(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240625BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240625BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20240625BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240625BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240625BHJP
B41J 29/46 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H04N1/00 350
B41J2/01 201
B41J29/393 105
B41J29/38 301
B41J29/42 F
B41J29/46 Z
(21)【出願番号】P 2020109620
(22)【出願日】2020-06-25
【審査請求日】2023-04-12
(31)【優先権主張番号】P 2019146302
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】山本 賢吾
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-192884(JP,A)
【文献】特開2019-005905(JP,A)
【文献】特開2008-061187(JP,A)
【文献】特開2018-037752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 2/01
B41J 29/38-29/393
B41J 29/42-29/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が形成された被記録媒体を読取部で読み取り取得した読取結果と、前記被記録媒体上に形成される画像の基準データと、を比較した検査結果情報を印刷ジョブ単位で表示する第1表示、または、前記印刷ジョブのうち、前記検査結果情報に基づいて、前記被記録媒体上に形成された画像に異常が存在するページを含む印刷ジョブのみを表示する第2表示と、
前記異常が存在するページを含む前記印刷ジョブの該ページに関する情報と、該ページに存在する1以上の異常の種類を示す異常種類情報と、を表示する第3表示と、
を含む表示画面を表示する表示手段を備え
、
前記第3表示が表示する、前記印刷ジョブの該ページに関する情報は、前記異常種類情報が示す異常種類が含まれる前記ページを識別するページ識別情報と、前記ページが含まれるジョブを識別するジョブ識別情報と、を含み、
前記1以上の異常の種類を示す異常種類情報は、前記1以上の異常の種類に対応する1以上のアイコンであり、
前記第3表示は、前記ジョブ識別情報と、前記ページ識別情報と、前記1以上のアイコンとを関連付けて表示する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示手段は、更に、前記第3表示に表示されている前記ページに存在する前記異常の位置を示す第4表示を
含む表示画面を表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置は、さらに、
前記第1表示又は前記第2表示に表示されている印刷ジョブ単位で表示されている前記検査結果情報を絞り込む際の条件を設定する絞込設定表示を行う絞込表示部を備える、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報処理装置は、さらに、
前記第1表示又は前記第2表示において、前記異常が存在するページを含むジョブの行を強調表示する強調表示部を備える、
ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記強調表示部は、
前記第1表示又は前記第2表示において、前記異常のレベルによって強調表示の色の濃さを変化させて表示する、
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示画面において、前記印刷ジョブ単位の検査結果情報を表示する前記第1表示と、前記印刷ジョブのうち、画像に異常が存在するページを含む印刷ジョブのみを表示する前記第2表示とは、ユーザの選択に応じて切り替えて表示可能であり、
前記第1表示から切り替られた前記第2表示に表示された、前記印刷ジョブの一覧に対するユーザ
の選択に応じて、前記第3表示が、選択された前記印刷ジョブに含まれる、前記ページに関する情報を表示するとともに、
前記第4表示が、前記ページに存在する前記異常の位置を含む、前記ページのプレビュー画像を表示する、
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示手段は、
前記第3表示の特定の異常の種類を示すアイコン、または前記第4表示の前記プレビュー画像における特定の異常の位置を、選択可能に表示し、
前記選択の操作を受け付けた場合に、前記絞込表示部による前記絞込設定表示を、前記特定の異常が選択され、かつ、前記絞込設定表示の前記絞り込む際の条件を変更可能な状態で、表示する、
ことを特徴とする、請求項
6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記表示手段は、
前記第3表示の特定の異常の種類を示すアイコン、または前記第4表示の前記プレビュー画像における特定の異常の位置を、選択可能に表示し、
前記選択を行う操作入力があった場合に、前記特定の異常を抑制するために、前記特定の異常に対応する設定を実行する設定画面を表示し、
表示した前記設定画面に対する設定操作に基づき、前記被記録媒体に画像を形成した画像形成装置に対して設定の実行を要求する、
ことを特徴とする、請求項
6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記第4表示に表示される前記異常の位置は、前記第3表示に表示される前記異常種類情報の色枠とそれぞれ同色の色枠で囲まれている、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
検査結果情報を出力する検査装置と、
請求項1乃至
9の何れか一項に記載の情報処理装置と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項11】
コンピュータを、
画像が形成された被記録媒体を読取部で読み取り取得した読取結果と、前記被記録媒体上に形成される画像の基準データと、を比較した検査結果情報を印刷ジョブ単位で表示する第1表示、または、前記印刷ジョブのうち、前記検査結果情報に基づいて、前記被記録媒体上に形成された画像に異常が存在するページを含む印刷ジョブのみを表示する第2表示と、前記異常が存在するページを含む前記印刷ジョブの該ページに関する情報と、該ページに存在する1以上の異常の種類を示す異常種類情報と、を表示する第3表示と、を含む表示画面を表示する表示手段として機能させ
、
前記第3表示が表示する、前記印刷ジョブの該ページに関する情報は、前記異常種類情報が示す異常種類が含まれる前記ページを識別するページ識別情報と、前記ページが含まれるジョブを識別するジョブ識別情報と、を含み、
前記1以上の異常の種類を示す異常種類情報は、前記1以上の異常の種類に対応する1以上のアイコンであり、
前記第3表示は、前記ジョブ識別情報と、前記ページ識別情報と、前記1以上のアイコンとを関連付けて表示する、
ためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プロダクションプリンティングにおいては、プリンタの印刷出力について状態異常や欠陥の有無による良品/不良品判別の検査を行う要求がある。そこで、プロダクションプリンティングにおいては、プリンタの印刷出力をカメラやスキャナのラインセンサ等で読み取った結果から、印刷が正常に行われているかを検査する検査装置等の技術がある。
【0003】
特許文献1には、検査に係る閾値変更を実現させることを目的として、過去の検査結果において欠陥判定された読取り画像の部分画像と、当該部分画像に対応する位置のマスター画像の部分画像とを抽出し、抽出された部分画像に対して閾値を変更して再検査を行い、再検査の結果を表示して閾値をさらに変更する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の検査結果一覧の表示方法では、大量に異なる印刷物を印刷した際にどの印刷物に特定の状態異常や欠陥が含まれているかを一目で判断することが難しい。そのため、従来の検査結果一覧の表示方法では、状態異常や欠陥が含まれる印刷物のみを一覧から探し出すことは困難であり、より詳細な情報での絞り込みを行えない、という問題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザに、意図した検査結果を効率よく提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、画像が形成された被記録媒体を読取部で読み取り取得した読取結果と、前記被記録媒体上に形成される画像の基準データと、を比較した検査結果情報を印刷ジョブ単位で表示する第1表示、または、前記印刷ジョブのうち、前記検査結果情報に基づいて、前記被記録媒体上に形成された画像に異常が存在するページを含む印刷ジョブのみを表示する第2表示と、前記異常が存在するページを含む前記印刷ジョブの該ページに関する情報と、該ページに存在する1以上の異常の種類を示す異常種類情報と、を表示する第3表示と、を含む表示画面を表示する表示手段を備え、前記第3表示が表示する、前記印刷ジョブの該ページに関する情報は、前記異常種類情報が示す異常種類が含まれる前記ページを識別するページ識別情報と、前記ページが含まれるジョブを識別するジョブ識別情報と、を含み、前記1以上の異常の種類を示す異常種類情報は、前記1以上の異常の種類に対応する1以上のアイコンであり、前記第3表示は、前記ジョブ識別情報と、前記ページ識別情報と、前記1以上のアイコンとを関連付けて表示する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザに、意図した検査結果を効率よく提示することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態にかかる画像形成システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、情報処理システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【
図3】
図3は、情報処理システムにおける処理動作の流れを示す図である。
【
図4】
図4は、クライアントの制御部のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、検査装置、クライアント、サーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、検査装置における検査処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、サーバのDB生成部で生成されるDBを例示的に示す図である。
【
図8-1】
図8-1は、欠陥検査情報をクライアントの一覧表示部が一覧表示したUIの例を示す図である。
【
図8-2】
図8-2は、欠陥検査情報をクライアントの一覧表示部が一覧表示したUIの例を示す図である。
【
図9】
図9は、クライアントの一覧表示部および強調表示部による表示の流れを示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、検索処理の流れを示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、特定の欠陥(異常)の種別を選択した場合に、検索画面を表示することを示す図である。
【
図14】
図14は、特定の欠陥(異常)の種類を選択した場合に、設定画面を表示することを示す図である。
【
図15】
図15は、欠陥(異常)の種別毎に、解消のために実施すべき制御・設定を対応付けたテーブルを示す図である。
【
図16】
図16は、特定の欠陥(異常)の種類を選択した場合に、選択画面を表示することを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、情報処理装置、情報処理システムおよびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
図1は、実施の形態にかかる画像形成システム100の構成を示す図である。
図1に示すように、画像形成システム100は、DFE(Digital Front End)104、プリンタ101、検査装置102、スタッカ103を備えている。プリンタ101は、DFE104と検査装置102とに対してそれぞれ専用のインタフェースで接続されている。
【0011】
DFE104は、受信した印刷ジョブに基づいて印刷出力するべき印刷データ、具体的には、出力対象画像であるビットマップデータを生成し、生成したビットマップデータをプリンタ101に送信する画像処理装置である。
【0012】
プリンタ101は、DFE104から受信したビットマップデータに基づいてプリントエンジン105を制御して画像形成出力を実行させる。また、プリンタ101は、DFE104から受信したビットマップデータを、プリントエンジン105による画像形成出力の結果を検査装置102が検査する際に参照するためのマスター画像の基となる情報として検査装置102に送信する。なお、プリンタ101は、ページを識別する情報(後述のページIDやページ番号)を、印刷物の各ページに印刷してもよい。また、プリンタ101は、ページに余白(裁断する箇所)を設けることが設定されている場合等には、ページを識別する情報を自動的に余白に印刷してもよい。
【0013】
プリンタ101は、ビットマップデータに基づいて記録媒体である印刷用紙に対して画像形成出力を実行する画像形成装置である。尚、記録媒体としては、上述した印刷用紙の他、フィルム、プラスチック等のシート状の材料で、画像形成出力の対象物となるものであれば採用可能である。
【0014】
プリントエンジン105は、無端状移動手段である搬送ベルト111に沿って各色の感光体ドラム112Y、112M、112C、112K(以降、総じて感光体ドラム112とする)が並べられた構成を備えるものであり、所謂タンデムタイプといわれるものである。すなわち、給紙トレイ113から給紙される用紙(記録媒体の一例)に転写するための中間転写画像が形成される中間転写ベルトである搬送ベルト111に沿って、この搬送ベルト111の搬送方向の上流側から順に、感光体ドラム112Y、112M、112C、112Kが配列されている。
【0015】
各色の感光体ドラム112の表面においてトナーにより現像されたK(ブラック)、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)のトナー像が、搬送ベルト111に重ね合わせられて転写されることによりフルカラーの画像が形成される。そのようにして搬送ベルト111上に形成されたフルカラー画像は、図中に破線で示す用紙の搬送経路と最も接近する位置において、転写ローラ114の機能により、経路上を搬送されてきた用紙の紙面上に転写される。
【0016】
なお、本実施形態において、プリンタ101のプリントエンジン105は電子写真方式であることを前提として説明したが、これに限るものではなく、インクジェット方式などの他の方式のプリンタであってもよいことはいうまでもない。
【0017】
紙面上に画像が形成された用紙は更に搬送され、定着ローラ115にて画像を定着された後、検査装置102に搬送される。
【0018】
検査装置102は、読取装置131を備えている。読取装置131は、定着ローラ115を経由して搬送されてきた用紙の夫々の面を読み取り、読取画像を生成する。
【0019】
検査装置102は、読取装置131により読み取った読取画像を取得する。また、検査装置102は、DFE104から直接入力された、あるいは、DFE104からプリンタ101を経由して入力された、ビットマップデータに基づいて、基準データの一例である、マスター画像を生成する。なお、検査装置102は、DFE104から直接、あるいは、DFE104からプリンタ101を経由して入力されたビットマップデータに基づいて記録媒体上に形成した画像を、読取装置131によって読み取った読取画像からマスター画像を生成してもよい。そして、検査装置102は、プリンタ101が出力した用紙を読取装置131で読み取って生成した読取画像を上記生成したマスター画像と比較することにより、出力結果の検査(記録媒体である用紙に印刷された画像の検査)を行う。出力結果の検査方法は後述する。
【0020】
検査装置102は、検査によって出力結果の用紙の画像内に欠陥(異常)があると判断した場合、欠陥(異常)として判定された欠陥ページを含む、検査結果情報である欠陥検査情報をプリンタ101に通知する。これにより、プリンタ101によって欠陥ページの再印刷制御が実行される。なお、プリンタ101によって欠陥ページの再印刷制御を実行せず、印刷を中止する制御を行ってもよい。また、検査装置102は、検査結果情報である欠陥検査情報を、後述のようにサーバ202に送信し、サーバ202で情報を記憶する。なお、検査装置102は、内部にサーバ備え、当該サーバに情報を記憶してデータベースを形成してもよい。
【0021】
検査装置102で検査された用紙は、片面印刷の場合、そのままスタッカ103に排紙される。
【0022】
一方、両面印刷の場合、検査装置102で検査された用紙は、反転パス116に搬送されて反転された上で再度転写ローラ114の転写位置に搬送される。再度転写ローラ114の転写位置に搬送された用紙は、片面印刷がなされた用紙の反対側にトナー像を転写・定着される。その後、検査装置102で検査された両面印刷用紙は、スタッカ103に排紙される。
【0023】
スタッカ103は、プリンタ101から排出された用紙を、トレイ141にスタックする。
【0024】
図2は、情報処理システム200の構成を概略的に示すブロック図である。
図2に示すように、画像形成システム100を含む情報処理システム200は、画像形成システム100に加えて、クライアント201と、サーバ202とを備えている。
【0025】
画像形成システム100の各部(DFE104、プリンタ101、検査装置102)と、クライアント201と、サーバ202とは、それぞれネットワーク203に接続されている。ネットワーク203は、例えばLAN(Local Area Network)、インターネットなどである。
【0026】
クライアント201は、通信機能とコンテンツの出力機能とを有する情報処理装置である。クライアント201は、各種の端末装置、例えばPC(Personal Computer)、タブレット端末などである。クライアント201は、ネットワーク203経由でDFE104への印刷ジョブの送信を行う。また、クライアント201は、検査装置102の検査結果を表示する。クライアント201は、Webブラウザを備えている。クライアント201は、後述のサーバ202にネットワーク203経由でアクセスする。クライアント201は、サーバ202に蓄積・記憶された検査結果情報(欠陥検査情報)を、表示画面情報(例えばHTMLファイル)として取得して表示するとともに、Webブラウザ上で表示画面へのユーザの操作を受け付ける。なお、DFE104は、クライアント201から印刷ジョブを受け付ける他、ネットワーク203経由で、プリンタ101、検査装置102から印刷ジョブを受け付けることもできる。
【0027】
サーバ202は、ネットワーク203経由で検査装置102から送られてくる欠陥検査情報を受信する。サーバ202は、受信した欠陥検査情報に基づいてDB(データベース)を生成する。サーバ202は、生成したDBを記憶する。また、サーバ202は、ネットワーク203経由でクライアント201とデータの送受信を行う。なお、サーバ202は、検査装置102の内部に備えてもよい。
【0028】
ここで、
図3は情報処理システム200における処理動作の流れを示す図である。
図3に示すように、画像形成システム100を含む情報処理システム200においては、プリンタ101における印刷処理(ステップS1)と、検査装置102における検査処理(ステップS2)と、サーバ202におけるDB生成処理(ステップS3)と、サーバ202におけるDB保存処理(ステップS4)と、サーバ202におけるUI表示処理(ステップS5)と、を実行する。各部の詳細な処理は、後述する。
【0029】
ここで、本実施形態に係るプリンタ101、検査装置102、DFE104、クライアント201、サーバ202の各制御部を構成するハードウェアについて説明する。
【0030】
図4は、クライアント201の制御部のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4においては、クライアント201の制御部のハードウェア構成を示すが、他のプリンタ101の制御部、DFE104の制御部、検査装置102の制御部、サーバ202の制御部についても同様である。
【0031】
図4に示すように、本実施形態に係るクライアント201の制御部は、一般的なPC(Personal Computer)やサーバ等と同様の構成を有する。即ち、本実施形態に係るクライアント201の制御部は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40及びI/F50がバス90を介して接続されている。また、I/F50にはLCD(Liquid Crystal Display)60、操作部70及び専用デバイス80が接続されている。
【0032】
CPU10は演算手段であり、クライアント201全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム、Webブラウザ等が格納されている。
【0033】
I/F50は、バス90と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD60は、ユーザがクライアント201の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部70は、キーボードやマウス等、ユーザがクライアント201に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
【0034】
専用デバイス80は、プリンタ101、検査装置102、DFE104、クライアント201、サーバ202において、専用の機能を実現するためのハードウェアであり、プリンタ101の場合は、画像形成出力対象の用紙を搬送する搬送機構や、紙面上に画像形成出力を実行するプロッタ装置である。また、検査装置102の場合は、高速に画像処理を行うための専用の演算装置である。このような演算装置は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)として構成される。また、紙面上に出力された画像を読み取る読取装置131も、専用デバイス80によって実現される。
【0035】
このようなハードウェア構成において、ROM30に格納されているプログラムや、HDD40若しくは図示しない光学ディスク等の記録媒体からRAM20に読み出されたプログラムに従ってCPU10が演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係るプリンタ101、検査装置102、DFE104、クライアント201、サーバ202の機能を実現する機能ブロックが構成される。
【0036】
図5は、検査装置102、クライアント201、サーバ202の機能構成を示すブロック図である。
図5において、実線は制御のためのデータの流れ、破線は印刷物に関する画像データ、及び欠陥検査情報の流れを示す。
【0037】
まず、検査装置102の機能構成について説明する。
【0038】
図5に示すように、検査装置102は、データ送受信部401と、検査制御部402と、マスター画像生成部403と、読取画像取得部404と、比較検査部405と、を備える。検査制御部402は、検査装置102全体の動作を制御する制御部である。検査装置102に含まれる各構成は、検査制御部402の制御に従って動作する。
【0039】
図6は、検査装置102における検査処理の流れを示すフローチャートである。検査装置102は、基準となるマスター画像と検査対象である読み取り画像との比較によって欠陥の検査を行う。
【0040】
図6に示すように、検査装置102のデータ送受信部401は、DFE104から直接、または、DFE104からプリンタ101を経由して送信された印刷画像データ及び印刷ページ情報(ジョブ情報)を取得する(ステップS11)。
【0041】
マスター画像生成部403は、印刷画像データ又は読取画像からマスター画像を生成する(ステップS12)。
【0042】
読取画像取得部404は、検査対象である印刷用紙を読取装置131で読み取られた画像を検査装置102から取得する(ステップS13)。
【0043】
比較検査部405は、マスター画像と読取画像とを取得し、両画像を比較して、用紙の出力結果の検査として、欠陥判定を行う(ステップS14)。欠陥判定の方法は、次の通りである。まず、比較検査部405が、マスター画像と読取画像との画像比較により、マスター画像と異なる読取画像の領域の全体(即ち欠陥候補となる全ての画素)を抽出する。比較検査部405はさらに、欠陥候補の領域全体のうち、各種の欠陥(ドット汚れ、白抜け、主走査有色スジ、主走査白スジ、副走査有色スジ、副走査白スジなど)のそれぞれに該当する条件と、設定されている係数(欠陥のレベル)と、に基づいて欠陥候補領域の全体の中から、係数を加えた条件に合致する一部の領域を、欠陥部分として判定する。なお、欠陥に該当する条件は、画素の濃度差分閾値、及び面積閾値等に基づいて、予め定められている。また、各閾値や係数は、ユーザ等によって適宜、変更が可能である。
【0044】
データ送受信部401は、検査結果を欠陥検査情報として、ネットワーク203を介してサーバ202へ送信する(ステップS15)。欠陥検査情報は、上述の様に判定された欠陥部分が存在するページに関する情報等であり、各情報は対応づけて送信され、サーバ202に記憶される。詳細は、
図7(a),(b),(c)を用いて後述する。
【0045】
ステップS12~S16の処理は、全ページについての処理が終了するまで(ステップS16のYes)、繰り返される。
【0046】
次に、サーバ202の機能構成について説明する。
【0047】
図5に示すように、サーバ202は、データ送受信部411と、サーバ制御部412と、データ集約部413と、DB生成部414と、詳細検索部415と、記憶部416と、を備える。サーバ制御部412は、サーバ202全体の動作を制御する制御部である。サーバ202に含まれる各構成は、サーバ制御部412の制御に従って動作する。
【0048】
サーバ202のデータ送受信部411は、検査装置102から送信された欠陥検査情報を取得する。検査装置102から取得する欠陥検査情報はページ単位であり、UIでの一覧表示を行うためにジョブ単位でまとめる必要がある。そのため、データ集約部413は、ページ単位の欠陥検査情報を同一のジョブごとに集約する。なお、検査装置102から取得する欠陥検査情報が、ジョブ単位でまとめられている場合、データ集約部413は、ページ単位の欠陥検査情報を同一のジョブごとに集約しなくてもよい。
【0049】
DB生成部414は、ジョブ情報、ページ情報、ページの欠陥詳細情報に関するそれぞれのDBを、検査装置102から取得したページ単位の欠陥検査情報と、欠陥検査情報をデータ集約部413でジョブ単位に集約した情報等を用いて、生成する。さらに、DB生成部414は、ユーザによる欠陥検査情報の閲覧結果等の情報を用いて情報を追加・更新する。
【0050】
詳細検索部415は、印刷日時や欠陥種類といった詳細情報を基にDB上から該当する欠陥検査情報の検索を行う。
【0051】
記憶部416は、生成されたDB、読取画像、マスター画像といった欠陥検査情報を保存する。
【0052】
データ送受信部411は、欠陥検査情報を、ネットワーク203を介してクライアント201へ送信する。
【0053】
ここで、
図7はサーバ202のDB生成部414で生成されるDBを例示的に示す図ある。
【0054】
図7(a)は、検査が行われた印刷ジョブの情報(ジョブログ)である。
図7(a)に示すジョブログのDBは、ジョブ毎に付与される一意の文字列であるセットID、ジョブID、最後に印刷されたページの印刷日時、検査に用いられた閾値プリセット名、ページ総数、UI上でその印刷ジョブがユーザによって閲覧されたかを示す既読/未読フラグ(既読は0、未読は1)、読み取り画像を縮小したサムネイル画像(ジョブの先頭ページの画像)の保存パスといった情報が含まれる。ジョブIDやセットID等は、ジョブを識別する、ジョブ識別情報と言うこともできる。その他の情報は、ジョブに関する情報と言うことができる。また例えば、セットIDは1台の外部装置(DFEやPC等)側で付与される識別情報であり、ジョブIDは複数の外部装置から受け付けた全てのジョブに対して、ジョブを受け付けた検査装置やプリンタ側で付与される識別情報である、としてセットIDとジョブIDとを区別することもできる。
【0055】
図7(b)は、検査が行われたページそれぞれの情報(ページログ)である。
図7(b)に示すページログのDBは、ページ毎に連番で付与されるページID、印刷日時、部数番号、欠陥があったページのページ番号、そのページが含まれるジョブのセットID、ページ毎の読み取り画像の保存パスといった情報が含まれる。なお、ページIDはジョブ全体でページ毎に異なる識別情報であり、ページ番号はジョブ中の複数部数における部数毎のページの識別情報である、としてページIDとページ番号とを区別することもできる。
【0056】
図7(c)は、欠陥が検知されたページの欠陥情報(欠陥ログ)である。
図7(c)に示す欠陥ログのDBは、欠陥が検知されたページのページID(またはページ番号)、画像の欠陥(異常)の種類を示す欠陥種別、欠陥と判定された画素群の矩形領域のX座標・Y座標(位置情報)、といった情報が含まれる。なお、欠陥種別は、欠陥種類、異常種別、異常種類と言ってもよく、出力された画像において欠陥(異常)箇所であると判定された箇所の、欠陥の種類を示す情報である。
【0057】
なお、
図7はあくまでも一例であり、欠陥条件に設定された基準値との差異の程度を示す欠陥のレベルや濃度ムラの値といった項目などが含まれても良い。
【0058】
次に、クライアント201の機能構成について説明する。
【0059】
図5に示すように、クライアント201は、データ送受信部421と、クライアント制御部422と、一覧表示部423と、強調表示部424と、絞込表示部425と、入力受付部426と、を備える。クライアント制御部422は、クライアント201全体の動作を制御する制御部である。クライアント201に含まれる各構成は、クライアント制御部422の制御に従って動作する。
【0060】
クライアント201のデータ送受信部421は、サーバ202から送信された欠陥検査情報を取得する。
【0061】
一覧表示部423は、表示手段として機能するものであって、取得した欠陥検査情報をUI上にジョブ単位で一覧表示する。
【0062】
強調表示部424は、欠陥の有るページを含むジョブを検出して強調表示する。
【0063】
絞込表示部425は、検索画面を表示し、入力された詳細情報(検索条件)を基にした検索を行い、詳細情報に合致する結果を表示する。検索結果は、一覧表示部423に、絞り込まれたジョブの一覧として表示される。なお、検索結果は、絞込表示部425の検索画面に表示されてもよい。
【0064】
入力受付部426は、詳細情報による検索を行う際に、入力フォーム等から入力された検索条件を取得する。
【0065】
データ送受信部421は、取得した検索条件を、ネットワーク203を介してサーバ202へ送信し、サーバ202の詳細検索部415で用いる。
【0066】
なお、一覧表示部423と、強調表示部424と、絞込表示部425と、入力受付部426等は、例えば、クライアント201に備えるWebブラウザとサーバ202から取得しWebブラウザに表示する画面情報(HTMLおよびJavaScript(登録商標))によって実現する。なお、クライアント201が、専用のアプリケーションを備え、専用のアプリケーションを用いてサーバ202を参照し表示してもよい。画面情報を表示したWebブラウザやアプリケーションが、クライアント201の表示手段であってもよい。表示手段は、画面情報をクライアント201のLCD60や操作部70に表示する。
【0067】
図8-1および
図8-2は、サーバ202の記憶部416に保存された欠陥検査情報をクライアント201の一覧表示部423が一覧表示したUIの例を示す図である。
【0068】
図8-1および
図8-2に示すUIでは、左側の画面に、ジョブ単位で集約された情報(ジョブID、印刷日時、閾値名、ページ総数、欠陥ページ数(ページログのエントリの数)、サムネイルのプレビュー画像、既読/未読フラグ等のジョブに関する情報)が一覧表示される。また、ジョブに関する情報には、どのジョブで印刷物にページ識別情報が印刷されているのか、または、印刷されていないのかを示す情報も合わせて表示してもよい。さらに、ページ識別情報を印刷する設定となっているジョブを特定する情報、用紙に裁断される余白が設定されその余白にページ識別情報が印字されているジョブを特定する情報、等も合わせて表示してもよい。未読フラグは、各ジョブの行の端部に表示される。本実施形態では、未読フラグは、欠陥が有る場合と欠陥が無い場合とで、色を変えている。サムネイルのプレビュー画像は、欠陥画像のサムネイルでもよい。
図8-1および
図8-2に示すUIでは、サムネイル以外の項目について、昇順および降順でのソートが可能である。
【0069】
なお、各ジョブの行は、欠陥が有る場合には背景の色を濃くするなどにより、強調表示されている。また、欠陥のレベルによって強調表示の色の濃さを変化させて表示するようにしてもよい。これにより、レベルの区別がしやすくなる。
【0070】
なお、
図8-1に示すUIの左側の画面は、一覧表示部423が表示する画面の一例であって、すべての印刷ジョブの欠陥検査情報を印刷ジョブごとに表示するためのタブである「すべてのジョブ」タブAが選択された画面D1(第1表示)である。
図8-2に示すUIの左側の画面は、一覧表示部423が表示する画面の一例であって、欠陥が含まれている印刷ジョブを表示するためのタブである「欠陥ありジョブ」タブBが選択された画面D2(第2表示)である。
【0071】
図8-1および
図8-2に示すUIは、一覧表示部423が表示する画面の一例であって、右側の画面に、各ジョブに含まれる欠陥ページの詳細表示画面D3(第3表示)を表示する。欠陥ページの詳細表示画面D3は、欠陥のあるページの印刷日時、欠陥のあるページの部数番号(1ジョブで、複数部同じ文書を印刷した際の、欠陥ページが含まれる部数番号)、欠陥のあるページのページ番号、含まれる欠陥の種類を示すアイコンを表示する。アイコンの種類は、例えば、ドット汚れ、白抜け、主走査有色スジ、主走査白スジ、副走査有色スジ、副走査白スジである。
【0072】
なお、欠陥(異常)のあるページに関する情報とは、上記の欠陥のあるページの印刷日時、欠陥のあるページの部数番号、欠陥のあるページのページ番号などを含むものである。例えば、欠陥(異常)のあるページに関する情報とは、欠陥のあるページを絞り込み・特定するための情報である。また、欠陥のあるページのページ番号は、1ジョブにおける通しのページIDでもよいし、欠陥のある部数におけるページ番号(1ジョブ内の、欠陥ページが含まれる部数番号における、欠陥ページの番号)でもよい。ページIDやページ番号等は、ページを識別するページ識別情報と言うこともできる。どのページに欠陥があるかが表示されているため、印刷物の各ページにページ識別情報が印刷されている場合に、容易に印刷物の中から欠陥のあるページを探すことが可能である。
【0073】
図8-1および
図8-2に示すUIの画面D3では、欠陥詳細の欠陥の有るページの行を選択すると、一覧表示の下方に欠陥ページの読取画像をプレビュー表示する画面D4(第4表示)を表示する。この読取画像に含まれる欠陥の周辺は、欠陥の種類ごとに、対応する欠陥種類アイコンの色枠とそれぞれ同色の色枠で囲まれている。
【0074】
なお、読取画像は全てのジョブの全てのページ分が保存されるため、画面D4には欠陥ページだけでなく欠陥の無いページも表示されてもよい。また、あるジョブの欠陥ページを画面D4に表示した後、別のジョブを画面D1または画面D2で選択した場合には、別のジョブの同じページID(ページ番号)のページが画面D4に表示されてもよい。複数のジョブをまたがって、同じページ内の、1以上の欠陥の種類や状態・レベルを容易に比較することができる。
【0075】
なお、
図8-1および
図8-2に示すUIの表示項目はあくまでも一例であり、欠陥のレベルや濃度ムラの値といった項目などを表示してもよい。
【0076】
ここで、
図9はクライアント201の一覧表示部423および強調表示部424による表示の流れを示すフローチャートである。
図9に示すように、まず、一覧表示部423は、欠陥検査情報(
図7を参照)の各ジョブにおいて、欠陥の有るページが含まれるかを判定する(ステップS21)。
【0077】
一覧表示部423は、欠陥の有るページが含まれる(欠陥ページ数が1以上)と判定した場合(ステップS21のYes)、
図8-1の「すべてのジョブ」タブAが選択された画面D1および
図8-2の「欠陥ありジョブ」タブBが選択された画面D2の一覧に追加する(ステップS22)。
【0078】
次に、強調表示部424は、一覧に追加されたジョブを
図8-1および
図8-2に示すように強調表示(例えば、赤色など)する(ステップS23)。
【0079】
一方、一覧表示部423は、欠陥の有るページが含まれないと判定した場合(ステップS21のNo)、
図8-1の「すべてのジョブ」タブAが選択された画面D1のみに追加し、強調表示はしない(ステップS24)。
【0080】
なお、
図8-1および
図8-2に示す未読フラグは、一覧表示されている欠陥検査情報の中で、未読(一度も選択していない)状態の行の左端に表示される。
【0081】
図8-1および
図8-2に示すUIの画面D1や画面D2で欠陥の有る(強調表示されている)ジョブの行を選択すると(強調表示の色が濃くなる)、
図8-1および
図8-2に示すUIの欠陥ページの詳細表示画面D3の欠陥詳細に欠陥の有るページの詳細情報がページ毎に表示される。
【0082】
加えて、
図8-1および
図8-2に示すUIは、更新ボタンEと、エクスポートボタンFと、検索ボタンGとを備えている。
【0083】
図8-1および
図8-2に示す更新ボタンEを押下すると、一覧表示部423は、新たに保存された欠陥検査情報を一覧に追加して一覧表示する。なお、一覧表示されているジョブ単位の欠陥検査情報を選択して、
図8-1および
図8-2に示すエクスポートボタンFを押下すると、HTMLといったファイル形式でページ毎の詳細情報をダウンロードすることができる。
【0084】
図8-1および
図8-2に示す検索ボタンGを押下すると、入力受付部426は、検索ダイアログD5を表示する。
図10は、検索ダイアログD5の一例を示す図である。
図10に示すような検索ダイアログD5にて検索を行うことで、絞込表示部425は、
図8-1および
図8-2に示す一覧を絞り込み表示することができる。
【0085】
図10に示す検索ダイアログD5は、絞込表示部425が表示する絞込表示(検索画面)の一例であり、検索ダイアログD5上の入力フォームH、チェックボックスI、スライドトグルJによって、印刷日時(所定の期間で検査された欠陥検査情報を検索するために日付や日時などを指定する)、欠陥種類、ジョブIDといった詳細な検索条件の指定を受け付ける。なお、欠陥種類は、「欠陥無し」、「ドット汚れ」、「白抜け」、「主走査白スジ」、「主走査有色スジ」、「副走査白スジ」、「副走査有色スジ」などから複数選択可能である。スライドトグルJは、チェックボックスIの全選択に用いられる。
【0086】
また、
図10に示すように、検索ダイアログD5は、絞込設定表示の一例であり、検索条件をクリアするためのクリアボタンKと、検索実行するための検索実行ボタンLと、ダイアログを閉じるための閉じるボタンMと、を備えている。クリアボタンKが押下されると、指定した詳細情報がクリアされ、閉じるボタンMが押下されると検索ダイアログが閉じられる。
【0087】
なお、
図10に示す検索ダイアログD5はあくまでも一例であり、閾値名や既読/未読といった詳細情報による検索を含んでもよい。
【0088】
ここで、
図11は検索処理の流れを示すフローチャートである。
図11に示すように、まず、クライアント201の入力受付部426は、検索ダイアログD5上の入力フォームHやチェックボックスIで、印刷日時(所定の期間で検査された欠陥検査情報を検索するために日付や日時などを指定する)、欠陥種類、ジョブIDといった詳細な検索条件の指定を受け付ける(ステップS31)。
【0089】
次に、クライアント201の入力受付部426は、検索ダイアログD5上の検索実行ボタンLの押下を受け付ける(ステップS32)。
【0090】
すると、クライアント201のデータ送受信部421は、ネットワーク203を介してサーバ202に対して指定された検索条件を送信する(ステップS33)。
【0091】
次いで、サーバ202の詳細検索部415は、指定された検索条件を基に欠陥検査結果の絞り込みを行う(ステップS41)。
【0092】
そして、サーバ202のデータ送受信部411は、ネットワーク203を介してクライアント201に対して、絞り込みを行った欠陥検査結果を送信する(ステップS42)。
【0093】
クライアント201のデータ送受信部421は、サーバ202から欠陥検査結果を受信する(ステップS34)。
【0094】
そして、クライアント201の絞込表示部425は、欠陥検査結果の有無を判定する(ステップS35)。クライアント201の絞込表示部425は、欠陥検査結果が有る(1件以上)場合(ステップS35のYes)、
図9に示したステップS21に進む。
【0095】
一方、クライアント201の絞込表示部425は、欠陥検査結果が無い(0件)場合(ステップS35のNo)、「検索条件に合致する結果が存在しません」のようなエラー文を表示する(ステップS36)。
【0096】
ここで、
図12は絞り込み表示の例を示す図である。
図12に示す例は、検索ダイアログD5上の欠陥種類において「ドット汚れ」を指定して検索実行ボタンLを押下した場合の絞り込み表示の例である。これにより、ユーザの意図する欠陥検査情報を効率よく提示できる。
【0097】
図13は、
図8-1や
図8-2で表示した詳細表示画面D3(第3表示)、または、各ページの読取画像をプレビュー表示する画面D4(第4表示)において特定の欠陥(異常)の種別を選択した場合に、検索画面を表示することを示す図である。
【0098】
クライアント201の表示手段(Webブラウザ等)は、第3表示における特定の欠陥の種類を示すアイコンや、第4表示のプレビュー画像における特定の欠陥の位置を選択可能に表示する。また、絞込表示部425は、特定のアイコンやプレビュー画像における特定の欠陥の位置選択の操作を受け付けた場合に、絞込設定表示である検索ダイアログD5(検索画面)を表示する。表示された検索ダイアログD5は、検索ボタンGが押下された際に表示される画面と同じ画面であるが、選択された特定の欠陥の選択ボタンが自動的に選択された状態で、かつ、検索ダイアログD5(絞込設定表示)の絞り込む際の条件を変更可能な状態で表示される。
【0099】
絞り込む際の条件を変更可能な状態とは、自動的に選択された欠陥の種類を含めて、全ての絞り込み条件が選択可能であることを言う。これによって例えば、ジョブが実行された日付の範囲や、欠陥の種類の追加等、適宜条件変更した上での検索が可能であり、大量の検索結果が出ないよう検索実行前に適切に絞り込むことができる。
【0100】
検索ダイアログD5は、Webブラウザがサーバ202から取得した画面情報に含まれるJavaScript等によって実装される。検索ダイアログD5は、検索を実行することで、サーバ202で検索を行い、検索結果をWebブラウザに返して、絞り込み結果となる、ジョブ(例えば、第3表示または第4表示で選択した特定の欠陥のあるページを含んでいて、かつ、検索ダイアログD5で設定した条件として所定期間内に実行された、ジョブ)の一覧を第1表示と第2表示とに表示する。
【0101】
なお、第3表示の特定のアイコンや、第4表示のプレビュー画像における特定の欠陥の位置の選択操作を受け付けた場合には、検索ダイアログD5を表示せずに、ジョブ(選択した特定の欠陥のあるページを含んでいるジョブ)の一覧を第1表示と第2表示とに表示してもよい。
【0102】
また、ジョブ一覧は膨大になる可能性があるため、検索ダイアログD5または、ジョブ一覧の表示時には、自動的に表示範囲を、所定期間内のジョブのみや、後述する設定変更をプリンタ101に対して行った時点以降のジョブのみに絞って表示してもよい。
【0103】
図14は、
図8-1や
図8-2で表示した第3表示または第4表示において、特定の欠陥(異常)の種類を選択した場合に、プリンタ101等で特定の欠陥(異常)を解消するための、所定の制御や設定値変更を行う設定画面D6を表示することを示す図である。
【0104】
クライアント201の表示手段(Webブラウザ等)は、第3表示における特定の欠陥の種類を示すアイコンや、第4表示のプレビュー画像における特定の欠陥の位置選択の操作を受け付けた場合に、選択した特定の欠陥を抑制するために、欠陥に対応する設定を実行する設定画面D6を表示する。また、クライアント201の表示手段(Webブラウザ等)は、設定画面D6に対する設定操作に基づいて、用紙(被記録媒体)に画像(選択した特定の欠陥を含む画像)を形成したプリンタ101等に対して設定の実行を要求する。
【0105】
各種画像の欠陥(異常)は、プリンタ101(画像形成装置)での制御や設定値の変更によって解消あるいは抑制される。
図15は、欠陥(異常)の種別毎に、解消のために実施すべき制御・設定を対応付けたテーブルを示す図である。クライアント201の表示手段(Webブラウザ等)においては、特定の欠陥の種類を選択した後の設定画面D6は、
図15に示すテーブルに基づいて、選択した欠陥の種類に対応する制御や設定の要求が可能な画面となっている。
【0106】
なお、設定画面D6は、クライアント201の表示手段(Webブラウザ等)でサーバ202から取得して表示する画面情報でありHTML及びJavaScriptで構成される。設定画面D6の画面情報の中には、プリンタ101の特定の制御の実行や、設定値変更を要求するために、プリンタ101の対応するAPIをたたくボタンNを有している。この場合、クライアント201からプリンタ101に直接、設定の実行を要求する。
【0107】
例えば、
図14のようにドット汚れを示す第3表示のアイコンまたは、第4表示のプレビュー画像における位置(特定の欠陥)を、選択すると、特定の欠陥の解消に必要な制御や設定を選択する設定画面(設定選択画面)D6が表示される。この設定画面D6には、選択項目として、現像材リフレッシュの実行、加熱ローラ温度の設定値変更、加圧ローラ温度の設定値変更、定着クリーニング頻度の設定値変更のボタンNが選択可能に表示される。
【0108】
さらに、クライアント201の表示手段(Webブラウザ等)は、特定の設定(例えば現像材リフレッシュの実行)を選択した場合、設定または制御(現像材リフレッシュ制御)をプリンタ101に実行させるための、設定実行画面D7を表示する。
【0109】
設定実行画面D7には、上述のようにプリンタ101の対応する所定のAPIをたたくための実行ボタンO,Pが含まれる。実行ボタンO,Pを押すことで、クライアント201の表示手段(Webブラウザ等)は、その設定を特定のプリンタ101(第3表示、第4表示に表示されている欠陥ページを含むジョブを実行したプリンタ)に対して、選択した制御や設定の変更を実行させる要求を送信する。
【0110】
なお、クライアント201の表示手段(Webブラウザ等)は、サーバ202に対して実行要求や設定対象を送信し、サーバ202で対象のプリンタをジョブ情報から特定するとともに特定したプリンタ101に対して要求を送信してもよい。一方、設定実行画面D7キャンセルボタンQ,Rを押すと、クライアント201の表示手段(Webブラウザ等)は、前の画面(設定選択画面等)に戻る。
【0111】
また、
図16では、特定の欠陥(異常)の種類を選択した場合に、その欠陥に関してユーザが行うことが可能な項目を選択する選択画面D8を表示する。選択画面D8では、複数の項目が選択可能であるボタンSを有している。例えば、同種の異常・欠陥のあるジョブを確認するボタンSは、
図13同様に特定の欠陥が選択された検索画面である検索ダイアログD5を表示するためのボタンである。また、選択した異常・欠陥を解消するボタンSは、
図14同様に特定の欠陥を解消するための設定画面D6を表示するためのボタンである。また、選択した欠陥の判定基準を変更するボタンSは、選択した欠陥に対応する判定基準である閾値・係数を上げる(厳しくする)、下げる(甘くする)ための設定を変更する画面を表示する。また、ページの再印刷を行うボタンSは、ページの再印刷をプリンタ101に実行させる画面を表示する。このように選択した特定の欠陥(異常)の種類に関して、クライアント201の表示手段(Webブラウザ等)は、ユーザが操作可能な項目を一覧表示できる。
【0112】
なお、画像形成システム100、プリンタ101、検査装置102、DFE104、サーバ202、及び、クライアント201の各装置の機能は、それぞれを他の装置に統合または分離して配置することができる。例えば、検査装置102、DFE104の機能がプリンタ101内に設けられてもよい。また、サーバ202の機能が検査装置102、あるいはDFE104やプリンタ101内に設けられてもよい。
【0113】
また、クライアント201の表示手段(Webブラウザ等)が表示する画面についても適宜変形や、各表示の組合せ、必要な画面遷移の追加が適宜可能である。例えば、各ボタンを押した際にその機能を実行・表示するかどうかを操作者に確認する、確認画面等を挿入してもよい。また、画面D1~D4等の表示が1つのウインドウとして独立して表示されてもよい。また、第1表示と第2表示等のタブ切替によって表示される画面や、検索ダイアログD5等のウインドウ画面が、画面D1~D4と全て同じ1つの画面内に表示されてもよい。
【0114】
このように本実施形態によれば、印刷物の状態異常の有無を判別して印刷ジョブごとにグルーピングし、さらにデータベース上で一元管理された詳細な検査結果情報を紐付けることで検索を行う。これにより、異なる印刷物の中から状態異常(欠陥)のある印刷物を一目で判断できるように検査結果一覧を表示し、詳細な検査結果情報を基に検索を行い、状態異常(欠陥)の有る印刷ジョブの強調表示や絞り込み表示をすることで、ユーザの意図した検査結果を効率よく提示することができる。
【0115】
また、画像形成装置のユーザが、容易に印刷物のジョブやページごとの画像の欠陥や異常の状況を把握して再印刷が必要かどうか判断できるので、印刷物の修正(再印刷や差し替え作業等)がしやすくなる。例えば、異常(欠陥)のあるページを含むジョブがどれか、ジョブ内の異常(欠陥)のあるページがどれか、及び、そのページの異常種別(欠陥種別)を全て把握できる。再印刷が必要かどうかはユーザ毎あるいはジョブ・ページ毎などで異なることがあるが、容易に判断し、最小限のページの再印刷をすることができる。なお、異常(欠陥)把握は、表示機能による個々の異常(欠陥)の表示による把握と、検索機能によるジョブやページをまたがった横断的な検索結果による把握とを、ともに行うことができる。
【0116】
また、ユーザや、装置のメンテナンスを行うサービスマンが、画像異常(欠陥)の解消に必要な、画像形成装置の画像処理に関する設定値の変更や、装置の修理等を、容易に行うこともできる。例えば、表示機能による個別の異常(欠陥)に加え、複数のジョブやページにまたがって画像異常(欠陥)の種別をユーザ等が把握することで、設定変更・修理すべきことや異常(欠陥)の傾向が分かり、適切な故障修理や、特定の画像処理の設定値変更を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0117】
102 検査装置
200 情報処理システム
201 情報処理装置
423 表示手段
424 強調表示部
425 絞込表示部
D1 第1表示
D2 第2表示
D3 第3表示
D4 第4表示
【先行技術文献】
【特許文献】
【0118】