(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】接触端子、検査治具、および検査装置
(51)【国際特許分類】
G01R 1/067 20060101AFI20240625BHJP
G01R 1/073 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
G01R1/067 C
G01R1/073 D
(21)【出願番号】P 2021511355
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(86)【国際出願番号】 JP2020010931
(87)【国際公開番号】W WO2020203154
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2023-02-21
(31)【優先権主張番号】P 2019069272
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392019709
【氏名又は名称】ニデックアドバンステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【氏名又は名称】梶原 慶
(72)【発明者】
【氏名】戒田 理夫
(72)【発明者】
【氏名】太田 憲宏
(72)【発明者】
【氏名】横田 友佑
【審査官】青木 洋平
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-028956(JP,A)
【文献】特開2015-141200(JP,A)
【文献】特開2014-092539(JP,A)
【文献】特開2017-146119(JP,A)
【文献】特開2016-075709(JP,A)
【文献】国際公開第2016/021723(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06-1/073
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触端子の軸方向に延びる筒状体と、
導電性を有する棒状の第1導体および第2導体と、
を備え、
前記第1導体は、
前記筒状体より前記軸方向一方側に突出する第1突出部と、
前記筒状体の外周より内部に配置されて前記筒状体の前記軸方向一方側端部に固定される第1挿入部と、
を有し、
前記第2導体は、前記筒状体の外周より内部に配置されて前記筒状体の前記軸方向他方側端部に固定される第2挿入部を有し、
前記筒状体は、前記筒状体の周面に沿う螺旋状に構成される
第1ばね部
及び第2ばね部を有し、
前記第1ばね部と第2ばね部とを連結する胴部を有し、
前記第1挿入部は、前記軸方向に沿う第1平面を有する第1接触部を有し、
前記第2挿入部は、前記軸方向に沿う第2平面を有する第2接触部を有し、
前記第1平面と前記第2平面とは接触し、
前記筒状体は、前記筒状体における前記軸方向一方側端部の周面に前記軸方向に沿って設けられる第1端部側切欠きと、前記筒状体における前記軸方向他方側端部の周面に前記軸方向に沿って設けられる第2端部側切欠きと、のうち少なくとも一方を有し、
前記第1端部側切欠きが設けられる場合、前記第1挿入部は、前記第1端部側切欠きの周方向端面間に配置される第1端部側リブを有し、
前記第2端部側切欠きが設けられる場合、前記第2挿入部は、前記第2端部側切欠きの周方向端面間に配置される第2端部側リブを有
し、
前記第1挿入部は、前記胴部の内面に接触し、
前記第2挿入部は、前記胴部の内面に接触する、接触端子。
【請求項2】
前記第1接触部の前記軸方向他方側端部には、前記第1平面と前記第2平面との接触位置から前記軸方向他方側へ向かうに従って前記第2平面から離れる第1面取り部または第1アール部が設けられ、
前記第2接触部の前記軸方向一方側端部には、前記第1平面と前記第2平面との接触位置から前記軸方向一方側へ向かうに従って前記第1平面から離れる第2面取り部または第2アール部が設けられる、請求項1に記載の接触端子。
【請求項3】
前記第1平面と前記第2平面とが接触する面において、前記第1接触部の前記軸方向視の断面と、前記第2接触部の前記軸方向視の断面とは略同一の形状である、請求項1または請求項2に記載の接触端子。
【請求項4】
前記第1接触部および前記第2接触部は、前記軸方向に垂直な方向を積層方向とする積層構成を有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の接触端子。
【請求項5】
前記第1平面および前記第2平面は、前記積層方向に対して垂直な平面である、請求項4に記載の接触端子。
【請求項6】
前記第1平面および前記第2平面は、前記積層方向に沿う平面である、請求項4に記載の接触端子。
【請求項7】
前記軸方向視において、第1平面は、第2平面に対して傾いて配置される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の接触端子。
【請求項8】
前記第1平面と前記第2平面は、前記
第1ばね部の自然状態において、接触する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の接触端子。
【請求項9】
複数の請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の接触端子と、
前記複数の接触端子を支持する支持部材と、
を備える検査治具。
【請求項10】
請求項9に記載の検査治具と、
前記接触端子を検査対象に設けられた検査点に接触させることにより得られる電気信号に基づき、前記検査対象の検査を行う検査処理部と、
を備える検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査対象の検査に用いられる接触端子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検査対象に接触させる接触端子が知られている。このような接触端子の一例は、特許文献1に開示されている。
【0003】
上記特許文献1の接触端子は、筒状体と、第一中心導体および第二中心導体と、を備える。筒状体は、導電性を有する素材により筒状に形成される。筒状体には、筒状体の軸方向に伸縮する第一ばね部および第二ばね部が形成される。筒状体の軸方向中央部には、第一ばね部および第二ばね部を連結する連結部が設けられる。
【0004】
第一中心導体および第二中心導体は、導電性を有する素材により棒状に形成される。第一中心導体の先端には第一膨出部が設けられる。第一中心導体が筒状体の一端部に固定された状態で、第一膨出部は連結部内に配置される。第二中心導体の先端には第二膨出部が設けられる。第二中心導体が筒状体の他端部に固定された状態で、第二膨出部は連結部内に配置される。
【0005】
上記構成の接触端子を支持する支持部材にベースプレートを取り付けると、第一中心導体の一端部が、第一ばね部および第二ばね部の付勢力に応じてベースプレートの電極に圧接され、第一中心導体の一端部と電極とが導電接触状態に保持される。
【0006】
接触端子を使用した検査対象の検査の際には、第二中心導体の他端部が、第一ばね部および第二ばね部の付勢力に応じて検査対象の被検査点に圧接され、第二中心導体の他端部と被検査点とが導電接触状態に保持される。
【0007】
これにより、検査対象と第二中心導体の他端部との接触、第二膨出部と連結部との接触、連結部と第一膨出部との接触、および第一中心導体の一端部と電極との接触により、それぞれ接点が形成され、電流経路が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1の接触端子では、接触端子内部の接点として、第二膨出部と連結部との接点、および連結部と第一膨出部との接点という2つの接点が形成されるため、電流経路の電気抵抗を改善する余地があった。
【0010】
上記状況に鑑み、本発明は、組立性を向上させつつ電流経路の電気抵抗値を低減することが可能となる接触端子、およびこれを用いた検査治具、検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の例示的な接触端子は、接触端子の軸方向に延びる筒状体と、導電性を有する棒状の第1導体および第2導体と、を備え、前記第1導体は、前記筒状体より前記軸方向一方側に突出する第1突出部と、前記筒状体の外周より内部に配置されて前記筒状体の前記軸方向一方側端部に固定される第1挿入部と、を有し、前記第2導体は、軸方向他方側前記筒状体の外周より内部に配置されて前記筒状体の前記軸方向他方側端部に固定される第2挿入部を有し、前記筒状体は、前記筒状体の周面に沿う螺旋状に構成されるばね部を有し、前記第1挿入部は、前記軸方向に沿う第1平面を有する第1接触部を有し、前記第2挿入部は、前記軸方向に沿う第2平面を有する第2接触部を有し、前記第1平面と前記第2平面とは接触し、前記筒状体は、前記筒状体における前記軸方向一方側端部の周面に前記軸方向に沿って設けられる第1端部側切欠きと、前記筒状体における前記軸方向他方側端部の周面に前記軸方向に沿って設けられる第2端部側切欠きと、のうち少なくとも一方を有し、前記第1端部側切欠きが設けられる場合、前記第1挿入部は、前記第1端部側切欠きの周方向端面間に配置される第1端部側リブを有し、前記第2端部側切欠きが設けられる場合、前記第2挿入部は、前記第2端部側切欠きの周方向端面間に配置される第2端部側リブを有する構成としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の例示的な接触端子、およびこれを用いた検査治具、検査装置によれば、組立性を向上させつつ電流経路の電気抵抗値を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の例示的な実施形態に係る検査装置の全体構成を示す概略図である。
【
図2】
図2は、接触端子を分解して示す側面図である。
【
図3】
図3は、接触端子を分解して示す上面図である。
【
図7】
図7は、接触端子を支持部材により支持させた状態を示す図である。
【
図8】
図8は、接触端子の概略的な側面断面図である。
【
図9】
図9は、比較例に係る第1導体の斜視図である。
【
図10】
図10は、比較例に係る接触端子の概略的な側面断面図である。
【
図13】
図13は、
図10における第1導体および第2導体を仮に積層構成として形成した場合のB-B断面図である。
【
図14】
図14は、スナップフィット構造に関する要部拡大図である。
【
図15】
図15は、比較例に係る圧入構造に関する要部拡大図である。
【
図17】
図17は、スナップフィット構造の一変形例に関する要部拡大図である。
【
図18】
図18は、第1変形例に係る接触端子における第1導体と第2導体を要部的に示す図である。
【
図19】
図19は、第1変形例に係る接触端子におけるスナップフィット構造を示す要部拡大図である。
【
図20A】
図20Aは、第1変形例に係る接触端子の組み立てにおいてアール部が筒状体の内周面に接触した状態を示す軸方向視断面図である。
【
図20B】
図20Bは、第1変形例に係る接触端子の組み立てにおいてアール部が筒状体の周方向切欠き内に収容された状態を示す軸方向視断面図である。
【
図21】
図21は、第2変形例に係る接触端子におけるスナップフィット構造を示す要部拡大図である。
【
図22A】
図22Aは、第2変形例に係る接触端子の組み立てにおいてアール部が筒状体の内周面に接触した状態を示す軸方向視断面図である。
【
図22B】
図22Bは、第2変形例に係る接触端子の組み立てにおいてアール部が筒状体の周方向切欠き内に収容された状態を示す軸方向視断面図である。
【
図23】
図23は、第1接触部と第2接触部との接触に関する一変形例を示す軸方向視での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下、接触端子の中心軸J(
図5A、
図6参照)に平行な方向を「軸方向」と称し、図面において軸方向一方側をX1、軸方向他方側をX2として示す。また、中心軸J周りの方向を「周方向」と称する。
【0015】
<1.検査装置の全体構成>
図1は、本発明の例示的な実施形態に係る検査装置の全体構成を示す概略図である。なお、
図1において、軸方向一方X1側は下方、軸方向他方X2側は上方に相当する。
【0016】
図1に示す検査装置25は、検査対象30の電気的検査を行う。検査装置25は、検査治具10と、検査処理部15と、を備える。検査治具10は、例えば、いわゆるプローブカードとして構成される。
【0017】
検査対象30は、例えば、シリコンなどの半導体基板に複数の回路が形成された半導体ウェハである。半導体ウェハは、ダイシングされることにより、上記回路の個々を有する半導体チップに個片化される。なお、検査対象30は、半導体ウェハ以外にも例えば、半導体チップ、CSP(Chip size package)、または半導体素子等の電子部品とすることができる。
【0018】
また、検査対象30は、基板としてもよい。この場合、検査対象30は、例えば、プリント配線基板、ガラスエポキシ基板、フレキシブル基板、セラミック多層配線基板、半導体パッケージ用のパッケージ基板、インターポーザ基板、フィルムキャリア等の基板であってもよく、液晶ディスプレイ、EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、タッチパネルディスプレイ等のディスプレイ用の電極板、またはタッチパネル用の電極板であってもよい。
【0019】
また、EMIB(Embedded Multi-die Interconnect Bridge)と呼ばれるパッケージング技術による製品を検査対象30としてもよい。EMIBでは、シリコンブリッジと呼ばれる小さなシリコン基板をパッケージ樹脂基板に埋め込み、シリコンブリッジの表面に微細且つ高密度な配線を形成することで、隣り合うシリコンダイをパッケージ樹脂基板に近接搭載する。
【0020】
図1に示すように、検査治具10は、プローブヘッド1と、ピッチ変換ユニット4と、接続プレート5と、を備える。プローブヘッド1は、接触端子(プローブ)2と、支持部材3と、を有する。
【0021】
支持部材3は、複数本の棒状に形成される接触端子2を支持する。すなわち、検査治具10は、複数の接触端子2と、複数の接触端子2を支持する支持部材3と、を備える。
【0022】
ピッチ変換ユニット4は、支持部材3の上方に配置され、支持部材3に固定される。接触端子2は、軸方向一方X1側に一端部2Aを有し、軸方向他方X2側に他端部2Bを有する。他端部2Bは、ピッチ変換ユニット4の下端部に設けられる各第1電極41と接続される。
【0023】
上記各第1電極41は、ピッチ変換ユニット4内部に形成される不図示の配線部を介して、ピッチ変換ユニット4の上端部に形成される各第2電極と導通される。ピッチ変換ユニット4は、接触端子2間の第1ピッチを上記第2電極間の第2ピッチへ変換する。第2ピッチは、第1ピッチよりも長い。
【0024】
接続プレート5は、ピッチ変換ユニット4を着脱可能に構成される。接続プレート5には、上記第2電極と接続される不図示の複数の電極が形成される。接続プレート5の上記各電極は、例えば不図示のケーブルまたは接続端子等により検査処理部15と電気的に接続される。
【0025】
検査処理部15は、例えば電源回路、電圧計、電流計、およびマイクロコンピュータ等を備える。検査処理部15は、不図示の駆動機構を制御して検査治具10を移動させる。
【0026】
検査対象30が例えば半導体ウェハである場合、検査対象30において、ダイシング後に形成される半導体チップの個々に対応する回路ごとに、複数のパッドまたは複数のバンプ等の検査点が形成される。検査処理部15は、検査対象30に形成された複数の回路のうち一部の領域を検査領域として、検査領域内の各検査点と接触端子2が上下方向に対向する位置に検査治具10を移動させる。このとき、検査治具10は、接触端子2の一端部2Aを検査対象30側へ向けた状態である。
【0027】
そして、検査処理部15は、検査治具10を下方に移動させて、検査領域内の各検査点に接触端子2を接触させる。これにより、各検査点と検査処理部15とが電気的に接続される。
【0028】
検査処理部15は、上記の状態で各接触端子2を介して検査対象30の各検査点に検査用の電流または電圧を供給し、各接触端子2から得られた電圧信号または電流信号に基づき、例えば回路パターンの断線または短絡等の検査対象30の検査を実行する。または、検査処理部15は、交流の電流または電圧を各検査点に供給することにより各接触端子2から得られた電圧信号または電流信号に基づき、検査対象30のインピーダンスを測定してもよい。
【0029】
すなわち、検査装置25は、検査治具10と、接触端子2を検査対象30に設けられた検査点に接触させることにより得られる電気信号に基づき、検査対象30の検査を行う検査処理部15と、を備える。
【0030】
検査対象30における検査領域内の検査が完了すると、検査処理部15は、検査治具10を上方に移動させ、新たな検査領域に対応した位置に検査治具10を平行移動させ、検査治具10を下方に移動させて新たな検査領域内の各検査点に接触端子2を接触させて検査を行う。このように、検査領域を順次変更しつつ検査を行うことで、検査対象30全体の検査が行われる。
【0031】
なお、検査治具10の位置は固定させ、検査対象30を検査治具10に対して移動させる構成としてもよい。
【0032】
<2.接触端子の構成>
次に、接触端子2の構成について、より詳細に説明する。
図2は、接触端子2を筒状体20、第1導体21、および第2導体22に分解して示す側面図である。
図3は、接触端子2を筒状体20、第1導体21、および第2導体22に分解して示す上面図である。
【0033】
図2、
図3に示すように、接触端子2は、接触端子2の軸方向に延びる筒状体20と、導電性を有する棒状の第1導体(プランジャー)21および第2導体(プランジャー)22と、を備える。第1導体21および第2導体22は、例えばニッケル合金などの導電性材により形成される。
【0034】
筒状体20は、円筒状に形成され、例えば約25~300μmの外径と、約10~250μmの内径とを有するニッケル或いはニッケル合金のチューブを用いて形成される。また、筒状体20の内周面には、金メッキ等のメッキ層が形成されることが好ましい。さらに、筒状体20の外周面を必要に応じて絶縁被覆してもよい。
【0035】
筒状体20は、第1導体21を固定するための第1胴部201を軸方向一方側端部20Aに有する。筒状体20は、第1胴部201の軸方向他方X2側に連接される第1ばね部202を有する。筒状体20は、第2導体22を固定するための第2胴部203を軸方向他方側端部20Bに有する。筒状体20は、第2胴部203の軸方向一方X1側に連接される第2ばね部204を有する。また、筒状体20は、第1ばね部202と第2ばね部204とを連結する第3胴部205を有する。
【0036】
第1ばね部202および第2ばね部204は、筒状体20の周面に沿って螺旋状に延びる螺旋状体として形成される。すなわち、筒状体20は、筒状体20の周面に沿う螺旋状に構成されるばね部202,204を有する。
【0037】
このような螺旋状体を有する筒状体を製造するには、例えば、芯材の外周にメッキにより金メッキ層を形成した後、形成された金メッキ層の外周に電鋳によりニッケル電鋳層を形成する。ニッケル電鋳層の外周にレジスト層を形成した後、レーザーで露光してレジスト層の一部を螺旋状に除去する。レジスト層をマスキング材としてエッチングを行い、螺旋状にレジスト層を除去した箇所のニッケル電鋳層を除去する。そして、レジスト層を除去した後、ニッケル電鋳層が螺旋状に除去された箇所の金メッキ層を除去し、金メッキ層をニッケル電鋳層の内周に残したまま芯材を除去して筒状体を形成する。
【0038】
第1胴部201、第2胴部203、および第3胴部205は、螺旋状が構成されない筒状である。
【0039】
なお、筒状体20の形状は、円筒状に限らず、例えば軸方向断面視で四角形または六角形などの角形環状を有する筒状としてもよい。
【0040】
図2、
図3に示すように、第1導体21は、第1突出部211と、第1挿入部212と、を有する。ここで、
図4に、第1導体21の斜視図を示す。
【0041】
図4に示す第1導体21は、軸方向に垂直な方向(軸垂直方向)を積層方向としてMEMS技術による積層によって形成される。
図4には、軸垂直方向の一方側をY1、他方側をY2として示す。MEMS技術ではフォトリソグラフィを用いる。MEMS技術によって第1導体21を製造することにより、量産時にコストを低減できること、複雑な造形が可能なこと、および、微細化した造形が可能なこと、などの効果を享受できる。
【0042】
第1突出部211は、棒状本体部211Aと、棒状本体部211Aの軸方向他方X2側に連接される鍔部211Bと、を有する。棒状本体部211Aの軸方向一方X1側に配置される先端部211A1は、後述するように検査対象30の検査点と接触される。なお、
図4の例では、先端部211A1は、平面状としているが、これに限らず、例えば円錐状、円錐台状、または半球状などとしてもよい。
【0043】
第1挿入部212は、第1挿入部212の軸方向一方側端部2121においてスナップフィット部212Aを有する。スナップフィット部212Aは、第1挿入部212の外周に沿って形成され、鍔部211Bの軸方向他方X2側に連接される。スナップフィット部212Aは、第1挿入部212を筒状体20の第1胴部201に固定するための部位であり、その構成の詳細については後述する。MEMS技術によってスナップフィット部212Aを形成しやすくなる。
【0044】
また、第1挿入部212は、第1挿入部212の軸方向他方側端部2122において第1接触部212Bを有する。第1接触部212Bは、軸方向に沿う第1平面212B1を有する。第1接触部212Bは、軸方向に垂直な方向Y1,Y2を積層方向とする積層構成を有することになる。これにより、MEMS技術により第1接触部212Bを高精度に製作することが可能となる。
【0045】
また、第1平面212B1は、積層方向に対して垂直な平面である。第1平面212B1を積層方向に沿った平面として形成することも可能であるが、積層方向に対して垂直な平面としたほうが第1平面212B1を高精度に形成できる。
【0046】
このような構成の第1導体21を筒状体20に組み付ける際には、
図2、
図3の破線矢印に示すように、第1接触部212Bを筒状体20の第1胴部201へ挿入し、第1導体21を筒状体20内部へ押し込むと、スナップフィット部212Aにより第1挿入部212は、第1胴部201に固定される。この状態で、鍔部211Bは筒状体20の軸方向一方側端面20A1に当接される。従って、鍔部211Bおよび棒状本体部211Aは、筒状体20より軸方向一方X1側に配置される。すなわち、第1導体21は、筒状体20より軸方向一方X1側に突出する第1突出部211を有する。
【0047】
ここで、
図5Aに、接触端子2の側面図を示し、
図6に、接触端子2の上面図を示す。すなわち、
図5Aおよび
図6は、第1導体21および第2導体22を筒状体20に組み付けた状態を示す。なお、
図5Bは、
図5Aのように第1導体21および第2導体22を筒状体20に組み付けた状態での第1導体21および第2導体22のみを示す側面図である。
【0048】
また、スナップフィット部212Aとの嵌合のために第1胴部201には周方向切欠き201B1,201B2(
図3参照)が設けられる。第1挿入部212は、筒状体20の外周20Cより内部に配置される。第1挿入部212は、筒状体20の軸方向一方側端部20Aに固定されている。第1挿入部212の固定は、スナップフィットによるが、これに限らず、圧入、溶接、カシメ等によってもよい。従って、第1導体21は、筒状体20の外周20Cより内部に配置されて筒状体20の軸方向一方側端部20Aに固定される第1挿入部212を有する。なお、周方向切欠き201B1,201B2の構成については、後に詳述する。
【0049】
また、第2導体22は、
図2、
図3に示すように、第2突出部221と、第2挿入部222と、を有する。
【0050】
第2導体22も、第1導体21と同様に、軸方向に垂直な方向を積層方向としてMEMS技術による積層によって形成され、第1導体21と同様の効果を享受できる。
【0051】
第2突出部221は、
図3に示すように、棒状本体部221Aと、棒状本体部221Aの軸方向一方X1側に連接される鍔部221Bと、を有する。棒状本体部221Aの軸方向他方側端部2211に配置される先端部221A1は、ピッチ変換ユニット4の第1電極41と接触される。なお、
図3の例では、先端部221A1は、平面状としているが、これに限らない。先端部211A1と同様である。
【0052】
第2挿入部222は、第2挿入部222の軸方向他方側端部2221においてスナップフィット部222Aを有する。スナップフィット部222Aは、第2挿入部222の外周に沿って形成され、鍔部221Bの軸方向一方X1側に連接される。スナップフィット部222Aは、第2挿入部222を筒状体20の第2胴部203に固定するための部位であり、その構成はスナップフィット部212Aと同様である。
【0053】
また、第2挿入部222は、第2挿入部222の軸方向一方側端部2222において第2接触部222Bを有する。第2接触部222Bは、軸方向に沿う第2平面222B1を有する。第2接触部222Bは、軸方向に垂直な方向を積層方向とする積層構成を有することになる。これにより、MEMS技術により第2接触部222Bを高精度に製作することが可能となる。
【0054】
また、第2平面222B1は、積層方向に対して垂直な平面である。第2平面222B1を積層方向に沿った平面として形成することも可能であるが、積層方向に対して垂直な平面としたほうが第2平面222B1を高精度に形成できる。
【0055】
このような構成の第2導体22を筒状体20に組み付ける際には、
図2、
図3の破線矢印に示すように、第2接触部222Bを筒状体20の第2胴部203へ挿入する。第2導体22を筒状体20内部へ押し込むと、スナップフィット部222Aにより第2挿入部222は、第2胴部203に固定される。この状態で、鍔部221Bは筒状体20の軸方向他方側端面20B1に当接される。従って、鍔部221Bおよび棒状本体部221Aは、筒状体20より軸方向他方X2側に配置される。すなわち、第2導体22は、筒状体20より軸方向他方X2側に突出する第2突出部221を有する。
【0056】
また、スナップフィット部222Aとの嵌合のために第2胴部203には、第1胴部201と同様に周方向切欠き203B1,203B2(
図3参照)が設けられる。第2挿入部222は、筒状体20の外周20Cより内部に配置される。第2挿入部222は、筒状体20の軸方向他方側端部20Bに固定されている。第2挿入部222の固定は、スナップフィットによるが、これに限らず、圧入、溶接、カシメ等によってもよい。従って、第2導体22は、筒状体20の外周20Cより内部に配置されて筒状体20の軸方向他方側端部20Bに固定される第2挿入部222を有する。
【0057】
なお、スナップフィット部212Aによる固定箇所と、スナップフィット部222Aによる固定箇所は、軸方向視において、中心軸J周りの180°離れた角度位置に配置される。
【0058】
第1導体21および第2導体22を筒状体20に組み付けた状態では、
図5Bに示すように、第1接触部212Bの第1平面212B1と、第2接触部222Bの第2平面222B1は接触する。すなわち、第1平面212B1と第2平面222B1は、第1ばね部202および第2ばね部204の自然状態において接触する。これにより、第1ばね部202および第2ばね部204が軸方向に圧縮されると、第1平面212B1と第2平面222B1は、互いに摺動しつつ接触する。すなわち、ばね部202,204の自然状態から第1接触部212Bおよび第2接触部222Bが移動した場合に、第1平面212B1と第2平面222B1との接触は維持されるので、第1導体21と第2導体22との導通状態が安定化する。
【0059】
ここで、
図7は、接触端子2を支持部材3により支持させた状態を示す図である。
図7に示すように、支持部材3は、上側支持体31と、中間支持体32と、下側支持体33と、を有する。下側支持体33は、軸方向に貫通する貫通孔である支持孔33Aを有する。支持孔33Aの軸方向視の断面積は、棒状本体部211Aの軸方向視の断面積よりも若干大きく、且つ鍔部211Bの軸方向視の断面積よりも小さい。これにより、棒状本体部211Aを支持孔33Aに挿入可能であり、且つ鍔部211Bにより接触端子2の脱落が防止される。
【0060】
中間支持体32は、下側支持体33よりも上方に配置され、支持孔33Aと同軸の貫通孔である支持孔32Aを有する。支持孔32Aの軸方向視の断面積は、第3胴部205の軸方向視の外形断面積よりも若干大きい。これにより、第3胴部205を支持孔32Aに挿入可能である。
【0061】
上側支持体31は、中間支持体32よりも上方に配置され、支持孔32Aと同軸の貫通孔である支持孔31Aを有する。支持孔31Aの軸方向視の断面積は、第2胴部203および第2突出部221の軸方向視の外形断面積よりも若干大きい。これにより、第2胴部203および第2突出部221を支持孔31Aに挿入可能である。
【0062】
接触端子2を支持部材3により支持させる際には、棒状本体部211Aを上方から支持孔31A、支持孔32A、および支持孔33Aに順に挿通させる。なお、支持孔31A,32Aは、鍔部211Bを挿通可能とする軸方向視の断面を有する。
【0063】
また、その他にも、支持部材3は、上側支持体31と、中間支持体32と、下側支持体33のそれぞれに分解可能としてもよい。この場合、下側支持体33に棒状本体部211Aを挿入する。次に、中間支持体32に第3胴部205を挿入させつつ中間支持体32を下側支持体33に固定する。そして、上側支持体31に第2胴部203および第2突出部221を挿入させつつ上側支持体31を中間支持体32に固定する。
【0064】
接触端子2と支持部材3によりプローブヘッド1を組み立てた状態では、棒状本体部211Aが支持孔33Aに挿入される。鍔部211Bが下側支持体33の上面に当接される。第3胴部205が支持孔32Aに挿入される。第2胴部203および第2突出部221が支持孔31Aに挿入される。これにより、接触端子2は支持部材3により支持される。
【0065】
そして、第2突出部221の先端部221A1をピッチ変換ユニット4の下面に露出される第1電極41に接触させつつ上側支持体31の上面をピッチ変換ユニット4の下面に押し当てる。これにより、支持部材3をピッチ変換ユニット4に固定する。このとき、第1ばね部202および第2ばね部204が軸方向に圧縮され、第1平面212B1と第2平面222B1は、互いに摺動しつつ接触する。これにより、先端部221A1は、ばね部202,204の弾性力により第1電極41に押し当てられ、先端部221A1と第1電極41とが安定した導通接触状態に保持される。
【0066】
さらに、検査対象30の検査を行う場合、棒状本体部211Aの先端部211A1を検査対象30の検査点301に接触させる。このとき、先端部211A1には軸方向他方X2側への力が加わり、第1ばね部202および第2ばね部204は軸方向に圧縮される。これにより、ばね部202,204による弾性力により、先端部211A1は検査点301に押し当てられ、先端部211A1と検査点301とが安定した導通接触状態に保持される。このとき、第1平面212B1と第2平面222B1は、互いに摺動しつつ接触する。
【0067】
検査対象20の検査を行う場合に、第1ばね部202および第2ばね部204は最も圧縮される状態となる。この状態において、第1接触部212Bの軸方向他方側端面212B21(
図5B参照)は第2挿入部222に接触せず、第2接触部222Bの軸方向一方側端面222B21(
図5B参照)は第1挿入部212に接触しない。
【0068】
このように、第1平面212B1と第2平面222B1とは接触する。ここで、
図8は、接触端子2の概略的な側面断面図である。
図8に示すように、第1平面212B1と第2平面222B1とが接触することにより、摺動接点CP1が形成される。電流経路は、
図8の矢印で示すように、筒状体20を介さずに摺動接点CP1を介して第1導体21および第2導体22を流れる経路とすることができる。従って、接点の数を削減し、接触端子2内部の接触抵抗を低減できる。
【0069】
ここで、
図9は、比較例に係る第1導体210の斜視図である。第1導体210は、旋盤による切削加工により形成される。第1導体210は、第1突出部2101と、第1挿入部2102と、を有する。第1突出部210は、棒状本体部2101Aと、鍔部2101Bと、を有する。第1挿入部2102は、棒状本体部2102Aと、棒状本体部2102Aの軸方向一方X1側に連接される圧入部2102Bと、を有する。圧入部2102Bの外径は、棒状本体部2102Aの外径よりも大きい。
【0070】
図10は、比較例に係る接触端子2Xの概略的な側面断面図である。比較例に係る接触端子2Xは、筒状体200と、第1導体210と、第2導体220と、を有する。筒状体200は、第1胴部2001と、第1ばね部2002と、第2胴部2003と、第2ばね部2004と、第3胴部2005と、を有する。
【0071】
図10に示すように、第1導体210を筒状体200に組み付ける際には、棒状本体部2102Aが筒状体200内部に挿入され、第1胴部2001に圧入部2102Bが圧入によって固定される。これにより、第1突出部210は、筒状体200より軸方向一方X1側に突出し、棒状本体部2102Aの軸方向他方X2側に設けられる先端部2102A1は、第3胴部2005内部に位置する。
【0072】
一方、第2導体220は、第2突出部2201と、第2挿入部2202と、を有する。第2挿入部2202は、棒状本体部2202Aと、圧入部2202Bと、を有する。棒状本体部2202Aが筒状体200内部に挿入され、圧入部2202Bは圧入によって第2胴部2003に固定される。これにより、第2突出部2201は、筒状体200より軸方向他方X2側に突出する。棒状本体部2202Aの軸方向一方X1側に設けられる先端部2202A1は、第3胴部2005内部に位置する。
【0073】
このような比較例に係る接触端子2Xにおいては、
図10に示すように、棒状本体部2102Aと第3胴部2005との接触による摺動接点CP11と、棒状本体部2202Aと第3胴部2005との接触による摺動接点CP12とが形成される。これにより、
図10に矢印で示すように、電流経路は、摺動接点CP11,CP12を介した第1導体210、筒状体200、および第2導体220を流れる経路となる。従って、摺動接点の数が増え、接触端子内部の接触抵抗が増大する。
【0074】
図11は、
図8における摺動接点CP1での軸方向視のA-A断面図を示す。
図11に示すように、軸方向視において、第1接触部212Bの断面および第2接触部222Bの断面ともに、半円に沿う形状である。すなわち、第1平面212B1と第2平面222B1とが接触する面において、第1接触部212Bの軸方向視の断面と、第2接触部222Bの軸方向視の断面とは略同一の形状である。これにより、第1平面212B1と第2平面222B1との接触面積を大きくすることができる。
【0075】
また、
図11に示すように、第1接触部212Bおよび第2接触部222Bは、軸方向に垂直な方向を積層方向とする積層構成を有する。これにより、接触部212B,222Bと筒状体20との接触が軸方向断面視で点接触となるが、本実施形態では電流経路は上記点接触による接点を介さない。
【0076】
これに対し、先述した比較例に係る接触端子2Xでは、次のようなことが考えられる。
図12は、
図10に示す比較例に係る接触端子2Xにおける摺動接点CP11,CP12での軸方向視のB-B断面図を示す。また、
図13は、
図10に示す比較例に係る接触端子2Xにおける第1導体210および第2導体220を仮に軸方向に垂直な方向を積層方向とする積層構成として形成した場合の、摺動接点CP11,CP12での軸方向視のB-B断面図を示す。
【0077】
図12では第1導体210または第2導体220と筒状体200との接触が軸方向断面視で面接触となるが、
図13では軸方向断面視で点接触となる。
図13では、電流経路は筒状体200を介するので、
図12よりも電流経路の電気抵抗値が大きくなると考えられる。
【0078】
<3.スナップフィット構造>
次に、第1導体21または第2導体22を筒状体20に固定するためのスナップフィット構造について具体的に説明する。
【0079】
図14は、第1導体21を筒状体20に固定するためのスナップフィット構造に関する要部拡大図である。筒状体20の第1胴部201は、第1端部側切欠き201Aと、第1周方向切欠き201B1と、第2周方向切欠き201B2と、を有する。第1端部側切欠き201Aは、筒状体20の軸方向一方側端面20A1から軸方向他方X2側へ向かって切り込まれた形状に形成される。第1周方向切欠き201B1は、第1端部側切欠き201Aの軸方向他方X2側に連接され、第1端部側切欠き201Aの周方向第1端部201A1より第1端部側切欠き201Aから離れる周方向に沿って切り込まれた形状に形成される。第2周方向切欠き201B2は、第1端部側切欠き201Aの軸方向他方X2側に連接され、第1端部側切欠き201Aの周方向第2端部201A2より第1端部側切欠き201Aから離れる周方向に沿って切り込まれた形状に形成される。
【0080】
すなわち、筒状体20は、筒状体20における軸方向一方側端部20Aの周面に軸方向に沿って設けられる第1端部側切欠き201Aと、第1端部側切欠き201Aの軸方向他方X2側に連接されて第1端部側切欠き201Aの周方向第1端部201A1より第1端部側切欠き201Aから離れる周方向に沿って設けられる第1周方向切欠き201B1と、を有する。
【0081】
第1導体21の挿入部212は、先述したようにスナップフィット部212Aを有する。スナップフィット部212Aは、第1傾斜部212A1と、第1壁面部W1と、第1端部側リブ212A2と、第1中心側リブ212A3と、を有する。第1傾斜部212A1は、軸方向に垂直な方向に視て軸方向一方X1側へ向かうに従って中心軸Jより離れる傾斜面T1Aを有する。
【0082】
第1壁面部W1は、第1傾斜部212A1の軸方向一方X1側に配置される。第1挿入部212が筒状体20に挿入された状態で、第1壁面部W1の少なくとも一部は、第1周方向切欠き201B1内に配置される。このとき、第1挿入部212が軸方向に若干移動可能であることにより第1壁面部W1が筒状体20に接触可能であってもよいし、第1挿入部212が軸方向に移動不可能であることにより第1壁面部W1が常に筒状体20に接触してもよい。
【0083】
すなわち、挿入部212は、第1傾斜部212A1と、第1傾斜部212A1の軸方向一方X1側に配置される第1壁面部W1と、を有する。第1傾斜部212Aは、軸方向に垂直な方向に視て軸方向一方X1側へ向かうに従って中心軸Jより離れる傾斜面T1Aを有する。第1壁面部W1は、筒状体20と接触可能である。
【0084】
これにより、第1導体21を筒状体20に固定する際、第1傾斜部212A1を筒状体20の軸方向一方側端面20A1に当てて第1導体21を筒状体20内部へ押し込むと、第1端部側切欠き201Aが弾性変形によって拡がる。第1導体21をさらに押し込むと、第1端部側切欠き201Aの形状が元に戻り、第1壁面部W1の少なくとも一部が第1周方向切欠き201B1内に位置する。このとき、第1壁面部W1は、筒状体20と接触可能となる。従って、第1導体21の筒状体20からの抜けを抑制することを容易な組み立てによって実現できる。
【0085】
ここで、
図15は、先述した比較例に係る接触端子2Xにおける第1導体210を筒状体200へ固定するための圧入構造に関する要部拡大図である。
図15に示すように、第1導体210の圧入部2102Bと固定するために、筒状体200の第1胴部2001においては、軸方向一方側端面2001Aから軸方向他方X2側へ向かって切り込んだ形状の切欠きSが設けられる。
【0086】
第1導体210を筒状体200に固定する前の状態では、圧入部2102Bの外径は、第1胴部2001の内径よりも大きい。これにより、第1導体210の棒状本体部2102Aを筒状体200内部へ挿入して圧入部2102Bを筒状体200内部へ押し込むと、切欠きSが拡がり、圧入部2102Bが第1胴部2001に圧入固定される。
【0087】
しかしながら、このような圧入による固定構造よりも本実施形態のようなスナップフィットによる固定構造のほうが第1導体21の筒状体20からの抜けを抑制できる。また、
図15に比べて本実施形態に係る
図14の構成であれば、第1挿入部212の太さを軸方向の途中で太くする必要が無い。これにより、接触端子2の径を小さくすることができ、接触端子2同士の間隔を狭くすることができる。
【0088】
ここで、
図16Aに示すように、第1壁面部W1は、軸方向に垂直な方向から視て、軸方向に対して垂直に延びる。これにより、第1壁面部W1が第1周方向切欠き201B1の軸方向一方側端部201B1Tに当たることで、第1導体21の抜けを抑制できる。
【0089】
なお、第1壁面部W1の構成については上記に限らない。例えば、
図16Bに示すように、第1壁面部W1は、軸方向に垂直な方向から視て、軸方向一方X1側へ向かうに従って中心軸Jに近づく構成でもよい。これにより、第1挿入部212を筒状体20へ挿入する際に、第1端部側切欠き201Aは一旦拡がった後、徐々に狭まる。従って、この第1端部側切欠き201Aの変化を確認することで、作業者は第1挿入部212をより確実に筒状体20に固定することができる。また、第1挿入部212を固定した状態で第1導体21は軸方向一方X1側へ若干移動できる。作業者は、この移動可能な状態を確認することで、第1挿入部212の固定を確認できる。
【0090】
また、
図16Cに示すように、第1壁面部W1は、軸方向に垂直な方向から視て、軸方向一方X1側へ向かうに従って中心軸Jから離れる構成でもよい。これにより、第1導体21の抜けをより抑制することができる。
【0091】
第2壁面部W2は、第1傾斜部212A1の軸方向一方X1側に連接されて軸方向に直線状に延びる。これにより、第1端部側切欠き201Aを均一に拡げた状態で第1挿入部212を筒状体20内部へ移動できる。
【0092】
なお、第2壁面部W2は、必ずしも設けてなくてもよい。すなわち、第1傾斜部212A1に第1壁面部W1を連接させてもよい。
【0093】
また、第1壁面部W1の軸方向一方X1側には、第1端部側リブ212A2が連接される。第1端部側リブ212A2の軸方向一方X1側には、鍔部211Bが連接される。第1導体21を筒状体20に固定させる際、第1端部側リブ212A2が第1端部側切欠き201A内に収容される。このとき、筒状体20の軸方向一方側端面20A1は、鍔部211Bと軸方向に対向する。
【0094】
すなわち、突出部211は、筒状体20の軸方向一方側端面20A1と軸方向に対向する鍔部211Bを有する。これにより、鍔部211Bが筒状体20の軸方向一方側端面20A1に当接することにより、第1導体21の軸方向への挿入が規制される。
【0095】
第1端部側リブ212A2は、第1端部側切欠き201A内に収容された状態で、第1端部側切欠き201Aの周方向端面201A3間に配置される。すなわち、挿入部212は、第1端部側切欠き201Aの周方向端面201A3間に配置される第1端部側リブ212A2を有する。これにより、第1導体21の筒状体20に対する軸方向周りの回転位置決めを行うことができる。本実施形態では、第1平面212B1と第2平面222B1とを接触させる。このため、良好な接触状態を得るために第1導体21の回転位置決めを行える構成としている。
【0096】
また、第1傾斜部212A1の軸方向他方X2側には、第1中心側リブ212A3が連接される。すなわち、挿入部212は、第1傾斜部212A1の軸方向他方X2側に配置される第1中心側リブ212A3を有する。第1中心側リブ212A3は、幅Wbを有するガイド部G1を有する。幅Wbは、第1端部側切欠き201Aの周方向端面201A3間の幅Waと略同一である。
【0097】
これにより、ガイド部G1をガイドとして第1端部側切欠き201Aを移動させることで、第1端部側切欠き201Aの回転位置を規定しつつ第1端部側切欠き201Aを第1傾斜部212A1に当てることができる。
【0098】
第1中心側リブ212A3は、ガイド部G1の軸方向他方X2側に連接されて、軸方向に垂直な方向に視て軸方向他方X2側へ向かうに従って中心軸Jに近づく傾斜面T2Aを有する第2傾斜部T2を有する。これにより、第1端部側切欠き201Aを第2傾斜部T2に当てれば、第1端部側切欠き201Aは第2傾斜部T2をガイドとしてガイド部G1まで移動できる。
【0099】
また、第1胴部201は、第1周方向切欠き201B1および第2周方向切欠き201B2に連接され、第1胴部201の周面において軸方向に沿って形成される第1中心側切欠き201Cを有する。すなわち、筒状体20は、筒状体20の周面に軸方向に沿って設けられる第1中心側切欠き201Cを有する。第1中心側リブ212A3は、第1中心側切欠き201Cの周方向端面201C1間に配置される。
【0100】
これにより、第1導体21の筒状体20に対する軸方向周りの回転位置決めを行うことができる。先述のように、第1平面212B1と第2平面222B1との良好な接触状態を得るために第1導体21の回転位置決めを行えることは有効である。
【0101】
なお、先述した
図14に示すスナップフィットによる固定構造は、第2導体22を筒状体20にスナップフィットにより固定する構造にも適用される。すなわち、第2導体22のスナップフィット部222Aの構成は、スナップフィット部212Aの構成に対応し、筒状体20の第2胴部203における切欠き構成は、第1胴部201の構成に対応する。なお、スナップフィット部212Aとスナップフィット部222Aのいずれか一方を設けず、代わりに圧入などによる固定構造を設けてもよい。
【0102】
すなわち、筒状体20は、筒状体20における軸方向一方側端部20Aの周面に軸方向に沿って設けられる第1端部側切欠き201Aと、筒状体20における軸方向他方側端部20Bの周面に軸方向に沿って設けられる第2端部側切欠き203A(
図3参照)と、のうち少なくとも一方を有する。第1端部側切欠き201Aが設けられる場合、第1挿入部212は、第1端部側切欠き201Aの周方向端面201A3間に配置される第1端部側リブ212A2を有する。第2端部側切欠き203Aが設けられる場合、第2挿入部222は、第2端部側切欠き203Aの周方向端面間に配置される第2端部側リブ222A1(
図3参照)を有する。これにより、第1導体21および第2導体22の少なくとも一方の周方向の回転が規制され、第1平面212B1と第2平面222B1とを接触させる第1導体21および第2導体22の少なくとも一方の回転位置決めを行える。すなわち、第1導体21および第2導体22の少なくとも一方を筒状体20に挿入して接触端子2を製造するときに、回転が規制されているため、第1導体21および第2導体22の少なくとも一方を挿入しやすくなる。すなわち、組立て性を向上させつつ電流経路の電気抵抗値を低減できる。
【0103】
また、
図5Bに示すように、第1接触部212Bの軸方向他方側端部212B2には、第1平面212B1と第2平面222B1との接触位置から軸方向他方X2側へ向かうに従って第2平面222B1から離れる第1面取り部212B22または第1アール部212B22が設けられる。第2接触部222Bの軸方向一方側端部222B2には、第1平面212B1と第2平面222B1との接触位置から軸方向一方X1側へ向かうに従って第1平面212B1から離れる第2面取り部222B22または第2アール部222B22が設けられる。
【0104】
これにより、第1導体21および第2導体22の少なくとも一方を筒状体20に挿入する際に、滑らかに挿入することが可能となる。
【0105】
図17は、第1導体21を筒状体20に固定するためのスナップフィット構造の一変形例に関する要部拡大図である。
【0106】
図17に示す構成では、先述した
図14と異なり、第1周方向切欠き201B1は、第1端部側切欠き201Aの周方向第1端部201A1より第1端部側切欠き201Aから離れる周方向に沿って設けられ、第2周方向切欠き201B2は設けられない。これに応じて、第1傾斜部212A1および第1壁面部W1は、軸方向に垂直な方向に視て、中心軸Jに対して一方側のみに形成される。このような構成によっても、第1壁面部W1が筒状体20と接触可能であることにより、第1導体21の筒状体20からの抜けは抑制される。
【0107】
但し、
図14に示すように、筒状体20が、第1端部側切欠き201Aの周方向第2端部201A2より第1端部側切欠き201Aから離れる周方向に沿って設けられる第2周方向切欠き201B2を有する構成のほうが、第1導体21の抜けをより抑制できる。
【0108】
<4.変形例>
次に、第1変形例に係る接触端子について説明する。
図18は、第1変形例に係る接触端子における第1導体21V1と第2導体22V1との接触構成を要部的に示す図である。
図18は、不図示の筒状体のばね部が自然状態での図である。
【0109】
図18において、軸垂直方向の一方側をY1とし、他方側をY2側として示す。すなわち、
図18において、紙面手前側が軸垂直方向一方Y1側であり、紙面奥側が軸垂直方向他方Y2側である。
【0110】
第1導体21V1および第2導体22V1は、MEMS技術により軸垂直方向に沿って積層されて構成される。第1導体21V1の第1挿入部212は、第1接触部212Bを有する。第1接触部212Bは、軸垂直方向に沿って形成される第1平面212B1を有する。第2導体22V1の第2挿入部222は、第2接触部222Bを有する。第2接触部222Bは、軸垂直方向に沿って形成される第2平面222B1を有する。すなわち、第1平面212B1および第2平面222B1は、積層方向に沿う平面である。第1平面212B1と第2平面222B1は、接触する。
【0111】
また、
図18に示すように第1導体21V1の第1挿入部212は、スナップフィット部212Aを有する。ここで、スナップフィット部212Aの詳細について説明する。
【0112】
図19に示すように、スナップフィット部212Aは、軸垂直方向を積層方向とした積層構成を有し、軸垂直方向一方Y1側を1層目とすれば、1層目に頂部リブ212A4を有する。頂部リブ212A4は、軸方向他方X2側へ向かうに従って幅が狭まる先端部212A41を軸方向他方X2側に有する。
【0113】
スナップフィット部212Aは、2層目および3層目に、傾斜面T1Aを有する第1傾斜部212A1を有する。スナップフィット部212Aは、2層目および3層目に、傾斜面T1Aと軸方向一方X1側に連接されたアール部R1を有する。
【0114】
また、スナップフィット部212Aは、2層目および3層目に、軸方向に垂直な方向から視て、軸方向に対して垂直に延びる第1壁面部W1を軸方向一方X1側に有する。なお、第1壁面部W1は、これに限らず、先述した
図16Bまたは
図16Cで示した構成としてもよい。
【0115】
第1導体21V1を筒状体20に固定する際は、先端部212A41を第1端部側切欠き201Aに挿入する。そして、第1導体21V1を軸方向他方X2側へ押し込むと、第1傾斜部212A1と第1胴部201の内周面2011との接触により第1端部側切欠き201Aは徐々に拡がり、アール部R1と内周面2011との接触により第1端部側切欠き201Aは最も拡がる。
【0116】
図20Aは、アール部R1と内周面2011とが接触して第1端部側切欠き201Aが拡がった状態での軸方向視の断面図である。軸方向に垂直な方向から視て中心軸Jを挟んだ両側のアール部R1間の幅は、第1挿入部212の軸方向における最大幅Wmaxとなる。すなわち、
図20Aは、第1挿入部212の幅が最大となる軸方向位置での第1挿入部212の断面を示す。
【0117】
第1導体21V1をさらに軸方向他方X2側に押し込むことで第1壁面部W1が第1端部側切欠き201Aより軸方向他方X2側へ位置すると、第1端部側切欠き201Aは元の形状に戻る。このとき、第1壁面部W1の少なくとも一部は、第1周方向切欠き201B1内に配置され、第1壁面部W1は筒状体20と接触可能となる。
【0118】
図20Bは、第1壁面部W1の少なくとも一部が第1周方向切欠き201B1内に配置された状態での軸方向視の断面図である。
図20Bは、第1挿入部212における
図20Aと同様の軸方向位置での断面を示す。
図20Bに示すように、第1端部側切欠き201Aが元の形状に戻ることにより、第1挿入部212の断面は、第1胴部201と重なる部分Ov1(ハッチング部)を有する。
【0119】
すなわち、第1挿入部212の幅が最大となる軸方向位置での第1挿入部212の断面は、軸方向に視て、筒状体20と重なる部分Ov1を有する。これにより、第1挿入部212の筒状体20からの抜けを抑制できる。
【0120】
なお、第1壁面部W1の少なくとも一部が第1周方向切欠き201B1内に配置された状態で、頂部リブ212A4は、第1端部側切欠き201Aの周方向端面201A3間、および第1中心側切欠き201Cの周方向端面201C1間に配置される。これにより、第1導体21V1の筒状体20に対する回転が規制される。
【0121】
図21は、第2変形例に係る接触端子における第1導体21V2および筒状体20V2を要部的に示す図である。
図21に示すように、第2変形例での筒状体20V2の第1胴部201は、周方向切欠きとして第1周方向切欠き201B1のみを有する。これに対応して、第1導体21V2におけるスナップフィット部212Aは、軸方向に垂直な方向から視て、中心軸Jに対して一方側のみに第1傾斜部212A1、アール部R1、および第1壁面部W1を有する。
【0122】
このような第2変形例に係る第1導体21V2を筒状体20V2に固定する際は、頂部リブ212A4の先端部212A41を第1端部側切欠き201Aに挿入し、第1導体21V2を軸方向他方X2側へ押し込む。すると、アール部R1と第1胴部201の内周面2011との接触により、第1端部側切欠き201Aが拡がる。この状態での軸方向視の断面を
図22Aに示す。
図22Aおよび後述の
図22Bは、先述した
図20Aおよび
図20Bに対応する図である。
【0123】
そして、第1導体21V2をさらに軸方向他方X2側へ押し込むと、第1端部側切欠き201Aは元の形状に戻る。この状態での軸方向視の断面を
図22Bに示す。
図22Bに示すように、第1挿入部212の幅が最大となる軸方向位置での第1挿入部212の断面は、軸方向に視て、筒状体20V2と重なる部分Ov2(ハッチング部)を有する。これにより、第1挿入部212の筒状体20V2からの抜けを抑制できる。
【0124】
<5.接触部の接触構成に関する変形例>
また、筒状体20の軸方向一方X1側における切欠き201A,201B1,201B2,201Cの位置は、筒状体20の軸方向他方X2側における各切欠きに対して中心軸J周りに180°離れた位置よりずらした位置としてもよい。この場合の一例を
図23に示す。
図23は、第1接触部212Bと第2接触部222Bとが接触する箇所における軸方向視での断面図である。なお、
図23には、第1端部側切欠き201Aに対応する筒状体20の軸方向他方側端部20Bでの第2端部側切欠き203Aを示す。
【0125】
図23に示すように、第1導体21のスナップフィットによる筒状体20への固定箇所を、第2導体22のスナップフィットによる筒状体20への固定箇所に対して中心軸J周りに180°離れた位置よりずらした位置とすることで、軸方向視において、第1平面212B1は、第2平面222B1に対して傾いて配置される。これにより、第1平面212B1を第2平面222B1に積極的に接触させることで、第1平面212B1と第2平面222B1との接触不良を抑制できる。また、第1平面212B1と第2平面222B1との間に摺動のためのクリアランスを設けることができる。
【0126】
<6.その他>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内であれば、実施形態は種々の変形が可能である。
【0127】
例えば、平面を有する接触部を設けられた導体を製造する方法としては、MEMS技術に限ることはなく、例えば、旋盤による切削加工とフライス盤による切削加工を組み合わせた方法としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0128】
本発明は、各種検査対象の電気的検査に利用することができる。
【符号の説明】
【0129】
1・・・プローブヘッド
2、2X・・・接触端子
20、20V2、200・・・筒状体
201、2001・・・第1胴部
201A・・・第1端部側切欠き
201B1・・・第1周方向切欠き
201B2・・・第2周方向切欠き
201C・・・第1中心側切欠き
202、2002・・・第1ばね部
203、2003・・・第2胴部
203A・・・第2端部側切欠き
203B1、203B2・・・周方向切欠き
204、2004・・・第2ばね部
205、2005・・・第3胴部
21、21V1、21V2、210・・・第1導体
211、2101・・・第1突出部
211A、2101A・・・棒状本体部
211B、2101B・・・鍔部
212、2102・・・第1挿入部
212A・・・スナップフィット部
212A1・・・第1傾斜部
212A2・・・第1端部側リブ
212A3・・・第1中心側リブ
212A4・・・頂部リブ
212B・・・第1接触部
212B1・・・第1平面
2102A・・・棒状本体部
2102B・・・圧入部
22、220・・・第2導体
221、2201・・・第2突出部
221A・・・棒状本体部
221B・・・鍔部
222、2202・・・第2挿入部
222A・・・スナップフィット部
222A1・・・第2端部側リブ
222B・・・第2接触部
222B1・・・第2平面
2202A・・・棒状本体部
2202B・・・圧入部
3・・・支持部材
31・・・上側支持体
31A・・・支持孔
32・・・中間支持体
32A・・・支持孔
33・・・下側支持体
33A・・・支持孔
4・・・ピッチ変換ユニット
41・・・第1電極
5・・・接続プレート
10・・・検査治具
15・・・検査処理部
25・・・検査装置
30・・・検査対象
301・・・検査点
T2・・・第2傾斜部
W1・・・第1壁面部
W2・・・第2壁面部
R1・・・アール部
G1・・・ガイド部
S・・・切欠き
J・・・中心軸
CP1、CP11、CP12・・・摺動接点
X1・・・軸方向一方側
X2・・・軸方向他方側
Y1・・・軸垂直方向一方側
Y2・・・軸垂直方向他方側