(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】管理システム、機器管理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20240625BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H04L67/00
H04M11/00 301
(21)【出願番号】P 2020127826
(22)【出願日】2020-07-29
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永尾 元裕
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-052922(JP,A)
【文献】特開2020-048779(JP,A)
【文献】特表2009-543481(JP,A)
【文献】特表2007-519317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の拠
点に設置された第1の機器および第2の機器の少なくともいずれかに該当するネットワーク機器と、通信ネットワークを介して通信可能な管理システムであって、
複数の前記第1の機器の位置情報を記憶する記憶手段と、
前記第2の機器と複数の前記第1の機器との距離を示す相対距離情報を、前記ネットワーク機器から受信する受信手段と、
受信された相対距離情報および記憶された複数の前記第1の機器の位置情報を用いて算出された、前記第2の機器の位置を示す位置情報を登録する登録手段と、
前記受信された相対距離情報および記憶された複数の前記第1の機器の位置情報を用いて、前記第2の機器の位置を示す位置を算出する算出手段と、
を備え、
前記記憶手段は、前記拠点の位置を示す拠点位置情報を記憶し、
複数の前記第1の機器が二台以下である場合、前記算出手段は、受信された相対距離情報および記憶された前記第1の機器の位置情報とともに、記憶された前記拠点位置情報を用いて、前記第2の機器の位置を算出し、
前記登録手段は、算出された前記第2の機器の位置を示す位置情報を登録する管理システム。
【請求項2】
請求項
1に記載の管理システムであって、更に、
前記第2の機器の位置情報の登録状況を表示部に表示させる表示制御手段を備える管理システム。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の管理システムであって、
前記ネットワーク機器と接続する管理対象機器を管理する機器管理装置と、前記ネットワーク機器を管理するネットワーク管理装置と、を備え、
前記機器管理装置は、
前記管理対象機器の位置を示す位置情報を記憶する第1の記憶手段を備え、
前記ネットワーク管理装置は、
前記ネットワーク機器の位置を示す位置情報を記憶する第2の記憶手段を備える管理システム。
【請求項4】
前記受信手段は、前記第2の機器としてのネットワーク機器と前記第1の機器としての複数の管理対象機器との相対距離を示す相対距離情報を、前記第2の機器としてのネットワーク機器から受信し、
前記登録手段は、受信された相対距離情報および前記第1の記憶手段に記憶された前記第1の機器としての複数の管理対象機器の位置情報を用いて算出された、前記第2の機器としてのネットワーク機器の位置を示す位置情報を、前記第2の記憶手段に登録する請求項
3に記載の管理システム。
【請求項5】
前記受信手段は、前記第2の機器としてのネットワーク機器と前記第1の機器としての複数のネットワーク機器との相対距離を示す相対距離情報を、前記第2の機器としてのネットワーク機器から受信し、
前記登録手段は、受信された相対距離情報および前記第2の記憶手段に記憶された前記第1の機器としての複数のネットワーク機器の位置情報を用いて算出された、前記第2の機器としてのネットワーク機器の位置を示す位置情報を、前記第2の記憶手段に登録する請求項
3に記載の管理システム。
【請求項6】
前記受信手段は、前記第2の機器としての管理対象機器と前記第1の機器としての複数のネットワーク機器との相対距離を示す相対距離情報を、前記第1の機器としての複数のネットワーク機器から受信し、
前記登録手段は、受信された相対距離情報および前記第2の記憶手段に記憶された前記第1の機器としての複数のネットワーク機器の位置情報を用いて算出された、前記第2の機器としての管理対象機器の位置を示す位置情報を、前記第1の記憶手段に登録する請求項
3に記載の管理システム。
【請求項7】
所定の拠
点に設置された第1の機器および第2の機器の少なくともいずれかに該当するネットワーク機器と、通信ネットワークを介して通信可能な管理システムが実行する機器管理方法であって、
前記管理システムは、
前記拠点の位置を示す拠点位置情報と、複数の前記第1の機器の位置情報を記憶する記憶手段を備え、
前記第2の機器と複数の前記第1の機器との距離を示す相対距離情報を、前記ネットワーク機器から受信する受信ステップと、
受信された相対距離情報および記憶された複数の前記第1の機器の位置情報を用いて算出された、前記第2の機器の位置を示す位置情報を登録する登録ステップと、
前記受信された相対距離情報および記憶された複数の前記第1の機器の位置情報を用いて、前記第2の機器の位置を示す位置を算出する算出ステップと、
を実行
し、
複数の前記第1の機器が二台以下である場合、前記算出ステップでは、受信された相対距離情報および記憶された前記第1の機器の位置情報とともに、記憶された前記拠点位置情報を用いて、前記第2の機器の位置を算出し、
前記登録ステップでは、算出された前記第2の機器の位置を示す位置情報を登録する機器管理方法。
【請求項8】
所定の拠
点に設置された第1の機器および第2の機器の少なくともいずれかに該当するネットワーク機器と、通信ネットワークを介して通信可能な管理システムに実行させるプログラムであって、
前記管理システムは、
前記拠点の位置を示す拠点位置情報と、複数の前記第1の機器の位置情報を記憶する記憶手段を備え、
前記第2の機器と複数の前記第1の機器との距離を示す相対距離情報を、前記ネットワーク機器から受信する受信ステップと、
受信された相対距離情報および記憶された複数の前記第1の機器の位置情報を用いて算出された、前記第2の機器の位置を示す位置情報を登録する登録ステップと、
前記受信された相対距離情報および記憶された複数の前記第1の機器の位置情報を用いて、前記第2の機器の位置を示す位置を算出する算出ステップと、
を実行させ、
複数の前記第1の機器が二台以下である場合、前記算出ステップでは、受信された相対距離情報および記憶された前記第1の機器の位置情報とともに、記憶された前記拠点位置情報を用いて、前記第2の機器の位置を算出し、
前記登録ステップでは、算出された前記第2の機器の位置を示す位置情報を登録させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、管理システム、機器管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
LAN(Local Area Network)等のローカルネットワーク内に存在する機器をローカルネットワーク外から遠隔管理する遠隔管理システムが知られている。このような遠隔管理システムは、例えば、機器から機器情報を取得可能なネットワーク機器をローカルネットワーク内に設けている。そして、ローカルネットワーク外に位置する管理装置は、ネットワーク機器との間でファイアウォールを介して通信を行うことで、機器の遠隔管理を実現している。
【0003】
また、管理対象の機器の設置場所を管理するために、拠点内に存在する機器の位置情報を登録可能な技術が知られている。例えば、特許文献1には、位置情報を取得可能な携帯端末との間で通信を行い、携帯端末の位置情報に応じて画像処理装置の位置情報を設定する手法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法では、拠点内に新たに設置された機器の位置情報を取得するために、ユーザによる位置情報を登録するための処理を手動で行う必要があるため、機器の位置情報を管理システムに登録するまでに手間が掛かるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決すべく、請求項1に係る発明は、所定の拠点に設置された第1の機器および第2の機器の少なくともいずれかに該当するネットワーク機器と、通信ネットワークを介して通信可能な管理システムであって、複数の前記第1の機器の位置情報を記憶する記憶手段と、前記第2の機器と複数の前記第1の機器との距離を示す相対距離情報を、前記ネットワーク機器から受信する受信手段と、受信された相対距離情報および記憶された複数の前記第1の機器の位置情報を用いて算出された、前記第2の機器の位置を示す位置情報を登録する登録手段と、前記受信された相対距離情報および記憶された複数の前記第1の機器の位置情報を用いて、前記第2の機器の位置を示す位置を算出する算出手段と、を備え、前記記憶手段は、前記拠点の位置を示す拠点位置情報を記憶し、複数の前記第1の機器が二台以下である場合、前記算出手段は、受信された相対距離情報および記憶された前記第1の機器の位置情報とともに、記憶された前記拠点位置情報を用いて、前記第2の機器の位置を算出し、前記登録手段は、算出された前記第2の機器の位置を示す位置情報を登録する管理システムである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、より簡便な手法で、機器の位置情報の登録を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る遠隔管理システムの一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係るコンピュータのハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る機器管理装置およびネットワーク管理装置の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】(A)は、実施形態に係る機器情報管理テーブルの一例を示す概念図であり、(B)は、実施形態に係る拠点情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
【
図5】実施形態に係るネットワーク情報管理テーブルの一例を示す概念図である。
【
図6】実施形態に係るネットワーク機器、管理対象機器および管理者端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る遠隔管理システムにおける既設の管理対象機器を用いたネットワーク機器の位置情報の登録処理の一例を説明するための概略図である。
【
図8】実施形態に係る遠隔管理システムにおける既設の管理対象機器を用いたネットワーク機器の位置情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】実施形態に係る遠隔管理システムにおける既設の管理対象機器を用いたネットワーク機器の位置情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】実施形態に係る管理者端末に表示される管理画面の一例を示す図である。
【
図11】実施形態に係る管理者端末に表示される管理画面の一例を示す図である。
【
図12】実施形態に係る管理者端末に表示される管理画面の一例を示す図である。
【
図13】実施形態に係る遠隔管理システムにおける既設のネットワーク機器を用いたネットワーク機器の位置情報の登録処理の一例を説明するための概略図である。
【
図14】実施形態に係る遠隔管理システムにおける既設のネットワーク機器を用いたネットワーク機器の位置情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図15】実施形態に係る遠隔管理システムにおける既設のネットワーク機器を用いたネットワーク機器の位置情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】実施形態に係る遠隔管理システムにおける既設のネットワーク機器を用いた管理対象機器の位置情報の登録処理の一例を説明するための概略図である。
【
図17】実施形態に係る遠隔管理システムにおける既設のネットワーク機器を用いた管理対象機器の位置情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図18】実施形態に係る遠隔管理システムにおける既設のネットワーク機器を用いた管理対象機器の位置情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図19】実施形態に係る遠隔管理システムにおける既設のネットワーク機器を用いた管理対象機器の位置情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図20】実施形態に係る遠隔管理システムにおける既設の管理対象機器が二台以下である場合のネットワーク機器の位置情報の登録処理の一例を説明するための概略図である。
【
図21】実施形態に係る遠隔管理システムにおける既設の管理対象機器が二台以下である場合のネットワーク機器の位置情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。
【
図22】実施形態に係る遠隔管理システムにおける既設の管理対象機器が二台以下である場合のネットワーク機器の位置情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、発明を実施するための形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0009】
●実施形態●
●システム構成
図1は、実施形態に係る遠隔管理システムの一例を示す図である。
図1に示されている遠隔管理システム1は、クラウド上の機器管理装置10およびネットワーク管理装置30を用いて、遠隔地に存在するネットワーク機器50および管理対象機器70を一元的に遠隔管理するシステムである。
【0010】
遠隔管理システム1は、管理システム3、ローカルネットワーク7およびファイアウォール9を含む。ローカルネットワーク7は、通信ネットワーク5を介して管理システム3と接続されている。ローカルネットワーク7と管理システム3は、ファイアウォール9をインターフェースとして接続されている。また、通信ネットワーク5は、インターネット、移動体通信網(モバイル通信網)等によって構築されている。なお、通信ネットワーク5には、有線通信だけでなく、3G(3rd Generation)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation)もしくはLTE(Long Term Evolution)等の移動体通信網、Wi-Fi(Wireless Fidelity(登録商標))またはWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の無線通信によって構築される箇所が含まれていてもよい。また、通信ネットワーク5には、ブロックチェーンによって構築されたネットワークが含まれていてもよい。
【0011】
ローカルネットワーク7は、オフィス、会議室、倉庫、工場または特定の生産ライン等のネットワーク環境において形成されるネットワークである。ローカルネットワーク7は、例えば、インターネットを経由しない社内LAN(Local Area Network)である。ローカルネットワーク7は、ネットワーク機器50、MFP(Multi-Function Peripheral:複合機)70A、PJ(Projector:プロジェクタ)70B、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)70C、PC(Personal Computer:パソコン)70D、センサデバイス70E(例:外部と通信可能な、電子天秤・気圧計・加速度計・電流計・温度計・光度計・人感センサ・カメラ・照度計)を含む。MFP70A、PJ70B、IWB70C、PC70Dおよびセンサデバイス70Eは、遠隔管理システム1における遠隔管理対象となる機器である。なお、以下の説明で使用する管理対象機器70は、これらの遠隔管理対象となる機器の総称である。
【0012】
ファイアウォール9は、管理システム3からの特定のパケットのみを、通信ネットワーク5からローカルネットワーク7内に通過させる機能を有する。これにより、ファイアウォール9は、ローカルネットワーク7への意図しないまたは不正なアクセスをブロックすることが可能となる。また、ファイアウォール9は、ネットワーク機器50からのパケットを管理システム3に転送する機能を有する。
【0013】
管理システム3は、ローカルネットワーク7内に存在するネットワーク機器50および管理対象機器70を管理するためのシステムである。管理システム3は、機器管理装置10、ネットワーク管理装置30および複数の管理者端末90(90A,90B,90C、以下区別する必要のないときは管理者端末90と称する。)を含む。
【0014】
機器管理装置10は、複数のローカルネットワーク7に存在する管理対象機器70の情報を管理するためのサーバコンピュータである。機器管理装置10は、ファイアウォ-ル9を介してネットワーク機器50と接続され、ローカルネットワーク7内の管理対象機器70を、ネットワーク機器50を介して遠隔管理する。管理の一例として、機器管理装置10は、MFP70Aから、トナー残量・印刷枚数等の状態に関する情報を取得することが可能である。また、機器管理装置10は、MFP70Aに蓄積されたドキュメントデータの印刷を実行させるための指示が可能である。さらに、機器管理装置10は、PJ70B、IWB70C、およびPC70Dに対して、電源のONまたはOFFを制御することが可能である。また、機器管理装置10は、センサデバイス70Eに対して、当該センサデバイス70Eによって取得された情報を取得することが可能である。
【0015】
ネットワーク管理装置30は、ネットワーク機器50との間の通信を実現するためのネットワーク情報を管理するためのサーバコンピュータである。ネットワーク管理装置30は、ローカルネットワーク7とファイアウォールを介して接続するためのネットワーク情報を管理する。なお、機器管理装置10およびネットワーク管理装置30は、それぞれ単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各装置の各部(機能または手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されてもよい。また、管理システム3は、例えば、機器管理装置10およびネットワーク管理装置30の各機能の全てまたは一部を集約させたコンピュータであってもよい。
【0016】
管理者端末90は、ネットワーク管理装置30を用いて、ネットワーク機器50および管理対象機器70を監視する管理者が使用するノートPC等の端末である。管理者端末90は、ネットワーク管理装置30によって管理されるネットワーク情報または機器管理装置10によって管理される機器情報を、Webブラウザ等を用いて表示させることで、機器管理者にネットワーク機器50および管理対象機器70の情報を提供する。また、複数の管理者端末90は、異なる拠点からそれぞれネットワーク管理装置30へアクセスすることができる。
【0017】
また、管理者端末90A~90Cでは、それぞれ管理アプリ900A~900C(以下区別する必要のないときは管理アプリ900と称する。)が動作している。ネットワーク管理装置30は、例えば、ローカルネットワーク7の使用環境、管理対象機器70の種別または契約内容等に応じて、提供するアプリケーションの内容を設定することができ、管理者端末90ごとに提供するアプリケーションを管理している。
【0018】
なお、管理者端末90は、ノートPCに限られず、例えば、タブレット端末、スマートフォン、ウェアラブル端末またはディスクトップPC等の端末であってもよい。また、管理者端末90は、ローカルネットワーク7内において、ネットワーク機器50または管理対象機器70と直接通信可能な構成であってもよい。例えば、ネットワーク機器50または管理対象機器70の機器管理者が現場で設置作業を行う場合、機器管理者が使用する管理者端末90は、ネットワーク機器50または管理対象機器70とローカルネットワーク7内で直接通信を行うことで、設置作業を円滑に行うことができる。
【0019】
ネットワーク機器50は、管理システム3と、ローカルネットワーク7における管理対象機器70との間の通信を仲介する機器である。ネットワーク機器50は、機器管理装置10からファイアウォール9を超えて、ローカルネットワーク7内にメッセージを送信するために常時セッションを維持し、ローカルネットワーク7内のセキュリティを担保しつつ機器管理装置10と管理対象機器70との双方向の通信を実現する。ネットワーク機器50は、管理対象機器70およびファイアウォール9と、有線または無線LAN等を介して通信可能である。ネットワーク機器50は、機器管理装置10からの指示を受けて管理対象機器70にアクセスしたり、管理対象機器70からのアラート通知を機器管理装置10に送信したり、予め設定されたスケジュールに基づき管理対象機器70の情報取得通知または死活監視(例えば、機器50が通信可能であるかどうか等)を行う。ネットワーク機器50は、例えば、無線ルータまたはアクセスポイント等である。
【0020】
遠隔管理システム1は、同じローカルネットワーク7内に存在する複数の管理対象機器70の情報を一括してネットワーク機器5から機器管理装置10へ送信することができるため、通信負荷を低減させることができる。また、遠隔管理システム1は、ネットワーク機器50を設けることで、管理対象機器70ごとにファイアウォール9に対するアクセス許可等のネットワークセキュリティ設定を行う必要がないため、ユーザの機器設定に伴う負担を低減させることができる。なお、ネットワーク機器50は、単体として機能するボックス型(箱型)の通信機器であってもよく、MFP70A等の管理対象機器に内蔵されていてもよい。
【0021】
また、ネットワーク機器50、通信ネットワーク5上にある機器管理装置10およびネットワーク管理装置30と、ファイアウォール9を経由して通信可能である。すなわち、ネットワーク機器50は、ファイアウォール9(をインターフェースとするローカルネットワーク7)内に位置し、機器管理装置10およびネットワーク管理装置30は、ファイアウォール9(をインターフェースとするローカルネットワーク7)外に位置するといえる。
【0022】
管理対象機器70(MFP70A、PJ70B、IWB70C、PC70Dおよびセンサデバイス70E)は、ローカルネットワーク7内に位置し、かつファイアウォール(をインターフェースとするローカルネットワーク7)内に位置する。管理対象機器70は、機器管理装置10によるメンテナンスまたはカウンタ検針等が行われる管理対象の機器である。なお、管理対象機器70は、
図1に示されている例(MFP70A、PJ70B、IWB70C、PC70Dおよびセンサデバイス70E)に限られず、例えば、加工装置、検査装置、搬送装置もしくはピッキング装置等の産業機械、眼底検査装置、X線検査装置、血圧計、体脂肪計、視力計もしくはペースメーカ等の医療機器、3Dプリンタまたは撮像装置等であってもよい。また、管理対象機器70は、自動販売機、電源装置、空調システム、ガス・水道・電気等の計量システムまたは自律走行ロボット等であってもよい。また、管理対象機器70は、人感センサ等の通信機能を備えていない端末に、通信機能を備えた機器を取り付けてもよい。
【0023】
また、
図1は、管理システム3が一つのローカルネットワーク7内に位置する複数の管理対象機器70を遠隔管理する例を示すが、管理システム3は、複数のローカルネットワーク7内のそれぞれに位置する管理対象機器70を遠隔管理する構成であってもよい。また、
図1は、一台のネットワーク機器50が一つのローカルネットワーク7内に位置する例を示すが、ネットワーク機器50は、一つのローカルネットワーク内に二台以上が位置する構成であってもよい。この場合、複数のネットワーク機器50は、ネットワーク機器50ごとに担う機能を分担してもよい。
【0024】
●ハードウエア構成
続いて、実施形態に係る各装置のハードウエア構成について説明する。遠隔管理システム1を構成する各装置は、一般的なコンピュータの構成を有する。ここでは、一般的なコンピュータのハードウエア構成例について説明する。
【0025】
図2は、実施形態に係るコンピュータのハードウエア構成の一例を示す図である。なお、
図2に示すコンピュータのハードウエア構成は、各実施形態において同様の構成を有していてもよく、必要に応じて構成要素が追加または削除されてもよい。コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、HD(Hard Disk)104、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ105、ディスプレイ106、外部機器接続I/F(Interface)108、通信I/F109、バスライン110、キーボード111、ポインティングデバイス112、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ114、メディアI/F116、およびGPS(Global Positioning Systems)受信回路117を備えている。
【0026】
これらのうち、CPU101は、コンピュータ全体の動作を制御する。ROM102は、IPL等のCPU101の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用される。HD104は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ105は、CPU101の制御にしたがってHD104に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。ディスプレイ106は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、または画像等の各種情報を表示する。ディスプレイ106は、表示部の一例である。なお、ディスプレイ106は、入力手段を備えたタッチパネルディスプレイであってもよい。外部機器接続I/F108は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。通信I/F109は、他のコンピュータまたは電子機器等とデータの送受信を行うためのインターフェースである。通信I/F109は、例えば、有線または無線LAN等の通信インターフェースである。また、通信I/F109は、3G、4G、5GもしくはLTE等の移動体(モバイル)通信、Wi-Fi、WiMAX等の通信インターフェースを備えてもよい。バスライン110は、
図2に示されているCPU101等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスまたはデータバス等である。
【0027】
また、キーボード111は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス112は、各種指示の選択もしくは実行、処理対象の選択、またはカーソルの移動等を行う入力手段の一種である。なお、入力手段は、キーボード111およびポインティングデバイス112のみならず、タッチパネルまたは音声入力装置等であってもよい。DVD-RWドライブ114は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW113に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。なお、着脱可能な記録媒体は、DVD-RWに限らず、DVD-RまたはBlu-ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等であってもよい。メディアI/F116は、フラッシュメモリ等の記録メディア115に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。GPS受信回路117は、GPS衛星または屋内GPSとしてのIMES(Indoor MEssagingSystem)によって装置または端末の位置情報(緯度、経度、および高度)を含んだGPS信号を受信する。なお、GPS受信回路117は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)と称される他の衛星測位システムを用いて計測された位置情報を含む信号を受信してもよい。
【0028】
なお、実施形態に係る各装置のハードウエア構成は、必要に応じて構成要素が追加または削除されてもよい。例えば、機器管理装置10およびネットワーク管理装置30は、キーボード111等の入力手段およびディスプレイ106を備えていない構成であってもよい。また、管理対象機器70は、各機器の種別に応じた機能またはサービスを提供するためのモジュール等を備える構成であってもよい。
【0029】
また、上記各プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。記録媒体の例として、CD-R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、Blu-ray Disc、SDカードまたはUSB(Universal Serial Bus)メモリ等が挙げられる。また、記録媒体は、プログラム製品(Program Product)として、国内または国外へ提供されることができる。例えば、管理システム3は、本発明に係るプログラムが実行されることで本発明に係る機器管理方法を実現する。
【0030】
●機能構成
続いて、
図3乃至
図6を用いて、実施形態に係る遠隔管理システムの機能構成について説明する。なお、
図3乃至
図6は、後述の処理または動作に関連している装置または端末を示す。まず、
図3乃至
図5を用いて、機器管理装置10およびネットワーク管理装置30の機能構成を説明する。
図3は、実施形態に係る機器管理装置およびネットワーク管理装置30の機能構成の一例を示す図である。
【0031】
まず、機器管理装置10は、管理装置通信部11、ネットワーク通信部12、判断部13、機器情報管理部14および記憶・読出部19を有している。これら各部は、
図2に示されている各構成要素のいずれかが、RAM103上に展開された機器管理装置用プログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能、または機能する手段である。また、機器管理装置10は、
図2に示されているROM102、HD104または記録メディア115によって構築される記憶部1000を有している。
【0032】
管理装置通信部11は、主に、主に、通信I/F109に対するCPU101の処理によって実現され、ネットワーク管理装置30との間で各種データまたは情報の通信を行う。管理装置通信部11は、例えば、ネットワーク管理装置30との間で、管理対象機器70の位置を示す位置情報の送受信を行う。
【0033】
ネットワーク通信部12は、主に、通信I/F109に対するCPU101の処理によって実現され、ネットワーク機器50との間で各種データまたは情報の通信を行う。ネットワーク通信部12は、ローカルネットワーク7の内部に位置するネットワーク機器50との間のファイアウォ-ル9を経由した通信を制御する。ネットワーク通信部12は、ネットワーク機器50から送信された機器管理装置10へのポーリングを受信し、当該ポーリングに対する応答をネットワーク機器50へ送信する。または、ネットワーク通信部12は、ネットワーク機器50から機器管理装置10に対して常時通信可能なように通信セッション(WebSocketまたはMQTT(Message Queueing Telemetry Transport)等)を維持しておき、ネットワーク機器50との間で、各種データまたは情報を送受信する。本実施形態では、どちらの方法をとってもよい。
【0034】
ネットワーク通信部12は、例えば、管理者端末90によって受け付けられた管理対象機器70に対する所定の要求を示すコマンドを、ネットワーク機器50へ送信する。ネットワーク機器50から機器管理装置10に対して常時通信可能な通信セッション(WebSocketまたはMQTT等)でない場合、機器管理装置10は、管理者端末90によって受け付けられたコマンドを、未送信または送信完了といったステータスでコマンドの送信状態を管理する。また、ネットワーク通信部12は、ネットワーク機器50へ送信したコマンドに対する応答、または管理対象機器70から自発的に送信された管理対象機器70のステータスを示す状態情報等の機器情報を、ネットワーク機器50から受信する。
【0035】
判断部13は、CPU101の処理によって実現され、各種判断を行う。判断部13は、例えば、管理対象機器70から送信される機器情報に基づいて、管理対象機器70の状態を判断する。
【0036】
機器情報管理部14は、CPU101の処理によって実現され、管理対象機器70の機器情報を管理する。機器情報管理部14は、例えば、登録部としての役割を果たし、既設のネットワーク機器50または管理対象機器70との相対距離および位置情報を用いて算出された、管理対象機器70の位置情報を登録する。
【0037】
記憶・読出部19は、主に、CPU101の処理によって実現され、記憶部1000に、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部1000から各種データ(または情報)を読み出したりする。
【0038】
○機器情報管理テーブル
図4(A)は、実施形態に係る機器情報管理テーブルの一例を示す概念図である。機器情報管理テーブルは、機器管理装置10による管理対象となる管理対象機器70に関する各種情報を管理するためのテーブルである。記憶部1000は、
図4(A)に示されているような機器情報管理テーブルによって構成されている機器情報管理DB1001を構築している。
【0039】
機器情報管理テーブルには、管理対象機器70を識別する機器ID、MAC(Media Access Control)アドレス、位置情報および拠点IDが関連づけられて管理されている。このうち、機器IDは、例えば、管理対象機器70のモデル名またはシリアルNoである。また、MACアドレスは、管理対象機器70の宛先を示す宛先情報である。なお、宛先情報は、管理対象機器70のIP(Internet Protocol)アドレス等であってもよい。さらに、位置情報は、管理対象機器70の設置位置を示す緯度および経度の座標情報を含む。また、拠点IDは、管理対象機器70が設置された拠点を識別する拠点識別情報である。
【0040】
○拠点情報管理テーブル
図4(B)は、実施形態に係る拠点情報管理テーブルの一例を示す概念図である。拠点情報管理テーブルは、ネットワーク機器50および管理対象機器70が設置された拠点に関する各種情報を管理するためのテーブルである。記憶部1000は、
図4(B)に示されているような拠点情報管理テーブルによって構成されている拠点情報管理DB1002を構築している。
【0041】
拠点情報管理テーブルには、拠点を識別する拠点IDおよび拠点の位置を示す拠点位置情報が関連づけられて管理されている。このうち、拠点IDは、ネットワーク機器50および管理対象機器70が設置された建物、フロア、部屋、スペースまたは店舗等の単位の拠点ごとに割り振られている。拠点位置情報は、各拠点の位置を四点(TopLeft、TopRight、BottomLeft、BottomRight)の緯度および経度の座標を用いて管理し、各拠点の二次元的な範囲を特定する。
【0042】
図3に戻り、ネットワーク管理装置30は、管理装置通信部31、ネットワーク通信部32、判断部33、算出部34、ネットワーク情報管理部35、端末通信部36および記憶・読出部39を有している。これら各部は、
図2に示されている各構成要素のいずれかが、RAM103上に展開されたネットワーク管理装置用プログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能、または機能する手段である。また、ネットワーク管理装置30は、
図2に示されているROM102、HD104または記録メディア115によって構築される記憶部3000を有している。
【0043】
管理装置通信部31は、主に、主に、通信I/F109に対するCPU101の処理によって実現され、機器管理装置10との間で各種データまたは情報の通信を行う。管理装置通信部31は、例えば、機器管理装置10との間で、管理対象機器70の位置を示す位置情報の送受信を行う。
【0044】
ネットワーク通信部32は、主に、通信I/F109に対するCPU101の処理によって実現され、ネットワーク機器50との間で各種データまたは情報の通信を行う。ネットワーク通信部32は、例えば、ローカルネットワーク7内に新たに機器が設置された場合、既設のネットワーク機器50または管理対象機器70との相対距離を示す相対距離情報を、ネットワーク機器50から受信する。
【0045】
判断部33は、CPU101の処理によって実現され、各種判断を行う。算出部34は、CPU101の処理によって実現され、新たに設置されたネットワーク機器50または管理対象機器70の位置を算出する。
【0046】
ネットワーク情報管理部35は、CPU101の処理によって実現され、ネットワーク機器50との通信を実現するためのネットワーク情報を管理する。ネットワーク情報管理部35は、例えば、登録部としての役割を果たし、既設のネットワーク機器50または管理対象機器70との相対距離および位置情報を用いて算出された、ネットワーク機器50の位置情報を登録する。
【0047】
端末通信部36は、主に、通信I/F109に対するCPU101の処理によって実現され、管理者端末90との間で各種データまたは情報の通信を行う。端末通信部36は、例えば、Webアプリケーションのサーバ部としての機能を担い、管理者端末90からの要求をHTTPS(HyperText Transfer Protocol Secure)等の通信プロトコルを利用してWebAPI(Web Application Programming Interface)で受け付け、要求に従った処理を行って管理者端末90へ送信する。利用される通信プロトコルは、これに限られず、FTP(File Transfer Protocol)、HTTP(HyperText Transfer Protocol)またはSNMP(Simple Network Management Protocol)等のプロトコルを用いてもよい。また、端末通信部36は、ネットワーク管理装置30からネットワーク機器50または管理対象機器70との通信が必要な場合に、ネットワーク機器50または管理対象機器70に送信するコマンドを発行(生成)する。発行されるコマンドは、例えば、管理対象機器70のステータスを示す状態情報の取得または電源のON/OFF等の制御命令である。端末通信部36は、ネットワーク通信部32によって受信されたコマンド結果を、管理者端末90の画面上にリアルタイムに通知するためにWebSocketまたはMQTT(Message Queueing Telemetry Transport)等の常時接続状態を維持する機能を有していてもよい。
【0048】
記憶・読出部39は、主に、CPU101の処理によって実現され、記憶部3000に、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部3000から各種データ(または情報)を読み出したりする。
【0049】
○ネットワーク情報管理テーブル
図5は、実施形態に係るネットワーク情報管理テーブルの一例を示す概念図である。ネットワーク情報管理テーブルは、ネットワーク管理装置30による管理対象であるネットワーク機器50に関する各種情報を管理するためのテーブルである。記憶部3000は、
図5に示されているようなネットワーク情報管理テーブルによって構成されているネットワーク情報管理DB3001を構築している。
【0050】
このネットワーク情報管理テーブルには、ネットワーク機器50を識別する機器ID、MACアドレス、ネットワーク機器50との最終接続日時および位置情報が関連づけられて管理されている。このうち、機器IDは、例えば、ネットワーク機器50のモデル名またはシリアルNoである。また、MACアドレスは、ネットワーク機器50の宛先を示す宛先情報である。なお、宛先情報は、ネットワーク機器50のIPアドレス等であってもよい。さらに、位置情報は、ネットワーク機器50の設置位置を示す緯度および経度の座標情報を含む。
【0051】
続いて、
図6を用いて、管理者端末90およびローカルネットワーク7に属する各機器の機能構成を説明する。
図6は、実施形態に係るネットワーク機器、管理対象機器および管理者端末の機能構成の一例を示す図である。
【0052】
まず、ネットワーク機器50は、ネットワーク通信部51、機器通信部52、AP部53、探索要求取得部54、受付部55、表示制御部56、判断部57、計測部58、情報管理部61および記憶・読出部59を有している。これら各部は、
図2に示されている各構成要素のいずれかが、RAM103上に展開された仲介装置用プログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能、または機能する手段である。また、ネットワーク機器50は、
図2に示されているROM102、HD104または記録メディア115によって構築される記憶部5000を有している。
【0053】
ネットワーク通信部51は、主に、通信I/F109に対するCPU101の処理によって実現され、機器管理装置10およびネットワーク管理装置30との間で各種データまたは情報の通信を行う。ネットワーク通信部51は、例えば、機器管理装置10から送信された管理対象機器70に対して所定の処理の実行を要求するコマンドを受信する。また、ネットワーク通信部51は、例えば、機器管理装置10から送信されたコマンドに対する応答(処理の実行結果)を、機器管理装置10へ送信する。さらに、ネットワーク通信部51は、管理対象機器70のステータス(状態)を示す状態情報を、機器管理装置10へ送信する。また、ネットワーク通信部51は、他のネットワーク機器50または管理対象機器70との相対距離を示す相対距離情報を、ネットワーク管理装置30へ送信する。
【0054】
機器通信部52は、主に、通信I/F109に対するCPU101の処理によって実現され、他のネットワーク機器50および管理対象機器70との間で各種データまたは情報の通信を行う。機器通信部52は、例えば、管理対象機器70のステータス(状態)を示す状態情報等の機器情報を、管理対象機器70から受信する。
【0055】
AP部53は、主に、CPU101の処理によって実現され、ローカルネットワーク7内におけるアクセスポイントとしての機能を担う。AP部53は、例えば、ローカルネットワーク7に存在する各種機器に対して、SSID(Service Set Identifier)等のアクセスポイント情報を発信する。探索要求取得部54は、主に、CPU101の処理によって実現され、他のネットワーク機器50または管理対象機器70から送信されたプローブ要求(探索要求)を取得する。
【0056】
受付部55は、主に、キーボード111またはポインティングデバイス112に対するCPU101の処理によって実現され、利用者から各種の選択または入力を受け付ける。表示制御部56は、主に、CPU101の処理によって実現され、ディスプレイ106に、各種画像を表示させる。
【0057】
判断部57は、CPU101の処理によって実現され、各種判断を行う。計測部58は、CPU101の処理によって実現され、ローカルネットワーク7内に存在する他のネットワーク機器50または管理対象機器70との相対距離を算出する。情報管理部61は、CPU101の処理によって実現され、ネットワーク機器50に関する各種情報を管理する。
【0058】
記憶・読出部59は、主に、CPU101の処理によって実現され、記憶部5000に、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部5000から各種データ(または情報)を読み出したりする。
【0059】
次に、管理対象機器70は、通信部71、受付部72、表示制御部73、判断部74、情報管理部75および記憶・読出部79を有している。これら各部は、
図2に示されている各構成要素のいずれかが、RAM103上に展開された機器用プログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能、または機能する手段である。また、機器70は、
図2に示されているROM102、HD104または記録メディア115によって構築される記憶部7000を有している。
【0060】
通信部71は、主に、通信I/F109に対するCPU101の処理によって実現され、ネットワーク機器50との間で各種データまたは情報の通信を行う。通信部71は、HTTPまたはSNMP等の通信プロトコルを用いて、ネットワーク機器50と通信を行う。また、通信部71は、シリアル通信であってもよい。
【0061】
受付部72は、主に、キーボード111またはポインティングデバイス112に対するCPU101の処理によって実現され、利用者から各種の選択または入力を受け付ける。表示制御部73は、主に、CPU101の処理によって実現され、ディスプレイ106に、各種画像を表示させる。
【0062】
判断部74は、CPU101の処理によって実現され、各種判断を行う。情報管理部75は、CPU101の処理によって実現され、管理対象機器70に関する各種情報を管理する。
【0063】
記憶・読出部79は、主に、CPU101の処理によって実現され、記憶部7000に、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部7000から各種データ(または情報)を読み出したりする。
【0064】
次に、管理者端末90は、通信部91、受付部92、表示制御部93および記憶・読出部99を有している。これら各部は、
図2に示されている各構成要素のいずれかが、RAM103上に展開された管理者端末用プログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能、または機能する手段である。また、管理者端末90は、
図2に示されているROM102、HD104または記録メディア115によって構築される記憶部9000を有している。
【0065】
通信部91は、主に、通信I/F109に対するCPU101の処理によって実現され、管理アプリ900を用いて、ネットワーク管理装置30との間で各種データまたは情報の通信を行う。通信部91は、例えば、Webアプリケーションのクライアント部としての役割を担い、Webブラウザで動作するHTML(Hyper Text Markup Language)、またはJavaScript(登録商標)、CSS(Cascading Style Sheets)といった言語で記述されたプログラムが実行されることによって実現される。
【0066】
受付部92は、主に、キーボード111またはポインティングデバイス112に対するCPU101の処理によって実現され、利用者から各種の選択または入力を受け付ける。表示制御部93は、主に、CPU101の処理によって実現され、ディスプレイ106に、各種画像を表示させる。
【0067】
記憶・読出部99は、主に、CPU101の処理によって実現され、記憶部9000に、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部9000から各種データ(または情報)を読み出したりする。
【0068】
●実施形態の処理または動作
○既設の管理対象機器を用いたネットワーク機器の位置登録処理
続いて、
図7乃至
図22を用いて、実施形態に係る遠隔管理システムの処理または動作について説明する。まず、
図7乃至
図12を用いて、複数の管理対象機器70が既に設置されている拠点において、新たにネットワーク機器50を設置する場合の処理を説明する。
図7は、実施形態に係る遠隔管理システムにおける既設の管理対象機器を用いたネットワーク機器の位置情報の登録処理の一例を説明するための概略図である。なお、
図7は、既設の管理対象機器70を用いたネットワーク機器50の位置情報の登録処理の概略を簡略的に説明したものであり、詳細な処理は、後述するシーケンス図等を用いて説明する。
【0069】
図7は、管理対象機器70a~70cが既に設置された拠点に、新たにネットワーク機器50xを設置する際の例である。管理対象機器70a~70cの位置情報を含む機器情報は、既に機器管理装置10に登録されているものとする。
【0070】
まず、機器管理者等が、拠点内に新たにネットワーク機器50xを設置する(S1a)。そして、ネットワーク機器50xは、既設の管理対象機器70a~70cと無線接続する(S2a)。この際、ネットワーク機器50xは、周辺の管理対象機器70に無線信号を送信し、管理対象機器70a~70cのMACアドレスを取得する。次に、ネットワーク機器50xは、無線接続された管理対象機器70a~70cとの相対距離を計測する(S3a)。そして、ネットワーク機器50xは、計測された管理対象機器70a~70cとの相対距離を示す相対距離情報を、ネットワーク管理装置30へ通知する(S4a)。
【0071】
次に、ネットワーク管理装置30は、管理対象機器70a~70cのMACアドレスを用いて、機器管理装置10に記憶された管理対象機器70a~70cの設置位置を示す位置情報を、機器管理装置10から取得する(S5a)。そして、ネットワーク管理装置30は、ネットワーク機器50xから送信された相対距離情報と、機器管理装置10から取得した管理対象機器70a~70cの位置情報を用いて、新設のネットワーク機器50xの位置を算出し、ネットワーク機器50xの位置情報を登録する(S6a)。
【0072】
このように、遠隔管理システム1は、拠点内に新たにネットワーク機器50xを設置する場合に、既設の管理対象機器70との通信によって、ネットワーク管理装置30にネットワーク機器50xの位置を示す位置情報を自動的に登録させることができる。
【0073】
ここで、
図8および
図9を用いて、
図7で示した概略を詳細に説明する。
図8および
図9は、遠隔管理システムにおける既設の管理対象機器を用いたネットワーク機器の位置情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。
【0074】
まず、機器管理者等が、管理対象機器70a等が設置された拠点に、新たにネットワーク機器50xを設置する(ステップS11)。この場合、機器管理者等の入力により、ネットワーク機器50xの受付部55は、ネットワーク機器50xの機器ID等のネットワーク情報の入力を受け付ける。そして、ネットワーク機器50xのネットワーク通信部51は、ネットワーク管理装置30に対して、ネットワーク情報登録要求を送信する(ステップS12)。このネットワーク情報登録要求は、少なくともネットワーク機器50xの機器IDおよび宛先情報であるMACアドレスを含む。これにより、ネットワーク管理装置30のネットワーク通信部32は、ネットワーク機器50xから送信されたネットワーク情報登録要求を受信する。
【0075】
ネットワーク管理装置30のネットワーク情報管理部35は、受信された機器IDおよびMACアドレスを、ネットワーク情報管理DB3001(
図5参照)に登録する(ステップS13)。なお、ネットワーク機器50xの機器IDは、ネットワーク管理装置30によって付与される構成であってもよい。次に、ネットワーク通信部32は、ネットワーク機器50xに対して、要求されたネットワーク情報の登録が完了した旨を示す登録通知を送信する(ステップS14)。これにより、ネットワーク機器50xのネットワーク通信部51は、ネットワーク管理装置30から送信された登録通知を受信する。
【0076】
ネットワーク機器50xのAP部53は、アクセスポイントの発信を開始する(ステップS15)。具体的には、AP部53は、ローカルネットワーク7内に存在する各種機器に対して、SSID等を含むアクセスポイント情報を送信して、周辺の機器をスキャンする。
【0077】
管理対象機器70aの通信部71は、ステップS15でアクセスポイント情報を送信したネットワーク機器50xに対して、プローブ要求(探索要求)を送信する(ステップS16)。このプローブ要求は、管理対象機器70aの宛先情報であるMACアドレスを含む。これにより、ネットワーク機器50xの探索要求取得部54は、機器通信部52を介して、管理対象機器70aから送信されたプローブ要求を受信する。
【0078】
そして、ネットワーク機器50xの計測部58は、受信されたプローブ要求に基づいて、管理対象機器70aとの相対距離を計測する(ステップS17)。具体的には、計測部58は、ステップS16で受信されたプローブ要求の電波強度に基づいて、管理対象機器70aとの相対距離を計測する。機器通信部52は、受信されたプローブ要求に対する応答となるプローブ応答を、管理対象機器70aに対して送信する(ステップS18)。このプローブ応答は、ネットワーク機器50xの宛先情報であるMACアドレスを含む。これにより、管理対象機器70aの通信部71は、ネットワーク機器50xから送信されたプローブ応答を受信する。
【0079】
同様に、管理対象機器70bの通信部71は、ステップS15でアクセスポイント情報を送信したネットワーク機器50xに対して、プローブ要求を送信する(ステップS19)。このプローブ要求は、管理対象機器70bの宛先情報であるMACアドレスを含む。これにより、ネットワーク機器50xの探索要求取得部54は、機器通信部52を介して、管理対象機器70bから送信されたプローブ要求を受信する。そして、ネットワーク機器50xの計測部58は、受信されたプローブ要求に基づいて、管理対象機器70bとの相対距離を計測する(ステップS20)。具体的には、計測部58は、ステップS19で受信されたプローブ要求の電波強度に基づいて、管理対象機器70bとの相対距離を計測する。機器通信部52は、受信されたプローブ要求に対する応答となるプローブ応答を、管理対象機器70aに対して送信する(ステップS21)。このプローブ応答は、ネットワーク機器50xの宛先情報であるMACアドレスを含む。これにより、管理対象機器70bの通信部71は、ネットワーク機器50xから送信されたプローブ応答を受信する。
【0080】
さらに、管理対象機器70cの通信部71は、ステップS15でアクセスポイント情報を送信したネットワーク機器50xに対して、プローブ要求を送信する(ステップS22)。このプローブ要求は、管理対象機器70cの宛先情報であるMACアドレスを含む。これにより、ネットワーク機器50xの探索要求取得部54は、機器通信部52を介して、管理対象機器70cから送信されたプローブ要求を受信する。そして、ネットワーク機器50xの計測部58は、受信されたプローブ要求に基づいて、管理対象機器70cとの相対距離を計測する(ステップS23)。具体的には、計測部58は、ステップS22で受信されたプローブ要求の電波強度に基づいて、管理対象機器70cとの相対距離を計測する。機器通信部52は、受信されたプローブ要求に対する応答となるプローブ応答を、管理対象機器70cに対して送信する(ステップS24)。このプローブ応答は、ネットワーク機器50xの宛先情報であるMACアドレスを含む。これにより、管理対象機器70cの通信部71は、ネットワーク機器50xから送信されたプローブ応答を受信する。
【0081】
次に、
図9において、ネットワーク機器50xのネットワーク通信部51は、ネットワーク管理装置30に対して、管理対象機器70a~70cとの相対距離の計測結果を示す位置計測結果通知を送信する(ステップS25)。この位置計測結果通知は、管理対象機器70a~70cのMACアドレス、並びにステップS17、S20およびS23で計測された管理対象機器70a~70cの相対距離を示す相対距離情報を含む。そして、ネットワーク管理装置30のネットワーク通信部32は、受信された位置計測結果通知の応答としての受付通知を、ネットワーク機器50xへ送信する(ステップS26)。なお、ネットワーク機器50xから位置計測結果通知を送信するタイミングは、計測部58によって三台分の相対距離が計測されたタイミングであってもよいし、ステップS15でアクセスポイントの発信を開始してから所定時間が経過したタイミングであってもよい。
【0082】
ネットワーク管理装置30の管理装置通信部31は、機器管理装置10に対して、管理対象機器70a~70cの位置を示す位置情報を要求する旨を示す位置情報取得要求を送信する(ステップS27)。この位置情報取得要求は、ステップS25で受信された管理対象機器70a~70cのMACアドレスを含む。これにより、機器管理装置10の管理装置通信部11は、ネットワーク管理装置30から送信された位置情報取得要求を受信する。
【0083】
機器管理装置10の機器情報管理部14は、受信された管理対象機器70a~70cのMACアドレスを検索キーとして、機器情報管理DB1001(
図4(A)参照)を検索することにより、受信された管理対象機器70a~70cのMACアドレスと同じMACアドレスに関連づけられた位置情報を、記憶・読出部19を介してそれぞれ読み出す(ステップS28)。そして、管理装置通信部11は、ネットワーク管理装置30に対して、読み出された管理対象機器70a~70cの位置情報を送信する(ステップS29)。これにより、ネットワーク管理装置30の管理装置通信部31は、機器管理装置10から送信された管理対象機器70a~70cの位置情報を受信する。
【0084】
ネットワーク管理装置30の算出部34は、ステップS25で受信された管理対象機器70a~70cの相対距離情報、およびステップS29で受信された管理対象機器70a~70cの位置情報に基づいて、ネットワーク機器50xの位置を算出する(ステップS30)。具体的には、算出部34は、ステップS25で受信された三つの相対距離情報に基づく三点測位によってネットワーク機器50xの相対位置を算出する。そして、算出部34は、ステップS26で受信された三つの位置情報と算出した相対位置とに基づいて、ネットワーク機器50xの絶対位置を算出する。
【0085】
そして、ネットワーク管理装置30のネットワーク情報管理部35は、ステップS30で算出されたネットワーク機器50xの位置を示す位置情報を、ネットワーク情報管理DB3001に登録する(ステップS31)。具体的には、ネットワーク情報管理部35は、ステップS13で登録されたネットワーク機器50xの機器IDおよびMACアドレスに関連づけて、ネットワーク機器50xの位置情報を登録する。
【0086】
このように、遠隔管理システム1は、位置情報が登録済みである三台の管理対象機器70a~70cを基準として新たに設置するネットワーク機器50xとの相対距離をそれぞれ計測し、機器管理装置10とネットワーク管理装置30との間のシステム連携によって新設のネットワーク機器50xの位置情報を算出する。これにより、遠隔管理システム1は、ネットワーク機器50を設置するたびに機器管理者による入力等の作業を行う必要がなく、ネットワーク機器50の位置情報の登録に掛かる手間を低減させることができる。
【0087】
なお、
図7乃至
図9において、三台の既設の管理対象機器70a~70cを用いて、ネットワーク機器50xの位置を算出する例を説明したが、ネットワーク機器50xの位置の算出に用いる管理対象機器70の数は、四台以上であってもよい。この場合、ステップS30において、算出部34は、ステップS25で受信された相対距離情報またはステップS29で受信された位置情報が四つ以上である場合、いずれか三つの相対距離情報または位置情報を用いてネットワーク機器50xの位置を算出してもよいし、四つ以上の相対距離情報または位置情報を用いてネットワーク機器50xの位置を算出してもよい。
【0088】
ここで、機器管理者が新たにネットワーク機器50xを設置する際に、管理者端末90に表示される管理画面について説明する。
図10乃至
図12は実施形態に係る管理者端末に表示される管理画面の一例を示す図である。管理者端末90の表示制御部93は、通信部91によってネットワーク管理装置30から受信されたネットワーク機器50xの登録状況を示す情報を、ディスプレイ106に表示させる。
図10乃至
図12に示されいる管理画面800は、ネットワーク機器50xの登録状況に応じて管理者端末90のディスプレイ106に表示される画面遷移の例である。
【0089】
図10乃至
図12に示されている管理画面800には、ネットワーク管理装置30に登録されているネットワーク機器50の一覧、新たに設置するネットワーク機器50x(この場合、NWDevice04)の設置状況、およびネットワーク機器のデータ通信量の情報が示されている。
【0090】
図10に示されている管理画面800は、ネットワーク機器50xから送信された位置計測結果通知がネットワーク管理装置30に受信された段階(ステップS25)において表示される画面例である。この場合、
図10に示されている管理画面800のネットワーク機器一覧には、登録済みのネットワーク機器50の情報に加えて、新たに設置されるネットワーク機器50xの機器ID(NWDevice04)およびMACアドレス(00:00:5E:00:53:04)が示されている。また、
図10に示されている管理画面800の設置状況には、ネットワーク機器50xが「未設置」である旨が示されている。
【0091】
また、
図11に示されている管理画面800は、ネットワーク管理装置30が機器管理装置10と連携してネットワーク機器50xの位置情報を算出している段階(ステップS27~ステップS30)において表示される画面例である。この場合、
図11に示されている管理画面800の設置状況には、「管理システム3が連携中」である旨が示されている。
【0092】
さらに、
図12に示されている管理画面800は、ネットワーク管理装置30によってネットワーク機器50xの位置情報の登録が完了した段階(ステップS31)において表示される画面例である。この場合、
図12に示されている管理画面800のネットワーク機器一覧には、ネットワーク機器50x(ID;NWDevice04)の最終接続時間および位置情報が追加されている。また、
図12に示されている管理画面800の設置状況には、ネットワーク機器50xが「設置済」であり、「ネットワーク機器50xの位置情報が自動登録済」である旨が示されている。
【0093】
このように、機器管理者は、管理者端末90に表示された管理画面800を用いて、ネットワーク機器50xの設置状況を確認することができる。
【0094】
○既設のネットワーク機器を用いたネットワーク機器の位置登録処理
続いて、
図13乃至
図15を用いて、複数のネットワーク機器50が既に設置されている拠点において、新たに別のネットワーク機器50を設置する場合の処理を説明する。
図13は、実施形態に係る遠隔管理システムにおける既設のネットワーク機器を用いたネットワーク機器の位置情報の登録処理の一例を説明するための概略図である。なお、
図13は、既設のネットワーク機器50を用いたネットワーク機器50の位置情報の登録処理の概略を簡略的に説明したものであり、詳細な処理は、後述するシーケンス図等を用いて説明する。
【0095】
図13は、ネットワーク機器50a~50cが既に設置された拠点に、新たにネットワーク機器50xを設置する際の例である。ネットワーク機器50a~50cの位置情報を含むネットワーク情報は、既にネットワーク管理装置30に登録されているものとする。
【0096】
まず、機器管理者等が、拠点内に新たにネットワーク機器50xを設置する(S1b)。そして、ネットワーク機器50xは、既設のネットワーク機器50a~50cと無線接続する(S2b)。この際、ネットワーク機器50xは、周辺のネットワーク機器50に無線信号を送信し、ネットワーク機器50a~50cのMACアドレスを取得する。次に、ネットワーク機器50xは、無線接続されたネットワーク機器50a~50cとの相対距離を計測する(S3b)。そして、ネットワーク機器50xは、計測されたネットワーク機器50a~50cとの相対距離を示す相対距離情報を、ネットワーク管理装置30へ通知する(S4b)。
【0097】
ネットワーク管理装置30は、ネットワーク機器50a~50cの設置位置を示す位置情報と、ネットワーク機器50xから送信された相対距離情報を用いて、新設のネットワーク機器50xの位置を算出し、ネットワーク機器50xの位置情報を登録する(S5b)。
【0098】
このように、遠隔管理システム1は、拠点内に新たにネットワーク機器50xを設置する場合に、既設のネットワーク機器50との通信によって、ネットワーク管理装置30にネットワーク機器50xの位置を示す位置情報を自動的に登録させることができる。
【0099】
ここで、
図14および
図15を用いて、
図13で示した概略を詳細に説明する。
図14および
図15は、実施形態に係る遠隔管理システムにおける既設のネットワーク機器を用いたネットワーク機器の位置情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。なお、ステップS41~ステップS45の処理は、
図8に示されているステップS11~ステップS15の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0100】
ステップS46において、ネットワーク機器50aの機器通信部52は、ステップS45でアクセスポイント情報を送信したネットワーク機器50xに対して、プローブ要求(探索要求)を送信する。このプローブ要求は、ネットワーク機器50aの宛先情報であるMACアドレスを含む。これにより、ネットワーク機器50xの探索要求取得部54は、機器通信部52を介して、ネットワーク機器50aから送信されたプローブ要求を受信する。
【0101】
そして、ネットワーク機器50xの計測部58は、受信されたプローブ要求に基づいて、ネットワーク機器50aとの相対距離を計測する(ステップS47)。具体的には、計測部58は、ステップS46で受信されたプローブ要求の電波強度に基づいて、ネットワーク機器50aとの相対距離を計測する。機器通信部52は、受信されたプローブ要求に対する応答となるプローブ応答を、ネットワーク機器50aに対して送信する(ステップS48)。このプローブ応答は、ネットワーク機器50xの宛先情報であるMACアドレスを含む。これにより、ネットワーク機器50aの機器通信部52は、ネットワーク機器50xから送信されたプローブ応答を受信する。
【0102】
同様に、ネットワーク機器50bの機器通信部52は、ステップS45でアクセスポイント情報を送信したネットワーク機器50xに対して、プローブ要求を送信する(ステップS49)。このプローブ要求は、ネットワーク機器50bの宛先情報であるMACアドレスを含む。これにより、ネットワーク機器50xの探索要求取得部54は、機器通信部52を介して、ネットワーク機器50bから送信されたプローブ要求を受信する。そして、ネットワーク機器50xの計測部58は、受信されたプローブ要求に基づいて、ネットワーク機器50bとの相対距離を計測する(ステップS50)。具体的には、計測部58は、ステップS49で受信されたプローブ要求の電波強度に基づいて、ネットワーク機器50bとの相対距離を計測する。機器通信部52は、受信されたプローブ要求に対する応答となるプローブ応答を、ネットワーク機器50bに対して送信する(ステップS51)。このプローブ応答は、ネットワーク機器50xの宛先情報であるMACアドレスを含む。これにより、ネットワーク機器50bの機器通信部52は、ネットワーク機器50xから送信されたプローブ応答を受信する。
【0103】
さらに、ネットワーク機器50cの機器通信部52は、ステップS45でアクセスポイント情報を送信したネットワーク機器50xに対して、プローブ要求を送信する(ステップS52)。このプローブ要求は、ネットワーク機器50cの宛先情報であるMACアドレスを含む。これにより、ネットワーク機器50xの探索要求取得部54は、機器通信部52を介して、ネットワーク機器50cから送信されたプローブ要求を受信する。そして、ネットワーク機器50xの計測部58は、受信されたプローブ要求に基づいて、ネットワーク機器50cとの相対距離を計測する(ステップS53)。具体的には、計測部58は、ステップS52で受信されたプローブ要求の電波強度に基づいて、ネットワーク機器50cとの相対距離を計測する。機器通信部52は、受信されたプローブ要求に対する応答となるプローブ応答を、ネットワーク機器50cに対して送信する(ステップS54)。このプローブ応答は、ネットワーク機器50xの宛先情報であるMACアドレスを含む。これにより、ネットワーク機器50cの機器通信部52は、ネットワーク機器50xから送信されたプローブ応答を受信する。
【0104】
次に、
図15において、ネットワーク機器50xのネットワーク通信部51は、ネットワーク管理装置30に対して、ネットワーク機器50a~50cとの相対距離の計測結果を示す位置計測結果通知を送信する(ステップS55)。この位置計測結果通知は、ネットワーク機器50a~50cのMACアドレス、並びにステップS47、S50およびS53で計測されたネットワーク機器50a~50cの相対距離を示す相対距離情報を含む。そして、ネットワーク管理装置30のネットワーク通信部32は、受信された位置計測結果通知の応答としての受付通知を、ネットワーク機器50xに対して送信する(ステップS56)。なお、ネットワーク機器50xから位置計測結果通知を送信するタイミングは、計測部58によって三台分の相対距離が計測されたタイミングであってもよいし、ステップS45でアクセスポイントの発信を開始してから所定時間が経過したタイミングであってもよい。
【0105】
ネットワーク管理装置30のネットワーク情報管理部35は、受信されたネットワーク機器50a~50cのMACアドレスを検索キーとして、ネットワーク情報管理DB3001(
図5参照)を検索することにより、受信されたネットワーク機器50a~50cのMACアドレスと同じのMACアドレスに関連づけられた位置情報を、記憶・読出部39を介してそれぞれ読み出す(ステップS57)。
【0106】
次に、算出部34は、ステップS55で受信されたネットワーク機器50a~50cの相対距離情報、およびステップS57で読み出されたネットワーク機器50a~50cの位置情報に基づいて、ネットワーク機器50xの位置を算出する(ステップS58)。具体的には、算出部34は、ステップS55で受信された三つの相対距離情報に基づく三点測位によってネットワーク機器50xの相対位置を算出する。そして、算出部34は、ステップS57で受信された三つの位置情報と算出した相対位置とに基づいて、ネットワーク機器50xの絶対位置を算出する。
【0107】
そして、ネットワーク管理装置30のネットワーク情報管理部35は、ステップS58で算出されたネットワーク機器50xの位置を示す位置情報を、ネットワーク情報管理DB3001に登録する(ステップS59)。具体的には、ネットワーク情報管理部35は、ステップS43で登録されたネットワーク機器50xの機器IDおよびMACアドレスに関連づけて、ネットワーク機器50xの位置情報を登録する。
【0108】
このように、遠隔管理システム1は、位置情報が登録済みである三台のネットワーク機器50a~50cを基準として新たに設置するネットワーク機器50xとの相対距離をそれぞれ計測し、機器管理装置10とネットワーク管理装置30との間のシステム連携によって新設のネットワーク機器50xの位置情報を算出する。これにより、遠隔管理システム1は、ネットワーク機器50の設置するたびに機器管理者等による入力等の作業を行う必要がなく、ネットワーク機器50の位置情報の登録に掛かる手間を低減させることができる。
【0109】
なお、
図13乃至
図15において、三台の既設のネットワーク機器50a~50cを用いて、ネットワーク機器50xの位置を算出する例を説明したが、ネットワーク機器50xの位置の算出に用いるネットワーク機器50の数は、四台以上であってもよい。この場合、ステップS58において、算出部34は、ステップS55で受信された相対距離情報またはステップS57で読み出された位置情報が四つ以上である場合、いずれか三つの相対距離情報または位置情報を用いてネットワーク機器50xの位置を算出してもよいし、四つ以上の相対距離情報または位置情報を用いてネットワーク機器50xの位置を算出してもよい。また、機器管理者等は、
図10乃至
図12で示されている場合と同様に、管理者端末90に表示される管理画面800用いて、ネットワーク機器50xの設置状況を確認することができる。
【0110】
○既設のネットワーク機器を用いた管理対象機器の位置登録処理
続いて、
図16乃至
図19を用いて、複数のネットワーク機器50が既に設置されている拠点において、新たに管理対象機器70を設置する場合の処理を説明する。
図16は、実施形態に係る遠隔管理システムにおける既設のネットワーク機器を用いた管理対象機器の位置情報の登録処理の一例を説明するための概略図である。なお、
図16は、既設のネットワーク機器50を用いた管理対象機器70の位置情報の登録処理の概略を簡略的に説明したものであり、詳細な処理は、後述するシーケンス図等を用いて説明する。
【0111】
図16は、ネットワーク機器50a~50cが既に設置された拠点に、新たに管理対象機器70xを設置する際の例である。ネットワーク機器50a~50cの位置情報を含むネットワーク情報は、既にネットワーク管理装置30に登録されているものとする。
【0112】
まず、機器管理者等が、拠点内に新たに管理対象機器70xを設置する(S1c)。そして、管理対象機器70xは、既設のネットワーク機器50a~50cと無線接続する(S2c)。この際、既設のネットワーク機器50a~50cは、管理対象機器70xに無線信号を送信し、管理対象機器70xのMACアドレスをそれぞれ取得する。次に、ネットワーク機器50a~50cは、無線接続された管理対象機器70xとの相対距離をそれぞれ計測する(S3c)。そして、ネットワーク機器50a~50bは、計測された管理対象機器70xとの相対距離を示す相対距離情報を、ネットワーク管理装置30へそれぞれ通知する(S4c)。
【0113】
次に、ネットワーク管理装置30は、ネットワーク機器50a~50cの設置位置を示す位置情報と、ネットワーク機器50a~50cから送信された各相対距離情報を用いて、新設の管理対象機器70xの位置を算出する(S5c)。ネットワーク管理装置30は、算出した管理対象機器70xの位置を示す位置情報を、機器管理装置10へ送信する(S6c)。そして、機器管理装置10は、管理対象機器70xの位置情報を登録する(S7c)。
【0114】
このように、遠隔管理システム1は、拠点内に新たに管理対象機器70xを設置する場合に、既設のネットワーク機器50との通信によって、機器管理装置10に管理対象機器70xの位置を示す位置情報を自動的に登録させることができる。
【0115】
ここで、
図17乃至
図19を用いて、
図13で示した概略を詳細に説明する。
図17乃至
図19は、実施形態に係る遠隔管理システムにおける既設のネットワーク機器を用いた管理対象機器の位置情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。
【0116】
まず、機器管理者等が、ネットワーク機器50a等が設置された拠点に、新たに管理対象機器70xを設置する(ステップS71)。この場合、機器管理者等の入力により、管理対象機器70xの受付部72は、管理対象機器70xの機器ID等の機器情報の入力を受け付ける。そして、管理対象機器70xの通信部71は、ネットワーク機器50aに対しに対して、機器登録開始要求を送信する(ステップS72)。この機器登録開始要求は、少なくとも管理対象機器70xの宛先情報であるMACアドレスを含む。これにより、ネットワーク機器50aの機器通信部52は、管理対象機器70xから送信された機器登録開始要求を受信する。そして、ネットワーク機器50aのネットワーク通信部51は、管理対象機器70xから送信された機器登録開始要求を、ネットワーク管理装置30に対して送信(転送)する(ステップS73)。これにより、ネットワーク管理装置30のネットワーク通信部32は、ネットワーク機器50aから送信された機器登録開始要求を受信する。
【0117】
ネットワーク管理装置30の記憶・読出部39は、受信された管理対象機器70xのMACアドレスを、記憶部3000に記憶させる(ステップS74)。これにより、ネットワーク管理装置30は、機器登録処理を開始する管理対象機器70xの情報を保持する。そして、ネットワーク通信部32は、ネットワーク機器50aに対して、受信された機器登録開始要求が受け付けられた旨を示す受付通知を送信する(ステップS75)。これにより、ネットワーク機器50aのネットワーク通信部51は、ネットワーク管理装置30から送信された受付通知を受信する。ネットワーク機器50aの機器通信部52は、ネットワーク管理装置30から送信された受付通知を、管理対象機器70xに対して送信(転送)する(ステップS76)。これにより、管理対象機器70xの通信部71は、ネットワーク機器50aから送信された受付通知を受信する。
【0118】
次に、
図18において、管理対象機器70xの通信部71は、SSID等のアクセスポイント情報を発信しているネットワーク機器50aに対して、プローブ要求(探索要求)を送信する(ステップS77)。このプローブ要求は、管理対象機器70xの宛先情報であるMACアドレスを含む。これにより、ネットワーク機器50aの探索要求取得部54は、機器通信部52を介して、管理対象機器70xから送信されたプローブ要求を受信する。
【0119】
そして、ネットワーク機器50aの計測部58は、受信されたプローブ要求に基づいて、管理対象機器70xとの相対距離を計測する(ステップS78)。具体的には、計測部58は、ステップS77で受信されたプローブ要求の電波強度に基づいて、管理対象機器70xとの相対距離を計測する。
【0120】
次に、ネットワーク通信部51は、ネットワーク管理装置30に対して、ネットワーク機器50xとの相対距離の計測結果を示す位置計測結果通知を送信する(ステップS79)。この位置計測結果通知は、ネットワーク機器50aのMACアドレス、ステップS77で受信された管理対象機器70xのMACアドレスおよびステップS78で計測された管理対象機器70xとの相対距離を示す相対距離情報を含む。そして、ネットワーク管理装置30のネットワーク通信部32は、受信された位置計測結果通知の応答としての受付通知を、ネットワーク機器50aに対して送信する(ステップS80)。これにより、ネットワーク機器50aのネットワーク通信部51は、ネットワーク管理装置30から送信された受付通知を受信する。
【0121】
また、ネットワーク管理装置30の記憶・読出部39は、ステップS74で記憶された管理対象機器70xのMACアドレスに関連づけて、ステップS79で受信された相対距離情報およびネットワーク機器50aのMACアドレスを、記憶部3000に記憶させる(ステップS81)。さらに、ネットワーク機器50aは、ステップS80で受付通知が受信された場合、受信されたプローブ要求に対する応答となるプローブ応答を、管理対象機器70xに対して送信する(ステップS82)。このプローブ応答は、ネットワーク機器50aの宛先情報であるMACアドレスを含む。これにより、管理対象機器70xの通信部71は、ネットワーク機器50aから送信されたプローブ応答を受信する。
【0122】
同様に、管理対象機器70xの通信部71は、SSID等のアクセスポイント情報を発信しているネットワーク機器50bに対して、プローブ要求を送信する(ステップS83)。このプローブ要求は、管理対象機器70xの宛先情報であるMACアドレスを含む。これにより、ネットワーク機器50bの探索要求取得部54は、機器通信部52を介して、管理対象機器70xから送信されたプローブ要求を受信する。そして、ネットワーク機器50bの計測部58は、受信されたプローブ要求に基づいて、管理対象機器70xとの相対距離を計測する(ステップS84)。具体的には、計測部58は、ステップS83で受信されたプローブ要求の電波強度に基づいて、管理対象機器70xとの相対距離を計測する。
【0123】
次に、ネットワーク通信部51は、ネットワーク管理装置30に対して、ネットワーク機器50xとの相対距離の計測結果を示す位置計測結果通知を送信する(ステップS85)。この位置計測結果通知は、ネットワーク機器50bのMACアドレス、ステップS83で受信された管理対象機器70xのMACアドレスおよびステップS84で計測された管理対象機器70xとの相対距離を示す相対距離情報を含む。そして、ネットワーク管理装置30のネットワーク通信部32は、受信された位置計測結果通知の応答としての受付通知を、ネットワーク機器50bに対して送信する(ステップS86)。これにより、ネットワーク機器50bのネットワーク通信部51は、ネットワーク管理装置30から送信された受付通知を受信する。
【0124】
また、ネットワーク管理装置30の記憶・読出部39は、ステップS74で記憶された管理対象機器70xのMACアドレスに関連づけて、ステップS85で受信された相対距離情報およびネットワーク機器50bのMACアドレスを、記憶部3000に記憶させる(ステップS87)。さらに、ネットワーク機器50bは、ステップS86で受付通知が受信された場合、受信されたプローブ要求に対する応答となるプローブ応答を、管理対象機器70xに対して送信する(ステップS88)。このプローブ応答は、ネットワーク機器50bの宛先情報であるMACアドレスを含む。これにより、管理対象機器70xの通信部71は、ネットワーク機器50bから送信されたプローブ応答を受信する。
【0125】
さらに、管理対象機器70xの通信部71は、SSID等のアクセスポイント情報を発信しているネットワーク機器50cに対して、プローブ要求を送信する(ステップS89)。このプローブ要求は、管理対象機器70xの宛先情報であるMACアドレスを含む。これにより、ネットワーク機器50cの探索要求取得部54は、機器通信部52を介して、管理対象機器70xから送信されたプローブ要求を受信する。そして、ネットワーク機器50cの計測部58は、受信されたプローブ要求に基づいて、管理対象機器70xとの相対距離を計測する(ステップS90)。具体的には、計測部58は、ステップS89で受信されたプローブ要求の電波強度に基づいて、管理対象機器70xとの相対距離を計測する。
【0126】
次に、ネットワーク通信部51は、ネットワーク管理装置30に対して、ネットワーク機器50xとの相対距離の計測結果を示す位置計測結果通知を送信する(ステップS91)。この位置計測結果通知は、ネットワーク機器50cのMACアドレス、ステップS89で受信された管理対象機器70xのMACアドレスおよびステップS90で計測された管理対象機器70xとの相対距離を示す相対距離情報を含む。そして、ネットワーク管理装置30のネットワーク通信部32は、受信された位置計測結果通知の応答としての受付通知を、ネットワーク機器50cに対して送信する(ステップS92)。これにより、ネットワーク機器50cのネットワーク通信部51は、ネットワーク管理装置30から送信された受付通知を受信する。
【0127】
また、ネットワーク管理装置30の記憶・読出部39は、ステップS74で記憶された管理対象機器70xのMACアドレスに関連づけて、ステップS91で受信された相対距離情報およびネットワーク機器50cのMACアドレスを、記憶部3000に記憶させる(ステップS93)。さらに、ネットワーク機器50cは、ステップS92で受付通知が受信された場合、受信されたプローブ要求に対する応答となるプローブ応答を、管理対象機器70xに対して送信する(ステップS94)。このプローブ応答は、ネットワーク機器50cの宛先情報であるMACアドレスを含む。これにより、管理対象機器70xの通信部71は、ネットワーク機器50cから送信されたプローブ応答を受信する。
【0128】
次に、
図19において、管理対象機器70xの通信部71は、ネットワーク機器50aに対して、機器登録要求を送信する(ステップS95)。この機器登録要求は、管理対象機器70xの機器IDおよび管理対象機器70xの宛先情報であるMACアドレスを含む。これにより、ネットワーク機器50aの機器通信部52は、管理対象機器70xから送信された機器登録要求を受信する。そして、ネットワーク機器50aのネットワーク通信部51は、管理対象機器70xから送信された機器登録要求を、機器管理装置10に対して送信(転送)する(ステップS96)。これにより、機器管理装置10のネットワーク通信部12は、ネットワーク機器50aから送信された機器登録要求を受信する。
【0129】
なお、
図17および
図19では、管理対象機器70aがネットワーク機器50aを介してネットワーク管理装置30と通信する例を説明したが、管理対象機器70xとネットワーク管理装置30との間の通信は、拠点内に存在する他のネットワーク機器50(例えば、ネットワーク機器50bまたはネットワーク機器50c)を介して行われてもよい。
【0130】
機器管理装置10の機器情報管理部14は、受信された機器IDおよびMACアドレスを、機器情報管理DB1001(
図4(A)参照)に登録する(ステップS97)。なお、管理対象機器70xの機器IDは、機器管理装置10によって付与される構成であってもよい。そして、管理装置通信部11は、ネットワーク管理装置30に対して、登録対象である管理対象機器70xの位置情報を要求する旨を示す位置情報取得要求を送信する(ステップS98)。この位置情報取得要求は、ステップS96で受信された管理対象機器70xのMACアドレスを含む。これにより、ネットワーク管理装置30の管理装置通信部31は、機器管理装置10から送信された位置情報取得要求を受信する。
【0131】
ネットワーク管理装置30の記憶・読出部39は、受信された管理対象機器70xのMACアドレスを検索キーとして、記憶部3000を検索することにより、受信された管理対象機器70xのMACアドレスと同じMACアドレスに関連づけられたネットワーク機器50のMACアドレスおよび相対距離情報を読み出す(ステップS99)。この場合、記憶・読出部39は、ステップS81、S87およびS93でそれぞれ記憶部3000に記憶されたネットワーク機器50a~50cのMACアドレスおよび相対距離情報を読み出す。
【0132】
次に、ネットワーク情報管理部35は、ステップS99で読み出されたネットワーク機器50a~50cのMACアドレスを検索キーとして、ネットワーク情報管理DB3001(
図5参照)を検索することにより、読み出されたネットワーク機器50a~50cのMACアドレスと同じのMACアドレスに関連づけられた位置情報を、記憶・読出部39を介してそれぞれ読み出す(ステップS100)。
【0133】
そして、算出部34は、ステップS99で読み出されたネットワーク機器50a~50cの相対距離情報、およびステップS100で読み出されたネットワーク機器50a~50cの位置情報に基づいて、管理対象機器70xの位置を算出する(ステップS101)。具体的には、算出部34は、ステップS99で読み出された三つの相対距離情報に基づく三点測位によって管理対象機器70xの相対位置を算出する。そして、算出部34は、ステップS100で読み出された三つの位置情報と算出した相対位置とに基づいて、管理対象機器70xの絶対位置を算出する。
【0134】
次に、管理装置通信部31は、機器管理装置10に対して、ステップS101で算出された管理対象機器70xの位置情報を送信する(ステップS102)。これにより、機器管理装置10の管理装置通信部11は、ネットワーク管理装置30から送信された管理対象機器70xの位置情報を受信する。そして、機器管理装置10の機器情報管理部14は、ステップS102で受信された管理対象機器70xの位置を示す位置情報を、機器情報管理DB1001に登録する(ステップS103)。具体的には、機器情報管理部14は、ステップS97で登録された管理対象機器70xの機器IDおよびMACアドレスに関連づけて、管理対象機器70xの位置情報を登録する。なお、ステップS74、S81、S87およびS93でそれぞれ記憶部3000に記憶された各種情報は、ステップS102で管理対象機器70xの位置情報が送信された場合に、機器登録処理が完了したものとして削除される構成であってもよい。
【0135】
このように、遠隔管理システム1は、位置情報が登録済みである三台のネットワーク機器50a~50cを基準として新たに設置する管理対象機器70xとの相対距離をそれぞれ計測し、機器管理装置10とネットワーク管理装置30との間のシステム連携によって新設の管理対象機器70xの位置情報を算出する。これにより、遠隔管理システム1は、管理対象機器70の設置するたびに機器管理者等による入力等の作業を行う必要がなく、管理対象機器70の位置情報の登録に掛かる手間を低減させることができる。
【0136】
なお、
図16乃至
図19において、三台の既設のネットワーク機器50a~50cを用いて、管理対象機器70xの位置を算出する例を説明したが、管理対象機器70xの位置の算出に用いるネットワーク機器50の数は、四台以上であってもよい。この場合、ステップS101において、算出部34は、ステップS99で読み出された相対距離情報またはステップS100で読み出された位置情報が四つ以上である場合、いずれか三つの相対距離情報または位置情報を用いて管理対象機器70xの位置を算出してもよいし、四つ以上の相対距離情報または位置情報を用いて管理対象機器70xの位置を算出してもよい。また、機器管理者等は、
図10乃至
図12で示されている場合と同様に、管理者端末90に表示される管理画面800用いて、管理対象機器70xの設置状況を確認することができる。
【0137】
○既設の機器が二台以下である場合の位置登録処理
続いて、
図20乃至
図22を用いて、既に拠点に設置されている機器が二台以下である場合の処理を説明する。
図20は、実施形態に係る遠隔管理システムにおける既設の管理対象機器が二台以下である場合のネットワーク機器の位置情報の登録処理の一例を説明するための概略図である。なお、
図20は、既設の管理対象機器70が二台以下である場合のネットワーク機器50の位置情報の登録処理の概略を簡略的に説明したものであり、詳細な処理は、後述するシーケンス図等を用いて説明する。
【0138】
図20は、管理対象機器70a,70bが既に設置された拠点に、新たにネットワーク機器50xを設置する際の例である。管理対象機器70a,70bの位置情報を含む機器情報は、既に機器管理装置10に登録されているものとする。また、機器管理装置10には、管理対象機器70a,70bが設置された拠点の位置を示す情報が記憶されているものとする。
【0139】
まず、機器管理者等が、拠点内に新たにネットワーク機器50xを設置する(S1d)。そして、ネットワーク機器50xは、既設の管理対象機器70a,70bと無線接続する(S2d)。この際、ネットワーク機器50xは、周辺の管理対象機器70に無線信号を送信し、管理対象機器70a,70bのMACアドレスを取得する。次に、ネットワーク機器50xは、無線接続された管理対象機器70a,70bとの相対距離を計測する(S3d)。そして、ネットワーク機器50xは、計測された管理対象機器70a,70bとの相対距離を示す相対距離情報を、ネットワーク管理装置30へ通知する(S4d)。
【0140】
次に、ネットワーク管理装置30は、管理対象機器70a,70bのMACアドレスを用いて、機器管理装置10に記憶された管理対象機器70a,70bの設置位置を示す位置情報を、機器管理装置10から取得する(S5d)。また、ネットワーク管理装置30は、機器管理装置10に記憶された管理対象機器70a,70bが設置された拠点の位置を示す拠点位置情報を、機器管理装置10から取得する(S6d)。そして、ネットワーク管理装置30は、ネットワーク機器50xから送信された相対距離情報と、機器管理装置10から取得した管理対象機器70a,70bの位置情報および拠点位置情報を用いて、新設のネットワーク機器50xの位置を算出し、ネットワーク機器50xの位置情報を登録する(S7d)。
【0141】
このように、遠隔管理システム1は、拠点内に新たにネットワーク機器50xを設置する場合に、既設の管理対象機器70が設置された拠点の位置を示す拠点位置情報を用いることで、既設の管理対象機器70が二台である場合であっても、ネットワーク管理装置30にネットワーク機器50xの位置を示す位置情報を自動的に登録させることができる。
【0142】
ここで、
図21および
図22を用いて、
図20で示した概略を詳細に説明する。
図21および
図22は、実施形態に係る遠隔管理システムにおける既設の管理対象機器が二台以下である場合のネットワーク機器の位置情報の登録処理の一例を示すフローチャートである。なお、ステップS111~ステップS121の処理は、
図8に示されているステップS11~ステップS21の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0143】
図22において、ネットワーク機器50xのネットワーク通信部51は、ネットワーク管理装置30に対して、管理対象機器70a,70bとの相対距離の計測結果を示す位置計測結果通知を送信する(ステップS122)。この位置計測結果通知は、管理対象機器70a,70bのMACアドレス、並びにステップS117およびS120で計測された管理対象機器70a,70bの相対距離を示す相対距離情報を含む。そして、ネットワーク管理装置30のネットワーク通信部32は、受信された位置計測結果通知の応答としての受付通知を、ネットワーク機器50xへ送信する(ステップS123)。なお、ネットワーク機器50xから位置計測結果通知を送信するタイミングは、ステップS45でアクセスポイントの発信を開始してから所定時間が経過したタイミングであってもよいし、予め拠点に設置された管理対象機器70の台数がネットワーク機器50xで把握されている場合には、計測部58によって二台分の相対距離が計測されたタイミングであってもよい。
【0144】
ネットワーク管理装置30の管理装置通信部31は、機器管理装置10に対して、管理対象機器70a,70bの位置を示す位置情報、および管理対象機器70a,70bが設置された拠点の位置を示す拠点位置情報の取得要求を送信する(ステップS124)。この取得要求は、ステップS122で受信された管理対象機器70a,70bのMACアドレスを含む。これにより、機器管理装置10の管理装置通信部11は、ネットワーク管理装置30から送信された取得要求を受信する。ここで、ネットワーク管理装置30は、ステップS122で受信された位置計測結果通知に含まれている相対距離情報が二つ以下である場合に、ステップS124において、位置情報とともに、拠点位置情報の取得を要求する。
【0145】
機器管理装置10の機器情報管理部14は、受信された管理対象機器70a,70bのMACアドレスを検索キーとして、機器情報管理DB1001(
図4(A)参照)を検索することにより、受信された管理対象機器70a,70bのMACアドレスと同じMACアドレスに関連づけられた位置情報および拠点IDを、記憶・読出部19を介してそれぞれ読み出す(ステップS125)。また、記憶・読出部19は、ステップS125で読み出された拠点IDを検索キーとして、拠点情報管理DB1002(
図4(B)参照)を検索することにより、読み出された拠点IDと同じMACアドレスに関連づけられた拠点位置情報を読み出す(ステップS126)。
【0146】
そして、管理装置通信部11は、ネットワーク管理装置30に対して、ステップS125で読み出された管理対象機器70a,70bの位置情報、およびステップS126で読み出された拠点位置情報を送信する(ステップS127)。これにより、ネットワーク管理装置30の管理装置通信部31は、機器管理装置10から送信された管理対象機器70a,70bの位置情報、および拠点位置情報を受信する。
【0147】
ネットワーク管理装置30の算出部34は、ステップS122で受信された管理対象機器70a,70bの相対距離情報、並びにステップS127で受信された管理対象機器70a,70bの位置情報および拠点位置情報に基づいて、ネットワーク機器50xの位置を算出する(ステップS128)。具体的には、算出部34は、ステップS122で受信された二つの相対距離情報によってネットワーク機器50xの相対位置の候補を算出する。また、算出部34は、ステップS127で受信された二つの位置情報と算出した相対位置の候補とに基づいて、ネットワーク機器50xの絶対位置の候補を算出する。そして、算出部34は、ステップS127で受信された拠点位置情報と算出した絶対位置の候補とに基づいて、ネットワーク機器50xの絶対位置を特定する。このように、算出部34は、管理対象機器70a,70bが設置された拠点の設置位置情報を用いることで、基準となる位置情報および相対距離情報が二つの場合であっても、算出された絶対位置の候補が拠点位置情報で示される拠点の範囲(四点を結ぶ四角形の範囲)に含まれているかによって、ネットワーク機器50xの位置を絞り込むことができる。
【0148】
そして、ネットワーク情報管理部35は、ステップS128で算出されたネットワーク機器50xの位置を示す位置情報を、ネットワーク情報管理DB3001に登録する(ステップS129)。具体的には、ネットワーク情報管理部35は、ステップS113で登録されたネットワーク機器50xの機器IDおよびMACアドレスに関連づけて、ネットワーク機器50xの位置情報を登録する。
【0149】
このように、遠隔管理システム1は、位置情報が登録済みの管理対象機器70が二台である場合であっても、管理対象機器70が設置された拠点の位置を示す拠点位置情報を用いることで、新たに設置するネットワーク機器50xの位置を示す位置情報を算出して管理システム3に登録させることができる。
【0150】
なお、
図20乃至
図22において、二台の既設の管理対象機器70a,70bを用いて、ネットワーク機器50xの位置を算出する例を説明したが、
図13等で示したような既設のネットワーク機器50を用いる構成、または
図16等で示したような管理対象機器70を新設する構成であっても同様の処理が可能である。この場合、
図5に示されているネットワーク情報管理テーブルの各レコードにおけるネットワーク情報にも拠点IDが付与されており、ネットワーク管理装置30は、既設のネットワーク機器50が設置された位置に応じた拠点位置情報を、新設の機器の位置情報の算出に用いる。
【0151】
また、遠隔管理システム1は、上述したように、既設のネットワーク機器50または管理対象機器70が三台以上である場合であっても、既設の機器が設置された拠点の位置を示す拠点位置情報を用いて新設の機器の位置を算出する構成であってもよい。この場合、算出部34は、新設の機器の絶対位置が複数算出された場合、拠点位置情報によって示されてる拠点の範囲に算出点が含まれているかによって、新設の機器の絶対位置を絞り込む構成であってもよい。これにより、遠隔管理システム1は、新設の機器の位置の算出精度を向上させることができる。
【0152】
●実施形態の効果
以上説明したように、遠隔管理システム1は、新たに拠点内にネットワーク機器50または管理対象機器70を設置する場合に、位置情報が管理システム3に登録済みである複数のネットワーク機器50または管理対象機器70を基準とした相対距離を計測する。そして、遠隔管理システム1は、計測された複数の相対距離と、管理システム3に記憶された基準としたネットワーク機器50または管理対象機器70の位置情報とを用いて、新たに設置するネットワーク機器50または管理対象機器70の位置を算出し、管理システム3に登録する。
【0153】
従来、新たに拠点内に機器を設置する場合、機器の位置情報を管理システムに登録するためには、管理対象の機器およびネットワークと接続するためのネットワーク機器の他に、基準となる位置情報を配信する配信装置を事前に設置したり、ユーザによる位置情報を登録するための処理を手動で行ったりする必要があるため、機器の位置情報を管理システムに登録するまでに手間が掛かっていた。例えば、拠点内に複数台の機器を設置しようとする場合、一台ごとに機器登録を行う必要があり、設置台数に応じて膨大な登録作業が発生してしまう。
【0154】
そこで、遠隔管理システム1は、新たに拠点内に機器を設置する場合に、新設する機器と既設の機器との通信によって計測された相対距離と既設の機器の位置とに基づいて、新設の機器の位置情報を、自動的に管理システム3に登録することで、機器管理者等による機器設置の際の位置情報の入力作業を省略することができ、機器登録に伴う作業負荷を低減させることができる。
【0155】
なお、上述したネットワーク機器50または管理対象機器70の位置情報の登録に用いる既設の機器は、ネットワーク機器50と管理対象機器70の組み合わせであってもよく、拠点内に少なくとも一台のネットワーク機器が含まれる構成であればよい。ここで、上述の実施形態において、管理システム3に既に登録されている既設のネットワーク機器50(例えば、ネットワーク機器50a~50c)および管理対象機器70(例えば、管理対象機器70a~70c)は、第1の機器の一例である。また、拠点内に新たに設置する新設のネットワーク機器50(例えば、ネットワーク機器50x)または管理対象機器70(例えば、管理対象機器70x)は、第2の機器の一例である。
【0156】
●まとめ●
以上説明したように、本発明の一実施形態に係る管理システムは、所定の拠点内に設置された第1の機器(例えば、ネットワーク機器50a~50cまたは管理対象機器70a~70c)および第2の機器(例えば、ネットワーク機器50xまたは管理対象機器70x)の少なくともいずれかに該当するネットワーク機器50と、通信ネットワーク5を介して通信可能な管理システム3である。管理システム3は、複数の第1の機器の位置情報を記憶し、第2の機器と複数の第1の機器との距離を示す相対距離情報を、ネットワーク機器50から受信する。そして、管理システム3は、受信された相対距離情報および記憶された複数の第1の機器の位置情報を用いて算出された、第2の機器の位置を示す位置情報を登録する。これにより、管理システム3は、機器管理者等による機器設置の際の位置情報の入力作業を省略することができ、新たに設置される第2の機器の位置登録に伴う作業負荷を低減させることができる。
【0157】
また、本発明の一実施形態に係る管理システム3は、受信された相対距離情報および記憶された複数の第1の機器の位置情報を用いて、第2の機器の位置を示す位置を算出し、算出された第2の機器の位置を示す位置情報を登録する。これにより、管理システム3は、既設の複数の第1の機器を基準とした相対距離および第1の機器の位置を基準として新設の第2の機器の位置を算出することで、機器の位置登録を行うために他の装置を設ける必要がないため、機器の位置登録に掛かる手間を低減させることができる。
【0158】
さらに、本発明の一実施形態に係る管理システム3は、拠点の位置を示す拠点位置情報を記憶し、第1の機器(例えば、管理対象機器70a,70b)が二台以下である場合、受信された相対距離情報および記憶された第1の機器の位置情報とともに、記憶された拠点位置情報を用いて、第2の機器(例えば、ネットワーク機器50x)の位置を算出する。これにより、管理システム3は、既設の第1の機器が設置された拠点の位置を示す情報を用いることで、既設の第1の機器が二台以下である場合であっても、新設の第2の機器の位置を示す位置情報を自動的に登録することができる。
【0159】
また、本発明の一実施形態に係る管理システム3は、第2の機器(例えば、ネットワーク機器50xまたは管理対象機器70x)の位置情報の登録状況をディスプレイ106(表示部の一例)に表示させる。これにより、管理システム3は、機器管理者等に対して、第2の機器の設置状況を確認させることができる。
【0160】
さらに、本発明の一実施形態に係る管理システム3は、管理対象機器70を管理する機器管理装置10と、ネットワーク機器50を管理するネットワーク管理装置30と、を備える。機器管理装置10は、管理対象機器70の位置を示す位置情報を記憶し、ネットワーク管理装置30は、ネットワーク機器50の位置を示す位置情報を記憶する。これにより、管理システム3は、機器管理装置10とネットワーク管理装置30との間のシステム連携によって新設の第2の機器の位置情報を算出することで、第2の機器を設置するたびに機器管理者による入力等の作業を行う必要がなく、第2の機器の位置情報の登録に掛かる手間を低減させることができる。
【0161】
●補足●
上記で説明した実施形態の各機能は、一または複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本実施形態における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウエアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサ、並びに上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)、SOC(System on a chip)、GPU(Graphics Processing Unit)および従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0162】
また、上記で説明した実施形態の各種テーブルは、機械学習の学習効果によって生成されたものでもよく、関連づけられている各項目のデータを機械学習にて分類付けすることで、テーブルを使用しなくてもよい。ここで、機械学習とは、コンピュータに人のような学習能力を獲得させるための技術であり,コンピュータが,データ識別等の判断に必要なアルゴリズムを,事前に取り込まれる学習データから自律的に生成し,新たなデータについてこれを適用して予測を行う技術のことをいう。機械学習のための学習方法は、教師あり学習、教師なし学習、半教師学習、強化学習、深層学習のいずれかの方法でもよく、さらに、これらの学習方法を組み合わせた学習方法でもよく、機械学習のための学習方法は問わない。
【0163】
これまで本発明の一実施形態に係る管理システム、機器管理方法およびプログラムについて説明してきたが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態の追加、変更または削除等、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0164】
1 遠隔管理システム
3 管理システム
7 ローカルネットワーク
10 機器管理装置
15 機器情報管理部(登録手段の一例)
30 ネットワーク管理装置
32 ネットワーク通信部(受信手段の一例)
34 算出部(算出手段の一例)
35 ネットワーク情報管理部(登録手段の一例)
50 ネットワーク機器
70 管理対象機器
90 管理者端末
93 表示制御部(表示制御手段の一例)
106 ディスプレイ(表示部の一例)
1000 記憶部(記憶手段の一例)
1001 機器情報管理DB(第1の記憶手段の一例)
3001 ネットワーク情報管理DB(第2の記憶手段の一例)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0165】