(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-06-26
(45)【発行日】2024-07-04
(54)【発明の名称】清掃装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/447 20060101AFI20240627BHJP
G03G 15/04 20060101ALI20240627BHJP
G03G 21/00 20060101ALN20240627BHJP
【FI】
B41J2/447 101A
G03G15/04 111
G03G21/00 314
(21)【出願番号】P 2020127356
(22)【出願日】2020-07-28
【審査請求日】2023-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】成田 進
(72)【発明者】
【氏名】山川 健志
(72)【発明者】
【氏名】坂上 嘉信
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 令
【審査官】大関 朋子
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-031348(JP,A)
【文献】特開2018-001752(JP,A)
【文献】特開2021-144167(JP,A)
【文献】特開平03-221473(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/447
G03G 15/04
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光装置のレンズ面に接触して前記レンズ面を清掃する清掃部材を備えた清掃装置において、
前記清掃部材からフィルターへ向けて流れる気流を発生させる気流発生手段を備え
、
前記清掃部材は、潜像担持体に近接した露光位置と前記潜像担持体から離間した退避位置との間の前記露光装置の移動時に前記レンズ面を清掃するものであって、
前記気流発生手段は、前記露光位置と前記退避位置との間で露光装置を移動させる移動機構に駆動連結しており、
前記気流発生手段は、前記露光装置の前記露光位置と前記退避位置との間の移動時に、前記気流を発生させることを特徴とする清掃装置。
【請求項2】
露光装置のレンズ面に接触して前記レンズ面を清掃する清掃部材を備えた清掃装置において、
前記清掃部材からフィルターへ向けて流れる気流を発生させる気流発生手段を備え、
前記清掃部材は、当該清掃装置を収納する画像形成装置のカバーの開閉動作時に前記レンズ面を清掃するものであって、
前記気流発生手段は、前記カバーを開く動作のときと前記カバーを閉じる動作のときに前記気流を発生させるものであり、
前記カバーを開く動作のときの前記気流の強さを、前記カバーを閉じる動作のときの前記気流よりも強くしたことを特徴とする清掃装置。
【請求項3】
請求項
2に記載の清掃装置において、
前記気流発生手段の駆動を、前記カバーの開閉動作に連動させたことを特徴とする清掃装置。
【請求項4】
請求項1乃至
3いずれか一項に記載の清掃装置において、
前記気流を前記フィルターに誘導する気流誘導手段を備えることを特徴とする清掃装置。
【請求項5】
請求項1乃至
4いずれか一項に記載の清掃装置において、
前記気流発生手段は、空気を吸引して前記清掃部材からフィルターへ向けて流れる気流を発生させることを特徴とする清掃装置。
【請求項6】
潜像担持体と、
露光装置と、
前記露光装置のレンズ面を清掃する清掃装置とを備えた画像形成装置において、
前記清掃装置として、請求項1乃至
5いずれか一項に記載の清掃装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項
6に記載の画像形成装置において、
前記露光装置を、前記潜像担持体に近接した露光位置と前記潜像担持体から離間した退避位置との間で移動させる移動機構を備え、
前記移動機構は、装置を開閉するカバーの開閉動作に連動して前記露光装置を、前記露光位置と前記退避位置との間を移動させることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、露光装置のレンズ面に接触してレンズ面を清掃する清掃部材を備えた清掃装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、上記清掃装置として、潜像担持体に近接した露光位置と潜像担持体から離間した退避位置との間の露光装置の移動時に露光装置のレンズ面に接触してレンズ面を清掃する清掃部材を備えたものが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、清掃部材による露光装置のレンズ面清掃時にレンズ面に付着していたトナーなどの付着物が飛散し、装置内が汚れるおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、露光装置のレンズ面に接触して前記レンズ面を清掃する清掃部材を備えた清掃装置において、前記清掃部材からフィルターへ向けて流れる気流を発生させる気流発生手段を備え、前記清掃部材からフィルターへ向けて流れる気流を発生させる気流発生手段を備え、前記清掃部材は、潜像担持体に近接した露光位置と前記潜像担持体から離間した退避位置との間の前記露光装置の移動時に前記レンズ面を清掃するものであって、前記気流発生手段は、前記露光位置と前記退避位置との間で露光装置を移動させる移動機構に駆動連結しており、前記気流発生手段は、前記露光装置の前記露光位置と前記退避位置との間の移動時に、前記気流を発生させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、装置の汚れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】露光装置を露光位置から退避位置へ移動させるときの退避機構の第一リンク部材と開閉カバーとの関係を示す図。
【
図4】露光装置が露光位置から退避位置へ移動したときの退避機構の第一リンク部材と開閉カバーとの関係を示す図。
【
図5】露光装置を退避位置から露光位置へ移動させるときの退避機構の第一リンク部材と開閉カバーとの関係を示す図。
【
図6】露光装置の退避経路の途中にレンズ面を清掃する露光クリーニング装置を配置した構成の説明図。
【
図7】清掃レバーが、清掃用ボス部に当接した状態を示す図
【
図9】清掃レバーの回動が規制された様子を示す図。
【
図11】本実施形態の変形例について、示す概略構成図。
【
図13】ラックアンドピニオンを用いて、第一リンク部材とファンとを駆動連結した例を示す概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を、画像形成装置であるレーザプリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)に適用した実施形態について説明する。
【0009】
図1は、本実施形態に係るプリンタ1の概略構成図である。
本プリンタ1は、装置本体に対して着脱可能に構成されたプロセスカートリッジ50、潜像形成手段としての露光装置60、転写ローラ70、給紙カセット10、定着装置80などを備えている。
【0010】
プロセスカートリッジ50は、潜像担持体としての感光体ドラム3、帯電手段としての帯電ローラ4、現像手段としての現像装置2、クリーニング手段としてのクリーニング装置5などを有している。
【0011】
感光体ドラム3は、図中反時計回りに回転駆動されながら、帯電手段としての帯電ローラ4により、その表面を一様に帯電される。その後、潜像形成手段としての露光装置60により画像情報に基づき露光されて、感光体ドラム3の表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム3上に形成された静電潜像は、現像装置2により現像され、感光体ドラム3上にトナー像が形成される。感光体ドラム3上に形成されたトナー像は、転写ローラ70を備えた転写手段としての転写ユニットにより、給紙カセット10から給紙ローラ12及びレジストローラ対14を経て搬送される記録材としての用紙上に転写される。
【0012】
転写終了後の用紙は、定着手段としての定着装置80によりトナー像が定着され、排紙ローラ15により機外に排出される。転写されずに感光体ドラム3上に残留した転写残トナーは、クリーニング手段としてのクリーニング装置5により感光体ドラム3の表面から除去される。また、感光体ドラム3上の残留電荷は、除電手段としての除電ランプで除去される。
【0013】
感光体ドラム3や現像装置2の経時劣化によりプロセスカートリッジ50の交換が必要な場合には、プリンタ本体の図中左側側面部に設けられた開閉部材たる開閉カバー91を開けることができる構成となっている。開閉カバー91を開けることにより、プロセスカートリッジ50を図中左側面部から取り出すことができる。なお、本実施形態では、感光体ドラム3と現像装置2とを一体に支持するプロセスカートリッジ50としたが、感光体ドラム3と現像装置2とを個別に着脱可能な構成にしてもよい。
【0014】
露光装置60は、感光体ドラム3の長手方向に配列されたLEDや有機EL素子などの複数の発光素子、感光体ドラム3と発光素子とに配列された複数のレンズなどで構成される書込ヘッド(LEDアレイ)64を有している。
この書込ヘッド64は、焦点距離が短いため、露光装置60を感光体ドラム3に近接配置する必要がある。このように、露光装置60を感光体ドラム3に近接配置するため、プロセスカートリッジ50を装置本体に対して着脱するとき邪魔となる。そのため、本実施形態においては、感光体ドラム3に近接した露光位置と、感光体ドラム3から離間した退避位置との間を、露光装置60を移動させる退避装置を備えている。以下に本実施形態の退避装置について図面を用いて具体的に説明する。
【0015】
図2は、退避機構100の概略構成図である。
図2は、露光装置60が感光体ドラム3に潜像を形成する露光位置に位置しているときを示している。
露光装置60は、書込ヘッド64を保持する露光装置保持機構(露光装置保持部材)としてのホルダ65を有している。書込ヘッド64は、バネ部材によって感光体ドラム3方向に付勢されてホルダ65に保持されている。
【0016】
露光装置60が露光位置に位置するときは、書込ヘッド64のレンズ面64aが感光体ドラム3に近接対向している。書込ヘッド64は、画像情報に基づいて所定の位置の発光素子を発光させ、レンズを介して感光体ドラム3に照射することで、感光体ドラム3を露光し、感光体ドラム3に静電潜像を形成する。ホルダ65の長手方向両端には、後述する退避機構に支持される支持突起62と、案内突起63とが上下方向に並べて設けられている。
【0017】
移動機構たる退避機構100は、露光装置60の長手方向一端側と他端側とにそれぞれ設けられている。
退避機構100は、装置本体に回動自在に支持された第一リンク部材101と、露光装置60を保持し、装置本体に回動自在に支持された第二リンク部材102とを備えている。また、退避機構100は、第一リンク部材101と第二リンク部材102とを連結する連結手段としての連結機構103を備えている。
【0018】
連結機構103は、第一連結部材103aと、第二連結部材103bとを有している。第一連結部材103aは、一端が第一リンク部材101に設けられた支持軸101bに回動自在に支持され、他端が、連結軸103cに回動自在に支持されている。また、第二連結部材103bは、一端が連結軸103cに回動自在に支持され、他端が第二リンク部材102に回動自在に支持されている。連結軸103cは、カバー部材105に設けられた図中左右に延びる連結案内孔105aを貫通している。
【0019】
第二リンク部材102は、露光装置60のホルダ65の長手方向両端部に設けられた支持突起62が貫通し、第二リンク部材102の回動の支点A1に向かって延びる長孔状の支持孔102aが設けられている。露光装置60の支持突起62がこの支持孔102aを貫通することにより、露光装置60が退避機構100に支持される。また、支持突起62は、カバー部材105に設けられたガイド部たる露光案内孔105bを貫通している(
図7(a)参照)。また、露光装置60のホルダ65には、案内突起63が設けられており、この案内突起63も、露光案内孔105bを貫通している(
図7(a)参照)。
【0020】
第一リンク部材101は、中心角が略90°の扇形状をしており、第一リンク部材101の円周方向一端に第一連結部材103aを回動自在に支持する支持軸101bが設けられている。また、第一リンク部材101の円周方向他端には、ボス部101aが設けられている。
【0021】
第二リンク部材102には、付勢手段としてトーションスプリング104の一端を引っ掛けるための引っ掛け部102bが設けられている。トーションスプリング104は、一端がこの引っ掛け部102bに引っ掛けられて、他端をカバー部材105に引っ掛けられることで、第二リンク部材102を図中矢印S方向に付勢している。
【0022】
このトーションスプリング104の付勢力により、第二リンク部材102及び連結軸103c(第一連結部材103a,第二連結部材103b)は、第一リンク部材101側へ移動するような力を受ける。このとき、第一リンク部材101の回動の支点A2と連結軸103cとを結んだ線分Aよりも第一連結部材103aの第一連結部材支持位置A3(支持軸101b)が図中下側にある。その結果、連結軸103cの第一リンク部材101側へ移動するような力によって、第一連結部材支持位置A3に矢印T1方向に移動させようとする力が生じ、第一リンク部材101を、図中反時計回りに回動させようとする力が生じる。このとき、第一リンク部材101のボス部101a形成面とは反対側の面に設けられた清掃用ボス部101c(
図7(a)参照)が、カバー部材105の逃がし溝105dの終端の回動規制部105fに突き当たる(
図7(a)参照)。これにより、第一リンク部材101の図中反時計回りの回動が回動規制部105fにより規制され、露光装置60が露光位置に位置する。
【0023】
次に、露光装置60の露光位置と退避位置との間の移動について説明する。
図3、
図4は、露光装置60を露光位置から退避位置へ移動させるときの退避機構100の第一リンク部材101と開閉カバー91との関係を示す図である。また、
図5は、露光装置60を退避位置から露光位置へ移動させるときの退避機構100の第一リンク部材101と開閉カバー91との関係を示す図である。
【0024】
図3に示すように、移動手段たる開閉カバー91には、第一リンク部材101のボス部101aを引っ掛ける鉤形状の作用部材としての引っ掛けレバー91aが設けられている。開閉カバー91が閉じられており、露光装置60が露光位置にあるときは、引っ掛けレバー91aは、ボス部101aから離間している。
【0025】
開閉カバー91を開いていくと、引っ掛けレバー91aがボス部101aに当接し、第一リンク部材101が図中反時計回りに回動する。このときは、第一リンク部材101は、連結機構103を介してトーションスプリング104により露光装置60を退避位置へ移動させる回動方向(図中反時計回り方向)と反対方向に付勢されている。従って、このときは、引っ掛けレバー91aで第一リンク部材101をトーションスプリング104の付勢力に抗して回動させることになる。
【0026】
トーションスプリング104の付勢力に抗して第一リンク部材101を回転させると、第一リンク部材101の回転の支点A2と、連結軸103cとを結ぶ線分A上に第一リンク部材101の第一連結部材支持位置A3がくる。上記線分A上に第一連結部材支持位置A3(支持軸101b)がくるまでの間は、連結軸103cが、第一リンク部材101から遠ざかる方向へ移動する。その結果、露光装置60のホルダ65が、バネ部材を圧縮して、先の
図3に示す露光位置から感光体ドラム3に近接する近接位置へと移動する。露光装置60が露光位置にあるとき、案内突起63と、露光案内孔105bの感光体ドラム側端部との間には、所定の隙間がある。このため、上記線分A上に第一連結部材支持位置A3がくるまでの間、ホルダ65が露光位置から感光体ドラム3に近接する近接位置へと移動できる。
【0027】
上記線分A上に第一連結部材支持位置A3がきた状態から引っ掛けレバー91aにより第一リンク部材101をさらに図中反時計回りに回動させると、第一連結部材支持位置A3が、線分Aよりも
図3の上側に移動する。すると、トーションスプリング104の力により、上側方向に移動させようとする力が第一連結部材支持位置A3に生じる。これにより、連結機構103を介してトーションスプリング104により露光装置60を退避位置へ移動させる回動方向(図中反時計回り)に、第一リンク部材101が付勢される。その結果、第一リンク部材101が、トーションスプリング104の付勢力により露光装置60を退避位置へ移動させる回動方向(図中反時計回り)に自動的に回転し、露光装置60を退避位置へ移動させる。
【0028】
また、第一リンク部材101が図中反時計回りに回動することで、連結軸103cが、連結案内孔105aに案内されて、開閉カバー91側(
図3の左側)へと移動する。すると、第二連結部材103bも開閉カバー側(
図3の左側)へと移動し、第二リンク部材102が支点A1を支点にして図中反時計回りに回動する。すると、支持突起62と案内突起63(
図6(a)参照)とが、露光案内孔105bに案内されながら、感光体ドラム3から離間する方向に持上げられる。
【0029】
第二リンク部材102の支持突起62を支持する支持孔102aが、支点A1側に延びる長孔形状となっている。このため、露光装置60は、円弧状の軌跡をとらず、露光案内孔105bに案内されながら、感光体ドラム3の法線方向に沿って直線状に露光位置から退避位置へと移動する。
【0030】
このように、本実施形態では、露光装置60が、露光位置から感光体ドラム3の法線方向に沿って直線状に退避位置へ移動する。よって、帯電ローラ4、現像装置2を露光装置60に近接配置しても、露光装置60を露光位置から退避位置へ移動させるときに移動の邪魔となることがない。
【0031】
露光案内孔105bは、
図6(a)に示すように露光位置から感光体ドラム3の法線方向に直線状に延びた後、プロセスカートリッジ50の引き出し方向とほぼ平行に延びている。そのため、露光装置が露光位置から退避位置へ移動する過程で、支持突起62が露光案内孔105bに案内されることで、露光装置60は、案内突起63を支点にして、図中反時計回りに回動し、露光装置60の姿勢が変更される。そして、案内突起63(
図6(a)参照)が、露光案内孔105bのプロセスカートリッジ50の引き出し方向とほぼ平行に延びて部分にくると、露光装置60が、
図4に示すように、プロセスカートリッジ引き出し方向と略平行な退避姿勢となる。
【0032】
このように、感光体ドラム3の法線方向に沿って直線状に露光装置60を移動させた後、露光装置60を回動させて、プロセスカートリッジ引き出し方向と略平行にしている。これにより、露光装置60を、プロセスカートリッジ50の着脱の邪魔とならない退避位置へ移動させるときの図中上下方向の移動量を、露光装置60を回動させない場合に比べて、少なくできる。これにより、露光装置60を露光位置と退避位置との間を移動するための図中上下方向スペースを狭めることができ、装置の小型化を図ることができる。
【0033】
プロセスカートリッジ50を交換するなどして、
図4に示す開閉カバー91が開位置にある状態から、開閉カバー91を閉めていくと、
図5に示すように、引っ掛けレバー91aの先端面911が支持軸101bに当接する。
【0034】
図5に示す状態から、開閉カバー91をさらに閉じていくと、引っ掛けレバー91aにより支持軸101bが押され、トーションスプリング104の付勢力に抗して、第一リンク部材101を図中時計回りに回動させる。そして、
図3に示す線分Aよりも図中下側に支持位置A3(支持軸101b)が来るまで、引っ掛けレバー91aの先端面911で支持軸101bを押して、トーションスプリング104の付勢力に抗して、第一リンク部材101を図中時計回りに回動させる。
図3に示す線分Aよりも図中下側に支持位置A3(支持軸101b)が来ると、トーションスプリング104の付勢力による第一リンク部材101の回動方向が切り替わる。これにより、第一リンク部材101がトーションスプリング104の付勢力による図中時計回りに自動で回動する。そして、第一リンク部材101の清掃用ボス部101c(
図6(a)参照)が、回動規制部105fに突き当たり、第一リンク部材101の図中時計回りの回動が規制されることで、露光装置60が露光位置に位置する。
【0035】
装置の構成によっては、外装カバーの内側にインナーカバーを設け、外装カバーを構成する開閉カバー91に引っ掛けレバー91aを設けられない場合がある。このような場合は、インナーカバーの装置内部を開閉するカバーに上記引っ掛けレバー91aを設けて、インナーカバーの開閉に連動して露光装置60を、退避位置と露光位置との間で移動させるようにすればよい。
【0036】
感光体ドラム3の周囲には、感光体ドラム3にトナーを付着させ、現像する現像装置2や、感光体ドラム3に残留した転写残トナーを除去するクリーニング装置5が配置されており、これら装置からトナーが飛散することがある。そのため、露光位置において、感光体ドラム3に近接配置される書込ヘッド64は、少なからずトナー飛散の影響を受け、飛散したトナーが書込ヘッド64のレンズ面64aに付着するおそれがある。レンズ面64aにトナーなどが付着すると、トナーが付着しているところは露光されず、白すじなどの異常画像が発生するおそれがある。
【0037】
そのため、レンズ面64aを定期的に清掃する必要がある。レンズ面64aを清掃する方法としては、例えば、露光装置60を装置本体から取り外してユーザーがクロス類でレンズ面64aを拭く方法がある。しかし、露光装置60を装置本体から取り外すのは手間である。そこで、露光装置60を外さずに先端に清掃部のついた清掃棒を用いてユーザーがレンズ面64aを拭く方法もある。しかし、清掃棒を挿して拭くのも1手間かかってしまう。
【0038】
そこで、本実施形態では、露光装置60の退避位置と露光位置との移動の途中でレンズ面64aを清掃する清掃装置としての露光クリーニング装置90を備えている。
【0039】
図6は、露光装置60の退避経路Rの途中にレンズ面64aを清掃する露光クリーニング装置90を配置した構成の説明図である。
露光クリーニング装置90は露光装置60の退避経路Rの途中にレンズ面64aを清掃する清掃部材としてブラシ69を有している。ブラシ69は、L字状の保持部材72に両面テープなどで固定されており、この保持部材72は本体ステーにねじ等で固定される。
【0040】
ブラシ69としてはその清掃性もさることながら、清掃圧が強いと露光装置60の退避時にブラシ69で引っかかってしまうため、そこに留意して選定する必要がある。ブラシ69は樹脂製のPETやポリエステル、ナイロン製などが清掃性も良く、柔らかい材質のため良い。その他にも除電性能に優れたSUSの繊維のものでも良いが、露光装置60のレンズ面64aを傷つけないように注意する必要がある。また、ブラシとして、繊維が細く、密度の高いものとすることで、清掃性が高く、柔軟性の優れたものにでき好ましい。
【0041】
露光装置60の長手方向に均等に清掃することができるため、ブラシ69の毛の長さは長手方向で一律同じとするのが好ましいが、毛の長さを場所により変えても良い。ブラシ69はレンズ面64aに付着した塵埃、トナーなどの付着物を、その毛の中に抱え込む形となるため、退避軌道の方向に毛を並べる形とすることで、より多くの付着物を清掃でき、好ましい。
【0042】
開閉カバー91の開閉により、露光装置60は露光位置から退避位置まで、直線と曲線の軌道を描いて退避経路Rを移動する。退避経路Rの曲線軌道の途中にブラシ69が配置されており、露光装置60が退避位置から露光位置まで移動する際にレンズ面64aがブラシ69に押し当てられる。これにより、トナーや塵埃などの付着物がレンズ面64aから除去され、レンズ面64aが清掃される。
【0043】
本実施形態では、清掃部材としてブラシを用いているが、清掃部材として、弾性をもったもので、薄いマイラーに布部材としての不織布を貼り付けたもの、スポンジシール材等でもよい。
【0044】
本実施形態では、露光装置60の移動は開閉カバー91の開閉と連動しているため、開閉カバー91の開閉により自動的にレンズ面64aが清掃される。開閉カバー91の内側にはプロセスカートリッジ50や搬送経路が存在し、紙詰まりを除去する作業のとき、または、プロセスカートリッジ50を交換する作業のときに開閉カバー91の開閉が行われる。これら作業を行うことで露光装置60のレンズ面64aも自動で清掃されるため、メンテナンス性に優れている。
【0045】
本実施形態では、露光位置と退避位置の退避経路Rの間にブラシ69を配置することで、開閉カバー91の開閉によりレンズ面64aが清掃される。このため、レンズ面64aの汚れによる画像不良が発生した場合、この開閉カバー91の開閉動作によりレンズ面64aを清掃して、画像不良の改善を図ることができる。しかし、1回の開閉による清掃動作で完全にレンズ面64aの付着物が取れない場合がある。従って、レンズ面64aの汚れによる画像不良が発生した場合、この開閉カバー91の開閉動作を複数回行ってレンズ面64aの汚れを行うように、操作マニュアルなどに記載しておくことになる。しかし、露光装置60の清掃のために大きい開閉カバー91の開閉を複数回行なうことは、作業者にそれなりの作業負荷が加わる。
【0046】
また、露光位置への移動中に、トーションスプリング104の付勢の方向が、露光装置60を退避位置へ移動させる方向から、露光装置60を露光位置へ移動させる方向に切り替わり、自動で露光装置60が露光位置へ移動する。そのため、再度、露光装置を、露光位置から退避位置へ移動させるには、開閉カバー91を一旦、閉じる必要があり、作業の負荷が大きい。さらに、操作量(回動量)が多く、これも清掃作業の負担に繋がる。
【0047】
そこで、本実施形態では、開閉カバー91の開閉以外にもレンズ面64aを清掃できるように、第一リンク部材101の横に清掃操作手段としての清掃レバー106が設けられている(
図2、6参照)。
【0048】
図7~
図9は、清掃レバー106を用いたレンズ面64aの清掃について説明する図である。
図7は、清掃レバー106が、清掃用ボス部101cに当接した状態を示しており、
図8は、レンズ面64aにブラシ69が接触した状態を示している。
図9は、清掃レバー106によるレンズ面64aの清掃が完了した状態を示している。
図7~
図9の(a)は、退避機構100を軸方向外側から見た図であり、
図7~
図9の(b)は、退避機構100を軸方向内側から見た図である。
【0049】
清掃レバー106は、操作部106aと、作動部106bと、板状の取り付け部106cとを有している。操作部106aは、利用者によって操作される。板状の取り付け部106cは、取り付け穴を有しており、取り付け穴は、カバー部材105に設けられたレバー支持軸105eに回転自在に取り付けられている。作動部106bは、取り付け部106cから上方に延び、第一リンク部材101の清掃用ボス部101cに対向するしている。
カバー部材105には、清掃用ボス部101cを逃がす逃がし溝105dと、清掃レバー106の回動を規制する規制突起105cとを有している。
【0050】
図7に示す状態から、利用者が清掃レバー106の操作部106aを、装置内部側(
図7(a)の矢印方向)に押すと、清掃レバー106が、レバー支持軸105eを支点にして回転する。すると、清掃レバー106の作動部106bが清掃用ボス部101cに当接し、第一リンク部材101を回動させる。そして、
図8に示すように、露光装置60のレンズ面64aがブラシ69に接触する清掃位置に露光装置60が移動し、レンズ面64aがブラシ69により清掃される。
図8に示す状態から、さらに清掃レバー106を押し込んでいくと、
図9に示すように、清掃レバー106の作動部106bが、規制突起105cに当接し、清掃レバー106の回動が規制される。
【0051】
図9に示すように、清掃レバー106の回動が規制突起105cに規制された状態において、第一連結部材支持位置A3は、第一リンク部材101の回動の支点A2と、連結軸103cとを結ぶ線分Aよりも図中上側に位置している。よって、この状態のときは、トーションスプリング104により第一リンク部材101は、
図9(a)の反時計回りに回動する方向に付勢されている。従って、利用者が清掃レバー106を離すと、トーションスプリング104の付勢力により露光装置60は、元の退避位置に戻っていく。
【0052】
これにより、清掃レバー106を押す作業のみでよく、開閉カバー91を開閉させてレンズ面64aを清掃するものに比べて、操作量を低減できる。よって、露光装置60に異物が大量に付着した場合など、何度も露光装置60のレンズ面64aをブラシ69に接触させて清掃する必要がある場合に、開閉カバー91を開け閉めするより楽に清掃することが可能となり、ユーザーの作業負担を低減するができる。
【0053】
ブラシ69は、露光装置60のレンズ面64aに接触して弾性変形しながら、レンズ面64aを摺擦して、レンズ面64aに付着したトナーなどの付着物を除去する。除去した付着物は、ブラシ69の毛の中に抱え込まれるが、レンズ面64aから除去された付着物の一部は、ブラシ69の弾性力により弾かれて飛散する場合があった。
【0054】
本実施形態では、開閉カバー91の開閉や、清掃レバー106の操作により露光装置60が退避位置と露光位置との間を移動する構成である。そのため、露光装置60の移動スピードが、開閉カバー91の開閉スピードや、清掃レバー106の操作スピードに依存し、露光装置60の移動スピードが速い場合がある。このように、露光装置60の移動スピードが速いと、ブラシ69の変形スピードが速くなり、ブラシ69により弾かれて飛散する付着物が多くなる。飛散した付着物は、ブラシ69の周囲を舞った後、装置内の部材に付着する。例えば、装置内の部材として転写ローラに、レンズ面64aの清掃時に飛散した付着物が付着すると、転写ニップにおいて、転写ローラから用紙に転移して、用紙を汚してしまうおそれがある。また、ジャム紙を除去する際に、ブラシ69によって飛散した付着物がユーザーの手に付着してユーザーの手を汚してしまうなどの不具合などを引き起こすおそれがある。
【0055】
そこで、本実施形態では、レンズ面64aの清掃時に飛散した付着物を、フィルターへ移送し、フィルターで捕捉するようにした。
【0056】
図10は、ブラシ69付近を示す拡大概略構成図である。
図10に示すように、本実施形態においては、気流発生手段たる吸気ファン19と、フィルター18とを有している。吸気ファン19の回転によって、ブラシ69の周囲の空気が吸気ファン19へ吸引される。そして、吸気ファン19からフィルター18へ向けて空気が流れる。このように、吸気ファン19によりブラシ69からフィルター18へ向けて流れる気流が発生する。
【0057】
吸気ファン19により発生した気流により、レンズ面64a清掃時にブラシ69により弾き飛ばされてブラシ69の周囲に舞った付着物は、図中矢印Dに示すように、気流とともにフィルター18へ向かう。そして、気流とともにフィルター18に向かった付着物fは、フィルター18に捕捉される。
【0058】
このように、レンズ面64a清掃時にブラシ69の周囲に舞った付着物fは、フィルター18に回収されるため、ブラシ69の周囲に舞った付着物fにより装置内が汚れるのを抑制することができる。その結果、用紙の汚れおよびジャム処理時にユーザーの手などに付着物が付着するのを抑制することができる。
【0059】
吸気ファン19を、常時回転駆動させて、常にブラシ69の周囲にフィルター18へ向かう気流を発生させてもよいし、ブラシ69がレンズ面64aを清掃する露光装置60の露光位置と退避位置との間の移動動作時にのみ回転駆動させるようにしてもよい。
【0060】
露光装置60の露光位置と退避位置との間の移動動作時にのみ吸気ファン19を回転駆動させる場合は、例えば、第一リンク部材101の回動を検知する検知センサを設ける。そして、この検知センサが第一リンク部材101の回動を検知したら、吸気ファン19の回転駆動を開始する。第一リンク部材101の回転の停止を検知センサが検知したら、吸気ファン19の回転駆動を停止する。これにより、露光装置60の移動動作時のみ、吸気ファン19を駆動することができ、省電力化を図ることができる。
【0061】
また、露光装置60の露光位置と退避位置との間の移動動作は、開閉カバー91の開閉により行われため、開閉カバー91の開閉に基づいて、吸気ファン19を駆動するようにしてもよい。具体的には、開閉カバー91に被検知部を設け、開閉カバー91が閉じ位置にあるときに被検知部を検知する開閉センサを設ける。開閉カバー91を開き始めると開閉センサが被検知部を検知しなくなり、この開閉センサが被検知部を検知しなくなることをトリガーにして、吸気ファン19の回転駆動を開始する。これにより、開閉カバー91の開きに連動した露光装置60が、清掃位置に到達する前に、吸気ファン19の回転駆動を開始することができる。これにより、開閉カバー91の開き動作におけるレンズ面清掃時に舞った付着物を、良好にフィルター18に向けて移動させることができる。
【0062】
開閉カバー91の開閉に基づいて、吸気ファン19を駆動する構成とした場合は、開閉カバー91が開かれた後も、吸気ファン19を回転駆動させて、ブラシ周囲にフィルター18へ向かう気流を発生させる。これは、開閉カバー91が開かれているときは、上述したようにユーザーが清掃レバー106を操作して、露光装置60を退避位置から移動させてレンズ面64aを清掃することがある。従って、開閉カバー91が開かれているとき、吸気ファン19を回転駆動させることで、清掃レバー106の操作によるレンズ面64aの清掃で舞い散った付着物を、気流によりフィルター18へ移送することができ、フィルター18に回収することができる。
【0063】
開閉カバー91を閉じるときは、開閉カバー91が閉じられる直前に、開閉センサが被検知部を検知する。そして、開閉センサが被検知部を検知して規定時間経過したら吸気ファン19の駆動を停止する。これにより、開閉カバー91の閉じ動作におけるレンズ面清掃時は、吸気ファン19が回転駆動しており、このレンズ面清掃時に舞った付着物を、気流によってフィルター18へ移動させることができる。また、開閉センサが被検知部を検知して規定時間経過後に、吸気ファン19の駆動を停止することで、レンズ面清掃時に舞った付着物がフィルター18に到達する前に気流が停止するのを防止でき、良好にフィルター18に付着物を回収することができる。
【0064】
開閉カバー91を開くと大きな開口が生じ、開閉カバー91の開閉による装置内の圧力変動が大きく機内に吸い込みおよび掃き出しの気流が発生する。具体的には、開閉カバー91を開けると、開閉カバー91が通過した箇所が負圧となる。その結果、開閉カバー91の開口には、機内の空気が外部へ掃き出される掃き出し気流が発生する。また、機内の空気が外部に掃き出されることで、機内が負圧となり、装置の排気口から外部の空気が吸い込まれる吸い込み気流が発生する。
【0065】
フィルター18を、装置の排気口と対向するように配置している場合、開閉カバー91を開くときに排気口に発生する吸い込み気流により、フィルター18へ向かう気流とは、逆の気流が発生する。その結果、開閉カバー91を開く際のレンズ面64a清掃時にブラシ周囲に舞った付着物がフィルター18に回収されず、装置内の部材に付着するおそれがある。
【0066】
よって、開閉カバー91を開くとき、吸気ファン19の回転数を上げて、フィルター18へ向かう気流を開閉カバー91の開きで発生したフィルター18から離れる気流よりも強くするのが好ましい。これにより、開閉カバー91を開くときのレンズ面64aの清掃で舞った付着物を、吸気ファン19の気流によりフィルター18へ向かわせることができ、フィルター18に回収することができる。
【0067】
例えば、開閉センサが被検知部を検知しなくなり、開閉カバー91の開き動作の開始を検知してから開閉カバー91が開かれるまでの規定時間、吸気ファン19の回転数を通常時よりも上げる。そして、規定時間経過したら、吸気ファン19の回転数を通常時に落とす。これにより、開閉カバー91を開くときのレンズ面64aの清掃で舞った付着物を、吸気ファン19の気流によりフィルター18へ向かわせることができ、フィルター18に回収することができる。また、開閉カバー91を開いた後は、吸気ファン19の回転数が落とされるので、吸気ファン19の風切り音を抑えることができ、装置の騒音を抑制することができる。清掃レバー106の操作によるレンズ面清掃時は、装置内部に吸い込み気流や掃き出し気流が発生しないため、通常時の回転数でも、ブラシ周囲に舞った付着物を気流によりフィルターへ良好に移送することができる。
【0068】
また、開閉カバー91を閉じるときは、開閉カバー91により押し出された空気が開口から装置内部に流入する。そのため、排気口には、装置の空気が掃き出される掃き出し気流が発生する。このような、掃き出し気流によって、ブラシからフィルター18へ向かう気流が発生する場合がある。このような場合は、開閉カバー91を閉じる動作時に吸気ファン19を回転駆動しないようにし、消費電力を抑えるようにしてもよい。
【0069】
装置の構成およびフィルター18の配置によっては、開閉カバー91を閉じるときに装置内部に流入した空気により、ブラシからフィルター18へ向かう気流が発生しない、または、フィルターへ向かう気流が弱い場合がある。このような場合は、開閉カバー91を閉じる動作のときも吸気ファン19を回転駆動させて、吸気ファン19の気流で、開閉カバー91を閉じるときのレンズ面清掃時に舞った付着物をフィルター18へ移送させるようにしてもよい。
【0070】
また、装置の構造によっては、開閉カバー91を閉じるときに装置内部に流入した空気により、ブラシからフィルターへ向かう方向とは逆向きの気流が発生するような場合もある。このような場合は、この開閉カバー91を閉じるときの吸気ファン19の回転数を、清掃レバー106の操作時の回転数よりも上げてもよい。これにより、開閉カバー91を閉じるときに吸気ファン19により発生する気流を、清掃レバー106の操作時に発生する気流よりも強くでき、開閉カバーの閉じ動作におけるレンズ面清掃時に舞った付着物を良好にフィルター18へ移送することができる。
【0071】
また、開閉カバーを開くときにブラシ周囲に発生する気流の方向においてブラシよりも下流側と、開閉カバーを閉じるときにブラシ周囲に発生する気流の方向においてブラシよりも下流側とにそれぞれフィルター18を配置し、吸気ファン19を無くしてもよい。この構成においては、開閉カバー91が気流発生手段として機能する。このような構成とすることで、開閉カバー91の開閉時のレンズ面清掃で舞った付着物を、開閉カバー91の開閉で機内に発生した気流によりフィルター18へ移送でき、フィルターに回収することができる。
【0072】
図11は、本実施形態の変形例について、示す概略構成図である。
この
図11に示す構成は、気流誘導手段としてのダクト20を設けたものである。
ダクト20を設けることで、気流の指向性を高めることができ、ブラシ周囲の空気を効率的にフィルター18へ誘導することができる。これにより、良好にレンズ面64a清掃時に舞った付着物を、フィルター18へ移動させることができ、フィルター18に回収することができる。
【0073】
また、上述では、吸気ファンを用いて、ブラシの周囲の空気を吸気してフィルターに向かう気流を発生させているが、ブラシの周囲の空気をフィルターに向けて送り出す送風ファンを用いてもよい。しかし、吸気ファンを用いることで、ブラシの周囲の空気を、吸気ファンに集めて、フィルターに向けて送り出すことができるため、送風ファンに比べて、良好に、ブラシ周囲を舞っている付着物をフィルターで回収することができ好ましい。
【0074】
図12は、ファンの駆動の変形例を示す概略構成図である。
この
図12は、退避機構100とファン22とを、ギヤ列21で駆動連結して、退避機構100の動作に連動してファン22を回転駆動させるものである。
このギヤ列21の入力ギヤ21aは、退避機構100の第一リンク部材101に設けられたギヤに噛み合っている。また、ギヤ列21の出力ギヤ21bは、ファン22に設けられたギヤ22aに噛み合っている。
【0075】
第一リンク部材101が回転すると、第一リンク部材101に連結されたギヤ列21の各ギヤが回り、ギヤ列21に駆動連結しているファン22が回転する。これにより気流を発生させることができる。
【0076】
なお、かかる構成においては、露光装置を退避位置から露光位置へ移動させるときと、露光位置から退避位置へ移動させるときとで、ファン22の回転方向が異なる。そのため、露光装置60を退避位置から露光位置へ移動させるときと、露光位置から退避位置へ移動させるときとで、気流の向きが異なる。よって、かかる構成においては、フィルター18を、ブラシ69に対してファン配置側と、ファン配置側と反対側とにそれぞれ設けるのが好ましい。
【0077】
また、気流発生手段として、シロッコファンやターボファンなど、ファンの回転方向が異なっても、送風方向が同一のものを用いてもよい。回転方向が異なっても、送風方向が同一のファンを用いることで、フィルター18を一つにできる。
【0078】
また、この
図12では、第一リンク部材101とファンとを駆動連結しているが、第二リンク部材102とファン22とを駆動連結してもよい。第二リンク部材102は、第一リンク部材101よりもブラシ側に配置されるため、第二リンク部材102とファンとの間を駆動連結するギヤ列のギヤの数を削減することができる。
【0079】
また、この
図12では、複数のギヤで構成されたギヤ列により第一リンク部材101とファン22とを駆動連結しているが、プーリとタイミングベルトとを用いて、第一リンク部材101とファン22とを駆動連結してもよい。
【0080】
また、
図13に示すように、ラックアンドピニオンを用いて、第一リンク部材101とファン22とを駆動連結してもよい。
図13に示す構成では、第一リンク部材101のギヤに噛み合うピニオンギヤ23と、ファンのギヤ22aとがラックギヤ24に噛み合っている。
【0081】
第一リンク部材101が回転すると、ピニオンギヤ23が回転し、ラックギヤ24が、図中矢印方向に並進運動し、ファン22のギヤ22aが回転して、ファン22が回転する。これにより気流を発生させることができる。
【0082】
なお、
図13に示す構成では、例えば、ラックギヤ24を、連結軸103cに連結して、連結軸103cの連結案内孔105aの往復移動に連動して、ラックギヤ24を往復移動させてもよい。また、ラックギヤ24を開閉カバー91の開閉に連動して往復移動するように構成してもよい。
【0083】
図12、
図13に示す構成では、ファンに電力を印加せずにファンを回転させることができ、装置の省電力化を図ることができる。また、ファンの駆動を制御する制御プログラム、および、開閉カバー91の開閉や退避機構の駆動を検知するセンサなどを用いることなく、露光装置60の露光位置と退避位置との間の移動動作時に、ファンを回転させることができる。また、露光装置60の移動スピードに応じて、ファンの回転数が変化する。そのため、露光装置60の移動スピードが速く、レンズ面64a清掃時に多くの付着物が舞い散るおそれのあるときは、ファンの回転数が上がり、気流を強くすることができる。これにより、効率的にブラシ周囲に舞い散った付着物を、フィルターに回収することができる。よって、露光装置60の移動スピードが速く、レンズ面64a清掃時に多くの付着物が舞い散っても、これら舞い散った付着物を良好にフィルターで回収することができる。
【0084】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
露光装置60のレンズ面64aに接触してレンズ面64aを清掃するブラシ69などの清掃部材を備えた露光クリーニング装置90などの清掃装置において、清掃部材からフィルター18へ向けて流れる気流を発生させる吸気ファン19などの気流発生手段を備えた。
これによれば、実施形態で説明したように、レンズ面清掃時に飛散した付着物は、気流発生手段により発生した気流によりフィルターに向けて移動し、フィルターに捕捉される。これにより、飛散した付着物により装置が汚れてしまうのを抑制することができる。
【0085】
(態様2)
態様1において、ブラシ69などの清掃部材は、潜像担持体に近接した露光位置と潜像担持体から離間した退避位置との間の露光装置60の移動時に露光装置60のレンズ面64aを清掃するものであって、吸気ファン19などの気流発生手段は、露光装置60の露光位置と退避位置との移動時に、気流を発生させる。
これによれば、実施形態で説明したように、レンズ面64aの清掃時に気流を発生することができ、清掃時に舞った付着物を、気流によりフィルター18へ移送してフィルター18に回収することができる。
【0086】
(態様3)
態様2において、ファン22などの気流発生手段は、露光位置と退避位置との間で露光装置を移動させる退避機構100などの移動機構に駆動連結している。
これによれば、
図12、
図13を用いて説明したように、ファンなどの気流発生手段に電力を印加せずに気流を発生させることができ、装置の省電力化を図ることができる。
【0087】
(態様4)
態様1において、ブラシ69などの清掃部材は、当該清掃装置を収納する画像形成装置の開閉カバー91などのカバーの開閉動作時にレンズ面64aを清掃するものであって、気流発生手段は、カバーを開く動作のときに気流を発生させる。
これによれば、実施形態で説明したように、カバーを開くときは、機内にフィルターへ向かう方向とは逆方向の気流が発生しやすい。そのため、カバーを開くときにフィルターへ向かう気流を気流発生手段により発生させることで、カバーを開く動作におけるレンズ面64a清掃時に舞った付着物を気流発生手段の気流によりフィルター18へ移送することができる。
【0088】
(態様5)
態様4において、気流発生手段は、カバーを閉じる動作のときに気流を発生させる。
これによれば、実施形態で説明したように、装置の構造やフィルターの配置で、カバーを閉じるときに清掃部材からフィルターへ向かう気流が発生しなかったり、発生する気流が弱かったりしても、カバーを閉じる動作におけるレンズ面64a清掃時に舞った付着物を吸気ファンなどの気流発生手段により発生させた気流でフィルターへ移送することができる。
【0089】
(態様6)
態様5において、吸気ファン19などの気流発生手段は、カバーを開く動作のときの気流の強さを、カバーを閉じる動作のときの気流よりも強くした。
これによれば、実施形態で説明したように、開閉カバーを開くときは、機内にフィルター18へ向かう方向とは、逆方向の気流が発生し、開閉カバー91を閉じるときは、機内にフィルター18へ向かう方向の気流が発生しやすい。
よって、カバーを開く動作のときの気流の強さを、カバーを閉じる動作のときの気流よりも強くすること、カバーを開くときに機内に発生したフィルターへ向かう方向とは逆方向の気流よりも強くすることができ、清掃時に舞った付着物を、気流によりフィルター18へ移送してフィルター18に回収することができる。一方、閉じる動作のときは、気流発生手段で発生させる気流を抑えることができ、風切り音などの騒音を抑制できる。また、消費電力を抑えることができる。
【0090】
(態様7)
態様5または6において、吸気ファン19などの気流発生手段の駆動を、開閉カバー91などのカバーの開閉動作に連動させる。
これによれば、開閉カバー91などのカバーの開閉動作におけるレンズ面64aの清掃時に舞い散ったトナーなどの付着物fを、気流によりフィルター18へ移送することができる。
【0091】
(態様8)
態様1乃至7いずれかにおいて、気流をフィルターに誘導するダクト20などの気流誘導手段を備える。
これによれば、実施形態で説明したように、ブラシ周囲の空気を効率的にフィルター18へ誘導することができ、良好にレンズ面64a清掃時に舞った付着物を、気流によってフィルター18へ移送させることができる。
【0092】
(態様9)
態様1乃至8いずれかにおいて、吸気ファン19などの気流発生手段は、空気を吸引して前記清掃部材からフィルターへ向けて流れる気流を発生させる。
これによれば、実施形態で説明したように、ブラシ69などの清掃部材の周囲の空気をフィルター18へ送り出す気流発生手段よりも、良好に清掃部材の周囲を舞っている付着物をフィルターで回収することができる。
【0093】
(態様10)
感光体ドラム3などの潜像担持体と、露光装置60と、露光装置60のレンズ面64aを清掃する清掃装置とを備えた画像形成装置において、清掃装置として、態様1乃至9いずれかの清掃装置を用いた。
これによれば、装置内部の汚れを抑制することができる。
【0094】
(態様11)
態様10において、露光装置60を、感光体ドラム3などの潜像担持体に近接した露光位置と潜像担持体から離間した退避位置との間で移動させる退避機構100などの移動機構を備え、移動機構は、装置を開閉する開閉カバー91などのカバーの開閉動作に連動して露光装置を、露光位置と退避位置との間を移動させる。
これによれば、開閉カバー91を開いて、感光体ドラム3などの潜像担持体を備えたユニットを交換するときは、露光装置は退避位置に位置しているので、露光装置が邪魔となるのを抑制でき、良好にユニットの交換を行うことができる。
【符号の説明】
【0095】
1 :プリンタ
3 :感光体ドラム
18 :フィルター
19 :吸気ファン
20 :ダクト
21 :ギヤ列
21a :入力ギヤ
21b :出力ギヤ
22 :ファン
22a :ギヤ
23 :ピニオンギヤ
24 :ラックギヤ
50 :プロセスカートリッジ
60 :露光装置
62 :支持突起
63 :案内突起
64 :書込ヘッド
64a :レンズ面
65 :ホルダ
69 :ブラシ
70 :転写ローラ
72 :保持部材
90 :露光クリーニング装置
91 :開閉カバー
91a :引っ掛けレバー
100 :退避機構
101 :第一リンク部材
101a :ボス部
101b :支持軸
101c :清掃用ボス部
102 :第二リンク部材
102a :支持孔
102b :引っ掛け部
103 :連結機構
103a :第一連結部材
103b :第二連結部材
103c :連結軸
104 :トーションスプリング
105 :カバー部材
105a :連結案内孔
105b :露光案内孔
105c :規制突起
105d :逃がし溝
105e :レバー支持軸
105f :回動規制部
106 :清掃レバー
106a :操作部
106b :作動部
106c :取り付け部
911 :先端面
R :退避経路
f :付着物
【先行技術文献】
【特許文献】
【0096】