(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】設定値管理システム、管理装置、設定値移行方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240625BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240625BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240625BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H04N1/00 127A
G06F3/12 331
G06F3/12 305
G06F3/12 373
G06F3/12 385
B41J29/38
B41J29/42 F
(21)【出願番号】P 2020101131
(22)【出願日】2020-06-10
【審査請求日】2023-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】近藤 麻由
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-081055(JP,A)
【文献】特開2020-087379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/12
B41J 29/38
B41J 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の情報処理装置と、第二の情報処理装置と、管理装置と、を有する設定値管理システムであって、
前記管理装置は、
前記第一の情報処理装置から設定データを受信する設定データ受信部と、
前記設定データに含まれない設定項目の推奨値を、前記設定データに基づいて決定する推奨値決定部と、
前記推奨値を示す推奨データを前記第二の情報処理装置に送信する推奨データ送信部と、を備え、
前記第二の情報処理装置は、
前記管理装置から前記推奨データを受信する推奨データ受信部と、
前記推奨データに示される推奨値を表示する制御を実行する表示制御部と、を備える、
設定値管理システム。
【請求項2】
前記管理装置は、
推奨値を決定する規則を示す推奨値決定規則情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記推奨値決定部は、前記推奨値決定規則情報に基づいて、前記推奨値を決定する、
請求項1に記載の設定値管理システム。
【請求項3】
前記推奨値決定規則情報は、設定項目と、前記設定項目を分類するカテゴリと、前記設定項目の設定値とが関連付けられた情報であって、
前記推奨値決定部は、設定項目の前記推奨値を、前記設定項目と同一のカテゴリに分類された他の設定項目についての前記設定データの設定値に基づいて、前記推奨値決定規則情報に含まれる前記設定値に決定する、
請求項2に記載の設定値管理システム。
【請求項4】
前記設定データ受信部は、前記第一の情報処理装置の使用履歴を示す使用履歴データをさらに受信し、
前記推奨値決定部は、前記設定データと前記使用履歴データとに基づいて前記推奨値を決定する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の設定値管理システム。
【請求項5】
前記第二の情報処理装置は、
適用する推奨値の選択を受けて、選択された前記推奨値を設定値として適用する推奨値適用部をさらに備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載の設定値管理システム。
【請求項6】
前記管理装置は、
前記設定データの形式を前記第二の情報処理装置の設定データの形式に変換する変換部をさらに備える、
請求項1から5のいずれか1項に記載の設定値管理システム。
【請求項7】
第一の情報処理装置から設定データを受信する設定データ受信部と、
前記設定データに含まれない設定項目の推奨値を、前記設定データに基づいて決定する推奨値決定部と、
前記推奨値を示す推奨データを第二の情報処理装置に送信する推奨データ送信部と、を備える、
管理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する方法であって、
第一の情報処理装置から設定データを受信するステップと、
前記設定データに含まれない設定項目の推奨値を、前記設定データに基づいて決定するステップと、
前記推奨値を示す推奨データを第二の情報処理装置に送信するステップと、を備える、
設定値移行方法。
【請求項9】
コンピュータに、
第一の情報処理装置から設定データを受信するステップと、
前記設定データに含まれない設定項目の推奨値を、前記設定データに基づいて決定するステップと、
前記推奨値を示す推奨データを第二の情報処理装置に送信するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設定値管理システム、管理装置、設定値移行方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置の設定値をユーザの要望に合わせた適切な値に設定するためのシステムが開発されている。
【0003】
例えば、ある電子機器から取得した設定情報を種類が異なる他の電子機器の設定情報に反映させるために、利用者の設定情報の変更情報から利用者の好みを推定して推奨値を決定し、決定した推奨値を設定項目に反映させる機器管理システムが開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の技術では、利用者が設定情報を変更しなければ利用者の好みを推定することができないため、適切な推奨値を決定できないという問題がある。
【0005】
開示の技術は、移行先の情報処理装置の設定として、より適切な推奨値を決定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術は、第一の情報処理装置と、第二の情報処理装置と、管理装置と、を有する設定値管理システムであって、前記管理装置は、前記第一の情報処理装置から設定データを受信する設定データ受信部と、前記設定データに含まれない設定項目の推奨値を、前記設定データに基づいて決定する推奨値決定部と、前記推奨値を示す推奨データを前記第二の情報処理装置に送信する推奨データ送信部と、を備え、前記第二の情報処理装置は、前記管理装置から前記推奨データを受信する推奨データ受信部と、前記推奨データに示される推奨値を表示する制御を実行する表示制御部と、を備える設定値管理システムである。
【発明の効果】
【0007】
移行先の情報処理装置の設定として、より適切な推奨値を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】設定値管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】設定値管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】設定値管理サーバの機能の一例を説明する図である。
【
図5】第一の実施形態に係る画像処理装置の機能の一例を示す図である。
【
図8】第一の実施形態に係る推奨値決定規則テーブルの一例を示す図である。
【
図9】設定値移行処理のシーケンスの一例を示す図である。
【
図10】第一の実施形態に係る推奨値決定処理のフローの一例を示す図である。
【
図11】推奨値保存テーブルの一例を示す図である。
【
図13】推奨値適用処理のフローの一例を示す図である。
【
図14】第二の実施形態に係る画像処理装置の機能の一例を示す図である。
【
図15】第二の実施形態に係るカウンタデータの一例を示す図である。
【
図16】第二の実施形態に係る推奨値決定規則テーブルの一例を示す図である。
【
図17】第二の実施形態に係る推奨値決定処理のフローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第一の実施形態)
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
図1は、設定値管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【0011】
設定値管理システム1は、設定値管理サーバ30と、第一の画像処理装置40-1と、第二の画像処理装置40-2と、設定端末50と、を備える。
【0012】
設定値管理サーバ30は、第一の画像処理装置40-1の設定データを第二の画像処理装置40-2に移行するための管理装置である。
【0013】
第一の画像処理装置40-1は、設定データの移行元の情報処理装置の一例である。
【0014】
第二の画像処理装置40-2は、設定データの移行先の情報処理装置の一例である。
【0015】
設定値管理システム1と、第一の画像処理装置40-1、第二の画像処理装置40-2および設定端末50とは、通信ネットワーク60を介して通信可能に接続されている。
【0016】
以下では、第一の画像処理装置40-1および第二の画像処理装置40-2を区別しないときは、画像処理装置40と呼ぶ。画像処理装置40は、コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、プリンタ機能等の画像を形成する機能を有する装置である。画像処理装置40は、例えば、MFP(Multifunction Peripheral)、インクジェットプリンタ、レーザープリンタなどであるが、これらに限られない。
【0017】
設定端末50は、設定値管理サーバ30の各種の機能を実現するための操作を受ける端末である。具体的には、設定端末50は、ユーザが設定移行システムを使用するためのアカウントを作成したり、第一の画像処理装置40-1から設定値管理サーバ30に送信された設定データを変換したりするために使用される。
【0018】
設定端末50は、ブラウザソフトウェア又はこれと同等のアプリケーションが動作すればよい。設定端末50は、例えばPC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、PDA(Personal Data Assistant)、ゲーム機、カーナビゲーション、などであるがこれらに限られない。
【0019】
次に、各装置のハードウェア構成について説明する。
【0020】
図2は、画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0021】
画像処理装置40は、本体10と、操作部20と、を備える。本体10と操作部20は、専用の通信路300を介して相互に通信可能に接続されている。通信路300は、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格のものを用いることもできるが、有線か無線かを問わず任意の規格のものであってよい。
【0022】
なお、本体10は、操作部20で受け付けた操作に応じた動作を行うことができる。また、本体10は、クライアントPC(パーソナルコンピュータ)等の外部装置とも通信可能であり、外部装置から受信した指示に応じた動作を行うこともできる。
【0023】
次に、本体10のハードウェア構成について説明する。本体10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、HDD(Hard Disk Drive)14と、通信I/F(Interface)15と、接続I/F16と、エンジン部17とを備え、これらがシステムバス18を介して相互に接続されている。
図2では、本体10がHDD14を有している構成を例に挙げて説明したが、例えば本体10がHDD14を有しておらず、十分な記憶領域を確保できない構成でも良い。
【0024】
CPU11は、本体10の動作を統括的に制御する。CPU11は、RAM13をワークエリア(作業領域)としてROM12又はHDD14等に格納されたプログラムを実行することで、本体10全体の動作を制御し、上記したコピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、プリンタ機能などの各種機能を実現する。
【0025】
通信I/F15は、通信ネットワーク60と接続するためのインタフェースである。接続I/F16は、通信路300を介して操作部20と通信するためのインタフェースである。
【0026】
エンジン部17は、コピー機能、スキャナ機能、ファクス機能、及び、プリンタ機能を実現させるための、汎用的な情報処理及び通信以外の処理を行うハードウェアである。例えば、原稿の画像をスキャンして読み取るスキャナ(画像読取部)、用紙等のシート材への印刷を行うプロッタ(画像形成部)、ファクス通信を行うファクス部などを備えている。更に、印刷済みシート材を仕分けるフィニッシャや、原稿を自動給送するADF(自動原稿給送装置)のような特定のオプションを備えることもできる。
【0027】
次に、操作部20のハードウェア構成について説明する。操作部20は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、フラッシュメモリ24と、通信I/F25と、接続I/F26と、操作パネル27、外部接続I/F29とを備え、これらがシステムバス28を介して相互に接続されている。
【0028】
図2では、操作部20がフラッシュメモリ24を有している構成を例に挙げて説明したが、例えば操作部20がフラッシュメモリ24を有していない構成でも良い。要するに、画像処理装置40は、大容量のデータを記憶するための記憶装置を有していない構成でも良い。
【0029】
記憶媒体70は、不揮発性の記憶装置である。記憶媒体70は、着脱可能で可搬性があることが好ましい。記憶媒体70は、例えばSDメモリーカード(登録商標)、USBメモリ、コンパクトフラッシュ(登録商標)、HDD、SSD(Solid State Drive)などである。記憶媒体70は、画像処理装置40が情報を書き込んだり情報を読み出したりできればどのような記憶媒体でもよい。
【0030】
図3は、設定値管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0031】
設定値管理サーバ30は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、通信I/F304と、入力装置305と、表示装置306とを備える。
【0032】
CPU301は、設定値管理サーバ30の動作を統括的に制御する。
【0033】
ROM302は、プログラム等の各種のデータを記憶する不揮発性のメモリである。
【0034】
RAM303は、CPU301が実行する各種の処理の作業領域(ワークエリア)として機能する揮発性のメモリである。
【0035】
通信I/F304は、ネットワークNと接続するためのインタフェースである。
【0036】
入力装置305は、ユーザによる操作の入力に用いられるデバイスであり、例えばマウスやキーボードなどで構成される。
【0037】
表示装置306は各種の情報を表示するデバイスであり、例えば液晶型ディスプレイ装置などで構成される。
【0038】
設定値管理サーバ30はクラウドコンピューティングに対応していることが好ましい。したがって、図示したハードウェア構成は、1つの筐体に収納されていたりひとまとまりの装置として備えられていたりする必要はなく、設定値管理サーバ30が備えていることが好ましいハード的な要素を示す。
【0039】
また、クラウドコンピューティングに対応するため、本実施形態の設定値管理サーバ30の物理的な構成は固定的でなくてもよく、負荷に応じてハード的なリソースが動的に接続および切断されることで構成されてよい。
【0040】
設定端末50のハードウェア構成は設定値管理サーバ30と同じであるか、又は細部が異なっていても良い。
【0041】
次に、各装置の機能について説明する。
【0042】
図4は、設定値管理サーバの機能の一例を説明する図である。
【0043】
設定値管理サーバ30は、データ入出力部31と、変換部32と、推奨値決定部33と、UI(User Interface)部35と、ファイル記憶部37と、データ記憶部38と、テーブル記憶部39と、を備える。
【0044】
データ入出力部31は、データの入出力を行う。具体的には、データ入出力部31は、設定データ受信部31aと、設定データ送信部31bと、推奨データ送信部31cと、を備える。
【0045】
設定データ受信部31aは、第一の画像処理装置40-1から設定データを受信する。
【0046】
設定データ送信部31bは、第二の画像処理装置40-2に設定データを送信する。
【0047】
推奨データ送信部31cは、第二の画像処理装置40-2に推奨データを送信する。推奨データは、第一の画像処理装置40-1から受信した設定データに含まれない設定項目の推奨値を示すデータである。
【0048】
データ記憶部38は、設定データ受信部31aが受信した設定データを記憶する。
【0049】
テーブル記憶部39は、RDB(Relational Database)形式のデータである各種のテーブルを記憶する。具体的には、テーブル記憶部39は、変換テーブル39aと、推奨値決定規則テーブル39bと、推奨値保存テーブル39cと、を記憶する。
【0050】
変換テーブル39aには、設定データの変換内容を示すデータが格納される。例えば、機種の異なる画像処理装置の間では、同一の設定内容を示す値が異なるフォーマットで格納されることがあるため、変換が必要となる。そこで、変換テーブル39aは、機種ごとのフォーマットの違いに基づく変換内容を示すデータが含まれる。
【0051】
推奨値決定規則テーブル39bには、推奨値を決定するための規則を示すデータが格納される。推奨値決定規則テーブル39bの具体例については後述する。
【0052】
推奨値保存テーブル39cには、決定した推奨値を示すデータが格納される。推奨値保存テーブル39cの具体例についても後述する。
【0053】
変換部32は、変換テーブル39aに基づいて、設定データ受信部31aが受信した設定データの形式を、第二の画像処理装置40-2の設定データの形式に変換する。
【0054】
ファイル記憶部37は、ファイル形式の各種のデータを記憶する。具体的には、ファイル記憶部37は、リソースファイル37aを記憶する。
【0055】
リソースファイル37aは、画像処理装置40の機種ごとの設定項目と設定可能な値の範囲を示すデータである。リソースファイル37aの具体例については後述する。
【0056】
推奨値決定部33は、設定データに含まれない設定項目の推奨値を、設定データに基づいて決定する。具体的には、推奨値決定部33は、リソースファイル37aに基づいて、変換された設定データに含まれない設定項目の設定可能な値の範囲を判断する。そして、推奨値決定部33は、設定データに含まれる設定値と、推奨値決定規則テーブル39bに規定された規則とに基づいて、推奨値を決定する。
【0057】
UI部35は、設定端末50に表示するための表示制御と、ユーザが設定端末50を介して操作した内容の取得と、を実行する。
【0058】
図5は、第一の実施形態に係る画像処理装置の機能の一例を示す図である。
【0059】
画像処理装置40は、表示制御部41と、設定データ送信部42と、設定データ受信部43と、設定値取得部44と、設定データ設定部45と、基本機能部46と、推奨データ受信部47と、推奨値適用部48と、記憶部49と、を備える。
【0060】
表示制御部41、設定データ送信部42、設定データ受信部43、設定値取得部44、設定データ設定部45、基本機能部46、推奨データ受信部47および推奨値適用部48は、
図2に示された各構成要素のいずれかが、HDD14からRAM13に展開されたプログラムに従ったCPU11からの命令により動作することで実現される。このプログラムは、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体70に記憶された状態で配布される。ただし、これら機能は本体10と操作部20のどちらにあってもよい。
【0061】
表示制御部41は、操作部20への表示制御を行う。具体的には、表示制御部41は、推奨データ受信部47が受信した推奨データに示される推奨値を表示する制御を実行する。表示制御部41は、CPU11がプログラムを実行し、操作部20を制御すること等により実現される。
【0062】
記憶部49は、各種データを記憶する。記憶部49は、本体10のHDD14、RAM13及びROM12の1つ以上により実現される。具体的には、記憶部49は、プログラム、文書データ、ログ情報等の他、機種別プロファイル7と、設定データ8と、を記憶する。
【0063】
機種別プロファイル7は、画像処理装置40の機種ごとに使用可能な機能および設定項目を示す情報である。
【0064】
設定データ8は、画像処理装置40が有する機能に関する各種の設定項目の設定値を示すデータである。
【0065】
基本機能部46は、画像処理装置40の基本的な機能を実現する。画像処理装置40が複合機の場合、印刷、原稿の読み取り、ファクシミリの送受信などの機能を実現する。また、基本機能部46は、機種別プロファイル7に基づいて、記憶部49から設定データ8を取得したり書き込んだりする。基本機能部46は、CPU11がプログラムを実行し、エンジン部17を制御すること等により実現される。
【0066】
設定値取得部44は、基本機能部46を介して設定データ8に含まれる設定値を取得する。設定値取得部44は、主に第一の画像処理装置40-1によって使用される。また、設定値取得部44は設定データ8のうち機種別プロファイル7に指定された設定項目の設定値を暗号化する。設定値取得部44は、CPU11がプログラムを実行すること等により実現される。
【0067】
設定データ送信部42は、設定値取得部44によって暗号化された設定値を含む設定データを、通信ネットワーク60を介して設定値管理サーバ30に送信する。設定データ送信部42は、主に第一の画像処理装置40-1によって使用される。設定データ送信部42は、CPU11がプログラムを実行し、通信I/F15を制御すること等により実現される。
【0068】
設定データ受信部43は、設定値管理サーバ30から通信ネットワーク60を介して設定データを受信し、設定データ設定部45に送出する。設定データ受信部43は、主に第二の画像処理装置40-2で使用される。設定データ受信部43は、CPU11がプログラムを実行し、通信I/F15を制御すること等により実現される。
【0069】
設定データ設定部45は、設定データ受信部43が受信した設定データを基本機能部46に送出する。設定データ設定部45は、主に第二の画像処理装置40-2で使用される。また、設定データ設定部45は、設定データのうち機種別プロファイル7が指定する設定項目の設定値を復号する。設定データ設定部45はCPU11がプログラムを実行すること等により実現される。
【0070】
推奨データ受信部47は、設定値管理サーバ30から通信ネットワーク60を介して推奨データを受信し、表示制御部41に送出する。推奨データ受信部47は、主に第二の画像処理装置40-2で使用される。推奨データ受信部47は、CPU11がプログラムを実行し、通信I/F15を制御すること等により実現される。
【0071】
推奨値適用部48は、適用する推奨値の選択を受けて、選択された推奨値を設定値として適用する。推奨値適用部48は、CPU11がプログラムを実行し、操作部20を制御すること等により実現される。
【0072】
次に、設定値管理システム1が扱う各種のデータについて説明する。
【0073】
【0074】
リソースファイル37aは、項目として、モジュールIDと、プリファレンスIDと、項目名と、データ型と、最大値と、最小値と、を含む。
【0075】
項目「モジュールID」の値は、電子機器によって実現される機能(モジュール)を識別するための識別子である。項目「モジュールID」の値は、例えば、プリントアプリ、スキャナアプリ、FAXアプリなどのアプリケーションごとに付与されている。
【0076】
項目「プリファレンスID」の値は、各モジュールにおける個々の設定項目を識別するための識別子である。
【0077】
項目「モジュールID」および項目「プリファレンスID」の組み合わせによって、設定項目が一意に特定される。項目「モジュールID」および項目「プリファレンスID」は、設定項目を特定するための項目の一例であって、他の項目であっても良い。
【0078】
項目「項目名」の値は、設定項目の名称である。
【0079】
項目「データ型」の値は、設定値の形式を示す値である。項目「データ型」の値は、例えば、数値、選択肢、IPアドレスなどである。
【0080】
項目「最大値」の値は、設定値として設定可能な最大の値である。
【0081】
項目「最小値」の値は、設定値として設定可能な最小の値である。
【0082】
項目「最大値」および項目「最小値」によって、各設定項目の設定可能な設定値の範囲が示される。項目「最大値」および項目「最小値」は、設定可能な設定値の範囲の一例であって、他の項目であっても良い。例えば、設定値のデータ型が選択肢である場合のように、設定値として取り得る値が連続した値でない場合は、設定値として取り得る値のリストであっても良い。
【0083】
【0084】
設定データ8は、項目として、モジュールIDと、プリファレンスIDと、項目名と、設定値と、を含む。
【0085】
項目「モジュールID」の値は、モジュールを識別するための識別子である。
【0086】
項目「プリファレンスID」の値は、各モジュールにおける個々の設定項目を識別するための識別子である。
【0087】
項目「モジュールID」および項目「プリファレンスID」の組み合わせによって、設定項目が一意に特定される。
【0088】
項目「項目名」の値は、設定項目の名称である。
【0089】
項目「モジュールID」、「プリファレンスID」および「項目名」は、リソースファイル37aと同様である。
【0090】
項目「設定値」の値は、各設定項目の設定値である。項目「設定値」の値は、リソースファイル37aに示される各設定項目の設定可能な設定値の範囲内となっている。
【0091】
図8は、第一の実施形態に係る推奨値決定規則テーブルの一例を示す図である。
【0092】
推奨値決定規則テーブル39bは、項目として、カテゴリと、モジュールIDと、プリファレンスIDと、項目名と、設定値と、を含む。
【0093】
項目「カテゴリ」の値は、設定項目の分類を示す値である。設定項目の分類は、推奨値を決定するために、例えばユーザの好みを推定することができる設定項目として、設定値管理システム1の設計者によってあらかじめ決定される。
【0094】
具体的には、ユーザの省エネ意識の高さを示す設定項目は、省エネというカテゴリに属する。また、ユーザのセキュリティ意識の高さを示す設定項目は、セキュリティというカテゴリに属する。
【0095】
項目「モジュールID」、「プリファレンスID」および「項目名」は、リソースファイル37aまたは設定データ8と同様である。項目「モジュールID」および項目「プリファレンスID」の組み合わせによって、設定項目が一意に特定される。
【0096】
項目「設定値」の値は、各設定項目の設定値である。項目「設定値」の値は、それぞれのカテゴリのユーザの好みを推定するための値である。例えば、
図8に示す推奨値決定規則テーブル39bの第一エントリは、設定項目「スリープモード移行設定」が「ON」であることがユーザの省エネ意識の高さを推定する要素であることを示している。
【0097】
具体的には、設定値管理サーバ30の推奨値決定部33は、後述する処理において、設定項目ごとの推奨値を、設定項目と同一のカテゴリに分類された他の設定項目についての設定データの設定値に基づいて、推奨値決定規則テーブル39bに含まれる設定値に決定する。
【0098】
例えば、推奨値決定部33は、設定データに含まれない設定項目と同一のカテゴリに分類された他のすべての設定項目について、設定データの値が項目「設定値」の値である場合に、設定データに含まれない設定項目の推奨値を項目「設定値」の値に決定する。
【0099】
図8に示す推奨値決定規則テーブル39bの第四エントリから第八エントリまでの例では、設定データに設定項目「アクセス情報管理」が含まれていない場合、推奨値決定部33は、設定項目「アクセス情報管理」と同一のカテゴリである「セキュリティ」に分類された、設定項目「セキュリティレベル」、「アドレス帳暗号化」、「個人情報表示制限」および「文書保護強化」の設定値が、それぞれ「高」、「する」、「する」および「する」である場合に、設定項目「アクセス情報管理」の推奨値を「する」に決定する。
【0100】
なお、推奨値の決定方法は他でも良い。例えば、推奨値決定部33は、設定データに含まれない設定項目と同一のカテゴリに分類された他の設定項目のうち、半分以上の設定項目が項目「設定値」の値である場合に、設定データに含まれない設定項目の推奨値を項目「設定値」の値に決定しても良い。このようにすれば、同一カテゴリに2つ以上の設定データに含まれない設定項目がある場合であっても、推奨値決定部33は、推奨値を決定することができる。
【0101】
なお、推奨値決定規則テーブル39bは、推奨値を決定する規則を示す推奨値決定規則情報の一例であって、設定項目と、設定項目を分類するカテゴリと、設定項目の設定値とが関連付けられた情報であれば、他でも良い。例えば、ユーザの好みを推定するための値と、推奨値とが個別に定義されていても良い。また、ユーザの好みを推定するための値は、設定値の範囲や、平均値等の統計値等によって定義されていても良い。
【0102】
次に、設定値管理システム1の動作について説明する。
【0103】
図9は、設定値移行処理のシーケンスの一例を示す図である。
【0104】
ユーザ3が第一の画像処理装置40-1にエクスポートを指示する操作を行うと、第一の画像処理装置40-1は、設定値を収集する(ステップS101)。具体的には、第一の画像処理装置40-1の設定値取得部44は、基本機能部46を介して、記憶部49に格納された設定データ8から設定値を取得して、機種別プロファイル7に指定された設定項目の設定値を暗号化する。
【0105】
次に、第一の画像処理装置40-1の設定データ送信部42は、エクスポートの要求を示すエクスポート要求信号を設定値管理サーバ30に送信するとともに(ステップS102)、設定値取得部44によって暗号化された設定値を含む設定データを設定値管理サーバ30に送信する(ステップS103)。設定値管理サーバ30の設定データ受信部31aは、設定データを受信して、データ記憶部38に格納する。
【0106】
次に、ユーザ3が、設定端末50に変換を指示する操作を行うと、設定端末50は、変換を指示する信号(変換指示信号)を設定値管理サーバ30に送信する(ステップS104)。
【0107】
設定値管理サーバ30が変換指示信号を受信すると、変換部32は、設定データ受信部31aが受信した設定データを変換する(ステップS105)。具体的には、変換部32は、変換テーブル39aに基づいて、設定データ受信部31aが受信した設定データの形式を、第二の画像処理装置40-2の設定データの形式に変換する。
【0108】
次に、設定値管理サーバ30の推奨値決定部33は、推奨値決定処理を実行する(ステップS106)。推奨値決定処理のフローについては、後述する。
【0109】
次に、ユーザ3が第二の画像処理装置40-2にインポートを指示する操作を行うと、第二の画像処理装置40-2は、インポートの要求を示すインポート要求信号を設定値管理サーバ30に送信する(ステップS107)。
【0110】
設定値管理サーバ30は、設定データおよび推奨データを第二の画像処理装置40-2に送信する(ステップS108)。具体的には、設定データ送信部31bは、変換部32によって変換された設定データを送信し、推奨データ送信部31cは、推奨値決定部33によって決定された推奨値を示す推奨データを送信する。
【0111】
第二の画像処理装置40-2の設定データ受信部43は、設定データを受信する。また、第二の画像処理装置40-2の推奨データ受信部47は、推奨データを受信する。
【0112】
次に、第二の画像処理装置40-2は推奨値を表示する(ステップS109)。具体的には、第二の画像処理装置40-2の表示制御部41は、推奨値を表示して適用する推奨値を選択するための推奨値適用画面を、操作部20に表示する制御を実行する。推奨値適用画面の具体例については後述する。
【0113】
次に、ユーザ3が第二の画像処理装置40-2に、適用する推奨値を選択する操作を行うと、推奨値適用部48は、推奨値適用処理を実行する(ステップS110)。推奨値適用処理は、適用する推奨値の選択を受けて、選択された推奨値を設定値として適用する処理である。推奨値適用処理のフローについては、後述する。
【0114】
次に、第二の画像処理装置40-2は、自身の設定値を更新する(ステップS112)。具体的には、第二の画像処理装置40-2の設定データ設定部45は、機種別プロファイル7が指定する設定項目の設定値を復号し、復号された設定値を、基本機能部46を介して記憶部49の設定データ8に設定する。
【0115】
図10は、第一の実施形態に係る推奨値決定処理のフローの一例を示す図である。
【0116】
推奨値決定処理は、
図9に示した設定値移行処理のステップS106において、推奨値決定部33によって実行される処理である。
【0117】
推奨値決定部33は、リソースファイル37aのうち、第二の画像処理装置40-2の機種のリソースファイルから設定項目を一つ読み出す(ステップS201)。
【0118】
次に、推奨値決定部33は、読み出した設定項目が第一の画像処理装置40-1のリソースファイルに含まれるか否かを判定する(ステップS202)。
【0119】
推奨値決定部33は、読み出した設定項目が第一の画像処理装置40-1のリソースファイルに含まれないと判定すると(ステップS202:No)、読み出した設定項目を追加設定項目ファイルに追加する(ステップS203)。
【0120】
推奨値決定部33は、読み出した設定項目が第一の画像処理装置40-1のリソースファイルに含まれると判定すると(ステップS202:Yes)、ステップS203の処理をスキップする。
【0121】
そして、推奨値決定部33は、第二の画像処理装置40-2の機種のリソースファイルからすべての設定項目を読み出したか否かを判定する(ステップS204)。
【0122】
推奨値決定部33は、第二の画像処理装置40-2の機種のリソースファイルから読み出していない設定項目があると判定すると(ステップS204:No)、ステップS201の処理に戻って、次の設定項目を一つ読み出す。
【0123】
推奨値決定部33は、第二の画像処理装置40-2の機種のリソースファイルからすべての設定項目を読み出したと判定すると(ステップS204:Yes)、追加設定項目ファイルから設定項目を一つ読み出す(ステップS205)。
【0124】
そして、推奨値決定部33は、読み出した設定項目が推奨値決定規則テーブル39bに含まれるか否かを判定する(ステップS206)。
【0125】
推奨値決定部33は、読み出した設定項目が推奨値決定規則テーブル39bに含まれると判定すると(ステップS206:Yes)、読み出した設定項目と同じカテゴリのその他の設定項目すべてについて第一の画像処理装置40-1の設定値と推奨値決定規則テーブル39bの設定値が一致するか否かを判定する(ステップS207)。
【0126】
そして、推奨値決定部33は、読み出した設定項目と同じカテゴリのその他の設定項目すべてについて第一の画像処理装置40-1の設定値と推奨値決定規則テーブル39bの設定値が一致すると判定すると(ステップS207:Yes)、推奨値決定規則テーブル39bの設定値を、読み出した設定項目の推奨値として推奨値保存テーブル39cに追加する(ステップS208)。
【0127】
また、推奨値決定部33は、ステップS206において、読み出した設定項目が推奨値決定規則テーブル39bに含まれないと判定した場合(ステップS206:No)、またはステップS207において、読み出した設定項目と同じカテゴリのその他の設定項目について第一の画像処理装置40-1の設定値と推奨値決定規則テーブル39bの設定値が一致しない設定項目があると判定した場合(ステップS207:No)、ステップS208の処理をスキップする。
【0128】
そして、推奨値決定部33は、追加設定項目ファイルからすべての設定項目を読み出したか否かを判定する(ステップS209)。推奨値決定部33は、追加設定項目ファイルから読み出していない設定項目があると判定すると(ステップS209:No)、ステップS205の処理に戻り、追加設定項目ファイルから次の設定項目を一つ読み出す。
【0129】
推奨値決定部33は、追加設定項目ファイルからすべての設定項目を読み出したと判定すると(ステップS209:Yes)、推奨値決定処理を終了する。
【0130】
推奨値決定部33が推奨値決定処理を終了すると、テーブル記憶部39の推奨値保存テーブル39cには、決定された推奨値を示すデータが格納される。
【0131】
図11は、推奨値保存テーブルの一例を示す図である。
【0132】
推奨値保存テーブル39cは、項目として、モジュールIDと、プリファレンスIDと、項目名と、推奨値と、を含む。
【0133】
項目「モジュールID」、「プリファレンスID」および「項目名」は、リソースファイル37a、推奨値決定規則テーブル39bまたは設定データ8と同様である。項目「モジュールID」および項目「プリファレンスID」の組み合わせによって、設定項目が一意に特定される。
【0134】
項目「推奨値」の値は、推奨値決定部33によって決定された推奨値である。
【0135】
次に、
図9に示した設定値移行処理のステップS109において、第二の画像処理装置が表示する推奨値適用画面について説明する。
【0136】
【0137】
推奨値適用画面900は、推奨値一覧901と、全部非適用ボタン904と、決定ボタン905と、を含む。
【0138】
推奨値一覧901は、項目として、項目名と、おすすめ設定値と、適用可否と、を含む。
【0139】
項目「項目名」の値は、設定項目の名称である。
【0140】
項目「おすすめ設定値」の値は、推奨値保存テーブル39cの項目「推奨値」の値である。
【0141】
項目「適用可否」の表示欄には、設定項目ごとに、適用ボタン902と、非適用ボタン903と、を含む。
【0142】
適用ボタン902は、推奨値を設定値として適用することを選択するためのボタンである。非適用ボタン903は、推奨値を設定値として適用しないことを選択するためのボタンである。
【0143】
全部非適用ボタン904は、推奨値適用画面900に表示されたすべての推奨値を適用しないことを選択するためのボタンである。
【0144】
決定ボタン905は、適用ボタン902または非適用ボタン903によって選択された内容で決定するためのボタンである。
【0145】
なお、推奨値適用画面900は、設定項目が多い場合には、設定項目を複数のページに分けて表示されていても良い。
【0146】
次に、
図9に示した設定値移行処理のステップS110において、第二の画像処理装置40-2の推奨値適用部48が実行する推奨値適用処理のフローについて説明する。
【0147】
図13は、推奨値適用処理のフローの一例を示す図である。
【0148】
推奨値適用部48は、推奨値適用画面900で押下されたボタンがどのボタンであるかを判定する(ステップS301)。
【0149】
推奨値適用部48は、決定ボタン905が押下されたと判定すると(ステップS301:決定ボタン)、適用ボタン902が選択された設定項目について、推奨値を設定値として適用する(ステップS302)。
【0150】
推奨値適用部48は、全部非適用ボタン904が押下されたと判定すると(ステップS301:全部非適用ボタン)、推奨データを破棄する(ステップS303)。
【0151】
このようにして、推奨値適用部48は、ユーザ3の選択に基づいて、推奨データに含まれる推奨値を設定値として適用する。
【0152】
本実施形態に係る設定値管理システム1は、移行元である第一の画像処理装置40-1には無い設定項目の推奨値を、その他の設定項目の設定値に基づいて決定する。これによって、移行先である第二の画像処理装置40-2の設定として、より適切な推奨値を決定することができる。
【0153】
(第二の実施形態)
以下に図面を参照して、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態は、第一の画像処理装置40-1の使用履歴を示すカウンタデータにも基づいて推奨値を決定する点が、第一の実施形態と相違する。よって、以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0154】
図14は、第二の実施形態に係る画像処理装置の機能の一例を示す図である。
【0155】
本実施形態に係る画像処理装置40の記憶部49は、カウンタデータ9をさらに記憶する。
【0156】
また、本実施形態に係る設定値取得部44は、基本機能部46を介して、カウンタデータ9のカウンタ値をさらに取得する。そして、設定データ送信部42は、設定データとともにカウンタデータを設定値管理サーバ30に送信する。
【0157】
そして、設定値管理サーバ30の設定データ受信部31aは、設定データとともにカウンタデータを受信して、データ記憶部38に格納する。
【0158】
カウンタデータ9は、画像処理装置40の使用履歴を示す使用履歴データの一例である。カウンタデータ9は、例えば、出力面数、ジョブ実行回数、稼働時間などの画像処理装置40の使用履歴を数値として示すデータである。
【0159】
図15は、第二の実施形態に係るカウンタデータの一例を示す図である。
【0160】
カウンタデータ9は、項目として、カウンタIDと、カウンタ定義と、カウンタ名称と、カウンタ値と、を含む。
【0161】
項目「カウンタID」の値は、カウンタ値の内容を識別するための識別子である。
【0162】
項目「カウンタ定義」の値は、カウンタ値の内容をプログラムに記述するための名称である。
【0163】
項目「カウンタ名称」の値は、カウンタ値の内容を示す名称である。項目「カウンタ名称」は、画像処理装置40が使用する項目ではないため、カウンタデータ9に含まなくても良い。
【0164】
項目「カウンタ値」の値は、出力面数、ジョブ実行回数、稼働時間などのカウンタの数値である。
【0165】
図16は、第二の実施形態に係る推奨値決定規則テーブルの一例を示す図である。
【0166】
本実施形態に係る推奨値決定規則テーブル39bは、項目として、「設定値に基づく推奨値決定」と、「カウンタ値に基づく推奨値決定」と、をさらに含む。
【0167】
項目「設定値に基づく推奨値決定」の値は、設定値に基づく推奨値の決定を行うか否かを示す値である。
【0168】
項目「カウンタ値に基づく推奨値決定」の値は、カウンタ値に基づく推奨値の決定を行うか否かを示す値である。
【0169】
次に、本実施形態に係る設定値管理システム1の動作について説明する。
【0170】
図17は、第二の実施形態に係る推奨値決定処理のフローの一例を示す図である。
【0171】
本実施形態に係る設定値管理サーバ30の推奨値決定部33は、
図10に示したステップS201からステップS204までと同様の処理を実行して、追加設定項目ファイルに、第一の画像処理装置40-1のリソースファイルに含まれない設定項目を追加する。
【0172】
そして、推奨値決定部33は、追加設定項目ファイルから設定項目を一つ読み出す(ステップS501)。続いて、推奨値決定部33は、読み出した設定項目が推奨値決定規則テーブル39bに含まれるか否かを判定する(ステップS502)。
【0173】
推奨値決定部33は、読み出した設定項目が推奨値決定規則テーブル39bに含まれると判定すると(ステップS502:Yes)、読み出した設定項目が設定値に基づく推奨値決定を行う項目であるか否かを判定する(ステップS503)。
【0174】
推奨値決定部33は、読み出した設定項目が設定値に基づく推奨値決定を行う項目であると判定すると(ステップS503:Yes)、読み出した設定項目と同じカテゴリのその他の設定項目すべてについて第一の画像処理装置40-1の設定値と推奨値決定規則テーブル39bの設定値が一致するか否かを判定する(ステップS504)。
【0175】
推奨値決定部33は、読み出した設定項目と同じカテゴリのその他の設定項目すべてについて第一の画像処理装置40-1の設定値と推奨値決定規則テーブル39bの設定値が一致すると判定すると(ステップS504:Yes)、推奨値決定規則テーブル39bの設定値を、読み出した設定項目の推奨値として推奨値保存テーブルに追加する(ステップS508)。
【0176】
また、推奨値決定部33は、ステップS503において、読み出した設定項目が設定値に基づく推奨値決定を行う項目でないと判定するか(ステップS503:No)、またはステップS504において、読み出した設定項目と同じカテゴリのその他の設定項目について第一の画像処理装置40-1の設定値と推奨値決定規則テーブル39bの設定値が一致しない設定項目があると判定した場合(ステップS504:No)、読み出した設定項目がカウンタ値に基づく推奨値決定を行う項目であるか否かを判定する(ステップS505)。
【0177】
推奨値決定部33は、読み出した設定項目がカウンタ値に基づく推奨値決定を行う項目であると判定すると(ステップS505:Yes)、第一の画像処理装置40-1のカウンタデータ9の中から推奨値決定に使用するデータを抽出する(ステップS506)。
【0178】
例えば、読み出した設定項目のカテゴリが「コピー優先」である場合、推奨値決定部33は、カウンタデータ9の中から、「アプリ別トータル出力面数:コピー」、「アプリ別トータル出力面数:FAX」および「アプリ別トータル出力面数:プリンタ」のカウンタ値を抽出する。
【0179】
また、例えば、読み出した設定項目のカテゴリが「省エネ」である場合、推奨値決定部33は、カウンタデータ9の中から、「機器状態別時間:通常待機時間」および「機器状態別時間:スリープモード時間」のカウンタ値を抽出する。
【0180】
次に、推奨値決定部33は、抽出したデータがカテゴリに規定された推奨値決定条件を満たすか否かを判定する(ステップS507)。推奨値決定条件は、設定項目のカテゴリごとにあらかじめ規定されている。
【0181】
例えば、読み出した設定項目のカテゴリが「コピー優先」である場合、推奨値決定条件は、「アプリ別トータル出力面数:コピー」のカウンタ値が、「アプリ別トータル出力面数:FAX」および「アプリ別トータル出力面数:プリンタ」よりも多いという条件である。
【0182】
また、例えば、読み出した設定項目のカテゴリが「省エネ」である場合、推奨値決定条件は、「機器状態別時間:スリープモード時間」のカウンタ値が、「機器状態別時間:通常待機時間」のカウンタ値の2倍以上であるという条件である。
【0183】
推奨値決定部33は、抽出したデータがカテゴリに規定された推奨値決定条件を満たすと判定すると(ステップS507:Yes)、ステップS508の処理を実行する。
【0184】
また、推奨値決定部33は、ステップS502において、読み出した設定項目が推奨値決定規則テーブル39bに含まれないと判定した場合(ステップS502:No)、ステップS505において、読み出した設定項目がカウンタ値に基づく推奨値決定を行う項目でないと判定した場合(ステップS505:No)、または、ステップS507において、抽出したデータがカテゴリに規定された推奨値決定条件を満たさないと判定すると(ステップS507:No)、ステップS508の処理をスキップする。
【0185】
そして、推奨値決定部33は、追加設定項目ファイルからすべての設定項目を読み出したか否かを判定する(ステップS509)。推奨値決定部33は、追加設定項目ファイルから読み出していない設定項目があると判定すると(ステップS509:No)、ステップS501の処理に戻り、追加設定項目ファイルから次の設定項目を一つ読み出す。
【0186】
推奨値決定部33は、追加設定項目ファイルからすべての設定項目を読み出したと判定すると(ステップS509:Yes)、推奨値決定処理を終了する。
【0187】
推奨値決定部33が推奨値決定処理を終了すると、テーブル記憶部39の推奨値保存テーブル39cには、決定された推奨値を示すデータが格納される。
【0188】
本実施形態に係る設定値管理システム1は、移行元である第一の画像処理装置40-1には無い設定項目の推奨値を、カウンタデータ9のカウンタ値に基づいて決定する。これによって、移行元である第一の画像処理装置40-1の使用履歴に基づいて、移行先である第二の画像処理装置40-2の設定として、より適切な推奨値を決定することができる。
【0189】
なお、カウンタデータ9は、使用履歴を示すデータの一例であって、他でも良い。例えば、使用履歴を示すデータとして、ログデータ等を使用しても良い。
【0190】
各実施形態に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。
【0191】
ある実施形態では、設定値管理サーバ30は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイス(情報処理装置)を含む、クラウドサービスやWebサービス等の、情報処理システムとして構成されても良い。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施しても良い。
【0192】
さらに、設定値管理サーバ30および画像処理装置40は、開示された処理ステップ、例えば
図9、
図10または
図17を様々な組み合わせで共有するように構成できる。また、設定値管理サーバ30および画像処理装置40の各要素は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。例えば各機能部をそれぞれ有する異なる情報処理装置が連携して情報処理システムを構成してもよい。
【0193】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0194】
また、上述した各実施形態では、情報処理装置の一例として画像処理装置40を示した。しかし、情報処理装置は、情報を処理する機能を備えた装置であれば、画像処理装置に限られない。情報処理装置は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0195】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0196】
1 設定値管理システム
30 設定値管理サーバ
31 データ入出力部
31a 設定データ受信部
31b 設定データ送信部
31c 推奨データ送信部
32 変換部
33 推奨値決定部
35 UI部
37 ファイル記憶部
38 データ記憶部
39 テーブル記憶部
40 画像処理装置
40-1 第一の画像処理装置
40-2 第二の画像処理装置
41 表示制御部
42 設定データ送信部
43 設定データ受信部
44 設定値取得部
45 設定データ設定部
46 基本機能部
47 推奨データ受信部
48 推奨値適用部
49 記憶部
50 設定端末
60 通信ネットワーク
【先行技術文献】
【特許文献】
【0197】