IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

特許7508940ノイズ判定装置、画像形成装置及びノイズ判定方法
<>
  • 特許-ノイズ判定装置、画像形成装置及びノイズ判定方法 図1
  • 特許-ノイズ判定装置、画像形成装置及びノイズ判定方法 図2
  • 特許-ノイズ判定装置、画像形成装置及びノイズ判定方法 図3
  • 特許-ノイズ判定装置、画像形成装置及びノイズ判定方法 図4
  • 特許-ノイズ判定装置、画像形成装置及びノイズ判定方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】ノイズ判定装置、画像形成装置及びノイズ判定方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240625BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20240625BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
G03G21/00 500
G03G21/00 386
G03G21/00 398
B41J29/46 G
H04N1/00 002A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020138051
(22)【出願日】2020-08-18
(65)【公開番号】P2022034312
(43)【公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 光男
(72)【発明者】
【氏名】添田 良久
(72)【発明者】
【氏名】原 徹也
(72)【発明者】
【氏名】金子 智彦
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-142890(JP,A)
【文献】特開平11-255376(JP,A)
【文献】特開2011-203454(JP,A)
【文献】特開2020-016837(JP,A)
【文献】特開2007-310356(JP,A)
【文献】特開2013-140260(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
B41J 29/46
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の異常検知要因がノイズであるか否かを判定するノイズ判定装置であって、
前記電子機器の異常を検知する機器異常検知部と、
前記電子機器からの入力信号の異常を検知する信号異常検知部と、
前記入力信号の信号異常発生回数を計数する計数部と、
前記信号異常発生回数に基づいて、前記電子機器の異常検知要因がノイズであることを示す要因信号を出力する出力部と、を有し、
前記電子機器には複数の入力信号が入力され、
前記信号異常検知部は、前記複数の入力信号ごとに前記入力信号の異常を検知し、
前記計数部は、前記複数の入力信号ごとに前記信号異常発生回数を計数し、
前記出力部は、前記複数の入力信号のうち、前記信号異常発生回数が所定の回数閾値よりも多い前記入力信号が、所定の信号数閾値よりも多い場合に、前記要因信号を出力する
ノイズ判定装置。
【請求項2】
前記信号異常検知部は、前記入力信号の信号レベルに基づき、前記入力信号の異常を検知する
請求項1に記載のノイズ判定装置。
【請求項3】
前記出力部は、前記信号異常発生回数が所定の回数閾値よりも多い場合に、前記要因信号を出力する
請求項1、又は2に記載のノイズ判定装置。
【請求項4】
前記異常検知要因がノイズであることを含む情報を報知する報知部を有する
請求項1乃至の何れか1項に記載のノイズ判定装置。
【請求項5】
前記入力信号は、前記電子機器が備える高圧回路の異常を示す信号を含む
請求項1乃至の何れか1項に記載のノイズ判定装置。
【請求項6】
請求項1乃至の何れか1項に記載のノイズ判定装置を有する
画像形成装置。
【請求項7】
電子機器の異常検知要因がノイズであるか否かを判定するノイズ判定方法であって、
前記電子機器の異常を検知する工程と、
信号異常検知部により、前記電子機器からの入力信号の異常を検知する工程と、
計数部により、前記入力信号の信号異常発生回数を計数する工程と、
出力部により、前記信号異常発生回数に基づいて、前記電子機器の異常検知要因がノイズであることを示す要因信号を出力する工程と、を行い、
前記電子機器には複数の入力信号が入力され、
前記信号異常検知部は、前記複数の入力信号ごとに前記入力信号の異常を検知し、
前記計数部は、前記複数の入力信号ごとに前記信号異常発生回数を計数し、
前記出力部は、前記複数の入力信号のうち、前記信号異常発生回数が所定の回数閾値よりも多い前記入力信号が、所定の信号数閾値よりも多い場合に、前記要因信号を出力する
ノイズ判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノイズ判定装置、画像形成装置及びノイズ判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器に外部から侵入するノイズを検出し、ノイズが電子機器に及ぼす影響を判定することで、ノイズによる電子機器の誤動作を未然に防止する技術が知られている。
【0003】
また、電子機器のノイズによる停止を回避するために、電子機器で通信エラー等の異常が検知された際にノイズが同時に検出された場合には、異常検知要因がノイズであると判定する構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1の構成では、ノイズ検出用に専用回路を設けるため、制御基板が大型化したり、電子機器がコストアップしたりする場合がある。
【0005】
本発明は、専用回路を設けずに、電子機器の異常検知要因がノイズであるか否かを判定可能にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るノイズ判定装置は、電子機器の異常検知要因がノイズであるか否かを判定するノイズ判定装置であって、前記電子機器の異常を検知する機器異常検知部と、前記電子機器からの入力信号の異常を検知する信号異常検知部と、前記入力信号の信号異常発生回数を計数する計数部と、前記信号異常発生回数に基づいて、前記電子機器の異常検知要因がノイズであることを示す要因信号を出力する出力部と、を有し、前記電子機器には複数の入力信号が入力され、前記信号異常検知部は、前記複数の入力信号ごとに前記入力信号の異常を検知し、前記計数部は、前記複数の入力信号ごとに前記信号異常発生回数を計数し、前記出力部は、前記複数の入力信号のうち、前記信号異常発生回数が所定の回数閾値よりも多い前記入力信号が、所定の信号数閾値よりも多い場合に、前記要因信号を出力する
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、専用回路を設けずに、電子機器の異常検知要因がノイズであるか否かを判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る画像形成装置の全体構成例を示す図である。
図2】実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成例の図である。
図3】第1実施形態に係るノイズ判定装置の機能構成例のブロック図である。
図4】第1実施形態に係るノイズ判定装置の処理例のフロー図である。
図5】第2実施形態に係るノイズ判定装置の機能構成例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一構成部には同一符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
【0010】
また以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのノイズ判定装置を例示するものであって、本発明を以下に示す実施形態に限定するものではない。以下に記載されている構成部品の形状、その相対的配置、パラメータの値等は特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張している場合がある。
【0011】
実施形態に係るノイズ判定装置は、電子機器の異常検知要因がノイズであるか否かを判定する装置である。実施形態では、電子機器からの入力信号の異常を検知し、入力信号の信号異常発生回数を計数する。そして電子機器の異常を検知した際に、入力信号の信号異常発生回数に基づいて、電子機器の異常検知要因がノイズであるか否かを判定する。このようにすることで、ノイズ信号を検出するためのA/D(Analog/Digital)コンバータ等の専用回路を設けずに、電子機器の異常検知要因がノイズであるか否かを判定可能にする。
【0012】
以下では、電子機器の一例としての画像形成装置に搭載されたノイズ判定装置を一例として実施形態を説明する。
【0013】
[実施形態]
<画像形成装置100の全体構成例>
まず図1を参照して、実施形態に係る画像形成装置100の構成について説明する。図1は、画像形成装置100の構成の一例を説明する図である。
【0014】
画像形成装置100は、コピー機能、FAX機能、プリント機能、スキャナ機能、また、入力画像(スキャナ機能による読み取り原稿や、プリンタ機能あるいはFAX機能により入力された画像)を保存や配信する機能等を複合して有するいわゆるMFP(Multifunction Peripheral /Printer /Product)と称される複合機である。
【0015】
また、画像形成装置100は、PC(Personal Computer)等の外部装置とも通信可能であり、外部装置から受信した指示に応じた動作を行うこともできる。なお、実施形態において、画像形成装置100で処理される「画像」には画像データだけでなく、画像データが含まれていないデータ、つまりテキスト情報のみのデータも含むものとする。
【0016】
画像形成装置100は、帯電された感光体表面が選択的に露光されることにより書き込まれた静電潜像に、トナーを付着させ、付着させたトナーを用紙等の記録媒体に転写する、いわゆる電子写真方式の画像形成装置である。
【0017】
画像形成装置100は、図1に示すように、操作パネル10と、起動スイッチ20と、コントローラ30と、読取部40と、エンジン制御部5と、プリンタ部6と、給紙カセット7A,7Bと、搬送部8と、電源装置1とを有する。
【0018】
操作部である操作パネル10は、利用者の操作に応じた各種の入力を受け付けるとともに、各種の情報(例えば受け付けた操作を示す情報、画像形成装置100の動作状況を示す情報、画像形成装置100の設定状態を示す情報など)を表示する。操作パネル10は、一例としてタッチパネル機能を搭載した液晶表示装置(LCD:Liquid Cristal Display)で構成されるが、これに限られるものではない。例えばタッチパネル機能が搭載された有機EL(Electro-Luminescence)表示装置で構成されてもよい。さらに、これに加えて又はこれに代えて、ハードウェアキー等の操作部やランプ等の表示部を設けることもできる。
【0019】
起動スイッチ20は、画像形成装置100の電源がオフの状態でユーザによって押圧されると、画像形成装置100を起動する。また画像形成装置100が起動した状態、つまり電源がオンの状態でユーザによって押下されると、画像形成装置をオフ状態とする。このように起動スイッチ20は、ユーザが押圧することによって画像形成装置100をオン/オフしてもよいがこれに限られず、外部装置から受信した指示に基づき画像形成装置100をオン又はオフしてもよい。
【0020】
コントローラ30は、画像形成装置100を統括的に制御する。一例として操作パネル10が受け付けた操作や情報に応じた動作を、画像形成装置100に実行させる。その他の例として、PC等の外部機器から画像形成装置100が受け付けた指示等を画像形成装置100に実行させる。さらにその他の例として、特定の条件を検知した場合、例えば起動スイッチ20の押下を検知した場合、さらにその他の例として、画像形成装置100で発生した異常が検知された場合等に、予め決められた動作を画像形成装置100に実行させる。
【0021】
コントローラ30の具体例としては、画像形成装置100を統括的に制御する回路を搭載したコントローラボードである。
【0022】
読取部40は、ADF(Auto Document Feeder)41とスキャナ部42とを有する。ADF41は、ADF41上に置かれた原稿を順次し搬送し光学的に読み取り画像データを生成する。スキャナ部42は、透明な原稿台の上に原稿を固定し、固定された原稿を光学的に読み取り画像データを生成する。
【0023】
エンジン制御部5は、読取部40により生成された画像データに基づき、プリンタ部6や搬送部8を制御する制御信号を生成する。エンジン制御部5の具体例としては、画像データに基づき制御信号を生成するための回路基板である。
【0024】
画像形成部であるプリンタ部6は、感光体としての感光体ドラム61と、感光体ドラム61の外表面を帯電させる帯電部材62と、読取部40により読み取られた画像データに基づいて、帯電された感光体ドラム61上を露光して、感光体上に静電潜像を書き込む書込みユニット63と、書き込まれた潜像をトナーで現像する現像部材64と、トナー画像を形成する記録媒体を搬送する搬送ベルト65と、記録媒体上のトナーを記録媒体に定着させる定着部66とを有し、記録媒体上にトナー画像を形成する。
【0025】
給紙カセット7A、7Bは画像形成前の記録媒体を収納する。図1においては一例として二つの給紙カセットを有し、それぞれにサイズの異なる記録媒体を収納しているが、一つであっても良いし、三つ以上であってもよい。
【0026】
給紙搬送部としての搬送部8は、各種ローラを有し、給紙カセット7A、給紙カセット7Bに収納された記録媒体をプリンタ部6に搬送する。なお、図9における矢印Cは、記録媒体の搬送方向を示している。
【0027】
電源装置1は、入力電圧を所望の出力電圧に変換し、画像形成装置100の各構成部に電力を供給する電源装置である。
【0028】
ここで、コピーモードを例として画像形成装置100での画像形成の流れを説明する。まずユーザが、操作パネル10で機能切替キー等をユーザが操作することにより、画像形成装置100のコピー機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能を順次に切り替えて選択し、各機能を動作させることが可能となる。コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリ機能選択時にはファクシミリモードとなる。
【0029】
コピーモードでは、読取部40により、コピーする各原稿の画像情報が読み取られ、画像データが生成される。
【0030】
感光体ドラム61の外周面は、暗中にて帯電部材62により一様に帯電された後、書込みユニット63からの照射光(図1中に点線矢印Aで示す。)により露光され、その結果、感光体ドラム61の外周面上に静電潜像が形成される。なお、矢印Bは感光体ドラム61の回転方向を示している。
【0031】
現像部材64は、この静電潜像をトナーにより可視像化する。これにより、感光体ドラム61上にトナー画像が形成される。感光体ドラム61上に形成されたトナー画像は、搬送ベルト65上の記録媒体に転写される。そして定着部66が記録媒体上のトナー画像のトナーを一例としてヒータで加熱溶融して、記録媒体にトナー画像を定着し、記録媒体を画像形成装置100から排出する。
【0032】
なお、プリンタ部6がモノクロの電子写真方式によって画像を形成する場合を説明したが、カラーの電子写真方式やインクジェット方式などであってもよく、画像形成方式はこれらに限られない。
【0033】
また、上述の操作パネル10は、コントローラ30によって制御されてもよいし、コントローラ30とは別に操作パネル10を制御するための制御回路を有し、制御されてもよい。その場合、コントローラ30の制御回路と操作パネル10の制御回路は、相互に通信可能に接続され、コントローラ30は操作パネル10を含む画像形成装置100全体を制御する。
【0034】
なお、コントローラ30と、エンジン制御部5と、プリンタ部6と、給紙カセット7A、7B、搬送部8は画像形成装置100の外装内に設けられているが図1においては内部を透視して示している。
【0035】
<画像形成装置100のハードウェア構成例>
次に図2を参照して、画像形成装置100のハードウェア構成について説明する。図2は、画像形成装置100のハードウェア構成の一例を説明するブロック図である。図2に示すように、画像形成装置100は、コントローラ30と、近距離通信回路920と、エンジン制御部5と、操作パネル10と、ネットワークI/F950とを有する。
【0036】
これらのうち、コントローラ30は、コンピュータの主要部であるCPU901と、システムメモリ(MEM-P)902と、ノースブリッジ(NB)903と、サウスブリッジ(SB)904と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)31と、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907と、HDDコントローラ908と、記憶部であるHD909とを有する。NB903とASIC31との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0037】
CPU901は、画像形成装置100の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジである。NB903は、MEM-P902に対する読み書き等を制御するメモリコントローラ、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットを有する。
【0038】
MEM-P902は、コントローラ30の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとを有する。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0039】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC31は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転等を行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部42及びプリンタ部6との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。
【0040】
なお、ASIC31には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0041】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0042】
また、近距離通信回路920には、アンテナ920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0043】
更に、エンジン制御部5は、スキャナ部42及びプリンタ部6によって構成されている。また、操作パネル10は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる入力パネル940bを備えている。コントローラ30は、画像形成装置100全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル10からの入力等を制御する。スキャナ部42又はプリンタ部6には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0044】
なお、画像形成装置100は、操作パネル10のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0045】
また、ネットワークI/F950は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0046】
<ノイズ判定装置32の機能構成例>
図2を参照して、ノイズ判定装置32の機能構成について説明する。図2は、ノイズ判定装置32の機能構成の一例を説明するブロック図である。
【0047】
図2に示すようにノイズ判定装置32は、画像形成装置100に搭載され、コントローラ30が備えるハードウェア構成により実現される。ノイズ判定装置32は、入力信号の異常を検知し、入力信号の信号異常発生回数の計数結果に基づいて、画像形成装置100の異常検知要因がノイズであるか否かを判定する。
【0048】
図2に示すように、ノイズ判定装置32は、信号入力部321と、信号異常検知部322と、異常発生回数計数部323と、機器異常検知部324と、判定部325と、出力部326とを有する。
【0049】
信号入力部321は、画像形成装置100の各部から各種の入力信号を入力する。例えば、信号入力部321は、プリンタ部6に含まれるセンサ67の検出信号、搬送部8に含まれるモータロック検知回路81による検知信号、電源装置1に含まれる高圧回路11等の状態信号、又はASIC31の状態信号等を入力できる。なお、本実施形態では、入力信号数が複数である場合を例示するが、入力信号数は1つであってもよい。
【0050】
信号異常検知部322は、画像形成装置100からの複数の入力信号ごとに異常を検知する。信号異常検知部322は、入力信号の信号レベルに基づき、入力信号の異常を検知できる。例えば、Hiレベルの信号が得られる場合にLowレベルの信号が得られたり、Lowレベルの信号が得られる場合にHiレベルの信号が得られたりすると、信号異常検知部322は入力信号の異常を検知する。
【0051】
異常発生回数計数部323は、複数の入力信号ごとに、信号異常検知部322により検知される異常の発生回数を計数(カウント)する計数部の一例である。
【0052】
機器異常検知部324は、画像形成装置100の異常を検知し、異常の発生を示す情報と、画像形成装置100における異常の発生箇所情報とを判定部325に提供する。
【0053】
判定部325は、異常発生回数計数部323が計数した信号異常発生回数に基づいて、画像形成装置100の異常検知要因がノイズであるか否かを判定する。例えば、判定部325は、複数の入力信号のうち、信号異常発生回数が所定の回数閾値よりも多い入力信号が、所定の信号数閾値よりも多い場合に、異常検知要因がノイズであると判定する。
【0054】
或いは、機器異常検知部324が検知した異常の発生箇所とは関係しない入力信号の異常発生回数が回数閾値以上の場合に、判定部325は異常検知要因がノイズであると判定する。例えば、プリンタ部6で発生した異常を機器異常検知部324が検知した場合に、搬送部8に含まれるモータロック検知回路81による検知信号の信号異常発生回数が所定の回数閾値よりも多いと、判定部325は異常検知要因がノイズであると判定する。
【0055】
また、入力信号数が1つの場合には、判定部325は、信号異常発生回数が所定の回数閾値よりも多い場合に、異常検知要因がノイズであると判定する。
【0056】
出力部326は、画像形成装置100の異常検知要因がノイズであると判定部325が判定した場合に、画像形成装置100の異常検知要因がノイズであることを示す要因信号を処理部33に出力する。
【0057】
処理部33は、画像形成装置100の異常検知要因がノイズであるか否かに応じて所定の処理を実行する。例えば、異常検知要因がノイズである場合には、処理部33は、画像形成装置100の異常と認識せずに特段の処理を実行しない。異常検知要因が画像形成装置100である場合には、処理部33は、画像形成装置100のユーザ等に異常発生を報知する処理等の所定の処理を実行する。
【0058】
<ノイズ判定装置32の動作例>
次に図4を参照して、ノイズ判定装置32の動作について説明する。図4は、ノイズ判定装置32の動作の一例を説明するフローチャートである。図4は、ノイズ判定装置32における機器異常検知部324が、画像形成装置100の異常を検知した後の動作を示している。
【0059】
機器異常検知部324は、画像形成装置100の異常を検知すると、異常の発生を示す情報と、画像形成装置100における異常の発生箇所情報とを判定部325に提供する。
【0060】
情報提供を受けた判定部325は、ステップS41において、異常発生回数計数部323を参照して、複数の入力信号ごとの異常発生回数情報を取得する。
【0061】
続いて、ステップS42において、判定部325は、画像形成装置100における異常の発生箇所とは関係しない各入力信号で異常発生回数が回数閾値以上であるか否かを判定する。
【0062】
ステップS42で回数閾値以上であると判定した場合には(ステップS42、Yes)、ステップS43において、判定部325は、異常検知要因はノイズであると判定する。そして、画像形成装置100の異常検知要因がノイズであることを示す要因信号を、出力部326を介して処理部33に出力する。その後、ノイズ判定装置32は動作を終了する。この場合には、処理部33は特段の処理を行わない。
【0063】
一方、ステップS42で回数閾値以上でないと判定した場合には(ステップS42、No)、判定部325は、異常検知要因は画像形成装置100であると判定する。そして、異常検知要因が画像形成装置100であることを示す信号を、出力部326を介して処理部33に出力する。その後、ノイズ判定装置32は動作を終了する。この場合には、処理部33は、異常の発生をユーザに報知する処理等の所定の処理を実行する。
【0064】
このようにして、ノイズ判定装置32は、画像形成装置100の異常検知要因がノイズであるか否かを判定することができる。
【0065】
<ノイズ判定装置32の作用効果>
次に、ノイズ判定装置32の作用効果について説明する。
画像形成装置等の電子機器では、プリンタ部や定着部、搬送部等で異常が検知されると異常の発生を通知するが、実際には各ユニットで異常が発生しておらず、ノイズに起因して異常を誤検知する場合がある。
【0066】
例えば安全性に関わる異常発生が通知されると、異常解消のためにサービスマンが客先に派遣され、派遣によるコストが発生したり、異常が解消されるまでユーザは画像形成装置を使用できなくなったりする。そのため、異常検知要因がノイズであるか否かを判定し、判定結果に応じて処理を行うことが望ましい。
【0067】
一方、電子機器で通信エラー等の異常が検知された際に、ノイズが同時に検出された場合には、異常検知要因がノイズであると判定する構成が開示されている。しかし、この構成では、ノイズ検出用に専用回路を設けるため、基板が大型化したり、電子機器がコストアップしたりする場合がある。
【0068】
本実施形態では、電子機器からの入力信号の異常を検知し、入力信号の信号異常発生回数を計数する。そして電子機器の異常を検知した際に、入力信号の信号異常発生回数に基づいて、電子機器の異常検知要因がノイズであるか否かを判定する。これによりノイズ信号を検出するためのA/Dコンバータ等の専用回路を設けずに、電子機器の異常検知要因がノイズであるか否かを判定でき、制御基板(コントローラ)が大型化したり、電子機器がコストアップしたりすることを防ぐことができる。
【0069】
なお、本実施形態では、出力部326はコントローラ30内の処理部33に要因信号を出力する構成を例示したが、出力部326はコントローラ30外の画像形成装置100の構成部に要因信号を出力することもできる。また画像形成装置100の外部の装置に要因信号を出力することも可能である。
【0070】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るノイズ判定装置32aについて説明する。
図5は、ノイズ判定装置32aの機能構成の一例を説明するブロック図である。図5に示すように、ノイズ判定装置32aは、報知部327を有する。報知部327は、異常検知要因がノイズであることを含む情報を、画像形成装置100における操作パネル10を介して報知する。操作パネル10は、パネル表示部940aに異常検知要因がノイズであることを含む情報を画面に表示し、画像形成装置100のユーザやサービスマン等に報知できる。
【0071】
本実施形態により、電子機器の異常検知要因がノイズであるか否かをより分かりやすくユーザやサービスマンに伝達することができる。
【0072】
また、上記で用いた序数、数量等の数字は、全て本発明の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本発明は例示された数字に制限されない。また、構成要素間の接続関係は、本発明の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本発明の機能を実現する接続関係はこれに限定されない。
【0073】
上述した実施形態では、ノイズ判定装置を画像形成装置に搭載する構成例示したが、電子機器は画像形成装置に限定されるものではない。電子機器は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPC、又はデスクトップPC等であってもよい。
【0074】
また、機能ブロック図におけるブロックの分割は一例であり、複数のブロックを一つのブロックとして実現する、一つのブロックを複数に分割する、及び/又は、一部の機能を他のブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数のブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0075】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0076】
また、実施形態は、ノイズ判定方法も含む。例えば、ノイズ判定方法は、電子機器の異常検知要因がノイズであるか否かを判定するノイズ判定方法であって、前記電子機器の異常を検知する工程と、前記電子機器からの入力信号の異常を検知する工程と、前記入力信号の信号異常発生回数を計数する工程と、前記信号異常発生回数に基づいて、前記電子機器の異常検知要因がノイズであることを示す要因信号を出力する工程と、を行う。このようなノイズ判定方法により、上述したノイズ判定装置と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0077】
10 操作パネル
30 コントローラ
32 ノイズ判定装置
33 処理部
321 信号入力部
322 信号異常検知部
323 異常発生回数計数部
324 機器異常検知部
325 判定部
326 出力部
327 報知部
100 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】
【文献】特開2013-140260号公報
図1
図2
図3
図4
図5