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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】端末装置、プログラム及び連携システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240625BHJP
   H04L 51/04 20220101ALI20240625BHJP
   H04L 67/02 20220101ALI20240625BHJP
【FI】
G06F3/12 324
H04L51/04
H04L67/02
G06F3/12 304
G06F3/12 368
G06F3/12 378
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020125412
(22)【出願日】2020-07-22
(65)【公開番号】P2022021675
(43)【公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 英成
(72)【発明者】
【氏名】松永 歌織
(72)【発明者】
【氏名】染谷 芳朗
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-191958(JP,A)
【文献】特開2019-204239(JP,A)
【文献】特開2020-107128(JP,A)
【文献】特開平10-334023(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
H04L 51/00-51/58
H04L 67/00-67/75
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連携する機器の機能に応じた環境を作成してアプリケーションの画面に表示する端末装置であって、
前記アプリケーションのサーバへのログイン情報に所定の識別情報が対応付けられているか否かの判定結果に基づき、前記連携する機器の機能への送信環境を作成する送信環境作成部、前記連携する機器の機能からの第1の受信環境を作成する第1受信環境作成部、及び前記連携する機器の機能からの第2の受信環境を作成する第2受信環境作成部、を取得する取得手段と、
取得した前記送信環境作成部、前記第1受信環境作成部、及び前記第2受信環境作成部により作成された前記送信環境、前記第1の受信環境、及び前記第2の受信環境を、前記アプリケーションの画面に表示する環境表示制御手段と、
を有し、
前記所定の識別情報は、前記アプリケーションに対応するサーバと前記機器に対応するサーバとが通信するための認証情報であり、
前記環境表示制御手段は、FAX機能が電子データを受信した前記連携する機器と対応付けられている前記所定の識別情報に基づいた前記アプリケーションに対応するサーバと前記機器に対応するサーバとの認証が成功した場合に、前記アプリケーションに対応するサーバに保存された前記連携する機器のFAX機能が受信した電子データを、前記ログイン情報のユーザが他のユーザと共有する前記第2の受信環境に表示すること
を特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記アプリケーションの画面はチャット機能の画面であって、前記連携する機器の機能に応じた環境は、前記送信環境作成部、前記第1受信環境作成部、又は前記第2受信環境作成部に対応するキャラクタと前記ログイン情報のユーザとの対話のための対話環境であること
を特徴とする請求項1記載の端末装置。
【請求項3】
前記送信環境作成部は、前記ログイン情報のユーザに固有の前記送信環境への電子データの登録操作に基づき、前記連携する機器の印刷機能に印刷させる前記電子データを、前記機器に対応するサーバに送信すること
を特徴とする請求項1又は2記載の端末装置。
【請求項4】
前記第1受信環境作成部は、前記連携する機器のスキャン機能がスキャンして作成した電子データを、前記ログイン情報のユーザに固有の前記第1の受信環境に表示すること
を特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の端末装置。
【請求項5】
連携する機器の機能に応じた環境を作成してアプリケーションの画面に表示する端末装置であって、
前記アプリケーションのサーバへのログイン情報に所定の識別情報が対応付けられているか否かの判定結果に基づき、前記連携する機器の機能への固有の送信環境、前記連携する機器の機能からの固有の第1の受信環境、及び前記連携する機器の機能からの第2の受信環境、を作成する環境作成部、を取得する取得手段と、
取得した前記環境作成部により作成された前記送信環境、前記第1の受信環境、及び前記第2の受信環境を、前記アプリケーションの画面に表示する環境表示制御手段と、
を有し、
前記所定の識別情報は、前記アプリケーションに対応するサーバと前記機器に対応するサーバとが通信するための認証情報であり、
前記環境表示制御手段は、FAX機能が電子データを受信した前記連携する機器と対応付けられている前記所定の識別情報に基づいた前記アプリケーションに対応するサーバと前記機器に対応するサーバとの認証が成功した場合に、前記アプリケーションに対応するサーバに保存された前記連携する機器のFAX機能が受信した電子データを、前記ログイン情報のユーザが他のユーザと共有する前記第2の受信環境に表示すること
を特徴とする端末装置。
【請求項6】
連携する機器の機能に応じた環境を作成してアプリケーションの画面に表示する端末装置であって、
前記アプリケーションのサーバへのログイン情報に所定の識別情報が対応付けられているか否かの判定結果に基づき、前記連携する機器の機能への前記ログイン情報のユーザに固有の送信環境を作成する送信環境作成部、前記連携する機器の機能からの前記ログイン情報のユーザに固有又は前記ログイン情報のユーザと他のユーザとの間で共有の受信環境を作成する受信環境作成部、を取得する取得手段と、
取得した前記送信環境作成部により作成された前記送信環境、及び前記受信環境作成部により作成された前記受信環境を、前記アプリケーションの画面に表示する環境表示制御手段と、
を有し、
前記所定の識別情報は、前記アプリケーションに対応するサーバと前記機器に対応するサーバとが通信するための認証情報であり、
前記環境表示制御手段は、FAX機能が電子データを受信した前記連携する機器と対応付けられている前記所定の識別情報に基づいた前記アプリケーションに対応するサーバと前記機器に対応するサーバとの認証が成功した場合に、前記アプリケーションに対応するサーバに保存された前記連携する機器のFAX機能が受信した電子データを、前記共有の受信環境に表示すること
を特徴とする端末装置。
【請求項7】
連携する機器の機能に応じた環境を作成してアプリケーションの画面に表示する端末装置を、
前記アプリケーションのサーバへのログイン情報に所定の識別情報が対応付けられているか否かの判定結果に基づき、前記連携する機器の機能への送信環境を作成する送信環境作成部、前記連携する機器の機能からの第1の受信環境を作成する第1受信環境作成部、及び前記連携する機器の機能からの第2の受信環境を作成する第2受信環境作成部、を取得する取得手段、
取得した前記送信環境作成部、前記第1受信環境作成部、及び前記第2受信環境作成部により作成された前記送信環境、前記第1の受信環境、及び前記第2の受信環境を、前記アプリケーションの画面に表示する環境表示制御手段、
として機能させ
前記所定の識別情報は、前記アプリケーションに対応するサーバと前記機器に対応するサーバとが通信するための認証情報であり、
前記環境表示制御手段は、FAX機能が電子データを受信した前記連携する機器と対応付けられている前記所定の識別情報に基づいた前記アプリケーションに対応するサーバと前記機器に対応するサーバとの認証が成功した場合に、前記アプリケーションに対応するサーバに保存された前記連携する機器のFAX機能が受信した電子データを、前記ログイン情報のユーザが他のユーザと共有する前記第2の受信環境に表示すること
を特徴とするプログラム。
【請求項8】
機器と、連携する前記機器の機能に応じた環境を作成してアプリケーションの画面に表示する端末装置と、を有する連携システムであって、
前記端末装置は、
前記アプリケーションのサーバへのログイン情報に所定の識別情報が対応付けられているか否かの判定結果に基づき、前記連携する機器の機能への送信環境を作成する送信環境作成部、前記連携する機器の機能からの第1の受信環境を作成する第1受信環境作成部、及び前記連携する機器の機能からの第2の受信環境を作成する第2受信環境作成部、を取得する取得手段と、
取得した前記送信環境作成部、前記第1受信環境作成部、及び前記第2受信環境作成部により作成された前記送信環境、前記第1の受信環境、及び前記第2の受信環境を、前記アプリケーションの画面に表示する環境表示制御手段と、
を有し、
前記所定の識別情報は、前記アプリケーションに対応するサーバと前記機器に対応するサーバとが通信するための認証情報であり、
前記環境表示制御手段は、FAX機能が電子データを受信した前記連携する機器と対応付けられている前記所定の識別情報に基づいた前記アプリケーションに対応するサーバと前記機器に対応するサーバとの認証が成功した場合に、前記アプリケーションに対応するサーバに保存された前記連携する機器のFAX機能が受信した電子データを、前記ログイン情報のユーザが他のユーザと共有する前記第2の受信環境に表示すること
を特徴とし、
前記機器は、
前記送信環境作成部から送信された電子データを、連携する前記機器の機能により処理すると共に、連携する前記機器の機能により作成された電子データを前記第1受信環境作成部又は前記第2受信環境作成部に送信する連携機能制御手段、
を有すること
を特徴とする連携システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、プログラム及び連携システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどの携帯情報端末に対応したインスタント・メッセージング・サービスの利用を可能にするシステムにおいて、種々のソフトウェア・ロボット・サービスが提供されるようになった。
【0003】
例えば従来のシステムでは、ユーザがソフトウェア・ロボットを友達として追加し、そのソフトウェア・ロボットとの対話により情報機器に対する所定の情報処理の要求を行う技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献1の従来のシステムにおいて、ユーザがソフトウェア・ロボットを使用して情報機器に対する所定の情報処理の要求を行えるまでの操作の手間を更に省くことができれば便利である。
【0005】
本発明の一実施形態は、機器の機能と連携するまでの操作の手間を軽減できる端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を達成するため、本発明の一実施形態は、連携する機器の機能に応じた環境を作成してアプリケーションの画面に表示する端末装置であって、前記アプリケーションのサーバへのログイン情報に所定の識別情報が対応付けられているか否かの判定結果に基づき、前記連携する機器の機能への送信環境を作成する送信環境作成部、前記連携する機器の機能からの第1の受信環境を作成する第1受信環境作成部、及び前記連携する機器の機能からの第2の受信環境を作成する第2受信環境作成部、を取得する取得手段と、取得した前記送信環境作成部、前記第1受信環境作成部、及び前記第2受信環境作成部により作成された前記送信環境、前記第1の受信環境、及び前記第2の受信環境を、前記アプリケーションの画面に表示する環境表示制御手段と、を有し、前記所定の識別情報は、前記アプリケーションに対応するサーバと前記機器に対応するサーバとが通信するための認証情報であり、前記環境表示制御手段は、FAX機能が電子データを受信した前記連携する機器と対応付けられている前記所定の識別情報に基づいた前記アプリケーションに対応するサーバと前記機器に対応するサーバとの認証が成功した場合に、前記アプリケーションに対応するサーバに保存された前記連携する機器のFAX機能が受信した電子データを、前記ログイン情報のユーザが他のユーザと共有する前記第2の受信環境に表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、機器の機能と連携するまでの操作の手間を軽減できる端末装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る連携システムの一例の構成図である。
図2】本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図3】本実施形態に係るMFPの一例のハードウェア構成図である。
図4】本実施形態に係る連携システムの登録処理の一例のイメージ図である。
図5】本実施形態に係る連携システムの登録処理の一例の画面遷移図である。
図6】本実施形態に係る連携システムの認証処理の一例のイメージ図である。
図7】本実施形態に係る連携システムの一例の機能ブロック図である。
図8】本実施形態に係る連携システムの登録処理の一例のシーケンス図である。
図9】本実施形態に係る連携システムのトークルーム作成処理の一例のシーケンス図である。
図10】本実施形態に係る連携システムの印刷処理の一例のシーケンス図である。
図11】本実施形態に係る連携プリントボットとのトークルームの一例の画面イメージである。
図12】本実施形態に係る機器の一例の画面イメージである。
図13】本実施形態に係る連携システムのスキャン送信処理の一例のシーケンス図である。
図14】本実施形態に係る連携スキャンボットとのトークルームの一例の画面イメージである。
図15】本実施形態に係る連携システムの受信FAX転送処理の一例のシーケンス図である。
図16】本実施形態に係る連携FAXボットとのトークルームの一例の画面イメージである。
図17】連携ボットありのチャット画面データに表示されるトーク相手一覧の一例の画面イメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0010】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る連携システムの一例の構成図である。図1に示す連携システム1は、機器用サーバ10、チャット用サーバ12、1台以上の機器14、及び1台以上の端末装置16が、ネットワーク18を介してデータ通信可能に接続されている。ネットワーク18は電話網、インターネット、LAN(Local Area Network)等である。
【0011】
機器用サーバ10は機器14に対応するサーバの一例であって、機器14に関する処理を行う。また、チャット用サーバ12はチャットアプリケーションに対応するサーバの一例であって、端末装置16に提供するチャット機能に関する処理を行う。機器用サーバ10とチャット用サーバ12とは、チャット用サーバ12が発行した後述のAPIキーを機器用サーバ10に登録することで、APIキーの認証による連携を可能としている。
【0012】
機器14は印刷機能、スキャン機能、及びFAX(ファクス)機能を有する画像形成装置であって、例えばMFP(Multifunction Peripheral/Product/Printer)である。機器14の印刷機能は機器用サーバ10から印刷ドキュメント(電子データ)を受信して印刷を行う。機器14のスキャン機能は原稿をスキャンし、スキャンデータ(電子データ)を機器用サーバ10に送信する。また、機器14のFAX機能はFAX文書を受信し、FAXデータ(電子データ)を機器用サーバ10に送信する。
【0013】
端末装置16はユーザが操作する情報処理端末であって、例えばPC、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、ネットワーク家電、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)である。端末装置16はチャットアプリケーション(以下、チャットアプリと呼ぶ)が搭載されており、後述のチャット画面を表示できる。
【0014】
端末装置16に搭載されたチャットアプリは、端末装置16を操作するユーザに対してチャット機能を提供する。端末装置16に搭載されたチャットアプリは、ユーザからの作成要求に応じて、後述するような連携ボットとのトークルームを作成する。チャットアプリが作成するトークルームには、後述する連携プリントボットをトーク相手のキャラクタとした連携プリントボットとのトークルーム、後述する連携スキャンボットをトーク相手のキャラクタとした連携スキャンボットとのトークルーム、及び後述の連携FAXボットをトーク相手のキャラクタとした連携FAXボットとのトークルームが含まれる。
【0015】
連携プリントボットとのトークルームにユーザが貼り付けた(登録した)ドキュメントはチャット用サーバ12を介して機器用サーバ10に保存される。その後、ユーザは機器14に搭載された連携プログラムを操作して機器用サーバ10から印刷ドキュメントを受信し、印刷を行うことができる。
【0016】
また、機器14に搭載された連携プログラムを操作してユーザがスキャンしたスキャンデータは機器用サーバ10を介してチャット用サーバ12に送信される。その後、ユーザは連携スキャンボットとのトークルームに表示されたスキャンデータを閲覧することができる。
【0017】
また、機器14が受信したFAX文書は機器14に搭載された連携プログラムにより機器用サーバ10を介してチャット用サーバ12に送信される。その後、ユーザは連携FAXボットとのトークルームに表示されたFAXデータを閲覧することができる。
【0018】
なお、図1に示す連携システム1の構成は一例である。例えば機器用サーバ10の機能の少なくとも一部は、チャット用サーバ12で実現する構成でもよい。チャット用サーバ12の機能の少なくとも一部は、機器用サーバ10で実現する構成でもよい。また、機器用サーバ10及びチャット用サーバ12の機能の少なくとも一部は、機器用サーバ10及びチャット用サーバ12以外のサーバで実現する構成でもよい。また、機器用サーバ10及びチャット用サーバ12は複数台の情報処理装置で実現する構成であってもよい。機器用サーバ10及びチャット用サーバ12は、クラウドコンピューティングを利用して実現するようにしてもよい。
【0019】
<ハードウェア構成>
《コンピュータ》
図1に示した機器用サーバ10及びチャット用サーバ12は、例えば図2に示すようなハードウェア構成のコンピュータ500により実現される。また、端末装置16がPCである場合も、例えば図2に示すようなハードウェア構成のコンピュータ500により実現される。図2は本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【0020】
コンピュータ500は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0021】
これらのうち、CPU501は、プログラムに従ってコンピュータ500全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0022】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウインドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等である。ネットワークI/F509はネットワーク18を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。データバス510は、CPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0023】
キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0024】
《MFP》
図1に示した機器14は例えば図3に示すようなハードウェア構成のMFP900により実現される。図3は本実施形態に係るMFPの一例のハードウェア構成図である。
【0025】
図3のMFP900は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0026】
CPU901は、MFP900の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジである。また、NB903は、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0027】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902aと、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとを有する。RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0028】
SB904はNB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908、及びMEM-C907を、それぞれ接続するブリッジの役割を有する。
【0029】
ASIC906は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットを有する。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインタフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインタフェースを接続するようにしてもよい。
【0030】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0031】
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0032】
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931及びプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル940bを備えている。
【0033】
コントローラ910は、MFP900全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0034】
なお、MFP900は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、及びファクス機能などを順次に切り替えて選択することが可能となる。例えばMFP900は、ドキュメントボックス機能の選択時に、ドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にプリンタモードとなり、ファクス機能の選択時にファクスモードとなる。
【0035】
また、ネットワークI/F950は、ネットワーク18を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0036】
なお、MFP900はICカードによる認証を利用する場合、ICカードリーダが内蔵又は外付けされる。MFP900はICカードに埋め込まれたRFタグからICカードに固有の識別情報を無線通信で読み取る。ICカードはスマートフォンなどのスマートデバイスが内蔵するものでもよい。また、MFP900はICカードリーダ以外を利用してもよく、生体認証装置(指紋、掌紋、虹彩、顔など)やバーコード読み取り装置等を利用してもよい。
【0037】
<登録処理と認証処理の概要>
図4は本実施形態に係る連携システムの登録処理の一例のイメージ図である。図5は本実施形態に係る連携システムの登録処理の一例の画面遷移図である。図4に示すように本実施形態に係る連携システム1では、チャット用サーバ12が機器IDと対応付けてAPIキーを認証情報として発行し、利用者が企業IDとAPIキーとを機器用サーバ10に登録している。APIキーはログイン情報に対応付けられた識別情報の一例である。
【0038】
例えば図5のチャット用サーバ12の管理画面1000は、連携する機器14ごとにAPIキーを発行する例を示している。管理者などのユーザは例えば登録キー1002を押下することで連携する機器14のAPIキーを発行できる。また、図5の機器用サーバ10の管理画面1010は、連携する機器14ごとに企業IDとAPIキーとを登録する例を示している。企業IDは、連携システム1を利用する企業、団体、部署、学校などの組織を識別する情報の一例である。これにより、機器用サーバ10とチャット用サーバ12とはAPIキーにより認証を行い、機器14の印刷機能、スキャン機能、及びFAX機能と、端末装置16のチャット機能とを後述のように連携させることができる。
【0039】
図6は本実施形態に係る連携システムの認証処理の一例のイメージ図である。本実施形態に係る連携システム1では図5及び図6に示したようにAPIキーを機器用サーバ10に登録したあと、図6に示すように認証処理を行う。
【0040】
例えばチャット用サーバ12が提供するチャット機能の導入時、管理者等は端末装置16を操作するユーザのユーザID及びパスワードを設定し、企業ID、ユーザID、及びパスワードを、端末装置16を操作するユーザにメール等で通知する。端末装置16を操作するユーザは通知された企業ID、ユーザID、及びパスワードをチャットアプリに設定し、その企業ID、ユーザID、及びパスワードで認証を行い、チャット用サーバ12を利用する。
【0041】
また、本実施形態に係る連携システム1の導入時、管理者等は機器14が機器用サーバ10への認証に利用する企業ID、メールアドレス、及びパスワードを機器14の連携プログラムに設定する。機器14の連携プログラムは、設定された企業ID、メールアドレス、及びパスワードで認証を行い、機器用サーバ10を利用する。
【0042】
本実施形態に係る連携システム1は、機器用サーバ10とチャット用サーバ12とがAPIキーにより認証できるため、端末装置16にログインした認証済みユーザのチャットアプリのトークルームと、機器14にログインした認証済みユーザが利用する印刷機能、スキャン機能、及びFAX機能と、を連携させることができる。
【0043】
<機能構成>
本実施形態に係る連携システム1は例えば図7に示す機能構成により実現される。本実施形態に係る連携システムの一例の機能ブロック図である。図7では1台以上の機器14及び端末装置16のうちの1台を図示している。また、図7の機能構成は、本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。
【0044】
図7の機器用サーバ10はログイン処理部20、APIキー登録部22、APIキー保存部24、認証部26、及び連携機能仲介部28を有する。連携機能仲介部28は連携プリント仲介部30、連携スキャン仲介部32、及び連携FAX仲介部34を有する。
【0045】
ログイン処理部20は機器14又は端末装置16からのログイン要求を受け付け、ログイン処理を行う。APIキー登録部22はログイン処理済みの機器14又は端末装置16からのAPIキー登録要求を受け付け、APIキーの登録処理を行う。APIキー保存部24は、APIキーの登録処理により登録されたAPIキーを企業ID及び機器IDと対応付けて保存する。機器IDは機器14を識別する識別情報の一例である。
【0046】
認証部26はチャット用サーバ12に対し、APIキーで認証を行う。連携機能仲介部28は機器14とチャット用サーバ12との間で、後述するような連携機能に関する仲介処理を行う。例えば連携プリント仲介部30は、機器14の後述の連携プリント制御部80とチャット用サーバ12の連携プリント処理部60との間で仲介処理を行う。また、連携スキャン仲介部32は機器14の後述の連携スキャン制御部82とチャット用サーバ12の連携スキャン処理部62との間で仲介処理を行う。さらに、連携FAX仲介部34は機器14の後述の連携FAX制御部84とチャット用サーバ12の連携FAX処理部64との間で仲介処理を行う。
【0047】
図7のチャット用サーバ12は、ログイン処理部40、APIキー発行部42、APIキー保存部44、連携ボット使用可否判定部46、チャット処理部48、認証部50、及び連携機能処理部52を有する。連携機能処理部52は連携プリント処理部60、連携スキャン処理部62、及び連携FAX処理部64を有する。
【0048】
ログイン処理部40は、端末装置16からのログイン要求を受け付け、ログイン処理を行う。APIキー発行部42はログイン済みの端末装置16からのAPIキー発行要求を受け付け、APIキーの発行処理を行う。APIキー保存部44は、APIキー発行要求により発行されたAPIキーを企業IDと対応付けて保存する。
【0049】
連携ボット使用可否判定部46はログイン済みの端末装置16を操作している認証済みユーザの連携ボットの使用可否を後述のように判定する。チャット処理部48はチャット機能に関する処理を行う。例えばチャット処理部48は連携ボットの使用可否判定結果により連携ボットあり、又は無しのチャット画面データを作成して、端末装置16に表示させる。
【0050】
認証部50は機器用サーバ10に対し、APIキーで認証を行う。連携機能処理部52は端末装置16と機器用サーバ10との間で後述する連携機能に関する処理を行う。例えば連携プリント処理部60は、端末装置16の後述の連携プリントボット制御部110と機器用サーバ10の連携プリント仲介部30との間で処理を行う。また、連携スキャン処理部62は端末装置16の後述の連携スキャンボット制御部112と機器用サーバ10の連携スキャン仲介部32との間で処理を行う。さらに、連携スキャン処理部62は端末装置16の後述の連携FAXボット制御部114と機器用サーバ10の連携FAX仲介部34との間で処理を行う。
【0051】
図7の機器14は、ログイン要求部70及び連携機能制御部72を有する。連携機能制御部72は連携プリント制御部80、連携スキャン制御部82、及び連携FAX制御部84を有する。
【0052】
ログイン要求部70は機器用サーバ10にログイン要求を行うことで、機器用サーバ10にログインする。連携機能制御部72は機器用サーバ10との間で、後述するような連携機能に関する制御を行う。例えば連携プリント制御部80は機器用サーバ10の連携プリント仲介部30との間で連携機能に関する制御を行う。連携スキャン制御部82は機器用サーバ10の連携スキャン仲介部32との間で連携機能に関する制御を行う。連携FAX制御部84は機器用サーバ10の連携FAX仲介部34との間で連携機能に関する制御を行う。
【0053】
また、図7の端末装置16は、ログイン要求部90、APIキー発行要求部92、APIキー登録要求部94、チャット制御部96、及び連携機能ボット制御部98を有する構成である。チャット制御部96は取得部100及び環境表示制御部102を有する。連携機能ボット制御部98は、連携プリントボット制御部110、連携スキャンボット制御部112、及び連携FAXボット制御部114を有する。
【0054】
ログイン要求部90は機器用サーバ10及びチャット用サーバ12にログイン要求を行うことで、機器用サーバ10及びチャット用サーバ12にログインする。APIキー発行要求部92はチャット用サーバ12に対してAPIキー発行要求を行い、発行されたAPIキーを取得する。APIキー登録要求部94は機器用サーバ10に対してAPIキー登録要求を行う。
【0055】
チャット制御部96はチャット機能に関する制御を行う。チャット制御部96の取得部100は、チャット用サーバ12の連携ボット使用可否判定部46による認証済みユーザの連携ボットの使用可否の判定結果が「使用可」であれば、チャット用サーバ12から連携ボットを取得する。
【0056】
チャット制御部96の環境表示制御部102はチャット画面に表示されるトークルームの表示制御を行う。例えば環境表示制御部102は認証済みユーザの連携ボットの使用可否の判定結果が「使用可」であれば、取得した連携ボットとのトークルームを作成可能なチャット画面をディスプレイ506などの表示部に表示させる。
【0057】
連携プリントボットとのトークルームは、認証済みユーザに機器14の印刷機能への固有の送信環境の一例である。連携スキャンボットとのトークルームは、認証済みユーザに機器14のスキャン機能からの固有の受信環境の一例である。また、連携FAXボットとのトークルームは、認証済みのユーザが他のユーザと共有する受信環境の一例である。
【0058】
連携機能ボット制御部98はチャット用サーバ12との間で、後述するような連携機能ボットに関する制御を行う。例えば連携プリントボット制御部110はチャット用サーバ12の連携プリント処理部60との間で連携機能ボットに関する制御を行う。また、連携スキャンボット制御部112はチャット用サーバ12の連携スキャン処理部62との間で連携機能ボットに関する制御を行う。さらに、連携FAXボット制御部114はチャット用サーバ12の連携FAX処理部64との間で連携機能ボットに関する制御を行う。
【0059】
図7の機器用サーバ10、チャット用サーバ12、機器14、及び端末装置16はプログラムを実行することにより、図7のような機能構成を実現している。
【0060】
<処理>
以下では、本実施形態に係る連携システム1を企業が導入する例を説明する。図8は本実施形態に係る連携システムの登録処理の一例のシーケンス図である。本実施形態に係る連携システム1を導入する企業の管理者等は端末装置16を操作し、チャット用サーバ12へのログイン操作を行う。なお、管理者等は機器14からチャット用サーバ12へのログイン操作を行ってもよい。
【0061】
ステップS10において、端末装置16はチャット用サーバ12にログイン要求を行うことでチャット用サーバ12にログインする。管理者等は端末装置16を操作し、APIキーの発行操作を行う。ステップS12において、端末装置16はチャット用サーバ12に対してAPIキー発行要求を行う。
【0062】
ステップS14において、チャット用サーバ12は認証済みの端末装置16からのAPIキー発行要求を受け付け、APIキーの発行処理を行う。チャット用サーバ12は発行したAPIキーを企業IDと対応付けて保存する。ステップS16において、端末装置16は発行されたAPIキーをチャット用サーバ12から取得する。
【0063】
ステップS18に進み、端末装置16は取得したAPIキーを例えば図5の管理画面1000に表示する。管理者等は図5の管理画面1000に表示されたAPIキーを確認できる。続いて、管理者等は端末装置16を操作し、機器用サーバ10へのログイン操作を行う。なお、管理者等は機器14から機器用サーバ10へのログイン操作を行うようにしてもよい。
【0064】
ステップS20において、端末装置16は機器用サーバ10にログイン要求を行うことで機器用サーバ10にログインする。管理者等はステップS22において端末装置16を操作し、図5の管理画面1010に企業ID及びAPIキーを入力する。ステップS24において端末装置16は機器用サーバ10に対してAPIキー登録要求を行う。
【0065】
ステップS26において、機器用サーバ10は端末装置16からのAPIキー登録要求を受け付け、APIキーの登録処理を行う。機器用サーバ10は、APIキー登録要求を受け付けたAPIキーを企業ID及び機器IDと対応付けて保存する。
【0066】
図9は本実施形態に係る連携システムのトークルーム作成処理の一例のシーケンス図である。本実施形態に係る連携システム1を利用する企業のユーザは、端末装置16を操作してチャットアプリを起動し、チャット用サーバ12へのログイン操作を行う。ステップS40において、端末装置16はチャット用サーバ12にログイン要求を行う。
【0067】
ステップS42においてチャット用サーバ12は端末装置16からのログイン要求を受け付けてログイン処理を行う。チャット用サーバ12は端末装置16からログイン操作を行った認証済みのユーザの企業がAPIキーを発行済みであるか確認する。ステップS44においてチャット用サーバ12は認証済みのユーザの企業がAPIキーを発行済みであれば連携ボットの使用可否を「使用可」と判定し、APIキーを発行済みでなければ連携ボットの使用可否を「使用不可」と判定する。
【0068】
連携ボットの使用可否を「使用可」と判定すると、チャット用サーバ12は連携ボットありのチャット画面データを作成し、ステップS46において、そのチャット画面データと連携ボットとをログイン済みの端末装置15に送信する。図17は、連携ボットありのチャット画面データに表示されるトーク相手一覧の一例の画面イメージである。端末装置16を操作するユーザは図17のトーク相手一覧から連携スキャンボット、連携プリントボット、又は連携FAXボットとのトークルームを作成する操作やトークルームを表示する操作を行う。連携ボットの使用可否を「使用不可」と判定すると、チャット用サーバ12は連携ボット無しのチャット画面データを作成し、ステップS46において、そのチャット画面データをログイン済みの端末装置15に送信する。
【0069】
ステップS48に進み、端末装置16はステップS46でチャット用サーバ12から受信したチャット画面データのチャット画面を表示する。端末装置16は連携ボットありのチャット画面データを受信すると、連携ボットとのトークルームを作成可能なチャット画面をディスプレイ506などの表示部に表示させる。また、端末装置16は連携ボット無しのチャット画面データを受信すると、連携ボットとのトークルームを作成することができないチャット画面をディスプレイ506などの表示部に表示させる。
【0070】
ここでは、連携ボットとのトークルームを作成可能なチャット画面がディスプレイ506などの表示部に表示された例を説明する。ステップS50において、端末装置16を操作するユーザはチャット画面において連携ボットとのトークルーム作成操作を行う。端末装置16は、ステップS52において連携ボットとのトークルーム作成要求をチャット用サーバ12に送信する。
【0071】
ステップS54において、チャット用サーバ12は端末装置16からの連携ボットとのトークルーム作成要求に基づき、連携ボットとのトークルームを作成し、ステップS56において連携ボットとのトークルーム作成完了を端末装置16に返す。ステップS58において端末装置16は、作成した連携ボットとのトークルームを表示するようにチャット画面を更新する。
【0072】
このように、本実施形態に係る連携システム1ではAPIキーを発行済みである企業等のユーザのチャット画面を、連携プリントボット、連携スキャンボット、及び連携FAXボットなどの連携ボットとのトークルームを作成可能に表示させることができる。
【0073】
図10は本実施形態に係る連携システムの印刷処理の一例のシーケンス図である。本実施形態に係る連携システム1を利用する企業のユーザは端末装置16を操作してチャットアプリを起動し、チャット用サーバ12へのログイン操作を行う。ステップS70において端末装置16はチャット用サーバ12にログイン要求を行う。
【0074】
チャット用サーバ12は、ステップS42~S44と同様な処理を行い、端末装置16に連携ボットありのチャット画面データ又は連携ボット無しのチャット画面データを作成する。ステップS72においてチャット用サーバ12はチャット画面データをログイン済みの端末装置16に送信する。
【0075】
ステップS74において、端末装置16はステップS72でチャット用サーバ12から受信したチャット画面データのチャット画面を表示する。ここでは、図9のシーケンス図の処理により、連携ボットとのトークルームを作成済みのチャット画面がディスプレイ506などの表示部に表示された例を説明する。
【0076】
ステップS76において、端末装置16はユーザからの連携プリントボットとのトークルーム表示操作を受け付け、連携プリントボットとのトークルーム表示要求をチャット用サーバ12に対して行う。ステップS78においてチャット用サーバ12は連携プリントボットとのトークルーム画面データを作成し、端末装置16に送信する。ステップS80において、端末装置16はステップS78でチャット用サーバ12から受信した図11のような連携プリントボットとのトークルーム1100を表示する。
【0077】
図11は本実施形態に係る連携プリントボットとのトークルームの一例の画面イメージである。端末装置16を操作する認証済みのユーザは、機器14から印刷したいドキュメントを図11の連携プリントボットとのトークルーム1100に貼り付け操作(以下、登録操作)を行うことで、機器14から印刷したいドキュメントを本実施形態に係る連携システム1に登録できる。このように、図11の連携プリントボットとのトークルーム1100は認証済みのユーザに固有の機器14の機能への送信環境となる。また、図11の連携プリントボットとのトークルーム1100は、ユーザにより貼り付けられた(登録された)ドキュメントが履歴として表示される。
【0078】
ステップS84に進み、端末装置16は認証済みのユーザによる連携プリントボットとのトークルーム1100へのドキュメント登録操作に基づき、チャット用サーバ12に対してドキュメント貼り付け要求(以下、登録要求)を行う。端末装置16からのドキュメント登録要求を受け付けたチャット用サーバ12は機器用サーバ10に対し、ステップS70でログインしたユーザの企業IDと対応付けられているAPIキーで認証を行う。
【0079】
APIキーでの認証に成功すると、ステップS88に進み、チャット用サーバ12は連携プリントボットとのトークルーム1100に貼り付けられた(登録された)ドキュメントのドキュメント印刷要求を、機器用サーバ10に対して行う。ステップS88のドキュメント印刷要求では、認証済みユーザのユーザIDが指定される。
【0080】
ステップS90において、機器用サーバ10はステップS88のドキュメント印刷要求により受信したドキュメントを、認証済みのユーザの企業ID及びユーザIDと対応付けて保存する。ここまでの処理により、機器用サーバ10は認証済みのユーザが連携プリントボットとのトークルーム1100に登録したドキュメントを企業ID及びユーザIDと対応付けて保存できる。
【0081】
また、連携プリントボットとのトークルーム1100に登録されたドキュメントを印刷する場合、ユーザは機器14に表示される図12のような操作画面1200から連携プリントの連携プログラム1202を起動する操作と、機器用サーバ10へのログイン操作を行う。図12は、本実施形態に係る機器の一例の画面イメージである。図12の操作画面1200は連携プリントの連携プログラム1202及び連携スキャンの連携プログラム1204を起動する操作をユーザから受け付ける画面例である。
【0082】
ステップS92において、機器14は機器用サーバ10にログイン要求を行うことで機器用サーバ10にログインする。ステップS94に進み、機器用サーバ10はログインに成功したユーザが連携プリントボットとのトークルーム1100に登録したドキュメントの一覧(印刷ドキュメント一覧)を機器14に送信する。
【0083】
ステップS96において、機器14は機器用サーバ10から受信した印刷ドキュメント一覧を操作画面に表示する。認証済みのユーザは機器14の操作画面に表示された印刷ドキュメント一覧から印刷する印刷ドキュメントを選択する操作を行う。
【0084】
ステップS98において、機器14は認証済みのユーザが印刷ドキュメント一覧から選択した印刷ドキュメントを機器用サーバ10に要求する。ステップS100において機器14は機器用サーバ10から印刷ドキュメントを受信する。そして、ステップS102において、機器14は受信した印刷ドキュメントを印刷する。
【0085】
このように、本実施形態に係る連携システム1の処理によれば、ユーザが連携プリントボットとのトークルーム1100にドキュメントを貼り付ける(登録する)ことで、そのドキュメントを機器14から印刷するまでの操作の手間を軽減できる。
【0086】
図13は、本実施形態に係る連携システムのスキャン送信処理の一例のシーケンス図である。ユーザは連携スキャンボットとのトークルームにスキャンしたスキャンデータを表示する場合、機器14に表示される図12の操作画面1200から連携スキャンの連携プログラム1204を起動する操作と、機器用サーバ10へのログイン操作を行う。
【0087】
ステップS122において、機器14は認証済みのユーザからスキャンデータの送信先のユーザの選択を受け付ける。ここでは認証済みのユーザが自分を選択した例について説明する。ステップS124において、ユーザは機器14にスキャンしたい原稿をセットしてスキャンを指示する操作を行う。
【0088】
ステップS126において、機器14はセットされた原稿をスキャンする。ステップS128に進み、機器14はステップS122で選択されたユーザのユーザIDを指定してスキャンデータを機器用サーバ10に送信する。機器14からのスキャンデータの送信を受け付けた機器用サーバ10はチャット用サーバ12に対し、ステップS120でログインしたユーザの企業IDと対応付けられているAPIキーで認証を行う。APIキーでの認証に成功すると機器用サーバ10はステップS132に進み、ステップS122で選択されたユーザのユーザIDを指定して、チャット用サーバ12にスキャンデータのアップロード要求を行う。
【0089】
チャット用サーバ12はアップロード要求を受け付けたスキャンデータを、指定されたユーザIDのユーザに固有の連携スキャンボットとのトークルームに保存する。ここまでの処理により、チャット用サーバ12は認証済みのユーザが自分を指定してスキャンしたスキャンデータを、その認証済みユーザの連携スキャンボットとのトークルームと対応付けて保存できる。
【0090】
また、機器14で自分を指定してスキャンしたスキャンデータを閲覧する場合、ユーザはステップS136において端末装置16を操作してチャットアプリを起動し、チャット用サーバ12へのログイン操作を行う。端末装置16はチャット用サーバ12にログイン要求を行う。
【0091】
チャット用サーバ12はステップS42~S44と同様な処理を行い、端末装置16に連携ボットありのチャット画面データを作成する。ステップS138において、チャット用サーバ12はチャット画面データをログイン済みの端末装置16に送信する。
【0092】
ステップS140において端末装置16は、ステップS138でチャット用サーバ12から受信したチャット画面データのチャット画面を表示する。ここでは、図9のシーケンス図の処理により、連携ボットとのトークルームを作成済みのチャット画面がディスプレイ506などの表示部に表示された例を説明する。
【0093】
ステップS142において端末装置16はユーザからの連携スキャンボットとのトークルーム表示操作を受け付け、連携スキャンボットとのトークルーム表示要求をチャット用サーバ12に対して行う。チャット用サーバ12は連携スキャンボットとのトークルーム画像データを作成し、ステップS144で端末装置16に送信する。ステップS146において、端末装置16はステップS144でチャット用サーバ12から受信した図14のような連携スキャンボットとのトークルーム1250を表示する。
【0094】
図14は本実施形態に係る連携スキャンボットとのトークルームの一例の画面イメージである。端末装置16を操作する認証済みのユーザは、機器14でスキャンしたスキャンデータを図14の連携スキャンボットとのトークルーム1250で閲覧できる。このように図14の連携スキャンボットとのトークルーム1250は、認証済みのユーザに固有の機器14の機能からの受信環境となる。
【0095】
本実施形態に係る連携システム1の処理によれば、ユーザが機器14でスキャンしたスキャンデータを、連携スキャンボットとのトークルーム1250に表示させて閲覧するまでの操作の手間を軽減できる。
【0096】
図15は本実施形態に係る連携システムの受信FAX転送処理の一例のシーケンス図である。ステップS160において、本実施形態に係る連携システム1の機器14はFAX文書を受信する。ステップS162において、機器14はステップS160で受信したFAX文書のFAXデータを、自機の機器IDを指定して機器用サーバ10に送信する。ステップS162では機器IDに替えて、又は機器IDと共にFAX番号を指定するようにしてもよい。
【0097】
機器14からのFAXデータの送信を受け付けた機器用サーバ10はステップS164において、チャット用サーバ12に対し、機器ID又はFAX番号と対応付けられている企業IDのAPIキーで認証を行う。APIキーでの認証に成功すると機器用サーバ10はステップS166に進み、機器IDを指定してチャット用サーバ12にFAXデータのアップロード要求を行う。
【0098】
チャット用サーバ12はアップロード要求を受け付けたスキャンデータを、指定された機器IDと対応付けられた連携FAXボットとのトークルームに保存する。ここまでの処理により、チャット用サーバ12は機器14が受信したFAX文書のFAXデータを、機器14の機器IDと対応付いた連携FAXボットとのトークルームに保存できる。
【0099】
また、機器14が受信したFAX文書のFAXデータを閲覧する場合、ステップS170において端末装置16を操作してチャットアプリを起動し、チャット用サーバ12へのログイン操作を行う。端末装置16はチャット用サーバ12にログイン要求を行う。
【0100】
チャット用サーバ12はステップS42~S44と同様な処理を行い、端末装置16に連携ボットありのチャット画面データを作成する。ステップS172において、チャット用サーバ12はチャット画面データをログイン済みの端末装置16に送信する。
【0101】
ステップS174において端末装置16は、ステップS172でチャット用サーバ12から受信したチャット画面データのチャット画面を表示する。ここでは、図9のシーケンス図の処理により、連携ボットとのトークルームを作成済みのチャット画面が表示された例を説明する。ステップS176において端末装置16はユーザからの連携FAXボットとのトークルーム表示操作を受け付けて、連携FAXボットとのトークルーム表示要求をチャット用サーバ12に対して行う。ステップS178においてチャット用サーバ12は認証済みのユーザが他のユーザと共有する連携FAXボットとのトークルーム画像データを作成し、端末装置16に送信する。ステップS180において、端末装置16は受信した図16のような連携FAXボットとのトークルーム1300を表示する。
【0102】
図16は本実施形態に係る連携FAXボットとのトークルームの一例の画面イメージである。端末装置16を操作する認証済みのユーザは、機器14が受信したFAXデータを図16の連携FAXボットとのトークルーム1300で閲覧できる。このように図16の連携FAXボットとのトークルーム1300は、認証済みのユーザが他のユーザと共有する機器14の機能からの受信環境となる。
【0103】
本実施形態に係る連携システム1の処理によれば、機器14が受信したFAXデータを連携FAXボットとのトークルーム1300に表示させて閲覧するまでの操作の手間を軽減できる。
【0104】
なお、ここでは本実施形態に係る連携システム1の連携機能について説明したが、既存のチャット機能が有する既読機能、着信機能、トーク機能、及びスタンプ機能などの機能も利用可能である。また、本実施形態に係る連携システム1は3種類の連携ボットを利用して3種類のトークルームを作成する例を示したが、この例に限定するものではない。
【0105】
例えば本実施形態に係る連携システム1は1つの連携ボットを利用して3種類のトークルームを作成するようにしてもよい。さらに、本実施形態に係る連携システム1は2種類の連携ボットを利用して送信系と受信系など、2種類のトークルームを作成するようにしてもよい。トークルームは連携ボットとの対話環境としても機能する。
【0106】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0107】
実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。取得部100は特許請求の範囲に記載した取得手段の一例である。環境表示制御部102は環境表示制御手段の一例である。連携機能制御部72は連携機能制御手段の一例である。連携プリントボットは送信環境作成部の一例である。連携スキャンボットは第1受信環境作成部の一例である。連携FAXボットは第2の受信環境作成部の一例である。トークルームは送信環境、受信環境の一例である。
【符号の説明】
【0108】
1 連携システム
10 機器用サーバ
12 チャット用サーバ
14 機器
16 端末装置
18 ネットワーク
42 APIキー発行部
72 連携機能制御部
92 APIキー発行要求部
94 APIキー登録要求部
98 連携機能ボット制御部
100 取得部
102 環境表示制御部
1100、1250、1300 トークルーム
1200 操作画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0109】
【文献】特開2018-128843号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17