(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-20
(45)【発行日】2024-06-28
(54)【発明の名称】バッフルを備えたガスインジェクタ
(51)【国際特許分類】
C23C 16/455 20060101AFI20240621BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20240621BHJP
B05B 1/14 20060101ALI20240621BHJP
【FI】
C23C16/455
H01L21/31 B
B05B1/14 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022154540
(22)【出願日】2022-09-28
(62)【分割の表示】P 2020520072の分割
【原出願日】2018-08-30
【審査請求日】2022-10-21
(31)【優先権主張番号】201741035705
(32)【優先日】2017-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パーンデー, ビスワス クマール
(72)【発明者】
【氏名】ハウリルチャック, ララ
(72)【発明者】
【氏名】ショウノ, エリック キハラ
(72)【発明者】
【氏名】シャー, カルティーク
(72)【発明者】
【氏名】オルセン, クリストファー エス.
(72)【発明者】
【氏名】タラバルジュラ, サイラジュ
(72)【発明者】
【氏名】プラダン, カイラシュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ, レネ
(72)【発明者】
【氏名】スウェンバーグ, ヨハネス エフ.
(72)【発明者】
【氏名】モファット, スティーヴン
【審査官】山本 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-156094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/455
H01L 21/31
B05B 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレナム本体を含むガスインジェクタであって、
前記プレナム本体が、
上面、及び前記上面の反対側の底面と、
前記上面に形成された凹部と、
前記プレナム本体の前記底面から離れるように横方向に延びる突起部と、
を含み、
前記突起部が、
デバイダ内に形成された少なくとも1つの孔と、
前記少なくとも1つの孔に隣接
するとともに、第1の延長部分と、前記第1の延長部分に直交する第2の延長部分とを含むバッフルであって、前記少なくとも1つの孔が前記プレナム本体の内部空間と前記バッフルの間に流体連結をもたらし、前記内部空間が前記凹部から前記プレナム本体及び前記底面を通って前記突起部内へ延びる、バッフルと、
前記突起部の側壁を貫通して形成され、前記内部空間と流体連結する開口部と、
を含む、ガスインジェクタ。
【請求項2】
前記第1の延長部分が前記突起部の底面に連結する、請求項
1に記載のガスインジェクタ。
【請求項3】
前記第2の延長部分が、約0.04インチから約0.05インチまでの距離だけ、前記突起部から間隔を空けて配置される、請求項
2に記載のガスインジェクタ。
【請求項4】
前記デバイダが、第1の空間と第2の空間との間に流体連結をもたらす複数の孔を有する、請求項1に記載のガスインジェクタ。
【請求項5】
前記複数の孔が前記
デバイダ内に配置されている、請求項
4に記載のガスインジェクタ。
【請求項6】
前記複数の孔が前記
デバイダ内で中央に配置されている、請求項
5に記載のガスインジェクタ。
【請求項7】
前記プレナム本体が、前記プレナム本体の
外壁に配置された別の複数の孔を更に含む、請求項
4に記載のガスインジェクタ。
【請求項8】
前記突起部の内面の上にざらつきのある表面又はコーティングを更に備え、前記内面が前記内部空間を囲み、前記ざらつきのある表面又はコーティングが前記内面から離れるように延びる突出部を有する、請求項1に記載のガスインジェクタ。
【請求項9】
前記突出部が、約25ミクロンから約100ミクロンまでの距離だけ、前記内面から延びる、請求項
8に記載のガスインジェクタ。
【請求項10】
プレナム本体を含むガスインジェクタであって、
前記プレナム本体が、
凹部と、
前記プレナム本体から離れるように横方向に延びる突起部と、
を含み、
前記突起部が、
前記プレナム本体の内部空間を横切って配置され、前記内部空間を前記凹部に隣接した第1の空間と前記突起部内へ延びる第2の空間とに分離するデバイダであって、前記第1の空間と前記第2の空間との間に流体連結をもたらす少なくとも1つの孔を有するデバイダと、
側壁、及び前記側壁に直交する底壁と、
前記側壁を貫通して形成され、前記第2の空間と流体連結する開口部と、
を含む、ガスインジェクタ。
【請求項11】
前記第2の空間が前記突起部内にある、請求項
10に記載のガスインジェクタ。
【請求項12】
前記開口部が前記突起部の側壁に配置される、請求項
10に記載のガスインジェクタ。
【請求項13】
前記デバイダが、約0.04インチから約0.60インチまでの距離だけ、前記突起部の底面から間隔を空けて配置される、請求項
10に記載のガスインジェクタ。
【請求項14】
前記突起部の内面の上にざらつきのある表面又はコーティングを更に備え、前記内面が前記第2の空間を囲み、前記ざらつきのある表面又はコーティングが前記内面から離れるように延びる突出部を有する、請求項
10に記載のガスインジェクタ。
【請求項15】
前記突出部が、約25ミクロンから約100ミクロンまでの距離だけ、前記内面から延びる、請求項
14に記載のガスインジェクタ。
【請求項16】
前記プレナム本体は、前記プレナム本体の上面に配置される複数の孔を更に備える、請求項
10に記載のガスインジェクタ。
【請求項17】
プレナム本体を含むガスインジェクタであって、
前記プレナム本体が、
上面、及び前記上面の反対側の底面と、
前記上面に形成された凹部と、
前記プレナム本体の前記底面から離れるように横方向に延びる突起部と、
を含み、
前記突起部が、
前記プレナム本体の内部空間を横切って配置され、前記内部空間を前記凹部に隣接した第1の空間と前記突起部内へ延びる第2の空間とに分離するデバイダであって、前記第1の空間と前記第2の空間との間に流体連結をもたらす少なくとも1つの孔を有するデバイダと、
側壁と、
前記側壁を貫通して形成され、前記第2の空間と流体連結する開口部と、
を含み、
前記デバイダは、前記第1の空間と前記第2の空間との間に流体連結をもたらす複数の孔を有する、ガスインジェクタ。
【請求項18】
前記突起部の内面の上にざらつきのある表面又はコーティングを更に備え、前記内面が前記第2の空間を囲み、前記ざらつきのある表面又はコーティングが前記内面から離れるように延びる突出部を有する、請求項
17に記載のガスインジェクタ。
【請求項19】
前記デバイダは、前記第1の空間と前記第2の空間との間に流体連結をもたらす複数の孔を有する、請求項
17に記載のガスインジェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本書に記載の実施形態は、概して、均一な流体の流れを提供するガスインジェクタインサートに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]半導体製造処理は、概して、前駆体ガス又は混合ガスを、基板を含む真空チャンバ内に導入することによって、達成される。チャンバ内の前駆体ガス又は混合ガスは、熱を追加することで化学反応を受け、基板上に堆積する。プロセスガスは、基板に到達する前に、いくつかの構成要素を通過する。ガス流は、ガスインジェクタからトンネルを通って方向付けられる。トンネルは、プロセスガスが処理チャンバに進入する際に、ガス流を基板に向かって方向付ける。プロセスガスは、カートリッジのガス注入を通して、高速でトンネルに進入する。ガス流の勢いで、プロセスガスが、堆積が行われる基板まで運ばれる。ガスは、ガス注入からトンネルまで、基板に向かって流れる。
【0003】
[0003]しかしながら、プロセス条件の任意の変化が、ガス流経路に、したがって堆積の均一性に影響を及ぼす。ガス流経路に影響を及ぼすそのようなプロセス条件の1つは、ガスインジェクタ設置又はガスインジェクタ製造における変化である。ガスがガスインジェクタと接触するようになる際の流れの変化が、堆積の変化を引き起こし、よって均一性に影響を及ぼす。
【0004】
[0004]したがって、均一なガス流経路を提供することができる、改良されたガスインジェクタインサートが必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本書に記載の実施形態は、概して、均一な流体の流れを提供するガスインジェクタに関する。1つ又は複数の実施形態では、ガスインジェクタが開示される。ガスインジェクタは、プレナム本体を含む。プレナム本体は、凹部と、凹部に隣接し、かつプレナム本体から離れるように横方向に延びる突起部と、プレナム本体の外面から横方向に延びる複数のノズルとを含む。プレナム本体は、プレナム本体の外壁に複数の孔を有する。各ノズルは、プレナム本体の内部空間(interior volume)と流体連結している。
【0006】
[0006]他の実施形態では、ガスインジェクタが開示される。ガスインジェクタは、プレナム本体を含む。プレナム本体は、凹部と、凹部に隣接し、かつプレナム本体から離れるように横方向に延びる突起部とを含む。突起部は、複数の孔と、複数の孔に隣接したバッフルとを有する。複数の孔は、プレナム本体の内部空間(interior volume)とバッフルとの間に流体連結をもたらす。
【0007】
[0007]他の実施形態では、ガスインジェクタが開示される。ガスインジェクタは、プレナム本体を含む。プレナム本体は、凹部と、凹部に隣接し、かつプレナム本体から離れるように横方向に延びる突起部とを含む。突起部は、プレナム本体の内部空間を横切って配置されデバイダを含み、内部空間を、凹部に隣接した第1の空間と、第2の空間とに分離する。デバイダは、第1の空間と前記第2の空間との間に流体連結をもたらす複数の孔を有する。突起部はまた、第2の空間と流体連結している開口部を含む。
【0008】
[0008]本開示の上述の特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約されている本開示のより詳細な説明が、実施形態を参照することによって得られ、それらの実施形態の一部が添付図面に示される。しかしながら、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることから、添付の図面が本開示の典型的な実施形態のみを例示しており、よって本開示の範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0009]本書に記載の1つ又は複数の実施形態によるガスインジェクタの斜視図を示す。
【
図2】[0010]A及びBは、本書に記載の実施形態によるガスインジェクタの断面図を示す。
【
図3A】[0011]本書に記載の実施形態によるガスインジェクタの断面図を示す。
【
図3B】本書に記載の実施形態によるガスインジェクタの断面図を示す。
【
図3C】本書に記載の実施形態によるガスインジェクタの断面図を示す。
【
図3D】本書に記載の実施形態によるガスインジェクタの断面図を示す。
【
図4】[0012]A及びBは、本書に記載の実施形態によるガスインジェクタの断面図を示す。
【
図5】[0013]A及びBは、本書に記載の実施形態によるガスインジェクタの断面図を示す。
【
図6A】[0014]本書に記載の実施形態によるガスインジェクタの側面図を示す。
【
図7】[0016]本書に記載の1つ又は複数の実施形態によるガスインジェクタの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0017]理解を容易にするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を示すのに同一の参照番号を使用した。1つの実施形態の要素及び特徴は、更なる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれることがあると想定される。
【0011】
[0018]本書に記載の実施形態は、概して、均一な流体の流れを提供するガスインジェクタに関する。1つ又は複数の実施形態では、ガスインジェクタは、凹部と、凹部に隣接し、かつプレナム本体から離れるように横方向に延びる突起部と、プレナム本体の外面から横方向に延びる複数のノズルとを備えるプレナム本体を含む。プレナム本体は、プレナム本体の外壁に複数の孔を有する。各ノズルは、プレナム本体の内部空間と流体連結している。流体の流れを方向付けることによって、ガスインジェクタが、より均一な堆積を提供する。
【0012】
[0019]
図1は、本書に記載の1つ又は複数の実施形態によるガスインジェクタ100の斜視図を示す。本書に記載の様々なガスインジェクタは、任意の適した堆積プロセス、例えば、炉、温度制御チャンバ、又は化学気相堆積(CVD)プロセスなどで使用されうる。使用されうる1つの適したチャンバは、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社から入手可能なVANTAGE(登録商標)RADOX(登録商標)RTPチャンバである。別の適したチャンバは、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社からも入手可能なPRODUCER(登録商標)CVDチャンバでありうる。他の製造業者からの他のシステムもまた、本書に記載のガスインジェクタから恩恵を受けることがある。ガスインジェクタ100は、内部で形成された流体の通路を備えた処理チャンバに挿入される。1つ又は複数の実施形態では、ガスインジェクタ100は、プレナム本体105と、プレナム本体105に取り付けられた突起部120とを有する。本書に記載の様々なガスインジェクタは、機械加工又は3D印刷されうる。本書に記載の様々なガスインジェクタは、単一の部品であっても、又は様々な部品が共に接合されていてもよい。
【0013】
[0020]プレナム本体105は、第1の表面125、第2の表面150、第3の表面130、第4の表面145、第5の表面135、及び第6の表面140を含む。第1の表面125は、フランジでありうる。第1の表面125は、上面でありうる。第2の表面150は、底面でありうる。第3の表面125、第4の表面145、第5の表面135、及び第6の表面140の各々は、側面でありうる。1つ又は複数の実施形態では、本体105は、丸みを帯びたエッジを有する長方形である。プレナム本体105は、丸みを帯びた角と、中央に位置する凹部115とを含む。第1の表面125は、第2の表面150の反対側にある。第3の表面130は、第1の表面125に直交し、かつ第4の表面の反対側にある。第5の表面135は、第6の表面140の反対側にあり、かつ第1の表面125に直交する。第3の表面130及び第4の表面145は、およそ等しい長さを有しうる。第5の表面135及び第6の表面140は、およそ等しい長さを有しうる。第3の表面130の長さは、第5の表面135の長さを上回りうる。1つ又は複数の実施形態では、第3の表面130の長さは、約12インチから約16インチの範囲内である。第5の表面135の長さは、約1インチから約3インチの範囲内である。
【0014】
[0021]複数の孔110は、プレナム本体105の第1の表面125に配置される。複数の孔110は、第1の表面125の外側エッジに向かって配置され、一方の側で第3の表面130内に、反対側で第4の表面145内に延びる。よって、複数の孔110は、プレナム本体105の外壁に形成され、プレナム本体105の2つの表面内に延びる。1つ又は複数の実施形態では、複数の孔は、第1の表面125の長さに沿って配置される。1つ又は複数の実施形態では、第1の表面125と第3の表面130との交点でよりも、第1の表面125と第4の表面145との交点でより多数の孔が存在する。孔110の数は、約10から約15まで変動しうる。孔110の各々は、形状が半円でありうる。例えば、孔110の各々は、「D」形状を形成する本体105の2つの表面を通って延びうる。ガスインジェクタ100は、複数の孔110を通して、1つ又は複数のファスナで処理チャンバに取り付けられる。ファスナは、ねじ、ボルト、クリップなどでありうる。1つ又は複数の実施形態では、ガスインジェクタ100は、複数の孔110を通して、ねじで処理チャンバに取り付けられる。
【0015】
[0022]凹部115は、プレナム本体105の第1の表面125内の中央に配置される。
図1の凹部115は、丸みを帯びた角を有する長方形の形状である。他の実施形態では、凹部115は、楕円形又は長楕円形(oblong)でありうる。凹部の長さは、約11インチから約13インチまでの範囲内でありうる。凹部の幅は、約0.15インチから約0.25インチまでの範囲内でありうる。動作中、プロセスガスは、ガス注入(図示せず)から凹部115を通って流れる。凹部115は、突起部120の内部を通って延びる。
【0016】
[0023]突起部120は、第2の表面150から延びる。
図2Aは、
図1のガスインジェクタ100の断面図を示す。複数のノズル210は、プレナム本体105の外面から横方向に延びる。1つ又は複数の実施形態では、複数のノズル210は、突起部120から横方向に延びる。
図2Aには2つのノズル210だけが示されているが、それぞれの側には、複数のノズル210が存在しうる。1つ又は複数の実施形態では、ノズル210の数は、4と20との間である。
図2Aの実施形態では、複数のノズル210は、突起部120の両側に配置される。他の実施形態では、複数のノズル210は、一方の側だけに配置されてもよい。複数のノズル210は、円形、正方形、長方形、長円形(obround)、長楕円形、卵型、又は任意の他の幾何学形状である断面形状を有しうる。凹部115は、ノズル210と流体連結している。複数のノズル210は、本体105の幅を下回る距離ほど延びうる。1つ又は複数の実施形態では、ノズル210は、突起部120から、約0.3インチから約0.5インチまでの距離ほど延びる。各ノズル210は、プレナム本体105の内部空間と流体連結している各ノズル210は、開口部215を有する。1つ又は複数の実施形態では、各開口部215の幅は、実質的に同一でありうる。ガスインジェクタ100がチャンバ内に設置されると、開口部215がベースリング216の表面に面するように、ノズル210は、チャンバのベースリング216に隣接しうる。ベースリング216及びガスインジェクタ100は、ガス通路のルーフ218に隣接して配置される。
【0017】
[0024]他の実施形態では、各開口部215、230の幅は、
図2Bにみられるように、変動しうる。例えば、突起部120の第1の側面220のすべてのノズル210が、実質的に同じサイズの開口部215を有する一方で、第2の側面225のノズル210が、異なるサイズの開口部230を有することもある。第2の側面225のノズル210の各々が、同じサイズの開口部230を有しているが、第1の側面220のノズル210と異なっていることもある。例えば、複数の開口部215は、複数の開口部230と異なる外周を有することがある。他の実施形態では、開口部215がすべて同じサイズである一方で、開口部230はサイズが変動する。いくつかの例では、ノズル210は、第2の表面150から様々な距離で、突起部120上に配置されうる。その他の例では、片側の複数のノズル210は、第2の表面150に対して鉛直方向に位置合わせされうる。例えば、第1の側面220は、一方が他方の上部に配置されるか又は積み重ねられた複数のノズル210を含みうる。動作中に、流体は、凹部115を通ってノズル210まで流れ、開口部215を通ってガスインジェクタ100を出る。流体は、流体流路を図解する
図2Aの矢印により示されるように、ガスインジェクタ100とベースリング216との間に形成された通路を通ってトンネルに向かって続く。流体は、トンネルを通過してチャンバの処理空間(processing volume)に入り、処理空間内部に配置された基板と相互作用する。ノズル210は、より均一な流体の流れをより均一な堆積プロセスに提供する。
【0018】
[0025]
図3A-3Dは、本書に記載の実施形態によるガスインジェクタ300の断面図を示す。ガスインジェクタ300は、任意の適した堆積プロセス、例えば、炉、温度制御チャンバ、又は化学気相堆積(CVD)プロセスなどで使用されうる。ガスインジェクタ300は、処理チャンバ内への流れのための通路にガスを供給するためにアセンブリで使用されうる。ガスインジェクタ300は、凹部315と、本体305と、突起部320とを有する。本体305は、第1の表面325、第2の表面350、第3の表面330、第4の表面345、第5の表面、及び第6の表面を含む。本体305は、
図1の本体105と実質的に同じであり、複数の孔(図示されず)がある。
【0019】
[0026]突起部320は、第2の表面350から延びる。突起部320は、複数の孔を含む。
図3Aの断面図は、孔310の1つを示す。突起部320は、突起部320の底部355に複数の孔を含みうる。複数の孔310は、凹部315と流体連結している。複数の孔310は、突起部320の底部355を通って形成される。1つ又は複数の実施形態では、突起部320の底部355は、約0.05インチから約0.07インチまでの範囲の厚さを有する壁である。1つ又は複数の実施形態では、複数の孔310は、突起部320の底部355の長さに沿って中央に位置する。複数の孔310は、互いに等距離に間隔を空けて配置されうる。他の実施形態では、
図4Aに見られ、下記でより詳しく説明されるように、複数の孔310は、突起部320内に配置されたデバイダ(分離部)475を通って延びうる。
【0020】
[0027]突起部320はまた、バッフル360を含む。バッフル360は、突起部320の底部355と共に通路365を形成する。バッフル360は、第1の延長部分362と、第2の延長部分364とを含む。第1の延長部分362は、突起部320の底部355から、孔310が延びる方向に位置合わせされ又はオプションでその方向に平行である方向に延びる。第1の延長部分362は、第2の延長部分364に直交しうる。第2の延長部分364は、約0.04インチから約0.05インチまでの範囲の距離だけ、突起部320の底部355から間隔を空けて配置されうる。例えば、通路365は、約0.04インチから約0.05インチまでの範囲の高さ(第2の延長部分364と底部355との間)を有しうる。
図3Aの実施形態では、通路365は、本体の第3の表面330を延長することによって画定される平面の方に向かう開口部370を有する。他の実施形態では、開口部370は、第4の表面345の方を向いていてもよい。開口部370は、ガスインジェクタ300の長さに沿って、連続していても不連続でもよい。いくつかの例では、バッフル360は、中実の側壁及び貫通した側壁によって突起部320に連結されたガスインジェクタ300の端壁でありうる。このような場合、通路365は、ガスインジェクタ300の出口プレナムであり、貫通した側壁は、出口プレナムからガスインジェクタの外部までガスを流すための複数の開口部370を提供する。
【0021】
[0028]
図3Bの実施形態では、バッフル360は、第2の延長部分364に配置されたリップ366を含みうる。リップ366は、第2の延長部分364の長さに沿って任意の場所に配置されうる。リップ366は、第2の延長部分364に直交しうる。リップ366は、長方形、正方形、円形、三角形、及び台形を含む任意の断面形状を有しうる。リップ366は、丸みを帯びたエッジを有していてもよく、又はざらつきのある(textured)表面を有していてもよい。ガスインジェクタ300は、オーバーハング367を含みうる。オーバーハング367は、リップ366と実質的に同じサイズでありうる。1つ又は複数の実施形態では、オーバーハング367は、リップ366よりも小さい。他の実施形態では、オーバーハング367は、リップ366よりも大きい。オーバーハング367は、突起部320の底部355に配置されうる。1つ又は複数の実施形態では、オーバーハング367は、リップ366の真正面にある。オーバーハング367は、突起部320の底部355に沿って任意の場所に配置されうる。例えば、オーバーハング367は、バッフル360の第2の延長部分364の反対側に配置されうる。オーバーハング367は、トンネルのルーフ318上に配置されたトンネルオーバーハング380に隣接して配置されうる。オーバーハング367は、突起部320と一体的に形成されうる。代替的には、オーバーハング367は、突起部320に取り付けられた別個の部品であってもよい。トンネルオーバーハング380は、突起部320のオーバーハング367と実質的に同じサイズ及び形状であってもよく、又はオーバーハング380は、オーバーハング367と異なるサイズ及び/又は形状であってもよい。トンネルオーバーハング380は、トンネルのルーフ318の長さに沿って任意の場所に配置されうる。1つ又は複数の実施形態では、ルーフ318は、複数のトンネルオーバーハング380を含みうる。
【0022】
[0029]
図3Cの実施形態では、バッフル360は、複数の突出部、この場合、リップ366、及びリップ366に隣接した突出部368、を含む。突出部368は、バッフル360の第2の延長部分364に取り付けられた別個の部品であってもよい。突出部368はまた、バッフル360と一体的に形成されてもよく、又は別個の部品として形成され、第2の延長部分364に取り付けられてもよい。突出部368は、正方形、円形、長方形、三角形、及び台形を含む、断面の任意の幾何学形状を含みうる。突出部368は、、第2の延長部分364の長さに沿って任意の場所に配置されうる。
図3Cの実施形態では、突出部368、リップ366、オーバーハング367、及びトンネルオーバーハング380は、鋸歯構成を形成し、突出部368及びリップ366がバッフル360の第2の延長部分364上に配置され、オーバーハング367及びトンネルオーバーハング380がトンネルのルーフ318上に配置されている。例えば、リップ366は、オーバーハング367及びトンネルオーバーハング380の反対側に、かつそれらの間に配置される。任意の数の突出部368及びトンネルオーバーハング380は、トンネルのルーフ318及びバッフル360のそれぞれの上に含まれうる。例えば、
図3Dの実施形態は、リップ366及び突出部368を含む。別の例では、バッフル360は、
図3Aのバッフルに類似していてもよく、オーバーハング又はトンネルオーバーハングがバッフル360に隣接している。リップ366、突出部368、及びオーバーハング367の各々が、バッフル360の一部品として(例えばモノリシック)、機械加工若しくは3D印刷されてもよく、又は1つ又は複数の別個の部品としてバッフル360に取り付けられてもよい。
【0023】
[0030]バッフル360は、突起部320と別個の部品でありうる。他の実施形態では、バッフル360は、突起部320の一部として、機械加工又は3D印刷されてもよい。動作中に、流体源は、凹部315を通り、複数の孔310を通り、バッフル360によって形成された通路365を通り流れ、基板まで続く。他の実施形態では、バッフル360は、ざらつきのある表面又はコーティングを含みうる。ざらつきのある表面又はコーティングは、約25ミクロンと約100ミクロンとの間の小さな突出部でありうる。小さな突出部は、円形、連続、不連続、正方形、長方形、又は任意の他の幾何学形状でありうる。ざらつきのある表面又はコーティングは、第2の延長部分364上に配置されうる。バリアを設けることによって、バッフル360は、凹部315から流れるプロセスガスを減速し、プロセスガスを混合するためのより小さなエリアを提供し、プロセスガスの流れを基板に向かって方向転換し、基板上により均一な堆積を提供する。
【0024】
[0031]
図4Aの実施形態では、バッフル400は、デバイダ475を含む。ガスインジェクタ400は、以下に記載の特徴を除き、
図3Aに示したガスインジェクタ300に類似する。デバイダ475は、プレナム480を形成する突起部420内に配置される。デバイダ475は、プレナム本体405の内部を横切って配置され、内部空間を、凹部415に隣接した第1の空間と、プレナム480内の第2の空間とに分離する。デバイダ475は、第1の空間とプレナム480との間に流体連結をもたらす複数の孔を有する。突起部420は、第1の側壁422、第1の側壁422の反対側の第2の側壁424、及び第1の側壁422に直交する底壁426を含む。突起部420の第1の側壁422は、本体405の第3の表面430に平行である。複数の孔410は、デバイダ475内に配置される。プレナム480は、デバイダ475、第1の側壁422、第2の側壁424、及び底壁426によって、画定され、囲まれる。突起部420は、第1の側壁422に配置された開口部472を有する。底壁426は、
図3A-3Dのバッフル362の機能に類似した機能を提供する。1つ又は複数の実施形態では、開口部472は、第2の側壁424に配置される。
【0025】
[0032]
図4Bの実施形態では、バッフル400は、デバイダ475と、ブロッカー485とを含む。ガスインジェクタ400は、以下に記載の違いを除き、
図3Aに示したガスインジェクタ300に類似する。ブロッカー485は、長方形の本体を有し、突起部420内に配置される。ブロッカー485は、第1の側壁420、第2の側壁424、及びデバイダ475と共に、プレナム482を画定する。ブロッカー485は、プレナム本体405の内部を横切って配置され、プレナム本体405の内部空間を、凹部415に隣接した第1の空間と、プレナム482内の第2の空間とに分離する。ブロッカー485は、一対のレッジ490上で静止しうる。
図4Bの実施形態では、一対のレッジ490は、突出部によって画定され、断面が長方形であり、突起部420の対向する内部壁に連結される。1つ又は複数の実施形態では、レッジ490は、断面が任意の他の幾何学形状を有しうる。1つ又は複数の実施形態では、レッジ490は、プレナム本体405の内部壁に位置する。よって、ブロッカー485は、プレナム本体405の内部空間に配置されうる。ブロッカー485は、プレナム本体405の内部空間とプレナム482との間に流体連結をもたらす複数の孔412を有する。
図4Bの実施形態では、プレナム480は、プレナム本体405の第3の内部空間を画定する。デバイダ475は、プレナム482とプレナム480との間に流体連結をもたらす複数の孔を有する。
図4Bの実施形態では、プレナム482は、第1のプレナムであり、プレナム480は、第2のプレナムである。1つ又は複数の実施形態では、デバイダ475の孔410は、ブロッカー485の複数の孔と異なるサイズを有する。例えば、デバイダ475の複数の孔は、ブロッカー485の複数の孔より小さくてもよく、又はデバイダ475の複数の孔は、ブロッカー485の複数の孔より大きくてもよい。1つ又は複数の実施形態では、デバイダ475の孔は、ブロッカー485の複数の孔と同じサイズである。
【0026】
[0033]他の実施形態では、底壁426は、ざらつきのある表面又はコーティングを含みうる。ざらつきのある表面又はコーティングは、約25ミクロンと約100ミクロンとの間の距離だけ、底壁の内面から離れるように延びる小さい突出部でありうる。小さい突出部は、連続していても連続していなくてもよく、円形、正方形、及び長方形を含む断面の任意の幾何学形状を有しうる。ざらつきのある表面又はコーティングは、底壁426の内面に配置されうる。動作中に、ざらつきのある表面は、通路465に沿った、ガスの分散、及びガス流の均一性を増加させうる。
【0027】
[0034]
図5A-5Bは、本書に記載の実施形態によるガスインジェクタアセンブリ500の断面図を示す。ガスインジェクタアセンブリ500は、ガスインジェクタ300と、ガスインジェクタ300に連結されたガス入口580とを含む。ガス入口580は、
図5Aにみられるように、単一の開口部582を有しうる。他の実施形態では、ガス入口580は、
図5Bに見られるように、2つの開口部582、584を有しうる。第1の開口部582は、第2の開口部584からガス入口580の反対側にありうる。2つの開口部582、584は、ガスインジェクタアセンブリ500の反対側にありうる。他の実施形態では、ガス入口580は、開口部582、開口部584、若しくは開口部582と開口部584との両方に加え又はこれらの代わりに使用されうる追加的オプションの中央開口部を含んでもよい。ガス入口580は、本書に記載のガスインジェクタのいずれかと共に使用されてもよい。
【0028】
[0035]
図6Aは、本書に記載の実施形態によるガス射出アセンブリ600の側面図を示す。
ガス射出アセンブリ600は、凹部615が本体605の第1の表面625に形成され、複数の孔610が第1の表面625と反対側の出口壁650を通って形成されている、本体605を有する。凹部615は、第1の側壁612と、第1の側壁612と反対側の第2の側壁614とを有する。第1の側壁612、第2の側壁614、及び出口壁616は、本体605を通るガス流のための内部空間618を画定する。本体605は、第1の表面625のガス入口ポート620から第1の側壁612の開口部622まで延びる、本体内部に形成された通路606を有する。通路606は、内部空間618及び孔610と流体連結している。ガス導管680は、ガス入口ポート620に連結されてもよく、ガスを通路606に流入させ、内部空間618を通り、孔610を通ってガス射出アセンブリ600を出る。キャップ690は、第1の表面625上で静止し、凹部615と係合して、内部空間618によって画定されたプレナムを形成する。キャップ690は、キャップ690を第1の表面625で静止できるようにするフランジ部分693と、凹部615に係合するプラグ部分691とを有する。
図6Aの実施形態では、第1及び第2の側壁612及び614は、第1の表面625及び出口壁616に実質的に鉛直である。キャップ690のプラグ部分691は、第1の表面625に近接した第1及び第2の側壁612及び614の形状に従う形状を有し、プレスフィットを提供する。
【0029】
[0036]
図6Bに示される他の実施形態では、プラグ部分は、プラグ部分の幅が凹部615内への広がりと共に減少するようにテーパ処理された形状を有する。第1及び第2の側壁612及び614は、プラグ部分691のテーパ処理された形状に一致する第1の表面625に近接したテーパ処理された形状を有しうる。
図6Bに示される第1の壁692及び第2の壁694によって形成されたプラグ部分691のテーパ処理された形状により、キャップ690を凹部615に容易に嵌めることができるようになる。キャップ690により、内部空間618へのガス流が孔610を通って確実に出るようにする。ガス射出アセンブリ600は、基板処理チャンバのガス供給トンネルにガスを供給するための、本書に記載の任意の他のガスインジェクタ又はガス射出アセンブリの代わりに使用されうる。
【0030】
[0037]
図7は、本書に記載の1つ又は複数の実施形態によるガスインジェクタ700の斜視図を示す。ガスインジェクタ700は、
図1のガスインジェクタ100に類似する。
図7の実施形態では、複数のノズル710は、プレナム本体105の外面から横方向に延びる。1つ又は複数の実施形態では、複数のノズル710は、様々な角度で、突起部120の外面から横方向に延び、ガス流を、ノズル710を通して方向付ける。例えば、各ノズル710は、異なる角度で突起部120から延びてもよい。他の実施形態では、各ノズル710は、突起部120と約30°から約90°までの角度を形成しうる。1つ又は複数の実施形態では、複数のノズル710は、波形パターン又は扇形パターンで突起部120から延び、各ノズル710が、各隣接するノズル710と約10°から約20°までの角度を形成する。突起部120の両端のノズル710は、突起部120に対して横方向に鉛直でありうる。突起部120の両端のノズル間のノズルは、異なる方向に向かうことがあり、ノズルの先端は、その長さに沿って突起部120の中央付近に存在しうるピークを有する波形パターンを形成する。他の実施形態では、ノズル710は、様々な異なる角度で突起部120から横方向に延びうる。1つ又は複数の実施形態では、ノズル710は、突起部120の中央に向かって横方向内側に向かうことがある。他の実施形態では、ノズル710は、突起部120の中央から離れるように横方向外側に向かうことがある。
図7の実施形態では、ノズル710は、様々な異なる横方向及び高度方向に向かう。例えば、最も外側のノズル710が、横方向内側に向かう一方で、その他のノズル710は、様々な高度方向に向かう。
【0031】
[0038]他の実施形態では、複数のノズル710は、互いに様々な距離だけ離れて配置されてもよい。各ノズル710とその近接ノズルとの間の距離は、均一であっても、不均一であっても、又はすべてのノズル710にわたって繰り返すパターンを有していてもよい。例えば、
図7又は
図1の実施形態では、突起部120の中央付近のノズルは、突起部120の端付近のノズルよりも幅広く間隔を空けて配置されてもよい。別の例では、
図7又は
図1の実施形態では、突起部120の中央付近のノズルは、突起部120の端付近のノズルよりも小さな直径を有していてもよい。
図7には、複数のノズル710の片側だけが図示されているが、各側に複数のノズル710が存在してもよい。1つ又は複数の実施形態では、ノズル710の数は、約4から約25までの範囲内でありうる。複数のノズル710は、円形、正方形、長方形、長円形、長楕円形、卵型、又は任意の他の形状寸法の形状である断面形状を有しうる。凹部115は、ノズル710と流体連結している。複数のノズル710は、本体105の幅を下回る距離ほど延びうる。1つ又は複数の実施形態では、ノズル710は、突起部120から約0.3インチから約0.5インチの範囲の距離まで延びるが、ノズル710は、任意の適した長さを有してもよく、様々な異なる長さを有していてもよく、その長さはランダムであってもパターンに従っていてもよい。各ノズル710は、プレナム本体105の内部空間と流体連結している
【0032】
[0039]以上の記述は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱せずに、他の実施形態及び更なる実施形態を考案してもよく、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって判断される。