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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】投入補助具
(51)【国際特許分類】
   B65D 88/22 20060101AFI20240618BHJP
   B65B 39/00 20060101ALI20240618BHJP
   B65B 39/12 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
B65D88/22 A
B65B39/00 A
B65B39/12
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020212238
(22)【出願日】2020-12-22
(65)【公開番号】P2022098692
(43)【公開日】2022-07-04
【審査請求日】2023-08-08
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成31年度 農林水産省「自給飼料を導入した大規模水田輪作による耕畜連携システムの実証研究委託事業」産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】501203344
【氏名又は名称】国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】住田 憲俊
(72)【発明者】
【氏名】大谷 武雄
(72)【発明者】
【氏名】藤原 正充
(72)【発明者】
【氏名】永瀧 圭一
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-157696(JP,A)
【文献】特開2015-42556(JP,A)
【文献】特開2015-145164(JP,A)
【文献】特開2018-79968(JP,A)
【文献】特開2012-091088(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 88/22
B65B 37/00-39/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々のフレキシブルコンテナバッグの開口部を矩形に開口させた状態で配列方向に隣接して配置された複数の前記フレキシブルコンテナバッグに一括して内容物を投入する際に使用される投入補助具であって、
前記配列方向に隣り合う2つの前記開口部の間の隙間の上に配置され、前記配列方向に交差する奥行方向に沿って延びるセンターバーと、
前記センターバーに取り付けられ、隣り合う2つの前記開口部の各々の前記開口部の内側に垂下するフラップと、
を備えることを特徴とする投入補助具。
【請求項2】
前記センターバーは、前記奥行方向において前記開口部の両端を越えて延びる長さを有することを特徴とする請求項1に記載の投入補助具。
【請求項3】
前記フラップは、前記センターバーの長手方向における寸法が、矩形に開口された前記開口部の前記長手方向における寸法と等しいかまたは該寸法よりも小さくされ、
前記センターバーは、前記長手方向の両端部が前記フラップから突出していることを特徴とする請求項2に記載の投入補助具。
【請求項4】
各々の前記フレキシブルコンテナバッグは、フレキシブルコンテナバッグ用スタンドによって前記開口部の四隅が支持された状態で隣接して配置され、
前記センターバーは、該センターバーの両端部が前記フレキシブルコンテナバッグ用スタンドによって支持されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の投入補助具。
【請求項5】
前記フラップは、前記センターバーから該センターバーの長手方向に交差する幅方向の両側に延び、前記センターバーの前記幅方向の両側において自重で垂下する柔軟性を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の投入補助具。
【請求項6】
前記フラップの素材は、前記フレキシブルコンテナバッグの素材と同一であることを特徴とする請求項5に記載の投入補助具。
【請求項7】
前記センターバーの素材は、金属であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の投入補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣接して配置された複数のフレキシブルコンテナバッグの開口部に一括して内容物を投入するときに用いられる投入補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からフレキシブルコンテナバッグ(以下、「フレコンバッグ」と略称する場合がある。)投入補助機能付き運搬車両に関する発明が知られている(下記特許文献1)。この運搬車両は、フレコンバッグ支持具を荷台に備えている。このフレコンバッグ支持具は、荷台に複数のフレコンバッグを着脱自在に並べて配置し、かつ投入口を開いた状態に支持し、その投入口から投入物の投入を可能にする(特許文献1、請求項1、第0006段落)。
【0003】
この従来の運搬車両は、さらに、荷台に被さる左右ウィングを備えている(特許文献1、第0018段落)。左右ウィングの天部には、それぞれカバーが全面に張られており、それぞれのカバーには、6個のフレコンバッグの投入口の上にそれぞれ開口して連通する開口部が3個ずつ形成されている(同第0025段落)。左右ウィングは、油圧シリンダによって開閉される(同第0026段落)。このような構成により、フレコンバッグへの土砂の投入時に、隣接配置されるフレコンバッグ相互間の隙間がカバーの開口部外側の部分で塞がれて、その隙間に土砂が入り込むのが防止される(同第0028段落)。
【0004】
また、フレコンバッグを自立状態にできるスタンドに関する発明が知られている(下記特許文献2)。この従来のスタンドは、一対のリフトガイドと、一対のU字形状のメインフレームと、複数の連結パイプと、支持部材と、一対のサブフレームと、ロック・アッセンブリと、係止部と、吊金具と、を備えている(特許文献2、請求項1、第0005段落)。吊金具はU字形状であり、フレコンバッグのベルトに差し込んで係止可能な構造である(同第0019段落)。フレコンバッグは、上記スタンドに装着され、内容物が投入される(同第0024段落)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-145164号公報
【文献】特開2004-155457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の運搬車両は、隣り合うフレコンバッグの間に土砂が入り込むのを防止することができるが、油圧駆動式の左右カバーを設置する必要がある。また、上記従来のスタンドは、複数のフレコンバッグを隣接させて配置した状態で、複数のフレコンバッグに一括して内容物を投入すると、隣り合うフレコンバッグの間の隙間に内容物がこぼれ落ちる。
【0007】
本発明は、隣接して配置された複数のフレコンバッグの開口部に一括して内容物を投入する際に、従来よりも簡易な構成で、隣り合うフレコンバッグの開口部の間の隙間への内容物のこぼれを防止可能な投入補助具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、各々のフレキシブルコンテナバッグの開口部を矩形に開口させた状態で配列方向に隣接して配置された複数の前記フレキシブルコンテナバッグに一括して内容物を投入する際に使用される投入補助具であって、前記配列方向に隣り合う2つの前記開口部の間の隙間の上に配置され、前記配列方向に交差する奥行方向に沿って延びるセンターバーと、前記センターバーに取り付けられ、隣り合う2つの前記開口部の各々の前記開口部の内側に垂下するフラップと、を備えることを特徴とする投入補助具である。
【0009】
本発明の上記一態様によれば、隣接して配置された複数のフレコンバッグの開口部に内容物を一括して投入する際に、隣り合う2つのフレコンバッグの隣り合う2つの矩形の開口部の間の隙間の上に、センターバーが配置される。そして、センターバーに取り付けられたフラップが、センターバーの長手方向に交差する幅方向の両側から、隣り合う各々の開口部の内側に垂下した状態になる。この状態で、隣り合う2つのフレコンバッグの各々の開口部に対して、上方から一括してフレコンバッグの内容物が投入される。すると、隣り合う2つの開口部の間の隙間へ向けて落下する内容物の流れは、その隙間の上に配置されたセンターバーにより、センターバーの幅方向に二手に分離される。
【0010】
二手に分離された内容物の流れのうち一方の流れは、センターバーの幅方向の一側から隣り合う2つの開口部のうち一方の開口部の内側へ垂下するフラップに沿って滑り落ち、その一方の開口部を備える一方のフレコンバッグに投入される。また、二手に分離された内容物の流れのうち他方の流れは、センターバーの幅方向の他側から隣り合う2つの開口部のうち他方の開口部の内側へ垂下するフラップに沿って滑り落ち、その他方の開口部を備える他方のフレコンバッグに投入される。したがって、本発明の上記一態様によれば、隣接して配置された複数のフレコンバッグの開口部に一括して内容物を投入する際に、従来よりも簡易な構成で、隣り合うフレコンバッグの開口部の間の隙間に内容物がこぼれ落ちるのを防止することが可能な投入補助具を提供することができる。
【0011】
前記投入補助具において、前記センターバーは、前記奥行方向において前記開口部の両端を越えて延びる長さを有してもよい。このような構成により、センターバーの両端を、隣り合う2つのフレコンバッグの隣り合う2つの開口部の外側で支持することが可能になる。その結果、センターバーに取り付けられたフラップを、奥行方向における開口部の全域にわたって配置することが可能になり、隣り合う2つのフレコンバッグの開口部の間の隙間に内容物がこぼれ落ちるのを、より確実に防止することができる。
【0012】
前記投入補助具において、前記フラップは、前記センターバーの長手方向における寸法が、矩形に開口された前記開口部の前記長手方向における寸法と等しいかまたは該寸法よりも小さくされ、前記センターバーは、前記長手方向の両端部が前記フラップから突出していてもよい。このような構成により、フラップから突出したセンターバーの長手方向の両端部を、フレコンバッグの開口部の外側で支持することができる。また、センターバーの長手方向においてセンターバーの両端部の内側に取り付けられたフラップを、隣り合う2つのフレコンバッグの開口部の内側へ、より確実に垂下させることができる。その結果、隣り合うフレコンバッグの開口部の間の隙間に内容物がこぼれ落ちるのを、より確実に防止することができる。
【0013】
前記投入補助具において、各々の前記フレキシブルコンテナバッグは、フレキシブルコンテナバッグ用スタンドによって前記開口部の四隅が支持された状態で隣接して配置され、前記センターバーは、該センターバーの両端部が前記フレキシブルコンテナバッグ用スタンドによって支持されてもよい。このような構成により、センターバーを、隣り合う2つのフレコンバッグの2つの開口部の間に配置することができる。なお、センターバーをフレコンバッグ用スタンドで支持することなく、投入補助具用の別のスタンドで支持することで、センターバーを隣り合う2つのフレコンバッグの2つの開口部の間の隙間の上に配置するようにしてもよい。
【0014】
前記投入補助具において、前記フラップは、前記センターバーから該センターバーの長手方向に交差する幅方向の両側に延び、前記センターバーの前記幅方向の両側において自重で垂下する柔軟性を有してもよい。このような構成により、隣り合う2つのフレコンバッグの2つの開口部の間にセンターバーを配置することで、センターバーの幅方向の両側に延びるフラップを自重で2つの開口部の内側に垂下させることが可能になる。したがって、投入補助具の設置を容易にすることができる。
【0015】
前記投入補助具において、前記フラップの素材は、前記フレキシブルコンテナバッグの素材と同一であってもよい。このような構成により、センターバーから、センターバーの長手方向に交差する幅方向の両側に延びるフラップに、センターバーの幅方向の両側において自重で垂下する柔軟性を持たせることができる。また、フラップに、フレコンバッグと同様の耐久性を持たせることが可能になる。
【0016】
前記投入補助具において、前記センターバーの素材は、金属であってもよい。このような構成により、センターバーの断面積を減少させつつ、必要な強度を確保することができる。そのため、センターバーの軽量化と耐久性向上が可能になる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の上記各態様によれば、隣接して配置された複数のフレコンバッグの開口部に一括して内容物を投入する際に、従来よりも簡易な構成で、隣り合うフレコンバッグの開口部の間の隙間への内容物のこぼれを防止可能な投入補助具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の投入補助具の実施形態1を示す斜視図。
図2図1の投入補助具の使用時の斜視図。
図3】本発明の投入補助具の実施形態2を示す斜視図。
図4図1の投入補助具と図3の投入補助具の使用時の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明に係る投入補助具の実施形態を説明する。以下の説明では、フレキシブルコンテナバッグ用スタンドを、単に「スタンド」と称する場合がある。また、フレキシブルコンテナバッグを「フレコンバッグ」と略称する場合がある。
【0020】
[実施形態1]
図1は、本発明の投入補助具の実施形態1を示す斜視図である。図2は、図1の投入補助具20の使用時の斜視図である。
【0021】
投入補助具20は、各々のフレコンバッグ30の開口部31を矩形に開口させた状態で、配列方向D1に隣接して配置された複数のフレコンバッグ30に一括して内容物を投入する際に使用される。より具体的には、各々のフレコンバッグ30は、たとえば、スタンド10によって開口部31の四隅が支持された状態で隣接して配置されている。投入補助具20は、センターバー21と、フラップ22とを備えている。
【0022】
センターバー21は、複数のフレコンバッグ30の隣り合う2つのフレコンバッグ30の2つの開口部31の間の隙間の上に配置され、フレコンバッグ30の配列方向D1に交差する奥行方向D2に沿って延びる。配列方向D1と奥行方向D2は、たとえば、互いに直交する方向であり、水平方向または水平方向に沿う方向である。センターバー21は、たとえば、隣り合う2つの開口部31の両端を越えて延びる長さを有している。センターバー21は、たとえば、長手方向である奥行方向D2の両端部がフラップ22から突出している。センターバー21は、たとえば、センターバー21の両端部がスタンド10によって支持される。
【0023】
より具体的には、図2に示す例において、センターバー21の両端部は、スタンド10の突起部13に係合した連結具15に通されて、連結具15によって支持されている。なお、センターバー21の両端部は、たとえば、支柱11など、スタンド10の他の部分によって支持されていてもよい。また、センターバー21の両端部は、たとえば、スタンド10とは別の投入補助具20用のスタンドによって支持されていてもよい。
【0024】
センターバー21の素材は、たとえば、金属である。より具体的には、センターバー21の素材としては、たとえば、ステンレス鋼や亜鉛メッキされた一般構造用炭素鋼などを使用することができる。センターバー21は、たとえば、断面形状が円形や矩形の金属の棒またはパイプによって構成することができる。
【0025】
フラップ22は、センターバー21に取り付けられ、隣り合う2つのフレコンバッグ30の2つの開口部31のそれぞれの開口部31の内側に垂下する。フラップ22は、センターバー21から、センターバー21の長手方向に交差する幅方向、すなわちフレコンバッグ30の配列方向D1の両側に延びている。また、フラップ22は、センターバー21の幅方向の両側において自重で垂下する柔軟性を有している。より具体的には、フラップ22の素材は、フレコンバッグ30の素材と同一である。フラップ22は、たとえば、2枚の布状の素材を重ね合せて縫い合わせることで、センターバー21に取り付けられている。
【0026】
センターバー21の長手方向である奥行方向D2において、フラップ22の寸法は、たとえば、フレコンバッグ30の矩形に開口された開口部31の寸法と等しいか、または、その寸法よりも小さくされている。また、センターバー21の長手方向におけるフラップ22の寸法は、センターバー21から離れるほど減少するようにしてもよい。より具体的には、フラップ22の形状は、長方形に限定されず、たとえば、センターバー21の両側に延びるフラップ22の形状を、それぞれ、台形または三角形にしてもよい。
【0027】
フレコンバッグ30は、たとえば、ポリエチレンやポリプロピレンなどの化学繊維の織布を縫製することによって製作される。フレコンバッグ30は、開口部31を矩形に開口させたときの四隅に対応する位置に環状のベルト32を備えている。また、フレコンバッグ30は、たとえば、開口部31を閉鎖するためのフタ33を備えている。また、フレコンバッグ30は、たとえば、吊ベルトを備えてもよい。フレコンバッグ30の内容物は、たとえば、堆肥である。なお、フレコンバッグ30の内容物は、たとえば、土砂など、堆肥以外であってもよい。
【0028】
各々のフレキシブルコンテナバッグ30は、スタンド10によって開口部31の四隅が支持された状態で隣接して配置されている。より具体的には、スタンド10は、少なくとも4本の支柱11と、少なくとも2本のサイドバー12と、複数の突起部13と、少なくとも4つのクランプ14と、を備えている。4本の支柱11は、配列方向D1の両端で配列方向D1に交差する奥行方向D2の前後に複数のフレコンバッグ30を囲むように配置される。2本のサイドバー12は、奥行方向D2において複数のフレコンバッグ30の両側に配置されて配列方向D1へ延びる。複数の突起部13は、2本のサイドバー12の各々のサイドバー12に設けられている。4つのクランプ14は、4本の支柱11のそれぞれの支柱11に取り付けられて2本のサイドバー12を支持する。
【0029】
また、4つのクランプ14のうち各々のサイドバー12を支持する少なくとも2つのクランプ14は、各々のサイドバー12の軸周りの回転が規制された締結状態と、各々のサイドバー12の軸周りの回転が許容された解放状態と、を切り換え可能である。各々のサイドバー12は、締結状態において、複数の突起部13が水平方向または水平方向よりも上方を向いて、各々のフレコンバッグ30の開口部31の四隅を吊り下げて支持可能な状態で固定される。また、各々のサイドバー12は、解放状態において、複数の突起部13が水平方向よりも下方を向いて、各々のフレコンバッグ30の開口部31の四隅の支持を解放可能な状態まで回転する。
【0030】
以下、本実施形態の投入補助具20の作用を説明する。
【0031】
本実施形態の投入補助具20は、前述のように、各々のフレキシブルコンテナバッグ30の開口部31を矩形に開口させた状態で、配列方向D1に隣接して配置された複数のフレコンバッグ30に一括して内容物を投入する際に使用される。投入補助具20は、センターバー21とフラップ22とを備える。センターバー21は、隣り合う2つの開口部31の隙間の上に間に配置され、配列方向D1に交差する奥行方向D2に沿って延びる。フラップ22は、センターバー21に取り付けられ、隣り合う2つの開口部31のそれぞれの開口部31の内側に垂下する。
【0032】
このような構成により、隣接して配置された複数のフレコンバッグ30の開口部31に内容物を一括して投入する際に、隣り合う2つのフレコンバッグ30の隣り合う2つの矩形の開口部31の間の隙間の上に、センターバー21が配置される。そして、センターバー21に取り付けられたフラップ22が、センターバー21の長手方向に交差する幅方向の両側から、隣り合う2つの矩形の開口部31の内側にそれぞれ垂下した状態になる。この状態で、複数のフレコンバッグ30の開口部31に対して、上方から一括してフレコンバッグ30の内容物が投入される。すると、隣り合う2つの開口部31の間の隙間へ向けて落下する内容物の流れは、その隙間の上に配置されたセンターバー21により、センターバー21の幅方向に二手に分離される。
【0033】
二手に分離された内容物の流れのうち一方の流れは、センターバー21の幅方向の一側から隣り合う2つの開口部31のうち一方の開口部31の内側へ垂下するフラップ22に沿って滑り落ち、その一方の開口部31を備える一方のフレコンバッグ30に投入される。また、二手に分離された内容物の流れのうち他方の流れは、センターバー21の幅方向の他側から隣り合う2つの開口部31のうち他方の開口部31の内側へ垂下するフラップ22に沿って滑り落ち、その他方の開口部31を備える他方のフレコンバッグ30に投入される。したがって、本実施形態の投入補助具20によれば、配列方向D1に隣接して配置された複数のフレコンバッグ30の開口部31に一括して内容物を投入する際に、従来よりも簡易な構成で、隣り合うフレコンバッグ30の開口部31の間の隙間に内容物がこぼれ落ちるのを防止することができる。
【0034】
また、本実施形態の投入補助具20において、センターバー21は、奥行方向D2において開口部31の両端を越えて延びる長さを有している。
【0035】
このような構成により、センターバー21の両端を、配列方向D1に隣り合う2つの開口部31の外側で支持することが可能になる。その結果、センターバー21に取り付けられたフラップ22を、奥行方向D2における開口部31の全域にわたって配置することが可能になり、隣り合う2つのフレコンバッグ30の開口部31の間の隙間に内容物がこぼれ落ちるのを、より確実に防止することができる。
【0036】
また、本実施形態の投入補助具20において、フラップ22は、センターバー21の長手方向における寸法が、矩形に開口された開口部31の長手方向における寸法と等しいかまたはその寸法よりも小さくされている。また、センターバー21は、長手方向の両端部がフラップ22から突出している。
【0037】
このような構成により、フラップ22から突出したセンターバー21の長手方向の両端部を、フレコンバッグ30の開口部31の外側で支持することができる。また、センターバー21の長手方向においてセンターバー21の両端部の内側に取り付けられたフラップ22を、隣り合う2つのフレコンバッグ30の開口部31の内側へ、より確実に垂下させることができる。その結果、隣り合う2つのフレコンバッグ30の開口部31の間の隙間に内容物がこぼれ落ちるのを、より確実に防止することができる。
【0038】
また、本実施形態の投入補助具20において、各々のフレキシブルコンテナバッグ30は、フレキシブルコンテナバッグ用スタンド10によって開口部31の四隅が支持された状態で隣接して配置されている。センターバー21は、センターバー21の両端部がスタンド10によって支持されている。
【0039】
このような構成により、センターバー21を、隣り合う2つのフレコンバッグ30の2つの開口部31の間の隙間の上に配置することができる。なお、センターバー21をフレキシブルコンテナバッグ用スタンド10で支持することなく、投入補助具20用の別のスタンドで支持することで、センターバー21を隣り合う2つのフレコンバッグ30の2つの開口部31の間の隙間の上に配置するようにしてもよい。
【0040】
また、本実施形態の投入補助具20において、フラップ22は、センターバー21からセンターバー21の長手方向に交差する幅方向の両側に延び、センターバー21の幅方向の両側において自重で垂下する柔軟性を有している。
【0041】
このような構成により、隣り合う2つのフレコンバッグ30の2つの開口部31の間にセンターバー21を配置することで、センターバー21の幅方向の両側に延びるフラップ22を自重で2つの開口部31の内側に垂下させることが可能になる。したがって、投入補助具20の設置を容易にすることができる。
【0042】
また、本実施形態の投入補助具20において、フラップ22の素材は、フレキシブルコンテナバッグ30の素材と同一である。
【0043】
このような構成により、センターバー21から、センターバー21の長手方向に交差する幅方向の両側に延びるフラップ22に、センターバー21の幅方向の両側において自重で垂下する柔軟性を持たせることができる。また、フラップ22に、センターバー21と同様の耐久性を持たせることが可能になる。
【0044】
また、本実施形態の投入補助具20において、センターバー21の素材は、金属である。
【0045】
このような構成により、センターバー21の断面積を減少させつつ、必要な強度を確保することができる。そのため、センターバー21の軽量化と耐久性向上が可能になる。
【0046】
以上説明したように、本実施形態によれば、隣接して配置された複数のフレコンバッグ30の開口部に一括して内容物を投入する際に、従来よりも簡易な構成で、隣り合うフレコンバッグ30の開口部31の間への内容物のこぼれを防止可能な投入補助具20を提供することができる。
【0047】
[実施形態2]
図3は、本発明の投入補助具の実施形態2を示す斜視図である。図4は、図1に示す実施形態1の投入補助具20および図3に示す本実施形態の投入補助具20Aの使用時の斜視図である。本実施形態の投入補助具20Aは、実施形態1の投入補助具20と同様に、各々のフレコンバッグ30の開口部31を矩形に開口させた状態で、配列方向D1に隣接して配置された複数のフレコンバッグ30に一括して内容物を投入する際に使用される。本実施形態の投入補助具20Aは、実施形態1の投入補助具20と同様に、センターバー21とフラップ22とを有している。また、実施形態2の投入補助具20Aは、さらに、連結部23と支持部24とを有している。
【0048】
本実施形態の投入補助具20Aのセンターバー21は、断面形状が矩形である以外は、実施形態1の投入補助具20のセンターバー21と同様の構成である。また本実施形態の投入補助具20Aのフラップ22は、実施形態1の投入補助具20のフラップ22と同様の構成である。そのため、本実施形態では、センターバー21とフラップ22の説明を省略する。
【0049】
一対の連結部23は、たとえば、図4に示すように、フレコンバッグ30の配列方向D1に隣り合う2つのスタンド10のうち、一方のスタンド10の他方のスタンド10に隣接する2本の支柱11の上部に、それぞれ固定される。連結部23は、たとえば、環状部231と、フランジ部232とを備えている。環状部231は、たとえば、環状または筒状の部材であり、支柱11の上部を挿通させた状態でボルトなどの締結部材によって支柱11に固定される。フランジ部232は、たとえば、環状部231からセンターバー21の幅方向、すなわちフレコンバッグ30の配列方向D1に張り出す板状の部分である。フランジ部232は、たとえば、支持部24を挿通させる貫通孔を有している。
【0050】
一対の支持部24は、それぞれ、連結部23に連結されてセンターバー21の両端部を支持する。支持部24は、たとえば、上端部にねじ部を有する棒状の部材である。支持部24は、たとえば、支持部24の上端部のねじ部を連結部23のフランジ部232の貫通孔に挿通させ、支持部24のねじ部にナットを締結することで、連結部23のフランジ部232に固定される。支持部24の下端部は、たとえば、溶接によってセンターバー21の端部に固定されている。これにより、一対の支持部24は、一対の連結部23のフランジ部232に固定された状態で、センターバー21の両端部を支持している。
【0051】
図4に示すように、たとえば、3つ以上のフレコンバッグ30の開口部31を矩形に開口させた状態で支持する場合には、2つ以上のスタンド10をフレコンバッグ30の配列方向D1に並べて使用することができる。このとき、本実施形態の投入補助具20Aは、隣り合う2つのスタンド10の間に配置される。より具体的には、投入補助具20Aは、たとえば、フレコンバッグ30の配列方向D1に隣り合う2つのスタンド10のうち、一方のスタンド10の他方のスタンド10に隣接する2本の支柱11に、一対の連結部23および一対の支持部24を介して支持される。
【0052】
これにより、投入補助具20Aのセンターバー21を、一方のスタンド10によって支持されたフレコンバッグ30の開口部31と、他方のスタンド10によって支持されたフレコンバッグ30の開口部31との間の隙間の上に配置することができる。したがって、本実施形態の投入補助具20Aによれば、実施形態1の投入補助具20と同様に、隣り合う2つのスタンド10に支持された隣り合う2つのフレコンバッグ30の開口部31の間の隙間に、フレコンバッグ30の内容物がこぼれ落ちるのを防止することができる。
【0053】
以上、図面を用いて本発明に係る投入補助具の実施形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本開示に含まれるものである。
【符号の説明】
【0054】
10 スタンド(フレキシブルコンテナバッグ用スタンド)
20 投入補助具
20A 投入補助具
21 センターバー
22 フラップ
30 フレコンバッグ(フレキシブルコンテナバッグ)
31 開口部
D1 配列方向
D2 奥行方向
図1
図2
図3
図4