(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-19
(45)【発行日】2024-06-27
(54)【発明の名称】基板処理システムの処理チャンバの整合を改善するための流量計測較正
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20240620BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20240620BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240620BHJP
G05D 7/06 20060101ALI20240620BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/205
H01L21/31 C
G05D7/06 Z
(21)【出願番号】P 2022515813
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 US2020050099
(87)【国際公開番号】W WO2021050663
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2023-08-28
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スピロプーロス・エバンゲロス・ティー.
(72)【発明者】
【氏名】アガーワル・ピユシュ
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-12872(JP,A)
【文献】特表2010-510491(JP,A)
【文献】特開2011-64707(JP,A)
【文献】特開2005-45210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/205
H01L 21/31
G05D 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オリフィス式流量計測システムの較正システムであって、
第1の較正ガス、第2の較正ガスおよび第3の較正ガスを選択して供給するためにバルブおよびマスフローコンローラを有するガスボックス;
第1の温度センサ、第1の圧力センサ、および第1のオリフィスサイズである第1のオリフィスを有する第1の計測システム;
第2の温度センサ、第2の圧力センサ、および前記第1のオリフィスサイズである第2のオリフィスを有する基準計測システム;
前記第1の温度センサおよび前記第2の温度センサを加熱するように構成された制御される熱源;
コントローラを含み、
前記コントローラは、
a)前記制御される熱源
に前記第1の温度センサおよび前記第2の温度センサをあらかじめ定められた動作温度範囲内の複数の温度まで加熱させ;
b)前記第1の温度センサが感知した第1の温度および前記第2の温度センサが感知した第2の温度に基いて第1の伝達関数を生成させ;
c)前記第1の較正ガスをあらかじめ定められた圧力範囲内の複数の圧力で供給させ、前記第1の圧力センサが感知した第1の圧力および前記第2の圧力センサが感知した第2の圧力に基いて第2の伝達関数を生成させ;
d)前記第1の計測システムおよび前記基準計測システムを用いて第1の複数の流量測定をあらかじめ定められた流量範囲内で実施させ、前記第1の計測システムおよび前記基準計測システムは、前記第1の較正ガスを使用し;
e)前記第1の伝達関数を使用して温度を較正させ、前記第2の伝達関数を使用して圧力を較正させ、前記第1の複数の流量測定に基づいて前記第1の較正ガスに対して対応する伝達関数を算出させる
ように構成される、較正システム。
【請求項2】
請求項1に記載の較正システムであって、前記コントローラはさらに、
f)前記第1の計測システムおよび前記基準計測システムを用いて第2の複数の流量測定をあらかじめ定められた流量範囲内で実施させ、前記第1の計測システムおよび前記基準計測システムは、分子量が前記第1の較正ガスの分子量とは異なる前記第2の較正ガスを使用し;
g)前記第1の伝達関数を使用して温度を較正させ、前記第2の伝達関数を使用して圧力を較正させ、前記第2の複数の流量測定に基づいて前記第2の較正ガスに対して対応する伝達関数を算出させる
ように構成される、較正システム。
【請求項3】
請求項2に記載の較正システムであって、前記第2の較正ガスの前記分子量は、前記第1の較正ガスの前記分子量よりも少ない、較正システム。
【請求項4】
請求項2に記載の較正システムであって、前記コントローラはさらに、
h)前記第1の計測システムおよび前記基準計測システムを用いて第3の複数の流量測定を前記あらかじめ定められた流量範囲内で実施させ、前記第1の計測システムおよび前記基準計測システムは、分子量が前記第1の較正ガスおよび前記第2の較正ガスの分子量とは異なる前記第3の較正ガスを使用し;
i)前記第1の伝達関数を使用して温度を較正させ、前記第2の伝達関数を使用して圧力を較正させ、前記第3の複数の流量測定に基づいて前記第3の較正ガスに対して対応する伝達関数を算出させる
ように構成される、較正システム。
【請求項5】
請求項2に記載の較正システムであって、前記第3の較正ガスの前記分子量は、前記第1の較正ガスおよび前記第2の較正ガスの前記分子量よりも多い、較正システム。
【請求項6】
請求項4に記載の較正システムであって、前記コントローラはさらに、
j)前記第1の較正ガス、前記第2の較正ガスおよび前記第3の較正ガスの少なくとも2つに対して、前記対応する伝達関数の伝達関数値の間で補間を実施することにより、追加のガスの対応する伝達関数を計算させる
ように構成される、較正システム。
【請求項7】
請求項6に記載の較正システムであって、前記コントローラは、1つ以上の追加のガスに対してa)からj)を繰り返すように構成される、較正システム。
【請求項8】
請求項6に記載の較正システムであって、前記コントローラは、サイズが前記第1のオリフィスサイズとは異なる別のオリフィスに対してa)からj)を繰り返すように構成される、較正システム。
【請求項9】
オリフィス式流量計測システムの較正システムであって、
第1の較正ガスを選択して供給するためにバルブおよびマスフローコンローラを有するガスボックス;
第1の温度センサ、第1の圧力センサ、および第1のオリフィスサイズである第1のオリフィスを有する第1の計測システム;
第2の温度センサ、第2の圧力センサ、および前記第1のオリフィスサイズである第2のオリフィスを有する基準計測システム;
前記第1の温度センサおよび前記第2の温度センサを加熱するように構成された制御される熱源;
コントローラを含み、
前記コントローラは、
a)前記制御される熱源に前記第1の温度センサおよび前記第2の温度センサを加熱させ;
b)前記第1の温度センサが感知した第1の温度および前記第2の温度センサが感知した第2の温度に基づいて第1の伝達関数を生成させ;
c)前記第1の圧力センサが感知した第1の圧力および前記第2の圧力センサが感知した第2の圧力に基づいて、前記第1の較正ガスを供給させるとともに第2の伝達関数を生成させ;
d)前記第1の伝達関数を用いて温度を較正させ、前記第2の伝達関数を用いて圧力を較正させる
ように構成される、較正システム。
【請求項10】
請求項9に記載の較正システムであって、
前記ガスボックスは、第2の較正ガスおよび第3の較正ガスを選択して供給するように構成され、
前記コントローラは、
a)において、前記制御される熱源に前記第1の温度センサおよび前記第2の温度センサをあらかじめ定められた動作温度範囲内の複数の温度まで加熱させ;
c)において、前記第1の較正ガスをあらかじめ定められた圧力範囲内の複数の圧力で供給させ、
d)よりも前に、e)前記第1の計測システムおよび前記基準計測システムを用いて第1の複数の流量測定をあらかじめ定められた流量範囲内で実施させ、前記第1の計測システムおよび前記基準計測システムは、前記第1の較正ガスを使用し;
d)において、前記第1の複数の流量測定に基づいて前記第1の較正ガスに対して対応する伝達関数を算出させる
ように構成される、較正システム。
【請求項11】
請求項10に記載の較正システムであって、前記コントローラはさらに、
f)前記第1の計測システムおよび前記基準計測システムを用いて第2の複数の流量測定を前記あらかじめ定められた流量範囲内で実施させ、前記第1の計測システムおよび前記基準計測システムは、分子量が前記第1の較正ガスの分子量とは異なる前記第2の較正ガスを使用し;
g)前記第1の伝達関数を使用して温度を較正させ、前記第2の伝達関数を使用して圧力を較正させ、前記第2の複数の流量測定に基づいて前記第2の較正ガスに対して対応する伝達関数を算出させる
ように構成される、較正システム。
【請求項12】
請求項11に記載の較正システムであって、前記第2の較正ガスの前記分子量は、前記第1の較正ガスの前記分子量よりも少ない、較正システム。
【請求項13】
請求項11に記載の較正システムであって、前記コントローラはさらに、
h)前記第1の計測システムおよび前記基準計測システムを用いて第3の複数の流量測定を前記あらかじめ定められた流量範囲内で実施させ、前記第1の計測システムおよび前記基準計測システムは、分子量が前記第1の較正ガスおよび前記第2の較正ガスの前記分子量とは異なる前記第3の較正ガスを使用し;
i)前記第1の伝達関数を使用して温度を較正させ、前記第2の伝達関数を使用して圧力を較正させ、前記第3の複数の流量測定に基づいて前記第3の較正ガスに対して対応する伝達関数を算出させる
ように構成される、較正システム。
【請求項14】
請求項11に記載の較正システムであって、前記第3の較正ガスの前記分子量は、前記第1の較正ガスおよび前記第2の較正ガスの前記分子量よりも多い、較正システム。
【請求項15】
請求項13に記載の較正システムであって、前記コントローラはさらに、
j)前記第1の較正ガス、前記第2の較正ガスおよび前記第3の較正ガスの少なくとも2つに対して、前記対応する伝達関数の伝達関数値の間で補間を実施することにより、追加のガスの対応する伝達関数を計算させる
ように構成される、較正システム。
【請求項16】
請求項15に記載の較正システムであって、前記コントローラは、1つ以上の追加のガスに対してa)からj)を繰り返すように構成される、較正システム。
【請求項17】
請求項15に記載の較正システムであって、前記コントローラは、サイズが前記第1のオリフィスサイズとは異なる別のオリフィスに対してa)からj)を繰り返すように構成される、較正システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、2019年9月11日に出願された米国特許出願第62/898,825号のPCT国際出願である。上記の出願の開示全体を参照して本願に援用する。
【0002】
本開示は、基板処理システムの流量計測に関し、さらに詳細には、基板処理システムの流量計測の較正に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書に記載している背景説明は、本開示の状況を全般に提示することを目的としている。この背景の項に記載している範囲で、現在明記している発明者の研究、および出願時に先行技術として適格ではない可能性がある説明の側面は、明示的にも黙示的にも本開示に対抗する先行技術であるとは認められない。
【0004】
基板処理システムは、半導体ウエハなどの基板のエッチング、堆積、および/またはその他の処理を実施するために使用されてよい。基板に実施されてよい処理の例には、エッチング、堆積および洗浄プロセスがあるが、これに限定されない。処理過程では、基板処理システムの処理チャンバ内で、ペデスタル、静電チャック(ESC)などの基板支持体の上に基板が配置される。ガス送給システムがガス混合物を処理チャンバの中に供給して基板を処理する。処理チャンバ内で化学反応を促進するためにプラズマが打たれてよい。イオンエネルギーを制御するために基板支持体にRFバイアスも供給されてよい。
【0005】
品質を改善し、欠陥を減らすために、1つ以上の計測システムを使用して処理チャンバの動作を確認してよい。例えば、流量計測システムを使用して、ガス混合物を供給しているガス送給システムのマスフローコンローラの流量を確認してよい。
【発明の概要】
【0006】
基板処理システムのガス流量計測システムを較正する方法が、a)第1の温度センサおよび基準温度センサを使用してあらかじめ定められた温度範囲にわたって温度を測定し、第1の伝達関数を算出すること;b)第1の圧力センサおよび基準圧力センサを使用してあらかじめ定められた圧力範囲にわたって、第1の較正ガスを使用して圧力を測定し、第2の伝達関数を算出すること;c)第1の計測システムおよび基準計測システムを用いて、あらかじめ定められた流量範囲内で第1の複数の流量測定を実施し、第1の計測システムおよび基準計測システムは、第1のオリフィスサイズおよび第1の較正ガスを使用すること;そしてd)第1の伝達関数を使用して温度をスケーリングし、第2の伝達関数を使用して圧力をスケーリングし、第1の複数の流量測定に基づいて第1の較正ガスに対応する伝達関数を算出することを含む。
【0007】
他の特徴として、本方法は、e)第1の計測システムおよび基準計測システムを用いて、あらかじめ定められた流量範囲内で第2の複数の流量測定を実施し、第1の計測システムおよび基準計測システムは、第1のオリフィスサイズおよび第2の較正ガスを使用し、第2の較正ガスは、分子量が第1の較正ガスの分子量とは異なることを含む。本方法は、f)第1の伝達関数を使用して温度をスケーリングし、第2の伝達関数を使用して圧力をスケーリングし、第2の複数の流量測定に基づいて第2の較正ガスに対応する伝達関数を算出することを含む。第2の較正ガスは、分子量が第1の較正ガスの分子量よりも少ない。
【0008】
他の特徴として、本方法は、g)第1の計測システムおよび基準計測システムを用いて、あらかじめ定められた流量範囲内で第3の複数の流量測定を実施し、第1の計測システムおよび基準計測システムは、第1のオリフィスサイズおよび第3の較正ガスを使用し、第3の較正ガスは、分子量が第1の較正ガスおよび第2の較正ガスの分子量とは異なることを含む。本方法は、h)第1の伝達関数を使用して温度をスケーリングし、第2の伝達関数を使用して圧力をスケーリングし、第3の複数の流量測定に基づいて第3の較正ガスに対応する伝達関数を算出することを含む。第3の較正ガスは、分子量が第1の較正ガスおよび第2の較正ガスの分子量よりも多い。
【0009】
他の特徴として、本方法は、(i)第1の較正ガス、第2の較正ガスおよび第3の較正ガスの少なくとも2つに対して、対応する伝達関数の伝達関数値の間で補間を実施することにより、追加のガスの対応する伝達関数を計算することを含む。補間は、第1の較正ガス、第2の較正ガスおよび第3の較正ガスの少なくとも2つの対応する分子量に対する追加のガスの分子量に基づく。温度の測定はさらに、制御される熱源を用いて、あらかじめ定められた温度範囲内で段階的に温度を上げることを含む。第1の計測システムおよび基準計測システムは、オリフィス式計測システムである。
【0010】
他の特徴として、本方法は、1つ以上の追加のガスに対してa)からi)を繰り返すことを含む。本方法は、第1のオリフィスサイズとは異なるサイズである別のオリフィスに対してa)からi)を繰り返すことを含む。
【0011】
オリフィス式流量計測システムの較正システムは、第1の較正ガス、第2の較正ガスおよび第3の較正ガスを選択して供給するためにバルブおよびマスフローコンローラを有するガスボックスを有する。第1の計測システムは、第1の温度センサ、第1の圧力センサおよび第1のオリフィスサイズである第1のオリフィスを有する。基準計測システムは、第2の温度センサ、第2の圧力センサおよび第1のオリフィスサイズである第2のオリフィスを有する。制御される熱源は、第1の温度センサおよび第2の温度センサを加熱するように構成される。コントローラは、a)制御される熱源が第1の温度センサおよび第2の温度センサをあらかじめ定められた動作温度範囲内の複数の温度まで加熱させ;b)第1の温度センサが感知した第1の温度および第2の温度センサが感知した第2の温度に基づいて第1の伝達関数を生成させ;c)第1の較正ガスをあらかじめ定められた圧力範囲内の複数の圧力で供給させ、第1の圧力センサが感知した第1の圧力および第2の圧力センサが感知した第2の圧力に基づいて第2の伝達関数を生成させ;d)第1の計測システムおよび基準計測システムを用いて第1の複数の流量測定をあらかじめ定められた流量範囲内で実施させ、第1の計測システムおよび基準計測システムは、第1の較正ガスを使用し;e)第1の伝達関数を使用して温度を較正させ、第2の伝達関数を使用して圧力を較正させ、第1の複数の流量測定に基づいて第1の較正ガスに対して対応する伝達関数を算出させるように構成される。
【0012】
他の特徴として、コントローラはさらに、f)第1の計測システムおよび基準計測システムを用いて第2の複数の流量測定をあらかじめ定められた流量範囲内で実施させ、第1の計測システムおよび基準計測システムは、分子量が第1の較正ガスの分子量とは異なる第2の較正ガスを使用し;g)第1の伝達関数を使用して温度を較正させ、第2の伝達関数を使用して圧力を較正させ、第2の複数の流量測定に基づいて第2の較正ガスに対して対応する伝達関数を算出させるように構成される。第2の較正ガスの分子量は、第1の較正ガスの分子量よりも少ない。
【0013】
他の特徴として、コントローラはさらに、h)第1の計測システムおよび基準計測システムを用いて第3の複数の流量測定をあらかじめ定められた流量範囲内で実施させ、第1の計測システムおよび基準計測システムは、分子量が第1の較正ガスおよび第2の較正ガスの分子量とは異なる第3の較正ガスを使用し;i)第1の伝達関数を使用して温度を較正させ、第2の伝達関数を使用して圧力を較正させ、第3の複数の流量測定に基づいて第3の較正ガスに対して対応する伝達関数を算出させるように構成される。第3の較正ガスの分子量は、第1の較正ガスおよび第2の較正ガスの分子量よりも多い。
【0014】
他の特徴として、コントローラはさらに、j)第1の較正ガス、第2の較正ガスおよび第3の較正ガスの少なくとも2つに対して、対応する伝達関数の伝達関数値の間で補間を実施することにより、追加のガスの対応する伝達関数を計算させるように構成される。コントローラは、1つ以上の追加のガスに対してa)からj)を繰り返すように構成される。コントローラは、サイズが第1のオリフィスサイズとは異なる別のオリフィスに対してa)からj)を繰り返すように構成される。
【0015】
本開示を適用できるさらに他の分野は、詳細な説明、特許請求の範囲、および図面から明らかになるであろう。詳細な説明および明細書の実施例は、例示のみを目的とすることを意図しており、本開示の範囲を限定する意図はない。
【0016】
本開示は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、基板処理システムの一例の機能ブロック図である。
【0018】
【
図2】
図2は、基板処理ツールの一例の機能ブロック図である。
【0019】
【
図3】
図3は、
図1および
図2のシステムで使用できる本開示によるガス送給システムの機能ブロック図である。
【0020】
【
図4】
図4は、本開示によるガスボックスの一例の機能ブロック図である。
【0021】
【
図5】
図5は、本開示による流量計測システムの一例の機能ブロック図である。
【0022】
【
図6】
図6は、本開示による
図5の流量計測システムに対する流量計測較正システムの一例の機能ブロック図である。
【0023】
【
図7A】
図7Aは、本開示による流量計測システムを較正する方法の例のフローチャートである。
【
図7B】
図7Bは、本開示による流量計測システムを較正する方法の例のフローチャートである。
【0024】
【
図8】
図8は、様々なガスの圧力の関数としての較正係数の一例を示すグラフである。
【0025】
【
図9】
図9は、様々なガスの圧力の関数としての誤差を示す例のグラフである。
【
図10】
図10は、様々なガスの圧力の関数としての誤差を示す例のグラフである。
【
図11】
図11は、様々なガスの圧力の関数としての誤差を示す例のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面では、同様の要素および/または同一の要素を識別するために符号を再度使用していることがある。
【0027】
マスフローコンローラ(MFC)の流量を確認するために、絶対流量検定(AFV)などのオリフィス式流量計測システムが使用されている。テストでは、ガスがマスフローコンローラ(MFC)、オリフィスの並び、およびポンプを通して供給される。オリフィスの並びは、複数の精密オリフィスを含んでいる。精密オリフィスのうちの1つは、使用するガスおよび流量範囲に対応するバルブを使用して選択される。
【0028】
流れが開始した後、選択した精密オリフィスの上流の圧力は、定常状態の圧力まで増加する。圧力は、マノメータなどの圧力センサによって監視される。圧力値は、経験に基づいて開発された、ガスごとにオリフィス圧力とガス流量の関係を示しているガス表に基づいて流量を算出するために使用される。温度変化を考慮し、MFCの実際のガス流量を算出するために、温度補正も適用してよい。AFVに関する追加の詳細は、本発明の譲受人に譲渡された2010年10月26日発行の米国特許第7,822,570号、発明の名称「Methods for Performing Actual Flow Verification」に見ることができ、本文献を参照してその全容を本願に援用する。
【0029】
オリフィスの選択は、ガスの種類および流量設定値に応じて行われる。正確な流量測定のために、オリフィスはチョーク流れの状態にある必要があり、オリフィス上流の圧力はあらかじめ定められた圧力範囲内にある必要がある。ガスの流れは、オリフィスの上流に位置するバルブを開け、他のオリフィスにつながっている他のバルブを閉じることによって、選択したオリフィスに向けられる。上流のオリフィスの圧力は、圧力が定常状態の圧力値に安定するまで監視される。定常状態の圧力値は、オリフィス圧力とガス流量の関係を示すガス表から流量を算出するために使用される。定常状態の温度も測定され、MFC流量を取得するためにガス表からの流量値に温度補正が適用される。
【0030】
前述のオリフィス式ガス計測システムのユニット間の繰り返し性の精度に影響を及ぼす可能性のある要因がいくつかある。1つの要因は、絶対流量を取得するためのガス表の精度に関するものである。別の要因は、ガス表を作成するのに使用していたゴールドスタンダードデバイスの性能を模倣するために温度センサ、圧力センサおよびその他のデバイスを調整することに関するものである。流量計測システムが調整されると、ユニット内の繰り返し性は、時間の経過に伴って起こり得るマノメータおよび温度センサのドリフトに影響される可能性がある。その他の誤差の原因として、潜在的なガス漏れや、粒子の汚染によるオリフィスの詰まりがある。これらの要因は、デバイスを確実に正常に保つために制御することができ、それによってオリフィス式計測システムが極めて正確で繰り返し可能な堅牢なものになる。
【0031】
一方、再現性に影響を及ぼし得る重要な要因がいくつかあるため、ユニット間の繰り返し性を達成することははるかに困難になる。オリフィスを通るチョークした内部ガスの流れでは、製造公差に起因するオリフィスの形状のわずかな形状変化(すなわち、オリフィスの孔のサイズのわずかな変化)は、圧力上昇に多大な変化をもたらす可能性があり、したがって、流量予測の精度に影響を与える可能性がある。チョーク流れの状態は圧力に線形に比例するため、マノメータ間の精度のばらつきも大きい。
【0032】
チョーク流れは、ガス温度の平方根にも比例する。流量の予測は、熱センサの温度変化1℃あたりおよそ+/-0.2%の影響を受ける可能性がある。製造された各オリフィス式計測システムを適切に調整することで、ユニット間の再現性もユニット内の正確な流れ予測も確実にする。
【0033】
ゴールドスタンダードデバイスとの一致をより良好にするために、各オリフィスに単一の較正係数(CF)を使用して、測定した圧力をスケーリングしてよい。CFは、あらかじめ定められたガス(すなわちN2などの不活性ガス)を使用してチョーク流れの状態で経験に基づいて算出される。この方法では、単一のガスが流れる状態で、較正に使用される特定のガスに対して優れた整合を実現できるが、他のガス流の設定値で、または他のガスに関して実際の(真の)質量流量を予測する際に、誤差および突然の急増をもたらす可能性がある。
【0034】
本開示による流量較正のためのシステムおよび方法は、流量計測のシステムとデバイスの整合および絶対流量の予測を最適化する。半導体用途の場合、本方法は、MFCの絶対流量測定およびチャンバ間の流量の整合性を改善する。
【0035】
本開示によれば、全体的な精度誤差の改善は、いくつかの工程を実施することによって達成される。温度センサをゴールド温度センサに一致させるために、各温度センサに対して別々の較正を実施する。ゴールドマノメータに一致させるために、各マノメータに対して別々の較正を実施する。ガス同士の特性の違いによるオリフィス同士の形状変化と流れの作用を考慮するために、別々の較正を実施する。
【0036】
較正パラメータは、自動較正設備を使用する製造過程で算出された離散伝達関数を使用して決定される。被試験ユニット(UUT)温度センサを較正する第1の較正工程では、UUT温度センサは、ゴールド温度センサの隣に一時的に接続される。制御される熱源が、計測システムのあらかじめ定められた動作温度範囲内で段階的に温度を徐々に上昇させる。必要に応じて、複数のセンサを接続して調整できる。
【0037】
離散伝達関数が各UUT温度センサに対して展開され、以下のように定義される。
【数1】
式中、TはUUTセンサからの温度読み取り値を指し、T
Gはゴールドセンサからの温度読み取り値を指す。UUT温度センサの読み取り値Tは、以下のようにゴールド温度センサの性能を模倣するようにスケーリングできる。
【数2】
次にUUTセンサは、マノメータの調整に備えてUUT計測システムに接続される。
【0038】
第2の較正工程では、UUTマノメータは、共通のマニホールドを作るためにゴールドマノメータと並列接続される。マニホールド内の圧力は、UUTマノメータおよびゴールドマノメータによって測定される。
【0039】
次に共通のマニホールドは、N
2(または任意の他のガス)などのあらかじめ定められた較正ガスを用いて多数の工程で徐々に加圧される。圧力が段階的に上昇するにつれて、ガスの運動エネルギーを排除し、ガスが静止したままで同じ圧力および温度の定常状態を達成するために、工程と工程の間に十分な時間が設けられる。ゴールドマノメータの読み取り値p
GおよびUUTマノメータの読み取り値pは、記録され、以下のように求められる圧力の関数として離散伝達関数が展開される。
【数3】
UUTマノメータの読み取り値pは、以下のようにゴールドマノメータの性能を模倣するようにスケーリングできる。
【数4】
【0040】
この時点で、明確に定義された離散伝達関数が展開されて、UUTマノメータと温度センサの特徴を明らかにして両者をゴールドスタンダードデバイスに一致させる。また、この調整方法により、将来故障した場合にマノメータまたは温度センサをその場で交換することが可能になり、計測システム全体を交換する必要がなくなり、それによってコストを削減し、潜在的なツールの中断時間を最小限に抑える。
【0041】
第3の較正工程では、システムは、精密オリフィスの形状のばらつきならびに流量およびガス特性のばらつきを考慮するために較正される。UUT計測システムがゴールド計測システムと並列接続されている状態では、適切なバルブを開閉することによって、MFCの流れが各オリフィスを通ることが可能になる。N2などのあらかじめ定められたガスを使用して一連の絶対流量測定を行う。各オリフィスの動作流量範囲全体をカバーするために、様々な流れ設定値で測定を行う。
【0042】
それぞれの測定は、最初にゴールドデバイスを使用して実施され、その後、測定はUUTデバイスを使用して繰り返される。UUT測定の場合、圧力は、温度センサおよび前の工程で算出されたマノメータ離散伝達関数を使用してスケーリングされる。次に、オリフィス圧力の関数として各オリフィスに対して離散伝達関数が展開され、以下のように定義される。
【数5】
【0043】
第3の較正工程は、軽質較正ガス(例えばHe)と重質較正ガス(例えばC
4F
8)を使用して繰り返される。それぞれの流量の事例に対してゴールドデバイスおよびUUTデバイスからの圧力および温度に基づいて同様の離散伝達関数が生み出される。
【数6】
【数7】
【0044】
用途に応じて、様々なまとまりの較正ガスを選定できる。ただし、半導体エッチングツールにはHe、N2およびC4F8が適しているが、それ以外の較正ガスも使用できる。
【0045】
前述したように製造過程で経験に基づいて伝達関数(例えば
【数8】
)を算出した後、任意の他のガスの較正関数を、ガスの分子量(MW)に基づく補間を使用して高精度で計算できる。例えば、任意の他のガスの較正関数は、ガスの分子量に基づく線形補間を使用して以下のように高精度で計算できる。
MW
gas>MW
N2である場合、
【数9】
である。
【0046】
同様に、MW
gas<MW
N2である軽質ガスの場合、
【数10】
である。
【0047】
言い換えれば、上記の例で説明したように、任意の他のガスに対する較正関数は、ガスの分子量がN2の分子量よりも多ければN2およびC4F8のあらかじめ定められた較正係数から計算でき、あるいはガスの分子量がN2の分子量よりも少なければN2およびHeのあらかじめ定められた較正係数から計算できる。
【0048】
いくつかの実施形態では、複数のあらかじめ定められたガスを基準として使用できる。それに応じてさらに高次の補間を使用でき、それによって任意の他のガスの較正関数を計算できる精度を高めることができる。あるいは、2つの較正ガス(分子量が少ない第1のガス(例えばHe)および分子量が比較的多い第2のガス(例えばC4F8))を所定ガスとして使用でき、式8または9と同様の単一の補間式を使用して補間を実行して、任意の分子量のガスの較正関数を計算できる。
【0049】
上記で定義した変動する較正係数を使用して、以下の式からはるかに高い精度でオリフィス圧力
【数11】
を較正できる。
【数12】
【0050】
定常状態に達すると、MFCの実際の流量の第1の推定値Qが、較正したガス圧力
【数13】
に基づいてゴールドユニットのガス表から抽出される。ガス表は、オリフィス圧力と絶対流量の関係を示しており、ゴールドユニットを何らかの所定温度T
gtで使用して事前に作成されたものである。そのため、ガス温度
【数14】
での実際の流量
【数15】
を取得するために、以下のように温度補正を適用する。
【数16】
【0051】
測定した温度を式2の較正方法を用いて調整し、測定した圧力を式10の較正方法を用いて調整することで、実際のMFC流量の測定をさらに高精度で実現する。いくつかの例では、提案した較正方法で、生産の流量計測ユニットの較正を+/-0.1%のユニット間の繰り返し性よりも大幅に改善する。
【0052】
以下の実験的試験データで示唆されるように、本開示による流量計測の較正は、生産装置の較正を大幅に改善し、ユニット間の性能のばらつきを+/-0.1%未満に低減する。MFCの流量の異常を修正するためにユニット間のばらつきがこのように減少することで、チャンバの整合性を改善する。
【0053】
さらに、提案した較正方法では、全ガスおよび全範囲での各生産ユニットと証明済みゴールド基準デバイスの性能との整合性が遥かに良好になるため、流量測定の精度が大幅に改善する。
【0054】
ここで
図1を参照すると、例示的な基板処理システム120が示されている。容量結合プラズマ(CCP)を使用するエッチング、化学蒸着または原子層堆積(ALD)の処理チャンバの一例を示しているが、本明細書に記載した流量計測のシステムおよび方法は、他のどのような種類のシステムまたは基板処理システムでも使用可能である。例えば、本明細書に記載した流量計測のシステムおよび方法は、遠隔プラズマまたは誘導結合プラズマ(ICP)を使用する基板処理システムで使用可能である。また、本明細書に記載したシステムおよび方法は、正確な流量計測を必要とする任意の他の半導体装置で使用可能である。
【0055】
基板処理システム120は、処理チャンバ122を含み、処理チャンバは、基板処理システム120の他の構成要素を取り囲み、RFプラズマ(使用する場合)を内包する。基板処理システム120は、上方電極124、および静電チャック(ESC)などの基板支持体126を含む。動作中、基板支持体126には基板128が配置される。
【0056】
単なる例として、上方電極124は、処理ガスを導入して分散させるシャワーヘッドなどのガス分散デバイス129を有していてよい。ガス分散デバイス129は、一方の端部が処理チャンバの上面に接続しているステム部分を有していてよい。ベース部分は全体的に筒状で、処理チャンバの上面から間隔をあけた位置でステム部分の反対側の端部から径方向外向きに延在している。シャワーヘッドのベース部分の基板に面する面またはフェースプレートは、複数の孔を有し、この孔を前駆体、反応物、エッチングガス、不活性ガス、キャリアガス、その他の処理ガスまたはパージガスが流れる。あるいは、上方電極124は、導電性プレートを有していてよく、処理ガスは、別の方法で導入されてよい。
【0057】
基板支持体126は、下方電極として作用するベースプレート130を有する。ベースプレート130は、加熱プレート132を支持し、加熱プレートは、セラミックのマルチゾーン加熱プレートに相当するものであってよい。加熱プレート132とベースプレート130との間に熱抵抗層134を配置してよい。ベースプレート130は、ベースプレート130を通る冷却剤を流すために1つ以上のチャネル136を有していてよい。
【0058】
プラズマを使用する場合、RF生成システム140が、上方電極124と下方電極(例えば支持体126のベースプレート130)のいずれか一方にRF電圧を生成し、出力する。上方電極124とベースプレート130のもう一方は、DC接地されるか、AC接地されるか、または浮動状態であってよい。単なる例として、RF生成システム140は、整合分散ネットワーク144を介して上方電極124またはベースプレート130に供給されるRF電力を発生させるRF源142を有していてよい。他の例では、プラズマは、誘導または遠隔で生成されてよい。
【0059】
通常のガス送給システム150は、1つ以上のガス源152-1、152-2...および152-N(総称してガス源152)を含み、Nは、ゼロよりも大きい整数である。ガス源152は、第1のバルブ154-1、154-2...および154-N(総称して第1のバルブ154)ならびにMFC156-1、156-2...および156-N(総称してMFC156)を介してマニホールド160に接続されている。第2のバルブ158-1、158-2...および158-N(総称して第2のバルブ158)は、MFC156とマニホールド160との間で使用されてよい。単一のガス送給システム150が示されているが、2つ以上のガス送給システムを使用できる。
【0060】
加熱プレート132に配置されている複数の熱制御要素(TCE)164に温度コントローラ163が接続されてよい。温度コントローラ163は、複数のTCE164を制御して基板支持体126および基板128の温度を制御するために使用されてよい。温度コントローラ163は、チャネル136を通る冷却剤の流れを制御するために冷却剤集合体166と通信していてよい。例えば、冷却剤集合体166は、冷却剤ポンプ、貯蔵部および/または1つ以上の温度センサを含んでいてよい。温度コントローラ163は、冷却剤集合体166を操作して冷却剤を選択してチャネル136に流して基板支持体126を冷却する。処理チャンバ122から反応物を排出するためにバルブ170およびポンプ172を使用してよい。基板処理システム120の構成要素を制御するためにシステムコントローラ178を使用してよい。
【0061】
流量計測システム180は、流量計測のためにバルブ182を介してマニホールド160の出口に選択して接続される。通常動作では、バルブ184が選択してマニホールド160を処理チャンバ122に接続する。
【0062】
ここで
図2を参照すると、本明細書に記載した流量計測のシステムおよび方法は、1つ以上の基板処理ツール210に供給されるガスの流量計測を実現してコストを削減するために使用可能である。基板処理ツール210の一例を示しているが、これ以外の基板処理ツールを使用できる。
【0063】
基板処理ツール210は、中心位置に配置されたロボット212を含む。ロボット212は、真空または大気圧で動作してよい。基板処理ツール210は、ロボット212の周りに配置された複数のステーション(または基板処理チャンバ)216-1、216-2...および216-S(総称してステーション216)を含む(Sは1よりも大きい整数)。ステーション216は、均一な角度でずれるか不規則な角度でずれて基板処理ツール210の中心の周りに配置されてよい。ステーション216の例は、堆積、エッチング、前洗浄、後洗浄、スピン洗浄などのうちの1つ以上を含んでいてよい。
【0064】
基板は、最初にカセット234に位置していてよい。一般に238で識別されるロボットおよびロードロックを使用して、基板をカセット234から基板処理ツール210に移動させてよい。処理が完了したとき、ロボットおよびロードロック238は、基板をカセット234および/または別のカセット239に戻してよい。以下でさらに説明するように、ガス送給システムがガスをステーションに供給し、流量計測システムがガス流を較正する。
【0065】
ここで
図3を参照すると、複数のガスボックス310-1、310-2...310-10(総称してガスボックス310)を有するガス送給システム300が示されている。10個のガスボックスが示されているが、ガス送給システム300は、追加のガスボックスまたはこれよりも少ないガスボックスを含むことができる。ガスボックス310-1、310-2...310-10は、第1のガスライン312-1、312-2...312-10(総称して第1のガスライン312)を介して流量計測システム180に接続されている。第1のガスライン312は、マニホールド313に接続され、次いで流量計測システム180につながれてよい。流量計測システム180からの戻りガスは、第2のガスライン314-1、314-2...314-10(総称して第2のガスライン314)を介してガスボックス310-1、310-2...310-10に接続されている。第2のガスライン314は、流量計測システム180からマニホールド315に流れ、ガスボックス310-1、310-2...310-10に接続されている個々のラインに分かれる。
【0066】
ガスライン316-1、316-2...316-10(総称してガスライン316)は、ガスボックス310-1、310-2...310-10の出力部を処理チャンバに接続する。いくつかの例では、クリーンドライエアの供給源(CDA)330もガスボックス310-1、310-2...310-10に接続していてよい。理解できるように、流量計測システム180は、ガスボックス310-1、310-2...310-10に共有されるか時間多重化され、それによってコストを削減する。
【0067】
ここで
図4を参照すると、ガスボックス310のうちの1つが示されている。ガス源410-1、410-2...および410-G(総称してガス源410)は、第一バルブ420-1、420-2...および420-G(Gは1よりも大きい整数)(総称して第一バルブ420)、マスフローコンローラ(MFC)430-1、430-2、...430-G(総称してMFC430)、および第二バルブ434-1、434-2...および434-G(総称して第二バルブ434)を含む流れ制御デバイスに接続されている。第二バルブ434の出力部は、混合マニホールド435に接続され、バルブ440、442および448に入力される。バルブ440、442は、流量計測システム180に接続されている。バルブ442は、ガスライン312の流量計測システム180に流れるガスにつながっている。バルブ440は、第2のガスライン314の流量計測システム180から戻るガスにつながっている。バルブ448は、ガスライン316に流れて処理チャンバまで流れるガスにつながっており、処理チャンバはガスボックス310につながっている。ガスラインの温度を感知するために1つ以上の温度センサ480を使用できる。いくつかの例では、ガスラインの一部は、抵抗性ヒータ(図示せず)で加熱される。
【0068】
ここで
図5を参照すると、流量計測システム180が示されている。流量計測システム180への入口Bは、バルブ510に接続されている。ガスボックスGB2、GB4、GB6、GB8およびGB10につながっている入口B’は、バルブ511に接続されている。バルブ510および511の出口は、マニホールド513を介して複数のガスライン518-1、518-2...および518-O(Oは1以上の整数)(総称してガスライン518)に接続されている。ガスライン518は、精密オリフィス520-1、520-2...および520-O(総称して精密オリフィス520)に接続されている。
【0069】
いくつかの例では、精密オリフィス520は、様々なオリフィスサイズを有する。精密オリフィス520は、オリフィスがあらかじめ定められた既知のサイズおよび形状を有していて遮るものがない場合、「精密」であるとみなされる。1つ以上の圧力センサ530は、精密オリフィスがチョーク流れ状態で動作しているときに、精密オリフィス520の上流の圧力を感知する。チョーク流れ状態は、ガスが音速で精密オリフィスを流れるときに起こる。精密オリフィスのうちの1つは、較正されるガスおよび流量に基づいて選択される。
【0070】
圧力センサ530は、バルブ510および511の出口および精密オリフィス520の入口に接続されている。例えば、1つ目の圧力センサ530は、第1の圧力範囲で動作し、2つ目の圧力センサ530は、第1の圧力範囲と同じであるか異なっている第2の圧力範囲で動作する。例えば、1つ目の圧力センサ530は、圧力を50Tまで測定し、2つ目の圧力センサ530は、圧力を500Tまで測定するが、これ以外の圧力範囲を使用できる。精密オリフィス520は、バルブ524-1、524-2...および524-O(総称してバルブ524)の入口に接続されている。バルブ524の出口は、一緒に接続され、ポンプ540に出力される。
【0071】
ここで
図6を参照すると、較正システム600が示されている。較正システム600は、圧力調節器632-1、632-2...632-Gおよび(総称して圧力調節器632)、フィルタ634-1、634-2...および634-G(総称してフィルタ634)、第一バルブ636-11...および636-GT(GおよびTは整数)(総称して第一バルブ636)、マスフローコンローラ(MFC)638-11...および638-GT(総称してMFC638)、および第二バルブ640-11...および640-GT(総称して第二バルブ640)を有するガスボックス620を含む。バルブ644は、バルブ640と基準流量計測システムまたはゴールド流量計測システム646の入口と較正中の流量計測システム650との間に配置される。ガスボックス620のコントローラ644は、第一バルブ636および第二バルブ640およびMFC638と通信し、これらを制御する。
【0072】
基準流量計測システムまたはゴールド流量計測システム646はコントローラ648を含み、較正中の流量計測システム650もコントローラ652を含む。コントローラ648、652は、バルブ、MFCを制御し、温度および圧力の信号を受け取る。コントローラ648、652は、ガス表も含む。基準流量計測システムまたはゴールド流量計測システム646の出口は、バルブ656を介してポンプ658に接続されている。較正中の流量計測システム650の出口は、バルブ654を介してポンプ658に接続されている。主要コントローラ670は、コントローラ644、648および652と通信し、較正を調整する。コンピュータ680は伝達関数を計算し、使用する較正ガス以外のガスの補間を実施する。
【0073】
制御される熱源694を使用して、UUT温度センサおよびゴールド温度センサ696および698をあらかじめ定められた動作温度範囲内の複数の温度まで制御しながら加熱できる。温度伝達関数は、測定した温度から生み出される。
【0074】
いくつかの例では、ガスボックス620は、様々な分子量の3つの較正ガス源に接続されている(すなわちN2、HeおよびC4F8)。これらの例で言い換えれば、G=3だが、追加の(G>3)較正ガス源またはこれよりも少ない(G=2)較正ガス源を使用できる。MFC638のうちの1つのみが一度に動作する。
【0075】
MFCを流れたガスは、間にあるバルブを使用してゴールド流量計測システム646および/またはUUT流量計測システム650に向かうことができる。ゴールド流量計測システムおよびUUT流量計測システム646、650は並列接続され、両ユニットはポンプ658に接続されている。ゴールド流量計測システムおよびUUT流量計測システム646、650のガス供給の溶接部または導管は、同じ長さ、内径および内容積で作製される。同様に、ゴールド流量計測システムおよびUUT流量計測システム646、650のポンプフォアライン溶接部または導管は、同じ長さ、内径および内容積で作製される。流れ較正システムは、主要コントローラ670によって制御される。
【0076】
ここで
図7Aおよび
図7Bを参照すると、流量計測システムを較正する方法700が示されている。710では、あらかじめ定められた動作温度範囲内の複数の温度でUUT温度センサおよびゴールド温度センサに対する第1の伝達関数を算出する。714では、第1の較正ガスを使用してあらかじめ定められた動作圧力範囲内の圧力でUUTマノメータおよびゴールドマノメータに対する第2の伝達関数を算出する。
【0077】
718では、流量計測システムおよびゴールド計測システムを用いて、第1の較正ガスを使用してあらかじめ定められた流量範囲内の複数の流量測定を行う。722では、測定した温度および圧力を(710および714で計算した)第1の伝達関数および第2の伝達関数を使用してスケーリングし、第1の較正ガスに対して第3の伝達関数またはオリフィス伝達関数を算出する。
【0078】
726では、流量計測システムおよびゴールド計測システムを用いて、(分子量が第1の較正ガスの分子量よりも軽い)第2の較正ガスを使用してあらかじめ定められた流量範囲内の複数の流量測定を行う。730では、測定した温度および圧力を(710および714で計算した)第1の伝達関数および第2の伝達関数を使用してスケーリングし、第2の較正ガスに対して第3の伝達関数またはオリフィス伝達関数を算出する。
【0079】
734では、流量計測システムおよびゴールド計測システムを用いて、(分子量が第1の較正ガスの分子量よりも重い)第3の較正ガスを使用してあらかじめ定められた流量範囲内の複数の流量測定を行う。738では、測定した温度および圧力を(710および714で計算した)第1の伝達関数および第2の伝達関数を使用してスケーリングし、第3の較正ガスに対して第3の伝達関数またはオリフィス伝達関数を算出する。
【0080】
較正ガスに対して第3の伝達関数またはオリフィス伝達関数を算出すると、分子量が較正ガスとは異なる他のガスに対してオリフィス伝達関数を算出するために方法750を使用できる。754では、本方法は、較正対象のガスの分子量が第1の較正ガスよりも少ないかどうかを判断する。754が真の場合、本方法は、ガス、第1の較正ガスおよび第2の較正ガスの分子量に基づいて第1の較正ガスと第2の較正ガスの伝達関数値の間を補間することによってガスのオリフィス伝達関数を生成する。754が偽の場合、本方法は、758で較正対象のガスの分子量が第1の較正ガスよりも多いかどうかを判断する。754が真の場合、本方法は、ガス、第1の較正ガスおよび第3の較正ガスの分子量に基づいて第1の較正ガスと第3の較正ガスの伝達関数値の間を補間することによってガスのオリフィス伝達関数を生成する。766では、本方法は、他のガスまたは精密オリフィスを較正する必要があるかどうかを判断する。766が真であれば、本方法は754に戻る。それ以外の場合、本方法は終了する。
【0081】
ここで
図8~
図10を参照すると、本明細書に記載した較正の利点および一様ではない較正方法の重要性を実験データで実証している。測定は、様々な分子量のガス(Heなどの軽質ガス、C
4F
8などの重質多原子、およびN
2、O
2、CF
4およびSF
6などの分子量が中位のガス)を使用して行われた。また、データは、流量効果を実証するために、作動しているオリフィスの圧力範囲全体にわたって0.015インチ(0.381ミリメートル)のIDオリフィスを使用して収集したものである。
【0082】
図8では、計算された伝達関数
【数17】
(本明細書ではオリフィス較正係数とも称する)のばらつきが示されている。
図8では、軽質ガスと重質ガスの間、および様々な圧力で大きなばらつきが見られる。オリフィス圧力が各ガスおよび流量に対応する較正係数でスケーリングされていない場合、
図9に示しているように、これが絶対流量予測に重大な誤差をもたらす可能性がある。パーセントの誤差は、MFC流量設定値に関して定義される。
【数18】
【0083】
例えばN
2、310Torrのデータ地点に基づいて単一の較正係数を使用する場合、絶対流量の誤差は、
図10に示したように-0.5%~0.3%以内に減少するが、動作圧力(流量設定値)でのガス内の変動やガス同士の相対差に改善はない。
【0084】
ここで
図11を参照すると、ガスごとおよびオリフィス圧力ごとに異なる伝達関数を用いて、一様ではない較正方法をテストした。前述したように、N
2、HeおよびC
4F
8ガスの較正係数は、計測システム工場での較正過程で実際の実験データに基づいて計算されるため、1になる。他のガスの場合、較正係数は、前述したように分子量に基づいて補間することによってN
2、C
4F
8およびHeのデータから算出される。
【0085】
図11に示しているように、提案した方法では、絶対流量予測の較正誤差を全ガスおよび全範囲にわたって+0.1%以内に大幅に減らすことができる。生産計測ユニットの性能とユニット間のばらつきを改善することで、チャンバの流量の整合性が改善されることが期待される。
【0086】
本開示は、動作流量範囲全体にわたって全処理ガスに対して半導体エッチングツールのチャンバの流量の整合性が良好になるようにオリフィス式流量計測システムの性能を最適化する高度な較正方法を提供する。この方法の利点として、製造されたオリフィス式計測システムのユニット間のばらつき(再現性)が大幅に改善され、チャンバの流量の整合性が良好になることが挙げられる。別の利点としては、実証されているゴールド流量計測基準を動作流量範囲全体にわたって全処理ガスに対してより簡潔に較正することにより、オリフィスの移動時に急増することなくMFC絶対流量測定の精度が大幅に改善されることが挙げられる。また、この方法により、精度を損なうことなく、計測ユニット全体を交換する必要なく、必要に応じてマノメータまたは温度センサを現場で交換することが可能になる(これによってコストとツールの中断時間が削減される)。
【0087】
以上の説明は、本質的には単なる例示であり、本開示、その用途、または使用を限定する意図は一切ない。本開示の広範な教示は、多様な形式で実施可能である。したがって、本開示は特定の例を含んでいるが、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を検討すれば他の修正が明らかになるため、本開示の実際の範囲をそれほど限定すべきではない。本開示の原理を変更しない限り、1つの方法の1つ以上の工程を異なる順序で(または同時に)実行してよいことを理解すべきである。さらに、各々の実施形態は、特定の特徴を有するものとして上記に説明されているが、本開示の任意の実施形態に関して記載したこれらの特徴の1つ以上は、他のいずれかの実施形態で実施可能であり、かつ/または他のいずれかの実施形態の特徴と組み合わせることができ、その組み合わせが明示的に記載されていなくてもよい。言い換えれば、記載した実施形態は、互いに排他的なものではなく、1つ以上の実施形態の互いの順列は、本開示の範囲内に収まる。
【0088】
要素間(例えばモジュール、回路要素、半導体層などの間)の空間的関係および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接する」、「~の隣に」、「~の上に」、「上」、「下」、および「配置された」をはじめとする様々な用語を使用して説明されている。「直接」であると明示的に記載されていない限り、第1の要素と第2の要素との関係が上記の開示に記載されている場合、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素がない直接の関係であり得るが、第1の要素と第2の要素との間に1つ以上の介在要素がある(空間的または機能的に)間接的な関係でもあり得る。本明細書で使用しているように、A、B、およびCの少なくとも1つという句は、非排他的論理ORを使用する論理(A OR B OR C)を意味すると解釈すべきであって、「Aの少なくとも1つと、Bの少なくとも1つと、Cの少なくとも1つ」を意味すると解釈すべきではない。
【0089】
いくつかの実施態様では、コントローラはシステムの一部であり、システムは、上記の例の一部であってよい。このようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、処理用の1つまたは複数のプラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハのペデスタル、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板を処理する前、その間、およびその後にシステムの動作を制御する電子機器と一体化していてよい。電子機器は、「コントローラ」と呼ばれてよく、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素またはサブパーツを制御してよい。コントローラは、処理ガスの供給、温度設定(例えば加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生ツールの設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体供給の設定、電位および動作の設定、ツールおよびその他の移送ツールの中へ、またはそこからのウエハ移送および/または特定のシステムに接続されているか、特定のシステムの境界となっているロードロックなど、本明細書に開示したいずれかの処理を、システムの処理要件および/または種類に応じて制御するようにプログラムされてよい。
【0090】
概して、コントローラは、命令を受け、命令を発し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどを行う、様々な集積回路、論理回路、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器であると定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を保存するファームウェア形態のチップ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)と定義されるチップ、および/または1つ以上のマイクロプロセッサ、またはプログラム命令(例えばソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを備えていてよい。プログラム命令は、半導体ウエハ上で、もしくは半導体ウエハ用に、またはシステムに対して、特定の処理を実行する動作パラメータを定義する様々な個別の設定(またはプログラムファイル)の形態でコントローラへと伝達される命令としてよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/またはウエハのダイを製造する過程で1つ以上の処理工程を達成するために処理エンジニアによって定義されたレシピの一部としてよい。
【0091】
コントローラは、いくつかの実施態様では、システムと一体化して結合しているか、システムと結合されているか、システムとネットワーク接続されているか、これらを組み合わせた状態であるコンピュータの一部であってもよいし、このコンピュータに結合していてもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」にあってもよいし、あるいはウエハ処理の遠隔アクセスを可能にできるファブホストコンピュータシステムの全体または一部であってもよい。コンピュータは、製造動作の現在の進捗を監視し、過去の製造動作の履歴を調査し、複数の製造動作から傾向または性能メトリックを調査し、現在の処理のパラメータを変更し、処理ステップを設定して現在の処理に従い、または新しい処理を始めるために、システムへの遠隔アクセスを可能にしてよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えばサーバ)は、ネットワークを介してシステムに処理レシピを提供でき、このネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザ境界を含んでいてよく、それらのパラメータおよび設定はその後、リモートコンピュータからシステムへ伝達される。いくつかの例では、コントローラは、1つ以上の動作中に実行される各々の処理工程に対するパラメータを指定するデータ形態の命令を受け取る。パラメータは、実行される処理の種類、およびコントローラがインターフェース接続するか制御するように構成されるツールの種類に対して固有のものとしてよいと理解すべきである。そのため、前述したように、一緒にネットワーク化され、本明細書に記載した処理および制御などの共通の目的に向かって機能する1つ以上の別個のコントローラを備えることなどによってコントローラを分散してよい。このようにするために分散したコントローラの例が、(例えばプラットホームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔地に位置する1つ以上の集積回路と通信するチャンバ上にあって、組み合わさってこのチャンバ上の処理を制御する1つ以上の集積回路であろう。
【0092】
非限定的に、システムの例には、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、析出チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに、半導体ウエハの製造および/または生産に関連するか使用されてよい任意のその他の半導体処理システムがあってよい。
【0093】
上記のように、ツールによって実行される1つまたは複数の処理工程に応じて、コントローラは、他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近隣のツール、工場全体に位置するツール、主要コンピュータ、別のコントローラ、または、ウエハの容器を、半導体製造工場内のツール位置および/または搭載ポートへ運び、そこから運び出す材料輸送に使用されるツールのうちの1つ以上のツールと通信することがあってよい。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
オリフィス式流量計測システムの較正システムであって、
第1の較正ガス、第2の較正ガスおよび第3の較正ガスを選択して供給するためにバルブおよびマスフローコンローラを有するガスボックス;
第1の温度センサ、第1の圧力センサ、および第1のオリフィスサイズである第1のオリフィスを有する第1の計測システム;
第2の温度センサ、第2の圧力センサ、および前記第1のオリフィスサイズである第2のオリフィスを有する基準計測システム;
前記第1の温度センサおよび前記第2の温度センサを加熱するように構成された制御される熱源;
コントローラを含み、
前記コントローラは、
a)前記制御される熱源が前記第1の温度センサおよび前記第2の温度センサをあらかじめ定められた動作温度範囲内の複数の温度まで加熱させ;
b)前記第1の温度センサが感知した第1の温度および前記第2の温度センサが感知した第2の温度に基いて第1の伝達関数を生成させ;
c)前記第1の較正ガスをあらかじめ定められた圧力範囲内の複数の圧力で供給させ、前記第1の圧力センサが感知した第1の圧力および前記第2の圧力センサが感知した第2の圧力に基いて第2の伝達関数を生成させ;
d)前記第1の計測システムおよび前記基準計測システムを用いて第1の複数の流量測定をあらかじめ定められた流量範囲内で実施させ、前記第1の計測システムおよび前記基準計測システムは、前記第1の較正ガスを使用し;
e)前記第1の伝達関数を使用して温度を較正させ、前記第2の伝達関数を使用して圧力を較正させ、前記第1の複数の流量測定に基づいて前記第1の較正ガスに対して対応する伝達関数を算出させる
ように構成される、較正システム。
適用例2:
適用例1の較正システムであって、前記コントローラはさらに、
f)前記第1の計測システムおよび前記基準計測システムを用いて第2の複数の流量測定をあらかじめ定められた流量範囲内で実施させ、前記第1の計測システムおよび前記基準計測システムは、分子量が前記第1の較正ガスの分子量とは異なる前記第2の較正ガスを使用し;
g)前記第1の伝達関数を使用して温度を較正させ、前記第2の伝達関数を使用して圧力を較正させ、前記第2の複数の流量測定に基づいて前記第2の較正ガスに対して対応する伝達関数を算出させる
ように構成される、較正システム。
適用例3:
適用例2の較正システムであって、前記第2の較正ガスの前記分子量は、前記第1の較正ガスの前記分子量よりも少ない、較正システム。
適用例4:
適用例2の較正システムであって、前記コントローラはさらに、
h)前記第1の計測システムおよび前記基準計測システムを用いて第3の複数の流量測定を前記あらかじめ定められた流量範囲内で実施させ、前記第1の計測システムおよび前記基準計測システムは、分子量が前記第1の較正ガスおよび前記第2の較正ガスの分子量とは異なる前記第3の較正ガスを使用し;
i)前記第1の伝達関数を使用して温度を較正させ、前記第2の伝達関数を使用して圧力を較正させ、前記第3の複数の流量測定に基づいて前記第3の較正ガスに対して対応する伝達関数を算出させる
ように構成される、較正システム。
適用例5:
適用例2の較正システムであって、前記第3の較正ガスの前記分子量は、前記第1の較正ガスおよび前記第2の較正ガスの前記分子量よりも多い、較正システム。
適用例6:
適用例4の較正システムであって、前記コントローラはさらに、
j)前記第1の較正ガス、前記第2の較正ガスおよび前記第3の較正ガスの少なくとも2つに対して、前記対応する伝達関数の伝達関数値の間で補間を実施することにより、追加のガスの対応する伝達関数を計算させる
ように構成される、較正システム。
適用例7:
適用例6の較正システムであって、前記コントローラは、1つ以上の追加のガスに対してa)からj)を繰り返すように構成される、較正システム。
適用例8:
適用例6の較正システムであって、前記コントローラは、サイズが前記第1のオリフィスサイズとは異なる別のオリフィスに対してa)からj)を繰り返すように構成される、較正システム。