(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】排水処理装置及び排水処理方法
(51)【国際特許分類】
B01D 61/00 20060101AFI20240620BHJP
C02F 3/28 20230101ALI20240620BHJP
C02F 3/34 20230101ALI20240620BHJP
B01D 63/00 20060101ALI20240620BHJP
B01D 65/02 20060101ALI20240620BHJP
C02F 1/44 20230101ALI20240620BHJP
【FI】
B01D61/00 500
C02F3/28 A
C02F3/34 101B
B01D63/00 510
B01D65/02
C02F1/44 D
C02F1/44 A
(21)【出願番号】P 2020561310
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(86)【国際出願番号】 JP2019047829
(87)【国際公開番号】W WO2020129705
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-11-07
(31)【優先権主張番号】P 2018239437
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504174180
【氏名又は名称】国立大学法人高知大学
(73)【特許権者】
【識別番号】390014074
【氏名又は名称】前澤工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 拓
(72)【発明者】
【氏名】石田 進
(72)【発明者】
【氏名】三好 太郎
(72)【発明者】
【氏名】グェン タン フォン
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-131268(JP,A)
【文献】特開昭51-116183(JP,A)
【文献】特開平08-281078(JP,A)
【文献】特開2018-008220(JP,A)
【文献】特開2017-018861(JP,A)
【文献】特開2016-087584(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 61/00-71/82
C02F 1/44
C02F 3/28- 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
夾雑物、溶解性物質及び水分を含む排水、並びに、水分を含み且つ前記排水以外の駆動溶液の間に配設され、前記排水から受ける圧力が前記駆動溶液から受ける圧力よりも高い場合、前記排水に含まれる水分を透過するとともに、前記排水から前記夾雑物及び溶解性物質を取り除く
第1の平膜型FO膜及び第2の平膜型FO膜と、
前記第1の平膜型FO膜及び前記第2の平膜型FO膜を取り付けるための基本部材と、
前記第1の平膜型FO膜、前記第2の平膜型FO膜及び前記基本部材に囲まれる内部空間と、
複数の供給孔を有する供給手段であって、前記複数の供給孔から前記内部空間に前記排水を供給する供給手段と、
複数の集水孔を有する集水手段であって、前記複数の集水孔から前記内部空間
の前記排水を集水する集水手段と、を有するFO膜ユニットを備え、
前記FO膜ユニットは前記駆動溶液である海水を有する海洋中に浸漬されていることを特徴とする排水処理装置。
【請求項2】
前記集水手段は、前記内部空間に供給された排水から前記駆動溶液に移動した水分を除く濃縮排水を集水することを特徴とする請求項1記載の排水処理装置。
【請求項3】
前記内部空間は流路材を有することを特徴とする請求項1
又は2記載の排水処理装置。
【請求項4】
前記FO膜ユニットから流出した前記濃縮排水を前記FO膜ユニットに循環する供給溶液循環手段を備えることを特徴とする請求項2記載の排水処理装置。
【請求項5】
前記FO膜ユニットが前記駆動溶液の水位に基づいて変位するための浮揚手段を有することを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の排水処理装置。
【請求項6】
前記FO膜ユニットは前記駆動溶液が通過可能な防護網に囲まれていることを特徴とする請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の排水処理装置。
【請求項7】
前記FO膜ユニットは前記駆動溶液が通過可能な防波手段により海水の海波が抑制される領域に配置されていることを特徴とする請求項1乃至
6のいずれか1項に記載の排水処理装置。
【請求項8】
前記FO膜ユニットを係留し、ヒンジを有する歩廊を備える請求項1乃至
7のいずれか1項に記載の排水処理装置。
【請求項9】
前記第1の平膜型FO膜及び前記第2の平膜型FO膜を洗浄する洗浄手段を備える請求項1乃至
8のいずれか1項に記載の排水処理装置。
【請求項10】
前記濃縮排水からバイオガスを生成する生成手段と、
前記バイオガスが生成されるときに生じる消化液を脱水して脱水ろ液を取得する取得手段と、
前記脱水ろ液に含まれるアンモニアを亜硝酸又は硝酸に変換し、前記亜硝酸又は前記硝酸を窒素に変換する活性汚泥とを備える請求項2記載の排水処理装置。
【請求項11】
前記アンモニアを前記窒素に変換した活性汚泥は、
前記第1の平膜型FO膜及び前記第2の平膜型FO膜に接触する前の排水に移送されることを特徴とする請求項
10に記載の排水処理装置。
【請求項12】
夾雑物、溶解性物質及び水分を含む排水、並びに、水分を含み且つ前記排水以外の駆動溶液の間に配設され、前記排水から受ける圧力が前記駆動溶液から受ける圧力よりも高い場合、前記排水に含まれる水分を透過するとともに、前記排水から前記夾雑物及び溶解性物質を取り除く
第1の平膜型FO膜及び第2の平膜型FO膜と、
前記第1の平膜型FO膜及び前記第2の平膜型FO膜を取り付けるための基本部材と、前記第1の平膜型FO膜、前記第2の平膜型FO膜及び前記基本部材に囲まれる内部空間と、
複数の供給孔を有する供給手段であって、前記複数の供給孔から前記内部空間に前記排水を供給する供給手段と、
複数の集水孔を有する集水手段であって、前記複数の集水孔から前記内部空間
の前記排水を集水する集水手段と、を有するFO膜ユニットを備え、前記FO膜ユニットは前記駆動溶液である海水を有する海洋中に浸漬されている排水処理装置を用いた排水処理方法において、
前記排水が前記内部空間に供給される供給ステップと、
前記排水に含まれる水分が
前記第1の平膜型FO膜及び前記第2の平膜型FO膜を浸透して前記駆動溶液に移動する移動ステップと、を有することを特徴とする排水処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は排水処理装置及び排水処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、下水等の排水を処理するために、好気性微生物を含む活性汚泥を用いた排水処理設備が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
図5は従来の排水処理設備50を概略的に示すブロック図であり、
図5の排水処理設備50は、沈砂池51、最初沈殿池52、生物反応槽53、最終沈澱池54、滅菌槽55、メタン発酵設備56、及び脱水設備57を備える。
【0003】
図5の排水処理設備50において、まず、処理される排水は沈砂池51に流入する。沈砂池51では排水から排水中に含まれる石や木片等の比較的大きな異物が除去され、比較的大きな異物が除去された排水は最初沈殿池52に流入する。最初沈殿池52では沈砂池51で除去されなかった比較的小さな異物(以下、「初沈汚泥」という。)が除去され、初沈汚泥が除去された排水は生物反応槽53に流入する。生物反応槽53では排水中の有機物等が活性汚泥によって除去され、有機物等が除去された排水は最終沈澱池54に流入する。最終沈澱池54では活性汚泥が除去され、活性汚泥が除去された排水は滅菌槽55に流入し、滅菌槽55では最終沈澱池54を通過した排水が消毒され、その後、消毒された排水は河川等に放流される。また、最終沈澱池54で除去された活性汚泥の一部は返送汚泥として生物反応槽53に返送される。
【0004】
最終沈澱池54で除去された活性汚泥の一部であって返送汚泥以外の活性汚泥(以下、「余剰汚泥」という。)及び最初沈殿池52で発生した初沈汚泥はメタン発酵設備56に移送される。メタン発酵設備56ではメタン発酵処理が初沈汚泥や余剰汚泥(以下、「消化対象汚泥」という。)に施され、その結果、バイオガス及び発酵残渣である消化液が生成され、バイオガスはエネルギーとして回収される。一方、消化液は脱水設備57に移送され、脱水処理が実行される。脱水処理が消化液に施されると、消化液は脱水ケーキ及び脱水ろ液に分離され、脱水ろ液は沈砂池51に返送される。
【0005】
ところで、従来より、生物反応槽53は活性汚泥に酸素を供給するために曝気装置(不図示)を備える。曝気装置の消費電力量は大きく、曝気装置の消費電力量の削減が要請されている。また、従来より、排水処理設備50の簡単な管理を実現するために排水処理設備50の簡略化が要請されている。これらに対応して、FO(Forward Osmosis)膜を用いた排水処理設備が提案されている。
【0006】
図6はFO膜65aを用いた排水処理設備60を概略的に示すブロック図である。
図6のFO膜65aを用いた排水処理設備60は、沈砂池61、最初沈殿池62、メタン発酵設備63、及び脱水設備64を備えるとともに、FO膜設備65、駆動溶液導入設備66及び駆動溶液循環設備67を備える。すなわち、
図6のFO膜を用いた排水処理設備60は、
図5の排水処理設備50の生物反応槽53、最終沈澱池54及び滅菌槽55に代えてFO膜設備65を備え、また、FO膜設備65で排水を処理するために必要な駆動溶液DS(Draw Solution)をFO膜設備65に導入するための駆動溶液導入設備66や駆動溶液DSを循環するための駆動溶液循環設備67を備える。
【0007】
図6のFO膜65aを用いた排水処理設備60において、沈砂池61及び最初沈殿池62を順次通過した排水はFO膜設備65に流入する。また、所定の溶質濃度に調整された塩化ナトリウム水溶液等の駆動溶液DSが駆動溶液導入設備66及び駆動溶液循環設備67を経由してFO膜設備65に流入する。FO膜設備65は、例えば、半浸透膜であるFO膜65aを有し、FO膜65aは排水及び駆動溶液DSの間に介在するように配置されている。駆動溶液DSの溶質濃度が下水等の排水の溶質濃度よりも高いとき、FO膜65aが排水から受ける圧力は駆動溶液DSから受ける圧力よりも高く、排水に含まれる水分のみがFO膜65aを透過して駆動溶液DSに移動し、排水に含まれる夾雑物及び溶解性物質はFO膜65aに捕捉される。
【0008】
FO膜設備65に流入した排水中の水分はFO膜65aを透過して駆動溶液DSに移動する。排水中の水分を含む駆動溶液DSの一部は、駆動溶液循環設備67に返送された後にFO膜設備65に流入し、その他の排水中の水分を含む駆動溶液DSは、例えば、海洋等に放流される。
【0009】
一方、FO膜設備65に流入した排水中の夾雑物及び溶解性物質はFO膜65aに捕捉され、FO膜65aに捕捉された排水中の夾雑物及び溶解性物質、並びに、最初沈殿池62で発生した初沈汚泥(以下、「消化対象汚泥」という。)はメタン発酵設備63に移送され、メタン発酵処理が実行される。メタン発酵処理が消化対象汚泥に施されると、バイオガス及び発酵残渣である消化液が生成され、バイオガスはエネルギーとして回収される。一方、消化液は脱水設備64に移送され、脱水処理が実行される。脱水処理が消化液に施されると、消化液は脱水ケーキ及び脱水ろ液に分離され、脱水ろ液はFO膜設備65に返送される。
【0010】
それゆえに、FO膜65aを用いた排水処理設備60によって排水処理を確実に実行するためには、駆動溶液DSの溶質濃度を下水等の排水の溶質濃度よりも高く調整する必要があり、また、継続して安定した排水処理を実行するためには、排水に含まれる水分がFO膜65aを透過して駆動溶液DSに移動することにより、駆動溶液DSの溶質濃度が低下することを考慮した上で駆動溶液DSの溶質濃度を調整する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、FO膜65aを透過して駆動溶液DSに移動する排水に含まれる水分の量は、例えば、処理される排水の量によって変化するため、駆動溶液DSの濃度変化を予測できず、予め適切な溶質濃度の駆動溶液DSを調整することができないという問題がある。また、予め過度な高溶質濃度の駆動溶液DSを調整し、駆動溶液DSの濃度が低下したときにその高溶質濃度の駆動溶液DSをFO膜設備65に導入すれば、駆動溶液DSの溶質濃度は必ず下水等の排水の溶質濃度よりも高いので、安定した排水処理を実行することができるが、そのためには、駆動溶液DSの溶質濃度を常に監視し、駆動溶液DSの溶質濃度に応じて過度な高溶質濃度の駆動溶液DSをFO膜設備65に導入しなければならないという新たな手間が生じる。
【0013】
すなわち、FO膜65aを用いた排水処理を実行する際に新たな手間を生じることなく安定して排水を処理することができないという問題があった。
【0014】
本発明の目的は、安定して排水を処理することができる排水処理装置及び排水処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の排水処理装置は、夾雑物、溶解性物質及び水分を含む排水、並びに、水分を含み且つ前記排水以外の駆動溶液の間に配設され、前記排水から受ける圧力が前記駆動溶液から受ける圧力よりも高い場合、前記排水に含まれる水分を透過するとともに、前記排水から前記夾雑物及び溶解性物質を取り除く第1の平膜型FO膜及び第2の平膜型FO膜と、前記第1の平膜型FO膜及び前記第2の平膜型FO膜を取り付けるための基本部材と、前記第1の平膜型FO膜、前記第2の平膜型FO膜及び前記基本部材に囲まれる内部空間と、複数の供給孔を有する供給手段であって、前記複数の供給孔から前記内部空間に前記排水を供給する供給手段と、複数の集水孔を有する集水手段であって、前記複数の集水孔から前記内部空間の前記排水を集水する集水手段と、を有するFO膜ユニットを備え、前記FO膜ユニットは前記駆動溶液である海水を有する海洋中に浸漬されていることを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するために、本発明の排水処理方法は、夾雑物、溶解性物質及び水分を含む排水、並びに、水分を含み且つ前記排水以外の駆動溶液の間に配設され、前記排水から受ける圧力が前記駆動溶液から受ける圧力よりも高い場合、前記排水に含まれる水分を透過するとともに、前記排水から前記夾雑物及び溶解性物質を取り除く第1の平膜型FO膜及び第2の平膜型FO膜と、前記第1の平膜型FO膜及び前記第2の平膜型FO膜を取り付けるための基本部材と、前記第1の平膜型FO膜、前記第2の平膜型FO膜及び前記基本部材に囲まれる内部空間と、複数の供給孔を有する供給手段であって、前記複数の供給孔から前記内部空間に前記排水を供給する供給手段と、複数の集水孔を有する集水手段であって、前記複数の集水孔から前記内部空間の前記排水を集水する集水手段と、を有するFO膜ユニットを備え、前記FO膜ユニットは前記駆動溶液である海水を有する海洋中に浸漬されている排水処理装置を用いた排水処理方法において、前記排水が前記内部空間に供給される供給ステップと、前記排水に含まれる水分が前記第1の平膜型FO膜及び前記第2の平膜型FO膜を浸透して前記駆動溶液に移動する移動ステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、安定して排水を処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態に係る排水処理設備を概略的に示すブロック図である。
【
図2】
図1における海洋浸漬装置を説明するために用いられる図である。
【
図3】
図2におけるFO膜ユニットを説明するために用いられる図である。
【
図4】
図1の排水処理設備によって実行される排水処理の手順を示すフローチャートである。
【
図5】従来の排水処理設備を概略的に示すブロック図である。
【
図6】FO膜を用いた排水処理設備を概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0020】
図1は、本発明の実施の形態に係る排水処理設備10を概略的に示すブロック図である。
【0021】
図1の排水処理設備10(排水処理装置)は、沈砂池11、最初沈殿池12、循環ポンプ13aを有する供給溶液循環設備13、海洋浸漬装置14、メタン発酵設備15(生成手段)、脱水設備16(取得手段)、及び生物反応槽17を備え、下水等の排水を処理する。
図1の排水処理設備10において、まず、処理される排水は沈砂池11に流入する。沈砂池11では沈砂池11に流入した排水中に含まれる石や木片等の比較的大きな異物が除去され、比較的大きな異物が除去された排水は最初沈殿池12に流入する。最初沈殿池12では初沈汚泥が除去され、初沈汚泥が除去された排水は供給溶液循環設備13を経由して海洋浸漬装置14に流入する。なお、初沈汚泥はメタン発酵設備15に移送される。
【0022】
図2は、
図1における海洋浸漬装置14を説明するために用いられる図である。
【0023】
図2の海洋浸漬装置14はFO膜ユニット21及び浮子22(浮揚手段)を備え、FO膜ユニット21は海洋中に浸漬されている。FO膜ユニット21は海水面の水位が変化しても浮子22の浮力に基づいて移動し、海水面付近に位置する。FO膜ユニット21は供給連絡管23及び集水連絡管24を介して供給溶液循環設備13に接続され、排水は循環ポンプ13aによって供給連絡管23を経由してFO膜ユニット21に供給され、FO膜ユニット21を通過した排水は集水連絡管24を経由して供給溶液循環設備13に戻る。
【0024】
また、歩廊25(係留手段)がFO膜ユニット21のメンテナンスを容易にするために設置されている。歩廊25は、例えば、陸地接続部25a、係留部25b、ヒンジ25c、メンテナンス部25d及び支柱25eを備え、陸地接続部25aは陸地及び係留部25bの一端を接続し、係留部25bの他端はヒンジ25cを介してメンテナンス部25dに接続されている。さらに、メンテナンス部25dは海底に固定された支柱25eに接続され、海水面の水位に応じて支柱25eに沿って移動する。メンテナンス部25dはFO膜ユニット21が有する浮子22の浮力によって海水面を浮遊している。
【0025】
つまり、歩廊25はヒンジ25cを有するので、海水面の水位が変化してもメンテナンス部25dは浮子22の浮力に基づき支柱25eに沿って移動し、海水面付近に位置する。その結果、FO膜ユニット21のメンテナンスを実行する作業者は歩廊25上を歩いてFO膜ユニット21に近づき、FO膜ユニット21の交換、洗浄、又は点検等を実施する。なお、メンテナンス部25dが海洋中に浸漬するのを確実に防止するために、別途、浮子22がメンテナンス部25dに付与されてもよい。
【0026】
FO膜ユニット21は、例えば、海洋異物によって損傷するのを防止するために防護網26(保護手段)で囲まれてもよい。本実施の形態では、防護網26は支柱25e及びFO膜ユニット21を囲むように設置されている。また、海洋浸漬装置14及び防護網26が浸漬される海域と、海洋浸漬装置14及び防護網26が浸漬されていない海域とに分割する防波堤27(他の保護手段)が設置されてもよい。本実施の形態では、陸地に接続された歩廊25、海洋浸漬装置14及び防護網26が当該陸地及び防波堤27に囲まれた領域に浸漬されている。防波堤27が設置されると、海水が海洋浸漬装置14及び防護網26が浸漬されていない海域から海洋浸漬装置14及び防護網26が浸漬される海域に流入するとき、防波堤27はその海水の海波を抑制する。
【0027】
図3は、
図2におけるFO膜ユニット21を説明するために用いられる図であり、
図3(A)はFO膜ユニット21の正面図であり、
図3(B)は
図3(A)におけるA-A線に沿う断面図であり、
図3(C)は
図3(B)におけるB-B線に沿う断面図である。
【0028】
図3のFO膜ユニット21は、平膜型のFO膜31(除去手段)、FO膜31を取り付けるための基本部材32、排水供給管33(供給手段)、及び集水管34(集水手段)を備え、FO膜31が基本部材32に取り付けられると、FO膜31及び基本部材32によって内部空間35(領域)が形成される。FO膜31及び基本部材32によって形成された内部空間35は流路材36を有する(
図3(B))。供給溶液循環設備13からの排水は供給連絡管23を経由して排水供給管33に供給される。排水供給管33は内部空間35に対して複数の供給孔37を有し、排水は各供給孔37から内部空間35に供給される。その後、排水は集水管34に向けて内部空間35を移動する(
図3(C))。集水管34は内部空間35に対して複数の集水孔38を有し、排水供給管33から集水管34に向けて内部空間35を移動する排水は各集水孔38から集水される。
【0029】
FO膜31は、夾雑物、溶解性物質及び水分を含む排水、並びに、駆動溶液DSの間に配設され、排水から受ける圧力は駆動溶液DSから受ける圧力よりも高いとき、排水に含まれる水分はFO膜31を透過して駆動溶液DSに移動するとともに、排水に含まれる夾雑物及び溶解性物質はFO膜31で捕捉される。本実施の形態では、FO膜ユニット21が海洋中に浸漬し、排水が内部空間35を移動するため、FO膜31は、夾雑物、溶解性物質及び水分を含む排水、並びに、駆動溶液DSである海水の間に配設されている。また、排水の溶質濃度よりも海水の溶質濃度が高いため、FO膜31が排水から受ける圧力は駆動溶液DSから受ける圧力よりも高い。
【0030】
したがって、排水が排水供給管33の各供給孔37から内部空間35に供給されると、内部空間35を移動する間に排水に含まれる水分はFO膜31を透過して海洋中に移動する。このとき、FO膜31は0.0001~0.001μmの孔径を有するので、FO膜31の孔径よりも大きい径を有する夾雑物及び溶解性物質はFO膜31の内部空間35側で捕捉される。内部空間35を通過した排水(以下、「濃縮排水」という。)は各集水孔38を経由して集水管34に集水される。その後、濃縮排水は集水連絡管24を経由して供給溶液循環設備13に流入する。なお、FO膜31としては、水分子を透過し夾雑物及び溶解性物質を捕捉する孔径を有するものであれば特に限定されず、従来公知のFO膜を使用することができる。
【0031】
図1に戻り、メタン発酵設備15は発酵槽(不図示)を備え、発酵槽は濃縮排水を発酵するメタン菌を有する。メタン菌が濃縮排水を発酵すると、バイオガス及び発酵残渣である消化液が生成され、バイオガスはエネルギーとして回収される。一方、消化液は脱水設備16に流入する。脱水設備16は脱水処理を実行する。メタン発酵設備15から脱水設備16に流入した消化液には脱水処理が施され、消化液は脱水ケーキ及び脱水ろ液に分離される。脱水ケーキは環境への負荷を低減するために園芸用土やセメント原料等に活用される。また、脱水ろ液は生物反応槽17に流入する。
【0032】
ところで、一般的に、FO膜31は排水中のアンモニアを全量捕捉することはできず、アンモニアの捕捉率は50~80%程度である。したがって、FO膜ユニット21が海洋中に浸漬されている場合、排水に含まれるアンモニアはFO膜31を透過して海洋中に放出され又は濃縮排水としてメタン発酵設備15に流入する。メタン発酵設備15に流入したアンモニアは、その後、脱水設備16で脱水処理が実行されることによって得られる脱水ろ液に含まれる。
【0033】
ここで、アンモニアを含有する脱水ろ液が、再度、海洋浸漬装置14に返送されると、海洋浸漬装置14に返送される脱水ろ液に含有されるアンモニア、並びに、沈砂池11及び最初沈殿池12を経由して海洋浸漬装置14に流入する排水に含まれるアンモニアは、FO膜31を透過して海洋中に放出され又は濃縮排水としてメタン発酵設備15に流入する。
【0034】
したがって、アンモニアを含有する脱水ろ液が海洋浸漬装置14に返送されると、脱水ろ液が海洋浸漬装置14に返送されない場合と比較して、海洋浸漬装置14からメタン発酵設備15に流入する排水中のアンモニア濃度は上昇する。
【0035】
メタン発酵設備15に流入するアンモニアの濃度が高いとき、発酵槽に流入する濃縮排水のpHはメタン菌の最適な活性を実現するためのpHである7を超えるため、発酵槽の内部の温度に応じてメタン菌の活性が低下する。その結果、バイオガスの生成量は減少し且つ高濃度のアンモニアを有する消化液が回収される(アンモニア阻害)。
【0036】
これに対応して、本実施の形態では、脱水ろ液に含まれるアンモニアは、脱水ろ液を生物反応槽17に移送することによって処理される。具体的に、生物反応槽17は微生物を含む有機汚泥である活性汚泥(変換手段)を有し、活性汚泥は、嫌気好気法、A2O法、膜分離活性汚泥法等の窒素除去が可能な活性汚泥法(以下、「窒素除去活性汚泥法」という)に基づいて硝化反応及び脱窒反応を実行する。これにより、脱水ろ液に含まれるアンモニアは亜硝酸や硝酸に変換された後に窒素に変換される。
【0037】
また、脱水ろ液に含まれるアンモニアが窒素に変換されることによって除去されたとき、活性汚泥はアンモニアが除去された後の脱水ろ液(以下、「脱アンモニア処理水」という。)に分散されている。したがって、生物反応槽17は活性汚泥及び脱アンモニア処理水を分離するための分離装置(不図示)を備えてもよい。
【0038】
分離装置は、例えば、精密ろ過膜(MF (Microfiltration)膜)や限外ろ過膜(UF (Ultrafiltration)膜)であり、MF膜やUF膜は活性汚泥を捕捉するとともに、脱アンモニア処理水を透過する。これにより、活性汚泥及び脱アンモニア処理水は分離される。また、分離装置は、例えば、沈殿装置であってもよい。沈殿装置において、活性汚泥が沈殿することによって活性汚泥及び脱アンモニア処理水は分離される。分離された後の脱アンモニア処理水は、例えば、消毒されて河川等に放流されてもよく、清掃やトイレ等に使用してもよい。
【0039】
一方、分離された後の活性汚泥は沈砂池11に移送される。沈砂池11に移送された活性汚泥(以下、「移送対象余剰汚泥」という。)は、その生死に関わらず、沈砂池11に流入する排水中の金属イオンを吸着する。通常、沈砂池11に流入する排水中の金属イオンがFO膜ユニット21に流入してFO膜31に接触すると、FO膜31の本質的な性能を阻害するファウリング現象を引き起こす。しかしながら、排水中の金属イオンが沈砂池11に流入したときに移送対象余剰汚泥に吸着されると、FO膜31に接触する金属イオンは減少するので、FO膜31のファウリング現象を起こりにくくすることができる。なお、金属イオンが吸着した移送対象余剰汚泥は初沈汚泥として除去される。
【0040】
さらに、移送対象余剰汚泥は、金属イオン以外にも排水中の有機物等の一部も吸着する。FO膜31で分離濃縮される成分の負荷低減に寄与する他、有機物に起因するFO膜31のファウリング現象を抑制する効果も期待できる。
【0041】
アンモニアの一部がFO膜31を透過したとき、そのアンモニアは海洋中に放出されるが、海洋中へのアンモニアの放出は、海洋中の水生生物への影響が懸念されている。したがって、その影響を最小限にする必要がある。本実施の形態では、海洋浸漬装置14の周辺であって防護網26に囲まれた範囲内に藻類培養設備(不図示)を設けている。藻類培養設備では、アンモニアを摂取して成長する藻類を培養しているので、アンモニアが海洋中に放出されても、そのアンモニアは培養されている藻類によって海洋中から除去される。なお、藻類培養設備の周辺には、例えば、藻類の成長に適切な酸素濃度を制御する酸素濃度制御装置及び藻類の光合成に必要な光量を制御する光量制御装置を備えてもよい。
【0042】
図4は、
図1の排水処理設備10によって実行される排水処理の手順を示すフローチャートである。
【0043】
まず、処理される排水は沈砂池11に流入する。沈砂池11では沈砂池11に流入した排水から排水中に含まれる石や木片等の比較的大きな異物が除去され、比較的大きな異物が除去された排水は最初沈殿池12に流入する(S401)。最初沈殿池12では沈砂池11で除去されなかった初沈汚泥が除去され(S402)、初沈汚泥が除去された排水は供給溶液循環設備13を経由して海洋浸漬装置14に流入するとともに、初沈汚泥はメタン発酵設備15に移送される。
【0044】
海洋浸漬装置14は海洋中に浸漬されているFO膜ユニット21を備え、FO膜ユニット21は、FO膜31、FO膜31を取り付けるための基本部材32、排水供給管33、及び集水管34を有する。FO膜31が基本部材32に取り付けられると、基本部材32及びFO膜31によって内部空間35が形成され、海洋浸漬装置14に流入した排水は排水供給管33を経由して内部空間35に流入する(S403、供給ステップ)。内部空間35に流入した排水は濃縮排水として内部空間35を移動して集水管34で集水される。
【0045】
ここで、排水が内部空間35を移動するとき、FO膜31が排水及び海水の間に配設されるとともに、FO膜31が排水から受ける圧力は海水から受ける圧力よりも高いため、排水に含まれる水分はFO膜31を浸透して海洋中に移動し(S404、移動ステップ)、夾雑物及び溶解性物質はFO膜31で捕捉される。このとき、排水に含まれるアンモニアはFO膜31を透過して海洋中に放出され又は濃縮排水としてメタン発酵設備15に流入する。海洋浸漬装置14の周辺には藻類培養設備が設けられ、FO膜31を透過して海洋中に放出されたアンモニアは藻類培養設備で培養される藻類に摂取される。
【0046】
集水された濃縮排水は供給溶液循環設備13を経由してメタン発酵設備15に流入する。メタン発酵設備15は濃縮排水を発酵してバイオガス及び消化液を生成し(S405)、バイオガスはエネルギーとして回収され、消化液は脱水設備16に流入する。脱水設備16は脱水処理を実行し、消化液を脱水ケーキ及びアンモニアを含む脱水ろ液に分離する。脱水ケーキは環境への負荷を低減するために園芸用土やセメント原料等に活用され、脱水ろ液は生物反応槽17に流入する。
【0047】
生物反応槽17は活性汚泥を有し、窒素除去活性汚泥法に基づいて生物処理、具体的に、硝化反応及び脱窒反応を実行する(S406)。これにより、脱水ろ液に含まれるアンモニアは亜硝酸や硝酸に変換された後に亜硝酸や硝酸を窒素に変換される。その後、脱アンモニア処理水に分散されている活性汚泥は脱アンモニア処理水から分離され、沈砂池11に移送される(S407)。沈砂池11に移送された移送対象余剰汚泥は沈砂池11に流入する排水中の金属イオンや有機物等を吸着する。一方、脱アンモニア処理水は、例えば、消毒されて河川等に放流され、本処理は終了する。
【0048】
本実施の形態の排水処理設備10によれば、FO膜ユニット21を備え、FO膜ユニット21は海洋中に浸漬されている。FO膜ユニット21は、FO膜31及びFO膜31を取り付けるための基本部材32を備え、FO膜31及び基本部材32によって形成される内部空間35を有し、その内部空間35には処理すべき排水が供給される。ここで、駆動溶液DSである海水は内部空間35に供給される排水の量に対して多量に存在するので、排水中の水分がFO膜31を透過して海水に移動しても、海水の溶質濃度は著しく低下しない。したがって、駆動溶液DSの濃度変化を予測して予め適切な溶質濃度の駆動溶液DSを調整する必要はなく、また、過度な高溶質濃度の駆動溶液DSを調整し且つその駆動溶液DSを適宜FO膜31に供給する必要もないため、安定して排水を処理することができる
【0049】
また、FO膜ユニット21は排水供給管33及び集水管34を備え、排水供給管33は内部空間35に対して複数の供給孔37を有するとともに、集水管34は内部空間35に対して複数の集水孔38を有する。これにより、排水は各供給孔37から内部空間35に供給され、各集水孔38から集水されるので、内部空間35内部に排水の流路を形成することができ、もって、規則的な排水処理を実行することができる。このとき、内部空間35は流路材36を有するので、例えば、排水や海水から受ける圧力に基づいてFO膜ユニット21が変形するのを防止することができる。
【0050】
さらに、海洋浸漬装置14はFO膜ユニット21及び浮子22を有する。これにより、例えば、海水の水位が変化した場合であっても、浮子22の浮力に基づいてFO膜ユニット21は海水の水面付近に位置するので、FO膜ユニット21のメンテナンスを容易にすることができる。また、海洋浸漬装置14及び防護網26は陸地及び防波堤27に囲まれた領域に浸漬されている。海水は防波堤27を通過するが、このとき、防波堤27は海波を抑制するので、海洋浸漬装置14及び防護網26が海波によって損傷するのを防止することができる。
【0051】
また、防波堤27は海水の海波を抑制するが、その海波は消失せず穏やかになる。穏やかな海波の海水がFO膜ユニット21に衝突すると、例えば、その穏やかな海波に基づいて、FO膜31に捕捉され且つFO膜31に付着した夾雑物及び溶解性物質がFO膜31の表面から剥落する。その結果、FO膜31に夾雑物及び溶解性物質が蓄積しにくくなり、FO膜31が排水中の水分を透過し且つ排水中の夾雑物及び溶解性物質を捕捉するFO膜31の本質的な性能を長期的に維持することができる。
【0052】
さらに、FO膜ユニット21のメンテナンスを容易にするために歩廊25が設置され、歩廊25は係留部25b及びメンテナンス部25dを有し、メンテナンス部25dは陸地接続部25a、係留部25b及びヒンジ25cを介して陸地に接続されている。これにより、メンテナンス部25dが台風等の自然災害の発生によって消失するのを防止することができる。また、メンテナンス部25dを陸地に接続するために、係留部25bを介在させればよいので、海上へのメンテナンス部25dを簡単に設置することができる。
【0053】
また、メタン発酵設備15は発酵槽を備え、発酵槽は濃縮排水を発酵するメタン菌を有する。メタン菌が濃縮排水を発酵すると、バイオガス及び発酵残渣である消化液が生成され、消化液は脱水されて脱水ケーキ及び脱水ろ液に分離される。脱水ろ液は、FO膜31が排水中のアンモニアの全量を捕捉しないために高濃度のアンモニアを含み、そのアンモニアは生物反応槽17で活性汚泥によって亜硝酸や硝酸に変換され、その後、亜硝酸や硝酸を窒素に変換される。これにより、メタン発酵設備15に高濃度のアンモニアが流入するのを防止することができる。その結果、発酵槽の内部の温度に関わらずメタン菌の活性は低下せず、アンモニア阻害は起こらないので、安定してバイオガスを生成することができる。
【0054】
なお、防波堤27を通過した海水の海波は穏やかになり、その海水がFO膜ユニット21に衝突することによってFO膜31の表面から夾雑物及び溶解性物質が剥落することを説明したが、穏やかな海波の海水がFO膜31の表面に衝突しても、FO膜31の表面から夾雑物及び溶解性物質が剥落せず、その結果、FO膜31の表面に夾雑物及び溶解性物質が蓄積してFO膜31の本質的な性能が失われる場合がある。
【0055】
これに対応して、FO膜31の洗浄機構(洗浄手段)を設置してもよい。具体的に、FO膜31の洗浄機構としてFO膜31の表面に気泡状の空気を供給する空気洗浄装置やFO膜31の表面に振動を供給する振動装置、FO膜31の周辺に水流を発生させる水流発生装置が設置される。気泡状の空気や振動がFO膜31の表面に供給され又は水流がFO膜31の周辺に発生すると、海水の海波がFO膜31の表面に衝突するよりも大きい負荷がFO膜31の表面にかかり、FO膜31の表面から夾雑物及び溶解性物が剥落してFO膜31の性能を回復することができる。
【0056】
また、FO膜31の洗浄機構としてFO膜31に対してアルカリ洗浄剤や酸性洗浄剤を供給する薬液洗浄装置が設置される。これにより、FO膜31の表面に蓄積した夾雑物及び溶解性物質がアルカリ洗浄剤や酸性洗浄剤によって溶解等され、FO膜31の表面から夾雑物及び溶解性物が除去されてFO膜31の性能を回復することができる。
【0057】
さらに、FO膜31の洗浄機構としてFO膜ユニット21に対して海水よりも溶質濃度の高い水溶液を洗浄溶液として供給する供給装置が設置される。これにより、排水の代わりに洗浄溶液が内部空間35に供給され、その結果、FO膜31が海水及び洗浄溶液の間に介在する。このとき、FO膜31が洗浄溶液から受ける圧力は海水から受ける圧力よりも低いので、海水の水分がFO膜31を透過し、FO膜31の表面から夾雑物及び溶解性物が剥落してFO膜31の性能を回復することができる。
【0058】
以上、本発明について、上述した実施の形態を用いて説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0059】
DS 駆動溶液
13 供給溶液循環設備
14 海洋浸漬装置
21 FO膜ユニット
22 浮子
31 FO膜
33 排水供給管
34 集水管
35 内部空間