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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-18
(45)【発行日】2024-06-26
(54)【発明の名称】送信装置、受信装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 65/75 20220101AFI20240619BHJP
   H04N 21/2381 20110101ALI20240619BHJP
   H04N 21/6437 20110101ALI20240619BHJP
【FI】
H04L65/75
H04N21/2381
H04N21/6437
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020147100
(22)【出願日】2020-09-01
(65)【公開番号】P2022041726
(43)【公開日】2022-03-11
【審査請求日】2023-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100161148
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100163511
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 啓太
(72)【発明者】
【氏名】小山 智史
(72)【発明者】
【氏名】倉掛 卓也
【審査官】前田 健人
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-224839(JP,A)
【文献】特表2014-535196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 65/75
H04N 21/2381
H04N 21/6437
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号および音声信号の少なくとも一方を含む映像音声信号をペイロードに格納した第1のパケットを生成する第1のパケット生成部と、
前記映像音声信号に関するパラメータを示すパラメータ情報ファイルを生成するファイル生成部と、
前記第1のパケットに前記パラメータ情報ファイルを付与するファイル付与部と、
前記パラメータ情報ファイルが付与された前記第1のパケットをペイロードに格納した第2のパケットを生成して送信する第2のパケット生成部と、を備える送信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の送信装置において、
前記第1のパケット生成部は、前記映像音声信号が映像信号を含む場合には、前記映像信号をSMPTE ST2110-20形式に従ってパケット化するようにして前記第1のパケットを生成し、前記映像音声信号が音声信号を含む場合には、前記音声信号をSMPTE ST2110-30/31形式に従ってパケット化するようにして前記第1のパケットを生成する、送信装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の送信装置から送信された前記第2のパケットを受信する受信装置であって、
前記パラメータ情報ファイルが付与された前記第1のパケットを含む、前記第2のパケットのペイロードを取得する第1のパケット受信部と、
前記取得されたペイロードから、前記第1のパケットと、前記第1のパケットに付与された前記パラメータ情報ファイルとを取得するファイル取得部と、
前記第1のパケットのペイロードに含まれる映像音声信号を、前記取得されたパラメータ情報ファイルに示されるパラメータを用いて再生する第2のパケット受信部と、を備える受信装置。
【請求項4】
コンピュータを、請求項1または2に記載の送信装置として機能させるプログラム。
【請求項5】
コンピュータを、請求項3に記載の受信装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、受信装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
これまでSDI(Serial Digital Interface)(非特許文献1参照)によって構成されていた番組制作システムを、一般的なEthernet(登録商標)/IP(非特許文献2参照)ネットワークに置き換えて構築することが検討されている。IPネットワークは、SDIと比較して、時間当たりに伝送可能なデータ量が大きく、また、映像信号および音声信号といった異なる種類の信号を同じネットワークに多重して伝送することができる。したがって、IPネットワークによって構成された番組制作システムは、従来行われていたHD(High Definition)画質の番組制作のみならず、4Kあるいは8Kといったより高解像度の番組制作にも適している。
【0003】
映像信号をIPパケット化し、IPネットワークを介して伝送するための規格として、SMPTE ST2110-20(非特許文献3)が発行されている。また、音声信号をIPパケット化し、IPネットワークを介して伝送するための規格として、SMPTE ST2110-30/31が発行されている。これらの規格では、映像信号はUDP(非特許文献4参照)/RTP(非特許文献5参照)により伝送される。また、映像信号の送受信など、機器の伝送制御を行う規格として、AMWA NMOS IS-05(非特許文献6参照)が発行されている。近年、これらの規格に対応した装置が市場に並び始めている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】SMPTE ST292-1: 1.5Gb/S Signal/Data Serial Interface
【文献】RFC791: Internet Protocol
【文献】SMPTE ST2110-20: Professional Media Over Managed IP Networks: Uncompressed Active Video
【文献】RFC768: User Datagram Protocol
【文献】RFC3550: RTP: A Transport Protocol for Real-Time Applications
【文献】AMWA NMOS IS-05 Connection Management
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
IPネットワークでは、多様な情報を多重して伝送することができるため、関連する規格をまとめたSMPTE ST2110スイートでは、映像および音声の信号フォーマットなどのパラメータをSDP(Session Description Protocol)で記述することが定められている。また、AMWA NMOS IS-05では、SDPで記述された情報を受信装置が取得するための手段が提供されている。具体的には、受信装置がAMWA NMOS IS-05により指定されたURL(Uniform Resource Locator)へアクセスして情報を取得する方法、または、NMOS IS-05のクライアントから受信装置に情報を通知する方法が提供されている。
【0006】
ところで、映像信号および音声信号の少なくとも一方を含む映像音声信号の伝送状態を監視するために、ネットワーク上を伝送される光信号を分岐し、受信装置で受信して測定を行うことがある。受信した映像音声信号を適切に処理するためには、映像信号・音声信号の信号フォーマットなどのパラメータを示すパラメータ情報ファイルが必要となる。しかしながら、光信号を分岐したような場合には、パラメータ情報ファイルを取得するための通信を行うことが困難である。また、パラメータ情報ファイルを取得するための通信を行うことが可能である場合にも、既存の装置に対して、パラメータ情報ファイルを取得する新たな構成の追加が必要となる。
【0007】
本発明の目的は、上述した課題を解決し、既存の装置への影響を抑制しつつ、パラメータ情報ファイルを取得できるようにすることができる送信装置、受信装置およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る送信装置は、映像信号および音声信号の少なくとも一方を含む映像音声信号をペイロードに格納した第1のパケットを生成する第1のパケット生成部と、前記映像音声信号に関するパラメータを示すパラメータ情報ファイルを生成するファイル生成部と、前記第1のパケットに前記パラメータ情報ファイルを付与するファイル付与部と、前記パラメータ情報ファイルが付与された前記第1のパケットをペイロードに格納した第2のパケットを生成して送信する第2のパケット生成部と、を備える。
【0009】
また、本発明に係る送信装置において、前記第1のパケット生成部は、前記映像音声信号が映像信号を含む場合には、前記映像信号をSMPTE ST2110-20形式に従ってパケット化するようにして前記第1のパケットを生成し、前記映像音声信号が音声信号を含む場合には、前記音声信号をSMPTE ST2110-30/31形式に従ってパケット化するようにして前記第1のパケットを生成することが好ましい。
【0010】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る受信装置は、上記の送信装置から送信された前記第2のパケットを受信する受信装置であって、前記パラメータ情報ファイルが付与された前記第1のパケットを含む、前記第2のパケットのペイロードを取得する第1のパケット受信部と、前記取得されたペイロードから、前記第1のパケットと、前記第1のパケットに付与された前記パラメータ情報ファイルとを取得するファイル取得部と、前記第1のパケットのペイロードに含まれる映像音声信号を、前記取得されたパラメータ情報ファイルに示されるパラメータを用いて再生する第2のパケット受信部と、を備える。
【0011】
また、上記課題を解決するため、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、上記送信装置として機能させる。
【0012】
また、上記課題を解決するため、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、上記受信装置として機能させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る送信装置、受信装置およびプログラムによれば、既存の装置への影響を抑制しつつ、パラメータ情報ファイルを取得できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る送信装置の構成例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る受信装置の構成例を示す図である。
図3図1に示すSDPファイル付与部の動作の一例を示すフローチャートである。
図4図1に示すSDPファイル付与部によるSDPファイル付与処理について説明するためのフローチャートである。
図5図1に示すSDPファイル付与部が生成するSDPファイル付与ヘッダの構成例を示す図である。
図6図1に示すUDP/IPパケット生成部が生成するIPパケットの構成例を示す図である。
図7図2に示すSDPファイル再構成部の動作の一例を示すフローチャートである。
図8図2に示すSDPファイル再構成部によるSDPファイル先頭読み込み処理について説明するためのフローチャートである。
図9図2に示すSDPファイル再構成部によるSDPファイル途中読み込み処理について説明するためのフローチャートである。
図10図2に示すSDPファイル再構成部によるSDPファイル完成判定処理について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る送信装置10の構成例を示す図である。本実施形態に係る送信装置10は、映像信号および音声信号の少なくとも一方を含む映像音声信号をパケット化し、ネットワーク(例えば、IPネットワーク)を介して送信するものである。
【0017】
図1に示す送信装置10は、RTPパケット生成部11と、SDPファイル生成部12と、SDPファイル付与部13と、UDP/IPパケット生成部14とを備える。RTPパケット生成部11は、第1のパケット生成部の一例である。SDPファイル生成部12は、ファイル生成部の一例である。SDPファイル付与部13は、ファイル付与部の一例である。UDP/IPパケット生成部14は、第2のパケット生成部の一例である。
【0018】
RTPパケット生成部11は、映像信号および音声信号の少なくとも一方を含む映像音声信号が入力される。RTPパケット生成部11は、入力された映像音声信号をペイロードに格納したRTPパケット(第1のパケット)を生成する。RTPパケットは、音声あるいは動画などのデータストリームをリアルタイムに伝送するためのデータ通信プロトコルであるRTPに則ったパケットである。
【0019】
RTPパケット生成部11は、映像音声信号に映像信号を含む場合には、映像信号をSMPTE ST2110-20形式に従ってパケット化するようにしてRTPパケットを生成する。また、RTPパケット生成部11は、映像音声信号に音声信号を含む場合には、音声信号をSMPTE ST2110-30/31形式に従ってパケット化するようにしてRTPパケットを生成する。例えば、RTPパケット生成部11は、SMPTE ST2110-20形式に従い、画像の左上から右下の方向へ画素情報を順にRTPパケットのペイロードに格納する。RTPパケット生成部11は、生成したRTPパケットおよびRTPパケットのサイズを示すRTPパケットサイズをSDPファイル付与部13に出力する。
【0020】
SDPファイル生成部12は、映像音声信号に関するパラメータを示すパラメータ情報ファイルを生成する。例えば、SMPTE ST2110スイートでは、映像信号の解像度およびフレームレートなどの、映像信号に関するパラメータを、SDPで記述することが規定されている。この場合、SDPファイル生成部12は、映像音声信号に関するパラメータをSDPで記述したSDPファイルをパラメータ情報ファイルとして生成する。SDPファイル生成部12は、生成したSDPファイルおよびSDPファイルのサイズを示すSDPファイルサイズをSDPファイル付与部13に出力する。
【0021】
SDPファイル付与部13は、RTPパケット生成部11からRTPパケットおよびRTPパケットサイズが入力され、SDPファイル生成部12からSDPファイルおよびSDPファイルサイズが入力される。SDPファイル付与部13は、RTPパケットにSDPファイルを付与し、後述するUDPパケットのペイロードに格納されるUDPペイロードとして、UDP/IPパケット生成部14に出力する。また、SDPファイル付与部13は、UDPペイロードのサイズを示すUDPペイロードサイズをUDP/IPパケット生成部14に出力する。なお、SDPファイル付与部13は、SDPファイルのサイズに応じて、SDPファイルを分割し、複数のRTPパケットに分けて付与する。SDPファイル付与部13の動作の詳細については後述する。
【0022】
UDP/IPパケット生成部14は、SDPファイル付与部13からUDPペイロードおよびUDPペイロードサイズが入力される。UDP/IPパケット生成部14は、UDPペイロードサイズで示されるサイズのペイロードを有するUDPパケットを生成し、そのUDPパケットのペイロードに、SDPファイル付与部13から入力されたUDPペイロードを格納する。UDP/IPパケット生成部14は、生成したUDPパケットをIPパケット化し、生成したIPパケット(第2のパケット)を送信する。つまり、UDP/IPパケット生成部14は、パラメータ情報ファイルとしてのSDPファイルが付与されたRTPパケットをペイロードに格納したパケットを生成し、IPネットワークを介して送信する。
【0023】
次に、本実施形態に係る受信装置20の構成について説明する。図2は、本実施形態に係る受信装置20の構成例を示す図である。本実施形態に係る受信装置20は、送信装置10から送信されてきたIPパケットを受信し、受信したIPパケットから映像音声信号を取り出して再生するものである。
【0024】
図2に示す受信装置20は、UDP/IPパケット受信部21と、SDPファイル再構成部22と、SDPファイル記憶部23と、RTPパケット受信部24とを備える。UDP/IPパケット受信部21は、第1のパケット受信部の一例である。SDPファイル再構成部22は、ファイル取得部の一例である。RTPパケット受信部24は、第2のパケット受信部の一例である。
【0025】
UDP/IPパケット受信部21は、送信装置10からIPネットワークを介して送信されてきたIPパケット(第2のパケット)を受信する。UDP/IPパケット受信部21は、受信したIPパケットからUDP/IPヘッダを除去し、SDPファイルが付与されたRTPパケット(第1のパケット)を含む、UDPパケットのペイロード(UDPペイロード)を取得する。UDP/IPパケット受信部21は、取得したUDPペイロードおよびUDPペイロードのサイズを示すUDPペイロードサイズをSDPファイル再構成部22に出力する。
【0026】
SDPファイル再構成部22は、UDP/IPパケット受信部21からUDPペイロードおよびUDPペイロードサイズが入力される。SDPファイル再構成部22は、入力されたUDPペイロードから、RTPパケットと、RTPパケットに付与されたSDPファイルとを取得する。上述したように、SDPファイルは分割され、複数のRTPパケットに分けて付与されることがある。この場合、SDPファイル再構成部22は、複数のRTPパケットに分けて付与された、分割されたSDPファイルを1つにまとめて(再構成して)、SDPファイルを取得する。SDPファイル再構成部22は、取得したRTPパケットをRTPパケット受信部24に出力する。また、SDPファイル再構成部22は、取得したSDPファイルおよびSDPファイルサイズをSDPファイル記憶部23に出力する。SDPファイル再構成部22の動作の詳細については後述する。
【0027】
SDPファイル記憶部23は、SDPファイル再構成部22からSDPファイルおよびSDPファイルサイズが入力される。SDPファイル記憶部23は、入力されたSDPファイルおよびSDPファイルサイズを記憶し、SDPファイルに示されるパラメータ(SDPパラメータ)をRTPパケット受信部24に出力する。
【0028】
RTPパケット受信部24は、SDPファイル再構成部22からRTPパケットが入力され、SDPファイル記憶部23からSDPパラメータが入力される。RTPパケット受信部24は、入力されたRTPパケット(第1のパケット)のペイロードに含まれる映像音声信号を、取得されたSDPファイルに示されるSDPパラメータを用いて再生し、映像・音声を出力する。
【0029】
次に、SDPファイル付与部13の動作の詳細について説明する。
【0030】
図3は、SDPファイル付与部13の動作の一例を示すフローチャートである。
【0031】
SDPファイル付与部13は、内部状態として、SDPファイル付与フラグ、SDPファイル付与オフセット、BOFフラグ、EOFフラグおよび最大UDPペイロードサイズを管理する。
【0032】
SDPファイル付与フラグは、RTPパケットにSDPファイルを付与するか否かを示すフラグである。SDPファイル付与フラグが1である場合、RTPパケットにSDPファイルを付与することを示し、SDPファイル付与フラグが0である場合、RTPパケットにSDPファイルを付与しないことを示す。
【0033】
SDPファイル付与オフセットは、RTPパケットに付与されたSDPファイルのデータが、SDPファイルにおいてどこから始まるかを示す値である。このSDPファイル付与オフセットは、SDPファイルのうち、送信済みのデータのサイズを示す。BOFフラグは、SDPファイルの先頭を示すフラグである。BOFフラグが1である場合、SDPファイルの先頭であることを示す。EOFファイルは、SDPファイルの終わりを示すフラグである。EOFフラグが1である場合、SDPファイルの終わりであることを示す。最大UDPペイロードサイズは、伝送可能な最大のUDPペイロードのサイズである。
【0034】
特に指定しない場合、SDPファイル付与フラグの初期値は1である。SDPファイル付与オフセットの初期値は0である。BOFフラグの初期値は1である。EOFフラグの初期値は0である。最大UDPペイロードサイズの初期値は、例えば、1472バイトである。上述した各初期値は、例えば、送信装置10の起動時に一度だけ設定される。
【0035】
SDPファイル付与部13は、RTPパケット生成部11からRTPパケットが入力されると(ステップS11)、SDPファイル付与フラグが0であるか否かを判定する(ステップS12)。
【0036】
SDPファイル付与フラグが0でない(SDPファイル付与フラグが1である)と判定した場合(ステップS12:No)、SDPファイル付与部13は、入力されたRTPパケットにSDPファイルを付与すると決定する。そして、SDPファイル付与部13は、RTPパケットに付与するSDPファイルのサイズ(付与SDPファイル長)を算出する(ステップS13)。
【0037】
具体的には、SDPファイル付与部13は、以下の式(1)に基づき、付与SDPファイル長を算出する。なお、以下では、1つのRTPパケットに付与されるSDPファイルのサイズは、後述する16ビット(2バイト)のSDPファイル付与ヘッダを含めて最大で256バイトであるとする。また、式(1)において、min(A,B)は、AおよびBのうち小さい値(AとBとが同じである場合には、A,Bのどちらか)を出力する関数である。
付与SDPファイル長
=min(min(SDPファイルサイズ-SDPファイル付与オフセット,255),
(最大UDPペイロードサイズ-RTPパケットサイズ-2))・・・式(1)
【0038】
上述したように、SDPファイル付与オフセットは、SDPファイルのうち、送信済みのデータのサイズを示す。したがって、式(1)において、SDPファイルサイズからSDPを引いた値は、SDPファイルのうち、送信が完了していない残りのデータのサイズを示す。つまり、SDPファイル付与部13は、SDPファイルの残りのデータのサイズ、および、1度で送信可能な最大のSDPファイルのデータのサイズ(256バイト)のうち、小さい方の値を、送信対象のデータのサイズ(送信対象データサイズ)として決定する。
【0039】
また、式(1)において、最大UDPペイロードサイズから受信RTPパケット長を引き、さらに2を引いた値は、UDPパケットにより送信可能な最大のSDPファイルのデータのサイズ(送信可能データサイズ)を示す。式(1)においては、最大UDPペイロードサイズと受信RTPパケット長との差からさらに2バイト分を引いている。これは、詳細は後述するが、SDPファイル付与ヘッダ(2バイト)をUDPペイロードに含めるためである。
【0040】
SDPファイル付与部13は、上述した、送信対象データサイズおよび送信可能データサイズのうち、小さい方の値を付与SDPファイル長と決定する。
【0041】
SDPファイル付与部13は、算出した付与SDPファイル長が0より大きいか否かを判定する(ステップS14)。
【0042】
付与SDPファイル長が0より大きいと判定した場合(ステップS14:Yes)、SDPファイル付与部13は、入力されたRTPパケットに、算出した付与SDPファイル長の分だけSDPファイルを付与する(ステップS15)。そして、SDPファイル付与部13は、SDPファイルを付与したRTPパケットをUDPペイロードとして、UDP/IPパケット生成部14に出力する(ステップS16)。SDPファイル付与部13による、SDPファイルをRTPパケットに付与するSDPファイル付与処理の詳細については後述する。
【0043】
付与SDPファイル長が0より大きくないと判定した場合(ステップS14:No)、SDPファイル付与部13は、送信すべきSDPファイルがない(SDPファイルの送信が完了した)、あるいは、UDPパケットのペイロードにSDPファイルを送信可能な空き領域がないと判定する。この場合、SDPファイル付与部13は、入力されたRTPパケットにSDPファイルを付与することなく、UDPペイロードとしてUDP/IPパケット生成部14に出力する(ステップS16)。
【0044】
SDPファイル付与フラグが0であると判定した場合(ステップS12:Yes)、SDPファイル付与部13は、入力されたRTPパケットのヘッダ(RTPヘッダ)に含まれるM(Maker)ビットが1であるか否かを判定する(ステップS17)。Mビットは、例えば、映像信号が送信される場合、RTPパケットで送信されるデータが1つの静止画(フレーム)における最後のデータであるか否かを示すビットである。RTPパケットで送信されるデータが1つの静止画における最後のデータである場合、Mビットが1になる。
【0045】
Mビットが1ではない(Mビットが0である)と判定した場合(ステップS17:No)、SDPファイル付与部13は、SDPファイル付与フラグが0であるので、入力されたRTPパケットにSDPファイルを付与することなく、UDPペイロードとして出力する(ステップS16)。
【0046】
Mビットが1であると判定した場合(ステップS17:Yes)、SDPファイル付与部13は、SDPファイル付与フラグを1に設定し、SDPファイル付与オフセットを0に設定し、BOFファイルを1に設定し、EOFファイルを0に設定する(ステップS18)。そして、SDPファイル付与部13は、SDPファイル付与フラグが0であるので、入力されたRTPパケットにSDPファイルを付与することなく、UDPペイロードとして出力する(ステップS16)。
【0047】
上述したように、Mビットが1である場合、RTPパケットで送信されるデータは、1つの静止画(フレーム)における最後のデータである。つまり、Mビットが1であるRTPパケットの次のRTPパケットは、次の静止画のデータを伝送するパケットである。Mビットが1である場合に、SDPファイル付与フラグを1に設定することで、次の静止画のデータを伝送するRTPパケットに、そのRTPパケットのペイロードに含まれる映像音声信号に関するパラメータを記述したSDPファイルが付与される。従って、1つの静止画ごとに、その静止画を処理するためのパラメータを記述したSDPファイルを伝送することができる。
【0048】
次に、SDPファイル付与部13によるSDPファイル付与処理の詳細について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0049】
SDPファイル付与部13は、SDPファイル付与オフセットが示す位置から、付与SDPファイル長だけ、SDPファイルのデータを、RTPパケットの後ろにコピーする(ステップS151)。つまり、SDPファイル付与部13は、RTPパケットにSDPファイルをパディングとして付与する。
【0050】
SDPファイル付与部13は、SDPファイル付与オフセットにSDP付与ファイル長を加算する(ステップS152)。
【0051】
次に、SDPファイル付与部13は、SDPファイル付与オフセットがSDPファイルサイズと同じであるか否かを判定する(ステップS153)。
【0052】
SDPファイル付与オフセットがSDPファイルサイズと同じでないと判定した場合(ステップS153:No)、SDPファイル付与部13は、SDPファイル付与ヘッダを生成する。
【0053】
図5は、SDPファイル付与部13が生成するSDPファイル付与ヘッダの構成例を示す図である。
【0054】
上述したように、本実施形態においては、SDPファイル付与ヘッダは16ビットで構成される。図5に示すように、SDPファイル付与部13は、ビット位置0のビットに、BOFフラグの値を割り当てる。また、SDPファイル付与部13は、ビット位置1のビットに、EOFフラグの値を割り当てる。また、SDPファイル付与部13は、ビット位置2のビットからビット位置7のビットには0を割り当てる。また、SDPファイル付与部13は、ビット位置8からビット位置15のビットに、付与SDPファイル長とSDPファイル付与ヘッダ長(2ビット)とを足し合わせたパディング長を割り当てる。上述したように、付与SDPファイル長とSDPファイル付与ヘッダ長と合わせた最大値は256バイトである。したがって、パディング長は8ビットで表わすことができる。
【0055】
図4を再び参照すると、SDPファイル付与部13は、生成したSDPファイル付与ヘッダを、RTPパケットの後ろに付与したSDPファイルの後ろに付与する。また、SDPファイル付与部13は、RTPヘッダのP(Padding)ビットを1に設定する(ステップS154)。Pビットは、パディングの有無を示すビットである。SDPファイル付与部13は、RTPパケットにSDPファイルを付与すると、RTPヘッダのPビットを1に設定する。
【0056】
次に、SDPファイル付与部13は、これ以降にRTPパケットに付与されるSDPファイルのデータは先頭のデータではないので、BOFフラグを0に設定する(ステップS155)。
【0057】
SDPファイル付与オフセットがSDPファイルサイズと同じであると判定した場合(ステップS153:Yes)、SDPファイル付与部13は、SDPファイルを全て伝送したと判定する。SDPファイル付与部13は、SDPファイル付与フラグを0に、EOFフラグを1に設定し(ステップS156)、ステップS154の処理に進む。
【0058】
SDPファイル付与部13は、SDPファイル(の一部)をRTPパケットに付与した後、UDPペイロードとしてUDP/IPパケット生成部14に出力する。また、SDPファイル付与部13は、RTPパケットサイズに、付与SDPファイル長と、SDPファイル付与ヘッダ長(2ビット)とを加えた値を、UDPペイロードサイズとしてUDP/IPパケット生成部14に出力する。
【0059】
UDP/IPパケット生成部14は、図6に示すように、RTPパケットにSDPファイルおよびSDPファイル付与ヘッダが付与されたUDPペイロードに、UDPヘッダおよびIPヘッダを付加して、IPパケットを生成する。なお、図6においては、映像信号を伝送するIPパケットの構成例を示している。上述したように、映像信号は、SMPTE ST2110-20形式に従って、RTPパケットのペイロードに格納される。したがって、RTPパケットのペイロードには、図6に示すように、SMPTE ST2110-20形式のヘッダ(ST2110-20ヘッダ)と、映像信号とが含まれる。
【0060】
次に、SDPファイル再構成部22の動作の詳細について説明する。
【0061】
図7は、SDPファイル再構成部22の動作の一例を示すフローチャートである。
【0062】
SDPファイル再構成部22は、内部状態として、BOFフラグ、EOFフラグ、受信SDPファイル長、RTPseq_lastおよびSDPファイル再構成バッファを管理する。受信SDPファイル長は、受信済みのSDPファイルのデータのサイズを示す値である。RTPseq_lastは、最後に受信したRTPパケットのシーケンス番号である。SDPファイル再構成バッファは、受信済みのSDPファイルのデータを一時的に記憶するバッファである。
【0063】
特に指定しない場合、BOFフラグの初期値は1である。EOFフラグの初期値は0である。受信SDPファイル長の初期値は0である。RTPseq_lastの初期値は任意の値である。上述した各初期値は、例えば、受信装置20の起動時に一度だけ設定される。SDPファイル再構成バッファのサイズは、SDPファイルを格納するために必要なサイズである。
【0064】
SDPファイル再構成部22は、UDP/IPパケット受信部21からUDPペイロードが入力されると(ステップS21)、RTPパケットサイズをUDPペイロードサイズに設定する(ステップS22)。
【0065】
次に、SDPファイル再構成部22は、UDPペイロードに含まれるRTPパケットのRTPヘッダのPビットが1であるか否かを判定する(ステップS23)。
【0066】
RTPヘッダのPビットが1であると判定した場合(ステップS23:Yes)、SDPファイル再構成部22は、RTPパケットにSDPファイルが付与されていると判定する。そして、SDPファイル再構成部22は、入力されたUDPペイロードの最後2バイトをSDPファイル付与ヘッダとして読み込む(ステップS24)。そして、SDPファイル再構成部22は、UDPペイロードの最後2バイトに格納されたSDPファイル付与ヘッダを取得する。
【0067】
SDPファイル付与ヘッダを取得すると、SDPファイル再構成部22は、RTPパケットサイズを算出する(ステップS25)。具体的には、SDPファイル再構成部22は、UDPペイロードサイズから取得したSDPファイル付与ヘッダのパディング長で示される長さを引いて、RTPパケットサイズを算出する。
【0068】
RTPパケットサイズを算出すると、あるいは、RTPヘッダのPビットが1でない(Pビットが0である)と判定すると(ステップS23:No)、SDPファイル再構成部22は、管理しているEOFフラグが1であるか否かを判定する(ステップS26)。
【0069】
EOFフラグが1であると判定した場合(ステップS26:Yes)、SDPファイル再構成部22は、SDPファイルの取得を完了したと判定し、後述するステップS34の処理に進む。
【0070】
EOFフラグが1でない(EOFフラグが0である)と判定した場合(ステップS26:No)、SDPファイル再構成部22は、管理しているBOFフラグが1であるか否かを判定する(ステップS27)。
【0071】
BOFフラグが1であると判定した場合(ステップS27:Yes)、SDPファイル再構成部22は、SDPファイル先頭読み込み処理を行う(ステップS28)。SDPファイル先頭読み込み処理の詳細については後述する。
【0072】
BOFフラグが1でない(BOFフラグが0である)と判定した場合(ステップS27:No)、SDPファイル再構成部22は、SDPファイル途中読み込み処理を行う(ステップS29)。SDPファイル途中読み込み処理の詳細については後述する。
【0073】
次に、SDPファイル再構成部22によるSDPファイル先頭読み込み処理について、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0074】
SDPファイル再構成部22は、RTPヘッダのPビットが1であるか否かを判定する(ステップS281)。
【0075】
RTPヘッダのPビットが1でない(Pビットが0である)と判定した場合(ステップS281:No)、SDPファイル再構成部22は、後述するステップS34の処理に進む。
【0076】
RTPヘッダのPビットが1であると判定した場合(ステップS281:Yes)、SDPファイル再構成部22は、取得したSDPファイル付与ヘッダのBOFフラグが1であるか否かを判定する(ステップS282)。
【0077】
SDPファイル付与ヘッダのBOFフラグが1でない(BOFフラグが0である)と判定した場合(ステップS282:No)、SDPファイル再構成部22は、後述するステップS34の処理に進む。
【0078】
SDPファイル付与ヘッダのBOFフラグが1であると判定した場合(ステップS282:Yes)、SDPファイル再構成部22は、RTPパケットに付与されたSDPファイルをSDPファイル再構成バッファにコピーする。具体的には、SDPファイル再構成部22は、UDPペイロードの後ろからパディング長だけ戻った位置から、「パディング長-2」分のデータを、SDPファイル再構成バッファの先頭からコピーする(ステップS283)。
【0079】
図6を参照して説明したように、RTPパケットに付与されたSDPファイルの後ろに、2バイトのSDPファイル付与ヘッダが付与される。また、SDPファイル付与ヘッダにおけるパディング長は、付与SDPファイル長とSDPファイル付与ヘッダ長(2バイト)とを足した値である。したがって、UDPペイロードの後ろからパディング長だけ戻った位置から、「パディング長-2」分のデータは、RTPパケットに付与されたSDPファイルのデータに相当する。したがって、SDPファイル再構成部22は、RTPパケットに付与されたSDPファイルをSDPファイル再構成バッファにコピーすることができる。
【0080】
次に、SDPファイル再構成部22は、RTPseq_lastをRTPヘッダのシーケンス番号に設定し、BOFフラグを0に設定し、受信SDPファイル長を「パディング長-2」に設定する(ステップS284)。その後、SDPファイル再構成部22は、後述するステップS31の処理に進む。
【0081】
次に、SDPファイル再構成部22によるSDPファイル途中読み込み処理について、図9に示すフローチャートを参照して説明する。
【0082】
SDPファイル再構成部22は、RTPヘッダのシーケンス番号が「RTPseq_last+1」と等しいか否かを判定する(ステップS291)。つまり、SDPファイル再構成部22は、RTPヘッダのシーケンス番号が管理しているRTPseq_lastよりも1大きいか否かを判定する。ここで、SDPファイル再構成部22は、RTPseq_lastは16ビットの非負整数とする。
【0083】
RTPヘッダのシーケンス番号が「RTPseq_last+1」と等しくないと判定した場合(ステップS291:No)、SDPファイル再構成部22は、シーケンス番号が連続していないため、パケットロスが発生したと判定する。SDPファイル再構成部22は、BOFフラグを1に設定し(ステップS292)、後述するステップS34の処理に進む。
【0084】
RTPヘッダのシーケンス番号が「RTPseq_last+1」と等しいと判定した場合(ステップS291:Yes)、SDPファイル再構成部22は、RTPseq_lastをRTPヘッダのシーケンス番号に設定する(ステップS293)。
【0085】
次に、SDPファイル再構成部22は、RTPヘッダのPビットが1であるか否かを判定する(ステップS294)。
【0086】
RTPヘッダのPビットが1でない(Pビットが0である)と判定した場合(ステップS294:No)、SDPファイル再構成部22は、後述するステップS34の処理に進む。
【0087】
Pビットが1であると判定した場合(ステップS294:Yes)、SDPファイル再構成部22は、RTPパケットに付与されたSDPファイルをSDPファイル再構成バッファにコピーする。具体的には、SDPファイル再構成部22は、UDPペイロードの後ろからパディング長だけ戻った位置から、「パディング長-2」分のデータを、SDPファイル再構成バッファの先頭から、受信SDPファイル長だけ進んだ位置からコピーする(ステップS295)。
【0088】
次に、SDPファイル再構成部22は、受信SDPファイル長に「パディング長-2」を加算し(ステップS296)、後述するステップS31の処理に進む。
【0089】
SDPファイル再構成部22は、ステップS26においてEOFフラグが1でないと判定した場合、ステップS28の処理(SDPファイル先頭読み込み処理)を行った後、あるいはステップS29の処理(SDPファイル途中読み込み処理)を行った後、SDPファイルが完成したか否かを判定するSDPファイル完成判定処理を行う。
【0090】
SDPファイル再構成部22によるSDPファイル完成判定処理について、図10に示すフローチャートを参照して説明する。
【0091】
SDPファイル再構成部22は、SDPファイル付与ヘッダのEOFフラグが1であるか否かを判定する(ステップS31)。
【0092】
SDPファイル付与ヘッダのEOFフラグが1であると判定した場合(ステップS31:Yes)、SDPファイル再構成部22は、SDPファイルが完成したと判定する。そして、SDPファイル再構成部22は、SDPファイル再構成バッファにコピーしたSDPファイルおよび管理している受信SDPファイルサイズを、SDPファイル記憶部23に出力する(ステップS32)。
【0093】
次に、SDPファイル再構成部22は、管理しているEOFフラグを1に設定する(ステップS33)。なお、SDPファイル付与ヘッダのEOFフラグが1である場合に、SDPファイル再構成部22は、管理しているEOFフラグを1に設定する代わりに、BOFフラグを1に設定してもよい。こうすることで、次のSDPファイルが送信されることで、現在完成しているSDPファイルを更新することができる。
【0094】
次に、SDPファイル再構成部22は、RTPヘッダのPビットを0に設定する(ステップS34)。
【0095】
そして、SDPファイル再構成部22は、UDPペイロードの先頭から算出したRTPパケットサイズ分のデータをRTPパケットとして、RTPパケット受信部24に出力する(ステップS35)。
【0096】
SDPファイル付与ヘッダのEOFフラグが1でない(EOFフラグが0である)と判定した場合(ステップS31:No)、SDPファイル再構成部22は、SDPファイルが完成していないと判定し、ステップS34の処理に進む。
【0097】
このように本実施形態においては、送信装置10は、第1のパケット生成部としてのRTPパケット生成部11と、ファイル生成部としてのSDPファイル生成部12と、ファイル付与部としてのSDPファイル付与部13と、第2のパケット生成部としてのUDP/IPパケット生成部14とを備える。RTPパケット生成部11は、映像音声信号をペイロードに格納したRTPパケット(第1のパケット)を生成する。SDPファイル生成部12は、映像音声信号に関するパラメータを示すSDPファイル(パラメータ情報ファイル)を生成する。SDPファイル付与部13は、RTPパケットにSDPファイルを付与する。UDP/IPパケット生成部14は、SDPファイルが付与されたRTPパケットをペイロードに格納したIPパケット(第2のパケット)を生成して送信する。
【0098】
また、本実施形態においては、受信装置20は、第1のパケット受信部としてのUDP/IPパケット受信部21と、ファイル取得部としてのSDPファイル再構成部22と、第2のパケット受信部としてのRTPパケット受信部24とを備える。UDP/IPパケット受信部21は、SDPファイルが付与されたRTPパケット(第1のパケット)を含む、IPパケット(第2のパケット)のペイロード(UDPペイロード)を取得する。SDPファイル再構成部22は、取得されたUDPペイロードから、RTPパケットと、RTPパケットに付与されたSDPファイルとを取得する。RTPパケット受信部24は、RTPパケットに含まれる映像音声信号を、取得されたSDPファイルに示されるパラメータを用いて再生する。
【0099】
このように、映像音声信号を含むパケットに、映像音声信号に関するパラメータを示すパラメータ情報ファイルを付与して送信することで、当該パケットを受信するだけで、パラメータ情報ファイルも受信することができる。そのため、パラメータ情報ファイルを取得するための別途の通信などを行うための構成を設ける必要がないので、既存の装置への影響を抑制しつつ、パラメータ情報ファイルを取得できるようにすることができる。
【0100】
なお、実施形態では特に触れていないが、コンピュータを、送信装置10または受信装置20として機能させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROM、DVD-ROMなどの記録媒体であってもよい。
【0101】
あるいは、送信装置10および受信装置20が行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ、および、メモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成され、送信装置10または受信装置20に搭載されるチップが提供されてもよい。
【0102】
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨および範囲内で、多くの変更および置換が可能であることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形および変更が可能である。例えば、実施形態の構成図に記載の複数の構成ブロックを1つに組み合わせたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0103】
10 送信装置
11 RTPパケット生成部(第1のパケット生成部)
12 SDPファイル生成部(ファイル生成部)
13 SDPファイル付与部(ファイル付与部)
14 UDP/IPパケット生成部(第2のパケット生成部)
20 受信装置
21 UDP/IPパケット受信部(第1のパケット受信部)
22 SDPファイル再構成部(ファイル取得部)
23 SDPファイル記憶部
24 RTPパケット受信部(第2のパケット受信部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10