(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-24
(45)【発行日】2024-07-02
(54)【発明の名称】メモリデバイスのページバッファ内のデータ読取り用クロック信号返還スキーム
(51)【国際特許分類】
G11C 7/22 20060101AFI20240625BHJP
G11C 16/32 20060101ALI20240625BHJP
G11C 16/26 20060101ALI20240625BHJP
【FI】
G11C7/22 100
G11C16/32
G11C16/26 110
(21)【出願番号】P 2023534310
(86)(22)【出願日】2021-04-28
(86)【国際出願番号】 CN2021090444
(87)【国際公開番号】W WO2022226820
(87)【国際公開日】2022-11-03
【審査請求日】2023-06-06
(73)【特許権者】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】シエ・シュー
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0180801(US,A1)
【文献】特開2005-182872(JP,A)
【文献】特開平8-102193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 7/22
G11C 16/32
G11C 16/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部分を備え、前記複数の部分の各々がクロック信号を順次受信し、対応する前記クロック信号の受信に応答してクロック帰還信号を順次返すように構成されているページバッファと、
前記ページバッファの前記複数の部分に結合され、複数の前記クロック帰還信号をマージするように構成されたクロック経路と、
前記ページバッファに結合され、前記複数のクロック帰還信号のうちの、第1のクロック信号に対応する第1のクロック帰還信号の開始レベルを、前記複数のクロック信号のうちの前記第1のクロック信号のサイクル数に基づいて設定するように構成されたクロックレベル設定モジュールと
を備える、回路。
【請求項2】
前記クロックレベル設定モジュールは、前記第1のクロック帰還信号の前記開始レベルを設定するために、前記第1のクロック信号に関連付けられた前記ページバッファのアドレスに基づいて前記第1のクロック信号における前記サイクル数のパリティを決定し、
前記パリティに基づいて前記第1のクロック帰還信号の前記開始レベルを設定するように構成される、請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記アドレスは読取り命令内にある、請求項2に記載の回路。
【請求項4】
前記クロック経路は、前記複数のクロック帰還信号をマージするよう構成されたORゲートまたはNANDゲートを含む、請求項
2に記載の回路。
【請求項5】
前記クロックレベル設定モジュールは、前記パリティおよび前記クロック帰還信号が前記ORゲートまたは前記NANDゲートによってマージされるか否かに基づいて、前記第1のクロック帰還信号の前記開始レベルを設定するように、さらに構成される、請求項4に記載の回路。
【請求項6】
前記クロック経路が前記ORゲートを含んでいる場合、それに応じて前記第1のクロック帰還信号の終了レベルはLOWであり、前記クロック経路が前記NANDゲートを含んでいる場合、それに応じて前記第1のクロック帰還信号の前記終了レベルはHIGHである、請求項5に記載の回路。
【請求項7】
前記クロックレベル設定モジュールは、前記クロック経路が前記ORゲートを含んでいる場合、それに応じて前記複数のクロック帰還信号のうちの第2のクロック帰還信号の開始レベルをLOWに設定し、前記クロック経路が前記NANDゲートを含んでいる場合、それに応じて前記第2のクロック帰還信号の前記開始レベルをHIGHに設定するようにさらに構成され、前記第2のクロック帰還信号は前記第1のクロック帰還信号の次に返される、請求項
4に記載の回路。
【請求項8】
前記ページバッファの各部分は、それぞれ対応する前記クロック信号を受信し、前記クロック信号に基づいてそれぞれの前記クロック帰還信号を生成するように構成された分周器を備える、請求項
1に記載の回路。
【請求項9】
各分周器は、前記クロックレベル設定モジュールに結合されたフリップフロップを備え、前記フリップフロップは、対応する前記クロック信号を受信するクロック入力と、前記クロックレベル設定モジュールからのセット/リセット信号を受信するセット/リセット入力と、を備える、請求項8に記載の回路。
【請求項10】
前記第1のクロック帰還信号のデューティサイクルが50%である、請求項
1に記載の回路。
【請求項11】
前記第1のクロック信号における前記サイクル数は、前記第1のクロック信号により転送される、前記ページバッファの対応する前記部分内のデータユニットの数に対応する、請求項
1に記載の回路。
【請求項12】
データを格納するよう構成されたメモリセルアレイと、前記メモリセルアレイに結合され、前記メモリセルアレイに格納された前記データを読取る読取り動作を実行するように構成された周辺回路と、を備えたメモリデバイスを備えたシステムであって、
前記周辺回路は、
複数の部分を備え、前記複数の部分の各々がクロック信号を順次受信し、対応する前記クロック信号の受信に応答してクロック帰還信号を順次返すように構成されているページバッファと、
前記ページバッファの前記複数の部分に結合され、複数の前記クロック帰還信号をマージするように構成されたクロック経路と、
前記ページバッファに結合され、前記複数のクロック帰還信号のうちの、第1のクロック信号に対応する第1のクロック帰還信号の開始レベルを、前記複数のクロック信号のうちの前記第1のクロック信号のサイクル数に基づいて設定するように構成されたクロックレベル設定モジュールと
を備える、システム。
【請求項13】
前記メモリデバイスに結合され、前記読取り動作を制御するために読取り命令を前記周辺回路に提供するように構成されたメモリコントローラをさらに備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記メモリコントローラに結合され、読取りデータを受信するよう構成されたホストをさらに備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記クロックレベル設定モジュールは、前記第1のクロック帰還信号の前記開始レベルを設定するために、前記第1のクロック信号に関連付けられた前記ページバッファのアドレスに基づいて前記第1のクロック信号における前記サイクル数のパリティを決定し、
前記パリティに基づいて、前記第1のクロック帰還信号の前記開始レベルを設定するように構成される、請求項
13に記載のシステム。
【請求項16】
前記アドレスは、前記メモリコントローラにより提供される前記読取り命令内にある、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
ページバッファを備えたメモリデバイスを動作させるための方法であって、
読取り命令を受信することと、
前記読取り命令内の前記ページバッファのアドレスを取得することと、
前記アドレスに基づき、前記ページバッファの第1の部分により受信される第1のクロック信号のサイクル数のパリティを決定することと、
前記パリティに基づいて第1のクロック帰還信号の開始レベルを設定することと
を含み、
前記第1のクロック信号の受信に応答して、前記ページバッファの前記第1の部分により前記第1のクロック帰還信号を返す、方法。
【請求項18】
第2のクロック帰還信号の開始レベルを前記第1のクロック帰還信号の終了レベルと同レベルに設定することをさらに含み、前記ページバッファの第2の部分により、前記第2のクロック帰還信号を前記第1のクロック帰還信号の次に返す、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のクロック帰還信号のデューティサイクルが50%である、請求項
17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のクロック信号における前記サイクル数は、前記第1のクロック信号により転送される、前記ページバッファの前記第1の部分内のデータユニットの数に対応する、請求項
17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、メモリデバイスおよびその動作に関する。
【背景技術】
【0002】
フラッシュメモリは、低コストかつ高密度、そして電気的に消去および再プログラムが可能な不揮発性ソリッドステート記憶媒体である。フラッシュメモリには、NOR型フラッシュメモリとNAND型フラッシュメモリが含まれる。フラッシュメモリは、読取り、プログラミング(書込み)、および消去等様々な動作を行い、各メモリセルの閾値電圧を所望のレベルに変更することができる。NAND型フラッシュメモリの場合、消去動作はブロックレベルでの実行が可能で、プログラム動作または読取り動作はページレベルでの実行が可能である。
【発明の概要】
【0003】
一態様において、回路は、複数の部分を含むページバッファと、ページバッファの複数の部分に結合されるクロック経路と、ページバッファに結合されるクロックレベル設定モジュールと、を含む。複数の部分は、それぞれクロック信号を順次受信し、対応するクロック信号の受信に応答してクロック帰還信号を順次返すように構成される。クロック経路は複数のクロック帰還信号をマージするように構成される。クロックレベル設定モジュールは、複数のクロック信号のうち第1のクロック信号のサイクル数に基づいて、複数のクロック帰還信号のうち第1のクロック帰還信号の開始レベルを設定するように構成される。第1のクロック帰還信号は第1のクロック信号に対応する。
【0004】
他の態様では、システムは、データを格納するように構成されたメモリセルアレイと、メモリセルアレイに結合され、メモリセルアレイに格納されたデータを読取る読取り動作を実行するように構成された周辺回路と、を有したメモリデバイスを含む。周辺回路は、複数の部分を含むページバッファと、ページバッファの複数の部分に結合されたクロック経路と、ページバッファに結合されたクロックレベル設定モジュールと、を含む。複数の部分は、それぞれクロック信号を順次受信し、対応するクロック信号の受信に応答してクロック帰還信号を順次返すように構成される。クロック経路は複数のクロック帰還信号をマージするように構成される。クロックレベル設定モジュールは、複数のクロック信号のうち第1のクロック信号のサイクル数に基づいて、複数のクロック帰還信号のうち第1のクロック帰還信号の開始レベルを設定するように構成される。第1のクロック帰還信号は第1のクロック信号に対応する。
【0005】
さらに他の態様では、メモリデバイスは、データを格納するように構成されたメモリセルアレイと、メモリセルアレイに結合され、メモリセルアレイに格納されたデータを読取る読取り動作を実行するように構成された周辺回路と、を含む。周辺回路は、複数の部分を含むページバッファと、ページバッファの複数の部分に結合されたクロック経路と、ページバッファに結合されたクロックレベル設定モジュールと、を含む。複数の部分は、それぞれクロック信号を順次受信し、対応するクロック信号の受信に応答してクロック帰還信号を順次返すように構成される。クロック経路は複数のクロック帰還信号をマージするように構成される。クロックレベル設定モジュールは、複数のクロック信号のうち第1のクロック信号のサイクル数に基づいて、複数のクロック帰還信号のうち第1のクロック帰還信号の開始レベルを設定するように構成される。第1のクロック帰還信号は第1のクロック信号に対応する。
【0006】
さらに別の態様では、メモリデバイスを動作させるための方法が開示される。メモリデバイスはページバッファを含む。読取り命令を受信する。読取り命令内のページバッファのアドレスを取得する。アドレスに基づき、第1のクロック信号のサイクル数のパリティを決定する。第1のクロック信号をページバッファの第1の部分により受信する。パリティに基づいて第1のクロック帰還信号の開始レベルを設定する。第1のクロック信号の受信に応答して、ページバッファの第1の部分により第1のクロック帰還信号を返す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書に組み込まれ本明細書の一部とされる添付の図面は、本開示の態様を示すものであり、発明を実施するための形態と共に本開示をさらに説明するものであって、当業者が本開示を作成および使用可能とするものである。
【
図1】本開示のいくつかの態様に係るメモリデバイスを有する典型的なシステムのブロック図である。
【
図2A】本開示のいくつかの態様に係るメモリデバイスを有する典型的なメモリカードの図である。
【
図2B】本開示のいくつかの態様に係るメモリデバイスを有する典型的なソリッドステートドライブ(SSD)の図である。
【
図3】本開示のいくつかの態様に係る周辺回路を含む典型的なメモリデバイスの概略図である。
【
図4】本開示のいくつかの態様に係るNANDメモリストリングを含む典型的なメモリセルアレイの側面から見た断面図である。
【
図5】本開示のいくつかの態様に係るメモリセルアレイおよび周辺回路を含む、典型的なメモリデバイスのブロック図である。
【
図6】本開示のいくつかの態様に係る複数のメモリプレーンを含む、典型的なメモリデバイスのブロック図である。
【
図7】本開示のいくつかの態様に係る複数の部分を有するページバッファと、ページバッファの複数の部分に結合されたクロック経路とを含むメモリプレーンの典型的なレイアウトである。
【
図8】クロック帰還信号をマージするためのページバッファの複数の部分に結合されたクロック経路の回路図である。
【
図9】
図8のクロック経路により実現される、クロック信号返還スキームのタイミングチャートである。
【
図10】本開示のいくつかの態様に係る、クロック帰還信号をマージするためのページバッファの複数の部分の各々に結合される、典型的なクロックレベル設定モジュールおよび典型的なクロック経路の回路図である。
【
図11】
図10におけるクロック経路により実施される、本開示のいくつかの態様に係る典型的なクロック信号返還スキームのタイミングチャートである。
【
図12】本開示のいくつかの態様に係る、読取り命令内のページバッファアドレスに基づき、クロック帰還信号の開始レベルを決定する典型的なスキームの例示である。
【
図13】本開示のいくつかの態様に係る、メモリデバイスを動作させるための典型的な方法のフローチャートである。
【0008】
本開示の態様を添付図面を参照しつつ説明する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
具体的な構成や配置について説明するが、これは単に例示を目的としていることを理解されたい。したがって本開示の範囲から逸脱することなく他の構成および配置を採用することができる。さらに、本開示は他の様々な用途にも適用することが可能である。本開示に記載された機能的および構造的特徴は、互いに組み合わせたり、調整したり、および修正してもよく、図面に具体的に示されていない方法であっても本開示の範囲内にある限りにおいて組み合わせたり、調整したり、修正することが可能である。
【0010】
一般に用語は、その用語がどのような文脈で使用されているかにより、少なくとも部分的な理解が可能である。例えば、本明細書で使用される「1つまたは複数」という用語は、少なくとも部分的には文脈に依存するものではあるが、単数の任意の特徴、構造、または特性を描写する場合に使用することがある。また特徴、構造、または特性の複数の組み合わせを描写するためにも使用する場合もある。同様に、「1つの(a)」、「1つの(an)」、または「その(the)」等の用語についても、少なくとも部分的には文脈に依存しながらも、単数のものを指すのに使用する、もしくは複数のものを指すのに使用する場合があると理解することができる。さらに、「基づく」という用語は、必ずしも、複数の要因の排他的一まとまりを表すことを意図しているわけではなく、その代わり、少なくとも部分的に文脈に依存しながらも、必ずしも明示的に説明されていない、他の要因が存在する可能性もあるものと理解することができる。
【0011】
NANDフラッシュメモリデバイス等といったメモリデバイスのいくつかは、ページレベルで読取り動作を実行することができる。すなわち、選択された同一ページ内のすべてのメモリセルを同時に読み取ることができる。NANDフラッシュメモリデバイスは、読取り動作において、メモリセルアレイとデータバスの間で読取りデータをバッファリングするためにページバッファを使用する。特定のメモリプレーンのページバッファは、複数の部分、例えば4つのクオーター区画に分けられる。これらの部分はそれぞれ対応するクロック経路とデータパッチを有し、最終的にそれらはすべてマージされ、NANDフラッシュメモリデバイスから出力される。
【0012】
NANDフラッシュメモリデバイスは非常に高周波で動作するため、列アドレスをメモリプレーンに送信したクロック信号は、読取りデータを追跡するために、クロック信号返還スキーム(別名ウェーブパイプライン構造)に則って読取りデータと共にクロック帰還信号として帰還する。ページバッファのクオーター区画は、現在選択されているクオーター区画からのデータの読取りが終了した時点で切り替える必要があるため、帰還クロック信号についてもクオーター区画間で切り替える必要がある。しかしながら、異なるクオーター区画間のプロセスおよび動作状態の変動(例えば処理、電圧、温度等)により、各クロック帰還信号の送信にかかる持続時間も変動する。したがって、ページバッファの4つのクオーター区画からのクロック帰還信号をマージすることには困難が伴う。
【0013】
いくつかの公知のクロック信号返還スキームによれば、異なるクオーター区画のクロック帰還信号をマージする際、各クロック帰還信号が他のクオーター区画のクロック帰還信号をゲートしないよう、各クロック帰還信号のレベルを最後にLOWに戻す必要がある。すなわち、各クロック帰還信号にはこのような公知の方式による短パルスが含まれる。クロック帰還信号に短パルスを使用する場合、短パルスがクロック経路の長い転送ラインを通過する必要があるため、異なるクオーター区画間のプロセスおよび動作状態の変動を考慮すると制御が困難であるという問題がある。
【0014】
前述の問題の1つまたは複数に対処するために、本開示は、ページバッファの異なる部分間の切り替え中に、ページバッファの他の部分からの他のクロック帰還信号をゲーティングせず、かつクロック帰還信号に短パルスを使用しない解決策を提示する。また、異なるクロック帰還信号をマージするためにクロック経路上で使用する、ORゲートまたはNANDゲート等といった論理ゲートの種類に応じて、現在選択されている部分から返されるクロック帰還信号を、当該信号に隣接する別のクロック帰還信号をゲートしない特定のレベル(例えば、ORゲートの場合はLOW、NANDゲートの場合はHIGH)で終了させることができる。その結果、クロック経路の始めにおいて分周器を使用してクロック帰還信号の周期を長くし、クロック帰還信号における短パルスの使用を回避することができる。いくつかの実装形態では、ページバッファの現在選択されている部分からのクロック帰還信号をその終了時に所望のレベルにするために、クロック帰還信号のサイクル数のパリティを決定し、クロック帰還信号の開始レベルを設定するのに用いる。いくつかの実装形態では、クロックサイクルは現在選択されている部分で転送対象の読取りデータのサイクルに対応するため、クロックサイクル数のパリティを、読取り命令に示されている、ページバッファの現在選択されている部分から読み取る対象データのアドレスに基づいて決定することができる。したがって、長い転送や、ページバッファの異なる部分間のプロセスや動作条件に変動があったとしても、クロック帰還信号をより容易に制御することができ、その結果、異なる部分間の切り替えをシームレスに行うことが可能となる。さらに、本明細書に開示されるクロック信号返還スキームを使用することにより、公知のクロック信号返還スキームに比べ、データ経路とクロック経路上の、データ信号とクロック信号との間の追跡も容易になる。
【0015】
図1は、本開示のいくつかの態様に係るメモリデバイスを有する典型的なシステム100のブロック図である。システム100は、携帯電話、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、車両コンピュータ、ゲームコンソール、プリンタ、測位装置、ウェアラブル電子装置、スマートセンサ、仮想現実(VR)装置、拡張現実(AR)装置、またはその他、内部にストレージを有する任意の適切な電子装置とすることができる。
図1に示すように、システム100は、ホスト108と、1つまたは複数のメモリデバイス104およびメモリコントローラ106を有するメモリシステム102と、を含むことができる。ホスト108は、中央処理装置(CPU)等の電子デバイスのプロセッサ、またはアプリケーションプロセッサ(AP)等のシステムオンチップ(SoC)とすることができる。ホスト108は、メモリコントローラ106に結合され、メモリコントローラ106を介してメモリデバイス104とデータを送受信するように構成することができる。例えば、ホスト108は、プログラム動作時にプログラムデータを送信してもよく、または読取り動作時に読取りデータを受信してもよい。
【0016】
メモリデバイス104は、複数の部分、例えば4つのクオーター区画を有するページバッファを含む、例えばNANDフラッシュメモリデバイス等の本開示に開示されるいずれのメモリデバイスとすることができる。本開示の範囲と合致するように、異なるクロック帰還信号をマージするためにクロック経路上で使用する、ORゲートまたはNANDゲート等といった論理ゲートの種類に応じて、現在選択されている部分から返されるクロック帰還信号を、当該信号に隣接する別のクロック帰還信号をゲートしない特定のレベル(例えば、ORゲートの場合はLOW、NANDゲートの場合はHIGH)で終了させることができる。その結果、クロック経路の始めにおいて分周器を使用してクロック帰還信号の周期を長くし、クロック帰還信号における短パルスの使用を回避することができる。
【0017】
いくつかの実装形態によれば、メモリコントローラ106はメモリデバイス104およびホスト108に結合され、メモリデバイス104を制御するように構成される。メモリコントローラ106は、メモリデバイス104に格納されたデータを管理し、ホスト108と通信することができる。いくつかの実装形態では、メモリコントローラ106は、セキュアデジタル(SD)カード、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CF)カード、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブといった、もしくはパーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、携帯電話等の電子機器で使用するその他の媒体等といった低デューティサイクル環境で動作するように設計される。いくつかの実装形態では、メモリコントローラ106は、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータ等のモバイルデバイス、および法人向けのストレージアレイのデータストレージとして使用される高デューティサイクル環境SSD、または組み込み型マルチメディアカード(eMMC)上で動作するように設計される。メモリコントローラ106は、読取り命令等の命令をメモリデバイス104に提供することにより、読取り、消去、およびプログラム動作等のメモリデバイス104の動作を制御するように構成することができる。例えば、メモリコントローラ106は、読取り動作を制御するために、メモリデバイス104の周辺回路に読取り命令を出すように構成されてもよい。メモリコントローラ106はさらに、不良ブロック管理、ガベージコレクション、論理物理アドレス変換、ウェアレベリング等を含むがこれらに限定されない、メモリデバイス104に格納された、または格納されるデータに関する様々な機能を管理するように構成することができる。いくつかの実装形態では、メモリコントローラ106は、さらに、メモリデバイス104から読み取られた、またはメモリデバイスに書込まれたデータについて誤り訂正符号(ECC)を実施するように構成される。メモリコントローラ106はその他の任意の適切な機能、例えば、メモリデバイス104のフォーマット等も実行することができる。
【0018】
メモリコントローラ106は、特定の通信プロトコルに従って外部装置(例えば、ホスト108)と通信することができる。例えば、メモリコントローラ106は、USBプロトコル、MMCプロトコル、周辺機器相互接続(PCI)プロトコル、PCIエクスプレス(PCI-E)プロトコル、アドバンストテクノロジーアタッチメント(ATA)プロトコル、シリアルATAプロトコル、パラレルATAプロトコル、スモールコンピュータスモールインターフェース(SCSI)プロトコル、拡張スモールディスクインターフェース(ESDI)プロトコル、統合ドライブエレクトロニクス(IDE)プロトコル、Firewireプロトコル等の様々なインターフェースプロトコルのうち、少なくとも1つを介して外部デバイスと通信することができる。
【0019】
メモリコントローラ106と1つまたは複数のメモリデバイス104とは、例えば、ユニバーサルフラッシュストレージ(UFS)パッケージまたはeMMCパッケージ等の同一パッケージに含まれる様々な種類のストレージデバイスとして統合することができる。すなわち、メモリシステム102は、種類の異なる最終電子製品に実装しパッケージ化することができる。
図2Aに示す一例では、メモリコントローラ106および単一のメモリデバイス104はメモリカード202に統合してもよい。メモリカード202は、PCカード(PCMCIA、Personal Computer Memory Card International Association)、CFカード、スマートメディア(SM)カード、メモリスティック、マルチメディアカード(MMC、RS-MMC、MMCmicro)、SDカード(SD、miniSD、microSD、SDHC)、UFS等を含むことができる。メモリカード202は、メモリカード202をホスト(例えば、
図1のホスト108)に結合するメモリカードコネクタ204をさらに含むことができる。
図2Bに示す別の例では、メモリコントローラ106および複数のメモリデバイス104をSSD206に統合してもよい。SSD206は、さらに、SSD206をホスト(例えば、
図1のホスト108)と結合するSSDコネクタ208を含むことができる。いくつかの実装形態では、SSD206の記憶容量および/または動作速度は、メモリカード202の記憶容量および/または動作速度よりも、大きいおよび/または高速である。
【0020】
図3は、本開示のいくつかの態様による、周辺回路を含む典型的なメモリデバイス300の概略回路図を示す。メモリデバイス300は
図1のメモリデバイス104の一例であってもよい。メモリデバイス300は、メモリセルアレイ301と、メモリセルアレイ301に結合された周辺回路302と、を含むことができる。メモリセルアレイ301は、メモリセル306がNANDメモリストリング308のアレイとして提供されるNANDフラッシュメモリセルアレイであってもよい。この場合、それぞれのNANDメモリストリング308は基板(図示せず)の上方において垂直方向に延在する。いくつかの実装形態では、各NANDメモリストリング308は直列に結合され、垂直に重なった複数のメモリセル306を含む。各メモリセル306は、電圧または電荷等の連続的アナログ値を保持することができる。このアナログ値はメモリセル306の領域内に捕捉された電子数によって決まる。各メモリセル306は、フローティングゲートトランジスタを含むフローティングゲートメモリセル、または電荷トラップトランジスタを含む電荷トラップメモリセルのいずれかとすることができる。
【0021】
いくつかの実装形態では、各メモリセル306は、2つの可能なメモリ状態を有した、つまり1ビットのデータを記憶することが可能な、シングルレベルセル(SLC)である。例えば、第1のメモリ状態「0」を第1の電圧範囲に対応させ、第2のメモリ状態「1」を第2の電圧範囲に対応させることができる。いくつかの実装形態では、各メモリセル306は、5つ以上のメモリ状態として複数ビットのデータを記憶することができるマルチレベルセル(MLC)である。例えば、MLCは、1セル当たり2ビット、1セル当たり3ビット(トリプルレベルセル(TLC)としても知られる)、または1セル当たり4ビット(クアッドレベルセル(QLC)としても知られる)を記憶することができる。各MLCは、取り得る範囲の公称記憶値を取るようにプログラムすることができる。一例では、それぞれのMLCに2ビットデータを記憶させる場合、3つの可能な公称記憶値の1つをセルに書込むことで、消去済状態から3つの可能なプログラミングレベルのうち1つを取るようMLCをプログラムすることができる。なお、4つ目の公称記憶値は、消去済状態に使用することができる。
【0022】
図3に示すように、各NANDメモリストリング308は、そのソース端にソース選択ゲート(SSG)トランジスタ310を含み、そのドレイン端にドレイン選択ゲート(DSG)トランジスタ312を含むことができる。SSGトランジスタ310およびDSGトランジスタ312は、選択されたNANDメモリストリング308(アレイの列)を、読取り動作およびプログラム動作中アクティブにするように構成することができる。いくつかの実装形態では、同一ブロック304内の複数のNANDメモリストリング308のソースは、同じソース線(SL)314、例えば共通SLを介して結合される。言い換えれば、いくつかの実装形態によれば、同一ブロック304内のすべてのNANDメモリストリング308がアレイ共通ソース(ACS)を有する。いくつかの実装形態によれば、各NANDメモリストリング308のDSGトランジスタ312のドレインは対応するビット線316に結合され、ビット線316からは出力バス(図示せず)を介しデータの読取りや書込みができる。いくつかの実装形態では、各NANDメモリストリング308は、選択または選択解除されるよう構成される。選択と選択解除は、選択電圧(例えば、DSGトランジスタ312の閾値電圧より高い電圧)、または選択解除電圧(例えば、0V)を、1つまたは複数のDSG線313を介してそれぞれのDSGトランジスタ312のゲートに印加すること、および/または選択電圧(例えば、SSGトランジスタ310の閾値電圧より高い電圧)または選択解除電圧(例えば、0V)を、1つまたは複数のSSG線315を介してそれぞれのSSGトランジスタ310のゲートに印加することにより行う。
【0023】
図3に示すように、NANDメモリストリング308は、複数のブロック304に編成することができ、各ブロック304は、例えばACSに結合された共通ソース線314を有していてもよい。いくつかの実装形態では、各ブロック304は消去動作における基本データユニットである。すなわち、消去は同一ブロック304上のすべてのメモリセル306に対して同時に行われる。選択されたブロック304内のメモリセル306の消去を行う場合、選択されたブロック304と、選択されたブロック304と同じプレーン上にある選択されていないブロック304に結合されているソース線314に対して高正電圧(例えば、20V以上)等の消去電圧(Vers)のバイアスをかけて行うことができる。隣接するNANDメモリストリング308のメモリセル306間はワード線318を介して結合することができる。ワード線318は、メモリセル306のどの行が読取りおよびプログラム動作の対象となるかを選択するものである。いくつかの実装形態では、各ワード線318はメモリセル306のページ320に結合される。なお、ページ320はプログラム動作および読取り動作のための基本データユニットである。1ページ320のビット単位のサイズは、ワード線318により結合される1ブロック304内のNANDメモリストリング308数に関係し得る。ワード線318は、各ページ320内のそれぞれのメモリセル306における複数の制御ゲート(ゲート電極)と、それらの制御ゲートを結合するゲート線と、を含むことができる。
【0024】
図4は、本開示のいくつかの態様による、NANDメモリストリング308を含む典型的なメモリセルアレイ301の側面から見た断面図を示す。
図4に示すように、NANDメモリストリング308は、基板402上のメモリスタック404を貫通するように垂直に延びていてもよい。基板402は、シリコン(例えば、単結晶シリコン)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ヒ化ガリウム(GaAs)、ゲルマニウム(Ge)、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、ゲルマニウム・オン・インシュレータ(GOI)、またはその他任意の適切な材料を含むことができる。
【0025】
メモリスタック404は、インターリーブされたゲート導電層406およびゲート間誘電体層408を含むことができる。メモリスタック404内のゲート導電層406およびゲート間誘電体層408の対の数が、メモリセルアレイ301内のメモリセル306の数を決定するようにしてもよい。ゲート導電層406は、タングステン(W)、コバルト(Co)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ポリシリコン、ドープシリコン、ケイ化物、またはそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない導電性材料を含むことができる。いくつかの実装形態では、各ゲート導電層406はタングステン層等の金属層を含む。いくつかの実装形態では、各ゲート導電層406はドープされたポリシリコン層を含む。各ゲート導電層406は、メモリセル306を取り囲む制御ゲート、DSGトランジスタ312のゲート、またはSSGトランジスタ310のゲートを含んでいてもよく、メモリスタック404の上面に位置するDSG線313、メモリスタック404の底面のSSG線315、またはDSG線313とSSG線315との間のワード線318として横方向に延びていてもよい。
【0026】
図4に示すように、NANDメモリストリング308は、メモリスタック404を貫通するように垂直に延びるチャネル構造412を含む。いくつかの実装形態では、チャネル構造412は、半導体材料(例えば半導体チャネル420として)および誘電体材料(例えばメモリ膜418として)で充填されたチャネルホールを含む。いくつかの実装形態では、半導体チャネル420はポリシリコン等のシリコンを含む。いくつかの実装形態では、メモリ膜418は、トンネル層426、蓄積層424(「電荷トラップ/蓄積層」としても知られる)、およびブロック層422を含む複合誘電体層である。チャネル構造412は、円筒形状(例えば柱状)を有していてもよい。いくつかの実装形態によれば、半導体チャネル420、トンネル層426、蓄積層424、ブロック層422は、この順序で柱の中心から外側の面に向かって半径方向に配置される。トンネル層426は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。蓄積層424は、窒化シリコン、酸窒化シリコン、シリコン、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。ブロック層422は、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、高誘電率(高k)誘電体、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。一例では、メモリ膜418は、酸化シリコン/酸窒化シリコン/酸化シリコン(ONO)の複合層を含むことができる。
【0027】
図4に示すように、いくつかの実装形態によれば、基板402内にウェル414(例えばPウェルおよび/またはNウェル)が形成され、NANDメモリストリング308のソース端がウェル414と接触している。例えば、消去動作中に消去電圧をウェル414、すなわちNANDメモリストリング308のソースに印加するために、ソース線314をウェル414に結合することができる。いくつかの実装形態では、NANDメモリストリング308は、NANDメモリストリング308のドレイン端にチャネルプラグ416をさらに含む。
【0028】
図3に戻り、ビット線316、ワード線318、ソース線314、SSG線315、およびDSG線313を介して、周辺回路302をメモリセルアレイ301に結合してもよい。周辺回路302は、任意のアナログ、デジタル、および混合信号回路を適宜含んでいてもよく、ビット線316、ワード線318、ソース線314、SSG線315、およびDSG線313を介して各ターゲットメモリセル306に電圧信号および/または電流信号を印加し、検知することによりメモリセルアレイ301の動作を可能とする。周辺回路302は、金属酸化膜半導体(MOS)技術を使用して形成された様々な種類の周辺回路を含んでいてもよい。例えば、
図5は、ページバッファ/センスアンプ504、列デコーダ/ビット線ドライバ506、行デコーダ/ワード線ドライバ508、電圧発生器510、制御ロジック512、レジスタ514、インターフェース516、およびデータバス518を含む、いくつかの典型的な周辺回路を示す。なお、いくつかの例では、
図5に示されていない周辺回路をさらに含んでいてもよいことを理解されたい。
【0029】
ページバッファ/センスアンプ504は、制御ロジック512からの制御信号に従って、メモリセルアレイ301からデータを読取り、メモリセルアレイ301にプログラム(書込み)するよう構成することができる。一例では、ページバッファ/センスアンプ504は、プログラムすべきプログラムデータ(ライトデータ)の1ページ分を、メモリセルアレイ301の1ページ320に格納してもよい。別の例では、ページバッファ/センスアンプ504は、選択されたワード線318に結合されたメモリセル306内にデータが適切にプログラムされていることを確認する、プログラム検証動作を実行してもよい。さらに別の例では、ページバッファ/センスアンプ504は、メモリセル306に記憶されたデータビットを表すビット線316からの低電力信号を検知し、その小さな電圧振幅を、読取り動作で認識できる程度の論理レベルに増幅してもよい。詳細に後述するように、ページバッファ/センスアンプ504は、物理的に分かれた複数の部分(例えば、4つのクオーター区画)を含むことができる。読取り動作時には、これらの各部分に対応するクロック経路およびデータ経路を介して順次アクセスすることができる。
【0030】
列デコーダ/ビット線ドライバ506は、制御ロジック512からの制御信号に従って制御ロジック512により制御され、電圧発生器510により生成されたビット線電圧を、1つまたは複数のNANDメモリストリング308に印加することで選択するように構成することができる。以下で詳細に説明するように、読取り動作において制御信号は、ページバッファ/センスアンプ504のいずれか1つの部分から始まる、読取りデータをそれぞれ識別するためのアドレス(例えば、列アドレス)を含む読取りコマンドを含んでいてもよい。
【0031】
行デコーダ/ワード線ドライバ508は、制御ロジック512からの制御信号に従って制御ロジック512によって制御され、メモリセルアレイ301のブロック304を選択/選択解除し、ブロック304のワード線318を選択/選択解除するように構成することができる。行デコーダ/ワード線ドライバ508はさらに、電圧発生器510が生成したワード線電圧を使用してワード線318を駆動するように構成することができる。いくつかの実装形態では、さらに、行デコーダ/ワード線ドライバ508は、SSG線315およびDSG線313の選択/選択解除および駆動を行うことができる。電圧発生器510は、制御ロジック512からの制御信号に従って制御ロジック512によって制御され、メモリセルアレイ301に供給されるワード線電圧(例えば、読取り電圧、プログラム電圧、パス電圧、ローカル電圧、検証電圧等)、ビット線電圧、およびソース線電圧を生成するように構成することができる。
【0032】
制御ロジック512は、上述した各周辺回路に結合され、読取り動作のための読取りコマンド等の様々な制御信号を生成および送信することにより、各周辺回路の動作を制御するように構成することができる。制御ロジック512はまた、所望の周波数、周期、およびデューティサイクルのクロック信号を、他の周辺回路302に送信し、例えば同期を取るなど、各周辺回路302の動作を協調させることができる。レジスタ514は、制御ロジック512に結合され、ステータス情報、コマンド演算コード(OPコード)、および各周辺回路302の動作を制御するためのコマンドアドレスを格納する、ステータスレジスタ、コマンドレジスタ、およびアドレスレジスタを含むことができる。
【0033】
インターフェース516は、制御ロジック512に結合され、命令フェッチ部/バッファとして、そしてメモリコントローラ(例えば、
図1の106)から受信した命令を復号し、復号された命令を制御ロジック512に中継する命令デコーダとして機能させることができる。インターフェース516は、さらに、制御ロジック512から受信したステータス情報をバッファし、メモリコントローラ(例えば、
図1の106)に中継することができる。インターフェース516は、データバス518を介してページバッファ/センスアンプ504に結合され、さらに、メモリセルアレイ301からの、そしてメモリセルアレイ301宛てのデータをバッファリングし、中継するためのデータ入出力(I/O)インターフェースおよびデータバッファとして機能させることができる。
【0034】
以下で詳細に説明するように、周辺回路302は、ページバッファ/センスアンプ504の各部分に結合されたクロック経路520をさらに含むことができる。クロック経路520は、本明細書に開示されているクロック信号返還スキームによる読取り動作において、ページバッファ/センスアンプ504の複数の部分からの複数のクロック帰還信号を転送し、そしてマージするように構成される。クロック経路520は、さらに、インターフェース516と結合され、読取り動作において、データバス518からの読取りデータの出力の同期を取るために、マージ後クロック帰還信号をインターフェース516に転送することができる。いくつかの実装形態では、読取り動作において、クロック経路520上のマージ後クロック帰還信号と、データバス518上の読取りデータとは整合が取られる。
【0035】
図6は、本開示のいくつかの態様による、複数のメモリプレーンを含む典型的なメモリデバイス300のブロック図を示す。いくつかの実装形態では、メモリデバイス300は、複数のメモリプレーン602(例えば、
図6の4つのメモリプレーン)を含む。メモリプレーン602は、読取り動作、プログラム動作、または消去動作を実行する際に互いに独立していてもよい。例えば、各メモリプレーン602は、制御ロジック512からの読取り制御信号の受信に応じて、独立して読取り動作を実行するように構成されてもよい。いくつかの実装形態では、各メモリプレーン602は、読取りデータおよびプログラムデータのためのローカルバッファリングに対応し、かつ動作の並列処理が可能であり、それによって動作速度を高めている。その独立した動作を有効とするために、各メモリプレーン602は、メモリセルアレイ301のブロック304の一式と、ページバッファ/センスアンプ504、列デコーダ/ビット線ドライバ506、および行デコーダ/ワード線ドライバ508等の周辺回路の一式とを含むことができる。
【0036】
図7は、本開示のいくつかの態様に係る、複数の部分を有するページバッファ/センスアンプ504と、ページバッファ/センスアンプ504の複数の部分に結合されたクロック経路520と、を含むメモリプレーン602の典型的なレイアウトを示す。メモリプレーン602は、複数の部分に分割されたページバッファ/センスアンプ504を含むことができる。
図7に示すように、いくつかの実装形態によれば、ページバッファ/センスアンプ504は、4つの物理的に分離されたクオーター区画504a、504b、504c、および504dを含む。説明を容易とするため、ページバッファの複数の部分は、本明細書では4つのクオーター区画として説明され得る。なお、部分の数は4つに限定されず、1より大きい任意の整数(例えば、2、3、4、5、6等)とし、例えば2つのハーフ区画であってもよいことを理解されたい。ページバッファ/センスアンプ504は、メモリプレーン602内のメモリセルに対して読み書きされるデータの、1以上のページを一時的に格納(バッファリング)するための複数のストレージ部(例えば、ラッチ、キャッシュ、またはレジスタ)を含むことができる。いくつかの実装形態では、各クオーター区画504a、504b、504c、または504dは同一サイズ、すなわちページバッファ/センスアンプ504の1/4のサイズを有する。例えば、ページバッファ/センスアンプ504が16Kバイトのデータを格納することができるとした場合、クオーター区画504a、504b、504c、または504dはそれぞれ4Kバイトのデータを格納することができる。
【0037】
いくつかの実装形態では、クロック経路520は、ページバッファ/センスアンプ504のクオーター区画504a、504b、504c、または504dそれぞれに結合される。
図7に示すように、クロック経路520は、各分岐点702、704a、または704bで枝分かれした支路を形成することができる。例えば、クロック経路520は、分岐点702において、2本のプレーンハーフ支路に枝分かれしてもよく、クロック経路の各プレーンハーフ区画支路分岐点704aまたは704bにおいてさらに2本のクオーター支路に枝分かれし、クロック経路520の4本のクオーター支路を、ページバッファ/センスアンプ504内の、対応するクオーター区画504a、504b、504c、または504dにそれぞれ結合するようにしてもよい。クロック経路520は、例えば、制御ロジック512から各クオーター区画504a、504b、504c、または504dにクロック信号を転送し、各クオーター区画 504a、504b、504c、または504dから例えばインターフェース516にクロック帰還信号を転送するように双方向性を有していてもよい。いくつかの実装形態では、クロック経路520は、クロック信号を4つのクロック信号に分割し、4つのクロック信号を、対応するクオーター支路を介して、ページバッファ/センスアンプ504の4クオーター区画504a、504b、504c、および504dにそれぞれ転送するように構成される。以下で詳細に説明するように、クロック経路520は、さらに、ページバッファ/センスアンプ504の4つのクオーター区画504a、504b、504c、および504dから、それぞれそのクオーター支路を経由して4つのクロック帰還信号を転送し、4つのクロック帰還信号をマージ後クロック帰還信号にマージするように構成される。
【0038】
図8は、クロック帰還信号をマージするためのページバッファ801の複数の部分に結合されたクロック経路800の回路図を示す。
図9は、
図8のクロック経路800によって実施されるクロック信号返還スキームのタイミングチャートを示す。ページバッファ801のクオーター区画0、1、2、3のそれぞれは、読取り動作において、0、1、2、3の順番で順次選択される。したがって、クオーター区画0およびクオーター区画1をとると、
図9に示すように、クロック経路800上でページバッファ801に転送されるクロック信号(clk_dp)は、2つの連続するクロック信号(clk_dp_q0およびclk_dp_q1)に分割される。すなわち、クオーター区画0およびクオーター区画1の各々は、それぞれ対応するクロック信号(clk_dp_q0またはclk_dp_q1)を順次受信する。
図8に示すように、各クオーター区画0、1、2、または3において、それぞれのクロック信号802は、それぞれの遅延回路(DLY)804を通過し、クロック経路800のそれぞれの支路におけるそれぞれのクロック帰還信号(clk_rtn_q0、clk_rtn_q1、clk_rtn_q2、またはclk_rtn_q3)とされる。
図9に示すように、例えば、クオーター区画0が選択された場合、クオーター区画0用の遅延回路804が、第1のクロック帰還信号(clk_rtn_q0)の周期を第1のクロック信号(clk_dp_q0)の周期よりも短くする周波数逓倍器として機能する。同様に、クオーター区画1が選択されると、クオーター区画1用の遅延回路804が、第2のクロック帰還信号(clk_rtn_q1)の周期を第2のクロック信号(clk_dp_q1)の周期より短くする周波数逓倍器として機能する。結果として、クロック帰還信号は、切り替えの際各クロック帰還信号の終了レベルが確実にLOW(例えば、0V、Vss)となるようクロック経路800上では短パルスとして転送され、クロック経路800のクオーター支路でORゲート806によりマージする際に互いにゲーティングしてしまうことを回避している。説明を容易にするために、
図8のページバッファ801には遅延回路804のみが示されているが、ページバッファ801の各クオーター区画には、例えば上述のように、他の任意の構成要素を適宜含んでいてもよいことを理解されたい。
【0039】
図8に示すように、クロック経路800の各クオーター支路において、互いに隣接する2つのクオーター区画からの2つのクロック帰還信号(例えば、クオーター区画0とクオーター区画1、またはクオーター区画2とクオーター区画3)は、それぞれ対応するORゲート806によりマージされる。クロック経路800のそれぞれのクオーター支路上の2つのマージ後クロック帰還信号は、また、それぞれマージ後クロック帰還信号(clk_rtn_q01またはclk_rtn_q23)を生成するために、その周期を長くするそれぞれに対応した分周器808を通過する。
図9に示すように、ORゲート806は分周器808と連携し、それぞれのクロック帰還信号(clk_rtn_q0またはclk_rtn_q1)の立ち上がりエッジでマージ後クロック帰還信号(clk_rtn_q01)のレベルを切り替える。言い換えれば、各クロック帰還信号を各クオーター支路でマージした後、その短パルスのパルス幅を長くする。
【0040】
図8に示すように、2つのマージ後クロック帰還信号(clk_rtn_q01またはclk_rtn_q23)は、プレーンハーフ支路で再びマージする必要があるため、クロック経路800は、さらに、各クオーター支路上において、それぞれのマージ後クロック帰還信号(clk_rtn_q01またはclk_rtn_q23)の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジでそれぞれ短パルスを生成するエッジ検出器/パルス発生器810を含む。2つの出力信号は、ORゲート812により再度マージされ、マージ後クロック帰還信号(clk_rtn_pul)が生成される。
図9に示すように、マージ後クロック帰還信号(clk_trn_q01)の立ち上がりエッジまたは立ち下がりエッジに応じて、マージ後クロック帰還信号(clk_rtn_pul)に短パルスが再生される。
図8に戻り、マージ後クロック帰還信号(clk_rtn)の周期を長くするために、すなわち短パルスのパルス幅を長くするために、マージ後クロック帰還信号(clk_rtn_pul)をクロック経路800上で再び分周器814に通過させる必要がある。
【0041】
図8および
図9に関して説明したクロック信号返還スキームは、ORゲート806およびORゲート812におけるゲート動作を回避するために、様々なクロック帰還信号(例えば、clk_rtn_q0、clk_rtn_q1、clk_rtn_q2、clk_rtn_q3、およびclk_rtn_pul)において短パルスを使用する必要がある。異なるクオーター区画間のプロセスおよび動作状態の変動(例えばプロセス、電圧、温度等)を考慮すると、クロック経路800上の長い転送線を通過する短パルスを良好に制御することは困難である。さらに、クロック経路800上で、例えば分周器、周波数逓倍器、および/またはエッジ検出器/パルス発生器によって信号の周期や周波数が頻繁に変化した場合、クロック帰還信号とそれに対応するデータ信号との整合が取れなくなるリスクが高まる可能性があり、望ましくない。
【0042】
既知のクロック信号返還スキームの上記の問題のうちの1つまたは複数を克服するために改善されたクロック信号返還スキームを、
図10~
図11を参照しつつ以下に開示する。また、異なるクロック帰還信号をマージするためにクロック経路上で使用する、ORゲートまたはNANDゲート等といった論理ゲートの種類に応じて、現在選択されている部分から返されるクロック帰還信号を、当該信号に隣接する別のクロック帰還信号をゲートしない特定のレベル(例えば、ORゲートの場合はLOW、NANDゲートの場合はHIGH)で終了させることができる。その結果、クロック経路の始めにおいて分周器を使用してクロック帰還信号の周期を長くし、クロック帰還信号における短パルスの使用を回避することができる。例えば、
図10は、本開示のいくつかの態様に係る、クロック帰還信号をマージするためのページバッファ1001の複数の各部分に結合される、典型的なクロックレベル設定モジュール1004と典型的なクロック経路1002の回路図を示し、
図11は、本開示のいくつかの態様に係る、
図10におけるクロック経路1002により実施される典型的クロック信号返還スキームのタイミングチャートを示す。クロック経路1002およびクロックレベル設定モジュール1004は、メモリデバイス300の周辺回路302の一部とすることができる。クロック経路1002は、
図5のクロック経路520の一例であってもよい。説明を容易にするために、本明細書では、クロックレベル設定モジュール1004はページバッファ1001に結合された別個の構成要素として示し、説明しているが、クロックレベル設定モジュール1004はスタンドアロン回路としてもよいし、またはページバッファ1001の一部など別の周辺回路302の一部としてもよいことを理解されたい。例えば、クロックレベル設定モジュール1004は、
図5のページバッファ/センスアンプ504の一部または制御ロジック512の一部とすることができる。
【0043】
図10および
図11を参照して説明したページバッファ1001は、例えば、
図7に示した4つのクオーター区画504a、504b、504c、および504d等の複数の部分を含む、
図5~
図7に示したページバッファ/センスアンプ504であってもよい。各クオーター区画504a、504b、504c、または504dは、クロック信号を順次受信するように構成することができる。例えば、クロック信号(clk_dp)を制御ロジック512からページバッファ/センスアンプ504に転送し、クロック経路520の分岐点702、704a、および704bで4つのクロック信号(clk_dp_q0、clk_dp_q1、clk_dp_q2、clk_dp_q3)に分割してもよい。このクロック信号はそれぞれ、4つのクオーター支路を介してクオーター区画504a、504b、504c、および504dに転送される。クオーター区画0およびクオーター区画1を例にとると、
図11に示すように、クオーター区画0を最初に選択してもよい。クオーター区画0は読取り動作において、クロック信号(clk_dp)の第1のクロック信号(clk_dp_q0)を受信する。第1のクロック信号(clk_dp_q0)の終了時点で現在選択されているクオーター区画を、クオーター区画0からクオーター区画1に変更してもよい。クオーター区画1はクロック信号(clk_dp)の第2のクロック信号(clk_dp_q1)を受信する。クオーター区画2およびクオーター区画3についても、これらのクオーター区画が選択された際は同様のクロック信号のタイミングが適用され得ることを理解されたい。各クオーター区画を選択する順番、すなわち、4つのクオーター区画がクロック信号を受信する順番は、例えば、クオーター区画0、1、2、および3の順序に事前に設定してもよいことを理解されたい。また、特定の読取り命令によっては、読取り動作において必ずしも4つのクオーター区画すべてが選択されるとは限らないことをさらに理解されたい。例えば、ページバッファ/センスアンプ504において最初に選択されるクオーター区画は、読取りデータの開始アドレスに応じてクオーター区画0、1、2、および3のいずれか1つであってもよい。同様に、読取りデータ長によっては、最後に選択されるクオーター区画はクオーター区画0、1、2、および3のいずれかであってもよい。
【0044】
さらに、各クオーター区画504a、504b、504c、または504dは、対応するクロック信号の受信に応答してクロック帰還信号を順次返すよう構成することができる。すなわち、いくつかの実装形態では、各クオーター区画504a、504b、504c、または504dは、対応するクロック信号を受信すると、上述したウェーブパイプライン構造に従ってクロック帰還信号を返す。したがって、4つのクオーター区画がクロック帰還信号を返す順番は、4つのクオーター区画がクロック信号を受信する順番、ならびに各クオーター区画が選択される順番と同じとすることができる。したがって、4つのクオーター区画によってクロック帰還信号を返す順番も、例えば、クオーター区画0、1、2、および3の順序として事前に設定され得ることを理解されたい。
【0045】
いくつかの実装形態では、クロック経路1002は、ページバッファ1001の複数の部分に結合され、複数のクロック帰還信号をマージするように構成される。例えば、クロック経路1002は、ページバッファ1001の4つのクオーター区画に結合され、4つのクオーター区画から順次返される4つのクロック帰還信号をマージするように構成され得る。なお、いくつかの例では、読取り命令によっては、その読取り動作において4つのクオーター区画すべてが選択されるわけではなく、したがって、そのような例では、クロック経路1002はその数に応じて4つのクロック帰還信号のうちのいくつかのみをマージしてもよいことを理解されたい。それにもかかわらず、読取り動作において4つのクオーター区画がすべて選択された場合、クロック経路1002は4つのクオーター区画から順次返される4つのクロック帰還信号すべてをマージすることができる。
【0046】
いくつかの実装形態では、クロックレベル設定モジュール1004は、ページバッファ1001の各クオーター区画に結合され、複数のクロック帰還信号のうち、第1のクロック帰還信号の開始レベルを、複数のクロック信号のうちの第1のクロック信号におけるサイクル数に基づいて設定するように構成される。第1のクロック帰還信号は、第1のクロック信号に対応させることができる。いくつかの実装形態によれば、読取り命令に基づく読取り動作において、第1のクロック信号はページバッファ1001の現在選択されている部分に送信され、第1のクロック帰還信号は第1のクロック信号の受信に応答してページバッファ1001の現在選択されている部分から返される。結果として、以下で詳細に説明するように、クロック経路1002で第1のクロック帰還信号および第2のクロック帰還信号をマージする際、第1のクロック帰還信号の終了レベルを、第1のクロック帰還信号の次の第2のクロック帰還信号をゲートしないレベルに設定することができる。
【0047】
いくつかの実装形態では、ページバッファ1001の各クオーター区画は、クロックレベル設定モジュール1004に結合された分周器1012をそれぞれ含む。各分周器1012は、それぞれのクロック信号1010(例えば、
図11のclk_dp_q0またはclk_dp_q1)を受信し、クロック信号1010に基づいてそれぞれのクロック帰還信号(clk_rtn_q0、clk_rtn_q1、clk_rtn_q2、またはclk_rtn_q3)を生成するように構成することができる。
図10に示すように、いくつかの実装形態では、分周器1012は、クロックレベル設定モジュール1004に結合されたフリップフロップ1014を含む。フリップフロップ1014は、例えば、セット/リセット(SR)を有するDフリップフロップ(DFF)であってもよい。SR付きDFFは、クロック入力、SR入力、D入力、Q出力、および
【数1】
出力を含んでいてもよい。DFFのQ出力はインバータを介してD入力に結合してもよく、DFFの
【数2】
出力は対応するクロック帰還信号(clk_rtn_q0、clk_rtn_q1、clk_rtn_q2、またはclk_rtn_q3)を出力してもよい。DFFのクロック入力では該当するクロック信号(clk_dp_q0、clk_dp_q1、clk_dp_q2、またはclk_dp_q3)を受信することができ、DFFのSR入力ではクロックレベル設定モジュール1004からのSR信号を受信することができる。加えて
図11を参照し、クオーター区画0およびクオーター区画1を取り上げると、例えば、クオーター区画0が選択されると、クオーター区画0に結合された分周器1012が第1のクロック帰還信号(clk_rtrn_q0)の周期を第1のクロック信号(clk_dp_q0)の周期の倍に設定する。これによりクロック経路1002上で短パルスが転送されるのを回避することができる。例えば、第1のクロック帰還信号(clk_rtrn_q0)のデューティサイクルは50%であってもよい。同様に、電流選択クオーター区画がクオーター区画0からクオーター区画1に切り替わると、クオーター区画1に結合された分周器1012が第2のクロック帰還信号(clk_rtrn_q1)についても周期を第2のクロック信号(clk_dp_q1)の周期の倍に設定することができる。
図10では、図を容易にするためにページバッファ1001の4クオーター区画のうちの1つに結合された分周器1012のみを示したが、ページバッファ1001の各クオーター区画についても同様に、対応する分周器1012に結合してもよいことを理解されたい。
【0048】
(現在選択されているクオーター区画を切り替える時)、クロック帰還信号をマージする際にクロック帰還信号が互いに隣接しゲーティングすることを回避するために、クロック帰還信号において短パルスを使用する代わりに、分周器1012とクロックレベル設定モジュール1004によってクロック帰還信号の開始レベルを適切なレベルに設定することで、クロック帰還信号の終了レベルを後続のクロック帰還信号をゲーティングしないレベル(例えばVdd等のHIGHレベル、または例えば0VもしくはVss等のLOWレベルのいずれか)に設定することができる。いくつかの実装形態では、クロックレベル設定モジュール1004は、第1のクロック帰還信号の開始レベルを設定するために、第1のクロック信号に関連付けられたページバッファアドレスに基づいて第1のクロック信号内のサイクル数のパリティを決定し、パリティに基づいて第1のクロック帰還信号の開始レベルを設定するように構成される。なお、アドレスは、読取り命令内にあってもよい。クロック帰還信号のレベルは、分周器1012によってそれぞれのクロック信号の各立ち上がりエッジで切り替えられるため、いくつかの実装形態によれば、クロック帰還信号の終了レベル(HIGHまたはLOW)は、クロック信号のサイクル数のパリティ(奇数または偶数)と、クロック帰還信号の開始レベル(HIGHまたはLOW)によって決定される。例えば、クロック信号のサイクル数のパリティが偶数の場合、クロック帰還信号の開始レベルと終了レベルを同じとし、クロック信号のサイクル数のパリティが奇数の場合、クロック帰還信号の開始レベルと終了レベルを異なるものとしてもよい。
【0049】
図10に示すように、いくつかの実装形態において、クロックレベル設定モジュール1004はアドレスユニット1006を含む。アドレスユニット1006は、読取り対象データの開始アドレスを含む読取り命令または読取りコマンドをページバッファ/センスアンプ504から受信し、クロック信号におけるサイクル数のパリティを決定するように構成される。上述したように、クロックレベル設定モジュール1004は、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)等からなる専用の集積回路(IC)として、ページバッファ/センスアンプ504の一部とすることができる。もしくは例えばマイクロコントローラユニット(MCU)上で実行される専用のIC、もしくはファームウェア/ソフトウェアコードとして制御ロジック512の一部とすることができる。したがって、クロックレベル設定モジュール1004が制御ロジック512の一部である場合、アドレスユニット1006はメモリコントローラ(例えば、
図1の106)から読取り命令を受信する。もしくはクロックレベル設定モジュール1004がページバッファ/センスアンプ504の一部である場合、メモリコントローラからの読取り命令に基づき、制御ロジック512から読取りコマンド(制御信号)を受信することができる。いずれにせよアドレスユニット1006は、ページバッファ/センスアンプ504の4つのクオーター区画のうちの1つにおける、読取り動作で読み取る対象データの開始アドレスを特定することができる。いくつかの実装形態では、第1のクロック信号のサイクル数は、第1のクロック信号を用いてページバッファ1001の対応する部分における、転送対象のデータユニット数に対応する。すなわち、クロック信号はデータ信号と同期させることができる。したがって、アドレスユニット1006は、読取り命令内の開始アドレスに基づいて、現在選択されているクオーター区画に送信されるクロック信号におけるサイクル数を決定することができる。いくつかの実装形態では、アドレスユニット1006は、読取り命令内の読取りデータのアドレスの最下位ビットに基づいてパリティを決定する。
【0050】
例えば、
図12に示すように、読取り命令1、2、および4の各々について、開始アドレスは、第1の選択クオーター区画となるクオーター区画0内にあってもよい。クロックレベル設定モジュール1004は、読取り命令1においては、クオーター区画0に送られるクロック信号のサイクル数が奇数(1)であると決定することができる。この場合、クオーター区画0からのクロック帰還信号の開始レベルと終了レベルが異なるレベルとなる。クロックレベル設定モジュール1004は、読取り命令2または読取り命令4においては、クオーター区画0に結合されたクロック信号のサイクル数は偶数(4または12)であると決定することができる。この場合、クオーター区画0からのクロック帰還信号の開始レベルは、その終了レベルと同じになる。なお、常にクオーター区画0内に開始アドレスがあるとは限らないことを理解されたい。例えば、命令3の場合、開始アドレスがクオーター区画1にあってもよい。この場合、クロックレベル設定モジュール1004は、クオーター区画1に結合されたクロック信号にサイクルが偶数個(6)あると決定することができる。この場合、クオーター区画1からのクロック帰還信号の開始レベルは終了レベルと同じになる。
【0051】
図10に戻り、いくつかの実装形態では、クロックレベル設定モジュール1004は、クロック信号におけるサイクル数のパリティに基づき、フリップフロップ1014のSR入力へのSR信号を生成するように構成されたSRユニット1008を含む。適切なSR信号(HIGHまたはLOW)を用いてフリップフロップ1014(例えば、SRを有するDFF)をセットまたはリセットすることにより、出力、すなわち第1のクロック帰還信号の開始レベルをHIGHまたはLOWのいずれかに設定することができる。第1のクロック帰還信号の開始レベルを設定するのに適したSR信号を決定する際に考慮されるもう1つの要因として、クロック帰還信号がクロック経路1002によりどのようにマージされるかが挙げられる。クロック経路1002は、2つのクロック帰還信号をマージするように構成されたORゲートまたはNANDゲートのいずれかを含むことができる。したがって、クロックレベル設定モジュール1004は、パリティに加え、さらに、クロック帰還信号がマージされるのがORゲートとNANDゲートのいずれであるのかに基づいて第1のクロック帰還信号の開始レベルを設定するように構成することができる。ゲーティングは、第1のクロック帰還信号の終了レベルがHIGHの時にORゲートで行うようにしても、または第1のクロック帰還信号の終了レベルがLOWの時にNANDゲートで行うようにしてもよい。いくつかの実装形態では、クロック経路1002がORゲートを含んでいる場合、それに応じて、ORゲートによるゲーティングを回避するために、第1のクロック帰還信号の終了レベルをLOWとする。いくつかの実装形態では、クロック経路1002がNANDゲートを含んでいる場合、それに応じて、NANDゲートによるゲーティングを回避するために第1のクロック帰還信号の終了レベルをHIGHとする。
【0052】
図10に示すように、クロック経路1002は、2つのORゲート1018を含む。ORゲート1018はそれぞれ、2つのクロック帰還信号(clk_rtn_q0およびclk_rtn_q1、またはclk_rtn_q2およびclk_rtn_q3)をそれぞれマージし、マージ後クロック帰還信号(clk_rtn_q01またはclk_rtn_q23)を生成するように構成される。
図11に示すように、現在選択されているクオーター区画0の場合、第1のクロック信号(clk_dp_q0)のサイクル数のパリティ(2)は偶数であり、かつ第1のクロック帰還信号と第2のクロック帰還信号(clk_rtn_q0およびclk_rtn_q1)をマージするのはORゲート1018である。したがって第1のクロック帰還信号(clk_rtn_q0)による次の第2のクロック帰還信号(clk_rtn_q0)のゲーティングを回避するために、第1のクロック帰還信号(clk_rtn_q0)の終了レベルがLOWのまま留まるよう、第1のクロック帰還信号(clk_rtn_q0)の開始レベルをLOWに設定してもよい。結果として、第1のクロック帰還信号または第2のクロック帰還信号(clk_rtn_q0またはclk_rtn_q1)において短パルスを使用しなくても、ゲーティングが起きてしまう懸念なく、マージ後クロック帰還信号(clk_rtn_q01)を生成することができる。
【0053】
いくつかの実装形態では、クロックレベル設定モジュール1004は、さらに、クロック経路1002に含まれているのがORゲートの場合には第1のクロック帰還信号の次の第2のクロック帰還信号の開始レベルをLOWに設定し、クロック経路1002に含まれているのがNANDゲートの場合には第2のクロック帰還信号の開始レベルをHIGHに設定するように構成される。すなわち、現在選択されているクオーター区画の次の後続のクオーター区画に関し、当該クオーター区画全体で転送対象となるデータユニット数(対応するクロック信号のサイクル数)のパリティが偶数(例えば、4Kバイト)になるように予め設定されていると仮定すると、対応するクロック帰還信号の開始レベルは終了レベルと同じになる。したがってそのような場合、クロックレベル設定モジュール1004は、第1のクロック帰還信号および第2のクロック帰還信号がマージされるのがORゲートなのかもしくはANDゲートなのかにのみ基づいて、対応するクロック帰還信号の開始レベルを決定することができる。後続のクオーター区画からの転送対象データがクオーター区画全体を占有しない場合、すなわち、読取り動作において、他のクオーター区画やクロック帰還信号をもはや必要としない場合、それ以降のマージ処理は必要ないため、ゲーティングが生じたとしても第2のクロック帰還信号にとっては問題とならない。
【0054】
例えば、
図12に示す読取り命令1または読取り命令4の場合、読取り対象となるデータは(現在選択されているクオーター区画0の後に選択される)各クオーター区画1、2、および3の全体を対象としているため、クロック帰還信号をマージするのにORゲートが使用されることを仮定すると、クロックレベル設定モジュール1004は、クオーター区画1、2、または3からの各クロック帰還信号の開始レベルをLOWに設定することができる。読取り命令3の場合、読取り対象のデータは、(現在選択されているクオーター区画1の後に選択される)クオーター区画2全体を対象としているため、クロックレベル設定モジュール1004は、クオーター区画2からのクロック帰還信号の開始レベルをLOWに設定することができる。読取り命令2に関しては、読取り対象のデータは、(現在の選択されているクオーター区画0の後に選択される)クオーター区画1とクオーター区画2それぞれの全体が対象となるが、クオーター区画3については一部分であるため、クロックレベル設定モジュール1004は、クオーター区画2からのクロック帰還信号の開始レベルをLOWに設定する。その後はクロック帰還信号がもはや存在しないため、クオーター区画3からクロック帰還信号の開始レベルについてはいずれのレベルに設定してもよい。
【0055】
図10に戻り、クロック経路1002は、2つのマージ後クロック帰還信号(clk_rtn_q01およびclk_rtn_q23)をさらにマージすることで、4つのクオーター区画からの4つのクロック帰還信号(clk_rtn_q0、clk_rtn_q1、clk_rtn_q2、およびclk_rtn_q3)をマージしたマージ後クロック帰還信号(clk_rtn)を生成するように構成されたORゲート1020をさらに含むことができる。いくつかの実装形態では、クロック経路1002がクロック帰還信号を転送している最中にクロック帰還信号とそれに対応するデータ信号との整合性が失われてしまった場合に同期をとるために、クロック経路1002が1つまたは複数の遅延回路、例えば、各分周器1012の後段の遅延回路1016と、ORゲート1020の後段の遅延回路1022と、をさらに含む。例えば、マージ後クロック帰還信号(clk_rtn)に遅延回路1022を通過させることで同期マージ後クロック帰還信号(clk_rtn_srync)とし、整合を取ったデータ信号の読取りに使用してもよい。
【0056】
図13は、本開示のいくつかの態様による、メモリデバイスを動作させるための方法1300のフローチャートを示す。メモリデバイスは、メモリデバイス300等、本明細書に開示されている適切なメモリデバイスであればいずれであってもかまわない。方法1300は、クロックレベル設定モジュール1004によって実行されうる。方法1300に示した動作は網羅的でなくてもよく、図示したいずれかの動作の前、後、またはその間に他の動作を実行することが可能であることを理解されたい。さらに、一部の動作を同時に、または
図13に示す順序とは異なる順序で実行してもよい。
【0057】
図13を参照し、方法1300は動作1302で開始する。ここで、読取り命令を受信する。例えば、読取り動作の場合、読取り命令は、メモリデバイス300の制御ロジック512がメモリコントローラ106から受信することができる。そして方法1300は
図13に示すように動作1304に進み、ここでは、読取り命令からページバッファアドレスを取得する。例えば、読取り命令の場合、メモリデバイス300のクロックレベル設定モジュール1004が、ページバッファ/センスアンプ504から読取り対象となるデータの開始アドレスを取得することができる。方法1300は
図13に示すように動作1306に進み、ここでは、アドレスに基づいて、第1のクロック信号のサイクル数のパリティが決定される。第1のクロック信号をページバッファの第1の部分により受信する。第1のクロック信号のサイクル数は、第1のクロック信号により転送される、ページバッファの第1の部分内のデータユニットの数に対応させてもよい。例えば、メモリデバイス300のクロックレベル設定モジュール1004は、開始アドレスに基づいて、現在選択されているクオーター区画に送信されるクロック信号のサイクル数のパリティを決定してもよい。
【0058】
方法1300は、
図13に示すように、動作1308に進み、ここでは、パリティに基づいて第1のクロック帰還信号の開始レベルが設定される。第1のクロック信号の受信に応答して、ページバッファの第1の部分により第1のクロック帰還信号を返す。第1のクロック帰還信号のデューティサイクルは50%とすることができる。例えば、パリティに基づいて、メモリデバイス300のクロックレベル設定モジュール1004および分周器1012が現在選択されているクオーター区画からのクロック帰還信号の開始レベルを設定してもよい。方法1300は、
図13に示すように、動作1310に進み、ここでは、第2のクロック帰還信号の開始レベルが第1のクロック帰還信号の終了レベルと同レベルに設定される。第2のクロック帰還信号は、ページバッファの第2の部分により第1のクロック帰還信号の次に返される。例えば、メモリデバイス300のクロックレベル設定モジュール1004および別の分周器1012は、次の選択クオーター区画からの後続のクロック帰還信号の開始レベルを、クロック帰還信号の終了レベルと同じレベルになるように設定してよい。
【0059】
本開示の一態様によれば、回路は複数の部分を含むページバッファと、ページバッファの複数の部分に結合されるクロック経路と、ページバッファに結合されるクロックレベル設定モジュールと、を含む。複数の部分は、それぞれクロック信号を順次受信し、対応するクロック信号の受信に応答してクロック帰還信号を順次返すように構成される。クロック経路は複数のクロック帰還信号をマージするように構成される。クロックレベル設定モジュールは、複数のクロック信号のうち第1のクロック信号のサイクル数に基づいて、複数のクロック帰還信号のうち第1のクロック帰還信号の開始レベルを設定するように構成される。第1のクロック帰還信号は第1のクロック信号に対応する。
【0060】
いくつかの実装形態では、クロックレベル設定モジュールは、第1のクロック帰還信号の開始レベルを設定するために、第1のクロック信号に関連付けられたページバッファアドレスに基づいて第1のクロック信号内のサイクル数のパリティを決定し、パリティに基づいて第1のクロック帰還信号の開始レベルを設定するように構成される。
【0061】
いくつかの実装形態では、アドレスは読取り命令内にある。
【0062】
いくつかの実装形態では、クロック経路は、複数のクロック帰還信号をマージするように構成されたORゲートまたはNANDゲートを含む。
【0063】
いくつかの実装形態では、クロック経路がORゲートを含んでいる場合、それに応じて第1のクロック帰還信号の終了レベルをLOWとし、クロック経路がNANDゲートを含んでいる場合、それに応じて第1のクロック帰還信号の終了レベルをHIGHとする。
【0064】
いくつかの実装形態では、クロックレベル設定モジュールは、クロック経路がORゲートを含んでいる場合、それに応じて複数のクロック帰還信号のうちの第2のクロック帰還信号の開始レベルをLOWに設定し、クロック経路がNANDゲートを含んでいる場合、それに応じて第2のクロック帰還信号の開始レベルをHIGHに設定するようにさらに構成される。第2のクロック帰還信号は、第1のクロック帰還信号の次に返すことができる。
【0065】
いくつかの実装形態では、ページバッファの各部分は、それぞれ対応するクロック信号を受信し、当該クロック信号に基づいてそれぞれのクロック帰還信号を生成するように構成された分周器を含む。
【0066】
いくつかの実装形態では、各分周器は、クロックレベル設定モジュールに結合されたフリップフロップを含む。いくつかの実装形態では、フリップフロップは、対応するクロック信号を受信するクロック入力と、クロックレベル設定モジュールからセット/リセット信号を受信するセット/リセット入力と、を含む。
【0067】
いくつかの実装形態では、第1のクロック帰還信号のデューティサイクルは50%である。
【0068】
いくつかの実装形態では、第1のクロック信号のサイクル数は、第1のクロック信号により転送される、ページバッファの対応する部分内のデータユニットの数に対応している。
【0069】
本開示の別の態様によれば、システムは、データを格納するように構成されたメモリセルアレイと、メモリセルアレイに結合され、メモリセルアレイに格納されたデータを読取る読取り動作を実行するよう構成された周辺回路と、を含むメモリデバイスを含む。周辺回路は、複数の部分を含むページバッファと、ページバッファの複数の部分に結合されたクロック経路と、ページバッファに結合されたクロックレベル設定モジュールと、を含む。複数の部分は、それぞれクロック信号を順次受信し、対応するクロック信号の受信に応答してクロック帰還信号を順次返すように構成される。クロック経路は複数のクロック帰還信号をマージするように構成される。クロックレベル設定モジュールは、複数のクロック信号のうち第1のクロック信号のサイクル数に基づいて、複数のクロック帰還信号のうち第1のクロック帰還信号の開始レベルを設定するように構成される。第1のクロック帰還信号は第1のクロック信号に対応する。
【0070】
いくつかの実装形態では、システムは、メモリデバイスに結合され、読取り動作を制御するために読取り命令を周辺回路に提供するように構成されたメモリコントローラを含む。
【0071】
いくつかの実装形態では、システムは、メモリコントローラに結合され、読取りデータを受信するように構成されたホストを含む。
【0072】
いくつかの実装形態では、クロックレベル設定モジュールは、第1のクロック帰還信号の開始レベルを設定するために、第1のクロック信号に関連付けられたページバッファアドレスに基づいて第1のクロック信号内のサイクル数のパリティを決定し、パリティに基づいて第1のクロック帰還信号の開始レベルを設定するように構成される。
【0073】
いくつかの実装形態では、アドレスは読取り命令内にある。
【0074】
いくつかの実装形態では、クロック経路は、複数のクロック帰還信号をマージするように構成されたORゲートまたはNANDゲートを含む。
【0075】
いくつかの実装形態では、クロック経路がORゲートを含んでいる場合、それに応じて第1のクロック帰還信号の終了レベルをLOWとし、クロック経路がNANDゲートを含んでいる場合、それに応じて第1のクロック帰還信号の終了レベルをHIGHとする。
【0076】
いくつかの実装形態では、クロックレベル設定モジュールは、クロック経路がORゲートを含んでいる場合、それに応じて複数のクロック帰還信号のうちの第2のクロック帰還信号の開始レベルをLOWに設定し、クロック経路がNANDゲートを含んでいる場合、それに応じて第2のクロック帰還信号の開始レベルをHIGHに設定するようにさらに構成される。第2のクロック帰還信号は、第1のクロック帰還信号の次に返すことができる。
【0077】
いくつかの実装形態では、ページバッファの各部分は、それぞれ対応するクロック信号を受信し、当該クロック信号に基づいてそれぞれのクロック帰還信号を生成するように構成された分周器を含む。
【0078】
いくつかの実装形態では、各分周器は、クロックレベル設定モジュールに結合されたフリップフロップを含む。いくつかの実装形態では、フリップフロップは、対応するクロック信号を受信するクロック入力と、クロックレベル設定モジュールからセット/リセット信号を受信するセット/リセット入力と、を含む。
【0079】
いくつかの実装形態では、第1のクロック帰還信号のデューティサイクルは50%である。
【0080】
いくつかの実装形態では、第1のクロック信号のサイクル数は、第1のクロック信号により転送される、ページバッファの対応する部分内のデータユニットの数に対応している。
【0081】
本開示のさらに別の態様によれば、メモリデバイスは、データを格納するように構成されたメモリセルアレイと、メモリセルアレイに結合され、メモリセルアレイに格納されたデータを読取る読取り動作を実行するよう構成された周辺回路とを含む。周辺回路は、複数の部分を含むページバッファと、ページバッファの複数の部分に結合されたクロック経路と、ページバッファに結合されたクロックレベル設定モジュールと、を含む。複数の部分は、それぞれクロック信号を順次受信し、対応するクロック信号の受信に応答してクロック帰還信号を順次返すように構成される。クロック経路は複数のクロック帰還信号をマージするように構成される。クロックレベル設定モジュールは、複数のクロック信号のうち第1のクロック信号のサイクル数に基づいて、複数のクロック帰還信号のうち第1のクロック帰還信号の開始レベルを設定するように構成される。第1のクロック帰還信号は第1のクロック信号に対応する。
【0082】
本開示のさらに別の態様によれば、メモリデバイスを動作させるための方法が開示される。メモリデバイスはページバッファを含む。読取り命令を受信する。読取り命令内のページバッファのアドレスを取得する。アドレスに基づき、第1のクロック信号のサイクル数のパリティを決定する。第1のクロック信号をページバッファの第1の部分により受信する。パリティに基づいて第1のクロック帰還信号の開始レベルを設定する。第1のクロック信号の受信に応答して、ページバッファの第1の部分により第1のクロック帰還信号を返す。
【0083】
いくつかの実装形態では、第2のクロック帰還信号の開始レベルが第1のクロック帰還信号の終了レベルと同レベルに設定される。第2のクロック帰還信号は、ページバッファの第2の部分によって第1のクロック帰還信号の次に返すことができる。
【0084】
いくつかの実装形態では、第1のクロック帰還信号のデューティサイクルは50%である。
【0085】
いくつかの実装形態では、第1のクロック信号のサイクル数は、第1のクロック信号により転送される、ページバッファの第1の部分内のデータユニットの数に対応する。
【0086】
以上の具体的な実施態様の説明は、様々な用途に対して、容易に修正および/または適合させることができる。したがって、そのような適合および修正についても、本明細書に提示された教示および手引きに基づく、開示された実施態様の均等物の意味および範囲内にあることが意図されている。
【0087】
本開示の広さおよび範囲は、上述の典型的な実施態様のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物に従ってのみ定義されるべきである。