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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】ピッキング方法及びピッキングシステム
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20240618BHJP
【FI】
B25J13/08 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021034482
(22)【出願日】2021-03-04
(65)【公開番号】P2022134953
(43)【公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】山田 哲資
(72)【発明者】
【氏名】太田 智彦
【審査官】國武 史帆
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-146403(JP,A)
【文献】特開2011-073066(JP,A)
【文献】特開2015-214012(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
B07C 1/00 - 99/00
G01B 11/00 - 11/30
G06T 1/00 - 7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
球状の複数の作物の中から1つの前記作物を選定して取り上げるピッキング方法であって、
複数の前記作物を上方から撮像した画像を取得する画像取得ステップと、
前記画像において、前記作物同士が所定の間隔以内で近接する近接部を検出するとともに前記作物毎に前記近接部の数を検出し、前記近接部の数が最小となる前記作物を特定する特定ステップと、
前記近接部の数が最小となる前記作物を取り上げる取り上げステップと、
を含み、
取り上げる前記作物がなくなるまで前記画像取得ステップと前記特定ステップと前記取り上げステップとを繰り返し実行する、ピッキング方法。
【請求項2】
請求項1に記載のピッキング方法であって、
前記特定ステップでは、
前記画像において、各々の前記作物に番号を付し、
番号の順に、前記作物の前記近接部の数を検出する数検出と、検出された数がその時点までに検出された数の中で最小か否かを判定する最小判定と、を行い、検出された数が最小である場合は、検出された数と前記数検出の対象である前記作物に付された番号とを記憶装置に記憶させ、
最後の番号が付された前記作物に対する前記数検出と前記最小判定とが終了した後に、その時点で前記記憶装置に記憶されている番号が付された前記作物を、前記近接部の数が最小となる前記作物とする、ピッキング方法。
【請求項3】
請求項1に記載のピッキング方法であって、
前記特定ステップでは、
前記画像において、各々の前記作物に番号を付し、
最初の番号が付された前記作物の前記近接部の数を検出する数検出を行い、その数と最初の番号とを記憶装置に記憶させ、
2番目の番号が付された前記作物から番号順に、前記数検出と、検出された数がその時点で前記記憶装置に記憶されている数よりも小さいか否かを判定する最小判定と、を行い、検出された数がその時点で前記記憶装置に記憶されている数よりも小さい場合は、前記記憶装置に記憶されている数と番号を、検出された数と前記数検出の対象である前記作物に付された番号とで上書きし、
最後の番号が付された前記作物に対する前記数検出と前記最小判定とが終了した後に、その時点で前記記憶装置に記憶されている番号が付された前記作物を、前記近接部の数が最小となる前記作物とする、ピッキング方法。
【請求項4】
請求項1に記載のピッキング方法であって、
前記特定ステップでは、
前記画像において、各々の前記作物に番号を付し、
最初の番号が付された前記作物の前記近接部の数を検出する数検出を行い、その数と最初の番号とを記憶装置に記憶させ、
2番目の番号が付された前記作物から番号順に、前記数検出と、検出された数がその時点で前記記憶装置に記憶されている数以下か否かを判定する最小判定と、を行い、検出された数がその時点で前記記憶装置に記憶されている数以下である場合は、前記記憶装置に記憶されている数と番号を、検出された数と前記数検出の対象である前記作物に付された番号とで上書きし、
最後の番号が付された前記作物に対する前記数検出と前記最小判定とが終了した後に、その時点で前記記憶装置に記憶されている番号が付された前記作物を、前記近接部の数が最小となる前記作物とする、ピッキング方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のピッキング方法であって、
前記特定ステップでは、前記画像において、前記作物を含む仮想の円を生成し、前記円同士が重畳又は接する部分を前記近接部として検出する、ピッキング方法。
【請求項6】
請求項5に記載のピッキング方法であって、
前記特定ステップでは、前記円の半径を、前記作物の外接円の半径よりも所定の長さだけ長くする、ピッキング方法。
【請求項7】
球状の複数の作物の中から1つの前記作物を選定して取り上げるピッキングシステムであって、
前記作物を把持するピッキング装置と、
複数の前記作物を上方から撮像して複数の前記作物の画像を取得するカメラと、
前記ピッキング装置を制御する制御回路と、を備え、
前記制御回路は、
前記カメラから前記画像を取得する画像取得部と、
前記画像において、前記作物同士が所定の間隔以内で近接する近接部を検出するとともに前記作物毎に前記近接部の数を検出し、前記近接部の数が最小となる前記作物を特定する特定部と、
前記近接部の数が最小となる前記作物を取り上げるように前記ピッキング装置を制御する制御部と、
を有する、ピッキングシステム。
【請求項8】
請求項7に記載のピッキングシステムであって、
記憶装置を備え、
前記特定部は、
前記画像において、各々の前記作物に番号を付し、
番号の順に、前記作物の前記近接部の数を検出する数検出と、検出された数がその時点までに検出された数の中で最小か否かを判定する最小判定と、を行い、検出された数が最小である場合は、検出された数と前記数検出の対象である前記作物に付された番号とを前記記憶装置に記憶させ、
最後の番号が付された前記作物に対する前記数検出と前記最小判定とが終了した後に、その時点で前記記憶装置に記憶されている番号が付された前記作物を、前記近接部の数が最小となる前記作物とする、ピッキングシステム。
【請求項9】
請求項7に記載のピッキングシステムであって、
記憶装置を備え、
前記特定部は、
前記画像において、各々の前記作物に番号を付し、
最初の番号が付された前記作物の前記近接部の数を検出する数検出を行い、その数と最初の番号とを前記記憶装置に記憶させ、
2番目の番号が付された前記作物から番号順に、前記数検出と、検出された数がその時点で前記記憶装置に記憶されている数よりも小さいか否かを判定する最小判定と、を行い、検出された数がその時点で前記記憶装置に記憶されている数よりも小さい場合は、前記記憶装置に記憶されている数と番号を、検出された数と前記数検出の対象である前記作物に付された番号とで上書きし、
最後の番号が付された前記作物に対する前記数検出と前記最小判定とが終了した後に、その時点で前記記憶装置に記憶されている番号が付された前記作物を、前記近接部の数が最小となる前記作物とする、ピッキングシステム。
【請求項10】
請求項7に記載のピッキングシステムであって、
記憶装置を備え、
前記特定部は、
前記画像において、各々の前記作物に番号を付し、
最初の番号が付された前記作物の前記近接部の数を検出する数検出を行い、その数と最初の番号とを前記記憶装置に記憶させ、
2番目の番号が付された前記作物から番号順に、前記数検出と、検出された数がその時点で前記記憶装置に記憶されている数以下か否かを判定する最小判定と、を行い、検出された数がその時点で前記記憶装置に記憶されている数以下である場合は、前記記憶装置に記憶されている数と番号を、検出された数と前記数検出の対象である前記作物に付された番号とで上書きし、
最後の番号が付された前記作物に対する前記数検出と前記最小判定とが終了した後に、その時点で前記記憶装置に記憶されている番号が付された前記作物を、前記近接部の数が最小となる前記作物とする、ピッキングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球状の複数の作物の中から1つの作物を選定して取り上げるピッキング方法及びピッキングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な分野において、ピッキング装置(例えば多関節ロボット)を用いた物品のピッキング(取り上げ)が行われている。ピッキング装置は、物品を把持する把持部を有する。把持部には、互いに離間する方向と接近する方向に移動可能な一対の指部が設けられる。ピッキング装置は、開いた状態の一対の指部を上方から物品の横まで移動させ、一対の指部を閉じて物品を把持する。
【0003】
特許文献1には、物品の重心位置と他の物品の重心位置の平均値である平均重心位置から求められる離散度を計算し、離散度が最大となる物品から順番にピッキングを行う技術が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平4-146090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、ピッキング対象の物品の周囲の状況については検討されていない。ピッキング装置が一対の指部を把持対象の物品の横まで移動させる際に、ピッキング対象以外の他の物品がピッキング対象の物品に近接していると、ピッキング装置の指部が他の物品に接触する虞がある。
【0006】
物品が工業製品である場合は大きな問題はない。一方、物品が作物である場合は、指部が接触することによって作物の表面が損傷する虞がある。損傷した作物は価格が下がる。このようなことから、ピッキング対象が作物である場合は、ピッキング装置の指部が作物にできるだけ接触しないようにすることが望まれる。
【0007】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、ピッキング装置の指部が作物に極力接触しないような順番でピッキングを行うことができるピッキング方法及びピッキングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、球状の複数の作物の中から1つの前記作物を選定して取り上げるピッキング方法であって、複数の前記作物を上方から撮像した画像を取得する画像取得ステップと、前記画像において、前記作物同士が所定の間隔以内で近接する近接部を検出するとともに前記作物毎に前記近接部の数を検出し、前記近接部の数が最小となる前記作物を特定する特定ステップと、前記近接部の数が最小となる前記作物を取り上げる取り上げステップと、を含み、取り上げる前記作物がなくなるまで前記画像取得ステップと前記特定ステップと前記取り上げステップとを繰り返し実行する。
【0009】
本発明の第2の態様は、球状の複数の作物の中から1つの前記作物を選定して取り上げるピッキングシステムであって、前記作物を把持するピッキング装置と、複数の前記作物を上方から撮像して複数の前記作物の画像を取得するカメラと、前記ピッキング装置を制御する制御回路と、を備え、前記制御回路は、前記カメラから前記画像を取得する画像取得部と、前記画像において、前記作物同士が所定の間隔以内で近接する近接部を検出するとともに前記作物毎に前記近接部の数を検出し、前記近接部の数が最小となる前記作物を特定する特定部と、前記近接部の数が最小となる前記作物を取り上げるように前記ピッキング装置を制御する制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ピッキング装置の指部が作物に極力接触しないような順番でピッキングを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施形態に係るピッキングシステム及び周辺装置を示す図である。
図2図2は、本実施形態に係るピッキングシステムを示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態の処理工程を示すフローチャートである。
図4図4は、カメラによって取得される画像を示す図である。
図5図5は、青果物に対して生成される円を示す図である。
図6図6Aは、隣り合う円同士が重畳する場合に形成される近接部を示す図であり、図6Bは、隣り合う円同士が接する場合に形成される近接部を示す図である。
図7図7は、上方からみた複数の青果物を模式化して示す図である。
図8図8は、上方からみた複数の青果物を模式化して示す図である。
図9図9は、第2実施形態の処理工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明に係るピッキング方法及びピッキングシステムについて実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
[1 ピッキングシステム10の構成]
図1は、本実施形態に係るピッキングシステム10及び周辺装置を示す図である。図2は、本実施形態に係るピッキングシステム10を示すブロック図である。選別作業が行われる作業所には、ピッキング装置12とベルトコンベア112が互いに隣接して配置される。コンテナ110は、上方に開放された状態でピッキング装置12の近傍の所定位置に置かれる。コンテナ110の内部には収穫された複数の作物が入れられている。ピッキング装置12は、コンテナ110の内部から作物を1つずつ取り上げて、ベルトコンベア112まで搬送する。ベルトコンベア112は、作物を搬送先(例えば選別機や作業場等)まで搬送する。なお、本実施形態に係るピッキングシステム10は、球状の作物をピッキング対象とする。本実施形態では、作物として、トマト等の青果物114を想定する。なお、ここでいう球状というのは、2次元形状が真円、楕円及び歪んだ円のいずれかになる形状を含む。
【0014】
本実施形態に係るピッキングシステム10は、ピッキング装置12と、1以上のカメラ14と、コントローラ16と、操作装置18と、を有する。
【0015】
ピッキング装置12は、コンテナ110の内部に入れられた複数の青果物114の中から1つの青果物114を把持して取り上げてベルトコンベア112まで搬送する装置である。ピッキング装置12としては、多関節ロボットが使用される。多関節ロボットは、例えば、アーム22と、アーム22の先端に装着される把持部24と、を有する。アーム22の各関節にはサーボモータ26と、モータ軸の回転位置(回転角度)を検出する複数の角度センサ28(例えばロータリエンコーダ)と、が設けられる。サーボモータ26は、コントローラ16から供給される電力によって動作する。角度センサ28は、検出した回転位置の情報をコントローラ16に出力する。なお、ピッキング装置12は、多関節ロボットである必要はなく、青果物114を把持して搬送を行うことができる他の装置であっても良い。
【0016】
カメラ14は、コンテナ110の上方からコンテナ110の内部を撮像して画像32を取得する。本実施形態では、カメラ14として、グローバルカメラ14aとローカルカメラ14bが使用される。
【0017】
グローバルカメラ14aは、コンテナ110が置かれる所定位置の真上に配置され、支持装置30によって支持される。グローバルカメラ14aの位置は、グローバルカメラ14aの画角内にコンテナ110の全体が収まる位置である。グローバルカメラ14aは、コンテナ110の内部を撮像して第1画像32aを取得し、取得した第1画像32aをコントローラ16に出力する。
【0018】
ローカルカメラ14bは、例えばピッキング装置12のアーム22に取り付けられる。グローバルカメラ14aが定位置に固定されるのに対して、ローカルカメラ14bは、アーム22の動作に応じてコンテナ110の上方で水平方向及び鉛直方向に移動可能である。このため、ローカルカメラ14bは、コンテナ110に接近して把持対象の青果物114を撮像することが可能である。なお、ローカルカメラ14bは、ローカルカメラ14bの画角内にコンテナ110の全体が収まる位置に移動して、グローバルカメラ14aの代わりにコンテナ110の内部を撮像することも可能である。ローカルカメラ14bは、コンテナ110の内部を撮像して第2画像32bを取得し、取得した第2画像32bをコントローラ16に出力する。
【0019】
コントローラ16は、角度センサ28が出力するサーボモータ26の回転位置の情報と、1以上のカメラ14が出力する画像32と、に基づいて、ピッキング装置12の動作を制御する。
【0020】
図2に示されるように、コントローラ16は、制御回路34と、記憶装置36と、ドライバ38と、を有する。制御回路34は、画像取得部40と、特定部42と、制御部44等として機能する。制御回路34は、例えば、CPU、GPU等のプロセッサによって構成される。この場合、記憶装置36に記憶されるプログラムがプロセッサによって実行されることによって、上記各部が実現される。なお、制御回路34は、例えば、ASIC、FPGA等の集積回路によって構成されても良い。また、制御回路34は、ディスクリートデバイスを含む電子回路によって構成されても良い。なお、GPU等のプロセッサによって人工知能が構成されても良い。この場合、人工知能は、機械学習又はディープラーニングによって青果物114の特徴量を学習することによって、青果物114を識別する。
【0021】
記憶装置36は、RAM、ROM及びハードディスク等の記憶媒体によって構成される。記憶装置36は、グローバルカメラ14aの位置を示す位置情報と、グローバルカメラ14aの撮像位置(コンテナ110が置かれる位置)を示す位置情報を記憶する。制御回路34は、これらの位置情報と第1画像32aに基づいて青果物114の位置を算出することができる。また、記憶装置36は、カウンタを記憶する。
【0022】
ドライバ38は、制御回路34から各サーボモータ26に関する動作指令(回転位置、回転速度等の目標値)を入力し、各サーボモータ26に電力を供給する。この際、ドライバ38は、各角度センサ28から各サーボモータ26の回転位置の情報(フィードバック信号)を入力し、各サーボモータ26の回転位置が動作指令の目標値に近づくようにフィードバック制御する。
【0023】
操作装置18は、マンマシンインターフェースとしてのタッチパネル(又はボタン)とディスプレイ等を有する。操作装置18は、オペレータがタッチパネルを操作した場合に、操作に応じた指示信号をコントローラ16に出力する。
【0024】
[2 ピッキング処理の具体例]
[2.1 第1実施形態]
図3を用いてピッキングシステム10が行うピッキング処理の第1実施形態の手順を説明する。図3は、第1実施形態の処理工程を示すフローチャートである。第1実施形態は、コンテナ110の内部に平置きされた複数の青果物114をベルトコンベア112に搬送する際に、青果物114に含まれる近接部60(図6A図6B)の数pが最小である青果物114を選定して取り上げるものである。
【0025】
コンテナ110が所定位置に置かれた状態で、オペレータは、操作装置18を操作してピッキング処理を開始させる。オペレータの操作に応じて、操作装置18からコントローラ16に開始指示信号が出力され、以下で説明する一連の処理が開始される。
【0026】
ステップS1において、グローバルカメラ14aは、コンテナ110の内部を撮像し、第1画像32a(図4)を取得する。このとき、画像取得部40は、グローバルカメラ14aから第1画像32aを取得する。なお、グローバルカメラ14aは、コントローラ16が出力する撮像指示に応じて第1画像32aを取得しても良いし、任意のタイミングで第1画像32aを取得しても良い。また、グローバルカメラ14aの代わりに、ローカルカメラ14bが所定位置まで上昇してコンテナ110の内部を撮像しても良い。ステップS1が終了すると、処理はステップS2に移行する。
【0027】
ステップS2において、特定部42は、青果物114の輪郭56に対応する仮想の円58を生成する。例えば、特定部42は、第1画像32aにおいて円形のテンプレート画像を用いてテンプレートマッチングを行い、第1画像32a内の複数の青果物114を認識する。そして、特定部42は、図5に示されるように、各青果物114の周囲に仮想の円58を生成する。この円58は青果物114とみなされる。
【0028】
例えば、特定部42は、青果物114の輪郭56の外接円58a(最小包含円)を生成し、これを円58としても良い。但し、外接円58aの精度は、照明、グローバルカメラ14aの状況、又は、画像処理等によって変わる。外接円58aの精度が低い場合、2つの青果物114同士が実際に接していても、外接円58a同士が接しない場合がある。2つの青果物114同士が接している又は近接していることを見落とさないためには、外接円58aを大きくすれば良い。このような観点で、例えば、特定部42は、外接円58aから外側にD/2だけ離間する外周円58bを生成し、これを円58としても良い。外周円58bを円58とすることにより、下記ステップS6において特定部42は、所定間隔D以内だけ離間する2つの青果物114が共有する1つの近接部60を検出することができる。なお、ここでいう所定間隔Dは、青果物114の直径よりも小さい距離であり、好ましくは、青果物114の半径よりも小さい距離である。ステップS2が終了すると、処理はステップS3に移行する。
【0029】
ステップS3において、特定部42は、各円58に番号を付与する。例えば、特定部42は、各円58に1番から順に連番となる番号を付与する。番号は任意の方法で付与可能である。ステップS3が終了すると、処理はステップS4に移行する。
【0030】
ステップS4において、特定部42は、番号の最大値n_max、すなわち青果物114の個数を記憶装置36に記憶させる。記憶装置36は、番号の最大値n_maxを記憶する。ステップS4が終了すると、処理はステップS5に移行する。
【0031】
ステップS5において、特定部42は、カウンタの値nを1にする。ステップS6において、特定部42は、番号が1番の円58の近接部60の数pを検出する。この処理を数検出という。特定部42は、図6Aに示されるように、番号が1番の円58Aと隣の円58Bとが重畳する部分を検出する。特定部42は、図6Bに示されるように、番号が1番の円58Aと隣の円58Bとが接する部分も検出する。特定部42は、これらの部分を近接部60として認識し、近接部60の数pを検出する。ステップS6が終了すると、処理はステップS7に移行する。
【0032】
ステップS7において、特定部42は、1番の番号を保存番号Nとして記憶装置36に記憶させるとともに、検出した数pを保存数Pとして記憶装置36に記憶させる。記憶装置36は、保存番号Nと保存数Pを記憶する。ステップS7が終了すると、処理はステップS8に移行する。
【0033】
ステップS8において、特定部42は、カウンタの値nに1を加算して新たな値nとする。ステップS9において、特定部42は、n番の円58の近接部60の数pを検出する。すなわち、特定部42は、ステップS6の処理と同じようにして、番号がn番の円58を対象にして数検出を行う。ステップS9が終了すると、処理はステップS10に移行する。
【0034】
ステップS10において、特定部42は、記憶装置36に記憶されている保存数PとステップS9で検出された数pとを比較することによって、検出された数pがその時点までに検出された数pの中で最小か否かを判定する。この処理を最小判定という。保存数Pには、その時点で最小の数pが保存されている。保存数P>数pである場合(ステップS10:YES)、すなわち検出された数pがその時点までに検出された数pの中で最小である場合、処理はステップS11に移行する。一方、保存数P≦数pである場合(ステップS10:NO)、処理はステップS12に移行する。
【0035】
ステップS11において、特定部42は、記憶装置36に記憶されている保存番号Nを、その時点のカウンタの値n、すなわちステップS9の数検出の対象である円58の番号で上書きする。また、特定部42は、記憶装置36に記憶されている保存数Pを、ステップS9で検出された数pで上書きする。ステップS11が終了すると、処理はステップS12に移行する。
【0036】
ステップS12において、特定部42は、カウンタの値nと記憶装置36に記憶されている最大値n_maxとを比較する。n=n_maxである場合(ステップS12:YES)、すなわちカウンタの値nが最後の番号に達した場合、処理はステップS13に移行する。一方、n≠n_max(n<n_max)である場合(ステップS12:NO)、すなわちカウンタの値nが最後の番号に達していない場合、処理はステップS8に戻る。
【0037】
以上のように、特定部42は、番号が2番以降の全ての円58に対する数検出(ステップS9)が終了した時点で、近接部60の数pが最小となる青果物114として、保存番号Nの円58に対応する青果物114を特定する。
【0038】
ステップS13において、制御部44は、保存番号Nの円58に対応する青果物114を取り上げるようにピッキング装置12を制御する。このとき、制御部44は、ピッキング装置12の各角度センサ28が出力する回転位置の情報から、把持部24及びローカルカメラ14bの位置を算出することができる。制御部44は、取り上げる青果物114の位置を特定し、把持部24を青果物114の上方に移動させる。
【0039】
青果物114の上方に把持部24が移動した後、ローカルカメラ14bは、選定された青果物114を上方から撮像し、第2画像32bを取得する。ローカルカメラ14bは、取得した第2画像32bをコントローラ16に出力する。このとき、画像取得部40は、第2画像32bを取得する。なお、ローカルカメラ14bは、コントローラ16が出力する撮像指示に応じて第2画像32bを取得しても良いし、任意のタイミングで第2画像32bを取得しても良い。
【0040】
制御部44は、第2画像32bを使用して青果物114の大きさ及び位置を認識し、把持部24の回転角度等を調整した後に、目標高さ位置を設定して把持部24を下方に移動させる。ピッキング装置12は、把持部24を目標高さ位置で青果物114を把持して取り上げてベルトコンベア112まで搬送する。
【0041】
ステップS14において、制御部44は、コンテナ110の内部に青果物114が残っているか否かを判定する。例えば、制御部44は、カウンタの値nが1であるか否かを判定する。ステップS14でカウンタの値が1ということは、ステップS4で記憶されたn_maxが1ということである。つまり、この時点で全ての青果物114が取り上げられたことになる。制御部44は、n=1である場合に全ての青果物114を取り上げたと判定し、n≠1(n>1)である場合に取り上げる青果物114がまだ残っていると判定する。又は、制御部44は、最新の第1画像32aから、青果物114が残っているか否かを判定することも可能である。青果物114が残っている場合(ステップS14:YES)、処理はステップS1に戻る。一方、青果物114が残っていない場合(ステップS14:NO)、一連のピッキング処理は終了する。
【0042】
[2.2 青果物114の特定例]
図7及び図8を用いて青果物114の特定例を説明する。図7及び図8は、上方からみた複数の青果物114を模式化して示す図である。両図に示される各円形は青果物114である。各円形の近傍に付される()内の左側の数字は青果物114に付与された番号を示し、右側の数字は近接部60の数pを示す。
【0043】
図7に示される例では、1~10の番号が付与された10個の青果物114がある。このうち、1番の青果物114の近接部60の数pは1である。特定部42により、保存番号Nは1とされ、保存数Pは1とされる。2番の青果物114の近接部60の数pは3である。この時点で、保存数P(=1)の方が2番の青果物114の近接部60の数p(=3)よりも小さい。このため、保存番号N(=1)と保存数P(=1)はそのまま維持される。
【0044】
3番以降の青果物114に対しても、2番の青果物114の処理と同じ処理が順次行われる。図7の例の場合、9番の青果物114までは、保存番号N(=1)と保存数P(=1)はそのまま維持される。10番の青果物114の近接部60の数pは1である。この時点で、保存数P(=1)と10番の青果物114の近接部60の数p(=1)は同じである。本実施形態においては両者が同じ場合は、保存番号N(=1)と保存数P(=1)がそのまま維持される。
【0045】
最後の番号、ここでは10番の青果物114に対する処理が終了した時点で、記憶装置36に記憶される保存番号Nは1である。従って、特定部42は、近接部60の数pが最小となる1番の青果物114を取り上げる青果物114として特定する。
【0046】
図7の1番の青果物114が取り上げられると、複数の青果物114は図8に示される状態となる。図8に示される例では、1~9の番号が付与された9個の青果物114がある。各青果物114には新たに1~9の番号が付与される。このうち、1番の青果物114の近接部60の数pは2である。特定部42により、保存番号Nは1とされ、保存数Pは2とされる。2番の青果物114の近接部60の数pは2である。この時点で、保存数P(=2)と数p(=2)は同じである。このため、保存番号N(=1)と保存数P(=2)はそのまま維持される。
【0047】
3番以降の青果物114に対しても、2番の青果物114の処理と同じ処理が順次行われる。図8の例の場合、8番の青果物114までは、保存番号N(=1)と保存数P(=2)はそのまま維持される。9番の青果物114の近接部60の数pは1である。この時点で、9番の青果物114の近接部60の数p(=1)は保存数P(=2)よりも小さい。このため、特定部42により、保存番号Nは9に上書きされ、保存数Pは1に上書きされる。
【0048】
最後の番号、ここでは9番の青果物114に対する処理が終了した時点で、記憶装置36に記憶される保存番号Nは9である。従って、特定部42は、近接部60の数pが最小となる9番の青果物114を取り上げる青果物114として特定する。
【0049】
以上の処理は、最後の青果物114が取り上げられるまで繰り返し行われる。
【0050】
[2.3 第1実施形態の変形例]
図3に示されるステップS10の判定はP≧pであっても良い。この変形例では、特定部42は、ステップS9で検出された数pが記憶装置36に記憶されている保存数Pと同じ場合、その保存番号Nを、その時点のカウンタの値n、すなわちステップS9の数検出の対象である円58の番号で上書きする。また、特定部42は、記憶装置36に記憶されている保存数Pを、ステップS9で検出された数pで上書きする。
【0051】
第1実施形態と変形例は、近接部60の数pが最小となる青果物114を取り上げ対象とすることで共通する。第1実施形態では、近接部60の数pが同じ青果物114が複数ある場合に、番号が小さい青果物114が取り上げ対象として特定する。一方、変形例では、近接部60の数pが同じ青果物114が複数ある場合に、番号が大きい青果物114が取り上げ対象として特定する。
【0052】
[2.4 第2実施形態]
図9を用いてピッキングシステム10が行うピッキング処理の第2実施形態の手順を説明する。図9は、第2実施形態の処理工程を示すフローチャートである。第2実施形態は、コンテナ110の内部に積み上げられた複数の青果物114をベルトコンベア112に搬送する際に、青果物114に含まれる近接部60の数pが最小である青果物114を選定して取り上げるものである。
【0053】
図9に示されるステップS24とステップS26~ステップS37の処理は、図3に示されるステップS2~ステップS14の処理と同じである。このため、以下では、第1実施形態と異なるステップS21~ステップS23及びステップS25の処理について説明する。
【0054】
なお、第2実施形態では、青果物114の3次元の位置を検出する必要がある。このため、グローバルカメラ14aとして、2次元の第1画像32aと距離画像(不図示)とを同時に取得することができるTOFカメラ等が使用される。
【0055】
ステップS21において、グローバルカメラ14aは、コンテナ110の内部を撮像し、第1画像32a及び距離画像を取得する。このとき、画像取得部40は、グローバルカメラ14aから第1画像32a及び距離画像を取得する。ステップS21が終了すると、処理はステップS22に移行する。
【0056】
ステップS22において特定部42は、距離画像に基づいて複数の青果物114の中でグローバルカメラ14aから最も近い最高点を特定する。最高点というのは、コンテナ110の内部で最も高い点(頂点)のことをいう。コンテナ110の内部に複数の青果物114が入れられている場合、複数の青果物114の中で最も高い位置に置かれた青果物114の頂点が最高点となる。ステップS22が終了すると、処理はステップS23に移行する。
【0057】
ステップS23において、特定部42は、距離画像において、最高点から下方に所定距離以上離間する範囲を特定し、特定した範囲をマスク領域とするレイヤーマスクを作成する。なお、ここでいう所定距離は、青果物114の平均高さの70%~80%程度の長さである。所定距離は記憶装置36に予め記憶されている。そして、特定部42は、作成したレイヤーマスクで第1画像32aをマスクする。すると、第1画像32aにおいて、最高点から下方への離間距離が所定距離未満である範囲はそのまま画像が残される一方で、最高点から下方への離間距離が所定距離以上である範囲はマスクされる。ステップS23が終了すると、処理はステップS24に移行する。
【0058】
ステップS24において、ステップS2と同等の処理が行われた後に、処理はステップS25に移行する。ステップS25において、特定部42は、所定面積以下の円58を除去する。ここでいう除去とは、以降に行うステップS26及びステップS27の処理で処理対象の円58としないことを意味する。ステップS23とステップS25の処理を行うことによって、最高点に位置する青果物114に対して高さ方向に離間する青果物114を近接判定の対象から外すことができる。ステップS25が終了すると、処理はステップS26に移行し、図3に示されるステップS3以降の処理と同じ処理が実行される。
【0059】
[3 実施形態から得られる技術的思想]
上記実施形態から把握しうる技術的思想について、以下に記載する。
【0060】
本発明の第1の態様は、球状の複数の作物(青果物114)の中から1つの前記作物を選定して取り上げるピッキング方法であって、複数の前記作物を上方から撮像した画像32を取得する画像取得ステップと、前記画像32において、前記作物同士が所定の間隔以内で近接する近接部60を検出するとともに前記作物毎に前記近接部60の数pを検出し、前記近接部60の数pが最小となる前記作物を特定する特定ステップと、前記近接部60の数pが最小となる前記作物を取り上げる取り上げステップと、を含み、取り上げる前記作物がなくなるまで前記画像取得ステップと前記特定ステップと前記取り上げステップとを繰り返し実行する。
【0061】
近接部60の数pが多い作物の周囲は密であり、その作物の取り上げの際にはピッキング装置12の指部が周囲の作物に接触する可能性が比較的高い。一方、近接部60の数pが少ない作物の周囲は疎であり、その作物の取り上げの際にはピッキング装置12の指部が周囲の作物に接触する可能性は低い。上記構成によれば、ピッキング装置12は、作物同士が近接する近接部60の数pが少ない作物から順に取り上げを行う。言い換えると、ピッキング装置12は、近接部60の数pが多い作物の取り上げは後回しにする。但し、当初は近接部60の数pが多い作物であっても、作物の取り上げが進むにつれて周囲の作物の数pが減っていく。このため、結果として、当初は近接部60の数pが多い作物も、取り上げ時には近接部60の数pが少なくなっている。従って、上記構成によれば、ピッキング装置12の指部が作物に接触しないような順番でピッキングを行うことができる。
【0062】
また、上記構成によれば、1個の作物が取り上げられる度に画像32を取得するため、作物の取り上げによって他の作物の位置が変わったとしても、常に正しい近接部60の数pを検出することができる。
【0063】
また、上記構成によれば、近接部60の数pの計算と比較といった単純な処理で作物の取り上げ順を決定することができる。
【0064】
第1の態様において、前記特定ステップでは、前記画像32において、各々の前記作物に番号を付し、番号の順に、前記作物の前記近接部60の数pを検出する数検出と、検出された数pがその時点までに検出された数pの中で最小か否かを判定する最小判定と、を行い、検出された数pが最小である場合は、検出された数pと前記数検出の対象である前記作物に付された番号とを記憶装置36に記憶させ、最後の番号が付された前記作物に対する前記数検出と前記最小判定とが終了した後に、その時点で前記記憶装置36に記憶されている番号(保存番号N)が付された前記作物を、前記近接部60の数pが最小となる前記作物としても良い。
【0065】
第1の態様において、前記特定ステップでは、前記画像32において、各々の前記作物に番号を付し、最初の番号が付された前記作物の前記近接部60の数pを検出する数検出を行い、その数pと最初の番号とを記憶装置36に記憶させ、2番目の番号が付された前記作物から番号順に、前記数検出と、検出された数pがその時点で前記記憶装置36に記憶されている数p(保存数P)よりも小さいか否かを判定する最小判定と、を行い、検出された数pがその時点で前記記憶装置36に記憶されている数p(保存数P)よりも小さい場合は、前記記憶装置36に記憶されている数p(保存数P)と番号(保存番号N)を、検出された数pと前記数検出の対象である前記作物に付された番号とで上書きし、最後の番号が付された前記作物に対する前記数検出と前記最小判定とが終了した後に、その時点で前記記憶装置36に記憶されている番号(保存番号N)が付された前記作物を、前記近接部60の数pが最小となる前記作物としても良い。
【0066】
第1の態様において、前記特定ステップでは、前記画像32において、各々の前記作物に番号を付し、最初の番号が付された前記作物の前記近接部60の数pを検出する数検出を行い、その数pと最初の番号とを記憶装置36に記憶させ、2番目の番号が付された前記作物から番号順に、前記数検出と、検出された数pがその時点で前記記憶装置36に記憶されている数p以下か否かを判定する最小判定と、を行い、検出された数pがその時点で前記記憶装置36に記憶されている数p以下である場合は、前記記憶装置36に記憶されている数p(保存数P)と番号(保存番号N)を、検出された数pと前記数検出の対象である前記作物に付された番号とで上書きし、最後の番号が付された前記作物に対する前記数検出と前記最小判定とが終了した後に、その時点で前記記憶装置36に記憶されている番号(保存番号N)が付された前記作物を、前記近接部60の数pが最小となる前記作物としても良い。
【0067】
第1の態様において、前記特定ステップでは、前記画像32において、前記作物を含む仮想の円58を生成し、前記円58同士が重畳又は接する部分を前記近接部60として検出しても良い。
【0068】
上記構成によれば、作物の輪郭56を単純な円58に置換するため、輪郭56が曖昧であっても近接部60を生成することができる。
【0069】
第1の態様において、前記特定ステップでは、前記円58の半径を、前記作物の外接円58aの半径よりも所定の長さだけ長くしても良い。
【0070】
上記構成によれば、円58を大きくするため、近接すると判定する範囲を広くすることができ、ピッキング装置12の指部がより作物に接触しないような順番でピッキングを行うことができる。
【0071】
本発明の第2の態様は、球状の複数の作物(青果物114)の中から1つの前記作物を選定して取り上げるピッキングシステム10であって、前記作物を把持するピッキング装置12と、複数の前記作物を上方から撮像して複数の前記作物の画像32を取得するカメラ14と、前記ピッキング装置12を制御する制御回路34と、を備え、前記制御回路34は、前記カメラ14から前記画像32を取得する画像取得部40と、前記画像32において、前記作物同士が所定の間隔以内で近接する近接部60を検出するとともに前記作物毎に前記近接部60の数pを検出し、前記近接部60の数pが最小となる前記作物を特定する特定部42と、前記近接部60の数pが最小となる前記作物を取り上げるように前記ピッキング装置12を制御する制御部44と、を有する。
【0072】
第2の態様のピッキングシステム10は、記憶装置36を備え、前記特定部42は、前記画像32において、各々の前記作物に番号を付し、番号の順に、前記作物の前記近接部60の数pを検出する数検出と、検出された数pがその時点までに検出された数pの中で最小か否かを判定する最小判定と、を行い、検出された数pが最小である場合は、検出された数pと前記数検出の対象である前記作物に付された番号とを前記記憶装置36に記憶させ、最後の番号が付された前記作物に対する前記数検出と前記最小判定とが終了した後に、その時点で前記記憶装置36に記憶されている番号(保存番号N)が付された前記作物を、前記近接部60の数pが最小となる前記作物としても良い。
【0073】
第2の態様のピッキングシステム10は、記憶装置36を備え、前記特定部42は、前記画像32において、各々の前記作物に番号を付し、最初の番号が付された前記作物の前記近接部60の数pを検出する数検出を行い、その数pと最初の番号とを前記記憶装置36に記憶させ、2番目の番号が付された前記作物から番号順に、前記数検出と、検出された数pがその時点で前記記憶装置36に記憶されている数p(保存数P)よりも小さいか否かを判定する最小判定と、を行い、検出された数pがその時点で前記記憶装置36に記憶されている数p(保存数P)よりも小さい場合は、前記記憶装置36に記憶されている数p(保存数P)と番号(保存番号N)を、検出された数pと前記数検出の対象である前記作物に付された番号とで上書きし、最後の番号が付された前記作物に対する前記数検出と前記最小判定とが終了した後に、その時点で前記記憶装置36に記憶されている番号(保存番号N)が付された前記作物を、前記近接部60の数pが最小となる前記作物としても良い。
【0074】
第2の態様のピッキングシステム10は、記憶装置36を備え、前記特定部42は、前記画像32において、各々の前記作物に番号を付し、最初の番号が付された前記作物の前記近接部60の数pを検出する数検出を行い、その数pと最初の番号とを前記記憶装置36に記憶させ、2番目の番号が付された前記作物から番号順に、前記数検出と、検出された数pがその時点で前記記憶装置36に記憶されている数p(保存数P)以下か否かを判定する最小判定と、を行い、検出された数pがその時点で前記記憶装置36に記憶されている数p(保存数P)以下である場合は、前記記憶装置36に記憶されている数p(保存数P)と番号(保存番号N)を、検出された数pと前記数検出の対象である前記作物に付された番号とで上書きし、最後の番号が付された前記作物に対する前記数検出と前記最小判定とが終了した後に、その時点で前記記憶装置36に記憶されている番号(保存番号N)が付された前記作物を、前記近接部60の数pが最小となる前記作物としても良い。
【0075】
第2の態様によれば、第1の態様と同じ効果が得られる。
【0076】
なお、本発明に係るピッキング方法及びピッキングシステムは、前述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0077】
10…ピッキングシステム 12…ピッキング装置
14…カメラ 14a…グローバルカメラ
32…画像 34…制御回路
36…記憶装置 40…画像取得部
42…特定部 44…制御部
58…円 60…近接部
114…青果物(作物)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9