出荷管理システム。
【請求項5】
前記鍵は、QRコード(登録商標)であり、
前記サイロ錠は、QRコード(登録商標)読取部を有している
ことを特徴とする請求項1または2に記載の出荷管理システム。
【請求項6】
前記鍵は、磁気記憶データであり、
前記サイロ錠は、磁気記憶データ読取部を有している
ことを特徴とする請求項1または2に記載の出荷管理システム。
【請求項7】
前記ユーザ側装置の前記在庫量センサに通信可能に接続されており、当該在庫量センサから各サイロの在庫量を受信して印刷する携帯用印刷機
を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の出荷管理システム。
【請求項8】
流体材料を貯蔵するための複数のサイロと、
前記複数のサイロの各々に設けられ当該サイロの在庫量をリアルタイムに検出する在庫量センサと、
前記複数のサイロの各々に設けられ、当該サイロに送信された照合情報を用いて当該サイロの開閉を制御するサイロ錠と、
を含んだユーザ側装置と、
前記ユーザ側装置の前記在庫量センサに通信可能に接続されており、当該在庫量センサから各サイロの在庫量を受信して、各サイロの補充のための出荷情報を策定する出荷情報策定部と、
前記出荷情報策定部が策定した前記出荷情報に基づいて、出荷伝票を発行する出荷伝票発行部と、
を含んだ出荷側装置と、
を備え、
前記出荷情報は、出荷の日程と、補充対象のサイロと、補充する
流体材料の量と、補充作業者と、を含んでおり、
前記ユーザ側装置は、前記出荷伝票によって特定される補充作業者のID情報を照合可能な照合情報を、前記出荷伝票によって特定される補充対象のサイロに対して送信する照合情報交付装置を更に備えている
ことを特徴とする出荷管理システム。
【請求項9】
前記照合情報は、前記出荷伝票によって特定される補充作業者の生体情報を照合可能な情報である
ことを特徴とする請求項
8に記載の出荷管理システム。
【請求項10】
前記ユーザ側装置は、前記出荷側装置の前記出荷情報策定部に通信可能に接続されており、当該出荷情報策定部が策定した前記出荷情報を承認する承認部を更に含んでおり、
前記出荷側装置の前記出荷伝票発行部は、前記承認部によって承認された前記出荷情報に基づいて、前記出荷伝票を発行するようになっている
ことを特徴とする請求項
8または
9に記載の出荷管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小麦粉等の粉体材料を貯蔵するユーザ側装置のサイロに、当該粉体材料を補充するための出荷管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
小麦粉等の粉体材料を貯蔵するユーザ側装置のサイロ(またはタンク)において、在庫量(粉体の貯蔵量)が低下すると、従来においては、ユーザ側装置の管理者の方から時機を見て(例えばその後の粉体材料の使用予定量等を考慮して)サイロ補充のための発注がなされている。
【0003】
しかしながら、このような発注の態様は、ユーザ側装置の管理者にとって負担であるし、人的エラーに起因する発注ミスが生じてしまうこともある。
【0004】
これに対して、供給側から管理するタイプの在庫管理システムとして、特許文献1に、医療用分析装置の試薬の在庫を試薬供給側から管理する在庫管理システムが開示されている。このシステムは、医療用分析装置と通信して試薬の消費に関する情報を取得し、試薬の在庫量(残量)を計算して、発注の有無を判断している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本件発明者は、特許文献1に開示された内容を参酌し、粉体材料を貯蔵するサイロの在庫量をリアルタイムに検出する在庫量センサを設けておいて、当該在庫量センサから在庫量を受信してサイロの補充のための出荷情報を策定する態様を採用すれば、ユーザ側でなく出荷側において出荷情報を策定できることを知見した。
【0007】
更に、ユーザ側装置が複数のサイロを含んでいて、各サイロに割り当てられた鍵を介して当該サイロの開閉が制御される場合について、本件発明者は、当該鍵の交付を管理することで各サイロへのアクセスを管理することができることをも知見した。
【0008】
本発明は、以上のような知見に基づいて創案されたものである。本発明の目的は、ユーザ側でなく出荷側において出荷情報を策定することによってユーザ側の負担を軽減させ、且つ、出荷伝票と補充対象のサイロとを紐付けしておくことによって各サイロへのアクセスを適切に管理することができる出荷管理システムを提供することである。
【0009】
なお、本発明の課題は、粉体材料を貯蔵するサイロのみならず、液体材料を貯蔵するサイロに対しても当てはまる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、粉体材料または流体材料を貯蔵するための複数のサイロと、前記複数のサイロの各々に設けられ当該サイロの在庫量をリアルタイムに検出する在庫量センサと、前記複数のサイロの各々に設けられ、当該サイロに割り当てられた鍵を介して当該サイロの開閉を制御するサイロ錠と、を含んだユーザ側装置と、前記ユーザ側装置の前記在庫量センサに通信可能に接続されており、当該在庫量センサから各サイロの在庫量を受信して、各サイロの補充のための出荷情報を策定する出荷情報策定部と、前記出荷情報策定部が策定した前記出荷情報に基づいて、出荷伝票を発行する出荷伝票発行部と、を含んだ出荷側装置と、を備え、前記出荷情報は、出荷の日程と、補充対象のサイロと、補充する粉体の量と、を含んでおり、前記ユーザ側装置は、前記出荷伝票によって特定される補充対象のサイロに対応する鍵を交付する鍵交付装置を更に備えていることを特徴とする出荷管理システムである。
【0011】
本発明によれば、出荷側において、サイロの在庫量をリアルタイムに検出する在庫量センサから在庫量を受信して、サイロの補充のための出荷情報を策定することができるため、ユーザ側の負担を軽減させることができる。また、出荷伝票と補充対象のサイロとを紐付けすると共に、出荷伝票によって特定される補充対象のサイロに対応する鍵を交付する鍵交付装置を設けておくことによって、各サイロへのアクセスを適切に管理することができる。
【0012】
好ましくは、前記ユーザ側装置は、前記出荷側装置の前記出荷情報策定部に通信可能に接続されており、当該出荷情報策定部が策定した前記出荷情報を承認する承認部を更に含んでおり、前記出荷側装置の前記出荷伝票発行部は、前記承認部によって承認された前記出荷情報に基づいて、前記出荷伝票を発行するようになっている。
【0013】
この場合、ユーザ側において出荷情報を確認/承認するステップを導入することができるため、発注に関するトラブル発生を効果的に抑制することができる。
【0014】
本発明において、前記鍵は、物理的な鍵であってもよい。この場合、前記サイロ錠は、鍵穴を有することになる。あるいは、前記鍵は、バーコードであってもよい。この場合、前記サイロ錠は、バーコード読取部を有することになる。あるいは、前記鍵は、QRコード(登録商標)であってもよい。この場合、前記サイロ錠は、QRコード(登録商標)読取部を有することになる。あるいは、前記鍵は、磁気記憶データであってもよい。この場合、前記サイロ錠は、磁気記憶データ読取部を有することになる。
【0015】
また、本発明の出荷管理システムは、前記ユーザ側装置の前記在庫量センサに通信可能に接続されており、当該在庫量センサから各サイロの在庫量を受信して印刷する携帯用印刷機を更に備えていることが好ましい。
【0016】
この場合、例えば補充作業を終えた直後に、携帯用印刷機を用いて在庫量センサから各サイロの在庫量を受信して印刷することによって、補充作業を終えた状態を目視で確認することができる。補充作業を終えた後に当該印刷結果をユーザ側に手渡しする、という運用を採用することも好適である。
【0017】
あるいは、本発明は、粉体材料または流体材料を貯蔵するための複数のサイロと、前記複数のサイロの各々に設けられ当該サイロの在庫量をリアルタイムに検出する在庫量センサと、を含んだユーザ側装置と、前記ユーザ側装置の前記在庫量センサに通信可能に接続されており、当該在庫量センサから各サイロの在庫量を受信して、各サイロの補充のための出荷情報を策定する出荷情報策定部と、前記出荷情報策定部が策定した前記出荷情報に基づいて、出荷伝票を発行する出荷伝票発行部と、を含んだ出荷側装置と、を備え、前記出荷情報は、出荷の日程と、補充対象のサイロと、補充する粉体の量と、を含んでおり、前記ユーザ側装置は、前記出荷伝票によって特定される補充対象のサイロに対してのみ、補充作業を許容するようになっていることを特徴とする出荷管理システムである。
【0018】
本発明によっても、出荷側において、サイロの在庫量をリアルタイムに検出する在庫量センサから在庫量を受信して、サイロの補充のための出荷情報を策定することができるため、ユーザ側の負担を軽減させることができる。また、出荷伝票と補充対象のサイロとを紐付けすると共に、出荷伝票によって特定される補充対象のサイロに対してのみ補充作業を許容することによって、各サイロへのアクセスを適切に管理することができる。
【0019】
あるいは、本発明は、粉体材料または流体材料を貯蔵するための複数のサイロと、前記複数のサイロの各々に設けられ当該サイロの在庫量をリアルタイムに検出する在庫量センサと、前記複数のサイロの各々に設けられ、当該サイロに送信された照合情報を用いて当該サイロの開閉を制御するサイロ錠と、を含んだユーザ側装置と、前記ユーザ側装置の前記在庫量センサに通信可能に接続されており、当該在庫量センサから各サイロの在庫量を受信して、各サイロの補充のための出荷情報を策定する出荷情報策定部と、前記出荷情報策定部が策定した前記出荷情報に基づいて、出荷伝票を発行する出荷伝票発行部と、を含んだ出荷側装置と、を備え、前記出荷情報は、出荷の日程と、補充対象のサイロと、補充する粉体の量と、補充作業者と、を含んでおり、前記ユーザ側装置は、前記出荷伝票によって特定される補充作業者のID情報を照合可能な照合情報を、前記出荷伝票によって特定される補充対象のサイロに対して送信する照合情報交付装置を更に備えていることを特徴とする出荷管理システムである。
【0020】
本発明によれば、出荷側において、サイロの在庫量をリアルタイムに検出する在庫量センサから在庫量を受信して、サイロの補充のための出荷情報を策定することができるため、ユーザ側の負担を軽減させることができる。また、出荷伝票と補充対象のサイロ及び補充作業者とを紐付けすると共に、出荷伝票によって特定される補充作業者のID情報を照合可能な照合情報を、前記出荷伝票によって特定される補充対象のサイロに対して送信する照合情報交付装置を設けておくことによって、各サイロへのアクセスを適切に管理することができる。
【0021】
好ましくは、前記照合情報は、前記出荷伝票によって特定される補充作業者の生体情報(例えば、顔形、虹彩、指紋、静脈、声紋)を照合可能な情報である。
【0022】
また、本発明においても、前記ユーザ側装置は、前記出荷側装置の前記出荷情報策定部に通信可能に接続されており、当該出荷情報策定部が策定した前記出荷情報を承認する承認部を更に含んでおり、前記出荷側装置の前記出荷伝票発行部は、前記承認部によって承認された前記出荷情報に基づいて、前記出荷伝票を発行するようになっていることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一態様によれば、出荷側において、サイロの在庫量をリアルタイムに検出する在庫量センサから在庫量を受信して、サイロの補充のための出荷情報を策定することができるため、ユーザ側の負担を軽減させることができる。また、出荷伝票と補充対象のサイロとを紐付けすると共に、出荷伝票によって特定される補充対象のサイロに対応する鍵を交付する鍵交付装置を設けておくことによって、各サイロへのアクセスを適切に管理することができる。
【0024】
本発明の別の態様によっても、出荷側において、サイロの在庫量をリアルタイムに検出する在庫量センサから在庫量を受信して、サイロの補充のための出荷情報を策定することができるため、ユーザ側の負担を軽減させることができる。また、出荷伝票と補充対象のサイロとを紐付けすると共に、出荷伝票によって特定される補充対象のサイロに対してのみ補充作業を許容することによって、各サイロへのアクセスを適切に管理することができる。
【0025】
本発明の更に別の態様によっても、出荷側において、サイロの在庫量をリアルタイムに検出する在庫量センサから在庫量を受信して、サイロの補充のための出荷情報を策定することができるため、ユーザ側の負担を軽減させることができる。また、出荷伝票と補充対象のサイロ及び補充作業者とを紐付けすると共に、出荷伝票によって特定される補充作業者のID情報を照合可能な照合情報を、前記出荷伝票によって特定される補充対象のサイロに対して送信する照合情報交付装置を設けておくことによって、各サイロへのアクセスを適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る出荷管理システムの使用例を示す概略フロー図である。
【
図2】本発明の第2実施形態に係る出荷管理システムの使用例を示す概略フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0028】
図1は、本発明の第1実施形態に係る出荷管理システムの使用例を示す概略フロー図である。
【0029】
図1に示すように、本実施形態の出荷管理システム1は、例えば粉体材料を原料として用いる食品工場に設置されるユーザ側装置10と、当該ユーザ側装置10に対する粉体材料の出荷業務を担う出荷側装置30と、を備えている。出荷側装置30は、例えば粉体材料製造会社の製造工場に設定される。
【0030】
本実施形態のユーザ側装置10は、粉体材料を貯蔵するための複数のサイロ11a~11dを含んでいる。当該複数のサイロ11a~11dの各々には、当該サイロ11a~11dの在庫量をリアルタイムに検出する在庫量センサ12a~12dと、当該サイロ11a~11dに割り当てられた鍵14a~14dを介して当該サイロ11a~11dの開閉を制御するサイロ錠13a~13dと、が設けられている。
【0031】
一方、本実施形態の出荷側装置30は、ユーザ側装置10の在庫量センサ12a~12dに通信可能に接続されていて当該在庫量センサ12a~12dから各サイロ11a~11dの在庫量を受信して、各サイロ11a~11dの補充のための出荷情報41を策定する出荷情報策定部31と、当該出荷情報策定部31が策定した出荷情報41に基づいて出荷伝票42を発行する出荷伝票発行部32と、を含んでいる。
【0032】
本実施形態の出荷情報策定部31は、更に、経過時間に応じた各サイロ11a~11dの粉体材料の予定使用量をも受信するようになっており、当該予定使用量を考慮した上で、各サイロ11a~11dの補充のための出荷情報41を策定するようになっている。
【0033】
当該予定使用量は、それまでの各サイロ11a~11dの在庫量の推移に基づいて推測計算によって得られてもよいし、及び/または、ユーザ側の担当者によって入力(オーバーライド入力)されてもよい。
【0034】
ユーザ側装置10から出荷側装置30への各サイロ11a~11dの粉体材料の予定使用量の情報は、在庫量センサ12a~12dによって検出された現在時点の在庫量の情報と共に送信されてもよいし、後者の情報とは別個に送信されてもよい。
【0035】
あるいは、ユーザ側装置10との通信を要することなく出荷側装置30において各サイロ11a~11dの粉体材料の予定使用量が把握(例えば設定ないし入力)される場合には、当該予定使用量の情報の送受信は実施される必要がない。
【0036】
本実施形態の出荷情報41は、出荷の日程と、補充対象のサイロ(サイロ11a~11dの何れであるかの情報)と、補充する粉体の量(例えばkg単位)と、出荷担当車両(例えば車両番号)と、を含んでいる。
【0037】
本実施形態の出荷伝票42は、出荷情報41に紐付けられて発行され、少なくとも補充対象のサイロ(サイロ11a~11dの何れであるかの情報)と出荷担当車両(例えば車両番号)とを特定可能な表示(例えばQRコード(登録商標))及び/または記録(例えば磁気記憶データ)を有している。
【0038】
本実施形態のユーザ側装置10は、出荷伝票42の表示または記録を読み取ることによって特定される出荷担当車両の運転手に対して、同様に出荷伝票42の表示または記録を読み取ることによって特定される補充対象のサイロに対応する鍵(鍵14a~14dの何れか)を交付する鍵交付装置15を更に含んでいる。
【0039】
鍵14a~14dは、例えば物理的な鍵であり、サイロ錠13a~13dは、これに対応して、鍵穴を有している。
【0040】
もっとも、鍵14a~14dは、バーコードであってもよく、この場合、サイロ錠13a~13dは、バーコード読取部を有する。あるいは、鍵14a~14dは、QRコード(登録商標)であってもよく、この場合、サイロ錠13a~13dは、QRコード(登録商標)読取部を有する。
【0041】
また、本実施形態のユーザ側装置10は、出荷側装置30の出荷情報策定部31に通信可能に接続されていて当該出荷情報策定部31が策定した出荷情報41を表示する表示部16と、当該表示部16に表示された出荷情報について承認(の指示入力)を行う承認部17と、を更に含んでいる。
【0042】
そして、本実施形態の出荷側装置30の出荷伝票発行部32は、ユーザ側装置10の承認部17によって承認された出荷情報41に基づいて(承認部17によって承認されてから)、出荷伝票42を発行するようになっている。
【0043】
また、本実施形態の出荷管理システム1は、ユーザ側装置10の在庫量センサ12a~12dに通信可能に接続されていて当該在庫量センサ12a~12dから各サイロ11a~11dの在庫量を無線通信にて受信して印刷する携帯用印刷機50を更に備えている。当該携帯用印刷機50は、出荷担当車両の運転手が携行するようになっている。
【0044】
当該運転手は、各サイロ11a~11dへの粉体材料の補充作業の作業者を兼ねており、補充作業を終えた直後に、携帯用印刷機50を用いて、在庫量センサ12a~12dから各サイロ11a~11dの在庫量を受信して印刷する。これによって、補充作業を終えた状態を目視で確認することができる。
【0045】
また、本実施形態のユーザ側装置10は、粉体材料の補充作業を許容した事実(例えば補充対象のサイロに対応する鍵(14a~14dの何れか)を交付した事実)を、対応する出荷情報41と紐付けして記憶する記憶部15mを含んでいる。
【0046】
次に、以上のような構成からなる出荷管理システム1の使用例について、
図1を参照しながら説明する。
【0047】
予め定められた頻度で(例えば1週間に1度)、在庫量センサ12a~12dによって検出されるサイロ11a~11dの在庫量と、今後の経過時間に応じた各サイロ11a~11dの粉体材料の予定使用量とが、出荷側装置30の出荷情報策定部31によって受信される(STEP01)。
【0048】
出荷情報策定部31によって受信された情報に基づいて、出荷側の担当者(あるいは出荷側にてメンテナンスされるAIでも良い)が、各サイロ11a~11dの補充のための出荷情報41を策定する(STEP02)。
【0049】
前述のように、本実施形態の出荷情報41は、出荷の日程と、補充対象のサイロ(サイロ11a~11dの何れであるかの情報)と、補充する粉体の量(例えばkg単位)と、出荷担当車両(例えば車両番号)と、を含んでいる。
【0050】
本実施形態では、出荷情報策定部31が策定した出荷情報41が、ユーザ側装置10の表示部16に送信されて表示される(STEP03)。ユーザ側の担当者は、当該表示の内容を確認し、承認部17を介して承認(の指示入力)を行う(STEP04)。
【0051】
ここで、表示後の所定の時間中に指示入力が無い場合には「承認」と判断するように取り決めておけば、ユーザ側の担当者は「承認」しない場合にのみ情報入力(ないし連絡等)を行えばよいため、負担は更に軽減される。
【0052】
その後、本実施形態の出荷側装置30の出荷伝票発行部32は、ユーザ側装置10の承認部17によって承認された出荷情報41に基づいて(承認部17によって承認されてから)、出荷伝票42を発行する(STEP05)。当該出荷伝票42は、出荷に先だって、出荷担当車両の運転手に手渡される。
【0053】
前述のように、本実施形態の出荷伝票42は、出荷情報41に紐付けられて発行され、少なくとも補充対象のサイロ(サイロ11a~11dの何れであるかの情報)と出荷担当車両(例えば車両番号)とを特定可能な表示(例えばQRコード(登録商標))または記録(例えば磁気記憶データ)を有している。
【0054】
出荷の際、出荷担当車両の運転手は、出荷伝票42と携帯用印刷機50とを携行し、補充するべき粉体材料が搭載された担当車両を運転して、ユーザ側装置10に向かう(STEP06)。
【0055】
ユーザ側装置10に到着したら、出荷伝票42がユーザ側の担当者に手渡され(あるいは、出荷伝票42の表示内容ないし記録内容が所定の情報読み取り装置によって読み取られることによって)、出荷伝票42の内容とユーザ側で管理している発注情報(承認部17によって承認した情報)との照合がなされる(STEP07)。
【0056】
照合結果が正しければ、鍵交付装置15が、出荷伝票42によって特定される当該出荷担当車両の運転手に対して、出荷伝票42によって特定される補充対象のサイロに対応する鍵(鍵14a~14dの何れか)が交付される(STEP08)。
【0057】
例えば、補充対象のサイロのサイロ錠に対応する鍵(例えば鍵14d)を収容している鍵箱のみ、ロックが解除されて、出荷担当車両の運転手による取り出しが可能とされ得る。(あるいは、補充対象のサイロ11dのサイロ錠13dに対応するバーコードまたはQRコード(登録商標)が鍵14dとして発行(印刷)される。)
【0058】
また、ユーザ側装置10の記憶部15mが、粉体材料の補充作業を許容した事実(補充対象のサイロに対応する鍵(14a~14dの何れか)を交付した事実)を、対応する出荷情報41と紐付けして記憶する。
【0059】
照合結果が正しく無ければ、鍵は交付されず、補充作業の受け入れが中止される(STEP09)。
【0060】
運転手は、交付された鍵を受領し(STEP11)、補充対象のサイロの近くまで出荷担当車両を移動させ、交付された鍵を用いてサイロ錠を開放し、粉体材料の補充作業を実施する(STEP12)。そして、補充作業を終えた後、携帯用印刷機50を用いて、在庫量センサ12a~12dから各サイロ11a~11dの在庫量を受信して印刷する(STEP13)。これによって、補充作業を終えた状態を目視で確認する。
【0061】
当該印刷結果は、納品伝票(の一部)として、ユーザ側に手渡されて(あるいは所定の保管ボックスに投函されて)保管される(STEP14)。
【0062】
携帯用印刷機50を用いて各サイロ11a~11dの在庫量を確認する作業は、粉体材料の補充作業を実施する直前において、追加的に実施されてもよい。この場合、補充作業前の印刷結果と補充作業後の印刷結果との両方を比較することで、補充作業が適切に実施されたことをより容易に確認することができる。
【0063】
以上の通り、本実施形態の出荷管理システム1によれば、出荷側において、サイロ11a~11dの在庫量をリアルタイムに検出する在庫量センサ12a~12dから在庫量を受信して、サイロ11a~11dの補充のための出荷情報41を策定することができる。このため、ユーザ側の負担を軽減させることができる。
【0064】
また、本実施形態の出荷管理システム1によれば、出荷伝票42と補充対象のサイロ(サイロ11a~11dの何れか)とが紐付けされ、鍵交付装置15は、出荷伝票42によって特定される補充対象のサイロに対応する鍵(鍵14a~14dの何れか)のみを交付するため、各サイロ11a~11dへのアクセスを適切に管理することができる。
【0065】
また、本実施形態の出荷管理システム1によれば、ユーザ側装置10の表示部16が出荷情報策定部31によって策定された出荷情報41を表示し、ユーザ側の担当者が当該表示の内容を確認して承認部17を介して承認(の指示入力)を行い、出荷側装置30の出荷伝票発行部32が承認部17によって承認された出荷情報41に基づいて出荷伝票42を発行する。すなわち、ユーザ側において出荷情報41を確認/承認するステップを介在させている。これにより、発注に関するトラブル発生を効果的に抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態の出荷管理システム1によれば、粉体材料の補充作業を終えた運転手が、携帯用印刷機50を用いて在庫量センサ12a~12dから各サイロ11a~11dの在庫量を受信して印刷することによって、補充作業を終えた状態を目視で確認することができる。更に、当該印刷結果をユーザ側に手渡しする、という運用を採用することもできる。
【0067】
また、本実施形態の出荷管理システム1によれば、出荷伝票42と補充作業に実際に用いられる出荷担当車両の情報とが紐付けされ、鍵交付装置15は、出荷伝票42によって特定される出荷担当車両の運転手に対して、補充対象のサイロに対応する鍵(鍵14a~14dの何れか)のみを交付するため、各サイロ11a~11dへのアクセスを更に適切に管理することができる。
【0068】
また、本実施形態の出荷管理システム1によれば、記憶部15mが、粉体材料の補充作業を許容した事実(例えば補充対象のサイロに対応する鍵(14a~14dの何れか)を交付した事実)を、対応する出荷情報41と紐付けして記憶する。これにより、補充作業後の粉体材料について何らかのトラブルが発覚した際に、どの出荷担当車両によって搬送ないし補充作業がなされたのかを、効果的に辿る(トレースする)ことができる。このため、例えば出荷担当車両における何らかの不具合を早期に発見することができ、更には、出荷担当車両のメンテナンス方法の改善等に当該情報を活用することも可能である。
【0069】
なお、以上の実施形態は、粉体材料を貯蔵するサイロのみならず、液体材料を貯蔵するサイロ(またはタンク)に対しても適用可能である。
【0070】
次に、
図2は、本発明の第2実施形態に係る出荷管理システムの使用例を示す概略フロー図である。
【0071】
図2に示すように、本実施形態の出荷管理システム101も、第1実施形態の出荷管理システム1と同様に、例えば粉体材料を原料として用いる食品工場に設置されるユーザ側装置10と、当該ユーザ側装置10に対する粉体材料の出荷業務を担う出荷側装置30と、を備えている。出荷側装置30は、例えば粉体材料製造会社の製造工場に設定される。
【0072】
本実施形態のユーザ側装置10は、粉体材料を貯蔵するための複数のサイロ11a~11dを含んでおり、当該複数のサイロ11a~11dの各々には、当該サイロ11a~11dの在庫量をリアルタイムに検出する在庫量センサ12a~12dと、当該サイロ11a~11dに送信される照合情報を介して当該サイロ11a~11dの開閉を制御するサイロ錠113a~113dと、が設けられている。
【0073】
一方、本実施形態の出荷側装置30も、第1実施形態の出荷管理システム1と同様に、ユーザ側装置10の在庫量センサ12a~12dに通信可能に接続されていて当該在庫量センサ12a~12dから各サイロ11a~11dの在庫量を受信して、各サイロ11a~11dの補充のための出荷情報41を策定する出荷情報策定部31と、当該出荷情報策定部31が策定した出荷情報41に基づいて出荷伝票42を発行する出荷伝票発行部32と、を含んでいる。
【0074】
本実施形態の出荷情報策定部31も、第1実施形態の出荷管理システム1と同様に、経過時間に応じた各サイロ11a~11dの粉体材料の予定使用量をも受信するようになっており、当該予定使用量を考慮した上で、各サイロ11a~11dの補充のための出荷情報41を策定するようになっている。
【0075】
当該予定使用量は、それまでの各サイロ11a~11dの在庫量の推移に基づいて推測計算によって得られてもよいし、及び/または、ユーザ側の担当者によって入力(オーバーライド入力)されてもよい。
【0076】
ユーザ側装置10から出荷側装置30への各サイロ11a~11dの粉体材料の予定使用量の情報は、在庫量センサ12a~12dによって検出された現在時点の在庫量の情報と共に送信されてもよいし、後者の情報とは別個に送信されてもよい。
【0077】
あるいは、ユーザ側装置10との通信を要することなく出荷側装置30において各サイロ11a~11dの粉体材料の予定使用量が把握(例えば設定ないし入力)される場合には、当該予定使用量の情報の送受信は実施される必要がない。
【0078】
本実施形態の出荷情報41は、出荷の日程と、補充対象のサイロ(サイロ11a~11dの何れであるかの情報)と、補充する粉体の量(例えばkg単位)と、出荷担当車両(例えば車両番号)と、出荷担当者(補充作業者でもある)と、を含んでいる。もっとも、出荷担当車両及び出荷担当者の一方を特定することによって他方が特定される場合には(両者が1対1に対応している場合には)、両者のうちの一方が省略されていてもよい。
【0079】
本実施形態の出荷伝票42は、出荷情報41に紐付けられて発行され、少なくとも補充対象のサイロ(サイロ11a~11dの何れであるかの情報)と出荷担当車両(例えば車両番号)と出荷担当者(補充作業者でもある)とを特定可能な表示(例えばQRコード(登録商標))及び/または記録(例えば磁気記憶データ)を有している。
【0080】
本実施形態のユーザ側装置10は、出荷伝票42の表示または記録を読み取ることによって特定される補充作業者(運転手)の生体情報(ID情報の一例)を照合可能な照合情報を、同様に出荷伝票42の表示または記録を読み取ることによって特定される補充対象のサイロに対して送信する照合情報交付装置115を更に含んでいる。
【0081】
生体情報は、例えば、顔形、虹彩、指紋、静脈、声紋などである。
【0082】
また、本実施形態のユーザ側装置10も、第1実施形態の出荷管理システム1と同様に、出荷側装置30の出荷情報策定部31に通信可能に接続されていて当該出荷情報策定部31が策定した出荷情報41を表示する表示部16と、当該表示部16に表示された出荷情報について承認(の指示入力)を行う承認部17と、を更に含んでいる。
【0083】
そして、本実施形態の出荷側装置30の出荷伝票発行部32も、第1実施形態の出荷管理システム1と同様に、ユーザ側装置10の承認部17によって承認された出荷情報41に基づいて(承認部17によって承認されてから)、出荷伝票42を発行するようになっている。
【0084】
一方で、本実施形態の出荷側装置30は、補充作業者(運転手)と、補充作業者(運転手)の生体情報を照合可能な照合情報と、を対応付けたデータベース133を有している。
【0085】
また、本実施形態の出荷管理システム101も、第1実施形態の出荷管理システム1と同様に、ユーザ側装置10の在庫量センサ12a~12dに通信可能に接続されていて当該在庫量センサ12a~12dから各サイロ11a~11dの在庫量を無線通信にて受信して印刷する携帯用印刷機50を更に備えている。当該携帯用印刷機50は、出荷担当車両の運転手が携行するようになっている。
【0086】
当該運転手は、各サイロ11a~11dへの粉体材料の補充作業の作業者を兼ねており、補充作業を終えた直後に、携帯用印刷機50を用いて、在庫量センサ12a~12dから各サイロ11a~11dの在庫量を受信して印刷する。これによって、補充作業を終えた状態を目視で確認することができる。
【0087】
また、本実施形態のユーザ側装置10は、粉体材料の補充作業を許容した事実(例えば補充対象のサイロに照合情報を送信した事実)を、対応する出荷情報41と紐付けして記憶する記憶部115mを含んでいる。
【0088】
次に、以上のような構成からなる出荷管理システム101の使用例について、
図2を参照しながら説明する。第1実施形態の出荷管理システム1の使用例と同様の工程については、同じSTEP番号を付している。
【0089】
予め定められた頻度で(例えば1週間に1度)、在庫量センサ12a~12dによって検出されるサイロ11a~11dの在庫量と、今後の経過時間に応じた各サイロ11a~11dの粉体材料の予定使用量とが、出荷側装置30の出荷情報策定部31によって受信される(STEP01)。
【0090】
出荷情報策定部31によって受信された情報に基づいて、出荷側の担当者(あるいは出荷側にてメンテナンスされるAIでも良い)が、各サイロ11a~11dの補充のための出荷情報41を策定する(STEP02)。
【0091】
前述のように、本実施形態の出荷情報41は、出荷の日程と、補充対象のサイロ(サイロ11a~11dの何れであるかの情報)と、補充する粉体の量(例えばkg単位)と、出荷担当車両(例えば車両番号)と、出荷担当者(補充作業者でもある)と、を含んでいる。
【0092】
本実施形態でも、出荷情報策定部31が策定した出荷情報41が、ユーザ側装置10の表示部16に送信されて表示される(STEP03)。ユーザ側の担当者は、当該表示の内容を確認し、承認部17を介して承認(の指示入力)を行う(STEP04)。
【0093】
ここで、表示後の所定の時間中に指示入力が無い場合には「承認」と判断するように取り決めておけば、ユーザ側の担当者は「承認」しない場合にのみ情報入力(ないし連絡等)を行えばよいため、負担は更に軽減される。
【0094】
その後、本実施形態の出荷側装置30の出荷伝票発行部32は、ユーザ側装置10の承認部17によって承認された出荷情報41に基づいて(承認部17によって承認されてから)、出荷伝票42を発行する(STEP05)。当該出荷伝票42は、出荷に先だって、出荷担当車両の運転手に手渡される。
【0095】
前述のように、本実施形態の出荷伝票42は、出荷情報41に紐付けられて発行され、少なくとも補充対象のサイロ(サイロ11a~11dの何れであるかの情報)と出荷担当車両(例えば車両番号)と出荷担当者(補充作業者でもある)とを特定可能な表示(例えばQRコード(登録商標))または記録(例えば磁気記憶データ)を有している。
【0096】
出荷の際、出荷担当者(出荷担当車両の運転手)は、出荷伝票42と携帯用印刷機50とを携行し、補充するべき粉体材料が搭載された担当車両を運転して、ユーザ側装置10に向かう(STEP06)。
【0097】
ユーザ側装置10に到着したら、出荷伝票42がユーザ側の担当者に手渡され(あるいは、出荷伝票42の表示内容ないし記録内容が所定の情報読み取り装置によって読み取られることによって)、出荷伝票42の内容とユーザ側で管理している発注情報(承認部17によって承認した情報)との照合がなされる(STEP07)。
【0098】
発注情報についての照合結果が正しければ、照合情報交付装置115が、出荷伝票42によって特定される当該出荷担当車両の運転手に対応する照合情報をデータベース133から呼び出し(STEP21)、当該照合情報を出荷伝票42によって特定される補充対象のサイロのサイロ錠に送信する(STEP22)。
【0099】
また、ユーザ側装置10の記憶部115mが、粉体材料の補充作業を許容した事実(補充対象のサイロに対応する照合情報を送信した事実)を、対応する出荷情報41と紐付けして記憶する。
【0100】
発注情報についての照合結果が正しく無ければ、照合情報は送信されず、補充作業の受け入れが中止される(STEP09)。
【0101】
運転手は、補充対象のサイロへの照合情報の送信を確認すると、補充対象のサイロの近くまで出荷担当車両を移動させ、自らの生体情報をサイロ錠に認識させて事前に送信されている筈の照合情報と照合させる。すなわち、当該照合(生体認証)を用いてサイロ錠を開放する(STEP23)。サイロ錠の開放後、粉体材料の補充作業を実施する(STEP12)。そして、補充作業を終えた後、携帯用印刷機50を用いて、在庫量センサ12a~12dから各サイロ11a~11dの在庫量を受信して印刷する(STEP13)。これによって、補充作業を終えた状態を目視で確認する。
【0102】
当該印刷結果は、納品伝票(の一部)として、ユーザ側に手渡されて(あるいは所定の保管ボックスに投函されて)保管される(STEP14)。
【0103】
携帯用印刷機50を用いて各サイロ11a~11dの在庫量を確認する作業は、粉体材料の補充作業を実施する直前において、追加的に実施されてもよい。この場合、補充作業前の印刷結果と補充作業後の印刷結果との両方を比較することで、補充作業が適切に実施されたことをより容易に確認することができる。
【0104】
以上の通り、本実施形態の出荷管理システム101によっても、出荷側において、サイロ11a~11dの在庫量をリアルタイムに検出する在庫量センサ12a~12dから在庫量を受信して、サイロ11a~11dの補充のための出荷情報41を策定することができる。このため、ユーザ側の負担を軽減させることができる。
【0105】
また、本実施形態の出荷管理システム101によれば、出荷伝票42と補充対象のサイロ(サイロ11a~11dの何れか)及び補充作業者とが紐付けされ、照合情報交付装置115は、出荷伝票42によって特定される補充作業者(運転手)の生体情報(ID情報の一例)を照合可能な照合情報を、出荷伝票42によって特定される補充対象のサイロに対してのみ送信するため、各サイロ11a~11dへのアクセスを適切に管理することができる。
【0106】
また、本実施形態の出荷管理システム101によっても、ユーザ側装置10の表示部16が出荷情報策定部31によって策定された出荷情報41を表示し、ユーザ側の担当者が当該表示の内容を確認して承認部17を介して承認(の指示入力)を行い、出荷側装置30の出荷伝票発行部32が承認部17によって承認された出荷情報41に基づいて出荷伝票42を発行する。すなわち、ユーザ側において出荷情報41を確認/承認するステップを介在させている。これにより、発注に関するトラブル発生を効果的に抑制することができる。
【0107】
また、本実施形態の出荷管理システム101によっても、粉体材料の補充作業を終えた運転手が、携帯用印刷機50を用いて在庫量センサ12a~12dから各サイロ11a~11dの在庫量を受信して印刷することによって、補充作業を終えた状態を目視で確認することができる。更に、当該印刷結果をユーザ側に手渡しする、という運用を採用することもできる。
【0108】
また、本実施形態の出荷管理システム101によれば、記憶部115mが、粉体材料の補充作業を許容した事実(例えば補充対象のサイロに対応する照合情報を送信した事実)を、対応する出荷情報41と紐付けして記憶する。これにより、補充作業後の粉体材料について何らかのトラブルが発覚した際に、どの出荷担当車両によって搬送ないし補充作業がなされたのかを、効果的に辿る(トレースする)ことができる。このため、例えば出荷担当車両における何らかの不具合を早期に発見することができ、更には、出荷担当車両のメンテナンス方法の改善等に当該情報を活用することも可能である。
【0109】
なお、以上の第2実施形態も、粉体材料を貯蔵するサイロのみならず、液体材料を貯蔵するサイロ(またはタンク)に対しても適用可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 出荷管理システム
10 ユーザ側装置
11a~11d サイロ
12a~12d 在庫量センサ
13a~13d サイロ錠
14a~14d 鍵
15 鍵交付装置
15m 記憶部
16 表示部
17 承認部
30 出荷側装置
31 出荷情報策定部
32 出荷伝票発行部
41 出荷情報
42 出荷伝票
50 携帯用印刷機
101 出荷管理システム
113a~113d サイロ錠
115 照合情報交付装置
115m 記憶部
133 運転手と運転手の照合情報とを対応付けたデータベース