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特許75075473D TSVパッケージのための配合物およびその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】3D TSVパッケージのための配合物およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C08L 63/00 20060101AFI20240621BHJP
   C08F 2/44 20060101ALI20240621BHJP
   C08F 291/10 20060101ALI20240621BHJP
   C08G 59/20 20060101ALI20240621BHJP
   C08K 3/011 20180101ALI20240621BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20240621BHJP
   C08K 5/101 20060101ALI20240621BHJP
   C08K 5/3415 20060101ALI20240621BHJP
   C09J 4/02 20060101ALI20240621BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20240621BHJP
   C09J 163/00 20060101ALI20240621BHJP
   H01L 21/60 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
C08L63/00 C
C08F2/44 C
C08F291/10
C08G59/20
C08K3/011
C08K3/013
C08K5/101
C08K5/3415
C09J4/02
C09J11/06
C09J163/00
H01L21/60 311Q
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2018517756
(86)(22)【出願日】2016-10-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-12-27
(86)【国際出願番号】 US2016055698
(87)【国際公開番号】W WO2017062586
(87)【国際公開日】2017-04-13
【審査請求日】2019-10-04
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-21
(31)【優先権主張番号】62/238,184
(32)【優先日】2015-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】バイ、 ジエ
(72)【発明者】
【氏名】フアン、 チャオホン
(72)【発明者】
【氏名】ジアン、 ホン
(72)【発明者】
【氏名】村田 容子
(72)【発明者】
【氏名】堀口 有亮
(72)【発明者】
【氏名】キム、 ヨンサン
(72)【発明者】
【氏名】高野 礼
【合議体】
【審判長】▲吉▼澤 英一
【審判官】海老原 えい子
【審判官】近野 光知
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/127179(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L63/00-63/10
C08K 3/00-13/08
C08G 59/00-59/72
C08F 2/00-2/60
H01L 23/00-23/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1~20重量%のエポキシ樹脂、
6~16重量%のマレイミド、ナジイミドまたはイタコンイミド、
4~12重量%のアクリレート、
0.1~2重量%のエポキシ硬化剤、および
30~75重量%の充填剤
を含む組成物であって、
前記エポキシ樹脂は、シロキサン変性エポキシ樹脂を含み、硬化して3次元ポリマーネットワークとなることができる熱硬化性樹脂であり;
前記マレイミド、ナジイミドまたはイタコンイミドは、モノマーまたはオリゴマーでありラジカル硬化を経てポリマーネットワークを形成することができ;
前記アクリレートは、モノマーまたはオリゴマーであり、ラジカル硬化を経てポリマーネットワークを形成することができ;
前記充填剤は、得られる組成物の熱膨張係数(CTE)を調節し;
前記組成物は、硬化したとき、
100℃~205℃のDSCオンセット;
直径1インチおよび厚さ1mmのサンプルを使用して、Aresレオメーターにより10℃/分の昇温速度で周波数10ラジアンにおいて測定した場合、200ポアズ~40,000ポアズの範囲の溶融粘度および130℃~180℃のゲル化温度を有する組成物。
【請求項2】
さらに、前記シロキサン変性エポキシ樹脂に加えて、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ナフタレンエポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビフェニルエポキシ樹脂、DCPDエポキシ樹脂、または変性エポキシ樹脂、並びにそれらの任意の2つ以上の組み合わせから選択される1または2以上のエポキシ樹脂を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
流動添加剤、接着促進剤、レオロジー調整剤、強化剤、フラックス剤、フィルム柔軟剤、エポキシ硬化触媒、硬化剤および/またはラジカル重合調節剤およびそれらの任意の2種以上の混合物の1種以上をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記フラックス剤が、
-金属表面の酸化物と反応し、溶融金属の濡れを促進し、および
-高温表面をコーティングし、その酸化を防止することによって酸素バリアとして作用する、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記フラックス剤が、カルボン酸、アルコール、ポリオール、ヒドロキシル酸またはヒドロキシル塩基である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記カルボン酸が、ロジンガム、ドデカン二酸、アジピン酸、セバシン酸、ポリセバシン酸ポリ無水物、マレイン酸、酒石酸またはクエン酸である、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記フラックス剤が、ポリオールである、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記接着促進剤が、前記組成物の基板表面への接着を増加させる、請求項3に記載の組成物。
【請求項9】
前記強化剤が、前記組成物の材料脆性を低下させ、その耐衝撃性を増加させる、請求項3に記載の組成物。
【請求項10】
前記シロキサン変性エポキシ樹脂が、その反応を促進するのに適した条件下で、以下の成分の組み合わせを接触させることによって製造される、請求項1に記載の組成物。
【化3】
(式中、
「n」は1~4の範囲内にある。)
【請求項11】
前記マレイミド、ナジイミドまたはイタコンイミドは、以下の構造およびその2種以上の組み合わせを有する、請求項1に記載の組成物。
【化4】
(式中、
mは1~15であり、
pは、0~15であり、
各Rは、独立して水素またはC1~5の低級アルキルから選ばれ、および
Jは、以下:
-典型的には、6から500個までの範囲の炭素原子を有するヒドロカルビル種または置換ヒドロカルビル種であり、ヒドロカルビル種が、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルケニルアリール、アリールアルキニル、またはアルキニルアリールから選択される、ヒドロカルビル種
-典型的には、6から500個までの範囲の炭素原子を有するヒドロカルビレン種または置換ヒドロカルビレン種であり、ヒドロカルビレン種が、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、アリーレン、アルキルアリーレン、アリールアルキレン、アリールアルケニレン、アルケニルアリーレン、アリールアルキニレン、またはアルキニルアリーレンから選択される、ヒドロカルビレン種
-典型的には、6から500個までの範囲の炭素原子を有する複素環または置換複素環種
-ポリシロキサンまたは
-ポリシロキサン-ポリウレタンブロックコポリマーならびに
以下から選択されるリンカーを有する、1以上の上記の組み合わせ:
共有結合、-O-、-S-、-NR-、-NR-C(O)-、-NR-C(O)-O-、-NR-C(O)-NR-、-S-C(O)-、-S-C(O)-O-、-S-C(O)-NR-、-O-S(O)-、-O-S(O)-O-、-O-S(O)-NR-、-O-S(O)-、-O-S(O)-O-、-O-S(O)-NR-、-O-NR-C(O)-、-O-NR-C(O)-O-、-O-NR-C(O)-NR-、-NR-O-C(O)-、-NR-O-C(O)-O-、-NR-O-C(O)-NR-、-O-NR-C(S)-、-O-NR-C(S)-O-、-O-NR-C(S)-NR-、-NR-O-C(S)-、-NR-O-C(S)-O-、-NR-O-C(S)-NR-、-O-C(S)-、-O-C(S)-O-、-O-C(S)-NR-、-NR-C(S)-、-NR-C(S)-O-、-NR-C(S)-NR-、-S-S(O)-、-S-S(O)-O-、-S-S(O)-NR-、-NR-O-S(O)-、-NR-O-S(O)-O-、-NR-O-S(O)-NR-、-NR-O-S(O)-、-NR-O-S(O)-O-、-NR-O-S(O)-NR-、-O-NR-S(O)-、-O-NR-S(O)-O-、-O-NR-S(O)-NR-、-O-NR-S(O)-O-、-O-NR-S(O)-NR-または-O-NR-S(O)-(式中、各Rは、独立して水素、アルキルまたは置換アルキルである))
から選択される一価または多価の基である。)
【請求項12】
Jが、オキシアルキル、チオアルキル、アミノアルキル、カルボキシアルキル、オキシアルケニル、チオアルケニル、アミノアルケニル、カルボキシアルケニル、オキシアルキニル、チオアルキニル、アミノアルキニル、カルボキシアルキニル、オキシシクロアルキル、チオシクロアルキル、アミノシクロアルキル、カルボキシシクロアルキル、オキシクロアルケニル、チオシクロアルケニル、アミノシクロアルケニル、カルボキシシクロアルケニル、複素環、オキシ複素環、チオ複素環、アミノ複素環、カルボキシ複素環、オキシアリール、チオアリール、アミノアリール、カルボキシアリール、ヘテロアリール、オキシヘテロアリール、チオヘテロアリール、アミノヘテロアリール、カルボキシヘテロアリール、オキシアルキルアリール、チオアルキルアリール、アミノアルキルアリール、カルボキシアルキルアリール、オキシアリールアルキル、チオアリールアルキル、アミノアリールアルキル、カルボキシアリールアルキル、オキシアリールアルケニル、チオアリールアルケニル、アミノアリールアルケニル、カルボキシアリールアルケニル、オキシアルケニルアリール、チオアルケニルアリール、アミノアルケニルアリール、カルボキシアルケニルアリール、オキシアリールアルキニル、チオアリールアルキニル、アミノアリールアルキニル、カルボキシアリールアルキニル、オキシアルキニルアリール、チオアルキニルアリール、アミノアルキニルアリール又はカルボキシアルキニルアリール、オキシアルキレン、チオアルキレン、アミノアルキレン、カルボキシアルキレン、オキシアルケニレン、チオアルケニレン、アミノアルケニレン、カルボキシアルケニレン、オキシアルキニレン、チオアルキニレン、アミノアルキニレン、カルボキシアルキニレン、オキシシクロアルキレン、チオシクロアルキレン、アミノシクロアルキレン、カルボキシシクロアルキレン、オキシシクロアルケニレン、チオシクロアルケニレン、アミノシクロアルケニレン、カルボキシシクロアルケニレン、オキシアリーレン、チオアリーレン、アミノアリーレン、カルボキシアリーレン、オキシアルキルアリーレン、チオアルキルアリーレン、アミノアルキルアリーレン、カルボキシアルキルアリーレン、オキシアリールアルキレン、チオアリールアルキレン、アミノアリールアルキレン、カルボキシアリールアルキレン、オキシアリールアルケニレン、チオアリールアルケニレン、アミノアリールアルケニレン、カルボキシアリールアルケニレン、オキシアルケニルアリーレン、チオアルケニルアリーレン、アミノアルケニルアリーレン、カルボキシアルケニルアリーレン、オキシアリールアルキニレン、チオアリールアルキニレン、アミノアリールアルキニレン、カルボキシアリールアルキニレン、オキシアルキニルアリーレン、チオアルキニルアリーレン、アミノアルキニルアリーレン、カルボキシアルキニルアリーレン、ヘテロアリーレン、オキシヘテロアリーレン、チオヘテロアリーレン、アミノヘテロアリーレン、カルボキシヘテロアリーレン、ヘテロ原子含有二価又は多価環状部分構造、オキシヘテロ原子含有二価又は多価環状部分構造、チオヘテロ原子含有二価又は多価環状部分構造、アミノヘテロ原子含有二価又は多価環状部分構造、又はカルボキシヘテロ原子含有二価又は多価環状部分構造である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
有機希釈剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
さらに、
少なくとも1重量%のフラックス剤、
少なくとも0.1重量%の接着促進剤および/または
少なくとも4重量%の強化剤
の1種以上を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
請求項1に記載の組成物の硬化反応生成物を含むアンダーフィルフィルム。
【請求項16】
85%の相対湿度で85℃に2日間暴露したとき、フィルムが2重量%未満の水分を吸収する、請求項15に記載のアンダーフィルフィルム。
【請求項17】
フィルムが硬化後に熱機械分析(TMA)によって測定された80℃を超えるTgを有するBステージフィルムである、請求項15に記載のアンダーフィルフィルム。
【請求項18】
SiNダイ/PIダイ/SiO(サイズ:3.81×3.81×700mm)で試験した場合、260℃におけるフィルムのダイシェアが、少なくとも5kg/cmであり、ここでダイは、BT基板上に120℃/1kg重/5秒で取り付け、次いで室温から175℃まで30分かけて温度を上昇させることにより硬化させ、次いで175℃で5時間保持する、請求項15に記載のアンダーフィルフィルム。
【請求項19】
アンダーフィルフィルムを調製する方法であって、請求項1に記載の組成物を好適な基板に塗布した後に硬化させることを含む方法。
【請求項20】
請求項15に記載のアンダーフィルフィルムを含む物品であって、そのための好適な基板に接着された物品。
【請求項21】
好適な基板が、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ガラス、窒化ケイ素パッシベーションを有するSiダイ、ポリイミドパッシベーションを有するSiダイ、BT基板、ベアSi、SR4基板、またはSR5基板である、請求項20に記載の物品。
【請求項22】
物品がフリップチップパッケージ、スタックダイ、ハイブリッドメモリキューブ、またはTSVデバイスである、請求項20に記載の物品。
【請求項23】
SiNダイ/PIダイ/SiO(サイズ:3.81×3.81×700mm)で試験した場合、基板に対するアンダーフィルムの接着が、少なくとも5kg/cmであり、ここでダイは、BT基板上に120℃/1kg重/5秒で取り付け、次いで室温から175℃まで30分かけて温度を上昇させることにより硬化させ、次いで175℃で5時間保持する、請求項20に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元シリカ貫通ビア(TSV)パッケージのためのウェハレベルアンダーフィル(WAUF)の調製のための混合樹脂システムおよびその使用方法に関する。一態様では、本発明は、少なくとも(1)エポキシ樹脂、(2)マレイミド、ナジイミドまたはイタコンイミド、(3)アクリレートおよび(4)充填剤の組合せを含む組成物に関する。特定の態様では、エポキシ樹脂はシロキサン変性樹脂である。特定の態様では、本発明は、本発明の組成物から調製されたアンダーフィルフィルムに関する。特定の態様では、本発明は、本明細書に記載のアンダーフィルフィルムを含む物品に関する。特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の配合物の硬化したアリコート(Aliquot)によって第2の物品に永続的に接着された第1の物品を含むアセンブリに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明によれば、3次元シリカ貫通ビア(TSV)パッケージのためのウェハレベルアンダーフィル(WAUF)の調製のための混合樹脂系およびその使用方法が提供される。
【0003】
一態様では、少なくとも(1)エポキシ樹脂、(2)マレイミド、ナジイミドまたはイタコンイミド、(3)アクリレートおよび(4)充填剤の組み合わせを含む組成物を提供する。特定の態様では、エポキシ樹脂は、シロキサン変性樹脂である。
【0004】
特定の態様では、本発明の組成物により調製されたアンダーフィルフィルムが提供される。
【0005】
特定の態様では、本明細書に記載のアンダーフィルフィルムを含む物品が提供される。
【0006】
特定の態様では、本明細書に記載の配合物の硬化したアリコートによって第2の物品に永続的に接着された第1の物品を含むアセンブリが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明による配合物を使用したウェーハレベルアンダーフィル(WAUF)を適用するために使用される例示的な工程のフローチャートを示す。
図2図2は、種々の配合物についての溶融粘度データを示す。走査温度が対象材料のオンセットゲル化温度に達すると、その溶融粘度は5℃の温度範囲内で著しく上昇し、材料はゲルになる。
図3図3は、いくつかの配合物の示差走査熱量測定(DSC)データを示す。全ての配合物は、鋭いDSCオンセットを示し、「DSCオンセット」温度と「DSCピーク」温度との間のデルタTは15℃未満である。
図4図4は、本発明による配合物を用いて調製したフィルムのアセンブリおよび信頼性試験のための例示的なプロセスフローを示す。
図5図5は、本発明による配合物の適用試験結果を示す。アンダーフィルフィルム材料は、良好なダイコーナーカバレッジ、ギャップ充填、および電気相互接続ジョイント形成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(発明の詳細な説明)
本発明によれば、
エポキシ樹脂;
マレイミド、ナジイミドまたはイタコンイミド;
アクリレート;および
充填剤を含む組成物であって、
エポキシ樹脂は、硬化して3次元ポリマーネットワークとなることができる熱硬化性樹脂であり;
マレイミド、ナジイミドまたはイタコンイミドは、モノマーまたはオリゴマーであり、ラジカル硬化を経てポリマーネットワークを形成することができ;
アクリレートはモノマーまたはオリゴマーであり、ラジカル硬化を経てポリマーネットワークを形成することができ;
充填剤は、得られる組成物の熱膨張係数(CTE)を調節し、;
組成物は、硬化したとき、100℃~205℃のDSCオンセット;
直径1インチおよび厚さ1mmのサンプルを使用して、Aresレオメーターにより10℃/分の昇温速度で周波数10ラジアンにおいて測定した場合、200ポアズ~40,000ポアズの範囲の融点粘度および130℃~180℃のゲル化温度を有する組成物を提供する。
【0009】
いくつかの実施形態では、DSCオンセットは、120℃~205℃の範囲にあり、いくつかの実施形態では、DSCオンセットは140℃~205℃の範囲にあり、いくつかの実施形態では、DSCオンセットは160℃~205℃の範囲にあり、いくつかの実施形態では、DSCオンセットは180℃~205℃の範囲にある。
【0010】
いくつかの実施形態では、溶融粘度は、200ポアズ~20,000ポアズの範囲にあり、いくつかの実施形態では、溶融粘度は200ポアズ~10,000ポアズの範囲にあり、いくつかの実施形態では、溶融粘度は200ポアズ~5,000ポアズの範囲にあり、いくつかの実施形態では、溶融粘度は200ポアズ~1000ポアズの範囲にある。
【0011】
いくつかの実施形態において、直径1インチおよび厚さ1mmのサンプルを使用して、Aresレオメーターにより10℃/分の昇温速度で周波数10ラジアンにおいて測定した場合、ゲル化温度は、140℃~180℃の範囲内にある。いくつかの実施形態では、ゲル化温度は140℃~170℃の範囲にあり、いくつかの実施形態では、ゲル化温度は150℃~180℃の範囲内にあり、いくつかの実施形態ではゲル化温度は150℃~170℃の範囲内にある。
【0012】
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記のように、他の成分の中にエポキシ成分を含む。 本明細書において、多種多様なエポキシ官能化樹脂の使用が企図され、例えば、ビスフェノールAをベースとする液状エポキシ樹脂、ビスフェノールAをベースとする固形状エポキシ樹脂、ビスフェノールFをベースとする液状エポキシ樹脂(例えば、Epiclon EXA-835LV)、フェノール-ノボラック樹脂をベースとする多官能性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(例えば、Epiclon HP-7200L)、ナフタレン型エポキシ樹脂等、及びそれらのいずれか2種以上の混合物である。
【0013】
本明細書において使用が企図される例示的なエポキシ官能化樹脂としては、脂環式アルコールのジエポキシド、水素化ビスフェノールA(Epalloy 5000として市販されている)、ヘキサヒドロフタル酸無水物の二官能性脂環式グリシジルエステル(Epalloy 5200として市販されている)、Epiclon EXA-835LV、Epiclon HP-7200L等、並びにそれらのいずれか2種以上の混合物が挙げられる。
【0014】
特定の実施形態では、エポキシ成分は、2種以上の異なるビスフェノール系エポキシの組み合わせを含んでもよい。これらのビスフェノール系エポキシは、ビスフェノールA、ビスフェノールF、若しくはビスフェノールSエポキシ、又はそれらの組み合わせから選択してもよい。加えて、同じタイプの樹脂(例えば、A、F、又はS)内の2種以上の異なるビスフェノールエポキシを使用してもよい。
【0015】
本明細書において使用が企図されるビスフェノールエポキシの市販の例としては、ビスフェノールF型エポキシ(例えば、日本化薬(Nippon Kayaku)、日本からのRE-404-S、並びに大日本インキ化学工業(Dai Nippon Ink & Chemicals, Inc.)からのEPICLON 830(RE1801)、830S(RE1815)、830A(RE1826)、及び830W、並びにResolutionからのRSL 1738及びYL-983U)、並びにビスフェノールA型エポキシ(例えば、ResolutionからのYL-979及び980)が挙げられる。
【0016】
Dai Nipponから市販されている上記のビスフェノールエポキシは、ビスフェノールAエポキシをベースとする従来のエポキシよりもはるかに低い粘度を有する液体非希釈型エピクロロヒドリン-ビスフェノールFエポキシとして推奨されており、かつ、液体ビスフェノールAエポキシと類似した物性を有する。ビスフェノールFエポキシは、ビスフェノールAエポキシよりも低い粘度を有するが、その他の点ではこの2つの型のエポキシは同じであり、より粘度の低い、ひいては高流速のアンダーフィルシーラント材料を提供する。これら4つのビスフェノールFエポキシのEEWは、165~180である。25℃における粘度は、3,000~4,500cps(その粘度上限が4,000cpsであるRE1801を除く)である。加水分解性塩素含量は、RE1815及び830Wについては200ppm、そしてRE1826については100ppmと報告されている。
【0017】
Resolutionから市販されている上記のビスフェノールエポキシは、低塩素含量液体エポキシとして推奨されている。ビスフェノールAエポキシは、180~195のEEW(g/eq)、及び25℃で100~250cpsの粘度を有する。YL-979の全塩素含量は、500~700ppm、そしてYL-980の全塩素含量は、100~300ppmと報告されている。ビスフェノールFエポキシは、165~180のEEW(g/eq)、及び25℃で30~60の粘度を有する。RSL-1738の全塩素含量は、500~700ppm、そしてYL-983Uの全塩素含量は、150~350ppmと報告されている。
【0018】
ビスフェノールエポキシに加えて、本発明の配合物のエポキシ成分として、他のエポキシ化合物の使用が企図される。例えば、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキシルカーボネートのような脂環式エポキシを使用することができる。また、得られる樹脂材料の粘度を調整するため及び/又はTgを下げるために、単官能性、二官能性、又は多官能性反応剤希釈剤を使用してもよい。例示的な反応性希釈剤としては、ブチルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールグリシジルエーテル、又はポリプロピレングリコールグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0019】
本明細書における使用に好適なエポキシとしては、フェノール化合物のポリグリシジル誘導体、例えば、商品名EPONで市販されているもの、例えば、ResolutionからのEPON 828、EPON 1001、EPON 1009、EPON 1031;Dow Chemical Co.からのDER 331、DER 332、DER 334、及びDER 542;並びに、日本化薬からのBREN-Sが挙げられる。他の好適なエポキシとしては、ポリオール等から調製されるポリエポキシド、及び、フェノール-ホルムアルデヒドノボラックのポリグリシジル誘導体が挙げられ、後者は、例えば、Dow ChemicalからのDEN 431、DEN 438、及びDEN 439である。クレゾール類似体もまた、商品名ARALDITEで、例えば、Ciba Specialty Chemicals CorporationからのARALDITE ECN 1235、ARALDITE ECN 1273、及びARALDITE ECN 1299が市販されている。SU-8は、Resolutionから入手可能なビスフェノールA型エポキシノボラックである。アミン、アミノアルコール、及びポリカルボン酸のポリグリシジル付加物もまた本発明において有用であり、その市販の樹脂としては、F.I.C CorporationからのGLYAMINE 135、GLYAMINE 125、及びGLYAMINE 115;Ciba Specialty ChemicalsからのARALDITE MY-720、ARALDITE 0500、及びARALDITE 0510、並びにSherwin-Williams Co.からのPGA-X及びPGA-Cが挙げられる。
【0020】
本明細書において場合により使用するための好適な単官能性エポキシ共反応性希釈剤としては、エポキシ成分の粘度よりも低い、通常、約250cps未満の粘度を有するものが挙げられる。
【0021】
単官能性エポキシ共反応性希釈剤は、炭素原子が約6~約28個のアルキル基を有するエポキシ基を有するべきであり、その例としては、C6-28アルキルグリシジルエーテル、C6-28脂肪酸グリシジルエステル、C6-28アルキルフェノールグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0022】
そのような単官能性エポキシ共反応性希釈剤が含まれる場合、かかる共反応性希釈剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.5重量パーセント~約10重量パーセントの量で用いられるべきであり;いくつかの実施形態では、かかる共反応性希釈剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.25重量パーセント~約5重量パーセントの量で用いられるべきである。
【0023】
エポキシ成分は、組成物中に、約1重量パーセント~約20重量パーセントの範囲の量で存在すべきであり;いくつかの実施形態では、本発明の配合物は、約2重量パーセント~約18重量パーセントのエポキシを含み;いくつかの実施形態では、本発明の配合物は、約5~約15重量パーセントのエポキシを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、本明細書において用いられるエポキシ成分は、シラン変性エポキシ、例えば、以下を含む組成物である:
(A)下記構造に包含されるエポキシ成分:
【0025】
【化1】
(式中:
Yは、存在しても、又は存在しなくてもよく、そしてYが存在する場合、Yは、直接結合、CH、CH(CH、C=O、又はSであり、
ここでのRは、アルキル、アルケニル、ヒドロキシ、カルボキシ、及びハロゲンであり、そして
ここでのxは、1~4である);
(B)下記構造に包含されるエポキシ官能化アルコキシシラン:
【0026】
【化2】
(式中、
は、オキシラン含有部分構造であり、そして
は、1~10個の炭素原子を有する、アルキル若しくはアルコキシ置換アルキル、アリール、又はアラルキル基である);及び
(C)成分(A)と成分(B)との反応生成物。
【0027】
そのようなシラン変性エポキシの例は、芳香族エポキシ、例えば、ビスフェノールA、E、F、若しくはSエポキシ、又はビフェニルエポキシと、エポキシシランと、の反応生成物として形成され、ここで、該エポキシシランは以下の構造に包含される:
【0028】
【化3】
(式中、
は、オキシラン含有部分構造であり、その例としては、2-(エトキシメチル)オキシラン、2-(プロポキシメチル)オキシラン、2-(メトキシメチル)オキシラン、及び2-(3-メトキシプロピル)オキシランが挙げられ、そして
は、1~10個の炭素原子を有する、アルキル若しくはアルコキシ置換アルキル、アリール、又はアラルキル基である)。
【0029】
一実施形態では、Rは2-(エトキシメチル)オキシランであり、そしてRはメチルである。
【0030】
シラン変性エポキシを調製するために使用される芳香族エポキシの理想的な構造としては、
【0031】
【化4】
(式中、
Yは、存在しても、又は存在しなくてもよく、そしてYが存在する場合、Yは、直接結合、CH、CH(CH、C=O、又はSであり、
は、アルキル、アルケニル、ヒドロキシ、カルボキシ、又はハロゲンであり、そして
xは、1~4である)
が挙げられる。
【0032】
当然ながら、xが2~4である場合、芳香族エポキシの鎖延長型もこの構造に包含されるものと企図される。
【0033】
例えば、芳香族エポキシの鎖延長型は、下記構造:
【0034】
【化5】
に包含され得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、シロキサン変性エポキシ樹脂は、構造:
【0036】
【化6】
(式中:
Zは、
【化7】
であり、そして
nは、約1~4の範囲に入る)
を有する。
【0037】
いくつかの実施形態では、シロキサン変性エポキシ樹脂は、その反応を促進するのに好適な条件下で、以下の成分の組み合わせを接触させることによって製造される。
【0038】
【化8】
(式中、「n」は、約1~4の範囲に入る)
【0039】
シラン変性エポキシはまた、芳香族エポキシ、エポキシシラン、及び芳香族エポキシとエポキシシランとの反応生成物の組み合わせであってもよい。反応生成物は、1:100~100:1の重量比、例えば1:10~10:1の重量比の芳香族エポキシとエポキシシランとから調製され得る。
【0040】
本発明の組成物において使用が企図されるエポキシモノマーの量は、得られる配合物が約1~20重量%の範囲の前記エポキシを含むのに十分な量である。特定の実施形態では、得られる配合物は、約2~18重量%の範囲の前記エポキシを含む。特定の実施形態では、得られる配合物は、約5~15重量%の範囲の前記エポキシを含む。
【0041】
エポキシモノマーと組み合わせてエポキシ硬化剤が場合により用いられる。例示的なエポキシ硬化剤としては、尿素、脂肪族及び芳香族アミン、アミンハードナー、ポリアミド、イミダゾール、ジシアンジアミド、ヒドラジド、尿素-アミンハイブリッド硬化系、フリーラジカル開始剤(例えば、ペルオキシエステル、ペルオキシカーボネート、ヒドロペルオキシド、アルキルペルオキシド、アリールペルオキシド、アゾ化合物等)、有機塩基、遷移金属触媒、フェノール、酸無水物、ルイス酸、ルイス塩基等が挙げられる。
【0042】
エポキシ硬化剤が存在する場合、本発明の組成物は、約0.1~2重量%の範囲のエポキシ硬化剤を含む。特定の実施形態では、本発明の組成物は、約0.5~5重量%の範囲のエポキシ硬化剤を含む。
【0043】
本明細書において使用が企図されるマレイミド、ナジイミド、又はイタコンイミドは、それぞれ以下の構造:
【0044】
【化9】
(式中:
mは、1~15であり、
pは、0~15であり、
各Rは、水素又は低級アルキル(例えば、C1-5)から独立して選択され、そして
Jは、有機基又はオルガノシロキサン基を含む、一価又は多価の基である)
を有する化合物、及びその2種以上の組み合わせである。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態において、Jは、以下から選択される一価又は多価の基である:
-典型的には約6から約500個までの範囲の炭素原子を有するヒドロカルビル又は置換ヒドロカルビル種であって、該ヒドロカルビル種は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アリールアルケニル(aryalkenyl)、アルケニルアリール、アリールアルキニル、又はアルキニルアリールから選択され、ただし、Xが2以上の異なる種の組み合わせを含む場合のみ、Xはアリールであることができる、ヒドロカルビル種;
-典型的には約6から約500個までの範囲の炭素原子を有するヒドロカルビレン又は置換ヒドロカルビレン種であって、該ヒドロカルビレン種は、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、アリーレン、アルキルアリーレン、アリールアルキレン、アリールアルケニレン、アルケニルアリーレン、アリールアルキニレン、又はアルキニルアリーレンから選択される、ヒドロカルビレン種、
-典型的には約6から約500個までの範囲の炭素原子を有する複素環又は置換複素環種、
-ポリシロキサン、又は
-ポリシロキサン-ポリウレタンブロックコポリマー、並びに、
以下から選択されるリンカーを有する、上記の1又は複数の組み合わせ:共有結合、-O-、-S-、-NR-、-NR-C(O)-、-NR-C(O)-O-、-NR-C(O)-NR-、-S-C(O)-、-S-C(O)-O-、-S-C(O)-NR-、-O-S(O)-、-O-S(O)-O-、-O-S(O)-NR-、-O-S(O)-、-O-S(O)-O-、-O-S(O)-NR-、-O-NR-C(O)-、-O-NR-C(O)-O-、-O-NR-C(O)-NR-、-NR-O-C(O)-、-NR-O-C(O)-O-、-NR-O-C(O)-NR-、-O-NR-C(S)-、-O-NR-C(S)-O-、-O-NR-C(S)-NR-、-NR-O-C(S)-、-NR-O-C(S)-O-、-NR-O-C(S)-NR-、-O-C(S)-、-O-C(S)-O-、-O-C(S)-NR-、-NR-C(S)-、-NR-C(S)-O-、-NR-C(S)-NR-、-S-S(O)-、-S-S(O)-O-、-S-S(O)-NR-、-NR-O-S(O)-、-NR-O-S(O)-O-、-NR-O-S(O)-NR-、-NR-O-S(O)-、-NR-O-S(O)-O-、-NR-O-S(O)-NR-、-O-NR-S(O)-、-O-NR-S(O)-O-、-O-NR-S(O)-NR-、-O-NR-S(O)-O-、-O-NR-S(O)-NR-、-O-NR-S(O)-、-O-P(O)R-、-S-P(O)R-、又は-NR-P(O)R-(式中、各Rは、独立して、水素、アルキル、又は置換アルキルである)。
【0046】
例示的な組成物としては、Jが以下であるものが挙げられる:オキシアルキル、チオアルキル、アミノアルキル、カルボキシアルキル、オキシアルケニル、チオアルケニル、アミノアルケニル、カルボキシアルケニル、オキシアルキニル、チオアルキニル、アミノアルキニル、カルボキシアルキニル、オキシシクロアルキル、チオシクロアルキル、アミノシクロアルキル、カルボキシシクロアルキル、オキシクロアルケニル(oxycloalkenyl)、チオシクロアルケニル、アミノシクロアルケニル、カルボキシシクロアルケニル、複素環、オキシ複素環、チオ複素環、アミノ複素環、カルボキシ複素環、オキシアリール、チオアリール、アミノアリール、カルボキシアリール、ヘテロアリール、オキシヘテロアリール、チオヘテロアリール、アミノヘテロアリール、カルボキシヘテロアリール、オキシアルキルアリール、チオアルキルアリール、アミノアルキルアリール、カルボキシアルキルアリール、オキシアリールアルキル、チオアリールアルキル、アミノアリールアルキル、カルボキシアリールアルキル、オキシアリールアルケニル、チオアリールアルケニル、アミノアリールアルケニル、カルボキシアリールアルケニル、オキシアルケニルアリール、チオアルケニルアリール、アミノアルケニルアリール、カルボキシアルケニルアリール、オキシアリールアルキニル、チオアリールアルキニル、アミノアリールアルキニル、カルボキシアリールアルキニル、オキシアルキニルアリール、チオアルキニルアリール、アミノアルキニルアリール又はカルボキシアルキニルアリール、オキシアルキレン、チオアルキレン、アミノアルキレン、カルボキシアルキレン、オキシアルケニレン、チオアルケニレン、アミノアルケニレン、カルボキシアルケニレン、オキシアルキニレン、チオアルキニレン、アミノアルキニレン、カルボキシアルキニレン、オキシシクロアルキレン、チオシクロアルキレン、アミノシクロアルキレン、カルボキシシクロアルキレン、オキシシクロアルケニレン、チオシクロアルケニレン、アミノシクロアルケニレン、カルボキシシクロアルケニレン、オキシアリーレン、チオアリーレン、アミノアリーレン、カルボキシアリーレン、オキシアルキルアリーレン、チオアルキルアリーレン、アミノアルキルアリーレン、カルボキシアルキルアリーレン、オキシアリールアルキレン、チオアリールアルキレン、アミノアリールアルキレン、カルボキシアリールアルキレン、オキシアリールアルケニレン、チオアリールアルケニレン、アミノアリールアルケニレン、カルボキシアリールアルケニレン、オキシアルケニルアリーレン、チオアルケニルアリーレン、アミノアルケニルアリーレン、カルボキシアルケニルアリーレン、オキシアリールアルキニレン、チオアリールアルキニレン、アミノアリールアルキニレン、カルボキシアリールアルキニレン、オキシアルキニルアリーレン、チオアルキニルアリーレン、アミノアルキニルアリーレン、カルボキシアルキニルアリーレン、ヘテロアリーレン、オキシヘテロアリーレン、チオヘテロアリーレン、アミノヘテロアリーレン、カルボキシヘテロアリーレン、ヘテロ原子含有二価又は多価環状部分構造、オキシヘテロ原子含有二価又は多価環状部分構造、チオヘテロ原子含有二価又は多価環状部分構造、アミノヘテロ原子含有二価又は多価環状部分構造、又はカルボキシヘテロ原子含有二価又は多価環状部分構造。
【0047】
本発明の実施において使用が企図されるアクリレートは、当技術分野においてよく知られている。例えば、米国特許第5,717,034号(その全内容は参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0048】
本明細書において使用が企図される例示的なアクリレートとしては、単官能性(メタ)アクリレート、二官能性(メタ)アクリレート、三官能性(メタ)アクリレート、多官能性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0049】
例示的な単官能性(メタ)アクリレートとしては、フェニルフェノールアクリレート、メトキシポリエチレンアクリレート、アクリロイルオキシエチルスクシネート、脂肪酸アクリレート、メタクリロイルオキシエチルフタル酸、フェノキシエチレングリコールメタクリレート、脂肪酸メタクリレート、β-カルボキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソブチルアクリレート、t-ブチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ジヒドロシクロペンタジエチルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、t-ブチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、t-ブチルアミノエチルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、モノペンタエリスリトールアクリレート、ジペンタエリスリトールアクリレート、トリペンタエリスリトールアクリレート、ポリペンタエリスリトールアクリレート等が挙げられる。
【0050】
例示的な二官能性(メタ)アクリレートとしては、ヘキサンジオールジメタクリレート、ヒドロキシアクリロイルオキシプロピルメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、変性エポキシアクリレート、脂肪酸変性エポキシアクリレート、アミン変性ビスフェノールA型エポキシアクリレート、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート、グリセリンジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、プロポキシル化エトキシル化ビスフェノールAジアクリレート、9,9-ビス(4-(2-アクリロイルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン、トリシクロデカンジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,12-ドデカンジオールジメタクリレート等が挙げられる。
【0051】
例示的な三官能性(メタ)アクリレートとしては、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、ポリエーテルトリアクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート等が挙げられる。
【0052】
例示的な多官能性(メタ)アクリレートとしては、ジペンタエリスリトールポリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等が挙げられる。
【0053】
本発明の実施において使用が企図されるさらなる例示的なアクリレートとしては、米国特許第5,717,034号(その全内容は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているものが挙げられる。
【0054】
任意に、1種以上のさらなるモノマーまたはそれ由来の樹脂が本発明の配合物に存在してもよく、たとえば、シアネートエステル、シリコーン、オキセタン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリイミド、メラミン、尿素-ホルムアルデヒド、フェノール-ホルムアルデヒドが挙げられる。存在する場合、これらの材料は、最終配合物の全重量に基づき、約0.1~約60重量の範囲で存在してもよい。
【0055】
存在する場合、本発明の実施において使用が企図されるシアネートエステルモノマーは、加熱により環三量化して置換トリアジン環を形成する、2個以上の環形成シアネート(-O-C≡N)基を含有する。シアネートエステルモノマーの硬化の間には、脱離基も揮発性副産物も形成されないため、硬化反応は付加重合と呼ばれる。本発明の実施において使用され得る好適なポリシアネートエステルモノマーとしては、例えば、1,1-ビス(4-シアナトフェニル)メタン、1,1-ビス(4-シアナトフェニル)エタン、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン、ビス(4-シアナトフェニル)-2,2-ブタン、1,3-ビス[2-(4-シアナトフェニル)プロピル]ベンゼン、ビス(4-シアナトフェニル)エーテル、4,4’-ジシアナトジフェニル、ビス(4-シアナト-3,5-ジメチルフェニル)メタン、トリス(4-シアナトフェニル)エタン、シアン化ノボラック(cyanated novolak)、1,3-ビス[4-シアナトフェニル-1-(1-メチルエチリデン)]ベンゼン、シアン化フェノールジシクロペンタジエン付加物等が挙げられる。本発明に従って用いられるポリシアネートエステルモノマーは、酸受容体の存在下、適切な二価又は多価フェノールとハロゲン化シアンとを反応させることによって容易に調製され得る。
【0056】
本発明に従ってポリシアネートエステルモノマーと場合により組み合わせることができるモノマーは、付加重合を受けるモノマーから選択される。そのようなモノマーとしては、ビニルエーテル、ジビニルエーテル、ジアリルエーテル、ジメタクリレート、ジプロパルギルエーテル、混合プロパルギルアリルエーテル、モノマレイミド、ビスマレイミド等が挙げられる。そのようなモノマーの例としては、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、トリアリルシアヌレート(trisallylcynurate)、1,1-ビス(4-アリルオキシフェニル)エタン、1,1-ビス(4-プロパルギルオキシフェニル)エタン、1,1-ビス(4-アリルオキシフェニル-4’-プロパルギルオキシフェニル)エタン、3-(2,2-ジメチルトリメチレンアセタール)-1-マレイミドベンゼン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレン-1,6-ビスマレイミド、2,2-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン等が挙げられる。
【0057】
本発明の実施において使用が企図されるさらなるシアネートエステルは、当技術分野においてよく知られている。例えば、米国特許第5,718,941号(その全内容は参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0058】
存在する場合、本発明の実施において使用が企図されるシリコーンは、当技術分野においてよく知られている。例えば、米国特許第5,717,034号(その全内容は参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0059】
存在する場合、オキセタン(すなわち、1,3-プロピレンオキシド)は、3個の炭素原子及び1個の酸素原子を有する4員環を有する、分子式COを有する複素環式有機化合物である。オキセタンという用語はまた、一般に、オキセタン環を含有する任意の有機化合物も指す。例えば、Angew.Chem.Int.Ed.2010,49,9052-9067におけるBurkhardら(その全内容は参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0060】
存在する場合、本発明の実施において使用が企図されるポリエステルとは、ポリオール(多価アルコールとしても知られている)と、飽和又は不飽和の二塩基酸との反応によって形成される縮合ポリマーを指す。使用される典型的なポリオールは、エチレングリコールのようなグリコールであり;一般的に使用される酸は、フタル酸及びマレイン酸である。エステル化反応の副生成物である水を連続的に除去して、反応を完了させる。不飽和ポリエステル及びスチレンのような添加剤の使用は、樹脂の粘度を低下させる。最初は液体の樹脂を、鎖を架橋することによって固体に変換する。これは、不飽和結合においてフリーラジカルを生成し、これが、連鎖反応において隣接する分子の他の不飽和結合に伝播し、プロセス中に隣接鎖を連結することによってなされる。
【0061】
存在する場合、本発明の実施において使用が企図されるポリウレタンとは、カルバメート(ウレタン)結合によって連結された有機単位の鎖から構成されるポリマーを指す。ポリウレタンポリマーは、イソシアネートとポリオールとを反応させることによって形成される。ポリウレタンを製造するために使用されるイソシアネート及びポリオールは両方とも、1分子あたり平均して2個以上の官能基を含有する。
【0062】
存在する場合、本発明の実施において使用が企図されるポリイミドとは、イミド結合(すなわち、-C(O)-N(R)-C(O)-)によって連結された有機単位の鎖から構成されるポリマーを指す。ポリイミドポリマーは、種々の反応によって、すなわち、二無水物とジアミンとを反応させること、二無水物とジイソシアネートとの反応、等によって形成することができる。
【0063】
存在する場合、本発明の実施において使用が企図されるメラミンとは、メラミン(すなわち、1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリアミン)とホルムアルデヒドとから重合により製造される硬質の熱硬化性プラスチック材料を指す。そのブチル化された形態では、n-ブタノール及び/又はキシレンに溶解することができる。該メラミン系樹脂は、アルキド、エポキシ、アクリル、及びポリエステル樹脂のような他の樹脂と架橋するために使用することができる。
【0064】
存在する場合、本発明の実施において使用が企図される尿素-ホルムアルデヒドとは、アンモニア又はピリジンのような温和な塩基の存在下で加熱した尿素とホルムアルデヒドとから製造される不透明の熱硬化性樹脂又はプラスチックを指す。
【0065】
存在する場合、本発明の実施において使用が企図されるフェノール-ホルムアルデヒドとは、フェノール又は置換フェノールとホルムアルデヒドとの反応によって得られる合成ポリマーを指す。
【0066】
本発明の実施において使用が企図される粒子状充填剤は、シリカ、ケイ酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム(Al)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素(BN)、カーボンナノチューブ、ダイヤモンド、クレー、アルミノケイ酸塩等およびそれらの任意の2つ以上の混合物を含む。いくつかの実施形態では、粒子状充填剤はシリカである。
【0067】
典型的には、本発明の配合物に用いられる充填剤は、約0.005μm(すなわち、5nm)から約20μmまでの範囲の粒径を有する。特定の実施形態では、本明細書で使用される充填剤は、約0.1μm~約5μmまでの範囲の粒径を有する。
【0068】
本発明の組成物は、約30~75重量%の範囲の粒子状充填剤を含む。いくつかの実施形態では、本発明による組成物は、約40~60重量%の範囲の粒子状充填剤を含む。
【0069】
本発明の組成物は、典型的には、
少なくとも1重量%の前記エポキシ樹脂、
少なくとも6重量%の前記マレイミド、ナジイミドまたはイタコンイミド、
少なくとも4重量%の前記アクリレートおよび
少なくとも30重量%の前記充填剤
を含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、1種または2種以上の
少なくとも1重量%のフラックス剤、
少なくとも0.1重量%の接着促進剤および/または
少なくとも4重量%の強化剤
をさらに含んでもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、1種または2種以上の
約10重量%までのフラックス剤、
約2重量%までの接着促進剤;および/または
約16重量%までの強化剤を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、
約1から20重量%までの範囲の前記エポキシ樹脂、
約6から16重量%までの範囲の前記マレイミド、ナジイミドまたはイタコンイミド、
約4から12重量%までの範囲の前記アクリレート、および
約30から75重量%までの範囲の前記充填剤を含む。
【0073】
そのような組成物は、さらに、
少なくとも1重量%、約10重量%までのフラックス剤、
少なくとも0.1重量%、約2重量%までの接着促進剤;および/または
少なくとも4重量%、約16重量%までの強化剤を含んでもよい。
【0074】
本発明の組成物は、約0.2~2重量%の範囲のフリーラジカル重合開始剤を任意にさらに含むことができる。
【0075】
一実施形態では、本発明の組成物は、約0.2~1重量%の範囲のフリーラジカル重合開始剤をさらに含むことができる。
【0076】
例示的なフリーラジカル開始剤には、ペルオキシエステル、ペルオキシカーボネート、ヒドロペルオキシド、アルキルペルオキシド、アリールペルオキシド、アゾ化合物などが挙げられる。
【0077】
本発明の組成物は、任意に、1種以上の流動添加剤、接着促進剤、レオロジー調整剤、強化剤、フラックス剤、フィルム柔軟剤、エポキシ硬化触媒(例えばイミダゾール)、硬化剤(例えばジクミルペルオキシドのようなラジカル開始剤)、ラジカル重合調整剤(例えば、8-ヒドロキシキノリン)、および/またはラジカル安定剤、ならびにそれらの任意の2つ以上の混合物を含む。
【0078】
本明細書で使用される場合、用語「流動添加剤」は、それらが導入される配合物の粘度を変更する化合物を指す。このような特性を付与する例示的な化合物としては、ケイ素ポリマー、エチルアクリレート/2-エチルヘキシルアクリレートコポリマー、ケトオキシムのリン酸エステルのアルキロールアンモニウム塩など、ならびにそれらの任意の2つ以上の組み合わせが挙げられる。
【0079】
本明細書で使用される場合、用語「接着促進剤」は、それらが導入される配合物の接着
特性を増強する化合物を指す。
【0080】
本明細書で使用される場合、「レオロジー調整剤」という用語は、それらが導入される
配合物の1つ以上の物理的特性を変更する添加剤を指す。
【0081】
本明細書で使用される場合、用語「強化剤」は、それらが導入される配合物の耐衝撃性
を高める添加剤を指す。
【0082】
本明細書で使用される場合、用語「フラックス剤」は、溶融金属の表面上に酸化物が形
成されないようにする還元剤を指す。請求項1に記載の組成物のフラックス剤は、カルボン酸であり、ロジンガム、ドデンカン二酸(AldrichからCorfree M2として市販)、アジピン酸、セバシン酸、ポリセバシン酸無水物、マレイン酸、酒石酸、クエン酸などが挙げられる。フラックス剤は、アルコール、ヒドロキシ酸、およびヒドロキシ塩基を包含し得る。例示的なフラックス剤としては、ポリオール(例えば、エチレングリコール、グリセロール、3-[ビス(グリシジルオキシメチル)メトキシ]-1,2-プロパンジオール、D-リボース、D-セロビオース、セルロース、3-シクロヘキサン-1,1-ジメタノールなどが挙げられる。
【0083】
本明細書で使用される場合、用語「ラジカル安定剤」は、ヒドロキノン、ベンゾキノン、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン(たとえば、チオカルボニル材系化合物)、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ニトロキシドラジカル系化合物など、ならびにそれらの任意の2つ以上の組み合わせが挙げられる。
【0084】
存在する場合、本発明の組成物は、約0.1~1重量%の範囲の前記ラジカル安定剤を含む。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、約0.1~0.6重量%の範囲の前記ラジカル安定剤を含む。
【0085】
本発明の組成物はまた、任意に、1種以上の希釈剤を含有してもよい。希釈剤が存在する場合、本発明の組成物は、組成物全体に対して約10~50重量%の範囲の希釈剤を含む。特定の実施形態において、本発明の組成物は、約20~40重量%の範囲の希釈剤を含む。
【0086】
存在する場合に本明細書で使用が企図される例示的な希釈剤としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、飽和炭化水素(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、テトラデカン)、塩化炭化水素(例えば、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエチレンなど)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、グリコールエーテル、エチレングリコールのモノアルキルまたはジアルキルエーテルなど)、ポリオール(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)、エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシプロピルなど)、二塩基酸エステル、α-テルピネオール、β-テルピネオール、ケロシン、ジブチルフタレート、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、へキシレングリコール、高沸アルコールおよびそのエステル、グリコールエーテル、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、ヘテロ芳香族化合物(例えば、N-メチルピロリドンなど)など、ならびにそれら任意の2種以上の混合物が挙げられる。
【0087】
本明細書での使用が企図されるヒドロキシ含有希釈剤としては、水およびC~約C10の骨格を有するヒドロキシ含有化合物が挙げられる。例示的なヒドロキシ含有希釈剤には、水、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、テルピネオールなど、ならびにそれらの任意の2種以上の混合物が含まれる。
【0088】
本発明に従って使用が企図されるヒドロキシ含有希釈剤の量は、典型的には、組成物の約5重量%から約80重量%までの範囲内に広範に変化することができる。特定の実施形態では、ヒドロキシ含有希釈剤の量は、全組成物の約10~60重量%の範囲にある。いくつかの実施形態では、ヒドロキシ含有希釈剤の量は、全組成物の約20重量%から約50重量%までの範囲内である。
【0089】
任意に、本明細書に記載の組成物は流動添加剤などを含むことができる。本明細書における任意の使用が企図される流動添加剤には、ケイ素ポリマー、エチルアクリレート/2-エチルヘキシルアクリレートコポリマー、ケトキシムのリン酸エステルのアルキロールアンモニウム塩など、ならびにそれらの任意の2つ以上の組み合わせが含まれる。
【0090】
本発明の別の実施形態によれば、本発明による硬化組成物の反応生成物を含むアンダーフィルフィルムが提供される。
【0091】
本発明によるアンダーフィルフィルムは、相対湿度85%で85℃に約2日間暴露した場合、典型的には2重量%未満の湿度を吸収する。いくつかの実施形態では、本発明によるアンダーフィルフィルムは、相対湿度85%で85℃に約2日間暴露すると、典型的には1.5重量%未満の水分を吸収し、いくつかの実施形態では、本発明によるアンダーフィルフィルムは、相対湿度85%で85℃に約2日間暴露されたときに、典型的には1.2重量%未満の水分を吸収し、いくつかの実施形態では、本発明によるアンダーフィルフィルムは、相対湿度85%で85℃に約2日間暴露すると、典型的には重量で1.0重量%未満の水分を吸収する。
【0092】
本発明によるアンダーフィルフィルムは、硬化後にBステージ化されたとき、約80℃を超える熱機械分析(TMA)によって決定されるTgを有する。
【0093】
本発明によるアンダーフィルフィルムは、(SiNダイ/PIダイ/SiO(サイズ:3.81×3.81×700mm)で試験した場合、)260℃で少なくとも5kg/cmのダイシェアを有するものとしてさらに特徴付けることができ、ダイは、BT基板上に120℃/1kg重/5秒で取り付け、次いで温度を室温から175℃まで30分間かけて上昇させることにより硬化させ、次いで175℃で5時間保持するものとする。
【0094】
本発明の別の実施形態によれば、アンダーフィルフィルムを調製するための方法が提供され、該方法は、好適な基板への適用後に本明細書に記載の組成物を硬化させることを含む。
【0095】
本発明のさらに別の実施形態によれば、そのための好適な基板に接着された本明細書に記載のアンダーフィルフィルムを含む物品が提供される。
【0096】
本明細書において使用が企図される好適な基板としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ガラス、窒化ケイ素パッシベーションを有するSiダイ、ポリイミドパッシベーションを有するSiダイ、BT基板、ベアSi、SR4基板、SR5基板等が挙げられる。
【0097】
本発明の物品における前記アンダーフィルフィルムの前記基板に対する接着力は、SiNダイ/PIダイ/SiO(サイズ:3.81×3.81×700mm)で試験した場合、典型的には少なくとも5kg/cmであり、ここで、該ダイは、BT基板上に120℃/1kg重/5秒で取り付け、次いで温度を室温から175℃まで30分間かけて上昇させることにより硬化させ、次いで175℃で5時間保持するものとする。
【0098】
本発明の材料を用いて、例えば、フリップチップパッケージ、スタックダイ、ハイブリッドメモリキューブ、TSVデバイス等を含めた、様々な物品を作製することができる。
【0099】
以下の非限定的な実施例によって本発明の様々な態様を示す。実施例は例示を目的とするものであり、何ら本発明の実施を限定するものではない。本発明の本質及び範囲から逸脱することなく、変更及び改変を行うことができることが理解されよう。当業者は、本明細書に記載の試薬及び成分を合成する方法又は商業的に入手する方法が容易に知ることができる。
【実施例
【0100】
本発明の1つの態様によれば、本発明による組成物の調製方法が提供される。
【0101】
本発明の一実施形態では、この方法は、3-ロールミリング、ボールミリングなどの手法を使用して液体に充填剤を分散させる第1工程を含む。目的は、個々のサブミクロン粒子への粒子の凝集を抑えるためである。その後の工程は、使用が企図される任意の他の原材料を添加し、フィルムコーティングのためのワニスを調製するのに十分な剪断混合に供することである。本特許請求の範囲に含まれる例示的な配合物を表1に示す。
【0102】
【表1】
【0103】
上記の配合物のそれぞれについて、性能試験に供した。(その結果を以下の表2に示す。)
【0104】
【表2】
【0105】
表2の示差走査熱量測定(DCS)データは、すべての配合物が「DSCオンセット」温度と「DSCピーク」温度との間のデルタTが20℃未満である高速硬化特性を有することを示している。いくつかの実施形態では、デルタTは、15℃未満であり、いくつかの実施形態では、デルタTは、10℃未満である。
【0106】
上記の結果は、本明細書に記載の樹脂系などの特有のハイブリッド樹脂系を用いて、速硬化型アンダーフィルフィルム材料を達成できることを実証している。
【0107】
本明細書に示したもの及び記載したものに加えて、本発明の様々な改変が、上の記載の技術分野の当業者には明らかであろう。そのような改変もまた、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。
【0108】
本明細書において言及した特許及び刊行物は、本発明が属する技術分野の当業者のレベルを示している。これらの特許及び刊行物は、各個々の出願又は刊行物が具体的にかつ個別に参照により本明細書に組み込まれるのと同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0109】
上記の説明は、本発明の特定の実施形態の例示であるが、その実施を限定することを意図するものではない。その等価物全てを含めた以下の特許請求の範囲が、本発明の範囲を定めることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5