(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、及び端末装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240618BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240618BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
G06F3/12 329
G06F3/12 331
G06F3/12 310
B41J29/38 202
H04N1/00 002A
H04N1/00 127Z
(21)【出願番号】P 2020046407
(22)【出願日】2020-03-17
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【氏名又は名称】鈴木 均
(72)【発明者】
【氏名】加藤 裕平
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-017624(JP,A)
【文献】特開2008-234438(JP,A)
【文献】特開2007-011799(JP,A)
【文献】特開2007-323120(JP,A)
【文献】特開2014-068201(JP,A)
【文献】特開2017-173868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/12
B41J29/00-29/70
H04N1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置と、該端末装置の要求に応じて機能を提供する情報処理装置と、を備え、
前記情報処理装置と前記端末装置とは可搬記憶媒体を接続可能であり、
前記可搬記憶媒体は、前記情報処理装置で実行可能な収集プログラムと
、前記端末装置で実行可能な診断プログラム及び設定プログラムと
、を格納し、
前記端末装置は、前記可搬記憶媒体が前記端末装置に接続されたとき、前記可搬記憶媒体に格納される前記診断プログラムをプロセッサにより実行することにより、前記情報処理装置の機能を利用するための前記端末装置の設定を診断し、必要と特定した設定の一覧を前記可搬記憶媒体に格納する診断処理を実行し、
前記情報処理装置は、前記可搬記憶媒体が前記情報処理装置に接続されたとき、前記可搬記憶媒体に格納される前記収集プログラムをプロセッサにより実行することにより、
前記可搬記憶媒体に格納される前記一覧に応じた前記情報処理装置の設定情報を収集し、収集した設定情報を前記可搬記憶媒体に格納する収集処理を実行し、
前記端末装置は、前記可搬記憶媒体が前記端末装置に接続されたとき、前記可搬記憶媒体に格納される前記設定プログラムをプロセッサにより実行することにより、
前記収集処理において前記情報処理装置が収集して前記可搬記憶媒体に格納した設定情報に基づいて、前記機能を利用するための設定を行う設定処理を実行する、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記端末装置は、前記情報処理装置に対する要求を制御する要求制御部を備え、
前記端末装置は、前記可搬記憶媒体が前記端末装置に接続されたとき、前記設定処理として、前記収集処理において前記情報処理装置が収集して前記可搬記憶媒体に格納した設定情報に基づいて、前記要求制御部の設定を行う、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記情報処理装置は、前記可搬記憶媒体が前記情報処理装置に接続されたとき、前記収集処理として、前記端末装置がプロセッサにより実行することで前記要求制御部を実現する要求制御プログラムを収集して前記可搬記憶媒体に格納し、
前記端末装置は、前記可搬記憶媒体が前記端末装置に接続されたとき、前記収集処理において前記情報処理装置が収集して前記可搬記憶媒体に格納した前記要求制御プログラムを取得する、ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記端末装置は、前記可搬記憶媒体が前記端末装置に接続されたとき、プロセッサにより実行することで前記要求制御部を実現する要求制御プログラムをウェブサイトから取得する、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載に情報処理システムおいて、
前記情報処理装置に対して前記端末装置が要求する前記機能は、印刷機能、スキャナ機能又はファックス機能であり、
前記情報処理装置は、前記収集処理として、印刷機能、スキャナ機能又はファックス機能を前記端末装置に提供するための設定情報を収集して前記可搬記憶媒体に格納し、
前記端末装置は、前記設定処理として、前記収集処理において前記情報処理装置が収集して前記可搬記憶媒体に格納した設定情報に基づいて、印刷機能の要求、スキャナ機能の要求又はファックス機能を利用するための設定を行うことを特徴とする情報処理システム。
【請求項6】
端末装置の要求に応じて機能を提供する情報処理装置であって、
前記情報処理装置と前記端末装置とは可搬記憶媒体を接続可能であり、
前記可搬記憶媒体は、前記情報処理装置で実行可能な収集プログラムと、前記端末装置で実行可能な端末装置用プログラムと、を格納し、
前記端末装置は、前記可搬記憶媒体が前記端末装置に接続されたとき、前記可搬記憶媒体に格納される前記端末装置用プログラムをプロセッサにより実行することにより、前記情報処理装置の機能を利用するための前記端末装置の設定を診断し、必要と特定した設定の一覧を前記可搬記憶媒体に格納する診断処理を実行し、
前記情報処理装置は、前記可搬記憶媒体が前記情報処理装置に接続されたとき、前記可搬記憶媒体に格納される前記収集プログラムをプロセッサにより実行することにより、前記可搬記憶媒体に格納される前記一覧に応じた前記情報処理装置の設定情報を収集し、収集した設定情報を前記可搬記憶媒体に格納する収集処理を実行し、
前記端末装置は、前記可搬記憶媒体が前記端末装置に接続されたとき、前記可搬記憶媒体に格納される前記端末装置用プログラムをプロセッサにより実行することにより、前記収集処理において前記情報処理装置が収集して前記可搬記憶媒体に格納した設定情報に基づいて、前記機能を利用するための設定を行う設定処理を実行する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置に対して機能の要求を行い、該要求に応じて前記機能の提供を受ける端末装置であって、
前記情報処理装置と前記端末装置とは可搬記憶媒体を接続可能であり、
前記可搬記憶媒体は、前記端末装置で実行可能な診断プログラム及び設定プログラムと、前記情報処理装置で実行可能な情報処理装置用プログラムと、を格納し、
前記端末装置は、前記可搬記憶媒体が前記端末装置に接続されたとき、前記可搬記憶媒体に格納される前記診断プログラムをプロセッサにより実行することにより、前記情報処理装置の機能を利用するための前記端末装置の設定を診断し、必要と特定した設定の一覧を前記可搬記憶媒体に格納する診断処理を実行し、
前記情報処理装置は、前記可搬記憶媒体が前記情報処理装置に接続されたとき、前記可搬記憶媒体に格納される情報処理装置用プログラムをプロセッサにより実行することにより、前記可搬記憶媒体に格納される前記一覧に応じた前記情報処理装置の設定情報を収集し、収集した設定情報を前記可搬記憶媒体に格納する収集処理を実行し、
前記端末装置は、前記可搬記憶媒体が前記端末装置に接続されたとき、前記可搬記憶媒体に格納される前記設定プログラムをプロセッサにより実行することにより、前記収集処理において前記情報処理装置が収集して前記可搬記憶媒体に格納した設定情報に基づいて、前記機能を利用するための設定を行う設定処理を実行する、
ことを特徴とする端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、端末装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
PC(Personal Computer)等の端末装置からプリンタに対して、例えばネットワーク経由で印刷要求を行う環境において正常に印刷が出来ない問題が発生する場合がある。かかる問題が利用者のPCにおける設定の誤りに起因する場合、本来は利用者自身が問題に対処可能である。
しかしながら、端末装置においてどの設定が間違っておりそれをどのように修正すればよいかという解決方法を特定して問題に対処するためには、利用者にはある程度の知識やスキルが必要である。
利用者が十分な知識やスキルを有さない場合、利用者単独では問題に対処することができず、サポートセンターの支援が必要となる。その場合、問題の解決まで時間がかかり、またサポートセンターへの問い合わせが多くなりがちとなる。
【0003】
そのような問題に対し、引用文献1に開示されている技術では、印刷処理中に問題が発生すると、利用者のPCにインストールされている診断ツールが復旧処理を実行する。
診断ツールは、問題が解決しない場合、復旧処理の履歴を含む診断情報を生成したサーバに送信する。サーバは、診断情報を保存するとともに、診断情報に対応したケース番号をPCに送信する。利用者が自身のPCに表示されているケース番号をサポートセンターのオペレーターに伝えると、オペレーターは、ケース番号に対応する診断情報をサーバから取得し、発生している問題の状況を適切に把握することが出来る。
上記の方法によっては、利用者に十分な知識やスキルがなくても診断ツールが問題に対処することができ、診断ツールによっても問題が解決しなかった場合でも、迅速かつ的確にオペレーターが問題に対処することが出来る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、引用文献1の開示されている方法では、診断ツールや、サポートセンターの支援が前提となっている。プリンタで印刷が行えない問題が発生した際に、十分な知識やスキルを有さない利用者が自力で問題の原因を特定して解消し、問題を解決することが難しい。
本発明の一実施形態は、プリンタやMFP等、情報処理装置の利用に際して問題が発生した際に、利用者が自力で問題を解決することが出来るようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、上記課題を解決するため、端末装置と、該端末装置の要求に応じて機能を提供する情報処理装置と、を備え、前記情報処理装置と前記端末装置とは可搬記憶媒体を接続可能であり、前記可搬記憶媒体は、前記情報処理装置で実行可能な収集プログラムと、前記端末装置で実行可能な診断プログラム及び設定プログラムと、を格納し、前記端末装置は、前記可搬記憶媒体が前記端末装置に接続されたとき、前記可搬記憶媒体に格納される前記診断プログラムをプロセッサにより実行することにより、前記情報処理装置の機能を利用するための前記端末装置の設定を診断し、必要と特定した設定の一覧を前記可搬記憶媒体に格納する診断処理を実行し、前記情報処理装置は、前記可搬記憶媒体が前記情報処理装置に接続されたとき、前記可搬記憶媒体に格納される前記収集プログラムをプロセッサにより実行することにより、前記可搬記憶媒体に格納される前記一覧に応じた前記情報処理装置の設定情報を収集し、収集した設定情報を前記可搬記憶媒体に格納する収集処理を実行し、前記端末装置は、前記可搬記憶媒体が前記端末装置に接続されたとき、前記可搬記憶媒体に格納される前記設定プログラムをプロセッサにより実行することにより、前記収集処理において前記情報処理装置が収集して前記可搬記憶媒体に格納した設定情報に基づいて、前記機能を利用するための設定を行う設定処理を実行する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
上記のように構成したので、本発明によれば、情報処理装置の利用に際して問題が発生した際に、利用者が自力で問題を解決することが出来るようにすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態に係るシステムの全体構成を説明する図である。
【
図2】本実施形態に係る端末装置の構成を説明する図である。
【
図3】本実施形態に係るプリンタ(MFP)の構成を説明する図である。
【
図4】プリンタから印刷ができない場合の問題解決処理の一例を概説する図である。
【
図5】本実施形態に係る診断解決モジュールを格納するUSBメモリの構成を説明する図である。
【
図6】本実施形態に係るプリンタ情報収集処理を説明するフローチャートである。
【
図7】本実施形態に係るPC情報収集処理を説明するフローチャートである。
【
図8】本実施形態に係る診断解決処理を説明するフローチャートである。
【
図9】本実施形態の他の実施例に係るPCの問題解決処理の流れを概説する図である。
【
図10】本実施形態の他の実施例に係る診断処理を説明するフローチャートである。
【
図11】本実施形態の他の実施例に係るプリンタ情報収集処理を説明するフローチャートである。
【
図12】実施形態の他の実施例に係る解決処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るシステムの全体構成を説明する図である。
図1に示すように、本実施形態のシステム1は、利用者が用いる一以上の端末装置としてのPC(Personal Computer)10と、一以上の情報処理装置50と、を備えている。
情報処理装置50は、いわゆるMFP(Multifunction Printer)であり、端末装置10からの要求に応じて、印刷機能やスキャナ機能、ファックス機能など様々な機能を提供する。情報処理装置50は、印刷機能のみを提供するプリンタであってもよい。以下、本実施形態の情報処理装置をプリンタ50として説明する。
【0009】
PC10とプリンタ50は例えばネットワークNWに接続されており、ネットワークNWを介して互いに通信可能となっている。プリンタ50は、PC10からの印刷要求を受け付けて印刷を実行する。
ネットワークNWは、TCT/IP(Transmission Control Protocol /Internet Protocol)ネットワークであり、PC10、プリンタ50は、互いの宛先としてIPアドレスを指定することで通信を行う。
PC10の利用者は、複数のプリンタ50の中から、ネットワークNW越しに、所望のプリンタを選択して印刷等の要求を行うことが出来る。
プリンタ50とPC10は、ネットワークNW経由ではなく、ケーブルで接続されていてもよい。
【0010】
図2は、本実施形態に係る端末装置の構成を説明する図であり、(a)はハードウェア構成を示す図、(b)はソフトウェアによる機能ブロックを示す図である。
PC10は、一般的な情報処理端末と同様の構成を有する。
図2(a)に示すように、PC10は、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、HDD(Hard Disk Drive)14及びIOインターフェイス15、USB(Universal Serial Bus)I/F16、ネットワークインターフェイス17、がバス18を介して接続されている。
【0011】
CPU11は演算手段であり、ROM13又はHDD14に格納されるファームウェアや、OSなどの制御プログラムを実行することによりPC10全体の動作を制御する。
また、CPU11は、HDD14に格納されるアプリケーション・プログラムを実行することにより、本実施形態に係る端末装置の機能を実現することが出来る。
RAM12は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU11が情報を処理する際の作業領域として用いられる。
ROM13は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェアなどのプログラムが格納されている。
【0012】
HDD14は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラムなどが格納されている。
またHDD14には、OSの管理のもと、プリンタ50に対応するプリンタドライバや、プリンタドライバに設定するプリンタ50のIPアドレス、プリンタ50のモデル名など、プリンタ50の設定情報を格納することが出来る。アプリケーション・プログラムから呼び出されるプリンタドライバは、HDD14に格納されるIPアドレスなどの設定情報を用いて、プリンタ50に対する印刷要求を行う。
【0013】
IOインターフェイス15は、バス18と各種のハードウェアなどを接続し、制御する。
IOインターフェイス15には表示部としてのLCD(Liquid Crystal Display)20及び入力部としての操作部21が接続されている。
LCD20は、利用者がPC10の状態を確認するための視覚的な利用者インターフェイスを提供する。操作部21は、キーボードやマウスなど、利用者がPC10に対して情報を入力するための利用者インターフェイスである。
【0014】
図2(b)に示すように、CPU11が、USBメモリ100またはHDD14に格納されたプログラムを実行することにより実現される制御部10Aは、PC設定収集部31、診断部32、設定部33、印刷制御部(要求制御部)34、通信制御部35を備える。
HDD14は、プリンタ50で印刷等ができない問題を解決するために必要なPC10の設定値(設定情報)を例えばHDD14から収集し、収集した情報をUSBメモリ100、またはHDD14に格納する。
診断部32は、プリンタ50を用いた印刷に関してPC10の設定を診断し、診断結果からプリンタ50を用いた印刷等ができない原因を特定する。
設定部33は、プリンタ50から収集された設定値(設定情報)に基づいて、端末装置10の設定値(設定情報)を修正(再設定)する。
印刷制御部(要求制御部)34はプリンタドライバであり、プリンタ50に対する印刷等の機能要求を制御する。PC10がプリンタ50に要求する機能が印刷ではなく、ファックスやスキャナの機能である場合、印刷制御部34は、それらの機能に関するプリンタ50に対する機能要求を制御する。
通信制御部35は、ネットワークインターフェイス17を制御してPC10をネットワークNWに接続する。
【0015】
図3は、本実施形態に係るプリンタ(MFP)の構成を説明する図である。
プリンタ50は、コントローラ60とエンジン部(Engine)60とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。
コントローラ60は、プリンタ50全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。
エンジン部80は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部80には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0016】
コントローラ60は、CPU61と、ノースブリッジ(NB)63と、システムメモリ(MEM-P)62と、サウスブリッジ(SB)64と、ローカルメモリ(MEM-C)17と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)16と、ハードディスクドライブ(HDD)68とを有し、ノースブリッジ(NB)63とASIC66との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス65で接続した構成となる。
【0017】
CPU61はプリンタ50の全体制御をおこなうものであり、NB63、MEM-P62およびSB64からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
NB63は、CPU61とMEM-P62、SB64、AGPバス65とを接続するためのブリッジであり、MEM-P62に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0018】
MEM-P62は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM62aとRAM62bとからなる。
ROM62aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM62bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0019】
SB64は、NB63とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。
このSB64は、PCIバスを介してNB63と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェイス(I/F)部なども接続される。
ASIC66は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス65、PCIバス、HDD68およびMEM-C67をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。
【0020】
このASIC66は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC66の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM-C67を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部80との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。
【0021】
このASIC66には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)70、USBインターフェイス71、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェイス72が接続される。操作表示部90はASIC66に直接接続されている。
【0022】
MEM-C67は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリである。
HDD68は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
また、HDD68は、プリンタ50で実行されるアプリケーションのライセンスファイルを保存する。
また、HDD68には、PC10に対して供給可能なように、プリンタ50に割り当てられているIPアドレスや、プリンタドライバ(要求制御部)のプログラム情報を格納することが出来る。
AGPバス65は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM-P62に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
CPU61は、USBインターフェイス71に接続されたUSBメモリ100に格納されているプログラムによって、プリンタ設定収集部40を実行する。
プリンタ設定収集部40は、プリンタ50で印刷ができない問題を解決するために必要な設定値や情報を、例えばHDD68から収集し、USBメモリ100に格納する。
【0023】
図4は、プリンタから印刷ができない場合の問題解決処理の一例を概説する図である。
図1に示すシステムにおいて、ネットワークNWに接続されたプリンタ50から印刷ができない問題が発生した場合、例えば、プリンタ50のIPアドレスが変更されており通信ができなくなっていることが原因に考えられる。
【0024】
従来は、所望のプリンタから印刷ができない場合に原因を診断して解決しようとする場合、PC10のプリンタドライバに設定したIPアドレスと、プリンタ50の実際のIPアドレスが一致しているかを確認する必要があった。両IPアドレスが一致しない場合には、利用者は、PC10のプリンタドライバに対して、プリンタ50の実際のIPアドレスを設定することが問題を解決する。
しかし、複数のプリンタやMFPがあるオフィスなどの場合、十分な知識やスキルがない利用者が複数の機器の中から印刷したいプリンタを特定し、そのうえ特定した機器のIPアドレスを確認することは難しい。その結果プリンタから印刷ができない問題を利用者が自力では解決することが難しくなっている。
【0025】
ただし、IPアドレスなどの設定がわからない利用者でも、少なくとも、印刷したいプリンタが物理的にどれであるかはわかっている。本実施形態では、このことを利用して、利用者が印刷したいプリンタから必要な直接情報を取得してPC10の診断および設定の修復をし、問題の解決を行う。
利用者が印刷したいプリンタから必要な情報を直接取得するので、利用者は、プリンタ等の機器の詳細情報の内容を意識すること無く、必要な情報を取得して、PC10の問題を修復することが出来る。
なお下記の説明では、プリンタ50のCPU61が、USBメモリなどの外部記憶媒体に格納されたプログラムなどを実行可能であることが必要である。
【0026】
本実施形態において、利用者は、自身が操作するPC10と、印刷を行いたいプリンタ50と、の2つの場所で操作を行う。
(1)まず利用者は、診断解決モジュール110を格納したUSBメモリ100などの可搬記憶媒体を用意する。利用者は、USBメモリ100に診断解決モジュール110を保存する。
図5において詳しく説明するが、本実施形態のUSBメモリ100には、診断解決モジュール110を格納するモジュール記憶領域100Aと、PC10及びプリンタ50から収集した情報を格納する情報記憶領域100Bと、を備えている。
診断解決モジュール110を格納する可搬記憶媒体はUSBメモリに限らず、SDカードやUSB接続のポータブルHDDなどであってもよい。
【0027】
(2)利用者は、印刷を行いたいプリンタ50の、例えばUSBインターフェイス71にUSBメモリ100を接続する。
(3)USBメモリ100を接続されたプリンタ50は、USBメモリ100のモジュール記憶領域100Aに格納された診断解決モジュール110の、プリンタ50で実行可能にコンパイルされた一部を実行する。
なお、プリンタ50は、USBメモリ100を接続されると、外部プログラムとして診断解決モジュール110を実行するか否かを利用者に確認するダイアログを操作表示部90の表示画面に表示し、実行を指示する操作が操作表示部90で行われたときに診断解決モジュール110を実行してもよい。
診断解決モジュール110は、CPU61によって実行されると、PC10における問題解決に必要な情報(プリンタ50のIPアドレスやモデル名など)をHDD14等から収集し、USBメモリ100の情報記憶領域100Bに保存する。
(4)利用者は、プリンタ50からUSBメモリ100を抜き取り、PC10のUSBインターフェイス16に接続する。
【0028】
(5)USBメモリ100を接続されたPC10は、USBメモリ100の情報記憶領域100Bに格納されている診断解決モジュール110の、PC10で実行可能にコンパイルされた一部を実行する。
USBメモリ100を接続されたPC10は、外部プログラムとして診断解決モジュール110を実行するか否かを利用者に確認するダイアログをLCD20の表示画面に表示し、実行を指示する操作が操作部21等を用いて行われたときに診断解決モジュール110を実行してもよい。
診断解決モジュール110は、実行されると、PC10を診断し、(3)で収集したプリンタ50の設定値(設定情報)を元にPC10の設定を修正(再設定)する。
【0029】
図5は、本実施形態に係る診断解決モジュールを格納するUSBメモリの構成を説明する図である。
USBメモリ100に格納される診断解決モジュール110は、大きく分けて、プリンタ設定収集モジュール111、PC設定収集モジュール112、診断モジュール113、設定モジュール114の4つのモジュールを有する。
プリンタ設定収集モジュール111はプリンタ50のCPU61で実行可能にコンパイルされたプログラムである。
PC設定収集モジュール112、診断モジュール113、設定モジュール114は、PC10のCPU11で実行可能にコンパイルされたプログラムである。
診断解決モジュール110のうち、PC設定収集モジュール112、診断モジュール113、設定モジュール114は、USBメモリ100に格納されるのではなく、PC10のHDD14などに格納されていてもよい。
【0030】
プリンタ設定収集モジュール111は、CPU61によって実行されると、プリンタ50のプリンタ設定収集部40として、プリンタ50で印刷ができない問題を解決するために必要な設定値や情報を、HDD68などから収集し、USBメモリ100の情報記憶領域100Bに格納する。
プリンタ設定収集モジュール111(プリンタ設定収集部40)が収集する設定値や情報は、例えば、プリンタ50に割り当てられたIPアドレスや、プリンタのモデル名、セキュリティ設定、プリンタドライバなどである。
プリンタ設定収集モジュール111は、USBメモリ100に格納されるのではなく、ROM62aやHDD68に格納されていてもよい。その場合、プリンタ設定収集モジュール111は、USBメモリ100がプリンタ50に接続されることを契機として上記情報を収集し、USBメモリ100の情報記憶領域100Bに格納する。
【0031】
PC設定収集モジュール112は、CPU11によって実行されると、PC10のPC設定収集部31として、プリンタ50で印刷ができない問題を解決するために必要なPC10の設定値を収集し、例えばRAM12に格納する。
PC設定収集部31が収集する設定値は、例えば、PC10内で作成されているプリンタアイコンに対応するプリンタドライバに対して設定されている出力先TCP/IPポートのIPアドレス、PC10で実行されているOSの情報などである。
なおプリンタアイコンは、PC10にプリンタドライバをインストールしてプリンタをセットアップすることによりOSによって作成、表示されるアイコンである。
【0032】
プリンタアイコンは、例えばOSが提供するプリンタ設定画面内に表示され、マウスを用いてプリンタアイコンをダブルクリック等することにより、プリンタの印刷設定や、ジョブの管理などの機能を呼び出すことが出来る。
プリンタアイコンはPC10におけるプリンタ設定を直接保持するものではないが、プリンタの設定に関連づけられているものである。
本明細書では、PC10においてセットアップされているプリンタ、あるいはそのプリンタに対応してPC10にインストールされているプリンタドライバを「プリンタアイコン」と記載することがある。
【0033】
診断モジュール113は、CPU11によって実行されると、PC10の診断部32として、プリンタ50を用いた印刷に関するPC10の設定を診断する。
すなわち、診断部32は、プリンタ設定収集部40、PC設定収集部31が収集した情報を元に、PC10と、PC10で作成されているプリンタアイコンに対応するプリンタ50との間で接続が確立され、印刷が可能であるかを診断する。
診断部32は、PC10において複数作成されているプリンタアイコンごとに、プリンタアイコンに関連するプリンタドライバが出力しているステータス情報(オフライン、一時停止、印刷中ジョブエラー)などから、プリンタ50との通信状態が正常かどうかを診断する。
【0034】
設定モジュール114は、CPU11によって実行されると、PC10の設定部33として、診断モジュール113による診断結果から印刷ができない原因を特定し修正を行う。
設定部33は、プリンタ設定収集部40が収集した情報に基づいて、作成されているプリンタアイコンに対応するプリンタドライバに対して設定されている出力先TCP/IPポートのIPアドレスや、認証設定といったPC10内の設定を修正する。
【0035】
プリンタアイコンが無い場合(プリンタドライバがインストールされていない場合)、設定部33は、プリンタアイコンの新規作成(プリンタドライバのインストール)を行う。
このとき、プリンタ50側に用紙切れや紙詰まりなどのエラーが発生しているようであれば、その時点でエラー内容をLCD20に表示し、用紙除去や用紙補充などの修正を利用者に要求してもよい。
設定部33は、プリンタドライバをUSBメモリ100からインストールするのではなく、インターネットから接続して例えばプリンタ50の製造元サイトからダウンロードしてインストールしてもよい。
プリンタドライバをUSBメモリ100からインストールする場合に比べて、最新のプリンタドライバをインストールしやすくなる効果がある。
【0036】
上記において、プリンタ設定値の収集を、USBメモリ100に格納された診断解決モジュール110(プリンタ設定収集モジュール111)が実施すると説明している。
それに限らず、プリンタ50がROM62aに別途備える設定値収集モジュールがプリンタ50の設定値を収集し、収集した設定値をUSBメモリ100に格納されているプリンタ設定値収集モジュール111に渡してもよい。プリンタ50が備える設定値収集モジュールが収集する設定値は、USBメモリ100に格納される診断解決モジュール110が収集する設定値と同じである。
【0037】
図6は、本実施形態に係るプリンタ情報収集処理を説明するフローチャートである。
USBメモリ100がプリンタ50に接続されていることが前提である。
プリンタ情報収集処理は、プリンタ50のCPU61が診断解決モジュール110に基づいて実行するプリンタ設定収集部40によって行われる。
プリンタ設定収集部40は、ステップS51において、プリンタ50のIPアドレスを収集し、USBメモリの情報記憶領域100Bに格納する。
プリンタ設定収集部40は、ステップS52において、プリンタ50のモデル名を収集し、USBメモリの情報記憶領域100Bに格納する。
プリンタ設定収集部40は、ステップS53において、プリンタ50のセキュリティ設定を収集し、USBメモリの情報記憶領域100Bに格納する。
プリンタ設定収集部40は、ステップS54において、プリンタ50のプリンタドライバを収集し、USBメモリの情報記憶領域100Bに格納する。
上記において、ステップS51~S54の処理は、異なる順序で実行されてもよい。また、プリンタ情報として上記とは異なる情報が収集されてもよい。
【0038】
図7は、本実施形態に係るPC情報収集処理を説明するフローチャートである。
PC情報収集処理は、PC10のCPU11が、診断解決モジュール110に基づいて実行するPC設定収集部31によって行われる。
PC設定収集部31は、ステップS61において、PC10の出力先プリンタポート(TCP/IPポート)の設定情報(IPアドレス)を収集し、RAM12又はHDD14に格納する。
PC設定収集部31は、ステップS62において、PC10で実行されているOSの情報を収集し、RAM12又はHDD14に格納する。
上記において、ステップS61~S62の処理は、異なる順序で実行されてもよい。また、設定値(設定情報)として上記とは異なる情報が収集されてもよい。
【0039】
図8は、本実施形態に係る診断解決処理を説明するフローチャートである。
診断解決処理は、PC10のCPU11が診断モジュール113、設定モジュール114に基づいて実行する診断部32、設定部33によって行われる。
診断部32は、ステップS101において、プリンタ50のプリンタドライバがインストールされているか否かを判定する。このとき、診断モジュール113は、
図6で説明したプリンタ50における設定値(設定情報)の収集過程で収集したモデル名のプリンタが、PC10に追加されているプリンタアイコンに対応するプリンタの中にあるかどうかを判定することが出来る。
【0040】
プリンタ50のプリンタドライバがインストールされていると判定した場合(ステップS101でYes)、診断部32は、ステップS102において、
図7の処理で収集したIPアドレスが、プリンタ50のIPアドレスと一致するか否かを判定する。
IPアドレスが一致すると判定した場合(ステップS102でYes)、診断部32は、ステップS103において、プリンタ50との通信が可能か否かを判定する。
【0041】
プリンタ50との通信が可能であると判定した場合(ステップS103でYes)、診断部32は、ステップS104において、プリンタ50で印刷を行う設定に問題がない旨を利用者に通知する表示を、LCD20で行う。
ステップS101において、プリンタドライバがインストールされていないと判定した場合(ステップS101でNo)、設定部33は、ステップS105において、プリンタ50から収集されてUSBメモリ100に格納されているプリンタドライバをインストールする。そのとき設定部33は、プリンタ50から収集されて、USBメモリ100に格納されているプリンタ50のIPアドレス、モデル名などを、インストールするプリンタドライバに設定する。
【0042】
ステップS102において、IPアドレスが一致しないと判定した場合(ステップ102でNo)、設定部33は、ステップS106において、プリンタドライバにおいて出力先ポートに対して設定されているIPアドレスを、プリンタ50から収集されてUSBメモリ100に格納されているIPアドレスを設定に変更(修正)する設定を行う。
ステップS103において、プリンタ50と通信できないと判定した場合(ステップS103でNo)には、LANケーブル抜け、ルータの故障など通信経路に問題があると考えられる。従って、診断部32は、その旨を示す表示をLCD20に行い、修正を行うように利用者に促す。
なお、プリンタ設定収集部40が収集する情報は印刷に関するものだけでなく、スキャナやファックスといった機能利用に関する情報を含んでもよい。この場合、
診断部32は、PC10からのスキャナ、ファックス利用に関して、印刷の場合と同様にドライバやIPアドレスの設定に問題がある場合には、その問題を特定してもよい。
設定部33も、印刷の場合と同様に、特定された問題に対し、ドライバの設定や、IPアドレスの修正設定を行うことが出来る。
【0043】
図8のフローチャートでは、PC10におけるプリンタドライバのインストール有無、プリンタドライバに設定されたIPアドレスとプリンタ50の実際のIPアドレスとの一致、PC10とプリンタ50との間の通信可否の3つを診断している。
これは、あくまで一例であり、診断と修正の内容はこれに限らない。プリンタアイコンで示されるプリンタ50の状態がオフラインになっていないか、など他の原因についてさらに診断と修正を行ってもよい。
上記に説明した実施例では、利用者が印刷を行いたいプリンタ50から必要な情報を直接取得することができ、取得した情報を用いて問題となる設定が修正される。従って利用者は、機器の詳細情報の内容を意識すること無く、PC10に生じた問題を簡単に解決することが出来る。
【0044】
ところで、上記の説明では、診断解決モジュール110を格納したUSBメモリ100を、プリンタ50に最初に接続し、プリンタ50から収集された設定情報に基づいてPC10の設定を修正している。
それに対して、下記に示す他の実施例では、PC10側で最初に診断を行って、問題解決に必要な情報をリストアップし、必要な情報だけをプリンタ50から取得する構成としている。
【0045】
図9は、本実施形態の他の実施例に係るPCの問題解決処理の流れを概説する図である。
上記と同様に、診断解決モジュール110が実行されることにより、PC10のPC設定収集部31、診断部32、設定部33、プリンタ50のプリンタ設定収集部40が構成される。
上記の実施例との主な違いは、PC10において先に診断を行い、その後、プリンタ50において情報収集を行う点である。
(1)利用者は、診断解決モジュール110を格納したUSBメモリ100などの可搬記憶媒体を用意する。例えば、利用者はUSBメモリ100に診断解決モジュール110を保存する。上記の実施例と同様に、診断解決モジュール110を格納する可搬記憶媒体はUSBメモリに限定されない。
(2)利用者は、自身のPC10にUSBメモリ100を接続する。
(3)USBメモリ100を接続されたPC10は、USBメモリ100に格納されている診断解決モジュール110を実行する。
【0046】
PC設定収集部31は、PC10の情報を収集する。
診断部32は、収集された情報から、プリンタドライバがインストールされているか、インストールされているプリンタドライバの出力ポート設定(IPアドレス)は正しいか、プリンタ50と通信が取れるかを診断し、収集した情報からPC10で発生している問題を特定する。問題が特定されない場合、診断部32は診断を終了する。
【0047】
問題を特定した結果、追加情報無しで問題を解決出来る場合には、設定部33は問題の解決を行う。
問題を特定した結果、問題の解決に追加情報が必要な場合、診断部32は、解決に必要な情報のリスト(必要情報リスト)を作成する。
図9の例では、問題の解決に当たり、プリンタ50のIPアドレスと、認証設定の2つが必要である。
診断モジュール113(診断部32)は、プリンタ50と通信できない場合にはプリンタ50のIPアドレスを、PC10にプリンタドライバがインストールされておらずプリンタアイコンが存在していない場合にはプリンタドライバとプリンタ50のIPアドレスを、というように、発生している問題に応じて必要な情報を必要情報リストにリストアップする。
診断部32は、必要情報リストをUSBメモリ100に格納するか、あるいは電子メールなどの方法で出力する。
【0048】
(4)利用者は、PC10からUSBメモリ100を抜き取り、印刷を行いたいプリンタ50に接続する。
(5)USBメモリ100を接続されたプリンタ50は、USBメモリ100に格納されている診断解決モジュール110を実行する。
プリンタ設定収集部40は、プリンタ50について必要な情報を収集し、USBメモリ100に保存する。この例では、診断解決モジュール110は(3)で作成してUSBメモリ100に格納された必要情報リストに示される情報(IPアドレスと認証設定)のみを、プリンタ50から収集する。
この実施例の場合、上記の例に比べて利用者の操作数こそ増加するものの、プリンタ50が不要な情報収集を行わずともよいのである。
【0049】
また、
図9の構成においても、プリンタ50側での情報収集はプリンタ50が備えるモジュールでおこなってもよい。
プリンタ50に対して物理的に利用者がアクセスすることで、細かい操作ミスを無くすことが出来る。また、アプリケーションだけでは解決できない、通信断絶先の情報を収集することが可能である。
ここでインストールするプリンタドライバや診断ツールを併せて取得してもよい。
【0050】
(6)必要な情報の収集が終わると、利用者は、USBメモリ100をプリンタ50から抜き取り、診断したいPC10に再び接続する。
(7)USBメモリ100を接続されたPC10は、USBメモリ100に格納されている診断解決モジュール110を実行する。
設定部33は、(5)で収集した情報(IPアドレスやモデル名など)を元に、PC10の設定を修正し、問題を解決する。すなわち、設定部33は、(5)で取得した情報(IPアドレスやモデル名など)を元に、PC10に対してポート設定の修正や、プリンタドライバのインストールなどを行い、印刷可能な状態にする。
プリンタドライバをプリンタ50から取得出来るので、インターネットに接続されていないクローズドなネットワークであっても、通常付属のCDやWeb上から取得しなければいけないドライバの取得/インストールが可能になる。自力でプリンタドライバの取得ができない利用者であっても、この方法であれば自力で問題解決を図ることが出来る。
【0051】
図10は、本実施形態の他の実施例に係る診断処理を説明するフローチャートである。
図10に示す診断処理は、PC10のCPU11が診断モジュール113に基づいて診断部32を実行することにより行われる。
診断部32は、ステップS201において、PC10がネットワークに対する通信可能であるか否かを判定する。
通信が可能と判定した場合(ステップS201でYes)、診断部32は、ステップS202において、プリンタ50と通信が可能か否かを判定する。
プリンタ50と通信が可能と判定した場合(ステップS202でYes)、診断部32は、ステップS202において、プリンタ50についてプリンタドライバがインストールされており、プリンタアイコンが存在するか否かを判定する。
【0052】
プリンタドライバがインストールされていると判定した場合(ステップS202でYes)、診断部32は、ステップS203において、プリンタ50と通信が可能であるか否かを判定する。
プリンタ50と通信が可能であると判定可能と判定した場合(ステップS203においてYes)、診断部32は、ステップS204において、プリンタ50を用いて印刷を行う設定に問題がない旨を利用者に通知する表示をLCD20で行って、処理を終了する。
【0053】
ステップS201で通信が不能と判定した場合(ステップS201でNo)、LANケーブル抜け、ルータの故障など通信経路に問題があると考えられるため、診断部32は、ステップS207において、その旨を示す表示をLCD20に行い、修正を行うように利用者に促して処理を終了する。
ステップS202において、プリンタドライバがインストールされていないと判定した場合(ステップS202でNo)、診断部32は、ステップS205において、必要情報としてプリンタ50のプリンタドライバとIPアドレスを指定した必要情報リストを作成してUSBメモリ100に格納し、処理を終了する。
【0054】
ステップS203において、プリンタ50と通信が不能である判定した場合(ステップS203でNo)、診断部32は、ステップS206でプリンタ50のIPアドレスを指定した必要情報リストを作成してUSBメモリ100に格納し、処理を終了する。
【0055】
図11は、本実施形態の他の実施例に係るプリンタ情報収集処理を説明するフローチャートである。
図11に示す診断処理は、プリンタ50のCPU61がプリンタ設定値収集モジュール112に基づいてプリンタ設定収集部40を実行することにより行われる。USBメモリ100がプリンタ50に接続されていることが前提である。
プリンタ設定収集部40は、ステップS301において、USBメモリ100に格納されている必要情報リストに自機のIPアドレスが指定されているか否かを判定する。
必要情報リストに自機のIPアドレスが指定されていると判定した場合(ステップS301でYes)、プリンタ設定収集部40は、ステップS302において、自機のIPアドレスの情報を収集してUSBメモリ100に格納し、処理を終了する。
ステップS301で必要情報リストに自機のIPアドレスが指定されてはいないと判定した場合(ステップS301でNo)、プリンタ設定収集部40は、ステップS303において、必要情報リストに自機のプリンタドライバが指定されているか否かを判定する。
必要情報リストに自機のプリンタドライバが指定されていると判定した場合(ステップS303でYes)、プリンタ設定収集部40は、ステップS304において、自機のIPアドレスの情報とプリンタドライバを収集してUSBメモリ100に格納し、処理を終了する。
【0056】
図12は、本実施形態の他の実施例に係る解決処理を説明するフローチャートである。
図12に示す解決処理は、PC10のCPU11が設定モジュール114に基づいて設定部33を実行することにより行われる。USB100がPC10に接続されていることが前提である。
設定部33は、ステップS401において、USBメモリ100に格納されている必要情報リストに、プリンタ50のIPアドレスが指定されているか否かを判定する。
IPアドレスが指定されていると判定した場合(ステップS401でYes)、設定部33は、ステップS402において、USBメモリ100に格納されているIPアドレスをプリンタドライバに対して設定し、処理を終了する。
【0057】
ステップS401でIPアドレスが指定されているのではないと判定した場合(ステップS401でNo)、設定部33は、ステップS403において、必要情報リストに、プリンタ50のプリンタドライバが指定されているか否かを判定する。
プリンタドライバが指定されていると判定した場合(ステップS403でYes)、設定部33は、ステップS404において、USBメモリ100に格納されているプリンタドライバをインストールするとともに、プリンタドライバにIPアドレスを設定し、処理を終了する。
利用者が印刷したいプリンタ(情報処理装置)50から必要な情報を直接取得するので、利用者はプリンタ等の機器の詳細情報の内容を意識すること無く必要な情報を取得して、PC10の問題を自力で修復することが出来る。それに加えて、プリンタ50は、PC10で必要と特定された設定情報のみを収集するので不要な情報収集を行わずともよく、処理を効率化することが出来る。
【0058】
なお、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようにプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するように設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPFA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュールなどのデバイスを含むものとする。
【0059】
<第1の形態とその効果>
第1の形態の情報処理システムは、端末装置10と、端末装置の要求に応じて機能を提供する情報処理装置50と、を備え、情報処理装置50は情報処理装置50で実行可能なプログラム情報110を格納した可搬記憶媒体100を接続可能であり、情報処理装置50は、可搬記憶媒体100が情報処理装置に50接続されたとき、プログラム情報110に基づいて情報処理装置50の設定情報を収集する収集部40を備え、端末装置10は、機能を利用するための設定情報を、情報処理装置50の収集部40が収集した設定情報に基づいて設定する設定部33を備える、ことを特徴とする。
本実施形態では利用者が印刷したいプリンタ(情報処理装置)50から必要な情報を直接取得するので、利用者はプリンタ等の機器の詳細情報の内容を意識すること無く必要な情報を取得して、PC10の問題を自力で修復することが出来る。
【0060】
<第2の形態とその効果>
第2の形態の情報処理システムは、第1の形態において、端末装置10は、情報処理装置50の機能を利用するための端末装置10の設定情報を診断し、設定部33による設定情報の設定に必要な情報処理装置50の設定情報を特定する診断部32を備え、情報処理装置50の収集部40は、診断部32が特定した情報処理装置50の設定情報を収集する。
利用者が印刷したいプリンタ(情報処理装置)50から必要な情報を直接取得するので、利用者はプリンタ等の機器の詳細情報の内容を意識すること無く必要な情報を取得して、PC10の問題を自力で修復することが出来る。それに加えて、プリンタ50は、PC10で必要と特定された設定情報のみを収集するので不要な情報収集を行わずともよい。
【符号の説明】
【0061】
1 システム、10 PC(端末装置)、11 CPU、12 RAM、13 ROM、14 HDD、15 IOインターフェイス、16 USBインターフェイス、17 バス、20 LCD、21 操作部、31 PC設定収集部、32 診断部、33 修正部、34 印刷制御部、40 プリンタ設定収集部、50 プリンタ、MFP(情報処理装置)、60 コントローラ、61 CPU、62 システムメモリ(MEM-P)62a ROM、62b RAM、63 ノースブリッジ、65 AGPバス、66 ASIC、67 ローカルメモリ、68 HDD、71 USBインターフェイス、72 IEEE1394インターフェイス、80 エンジン部、90 操作表示部、100 USBメモリ、110 診断解決モジュール、111 プリンタ設定値収集モジュール、112 PC設定収集モジュール、113 診断モジュール、114 修正モジュール
【先行技術文献】
【特許文献】
【0062】