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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】シート積載装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/00 20060101AFI20240620BHJP
   B65H 1/28 20060101ALI20240620BHJP
   B65H 7/02 20060101ALI20240620BHJP
   B65H 1/04 20060101ALI20240620BHJP
   B41J 11/42 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
B65H1/00 501A
B65H1/28 320B
B65H7/02
B65H1/04 326B
B41J11/42
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020149611
(22)【出願日】2020-09-07
(65)【公開番号】P2022044135
(43)【公開日】2022-03-17
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】蛯原 隆司
【審査官】山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-090347(JP,A)
【文献】特開2000-118729(JP,A)
【文献】特開2010-058889(JP,A)
【文献】特開2017-149549(JP,A)
【文献】特開平8-059022(JP,A)
【文献】特開2002-370412(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00
B65H 1/28
B65H 7/02
B65H 1/04
B41J 11/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの端部の位置を規制するとともに位置変更可能なフェンスを備えたシート積載装置において、
距離を測定する第一測距センサと第二測距センサとを備え、
前記第一測距センサは、フェンス移動方向の一方側における装置本体の第一の部位と前記フェンスとの距離を測定し、
前記第二測距センサは、フェンス移動方向の他方側における装置本体の第二の部位と前記フェンスとの距離を測定することを特徴とするシート積載装置。
【請求項2】
請求項1に記載のシート積載装置において、
前記第一測距センサと第二測距センサの少なくとも一方を前記装置本体の部位に配置したことを特徴とするシート積載装置。
【請求項3】
請求項1に記載のシート積載装置において、
前記第一測距センサと第二測距センサの少なくとも一方を前記フェンスに配置したことを特徴とするシート積載装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一に記載のシート積載装置において、
シートを昇降させる昇降テーブルを備え、
前記第一測距センサと第二測距センサの少なくとも一方を、前記昇降テーブルの最上段の昇降位置よりも上方に配置したことを特徴とするシート積載装置。
【請求項5】
請求項4に記載のシート積載装置において、
前記上方に配置した前記第一測距センサと第二測距センサの少なくとも一方は、前記装置本体の部位に配置し、前記昇降テーブルよりも上方に位置する前記フェンスとの距離を測定することを特徴とするシート積載装置。
【請求項6】
請求項1乃至3の何れか一に記載のシート積載装置において、
シートを昇降させる昇降テーブルを備え、
前記第一測距センサと第二測距センサの少なくとも一方を、前記昇降テーブルの最下段の昇降位置よりも下方に配置したことを特徴とするシート積載装置。
【請求項7】
請求項6に記載のシート積載装置において、
前記下方に配置した前記第一測距センサと第二測距センサの少なくとも一方は、前記装置本体の部位に配置し、前記昇降テーブルよりも下方に位置する前記フェンスの部分との距離を測定することを特徴とするシート積載装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一に記載のシート積載装置において、
前記フェンスの位置変更方向において、同方向の最大長さのシートの載置範囲よりも外側に、前記第一測距センサと第二測距センサの少なくとも一方を配置したことを特徴とするシート積載装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れか一に記載のシート積載装置において、
前記フェンスの位置変更方向において、前記フェンスとは反対側のシートの端部の上方に配置されたシート給送手段を備えることを特徴とするシート積載装置。
【請求項10】
請求項9に記載のシート積載装置と、前記シート給送手段で送ったシートに画像を形成する画像形成装置とを備えた画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート積載装置及び画像形成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シートの端部の位置を規制するとともに位置変更可能なフェンスを備えたシート積載装置が知られている。
例えば特許文献1には係るシート積載装置であって、取り扱うサイズのシートをA4、A3の2種類としたものが記載されている。シートのサイズを特定するための第1、第2のサイズセンサを、A4サイズのシートの後端を規制する後端規制板(フェンス)の位置とA3サイズのシートの後端を規制する後端規制板(フェンス)の位置のそれぞれに配置している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
取り扱うシートのサイズの種類の数に応じた個数のセンサが必要になってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、本発明は、シートの端部の位置を規制するとともに位置変更可能なフェンスを備えたシート積載装置において、距離を測定する第一測距センサと第二測距センサとを備え、前記第一測距センサは、フェンス移動方向の一方側における装置本体の第一の部位と前記フェンスとの距離を測定し、前記第二測距センサは、フェンス移動方向の他方側における装置本体の第二の部位と前記フェンスとの距離を測定することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、取り扱うシートのサイズの種類の数に応じてのセンサ個数の増大を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る画像形成システム全体の説明図。
図2】給紙装置のシート積載装置としての給紙トレイの概略構成図。
図3】シートをセットする場合のガイドフレームとエンドフェンスの動きの一例の説明図。
図4】エンドフェンス位置を検出するセンサ配置の比較例の概略説明図。
図5】実施形態におけるエンドフェンス位置を検出するセンサの配置の説明図。
図6】電装部のブロック図。
図7】最大長のシートを積載した状況の給紙トレイの説明図。
図8】最小長のシートを積載した状況の給紙トレイの説明図。
図9】変形例に係る給紙トレイの説明図。
図10】他の変形例に係る給紙トレイの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明を画像形成システムにおける給送手段を備えたシート積載装置である給紙装置に適用した実施形態について説明する。図1は実施形態に係る画像形成システム全体の説明図である。画像形成システム200は、給紙装置210、前処理液塗布装置220、インクジェットプリンタ230、乾燥装置240、排紙装置250を備える。
【0008】
給紙装置210は、カット紙等の記録媒体としてのシート8を、シート8の搬送経路下流に配置の前処理液塗布装置220に供給する。前処理液塗布装置220は、印刷用のインクジェットインクの滲みや裏写りを抑える前処理液を、シート8に塗布する。前処理液塗布装置220は反転パスを備え、両面印刷を行う場合、シート8の表側に前処理液を塗布した後、シート8を反転させ裏側にも前処理液を塗布できる構造となっている。
【0009】
インクジェットプリンタ230は、前処理液塗布装置220において前処理液を塗布したシート8の表側にインク滴を吐出して所望の画像を形成する。乾燥装置240は、ドライヤを備え、インクジェットプリンタ230により形成したシート8の表側の画像を乾燥させる。シート8の表裏に印刷する場合、シート8は乾燥装置240からインクジェットプリンタ230へ戻るパスにより反転させ、インクジェットプリンタ230で表裏を反転したシート8の表側(反転前の裏側)にインク滴を吐出して所望の画像を形成し、乾燥装置240でシート8の表側(反転前の裏側)の画像を乾燥させる。その後、シート8は排紙装置250に排出する。
【0010】
図2は給紙装置210のシート積載装置としての給紙トレイ100の概略構成図である。図2(a)は正面図であり図中右から左にシートを給送する。図2(b)は左側面図である。給紙トレイ100は、底面6と後側板9、前側板10と左右の側板30、31からなるフレームで箱形状となっている。フレーム内にはモータ22により上下方向に移動可能な昇降テーブル4を備える。また、昇降テーブル4の昇降範囲に対して上下となる位置に位置センサ20、21を備える。昇降テーブル4が上昇した場合、昇降テーブル4の上面を位置センサ20が検知し、昇降テーブル4が所定の位置で止まる仕組みになっている。同様に、昇降テーブル4が下降した場合、昇降テーブル4の底面を位置センサ21が検知し、昇降テーブル4が所定の位置で止まる仕組みになっている。
【0011】
昇降テーブル4の左右には、サイドフェンス25を備えており、セットしたシート8に合わせてサイドフェンス25の位置を移動させる構造になっている。サイドフェンス25は左右のサイドフェンス25a、25bからなり、連結部26により左右のサイドフェンス25a、25bが連動して移動する構造になっている。左右のサイドフェンス25a、25bそれぞれは、シート8の幅方向の端部の位置を規制する。
【0012】
シート8の後端にあたる位置に、シートの端部の位置を規制するとともに位置変更可能なエンドフェンス5を配置している。エンドフェンス5は、シート給送方向下流側の端部を前側板10に接触させた状態のシート8のシート給送方向上流側の端部の位置を規制するものである。エンドフェンス5は上部のガイドフレーム15に固定したガイドレール16の長手方向(給送方向)に移動可能な構造になっている。つまり位置変更方向は給送方向である。ガイドフレーム15は回転可能な複数の回転ヒンジ17を介して側板31に固定している。ガイドレール16のガイドにより給送方向に動くエンドフェンス5は、ガイドレール16の長手方向のどの位置でも固定できる構造になっている。エンドフェンス5は多種の用紙サイズに合わせて任意の位置に固定することができる。また、エンドフェンス5の一部に回転可能な回転ヒンジ18が備えている。
【0013】
昇降テーブル4が上昇し、位置センサ20で所定の位置に止まったときに昇降テーブル4の給送方向下流側部分に対向する位置にピックアップベルト3を複数配置している。ピックアップベルト3は複数の吸引穴を有し、吸引ファンによりシートがピックアップベルト3に張り付く仕組みになっている。このため、昇降テーブル4にシートを積載している場合、ピックアップベルト3によりシートを1枚ずつ搬送する仕組みになっている。ピックアップベルト3、吸引ファン、ピックアップベルト3の駆動装置により、シート給送手段を構成している。
【0014】
図3はシートをセットする場合のガイドフレームとエンドフェンスの動きの一例の説明図である。昇降テーブル4がモータ22により下降し、位置センサ21によって位置を検知して止まった状態である。給紙装置210から給紙トレイ100を引き出し、複数の回転ヒンジ17を軸にガイドフレーム15を持ち上げる。このとき、ガイドフレーム15に固定しているガイドレール16も一緒に持ちあがる。ガイドレール16に連結しているエンドフェンス5は回転ヒンジ18により垂直方向に移動し、昇降テーブル4にシート8をセットする際に邪魔にならない構造になっている。また、回転ヒンジ17はガイドフレーム15が落ちる方向にのみトルクが掛かる構造になっており、昇降テーブル4にシートをセットする際、手を離した状態でもガイドフレーム15は落ちてくることはない。
【0015】
セットしたシート8の幅に合わせてサイドフェンス25を移動し、回転ヒンジ17を軸にしてガイドフレーム15を降ろしていくと、ガイドフレーム15の角度が変わっていく。エンドフェンス5は回転ヒンジ18を軸にして常に垂直方向に自重が掛かる構造になっている。このため、ガイドフレーム15を押し下げた状態にするとエンドフェンス5は所定の位置に戻る。そして、セットしたシート長さや幅に合わせてエンドフェンス5やサイドフェンス25を所定の位置に移動させる。
【0016】
図4はエンドフェンス位置を検出するセンサ配置の比較例の概略説明図である。エンドフェンス5の位置を検知する第一測距センサ1一つだけ設ける。図示の例はブラケット2を介して第一測距センサ1を後側板9に固定する。
【0017】
最大シート長さのシートを昇降テーブル4にセットした場合、エンドフェンス5は図中仮想線(二点鎖線)で示すようにピックアップベルト3から一番遠い位置に移動する。第一測距センサ1はエンドフェンス5の最大シート長さ位置よりも外側に配置する。つまり、最大長さのシートの載置範囲よりも外側に配置する。最大シート長さの位置にエンドフェンス5を固定した状態で、第一測距センサ1との距離が最小距離となる。逆に、最小シート長さのシートを昇降テーブル4にセットした場合、図中実線で示すようにエンドフェンス5はピックアップベルト3に一番近い位置に移動する。この場合、エンドフェンス5と第一測距センサ1の距離が最大移動距離Lとなる。従って、第一測距センサ1の検知距離はL+α分必要となる。
【0018】
エンドフェンス5を固定する位置は使用するシートによってまちまちであるため、測距センサなどを用いる第一測距センサ1は、検出距離が長くなるほど別の障害物などを検出しないよう注意が必要となる。図では第一測距センサ1が昇降テーブル4の最上段位置よりも上側に配置した例となっている。この例とは異なり、一つの第一測距センサ1を、昇降テーブル4の最下段位置よりも下側に配置したり、エンドフェンス5の最小シート長さ位置より内側に配置したりする例もあり得る。
【0019】
図5は実施形態におけるエンドフェンス位置を検出するセンサの配置の説明図である。エンドフェンス5の位置を検知するため、距離を測定する第一測距センサである第一測距センサ1と第二測距センサである第二測距センサ11とを備える。第一測距センサ1は、エンドフェンス移動方向の一方側における装置本体の第一の部位とエンドフェンスとの距離を測定し、第二測距センサ11は、エンドフェンス移動方向の他方側における装置本体の第二の部位とエンドフェンスとの距離を測定する。
【0020】
2つの測距センサは、装置本体の部位とエンドフェンスとの間の距離が測定可能であれば種類は問わず、光学的に距離測定するもののほか、電波や超音波をもちいて距離を測定するものであっても良い。
【0021】
具体的には、昇降テーブル4に積載するシートの最大長さに相当するエンドフェンス5位置よりも外側に、ブラケット2に取り付けた第一測距センサ1を配置する。この第一測距センサ1の配置位置が第一の部位である。ブラケット2は後側板9に取り付ける。第一測距センサ1は昇降テーブル4の最上段の昇降位置よりもさらに上方に配置しており、エンドフェンス5の位置を検知できる構成になっている。
【0022】
同様に、昇降テーブル4に積載するシートの最小長さに相当するエンドフェンス5の位置よりも内側に、ブラケット12に取り付けた第二測距センサ11を配置する。この第二測距センサ11の配置位置が第二の部位である。ブラケット12は底面6に取り付ける。第二測距センサ11は昇降テーブル4の最下段の昇降位置よりもさらに下方に配置しており、エンドフェンス5の昇降テーブル4より下方に位置する部分の位置を検知できる構成になっている。
【0023】
さらに、昇降テーブル4の最上段、及び最下段よりも上下に配置した第一測距センサ1と第二測距センサ11とは互いに対向する向きに取り付ける。このため、エンドフェンス5の最大移動距離Lに対して第一測距センサ1、及び第二測距センサ11の検出距離は(L/2)+αとなり、エンドフェンス5の位置が移動距離範囲のどこにあっても、常に第一測距センサ1、または第二測距センサ11で検出できる。
【0024】
図6は電装部のブロック図である。画像形成システム200は、制御部260と、記憶部261と、第一測距センサ1と、第二測距センサ11と、オペレーションパネルとしての表示操作部262とを備える。表示操作部262はインクジェットプリンタ230の装置上面もしくは前面に設けてもよいし、装置と別体で設けてもよい。ユーザは、表示操作部262を操作することにより、印刷対象のシート8すなわち給紙装置210にセットするシート8のサイズの情報を入力する。制御部260は、ユーザによって入力されたシート8のサイズの情報を記憶部261に記憶する。
【0025】
制御部260は、表示操作部262のユーザ操作による印刷指令もしくはネットワークを通じた印刷指令を受け付けると、第一測距センサ1および第二測距センサ11のうちエンドフェンス5に近いほうのセンサの検知結果にもとづきエンドフェンス5の位置を特定する。すなわち、制御部260は、2つの測距センサのうちエンドフェンス5に近いほうのセンサの結果をもとにエンドフェンス5の位置を割り出す。遠い方のセンサは検知エラーとなるかまたは検知できてもエンドフェンス5から遠いために測定精度が落ちるおそれがある。同時に2つのセンサの検知結果を用いる必要はない。
【0026】
次いで、制御部260は、2つのセンサの検知結果にもとづき特定されたエンドフェンス5の位置と記憶部261に記憶されたシート8のサイズの情報を比較し、エンドフェンス5が記憶されたシート8のサイズと対応する位置にあるかどうかを判断する。具体的には、前側板10とエンドフェンス5との間の距離と、シート8の給送方向長さとが一致するかどうかを判断する。
【0027】
制御部260は、エンドフェンス5が正しい位置にあると判断した場合、給紙装置210にセットされたシート8の給送動作をおこなうように給紙装置210を制御する。その後、給紙装置210から給送されたシート8にはインクジェットプリンタ230によって印刷指令にもとづく画像が印刷される。一方、エンドフェンス5が正しい位置にないと判断した場合、制御部260は、シート8の給送動作はおこなわず、エンドフェンス5の位置が正しくない旨を画面上に表示するように、表示操作部262を制御する。これにより、エンドフェンス5の位置が正しくないことに起因してシート8の給送不良が起きることを防止できる。
【0028】
図7は最大長のシートを積載した状況の給紙トレイ100の説明図である。図7(a)に示す状態は、昇降テーブル4にはセットできる最大長のシート8を積載量最大に積み上げている。昇降テーブル4はシート8の上面が位置センサ20により検知する位置まで上昇する。位置センサ20で検知したシート8の上面にあたる位置に、ピックアップベルト3が配置しており、ピックアップベルト3によりシート8はガイド板7へと搬送する。
【0029】
エンドフェンス5はピックアップベルト3から一番遠い位置にセットすることになり、第一測距センサ1との距離が最短となる。エンドフェンス5の位置は、比較的近い位置にある第一測距センサ1により検出する。印刷動作によりピックアップベルト3によりシート8がすべて搬送した場合、昇降テーブル4の上面が位置センサ20により検知するまで昇降テーブル4が上昇して停止する。図7(b)がこの状態を示す。この場合でも、第一測距センサ1は、昇降テーブル4よりも上側にあるため、昇降テーブル4やシート8にさえぎられることなくエンドフェンス5の距離を正確に測定できる。
【0030】
図8は最小長のシートを積載した状況の給紙トレイ100の説明図である。図8(a)に示す状態は、昇降テーブル4にはセットできる最小長のシート8を積載量最大に積み上げている。昇降テーブル4はシート8の上面が位置センサ20により検知する位置まで上昇する。位置センサ20で検知したシート8の上面にあたる位置に、ピックアップベルト3を配置しており、ピックアップベルト3でシート8をガイド板7へと搬送する。
【0031】
エンドフェンス5はピックアップベルト3から一番近い位置にセットすることになり、第二測距センサ11との距離が最短となる。エンドフェンス5の位置は、比較的近い位置にある第二測距センサ11により検出する。印刷動作によりピックアップベルト3でシート8をすべて搬送した場合、昇降テーブル4の上面を位置センサ20で検知するまで昇降テーブル4を上昇させて停止する。図8(b)がこの状態を示す。この場合でも、第二測距センサ11は、昇降テーブル4よりも下側にあるため、昇降テーブル4やシートにさえぎられることなくエンドフェンス5の距離を正確に測定できる。
【0032】
図9は変形例に係る給紙トレイ100の説明図である。図2乃至図8の例では、エンドフェンス5は断面形状が直線状のものであったが、これに代え、図9のように第一測距センサ1に対応する箇所と、第二測距センサ11に対応する箇所とがオフセットした形状のものでもよい。シートの後端からオフセットした第二測距センサ11によるエンドフェンス5の位置検出ではオフセット量を考慮しエンドフェンス5の位置を検知する。
【0033】
図10は他の変形例に係る給紙トレイ100の説明図である。この変形例では、第一測距センサ1と第二測距センサ11とをエンドフェンス5の互いに反対側の面に取り付けている。そして、第一測距センサ1に対向する後側板9の箇所に被検知部40を設けている。また第二測距センサ11に対向する高さになるように底面6の上に被検知部41を設けている。
【0034】
以上、本実施形態によれば、2つ設けた測距センサの一方は、エンドフェンス移動方向の一方側における装置本体の第一の部位とエンドフェンスとの距離を測定し、他方は、エンドフェンス移動方向の他方側における装置本体の第二の部位とエンドフェンスとの距離を測定するので、取り扱いシートのサイズが3つ以上であっても、この2つの測距センサの少なくとも一方を用いてエンドフェンスの位置を測定してサイズを特定できる。よって、取り扱うシートのサイズに応じてのセンサ個数の増大を抑制できる。簡単な構成で給紙ユニットにセットした多種のシートサイズを精度よく検出できる。
【0035】
また、エンドフェンス5の位置を測定する測距センサを、昇降テーブル4の最上限よりも上側に配置した第一測距センサ1と、最下限よりも下側に配置した第二測距センサ11とで構成した。これにより、昇降テーブル4の位置やシート8の位置に関係なくエンドフェンス5の位置を正確に読み取ることができる。また、第一測距センサ1と第二測距センサ11の測定距離範囲が、エンドフェンス5の移動距離の約1/2となる位置に配置し、第一測距センサ1と第二測距センサ11がそれぞれ対向する向きに配置している。そのため、エンドフェンス5の移動範囲をすべてカバーすることができ、かつ少ない部品点数で正確な位置を検出することができる。
【0036】
なお、用紙の搬送方向の上流側端部位置を規制するエンドフェンスだけでなく用紙の幅方向の両端をおさえるサイドフェンスに適用してもよい。本実施形態は給紙手段を備えたシート積載装置に適用した例であるが、給紙手段を備えないシート積載装置にも適用できる。また、画像形成装置がインクジェット方式の装置であるが、トナーをもちいた電子写真方式の装置を用いた画像形成システムにも適用できる。さらに、シートに光沢処理を施すグロッサーなどにも適用できる。
【符号の説明】
【0037】
1 :測距センサ
2 :ブラケット
3 :ピックアップベルト
4 :昇降テーブル
5 :エンドフェンス
6 :底面
7 :ガイド板
8 :シート
9 :後側板
10 :前側板
11 :測距センサ
12 :ブラケット
15 :ガイドフレーム
16 :ガイドレール
17 :回転ヒンジ
18 :回転ヒンジ
20 :位置センサ
21 :位置センサ
22 :モータ
25 :サイドフェンス
25a :サイドフェンス
25b :サイドフェンス
26 :連結部
30 :側板
31 :側板
40 :被検知部
41 :被検知部
100 :給紙トレイ
200 :画像形成システム
210 :給紙装置
220 :前処理液塗布装置
230 :インクジェットプリンタ
240 :乾燥装置
250 :排紙装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0038】
【文献】特開2019-77506号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10