(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】基材保持装置、装置を含むシステム、およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20240625BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20240625BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
H01L21/68 T
H01L21/68 A
H01L21/68 N
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019173739
(22)【出願日】2019-09-25
【審査請求日】2022-09-09
(32)【優先日】2018-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】シバ・ケイ・ティー・ラジャベル・ムラリダ
(72)【発明者】
【氏名】サム・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・バレット・ロビンソン
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス・キング・ウィルソン,ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ニナド・ビジャイ・ソンジェ
【審査官】内田 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-086161(JP,A)
【文献】特開2003-100579(JP,A)
【文献】特開平06-244124(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1830124(KR,B1)
【文献】特表2001-526316(JP,A)
【文献】韓国特許第10-0807600(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
H01L 21/677
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材保持装置であって、前記基材保持装置が、
ベースプレートと、
前記ベースプレートに連結された少なくとも一つの側壁であって、前記少なくとも一つの側壁が、冷却流体が中を通って流れることを可能にするように構成された少なくとも一つの冷却流体管を備えるものと、
少なくとも一つの側壁の側壁に連結され、かつそれから突き出す少なくとも一つのパッドであって、基材を受けるように構成された少なくとも一つのパッドと、
前記側壁に連結された少なくとも一つの熱遮蔽体とを備える、基材保持装置。
【請求項2】
少なくとも2つの側壁を備える、請求項1に記載の基材保持装置。
【請求項3】
前記ベースプレートが冷却流体マニホールドを備える、請求項1に記載の基材保持装置。
【請求項4】
前記側壁が少なくとも一つのガス導管をさらに備える、請求項1に記載の基材保持装置。
【請求項5】
前記側壁が、少なくとも一つのガス導管に流体連結された少なくとも一つのガス開口部をさらに備え、前記少なくとも一つのガス開口部が前記少なくとも一つのパッドの上方にある、請求項4に記載の基材保持装置。
【請求項6】
前記側壁が、少なくとも一つのガス導管に流体連結された少なくとも一つのガス開口部をさらに備え、前記少なくとも一つのガス開口部が前記少なくとも一つのパッドと同じ高さにあるもの、もしくはその下にあるもののうちの少なくとも一つである、請求項4に記載の基材保持装置。
【請求項7】
前記少なくとも一つのパッドのパッドと前記側壁とに連結されたパッドマウントをさらに備える、請求項1に記載の基材保持装置。
【請求項8】
前記少なくとも一つの熱遮蔽体がニッケルを含む、請求項1に記載の基材保持装置。
【請求項9】
前記少なくとも一つの熱遮蔽体が反射コーティングを含む、請求項1に記載の基材保持装置。
【請求項10】
前記少なくとも一つの熱遮蔽体が放射材料を含む、請求項1に記載の基材保持装置。
【請求項11】
前記少なくとも一つの熱遮蔽体が、炭化ケイ素およびステンレス鋼のうちの一つ以上を含む、請求項1に記載の基材保持装置。
【請求項12】
前記側壁に連結された複数のパッドと、前記側壁に連結された複数の熱遮蔽体とを備え、前記複数のパッドおよび前記複数の熱遮蔽体が交互の構成である、請求項1に記載の基材保持装置。
【請求項13】
前記基材保持装置が約1~約25個の基材を保持するように構成されている、請求項1に記載の基材保持装置。
【請求項14】
前記少なくとも一つのパッドが石英を含む、請求項1に記載の基材保持装置。
【請求項15】
前記少なくとも一つの熱遮蔽体が前記側壁に固定的に連結されている、請求項1に記載の基材保持装置。
【請求項16】
前記基材保持装置が約2~約25個の熱遮蔽体を含む、請求項1に記載の基材保持装置。
【請求項17】
請求項
1に記載の基材保持装置を備える、ロードロック組立品。
【請求項18】
シャフトおよび前記シャフト内の冷却流体ラインをさらに備える、請求項17に記載のロードロック組立品。
【請求項19】
請求項
1に記載の基材保持装置を備える、反応器システム。
【請求項20】
請求項
1に記載の複数の保持装置を備える、請求項19に記載の反応器システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、「基材保持装置、装置を含むシステム、およびその使用方法」と題する、2018年10月1日に出願された米国仮特許出願第62/739,733号の非仮出願であり、その優先権および利益を主張するものであり、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は概して、基材処理のための装置に関する。より具体的には、本開示は、基材を保持および冷却するための装置と、装置を含む反応器システムとに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体基材などの基材を処理するための反応器システムはしばしば、一つ以上の反応チャンバ、一つ以上のロードロック、および一つ以上の基材搬送システムを含む。それぞれの反応チャンバは、基材への材料の堆積、基材からの材料のエッチング、および/または基材の表面の洗浄などの一つ以上のプロセスに使用することができる。例えば、気相反応チャンバは、基材表面上での材料の堆積、エッチング、および/または洗浄に使用することができる。ロードロックは、反応チャンバの一つ以上に入る前または出た後に、(例えば、真空条件下で)基材を一時的に保存または保持するために使用することができる。より具体的には、ロードロックは、クリーンルーム環境および/またはカセット負荷ステーションなどの周囲環境から基材を受け取ることができ、また基材を真空圧力または一つ以上の反応チャンバ内の処理条件と類似したその他の環境に晒すことができ、また基材が反応チャンバに搬送されるまで基材を保存する、および/または反応チャンバから受け取った基材を、その基材が周囲環境に搬送されるまで保存することができる。基材は、反応チャンバおよび/またはロードロックと同じ圧力もしくはほぼ同じ圧力で動作することができる基材取り扱いシステムを使用して、反応チャンバとロードロックの間で搬送されることができる。
【0004】
反応チャンバ内の多くのプロセスは、高い基材温度で実行される。高温基材が反応チャンバから除去され、ロードロック内に配置される時、基材の表面は酸化されることがあり、表面上の酸化の量は、ロードロックの熱履歴、ロードロック内の基材の位置、基材(例えば、入ってくる基材と出ていく基材)の間の熱クロストーク、およびその他これに類するものによって変化しうる。表面の酸化は、基材間で、および/または基材の表面の至るところで(例えば半径方向表面に沿って)変化しうる。表面の酸化になんらかの変動があると、その後の処理(例えば、統合的なエピタキシャル層堆積前処理および/または他の表面前処理のための天然酸化物、炭素および/または他の材料を除去するための前洗浄処理など)において、望ましくない処理変動を引き起こしかねない。
【0005】
さらに、基材がロードロックから、例えば別の反応チャンバに、または周囲環境に搬送される前に、基材が望ましい温度まで冷却されるのに比較的長い時間がかかりかねない。比較的長い冷却時間は、こうした方法を使用して形成される装置に不要な時間および費用を追加しうる。さらに、比較的高温の基材は望ましくないことに、比較的低温の基材を加熱することがある。比較的高温の基材のガス放出はまた、ロードロック内での問題を引き起こしかねない。従って、基材を保持し、望ましい温度まで急速に冷却するための改善された装置、およびこうした装置を含むシステムが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本開示のさまざまな実施形態は、例えば反応器システムのロードロック内で基材を保持するための装置に関する。本開示のさまざまな実施形態が従来の基材保持装置およびロードロックの欠点に対処する方法を下記で考察している一方、本開示のさまざまな実施形態は一般的に、基材の表面の所望の温度を急速に低下させ、基材間の熱クロストークを軽減し、基材の表面全体での温度の変化を軽減し、および/または基材表面上の汚染を低減できる基材保持装置を提供する。
【0007】
本開示の例示的な実施形態によると、基材保持装置は、ベースプレートと、ベースプレートに連結された少なくとも一つの側壁と、側壁に連結された少なくとも一つの熱遮蔽体とを含む。基材保持装置はまた、少なくとも一つの側壁のうちの一つの側壁に連結された、かつそこから突き出している少なくとも一つのパッドを含みうる。これらの実施形態のさまざまな態様によると、少なくとも一つのパッドは、半導体ウエハーなどの基材を受けるように構成されている。さらなる態様によると、少なくとも一つの側壁は、冷却流体が通って流れることを可能にするように構成された少なくとも一つの冷却流体管を備える。冷却流体管を通る冷却流体の流れは、基材の急速な冷却を促進することができる。冷却された側壁の使用は、半導体ウエハーなどの基材を最小限の接触で取り扱うことおよび冷却することを可能にし、それによって基材への損傷が軽減される。少なくとも一つの側壁は追加的に、または代替的に、ガス導管を含むことができる。例示的な基材保持装置は、ベースプレートに連結されている複数(例えば、少なくとも二つ)の側壁を含みうる。ベースプレートは、冷却流体用および/またはガス用の一つ以上の冷却流体マニホールドを含むことができ、このようなマニホールドは側壁内の対応する導管に連結されうる。少なくとも一つの側壁は、基材の表面全体にガス導管からガスを提供して、例えば基材の表面への粒子の蓄積を軽減する、および/または基材の急速な冷却を促進するために、開口部を(例えば、少なくとも一つのパッドの上方および/または下方に)含みうる。熱遮蔽体は、例えば炭化ケイ素、ステンレス鋼、またはこれに類するもののうちの一つ以上で形成されることができる。熱遮蔽体は、放射材料および/または反射材料のコーティングなど、一つ以上のコーティングを含みうる。例えば、熱遮蔽体は、基材の下部表面に近接する放射コーティング、および別の基材の上部表面に近接する反射コーティングを含みうる。パッドは、例えば石英で形成されうる。
本開示の少なくとも一つの他の実施形態によると、ロードロック組立品は、本明細書に記載の基材保持装置などの保持装置を含む。ロードロック組立品は、冷却流体および/またはガスのラインを受けるシャフトと、基材保持装置を(例えば、上下に)移動させる機構と、組立品の外部と相対して組立品の内部内の真空状態を可能にするシールとをさらに含みうる。
【0008】
本開示のさらに追加の実施形態によると、反応器システムは、本明細書に記載のものなどの、基材保持装置および/またはロードロック組立品を含む。反応器システムは、複数の保持装置および/またはロードロック組立品を含むことができる。さらに、反応器システムは、一つ以上の反応チャンバおよび一つ以上の基材取り扱いシステムを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の例示的な実施形態のより完全な理解は、以下の例示的な図面に関連して考慮される場合、発明を実施するための形態および特許請求の範囲を参照することによって得られることができる。
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の少なくとも一つの例示的な実施形態による反応器システムの正面図である。
【
図2】
図2は、本開示の少なくとも一つの例示的な実施形態による別の反応器システムの切り取り図である。
【
図3A】
図3Aは、本開示の少なくとも一つの実施形態によるロードロック組立品を図示する。
【
図3B】
図3Bは、本開示の少なくとも一つの実施形態によるロードロック組立品を図示する。
【
図4】
図4は、本開示の例示的な実施形態による基材保持装置を図示する。
【
図5】
図5は、本開示の例示的な実施形態による基材保持装置を図示する。
【
図6】
図6は、本開示の例示的な実施形態による基材保持装置を図示する。
【
図7】
図7は、本開示の少なくとも一つの実施形態によるベースプレートを図示する。
【
図8】
図8は、本開示の少なくとも一つの実施形態による熱遮蔽体を図示する。
【
図9】
図9は、本開示の少なくとも一つの実施形態による別の熱遮蔽体を図示する。
【
図10A】
図10Aは、本開示の少なくとも一つの実施形態によるパッドを図示する。
【
図10B】
図10Bは、本開示の少なくとも一つの実施形態によるパッドを図示する。
【
図11A】
図11Aは、本開示の少なくとも一つの実施形態による別のパッドを図示する。
【
図11B】
図11Bは、本開示の少なくとも一つの実施形態による別のパッドを図示する。
【
図12】
図12は、本開示の別の例示的な実施形態による基材保持装置を図示する。
【
図13】
図13は、本開示の少なくとも一つの実施形態による基材搬送システムのロボットブレードを図示する。
【
図14】
図14は、本開示の少なくとも一つの実施形態による基材搬送システムの保持プラットホームを図示する。
【0011】
当然のことながら、図面中の要素は、単純化および明瞭化のために図示されていて、必ずしも実寸に比例して描かれていない。例えば、図面中の幾つかの要素の寸法は、本開示の図示された実施形態の理解の向上に役立てるために、他の要素と比べて誇張されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に提供される例示的な実施形態の説明は、単なる例示であり、また説明のみを目的として意図していて、下記の説明は本開示または特許請求の範囲を制限することを意図するものではない。さらに、記載された特徴を有する複数の実施形態の列挙は、追加の特徴を有する他の実施形態も、記載された特徴の異なる組み合わせを組み込む他の実施形態をも排除することを意図していない。
【0013】
本開示は概して、基材保持装置と、基材保持装置を含むロードロック組立品と、基材保持装置および/またはロードロック組立品を含む反応器システムとに関する。本明細書に記載の例示的な基材保持装置は、一つ以上の基材を急速に冷却するために、および基材間の熱クロストークを低減するために、および基材保持装置内の基材の表面にわたる温度変動を低減するために、および基材の表面の望ましくない表面酸化を軽減するために、および/または基材表面上の汚染を低減するために使用することができる。
【0014】
図1は、本開示の例示的な実施形態による反応器システム100の正面図を示す。反応器システム100は、ロードロック組立品102、一つ以上の基材取り扱いシステム(図示せず)および一つ以上の反応チャンバ(図示せず)を含む。反応器システム100は、堆積処理、エッチング処理、および/または清浄処理などのさまざまな処理を実施するために使用されうる。例として、反応器システム100は、例えばエピタキシャル層堆積のための化学蒸着処理などの堆積処理を実施する一つ以上の反応チャンバ、前洗浄反応チャンバ、およびこれに類するもの含みうる。エピタキシャル層堆積反応チャンバは、例えば冷壁の単一基材反応チャンバを含みうる。
【0015】
下記により詳細に説明する通り、ロードロック組立品102は、処理前および/または処理後に基材を一時的に保持するために使用されうる。例えば、ロードロック組立品102は、低減された圧力(例えば、約5 Torrまたは約100 Torr)で、および/または非酸化環境(例えば、不活性ガス環境)において基材を保持して基材の表面上での酸化を低減するために、および汚染を軽減するために、および/または反応器システム100の一つ以上の反応チャンバ内の圧力もしくはそれに近い圧力で基材を一時的に保管するために使用されることができる。適切な不活性ガスには、例えば窒素、アルゴン、およびヘリウムが含まれる(ヘリウムの使用も基材の冷却を改善することが注記される)。
【0016】
図2は、ロードロック組立品202、204、反応チャンバ206~212、および基材取り扱いシステム214を含む別の反応器システム200を図示する。図示した例では、反応チャンバ206~210は、例えば堆積処理に使用でき、反応チャンバ212は、例えば前清浄プロセスに使用できる。ロードロック組立品202、204は、ロードロック組立品102と同一であるか、または類似していてもよい。反応チャンバ206~212は、上述の、および本明細書の他の箇所に記述の反応チャンバと同一であるか、または類似していてもよい。基材取り扱いシステム214は、ロードロック組立品202、204と、反応チャンバ206~212のうちの一つ以上との間で基材を移動するように構成されている。
図13に関連して以下でより詳細に論じるように、基材取り扱いシステム214は、ロードロック組立品(複数可)および反応チャンバ(複数可)内に基材を配置する、および/またはロードロック組立品(複数可)および反応チャンバ(複数可)から基材を除去することができるロボットブレードを含むことができる。
【0017】
ここで
図3Aおよび3Bを参照すると、本開示の例示的な実施形態によるロードロック組立品300が図示されている。
図3Aはロードロック組立品300の切り取り図を図示し、
図3Bはロードロック組立品300の一部分Aの拡大図を図示する。ロードロック組立品300は、ロードロック組立品102、202、204のいずれかと同一であるか、または類似していてもよい。
【0018】
図示した例において、ロードロック組立品300は、基材保持装置302と、ハウジング304と、シャフト306と、基材保持装置302を(例えば、上方向および下方向に)動かすように構成された機構308とを含む。ロードロック組立品300はまた、一つ以上の冷却流体ラインを基材保持装置302に接続するための一つ以上のコネクター310、および/または一つ以上のガスラインを基材保持装置302に接続するための一つ以上のコネクター312を含みうる。
【0019】
ハウジング304は、任意の適切な材料で形成されることができる。例として、ハウジング304はステンレス鋼またはアルミニウム合金で形成されうる。ハウジング304は、基材保持装置302を収容するサイズとすることができ、例えば保持された基材の数および/またはサイズに依存することができる。ハウジング304の例示的な高さは、例えば約300~約500mmの範囲とすることができ、ハウジング304の断面寸法(例えば、直径)は約350~約500の範囲とすることができ、これらの寸法ならびに本明細書に提供されたその他の寸法は例示的であり、限定するものではない。
【0020】
シャフト306は、一つ以上の冷却流体ラインを受けて収容するように構成されうる。例えば、シャフト306は、冷却流体用の入口ラインおよび冷却流体の出口ラインを受けることができる。各冷却流体ライン(例えば、入口および出口)は、コネクター310に連結されうる。例示的な冷却流体ライン602、604を
図6に図示する。例示的な冷却流体は、水およびGalden(登録商標)熱伝達流体を含む。冷却流体ラインを通る冷却流体の流量は、例えば約2~約10リットル/分の範囲とすることができる。追加的にまたは代替的に、シャフト306は、
図6に図示されたガスライン606などの一つ以上のガスラインを受けることができる。各ガスラインは、コネクター312および随意にガスフィルター608に連結されることができる。ガスライン(複数可)606を通って流れうる例示的なガスは、本明細書に記載の不活性ガスを含みうる。特定の例として、ガスは窒素を含んでもよい。さまざまな実施形態において、ガスは基材(例えば、基材と接触するかまたは相互作用する粒子)の周りの汚染物質のあらゆるリスクを軽減するために、高純度窒素ガスを含んでもよい。ガスライン606を通るガスの流量は、例えば約1リットル/分~約100リットル/分の範囲とすることができる。シャフト306はベローの形態とすることができる。シャフト306の直径は、例えば約60mm~約150mm、または約112mmであってもよく、またシャフト306の長さは、例えば約550mm~約650mmの範囲であってもよく、または約591.5mmであってもよい。
【0021】
機構308は、基材保持装置302を移動させるための任意の適切な装置を含みうる。図示した例において、機構308はボールねじを含む。ボールねじの長さは、用途に応じて変化しうる。例示的な例として、ボールねじ長さは、約450mm~約540mmの範囲または約490mmでもよい。
【0022】
基材処理中、ロードロック組立品300の部分(例えば、ロードロック組立品300の外部およびシャフト306の内部314)は、大気圧などの周囲環境に晒される場合があり、その一方でロードロック組立品300の内部328は真空状態に晒されうる。これは、反応チャンバ内の圧力により近い圧力で、および/または基材取り扱いシステム内の圧力により近い圧力で、および/または基材表面の汚染を軽減する環境において、基材が維持されることを可能にする。
【0023】
ロードロック組立品300は、処理中に真空状態に晒されたロードロック組立品300の部分と、周囲条件に晒されたロードロック組立品300の部分との間のシールを形成するために、一つ以上のOリング316、318を含んでもよい。図示した例において、Oリング316は中間プレート320と基材保持装置302のベースプレート322との間のシールを形成し、Oリング318は中間プレート320とシャフト306との間のシールを形成する。ねじ、ボルト、または同種のものなどのさまざまな留め具324、326を使用して、中間プレート320とベースプレート322、および/または中間プレート320とシャフト306を連結することができる。
【0024】
図4および5は、本開示の例示的な実施形態による基材保持装置400を示す。基材保持装置400は、複数の基材を保持するように構成されていて、基材間の熱クロストークを軽減しつつ、基材の比較的急速な冷却を可能にし、および/または本明細書に記載の他の利点を提供する。基材保持装置400は、基材保持装置302としての使用に適切でありうる。
【0025】
基材保持装置400は、ベースプレート402(ベースプレート322と同一であるか、または類似していてもよい)、第一の側壁404、および第二の側壁406を含む。基材保持装置400は二つの側壁404、406とともに図示されているが、一つ以上の側壁または少なくとも二つの側壁など、任意の適切な数の側壁を含みうる。基材保持装置400はまた、第一の側壁404および第二の側壁406のうちの一つ以上に連結された少なくとも一つの熱遮蔽体424を含む。図示の通り、基材保持装置400は、複数の基材および複数の熱遮蔽体424が交互パターンであるように、基材422の間に少なくとも一つの熱遮蔽を含むことができる。
【0026】
ベースプレート402は、ベースプレート402の上面図を示す
図7でより詳細に図示されている。ベースプレート402は、水などの冷却流体を受ける第一の開口部702と、冷却流体がベースプレート402を出ることを可能にする第二の開口部704と、本明細書に記載の不活性ガスなどのガスを受ける第三の開口部706とを含む。ベースプレート402は、冷却流体用の二つの開口部およびガス用の一つの開口部とともに図示されているが、流体および/またはガス用に任意の適切な数の開口部を含むことができる。図示された例において、ベースプレート402はまた、開口部702で受けた冷却流体をベースプレート402の周辺に分配する一つ以上のチャネル708、710を含む冷却流体マニホールド709を含む。ベースプレート402はまた、冷却流体が開口部704でベースプレート402を出ることができるように、ベースプレート402の周辺から戻る冷却流体を受けるチャネル712、714を含む冷却流体マニホールド713を含む。ベースプレート402はまた、開口部706で受けられたガス流がベースプレート402の縁部に流れることを可能にするように構成されているチャネル716~726を含むガスマニホールド717を含む。
【0027】
ベースプレート402は、実質的に平面または直線のセクションを含む実質的に円形のセクション728およびセクション730、732を含みうる。セクション730、732は、本明細書に記載の通り、ベースプレート402を側壁404、406および/または他の側壁に連結するために使用されうる。ベースプレート402は、例えばボルトまたはねじなどの留め具を使用して、例えばベースプレート402内に形成された穴734~744を使用して、中間プレート320などの中間プレートに連結されうる。
【0028】
ここで
図4に戻ると、側壁404、406は、少なくとも一つの冷却流体管408、410(側壁404のみに関連して図示されている)および少なくとも一つのガス導管412、414、416(側壁404のみに関連して図示されている)を含みうる。ガス導管412~416は、側壁404内に位置する線の形態でもよく、また基材保持装置422の中心に向かって面してもよい。ガスライン/ガス導管412~416の内表面は、粒子形成および/または分布を防止するために電解研磨されうる。側壁406は側壁404に関連してのみ図示されているが、同一または類似の冷却流体管および/またはガス管を含みうる。冷却流体は、冷却流体管408、410のうちの一つに入り、他の冷却流体管から出ることができる。より具体的には、冷却流体は、ベースプレート402の第一の開口部748から第一の冷却流体管408によって受けられることができ、冷却流体路410からベースプレート402内の第二の開口部750に戻ることができる。同様に、冷却流体は、ベースプレート402の第三の開口部752から側壁406の第一の冷却流体管によって受けられることができ、側壁406の冷却流体管からベースプレート402内の第四の開口部754に戻ることができる。また、ガスは、少なくとも一つの開口部を介して、例えば複数のガス開口756~760を介してガス導管412~416に入ることができ、またはガス開口部762~768を介して、側壁406にある類似のガス導管に入ることができる。ガス導管(例えば、ガス導管412~416)を流れるガスは、ガス導管の開口部を通ってガス導管を出て、熱遮蔽体と基材の間の空間に流れ込む、および/またはそうした開口部と流体連結された別の構成要素(例えば、熱遮蔽体またはパッド)へと流れ込むことができ、ガスはその後ここから出ることができ、そうしてガスは基材と接触する、および/または基材を冷却する。ガス導管内のこうした開口部は、パッド(例えば、本明細書でさらに説明されるパッド418、420)の上方、パッドと同じ高さ、および/またはパッドの下方にあってもよい。
【0029】
側壁404は、冷却流体マニホールド709が冷却流体管408と流体連結される、かつ冷却流体管713が冷却流体管410と流体連結されるように、溶接、ろう付け、電子ビーム溶接または単一ブロックとして機械加工するなど、適切な任意の手段を使用してベースプレート402に連結されることができる。同様に、側壁404のガス導管412~416は、ガスマニホールド717に流体連結されうる。側壁406は、対応する冷却流体および側壁406内のガス導管が冷却流体マニホールド709、713およびガスマニホールド717に連結されるように、ベースプレート402に同様に連結されうる。
【0030】
側壁404、406は、例えばアルミニウム、ステンレス鋼または既製の管で形成されうる。
【0031】
熱遮蔽体424は、基材422の間の熱クロストークを軽減するように構成されている。熱遮蔽体424は、例えば炭化ケイ素、ステンレス鋼等で形成されるか、またはそれを含んでもよい。熱遮蔽体424は、放射材料および/または反射材料のコーティングなど、一つ以上のコーティングを含みうる。例えば、一つ以上の熱遮蔽体424は、基材の底面に近接して、炭化ケイ素、ブラックアルマイトまたはブラッククォーツなどの放射材料を含む放射コーティングを含んでもよく、および/または基材の上面に近接して、無電解ニッケルめっきアルミニウム/ステンレス鋼または研磨したステンレス鋼などの反射材料を含む反射コーティングを含んでもよい。例示的な熱遮蔽体は、
図8および9に関連して以下でより詳細に説明される。代替的に、熱遮蔽体424は放射材料および/または反射材料で形成されうる。
【0032】
熱遮蔽体424は、任意の適切な技術を使用して、側壁404、406の一つ以上に連結されうる。例えば、熱遮蔽体424は、側壁404、406のうちの一つ以上に形成されたスロット内に受けられうる。追加的に、または代替的に、熱遮蔽体424は、例えば熱遮蔽体424を表面に溶接する、スロット内に溶接する、または側壁404、406のうちの一つに取り付けられたマウント(例えば、パッドマウントまたは熱遮蔽マウント)に溶接することによって、一つ以上の側壁404、406に固定して取り付けることができる。
【0033】
例示的な例として、
図5に図示されている通り、熱遮蔽体424は、側壁404、406(側壁404に溶接されたもの(例えば、フィレット)として図示されている)のうちの一つに固定して取り付けられ、かつ例えば別の側壁(例示的な例において側壁406)のスロット内に受けられているなど、固定して取り付けられていなくてもよい。熱遮蔽体424の一部分を一つの側壁404に溶接しつつ、熱遮蔽体を別の側壁406に固定して取り付けないことは、基材保持装置400上で基材が加熱および/または冷却される際に、熱遮蔽体が拡張および収縮することを可能にする。
【0034】
図8は、熱遮蔽体424として、また本明細書に記載の他の熱遮蔽体としての使用に適した熱遮蔽体800の底面を示す。熱遮蔽体800は、本体セクション802、第一の接続セクション804、および第二の接続セクション806を含みうる。本体セクション802は、基材として実質的に形作られうる。一例として、基材が実質的に円形の形状を含む時、本体セクション802は実質的に円形の形状を含むことができる。第一の接続セクション804および第二の接続セクション806は、熱遮蔽体を側壁(例えば、側壁404および/または406)に取り付けるために使用されうる。例えば、第一の接続セクション804および第二の接続セクション806は、それぞれ側壁404および406内に形成されたスロット内に受けられてもよい。熱遮蔽体800はまた、側壁(例えば、側壁404のガス導管412~416)内にあるガス導管から受けられたガス用の開口部808~818を含むことができる。すなわち、開口部808~818のうちの少なくとも一つは、側壁(例えば、側壁404のガス管412~416)内のガス導管に流体連結されうる。開口部808~812は、第一の接続セクション804の一部分にドリル加工することができ、開口部814~818は第二の接続セクション806の一部分にドリル加工することができる。図示の通り、開口部808~812は、熱遮蔽体800を通して中心線に対して角度が付けられうる。開口部814~818はまた、
図8に図示されている通り、角度が付けられうる。開口部808~818は、開口部808~818からのガスの初期的な流れが、基材の(上部)表面(例えば、
図5に示されたガス流552)の全体にわたって初期的に平行または実質的に平行(例えば、平行から約10度以内)になるように、さらに構成されうる。開口部814~818は、基材を冷却するために任意の適切な構成で角度が付けられうる。開口部808~818からのガス流は、ガスが基材(例えば、基材の上面)に接触し、基材から熱を吸収(すなわち、基材を冷却)する原因となりうる。
【0035】
基材保持装置400はまた、
図10A、10B、11Aおよび11Bに関連して以下でより詳細に説明される、一つ以上のパッド418、420を含みうる。パッド418、420は、基材422を保持するように構成されている。パッド418、420は、
図5に図示した一つ以上のパッドマウント502、504を使用して、側壁404、406に連結されうる。基材422を保持するパッド(例えば、パッド418、420)は、側壁404と側壁406の間の距離の少なくとも一部分にわたってもよい。パッドマウント502、504は、例えばポリエーテルエーテルケトン (PEEK)、ステンレス鋼またはアルミニウムで形成されうる。パッドマウント502、504は、例えば溶接技術および/または留め具を使用して、側壁404、406のうちの一つ以上に連結されうる。図示の通り、複数のパッド(例えば、PEEKまたは石英、または高温で安定しているその他の材料製)418、420と、複数の熱遮蔽体424とは、交互パターンでありうる。
【0036】
ここで
図6を参照すると、別の基材保持装置600が図示されている。基材保持装置600は、熱遮蔽体610がスクリューまたはボルトなどの留め具を使用して一つ以上の側壁612に連結されている(例えば、取り外し可能に連結されている)ことを除いて、基材保持装置400と類似している。熱遮蔽体610は、側壁404、406の一つ以上またはすべてに取り外し可能に取り付けられうる。側壁612は、側壁612が熱遮蔽体610の取り外し可能な取り付けを可能にすることを除いて、側壁404、406と類似していてよい。
【0037】
図9は、熱遮蔽体610としての使用に適した熱遮蔽体900の上面を図示する。熱遮蔽体900は、本体セクション902、第一の接続セクション904、および第二の接続セクション906を含みうる。本体セクション902は、基材として実質的に形作られることができ、本体セクション802と同一であるか、または類似していてもよい(例えば、実質的に円形形状)。第一の接続セクション904および第二の接続セクション906は、一つ以上の留め具を使用して、熱遮蔽体900を側壁(例えば、側壁404および/または406)に取り付けるために使用されうる。図示した例において、第一の接続セクション904は、熱遮蔽体900を側壁に接続する留め具を受ける窪み908、910を含む。同様に、第二の接続セクション906は、熱遮蔽体900を側壁に接続する留め具を受ける窪み912、914を含む。熱遮蔽体900の底面は、熱遮蔽体800に関連して上述した開口部808~818と類似する開口部を含むことができ、そうすることによって、こうした開口部はガスが熱遮蔽体900を通って流れ、熱遮蔽体900の上と基材の下の空間に入り、ガスは基材の(底部)表面と接して基材を冷却する。
【0038】
図10Aは、本開示の少なくとも一つの実施形態によるパッド418の側面図を図示し、
図10Bはその上面図を図示する。図示した例において、パッド418は、第一のセクション1002、第二のセクション1004、および第一のセクション1002と第二のセクション1004の間にわたる第三のセクション1006を含む。
図4~6に図示の通り、基材は、第一および第二のセクション1002、1004のそれぞれ外側部分1012、1014など、第一および/または第二のセクション1002、1004でパッド418に接触しうる。基材はその上に保持されてもよい。第一のセクション1002は、パッド418が、例えばマウント502を使用して側壁(側壁406など)に連結されることを可能にするために、留め具(ボルトまたはねじなど)を受ける開口部1008を含むことができる。同様に、第二のセクション1004は、パッド418が例えばマウント502を使用して側壁(側壁406など)に連結されることを可能にするために、留め具(ボルトまたはねじなど)を受ける開口部1010を含むことができる。側壁(例えば、側壁406)に連結された時、パッド418はそこから突出し、その側壁と別の側壁(例えば、側壁404)との間の距離の少なくとも一部分にわたりうる。
【0039】
さまざまな実施形態において、パッド(例えば、パッド418)は、パッドの少なくとも一部分を通して配置された少なくとも一つのガスチャネル(例えば、ガスチャネル1022および1024)を備えうる。例えば、第一のセクション1002、第二のセクション1004、および/または第三のセクション1006に配置された少なくとも一つのガスチャネルがありうる。ガスチャネルは、パッド厚さの少なくとも一部分を通して配置されてもよい(ガスチャネル1022および1024は、パッドの上面および底面の間にある、および/またはパッドの上面および底面によって囲まれうるため、
図10Bのガスチャネル1022および1024の点線で示される)。さまざまな実施形態において、ガスチャネルは、パッド(例えば、パッド418)によって少なくとも部分的に囲まれてもよい(例えば、ガスチャネルは、パッドの上面と底面の間のパッド厚さによって完全に囲まれてもよく、またはガスチャネルの一つ以上の部分はパッドを取り囲む領域に晒されてもよい)。ガスチャネルは、ガスチャネルがパッド長さの少なくとも一部分(すなわち、パッドが連結される側壁からパッドが突出する方向のパッド長さ)にわたるように、2つの端部の間にわたってもよい。さまざまな実施形態において、パッド内のガスチャネルは、ガスが側壁のガス導管を通ってパッドのガスチャネル内に流れるように、側壁の一つ以上のガス導管(例えば、側壁404のガス導管412~416と類似する、側壁406のガス導管)と流体連通しうる。ガスチャネル(例えば、ガスチャネル1022、1024)を流れるガスは、ガスが基材と接する、および/またはガスが基材を冷却するように、ガスチャネル内の開口部を通ってガスチャネルを出て、熱遮蔽体と基材の間の空間へと流れうる。例えば、ガスが出ることができるパッドの上部または底部を通るガスチャネル内に一つ以上の開口部があってもよく、および/または基材を冷却するために、ガスが出ることができるガスチャネルの端部に開口部があってもよい。
図10Aに描写の通り、ガスチャネル1022および1024は、ガス(例えば、窒素ガス)が、基材の下のガスチャネル1022および1024を出ることができ、基材の底部表面に実質的に平行に(またはそれ以外の何らかの適切な関係で)流れることができるように(例えば、
図5に示すガス流554)、ガスチャネル1022および1024の端部にそれぞれ開口部1023および1025を備える。こうした流れは、ガスが基材の底部に接触し、基材を冷却する原因となりうる。
【0040】
図11Aは、本開示の少なくとも一つの実施形態によるパッド420の上面図を図示し、11Bはその断面側面図を図示する。パッド418と類似して、パッド420は、第一のセクション1102、第二のセクション1104、および第一のセクション1102と第二のセクション1104の間にわたる第三のセクション1106を含む。基材は、第一および/または第二のセクション1102、1104(例えば、第一および第二のセクション1102、1104それぞれの外側部分1112、1114)でパッド420に接触しうる。基材はその上に保持されてもよい。第一のセクション1102は、パッド420が側壁(側壁404など)に、例えばマウント504を使用して連結されることを可能にするために、留め具(ボルトまたはねじなど)を受ける開口部1108を含むことができる。同様に、第二のセクション1104は、パッド420が側壁(側壁404など)に、例えばマウント504を使用して連結されることを可能にするために、留め具(ボルトまたはねじなど)を受ける開口部1110を含むことができる。側壁(例えば、側壁404)に連結された時、パッド420はそこから突出し、その側壁と別の側壁(例えば、側壁406)との間の距離の少なくとも一部分にわたりうる。
【0041】
さまざまな実施形態において、パッド(例えば、パッド420)は、パッドの少なくとも一部分を通して配置された少なくとも一つのガスチャネル(例えば、ガスチャネル1122および1124)を備えうる。例えば、第一のセクション1102、第二のセクション1104、および/または第三のセクション1106に配置された少なくとも一つのガスチャネルがありうる。ガスチャネルは、パッド厚さの少なくとも一部分を通して配置されてもよい(ガスチャネル1122および1124は、パッドの上面および底面の間にある、および/またはパッドの上面および底面によって囲まれうるため、
図11Aのガスチャネル1122および1124の点線で示される)。さまざまな実施形態において、ガスチャネルは、パッド(例えば、パッド420)によって少なくとも部分的に囲まれてもよい(例えば、ガスチャネルは、パッドの上面と底面の間のパッド厚さによって完全に囲まれてもよく、またはガスチャネルの一つ以上の部分はパッドを取り囲む領域に晒されてもよい)。ガスチャネルは、ガスチャネルがパッド長さの少なくとも一部分(すなわち、パッドが連結される側壁からパッドが突出する方向のパッド長さ)にわたるように、2つの端部の間にわたってもよい。さまざまな実施形態において、パッド内のガスチャネルは、ガスが側壁のガス導管を通ってパッドのガスチャネル内に流れるように、側壁の一つ以上のガス導管(例えば、側壁404のガス導管412~416)と流体連通しうる。ガスチャネル(例えば、ガスチャネル1122、1124)を流れるガスは、ガスが基材と接する、および/またはガスが基材を冷却するように、ガスチャネル内の開口部を通ってガスチャネルを出て、熱遮蔽体と基材の間の空間へと流れうる。例えば、ガスが出ることができるパッドの上部または底部を通るガスチャネル内に一つ以上の開口部があってもよく、および/または基材を冷却するために、ガスが出ることができるガスチャネルの端部に開口部があってもよい。
図11Bに描写の通り、ガスチャネル1122および1124は、ガス(例えば、窒素ガス)が、基材の下のガスチャネル1122および1124を出入りでき、基材の底部表面に実質的に平行に(またはそれ以外の何らかの適切な関係で)流れることができるように(例えば、
図5に示すガス流558)、ガスチャネル1122および1124の端部にそれぞれ開口部1123および1125を備える。こうした流れは、ガスが基材の底部に接触し、基材を冷却する原因となりうる。
【0042】
図14を参照すると、さまざまな実施形態において、基材は保持プラットホーム(例えば、保持プラットホーム430)によって、基材保持装置(例えば、基材保持装置400)内に保持されうる。保持プラットホームは、基材に対して実質的に平行な基材保持装置の側壁間の少なくとも一部分にわたる基部(例えば、基部434)と、保持プラットホーム基部から突出する少なくとも一つの保持ピン(例えば、保持ピン436)とを備えうる。保持ピンは、基材が配置されて保持ピン上に置かれるように、基材(例えば、基材422)を保持するように構成されうる。ピン436は、基材上の最小限の接触を可能にする一方で、基材の安定性およびサポートを提供する。保持プラットホーム基部が、基材と基材の下の熱遮蔽体との間の機材保持装置内の空間を完全に分岐させないように、保持プラットホーム基部は、基材保持装置の断面積の一部分のみにわたってもよい。
【0043】
保持プラットホーム(例えば、保持プラットホーム430)の構造は、冷却ガスが基材と基材の下の熱遮蔽体との間の空間内を流れて、基材底面の表面積の大部分と接触することを可能にする(これは、保持ピン436の小さい面積のみが基材底面に接触するためである)。従って、ガスが基材と接触し、および/または基材を冷却する(例えば、基材底部表面と接触する)ように、側壁内のガス導管(例えば、側壁404内のガス管412~416)を流れる冷却ガスは、ガス管の開口部を通ってガス管を出て、基材と基材の下の熱遮蔽体との間の空間に流れ込み(例えば、
図5のガス流559)、保持プラットホームを囲みうる。さまざまな実施形態において、保持プラットホーム基部は、基材保持装置の少なくとも一つの側壁に連結されうる。さまざまな実施形態において、基材保持装置は、各保持プラットホームからの少なくとも一つの保持ピンが、その上に配置された基材を支持するように、一つ以上の側壁から突出する複数の保持プラットホームを備えうる。
【0044】
基材の底部または下側に沿った(または基材と基材の下の熱遮蔽体との間の空間内の)こうした流れは、冷却ガス中の潜在的な汚染物質(例えば、粒子)が、基材に定着する、基材と相互作用する、またはその他の方法で基材を汚染するリスクを低減しうる。ガスは基材の下を流れうるため、あらゆる汚染物質または粒子は、基材上ではなくむしろ、基材の下の熱遮蔽体(例えば、基材の下および別の基材の上の熱遮蔽体)に(例えば、重力によって)定着しうる。さらに、基材(例えば、基材220)は、パッド(例えば、パッド418、420)および/または保持プラットホーム(例えば、保持プラットホーム430)上に、(例えば、基材とパッドおよび/または側壁との間にシールを形成することによって)粒子および/または冷却ガスが基材の上面に接するのを(部分的にまたは完全に)防ぐ配列で配置されてもよい。熱遮蔽体上に定着する粒子は、基材に干渉する、またはその他の方法で基材を汚染する粒子および/または他の汚染物質に起因しうる基材の品質、純度、および効力が低下するリスクを軽減することを可能にする(基材の上方を流れる、および基材の上面に接する冷却ガスは、粒子またはその他の汚染物質が基材上に定着する原因となりうる)。基材の底部はまた、基材の上部よりも緩い許容誤差(すなわち、誤差、差異、または不純度について許容されうるマージンがより大きい)を含みうる。従って、冷却ガスは、比較的感度の高い上部よりも、比較的感度の低い(すなわち、汚染物質による破損の影響が少ない)基材の底部に影響を及ぼすため、基材上部は、冷却ガスによる損傷のリスクから少なくとも部分的に保護されうる。
【0045】
図12は、本開示の別の例示的な実施形態による、さらに別の基材保持装置1200を示す。基材保持装置1200は、ベースプレート1202および側壁1204、1206を含みうる。基材保持装置1200は、基材保持装置1200が必ずしもベースプレート1202および/または側壁1204、1206に含まれていないことを除いて、基材保持装置400または600と類似したものとしうる。むしろ、基材保持装置1200は、基材間の熱クロストークの冷却および/または低減を促進するために、基材間(例えば、約20mm~約60mmの間隔)に追加的な空間を含みうる。基材保持装置400および600と類似して、基材保持装置1200は、ベースプレート1202および/または側壁1204、1206内にガス導管を含みうる。ガス導管は、
図4~7に関連して上述したものと同一、または類似したものとしうる。
【0046】
上述の通り、反応器システム(反応器システム200など)は、基材保持装置(例えば、基材保持装置302、400または600)と反応チャンバとの間で基材を移動するための基材搬送システムを含みうる。例示的な基材搬送システムには、例えば真空ロボットブレードまたはロボットブレードを含みうるロボットアームが含まれうる。
【0047】
図13は、基材取り扱いシステム214との併用に適した例示的な(例えば、真空)ロボットブレード1300を示す。ロボットブレード1300は、搬送中に基材を保持することができる(例えば、部分的に円形の)セクション1302を含むことができる。
図13に図示の通り、セクション1302は、パッド418とパッド420の間、および/または隣接する熱遮蔽体424、610と基材との間に適合するサイズでありうる。
【0048】
本開示の例示的な実施形態が本明細書に記載されているが、本開示はそれに限定されないことを理解されたい。例えば、基材保持装置、ロードロック組立品および反応器システムは、さまざまな特定の構成に関連して説明されているが、本開示は必ずしもこれらの例に限定されない。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の装置、組立品およびシステムのさまざまな変更、変形、および強化を行うことができる。
【0049】
別途明記しない限り、本開示の主題は、本明細書に開示されるさまざまなシステム、構成要素、および構成、ならびに他の特徴、機能、動作、および/または特性のすべての新規かつ非自明な組み合わせおよび部分的組み合わせ、ならびにその任意のおよびすべての均等物を含む。