(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】研削装置
(51)【国際特許分類】
B24B 7/04 20060101AFI20240621BHJP
B24B 45/00 20060101ALI20240621BHJP
B24B 51/00 20060101ALI20240621BHJP
B24B 41/06 20120101ALI20240621BHJP
【FI】
B24B7/04 A
B24B45/00 C
B24B51/00
B24B41/06 A
(21)【出願番号】P 2020042836
(22)【出願日】2020-03-12
【審査請求日】2023-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】万波 秀年
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-131291(JP,A)
【文献】特開2020-023048(JP,A)
【文献】特開2018-069343(JP,A)
【文献】特開2000-176802(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 7/04
B24B 45/00
B24B 51/00
B24B 41/06
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円環状の粗研削砥石と円環状の仕上げ研削砥石とを用いて被加工物を研削する研削装置であって、
保持面によって被加工物を保持する保持手段と、
該粗研削砥石または該仕上げ研削砥石のいずれか一方の砥石が該いずれか一方の砥石の中心を軸に回転可能に装着される単研削手段と、
該粗研削砥石と該仕上げ研削砥石とを装着し該中心を軸に回転可能に装着し、該粗研削砥石と該仕上げ研削砥石とを
相対的に該軸方向に進退可能とし、粗研削と仕上げ研削とを可能とする複合研削手段と、
該粗研削砥石を用いて被加工物を研削するための粗研削条件と、該仕上げ研削砥石を用いて被加工物を研削するための仕上げ研削条件とを設定する研削条件設定部と、
該粗研削条件の粗研削時間と該仕上げ研削条件の仕上げ研削時間とを比較
する制御手段と、
該制御手段から該比較の結果の通知を受けて、研削時間が長い方の研削の実施に用いる研削砥石を作業者に通知する通知手段と、
を備え、
該制御手段は、該粗研削時間が長い場合は、該単研削手段に
装着された該粗研削砥石を
使用して粗研削加工を施し該複合研削手段を用いて粗研削加工と仕上げ研削加工とを施すことによって、該単研削手段と該複合研削手段との加工終了時刻を同時にさせ、
該仕上げ研削時間が長い場合は、該複合研削手段を用いて粗研削加工と仕上げ研削加工と
を施し、該単研削手段に
装着された該仕上げ研削砥石を
使用して仕上げ研削加工を施すことによって、該複合研削手段と該単研削手段との加工終了時刻を同時にさせる制御をする、研削装置。
【請求項2】
該制御手段は、
該仕上げ研削時間に対し該粗研削時間が長い場合、
該単研削手段は、装着した該粗研削砥石を用いて(該粗研削時間+該仕上げ研削時間)/2の時間、粗研削加工させ、
該複合研削手段は、該粗研削砥石を用いて(該粗研削時間-該仕上げ研削時間)/2の時間、粗研削した後、
切換手段を用いて該被加工物に該仕上げ研削砥石を接触可能に該粗研削砥石に対し突出させ、該仕上げ研削砥石を用いて該仕上げ研削時間、仕上げ研削加工する制御と、
該粗研削時間に対し該仕上げ研削時間が長い場合、
該複合研削手段は、該粗研削砥石を用いて(該粗研削時間+該仕上げ研削時間)/2の時間、粗研削した後、
該切換手段を用いて該被加工物に該仕上げ研削砥石を接触可能に該粗研削砥石に対し突出させ、該仕上げ研削砥石を用いて(該仕上げ研削時間-該粗研削時間)/2の時間、仕上げ研削加工させ、
該単研削手段は、該仕上げ研削砥石を用いて該仕上げ研削時間、仕上げ研削加工する制御と、を行う請求項1記載の研削装置。
【請求項3】
少なくとも3つの該保持手段を等間隔でターンテーブルに配置し、該ターンテーブルの中心を軸に回転させ、該保持手段を該単研削手段の研削位置及び該複合研削手段の研削位置に位置づけ、
該複合研削手段の該粗研削砥石及び該仕上げ研削砥石が該保持面の中心を通過可能に該複合研削手段を水平移動可能な水平移動手段を備える請求項1記載の研削装置。
【請求項4】
該保持手段は、該単研削手段の研削位置に配置される第1保持手段と、
該複合研削手段の研削位置に配置される第2保持手段と、を備え、
該第1保持手段と該第2保持手段との間で被加工物を搬送する搬送手段を備える請求項1記載の研削装置。
【請求項5】
請求項1記載の研削装置を用いた被加工物の研削方法であって、
(該粗研削時間+該仕上げ研削時間)/2を算出する第1算出工程と、
{(該粗研削時間-該仕上げ研削時間)の絶対値}/2を算出する第2算出工程と、
該粗研削時間と該仕上げ研削時間とのどちらが長いか比較する比較工程と、
該比較工程の結果に基づき、該単研削手段に該粗研削砥石または該仕上げ研削砥石のいずれかを装着する装着工程と、
該比較工程の結果、該粗研削時間が長い場合は、
該単研削手段に装着された該粗研削砥石を用いて該第1算出工程にて算出した時間、粗研削する第1研削工程と、
該複合研削手段に装着された該粗研削砥石を用いて該第2算出工程にて算出した時間、粗研削する第2研削工程と、
該切換手段を用いて該粗研削砥石より該仕上げ研削砥石を被加工物に接近させ突出させる切換工程と、
該複合研削手段に装着された該仕上げ研削砥石を用いて該仕上げ条件による該仕上げ研削時間、仕上げ研削する第3研削工程と、を実施し、
該比較工程の結果、該仕上げ研削時間が長い場合は、
該複合研削手段に装着された該粗研削砥石を用いて該粗研削条件による該粗研削時間、粗研削する第4研削工程と、
該切換手段を用いて該粗研削砥石より該仕上げ研削砥石を該被加工物に接近させ突出させる該切換工程と、
該複合研削手段に装着された該仕上げ研削砥石を用いて該第2算出工程にて算出した時間、仕上げ研削する第5研削工程と、
該単研削手段に装着された該仕上げ研削砥石を用いて該第1算出工程にて算出した時間、仕上げ研削する第6研削工程と、を実施する
被加工物の研削方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2に開示の研削装置は、粗研削砥石を用いた粗研削加工と仕上げ研削砥石を用いた仕上げ研削加工とを実施している。上記研削加工では、粗研削手段に装着された粗研削砥石を用いて被加工物を所定の第1厚みに粗研削した後、仕上げ研削手段に装着された仕上げ研削砥石を用いて被加工物を第1厚みよりも小さな第2厚みに仕上げ研削している。
例えば、上記のように粗研削加工を行ってからその粗研削加工された被加工物に対して仕上げ研削加工を行うという作業を複数の被加工物に対して連続して行う際に、粗研削時間が仕上げ研削時間より長い場合、前の被加工物の仕上げ研削加工が終了した仕上げ研削手段は、次の被加工物の粗研削加工が終了するまで待機している。
上記の場合、被加工物が第1厚みまで薄化される前であっても所定の研削時間が経過したら、被加工物の粗研削を終わらせて、その後粗研削によって薄化させる予定だった厚み分を仕上げ研削砥石を用いて研削することにより、2つの研削手段が同時に研削加工終了し、研削装置の待機時間をなくすことができる。これにより、加工時間を短縮することが可能である。
【0003】
しかし、上記の加工方法によると、仕上げ研削時間が通常の研削加工における仕上げ研削時間よりも長くなるため、仕上げ研削砥石の消耗が大きくなり、仕上げ研削砥石の交換を頻繁に行う必要が生じて、生産性が低下するという問題がある。
そのため、特許文献3に開示のように、粗研削砥石を装着した第1研削手段と、粗研削砥石と仕上げ研削砥石とを装着した第2研削手段とを備え、第1研削手段を用いて研削する予定の粗研削加工の一部を第2研削手段の粗研削砥石で研削し、続いて第2研削手段の仕上げ研削砥石を用いて仕上げ研削することで、第1研削手段と第2研削手段との終了時間を一致させるという発明がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開1995-130692号公報
【文献】特開2007-335458号公報
【文献】特開2011-131291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の発明は、仕上げ研削時間が長い場合に、第1研削手段と第2研削手段との終了時間を一致させることができないため、仕上げ研削時間が粗研削時間より長い研削加工条件に対しても第1研削手段と第2研削手段との終了時間を一致させたいという要望がある。
すなわち、粗研削砥石を用いた粗研削と仕上げ研削砥石を用いた仕上げ研削とによって被加工物を薄化する2つの研削手段を備えた研削装置は、いずれかの研削手段を待機させないようにして研削加工時間を短縮させるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、円環状の粗研削砥石と円環状の仕上げ研削砥石とを用いて被加工物を研削する研削装置を用いてあって、保持面によって被加工物を保持する保持手段と、該粗研削砥石または該仕上げ研削砥石いずれか一方の砥石の中心が該いずれか一方の砥石を軸に回転可能に装着される単研削手段と、該粗研削砥石と該仕上げ研削砥石とを装着し該中心を軸に回転可能に装着し、該粗研削砥石と該仕上げ研削砥石とを相対的に該軸方向に進退可能とし、粗研削と仕上げ研削とを可能とする複合研削手段と、該粗研削砥石を用いて被加工物を研削するための粗研削条件と、該仕上げ研削砥石を用いて被加工物を研削するための仕上げ研削条件とを設定する研削条件設定部と、該粗研削条件の粗研削時間と該仕上げ研削条件の仕上げ研削時間とを比較する制御手段と、該制御手段から該比較の結果の通知を受けて、研削時間が長い方の研削の実施に用いる研削砥石を作業者に通知する通知手段と、を備え、該制御手段は、該粗研削時間が長い場合は、該単研削手段に装着された該粗研削砥石を使用して粗研削加工を施し該複合研削手段を用いて粗研削加工と仕上げ研削加工とを施すことによって、該単研削手段と該複合研削手段との加工終了時刻を同時にさせ、該仕上げ研削時間が長い場合は、該複合研削手段を用いて粗研削加工と仕上げ研削加工とを施し、該単研削手段に装着された該仕上げ研削砥石を使用して仕上げ研削加工を施すことによって、該複合研削手段と該単研削手段との加工終了時刻を同時にさせる制御をする、研削装置である。
上記の研削装置に備える該制御手段は、該仕上げ研削時間に対し該粗研削時間が長い場合、該単研削手段は、装着した該粗研削砥石を用いて(該粗研削時間+該仕上げ研削時間)/2の時間、粗研削加工させ、該複合研削手段は、該粗研削砥石を用いて(該粗研削時間-該仕上げ研削時間)/2の時間、粗研削した後、切換手段を用いて該被加工物に該仕上げ研削砥石を接触可能に該粗研削砥石に対し突出させ、該仕上げ研削砥石を用いて該仕上げ研削時間、仕上げ研削加工する制御と、該粗研削時間に対し該仕上げ研削時間が長い場合、該複合研削手段は、該粗研削砥石を用いて(該粗研削時間+該仕上げ研削時間)/2の時間、粗研削した後、該切換手段を用いて該被加工物に該仕上げ研削砥石を接触可能に該粗研削砥石に対し突出させ、該仕上げ研削砥石を用いて(該仕上げ研削時間-該粗研削時間)/2の時間、仕上げ研削加工させ、該単研削手段は、該仕上げ研削砥石を用いて該仕上げ研削時間、仕上げ研削加工する制御と、を行うことが望ましい。
上記の研削装置は、少なくとも3つの該保持手段を等間隔でターンテーブルに配置し、該ターンテーブルの中心を軸に回転させ、該保持手段を該単研削手段の研削位置及び該複合研削手段の研削位置に位置づけ、該複合研削手段の該粗研削砥石及び該仕上げ研削砥石が該保持面の中心を通過可能に該複合研削手段を水平移動可能な水平移動手段を備える研削装置であることが望ましい。
上記の研削装置に備える該保持手段は、該単研削手段の研削位置に配置される第1保持手段と、該複合研削手段の研削位置に配置される第2保持手段と、を備え、該第1保持手段と該第2保持手段との間で被加工物を搬送する搬送手段を備えていることが望ましい。
本発明は、上記の研削装置を用いた被加工物の研削方法であって、(該粗研削時間+該仕上げ研削時間)/2を算出する第1算出工程と、{(該粗研削時間-該仕上げ研削時間)の絶対値}/2を算出する第2算出工程と、該粗研削時間と該仕上げ研削時間とのどちらが長いか比較する比較工程と、該比較工程の結果に基づき、該単研削手段に該粗研削砥石または該仕上げ研削砥石のいずれかを装着する装着工程と、該比較工程の結果、該粗研削時間が長い場合は、該単研削手段に装着された該粗研削砥石を用いて該第1算出工程にて算出した時間、粗研削する第1研削工程と、該複合研削手段に装着された該粗研削砥石を用いて該第2算出工程にて算出した時間、粗研削する第2研削工程と、該切換手段を用いて該粗研削砥石より該仕上げ研削砥石を被加工物に接近させ突出させる切換工程と、該複合研削手段に装着された該仕上げ研削砥石を用いて該仕上げ条件による該仕上げ研削時間、仕上げ研削する第3研削工程と、を実施し、該比較工程の結果、該仕上げ研削時間が長い場合は、該複合研削手段に装着された該粗研削砥石を用いて該粗研削条件による該粗研削時間、粗研削する第4研削工程と、該切換手段を用いて該粗研削砥石より該仕上げ研削砥石を該被加工物に接近させ突出させる該切換工程と、該複合研削手段に装着された該仕上げ研削砥石を用いて該第2算出工程にて算出した時間、仕上げ研削する第5研削工程と、該単研削手段に装着された該仕上げ研削砥石を用いて該第1算出工程にて算出した時間、仕上げ研削する第6研削工程と、を実施する被加工物の研削方法である。
【発明の効果】
【0007】
本研削装置においては、単研削手段及び複合研削手段を備え、単研削手段が砥石の種類を交換可能であるとともに、複合研削手段が粗研削加工と仕上げ研削加工とを選択的に実施することができるため、粗研削加工の時間と仕上げ研削加工の時間との関係に応じ、単研削手段に粗研削砥石を装着するか仕上げ研削砥石を装着するかを選択するとともに、複合研削手段における粗研削の時間と仕上げ研削の時間とを調整することにより、単研削手段による研削加工と複合研削手段による研削加工との終了時刻を一致させることが可能となる。本研削装置を用いた研削方法を用いて、単研削手段と複合研削手段との終了時刻を一致させることにより、両研削手段に待機時間が生ずることが解消され、加工時間の短縮が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】複合研削手段の粗研削砥石が仕上げ研削砥石よりも下方に位置付けられている様子を表す断面図である。
【
図4】複合研削手段の仕上げ研削砥石が粗研削砥石よりも下方に位置付けられている様子を表す断面図である。
【
図5】単研削手段及び複合研削手段を保持面の中心を通過するように水平移動させる様子を研削装置の上方からみた上面図である。
【
図7】(a)は、単研削手段を用いて粗研削する様子を保持手段の側方から見た断面図であり、(b)は、複合研削手段を用いて粗研削する様子を保持手段の側方から見た断面図であり、(c)は、複合研削手段を用いて仕上げ研削する様子を保持手段の側方から見た断面図である。
【
図8】(a)は、複合研削手段を用いて粗研削する様子を保持手段の側方から見た断面図であり、(b)は、複合研削手段を用いて仕上げ研削する様子を保持手段の側方から見た断面図であり、(c)は、単研削手段を用いて仕上げ研削する様子を保持手段の側方から見た断面図である。
【
図9】研削装置の別の例の全体を表す斜視図である。
【
図10】背板の両側面に配設された第3搬送手段及び第4搬送手段を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
1-1 研削装置
図1に示す研削装置1は、単研削手段3及び複合研削手段5を用いて被加工物11を研削する研削装置である。被加工物11の下面114には、保護テープ115が貼着されている。以下、研削装置1の構成について説明する。
【0010】
図1に示すように、研削装置1は、Y軸方向に延設されたベース10を備えている。ベース10の+Y方向側には、第1コラム111、第2コラム112、及び第3コラム113が立設されている。
【0011】
ベース10の-Y方向側には、第1カセット載置部7010及び第2カセット載置部7020が配設されている。
第1カセット載置部7010には、第1カセット701が配設されている。第1カセット701には、研削加工前の被加工物11が収容されている。
第2カセット載置部7020には、第2カセット702が配設されている。第2カセット702には、研削加工後の被加工物11を収容することができる。
【0012】
第1カセット701の+Y方向側には、ロボット71が配設されている。ロボット71を用いて第1カセット701に収容されている被加工物11を第1カセット701から取り出して、仮置き領域720に搬送することができる。
【0013】
ロボット71の可動域における+X方向側には、研削加工前の被加工物11が仮置きされる仮置き領域720が設けられており、ロボット71の可動域における-X方向側には、研削加工後の被加工物11を洗浄する洗浄領域732が設けられている。
【0014】
仮置き領域720には、位置合わせ手段72が配設されている。カセット70から搬出されて仮置き領域720に載置された被加工物11は、位置合わせ手段72によって所定の位置に位置合わせされることとなる。
【0015】
洗浄領域732には、スピンナ洗浄手段73が配設されている。スピンナ洗浄手段73は、被加工物11が保持されるスピンナテーブル730と、スピンナテーブル730に保持された被加工物11に向けて洗浄水を噴出する洗浄水供給ノズル731とを備えている。
例えば、スピンナテーブル730の上面に研削加工後の被加工物11が保持されている状態で、洗浄水供給ノズル731から洗浄水を供給することにより被加工物11を洗浄することができる。
【0016】
ベース10の上における+Y方向側には円板形状のターンテーブル29が配設されており、ターンテーブル29の上面には、少なくとも3つの保持手段2が周方向に等間隔を空けて配設されている。ターンテーブル29は、図示しない回転手段に接続されており、該回転手段を用いてターンテーブル29の中心を通るZ軸方向の軸心を軸にして回転可能となっている。ターンテーブル29が回転することによって、ターンテーブル29の上に配設されている3つの保持手段2がターンテーブル29の中心を軸にして公転することとなる。
【0017】
3つの保持手段2は円板形状を有している。3つの保持手段2は、その各々が被加工物11を吸着する吸引部20と吸引部20を支持する枠体21とを備えている。吸引部20の上面は被加工物11が保持される保持面200となっている。枠体21の上面210は、保持面200に面一に形成されている。
吸引部20は、図示しない吸引手段に接続されている。被加工物11が保持面200に載置された状態で、該吸引手段により生み出される吸引力を吸引部20に伝達することによって、保持面200の上に被加工物11を吸引保持することができる。
また、保持手段2は、図示しない回転手段に接続されている。該回転手段を用いて、保持手段2を保持面200の中心を通るZ軸方向の軸心を軸にして自転させることができる。
【0018】
仮置き領域720に隣接する位置には、位置合わせ手段72によって位置合わせされた被加工物11を3つの保持手段2のうちのいずれかに搬入する第1搬送手段741が配設されている。
第1搬送手段741は、円板状のプレート75及びプレート75を上下自在に吊持するアーム76を備えている。アーム76の端部には、軸部77が連結されている。例えば、軸部77には軸部77を回転させる図示しない回転手段等が接続されている。
図示しない回転手段等を用いてZ軸方向の軸心を軸にして軸部77を回転させることにより、軸部77に連結されているアーム76が旋回する構成となっている。
第1搬送手段741の-X方向側には、研削加工後の被加工物11を搬出する第2搬送手段742が配設されている。第2搬送手段742は、第1搬送手段741と同様に構成されているため、第1搬送手段741と同様の符号を付してその説明を省略する。
【0019】
第1コラム111の-Y方向側の側面には、単研削手段3を昇降可能に支持する第1研削送り手段41が配設されている。
単研削手段3は、Z軸方向の回転軸35を有するスピンドル30と、スピンドル30を回転可能に支持するハウジング31と、回転軸35を軸にしてスピンドル30を回転駆動するスピンドルモータ32と、スピンドル30の下端に接続された円環状のマウント33と、を備えている。マウント33の下面には、粗研削ホイール34または仕上げ研削ホイール36が適宜着脱されることとなる。
被加工物11を粗研削する際には、マウント33の下面に粗研削ホイール34が装着され、被加工物11を仕上げ研削する際には、マウント33の下面に仕上げ研削ホイール36が装着されることとなる。
粗研削ホイール34は、ホイール基台341と、ホイール基台341の下面に環状に配列された略直方体形状の複数の粗研削砥石340とを備えている。
仕上げ研削ホイール36は、ホイール基台341と、ホイール基台341の下面に環状に配列された仕上げ研削砥石360とを備えている。仕上げ研削砥石360の砥粒は、粗研削砥石340の砥粒よりも細かいものとする。
【0020】
第1研削送り手段41は、Z軸方向の回転軸45を有するボールネジ400と、ボールネジ400に対して平行に配設された一対のガイドレール410と、回転軸450を軸にしてボールネジ400を回転させるZ軸モータ420と、内部のナットがボールネジ400に螺合して側部がガイドレール410に摺接する昇降板430と、昇降板430に連結され単研削手段3を支持するホルダ440とを備えている。
【0021】
Z軸モータ420によってボールネジ400が駆動されて、ボールネジ400が回転軸450を軸にして回転すると、これに伴って、昇降板430がガイドレール410に案内されてZ軸方向に昇降移動するとともに、ホルダ440に保持されている単研削手段3がZ軸方向に移動することとなる。
【0022】
例えば、単研削手段3の下方に、被加工物11が保持されている保持手段2が位置付けられている状態で、第1研削送り手段41を用いて単研削手段3を-Z方向に下降させることにより、単研削手段3を被加工物11の研削開始位置に位置づけることができる。
【0023】
第2コラム112の-Y方向側の側面には、複合研削手段5を昇降可能に支持する第2研削送り手段42が配設されている。
第2研削送り手段42は、第1研削送り手段41と同様に構成されているため、同様の符号を付してその説明を省略する。
【0024】
ベース10の上における単研削手段3の下方には、第1厚み測定手段1001が配設されている。第1厚み測定手段1001は、上面ハイトゲージ1101と保持面ハイトゲージ1012とを備えている。また、第1厚み測定手段1001は、図示しない算出部を備えている。
例えば、保持面200に被加工物11が保持されている状態で、保持面ハイトゲージ1102の先端部を枠体21の上面210に接触させつつ、上面ハイトゲージ1101の先端部を被加工物11の上面110に接触させることにより、枠体21の上面210に面一な保持面200の高さと、被加工物11の上面110の高さをそれぞれ測定することができる。そして、測定された保持面200の高さと被加工物11の上面110の高さとを該算出部にて差し引くことにより、被加工物11の厚みを算出することができる。
【0025】
ベース10の上における複合研削手段5の下方には、第2厚み測定手段1002が配設されている。第2厚み測定手段1002は、第2厚み測定手段1002は、第1厚み測定手段1001と同様に構成されており、同様の符号を付してその説明を省略する。
【0026】
図2に示すように、複合研削手段5は、Z軸方向に延びるスピンドル19を備えている。スピンドル19の上端には、ロータリジョイント17が接続されており、スピンドル19の下端にはマウント13が連結されている。
【0027】
ロータリジョイント17には、電磁弁900が接続されている。電磁弁900には、シリンダ用エア供給源90が接続されている。
図3に示すように、ロータリジョイント17の内部には、第1の連通路901と、第1の連通路901に接続された第3のエア供給路93と、第3のエア供給路93に接続された第1のエア供給路91とが備えられている。
また、同じくロータリジョイント17の内部には、第2の連通路902と、第2の連通路902に接続された第4のエア供給路94と、第4のエア供給路94に接続された第3のエア供給路93とが備えられている。
第1の連通路901と第2の連通路902とは、それぞれ電磁弁900を介してシリンダ用エア供給源90に接続されている。
電磁弁900の開閉状態の切り替えを行うことによって、シリンダ用エア供給源90と第1の連通路901とが接続された状態と、シリンダ用エア供給源90と第2の連通路902とが接続された状態と、を切り替えることができる。
【0028】
スピンドル19は、Z軸方向に延設された円筒状の第1軸部191と、第1軸部191の下方にZ軸方向に延設され、第1軸部191よりも大きな外径を有する円筒状の第2軸部192とを備えている。第1軸部191と第2軸部192との間には、とプレート190が配設されている。
スピンドル19の内部には、研削水の流路である研削水供給路193がZ軸方向に延ばされて形成されている。研削水供給路193の周りには、シリンダ用エア供給源90から供給されるエアの流路である第1のエア供給路91と第2のエア供給路92とがZ軸方向に延ばされて形成されている。
【0029】
第1軸部191の周りには、スピンドル19をZ軸方向の軸心を軸にして、回転駆動するモータ16が配設されている。モータ16は、スピンドル19に設けられたロータ160と、ロータ160の周りに配設されたステータ162とを備えている。
【0030】
複合研削手段5は、ケーシング12を備えている。ケーシング12は、第1軸部191及びモータ16を囲繞する上部ケーシング120と、第2軸部192を囲繞する下部ケーシング121と、上部ケーシング120と下部ケーシング121とを連結し、プレート190を囲繞する中部ケーシング122とを備えている。
【0031】
上部ケーシング120は、中空円筒状の部材であり、第1軸部191に貫通される開口が形成された上底面を備えている。
上部ケーシング120の側面の下部には、冷却ジャケット161に冷却水を供給するための冷却水供給口123が形成されている。また、上部ケーシング120の側面の上部には、冷却ジャケット161から冷却水を排出するための冷却水排出口124が形成されている。
【0032】
上部ケーシング120とステータ162との間には、ケーシング12の内部を冷却する冷却ジャケット161が配設されている。冷却ジャケット161の内部には多数の冷却水路が形成されている。
図示しない冷却水供給源等から冷却水供給口123を通じて冷却ジャケット161に供給することにより、上部ケーシング120の内部を冷却することができる。上部ケーシング120の内部の冷却に用いられた冷却水は、冷却水排出口124から上部ケーシング120の外部へと排出されることとなる。
【0033】
中部ケーシング122は円筒側面状の部材である。中部ケーシング122の内部にはエア流路197が形成されている。エア流路197の一方の端部にはエア供給口199が形成されており、エア流路197は、エア供給口199を通じて中部ケーシング122の外部の空間へと接続されている。
【0034】
下部ケーシング121は比較的大きな厚みを有する環状の部材である。
下部ケーシング121の内部には、エア流路197に接続され、複数の流路に分岐したエア流路198が形成されている。
下部ケーシング121の上面には複数の上側噴出口181が形成されており、下部ケーシング121の下面には複数の下側噴出口183が形成されている。また、下部ケーシング121の内側面には複数の内側噴出口185が形成されている。
エア流路198のエア流路197に接続されていない複数の端部は、上側噴出口181、下側噴出口183、及び内側噴出口185に接続されている。
【0035】
図示しない高圧エア源からエア供給口199に高圧エアを供給すると、供給された高圧エアは中部ケーシング122の内部のエア流路197から下部ケーシング121の内部のエア流路198を通っていき、上側噴出口181、下側噴出口183、及び内側噴出口185から下部ケーシング121の外へと噴出することとなる。
【0036】
マウント13は、スピンドル19の下端に連結された切換手段6と、円板マウント54と、円板マウント54の外側に配設された環状マウント130とを備えている。
【0037】
切換手段6はシリンダ15を備えている。シリンダ15は、下部ケーシング121の下面に連結された大径部150と、大径部150の下端に連なる小径部151とを備えている。
シリンダ15の大径部150の内部には、収容室61が形成されている。収容室61の内部には、ピストン600が収容されている。ピストン600の下部にはピストン600の周方向に等間隔を空けて複数設けられたロッド60が連結されている。ロッド60は、
図2においては1本のみが図示されている。
【0038】
シリンダ15の内部には、第1流路141と第2流路142とが形成されている。第1流路141は、第1のエア供給路91に接続されている。第2流路142は、第2のエア供給路92に接続されている。
【0039】
収容室61の上面には第1のエア供給口1410が形成されている。第1のエア供給口1410は、第1流路141に接続されている。
収容室61の下面には第2のエア供給口1420が形成されている。第2のエア供給口1420は、第2流路142に接続されている。
【0040】
例えば、シリンダ用エア供給源90が第1の連通路901と連通している状態で、シリンダ用エア供給源90を作動させて、第1のエア供給口1410から収容室61にエアを供給することにより、収容室61の上方の空間の圧力が上昇して、ピストン600が下方に移動させられることとなる。
一方、例えば、シリンダ用エア供給源90が第2の連通路902と連通している状態で、シリンダ用エア供給源90を作動させて、第2のエア供給口1420から収容室61にエアを供給することにより、収容室61の下方の空間の圧力が上昇してピストン600が上方に移動させられることとなる。
【0041】
ロッド60の下面には、環状マウント130が連結されている。環状マウント130にはガイド57が貫通するガイド穴570が形成されている。環状マウント130は、シリンダ用エア供給源90から供給されるエアの作用によるピストン600の上下移動に伴って、ガイド穴570に沿って、Z軸方向に昇降移動することとなる。
【0042】
環状マウント130の内側の開口には、シリンダ15の小径部151が貫通している。環状マウント130の下面には環状の粗研削ホイール51が着脱可能に配設されている。粗研削ホイール51には、複数の粗研削砥石520が環状に配設されている。
シリンダ用エア供給源90と第1の連通路901とが接続されている状態でのシリンダ用エア供給源90からのエアの供給によって環状マウント130が上下移動すると、環状マウント130の下面に配設されている粗研削ホイール51が環状マウント130と一体的に上下移動することとなる。
【0043】
シリンダ15の小径部151の下面には、円板マウント54が固定されている。円板マウント54と、シリンダ15の大径部150の下面との間には、両者を連結するガイド57が設けられている。ガイド57は、例えば、円板マウント54の周方向に、隣り合うロッド60の間にそれぞれ配置されている。
図3においては1つのみが示されている。
【0044】
円板マウント54の下面には、被加工物11を研削加工する仕上げ研削ホイール55が着脱可能に配設されている。仕上げ研削ホイール55には複数の仕上げ研削砥石550が環状に配設されている。
【0045】
複合研削手段5においては、シリンダ用エア供給源90からのエアの供給と電磁弁900の開閉状態の切り替えとによる切換手段6の作用により、環状マウント130及び環状マウント130に配設された粗研削ホイール51が一体的に上下移動する。これにより、仕上げ研削砥石550が粗研削砥石520に対して進退可能である。
具体的には、
図3に示すように、シリンダ用エア供給源90と第1の連通路901とが連通している状態でシリンダ用エア供給源90からエアを供給すると、供給されたエアが、第1の連通路901、第3のエア供給路93、第1のエア供給路91、及び第1流路141を通って第1のエア供給口1410から切換手段6の収容室61の内部に供給される。これにより、ピストン600が上方からエアの圧力を受けて粗研削ホイール51が押し下げられて、仕上げ研削砥石550の下面552が粗研削砥石520の下面522よりも上に位置づけられ、仕上げ研削砥石550が粗研削砥石520の内側に退避させられた状態となる。
かかる状態から、
図4に示すように、電磁弁900の開閉状態を切り替えて、シリンダ用エア供給源90と第2の連通路902とが連通している状態でシリンダ用エア供給源90からエアを供給する。すると、第1のエア供給口1410から収容室61へのエアの供給が停止されるとともに、今度は、供給されたエアが第2の連通路902、第4のエア供給路94、第2のエア供給路92、及び第2流路142を通って、第2のエア供給口1420から収容室61にエアが供給される。これにより、ピストン600が下方からエアの圧力を受けて粗研削ホイール51が押し上げられて、仕上げ研削砥石550の下面552が粗研削砥石520の下面522に対して-Z方向に進行していく。こうして、仕上げ研削砥石550の下面552が粗研削砥石520の下面522よりも下に位置づけられた状態になる。
上記のように、電磁弁900の開閉状態の切り替えとシリンダ用エア供給源90からのエアの供給とを行って切換手段6を作動させることにより、仕上げ研削砥石550を粗研削砥石520に対して-Z方向に進行させたり、+Z方向に退避させたりすることが可能となっている。
【0046】
マウント13の内部には、2本の流路194が形成されている。流路194は、研削水供給路193に連通されている。
円板マウント54及び仕上げ研削ホイール55の内部には研削水の流路195、196が形成されている。流路195と196とは連通されている。
また、流路195は、流路194に接続されている。
被加工物11の研削加工時に、研削水供給路193に接続されている図示しない研削水供給源から研削水供給路193に研削水を供給することにより、研削水が研削水供給路193及び各流路194、195、196を通って仕上げ研削ホイール55の流路196の下流端から流れ出し、被加工物11の上面110に供給されることとなる。これにより、被加工物11の上面110に付着している研削屑を洗い流すことができる。また、研削水の供給により、粗研削砥石520、仕上げ研削砥石550、及び被加工物11を冷却することができる。
【0047】
スピンドル19の周りには、ベアリング18が形成されている。ベアリング18は、上アキシャルベアリング180、下アキシャルベアリング182、及びラジアルベアリング184から構成されている。
【0048】
上アキシャルベアリング180では、下部ケーシング121の上側噴出口181からプレート190の下面に高圧エアを噴きつけることにより、プレート190の下面と下部ケーシング121の上面との間にエアが流れ込んでいき、プレート190の下面と下部ケーシング121の上面との間に僅かな隙間が形成されることとなる。
上側噴出口181からプレート190の下面に高圧エアが噴きつけられている状態では、プレート190の下面と下部ケーシング121の上面との間に形成された隙間が維持される。
【0049】
下アキシャルベアリング182では、下部ケーシング121の下側噴出口183からシリンダ15の上面に対して高圧エアを噴きつけることにより、シリンダ15の上面と下部ケーシング121の下面との間にエアが流れ込んでいき、シリンダ15の上面と下部ケーシング121の下面との間に僅かな隙間が形成されることとなる。
下側噴出口183からシリンダ15の上面に高圧エアが噴きつけられている状態では、シリンダ15の上面と下部ケーシング121の下面との間に形成された隙間が維持される。
【0050】
ラジアルベアリング184では、下部ケーシング121の内側噴出口185から第2軸部192の外周面に高圧エアを噴きつけることにより、第2軸部192の外周面と下部ケーシング121の内周面との間にエアが流れ込んでいき、第2軸部192の外周面と下部ケーシング121の内周面との間に僅かな隙間が形成されることとなる。
内側噴出口185から第2軸部192の外周面に高圧エアが噴きつけられている状態では、第2軸部192の外周面と下部ケーシング121の内周面との間に形成された隙間が維持される。
【0051】
図5に示すように、第1コラム111と第3コラム113との間には、単研削手段3を第3コラム113の第1ガイド面1131に沿って矢印491の方向に水平移動させる第1水平移動手段481が配設されている。
第1水平移動手段481は、図示しないボールネジやモータ等を備えている。該モータを用いて該ボールネジを回動させることによって、例えば単研削手段3に備える粗研削砥石340が保持面200の中心201を通るように、単研削手段3を水平移動することができる。
【0052】
保持面200に被加工物11が保持されており、かつ、粗研削砥石340の下面342が被加工物11の上面110に接触している状態で、第1水平移動手段481を用いて、単研削手段3を粗研削砥石340が保持面200の中心201を通るように水平移動させることにより、被加工物11の粗研削加工を行うことができる。
単研削手段3に粗研削砥石340にかえて仕上げ研削砥石360が装着されている場合には、第1水平移動手段481を同様に作動させることにより、被加工物11の仕上げ研削加工を行うことができる。
【0053】
同様に、第2コラム112と第3コラム113との間には、複合研削手段5を第3コラム113の第2ガイド面1132に沿って矢印492の方向に水平移動させる第2水平移動手段482が配設されている。
第2水平移動手段482は、図示しないボールネジやモータ等を備えている。該モータを用いて該ボールネジを回動させることによって、複合研削手段5の粗研削砥石が保持面200の中心201を通るように、複合研削手段5を水平移動することができる。
【0054】
例えば、粗研削砥石520の下面522が被加工物11の上面110に接触している状態で、第2水平移動手段482を用いて、複合研削手段5を粗研削砥石520が保持面200の中心201を通るように水平移動させることにより、被加工物11の研削加工を行うことができる。
【0055】
図1に示すように、研削装置1は、研削条件設定部100を備えている。研削条件設定部100は、粗研削砥石520を用いて被加工物11を研削するための粗研削条件と、仕上げ研削砥石550を用いて被加工物11を研削するための仕上げ研削条件とを設定する機能を有している。
ここで、粗研削条件には、粗研削開始前の被加工物11の厚みであるいわゆる投入厚み等に応じて予め定められる粗研削時間の条件が含まれる。また、仕上げ研削条件には、粗研削後に被加工物11を所望の仕上げ厚みに仕上げ研削するために、予め定められる仕上げ研削時間の条件が含まれるものとする。
【0056】
研削装置1は研削装置1の諸々の動作を制御する制御手段101を備えている。
制御手段101は、粗研削時間と仕上げ研削時間とを比較する機能を有している。
制御手段101は、該粗研削時間が大きい場合は、単研削手段3に粗研削砥石を装着して粗研削加工を施して、複合研削手段5を用いて粗研削加工と仕上げ研削加工とを施すための制御を行う機能を有している。
また、制御手段101は、該仕上げ研削時間が大きい場合は、複合研削手段5を用いて粗研削加工と仕上げ研削加工とを施して、単研削手段3に仕上げ研削砥石を装着して仕上げ研削加工を施すための制御を行う機能を有している。
【0057】
研削装置1は、通知手段102を備えている。通知手段102は、制御手段101による粗研削時間と仕上げ研削時間との比較の結果をうけて、両時間のうち大きい方の研削加工を実施するための研削砥石を単研削手段3のマウント33に装着することを作業者に通知する機能を有している。
【0058】
1-2 研削方法
(1)第1算出工程
上記の研削装置1を用いて被加工物11を研削する研削方法について、
図6に示すフローチャートと、
図7及び
図8に示す研削加工の各工程の様子を表す図面とを参照して、以下に説明する。
まず、
図1に示した研削条件設定部100にて、粗研削砥石を用いて被加工物11を研削する粗研削条件と、仕上げ研削砥石を用いて被加工物11を研削する仕上げ研削条件とを設定する。
粗研削条件には粗研削砥石を用いて被加工物11を研削する時間である粗研削時間Aが含まれている。また、仕上げ研削条件には、被加工物11を仕上げ研削する時間である仕上げ研削時間Bが含まれている。
【0059】
そして、粗研削時間Aと仕上げ研削時間Bとを足した値を2で割った値C(C=(A+B)/2)を算出する。
(2)第2算出工程
次に、粗研削時間Aから仕上げ研削時間Bを差し引いた値の絶対値を2で割った値D(D=|A-B|/2)を算出する。
【0060】
(3)比較工程
次に、制御手段101を用いて粗研削時間Aと仕上げ研削時間Bとを比較する。制御手段101により比較された比較結果は、通知手段102に伝達される。そして、通知手段102により、粗研削砥石340か仕上げ研削砥石360かいずれかのうち、研削時間の大きい方の研削加工を実施するための研削砥石を単研削手段3のマウント33に装着すべき旨が作業者に通知される。
【0061】
(4-1)装着工程:粗研削時間のほうが長い場合
比較工程にて、粗研削時間Aと仕上げ研削時間Bとが比較された結果、仕上げ研削時間Bよりも粗研削時間Aの方が長いと判断された場合には、通知手段102により、単研削手段3に粗研削砥石340を備える粗研削ホイール34を装着すべき旨が作業者に通知される。通知を受けた作業者は、単研削手段3のマウント33に粗研削砥石340を備える粗研削ホイール34を装着する。
【0062】
(5-1)第1研削工程
上記装着工程にて、単研削手段3に粗研削砥石340を備える粗研削ホイール34を装着した後、単研削手段3に装着された粗研削砥石340を用いて、第1算出工程にて算出された時間Cをかけて、被加工物11を粗研削する。
具体的には、まず、
図1に示した研削装置1の第1カセット701からロボット71を用いて被加工物11を1枚取り出して、仮置き領域720に載置する。そして、位置合わせ手段72を用いて適切に位置合わせをした後、第1搬送手段741を用いて仮置き領域720から、ターンテーブル29の上において-Y方向側に位置づけられている保持手段2の保持面200に搬送する。
被加工物11を保持面200の上に載置した後、図示しない吸引手段等を用いて、保持面200に被加工物11を吸引保持する。
【0063】
そして、ターンテーブル29をターンテーブル29の上から見て時計回りに120°だけ回転させる。これにより、保持手段2に保持されている被加工物11がターンテーブル29の中心を回転の中心として120°公転させられて、
図7(a)に示すように、被加工物11が単研削手段3の下方に位置付けられる。
さらに、
図5に示した第1水平移動手段481を用いて、粗研削砥石340が保持面200の中心201を通るように、単研削手段3を矢印491の方向に水平移動させる。そしてこの状態で、第1研削送り手段41を用いて単研削手段3を-Z方向に移動させて、単研削手段3の粗研削砥石340の下面342を被加工物11の上面110に接触させる。粗研削砥石340による上面110の粗研削は、時間Cをかけて行われる。
【0064】
(6-1)第2研削工程
次に、複合研削手段5に装着された粗研削砥石520を用いて第2算出工程にて算出された時間Dだけ、被加工物11を粗研削する。
具体的には、まず、
図3に示したシリンダ用エア供給源90を第1の連通路901に連通させる。かかる状態で、シリンダ用エア供給源90からエアを供給する。すると、第1のエア供給口1410から収容室61の内部にエアが供給されて、ピストン600がエアにより押し下げられ、環状マウント130、粗研削ホイール51、及び粗研削砥石520が-Z方向に移動する。これにより、仕上げ研削砥石550が粗研削砥石520に対して+Z方向に退避させられた状態になる。
【0065】
次いで、
図1に示したターンテーブル29をターンテーブル29の中心を軸に、ターンテーブル29の上から見て時計回りに120°回転させる。これにより、保持手段2に保持されている被加工物11がターンテーブル29の中心を回転の中心として120°公転させられて、
図7(b)に示すように、複合研削手段5の下方に位置付けられる。
【0066】
さらに、
図5に示した第2水平移動手段482を用いて、粗研削砥石520が保持面200の中心201を通るように、複合研削手段5を矢印492の方向に水平移動させる。かかる状態で、第2研削送り手段42を用いて複合研削手段5を-Z方向に移動させて、複合研削手段5の粗研削砥石520の下面522を被加工物11の上面110に接触させる。粗研削砥石520による上面110の粗研削は、時間Dをかけて行われる。
【0067】
(7-1)切換工程
次いで、
図4に示すように、切換手段6を用いて粗研削砥石520の下方に仕上げ研削砥石550を突出させて、粗研削砥石520よりも仕上げ研削砥石550が被加工物11に接近している状態にする。
具体的には、
図4に示すように、シリンダ用エア供給源90を第2の連通路902に連通させる。かかる状態で、シリンダ用エア供給源90からエアを供給する。すると、第2のエア供給口1420から収容室61の内部にエアが供給されて、ピストン600がエアにより押し下げられ、環状マウント130、粗研削ホイール51、及び粗研削砥石520が-Z方向に移動する。これにより、仕上げ研削砥石550が粗研削砥石520に対して-Z方向に突出させられた状態になる。
【0068】
(8-1)第3研削工程
その後、
図7(c)に示すように、複合研削手段5に装着された仕上げ研削砥石550を用いて、仕上げ条件の仕上げ研削時間Bをかけて仕上げ研削する。
第3研削工程において被加工物11を仕上げ研削する際の複合研削手段5の動作は、上記の第2研削工程において被加工物11を粗研削する際の複合研削手段5の動作と同様である。
【0069】
以上のようにして、単研削手段3を用いて時間Cをかけて被加工物11の粗研削をし、次いで、複合研削手段5を用いて時間Dをかけて被加工物11の粗研削をし、最後に、複合研削手段5を用いて時間Bをかけて仕上げ研削を行う。これにより、単研削手段3を用いた被加工物11の研削加工にかかる時間と、複合研削手段5を用いた被加工物11の研削加工にかかる時間とを同じにすることができる。
【0070】
(4-2)装着工程:仕上げ研削時間のほうが長い場合
比較工程にて、粗研削時間Aと仕上げ研削時間Bとを比較した結果、粗研削時間Aよりも仕上げ研削時間Bの方が長い場合には、通知手段102により、仕上げ研削砥石360を備える仕上げ研削ホイール36を単研削手段3に装着すべき旨が作業者に通知される。通知を受けた作業者は、仕上げ研削砥石360を備える仕上げ研削ホイール36をマウント33に装着する。
【0071】
(5-2)第4研削工程
比較工程にて、粗研削時間Aと仕上げ研削時間Bとを比較した結果、粗研削時間Aよりも仕上げ研削時間Bの方が長い場合には、まず、
図8(a)に示すように、複合研削手段5に装着された粗研削砥石520を用いて粗研削時間Aをかけて被加工物11を粗研削する。なお、第4研削工程における複合研削手段5による被加工物11の粗研削の動作は、上記の第2研削工程における動作と同様である。
【0072】
(6-2)切換工程
次に、切換手段6を用いて粗研削砥石520よりも仕上げ研削砥石550を被加工物11に接近させて、仕上げ研削砥石550を粗研削砥石520から-Z方向に突出させる。
【0073】
(7-2)第5研削工程
そして、複合研削手段5に装着された仕上げ研削砥石550を用いて、時間Dをかけて、被加工物11を仕上げ研削する。第5研削工程における複合研削手段5による被加工物11の仕上げ研削の動作は、上記の第2研削工程における複合研削手段5による被加工物11の仕上げ研削の動作と同様である。
【0074】
(8-2)第6研削工程
最後に、単研削手段3に装着された仕上げ研削砥石360を用いて、時間Cをかけて、被加工物11を仕上げ研削する。第6研削工程における単研削手段3による被加工物11の仕上げ研削の動作は、上記の第1研削工程における単研削手段3による被加工物11の粗研削の動作と同様である。
【0075】
これにより、単研削手段3を用いた被加工物11の研削加工にかかる時間と、複合研削手段5を用いた被加工物11の研削加工にかかる時間とを同じにすることができる。
【0076】
例えば、
図1に示したターンテーブル29を回転させながら、ターンテーブル29の上に配設されている複数の保持手段2の保持面200に、次々に被加工物11を搬送していき、複数の被加工物11を単研削手段3と複合研削手段5とを用いて順次研削加工していく際に、上記のようにして、単研削手段3を用いた研削加工と、複合研削手段5を用いた研削加工とにかかる時間を同じにすることにより、単研削手段3と複合研削手段5との研削終了時刻を同時にすることが可能となる。これにより、一方の研削手段の稼働時に、他方の研削手段が待機しているというような状況を防ぐことができ、研削加工時間を短縮することができる。
【0077】
なお、従来、半導体ウェーハ等の被加工物に形成されている電極を保護層から露出させるための研削加工においては、仕上げ研削加工を行ったときに、研削砥石が電極を引きずってしまい、被加工物の上面に糸状のバリが発生してしまい、そのバリがデバイス不良を招くおそれがあった。そこで、仕上げ研削加工において研削砥石を被加工物から一度離すという研削加工方法を採っていため、粗研削時間より仕上げ研削時間の方が長くなっていた。
その一方で、本研削方法によれば、仕上げ研削加工に複合研削手段5の仕上げ研削砥石550と、単研削手段3の仕上げ研削砥石360とを用いるため、確実に被加工物11から仕上げ研削砥石を離すことと、両研削手段の研削終了を一致させることが可能であり、加工結果を良好にすることができる。
【0078】
(第2実施形態)
2-1 研削装置
図9に示す研削装置109は、Y軸方向に延設されたベース10を備えている。ベース10の+Y方向側、かつ+X方向側には、第1コラム1110が立設されており、第1コラム1110の-X方向側には、第2コラム1120が立設されている。
【0079】
ベース10の上における+X方向側には、第1保持手段24が配設されており、ベース10の上における-X方向側には第2保持手段25が配設されている。
第1保持手段24は吸引部240と吸引部240を支持する枠体241とを備えている。吸引部240の上面は被加工物11が保持される保持面242であり、保持面242は、枠体241の上面243と面一に形成されている。
第2保持手段25は吸引部250と吸引部250を支持する枠体251とを備えている。吸引部250の上面は被加工物11が保持される保持面252であり、保持面252は、枠体251の上面253と面一に形成されている。
【0080】
第1保持手段24及び第2保持手段25は、それぞれ図示しない吸引源等に接続されている。例えば、第1保持手段24と第2保持手段25とのいずれか一方、または両方に被加工物が載置された状態で、第1保持手段24及び第2保持手段25に接続されているそれぞれの該吸引源を適宜作動させて、生み出された吸引力を保持面242、及び252に伝達することによって被加工物を吸引保持することができる。
【0081】
また、第1保持手段24及び第2保持手段25は、図示しないY軸移動手段に接続されている。該Y軸移動手段を用いることにより、第1保持手段24及び第2保持手段25をY軸方向に往復移動することができる。
【0082】
さらに、第1保持手段24及び第2保持手段25は、図示しない回転手段に接続されている。該回転手段を用いることにより、第1保持手段24及び第2保持手段25は、Z軸方向の回転軸を軸にして回転可能となっている。
【0083】
第1保持手段24の周囲にはカバー27及びカバー27に伸縮自在に連結された蛇腹28が配設されている。例えば、第1保持手段24がY軸方向に移動すると、カバー27が第1保持手段24とともにY軸方向に移動して蛇腹28が伸縮することとなる。
第2保持手段25の周囲には、第1保持手段24の周囲に配設されているカバー27及び蛇腹28と同様の構成を有するカバー27及び蛇腹28が配設されている。
【0084】
第1コラム1110の-Y方向側の側面には、単研削手段3を昇降可能に支持する第1研削送り手段41が配設されている。
単研削手段3は、
図1に示した研削装置1に備える単研削手段3と同様に構成されている。また、第1研削送り手段41も、
図1に示した研削装置1に備える単研削手段3と同様に構成されている。従って、
図1と同様の符号を付してその説明を省略する。
【0085】
第2コラム1120の-Y方向側の側面には、複合研削手段5を昇降可能に支持する第2研削送り手段42が配設されている。
複合研削手段5は、
図2に示した複合研削手段5と同様に構成されているため、同様の符号を付してその説明を省略する。また、第2研削送り手段42は、
図1に示した研削装置1に備える第2研削送り手段42と同様に構成されているため、同様の符号を付してその説明を省略する。
【0086】
ベース10の-Y方向側には、仮置き領域720及び洗浄領域732に跨るようにX軸方向に向けて架設された門型の支持台790が配設されている。
支持台790の上には、薄板状のガイドボード792がX軸方向に延設されており、ガイドボード792の上には、可動板794が配設されている。また、可動板794の上には、スライドテーブル793が配設されている。
【0087】
スライドテーブル793は、保持部795と保持部795を支持する枠体797とを備えており、保持部795の上面は被加工物11が保持される保持面796となっている。
【0088】
可動板794は、図示しないX軸移動手段に接続されている。可動板794が、該X軸移動手段によって駆動されてガイドボード792に案内されながらX軸方向に往復移動するのに伴って、可動板794に支持されているスライドテーブル793が可動板794と一体的にX軸方向に往復移動することとなる。
【0089】
スライドテーブル793の保持面796は、図示しない吸引源等に接続されている。
例えば、スライドテーブル793の保持面796に被加工物11が載置されている状態で、図示しない吸引源等を用いて吸引力を発揮して、生み出された吸引力を保持面796に伝達することによって、保持面796に被加工物11を吸引保持することができる。
【0090】
ベース10の上における第1保持手段24と第2保持手段25との間の領域には、背板800が配設されている。
【0091】
背板800の+X方向側の側面には、第1搬送手段8001が配設されている。
第1搬送手段8001は、被加工物11を吸引保持する第1搬送パッド801を備えている。第1搬送パッド801は、略円形状の部材の中央部分から略長方形状の部分を切り欠いた形状を有している。第1搬送パッド801は、被加工物11を吸引保持する第1吸引面811と第1吸引面811に対して背中合わせに配設された第2吸引面812とを備えている。
第1吸引面811の外周には、複数の吸盤8110が形成されており、複数の吸盤8110はそれぞれ図示しない吸引源に接続されている。第1吸引面811の吸盤8110に被加工物11が接触している状態で該吸引源を作動させて、生み出された吸引力を第1吸引面811に伝達することにより、第1吸引面811に被加工物11を吸引保持できる。
同様に、第2吸引面812の外周にも、図示しない複数の吸盤が形成されており、複数の吸盤はそれぞれ図示しない吸引源に接続されている。第2吸引面812の該吸盤に被加工物11が接触している状態で該吸引源を作動させて、生み出された吸引力を該吸引面に伝達することにより、第2吸引面812に被加工物11を吸引保持できる。
【0092】
第1搬送手段8001は、反転手段81を備えている。反転手段81は、その端部が上下移動ブロック823の+X方向側の側面に連結された円柱状の部材であり、その内部には図示しないモータ等の回転制御機構が配設されている。
また、反転手段81の上下移動ブロック823に連結されていない側の端部には、第1搬送パッド801が連結されている。反転手段81を用いて水平方向の回転軸を軸にして第1搬送パッド801を180度回転させることにより、第1搬送パッド801の上面と下面とを反転させることができる。
【0093】
ここで、上面とは、第1吸引面811と第2吸引面812とのいずれかの面のうち、+Z方向側に向いている面を指し、下面とは、第1吸引面811と第2吸引面812とのいずれかの面のうち、-Z方向側に向いている面を指す。すなわち、第1吸引面811が+Z方向側に向いて上面となるときには、第2吸引面812が-Z方向に向いて下面となる。同様に、第1吸引面811が-Z方向側に向いて下面となるときには、第2吸引面812が+Z方向に向いて上面となる。
例えば、第1吸引面811が上面であるときに、反転手段81を用いて第1搬送パッド801を180度回転させることによって上面と下面とを反転させて、第1吸引面811を下面にすることができる。
【0094】
第1搬送手段8001においては、例えば、第1吸引面811に、ある被加工物11が吸引保持されている状態で、反転手段81を用いて第1搬送パッド801の上下を反転させた後、第2吸引面812に別の被加工物11を吸引保持することが可能となっている。
【0095】
第1搬送手段8001は、第1搬送パッド801を水平方向に移動させるY軸移動手段83を備えている。
Y軸移動手段83は、背板800の+X方向側の側面に配設され、Y軸方向の回転軸835を有するボールネジ830と、ボールネジ830に対して平行に配設された一対のガイドレール831と、回転軸835を軸にしてボールネジ830を回転させる水平軸モータ832と、内部のナットがボールネジ830に螺合して側部がガイドレール831に摺接する水平移動ブロック833とを備えている。
【0096】
第1搬送手段8001は、第1搬送パッド801の上面が水平方向に向いている状態における当該上面に垂直な上下方向(Z軸方向)に第1搬送パッド801を移動させるZ軸移動手段82を備えている。
Z軸移動手段82は、水平移動ブロック833の+X方向側の側面に連結された支持板824を備えている。
また、Z軸移動手段82は、支持板824の+X方向側の側面に配設されたZ軸方向の回転軸825を有するボールネジ820と、ボールネジ820に平行に配列されたガイドレール821と、回転軸825を軸にしてボールネジ820を回転させる垂直軸モータ822と、側部のナットがボールネジ820にして側部がガイドレール821に摺接する上下移動ブロック823とを備えている。
【0097】
水平軸モータ832に駆動されてボールネジ830が回転軸835を軸にして回転すると、ガイドレール831に案内されながら水平移動ブロック833がY軸方向に往復移動する。そして、水平移動ブロック833のY軸方向への移動に伴い、水平移動ブロック833に支持されている支持板824、支持板824に支持されている上下移動ブロック823、及び上下移動ブロック823に反転手段81を介して連結されている第1搬送パッド801が、一体的にY軸方向に移動することとなる。
【0098】
また、垂直軸モータ822に駆動されてボールネジ820が回転軸825を軸にして回転すると、ガイドレール821に案内されながら上下移動ブロック823がZ軸方向に往復移動する。上下移動ブロック823のZ軸方向への移動に伴って、上下移動ブロック823に反転手段81を介して連結されている第1搬送パッド801がZ軸方向に移動する構成となっている。
【0099】
背板800の-X方向側の側面には第2搬送手段8002が配設されている。
第2搬送手段8002は、第1搬送手段8001に備える第1搬送パッド801と同様の構成を有する第2搬送パッド802を備えている。第2搬送手段8002のその他の部分については、第1搬送手段8001と同様に構成されているため、その説明を省略する。
研削装置109は、研削条件設定部100、制御手段101、及び通知手段102を備えている。研削条件設定部100、制御手段101、及び通知手段102は、
図1に示した研削装置1に備えるものと同様の機能を有しているため、その説明を省略する。
【0100】
研削装置109のその他の部分については、研削装置1と同様に構成されているため、同様の符号を付してその説明を省略する。
【0101】
2-2 研削方法
(1)第1算出工程
上記の研削装置109を用いて被加工物11を研削する研削方法について、
図6に示すフローチャートと、
図7~8に示す研削加工の各工程の様子とを参照して、以下に説明する。
まず、
図9に示した研削条件設定部100にて、粗研削砥石を用いて被加工物11を研削する粗研削条件と、仕上げ研削砥石を用いて被加工物11を研削する仕上げ研削条件とを設定する。
粗研削条件には粗研削砥石を用いて被加工物11を研削する時間である粗研削時間Aが含まれている。また、仕上げ研削条件には、被加工物11を仕上げ研削する時間である仕上げ研削時間Bが含まれている。
【0102】
そして、粗研削時間Aと仕上げ研削時間Bとを足した値を2で割った値C(C=(A+B)/2)を算出する。
(2)第2算出工程
次に、粗研削時間Aから仕上げ研削時間Bを差し引いた値の絶対値を2で割った値D(D=|A-B|/2)を算出する。
【0103】
(3)比較工程
次に、粗研削時間Aと仕上げ研削時間Bとのどちらが長いかを比較する。
【0104】
(4-1)装着工程:粗研削時間の方が長い場合
比較工程にて、粗研削時間Aと仕上げ研削時間Bとを比較した結果、仕上げ研削時間Bよりも粗研削時間Aの方が長い場合には、通知手段102によりその旨が作業者に通知される。通知を受けた作業者は、粗研削砥石340を備える粗研削ホイール34をマウント33に装着する。
【0105】
(5-1)第1研削工程
上記装着工程にて、単研削手段3のマウント33に粗研削砥石340を備える粗研削ホイール34を装着した後、単研削手段3に装着された粗研削砥石340を用いて第1算出工程にて算出された時間Cだけ、被加工物11を粗研削する。
具体的には、まず、ロボット71を用いて第1カセット701から被加工物11を一枚取り出して仮置き領域720に載置し、位置合わせ手段72を用いて被加工物11の位置合わせをする。
【0106】
次いで、第1搬送手段8001を用いて仮置き領域720から第1保持手段24へと被加工物11を搬送する。
ここで、第1搬送手段8001を用いて仮置き領域720から第1保持手段24へと被加工物11を搬送する際には、まず、第1搬送手段8001に備える第1搬送パッド801が、仮置き領域720において位置合わせされている被加工物11を把持できるように、Y軸移動手段83を用いて、第1搬送パッド801を-Y方向に移動させる。
そして、第1搬送パッド801の第1吸引面811の吸盤8110を被加工物11に接触させて、図示しない吸引手段等を用いて被加工物11の第1吸引面811に接触されている面を吸引することにより、第1吸引面811に被加工物11を吸引保持する。
【0107】
次に、Y軸移動手段83を用いて第1搬送パッド801を+Y方向に移動させて、第1搬送パッド801を第1保持手段24の下方に位置付ける。
その後、Z軸移動手段82を用いて第1搬送パッド801を-Z方向に移動させるとともに、該吸引源を停止させて、第1吸引面811に作用している吸引力を取り除く。これにより、被加工物11が、第1保持手段24の保持面200に載置される。
【0108】
その後、第1保持手段24に接続されている図示しない吸引源を用いて第1保持手段24の保持面242に被加工物11を吸引保持する。
【0109】
次いで、図示しないY軸移動手段を用いて第1保持手段24に吸引保持されている被加工物11を+Y方向に移動させて、単研削手段3の下方に位置付ける。
【0110】
さらに、図示しない回転手段を用いて第1保持手段24を回転させることにより、保持面200に保持されている被加工物11を回転させるとともに、スピンドルモータ32を用いて回転軸35を軸にして粗研削砥石340を回転させる。
【0111】
被加工物11が回転しており、かつ、粗研削砥石340が回転軸35を軸にして回転している状態で、第1研削送り手段41を用いて粗研削砥石340を-Z方向に下降させて、粗研削砥石340の下面342を被加工物11の上面110に接触させる。
下面342が被加工物11の上面110に接触している状態で、第1研削送り手段41を用いてさらに粗研削砥石340を-Z方向に下降させていく。
このとき、第1研削送り手段41による粗研削砥石340の-Z方向への下降の速度は制御手段101によって制御されており、粗研削砥石340は第1算出工程にて算出された時間Cをかけて、所定の高さ位置まで下降していく。かかる動作によって被加工物11は、時間Cをかけて粗研削される。
【0112】
その後、第1研削送り手段41を用いて単研削手段3を+Z方向に上昇させて粗研削砥石340を被加工物11の上面110から離間させる。
次いで、Y軸移動手段83を用いて第1搬送パッド801を+Y方向に移動させて、第1搬送パッド801を第1保持手段24の上方に位置づけてから、Z軸移動手段82を用いて第1搬送パッド801を-Z方向に下降させる。これにより、第1搬送パッド801の第1吸引面811が被加工物11の上面110に接触する。第1搬送パッド801の第1吸引面811が被加工物11の上面110に接触している状態で、第1吸引面811に接続されている図示しない吸引源を作動して、第1吸引面811に吸引力を伝達し、第1吸引面811に被加工物11を吸引保持する。
【0113】
第1吸引面811に被加工物11が吸引保持されている状態で、Y軸移動手段83を用いて第1搬送パッド801を-Y方向に移動させて、スライドテーブル793の保持面796の上方に位置づける。そして、第1吸引面811に接続されている該吸引源を停止させて、第1吸引面811に作用している吸引力を取り除くことにより、スライドテーブル793の保持面796に被加工物11を載置する。
【0114】
そして、スライドテーブル793に接続されている図示しない吸引源を作動させてスライドテーブル793の保持面796に被加工物11を吸引保持する。
【0115】
次に、図示しないX軸移動手段を用いてスライドテーブル793を-X方向に移動させる。そして、スライドテーブル793に接続されている該吸引源を停止して、スライドテーブル793に作用している吸引力を取り除いてから、第2搬送手段8002を用いてスライドテーブル793に保持されている被加工物11を第2保持手段25の保持面200に搬送する。このときの第2搬送手段8002の動作は、上記の第1搬送手段8001による被加工物11の搬送動作と同様である。
【0116】
(6-1)第2研削工程
そして、複合研削手段5に装着された粗研削砥石520を用いて第2算出工程にて算出された時間Dだけ、被加工物11を粗研削する。
具体的には、まず、これにより、シリンダ用エア供給源90と切換手段6とを用いて、仕上げ研削砥石550が粗研削砥石520に対して+Z方向に退避させられた状態にする。
【0117】
かかる状態で、
図7(b)に示すように、上記第1研削工程にて粗研削された被加工物11を複合研削手段5の下方に位置付ける。そして、第2研削送り手段42を用いて複合研削手段5を-Z方向に移動させて、複合研削手段5の粗研削砥石520の下面522を被加工物11の上面110に接触させる。粗研削砥石520の下面522が被加工物11の上面110に接触している状態で、さらに第2算出工程にて算出された時間Dをかけて、粗研削砥石520を-Z方向に移動させることにより、被加工物11を粗研削加工する。
【0118】
(7-1)切換工程
次いで、
図3に示した切換手段6を用いて、
図4に示すように、粗研削砥石520の下方に仕上げ研削砥石550を突出させて、粗研削砥石520よりも仕上げ研削砥石550が被加工物11に接近している状態にする。
【0119】
(8-1)第3研削工程
その後、
図7(c)に示すように、複合研削手段5に装着された仕上げ研削砥石550を用いて仕上げ条件による仕上げ研削時間Bをかけて仕上げ研削する。
これにより、単研削手段3を用いた被加工物11の研削加工にかかる時間と、複合研削手段5を用いた被加工物11の研削加工にかかる時間とを同じにすることができる。
【0120】
(4-2)装着工程:仕上げ研削時間のほうが長い場合
比較工程にて、粗研削時間Aと仕上げ研削時間Bとを比較した結果、粗研削時間Aよりも仕上げ研削時間Bの方が長い場合には、単研削手段3に仕上げ研削砥石360を備える仕上げ研削ホイール36を装着する。
【0121】
(5-2)第4研削工程
比較工程にて、粗研削時間Aと仕上げ研削時間Bとを比較した結果、粗研削時間Aよりも仕上げ研削時間Bの方が長い場合には、まず、
図8(a)に示すように、複合研削手段5に装着された粗研削砥石520を用いて粗研削時間Aをかけて被加工物11を粗研削する。
具体的には、シリンダ用エア供給源90と切換手段6とを用いて、複合研削手段5に装着された粗研削砥石520が仕上げ研削砥石550よりも-Z方向に位置づけられている状態で、複合研削手段5を回転させて、被加工物11の上面110に接触させ、時間Aをかけて被加工物11を粗研削する。
【0122】
(6-2)切換工程
次に、切換手段6を用いて粗研削砥石520よりも仕上げ研削砥石550を被加工物11に接近させて、仕上げ研削砥石550を粗研削砥石520から-Z方向に突出させる。
【0123】
(7-2)第5研削工程
そして、複合研削手段5に装着された仕上げ研削砥石550を用いて、時間Dをかけて、被加工物11を仕上げ研削する。
【0124】
(8-2)第6研削工程
最後に、単研削手段3に装着された仕上げ研削砥石360を用いて、時間Cをかけて、被加工物11を仕上げ研削する。
これにより、単研削手段3を用いた被加工物11の研削加工にかかる時間と、複合研削手段5を用いた被加工物11の研削加工にかかる時間とを同じにすることができる。
【0125】
なお、
図9に示した研削装置109のベース10の上における第1保持手段24と第2保持手段25との間の領域に配設される背板800には、上記の第1搬送手段8001及び第2搬送手段8002にかえて、
図10に示す第3搬送手段8003及び第4搬送手段8004が配設されていてもよい。
【0126】
第3搬送手段8003は、
図10に示すように、被加工物11を吸引保持する第3搬送パッド803を備えている。第3搬送パッド803は、第2反転手段84を介して上下移動ブロック823に支持されており、回転軸815を軸に回転可能となっている。
第3搬送パッド803は、被加工物11を吸引保持する薄板状の第3保持板813と、第2反転手段84の大径部840を介して第3保持板813に平行に配設された第4保持板814とを備えている。
第3保持板813の面のうち大径部840に接触していない側の面は被加工物11が吸引保持される第3吸引面893となっており、第4保持板814の面のうち大径部840に接触していない側の面は被加工物11が吸引保持される第4吸引面894となっている。
【0127】
第3吸引面893には、複数の吸盤8930が行列状に並べられている。同様に、第4吸引面894には、図示しない吸盤が、行列状に並べられている。
【0128】
第3吸引面893及び第4吸引面894は、それぞれ図示しない吸引源に接続されている。例えば、第3吸引面893の吸盤8930に被加工物11が接触している状態で該吸引源を作動させて、生み出された吸引力を第3吸引面893に伝達することにより、第3吸引面893を吸引保持できる。また、第4吸引面894の該吸盤に被加工物11が接触している状態で該吸引源を作動させて、生み出された吸引力を該吸引面に伝達することにより、第4吸引面894に被加工物11を吸引保持できる。
【0129】
第3搬送手段8003は、第2反転手段84を備えている。第2反転手段84は、第3吸引面893と第4吸引面894とに挟まれた大径部840と、一端が大径部840に連結され、他端が上下移動ブロック823に連結された小径部841とを備えている。
例えば小径部841の内部には図示しないモータ等の回転制御機構が配設されており、第2反転手段84を用いて水平方向の回転軸815を軸にして第3搬送パッド803を180度回転させることにより、第3搬送パッド803の上面と下面とを反転させることができる。すなわち、第2反転手段84を用いることにより、第3吸引面893と第4吸引面894との上下関係を反転させることが可能となっている。
【0130】
第3搬送手段8003のその他の部分は、
図9に示した第1搬送手段8001と同様の構成を有している。従って、同様の符号を付して説明を省略する。
【0131】
第4搬送手段8004は、
図10に示すように、第3搬送手段8003に備える第3搬送パッド803と同様の構成を有する第4搬送パッド804を備えている。第4搬送手段8004のその他の部分は、第3搬送手段8003と同様に構成されているため、その説明を省略する。
【0132】
第3搬送パッド803の第3吸引面893の吸盤8930に被加工物11が接触している状態で、図示しない吸引源を作動させて、吸引力を吸盤8930に伝達することにより、第3吸引面893に被加工物11を吸引保持できる。
また、第4搬送パッド804の第4吸引面894の該吸盤に被加工物11が接触している状態で該吸引源を作動させて、生み出された吸引力を該吸引面に伝達することにより、第4吸引面894に被加工物11を吸引保持できる。
【符号の説明】
【0133】
1:研削装置 109:研削装置 10:ベース 111:第1コラム
112:第2コラム 113:第3コラム 11:被加工物 110:上面
2:保持手段 20:吸引部 200:保持面 201:保持面の中心
21:枠体 210:枠体の上面 24:第1保持手段 25:第2保持手段
240:吸引部 241:枠体 242:保持面 243:枠体の上面
250:吸引部 251:枠体 252:保持面 253:枠体の上面
27:カバー 28:蛇腹 29:ターンテーブル
3:単研削手段 30:スピンドル 31:ハウジング 32:スピンドルモータ
33:マウント 34:粗研削ホイール 35:回転軸 36:仕上げ研削ホイール
340:粗研削砥石 341:ホイール基台 342:下面 360:仕上げ研削砥石
4:移動手段 41:第1研削送り手段 42:第2研削送り手段 45:回転軸
400:ボールネジ 410:ガイドレール 420:Z軸モータ 430:昇降板
440:ホルダ 450:回転軸 481:第1水平移動手段
482:第2水平移動手段 491:矢印 492:矢印
5:複合研削手段 51:粗研削ホイール 54:円板マウント
55:仕上げ研削ホイール 57:ガイド 520:粗研削砥石 522:下面
550:仕上げ研削砥石 552:下面 570:ガイド穴
6:切換手段 60:ロッド 61:収容室 600:ピストン
12:ケーシング 120:上部ケーシング 121:下部ケーシング
122:中部ケーシング 123:冷却水供給口 124:冷却水排出口
13:マウント 130:環状マウント15 :シリンダ 150:大径部
151:小径部
16:モータ 160:ロータ 161:冷却ジャケット 162:ステータ
17:ロータリジョイント
18:ベアリング 180:上アキシャルベアリング 181:上側噴出口
182:下アキシャルベアリング 183:下側噴出口
184:ラジアルベアリング 185:内側噴出口
19:スピンドル 190:プレート 191:第1軸部 192:第2軸部
193:研削水供給路 194:流路 195:流路 196:流路 197:エア流路
198:エア流路 199:エア供給口
70:カセット 71:ロボット 72:位置合わせ手段 73:スピンナ洗浄手段
75:プレート 76:アーム 77:軸部
701:第1カセット 702:第2カセット 7010:第1カセット載置部
7020:第2カセット載置部
720:仮置き領域 730:スピンナテーブル 731:洗浄水供給ノズル
732:洗浄領域 741:第1搬送手段 742:第2搬送手段 790:支持台
792:ガイドボード 793:スライドテーブル 794:可動板 795:保持部
796:保持面 797:枠体
800:背板 8001:第1搬送手段 8002:第2搬送手段
8003:第3搬送手段 8004:第4搬送手段
801:第1搬送パッド 802:第2搬送パッド
803:第3搬送パッド 804:第4搬送パッド
81:反転手段 811:第1吸引面 812:第2吸引面 813:第3保持板
814:第4保持板 815:回転軸
82:Z軸移動手段 820:ボールネジ 821:ガイドレール
822:垂直軸モータ 823:上下移動ブロック 824:支持板 825:回転軸
83:Y軸移動手段 830:ボールネジ 831:ガイドレール
832:水平軸モータ 833:水平移動ブロック 835:回転軸
84:第2反転手段 840:大径部 841:小径部 893:第3吸引面
8930:吸盤 894:第4吸引面
90:シリンダ用エア供給源 91:第1のエア供給路 92:第2のエア供給路
93:第3のエア供給路 94:第4のエア供給路
900:電磁弁 901:第1の連通路 902:第2の連通路
100:研削条件設定部 101:制御手段 102:通知手段
141:第1流路 142:第2流路
1001:測定手段 1002:測定手段
1012:保持面ハイトゲージ 1101:上面ハイトゲージ
1102:保持面ハイトゲージ 1110:第1コラム
1120:第2コラム 1131:第1ガイド面
1132:第2ガイド面 1410:第1のエア供給口
1420:第2のエア供給口