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特許75060832つの部分体を溶接することによる空洞を囲む成形体の製造方法及び2つの部分体を溶接するダイ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-17
(45)【発行日】2024-06-25
(54)【発明の名称】2つの部分体を溶接することによる空洞を囲む成形体の製造方法及び2つの部分体を溶接するダイ
(51)【国際特許分類】
   B29C 65/26 20060101AFI20240618BHJP
   B29C 49/64 20060101ALI20240618BHJP
【FI】
B29C65/26
B29C49/64
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021547710
(86)(22)【出願日】2020-02-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-05
(86)【国際出願番号】 EP2020052773
(87)【国際公開番号】W WO2020164978
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2023-01-25
(31)【優先権主張番号】19157240.3
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(72)【発明者】
【氏名】モチェフ,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】エンデマン,ウルリヒ
【審査官】▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-030327(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109153189(CN,A)
【文献】特開2011-088431(JP,A)
【文献】特開2015-039816(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/00 - 65/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの部分体(1a、1b)を溶接することにより、空洞を囲む成形体を製造する方法であって、以下の工程a)、b)、c)、d)およびe)、
a)第1の部分体(1a)を用意する工程、ここで、前記第1の部分体(1a)は、連続溶接ウェブ(2a)を含む、
b)連続チャネル(7a)を含むダイ(5)を用意する工程、ここで、前記チャネル(7a)のコースは、本質的に前記溶接ウェブ(2a)のコースに対応し、前記チャネル(7a)は、高温ガスを導入するための手段(11a)を含み、前記ダイ(5)は、圧力の能動的調整のための手段(30a)を含む、
c)前記第1の部分体(1a)の前記溶接ウェブ(2a)を、前記ダイ(5)の前記チャネル(7a)の領域に配置する工程、ここで、前記第1の部分体(1a)と前記ダイ(5)との間に第1の内部空間(20a)が形成される、
d)前記チャネル(7a)を介した高温ガスの導入の工程、その結果として前記第1の部分体(1a)の前記溶接ウェブ(2a)が溶融され、前記手段(30a)による前記第1の内部空間(20a)の圧力の能動的調整が為される、
e)前記第1の部分体の溶融された前記溶接ウェブ(2a)を、前記第2の部分体(1b)の溶接ウェブ(2b)と接触させる移動の工程、ここで、前記溶接ウェブ(2b)のコースは、本質的に前記溶接ウェブ(2a)のコースに対応する、
を含む方法。
【請求項2】
前記手段(30a)が、前記チャネル(7a)のコースによって囲まれる領域に配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記工程a)は、付加的に前記第2の部分体(1b)の用意を含み、前記第2の部分体(1b)は、連続溶接ウェブ(2b)を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記工程b)で用意される前記ダイ(5)が、第1の側(6a)および第2の側(6b)を有し、前記チャネル(7a)が前記第1の側(6a)に配置され、連続チャネル(7b)が前記第2の側(6b)に配置され、前記チャネル(7b)は、高温ガスを導入するための手段(11b)を含み、圧力を能動的に調整するための手段(30b)が前記第2の側(6b)に配置される、請求項1から3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記工程c)は、付加的に、前記第2の部分体(1b)の前記溶接ウェブ(2b)を前記ダイ(5)の前記チャネル(7b)の領域に配置する工程を含み、第2の内部空間(20b)が前記第2の部分体(1b)と前記ダイ(5)との間に形成され、
前記工程d)は、付加的に、前記チャネル(7b)を介して高温ガスを導入する工程を含み、その結果として、前記第2の部分体(1b)の前記溶接ウェブ(2b)が溶融され、前記第2の内部空間(20b)内で前記手段(30b)により圧力の能動的調整が為される、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記手段(30a)および/または前記手段(30b)によって、前記第1の内部空間(20a)および/または前記第2の内部空間(20b)からガスが放出される、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記手段(30a)および/または前記手段(30b)によって、前記第1の内部空間(20a)および/または前記第2の内部空間(20b)にガスが導入される、請求項4または5に記載の方法。
【請求項8】
前記工程c)において、前記溶接ウェブ(2a)が前記チャネル(7a)の領域に配置され、前記溶接ウェブ(2a)の端面に面する前記ダイ(5)とチャネル入口面(14a)との距離(Xa)は、前記チャネル(7a)の外側で0を超えて3mm以下の範囲内、または前記チャネル(7a)の内側で0から10mmの範囲内である、請求項1から7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記工程c)において、前記溶接ウェブ(2b)が前記チャネル(7b)の領域に配置され、前記溶接ウェブ(2)の端面に面する前記ダイ(5)とチャネル入口面(14b)との距離(Xb)は、前記チャネル(7b)の外側で0を超えて3mm以下の範囲内、または前記チャネル(7b)の内側で0から10mmの範囲内である、請求項から8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
2つの部分体(1a、1b)を溶接するダイ(5)であって、該ダイ(5)は、連続チャネル(7a)を有し、該チャネル(7a)は、高温ガスを導入するための手段(11a)を有し、第1の前記部分体(1a)の溶接ウェブ(2a)が前記チャネル(7a)の領域に配置され、前記溶接ウェブ(2a)のコースは前記チャネル(7a)のコースに本質的に対応し、第1の内部空間(20a)が前記第1の部分体(1a)と前記ダイ(5)との間に形成され得、前記ダイ(5)は圧力の能動的調整のための手段(30a)を含むダイ(5)。
【請求項11】
前記手段(30a)は、前記チャネル(7a)のコースによって囲まれる領域に配置される、請求項10に記載のダイ(5)。
【請求項12】
前記ダイは、第1の側(6a)および第2の側(6b)を含み、前記チャネル(7a)が前記第1の側(6a)に配置され、前記ダイ(5)は、連続チャネル(7b)を含み、該チャネル(7b)は、高温ガスを導入するための手段(11b)を含み、第2の前記部分体(1b)の溶接ウェブ(2b)は前記チャネル(7b)の領域内に配置され得、前記溶接ウェブ(2b)のコースは、本質的に前記チャネル(7b)のコースに対応し、第2の内部空間(20b)が前記第2の部分体(1b)と前記ダイ(5)との間に形成され得、前記ダイ(5)は、圧力を能動的に調整するための手段(30b)を有し、前記チャネル(7b)は前記ダイ(5)の第2の側(6b)に配置されている、請求項10又は11に記載のダイ(5)。
【請求項13】
前記手段(30b)が、前記チャネル(7b)のコースにより囲まれる領域に配置される、請求項12に記載のダイ(5)。
【請求項14】
前記手段(30a)が、前記第1の部分体(1a)に配置され、および/または前記手段(30b)が、前記第2の部分体(1b)に配置される、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、2つの部分体(1a、1b)を溶接することによる空洞を囲む成形体の製造方法、および成形体の製造方法が実行可能であるダイ(5)に関する。本発明は、さらに、本発明の方法によって得ることができる成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
中空成形体などの複雑な成形体の製造では、2つ又はそれ以上の部分体を互いに溶接する必要がある。この目的のための様々な方法が先行技術に記載されている。
【0003】
EP 1 415 789は、接続される2つのプラスチック部品の間に導入されるダイについて説明している。非接触方式で、放射熱と高温の不活性ガス流を使用することにより、前記ダイは、接続されるプラスチック部品の溶接される領域を加熱することができる。
【0004】
EP 1 415 789に記載されている方法には、ガス放電開口部が溶接領域のスポット加熱のみを提供するノズル開口部であるという欠点がある。したがって、溶接領域を均一に加熱することは不可能である。上記の均一な加熱の代わりに、プラスチック部品に含まれるポリマーの局所的な劣化を伴う局所的な過熱が発生する可能性がある。同時に、プラスチック部品またはそこに含まれるポリマーが十分に溶融せず、その結果、これらの場所で形成された溶接が弱くなる溶接領域がある。さらに、溶接される成形体が反りを示す場合、加熱の不均一性がさらに増大する。結果として生じる溶接領域に沿った温度変化は、ポリマーの溶融の程度の違いにつながる。これにより、溶接に沿って品質にばらつきが生じる。
【0005】
WO 2017/198483は、成形体の溶接方法を開示しており、第1の成形体(1a)の末端領域(2a)が、チャネル(7a)の助けを借りて、高温ガスの導入のための手段(11a)により溶融される。ここで、第2の成形体(1b)の接合面(2b)が、高温ガスを導入するための手段(11b)を含むチャネル(7b)の助けを借りて同様に溶融される。そして、第1の成形体(1a)の加熱された末端領域(2a)は、第2の成形体(1b)の加熱された接合面(2b)に接続される。WO 2017/198483に記載されている方法は、接合面(2a)および接合面(2b)の均一な溶融を可能にし、したがって、一般に、均一な溶接が得られる。
【0006】
WO 2017/198483に記載されている方法を使用して、隣接して連続した外面がある開口部を持つ部分体を溶接する場合、得られる溶接は対称でない場合がある。これにより、場合によっては溶接の強度が低下する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の根底にある目的は、2つの部分体の溶接によって空洞を囲む成形体の製造方法を提供することからなる。この方法は、先行技術の方法の上記不利な点を示さないか、または限られた程度しか示さない。さらなる意図は、可能な限り最大の単純さで、および可能な限り低いコストで、方法の実施を許可することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的は、2つの部分体(1a、1b)の溶接によって、空洞を囲む成形体の製造方法を介して達成される。製造方法は、ステップa)、b)、c)、d)およびe)を含む。
【0009】
a)第1の部分体(1a)を用意する工程。ここで、第1の部分体(1a)は、連続溶接ウェブ(2a)を含んでいる。
b)連続チャネル(7a)を含むダイ(5)を用意する工程。ここで、チャネル(7a)のコースは、本質的に、溶接ウェブ(2a)のコースに対応しており、チャネル(7a)は、高温ガスの導入のための手段(11a)を含み、ダイ(5)は圧力の能動的調整のための手段(30a)を含む。
c)第1の部分体(1a)の溶接ウェブ(2a)をダイ(5)のチャネル(7a)の領域に配置する工程。ここで、第1の内部空間(20a)が第1の部分体(1a)とダイ(5)の間に形成される。
d)チャネル(7a)を介して高温ガスを導入する工程、その結果として、第1の部分体(1a)の溶接ウェブ(2a)の溶融、および手段(30a)による第1の内部空間(20a)の圧力の能動的調整がおこなわれる。
e)第1の部分体の溶融溶接ウェブ(2a)を第2の部分体(1b)の溶接ウェブ(2b)と接触させる移動の工程。ここで、溶接ウェブ(2b)のコースは、本質的に、溶接ウェブ(2a)のコースに対応する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】例として、第1の溶接体(1a)または第1の部分体(1a)および第2の部分体(1b)が配置されるダイ(5)の断面を示している。
図2】例として、第1の溶接体(1a)または第1の部分体(1a)および第2の部分体(1b)が配置されるダイ(5)の断面を示している。
図3ab】例として、溶接ウェブ(2a)を備えた半球形部分体(1a)の平面図を示している。
図4】第1部分体(1a)と第2部分体(1b)のその他の例を示す。
図5abcd】例として、第1の部分体(1a)の末端領域を示している。
図6】溶接ウェブ(2a)のダイ(5)に面する端面とチャネル入口面(14a)との距離(Xa)について示している。
図7】例として、タイプの対称溶接を示している。
図8図7の対称溶接の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
驚くべきことに、本発明の方法により、第1の部分体(1a)の溶接ウェブ(2a)の加熱のより大きな均一性を達成することが可能であり、その結果、溶接品質が改善されることが見出された。好ましい実施形態では、上記は、第2の部分体(1b)の溶接ウェブ(2b)にも当てはまり、本発明の好ましい実施形態によれば、同様に、より均一に加熱することができる。より良い溶接品質は、溶接ウェブ(2a)および/または溶接ウェブ(2b)の溶融のより大きな均一性から生じ、その結果、溶接の厚さが特に均一になり、溶接の対称性もより大きくなる。
【0012】
さらに、本発明の方法は、先行技術に記載された方法よりも迅速に実行することができ、したがって、先行技術に記載された方法よりも短いサイクル時間をもたらす。本発明の目的のために、「サイクル時間」という表現は、工程c)における第1の部分体(1a)および第2の部分体(1b)の位置決めの開始から、工程e)における空洞を囲む成形体の製造までの期間を意味する。
【0013】
本発明は、以下により詳細に説明される。
【0014】
工程a)
工程a)において、第1の部分体(1a)が提供される。
【0015】
本発明によれば、第1の部分体(1a)は、連続溶接ウェブ(2a)を含む。好ましい実施形態では、第1の部分体(1a)は、溶接ウェブ(2a)によって区切られる開口部を含む。好ましい実施形態では、本質的に連続している外面(3a)が溶接ウェブ(2a)に隣接する。外面(3a)は、部分体(1a)を外部で区切る。
【0016】
本発明によれば、「本質的に連続的」という表現は、外面(3a)が、外面(3a)の総面積に基づいて、10%未満、好ましくは5%未満、特に好ましくは2.5%未満の開口面積を持つことを意味する。特に好ましい実施形態では、外面(3a)は開口部を有さない。第1の部分体(1a)の第1の内部空間(20a)は、第1の部分体(1a)の内面(4a)と溶接ウェブ(2a)によって囲まれた領域との間にある領域によって定義される。図3aは、例として、溶接ウェブ(2a)を備えた半球形部分体(1a)の平面図を示している。溶接ウェブ(2a)は、第1の部分体(1a)の末端領域を定義する。
【0017】
溶接ウェブ(2a)は、当業者に知られている任意の形状で設計することが可能である。一例として、溶接ウェブ(2a)は、面形状、隆起形状、階段形状、またはリブ形状で設計することができる。好ましい実施形態では、溶接ウェブ(2a)は、リブが長方形の断面を有するリブ形状に設計されている。溶接ウェブ(2a)の幅は、通常、0.5から16mmの範囲、好ましくは1から10mmの範囲、特に好ましくは2から8mmの範囲である。
【0018】
第1の部分体(1a)の末端領域の幅が1から6mmの範囲にある場合、第1の部分体(1a)の末端領域自体が溶接ウェブ(2a)を形成することができる。図(3b)は、例として、半球形部分体(1a)の斜視図を示しており、部分体(1a)の末端領域が溶接ウェブ(2a)を形成している。
【0019】
好ましい実施形態では、溶接ウェブ(2a)は、第1の熱可塑性ポリマーを含む。
【0020】
本発明の目的のために、「第1の熱可塑性ポリマー」という表現は、正確に1つの第1の熱可塑性ポリマー、あるいは2つ以上の第1の熱可塑性ポリマーの混合物のいずれかを意味する。
【0021】
当業者に知られている熱可塑性ポリマーのいずれも、第1の熱可塑性ポリマーとして適切である。第1の熱可塑性ポリマーは、好ましくは、アモルファス熱可塑性ポリマーおよび半結晶性熱可塑性ポリマーからなる群から選択される。
【0022】
したがって、第1の熱可塑性ポリマーは、例として、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリフタルアミド(PPA)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PESU)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートからなる群から選択される。
【0023】
したがって、本発明はまた、溶接ウェブ(2a)に含まれる第1の熱可塑性ポリマーが、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリフタルアミド(PPA)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PESU)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートからなる群から選択される方法を提供する。
【0024】
第1の熱可塑性ポリマーは、通常、ガラス転移温度(TG1)を有する。例として、第1の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG1)は、50から350℃の範囲、好ましくは150から270℃の範囲であり、特に好ましくは170から240℃範囲であり、示差走査熱量測定(DSC)によって決定される。
【0025】
したがって、本発明はまた、第1の熱可塑性ポリマーが50から350℃の範囲にあるガラス転移温度(TG1)を有する方法を提供する。
【0026】
第1の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第1の熱可塑性ポリマーは、通常、さらに融点(TM1)を有する。例として、第1の熱可塑性ポリマーの融点(TM1)は、80から400℃の範囲、好ましくは140から320℃の範囲、特に好ましくは160から300℃の範囲であり、示差走査熱量測定(DSC)によって決定される。
【0027】
したがって、本発明はまた、第1の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、第1の熱可塑性ポリマーの融点(TM1)が80から400℃の範囲にある方法を提供する。
【0028】
第1の部分体(1a)の溶接ウェブ(2a)は、第1の熱可塑性ポリマーだけでなく、さらにさらなる構成要素を含むことができる。そのようなさらなる構成要素は、当業者に知られており、例として、充填剤および添加剤からなる群から選択される。
【0029】
充填剤として適切な材料は、熱可塑性ポリマーに使用され、当業者に知られている任意の充填剤である。そのような充填剤は、例として、ガラス球、ガラス繊維、炭素繊維、カーボンナノチューブおよびチョークからなる群から選択される。
【0030】
適切な添加剤は、同様に当業者に知られており、例として、抗核剤、安定剤、末端基官能化剤および染料からなる群から選択される。
【0031】
第1の部分体(1a)が第1の熱可塑性ポリマーを含むことが好ましい。特に好ましい場合、第1の部分体(1a)は、溶接ウェブ(2a)と同じ構成要素を含む。したがって、溶接ウェブ(2a)が第1の熱可塑性ポリマーだけでなく追加の構成要素を含む場合、第1の部分体(1a)も同様に第1の熱可塑性ポリマーだけでなく追加の構成要素も含むことが好ましい。
【0032】
第1の部分体(1a)は、当業者に知られている任意の形状を有することができる。第1の部分体(1a)は、好ましくは、本発明に従って好ましい上記の条件でコンプライアンスが達成される形状を有する。成形体は、好ましくは、シェルまたはボックスの形状を有し、溶接ウェブ(2a)のコースによって定義される形状、ならびに外側(3a)および内側(4a)の形状も、自動車の建設に必要な例として、型の複雑な形状を示すことができる。
【0033】
好ましい実施形態では、第2の部分体(1b)は、工程a)で付加的に提供され、第2の部分体(1b)は、連続溶接ウェブ(2b)を含む。第1の部分体(1a)に関して上記で提供された説明および選択は、それに応じて第2の部分体(1b)に適用される。
【0034】
したがって、本発明は、工程a)が付加的に第2の部分体(1b)の提供を含み、第2の部分体(1b)が連続溶接ウェブ(2b)を含むプロセスを提供する。
【0035】
第1の部分体(1a)および第2の部分体(2b)の用意は、例えば、射出成形、押し出しまたはブロー成形によって、当業者に知られている任意の方法によって達成することができる。図5aから5dは、例として、第1の部分体(1a)の末端領域を示している。第2の部分体(1b)の末端領域は、対応する形状を有することができる。図5aから5dに示される第1の部分体(1a)が第2の部分体(1b)に溶接されるとき、第2の部分体(1b)の溶接ウェブ(2b)のコースが好ましくは、第1の部分体(1a)の溶接ウェブ(2a)のコースの鏡像であることは自明である。
【0036】
本発明の目的のために、「第1の部分体(1a)の溶接ウェブ(2a)」および「溶接ウェブ(2a)」という表現は同義語として使用され、したがって同じ意味を有する。同じことが、「第2の部分体(1b)の溶接ウェブ(2b)」および「溶接ウェブ(2b)」という表現にも当てはまる。本発明の目的のために、これらの表現は同様に同義語として使用され、したがって同様に同じ意味を有する。
【0037】
さらに、溶接ウェブ(2a)と溶接ウェブ(2b)が異なる溶接ウェブであることは自明である。好ましい実施形態では、溶接ウェブ(2a)および溶接ウェブ(2b)は本質的に合同なコースを有し、したがって、2つの溶接ウェブ(2a; 2b)は、方法の工程e)で溶接されて、溶接を形成することができる。
【0038】
上記は、「第1の部分体(1a)の外面(3a)」および「外面(3a)」という表現にも対応して当てはまる。本発明の目的のために、これらの表現は同義語として使用され、したがって同様に同じ意味を有する。本発明の目的のために、「第2の部分体(1b)の外面(3b)」および「外面(3b)」という表現は、同様に同義語として使用され、したがって同じ意味を有する。
【0039】
さらに、本発明の目的のために、「第1の部分体(1a)の内面(4a)」および「内面(4a)」という表現は同義語として使用される。したがって、これらの表現も同様に同じ意味を有する。さらに、本発明の目的のために、「第1の部分体(1b)の内面(4b)」および「内面(4b)」という表現は同義語として使用される。したがって、これらの表現も同様に同じ意味を有する。
【0040】
工程b)
工程b)において、ダイ(5)が提供される。
【0041】
好ましい実施形態では、工程b)で提供されるダイ(5)は、第1の側(6a)および第2の側(6b)を含み、チャネル(7a)が第1の側(6a)に配置され、連続チャネルが(7b)が第2の側(6b)に配置され、チャネル(7b)は高温ガスを導入するための手段(11b)を含み、圧力の能動的調整のための手段(30b)は第2の側(6b)に配置される。
【0042】
したがって、本発明は、工程b)で提供されるダイ(5)が第1の側(6a)および第2の側(6b)を含み、チャネル(7a)が第1の側(6a)に配置され、連続チャネル(7b)は、第2の側(6b)に配置され、チャネル(7b)は、高温ガスを導入するための手段(11b)を含み、圧力の能動的調整のための手段(30b)が第2の側(6b)に配置される。
【0043】
図1および2は、例として、第1の溶接体(1a)または第1の部分体(1a)および第2の部分体(1b)が配置されるダイ(5)の断面を示している。
【0044】
チャネル(7a)に高温ガスを導入するための手段(11a)として適切な手段は、当業者に知られており、ガスの導入に適する、例えば、ノズル、ボアおよび/またはスロットなどの手段(11a)の何れかである。同じことが手段(11b)にも当てはまる。
【0045】
さらに、ダイ(5)は、圧力を能動的に調整するための手段(30a)を備える。手段(30a)として適切な手段(30a)は、当業者に知られており、圧力の能動的調整に使用することができるもののいずれでもよい。圧力の能動的調整のための適切な手段(30a)は、例として、ガスを運ぶことができるポンプである。適切なポンプは、例として、真空ポンプまたはエジェクタまたはコンプレッサーである。真空ポンプまたはエジェクタを使用して圧力を下げることができる。コンプレッサーは圧力を上げるために使用することができる。手段(30a)に関する上記の説明は、手段(30b)に対応して適用される。
【0046】
好ましい実施形態では、手段(30a)は、チャネル(7a)のコースによって囲まれる領域に配置される。ダイ(5)の第1の側(6a)の手段(30a)は、チャネル(7a)のコースによって囲まれる領域に配置されることが好ましい。
【0047】
したがって、本発明は、手段(30a)がチャネル(7a)のコースによって囲まれる領域に配置される方法を提供する。
【0048】
好ましい実施形態では、手段(30b)は、チャネル(7b)のコースによって囲まれる領域に配置される。他の好ましい実施形態では、ダイ(5)の第2の側(6b)の手段(30b)は、チャネル(7b)によって囲まれる領域に配置される。
【0049】
好ましい実施形態では、チャネル(7a)のコースは、本質的に、溶接ウェブ(2a)のコースに対応する。上記は、溶接ウェブ(2a)のコースのダイ(5)への、好ましくはダイ(5)の第1の側(6a)への投影において、溶接ウェブ(2a)の投影の面積の少なくとも80%がチャネル(7a)内にあることを意味する。溶接ウェブ(2a)の投影の面積の少なくとも90%が、特に好ましくは、少なくとも95%が、チャネル(7a)のコース内にあり、最も好ましくは、溶接ウェブ(2a)の投影は、完全にチャネル(7a)内にある。
【0050】
他の好ましい実施形態では、したがって、チャネル(7a)の面積が、好ましくは、溶接ウェブ(2a)のコースの面積よりも大きい(溶接ウェブ(2a)の端面に基づく)。この実施形態では、溶接ウェブ(2a)をチャネル(7a)に導入することが可能である。
【0051】
上記の説明および選択は、溶接ウェブ(2b)のコース、およびチャネル(7b)のコースにも対応して適用される。
【0052】
特に好ましい実施形態では、手段(30a)は、ダイ(5)に開口部を含む。前記開口部を介して、真空ポンプおよび/またはコンプレッサーをダイ(5)に接続することが可能である。同じことが手段(30b)にも当てはまる。
【0053】
本発明の目的のために、「ダイ(5)の第1の側(6a)」および「第1の側(6a)」という表現は同義語として使用され、したがって同じ意味を有する。「ダイ(5)の第2の面(6b)」および「第2の面(6b)」という表現にも同じことが当てはまる。本発明の目的のために、これらの表現は同様に同義語として使用され、したがって同様に同じ意味を有する。
【0054】
さらに、第1の側(6a)および第2の側(6b)がダイ(5)の異なる側であることは自明である。第1の側(6a)および第2の側(6b)がダイ(5)の反対側にあることが好ましい。
【0055】
チャネル(7a)とチャネル(7b)が異なるチャネルであることは自明である。高温ガス導入手段(11a)および高温ガス導入手段(11b)についても同様である。これらも異なる手段である。本発明の目的のために、「高温ガス(11a)の導入のための手段」および「手段11(a)」という表現は、同義語として使用され、したがって、同じ意味を有する。 「高温ガス導入手段(11b」および「手段(11b)」も同様である。これらの表現は同様に同義語として使用され、本発明の目的のために同じ意味を有する。
【0056】
さらに、チャネル入口面(14a)とチャネル入口面(14b)が異なるチャネル入口面であることは自明である。同じことが、圧力の能動的調整のための手段(30a)および圧力の能動的調整のための手段(30b)にも当てはまる。これらは、圧力を能動的に調整するための異なる手段である。
【0057】
さらに、本発明の目的のために、「圧力の能動的調整のための手段(30a)」および「手段(30a)」という表現は同義語として使用され、したがって同じ意味を有する。同じことが「圧力の能動的調整のための手段(30b)」および「手段(30b)」にも当てはまる。本発明の目的のために、これらの表現は同様に同義語として使用され、したがって同じ意味を有する。
【0058】
チャネル(7a)は、好ましくは、ダイ(5)の第1の側(6a)に配置される。ダイ(5)の第1の側(6a)に配置されるチャネル(7a)は、さらに、好ましくは、高温ガスを導入するための手段(11a)を備える。ダイ(5)の第2の側(6b)に配置されるチャネル(7b)は、さらに、好ましくは、高温ガスを導入するための手段(11b)を有する。
【0059】
高温ガスは、手段(11a)および(11b)によって導入される。手段(11a)および(11b)は、溶接ウェブ(2a、2b)を加熱して、これらをその後の工程e)で、好ましくは溶接を形成して溶接するのに適している。高温ガスを導入するための手段(11a、11b)は、圧力を積極的に調整するための手段(30a、30b)とは異なる。圧力を能動的に調整するための手段(30a、30b)は、溶接ウェブ(2a、2b)を溶融するのに適していない。
【0060】
工程c)
工程c)において、第1の部分体(1a)の溶接ウェブ(2a)は、ダイ(5)のチャネル(7a)の領域に配置される。
【0061】
図1および図2に例として示されているように、第1の内部空間(20a)が、第1の部分体(1a)とダイ(5)との間に形成される。第1の内部空間(20a)は、ダイ(5)の第1の部分体(1a)と第1の側(6a)との間に形成されることが好ましい。工程c)において、好ましい実施形態では、第2の部分体(1b)の溶接ウェブ(2b)は、ダイ(5)のチャネル(7b)の領域に付加的に配置され、その後、第2の内部空間(20b)が第2の部分体(1b)とダイ(5)の間に形成される。第2の内部空間(20b)は、ダイ(5)の第2の側(6b)と第2の部分体(1b)との間に形成されることが好ましい。
【0062】
したがって、本発明は、工程c)が、ダイ(5)のチャネル(7b)の領域における第2の部分体(1b)の溶接ウェブ(2b)の位置決めを付加的に含む方法を提供する。その後、第2の内部空間(20b)は、第2の部分体(1b)とダイ(5)との間に形成され、工程d)は、チャネル(7b)を介した高温ガスの導入を付加的に含み、その結果、第2の部分体(1b)の溶接ウェブ(2b)が溶融され、手段(30b)による第2の内部空間(20b)内の圧力の能動的調整が行われる。
【0063】
好ましい実施形態では、工程c)において、溶接ウェブ(2a)は、チャネル(7a)の領域に配置され、ここで、溶接ウェブ(2a)のダイ(5)に面する端面とチャネル入口面(14a)との距離(Xa)は、チャネル(7a)の外側で0を超えて3mm以下の範囲内にあるか、またはチャネル(7a)の内側で0から10mmの範囲内にある。距離(Xa)は、チャネル内部で0.5から8mmの範囲であることが好ましい。チャネル(7a)内部の距離(Xa)は、チャネル(7a)のチャネル深度よりも常に小さいことは自明である。距離(Xa)がチャネル(7a)の外側で0から3mmの範囲内にある場合、溶接ウェブ(2a)の位置は、チャネル領域の外側にある。
【0064】
他の好ましい実施形態では、工程c)において、溶接ウェブ(2b)は、チャネル(7b)の領域に配置され、ここで、溶接ウェブ(2b)のダイ(5)に面する端面とチャネル入口面(14b)との間の距離(Xb)は、チャネル(7b)の外側で0を超えて3mm以下の範囲内にあるか、またはチャネル(7b)の内側で0から10mmの範囲内にある。距離(Xb)は、チャネル(7b)の内側で0.5から8mmの範囲であることが好ましい。
【0065】
溶接ウェブ(2b)の位置決めについて上記で提供された説明および選択は、工程c)における溶接ウェブ(2b)の位置決めに対応して適用される。
【0066】
したがって、本発明は、工程c)において、溶接ウェブ(2a)がチャネル(7a)の領域に配置される方法を提供し、ここで、溶接ウェブ(2a)のダイ(5)に面する端面とチャネル入口面(14a)との間の距離(Xa)は、チャネル(7a)の外側で0を超えて3mm以下の範囲内にあるか、またはチャネル(7a)の内側で0から10mmの範囲内にある。
【0067】
したがって、本発明は、工程c)において、溶接ウェブ(2b)がチャネル(7b)の領域に配置される方法を提供し、ここで、溶接ウェブ(2b)のダイ(5)に面する端面とチャネル入口面(14b)との間の距離(Xb)は、チャネル(7b)の外側で0を超えて3mm以下の範囲内にあるか、またはチャネル(7b)の内側で0から10mmの範囲にある。
【0068】
チャネル(7a、7b)の領域での溶接ウェブ(2a、2b)の好ましい配置は、例として図6aおよび6bに示されている。図6aでは、溶接ウェブ(2a)の端面がチャネル(7a)の内側に配置されている。チャネル入口面(14a)からの溶接ウェブ(2a)の端面の距離(Xa)も同様に示されている。図6bでは、溶接ウェブ(2a)の端面の位置は、チャネル(7a)の外側にあり、したがってチャネル入口面(14a)の上にある。
【0069】
工程d)
工程d)において、高温ガスが手段(11a)によってチャネル(7a)に導入される。この手順の間、第1の部分体(1a)の溶接ウェブ(2a)が加熱され、溶接ウェブ(2a)に含まれる第1の熱可塑性ポリマーが溶融する。
【0070】
本発明の目的のために、「高温ガス」という表現は、正確に1つの高温ガス、あるいは2つ以上の高温ガスの混合物のいずれかを意味する。
【0071】
工程d)で、溶接ウェブ(2a)の周囲の領域も加熱できることは自明である。これは特に、溶接ウェブ(2a)が線形式、リッジ形式、またはリブ形式で設計されている場合に当てはまる。
【0072】
この実施形態では、第1の部分体(1a)が第1の熱可塑性ポリマーを含み、次に、溶接ウェブ(2a)を取り囲む領域に含まれる第1の熱可塑性ポリマーも溶融することが好ましい。
【0073】
高温ガスは、当業者に知られている任意の方法によって、チャネル(7a)にガスを導入するための手段(11a)に導入することができる。
【0074】
高温ガスとして適切なガスは、当業者に知られているガスのいずれでもよい。そのようなガスは、例として、CO、Nおよび空気からなる群から選択される。
【0075】
したがって、本発明はまた、工程d)で導入される高温ガスが、CO、Nおよび空気からなる群から選択される方法を提供する。
【0076】
本発明の目的のために、「空気」という用語は、地球の大気のガス混合物を意味する。これは当業者に知られている。
【0077】
高温ガスは、当業者に知られている任意の方法によって加熱することができる。例として、それは熱交換器によって加熱することができる。さらに、例として、高温ガスがCOである場合、高温ガスは炭化水素の燃焼によってその場で生成される可能性があり、そしてこの理由のため高温である。
【0078】
高温ガスの温度は、例として、100から600℃の範囲、好ましくは250から500℃の範囲であり、特に好ましくは300から500℃の範囲である。
【0079】
したがって、本発明はまた、工程d)で導入される高温ガスの温度が100℃から600℃の範囲にある方法を提供する。
【0080】
工程d)で導入される高温ガスの温度が、チャネル(7a)にガスを導入するための手段(11a)からの出口の高温ガスに基づくことは自明である。すなわちチャネル(7a)の高温ガスの温度に基づく。
【0081】
第1の部分体(1a)の溶接ウェブ(2a)は、工程d)において、任意の所望の温度(T1a)に加熱することができる。温度(T1a)は通常、溶接ウェブ(2a)に含まれる第1の熱可塑性ポリマーの分解温度よりも低い。第1の部分体(1a)の溶接ウェブ(2a)は、工程d)において、第1の熱可塑性ポリマーがアモルファス熱可塑性ポリマーである場合、溶接ウェブ(2a)に含まれる第1の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG1)を超える温度(T1a)に、および第1の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、溶接ウェブ(2a)に含まれる第1の熱可塑性ポリマーの融点(TM1)を超える温度(T1a)に加熱されることが好ましい。
【0082】
したがって、本発明はまた、工程d)において、第1の部分体(1a)の溶接ウェブ(2a)の温度が、温度(T1a)に上昇する方法を提供する。すなわち、温度(T1a)は、第1の熱可塑性ポリマーがアモルファス熱可塑性ポリマーである場合、溶接ウェブ(2a)に含まれている第1の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG1)よりも上であり、第1の熱可塑性ポリマーが半結晶性の熱可塑性ポリマーである場合、溶接ウェブ(2a)に含まれる第1の熱可塑性ポリマーの融点(TM1)より上である。
【0083】
例として、第1の部分体(1a)の溶接ウェブ(2a)の温度は、第1の熱可塑性ポリマーがアモルファス熱可塑性ポリマーである場合、溶接ウェブ(2a)に含まれる第1の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG1)より高い、0から300℃の範囲、好ましくは30から250℃°の範囲、特に好ましくは60から200℃の温度(T1a)まで上昇する。第1の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、溶接ウェブ(2a)に含まれる第1の熱可塑性ポリマーの融点(TM1)より高い、0から300℃の範囲、好ましくは30から250℃の範囲、特に好ましくは60から200℃の温度(T1a)まで上昇する。
【0084】
したがって、本発明はまた、工程d)において、第1の部分体(1a)の溶接ウェブ(2a)の温度が、第1の熱可塑性ポリマーがアモルファス熱可塑性ポリマーである場合、溶接ウェブ(2a)に含まれる第1の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG1)を超える0から300℃の範囲の温度(T1a)まで上昇する方法を提供する。また、第1の熱可塑性ポリマーが半結晶性熱可塑性ポリマーである場合、溶接ウェブ(2a)に含まれる第1の熱可塑性ポリマーのガラス転移温度(TG1)を超える0から300℃の範囲の温度(T1a)まで上昇する方法を提供する。
【0085】
例として、第1の部分体(1a)の溶接ウェブ(2a)の温度は、100から500℃の範囲の温度(T1a)まで上昇する。
【0086】
したがって、本発明はまた、工程d)において、第1の部分体(1a)の溶接ウェブ(2a)の温度が100から500℃の範囲の温度(T1a)に上昇する方法を提供する。
【0087】
第1の熱可塑性ポリマーは、工程d)で溶融または軟化する。
【0088】
本発明の目的のために、第1の熱可塑性ポリマーに関連して、また第2の熱可塑性ポリマーに関連して「溶融または軟化」という表現は、第1の熱可塑性ポリマーまたは第2の熱可塑性ポリマーが塑性変形可能、好ましくは流動性であることを意味する。
【0089】
第1の内部空間(20a)内の圧力は、手段(30a)によって工程d)で能動的に調整される。圧力の能動的調整は、工程d)の全期間中に実行することができる。言い換えれば、これは、圧力の能動的調整が、チャネル(7a)を介した高温ガスの導入と同時に実行されることを意味する。この実施形態では、圧力の能動的調整は、高温ガスがチャネル(7a)を通して導入される限り実行される。この実施形態が好ましい。
【0090】
さらに、チャネル(7a)を介して高温ガスが導入される全期間中に、圧力の能動的調整が実行されない可能性もある。したがって、例として、最初にチャネル(7a)を介した高温ガスの導入から開始し、時間遅延を伴って、すなわち、高温ガスの導入の開始後、接合部で圧力の能動的調整を開始することが可能である。
【0091】
好ましい実施形態では、ガスは、手段(30a)および/または手段(30b)によって、第1の内部空間(20a)および/または第2の内部空間(20b)から放出される。ガスは、ポンプ排出または吸引排出によって積極的に排出されることが好ましい。これは、好ましくは工程d)の間に行われる。
【0092】
別の好ましい実施形態では、ガスは、手段(30a)および/または手段(30b)によって、第1の内部空間(20a)および/または第2の内部空間(20b)に導入される。導入は、前記空間への注入またはポンピングによって積極的に行われることが好ましい。これは、方法工程d)の間に発生することが好ましい。
【0093】
方法工程d)の間に、高温ガスがチャネル(7a)を通して導入される。本発明の能動的圧力調整がない場合、これは、外圧(pA)よりも高い第1の内部空間(20a)内の内圧(pl)をもたらす。内圧(pl)は外圧(pA)よりも高いため、方法工程d)中にアクティブな圧力調整がない場合、溶接ウェブ(2a)の第1の内部空間(20a)とは反対側を向いている側を通過する高温ガスの量は、溶接ウェブ(2a)の第1の内部空間(20a)を向いている側を通過して流れる量よりも大きい。したがって、溶接ウェブ(2a)の第1の内部空間(20a)とは反対側を向いている側は、溶接ウェブ(2a)の第1の内部空間(20a)に面する側よりも強く加熱される。上記は、第2の溶接ウェブ(2b)の加熱にも対応して適用される。
【0094】
本発明の圧力調整がない場合、溶融の程度が異なると、溶接ウェブ(2a)、(2b)が方法工程e)で接触したときに対称ではない溶接が生じる。第1の内部空間(20a)の内圧(pl)が方法工程d)で外圧(pA)よりも大きい場合、対称ではない溶接が得られる。方法工程d)でのより高い内圧(pl)は、第1の内部空間(20a)に関して外向きの曲率を持つ溶接を提供する。
【0095】
手段(30a)による能動的圧力調整のおかげで、本発明によれば、第1の内部空間(30a)において、本質的に内圧(pl)と外圧(pA)を等しくする方法で、方法工程d)を実行することが可能であり、好ましい。内圧(pI)と外圧(pA)との間の圧力差は、最大で50%、好ましくは最大で30%、より好ましくは最大で10%、特に好ましくは最大で5%であることが好ましい。このようにして、図7および8に例として示されているタイプの対称溶接が得られる。
【0096】
したがって、一実施形態では、内圧(pl)が外圧(pA)を超える程度は、最大で50%、好ましくは最大で30%、より好ましくは最大で10%、特に好ましくは最大で5%である。
【0097】
別の好ましい実施形態では、内圧(pl)が外圧(pA)を下回る最大の程度は、最大で50%、好ましくは最大で30%、より好ましくは最大で10%であり、特に好ましくは最大で5%である。
【0098】
したがって、能動的圧力調整のおかげで、本発明によれば、溶接の対称性に能動的な影響を与えることが可能である。
【0099】
好ましい実施形態では、圧力の能動的調整は、対称的な溶接を与える方法で実行される。
【0100】
したがって、本発明は、手段(30a)および/または手段(30b)によって、ガスが第1の内部空間(20a)および/または第2の内部空間(20b)から放出される方法を提供する。
【0101】
別の実施形態では、外圧(pA)に対する内圧(pl)の能動的増加を使用して、溶接部が第1の内部空間(20a)から反対側を向く側にビードを有するように、溶接部の対称性を制御することが可能である。この目的のために、内圧(pl)は、好ましくは、方法工程d)において、外圧より少なくとも10%、好ましくは少なくとも30%、特に好ましくは少なくとも50%上になるように調整される。
【0102】
したがって、本発明は、手段(30a)および/または手段(30b)によって、ガスが第1の内部空間(20a)および/または第2の内部空間(20b)に導入される方法を提供する。
【0103】
別の実施形態では、溶接部の対称性は、第1の内部空間(20a)に面する側にビードを有するように制御される。この目的のために、内圧(pl)は、好ましくは、方法工程d)において、外圧より少なくとも10%、好ましくは少なくとも30%、特に好ましくは少なくとも50%低くなるように調整される。
【0104】
溶接ウェブ(2a)の溶融および手段(30a)による第1の内部空間(20a)内の圧力の能動的調整に関して上に提供された説明および選択は、本発明による好ましい実施形態に対応して適用され、第2の部分体(1b)の溶接ウェブ(2b)が工程d)で付加的に溶融され、第2の内部空間(20b)内の圧力が手段(30b)によって能動的に調整される。
【0105】
工程e)
工程e)において、第1の部分体(1a)の溶融溶接ウェブ(2a)は、第2の部分体(1b)の溶接ウェブ(2b)と接触させられ、ここで、溶接ウェブ(2b)のコースが本質的には、溶接ウェブ(2a)のコースに対応する。好ましい実施形態では、溶接ウェブ(2b)のコースは、溶接ウェブ(2a)のコースの鏡像である。
【0106】
本明細書における「接触させる」という表現は、第1の部分体(1a)の加熱された溶接ウェブ(2a)および第2の部分体(1b)の加熱された溶接ウェブ(2b)を物理的に接触させることを意味する。
【0107】
第1の部分体(1a)の加熱された溶接ウェブ(2a)は、圧力下で第2の部分体(1b)の加熱された溶接ウェブ(2b)と接触させることができ、その結果、第1の部分体(1a)の加熱された溶接ウェブ(2a)と第2の部分体(1b)の加熱された溶接ウェブ(2b)は、互いに押し付けられる。この目的のための方法は、当業者に知られている。
【0108】
一例として、第1の部分体(1a)の加熱された溶接ウェブ(2a)が第2の部分体(1b)の溶接ウェブ(2b)と接触するときの圧力は、0.1から10MPaの範囲、好ましくは0.5から6MPaの範囲である。
【0109】
加熱された溶接ウェブ(2a)を加熱された溶接ウェブ(2b)と接触させると、溶接ウェブ(2a、2b)に含まれる熱可塑性ポリマーが結合する。加熱された溶接ウェブ(2a、2b)が接触した後、それらは冷却され、結果として溶接ボンドが生成される。ここでは、「加熱された溶接ウェブ(2a、2b)」、「溶融した溶接ウェブ(2a、2b)」、「軟化した溶接ウェブ(2a、2b)」という表現を同義語として使用している。
【0110】
工程e)における第1の部分体(1a)の加熱された溶接ウェブ(2a)および第2の部分体(1b)の加熱された溶接ウェブ(2b)の冷却は、当業者に知られているどんな方法でも達成できる。例として、冷却は空気中で達成することができる。
【0111】
工程e)において、第1の部分体(1a)と第2の部分体(1b)との間に溶接部が形成される。溶接部の位置は、第1の部分体(1a)の溶接ウェブ(2a)および第2の部分体(1b)の溶接ウェブ(2b)が元々存在していた領域である。
【0112】
溶接は、それ自体当業者に知られている。
【0113】
第1の部分体(1a)と第2の部分体(1b)との間の溶接部の厚さは、例として、20から1000μmの範囲、好ましくは30から400μmの領域、最も好ましくは30から300μmの範囲であり、顕微鏡写真によって決定される。
【0114】
したがって、本発明はまた、第1の部分体(1a)と第2の部分体(1b)との間に工程e)で形成された溶接部の厚さが20から1000μmの範囲にある方法を提供する。
【0115】
したがって、本発明は、本発明の方法によって得られる、空洞を囲む成形体を提供する。ここで、第1及び第2の内部空間(20a、20b)の内圧(pl)と外圧(pA)の差は最大で5%である。
【0116】
したがって、本発明は、本発明の方法によって得られる、空洞を囲む成形体を提供する。
【0117】
ダイ(5)
本発明はまた、方法工程b)で提供されるダイ(5)を提供する。方法に関して上記で提供された説明および選択は、同様に、ダイ(5)に対応して適用される。
【0118】
本発明によれば、連続チャネル(7a)を含む2つの部分体(1a、1b)の溶接のためのダイ(5)が優先され、チャネル(7a)は、高温ガスの導入のための手段(11a)を含む。そして第1の第1の部分体(1a)の溶接ウェブ(2a)がチャネル(7a)の領域に配置され得、ここで、溶接ウェブ(2a)のコースは本質的にチャネル(7a)のコースに対応する。ここで、第1の内部空間(20a)は、第1の部分体(1a)とダイ(5)との間に形成され得、ダイ(5)は、圧力の能動的調整のための手段(30a)を含む。
【0119】
したがって、本発明は、2つの部分体(1a、1b)を溶接するためのダイ(5)を提供し、これは、連続チャネル(7a)を含み、チャネル(7a)は、高温ガスを導入するための手段(11a)を含む。そして、第1の部分体(1a)の溶接ウェブ(2a)を、チャネル(7a)の領域に配置することができ、溶接ウェブ(2a)のコースは本質的にチャネル(7a)のコースに対応し、第1の内部空間(20a)は、第1の部分体(1a)とダイ(5)との間に形成することができる。ダイ(5)は、圧力を能動的に調整するための手段(30a)を備える。
【0120】
特に好ましい実施形態では、圧力を能動的に調整するための手段(30a)は、チャネル(7a)のコースによって囲まれる領域に配置される。
【0121】
したがって、本発明は、手段(30a)がチャネル(7a)のコースによって囲まれる領域に配置されるダイ(5)を提供する。
【0122】
第1の側(6a)と第2の側(6b)を有し、チャネル(7a)が第1の側(6a)に配置されるダイ(5)が特に優先される。ここで、ダイ(5)は、連続チャネル(7b)を有し、チャネル(7b)は高温ガスを導入するための手段(11b)を含む。第2の部分体(1b)の溶接ウェブ(2b)はチャネル(7b)の領域に配置することができ、溶接ウェブ(2b)のコースは、本質的にチャネル(7b)のコースに対応する。ここで、第2の内部空間(20b)は、第2の部分体(1b)とダイ(5)の間に形成することができ、ダイ(5)は、圧力を能動的に調整するための手段(30b)を含み、チャネル(7b)は、ダイ(5)の第2の側(6b)に配置される。
【0123】
したがって、本発明は、第1の側(6a)および第2の側(6b)を含むダイ(5)を提供する。ここで、チャネル(7a)は、第1の側(6a)に配置され、ダイ(5)は、連続チャネル(7b)を有する。ここで、チャネル(7b)は、高温ガスを導入するための手段(11b)を含み、第2の部分体(1b)の溶接ウェブ(2b)はチャネル(7b)の領域に配置することが可能である。溶接ウェブ(2b)のコースは、本質的にチャネル(7b)のコースに対応し、ここで、第2の内部空間(20b)は、第2の部分体(1b)とダイ(5)の間に形成することができ、ダイ(5)は、圧力を能動的に調整するための手段(30b)を含む。チャネル(7b)は、ダイ(5)の第2の側(6b)に配置される。
【0124】
手段(30b)がチャネル(7b)のコースによって囲まれる領域に配置されているダイ(5)が特に優先される。
【0125】
したがって、本発明は、手段(30b)がチャネル(7b)のコースによって囲まれる領域に配置されるダイ(5)を提供する。
【0126】
したがって、本発明は、手段(30a)が第1の部分体(1a)に配置および/または手段(30b)が第2の部分体(1b)に配置される方法を提供する。
【符号の説明】
【0127】
1a 第1の部分体
1b 第2の部分体
2a 第1の部分体1aの溶接ウェブ
2b 第2の部分体1bの溶接ウェブ
3a 第1の部分体1aの外面
3b 第2の部分体1bの外面
4a 第1の部分体の内面
4b 第2の部分体の内面
5 ダイ
6a ダイ5の第1の側
6b ダイ5の第2の側
7a チャネル
7b チャネル
11a 高温ガスの導入手段
11b 高温ガスの導入手段
14a チャネル入口面
14b チャネル入口面
20a 第1の内部空間
20b 第2の内部空間
30a 圧力を能動的に調整するための手段
30b 圧力を能動的に調整するための手段
Xa 距離
図1
図2
図3ab
図4
図5ab
図6cd
図7ab
図8
図9