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特許7508693基板支持体内のリフトピンインターフェース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-21
(45)【発行日】2024-07-01
(54)【発明の名称】基板支持体内のリフトピンインターフェース
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20240624BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20240624BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALN20240624BHJP
【FI】
H01L21/68 R
C23C16/44 B
H01L21/302 101G
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2023504456
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-16
(86)【国際出願番号】 US2021042344
(87)【国際公開番号】W WO2022020334
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-03-16
(31)【優先権主張番号】63/055,148
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】スリマン, アレクサンダー
【審査官】境 周一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-056372(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0090361(US,A1)
【文献】登録実用新案第3154629(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0080955(US,A1)
【文献】国際公開第2018/216797(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0131163(US,A1)
【文献】特開2016-063000(JP,A)
【文献】特開2016-187056(JP,A)
【文献】特開2018-101711(JP,A)
【文献】特開平11-233291(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
C23C 16/44
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電チャック内のリフトピンインターフェースであって、
基板のための支持面を有する誘電体プレートと、
前記誘電体プレートの下に配置され、貫通して形成された開口部を有する導電性プレートであって、前記誘電体プレートは、前記導電性プレートの前記開口部内に延在する突出部を含む、導電性プレートと、
前記開口部に配置されたリフトピンガイドであって、前記リフトピンガイドは、前記リフトピンガイドの上面から延在し前記誘電体プレートの前記突出部と重なる、一又は複数の特徴部を含み、前記リフトピンガイドは、リフトピンを収容する通路を含む、リフトピンガイドと
を備える、リフトピンインターフェース。
【請求項2】
前記一又は複数の特徴部が、ショルダを含む、請求項1に記載のリフトピンインターフェース。
【請求項3】
前記誘電体プレートの前記突出部が、前記ショルダと篏合する皿穴を含む、請求項2に記載のリフトピンインターフェース。
【請求項4】
前記一又は複数の特徴部が、前記通路の周りに配置された単一の内側ショルダを含む、請求項2に記載のリフトピンインターフェース。
【請求項5】
前記一又は複数の特徴部が、前記突出部を囲む単一の外側ショルダを含む、請求項2に記載のリフトピンインターフェース。
【請求項6】
前記リフトピンガイドと前記突出部との間の前記リフトピンガイドの前記上面に配置されたOリングを更に備える、請求項1に記載のリフトピンインターフェース。
【請求項7】
前記一又は複数の特徴部が、2つのショルダを含み、前記突出部が前記2つのショルダの間に延在する、請求項1に記載のリフトピンインターフェース。
【請求項8】
前記2つのショルダの間の前記リフトピンガイドの前記上面に配置されたOリングを更に備える、請求項7に記載のリフトピンインターフェース。
【請求項9】
前記2つのショルダが、前記通路の周りに配置された内側ショルダ及び外側ショルダを含み、前記突出部が、前記内側ショルダと篏合する皿穴を含み、前記外側ショルダが、前記突出部を囲む、請求項7に記載のリフトピンインターフェース。
【請求項10】
前記2つのショルダが、同じ長さを有する、請求項7に記載のリフトピンインターフェース。
【請求項11】
前記2つのショルダが、異なる長さを有する、請求項7に記載のリフトピンインターフェース。
【請求項12】
前記導電性プレートの上面の上に配置された絶縁コーティングを更に含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のリフトピンインターフェース。
【請求項13】
前記絶縁コーティングの上に配置されたエラストマ接合層を更に備える、請求項12に記載のリフトピンインターフェース。
【請求項14】
前記突出部の外周と前記開口部の周囲部分との間に配置された柔軟間隙充填材料を更に含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のリフトピンインターフェース。
【請求項15】
静電チャックであって、
基板のための支持面を有する誘電体プレートと、
前記誘電体プレート内に配置された一又は複数の電極と、
前記誘電体プレートの下に配置され、貫通して形成された開口部を有する導電性プレートであって、前記誘電体プレートは、前記導電性プレートの前記開口部内に延在する突出部を含む、導電性プレートと、
前記開口部に配置されたリフトピンガイドとを備え、前記リフトピンガイドは、前記リフトピンガイドの上面から延在し前記誘電体プレートの前記突出部と重なる、一又は複数の特徴部を含み、前記リフトピンガイドは、リフトピンを収容する通路を含み、前記誘電体プレート及び前記突出部は、前記リフトピンガイドの前記通路と整列してリフトピン開口部を形成する、開口部を含むことにより、リフトピンが前記誘電体プレートの表面を越えて延在し、前記支持面の下に引き込まれるよう十分移動できる、静電チャック。
【請求項16】
前記一又は複数の特徴部が、前記通路の周りに配置された単一の内側ショルダ、又は前記突出部を囲む単一の外側ショルダのいずれかを含み、前記誘電体プレートの前記突出部は、前記ショルダと篏合する皿穴を含む、請求項15に記載の静電チャック。
【請求項17】
前記一又は複数の特徴部が、2つのショルダを含み、前記2つのショルダは、前記通路の周りに配置された内側ショルダ及び前記突出部を囲む外側ショルダを含み、前記突出部は、前記内側ショルダと篏合する皿穴を含む、請求項15に記載の静電チャック。
【請求項18】
前記導電性プレートの上面の上に配置された絶縁コーティングと、
前記絶縁コーティングの上に配置されたエラストマ接合層と
を更に含む、請求項15から17のいずれか一項に記載の静電チャック。
【請求項19】
静電チャックを含む基板支持体であって、
貫通して形成された開口部を有する導電性プレートと、
前記導電性プレートに連結された基板のための支持面を有する誘電体プレートであって、前記誘電体プレートは、前記導電性プレートの前記開口部内に延在する突出部を含む、誘電体プレートと、
前記導電性プレートと前記誘電体プレートとの間に配置されたエラストマ接合層と、
前記誘電体プレート内に配置され、チャッキング電源に連結されるように構成された一又は複数の電極と、
前記導電性プレートの前記開口部に配置されたリフトピンガイドとを備え、前記リフトピンガイドは、前記リフトピンガイドの上面から延在し前記誘電体プレートの前記突出部と重なる、一又は複数の特徴部を含み、前記リフトピンガイドは、リフトピンを収容する通路を含み、前記誘電体プレート及び前記突出部は、前記リフトピンガイドの前記通路と整列してリフトピン開口部を形成する、開口部を含むことにより、リフトピンが前記誘電体プレートの表面を越えて延在し、前記支持面の下に引き込まれるよう十分移動できる、基板支持体。
【請求項20】
前記一又は複数の電極に連結されたチャッキング電源と、
前記導電性プレートに連結されたRF電源と、
前記導電性プレートの下に配置されて、前記導電性プレートを接地から絶縁する絶縁プレートと
を更に備える、請求項19に記載の基板支持体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、基板処理システムに関し、より具体的には、基板処理システムにおいて使用するための静電チャックに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]静電チャックは、プラズマ処理チャンバなどの基板処理システム内で基板を支持するために使用される。例えば、静電チャックは、基板処理チャンバの処理空間内に保持された支持プレートに接合され得る。静電チャックを貫通して形成されたリフトピン孔は、静電チャックの支持面上に基板を上昇及び/又は下降させるリフトピンを収容する。
【0003】
[0003]プラズマ処理チャンバ内では、静電チャックは、基板付近で高電力高周波(RF)フィールド及び高密度プラズマにさらされる。発明者は、かかるプラズマ処理チャンバでは、リフトピン孔内での高電界の発生による気体絶縁破壊(gas breakdown)が望ましくなく起こり、これは望ましくなくアーク放電につながる可能性があることを観察した。本発明者は更に、プロセスガスの化学物質がリフトピン孔にも浸透し、静電チャックを支持プレートに固定する接合層の劣化につながる可能性があることを観察した。
【0004】
[0004]したがって、発明者らは、改善された静電チャックの実施形態を提供した。
【発明の概要】
【0005】
[0005]静電チャック用のリフトピンインターフェースのための方法及び装置が本明細書に提供される。幾つかの実施形態では、静電チャック内のリフトピンインターフェースは、基板のための支持面を有する誘電体プレートと、誘電体プレートの下に配置され、貫通して形成された開口部を有する導電性プレートであって、誘電体プレートは、当該導電性プレートの開口部内に延在する突出部を含む、導電性プレートと、開口部に配置されたリフトピンガイドであって、当該リフトピンガイドは、リフトピンガイドの上面から延在し、誘電体プレートの突出部と重なる、一又は複数の特徴部を含む、リフトピンガイドとを含む。
【0006】
[0006]幾つかの実施形態では、静電チャック内のリフトピンインターフェースは、基板のための支持面を有する誘電体プレートと、誘電体プレートの下に配置され、貫通して形成された開口部を有する導電性プレートであって、誘電体プレートは、当該導電性プレートの開口部内に延在する突出部を含む、導電性プレートと、開口部に配置されたリフトピンガイドであって、当該リフトピンガイドは、リフトピンガイドの上面から延在し誘電体プレートの突出部と重なる、一又は複数の特徴部を含み、当該リフトピンガイドは、リフトピンを収容する通路を含む、リフトピンガイドとを含む。
【0007】
[0007]幾つかの実施形態では、静電チャックは、基板のための支持面を有する誘電体プレートと、誘電体プレート内に配置された一又は複数の電極と、誘電体プレートの下に配置され、貫通して形成された開口部を有する導電性プレートであって、誘電体プレートは、当該導電性プレートの開口部内に延在する突出部を含む、導電性プレートと、開口部に配置されたリフトピンガイドとを含み、当該リフトピンガイドは、リフトピンガイドの上面から延在し誘電体プレートの突出部と重なる、一又は複数の特徴部を含み、当該リフトピンガイドは、リフトピンを収容する通路を含み、誘電体プレート及び突出部は、リフトピンガイドの通路と整列してリフトピン開口部を形成する、開口部を含むことにより、リフトピンが誘電体プレートの表面を越えて延在し、支持面の下に引き込まれるよう十分移動できる。
【0008】
[0008]幾つかの実施形態では、静電チャックを含む基板支持体は、貫通して形成された開口部を有する導電性プレートと、導電性プレートに連結された基板のための支持面を有する誘電体プレートであって、当該誘電体プレートは、導電性プレートの開口部内に延在する突出部を含む、誘電体プレートと、導電性プレートと誘電体プレートとの間に配置されたエラストマ接合層と、誘電体プレート内に配置され、チャッキング電源に連結されるように構成された一又は複数の電極と、導電性プレートの開口部に配置されたリフトピンガイドとを含み、当該リフトピンガイドは、リフトピンガイドの上面から延在し誘電体プレートの突出部と重なる、一又は複数の特徴部を含み、当該リフトピンガイドは、リフトピンを収容する通路を含み、誘電体プレート及び突出部は、リフトピンガイドの通路と整列してリフトピン開口部を形成する、開口部を含むことにより、リフトピンが誘電体プレートの表面を越えて延在し、支持面の下に引き込まれるよう十分移動できる。
【0009】
[0009]本開示のその他の実施形態及び更なる実施形態については、以下に記載する。
【0010】
[0010]上記で簡潔に要約されており、以下でより詳しく述べる本開示の実施形態は、添付の図面に示している本開示の例示的な実施形態を参照することにより、理解され得る。しかし、本開示は他の等しく有効な実施形態を許容し得ることから、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、範囲を限定するものと見なすべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0011]本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、静電チャックを有する処理チャンバの概略側面図である。
図2】[0012]本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、静電チャックの一部の概略側面図である。
図3】[0013]本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、静電チャックの一部の概略側面図である。
図4】[0014]本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、静電チャックの一部の概略側面図である。
図5】[0015]本開示の少なくとも幾つかの実施形態に係る、静電チャックの一部の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0016]理解を容易にするために、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。図は縮尺どおりには描かれておらず、分かりやすくするために簡略化されることがある。一実施形態の要素及び特徴は、更なる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれ得る。
【0013】
[0017]静電チャックで使用するためのリフトピンインターフェースの実施形態が本明細書に提供される。リフトピンインターフェースの実施形態は、有利には、基板から基板支持体の導電性部分(例えば冷却プレート)までの距離(例えば、沿面距離/アーク経路)を増加させる。リフトピンインターフェースの実施形態は、電圧スタンドオフのためのOリング又はポッティング材料などの他の構成要素に依存することなく、前述の利益を有利に提供する。
【0014】
[0018]図1は、本開示の少なくとも幾つかの実施形態による、リフトピンインターフェースを備える静電チャックを有する処理チャンバ(例えばプラズマ処理チャンバ)の概略側面図を示す。幾つかの実施形態では、プラズマ処理チャンバはエッチング処理チャンバである。しかし、異なるプロセスのために構成された他の種類の処理チャンバも、本明細書に記載の静電チャックの実施形態と共に使用するか、又は使用するために修正することができる。
【0015】
[0019]チャンバ100は、基板処理中にチャンバ内部空間120内を大気圧未満の圧力に維持するように適切に適合された真空チャンバである。チャンバ100は、チャンバ内部空間120の上半分に位置する処理空間119を囲むリッド104によって覆われたチャンバ本体106を含む。チャンバ100はまた、様々なチャンバ構成要素とイオン化されたプロセス材料との間の望ましくない反応を防止するために、様々なチャンバ構成要素を取り囲む一又は複数のシールド105を含み得る。チャンバ本体106及びリッド104は、アルミニウムなどの金属で作製され得る。チャンバ本体106は、接地115への連結を介して接地され得る。
【0016】
[0020]基板支持体124は、チャンバ内部空間120内に配置されて、例えば半導体ウエハなどの基板122、又は静電的に保持され得る他の基板を支持及び保持する。基板支持体124は、概して、静電チャック150と、静電チャック150を支持するための中空支持シャフト112とを備え得る。静電チャック150は、その中に配置された一又は複数の電極154を有する誘電体プレート152と、導電性プレート136とを備える。中空支持シャフト112は、例えば、背面ガス、プロセスガス、流体、冷却剤、電力などを静電チャック150に提供するための導管を提供する。
【0017】
[0021]幾つかの実施形態では、中空支持シャフト112は、アクチュエータ又はモータなどのリフト機構113に連結され、これは、上部の処理位置(図1に図示)と下部の搬送位置(図示せず)との間の静電チャック150の鉛直の動きを提供する。ベローズアセンブリ110は、中空支持シャフト112の周りに配置され、静電チャック150とチャンバ100の底面126との間に連結されて、静電チャック150の鉛直運動を可能にする一方で、チャンバ100内からの真空の損失を防止する可撓性シールを提供する。ベローズアセンブリ110はまた、Oリング165、又は底面126と接触する他の適切なシール要素と接触する、下部ベローズフランジ164を含み、チャンバ真空の損失を防止するのに役立つ。
【0018】
[0022]中空支持シャフト112は、背面ガス供給141、チャッキング電源140、及びRF源(例えば、RFプラズマ電源170及びRFバイアス電源117)を静電チャック150に連結するための導管を提供する。背面ガス供給141は、チャンバ本体106の外側に配置され、熱伝達ガスを静電チャック150に供給する。幾つかの実施形態では、RFプラズマ電源170及びRFバイアス電源117は、それぞれのRF整合ネットワーク(RF整合ネットワーク116のみを示す)を介して静電チャック150に連結される。幾つかの実施形態では、基板支持体124は、あるいは、AC、DC、又はRFバイアス電力を含んでもよい。
【0019】
[0023]基板リフト130は、基板リフト130を上昇及び下降させるための第2のリフト機構132に連結されたシャフト111に接続されたプラットフォーム108上に取り付けられたリフトピン109を含み得、その結果、静電チャック150に基板122を載置又は静電チャック150から基板122を除去することができる。静電チャック150は、リフトピン109を受け取るための貫通孔を含み得る。リフトピン109の構成及びインターフェースの詳細は、図2~5に関して以下でより詳細に記載される。
【0020】
[0024]ベローズアセンブリ131は、基板リフト130と底面126との間に連結されて、基板リフト130の鉛直運動中にチャンバ真空を維持する可撓性シールを提供する。
【0021】
[0025]静電チャック150は、静電チャック150の下面から静電チャック150の上面の様々な開口部まで延在するガス分配チャネル138を含む。ガス分配チャネル138は、使用中に静電チャック150の温度及び/又は温度プロファイルを制御するために、ガス導管142を介して背面ガス供給141と流体連通している。
【0022】
[0026]チャンバ100は、チャンバ100を排気するために使用されるスロットルバルブ(図示せず)及び真空ポンプ(図示せず)を含む真空システム114に連結され、これと流体連通している。チャンバ100内の圧力は、スロットルバルブ及び/又は真空ポンプを調整することによって調節され得る。チャンバ100はまた、その中に配置された基板を処理するためにチャンバ100に一又は複数のプロセスガスを供給し得るプロセスガス供給118に連結され、これと流体連通している。
【0023】
[0027]動作中、例えば、プラズマ102をチャンバ内部空間120内に生み出して、一又は複数のプロセスを実行することができる。プラズマ102は、プラズマ電源(例えばRFプラズマ電源170)からの電力を、チャンバ内部空間120の近く又は内部の一又は複数の電極を介して、プロセスガスに連結することによって生み出され、プロセスガスを点火し、プラズマ102を生み出し得る。バイアス電力はまた、バイアス電源(例えばRFバイアス電源117)から一又は複数の電極154、又は静電チャック150内の何らかの他の電極に提供されて、プラズマから基板122に向かってイオンを引きつけ得る。幾つかの実施形態では、バイアス電源は、冷却プレートに連結されて、処理されている基板に負のバイアスを提供する。RF電力が冷却プレートに印加されると、冷却プレートと基板との間に電圧差(図2~5でΔVとして示される)が発生する。電圧差は、冷却プレートと基板との間に電界を生み出し、望ましくなく、プラズマの点灯及びアーク放電を引き起こし得る。
【0024】
[0028]図2は、本開示の少なくとも幾つかの実施形態による、リフトピンインターフェースを有する静電チャック200の一部の概略側面図を示す。幾つかの実施形態では、静電チャック200は、図1に関して上述した静電チャック150である。静電チャック200は、基板202(例えば、半導体ウエハなど)を支持するための上部支持面を有する誘電体プレート204を含む。誘電体プレート204は、窒化アルミニウム(AlN)などの適切なプロセス適合セラミック材料で作製される。一又は複数の電極が誘電体プレート204に埋め込まれ、チャッキング電源(例えば、図1に示されるチャッキング電源140)に連結される。誘電体プレート204は、支持面とは反対側の下面を有する。
【0025】
[0029]誘電体プレート204が導電性プレート210に連結される。導電性プレート210は、電気的及び熱的に導電性である。幾つかの実施形態では、導電性プレート210はアルミニウム(Al)で作製される。幾つかの実施形態では、導電性プレート210は、貫通して冷却剤を流すように構成された冷却チャネルを含む。幾つかの実施形態では、導電性プレート210は、上述のRFバイアス電源117などのRF電源に連結される。導電性プレート210は、導電性プレート210を接地から絶縁する絶縁プレート212の上に位置する。
【0026】
[0030]誘電体又は絶縁コーティング208は、導電性プレート210の上面の上に配置され得る。幾つかの実施形態では、絶縁コーティング208は、酸化アルミニウムである。幾つかの実施形態では、絶縁コーティング208は、酸化アルミニウムスプレーコーティングである。
【0027】
[0031]エラストマ接合層206は、絶縁コーティング208の上に配置され得る。エラストマ接合層206は、誘電体プレート204と導電性プレート210との間の熱伝達を改善するために、より堅牢な熱界面を有利に提供する。エラストマ接合層206は、誘電体プレート204を導電性プレート210に更に有利に接合する。エラストマ接合層206は、シリコン又はシリコンベースの材料など、任意のプロセス適合柔軟熱導電性材料とすることができる。
【0028】
[0032]開口部214は、導電性プレート210及び絶縁プレート212を貫通して形成されて、リフトピンガイド216を受け入れる。リフトピンガイド216は、開口部214内にフィットし、リフトピン218を収容するための通路を含む。リフトピンガイド216は、ポリテトラフルオロエチレン(例えばTEFLON(登録商標))、セラミック、又はそれらの組み合わせなどのプロセス適合絶縁材料で作製され得る。リフトピンガイドは、単一の材料片で作製することも、複数の部品を有する(例えば、それぞれが同じ材料又は別の材料で作られた複数の部品で作製する)こともできる。
【0029】
[0033]誘電体プレート204は、誘電体プレート204が導電性プレート210上に配置されたときに開口部214内に延在するように構成された突出部220を含む。幾つかの実施形態では、突出部220及び誘電体プレート204は単一的に形成される(例えばモノリシック)。幾つかの実施形態では、突出部220は、例えば、拡散接合(破線で示される)などの絶縁接合技法を使用する接合によって、誘電体プレート204に連結される。
【0030】
[0034]誘電体プレート204及び突出部220は、リフトピンガイド216内の通路と整列した開口部を含み、開口部214に挿入されると、リフトピン218が誘電体プレート204の表面を越えて延在するのに(例えば、誘電体プレート204の支持面の上方に基板を保持するため)十分移動できるようにリフトピン開口部を形成し、(例えば、誘電体プレート204の支持面上に基板を載置するため)支持面の下に引き込む。リフトピン218は、基板202を損傷又は汚染しない任意のプロセス適合絶縁材料(例えば酸化アルミニウム)で製造され得る。
【0031】
[0035]リフトピンガイド216の上部は、誘電体プレート204の突出部220とインターフェースする一又は複数の特徴部を含み、有利には、基板202の裏側から導電性プレート210への距離(例えば、沿面距離/アーク経路)が増加したリフトピンインターフェースを提供する。一又は複数の特徴部は、突出部220と重なり、リフトピンインターフェースの長さを増加させる。リフトピンインターフェースは更に、誘電体プレート204の上部(及び基板202の裏側)からエラストマ接合層206、及び幾つかの実施形態ではリフトピンガイド216と突出部220との間に配置されたOリング228への見通し線を有利に防止し、ひいてはエラストマ接合層206へのプロセス化学物質の影響を有利に低減又は排除する。
【0032】
[0036]例えば、幾つかの実施形態では、リフトピンインターフェースは、リフトピンガイドから上方に延在する一又は複数のショルダを含む。図2に示されるように、幾つかの実施形態では、リフトピンガイド216は、リフトピンガイド216の上面226から上方に延在する1つのショルダ224を含む。ショルダ224は、リフトピン通路の周りに配置された内側ショルダとすることができる。任意選択的に、Oリング228は、ショルダ224の側壁の周りの上面226に配置され得る。Oリングは、シリコン又はパーフルオロエラストマー材料など、任意の標準的なプロセス適合材料で作製され得る。誘電体プレート204の突出部220は、ショルダ224と嵌合する皿穴を含み得る。図2に示すように、基板202の裏側と導電性プレート210との間の長く曲がりくねった経路は、誘電体プレート204の開口部、ショルダ224の上面及び側壁に沿って、並びに突出部220に沿って(矢印230で示すように)リフトピンインターフェースによって形成される。
【0033】
[0037]幾つかの実施形態では、図3に示すように、リフトピンガイド216は、リフトピンガイド216の上面226から上方に延在する2つのショルダ(ショルダ224及びショルダ304)を含む。ショルダ224は、リフトピン通路の周りに配置された内側ショルダとすることができる。ショルダ304は、例えば、リフトピンガイド216の外周に近接して配置された外側ショルダすることができる。2つのショルダ224、304は、同じ寸法を有してもよく、又は異なる寸法を有してもよい。例えば、ショルダは、同じ高さを有してもよく、又は異なる高さを有してもよい。あるいは、又は組み合わせて、ショルダは同じ幅を有してもよく、又は異なる幅を有してもよい。任意選択的に、Oリング228は、ショルダ224の側壁とショルダ304との間の上面226に配置され得る。誘電体プレート204の突出部220は、ショルダ224と嵌合する皿穴を含み得る。突出部220の外径は、突出部220の少なくとも一部がショルダ224、304の間にフィットできるように、ショルダ304の内径よりも小さい。図3に示すように、基板202の裏側と導電性プレート210との間の長く曲がりくねった経路は、誘電体プレート204の開口部、ショルダ224の上面及び側壁に沿って、突出部220、並びにショルダ304の内側の側壁及び上面に沿って(矢印302で示すように)リフトピンインターフェースによって形成される。
【0034】
[0038]幾つかの実施形態では、図4に示すように、リフトピンガイド216は、リフトピンガイド216の上面226から上方に延在する1つのショルダ304を含む。ショルダ304は、例えば、リフトピンガイド216の外周に近接して配置された外側ショルダとすることができる。任意選択的に、Oリング228は、ショルダ304の径方向側壁内の上面226に配置され得る。突出部220の外径は、突出部220の少なくとも一部がショルダ304によって画定された内部スペース内にフィットできるように、ショルダ304の内径よりも小さい。図4に示すように、基板202の裏側と導電性プレート210との間の長く曲がりくねった経路は、誘電体プレート204の開口部に沿って、突出部220、並びにショルダ304の内側の側壁及び上面に沿って(矢印402で示すように)リフトピンインターフェースによって形成される。
【0035】
[0039]幾つかの実施形態では、図5に示すように、リフトピンガイド216は、リフトピンガイド216の上面226から上方に延在する2つのショルダ(ショルダ304及びショルダ504)を含む。ショルダ304は、例えば、リフトピンガイド216の外周に近接して配置された外側ショルダとすることができる。ショルダ504は、リフトピン通路の周りに配置された内側ショルダとすることができる。図5に示されるように、内側ショルダ504は、誘電体プレート204の突出部220がショルダ504と嵌合するために皿穴を必要としないような高さを有し得る。ショルダ304、504は、同じ幅を有してもよく、又は異なる幅を有してもよい。任意選択的に、Oリング228は、ショルダ304の側壁とショルダ504との間の上面226に配置され得る。突出部220の外径は、突出部220の少なくとも一部がショルダ304によって画定された内部スペース内にフィットできるように、ショルダ304の内径よりも小さい。図5に示すように、基板202の裏側と導電性プレート210との間の長く曲がりくねった経路は、誘電体プレート204の開口部に沿って、突出部220に沿って、並びにショルダ304の内側の側壁及び上面を上がって(矢印502で示すように)リフトピンインターフェースによって形成される。
【0036】
[0040]図2~5には明確に示されていないが、製造公差、熱膨張の差などを容易にするために、矢印230、302、及び402によって示される曲がりくねった経路に沿って、隣接する構成要素間に小さな間隙が存在する。
【0037】
[0041]本明細書に開示の実施形態のそれぞれにおいて、突出部220は、Oリングから基板202の裏側までの距離を増加させ、したがって、Oリングを、より低い電圧差を有し、リフトピンガイド216によってブロックされる見通し線を有する領域へと移動させ、Oリング228の浸食率を有利に低減する。更に、本明細書に開示の実施形態のそれぞれにおいて、Oリングは有利には容易に交換可能である。
【0038】
[0042]幾つかの実施形態では、オプションの柔軟間隙充填材料222が、突出部220の外周と開口部214の周囲部分との間に配置され得る。柔軟間隙充填材料222は、例えばシリコン又はシリコンベースのポッティング材料などのポッティング材料など、基板処理に使用される任意のプロセス適合柔軟間隙充填材料とすることができる。幾つかの実施形態では、柔軟間隙充填材料222及びエラストマ接合層206は同じ材料であってもよい。あるいは、柔軟間隙充填材料222は省略され得、突出部220の外周と開口部214の周囲部分との間に空隙が存在し得る。
【0039】
[0043]したがって、静電チャック用の改善されたリフトピンインターフェースの実施形態が本明細書に提供される。本開示の実施形態は、有利なことに、表面アーク放電を低減又は排除し、静電チャックの接合材料を保護する。改善されたリフトピンインターフェースの実施形態は、インターフェースを高電界領域から低電界領域に更に有利に移動させて、その領域におけるプラズマ点火を低減又は排除する。
【0040】
[0044]上記の説明は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱せずに、本開示のその他の実施形態及び更なる実施形態が考案され得る。
図1
図2
図3
図4
図5